JP2020181720A - サージ防護素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 気泡の発生を抑制でき、高い接合強度及び封止性が得られるサージ防護素子及びその製造方法を提供すること。【解決手段】 ガラス製の絶縁性管2と、絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止すると共に互いの対向面3aを離間させて対向配置した一対の封止電極3とを備え、一対の封止電極が、外周面に対向面から外側の端面3bまで延在する溝部3cが形成され、絶縁性管が、溝部の内面にも接合されている。この製法では、一対の封止電極の外周面に対向面から外側の端面まで延在する溝部を形成しておき、電極接合工程で、絶縁性管を溝部の内面まで接合させる。【選択図】図1
Description
本発明は、落雷等で発生するサージから様々な機器を保護し、事故を未然に防ぐのに使用するサージ防護素子及びその製造方法に関する。
電話機、ファクシミリ、モデム等の通信機器用の電子機器が通信線との接続する部分、電源線、アンテナ或いはCRT、液晶テレビおよびプラズマテレビ等の画像表示駆動回路等、雷サージや静電気等の異常電圧(サージ電圧)による電撃を受けやすい部分には、異常電圧によって電子機器やこの機器を搭載するプリント基板の熱的損傷又は発火等による破壊を防止するために、サージ防護素子が接続されている。
従来、例えば特許文献1には、ガラス管内で対向する金属部材の間に導電被覆した部材を挟んだマイクロギャップ式サージ防護素子が記載されている。このマイクロギャップ式サージ防護素子では、導電被覆した部材の中央に数μm〜数十μmのスリット(ギャップ)を設け、規定の電圧以下では対向する金属部材間に電流が流れない構造となっている。そして、設定した電圧を超えると、スリット間にアーク放電が発生し、対向する金属部材間に電流が流れるようになっている。
このサージ防護素子は、ガラス管のガラス軟化による形状変化能と、金属との接合特性とを利用したデバイスであり、量産性にも優れていることから幅広い分野で活用されている。
また、特許文献2には、セラミックス又はガラス等で形成された円筒体と、電気絶縁性のリング状スペーサを介在させることにより所定距離の空間を隔てて対峙する一対の電極とを備えたサージ防護素子が記載されている。このようなサージ防護素子のように、対向電極をアルミナ等のセラミックス製円筒体で封止したサージ防護素子はアレスタと呼ばれている。
また、特許文献2には、セラミックス又はガラス等で形成された円筒体と、電気絶縁性のリング状スペーサを介在させることにより所定距離の空間を隔てて対峙する一対の電極とを備えたサージ防護素子が記載されている。このようなサージ防護素子のように、対向電極をアルミナ等のセラミックス製円筒体で封止したサージ防護素子はアレスタと呼ばれている。
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、ガラス被覆型マイクロギャップ式サージ防護素子は、ガラスと金属部材との接合性が良好であり、ガスの封止性や、大気や水分の遮断性等の優れた信頼性を有しているが、マイクロギャップを構成するスリット幅が狭いと共に、マイクロギャップ周辺を形成している導電性被覆の厚さが数十μmと薄いため、サージ耐量は1500A程度が限界であった。また、導電性被覆の成膜工程やマイクロギャップを形成するためのレーザ加工工程が必要であり、工程が複雑になると共に作製に時間が掛かり、高コスト化してしまう不都合があった。
すなわち、ガラス被覆型マイクロギャップ式サージ防護素子は、ガラスと金属部材との接合性が良好であり、ガスの封止性や、大気や水分の遮断性等の優れた信頼性を有しているが、マイクロギャップを構成するスリット幅が狭いと共に、マイクロギャップ周辺を形成している導電性被覆の厚さが数十μmと薄いため、サージ耐量は1500A程度が限界であった。また、導電性被覆の成膜工程やマイクロギャップを形成するためのレーザ加工工程が必要であり、工程が複雑になると共に作製に時間が掛かり、高コスト化してしまう不都合があった。
一方、アレスタ型サージ防護素子は、直径5mmの製品における耐量が2000Aであり、直径8mmの製品における耐量が5000Aであり、ガラス被覆型マイクロギャップ式サージ防護素子よりも高いサージ耐量特性を有している。このようなアレスタ型サージ防護素子は、高信頼性が要求される大型家電、太陽光発電及び上下水道といったインフラ設備向け等に採用されている。なお、アレスタ型サージ防護素子は、金属とセラミックスとの接合において、高価な接合剤(銀系ロウ材)や、ガラス製円筒部材より高価なアルミナ製円筒部材が必要となる。さらに、セラミックスと金属部との接合には非常に高い技術が必要であると共に、電極内部に電極補助材(グラファイト等)を設けたり、電極保護及び放電助長の目的で対向電極表面に誘電材料を付与したりする必要があり、製造工程が複雑となっている。そのため、製造費用がガラス被覆型マイクロギャップ式サージ防護素子と比べて大幅に上昇する傾向にあった。
そのため、コスト的にガラス製円筒部材を用いることが要望されているが、図5に示すように、ガラス製の絶縁性管102内に互いに隙間を空けて一対の封止電極103を挿入した状態で、加熱し絶縁性管102と封止電極103とを接合させると、封止電極103の外周面と絶縁性管102との間に残存していた放電制御ガスが熱膨張して気泡Bとして閉じ込められてしまう場合がある。このように残った気泡Bの部分では、封止電極103と絶縁性管102とが接合されておらず、接合強度及び封止性が低下してしまう問題があった。また、放電制御ガスが封止電極103の外周面側に流れて一対の封止電極103の間の放電制御ガスが薄くなり、放電開始電圧Vsが低下してしまうおそれもあった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、気泡の発生を抑制でき、高い接合強度及び封止性が得られるサージ防護素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るサージ防護素子は、ガラス製の絶縁性管と、前記絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止すると共に互いの対向面を離間させて対向配置した一対の封止電極とを備え、一対の前記封止電極が、外周面に前記対向面から外側の端面まで延在する溝部が形成され、前記絶縁性管が、前記溝部の内面にも接合されていることを特徴とする。
すなわち、このサージ防護素子では、一対の封止電極が、外周面に対向面から外側の端面まで延在する溝部が形成され、絶縁性管が、溝部の内面にも接合されているので、製作時の接合の際に、溝部の無い外周面の場合に比べて、封止電極の外周面と絶縁性管との間での気泡の発生を抑制でき、高い接合強度及び封止性が得られる。また、溝部の無い外周面の場合に比べて絶縁性管との接合面積が増えることで接合強度及び封止性が向上する。
第2の発明に係るサージ防護素子は、第1の発明において、前記溝部が、前記封止電極の外周面に周方向に等間隔で複数形成されていることを特徴とする。
すなわち、このサージ防護素子では、溝部が、封止電極の外周面に周方向に等間隔で複数形成されているので、周方向にわたってバランス良く均等な接合強度及び封止性が得られる。
すなわち、このサージ防護素子では、溝部が、封止電極の外周面に周方向に等間隔で複数形成されているので、周方向にわたってバランス良く均等な接合強度及び封止性が得られる。
第3の発明に係るサージ防護素子は、第1又は第2の発明において、前記溝部が、一対の前記封止電極の前記対向面から前記外側の端面に向かって漸次深く形成されていることを特徴とする。
すなわち、このサージ防護素子では、溝部が、一対の封止電極の対向面から外側の端面に向かって漸次深く形成されているので、溝部での封止電極の断面形状が外側の端面に向けて幅が漸次小さくなるテーパ形状であるため、絶縁性管に対するアンカー効果によって一対の封止電極が互いに離間する方向への移動が制限され、一対の封止電極の隙間(ギャップ)が拡がることを防止できる。
すなわち、このサージ防護素子では、溝部が、一対の封止電極の対向面から外側の端面に向かって漸次深く形成されているので、溝部での封止電極の断面形状が外側の端面に向けて幅が漸次小さくなるテーパ形状であるため、絶縁性管に対するアンカー効果によって一対の封止電極が互いに離間する方向への移動が制限され、一対の封止電極の隙間(ギャップ)が拡がることを防止できる。
第4の発明に係るサージ防護素子の製造方法は、第1から第3の発明のいずれかのサージ防護素子の製造する方法であって、互いの対向面を離間させた状態で一対の封止電極をガラス製の絶縁性管内に挿入する封止電極挿入工程と、前記封止電極挿入工程後に前記絶縁性管を加熱して軟化させ前記絶縁性管と一対の前記封止電極とを接合させると共に一対の前記封止電極で前記絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する電極接合工程とを有し、一対の前記封止電極が、外周面に前記対向面から外側の端面まで延在する溝部が形成され、前記電極接合工程で、前記絶縁性管を前記溝部の内面まで接合させることを特徴とする。
すなわち、このサージ防護素子の製造方法では、一対の封止電極が、外周面に対向面から外側の端面まで延在する溝部が形成され、電極接合工程で、絶縁性管を溝部の内面まで接合させるので、接合時に軟化した絶縁性管の一部が溝部内に流入し外周面の放電制御ガスが溝部を介して外側の端面へと押し出して抜けることで、絶縁性管と封止電極との接合面に放電制御ガスが残存し難く、気泡の発生を抑制することができる。
すなわち、このサージ防護素子の製造方法では、一対の封止電極が、外周面に対向面から外側の端面まで延在する溝部が形成され、電極接合工程で、絶縁性管を溝部の内面まで接合させるので、接合時に軟化した絶縁性管の一部が溝部内に流入し外周面の放電制御ガスが溝部を介して外側の端面へと押し出して抜けることで、絶縁性管と封止電極との接合面に放電制御ガスが残存し難く、気泡の発生を抑制することができる。
第5の発明に係るサージ防護素子の製造方法は、第4の発明において、前記溝部が、前記封止電極の外周面に周方向に等間隔で複数形成されていることを特徴とする。
すなわち、このサージ防護素子では、溝部が、封止電極の外周面に周方向に等間隔で複数形成されているので、周方向にわたってバランス良く均等な放電制御ガスの押し出し効果が得られる。
すなわち、このサージ防護素子では、溝部が、封止電極の外周面に周方向に等間隔で複数形成されているので、周方向にわたってバランス良く均等な放電制御ガスの押し出し効果が得られる。
第6の発明に係るサージ防護素子の製造方法は、第4又は第5の発明において、前記溝部が、一対の前記封止電極の前記対向面から前記外側の端面に向かって漸次深く形成されていることを特徴とする。
すなわち、このサージ防護素子の製造方法では、溝部が、一対の封止電極の対向面から外側の端面に向かって漸次深く形成されているので、溝部内の接合が対向面側から外側の端面へと進行することで、絶縁性管と封止電極との接合面に放電制御ガスがより残存し難く、気泡の発生をさらに抑制することができる。
すなわち、電極接合工程で、溝部内において最初に最も浅い部分である封止電極の対向面近傍から接合が始まり、封止電極の外側の端面に向けて接合が進むと共に、溝部内の放電制御ガスを外側の端面側へと押し出すことで、溝部内に放電制御ガスがより残存し難くなる。また、最初に封止電極の対向面近傍から接合するため、一対の封止電極の間隙に閉じ込める放電制御ガスの量を一定にすることができる。
すなわち、このサージ防護素子の製造方法では、溝部が、一対の封止電極の対向面から外側の端面に向かって漸次深く形成されているので、溝部内の接合が対向面側から外側の端面へと進行することで、絶縁性管と封止電極との接合面に放電制御ガスがより残存し難く、気泡の発生をさらに抑制することができる。
すなわち、電極接合工程で、溝部内において最初に最も浅い部分である封止電極の対向面近傍から接合が始まり、封止電極の外側の端面に向けて接合が進むと共に、溝部内の放電制御ガスを外側の端面側へと押し出すことで、溝部内に放電制御ガスがより残存し難くなる。また、最初に封止電極の対向面近傍から接合するため、一対の封止電極の間隙に閉じ込める放電制御ガスの量を一定にすることができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るサージ防護素子及びその製造方法によれば、一対の封止電極が、外周面に対向面から外側の端面まで延在する溝部が形成され、絶縁性管が、溝部の内面にも接合されているので、溝部の無い外周面の場合に比べて絶縁性管との接合面積が増えることで接合強度及び封止性が向上する。また、外周面の放電制御ガスが接合時に軟化した絶縁性管によって溝部を介して外側の端面へと押し出して抜けることで、絶縁性管と封止電極との接合面に放電制御ガスが残存し難く、気泡の発生を抑制することができる。
したがって、本発明に係るサージ防護素子は、小型かつ安価で高信頼性の製品が要求される電気機器の電源回路部や通信回路部用などに好適である。特に、本発明のサージ防護素子は、基板実装用として静電気対策を含む幅広い用途に好適である。
すなわち、本発明に係るサージ防護素子及びその製造方法によれば、一対の封止電極が、外周面に対向面から外側の端面まで延在する溝部が形成され、絶縁性管が、溝部の内面にも接合されているので、溝部の無い外周面の場合に比べて絶縁性管との接合面積が増えることで接合強度及び封止性が向上する。また、外周面の放電制御ガスが接合時に軟化した絶縁性管によって溝部を介して外側の端面へと押し出して抜けることで、絶縁性管と封止電極との接合面に放電制御ガスが残存し難く、気泡の発生を抑制することができる。
したがって、本発明に係るサージ防護素子は、小型かつ安価で高信頼性の製品が要求される電気機器の電源回路部や通信回路部用などに好適である。特に、本発明のサージ防護素子は、基板実装用として静電気対策を含む幅広い用途に好適である。
以下、本発明に係るサージ防護素子及びその製造方法の第1実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態のサージ防護素子1は、図1から図3に示すように、ガラス製の絶縁性管2と、絶縁性管2の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止すると共に互いの対向面3aを離間させて対向配置した一対の封止電極3とを備えている。
上記一対の封止電極3は、外周面に対向面3aから外側の端面3bまで延在する溝部3cが形成されている。
上記絶縁性管2は、溝部3cの内面にも接合されている。
上記一対の封止電極3は、外周面に対向面3aから外側の端面3bまで延在する溝部3cが形成されている。
上記絶縁性管2は、溝部3cの内面にも接合されている。
上記溝部3cは、封止電極3の外周面に周方向に等間隔で複数形成されている。
なお、本実施形態では、図2に示すように、4つの溝部3cが周方向に等間隔で形成されている。
上記絶縁性管2は、例えば円筒状であり、鉛ガラス等のガラス管で形成されている。
上記絶縁性管2内に封入される放電制御ガスは、不活性ガス等であって、例えばHe,Ar,Ne,Xe,Kr,SF6,CO2,C3F8,C2F6,CF4,H2,大気等及びこれらの混合ガスが採用される。
なお、本実施形態では、図2に示すように、4つの溝部3cが周方向に等間隔で形成されている。
上記絶縁性管2は、例えば円筒状であり、鉛ガラス等のガラス管で形成されている。
上記絶縁性管2内に封入される放電制御ガスは、不活性ガス等であって、例えばHe,Ar,Ne,Xe,Kr,SF6,CO2,C3F8,C2F6,CF4,H2,大気等及びこれらの混合ガスが採用される。
上記封止電極3は、例えばジュメット線,42アロイ(Fe:58wt%、Ni:42wt%),Cu等で円柱状に形成されている。
各封止電極3には、外側に突出したリード線5の基端部が埋め込まれている。
また、封止電極3の外周面には、ガラスとの濡れ性を向上させるために亜酸化銅の膜が形成されている。
なお、封止電極3及びリード線5として、ジュメット線材で形成されたいわゆるスラグリードを採用しても構わない。
各封止電極3には、外側に突出したリード線5の基端部が埋め込まれている。
また、封止電極3の外周面には、ガラスとの濡れ性を向上させるために亜酸化銅の膜が形成されている。
なお、封止電極3及びリード線5として、ジュメット線材で形成されたいわゆるスラグリードを採用しても構わない。
本実施形態のサージ防護素子1の製造方法は、互いの対向面3aを離間させた状態で一対の封止電極3をガラス製の絶縁性管2内に挿入する封止電極挿入工程と、封止電極挿入工程後に絶縁性管2を加熱して軟化させ絶縁性管2と一対の封止電極3とを接合させると共に一対の封止電極3で絶縁性管2の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する電極接合工程とを有している。
一対の封止電極3は、図2の(a)に示すように、外周面に対向面3aから外側の端面まで延在する溝部3cが形成されている。
上記電極接合工程では、絶縁性管2を溝部3cの内面まで接合させる。すなわち、電極接合工程では、図2の(b)及び図3に示すように、軟化させた絶縁性管2の内周面が溝部3c内に進入して溝部3cの内面と接合する。
上記電極接合工程では、絶縁性管2を溝部3cの内面まで接合させる。すなわち、電極接合工程では、図2の(b)及び図3に示すように、軟化させた絶縁性管2の内周面が溝部3c内に進入して溝部3cの内面と接合する。
このように本実施形態のサージ防護素子1では、一対の封止電極3が、外周面に対向面3aから外側の端面3bまで延在する溝部3cが形成され、絶縁性管2が、溝部3cの内面にも接合されているので、溝部3cの無い外周面の場合に比べて絶縁性管2との接合面積が増えることで接合強度及び封止性が向上する。
また、溝部3cが、封止電極3の外周面に周方向に等間隔で複数形成されているので、周方向にわたってバランス良く均等な接合強度及び封止性が得られる。
また、溝部3cが、封止電極3の外周面に周方向に等間隔で複数形成されているので、周方向にわたってバランス良く均等な接合強度及び封止性が得られる。
本実施形態のサージ防護素子1の製造方法では、一対の封止電極3が、外周面に対向面3aから外側の端面3bまで延在する溝部3cが形成され、電極接合工程で、絶縁性管2を溝部3cの内面まで接合させるので、接合時に軟化した絶縁性管2の一部が溝部3c内に流入し外周面の放電制御ガスが溝部3cを介して外側の端面3bへと(図中の矢印方向)押し出して抜けることで、絶縁性管2と封止電極3との接合面に放電制御ガスが残存し難く、気泡の発生を抑制することができる。
また、溝部3cが、封止電極3の外周面に周方向に等間隔で複数形成されているので、周方向にわたってバランス良く均等な放電制御ガスの押し出し効果が得られる。
次に、本発明に係るサージ防護素子及びその製造方法の第2実施形態について、図4を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、溝部3cの深さが対向面3aから外側の端面3bまで一定であるのに対し、第2実施形態のサージ防護素子21及びその製造方法では、図4に示すように、溝部23cが、一対の封止電極23の対向面3aから外側の端面3bに向かって漸次深く形成されている点である。
このように第2実施形態のサージ防護素子21では、溝部23cが、一対の封止電極23の対向面3aから外側の端面3bに向かって漸次深く形成されているので、溝部23cでの封止電極23の断面形状が外側の端面3bに向けて幅が漸次小さくなるテーパ形状であるため、絶縁性管2に対するアンカー効果によって一対の封止電極23が互いに離間する方向への移動が制限され、一対の封止電極23の隙間(ギャップ)が拡がることを防止できる。
また、第2実施形態のサージ防護素子21の製造方法では、溝部23c内の接合が対向面3a側から外側の端面3bへと進行することで、絶縁性管2と封止電極23との接合面に放電制御ガスがより残存し難く、気泡の発生をさらに抑制することができる。
すなわち、電極接合工程で、溝部23c内において最初に最も浅い部分である封止電極23の対向面3a近傍から接合が始まり、封止電極23の外側の端面3bに向けて接合が進むと共に、溝部23c内の放電制御ガスを外側の端面3b側へと押し出すことで、溝部3c内に放電制御ガスがより残存し難くなる。また、最初に封止電極23の対向面3a近傍から接合するため、一対の封止電極23の間隙に閉じ込める放電制御ガスの量を一定にすることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1,21…サージ防護素子、2…絶縁性管、3,23…封止電極、3a…(封止電極の)対向面、3b…(封止電極の)外側の端面、3c,23c…溝部
Claims (6)
- ガラス製の絶縁性管と、
前記絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止すると共に互いの対向面を離間させて対向配置した一対の封止電極とを備え、
一対の前記封止電極が、外周面に前記対向面から外側の端面まで延在する溝部が形成され、
前記絶縁性管が、前記溝部の内面にも接合されていることを特徴とするサージ防護素子。 - 請求項1に記載のサージ防護素子において、
前記溝部が、前記封止電極の外周面に周方向に等間隔で複数形成されていることを特徴とするサージ防護素子。 - 請求項1又は2に記載のサージ防護素子において、
前記溝部が、一対の前記封止電極の前記対向面から前記外側の端面に向かって漸次深く形成されていることを特徴とするサージ防護素子。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のサージ防護素子の製造する方法であって、
互いの対向面を離間させた状態で一対の封止電極をガラス製の絶縁性管内に挿入する封止電極挿入工程と、
前記封止電極挿入工程後に前記絶縁性管を加熱して軟化させ前記絶縁性管と一対の前記封止電極とを接合させると共に一対の前記封止電極で前記絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する電極接合工程とを有し、
一対の前記封止電極が、外周面に前記対向面から外側の端面まで延在する溝部が形成され、
前記電極接合工程で、前記絶縁性管を前記溝部の内面まで接合させることを特徴とするサージ防護素子の製造方法。 - 請求項4に記載のサージ防護素子の製造方法において、
前記溝部が、前記封止電極の外周面に周方向に等間隔で複数形成されていることを特徴とするサージ防護素子。 - 請求項4又は5に記載のサージ防護素子の製造方法において、
前記溝部が、一対の前記封止電極の前記対向面から前記外側の端面に向かって漸次深く形成されていることを特徴とするサージ防護素子の製造方法。
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