JP2020181453A - 脱硫装置の課題の解決案の提供方法及び脱硫装置の課題の解決案の提供システム - Google Patents

脱硫装置の課題の解決案の提供方法及び脱硫装置の課題の解決案の提供システム Download PDF

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Yukinori Kawashima
幸典 川島
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史宜 松宮
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Takayuki Osaki
貴之 大崎
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啓太 松林
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Abstract

【課題】製油所を開設してからの期間が短く、脱硫装置の最適な運転履歴を有さない場合であっても、エネルギーコストを低くするため又は得られる製品の価値を高くするための脱硫装置の運転上の課題を決定し、該課題の解決案を提供するための方法を提供する。【解決手段】方法は、1又は2以上の検討項目及び該検討項目に関連する各因子項目について、ベース条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比した上で、対比結果に基づいて、問題因子項目群を抽出するステップ4Aと、該解析用サーバにより、抽出された該問題因子項目群と、該解析用サーバに記憶されている課題例が照合され、該検討項目毎に、該問題因子項目群に対応する課題例が、解析対象の脱硫装置の課題として決定され、該課題例と結び付けられている解決案例が、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択されるステップ5Aと、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、解析対象の脱硫装置の課題の解決案の提供方法及び解析対象の脱硫装置の課題の解決案の提供システムに関する。
製油所の運転においては、エネルギーコストを低くすること及び製品価値を高くすることが、重要な課題である。
ところが、開設してからの期間が短い製油所においては、過去の運転履歴の蓄積及び運転条件の変化による影響に関するデータの蓄積が少ないために、現在の運転条件が、エネルギーコストを低くするために又は得られる製品の価値を高くするために、最適なものなのか否かを判断するすべがない。また、エネルギーコストを低くするために又は得られる製品の価値を高くするために、運転条件を変えようとしても、データの蓄積が少ないために、適切な運転条件を導き出すことが難しい。
例えば、特許文献1には、脱硫触媒の性能予測をするために必要な情報を有していないユーザに対して、脱硫触媒の性能予測に関する脱硫触媒関連情報を提供する手段として、ネットワークを介してユーザ端末に接続され、脱硫触媒ベンチプラントデータと脱硫触媒寿命関数に基づいて、ユーザプラントの脱硫触媒寿命をユーザへ提供するサーバであって、 プロセッサと、コンピュータ可読命令を記憶する記憶手段と、を備え、 前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサで実行されると、前記サーバは、 前記ユーザ端末から、ユーザプラント関連データとユーザ脱硫触媒性能予測条件とを受信し、 前記脱硫触媒ベンチプラントデータと、取得した前記ユーザプラント関連データとの比較に基づき、前記脱硫触媒寿命関数から前記ユーザプラントに適したユーザ用脱硫触媒寿命関数を生成し、 取得した前記ユーザ脱硫触媒性能予測条件と、前記ユーザ用脱硫触媒寿命関数とに基づき、ユーザの脱硫触媒の触媒寿命を算出し、 算出された前記触媒寿命を前記ユーザ端末へ送信する、サーバが開示されている。
しかし、特許文献1に開示されているサーバは、脱硫触媒の性能予測をするために必要な情報を有していないユーザに対して、容易に、かつ、精度の高い脱硫触媒の性能予測に関する脱硫触媒関連情報を提供するものであり、脱硫装置の運転状況を総合的な観点から解析し、エネルギーコストの低くするためや製品価値を高くするための運転条件を提示することができない。
また、特許文献2には、プラントのオペレーションに関する先行技術として、プラント[12a〜12n]のオペレーションを改善するための調整システム[10]であって、前記調整システム[10]は、前記プラント[12a〜12n]と通信ネットワーク[16]を介して通信するために前記調整システム[10]に連結されたサーバ[14]と、前記プラント[12a〜12n]の前記オペレーションに関連したプラントデータを前記ネットワーク[16]で受信および送信するためのウェブベースのプラットフォームを有するコンピュータシステム[18]と、前記プラントデータを対話形式で表示するためのディスプレイデバイス[20]と、前記プラント[12a〜12n]からの実際に測定されたデータを、所定の基準のセットまたはセットポイントに基づいて、シミュレーションエンジンからのパフォーマンスプロセスモデルの結果と比較して照合するために構成された照合ユニット[22]とを含み、前記照合ユニット[22]は、前記実際に測定されたデータおよび前記パフォーマンスプロセスモデルの結果に対して、所定の閾値のセットを使用して発見的解析を実施する調整システム[10]が開示されている。
特許第6373540号公報 特表2018−511883号公報
ところが、特許文献2では、日々のプラントのオペレーションを、パフォーマンスモデルに基づいて最適化するものであるので、開設してからの期間が短い製油所のように、過去に最適な運転履歴がないようなプラントにおいて、エネルギーコストを低くするために又は得られる製品の価値を高くするために必要な運転条件を導き出すものではない。
従って、本発明の目的は、製油所を開設してからの期間が短く、脱硫装置の最適な運転履歴を有さない場合であっても、エネルギーコストを低くするため又は得られる製品の価値を高くするための脱硫装置の運転上の課題を決定し、該課題の解決案を提供するための方法を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により解決される。
すなわち、本発明(1)は、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データを、解析対象装置側電子計算機に取り込ませるステップ1Aと、
該解析対象の脱硫装置の現状データを、解析用サーバに送信するステップ2Aと、
該解析対象の脱硫装置の現状データを、該解析用サーバで受信するステップ3Aと、
1又は2以上の検討項目及び該検討項目に関連する各因子項目について、ベース条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比した上で、対比結果に基づいて、問題因子項目群を抽出するステップ4Aと、
該解析用サーバにより、抽出された該問題因子項目群と、該解析用サーバに記憶されている課題例が照合され、該検討項目毎に、該問題因子項目群に対応する課題例が、解析対象の脱硫装置の課題として決定され、該課題例と結び付けられている解決案例が、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択されるステップ5Aと、
決定された該解析対象の脱硫装置の課題及び選択された該解析対象の脱硫装置の課題の解決案を、該解析対象装置側電子計算機に送信するステップ6Aと、
を有し、
該ベース条件データが、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されていること、
を特徴とする脱硫装置の課題の解決案の提供方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データを、解析対象装置側電子計算機に取り込ませるステップ1Bと、
該解析対象の脱硫装置の現状データ及び改良要求を、解析用サーバに送信するステップ2Bと、
該解析対象の脱硫装置の現状データ及び該改良要求を、該解析用サーバで受信するステップ3Bと、
該改良要求に基づいて、該改良要求を達成するための因子項目を選択し、該因子項目に基づいて、ベース条件データを改良して、改良条件データを構築するステップ4Bと、
各因子項目について、該改良条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比した上で、対比結果に基づいて、問題因子項目群を抽出するステップ5Bと、
解析用サーバにより、抽出された該問題因子項目群と、該解析用サーバに記憶されている課題例が照合され、該問題因子項目群に対応する課題例が、解析対象の脱硫装置の課題として決定され、該課題例と結び付けられている解決案例が、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択されるステップ6Bと、
決定された該解析対象の脱硫装置の課題及び選択された該解析対象の脱硫装置の課題の解決案を、該解析対象装置側電子計算機に送信するステップ7Bと、
を有し、
該ベース条件データが、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されていること、
を特徴とする脱硫装置の課題の解決案の提供方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データが入力され、入力された該現状データを解析用サーバに送信し、且つ、該解析用サーバから該解析対象の脱硫装置の課題及び該解析対象の脱硫装置の課題の解決案を受信する解析対象装置側電子計算機と、
該解析対象装置側電子計算機がネットワークを介して接続しており、少なくとも、該解析対象装置側電子計算機から送信される解析対象の脱硫装置の現状データを受信する現状データ受信部(a1)、検討項目が1つ又は2以上と、該検討項目に関連する因子項目と、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されるベース条件データと、課題例及び解決案例と、が格納されている記憶部(b1)、該検討項目に関連する各因子項目について、該ベース条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比し、該ベース条件データと該解析対象の脱硫装置の現状データの間で差が大き過ぎる因子項目の全てを、問題因子項目群として抽出し、次いで、抽出された該問題因子項目群と、該記憶部(b1)に記憶されている課題例を照合して、該検討項目毎に、該問題因子項目群に対応する課題例を、解析対象の脱硫装置の課題として決定し、該課題例と結び付けられている解決案例を、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択する演算を行う制御部(c1)、及び選択された課題の解決案を、該解析対象装置側電子計算機に送信する送信部(d1)を備える解析用サーバと、
からなることを特徴とする脱硫装置の課題の解決案の提供システムを提供するものである。
また、本発明(4)は、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データ及び改良要求が入力され、入力された該現状データ及び該改良要求を解析用サーバに送信し、且つ、該解析用サーバから該解析対象の脱硫装置の課題及び該解析対象の脱硫装置の課題の解決案を受信する解析対象装置側電子計算機と、
該解析対象装置側電子計算機がネットワークを介して接続しており、少なくとも、該解析対象装置側電子計算機から送信される解析対象の脱硫装置の現状データ及び改良要求を受信する現状データ受信部(a2)、改良要求例と、改良要求を達成するための因子項目と、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されるベース条件データと、問題因子項目群と、課題例と、解決案例と、が格納されている記憶部(b2)、該改良要求と、該解析用サーバに記憶されている改良要求例を照合して、該改良要求を達成するための因子項目を選択し、該因子項目に基づいて、該ベース条件データを改良して、改良条件データを構築し、次いで、各因子項目について、該改良条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比し、該改良条件データと該解析対象の脱硫装置の現状データの間で差が大き過ぎる因子項目の全てを、問題因子項目群として抽出し、次いで、抽出された該問題因子項目群と、該解析用サーバに記憶されている課題例を照合して、該問題因子項目群に対応する課題例を、解析対象の脱硫装置の課題として決定し、該課題例と結び付けられている解決案例を、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択する演算を行う制御部(c2)、及び選択された課題の解決案を、該解析対象装置側電子計算機に送信する送信部(d2)を備える解析用サーバと、
からなることを特徴とする脱硫装置の課題の解決案の提供システムを提供するものである。
本発明によれば、製油所を開設してからの期間が短く、脱硫装置の最適な運転履歴を有さない場合であっても、エネルギーコストを低くするため又は得られる製品の価値を高くするための脱硫装置の運転上の課題を決定し、該課題の解決案を提供するための方法を提供することができる。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法の工程図である。 本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法の工程図である。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法は、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データを、解析対象装置側電子計算機に取り込ませるステップ1Aと、
該解析対象の脱硫装置の現状データを、解析用サーバに送信するステップ2Aと、
該解析対象の脱硫装置の現状データを、該解析用サーバで受信するステップ3Aと、
1又は2以上の検討項目及び該検討項目に関連する各因子項目について、ベース条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比した上で、ベース条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比した上で、対比結果に基づいて、問題因子項目群を抽出するステップ4Aと、
該解析用サーバにより、抽出された該問題因子項目群と、該解析用サーバに記憶されている課題例が照合され、該検討項目毎に、該問題因子項目群に対応する課題例が、解析対象の脱硫装置の課題として決定され、該課題例と結び付けられている解決案例が、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択されるステップ5Aと、
決定された該解析対象の脱硫装置の課題及び選択された該解析対象の脱硫装置の課題の解決案を、該解析対象装置側電子計算機に送信するステップ6Aと、
を有し、
該ベース条件データが、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されていること、
を特徴とする脱硫装置の課題の解決案の提供方法である。すなわち、本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法は、図1に示すように、解析対象装置側電子計算機への現状データの取り込み(ステップ1A)、解析用サーバへの現状データの送信(ステップ2A)、解析用サーバでの現状データの受信(ステップ3A)、問題因子項目群の抽出(ステップ4A)、問題因子項目群と課題例の照合並びに課題例の決定及び解決案の選択(ステップ5A)及び解析対象装置側電子計算機への課題及び解決案の送信(ステップ6A)からなる。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、先ず、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データを、解析対象装置側電子計算機に取り込ませるステップ1Aを行う。
ステップA1において、解析対象の製油所とは、脱硫装置の課題の解決案の提供を求めている製油所である。解析対象の製油所は、開設されてからの期間が短いために、あるいは、適切な運転データの管理がなされてこなかったために、過去の運転履歴の蓄積データ及び運転条件の変化による影響に関するデータの蓄積が少なく、現在の運転条件が、エネルギーコストを低くするために又は得られる製品の価値を高くするために、最適なものなのか否かを判断することが難しく、また、どのように運転条件を変化させれば、エネルギーコストを低くすること又は得られる製品の価値を高くすることができるのかを把握することが難しい製油所である。
ステップA1において、解析対象装置側電子計算機に取り込ませるデータは、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データである。脱硫装置の現状データは、脱硫装置の運転により得られる脱硫装置の運転に係る因子の集合である。因子としては、主に、原料油の性状、温度及び流量、水素ガスの流量及び圧力、反応温度、生成油の性状及び生成量を把握するための因子であり、圧力、温度、流量等のような測定機器による直接の測定値、水素オイル比、反応塔内平均温度、全リアクターガス比等のような複数の測定機器による測定値より算出される値、DDSPの密度、硫黄分、動粘度等のような油の性状の分析値が挙げられる。例えば、因子項目としては、表1−1〜表1−5に記載の因子項目が挙げられる。

Figure 2020181453

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そして、ステップA1では、脱硫装置の運転により得られる脱硫装置の運転に係る因子データの集合である脱硫装置の現状データを、解析対象装置側電子計算機に取り込ませる。脱硫装置の現状データを、解析対象装置側電子計算機に取り込ませる方法としては、例えば、脱硫装置に付設されている圧力計、温度計、流量計等の因子を測定する機器と解析対象装置側電子計算機を繋ぎ、測定機器で測定される値を自動的に解析対象装置側電子計算機に取り込ませる方法や、解析対象装置側電子計算機に取り込まれた測定機器で測定される複数の測定値を基に、解析対象装置側電子計算機に記憶されている演算式を用いて、解析対象装置側電子計算機の制御部で演算して因子として得る方法や、原料油の性状、生成油の性状を分析後、分析データを解析対象装置側電子計算機に入力する方法等が挙げられる。
解析対象装置側電子計算機に取り込まれ、解析用サーバに送信される脱硫装置の現状データは、脱硫装置の運転に係る因子項目に対応する具体的な数値の集合である。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、次いで、解析対象装置側電子計算機に取り込まれた解析対象の脱硫装置の現状データを、解析用サーバに送信するステップ2Aを行う。
解析対象装置側電子計算機と解析用サーバとは、インターネットを介して接続されている。ステップA2では、脱硫装置の運転に係る因子データの集合を、脱硫装置の現状データとして、インターネットを通じて送信する。送信される現状データの形式としては、解析用サーバで演算処理をするための必要なデータ形式が用いられ、言い換えると、解析用サーバで演算処理に用いるためのデータ形式に応じて、適宜選択され、例えば、CSV形式等が挙げられる。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、次いで、解析対象の脱硫装置の現状データを、解析用サーバで受信するステップ3Aを行う。ステップA3で解析サーバにより受信された解析対象の脱硫装置の現状データは、ステップ4A以降のステップで、解析対象の脱硫装置の課題の解決案を導き出すために用いられる。解析対象装置側電子計算機から送信されてくる解析対象の脱硫装置の現状データを、解析用サーバの現状データ受信部(a1)で受信する。
解析用サーバは、少なくとも、現状データ受信部(a1)と、記憶部(b1)と、制御部(c1)と、送信部(d1)と、を備え、ステップ4で、ベース条件データと解析対象の脱硫装置の現状データとの対比に基づいて抽出される問題因子項目群を用いて、解析対象の脱硫装置の課題の解決案を導き出す演算を行う。
解析用サーバの記憶部(b1)には、少なくとも、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されるベース条件データと、課題例と、課題例に対応する問題因子項目群と、解決案例と、ステップ5Aの演算を実行するためのプログラムと、が格納されている。また、解析用サーバにより、ステップ4Aが行われる場合には、解析用サーバの記憶部(b1)には、更に、検討項目と、検討項目に影響を与える因子項目と、ステップ4Aの演算を実行するプログラムと、が格納されている。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、次いで、1又は2以上の検討項目及び検討項目に関連する各因子項目について、ベース条件データと、解析対象の脱硫装置の現状データとを対比した上で、対比結果に基づいて、問題因子項目群を抽出するステップ4Aを行う。
検討項目とは、エネルギーコストを低くするため又は得られる製品の価値を高くするために改善の検討をすべき事項を指す。ベース条件データの全データと、解析対象の脱硫装置の現状データの全データとを対比したのでは、解析対象の脱硫装置に問題点が多数存在する場合には、改善すべき因子項目を把握し難くなる。そこで、脱硫装置に関する検討事項を予め抽出しておく。そして、検討事項が明確になれば、それに基づいて改善すべき因子項目を明確にすることができる。検討項目としては、例えば、直接脱硫装置ボトム油(DDSP)性状、DDSP得率、触媒寿命、直接脱硫装置軽油(DDS−LGO)性状、DDS−LGO得率等が挙げられる。なお、検討項目は、参照製油所の脱硫装置の運転を継続している中で、エネルギーコストを低くするため又は得られる製品の価値を高くするために改善の検討をすべき事項が、新たに発見された場合には、この新たに発見された検討すべき事項が、検討項目に追加する。
検討項目に関連する因子項目とは、脱硫装置の運転により得られる脱硫装置の運転に係る因子項目のうち、検討項目と関連している因子項目を指す。例えば、検討項目が「DDSP性状」の場合、リアクター入口温度、リアクター入口圧力、水素流量、フラクショネーター原料温度等を変化させることによりDDSP性状が変化する可能性のある因子項目や、DDSPの密度、硫黄分、動粘度等のDDSPの性状を示す因子項目であり、例えば、表2に記載の因子項目が、検討項目「DDSP性状」に関連している因子項目として挙げられる。

Figure 2020181453
また、例えば、検討項目が「DDS−LGO得率」の場合、リアクター入口温度、リアクター入口圧力、水素流量、フラクショネーターのDDS−LGO抜出流量等を変化させることにより、「DDS−LGO得率」が変化する可能性のある因子項目として挙げられる。
参照製油所とは、開設されてからの期間が十分に長く、過去の運転履歴の蓄積及び運転条件の変化による影響に関するデータの蓄積が十分になされており、エネルギーコストを低くするため又は得られる製品の価値を高くするために最適な脱硫装置の運転条件を導き出すことが可能な程度の蓄積データを保有する製油所を指す。参照製油所は、1つであっても、2以上であってもよい。つまり、ベース条件データは、1つの参照製油所の脱硫装置の運転履歴に基づいて構築されてもよいし、あるいは、2つ以上の参照製油所の脱硫装置の運転履歴に基づいて構築されてもよい。
ベース条件データは、参照製油所の運転履歴により構築される運転条件のデータであり、解析時点で最適な運転条件のデータ、すなわち、参照製油所の運転履歴により構築される解析時点で最適な運転をするための各因子項目の数値の集合である。本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法の実施においては、一旦、参照製油所の過去の運転履歴に基づいて構築されたベース条件データが、変更されることなく使い続けられてもよく、あるいは、定期的に若しくは不定期に又は連続的に、参照製油所から得られる運転データに基き再構築されるベース条件データが使われてもよい。
ステップ4Aでは、検討項目毎に、検討項目に関連する各因子項目について、ベース条件データと解析対象の脱硫装置の現状データとを対比した結果に基づいて、問題因子項目群を抽出する。例えば、検討項目Aについて検討する場合には、検討項目Aに関連する各因子項目について、ベース条件データと解析対象の脱硫装置の現状データとを対比し、ベース条件データと解析対象の脱硫装置の現状データの間で差が大き過ぎる因子項目を、問題因子項目群として抽出すること、また、検討項目Aに関連する各因子項目について、前記問題因子項目群のほかに、ベース条件データにはあるが、解析対象の脱硫装置の現状データにない因子項目がある場合は、それを追加した項目群を、問題因子項目群として抽出すること等が挙げられる。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、ステップ4Aを、人為的に行ってもよい。あるいは、本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、解析用サーバにより、解析用サーバの記憶部(b1)に格納されているステップ4Aを行うためのプログラムが実行されてステップ4Aが行われてもよい。
ステップ4Aが、解析用サーバにより行われる場合、解析用サーバの記憶部(b1)には、検討項目が1つ又は2以上格納されている。検討項目の数は、適宜選択される。なお、検討項目は、参照製油所の脱硫装置の運転を継続している中で、エネルギーコストを低くするため又は得られる製品の価値を高くするために改善の検討をすべき事項が、新たに発見された場合には、この新たに発見された検討すべき事項が、検討項目に追加され、解析用サーバの記憶部(b1)に格納される。
そして、解析用サーバでは、予め定められた1又は2以上の検討項目毎に、それぞれの検討項目に関連する各因子について、ベース条件データと、解析対象の脱硫装置の現状データとが対比され、ベース条件データと解析対象の脱硫装置の現状データの間で差が大き過ぎる因子項目の全てが、問題因子項目群として抽出される。問題因子項目群の抽出においては、検討項目に関連する因子項目毎に、ベース条件データの因子項目の数値と、解析対象の脱硫装置の現状データの因子項目の数値との差を求め、その差が大き過ぎる場合に、その因子項目が問題因子項目として抽出される。ベース条件データの因子項目の数値と、解析対象の脱硫装置の現状データの因子項目の数値との差の大小判断の方法については、例えば、「((ベース条件データの因子項目の数値−解析対象の脱硫装置の現状データの因子項目の数値)/ベース条件データの因子項目の数値)×100(%)」の値が、特定の値以上(例えば、20%以上)となったときは、ベース条件データの因子項目の数値と、解析対象の脱硫装置の現状データの因子項目の数値との差が大き過ぎるとする方法が挙げられる。なお、ベース条件データの因子項目の数値と、解析対象の脱硫装置の現状データの因子項目の数値との差が大き過ぎるとする方法や、判断基準となる数値は、因子項目毎に設定される。ステップA4では、検討項目毎に、問題因子項目群が抽出される。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、次いで、解析用サーバにより、抽出された問題因子項目群と、解析用サーバの記憶部(b1)に蓄積されている課題例に対応する問題因子項目群が照合され、検討項目毎に、解析対象の脱硫装置の課題が決定され、該課題例と結び付けられている解決案例が、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択されるステップ5Aを行う。
課題例とは、問題因子項目群から推測される課題を、参照製油所の過去の運転履歴及び運転条件の変化による影響に関するデータに基づいて、予め定めたものである。例えば、問題因子項目群が、「リアクター入口圧力が低過ぎる。」及び「DDSPのアロマ炭素割合が高過ぎる。」であった場合には、「リアクター圧力が低いために、DDSPのアロマ炭素割合が高くなり過ぎているので、DDSPのアロマ炭素割合を低くする必要がある。」との課題例が挙げられる。他には、問題因子項目群が、「リアクター入口温度が低すぎる」及び「フラクショネーターのDDS−LGO抜出流量が少なすぎる」であった場合には、「リアクター入口温度が低いため、DDS−LGO抜出量が少なすぎるので、DDS−LGO抜出量を多くする必要がある。」との課題例が挙げられる。
解決案例は、課題例と一対一で結び付けられており、課題例を解決するための対策である。例えば、「リアクター圧力が低いために、DDSPのアロマ炭素割合が高くなり過ぎているので、DDSPのアロマ炭素割合を低くする必要がある。」との課題例に対応する解決案例としては、「リアクターの圧力を、ベース条件データの圧力に合わせる。」との解決案例が挙げられる。
つまり、問題因子項目群と、問題因子項目群から推測される課題と、その課題の解決案例と、が結び付けられて、解析用サーバの記憶部(b1)に格納されている。そして、ステップ5Aでは、解析用サーバで、解析用サーバの記憶部(b1)に格納されているステップ5Aの演算を行うためのプログラムが実行されることにより、検討項目毎に、ステップ4Aで抽出された問題因子項目群と同じ問題因子項目群が検索され、その問題因子項目群に結び付けられている課題例が、解析対象の脱硫装置の課題として決定され、その課題例に結び付けられている解決案例が、解析対象の脱硫装置の課題の解決案として選択される。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、次いで、決定した課題及び選択した課題の解決案を、送信部(d1)により、解析対象装置側電子計算機に送信するステップ6Aを行う。
解析用サーバでは、少なくともステップ3A、ステップ5A及びステップ6Aまでを、制御部(c1)が行う。また、解析用サーバでは、ステップ4Aを制御部(c1)が行ってもよい。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、解析用サーバを用いることにより、解析対象の製油所から、脱硫装置の現状データを、解析用サーバに送信すれば、解析対象の脱硫装置の現状データを用いて、ステップ4Aが人為的に又は解析用サーバで、且つ、ステップ5Aが解析用サーバで行われ、解析対象の脱硫装置の課題が決定され、課題の解決案が選択されて、解析対象の脱硫装置の課題及びその解決案が解析対象の製油所に返信される。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法は、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データを、解析対象装置側電子計算機に取り込ませるステップB1と、
該解析対象の脱硫装置の現状データ及び改良要求を、解析用サーバに送信するステップB2と、
該解析対象の脱硫装置の現状データ及び該改良要求を、該解析用サーバで受信するステップB3と、
該改良要求に基づいて、該改良要求を達成するための因子項目を選択し、該因子項目に基づいて、ベース条件データを改良して、改良条件データを構築するステップ4Bと、
各因子項目について、該改良条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比した上で、対比結果に基づいて、問題因子項目群を抽出するステップ5Bと、
解析用サーバにより、抽出された該問題因子項目群と、該解析用サーバに記憶されている課題例が照合され、該問題因子項目群に対応する課題例が、解析対象の脱硫装置の課題として決定され、該課題例と結び付けられている解決案例が、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択されるステップ6Bと、
決定された該解析対象の脱硫装置の課題及び選択された該解析対象の脱硫装置の課題の解決案を、該解析対象装置側電子計算機に送信するステップ7Bと、
を有し、
該ベース条件データが、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されていること、
を特徴とする脱硫装置の課題の解決案の提供方法である。すなわち、本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法は、図2に示すように、解析対象装置側電子計算機への現状データの取り込み(ステップ1B)、解析用サーバへの現状データの送信(ステップ2B)、解析用サーバでの現状データの受信(ステップ3B)、改良条件データの構築(ステップ4B)、問題因子項目群の抽出(ステップ5B)、問題因子項目群と課題例の照合並びに課題例の決定及び解決案の選択(ステップ6B)及び解析対象装置側電子計算機への課題及び解決案の送信(ステップ7B)からなる。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、先ず、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データを、解析対象装置側電子計算機に取り込ませるステップB1を行う。
ステップB1に係る解析対象の製油所は、ステップA1に係る解析対象の製油所と同様である。
ステップB1において、解析対象装置側電子計算機に取り込ませるデータは、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データであり、脱硫装置の運転により得られる脱硫装置の運転に係る因子の集合である。ステップB1に係る脱硫装置の現状データ、脱硫装置の運転に係る因子、因子項目は、ステップA1に係る脱硫装置の現状データ、脱硫装置の運転に係る因子、因子項目と同様である。
そして、ステップB1では、脱硫装置の運転により得られる脱硫装置の運転に係る因子データの集合である脱硫装置の現状データを、解析対象装置側電子計算機に取り込ませる。ステップB1において、脱硫装置の現状データを、解析対象装置側電子計算機に取り込ませる方法は、ステップA1において、脱硫装置の現状データを、解析対象装置側電子計算機に取り込ませる方法と同様である。
解析対象装置側電子計算機に取り込まれ、解析用サーバに送信される脱硫装置の現状データは、脱硫装置の運転に係る因子項目に対応する具体的な数値の集合である。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、次いで、解析対象の脱硫装置の現状データ及び改良要求を、解析用サーバに送信するステップB2を行う。
改良要求とは、解析対象の製油所が、脱硫装置の運転条件を変更することにより、改良を求める事項である。改良要求としては、例えば、DDSPの得率を低減させる、DDS−LGO得率を向上させる等が挙げられる。
解析対象装置側電子計算機と解析用サーバとは、インターネットを介して接続されている。ステップB2では、脱硫装置の運転に係る因子データの集合を、脱硫装置の現状データとして、インターネットを通じて送信すると共に、改良要求を送信する。ステップB2において、送信される現状データの形式は、ステップA2において、送信される現状データの形式と同様である。また、改良要求のデータ形式としては、解析用サーバでの演算処理において用いることができるものが、適宜選択される。改良要求としては、解析用サーバで自動的な認識がし易くなる点で、不定形なものより、定形なもの又は定形項目から選択されるものが好ましい。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、次いで、解析対象の脱硫装置の現状データ及び改良要求を、解析用サーバで受信するステップB3を行う。ステップB3で解析サーバにより受信された解析対象の脱硫装置の現状データ及び改良要求は、ステップ4B以降のステップで、解析対象の脱硫装置の課題の解決案を導き出すために用いられる。解析対象装置側電子計算機から送信されてくる解析対象の脱硫装置の現状データ及び改良要求を、解析用サーバの現状データ受信部(b2)で受信する。
解析用サーバは、少なくとも、現状データ受信部(a2)と、記憶部(b2)と、制御部(c2)と、送信部(d2)と、を備え、ステップ4及び5で、ベース条件データと解析対象の脱硫装置の現状データ及び改良要求に基づいて抽出される問題因子項目群を用いて、解析対象の脱硫装置の課題の解決案を導き出す演算を行う。
解析用サーバの記憶部(b2)には、少なくとも、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されるベース条件データと、課題例と、課題例に対応する問題因子項目群と、解決案例と、ステップ6Bの演算を実行するためのプログラムと、が格納されている。また、解析用サーバにより、ステップ4B及び5Bが行われる場合には、解析用サーバの記憶部(b2)には、更に、改良要求例と、改良要求例を達成するための因子項目と、ステップ4B及び5Bの演算を実行するのプログラムと、が格納されている。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、次いで、改良要求に基づいて、改良要求を達成するための因子項目を選択し、因子項目に基づいて、ベース条件データを改良して、改良条件データを構築するステップB4を行う。
ステップ4Bでは、改良要求に基づいて、参照製油所の過去の運転履歴及び運転条件の変化による影響に関するデータを参考にして、改良要求を達成するために変更する必要があると推測される因子項目を選択し、その因子項目に基づいて、ベース条件データを改良して、改良条件データを構築する。例えば、改良要求が、「DDSPの得率を低減させる」であった場合には、参照製油所の過去の運転履歴及び運転条件の変化による影響に関するデータを参考にして、DDSPの得率の増減に影響のある因子項目を抽出する。次いで、DDSPの得率を1%低減させる場合との改良要求例を定め、その改良要求例を達成するためには、抽出した因子項目をどのようにすればよいか、具体的には、「リアクターの入口温度を、ベース条件データのリアクターの入口温度より10℃上げる」との因子項目を選択する。次いで、それに基づいて、ベース条件データのうち、リアクターの入口温度のみを10℃高くした条件データを、改良条件データとして構築する。また、改良要求例をDDSPの得率を2%低減させる場合に変更して、因子項目を選択し、それに基づいて、ベース条件データのうち、リアクターの入口温度のみを10℃高くした条件データを、改良条件データとして構築する。
改良要求例とは、脱硫装置の運転において想定される改良要求の例を改良要求例として定めたものである。また、改良要求例を達成するための因子項目とは、改良要求例を達成するために変更する因子項目のことであり、参照製油所の過去の運転履歴及び運転条件の変化による影響に関するデータに基づいて、改良要求例を達成するために変更する必要があると推測される因子項目を、予め定めたものである。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、ステップ4Bを、人為的に行ってもよい。あるいは、本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、解析用サーバにより、解析用サーバの記憶部(b2)に格納されているステップ4Bを行うためのプログラムが実行されてステップ4Bが行われてもよい。
ステップ4Bが、解析用サーバにより行われる場合、脱硫装置の運転において想定される改良要求を改良要求例とし、その改良要求例を達成するための因子項目を、参照製油所の過去の運転履歴及び運転条件の変化による影響に関するデータに基づいて推測して定め、改良要求例とそれを達成するための因子項目が一対一で結び付けられて、記憶部(b2)に格納されている。
改良要求例を達成するための因子項目は、例えば、「リアクターの入口温度を、ベース条件データのリアクターの入口温度よりXX℃上げる」とのように、ベース条件データの各因子項目の数値に基づいて、具体的に変更する数値を含む因子項目である。そして、解析用サーバの記憶部(b2)には、改良要求例を達成するための因子項目が格納されている。つまり、改良要求例を達成するための因子項目として、参照製油所の過去の運転履歴及び運転条件の変化による影響に関するデータに基づいて推測されたものが、解析用サーバの記憶部(b2)に格納されており、改良要求例と、改良要求例を達成するための因子項目が結び付けられて、解析用サーバの記憶部(b2)に格納されている。なお、参照製油所の脱硫装置の運転を継続している中で、改良要求例と、その改良要求例を達成するための因子項目との関係が、新たに発見された場合には、この新たに発見された事項が、改良要求例及びその改良要求例を達成するための因子項目に追加され、解析用サーバの記憶部(b2)に格納される。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法に係る参照製油所及びベース条件データは、本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法に係る参照製油所及びベース条件データと同様である。
ベース条件データは、参照製油所の運転履歴により構築される運転条件のデータであり、解析時点で最適な運転条件のデータ、すなわち、参照製油所の運転履歴により構築される解析時点で最適な運転をするための各因子項目の数値の集合であるが、ステップ4Bでは、解析対象装置側電子計算機から送信されてくる改良要求と、解析用サーバの記憶部(b2)に格納されている改良要求例及びそれを達成するための因子項目を照合して、解析対象装置側電子計算機から送信されてくる改良要求に対応する改良要求例を検索し、それに結び付けられている改良要求を達成するための因子項目を選択し、次いで、改良要求を達成するための因子項目に基づいて、ベース条件データを改良して、改良条件データを構築する。
改良条件データの構築については、例えば、解析対象装置側電子計算機から送信されてくる改良要求に対応する改良要求例を達成するための因子項目が「リアクターの入口温度を、ベース条件データのリアクターの入口温度より10℃上げる」であった場合には、ベース条件データのうち、リアクターの入口温度のみを、ベース条件データより10℃高くした値に変更し、改良条件データとする。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、次いで、各因子項目について、改良条件データと、解析対象の脱硫装置の現状データとを対比した上で、対比結果に基づいて、問題因子項目群を抽出するステップ5Bを行う。
ステップ5Bでは、各因子項目について、改良条件データと解析対象の脱硫装置の現状データとを対比した結果に基づいて、問題因子項目群を抽出する。具体的には、各因子項目について、改良条件データと解析対象の脱硫装置の現状データとを対比し、改良条件データと解析対象の脱硫装置の現状データの間で差が大き過ぎる因子項目を、問題因子項目群として抽出すること、また、検討項目Aに関連する各因子項目について、前記問題因子項目群のほかに、ベース条件データにはあるが、解析対象の脱硫装置の現状データにない因子項目がある場合は、それを追加した項目群を、問題因子項目群として抽出すること等が挙げられる。
ステップ5Bとステップ4Aとでは、解析対象の脱硫装置の現状データと対比するデータが、改良条件データであるか、ベース条件データであるかの相違はあるものの、問題因子項目群の抽出方法は同様である。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、ステップ5Bを、人為的に行ってもよい。あるいは、本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、解析用サーバにより、解析用サーバの記憶部(b2)に格納されているステップ5Bを行うためのプログラムが実行されてステップ5Bが行われてもよい。ステップ5Bとステップ4Aとでは、解析対象の脱硫装置の現状データと対比するデータが、改良条件データであるか、ベース条件データであるかが異なること以外は同様である。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、次いで、解析サーバにより、抽出された問題因子項目群と、解析用サーバに記憶されている課題例が照合され、問題因子項目群に対応する課題例が、解析対象の脱硫装置の課題として決定され、課題例と結び付けられている解決案例が、解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択されるステップ6Bを行う。
課題例とは、問題因子項目群から推測される課題を、参照製油所の過去の運転履歴及び運転条件の変化による影響に関するデータに基づいて、予め定めたものである。解決案例は、課題例と一対一で結び付けられており、課題例を解決するための対策である。つまり、問題因子項目群と、問題因子項目群から推測される課題と、その課題の解決案例と、が結び付けられて、解析用サーバの記憶部(b2)に格納されている。ステップ6Bのこれらの点は、ステップ5Aと同様である。
そして、ステップ6Bは、解析用サーバで、解析用サーバの記憶部(b2)に格納されているステップ6Bの演算を行うためのプログラムが実行されることにより、ステップ5Bで抽出された問題因子項目群と同じ問題因子項目群が検索されることにより、その問題因子項目群に結び付けられている課題例が、解析対象の脱硫装置の課題として決定され、その課題例に結び付けられている解決案例が、解析対象の脱硫装置の課題の解決案として選択される。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、次いで、決定した解析対象の脱硫装置の課題及び選択した解析対象の脱硫装置の課題の解決案を、解析対象装置側電子計算機に送信するステップ7Bを行う。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法に係るステップ7Bは、本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法に係るステップ6Aと同様である。
解析用サーバでは、少なくともステップ3B、ステップ6B及びステップ7Bまでを、制御部(c2)が行う。また、解析用サーバでは、ステップ4B及び/又は5Bを制御部(c2)が行ってもよい。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法では、解析用サーバを用いることにより、解析対象の製油所から、脱硫装置の現状データ及び改良要求を、解析用サーバに送信すれば、解析対象の脱硫装置の現状データ及び改良要求を用いて、ステップ4B及び/又は5Bが人為的に又は解析用サーバで、且つ、ステップ6Bが解析用サーバで行われ、解析対象の脱硫装置の課題が決定され、課題の解決案が選択されて、解析対象の脱硫装置の課題及びその解決案が解析対象の製油所に返信される。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムは、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データが入力され、入力された該現状データを解析用サーバに送信し、且つ、該解析用サーバから該解析対象の脱硫装置の課題及び該解析対象の脱硫装置の課題の解決案を受信する解析対象装置側電子計算機と、
該解析対象装置側電子計算機がネットワークを介して接続しており、少なくとも、該解析対象装置側電子計算機から送信される解析対象の脱硫装置の現状データを受信する現状データ受信部(a1)、検討項目が1つ又は2以上と、該検討項目に関連する因子項目と、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されるベース条件データと、課題例及び解決案例と、が格納されている記憶部(b1)、該検討項目に関連する各因子項目について、該ベース条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比し、該ベース条件データと該解析対象の脱硫装置の現状データの間で差が大き過ぎる因子項目の全てを、問題因子項目群として抽出し、次いで、抽出された該問題因子項目群と、該記憶部(b1)に記憶されている課題例を照合して、該検討項目毎に、該問題因子項目群に対応する課題例を、解析対象の脱硫装置の課題として決定し、該課題例と結び付けられている解決案例を、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択する演算を行う制御部(c1)、及び選択された課題の解決案を、該解析対象装置側電子計算機に送信する送信部(d1)を備える解析用サーバと、
からなることを特徴とする脱硫装置の課題の解決案の提供システムである。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムに係る解析対象装置側電子計算機と解析用サーバは、ネットワークを介して接続している。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムに係る解析対象装置側電子計算機は、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データが入力され、入力された現状データを解析用サーバに送信し、且つ、解析用サーバにて、脱硫装置の現状データを用いて演算が行われることにより、解析用サーバで生成した解析対象の脱硫装置の課題及び解析対象の脱硫装置の課題の解決案を、解析用サーバから受信する電子計算機である。
解析対象装置側電子計算機には、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データが入力される。解析対象装置側電子計算機に入力されるデータは、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データであり、脱硫装置の運転により得られる脱硫装置の運転に係る因子の集合である。因子としては、主に、原料油の性状、温度及び流量、水素ガスの流量及び圧力、反応温度、生成油の性状及び生成量を把握するための因子であり、圧力、温度、流量等のような測定機器による直接の測定値、水素オイル比は直接の測定値である水素流量、水素純度、原料流量から算出等のような複数の測定機器による測定値より算出される値、DDSPの密度、硫黄分、動粘度等のような油の性状の分析値が挙げられる。例えば、因子項目としては、前記表1−1〜表1−5に記載の因子項目が挙げられる。
解析対象装置側電子計算機への脱硫装置の現状データの入力方式は、例えば、解析対象装置側電子計算機に繋がれている脱硫装置に付設されている圧力計、温度計、流量計等の因子を測定する機器から、測定機器で測定される値が自動的に解析対象装置側電子計算機に入力される方式や、解析対象装置側電子計算機に入力された測定機器で測定される複数の測定値を基に、解析対象装置側電子計算機に記憶されている演算式により、解析対象装置側電子計算機の制御部が演算して因子として得る方式や、原料油の性状、生成油の性状が分析された後、分析データが解析対象装置側電子計算機に入力される方式等が挙げられる。解析対象装置側電子計算機は、脱硫装置に付設されている圧力計、温度計、流量計等の因子を測定する機器からの因子データを自動的に受信可能なように、脱硫装置に付設されている測定機器に繋がっていてもよい。また、解析対象装置側電子計算機は、解析対象装置側電子計算機に入力された測定機器で測定される複数の測定値を基に、解析対象装置側電子計算機に記憶されている演算式により演算して因子を算出する演算部を有していてもよい。また、解析対象装置側電子計算機は、脱硫装置の現状データの因子を、分析値の分析者やオペレーター等により入力することができるようになっていてもよい。
解析対象装置側電子計算機に入力され、解析用サーバに送信される脱硫装置の現状データは、脱硫装置の運転に係る因子項目に対応する具体的な数値の集合である。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムに係る解析用サーバは、少なくとも、現状データ受信部(a1)と、記憶部(b1)と、制御部(c1)と、送信部(d1)と、を備える。
現状データ受信部(a1)は、解析対象装置側電子計算機から送信される解析対象の脱硫装置の現状データを受信する部分である。
記憶部(b1)は、検討項目が1つ又は2以上と、検討項目に関連する因子項目と、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されるベース条件データと、課題例及び解決案例と、が格納される部分である。記憶部(b1)としては、例えば、解析用サーバ内のデータ保存領域、解析用サーバ外の外部記憶装置、クラウド環境等が挙げられる。
制御部(c1)は、検討項目に関連する各因子項目について、ベース条件データと、解析対象の脱硫装置の現状データとを対比し、ベース条件データと解析対象の脱硫装置の現状データの間で差が大き過ぎる因子項目の全てを、問題因子項目群として抽出し、次いで、抽出された問題因子項目群と、記憶部(b1)に記憶されている課題例を照合して、検討項目毎に、問題因子項目群に対応する課題例を、解析対象の脱硫装置の課題として決定し、課題例と結び付けられている解決案例を、解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択する演算を行う部分である。
制御部(c1)は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、記憶部(b1)に記憶されている上記演算のためのプログラムを実行し、上記演算を行う。
送信部(d1)は、選択された課題の解決案を、解析対象装置側電子計算機に送信する部分である。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムに係る解析対象の脱硫装置の現状データ、検討項目、検討項目に関連する因子項目、ベース条件データ、課題例、解決案例、問題因子項目群は、本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供方法に係る解析対象の脱硫装置の現状データ、検討項目、検討項目に関連する因子項目、ベース条件データ、課題例、解決案例、問題因子項目群と同様である。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムは、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データ及び改良要求が入力され、入力された該現状データ及び該改良要求を解析用サーバに送信し、且つ、該解析用サーバから該解析対象の脱硫装置の課題及び該解析対象の脱硫装置の課題の解決案を受信する解析対象装置側電子計算機と、
該解析対象装置側電子計算機がネットワークを介して接続しており、少なくとも、該解析対象装置側電子計算機から送信される解析対象の脱硫装置の現状データ及び改良要求を受信する現状データ受信部(a2)、改良要求例と、改良要求を達成するための因子項目と、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されるベース条件データと、問題因子項目群と、課題例と、解決案例と、が格納されている記憶部(b2)、該改良要求と、該解析用サーバに記憶されている改良要求例を照合して、該改良要求を達成するための因子項目を選択し、該因子項目に基づいて、該ベース条件データを改良して、改良条件データを構築し、次いで、各因子項目について、該改良条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比し、該改良条件データと該解析対象の脱硫装置の現状データの間で差が大き過ぎる因子項目の全てを、問題因子項目群として抽出し、次いで、抽出された該問題因子項目群と、該解析用サーバに記憶されている課題例を照合して、該問題因子項目群に対応する課題例を、解析対象の脱硫装置の課題として決定し、該課題例と結び付けられている解決案例を、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択する演算を行う制御部(c2)、及び選択された課題の解決案を、該解析対象装置側電子計算機に送信する送信部(d2)を備える解析用サーバと、
からなることを特徴とする脱硫装置の課題の解決案の提供システムである。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムに係る解析対象装置側電子計算機と解析用サーバは、ネットワークを介して接続している。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムに係る解析対象装置側電子計算機は、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データ及び改良要求が入力され、入力された現状データ及び改良要求を解析用サーバに送信し、且つ、解析用サーバにて、脱硫装置の現状データを用いて演算が行われることにより、解析用サーバで生成した解析対象の脱硫装置の課題及び解析対象の脱硫装置の課題の解決案を、解析用サーバから受信する電子計算機である。
解析対象装置側電子計算機には、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データ及び改良要求が入力される。解析対象装置側電子計算機に入力されるデータは、解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データであり、脱硫装置の運転により得られる脱硫装置の運転に係る因子の集合である。因子としては、主に、原料油の性状、温度及び流量、水素ガスの流量及び圧力、反応温度、生成油の性状及び生成量を把握するための因子であり、圧力、温度、流量等のような測定機器による直接の測定値、水素オイル比は直接の測定値である水素流量、水素純度、原料流量から算出等のような複数の測定機器による測定値より算出される値、DDSPの密度、硫黄分、動粘度等のような油の性状の分析値が挙げられる。例えば、因子項目としては、前記表1−1〜表1−5に記載の因子項目が挙げられる。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムに係る解析対象装置側電子計算機への脱硫装置の現状データの入力方式は、本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムに係る解析対象装置側電子計算機への脱硫装置の現状データの入力方式と同様である。
解析対象装置側電子計算機は、脱硫装置に付設されている圧力計、温度計、流量計等の因子を測定する機器からの因子データを自動的に受信可能なように、脱硫装置に付設されている測定機器に繋がっていてもよい。また、解析対象装置側電子計算機は、解析対象装置側電子計算機に入力された測定機器で測定される複数の測定値を基に、解析対象装置側電子計算機に記憶されている演算式により演算して因子を算出する演算部を有していてもよい。また、解析対象装置側電子計算機は、脱硫装置の現状データの因子を、分析値の分析者やオペレーター等により入力することができるようになっていてもよい。また、解析対象装置側電子計算機は、改良要求を、要求者により入力することができるようになっている。
解析対象装置側電子計算機に入力され、解析用サーバに送信される脱硫装置の現状データは、脱硫装置の運転に係る因子項目に対応する具体的な数値の集合である。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムに係る解析用サーバは、少なくとも、現状データ受信部(a2)と、記憶部(b2)と、制御部(c2)と、送信部(d2)と、を備える。
現状データ受信部(a2)は、解析対象装置側電子計算機から送信される解析対象の脱硫装置の現状データ及び改良要求を受信する部分である。
記憶部(b2)は、改良要求例と、改良要求を達成するための因子項目と、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されるベース条件データと、問題因子項目群と、課題例と、解決案例と、が格納される部分である。記憶部(b2)としては、例えば、解析用サーバ内のデータ保存領域、解析用サーバ外の外部記憶装置、クラウド環境等が挙げられる。
制御部(c2)は、改良要求と、解析用サーバに記憶されている改良要求例を照合して、改良要求を達成するための因子項目を選択し、因子項目に基づいて、ベース条件データを改良して、改良条件データを構築し、次いで、各因子項目について、改良条件データと、解析対象の脱硫装置の現状データとを対比し、改良条件データと解析対象の脱硫装置の現状データの間で差が大き過ぎる因子項目の全てを、問題因子項目群として抽出し、次いで、抽出された問題因子項目群と、解析用サーバに記憶されている課題例を照合して、問題因子項目群に対応する課題例を、解析対象の脱硫装置の課題として決定し、課題例と結び付けられている解決案例を、解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択する演算を行う部分である。
制御部(c2)は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、記憶部(b2)に記憶されている上記演算を行うためのプログラムを実行し、上記演算を行う。
送信部(d2)は、選択された課題の解決案を、解析対象装置側電子計算機に送信する部分である。
本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムに係る解析対象の脱硫装置の現状データ、改良要求、改良要求例、改良要求を達成するための因子項目、ベース条件データ、問題因子項目群、課題例、解決案例は、本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムに係る解析対象の脱硫装置の現状データ、改良要求、改良要求例、改良要求を達成するための因子項目、ベース条件データ、問題因子項目群、課題例、解決案例と同様である。
本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システム及び本発明の第二の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムでは、参照製油所の脱硫装置の運転を続けることにより得られる運転データにより、ベース条件データが定期的に又は不定期に、あるいは、連続的に、更新されることが可能となっていてもよい。例えば、参照製油所の脱硫装置の運転データが入力される参照製油所側電子計算機が設けられ、参照製油所側電子計算機から最新の運転データの項目因子のデータが、本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システム又は本発明の第一の形態の脱硫装置の課題の解決案の提供システムの解析用サーバに送信され、解析用サーバの記憶部には、ベース条件データ更新用プログラムが記憶されており、参照製油所側電子計算機から送信される最新の運転データの項目因子のデータを用いて、ベース条件データ更新用プログラムにより、ベース条件データを再構築することが可能となっている脱硫装置の課題の解決案の提供システムが挙げられる。

Claims (4)

  1. 解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データを、解析対象装置側電子計算機に取り込ませるステップ1Aと、
    該解析対象の脱硫装置の現状データを、解析用サーバに送信するステップ2Aと、
    該解析対象の脱硫装置の現状データを、該解析用サーバで受信するステップ3Aと、
    1又は2以上の検討項目及び該検討項目に関連する各因子項目について、ベース条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比した上で、対比結果に基づいて、問題因子項目群を抽出するステップ4Aと、
    該解析用サーバにより、抽出された該問題因子項目群と、該解析用サーバに記憶されている課題例が照合され、該検討項目毎に、該問題因子項目群に対応する課題例が、解析対象の脱硫装置の課題として決定され、該課題例と結び付けられている解決案例が、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択されるステップ5Aと、
    決定された該解析対象の脱硫装置の課題及び選択された該解析対象の脱硫装置の課題の解決案を、該解析対象装置側電子計算機に送信するステップ6Aと、
    を有し、
    該ベース条件データが、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されていること、
    を特徴とする脱硫装置の課題の解決案の提供方法。
  2. 解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データを、解析対象装置側電子計算機に取り込ませるステップ1Bと、
    該解析対象の脱硫装置の現状データ及び改良要求を、解析用サーバに送信するステップ2Bと、
    該解析対象の脱硫装置の現状データ及び該改良要求を、該解析用サーバで受信するステップ3Bと、
    該改良要求に基づいて、該改良要求を達成するための因子項目を選択し、該因子項目に基づいて、ベース条件データを改良して、改良条件データを構築するステップ4Bと、
    各因子項目について、該改良条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比した上で、対比結果に基づいて、問題因子項目群を抽出するステップ5Bと、
    解析用サーバにより、抽出された該問題因子項目群と、該解析用サーバに記憶されている課題例が照合され、該問題因子項目群に対応する課題例が、解析対象の脱硫装置の課題として決定され、該課題例と結び付けられている解決案例が、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択されるステップ6Bと、
    決定された該解析対象の脱硫装置の課題及び選択された該解析対象の脱硫装置の課題の解決案を、該解析対象装置側電子計算機に送信するステップ7Bと、
    を有し、
    該ベース条件データが、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されていること、
    を特徴とする脱硫装置の課題の解決案の提供方法。
  3. 解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データが入力され、入力された該現状データを解析用サーバに送信し、且つ、該解析用サーバから該解析対象の脱硫装置の課題及び該解析対象の脱硫装置の課題の解決案を受信する解析対象装置側電子計算機と、
    該解析対象装置側電子計算機がネットワークを介して接続しており、少なくとも、該解析対象装置側電子計算機から送信される解析対象の脱硫装置の現状データを受信する現状データ受信部(a1)、検討項目が1つ又は2以上と、該検討項目に関連する因子項目と、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されるベース条件データと、課題例及び解決案例と、が格納されている記憶部(b1)、該検討項目に関連する各因子項目について、該ベース条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比し、該ベース条件データと該解析対象の脱硫装置の現状データの間で差が大き過ぎる因子項目の全てを、問題因子項目群として抽出し、次いで、抽出された該問題因子項目群と、該記憶部(b1)に記憶されている課題例を照合して、該検討項目毎に、該問題因子項目群に対応する課題例を、解析対象の脱硫装置の課題として決定し、該課題例と結び付けられている解決案例を、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択する演算を行う制御部(c1)、及び選択された課題の解決案を、該解析対象装置側電子計算機に送信する送信部(d1)を備える解析用サーバと、
    からなることを特徴とする脱硫装置の課題の解決案の提供システム。
  4. 解析対象の製油所内の脱硫装置の現状データ及び改良要求が入力され、入力された該現状データ及び該改良要求を解析用サーバに送信し、且つ、該解析用サーバから該解析対象の脱硫装置の課題及び該解析対象の脱硫装置の課題の解決案を受信する解析対象装置側電子計算機と、
    該解析対象装置側電子計算機がネットワークを介して接続しており、少なくとも、該解析対象装置側電子計算機から送信される解析対象の脱硫装置の現状データ及び改良要求を受信する現状データ受信部(a2)、改良要求例と、改良要求を達成するための因子項目と、参照製油所の脱硫装置の運転履歴により構築されるベース条件データと、問題因子項目群と、課題例と、解決案例と、が格納されている記憶部(b2)、該改良要求と、該解析用サーバに記憶されている改良要求例を照合して、該改良要求を達成するための因子項目を選択し、該因子項目に基づいて、該ベース条件データを改良して、改良条件データを構築し、次いで、各因子項目について、該改良条件データと、該解析対象の脱硫装置の現状データとを対比し、該改良条件データと該解析対象の脱硫装置の現状データの間で差が大き過ぎる因子項目の全てを、問題因子項目群として抽出し、次いで、抽出された該問題因子項目群と、該解析用サーバに記憶されている課題例を照合して、該問題因子項目群に対応する課題例を、解析対象の脱硫装置の課題として決定し、該課題例と結び付けられている解決案例を、該解析対象の脱硫装置の課題に対する解決案として選択する演算を行う制御部(c2)、及び選択された課題の解決案を、該解析対象装置側電子計算機に送信する送信部(d2)を備える解析用サーバと、
    からなることを特徴とする脱硫装置の課題の解決案の提供システム。
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