JP2020181888A - 金属酸化物粒子、インク組成物および発光素子 - Google Patents

金属酸化物粒子、インク組成物および発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】電子注入効率の高い電子輸送性の層を形成し得る金属酸化物粒子およびインク組成物、ならびに発光効率に優れる発光素子を提供する。【解決手段】本発明の金属酸化物粒子は、電子輸送性を有する層を形成するのに使用され、主金属と、該主金属に対して5〜13原子%のアルカリ金属とを含有し、平均一次粒子径が1.5〜5nmであることを特徴とする。本発明のインク組成物は、前記金属酸化物粒子と、該金属酸化物粒子を分散する分散媒とを含有することを特徴とする。また、本発明の発光素子は、陽極と、該陽極と対向して設けられた陰極と、前記陽極と前記陰極との間に設けられた発光層と、該発光層と前記陰極との間に設けられ、前記金属酸化物粒子を含む電子輸送性を有する層とを備えることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、金属酸化物粒子、インク組成物および発光素子に関する。
LED、有機EL素子のような電界発光を利用した素子は、各種表示装置等の光源として広く利用されている。発光性の有機材料で構成された発光層を陰極と陽極との間に設けた有機EL素子は、無機EL素子に比べて駆動印加電圧を大幅に低下させることができるだけでなく、多彩な発光色の素子を作製することができる。
さらに発光効率の向上を目指して、陰極および陽極と発光層との間に、各種目的の層を設けたデバイス構造が提案されている。
例えば、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けたり、さらに電子輸送層と陰極との間に電子注入層を設けたりする。かかる電子輸送層や電子注入層の性能は、素子特性(発光効率)に大きな影響を与えるため、その改良が急がれている(例えば、特許文献1参照)。
特表2012−533156号公報
本発明の目的は、電子注入効率の高い電子輸送性の層を形成し得る金属酸化物粒子およびインク組成物、ならびに発光効率に優れる発光素子を提供することにある。
このような目的は、下記の(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1) 電子輸送性を有する層を形成するのに使用される金属酸化物粒子であって、
主金属と、該主金属に対して5〜13原子%のアルカリ金属とを含有し、
平均一次粒子径が1.5〜5nmであることを特徴とする金属酸化物粒子。
(2) 前記主金属は、亜鉛を含む上記(1)に記載の金属酸化物粒子。
(3) 上記(1)または(2)に記載の金属酸化物粒子と、
該金属酸化物粒子を分散する分散媒とを含有することを特徴とするインク組成物。
(4) 前記インク組成物中における前記金属酸化物粒子の平均二次粒子径(体積分布平均径)は、5〜30nmである上記(3)に記載のインク組成物。
(5) 前記インク組成物中における前記金属酸化物粒子の量は、1〜20質量%である上記(3)または(4)に記載のインク組成物。
(6) 前記分散媒は、芳香族エーテル化合物およびアルコール化合物のうちの少なくとも一方を含有する上記(3)〜(5)のいずれか1つに記載のインク組成物。
(7) 陽極と、
該陽極と対向して設けられた陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に設けられた発光層と、
該発光層と前記陰極との間に設けられ、上記(1)または(2)に記載の金属酸化物粒子を含む電子輸送性を有する層とを備えることを特徴とする発光素子。
(8) 前記電子輸送性を有する層は、その前記発光層と反対側の面の算術平均粗さ(Ra)が3nm以下である上記(7)に記載の発光素子。
本発明によれば、電子注入効率の高い電子輸送性の層を形成することができ、よって、発光効率の高い発光素子を得ることができる。
本発明の発光素子の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の金属酸化物粒子、インク組成物および発光素子について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<金属酸化物粒子>
本発明の金属酸化物粒子は、電子輸送性を有する層を形成するのに使用される。電子輸送性を有する層としては、後述する電子輸送層や電子注入層が挙げられる。
この金属酸化物粒子は、主金属と、アルカリ金属とを含有する。主金属とは、金属酸化物を構成(結晶格子を形成)する主要な金属原子であり、アルカリ金属以外の金属原子である。なお、本発明の金属酸化物粒子において、アルカリ金属は、金属酸化物の結晶格子の一部を形成しても、形成しなくてもよい。
金属酸化物粒子の平均一次粒子径(電子顕微鏡観察による測長の平均径)は、1.5〜5nm程度であり、2〜4nm程度が好ましい。また、金属酸化物粒子は、主金属に対してアルカリ金属を5〜13原子%で含有し、5〜10原子%で含有することが好ましく、5〜6.5原子%で含有することがより好ましい。ここで、「金属酸化物粒子が主金属に対してアルカリ金属をX原子%で含有する。」とは、金属酸化物粒子が、主金属の原子100個に対して、アルカリ金属の原子をX個含有することを意味する。なお、主金属に対するアルカリ金属の割合(含有率)は、原子吸光分光法(AAS)、誘導結合プラズマ発光分析(ICP−AES)または誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)によって測定することができる。
かかる構成の金属酸化物粒子を用いることにより、電子注入効率の高く、かつ透明性が良好な電子輸送性の層を形成することができる。
なお、主金属に対するアルカリ金属の割合が5原子%未満であると、電子輸送性の層の電子注入効率を高めることができない。一方、主金属に対するアルカリ金属の割合が13原子%を上回ると、金属酸化物粒子が凝集して平均二次粒子径(体積分布平均径)が大きくなる。その結果、形成される電子輸送性の層の表面粗さが大きくなり過ぎるとともに透明性が低下し、結果として、発光素子の発光効率が低下する。
金属酸化物を構成する主金属としては、例えば、Sn、Zn、Ti、In、Be、Mg、Ca、Cu、Ag、Au、Al、Ga等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。なお、2種以上の主金属を使用する場合、それらの量比(組成比)も特に限定されない。
中でも、主金属としては、Zn(亜鉛)を含むこと(例えば、Zn単独、またはZnとMgとの組み合わせ等)が好ましい。亜鉛とアルカリ金属とを含有する金属酸化物を用いることにより、特に電子注入効率が高い電子輸送性の層を形成し易い。
このような金属酸化物粒子は、金属酸化物の原料を含有する溶液を調製し、ゾルゲル法により作製することができる。
具体的には、金属酸化物粒子は、主金属の塩を溶媒に溶解させた溶液と、別途アルカリ金属の塩を溶媒に溶解させた溶液とを調製し、目的とする粒子径に応じて一方の溶液をもう一方の溶液に素早く、または連続的に供給して混合する。溶液の供給方法としては、供給された溶液が瞬時に系内に均一拡散できるよう滴下法や注入法を用いることができる。ここでいう滴下法とは、供給する溶液の供給管を、供給される側の溶液上部の空間に配置し、供給する溶液を供給される側の溶液表面に滴状にして落としつつ反応させる方法を指す。一方、注入法とは、供給する溶液の供給管を供給される側の溶液中に設置し、供給する溶液を供給される側の溶液中に直接導入し、反応させる方法を指す。凝集した粗大粒子の生成を低減できる点から、注入法を用いることが好ましい。また、必要に応じて加熱、冷却することにより粒子を生成させることができる。
主金属が亜鉛の場合、使用可能な金属塩としては、例えば、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛のような無機亜鉛化合物、酢酸亜鉛、ジメトキシ亜鉛、ジエトキシ亜鉛、亜鉛アセチルアセトナートのような有機亜鉛化合物等が挙げられる。
主金属がスズの場合、使用可能な金属塩としては、例えば、二塩化スズ、四塩化スズのような無機スズ化合物、ジメチルスズジクロリド、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズジアセタート、ジブチルスズジアセトナートのような有機スズ化合物等が挙げられる。
主金属がチタンの場合、使用可能な金属塩としては、例えば、四塩化チタン、硫酸チタニルのような無機チタン化合物、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタンのような有機チタン化合物等が挙げられる。
主金属がインジウムの場合、使用可能な金属塩としては、例えば、塩化インジウム、臭化インジウム、ヨウ化インジウム、硝酸インジウムのような無機インジウム化合物、酢酸インジウム、ラウリン酸インジウム、ステアリン酸インジウム、インジウムアセチルアセトナートのような有機インジウム化合物が挙げられる。
一方、金属酸化物粒子にアルカリ金属を導入(ドープ)するための金属塩としては、例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウムのような酢酸塩類、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウムのようなハロゲン化物類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムのような水酸化物類、メトキシリチウム、メトキシナトリウム、メトキシカリウムのようなアルコキシド類等が挙げられる。
なお、これらの金属塩として、主金属の塩から金属酸化物粒子が生成される速度と同等の反応速度を有する塩を選択すれば、アルカリ金属が金属酸化物粒子内に均一に取り込まれ易くなるので好ましい。
なお、混合溶液には、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドのような四級アンモニウム水酸化物、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのようなアミン類、アンモニア等を添加するようにしてもよい。
使用可能な溶媒としては、特に限定されないが、金属酸化物粒子の分散性、混合溶液の撹拌効率を考慮して、粘度が5mPa・s以下の化合物であることが好ましい。また、溶媒は、親水性溶媒が好ましい。
かかる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールのような炭素数3以下のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、アセトン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
中でも、溶媒としては、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシドまたはこれらの組み合わせが好ましい。
また、金属酸化物粒子の表面には、分散剤(有機リガンド)が担持されていてもよい。分散剤としては、例えば、カルボン酸化合物、リン原子含有化合物、窒素原子含有化合物、硫黄原子含有化合物、有機ケイ素化合物等が挙げられる。
分散剤の具体例としては、例えば、オレイン酸;リン酸トリエチル、TOP(トリオクチルホスフィン)、TOPO(トリオクチルホスフィンオキサイド)、ヘキシルホスホン酸(HPA)、テトラデシルホスホン酸(TDPA)、オクチルホスフィン酸(OPA)のようなリン原子含有化合物;モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、オレイルアミン、プロピルアミン、オクチルアミン、トリオクチルアミン、ヘキサデシルアミン、アミノピリダジンのような窒素原子含有化合物;1−デカンチオール、オクタンチオール、ドデカンチオール、アミルスルフィドのような硫黄原子含有化合物、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、メチルトリメトキシシラン(MTMS)、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS)、トリメチルメトキシシラン(TMMS)、フェニルトリメトキシシラン(PhTMS)、プロピルトリメトキシシラン(PTMS)のような有機ケイ素化合物等が挙げられる。
<インク組成物>
本発明のインク組成物は、上記金属酸化物粒子と、この金属酸化物粒子を分散する分散媒とを含有する。
なお、本発明のインク組成物は、必要に応じて、例えば、界面活性剤等を含有してもよい。
<<分散媒>>
分散媒としては、特に限定されないが、例えば、芳香族炭化水素化合物、芳香族エステル化合物、芳香族エーテル化合物、芳香族ケトン化合物、脂肪族炭化水素化合物、脂肪族エステル化合物、脂肪族エーテル化合物、脂肪族ケトン化合物、アルコール化合物、アミド化合物、チオール化合物、他の化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
中でも、分散媒は、芳香族エーテル化合物およびアルコール化合物のうちの少なくとも一方を含有することが好ましい。かかる分散媒は、金属酸化物粒子にダメージを与え難いことから好ましい。
芳香族炭化水素化合物としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、tert−ブチルベンゼン、インダン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、1、2、3、4−テトラヒドロナフタレン、ナフタレン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1−メチルナフタレン、ビフェニル、2−エチルナフタレン、1−エチルナフタレン、オクチルベンゼン、ジフェニルメタン、1,4−ジメチルナフタレン、ノニルベンゼン、イソプロピルビフェニル、3−エチルビフェニル、ドデシルベンゼン等が挙げられる。
芳香族エステル化合物としては、例えば、酢酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、プロピオン酸フェニル、安息香酸イソプロピル、4−メチル安息香酸メチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソペンチル、エチル p−アニセート、フタル酸ジメチル等が挙げられる。
芳香族エーテル化合物としては、例えば、ジメトキシベンゼン、メトキシトルエン、エチルフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、4−メチルアニソール、2,6−ジメチルアニソール、エチルフェニルエーテル、プロピルフェニルエーテル、2,5−ジメチルアニソール、3,5−ジメチルアニソール、4−エチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、ブチルフェニルエーテル、p−ジメトキシベンゼン、p−プロピルアニソール、m−ジメトキシベンゼン、2−メトキシ安息香酸メチル、1,3−ジプロポキシベンゼン、ジフェニルエーテル、1−メトキシナフタレン、3−フェノキシトルエン、2−エトキシナフタレン、1−エトキシナフタレン等が挙げられる。
芳香族ケトン化合物としては、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、4’−メチルアセトフェノン、4’−エチルアセトフェノン、ブチルフェニルケトン等が挙げられる。
脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、テトラデカン、オクタデセン等が挙げられる。
脂肪族エステル化合物としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸ヘキシル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、アミルバレラート、エチルレブリレート、γ−バレロラクトン、オクタン酸エチル、γ−ヘキサラクトン、イソアミルヘキサネート、アミルヘキサネート、酢酸ノニル、デカン酸メチル、グルタル酸ジエチル、γ−ヘプタラクトン、ε−カプロラクトン、オクタラクトン、炭酸プロピレン、γ−ノナノラクトン、ヘキサン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、δ−ノナノラクトン、グリセロール三酢酸、δ−デカノラクトン、アジピン酸ジプロピル、δ−ウンデカラクトン、δ−トリデカノラクトン、δ−ドデカラクトン、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1,3−ブタンジオールジアセテート、1,4−ブタンジオールジアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
脂肪族エーテル化合物としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル等が挙げられる。
脂肪族ケトン化合物としては、例えば、ジイソブチルケトン、シクロヘプタノン、イソホロン、6−ウンデカノン等が挙げられる。
アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、1−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、プロピレングリコ−ル、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチル 3−ヒドロキシヘキサネート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、シクロヘキサノール、2−ブトキシエタノール等が挙げられる。
アミド化合物としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
チオール化合物としては、例えば、1−ウンデカンチオール、1−ドデカンチオール等が挙げられる。
他の化合物としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、アセトン、クロロホルム、塩化メチレン等が挙げられる。
インク組成物中において、金属酸化物粒子の少なくとも一部は凝集体を形成している。インク組成物中における金属酸化物粒子(凝集体を含む)の平均二次粒子径は、5〜30nm程度であることが好ましく、5〜15nm程度であることがより好ましい。この場合、表面平滑性および透明性の高い電子輸送性の層を形成し易く、よって発光素子の発光効率をより高めることができる。
また、インク組成物中に含まれる金属酸化物粒子の量は、特に限定されないが、1〜20質量%程度であることが好ましく、2〜10質量%程度であることがより好ましい。かかる量で金属酸化物粒子を含むインク組成物であれば、均一な厚さを有する電子輸送性の層を形成し易い。
なお、金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡により複数個の金属酸化物粒子について径を測定し、その平均値を算出することにより得られる。
また、金属酸化物粒子の平均二次粒子径は、粒度分布測定装置を用いた動的光散乱測定によって得られる。
<<界面活性剤>>
界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、炭化水素系界面活性剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。中でも、電荷をトラップし難いことから、シリコーン系界面活性剤および/または炭化水素系界面活性剤が好ましい。
シリコーン系界面活性剤および炭化水素系界面活性剤としては、低分子型または高分子型の界面活性剤を用いることができる。
これらの具体例としては、例えば、ビックケミー社製のBYKシリーズ、日信化学工業株式会社製のサーフィノール等が挙げられる。中でも、インク組成物を塗布した際に表面平滑性の高い塗膜が得られることから、有機変性シロキサンからなるシリコーン系界面活性剤を好適に用いることができる。
<発光素子>
本発明の発光素子は、陽極および陰極(一対の電極)と、これらの間に設けられた発光層と、発光層と陰極との間に設けられ、本発明の金属酸化物粒子で形成された電荷輸送性の層とを備えている。なお、本発明の発光素子は、さらに、封止部材等を備えてもよい。
図1は、本発明の発光素子の一実施形態を示す断面図である。
また、図1では、便宜上、各部の寸法およびそれらの比率を誇張して示し、実際とは異なる場合がある。また、以下に示す材料、寸法等は一例であって、本発明は、それらに限定されず、その要旨を変更しない範囲で適宜変更することが可能である。
以下では、説明の都合上、図1の上側を「上側」または「上方」と、上側を「下側」または「下方」と言う。また、図1では、図面が煩雑になることを避けるため、断面を示すハッチングの記載を省略している。
図1に示す発光素子1は、陽極2と、陰極3と、陽極2と陰極3との間に、陽極2側から順次積層された正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、電子輸送層7および電子注入層8とを有している。以下、各層について順次説明する。
[陽極2]
陽極2は、外部電源から発光層6に向かって正孔を供給する機能を有する。
陽極2の構成材料(陽極材料)としては、特に限定されないが、例えば、金(Au)のような金属、ヨウ化銅(CuI)のようなハロゲン化金属、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)のような金属酸化物等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
陽極2の厚さは、特に限定されないが、10〜1,000nm程度であることが好ましく、10〜200nm程度であることがより好ましい。
陽極2は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法のような乾式成膜法により形成することができる。この際、フォトリソグラフィー法やマスクを用いた方法により、所定のパターンを有する陽極2を形成してもよい。
[陰極3]
陰極3は、外部電源から発光層6に向かって電子を供給する機能を有する。
陰極3の構成材料(陰極材料)としては、特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、銀、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、希土類金属等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
陰極3の厚さは、特に限定されないが、0.1〜1,000nm程度であることが好ましく、1〜200nm程度であることがより好ましい。
陰極3は、例えば、蒸着法やスパッタリング法のような乾式成膜法により形成することができる。
[正孔注入層4]
正孔注入層4は、陽極2から供給された正孔を受け取り、正孔輸送層5に注入する機能を有する。なお、正孔注入層4は、必要に応じて設けるようにすればよく、省略することもできる。
正孔注入層4の構成材料(正孔注入材料)としては、特に限定されないが、例えば、銅フタロシアニンのようなフタロシアニン化合物;4,4’,4’’−トリス[フェニル(m−トリル)アミノ]トリフェニルアミンのようなトリフェニルアミン誘導体;1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノ−キノジメタンのようなシアノ化合物;酸化バナジウム、酸化モリブデンのような金属酸化物;アモルファスカーボン;ポリアニリン(エメラルディン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT−PSS)、ポリピロールのような高分子等が挙げられる。
中でも、正孔注入材料としては、高分子であることが好ましく、PEDOT−PSSであることがより好ましい。
また、上述の正孔注入材料は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
正孔注入層4の厚さは、特に限定されないが、0.1〜500mm程度であることが好ましく、1〜300nm程度であることがより好ましく、2〜200nm程度であることがさらに好ましい。
正孔注入層4は、単層構成であっても、2層以上が積層された積層構成であってもよい。
このような正孔注入層4は、湿式成膜法または乾式成膜法により形成することができる。
正孔注入層4を湿式成膜法で形成する場合には、通常、上述の正孔注入材料を含有するインク組成物を各種塗布法により塗布し、得られた塗膜を乾燥する。塗布法としては、特に限定されないが、例えば、インクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法、キャスト法、LB法、凸版印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルプリント印刷法等が挙げられる。
一方、正孔注入層4を乾式成膜法で形成する場合には、真空蒸着法、スパッタリング法等を好適に用いることができる。
[正孔輸送層5]
正孔輸送層5は、正孔注入層4から正孔を受け取り、発光層6まで効率的に輸送する機能を有する。また、正孔輸送層4は、電子の輸送を防止する機能を有していてもよい。
正孔輸送層5の構成材料(正孔輸送材料)としては、特に限定されないが、例えば、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’ジアミン)、α−NPD(4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル)、m−MTDATA(4、4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)のような低分子トリフェニルアミン誘導体;ポリビニルカルバゾール;ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン](poly−TPA)、ポリフルオレン(PF)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(Poly−TPD)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−コ−(4,4’−(N−(sec−ブチルフェニル)ジフェニルアミン))(TFB)、ポリフェニレンビニレン(PPV)のような共役系化合物重合体;およびこれらのモノマー単位を含む共重合体等が挙げられる。
中でも、正孔輸送材料としては、トリフェニルアミン誘導体、置換基が導入されたトリフェニルアミン誘導体を重合することにより得られた高分子化合物であることが好ましく、置換基が導入されたトリフェニルアミン誘導体を重合することにより得られた高分子化合物であることがより好ましい。
また、上述の正孔輸送材料は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
正孔輸送層5の厚さは、特に限定されないが、1〜500nm程度であることが好ましく、5〜300nm程度であることがより好ましく、10〜200nm程度であることがさらに好ましい。
正孔輸送層5は、単層構成であっても、2層以上が積層された積層構成であってもよい。
このような正孔輸送層5は、湿式成膜法または乾式成膜法により形成することができる。
正孔輸送層5を湿式成膜法で形成する場合には、通常、上述の正孔輸送材料を含有するインク組成物を各種塗布法により塗布し、得られた塗膜を乾燥する。塗布法としては、特に限定されないが、例えば、インクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法、キャスト法、LB法、凸版印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルプリント印刷法等が挙げられる。
一方、正孔輸送層5を乾式成膜法で形成する場合には、真空蒸着法、スパッタリング法等を好適に用いることができる。
[電子注入層8]
電子注入層8は、陰極3から供給された電子を受け取り、電子輸送層7に注入する機能を有する。
かかる電子注入層8は、本発明の金属酸化物粒子を含んで構成することができる他、以下の電子注入材料を含んで構成することもできる。
電子注入材料としては、例えば、NaS、NaSeのようなアルカリ金属カルコゲナイド;BaS、CaSeのようなアルカリ土類金属カルコゲナイド;CsF、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl、NaClのようなアルカリ金属ハライド;8−ヒドロキシキノリノラトリチウム(Liq)のようなアルカリ金属塩;CaF、BaF、SrF、MgF、BeFのようなアルカリ土類金属ハライド等が挙げられる。
中でも、アルカリ金属カルコゲナイド、アルカリ土類金属ハライド、アルカリ金属塩であることが好ましい。
また、上述の電子注入材料は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
電子注入層8の厚さは、特に限定されないが、0.1〜100nm程度であることが好ましく、0.2〜50nm程度であることがより好ましく、0.5〜10nm程度であることがさらに好ましい。
電子注入層8は、単層構成であっても、2層以上が積層された積層構成であってもよい。
このような電子注入層8は、湿式成膜法または乾式成膜法により形成することができる。
電子注入層8を湿式成膜法で形成する場合には、通常、上述の金属酸化物粒子または電子注入材料を含有するインク組成物を各種塗布法により塗布し、得られた塗膜を乾燥する。塗布法としては、特に限定されないが、例えば、インクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法、キャスト法、LB法、凸版印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルプリント印刷法等が挙げられる。
一方、電子注入層8を乾式成膜法で形成する場合には、真空蒸着法、スパッタリング法等が適用され得る。
[電子輸送層7]
電子輸送層7は、電子注入層8から電子を受け取り、発光層6まで効率的に輸送する機能を有する。また、電子輸送層7は、正孔の輸送を防止する機能を有していてもよい。なお、電子輸送層7または前述の電子注入層8は、必要に応じて設けるようにすればよく、どちらか一方を省略することもできる。
かかる電子輸送層7は、本発明の金属酸化物粒子を含んで構成することができる他、以下の電子輸送材料を含んで構成することもできる。
電子輸送材料としては、例えば、トリス(8−キノリラート)アルミニウム(Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム(Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム(BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(BAlq)、ビス(8−キノリノラート)亜鉛(Znq)のようなキノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体;ビス[2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラート]亜鉛(Zn(BOX)2)のようなベンズオキサゾリン骨格を有する金属錯体;ビス[2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラート]亜鉛(Zn(BTZ)2)のようなベンゾチアゾリン骨格を有する金属錯体;2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]カルバゾール(CO11)のようなトリまたはジアゾール誘導体;2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(mDBTBIm−II)のようなイミダゾール誘導体;キノリン誘導体;ペリレン誘導体;4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BPhen)のようなピリジン誘導体;ピリミジン誘導体;トリアジン誘導体;キノキサリン誘導体;ジフェニルキノン誘導体;ニトロ置換フルオレン誘導体等が挙げられる。
中でも、電子輸送材料としては、イミダゾール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、金属酸化物(無機酸化物)であることが好ましい。
また、上述の電子輸送材料は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
電子輸送層7の厚さは、特に限定されないが、5〜500nm程度であることが好ましく、5〜200nm程度であることがより好ましい。
電子輸送層7は、単層であっても、2層以上が積層された積層構成であってもよい。
このような電子輸送層7は、湿式成膜法または乾式成膜法により形成することができる。
電子輸送層7を湿式成膜法で形成する場合には、通常、上述の金属酸化物粒子または電子輸送材料を含有するインク組成物を各種塗布法により塗布し、得られた塗膜を乾燥する。塗布法としては、特に限定されないが、例えば、インクジェット法(液滴吐出法)、スピンコート法、キャスト法、LB法、凸版印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルプリント印刷法等が挙げられる。
一方、電子輸送層7を乾式成膜法で形成する場合には、真空蒸着法、スパッタリング法等が適用され得る。
本発明の金属酸化物粒子で形成された電子輸送性を有する層(電子輸送層7または電子注入層8)は、その発光層6反対側の面の算術平均粗さ(Ra)が3nm以下であることが好ましく、1〜2nm程度であることがより好ましい。この場合、電子輸送性を有する層の表面平滑性がより高まることで、電子注入効率がより向上する。
なお、「算術平均粗さ(Ra)」は、JIS B 0601:2013に基づいて測定される表面粗さである。
[発光層6]
発光層6は、発光層6に注入された正孔および電子の再結合により生じるエネルギーを利用して発光を生じさせる機能を有する。
発光層6の厚さは、特に限定されないが、1〜100nm程度であることが好ましく、10〜50nm程度であることがより好ましい。
発光層6は、発光層形成用のインク組成物を各種塗布法により塗布し、得られた塗膜を乾燥することにより形成することができる。塗布法としては、特に限定されないが、例えば、インクジェット法(ピエゾ方式またはサーマル方式の液滴吐出法)、スピンコート法、キャスト法、LB法、凸版印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、ノズルプリント印刷法等が挙げられる。
ここで、ノズルプリント印刷法とは、インクをノズル孔から液柱としてストライプ状に塗布する方法である。
発光層形成用のインク組成物は、インクジェット印刷法により好適に塗布することができる。特に、発光層形成用のインク組成物は、ピエゾ方式のインクジェット印刷法により塗布することが好ましい。これにより、インク組成物を吐出する際の熱負荷を小さくすることができ、発光材料自体に不具合が発生し難い。したがって、発光層形成用のインク組成物の塗布に用いる好適な装置は、ピエゾ方式のインクジェットヘッドを有するインクジェットプリンターである。
発光層6は、有機発光材料または無機発光材料(半導体ナノ結晶)を含み、さらにホスト材料を含んでいてもよい。
<<有機発光材料>>
[赤色ドーパント材料]
赤色ドーパント材料としては、特に限定されず、各種赤色蛍光材料および各種赤色燐光材料が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
赤色蛍光材料としては、赤色の蛍光を発すれば、特に限定されず、例えば、ペリレン誘導体、ベンゾピラン誘導体、ローダミン誘導体、ベンゾチオキサンテン誘導体、ポルフィリン誘導体、ナイルレッド、2−(1,1−ジメチルエチル)−6−(2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H−ベンゾ(ij)キノリジン−9−イル)エテニル)−4H−ピラン−4H−イリデン)プロパンジニトリル(DCJTB)、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−(1−シアノビニレンフェニレン)]、ポリ[{9,9−ジヘキシル−2,7−ビス(1−シアノビニレン)フルオレニレン}オルト−コ−{2,5−ビス(N,N’-ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン}]、ポリ[{2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−(1−シアノビニレンフェニレン)}−コ−{2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン}]等が挙げられる。
赤色燐光材料としては、赤色の燐光を発すれば、特に限定されず、例えば、イリジウム、ルテニウム、白金、オスミウム、レニウム、パラジウム、ユーロピウム等を含有する金属錯体等が挙げられる他、配位子のうちの少なくとも1つがフェニルピリジン骨格、ビピリジル骨格、ポルフィリン骨格等を有する金属錯体等も挙げられる。
赤色燐光材料の具体例としては、例えば、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジネート−N,C3’]イリジウム(アセチルアセトネート)(btp2Ir(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−12H,23H−ポルフィリン−白金(II)、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジネート−N,C3’]イリジウム、ビス(2−フェニルピリジン)イリジウム(アセチルアセトネート)等が挙げられる。
[青色ドーパント材料]
青色ドーパント材料としては、特に限定されず、各種青色蛍光材料および各種青色燐光材料が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
青色蛍光材料としては、青色の蛍光を発すれば、特に限定されず、例えば、ジスチリルジアミン系化合物等のジスチリルアミン誘導体、フルオランテン誘導体、ピレン誘導体、ペリレンおよびペリレン誘導体、アントラセン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、テトラフェニルブタジエン、4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル(BCzVBi)、ポリ[(9.9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジヘキシルオキシフルオレン−2,7−ジイル)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−{2−エトキシヘキシルオキシ}フェニレン−1,4−ジイル)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(エチルニルベンゼン)]等が挙げられる。
青色燐光材料としては、青色の燐光を発すれば、特に限定されず、例えば、イリジウム、ルテニウム、白金、オスミウム、レニウム、パラジウム等を含有する金属錯体等が挙げられる。
青色燐光材料の具体例としては、ビス[4,6−ジフルオロフェニルピリジネート−N,C2’]−ピコリネート−イリジウム、トリス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジネート−N,C2’]イリジウム、ビス[2−(3,5−トリフルオロメチル)ピリジネート−N,C2’]−ピコリネート−イリジウム、ビス(4,6−ジフルオロフェニルピリジネート−N,C2’)イリジウム(アセチルアセトネート)等が挙げられる。
[緑色ドーパント材料]
緑色ドーパント材料としては、特に限定されず、各種緑色蛍光材料および各種緑色燐光材料が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
緑色蛍光材料としては、緑色の蛍光を発すれば、特に限定されず、例えば、クマリン誘導体、キナクリドン誘導体等のキナクリドンおよびその誘導体、9,10−ビス[(9−エチル−3−カルバゾール)−ビニレニル]−アントラセン、ポリ(9,9−ジヘキシル−2,7−ビニレンフルオレニレン)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−コ−(1,4−ジフェニレン−ビニレン−2−メトキシ−5−{2−エチルヘキシルオキシ}ベンゼン)]、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−オルト−コ−(2−メトキシ−5−(2−エトキシルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]等が挙げられる。
緑色燐光材料としては、緑色の燐光を発すれば、特に限定されず、例えば、イリジウム、ルテニウム、白金、オスミウム、レニウム、パラジウム等を含有する金属錯体等が挙げられる。
緑色燐光材料の具体例としては、例えば、ファク−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジネート−N,C2’)イリジウム(アセチルアセトネート)、ファク−トリス[5−フルオロ−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジン)フェニル−C,N]イリジウム等が挙げられる。
以上のような有機発光材料の分子量は、溶媒中に有機発光材料を容易に溶解できることから、5,000g/mol以下であることが好ましく、2,000g/mol以下であることがより好ましく、300〜2,000g/molであることがさらに好ましい。
<<無機発光材料(半導体ナノ結晶)>>
半導体ナノ結晶(以下、単に「ナノ結晶」と言うこともある。)は、励起光を吸収して蛍光または燐光を発光するナノサイズの結晶体(ナノ結晶粒子)であり、例えば、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡によって測定される最大粒子径が100nm以下の結晶体である。
ナノ結晶は、例えば、所定の波長の光エネルギーや電気エネルギーにより励起され、蛍光または燐光を発することができる。
ナノ結晶は、605〜665nmの波長範囲に発光ピークを有する光(赤色光)を発する赤色発光性の結晶であってよく、500〜560nmの波長範囲に発光ピークを有する光(緑色光)を発する緑色発光性の結晶であってよく、420〜480nmの波長範囲に発光ピークを有する光(青色光)を発する青色発光性の結晶であってもよい。また、一実施形態において、インク組成物は、これらのナノ結晶のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。
なお、ナノ結晶の発光ピークの波長は、例えば、紫外可視分光光度計を用いて測定される蛍光スペクトルまたは燐光スペクトルにおいて確認することできる。
赤色発光性のナノ結晶は、665nm以下、663nm以下、660nm以下、658nm以下、655nm以下、653nm以下、651nm以下、650nm以下、647nm以下、645nm以下、643nm以下、640nm以下、637nm以下、635nm以下、632nm以下または630nm以下の波長範囲に発光ピークを有することが好ましく、628nm以上、625nm以上、623nm以上、620nm以上、615nm以上、610nm以上、607nm以上または605nm以上の波長範囲に発光ピークを有することが好ましい。
これらの上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。なお、以下の同様の記載においても、個別に記載した上限値および下限値は任意に組み合わせ可能である。
緑色発光性のナノ結晶は、560nm以下、557nm以下、555nm以下、550nm以下、547nm以下、545nm以下、543nm以下、540nm以下、537nm以下、535nm以下、532nm以下または530nm以下の波長範囲に発光ピークを有することが好ましく、528nm以上、525nm以上、523nm以上、520nm以上、515nm以上、510nm以上、507nm以上、505nm以上、503nm以上または500nm以上の波長範囲に発光ピークを有することが好ましい。
青色発光性のナノ結晶は、480nm以下、477nm以下、475nm以下、470nm以下、467nm以下、465nm以下、463nm以下、460nm以下、457nm以下、455nm以下、452nm以下または450nm以下の波長範囲に発光ピークを有することが好ましく、450nm以上、445nm以上、440nm以上、435nm以上、430nm以上、428nm以上、425nm以上、422nm以上または420nm以上の波長範囲に発光ピークを有することが好ましい。
ナノ結晶が発する光の波長(発光色)は、井戸型ポテンシャルモデルのシュレディンガー波動方程式の解によれば、ナノ結晶のサイズ(例えば、粒子径)に依存するが、ナノ結晶が有するエネルギーギャップにも依存する。そのため、構成材料およびサイズを変更することにより、ナノ結晶の発光色を選択(調節)することができる。
ナノ結晶は、半導体材料で構成されていればよく、各種構造とすることができる。例えば、ナノ結晶は、第1の半導体材料で構成されるコアのみから構成されてもよく、第1の半導体材料で構成されるコアと、このコアの少なくとも一部を被覆し、第1の半導体材料と異なる第2の半導体材料で構成されるシェルとを有する構成でもよい。換言すれば、ナノ結晶の構造は、コアのみからなる構造(コア構造)であってもよく、コアとシェルとからなる構造(コア/シェル構造)であってもよい。
また、ナノ結晶は、第2の半導体材料で構成されるシェル(第1のシェル)の他に、このシェルの少なくとも一部を被覆し、第1および第2の半導体材料と異なる第3の半導体材料で構成されるシェル(第2のシェル)をさらに有していてもよい。換言すれば、ナノ結晶の構造は、コアと第1のシェルと第2のシェルとからなる構造(コア/シェル/シェル構造)であってもよい。
さらに、コアおよびシェルのそれぞれは、2種以上の半導体材料を含む混晶(例えば、CdSe+CdS、CIS+ZnS等)で構成されてもよい。
ナノ結晶は、II−VI族半導体、III−V族半導体、I−III−VI族半導体、IV族半導体およびI−II−IV−VI族半導体からなる群より選択される少なくとも1種の半導体材料で構成されることが好ましい。
具体的な半導体材料としては、例えば、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、CdHgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb;SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、Si、Ge、SiC、SiGe、AgInSe、CuGaSe、CuInS、CuGaS、CuInSe、AgInS、AgGaSe、AgGaSおよびC等が挙げられる。
半導体材料は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、InP、InAs、InSb、GaP、GaAs、GaSb、AgInS、AgInSe、AgInTe、AgGaS、AgGaSe、AgGaTe、CuInS、CuInSe、CuInTe、CuGaS、CuGaSe、CuGaTe、Si、C、GeおよびCuZnSnSからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
これらの半導体材料で構成されるナノ結晶は、発光スペクトルの制御が容易であり、信頼性を確保しつつ、生産コストを低減し、量産性を向上させることができる。
赤色発光性のナノ結晶としては、例えば、CdSeのナノ結晶;CdSeのロッド状のナノ結晶;CdSのシェルとCdSeのコアとを備えるロッド状のナノ結晶;CdSのシェルとZnSeのコアとを備えるロッド状のナノ結晶;CdSのシェルとCdSeのコアとを備えるナノ結晶;CdSのシェルとZnSeのコアとを備えるナノ結晶;ZnSのシェルとInPのコアとを備えるナノ結晶;ZnSのシェルとCdSeのコアとを備えるナノ結晶;CdSeとZnSとの混晶のナノ結晶;CdSeとZnSとの混晶のロッド状のナノ結晶;InPのナノ結晶;InPのロッド状のナノ結晶;CdSeとCdSとの混晶のナノ結晶;CdSeとCdSとの混晶のロッド状のナノ結晶;ZnSeとCdSとの混晶のナノ結晶;ZnSeとCdSとの混晶のロッド状のナノ結晶等が挙げられる。
緑色発光性のナノ結晶としては、例えば、CdSeのナノ結晶;CdSeのロッド状のナノ結晶;ZnSのシェルとInPのコアとを備えるナノ結晶;ZnSのシェルとCdSeのコアとを備えるナノ結晶;CdSeとZnSとの混晶のナノ結晶;CdSeとZnSとの混晶のロッド状のナノ結晶等が挙げられる。
青色発光性のナノ結晶としては、例えば、ZnSeのナノ結晶;ZnSeのロッド状のナノ結晶;ZnSのナノ結晶;ZnSのロッド状のナノ結晶;ZnSeのシェルとZnSのコアとを備えるナノ結晶;ZnSeのシェルとZnSのコアとを備えるロッド状のナノ結晶;CdSのナノ結晶;CdSのロッド状のナノ結晶等が挙げられる。
なお、ナノ結晶は、同一の化学組成であっても、それ自体の平均粒子径を設計することにより、ナノ結晶から発光させるべき色を赤色にも緑色にも変更することができる。
また、ナノ結晶は、それ自体として、人体等に対する悪影響が極力低いことが好ましい。したがって、カドミウム、セレン等が極力含まれないナノ結晶を選択して単独で用いるか、上記元素(カドミウム、セレン等)を含有するナノ結晶を用いる場合には、上記元素が極力少なくなるようにその他のナノ結晶と組み合わせて用いることが好ましい。
ナノ結晶の形状は、特に限定されず、任意の幾何学的形状であってもよく任意の不規則な形状であってもよい。ナノ結晶の形状としては、例えば、球状、正四面体状、楕円体状、角錐形状、ディスク状、枝状、網状、ロッド状等が挙げられる。しかしながら、ナノ結晶の形状としては、方向性の少ない形状(例えば、球状、正四面体状等)が好ましい。かかる形状のナノ結晶を用いることにより、インクの均一性および流動性をより高めることができる。
ナノ結晶の平均一次粒子径は、40nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることがさらに好ましい。かかる平均一次粒子径を有するナノ結晶は、所望の波長の光を発し易いことから好ましい。
また、ナノ結晶の平均一次粒子径は、1nm以上であることが好ましく、1.5nm以上であることがより好ましく、2nm以上であることがさらに好ましい。かかる平均粒子径を有するナノ結晶は、所望の波長の光を発し易いのみならず、インクへの分散性および保存安定性を向上させ得ることからも好ましい。
なお、ナノ結晶の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡により複数個のナノ結晶について径を測定し、その平均値を算出することにより得られる。
ところで、ナノ結晶は、配位サイトとなり得る表面原子を有するため、高い反応性を有している。ナノ結晶は、このような高い反応性を有することや、一般の顔料に比べ大きい表面積を有することから、凝集を起こし易い。
ナノ結晶は、量子サイズ効果によって発光を生じる。このため、ナノ結晶は、凝集すると消光現象が生じ、蛍光量子収率の低下を招き、輝度および色再現性が低下する。すなわち、ナノ結晶を分散媒に分散してなる発光層形成用のインク組成物は、有機発光材料を溶媒に溶解してなる発光層形成用のインク組成物と異なり、凝集による発光特性の低下を生じ易い。このため、発光層形成用のインク組成物では、ナノ結晶の分散安定性を確保する観点からの調製が重要となる。
このようなことから、一実施形態では、ナノ結晶の表面に分散媒と相溶性のある分散剤(有機リガンド)が担持(保持)されて、換言すれば、ナノ結晶の表面が分散剤によって不活性化されていてもよい。この分散剤の存在により、ナノ結晶のインク組成物中での分散安定性を向上させることができる。
なお、この場合、分散剤は、ナノ結晶の表面に、例えば、共有結合、配位結合、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス結合等により担持されている。本明細書中において、「担持」とは、分散剤がナノ結晶の表面に吸着、付着または結合された状態を総称する用語である。また、分散剤は、ナノ結晶の表面から脱離することができ、ナノ結晶による担持とナノ結晶からの脱離とが平衡状態となり、これらを繰り返すことができる。
分散剤は、ナノ結晶のインク組成物中での分散安定性を向上させ得る化合物であれば、特に限定されない。分散剤は、低分子分散剤と高分子分散剤とに分類される。本明細書中において、「低分子」とは、重量平均分子量(Mw)が5,000以下の分子を意味し、「高分子」とは、重量平均分子量(Mw)が5,000超の分子を意味する。
なお、本明細書中において、「重量平均分子量(Mw)」は、ポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を用いて測定された値を採用するものとする。
低分子分散剤としては、例えば、オレイン酸;リン酸トリエチル、TOP(トリオクチルホスフィン)、TOPO(トリオクチルホスフィンオキサイド)、ヘキシルホスホン酸(HPA)、テトラデシルホスホン酸(TDPA)、オクチルホスフィン酸(OPA)のようなリン原子含有化合物;オレイルアミン、オクチルアミン、トリオクチルアミン、ヘキサデシルアミンのような窒素原子含有化合物;1−デカンチオール、オクタンチオール、ドデカンチオール、アミルスルフィドのような硫黄原子含有化合物等が挙げられる。
高分子分散剤としては、例えば、ナノ結晶に担持され得る官能基を有する高分子化合物を用いることができる。
このような官能基としては、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、リン酸基、リン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスホン酸エステル基、ホスフィン酸基、ホスフィン酸エステル基、チオール基、チオエーテル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、ヒドロキシル基、エーテル基、イミダゾリル基、トリアジニル基、ピロリドニル基、イソシアヌル酸基、ホウ酸エステル基、ボロン酸基等が挙げられる。
これらの中でも、複数の官能基を組み合わせ、ナノ結晶への担持能力を高めた高分子化合物を合成し易い点から、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、カルボン酸エステル基、ヒドロキシル基、エーテル基が、単独であっても十分なナノ結晶への担持能力を有する点から、リン酸基、リン酸エステル基、ホスホン酸基、ホスホン酸エステル基、カルボン酸基が好ましい。
さらに、インク組成物中で適切にナノ結晶への高い担持能力を有する点から、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、リン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基がより好ましい。
1級アミノ基を有する高分子分散剤としては、例えば、ポリアルキレングリコールアミン、ポリエステルアミン、ウレタン変性ポリエステルアミン、ポリアルキレングリコールジアミン、ポリエステルジアミン、ウレタン変性ポリエステルジアミンのような直鎖型アミン、(メタ)アクリル系重合体の側鎖にアミノ基を有する櫛型ポリアミン等が挙げられる。
2級アミノ基を有する高分子分散剤としては、例えば、多数の2級アミノ基を有する直鎖型ポリエチレンイミン骨格を含む主鎖と、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリウレタン等の側鎖とを有する櫛型ブロックコポリマー等が挙げられる。
3級アミノ基を有する高分子分散剤としては、例えば、トリ(ポリアルキレングリコール)アミンのような星型アミン等が挙げられる。
また、1級アミノ基、2級アミノ基および3級アミノ基を有する高分子分散剤としては、例えば、特開2008−037884号公報、特開2008−037949号公報、特開2008−03818号公報、特開2010−007124号公報に記載された直鎖型または多分岐型ポリエチレンイミンブロックとポリエチレングリコールブロックとを有する高分子化合物等が挙げられる。
リン酸基を有する高分子分散剤としては、例えば、ポリアルキレングリコールモノリン酸エステル、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノリン酸エステル、パーフルオロアルキルポリオキシアルキレンリン酸エステル、パーフルオロアルキルスルホンアミドポリオキシアルキレンリン酸エステル、アシッドホスホキシエチルモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシプロピルモノ(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートのようなモノマーから得られるホモポリマーまたはこのモノマーとその他のコモノマーとから得られるコポリマー;特許4697356号公報に記載された方法で得られるリン酸基を有する(メタ)アクリル重合体等が挙げられる。
なお、リン酸基を有する高分子分散剤は、アルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物を反応させることで塩を形成させ、pHを調整することも可能である。
ホスホン酸基を有する高分子分散剤としては、例えば、ポリアルキレングリコールモノアルキルホスホン酸エステル、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルホスホン酸エステル、パーフルオロアルキルポリオキシアルキレンアルキルホスホン酸エステル、パーフルオロアルキルスルホンアミドポリオキシアルキレンアルキルホスホン酸エステル、ポリエチレンホスホン酸;ビニルホスホン酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホン酸、(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスホン酸、(メタ)アクリロイルオキシポリオキシアルキレングリコールホスホン酸のようなモノマーから得られるホモポリマーまたはこのモノマーとその他のコモノマーとから得られるコポリマー等が挙げられる。
なお、ホスホン酸基を有する高分子分散剤は、アルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物を反応させることで塩を形成させ、pHを調整することも可能である。
ホスフィン酸基を有する高分子分散剤としては、例えば、ポリアルキレングリコールジアルキルホスフィン酸エステル、パーフルオロアルキルポリオキシアルキレンジアルキルホスフィン酸エステル、パーフルオロアルキルスルホンアミドポリオキシアルキレンジアルキルホスフィン酸エステル、ポリエチレンホスフィン酸;ビニルホスフィン酸、(メタ)アクリロイルオキシジアルキルホスフィン酸、(メタ)アクリロイルオキシポリオキシアルキレングリコールジアルキルホスフィン酸のようなモノマーから得られるホモポリマーまたはこのモノマーとその他のコモノマーとから得られるコポリマー等が挙げられる。 なお、ホスフィン酸基を有する高分子分散剤は、アルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物を反応させることで塩を形成させ、pHを調整することも可能である。
チオール基を有する高分子分散剤としては、例えば、ポリビニルチオール、ポリアルキレングリコールエチレンチオール等が挙げられる。
チオエーテル基を有する高分子分散剤としては、例えば、特開2013−60637号公報に記載されたメルカプトプロピオン酸とグリシジル変性ポリアルキレングリコールとを反応させて得られるポリアルキレングリコールチオエーテル等が挙げられる。
スルホン酸基を有する高分子分散剤としては、例えば、ポリアルキレングリコールモノアルキルスルホン酸エステル、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルスルホン酸エステル、パーフルオロアルキルポリオキシアルキレンアルキルスルホン酸エステル、パーフルオロアルキルスルホンアミドポリオキシアルキレンアルキルスルホン酸エステル、ポリエチレンスルホン酸;ビニルスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシアルキルスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシポリオキシアルキレングリコールスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸のようなモノマーから得られるホモポリマーまたはこのモノマーとその他のコモノマーとから得られるコポリマー等が挙げられる。
なお、スルホン酸基を有する高分子分散剤は、アルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物を反応させることで塩を形成させ、pHを調整することも可能である。
カルボン酸基を有する高分子分散剤としては、例えば、ポリアルキレングリコールカルボン酸、パーフルオロアルキルポリオキシアルキレンカルボン酸、ポリエチレンカルボン酸、ポリエステルモノカルボン酸、ポリエステルジカルボン酸、ウレタン変性ポリエステルモノカルボン酸、ウレタン変性ポリエステルジカルボン酸;ビニルカルボン酸、(メタ)アクリロイルオキシアルキルカルボン酸、(メタ)アクリロイルオキシポリオキシアルキレングリコールカルボン酸のようなモノマーから得られるホモポリマーまたはこのモノマーとその他のコモノマーとから得られるコポリマー等が挙げられる。
なお、カルボン酸基を有する高分子分散剤は、アルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物を反応させることで塩を形成させ、pHを調整することも可能である。
エステル基を有する高分子分散剤は、前記カルボン酸基を有する高分子分散剤に、例えばモノアルキルアルコールを脱水縮合させることにより得ることができる。
ピロリドニル基を有する高分子分散剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
なお、特定の官能基を有する高分子分散剤は、合成品であっても市販品であってもよい。
市販品としては、例えば、ビックケミー社製のDISPERBYKシリーズに含まれるDISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、DISPERBYK−118、DISPERBYK−140、DISPERBYK−145、DISPERBYK−161、DISPERBYK−164、DISPERBYK−168、DISPERBYK−168、DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、DISPERBYK−184、DISPERBYK−185、DISPERBYK−190、DISPERBYK−191、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2008、DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2010、DISPERBYK−2012、DISPERBYK−2013、DISPERBYK−2022、DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2060、DISPERBYK−9070、DISPERBYK−9077;エボニック社製のTEGO Dispersシリーズに含まれるTEGO Dispers 610、TEGO Dispers 630、TEGO Dispers 650、TEGO Dispers 651、TEGO Dispers 652、TEGO Dispers 655、TEGO Dispers 660C、TEGO Dispers 662C、TEGO Dispers 670、TEGO Dispers 685、TEGO Dispers 700、TEGO Dispers 710、TEGO Dispers 715W、TEGO Dispers 740W、TEGO Dispers 750W、TEGO Dispers 752W、TEGO Dispers 755W、TEGO Dispers 760W;BASF社製のEFKAシリーズに含まれるEFKA−44、EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−4010、EFKA−4050、EFKA−4055、EFKA−4020、EFKA−4015、EFKA−4060、EFKA−4300、EFKA−4330、EFKA−4400、EFKA−4406、EFKA−4510、EFKA−4800;日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSEシリーズに含まれるSOLSPERS−3000、SOLSPERS−9000、SOLSPERS−16000、SOLSPERS−17000、SOLSPERS−18000、SOLSPERS−13940、SOLSPERS−20000、SOLSPERS−24000、SOLSPERS−32550、SOLSPERS−71000;味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズに含まれるアジスパー(AJISPUR)PB−821、アジスパーPB−822、アジスパーPB−823;楠本化成製のDISPARLONシリーズに含まれるDISPARLON DA325、DISPARLON DA375、DISPARLON DA1800、DISPARLON DA7301;共栄社化学社製のフローレンシリーズに含まれるフローレン(FLORENE)DOPA−17HF、フローレンDOPA−15BHF、フローレンDOPA−33、フローレンDOPA−44等が挙げられる。
なお、これら高分子分散剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
以上のような分散剤は、その分子のほぼ全体がナノ結晶に接触した状態で担持されていてもよいし、その分子の一部のみがナノ結晶に接触した状態で担持されていてもよい。いずれの状態であっても、分散剤は、ナノ結晶を安定的に分散媒に分散させる分散機能を好適に発揮する。
かかる観点から、分散剤の重量平均分子量(Mw)は、50,000以下であることが好ましく、100〜50,000程度であることがより好ましい。なお、低分子分散剤のうち重合体でない化合物の質量を表す場合には、「重量平均分子量」に代えて「分子量」を用いる。
前記下限値以上の重量平均分子量を有する分散剤は、ナノ結晶に対する担持能力に優れるため、インク組成物中におけるナノ結晶の分散安定性を十分に確保することができる。一方、前記上限値以下の重量平均分子量を有する分散剤は、その単位重量あたりの官能基数が十分であり、結晶性が高くなり過ぎないため、インク組成物中におけるナノ結晶の分散安定性を高めることができる。また、分散剤の重量平均分子量が高か過ぎないため、得られる発光層において電荷移動が阻害されることも防止または抑制することができる。
分散剤を用いる場合、ナノ結晶に対する分散剤(特に、高分子分散剤)の量は、ナノ結晶100質量部に対して50質量部以下であることが好ましい。これにより、ナノ結晶に分散剤を担持させる際に、ナノ結晶の表面に不要な有機物が残留または析出し難い。このため、分散剤による層が電荷の移動を阻害する絶縁層となり難く、発光特性の悪化を防止することができる。
一方、ナノ結晶に対する分散剤の量は、ナノ結晶100質量部に対して1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることがさらに好ましい。これにより、インク組成物中におけるナノ結晶の十分な分散安定性を保持することができる。
<<ホスト材料>>
ホスト材料は、正孔と電子とを再結合して励起子を生成するとともに、その励起子のエネルギーを有機発光材料または無機発光材料である半導体ナノ結晶に移動(フェルスター移動またはデクスター移動)させて、有機発光材料または半導体ナノ結晶を励起する機能を有する。このようなホスト材料を用いる場合、例えば、有機発光材料または半導体ナノ結晶をホスト材料にドープ(混合)して用いることができる。
このようなホスト材料としては、用いる有機発光材料または半導体ナノ結晶に対して前述したような機能を発揮するものであれば、特に限定されないが、例えば、ナフタセン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体のようなアセン誘導体(アセン系材料)、ジスチリルアリーレン誘導体、ペリレン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアミン誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)のようなキノリノラト系金属錯体、トリフェニルアミンの4量体のようなトリアリールアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、シロール誘導体、カルバゾール誘導体、ビスカルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ベンゾピラン誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、キノリン誘導体、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
発光層6中に含まれる発光材料の量は、ホスト材料に対して、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましい。発光層6中に含まれる発光材料の量が0.1質量%以上であると、均一な厚さを有する発光層6を形成し得ることから好ましい。一方、発光層6中に含まれる発光材料の量が20質量%以下であると、発光材料の濃度消光による発光効率の低下を抑制し得ることから好ましい。
<<液状媒体>>
発光層形成用のインク組成物は、前述したような発光材料が液状媒体(溶媒または分散媒)に溶解または分散されている。
液状媒体としては、本発明のインク組成物の分散媒として挙げたのと同様の化合物を用いることができる。
以上のような液状媒体の25℃における粘度は、1〜20mPa・s程度であることが好ましく、1.5〜15mPa・s程度であることがより好ましく、2〜10mPa・s程度であることがさらに好ましい。液状媒体の常温下における粘度が前記範囲であれば、発光層形成用のインク組成物を液滴吐出法により吐出する場合には、液滴吐出ヘッドのノズル孔から吐出された液滴が主滴と小液滴とに分離される現象(サテライト現象)の発生を防止または抑制することができる。このため、液滴の被着体(支持体)に対する着弾精度を向上させることができる。
また、発光層形成用のインク組成物は、上述したような界面活性剤を含有してもよい。
[バンク]
なお、発光素子1は、さらに、例えば、正孔注入層4、正孔輸送層5および発光層6を区画するバンク(隔壁)を有していてもよい。
バンクの高さは、特に限定されないが、0.1〜5μm程度であることが好ましく、0.2〜4μm程度であることがより好ましく、0.2〜3μm程度であることがさらに好ましい。
バンクの開口の幅は、10〜200μm程度であることが好ましく、30〜200μm程度であることがより好ましく、50〜100μm程度であることがさらに好ましい。
バンクの開口の長さは、10〜400μm程度であることが好ましく、20〜200μm程度であることがより好ましく、50〜200μm程度であることがさらに好ましい。
また、バンクの傾斜角度は、10〜100°程度であることが好ましく、10〜90°程度であることがより好ましく、10〜80°程度であることがさらに好ましい。
インク組成物をインクジェット法により塗布して、正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、電子輸送層7および電子注入層8(以下、これらを総称して「EL層」と記載する。)を形成する場合、インク組成物の吐出量は、特に限定されないが、1〜50pL/回であることが好ましく、1〜30pL/回であることがより好ましく、1〜20pL/回であることがさらに好ましい。
また、ノズル孔の開口径は、5〜50μm程度であることが好ましく、10〜30μm程度であることがより好ましい。これにより、ノズル孔の目詰まりを防止しつつ、吐出精度を高めることができる。
塗膜を形成する際の温度は、特に限定されないが、10〜50℃程度であることが好ましく、15〜40℃程度であることがより好ましく、15〜30℃程度であることがさらに好ましい。かかる温度で液滴を吐出するようにすれば、インク組成物中に含まれる各種成分の結晶化を抑制することができる。
また、塗膜を形成する際の相対湿度も、特に限定されないが、0.01ppm〜80%程度であることが好ましく、0.05ppm〜60%程度であることがより好ましく、0.1ppm〜15%程度であることがさらに好ましく、1ppm〜1%程度であることが特に好ましく、5〜100ppm程度であることが最も好ましい。
相対湿度が前記下限値以上であると、塗膜を形成する際の条件の制御が容易となることから好ましい。一方、相対湿度が前記上限値以下であると、得られるEL層に悪影響を及ぼし得る塗膜に吸着する水分量を低減することができることから好ましい。
得られた塗膜を乾燥することにより、目的のEL層が得られる
乾燥は、室温(25℃)で放置して行っても、加熱することにより行ってもよい。乾燥を加熱により行う場合、乾燥温度は、特に限定されないが、40〜150℃程度であることが好ましく、40〜120℃程度であることがより好ましい。
また、乾燥は、減圧下で行うことが好ましく、0.001〜100Pa程度の減圧下で行うことがより好ましい。
さらに、乾燥時間は、1〜90分間程度であることが好ましく、1〜30分間程度であることがより好ましい。
このような乾燥条件で塗膜を乾燥することにより、得られるEL層から液状媒体を確実に除去することができる。
なお、赤色(R)の光を発する赤色用の発光素子1と、緑色(G)の光を発する緑色用の発光素子1と、青色(B)の光を発する青色用の発光素子1とを1組(単位画素)とし、複数組を基板上にマトリクス状に配置することにより、カラー画像を表示可能な表示装置を構成することができる。この場合、例えば、基板上には、各陽極2に電気的接続されるスイッチング素子(例えば、TFT素子)と、ゲートバスラインおよびソースバスライン等とが設けられる。
また、本発明のインク組成物を用いれば、基板上に設けられる取出電極を覆うことなく(避けて)、電子輸送層7および電子注入層8を形成することができる。このため、基板1の全面を覆うように陰極3を形成すれば、陰極3と取出電極との電気的な接続を容易かつ確実に得ることができる。
また、本発明の発光素子では、図1に示す層構成と逆の層構成とすることもできる。すなわち、本発明の発光素子は、下側から順に陰極3/電子注入層8/電子輸送層7/発光層6/正孔輸送層5/正孔注入層4/陽極2の層構成、下側から順に陰極3/電子輸送層7/発光層6/正孔輸送層5/正孔注入層4/陽極2の層構成等とすることができる。かかる層構成の場合、例えば、電子輸送層7および発光層6を湿式成膜法により形成するのが好ましい。
以上、本発明の金属酸化物粒子、インク組成物および発光素子について説明したが、本発明は、前述した実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、本発明の金属酸化物粒子、インク組成物および発光素子は、それぞれ、前述した実施形態の構成において、他の任意の構成を追加して有していてもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.インク組成物の調製
(インク組成物1)
まず、300mLの三ツ口フラスコに、酢酸亜鉛二水和物5.25g(23.97mmol)とジメチルスルホキシド(DMSO)180mLとを仕込み、溶液(A液)を調製した。
別途、水酸化カリウム1.34g(23.97mmol)を60mLのエタノールに溶解させた溶液(B液)を調製した。なお、B液には若干の濁りが見られたため、0.45μmのシリンジフィルタで濾過して使用した。
次に、A液を機械撹拌しつつ三ツ口フラスコを水浴に浸漬し、液温を20℃にした。ペリスタポンプ(アトー株式会社製)でB液を30分間かけてA液に全量注入した。なお、反応中は液温が20±1℃になるよう調節した。
B液の注入終了後、同温度にて30分間撹拌を継続することで熟成させ、反応液1を得た(反応液1中のZn濃度0.1M)。
次いで、反応液1に420mLのトルエンを添加して酸化亜鉛粒子1を凝集させ、遠心分離機にて5000rpmで5分間処理した。
その後、上澄み液を廃棄し、25℃で15分間真空乾燥させた後、ブタノールを添加し、超音波洗浄機で15分間処理して、分散液1を得た。
次いで、得られた分散液1を0.45μmのシリンジフィルタで濾過して、固形分濃度2.9質量%のインク組成物1を得た。
酸化亜鉛粒子1において、亜鉛(主金属)に対するカリウム(アルカリ金属)の割合はICP−AES(パーキンエルマー製Optima800)による測定の結果、6.7原子%であり、電子顕微鏡(日本電子製JEM2200FS)観察から測長された平均一次粒子径は3.5nmであり、インク組成物1中における酸化亜鉛粒子1の平均二次粒子径(動的光散乱測定(大塚電子製ELSZ−2000)による体積分布平均径)は13.6nmであった。
(インク組成物2)
B液に使用する溶媒としてメタノールを使用したこと、B液を濾過しなかったこと、およびインク組成物に使用する分散媒としてエタノールを使用したこと以外は、インク組成物1と同様にして、固形分濃度5.6質量%のインク組成物2を得た。
酸化亜鉛粒子2において、亜鉛(主金属)に対するカリウム(アルカリ金属)の割合は5.3原子%であり、平均一次粒子径は2.5nmであり、インク組成物2中における酸化亜鉛粒子2の平均二次粒子径は12.2nmであった。
(インク組成物3)
インク組成物に使用する分散媒としてエタノールを使用したこと以外は、インク組成物1と同様にして、固形分濃度5.2質量%のインク組成物3を得た。
酸化亜鉛粒子3において、亜鉛(主金属)に対するカリウム(アルカリ金属)の割合は10.3原子%であり、平均一次粒子径は3.4nmであり、インク組成物3中における酸化亜鉛粒子3の平均二次粒子径は11.9nmであった。
(インク組成物4)
まず、300mLの三ツ口フラスコに、酢酸亜鉛二水和物5.25g(23.97mmol)とジメチルスルホキシド(DMSO)180mLとを仕込み、溶液(A液)を調製した。
別途、水酸化テトラメチルアンモニウム五水和物3.69g(23.97mmol)を60mLのエタノールに溶解させた溶液(B液)を調製した。
次に、A液を機械撹拌しつつ三ツ口フラスコを水浴に浸漬し、液温を20℃にした。ペリスタポンプ(アトー株式会社製)でB液を30分間かけてA液に全量注入した。なお、反応中は液温が20±1℃になるよう調節した。
B液の注入終了後、同温度にて30分間撹拌を継続することで熟成させ、反応液4を得た(反応液4中のZn濃度0.1M)。
次いで、反応液4に420mLのトルエンを添加して酸化亜鉛粒子4を凝集させ、遠心分離機にて5000rpmで5分間処理した。
その後、上澄み液を廃棄し、25℃で15分間真空乾燥させた後、ブタノールを添加し、超音波洗浄機で15分間処理して、分散液を得た。
次いで、得られた分散液を0.45μmのシリンジフィルタで濾過して、固形分濃度3.3質量%のインク組成物4を得た。
酸化亜鉛粒子4中にアルカリ金属は検出されず、平均一次粒子径は3.6nmであり、インク組成物4中における酸化亜鉛粒子4の平均二次粒子径は23.5nmであった。
(インク組成物5)
まず、300mLの三ツ口フラスコに、酢酸亜鉛二水和物3.00g(13.70mmol)とメタノール120mLとを仕込み、溶液(A液)を調製した。
別途、水酸化カリウム1.51g(26.96mmol)を60mLのメタノールに溶解させて、溶液(B液)を調製した。
次に、A液を機械撹拌しつつ三ツ口フラスコを水浴に浸漬し、液温を60℃にした。B液を30分間かけてA液に全量滴下した。なお、反応中は液温が60±2℃になるよう調節した。
B液の滴下終了後、同温度にて2時間15分間撹拌を継続することで熟成させ、反応液5を得た。
次いで、反応液5を遠心分離機にて4000rpmで5分間処理した。その後、上澄み液を廃棄し、再度メタノールを添加した。この操作を2回繰り返した。
次いで、エタノールを加え、超音波洗浄機で15分間処理して、固形分濃度2.8質量%のインク組成物5を得た。インク組成物5の外観は白濁しており、静置すると24時間後には全ての酸化亜鉛粒子が沈殿した。
酸化亜鉛粒子5において、亜鉛(主金属)に対するカリウム(アルカリ金属)の割合は15.8原子%であり、平均一次粒子径は6.7nm、インク組成物5中における酸化亜鉛粒子5の平均二次粒子径は100nm以上であった。
2.赤色発光性のナノ結晶の作製
2−1.ラウリン酸インジウム溶液の調製
まず、1−オクタデセン(ODE)10g、酢酸インジウム146mg(0.5mmol)およびラウリン酸300mg(1.5mmol)を、反応フラスコに添加して、混合物を得た。
次に、真空下において混合物を140℃にて2時間加熱することで、透明な溶液(ラウリン酸インジウム溶液)を得た。この溶液は、必要になるまで室温でグローブボックス中に維持した。
なお、ラウリン酸インジウムは、室温では溶解性が低く沈殿し易いため、ラウリン酸インジウム溶液を使用する際は、当該溶液(ODE混合物)中の沈殿したラウリン酸インジウムを約90℃に加熱して、透明な溶液を形成した後、所望量を計量して用いた。
2−2.赤色発光性のナノ結晶コア(InPコア)の作製
まず、トリオクチルホスフィンオキサイド(TOPO)5g、酢酸インジウム1.46g(5mmol)およびラウリン酸3.16g(15.8mmol)を、反応フラスコに添加して、混合物を得た。
次に、窒素(N)環境下において、混合物を160℃にて40分間加熱した後、真空下で250℃にて20分間加熱した。
次いで、反応温度(混合物の温度)を窒素(N)環境の下で300℃に昇温した。
この温度で、1−オクタデセン(ODE)3gとトリス(トリメチルシリル)ホスフィン0.25g(1mmol)との混合物を反応フラスコに迅速に導入し、反応温度を260℃に維持した。
5分経過後、ヒーターの除去により反応を停止させ、得られた反応溶液を室温に冷却した。
次いで、トルエン8mLおよびエタノール20mLを、グローブボックス中の反応溶液に添加した。
続いて、遠心分離を行ってナノ結晶を沈殿させた後、上澄みの傾瀉によってナノ結晶を回収した。
次いで、回収されたナノ結晶をヘキサンに分散させた。これにより、ナノ結晶を5質量%で含有する分散液(ヘキサン分散液)を得た。
上記で得られたナノ結晶のヘキサン分散液およびラウリン酸インジウム溶液を反応フラスコに仕込んで、混合物を得た。
ナノ結晶のヘキサン分散液およびラウリン酸インジウム溶液の仕込量は、それぞれ、0.5g(ナノ結晶が25mg)、5g(ラウリン酸インジウムが178mg)となるように調整した。
真空下、室温にて混合物を10分間静置した後、窒素ガスでフラスコ内を常圧に戻し、混合物の温度を230℃に上げ、その温度で2時間保持してヘキサンをフラスコ内部から除去した。
次いで、フラスコ内温を250℃まで昇温した後、1−オクタデセン(ODE)3gおよびトリス(トリメチルシリル)ホスフィン0.03g(0.125mmol)の混合物を反応フラスコに迅速に導入し、反応温度を230℃に維持した。
5分経過後、ヒーターの除去により反応を停止させ、得られた反応溶液を室温に冷却した。
次いで、トルエン8mLおよびエタノール20mLをグローブボックス中の反応溶液に添加した。
続いて遠心分離を行い、ナノ結晶コア(InPコア)を沈殿させた後、上澄みの傾瀉によって、ナノ結晶コア(InPコア)を回収した。
次いで、回収されたナノ結晶コア(InPコア)をヘプタンに分散させて、ナノ結晶コア(InPコア)を5質量%で含有する分散液(ヘプタン分散液)を得た。
2−3.赤色発光性のナノ結晶シェル(ZnSeS/ZnSシェル)の形成
まず、上記で得られたナノ結晶コア(InPコア)のヘプタン分散液を、反応フラスコに2.5g加えた。
その後、室温にて、オレイン酸0.7gを反応フラスコに添加し、温度を80℃に上げて2時間保持した。
次いで、この反応混合物中に、ODE1mLに溶解したジエチル亜鉛14mg、ビス(トリメチルシリル)セレニド8mgおよびヘキサメチルジシラチアン7mg(ZnSeS前駆体溶液)を滴下し、ヘプタンを留去しつつ、200℃に昇温して10分間保持した。
その後、室温に冷却することによって、厚さが0.5nmの単層ZnSeSシェルを形成した。
次いで、温度を140℃に昇温して30分間保持した。
次に、この反応混合物中に、ODE2mLにジエチル亜鉛69mgおよびヘキサメチルジシラチアン66mgを溶解して得られたZnS前駆体溶液を滴下し、温度を200℃に昇温して30分間保持した。これにより、厚さが2nmの単層ZnSシェルを形成した。
ZnS前駆体溶液の滴下終了10分後に、ヒーターの除去により反応を停止させた。
次いで、反応混合物を室温に冷却し、生成した白色沈殿物を遠心分離によって除去した。これにより、赤色発光性のInP/ZnSeS/ZnSナノ結晶が分散したナノ結晶分散液(InP/ZnSeS/ZnSナノ結晶のODE分散液)を得た。
得られたODE分散液に10mLのアセトンを加えて、赤色発光性のナノ結晶を凝集させ、遠心分離によって沈殿させた。
その後、上澄みの傾瀉によって赤色発光性のナノ結晶の固形物を得た。
これにヘプタンを加えて再分散させて、赤色発光性のナノ結晶を5重量%で含有する分散液を得た。
3.発光素子の製造
(実施例1)
まず、洗浄したITO基板に、UV/Oを照射し、スピンコートによりポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT−PSS)を成膜し、厚さが45nmの塗膜を得た。この塗膜を大気中にて180℃で15分間加熱し、正孔注入層を形成した。
次いで、TFBの0.6重量%キシレン溶液を、正孔注入層上にスピンコートにより成膜し、厚さが20nmの塗膜を得た。この塗膜を窒素雰囲気下にて200℃で30分間乾燥させ、正孔輸送層を形成した。
次に、上記で作製した赤色発光性のナノ結晶を含有する分散液を、正孔輸送層上にスピンコートにより成膜し、厚さが30nmの塗膜を得た。この塗膜を窒素雰囲気下にて110℃で15分間乾燥させ、発光層を形成した。
次に、インク組成物1を発光層上にスピンコートにより成膜し、厚さが30nmの塗膜を得た。この塗膜を窒素雰囲気下にて110℃で15分間乾燥させ、電子輸送層を形成した。
次に、電子輸送層まで形成されたITO基板を真空蒸着機に搬送し、アルミニウムを蒸着した。これにより、厚さが100nmの陰極を形成した。
さらに、陰極まで形成されたITO基板をグローブボックスに搬送し、エポキシ樹脂を塗布した封止ガラスをITO基板に貼りあわせた。これにより、発光素子を製造した。
(実施例2)
インク組成物1に代えてインク組成物2を使用した以外は、実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
(実施例3)
インク組成物1に代えてインク組成物3を使用した以外は、実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
(比較例1)
インク組成物1に代えてインク組成物4を使用した以外は、実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
(比較例2)
インク組成物1に代えてインク組成物5を使用した以外は、実施例1と同様にして、発光素子を製造した。
4.発光素子の評価
各実施例および各比較例で得られた発光素子に対して、10mA/cmの電流を印加して発光させた際の輝度を輝度計(株式会社トプコン製、「BM−9」)にて測定した。
比較例1で得られた発光素子の輝度を100%とし、各実施例および比較例2で得られた発光素子の輝度を相対値として求めた。
以上の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2020181888
各実施例で得られた発光素子は、電子注入性が良好であり、高い発光効率が得られた。また、酸化亜鉛粒子に含まれるアルカリ金属の量を調整することで、発光効率が向上する傾向を示した。
これに対して、比較例1で得られた発光素子は、電子注入性が不良であり、十分な発光効率が得られなかった。また、比較例2で得られた発光素子は、酸化亜鉛粒子に含まれるアルカリ金属の量が多過ぎるため、酸化亜鉛粒子の分散性が悪く凝集する結果、透明で平滑な電荷輸送層が得られず、十分な発光効率が得られなかった。
1 発光素子
2 陽極
3 陰極
4 正孔注入層
5 正孔輸送層
6 発光層
7 電子輸送層
8 電子注入層

Claims (8)

  1. 電子輸送性を有する層を形成するのに使用される金属酸化物粒子であって、
    主金属と、該主金属に対して5〜13原子%のアルカリ金属とを含有し、
    平均一次粒子径が1.5〜5nmであることを特徴とする金属酸化物粒子。
  2. 前記主金属は、亜鉛を含む請求項1に記載の金属酸化物粒子。
  3. 請求項1または2に記載の金属酸化物粒子と、
    該金属酸化物粒子を分散する分散媒とを含有することを特徴とするインク組成物。
  4. 前記インク組成物中における前記金属酸化物粒子の平均二次粒子径は、5〜30nmである請求項3に記載のインク組成物。
  5. 前記インク組成物中における前記金属酸化物粒子の量は、1〜20質量%である請求項3または4に記載のインク組成物。
  6. 前記分散媒は、芳香族エーテル化合物およびアルコール化合物のうちの少なくとも一方を含有する請求項3〜5のいずれか1項に記載のインク組成物。
  7. 陽極と、
    該陽極と対向して設けられた陰極と、
    前記陽極と前記陰極との間に設けられた発光層と、
    該発光層と前記陰極との間に設けられ、請求項1または2に記載の金属酸化物粒子を含む電子輸送性を有する層とを備えることを特徴とする発光素子。
  8. 前記電子輸送性を有する層は、その前記発光層と反対側の面の算術平均粗さ(Ra)が3nm以下である請求項7に記載の発光素子。
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