JP2020087715A - サージ防護素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 非常に狭いギャップを低コストで作製可能であるサージ防護素子及びその製造方法を提供すること。【解決手段】 絶縁性管2と、絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する一対の封止電極3と、一対の封止電極の一方に接触していると共に少なくとも一部が絶縁性管の内周面に固定された間隔調整部材4とを備え、間隔調整部材が、互いに熱膨張率の異なる少なくとも2枚の金属板を接合させたバイメタル部材であり、温度が上がる程、一対の封止電極の対向方向に向けて曲がり、前記対向方向の高さが大きくなる。【選択図】図1
Description
本発明は、落雷等で発生するサージから様々な機器を保護し、事故を未然に防ぐのに使用するサージ防護素子及びその製造方法に関する。
電話機、ファクシミリ、モデム等の通信機器用の電子機器が通信線との接続する部分、電源線、アンテナ或いはCRT、液晶テレビおよびプラズマテレビ等の画像表示駆動回路等、雷サージや静電気等の異常電圧(サージ電圧)による電撃を受けやすい部分には、異常電圧によって電子機器やこの機器を搭載するプリント基板の熱的損傷又は発火等による破壊を防止するために、サージ防護素子が接続されている。
従来、例えば特許文献1には、ガラス管内で対向する金属部材の間に導電被覆した部材を挟んだマイクロギャップ式サージ防護素子が記載されている。このマイクロギャップ式サージ防護素子では、導電被覆した部材の中央に数μm〜数十μmのスリット(ギャップ)を設け、規定の電圧以下では対向する金属部材間に電流が流れない構造となっている。そして、設定した電圧を超えると、スリット間にアーク放電が発生し、対向する金属部材間に電流が流れるようになっている。
このサージ防護素子は、ガラス管のガラス軟化による形状変化能と、金属との接合特性とを利用したデバイスであり、量産性にも優れていることから幅広い分野で活用されている。
また、特許文献2には、セラミックス又はガラス等で形成された円筒体と、電気絶縁性のリング状スペーサを介在させることにより所定距離の空間を隔てて対峙する一対の電極とを備えたサージ防護素子が記載されている。このようなサージ防護素子のように、対向電極をアルミナ等のセラミックス製円筒体で封止したサージ防護素子はアレスタと呼ばれている。
また、特許文献2には、セラミックス又はガラス等で形成された円筒体と、電気絶縁性のリング状スペーサを介在させることにより所定距離の空間を隔てて対峙する一対の電極とを備えたサージ防護素子が記載されている。このようなサージ防護素子のように、対向電極をアルミナ等のセラミックス製円筒体で封止したサージ防護素子はアレスタと呼ばれている。
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、ガラス被覆型マイクロギャップ式サージ防護素子は、ガラスと金属部材との接合性が良好であり、ガスの封止性や、大気や水分の遮断性等の優れた信頼性を有しているが、マイクロギャップを構成するスリット幅が狭いと共に、マイクロギャップ周辺を形成している導電性被覆の厚さが数十μmと薄いため、サージ耐量は1500A程度が限界であった。また、導電性被覆の成膜工程やマイクロギャップを形成するためのレーザ加工工程が必要であり、工程が複雑になると共に作製に時間が掛かり、高コスト化してしまう不都合があった。
一方、アレスタ型サージ防護素子は、直径5mmの製品における耐量が2000Aであり、直径8mmの製品における耐量が5000Aであり、ガラス被覆型マイクロギャップ式サージ防護素子よりも高いサージ耐量特性を有している。このようなアレスタ型サージ防護素子は、高信頼性が要求される大型家電、太陽光発電及び上下水道といったインフラ設備向け等に採用されている。なお、アレスタ型サージ防護素子は、金属とセラミックスとの接合において、高価な接合剤(銀系ロウ材)や、ガラス製円筒部材より高価なアルミナ製円筒部材が必要となる。さらに、セラミックスと金属部との接合には非常に高い技術が必要であると共に、電極内部に電極補助材(グラファイト等)を設けたり、電極保護及び放電助長の目的で対向電極表面に誘電材料を付与したりする必要があり、製造工程が複雑となっている。そのため、製造費用がガラス被覆型マイクロギャップ式サージ防護素子と比べて大幅に上昇する傾向にあった。特に、静電気対策に用いる場合では上記マイクロギャップのような非常に狭い間隔で対向する電極を互いに離間させる必要があり、高精度にギャップを設定することが困難であった。
すなわち、ガラス被覆型マイクロギャップ式サージ防護素子は、ガラスと金属部材との接合性が良好であり、ガスの封止性や、大気や水分の遮断性等の優れた信頼性を有しているが、マイクロギャップを構成するスリット幅が狭いと共に、マイクロギャップ周辺を形成している導電性被覆の厚さが数十μmと薄いため、サージ耐量は1500A程度が限界であった。また、導電性被覆の成膜工程やマイクロギャップを形成するためのレーザ加工工程が必要であり、工程が複雑になると共に作製に時間が掛かり、高コスト化してしまう不都合があった。
一方、アレスタ型サージ防護素子は、直径5mmの製品における耐量が2000Aであり、直径8mmの製品における耐量が5000Aであり、ガラス被覆型マイクロギャップ式サージ防護素子よりも高いサージ耐量特性を有している。このようなアレスタ型サージ防護素子は、高信頼性が要求される大型家電、太陽光発電及び上下水道といったインフラ設備向け等に採用されている。なお、アレスタ型サージ防護素子は、金属とセラミックスとの接合において、高価な接合剤(銀系ロウ材)や、ガラス製円筒部材より高価なアルミナ製円筒部材が必要となる。さらに、セラミックスと金属部との接合には非常に高い技術が必要であると共に、電極内部に電極補助材(グラファイト等)を設けたり、電極保護及び放電助長の目的で対向電極表面に誘電材料を付与したりする必要があり、製造工程が複雑となっている。そのため、製造費用がガラス被覆型マイクロギャップ式サージ防護素子と比べて大幅に上昇する傾向にあった。特に、静電気対策に用いる場合では上記マイクロギャップのような非常に狭い間隔で対向する電極を互いに離間させる必要があり、高精度にギャップを設定することが困難であった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、非常に狭いギャップを低コストで作製可能であるサージ防護素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るサージ防護素子は、絶縁性管と、前記絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する一対の封止電極と、一対の前記封止電極の一方に接触していると共に少なくとも一部が前記絶縁性管の内周面又は一対の前記封止電極の一方に固定された間隔調整部材とを備え、前記間隔調整部材が、互いに熱膨張率の異なる少なくとも2枚の金属板を接合させたバイメタル部材であり、温度が上がる程、一対の前記封止電極の対向方向に向けて曲がり、前記対向方向の高さが大きくなることを特徴とする。
このサージ防護素子では、間隔調整部材が、互いに熱膨張率の異なる少なくとも2枚の金属板を接合させたバイメタル部材であり、温度が上がる程、一対の封止電極の対向方向に向けて曲がり、前記対向方向の高さが大きくなるので、封止電極と絶縁性管とを接合する際の加熱時に間隔調整部材が一対の封止電極の間隔を押し拡げ、その後の冷却過程で、再び間隔調整部材が元の形状へと縮むことで、狭い間隔を空けて絶縁性管に固定された一対の封止電極を容易に作製することが可能である。また、間隔調整部材の端部,エッジ又は凸部に電界が集中することで、放電開始電圧を低減することができる。
第2の発明に係るサージ防護素子は、第1の発明において、前記間隔調整部材が、一対の前記封止電極の対向面に対して垂直な方向に軸線を有した螺旋状に延在しており、その外周部の一部が、前記絶縁性管の内周面に固定されていることを特徴とする。
すなわち、このサージ防護素子では、間隔調整部材が、一対の封止電極の対向面に対して垂直な方向に軸線を有した螺旋状に延在しており、その外周部の一部が、絶縁性管の内周面に固定されているので、間隔調整部材が熱膨張しても径方向には伸び難く、軸線方向への伸び(変位)を大きくすることができる。したがって、間隔調整部材が、径方向に直線状に延在する場合よりも螺旋状に長く延在していることで、前記対向方向に大きく変位し、一対の封止電極の間隔をより広い範囲で調整することができる。また、螺旋状の間隔調整部材の先端部に電界が集中することで、放電開始電圧を下げることができる。
すなわち、このサージ防護素子では、間隔調整部材が、一対の封止電極の対向面に対して垂直な方向に軸線を有した螺旋状に延在しており、その外周部の一部が、絶縁性管の内周面に固定されているので、間隔調整部材が熱膨張しても径方向には伸び難く、軸線方向への伸び(変位)を大きくすることができる。したがって、間隔調整部材が、径方向に直線状に延在する場合よりも螺旋状に長く延在していることで、前記対向方向に大きく変位し、一対の封止電極の間隔をより広い範囲で調整することができる。また、螺旋状の間隔調整部材の先端部に電界が集中することで、放電開始電圧を下げることができる。
第3の発明に係るサージ防護素子は、第1又は第2の発明において、前記間隔調整部材が、外周部に少なくとも2つの凸部を有し、2つの前記凸部が、前記絶縁性管の内周面の互いに対向する位置で固定されていることを特徴とする。
すなわち、このサージ防護素子では、間隔調整部材が、外周部に少なくとも2つの凸部を有し、2つの凸部が、絶縁性管の内周面の互いに対向する位置で固定されているので、2つの凸部で間隔調整部材を確実に固定すると共に、凸部以外の部分が加熱時に変位可能となり、間隔調整部材を大きく曲げることが可能になる。
すなわち、このサージ防護素子では、間隔調整部材が、外周部に少なくとも2つの凸部を有し、2つの凸部が、絶縁性管の内周面の互いに対向する位置で固定されているので、2つの凸部で間隔調整部材を確実に固定すると共に、凸部以外の部分が加熱時に変位可能となり、間隔調整部材を大きく曲げることが可能になる。
第4の発明に係るサージ防護素子の製造方法は、第1から第3の発明のいずれかに記載のサージ防護素子を製造する方法であって、一対の前記封止電極の対向面で前記間隔調整部材を挟んだ状態で、前記絶縁性管内に一対の前記封止電極及び前記間隔調整部材を挿入する挿入工程と、一対の前記封止電極の間に前記間隔調整部材を配した状態で、一対の前記封止電極で前記絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する封止工程とを有し、前記封止工程が、前記絶縁性管を加熱して前記封止電極と融着させる加熱工程と、前記加熱工程後に前記絶縁性管の温度を下げて前記融着した部分を固着させ前記絶縁性管の両端開口部を閉塞させる固着工程とを有し、前記加熱工程で、前記間隔調整部材が変形して前記対向方向の高さが大きくなると共に、一対の前記封止電極の対向面に当接して一対の前記封止電極の間隔を押し拡げ、前記固着工程で、前記融着した部分が固着した後に前記間隔調整部材が前記加熱工程前の形状に戻り、前記間隔調整部材を一対の前記封止電極の対向面のうち他方から離間させることを特徴とする。
すなわち、このサージ防護素子の製造方法では、加熱工程で、間隔調整部材が変形して前記対向方向の高さが大きくなると共に、一対の封止電極の対向面に当接して一対の封止電極の間隔を押し拡げ、固着工程で、前記融着した部分が固着した後に間隔調整部材が加熱工程前の形状に戻り、間隔調整部材を一対の封止電極の対向面のうち他方から離間させるので、封止と一対の封止電極の間隔確保とを同時にかつ容易に行うことができる。
すなわち、このサージ防護素子の製造方法では、加熱工程で、間隔調整部材が変形して前記対向方向の高さが大きくなると共に、一対の封止電極の対向面に当接して一対の封止電極の間隔を押し拡げ、固着工程で、前記融着した部分が固着した後に間隔調整部材が加熱工程前の形状に戻り、間隔調整部材を一対の封止電極の対向面のうち他方から離間させるので、封止と一対の封止電極の間隔確保とを同時にかつ容易に行うことができる。
第5の発明に係るサージ防護素子の製造方法は、第4の発明において、前記間隔調整部材の外周部に少なくとも2つの凸部を形成しておき、前記加熱工程で、2つの前記凸部を前記絶縁性管の内周面の互いに対向する位置で融着させることを特徴とする。
すなわち、このサージ防護素子の製造方法では、加熱工程で、2つの凸部を絶縁性管の内周面の互いに対向する位置で融着させるので、2つの凸部で間隔調整部材を確実に固定することができ、溶接等の工程が不要になる。
すなわち、このサージ防護素子の製造方法では、加熱工程で、2つの凸部を絶縁性管の内周面の互いに対向する位置で融着させるので、2つの凸部で間隔調整部材を確実に固定することができ、溶接等の工程が不要になる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るサージ防護素子及びその製造方法によれば、間隔調整部材が、互いに熱膨張率の異なる少なくとも2枚の金属板を接合させたバイメタル部材であり、温度が上がる程、一対の封止電極の対向方向に向けて曲がり、前記対向方向の高さが大きくなるので、狭い間隔を空けて絶縁性管に固定された一対の封止電極を容易に作製することが可能であると共に、放電開始電圧を低減することができる。
したがって、本発明に係るサージ防護素子は、小型かつ安価で高信頼性の製品が要求される電気機器の電源回路部や通信回路部用などに好適である。
すなわち、本発明に係るサージ防護素子及びその製造方法によれば、間隔調整部材が、互いに熱膨張率の異なる少なくとも2枚の金属板を接合させたバイメタル部材であり、温度が上がる程、一対の封止電極の対向方向に向けて曲がり、前記対向方向の高さが大きくなるので、狭い間隔を空けて絶縁性管に固定された一対の封止電極を容易に作製することが可能であると共に、放電開始電圧を低減することができる。
したがって、本発明に係るサージ防護素子は、小型かつ安価で高信頼性の製品が要求される電気機器の電源回路部や通信回路部用などに好適である。
以下、本発明に係るサージ防護素子及びその製造方法の第1実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態のサージ防護素子1は、図1及び図2に示すように、絶縁性管2と、絶縁性管2の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する一対の封止電極3と、一対の封止電極3の一方に接触していると共に少なくとも一部が絶縁性管2の内周面又は一対の封止電極3の一方に固定された間隔調整部材4とを備えている。
なお、本実施形態では、間隔調整部材4が絶縁性管2の内周面に固定されている。
また、封止電極3には、外側に突出したリード線5の基端部が埋め込まれている。
なお、本実施形態では、間隔調整部材4が絶縁性管2の内周面に固定されている。
また、封止電極3には、外側に突出したリード線5の基端部が埋め込まれている。
上記間隔調整部材4は、互いに熱膨張率の異なる少なくとも2枚の金属板4a,4bを接合させたバイメタル部材であり、温度が上がる程、一対の封止電極3の対向方向に向けて曲がり、前記対向方向の高さが大きくなる。
例えば、間隔調整部材4は、Cu(熱膨張率:165×10−7/K)の金属板4aと42アロイ(Fe:58wt%、Ni:42wt%、熱膨張率:39×10−7/K)の金属板4bとを接合させたもの等が採用可能である。
上記間隔調整部材4は、図2に示すように、絶縁性管2の径方向に直線状に延在した帯状であり、四隅4cが絶縁性管2の内周面に融着して固定されている。
例えば、間隔調整部材4は、Cu(熱膨張率:165×10−7/K)の金属板4aと42アロイ(Fe:58wt%、Ni:42wt%、熱膨張率:39×10−7/K)の金属板4bとを接合させたもの等が採用可能である。
上記間隔調整部材4は、図2に示すように、絶縁性管2の径方向に直線状に延在した帯状であり、四隅4cが絶縁性管2の内周面に融着して固定されている。
上記絶縁性管2は、円筒状であり、鉛ガラス等のガラス管(例えば、ガラス軟化点:575℃のガラス管)で形成されている。なお、絶縁性管2は、安価で封止性等に優れたガラス管で形成することが好ましいが、加熱時に封止電極3と融着可能な構造を採用していれば、アルミナなどの結晶性セラミックス材で形成しても構わない。
上記絶縁性管2内に封入される放電制御ガスは、不活性ガス等であって、例えばHe,Ar,Ne,Xe,Kr,SF6,CO2,C3F8,C2F6,CF4,H2,大気等及びこれらの混合ガスが採用される。
上記封止電極3は、例えばジュメット線,42アロイ(Fe:58wt%、Ni:42wt%),Cu等で円柱状に形成されている。
上記絶縁性管2内に封入される放電制御ガスは、不活性ガス等であって、例えばHe,Ar,Ne,Xe,Kr,SF6,CO2,C3F8,C2F6,CF4,H2,大気等及びこれらの混合ガスが採用される。
上記封止電極3は、例えばジュメット線,42アロイ(Fe:58wt%、Ni:42wt%),Cu等で円柱状に形成されている。
本実施形態のサージ防護素子1の製造方法は、図1の(a)に示すように、一対の封止電極3の対向面で間隔調整部材4を挟んだ状態で、絶縁性管2内に一対の封止電極3及び間隔調整部材4を挿入する挿入工程と、図1の(b)(c)に示すように、一対の封止電極3の間に間隔調整部材4を配した状態で、一対の封止電極3で絶縁性管2の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する封止工程とを有している。
上記封止工程は、絶縁性管2を加熱して封止電極3と融着させる加熱工程と、加熱工程後に絶縁性管2の温度を下げて前記融着した部分を固着させ絶縁性管2の両端開口部を閉塞させる固着工程とを有している。
上記加熱工程では、図1の(b)に示すように、間隔調整部材4が、断面円弧状に変形して前記対向方向の高さが大きくなると共に、一対の封止電極3の対向面に当接して一対の封止電極3の間隔を押し拡げる。
上記加熱工程では、図1の(b)に示すように、間隔調整部材4が、断面円弧状に変形して前記対向方向の高さが大きくなると共に、一対の封止電極3の対向面に当接して一対の封止電極3の間隔を押し拡げる。
また、上記固着工程では、図1の(c)に示すように、前記融着した部分が固着した後に間隔調整部材4が、加熱工程前の平坦な形状に戻り、一対の封止電極3の対向面のうち一方(下側の封止電極3の対向面)上に載置された状態で、間隔調整部材4を一対の封止電極3の対向面のうち他方(上側の封止電極3の対向面)から離間する。
すなわち、本実施形態では、間隔調整部材4が下側の封止電極3の対向面に接触した状態で、絶縁性管2の内面に四隅4cで固定されており、図1の(b)に示すように、加熱工程で加熱されると直線状に延在する間隔調整部材4が高温になるほど大きく撓んで曲がる。このとき、上側の封止電極3が間隔調整部材4に押されて上方に移動することで、一対の封止電極3の間隔が拡がる。
さらに、温度が絶縁性管2の溶融温度を超えると、封止電極3の外周面が絶縁性管2の内周面と融着し、上方に移動した上側の封止電極3も下側の封止電極3と共に絶縁性管2と融着される。
この後、冷却させることで、融着した部分が固着し、図1の(c)に示すように、一対の封止電極3が互いに間隔を保ったまま絶縁性管2の内周面に固定されると共に、封止が行われる。さらに、温度が加熱前の常温に戻ると、間隔調整部材4も元の平らな形状に戻る。
この後、冷却させることで、融着した部分が固着し、図1の(c)に示すように、一対の封止電極3が互いに間隔を保ったまま絶縁性管2の内周面に固定されると共に、封止が行われる。さらに、温度が加熱前の常温に戻ると、間隔調整部材4も元の平らな形状に戻る。
このように本実施形態のサージ防護素子1では、間隔調整部材4が、互いに熱膨張率の異なる少なくとも2枚の金属板4a,4bを接合させたバイメタル部材であり、温度が上がる程、一対の封止電極3の対向方向に向けて曲がり、前記対向方向の高さが大きくなるので、封止電極3と絶縁性管2とを接合する際の加熱時に間隔調整部材4が一対の封止電極3の間隔を押し拡げ、その後の冷却過程で、再び間隔調整部材4が元の形状へと縮むことで、狭い間隔を空けて絶縁性管2に固定された一対の封止電極3を容易に作製することが可能である。また、間隔調整部材4の端部,エッジ又は凸部に電界が集中することで、放電開始電圧を低減することができる。
また、本実施形態のサージ防護素子1の製造方法では、加熱工程で、間隔調整部材4が変形して前記対向方向の高さが大きくなると共に、一対の封止電極3の対向面に当接して一対の封止電極3の間隔を押し拡げ、固着工程で、前記融着した部分が固着した後に間隔調整部材4が加熱工程前の形状に戻り、間隔調整部材4を一対の封止電極の対向面のうち他方から離間させるので、封止と一対の封止電極3の間隔確保とを同時にかつ容易に行うことができる。
次に、本発明に係るサージ防護素子の第2実施形態について、図3〜図6を参照して以下に説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、間隔調整部材4が直線状に延在した帯状に形成され、四隅4cで絶縁性管2の内周面に固定されているのに対し、第2実施形態のサージ防護素子21では、図3に示すように、間隔調整部材24が、一対の封止電極3の対向面に対して垂直な方向に軸線を有した螺旋状に延在しており、その外周部の一部が、絶縁性管2の内周面に固定されている点である。
上記間隔調整部材24は、図4に示すように、外周部に2つの凸部24cを有している。これら2つの凸部24cは、絶縁性管2の内周面の互いに対向する位置で固定されている。すなわち、2つの凸部24cは、絶縁性管2の径方向で180°反対側に配置されている。なお、第2実施形態では、2つの凸部24cを設けているが、間隔調整部材24の軸線方向の変形を大きく抑制しない限り、3以上の凸部24cを設けても構わない。
また、第2実施形態のサージ防護素子21の製造方法では、加熱工程で、2つの凸部24cを絶縁性管2の内周面の互いに対向する位置で融着させる。
なお、第2実施形態の間隔調整部材24では、図4に示すように、2回巻きの渦巻き状に形成されているが、1回又は3回以上の巻き数としても構わない。
なお、第2実施形態の間隔調整部材24では、図4に示すように、2回巻きの渦巻き状に形成されているが、1回又は3回以上の巻き数としても構わない。
このように第2実施形態のサージ防護素子21では、間隔調整部材24が、一対の封止電極3の対向面に対して垂直な方向に軸線を有した螺旋状に延在しており、その外周部の一部が、絶縁性管2の内周面に固定されているので、間隔調整部材4が熱膨張しても径方向には伸び難く、軸線方向への伸び(変位)を大きくすることができる。
したがって、間隔調整部材24が、径方向に直線状に延在する場合よりも螺旋状に長く延在していることで、前記対向方向に大きく変位し、一対の封止電極3の間隔をより広い範囲で調整することができる。また、螺旋状の間隔調整部材24の先端部に電界が集中することで、放電開始電圧を下げることができる。
したがって、間隔調整部材24が、径方向に直線状に延在する場合よりも螺旋状に長く延在していることで、前記対向方向に大きく変位し、一対の封止電極3の間隔をより広い範囲で調整することができる。また、螺旋状の間隔調整部材24の先端部に電界が集中することで、放電開始電圧を下げることができる。
また、第2実施形態のサージ防護素子21の製造方法では、加熱工程で、2つの凸部24cを絶縁性管2の内周面の互いに対向する位置で融着させるので、2つの凸部24cで間隔調整部材24を確実に固定することができ、溶接等の工程が不要になる。
第2実施形態のサージ防護素子に用いる螺旋状の間隔調整部材について、加熱時に軸方向に対してどの程度の変位が得られるかをシミュレーションした結果を、図7及び図8を参照して説明する。
なお、間隔調整部材としては、Cuの金属板と42アロイの金属板とを、Cu:42アロイ=6:4の厚さ比で貼り合わせて全体で0.1mm厚とすると共に、直径1.5mmで3ターンのコイル状(螺旋状)としたものとした。また、Cuの金属板が下側になるように間隔調整部材を一対の封止電極間に配置した。
なお、間隔調整部材としては、Cuの金属板と42アロイの金属板とを、Cu:42アロイ=6:4の厚さ比で貼り合わせて全体で0.1mm厚とすると共に、直径1.5mmで3ターンのコイル状(螺旋状)としたものとした。また、Cuの金属板が下側になるように間隔調整部材を一対の封止電極間に配置した。
上記間隔調整部材を外周部の互いに180°反対位置に配された2点で固定したものとし、温度を25℃から600℃に上げたとき、内側の渦巻き部分が軸線方向に変位する量を求めた。その結果を、図7及び図8に示す。なお、図7及び図8は、元々カラー画像であるものをグレースケールで白黒表示したものである。
この結果からわかるように、最大で0.13mmの変位が認められることから、一対の封止電極の間隔も同様の値が得られる。
この結果からわかるように、最大で0.13mmの変位が認められることから、一対の封止電極の間隔も同様の値が得られる。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1,21…サージ防護素子、2…絶縁性管、3…封止電極、4,24…間隔調整部材、4a,4b…金属板、24c…凸部
Claims (5)
- 絶縁性管と、
前記絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する一対の封止電極と、
一対の前記封止電極の一方に接触していると共に少なくとも一部が前記絶縁性管の内周面又は一対の前記封止電極の一方に固定された間隔調整部材とを備え、
前記間隔調整部材が、互いに熱膨張率の異なる少なくとも2枚の金属板を接合させたバイメタル部材であり、温度が上がる程、一対の前記封止電極の対向方向に向けて曲がり、前記対向方向の高さが大きくなることを特徴とするサージ防護素子。 - 請求項1に記載のサージ防護素子において、
前記間隔調整部材が、一対の前記封止電極の対向面に対して垂直な方向に軸線を有した螺旋状に延在しており、その外周部の一部が、前記絶縁性管の内周面に固定されていることを特徴とするサージ防護素子。 - 請求項1又は2に記載のサージ防護素子において、
前記間隔調整部材が、外周部に少なくとも2つの凸部を有し、
2つの前記凸部が、前記絶縁性管の内周面の互いに対向する位置で固定されていることを特徴とするサージ防護素子。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のサージ防護素子を製造する方法であって、
一対の前記封止電極の対向面で前記間隔調整部材を挟んだ状態で、前記絶縁性管内に一対の前記封止電極及び前記間隔調整部材を挿入する挿入工程と、
一対の前記封止電極の間に前記間隔調整部材を配した状態で、一対の前記封止電極で前記絶縁性管の両端開口部を閉塞して内部に放電制御ガスを封止する封止工程とを有し、
前記封止工程が、前記絶縁性管を加熱して前記封止電極と融着させる加熱工程と、
前記加熱工程後に前記絶縁性管の温度を下げて前記融着した部分を固着させ前記絶縁性管の両端開口部を閉塞させる固着工程とを有し、
前記加熱工程で、前記間隔調整部材が変形して前記対向方向の高さが大きくなると共に、一対の前記封止電極の対向面に当接して一対の前記封止電極の間隔を押し拡げ、
前記固着工程で、前記融着した部分が固着した後に前記間隔調整部材が前記加熱工程前の形状に戻り、前記間隔調整部材を一対の前記封止電極の対向面のうち他方から離間させることを特徴とするサージ防護素子の製造方法。 - 請求項4に記載のサージ防護素子の製造方法において、
前記間隔調整部材の外周部に少なくとも2つの凸部を形成しておき、
前記加熱工程で、2つの前記凸部を前記絶縁性管の内周面の互いに対向する位置で融着させることを特徴とするサージ防護素子の製造方法。
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