JP2020181061A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Hidemi Nakatsuka
英美 中塚
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浩幸 相京
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Yuki Tanaka
由紀 田中
卓 青池
Taku Aoike
卓 青池
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Abstract

【課題】色純度に優れた液晶表示装置の提供。【解決手段】バックライトユニット10及び色調補正フィルター1(1a、1b、1c、1d又は1e)を備える液晶表示装置であって、バックライトユニット10が下記緑色蛍光体Gを含有し、色調補正フィルター1が下記色素Bを含有する液晶表示装置。緑色蛍光体G:波長455nmの光で励起したときに、波長520〜550nmの範囲内に半値全幅が100nm以下の発光ピークを有する蛍光体。色素B:波長570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有するスクアリリウム系化合物。【選択図】図1

Description

本発明は液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、液晶の光学的特性を利用して画像を表示するが、画像を表示する液晶パネルが自発光をしない非発光型素子であるため、液晶パネルに光を供給するバックライトユニットを備えている。
最近のディスプレイ市場では優れた色再現性能に対する要求が高く、液晶表示装置においては、バックライトユニットから出る光のうち、純粋なRGB波長の光をできるだけ多く透過させ、それ以外の不要な波長の光をできるだけ遮断することによって、色純度を高めることが求められる。
特許文献1の実施例のバックライトユニットは、発光ダイオード素子をK−Si−F系蛍光体(KSiF:Mn)を含む樹脂層で覆った白色発光素子を光源として用い、該光源からの出射光が通過する拡散シート上に、560〜600nmに主吸収波長を有するTAP(テトラアザポルフィリン)系色素を含むコーティング層を設けている。また、この実施例のバックライトユニットを備えた液晶表示装置は、前記コーティング層を設けなかった比較例に比べて色純度が向上したことが記載されている。
特開2017−187744号公報
しかし、特許文献1に記載された液晶表示装置の性能は必ずしも充分とは言えず、色純度のさらなる向上が望まれる。
本発明は、色純度に優れた液晶表示装置の提供を目的とする。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、特定のスクアリリウム系化合物を含有する色調補正フィルターを備える液晶表示装置とすることで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[6]の構成を有する。
[1] バックライトユニット及び色調補正フィルターを備える液晶表示装置であって、
前記バックライトユニットが下記緑色蛍光体Gを含有し、前記色調補正フィルターが下記色素Bを含有する液晶表示装置。
緑色蛍光体G:波長455nmの光で励起したときに、波長520〜550nmの範囲内に半値全幅が100nm以下の発光ピークを有する蛍光体。
色素B:波長570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有するスクアリリウム系化合物。
[2] 前記緑色蛍光体Gが、βサイアロン蛍光体を含有する、[1]に記載の液晶表示装置。
[3] 前記バックライトユニットが、さらに下記赤色蛍光体Rを含有する、[1]又は[2]に記載の液晶表示装置。
赤色蛍光体R:Mnで付活されたフッ化物錯体蛍光体。
[4] バックライトユニット及び色調補正フィルターを備える液晶表示装置であって、
前記バックライトユニットが下記赤色蛍光体Rを含有し、前記色調補正フィルターが下記色素Bを含有する液晶表示装置。
赤色蛍光体R:Mnで付活されたフッ化物錯体蛍光体。
色素B:波長570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有するスクアリリウム系化合物。
[5] 前記色素Bの吸収ピークの半値全幅が40nm以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の液晶表示装置。
[6] 前記色素Bが、下記式(I)で表される化合物である、[1]〜[5]のいずれかに記載の液晶表示装置。
Figure 2020181061
(式(I)中、A及びAは各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。)
本発明によれば、色純度に優れた液晶表示装置が得られる。
本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置の模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置の模式図である。 本発明の第4の実施形態に係る液晶表示装置の模式図である。 色調補正フィルターを透過した後の蛍光体の発光スペクトルである。 色調補正フィルターを透過した後の蛍光体の発光スペクトルである。 色調補正フィルターを透過した後の蛍光体の発光スペクトルである。 色調補正フィルターを透過した後の蛍光体の発光スペクトルである。 色調補正フィルターを透過した後の蛍光体の発光スペクトルである。
本発明の液晶表示装置は、バックライトユニット及び色調補正フィルターを備える。色調補正フィルターはバックライトユニット内に存在してもよく、バックライトユニットの外部に存在してもよい。
バックライトユニットは、特定の緑色蛍光体Gと特定の赤色蛍光体Rの一方又は両方を含む。色調補正フィルターは特定の色素Bを含む。
<緑色蛍光体G>
緑色蛍光体Gは、波長455nmの光で励起したときに、波長520〜550nmの範囲内に半値全幅が100nm以下の発光ピークを有する蛍光体である。波長520〜550nmの範囲内に発光ピークを有するか否かは、発光ピークのピーク波長(極大発光波長)が520〜550nmの範囲内にあるか否かで判断する。
緑色蛍光体Gのピーク波長は520nm以上が好ましく、530nm以上がより好ましく、また、550nm以下が好ましく、545nm以下がより好ましく、540nm以下がさらに好ましい。前記範囲内とすることでRec. ITU−R BT.2020 (2012)(以下、「BT2020」と称する場合がある。)の緑座標に近づく傾向がある。
前記半値全幅は90nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましく、60nm以下がさらに好ましい。前記上限値以下とすることでBT2020の緑座標に近づく傾向がある。前記半値全幅の下限値は、特に限定されない。例えば40nm以上である。
緑色蛍光体Gの例としては、βサイアロン蛍光体、特開2017−21349号公報に記載のチオガレート蛍光体などが挙げられる。これらのうち、色再現の点でβサイアロン蛍光体が好ましい。
βサイアロン蛍光体の組成は特に限定されないが、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
EuSiAl・・・(1)
式中、a、b、c、d、eは、各々、下記範囲を満たす値である。
0<a≦0.2
5.6<b≦5.99
0.01≦c<0.4
0.01≦d<0.4
7.6<e≦7.99
式(1)中、Euは、ユーロピウムを表す。Euは、一部その他の付活元素、例えば、マンガン(Mn)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)及びイッテルビウム(Yb)等で付活されていてもよい。
Siは、ケイ素を表す。Siは、その他の4価の元素、例えば、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)などで、一部置換されていてもよい。
Alは、アルミニウムを表す。Alは、その他の3価の元素、例えば、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ガドリニウム(Gd)、ルテチウム(Lu)などで、一部置換されていてもよい。
Oは、酸素元素を表し、Nは、窒素元素を表す。O又はNは、一部その他の元素、例えば、ハロゲン原子(フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I))等を含有していてもよい。
なお、ハロゲン原子は、原料金属中の不純物としての混入や、粉砕工程、窒化工程などの製造プロセス時に導入される場合などが考えられ、特に、フラックスとしてハロゲン化物を用いる場合、蛍光体中に含まれてしまう場合がある。
式(1)中、aは、Euの含有量を表し、その範囲は、通常0<a≦0.2であり、下限値は、好ましくは0.0001、より好ましくは0.001、またその上限値は、好ましくは0.15、さらに好ましくは0.1、特に好ましくは0.08である。
bは、Siの含有量を表し、その範囲は、通常5.6<b≦5.99であり、下限値は、好ましくは5.7、またその上限値は、好ましくは5.97である。
cは、Alの含有量を表し、その範囲は、通常0.01≦c<0.4であり、下限値は、好ましくは0.03、また上限値は、好ましくは0.3である。
dは、Oの含有量を表し、その範囲は、通常0.01≦d<0.4であり、下限値は、好ましくは0.03、また上限値は、好ましくは0.3である。
eは、Nの含有量を表し、その範囲は、通常7.6<e≦7.99であり、下限値は、好ましくは7.7、また上限値は、好ましくは7.77である。
いずれの含有量も、上記した範囲内であると、得られる蛍光体の発光特性が良好である点で好ましい。
βサイアロン蛍光体の組成は特に限定されないが、Si6−zAl8−z:Eu(0<z<4.2)で表されるものも好ましい。
<赤色蛍光体R>
赤色蛍光体RはMnで付活されたフッ化物錯体蛍光体である。具体的には、Mn4+を付活剤とし、アルカリ金属、アミンまたはアルカリ土類金属のフッ化物錯体塩を母体結晶とするものが挙げられる。
母体結晶を形成するフッ化物錯体には、配位中心が3価金属(B、Al、Ga、In、Y、Sc、ランタノイド)のもの、4価金属(Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Re、Hf)のもの、5価金属(V、P、Nb、Ta)のものがあり、その周りに配位するフッ素原子の数は通常5〜7である。この蛍光体は、米国特許第3576756号公報、米国特許公開2006/0169998号公報、米国特許公開2007/0205712号公報などに開示されている。
好ましいMn付活フッ化物錯体蛍光体は、アルカリ金属のヘキサフルオロ錯体塩を母体結晶とするAMF:Mn(AはLi、Na、K、Rb、Cs、NHから選ばれる1種以上;MはGe、Si、Sn、Ti、Zrから選ばれる1種以上)である。中でも特に好ましいのは、AがK(カリウム)またはNa(ナトリウム)から選ばれる1種以上で、MがSi(ケイ素)またはTi(チタン)であるもの、例えば、KSiF:Mn、KSi1−xNaAl:Mn、KTiF:Mnなどである。
赤色蛍光体Rの発光ピークは特に限定されないが、波長455nmの光で励起したときに、波長580〜680nmの範囲内に半値全幅が100nm以下の発光ピークを有するものであることが好ましい。波長580〜680nmの範囲内に発光ピークを有するか否かは、発光ピークのピーク波長(極大発光波長)が580〜680nmの範囲内にあるか否かで判断する。
赤色蛍光体Rのピーク波長は600nm以上が好ましく、610nm以上がより好ましく、620nm以上がさらに好ましく、625nm以上が特に好ましく、また、660nm以下が好ましく、650nm以下がより好ましく、640nm以下がさらに好ましく、635nm以下が特に好ましい。前記範囲内とすることでRec. ITU−R BT.2020 (2012)(以下、「BT2020」と称する場合がある。)の赤座標に近づく傾向がある。
前記半値全幅は90nm以下が好ましく、70nm以下がより好ましく、50nm以下がさらに好ましく、30nm以下がよりさらに好ましく、20nm以下が特に好ましく、10nm以下が最も好ましい。前記上限値以下とすることでBT2020の赤座標に近づく傾向がある。
赤色蛍光体Rの組成は特に限定されないが、下記式(2)で表される組成を有する結晶相を含むものであることが好ましい。
MnSi ・・・(2)
式中、m、f、g、hは、各々、下記範囲を満たす値である。
0<m≦0.2
1.6≦f≦2.4
m+g=1
4.8≦h≦7.2
式(2)中、Mnは、マンガンを表す。Mnは、その他の付活元素、例えば、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)及びイッテルビウム(Yb)の一種又は2種以上で一部置換されていてもよい。
Kは、カリウムを表す。Kは、その他の周期表第1族の元素、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)などのアルカリ金属で、一部置換されていてもよい。
Siは、ケイ素を表す。Siは、その他の4価の元素、例えば、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)などで、一部置換されていてもよい。
Fは、フッ素を表す。Fは、その他のハロゲン元素、例えば、Cl(塩素)、Br(臭素)、I(ヨウ素)、および酸素などで一部置換されていてもよい。
mは、Mnの含有量を表し、その範囲は、通常0<m≦0.2であり、下限値は、好ましくは0.01、より好ましくは0.02、上限値は、好ましくは0.15、より好ましくは0.1である。
上記範囲内であると、濃度消光が起きにくく、発光特性が良好である点で好ましい。
式(2)中、fは、Kの含有量を表し、その範囲は、通常1.6≦f≦2.4である。下限値は、好ましくは1.8、より好ましくは1.85である。上限値は、好ましくは2.2、より好ましくは2.15である。
gは、ケイ素の含有量を表す。mとgの相互の関係は通常、m+g=1を満足する。
hは、フッ素の含有量を表し、その範囲は、通常4.8≦h≦7.2である。下限値は、好ましくは5.2、より好ましくは5.6である。上限値は、好ましくは6.8、より好ましくは6.4である。
<色素B>
色素Bは、波長570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有するスクアリリウム系化合物である。スクアリリウム系化合物は波長380〜450nmの短波長領域における副吸収が少なく、波長570〜620nmにおいて吸光度の高い吸収ピークを有するため、それを含む色調補正フィルターを使用することにより、色純度が良好な液晶表示装置を得ることができる。
スクアリリウム系化合物とは、少なくとも2つのカルボニル基からなる四員環を有する化合物である。例えば、中央に四員環を有し、その左右に環を有するものが挙げられる。左右の環は同一のものでも異なるものでもよく、対称スクアリリウム系化合物であっても非対称スクアリリウム系化合物であってもよい。
色素Bの中でも、可視領域に吸収ピークを持たせる観点から下記式(I)で表される化合物が好ましい。
Figure 2020181061
式(I)中、A及びAは各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基と芳香族複素環基が挙げられる。芳香族環基の炭素数は特に限定されないが2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましく、5以上がよりさらに好ましく、6以上が特に好ましく、また、12以下が好ましく、10以下がより好ましい。炭素数を前記下限値以上とすることで電子供与性基の導入が容易となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで芳香族環の副吸収が抑えられる傾向がある。
芳香族炭化水素環基における環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族炭化水素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
このように、芳香族炭化水素環基における環は5員環でも、6員環でもよく、また、単環でも、縮合環でもよいが、副吸収を抑えるためには単環であることがさらに好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
一方で芳香族複素環基における環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
芳香族環基が有していてもよい置換基とは任意の置換基であるが、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20アルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数2〜20のPEG型ヒドロキシエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜20の置換基を有していてもよいシリル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20の置換基を有していてもよいアミノ基、フッ素原子を有するアルキル基、水酸基などが挙げられる。
色素Bの中でも、耐熱性、耐光性の観点から下記一般式(II)で表されるスクアリリウム系化合物が好ましい。
Figure 2020181061
式(II)中、X及びXは各々独立に、カルボニル基、又はスルホニル基を表す。R及びRは各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又はハロゲン原子を表す。
(X、X
前記式(II)中、X及びXは各々独立に、カルボニル基、又はスルホニル基を表すが、吸収波長の観点からカルボニル基が好ましく、一方で吸収波長を短波長化するとの観点からスルホニル基が好ましい。X及びXは同じものでも異なるものでもよいが、耐光性や耐熱性の観点から同じものであることが好ましい。
(R及びR
前記式(II)中、R及びRは各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、又はハロゲン原子を表す。
アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましく、また、13以下が好ましく、12以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで耐熱性が向上する傾向がある。
アルキル基の具体例としては、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n―オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、溶解性の観点から、直鎖または分岐アルキル基好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリールオキシ基、アルキル基を有してもよりアミノ基などが挙げられる。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基と芳香族複素環基が挙げられる。芳香族環基の炭素数は特に限定されないが2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましく、5以上がよりさらに好ましく、6以上が特に好ましく、また、12以下が好ましく、10以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで溶解性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることでスペクトル形状がシャープになる傾向がある。
芳香族炭化水素環基における環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族炭化水素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
一方で芳香族複素環基における環としては、単環であっても縮合環であってもよい。芳香族複素環基としては、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、アルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられるが、これらの中でも溶解性の観点からフッ素、塩素原子が好ましい。
これらの中でも、R及びRとしては、溶解性の観点から、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、分岐アルキル基がさらに好ましい。
色素Bは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、スクアリリウム系化合物は、以下のように共鳴構造を複数書くことができるが、これらは特に断らない限り同義である。
Figure 2020181061
以下に色素Bの具体例を挙げる。
Figure 2020181061
Figure 2020181061
Figure 2020181061
Figure 2020181061
Figure 2020181061
(製造方法)
スクアリリウム系化合物は、公知の方法で製造することができる。例えばTop. Heterocycl. Chem. 14, 133−181 (2008)に記載の方法に準じて製造することができる。
(物性)
色素Bは、波長570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有するスクアリリウム系化合物である。波長570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有するか否かは、吸収ピークのピーク波長(極大吸収波長)が570〜620nmの範囲内にあるか否かで判断する。
色素Bのピーク波長(λmax)は570〜620nmの範囲内であれば特に限定されないが、580nm以上が好ましく、590nm以上がより好ましく、また、610nm以下が特に好ましい。前記範囲内とすることで色再現性が良好となる傾向がある。吸収ピークの極大吸収波長は、色素Bをテトラヒドロフラン等の溶媒に溶解させた溶液を作製して測定した吸収スペクトル、又は色素Bをアクリル樹脂等の透明樹脂に含有させた樹脂層を作製して測定した吸収スペクトルから算出することができる。詳細な条件は実施例に記載のものを採用することが好ましい。
色素Bが、置換基の結合位置が異なる異性体の混合物である場合、前記極大吸収波長は混合物の吸収スペクトルにおける値である。
さらに、色素Bの吸収ピークの半値全幅は特に限定されないが、40nm以下であることが好ましく、35nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることがさらに好ましく、また、通常25nm以上である。吸収ピークの半値全幅を前記上限値以下とすることで色再現性が向上される傾向がある。吸収ピークの半値全幅(FWHM)は、前述の吸収スペクトルにて、極大吸収波長(λmax)における吸光度Aの半値となる波長A1及び波長A2を読み取り、波長A1と波長A2の差の絶対値を算出することで得られる。
色素Bが、置換基の結合位置が異なる異性体の混合物である場合、前記半値全幅は混合物の吸収スペクトルにおける値である。
色素Bにおいて、波長500〜620nmにおける吸収ピークの数は特に限定されないが、輝度低下を抑制する観点から好ましくは1つである。吸収ピークの数は、前述の吸収スペクトルから算出することができる。なお、波長500〜620nmにおける吸収ピークの数は、吸収スペクトルに含まれる吸収ピークのうち、その極大吸収波長が波長500〜620nmに含まれるものの数を意味する。
一方で、色素Bの波長380〜450nmにおける透過率は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、また、この透過率は通常100%以下である。透過率を前記下限値以上とすることでフィルターの色再現性を向上する傾向がある。透過率は前述の吸収スペクトルから算出することができる。
<第1の実施形態>
第1の実施形態の液晶表示装置の構成を図1に示す。本実施形態の液晶表示装置は、エッジライト型のバックライトユニット10と、液晶パネル100とを備えるとともに、色調補正フィルター1が、1a、1b、1c、1d又は1eのいずれかの位置に存在する。
バックライトユニット10は、導光板11と、導光板11の側面に設けられた発光デバイス12と、導光板11の視認側とは反対側に設けられた反射シート13と、導光板11と液晶パネル100との間に設けられた光学フィルム群14とを備える。
液晶パネル100は、図示していないが、カラーフィルタ及び透明電極(共通電極)を備えたカラーフィルタ基板と、透明電極(駆動用電極)を備えたアレイ基板と、前記カラーフィルタ基板と前記アレイ基板の間に挟持された液晶層とを備え、アレイ基板の視認側とは反対側の面には下側偏光板(吸収型偏光板)が積層されている。
導光板11は、側面に設けられた発光デバイス12からの光を面発光に変換する機能を有する。図示していないが、導光板11の視認側とは反対側の面(裏面)には、導光板11内部を伝搬する光の一部の反射方向を、視認側に向かう方向に変えるための拡散反射ドット(図示略)が設けられている。
液晶光学フィルム群14は、視認側から順に、反射型偏光フィルム14a、プリズムシート14b、拡散シート14cを備える。
拡散シート14cは、導光板11から出射される光を均一に拡散させて視認側に出射する機能を有する。
プリズムシート14bは、プリズムパターンによる反射・屈折作用により、導光板11から出射される光を集光し、正面輝度を高める機能を有する。
反射型偏光フィルム14aは、導光板11から出射される光を選択的に反射させる光学フィルムである。液晶パネル100の下側偏光板(吸収型偏光板)で吸収される偏光を、反射型偏光フィルム14aで反射して再利用することにより輝度を向上させる機能を有する。
[発光デバイス]
発光デバイス12は、発光素子12aと、発光素子12aを覆う封止部材を備える。本実施形態では、封止部材が緑色蛍光体Gと赤色蛍光体Rの一方又は両方を含み、蛍光体含有層12bとなっている。
発光素子12aは公知のLED素子を用いることができる。また図示していないが、発光素子12aに電圧を印加するためのリード端子、電気接続部材等が必要に応じて設けられている。
発光素子12aの例としては、MOCVD法、HDVPE法、液相成長法等の成膜法によって、必要に応じてGaN、AlN等のバッファー層を設けた基板上に、半導体材料を積層して作成したものが挙げられる。基板の例としては、サファイヤ、スピネル、SiC、Si、ZnO、GaN単結晶等が挙げられる。半導体材料の例としては、GaAs、GaP、GaAlAs、GaAsP、AlGaInP、GaN、InN、AlN、InGaN、InGaAlN、SiC等が挙げられる。半導体材料は必要に応じて付活剤等を含んでもよい。発光素子12aの構造の例としては、MIS接合、pn接合、PIN接合を有するホモ接合、ヘテロ接合やダブルへテロ構造等が挙げられる。また、単一又は多重量子井戸構造とすることもできる。発光素子12aはパッシベーション層を有してもよい。
発光素子12a上に電極を設けてもよい。発光素子12a上の電極は種々の方法でリード端子等と電気接続できる。電気接続部材の例としては、金、銀、銅、白金、アルミニウムやそれらの合金等を用いたボンディングワイヤーが挙げられる。また、銀、カーボン等の導電性フィラーを樹脂で充填した導電性接着剤等を用いてもよい。
リード端子としては、ボンディングワイヤー等の電気接続部材との密着性、電気伝導性等が良好なものが好ましい。リード端子材料の例としては、鉄、銅、鉄入り銅、錫入り銅や、これらに銀、ニッケル等をメッキしたものが挙げられる。これらのリード端子は良好な光の広がりを得るために適宜光沢度を調整してもよい。
封止部材には光透過性樹脂が用いられる。光透過性樹脂の例としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂、特開2002−317048の段落0009〜0162に記載の硬化性組成物が挙げられる。これらを組みあわせて2層以上の封止層からなる封止部材を形成してもよい。
発光素子12aを封止部材で覆う方法として、例えば、底部に発光素子12aを配置したカップ、キャビティ、パッケージ凹部等に、液状又は流動状態とした光透過性樹脂を、ディスペンサー等を用いて注入し加熱等により硬化させる方法が挙げられる。パッケージの材料の例としては、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド樹脂等が挙げられる。
また、モールド型枠中に光透過性樹脂をあらかじめ注入し、そこに発光素子12aが固定されたリードフレーム等を浸漬した後樹脂を硬化させてもよい。発光素子12aを挿入した型枠中にディスペンサーによる注入、トランスファー成形、射出成形等によって光透過性樹脂による封止層を成形し、硬化させてもよい。液状又は流動状態とした光透過性樹脂を発光素子12a上に滴下又はコーティングして硬化させてもよい。発光素子12a上に孔版印刷、スクリーン印刷、又はマスクを介して塗布する方法で、光透過性樹脂を成形し硬化させてもよい。予め、板状若しくはレンズ形状等に部分硬化又は硬化させた光透過性樹脂を発光素子12a上に固定してもよい。
発光素子12aを被覆する封止部材の形状は、特に限定されない。例えば、レンズ形状、板状、薄膜状、特開平6−244458号公報記載の形状等が挙げられる。これらの形状は光透過性樹脂を成形硬化させることによって形成してもよいし、光透過性樹脂を硬化した後に後加工により形成してもよい。
発光素子12aの形状は、例えばランプタイプ、SMDタイプ(表面実装型)、チップタイプ等いずれでもよい。SMDタイプ、チップタイプのパッケージ基板の材料として、例えば、エポキシ樹脂、BTレジン、セラミック等が挙げられる。
発光素子12aには公知の種々の構成を適用できる。例えば、発光素子12aの背面に光を反射又は集光する層を設ける構成、封止樹脂の黄変に対応して補色着色部を底部に設ける構成、発光素子12aを軟質又は液状の光透過性樹脂で封止し、さらに周囲を硬質の光透過性樹脂でモールディングする構成、特開平6−244458号公報に記載のとおりモールディング材を特殊形状として発光効率を高める構成、輝度むらを低減させるためにパッケージを2段状の凹部とする構成、発光素子12aを貫通孔に挿入して固定する構成等を挙げることができる。
蛍光体含有層12bは、少なくとも前記緑色蛍光体Gと前記赤色蛍光体Rの一方又は両方を含む。緑色蛍光体G以外の緑色蛍光体の1種以上を含んでもよい。赤色蛍光体R以外の赤色蛍光体の1種以上を含んでもよい。さらに他の蛍光体を含んでもよい。
緑色蛍光体G以外の緑色蛍光体として、例えばLYSN((La,Y)Si11:Ce)が挙げられる。
赤色蛍光体R以外の赤色蛍光体として、例えばCASN、SCASN(SrCa1−xAlSiN:Eu)が挙げられる。
発光デバイス12の発光色が白色となるように、発光素子12aの発光波長と、蛍光体含有層12bに含まれる蛍光体とを組み合わせることが好ましい。例えば、発光デバイス12の発光ピーク波長は420〜470nmが好ましく、440〜460nmがより好ましい。
蛍光体含有層12bが緑色蛍光体と赤色蛍光体を含み、発光デバイス12の発光色が白色であることが好ましい。緑色蛍光体と赤色蛍光体が同一の蛍光体含有層12bに含まれていてもよく、緑色蛍光体を含む蛍光体含有層12bと赤色蛍光体を含む蛍光体含有層12bが積層されていてもよい。
蛍光体含有層12b中の緑色蛍光体が前記緑色蛍光体Gである場合、緑色蛍光体Gの含有量は、光透過性樹脂の100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
蛍光体含有層12b中の赤色蛍光体が前記赤色蛍光体Rである場合、赤色蛍光体Rの含有量は、光透過性樹脂の100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
[色調補正フィルター]
色調補正フィルター1は、前記色素Bを含むバインダー樹脂からなる単層のシート又はフィルムでもよく、シート状又はフィルム状の透明基材上に、色素Bを含むバインダー樹脂からなる層を形成した積層体でもよい。色素Bを2種以上用いる場合、同一の層に含有させてもよく、別々の層に含有させて積層してもよい。
前記単層のシート又はフィルムを製造する方法は、例えば、色素Bとバインダー樹脂とを適当な溶剤の溶液又は分散液としたインクをキャリヤー上に流延し、乾燥させる方法、熱可塑性樹脂における常法の成形法に従って、色素Bとバインダー樹脂とを溶融混練し、押出成形、射出成形、圧縮成形等によってフィルム又はシートに成形する方法、等が挙げられる。
前記積層体を製造する方法は、例えば、色素Bとバインダー樹脂とを適当な溶剤に溶解又は分散させたインクを、公知の塗布方法で透明基材上に塗布し、乾燥させる方法、熱可塑性樹脂における常法の成形法に従って、色素Bとバインダー樹脂とを溶融混練して押出成形、射出成形、圧縮成形等によってフィルム又はシートに成形し、そのフィルム又はシートを透明基材上に接着剤等により接着させる方法、色素Bとバインダー樹脂とを溶融混練してフィルム状又はシート状に押出し、透明基材上に押出ラミネートする方法、色素Bとバインダー樹脂とを溶融混練し、透明樹脂基材と共押出成形する方法、等が挙げられる。
前記透明基材の材質は、実質的に透明であって、吸収、散乱が大きくない材料であれば特に制限はない。具体例としては、ガラス、ポリオレフィン系樹脂、非晶質ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂等が挙げられる。これらの中では、特に非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂が好ましい。
上記の樹脂は、公知の射出成形、Tダイ成形、カレンダー成形、圧縮成形等の方法や、有機溶剤に溶融させてキャスティングする方法などを用いて、フィルムまたはシート状に成形できる。
上記の樹脂には、公知の添加剤、耐熱老化防止剤、滑剤、帯電防止剤等を配合してもよい。
透明基材の厚みは、10μm〜5mmが望ましい。透明基材は、未延伸でもよく延伸されていてもよい。他の基材との積層体でもよい。透明基材に、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、薬品処理等の従来公知の方法による表面処理や、アンカーコート剤やプライマー等のコーティングを施してもよい。
前記バインダー樹脂としては、実質的に透明であって、光の吸収や散乱の小さい材料であれば特に限定されない。例えば、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂及びその鹸化物、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、セルロース系樹脂、フェノール系樹脂、フェノキシ系樹脂等が挙げられる。これらのうち、入手のしやすさの点からは、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂及びポリカーボネート系樹脂が好ましく、特に吸収波長の調整をしやすい点からは、アクリル系樹脂が好ましい。
色調補正フィルター1における色素Bの濃度は、バインダー樹脂100質量部に対して0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、また、2質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.8質量部以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで所望の膜厚で色調補正機能を発現する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで吸収ピーク半値全幅が適切な色調補正フィルターとなる傾向がある。
前記溶剤の例としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のアルカン類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール類;アセトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤類等が挙げられる。
色素Bと前記バインダー樹脂との溶液又は分散液には、ポリビニルブチラール系樹脂、フェノキシ系樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等のフェノール系樹脂、石油樹脂、硬化ロジン、ロジンエステル、マレイン化ロジン等のロジン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の分散剤を添加してもよい。分散剤の使用量は、色素Bの100質量部に対し、0.01〜10質量部程度が好ましい。
又、色素Bとバインダー樹脂を含む溶液又は分散液の総質量に対して、色素Bの含有量は、0.5〜50質量%が好ましい。
色素Bとバインダー樹脂を含む溶液又は分散液の固形分に対して、色素Bの含有量は、0.05〜50質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。なお、固形分とは、溶液又は分散液に含まれる成分のうち、溶剤以外の全成分を意味する。
色素Bとバインダー樹脂を含むインクの、透明基材上への塗布方法としては、例えば、ディップコート法、フローコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法等が挙げられる。塗布量は、乾燥膜厚として0.1〜30μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。
色調補正フィルター1を、発光デバイス12からの発光が、液晶表示装置の表示面から出射されるまでの間の光路上に設けることにより、表示面からの出射光の色純度を向上させることができる。
本実施形態の液晶表示装置では、色調補正フィルター1を、液晶パネル100の視認側の面上1a、反射型偏光フィルム14aとプリズムシート14bとの間1b、プリズムシート14bと拡散シート14cとの間1c、導光板11と光学フィルム群14との間1d又は導光板11と発光デバイス12との間1eに設けることが好ましい。
特に輝度の点からは、色調補正フィルター1を反射型偏光フィルム14aとプリズムシート14bとの間1bに設けることがより好ましい。
本実施形態によれば、後述の実施例に示されるように、バックライトユニット10に用いる蛍光体として緑色蛍光体Gを用いるとともに、色素Bを含む色調補正フィルター1を設けることにより、液晶表示装置の緑色画素の色純度を向上させることができる。
また、バックライトユニット10に用いる蛍光体として赤色蛍光体Rを用いるとともに、色素Bを含む色調補正フィルター1を設けることにより、液晶表示装置の赤色画素の色純度を向上させることができる。
また、バックライトユニット10に用いる蛍光体として緑色蛍光体G及び赤色蛍光体Rを用いるとともに、色素Bを含む色調補正フィルター1を設けることにより、液晶表示装置の緑色画素の色純度と赤色画素の色純度を同時に向上させることができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態の液晶表示装置の構成を図2に示す。図1と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する(以下、同様)。
本実施形態の液晶表示装置は、光学フィルム群14と導光板11との間に蛍光体シート15を備える点、及び発光デバイス21において発光素子12aの封止部材(図示略)が蛍光体を含まない点で第1の実施形態と大きく異なる。
色調補正フィルター1は、1a、1b、1c、1e、2a又は2bのいずれかの位置に存在する。
[蛍光体シート]
蛍光体シート15は、蛍光体層と、蛍光体層を挟持する一対の透明基材とを備える。さらに、必要に応じたその他の層を備えてもよい。
蛍光体層は、少なくとも、光透過性の樹脂硬化物と蛍光体とを含む。必要に応じて、その他の成分を含んでもよい。蛍光体層中の蛍光体は前記蛍光体含有層12b中の蛍光体と同様である。すなわち、蛍光体層は、少なくとも緑色蛍光体Gと赤色蛍光体Rの一方又は両方を含む。
蛍光体層は、樹脂成分と蛍光体とを含む蛍光体含有樹脂組成物を透明基材に塗布し、樹脂成分を硬化させることにより得られる。
前記樹脂成分が、ポリオレフィン共重合体又は光硬化性(メタ)アクリレートのいずれかを含むことが好ましい。これらを含むと、優れた耐光性と低い吸水性が得られやすい。
前記ポリオレフィン共重合体として、例えば、スチレン系共重合体、スチレン系共重合体の水添物(水添スチレン系共重合体)などが挙げられる。スチレン系共重合体として、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体などが挙げられる。これらの中でも、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体の水添物が、透明性やガスバリア性の点で好ましい。
前記水添スチレン系共重合体におけるスチレン単位の含有割合としては、低すぎると機械的強度の低下となる傾向があり、高すぎると脆くなる傾向があるため、10〜70質量%が好ましく、20〜30質量%がより好ましい。また、水添スチレン系共重合体の水添率は、低すぎると耐候性が悪くなる傾向があり、50%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
前記光硬化性(メタ)アクリレートとして、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、光硬化後の耐熱性の観点から、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
蛍光体層は、光拡散材として、光吸収が少ない無機物等の粒子を添加してもよい。例えば、シリコーン粒子、シリカ粒子、樹脂粒子、メラミンとシリカとの複合粒子、などが挙げられる。前記樹脂粒子の樹脂として、例えば、メラミン、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリスチレンなどが挙げられる。
拡散材の具体例として、例えば、信越化学工業株式会社製のシリコーンパウダーKMPシリーズ、日産化学工業株式会社製のオプトビーズ、積水化成品工業株式会社製のテクポリマーMBXシリーズ、SBXシリーズ等の市販品、などが挙げられる。
前記透明基材としては、熱可塑性樹脂フィルム、熱硬化性樹脂フィルム、光硬化性樹脂フィルムなどが挙げられる(特開2011−13567号公報、特開2013−32515号公報、特開2015−967号公報)。透明基材は2種以上のフィルムの積層体でもよい。
前記透明基材を構成するフィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステルフィルム;ポリアミドフィルム;ポリイミドフィルム;ポリスルホンフィルム;トリアセチルセルロースフィルム;ポリオレフィンフィルム;ポリカーボネート(PC)フィルム;ポリスチレン(PS)フィルム;ポリエーテルスルホン(PES)フィルム;環状非晶質ポリオレフィンフィルム;多官能アクリレートフィルム;多官能ポリオレフィンフィルム;不飽和ポリエステルフィルム;エポキシ樹脂フィルム;PVDF、FEP、PFA等のフッ素樹脂フィルム;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムが、特に好ましい。
透明基材の表面には、蛍光層に対する密着性を改善するために、コロナ放電処理、シランカップリング剤処理等の表面処理を施してもよい。
透明基材の厚みは、例えば10〜100μmが好ましい。
前記透明基材は、水蒸気バリアフィルムであってもよい。前記水蒸気バリアフィルムは、PET等の樹脂フィルムの表面に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等の金属酸化物薄膜を形成したガスバリア性フィルムである。また、PET/SiOx/PET等の多層構造を用いてもよい。
水蒸気バリアフィルムの水蒸気透過率は、例えば、0.05g/m/日〜5g/m/日程度が好ましい。前記範囲内であると、水蒸気の侵入を抑制して蛍光体層を水蒸気から保護する効果に優れる。
蛍光体シート15は、例えば、以下の方法で製造できる。
まず、溶剤(トルエン、メチルエチルケトン、それらの混合物など)に樹脂成分を溶解したペーストに蛍光体を混合して蛍光体含有樹脂組成物(以下、蛍光体塗料ともいう。)を調製する。
次いで、第1の透明基材上に蛍光体塗料を塗布し、バーコータ等で膜厚を均一にし、オーブン等を用いて加熱乾燥して溶剤を除去して蛍光体層を形成する。必要に応じて蛍光体層中の樹脂成分を硬化させる処理を施してもよい。次に、熱ラミネータ等を用いて蛍光体層上に第2の透明基材を貼り合わせることによって、第1の透明基材と第2の透明基材との間に蛍光体層が挟持された蛍光体シートの原反を得る。
蛍光体シートの原反をプレス機にて所望の形状に抜き加工し、必要に応じて、周囲をアルミ箔テープ等を用いて封止し、蛍光体シート15を得る。
蛍光体シート15において、蛍光体層の厚みは、特に制限はなく、20μm〜200μmが好ましく、40μm〜100μmがより好ましい。前記色材含有蛍光体層の厚みが、薄すぎても、厚すぎても、樹脂ペーストの膜厚を均一にすることが難しい。
蛍光体層中の緑色蛍光体が前記緑色蛍光体Gである場合、緑色蛍光体Gの含有量は、樹脂成分の100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
蛍光体層中の赤色蛍光体が前記赤色蛍光体Rである場合、赤色蛍光体Rの含有量は、樹脂成分の100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、液晶表示装置の色純度を向上させることができる。
色調補正フィルター1を設ける位置は、第1の実施形態と同様の1a、1b、1c、1eに加えて、蛍光体シート15と光学フィルム群14との間2a又は導光板11と蛍光体シート15との間2bであってもよい。
特に輝度の点からは、色調補正フィルター1を1bに設けることがより好ましい。
<第3の実施形態>
第3の実施形態の液晶表示装置の構成を図3に示す。図1と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する(以下、同様)。
第1の実施形態におけるバックライトユニット10はエッジライト型であったが、本実施形態におけるバックライトユニット30は直下型であり、拡散板31と、拡散板31の視認側とは反対側に設けられた発光デバイス32を備える。
色調補正フィルター1は、1a、1b、1c、3a又は3bのいずれかの位置に存在する。
発光デバイス32は、液晶パネル100と対向する反射シート12cと、反射シート12c上に並べられた複数の発光素子12aと、発光素子12aを覆う封止部材を備える。封止部材が緑色蛍光体Gと赤色蛍光体Rの一方又は両方を含み、蛍光体含有層12bとなっている。
発光デバイス32の反射シート12cの材質は、例えば、PETであり、発光素子12aから発せられる光を反射して、上方の拡散板31の方向に導く役割を有する。
拡散板31は、発光素子12aの像を隠蔽するとともに、発光デバイス32からの光を均一に拡散して視認側に出射する機能を有する。拡散板31と発光デバイス32との間には、空気層が存在する。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、液晶表示装置の色純度を向上させることができる。
色調補正フィルター1を設ける位置は、第1の実施形態と同様の1a、1b、1cに加えて、拡散板31と光学フィルム群14との間3a、又は拡散板31と発光デバイス32との間3bであってもよい。
特に耐久性の点からは、色調補正フィルター1を拡散板31と光学フィルム群14との間3aに設けることがより好ましい。
<第4の実施形態>
第4の実施形態の液晶表示装置の構成を図4に示す。図1〜3と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する(以下、同様)。
本実施形態が第3の実施形態と大きく異なる点は、本実施形態の液晶表示装置が蛍光体シート15を備える点、及び発光デバイス32において発光素子12aの封止部材(図示略)が蛍光体を含まない点である。
色調補正フィルター1は、1a、1b、1c、3b、4a又は4bのいずれかの位置に存在する。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、液晶表示装置の色純度を向上させることができる。
色調補正フィルター1を設ける位置は、第3の実施形態と同様の1a、1b、1c、3bに加えて、蛍光体シート15と光学フィルム群14との間4a又は拡散板31と蛍光体シート15との間4bであってもよい。
特に輝度の点からは、色調補正フィルター1を蛍光体シート15と光学フィルム群14との間4aに設けることがより好ましい。
なお液晶表示装置の構成要素は上記実施形態に限定されず、本発明の効果を損なわない範囲で適宜変更可能である。また各構成要素の材質、厚さ、形状等も適宜変更可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、下記の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた色素は次の通りである。
<色素B>
[スクアリリウム系化合物(B−1)〜(B−3)の混合物]
特開2002−363434号公報の実施例3に記載の方法により、以下の化学構造のスクアリリウム系化合物(B−1)〜(B−3)の混合物を合成して使用した。
Figure 2020181061
[スクアリリウム系化合物(B−4)]
特開2002−363434号公報の実施例2に記載の方法により、以下の化学構造のスクアリリウム系化合物(B−4)を合成して使用した。
Figure 2020181061
[テトラアザポルフィリン系化合物]
テトラアザポルフィリン系化合物として山田化学社製品名FDG−004を使用した。
<製造例1、2、比較製造例3:色調補正フィルターの作製>
アクリル樹脂(ダイヤナールBR−80、三菱ケミカル社製品名)、色素、及び溶剤を混合し、インクを調製した。前記アクリル樹脂100質量部に対する色素濃度が表1に記載のとおりになるように調整した。溶剤としては、テトラヒドロフランとトルエンの混合溶剤(混合比(質量比)は80:20)を用い、全固形分濃度が20質量%となるようにした。
次に、透明基材としてポリエチレンテレフタレート製フィルム基板(T910E、三菱ケミカル社製品名、厚み100μm)を用いて、その上にバーコート法にて前記インクを塗布し、それを乾燥させて色調補正フィルターを得た。前記インクの乾燥膜厚は6μmであった。
[色調補正フィルターの吸収特性]
紫外可視分光装置U−4100(日立ハイテク社製品名)を使用し、製造例1、2、比較製造例3で得た色調補正フィルターの吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルから、各色素の波長380〜780nmにおける極大吸収波長(λmax)と吸収ピークの半値全幅を読み取った。その結果を表1に示す。
Figure 2020181061
[色調補正フィルターの透過率の算出]
ランバートベールの法則により、各色調補正フィルターの吸収スペクトルから透過スペクトルを得た。
比較製造例3の色調補正フィルターについては、以下の式(i)及び(ii)を用いて透過率を変換することで、アクリル樹脂100質量部に対する色素濃度が0.5質量部である場合の透過スペクトルを得た。
Figure 2020181061
ただし、c:色素濃度(実験値)、T:透過率(実験値)、T:透過率(変換後)、c:色素濃度(変換後)、である。
<実施例1、2、比較例1〜5:液晶表示装置の緑色画素の模擬評価>
下記蛍光体を使用した。
緑色蛍光体G1:Si6−zAl8−z:Eu(0<z<4.2)であるβサイアロン蛍光体。Euは付活元素である。
比較の蛍光体1:(La,Y)Si11:Ceで表される蛍光体。Ceは付活元素である。
蛍光体試料を銅製試料ホルダーに詰め、蛍光分光光度計FP−6500(JASCO社製品名)を用いて発光スペクトルを測定した。なお、測定時には、受光側分光器のスリット幅を1nmに設定した。励起波長は455nm、測定範囲は380〜780nmで、測定間隔は1nmとした。得られた発光スペクトルから読み取った、蛍光体の光学特性を表2に示す。
Figure 2020181061
前記蛍光体を含有するバックライトユニットと、製造例1、2、比較製造例3で得た色調補正フィルターとを組み合わせた液晶表示装置の緑色画素の、光学特性の模擬評価を行った。各実施例及び比較例における蛍光体と色素の組み合わせは、表3に記載のとおりとした。
比較例2、5では、前記製造例1において、インクに色素を含有させず、それ以外は製造例1と同様にして製造した色調補正フィルターを用いた。
<透過光スペクトルの算出>
まず、前記蛍光体の発光スペクトルを最大強度が1となるように規格化した。次に、規格化後の蛍光体の発光スペクトルの強度と、前記色調補正フィルターの透過スペクトルの透過率の積の値を波長ごとに算出することで、色調補正フィルターを透過した後の蛍光体の発光スペクトル(以下、「透過光スペクトル」と称する場合がある。)を得た。透過光スペクトルを図5及び図6に示す。
<色度座標の算出>
上記透過光スペクトルのデータから、JIS Z 8781−5(2013)で規定されるCIE 1976 UCS 色度図における色度座標u’及びv’を算出した。
<色純度の評価>
Rec. ITU−R BT.2020 (2012)で規定される色域のうち、緑頂点である色度座標(0.056,0.587)を、最も色純度が高い純緑とした。
次に、前記透過光スペクトルの色度座標と純緑の色度座標との間の距離Lを以下の式を用いて算出し、距離Lにて色純度の評価を行った。距離Lは小さいほど、色純度が高い。
Figure 2020181061
また、以下の基準にて、色純度の評価を行った。その結果を表3に示す。
◎:距離Lが0.055未満
○:距離Lが0.055以上0.070未満
△:距離Lが0.070以上0.085未満
×:距離Lが0.085以上
<相対輝度の評価>
前記式(i)及び(ii)により、その最小透過率が10%となるように色素濃度を調整した透過スペクトルを用いた以外は同様の手順にて得た透過光スペクトルの380〜780nmの波長領域のデータを用い、JIS Z 8781(2016)に準拠して算出したXYZ表色系における刺激値Y1を算出した。次に、蛍光体の発光スペクトルを用いて同様に刺激値Y2を算出し、Y2に対するY1の相対値(以下、単に「相対輝度」と称する場合がある。)を算出した。
また、以下の基準にて、相対輝度の評価を行った。その結果を表3に示す。
◎:相対輝度が0.7以上
○:相対輝度が0.6以上0.7未満
△:相対輝度が0.5以上0.6未満
×:相対輝度が0.5未満
Figure 2020181061
表3の結果より、520〜550nmの範囲内に半値全幅が100nm以下の発光ピークを有する緑色蛍光体Gを含有するバックライトユニットと、570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有するスクアリリウム系化合物を含有する色調補正フィルター(製造例1、2)を組み合わせて使用することにより、得られる液晶表示装置の色純度が良好となることがわかる。
実施例1、2は、緑色蛍光体G1と製造例1、2の色調補正フィルターを組み合わせたものである。製造例1、2の色調補正フィルターの最小透過率は各々8%、7%であり、色純度低下を引き起こす純緑とは異なる波長の光を効率よく吸収する。また、バックライトユニットに含まれる緑色蛍光体G1は、ピーク波長が純緑に近い534nmであり半値全幅も50nmと小さいことで、色調補正フィルターで吸収しきれない純緑以外の波長の光の発光強度が弱く、透過光の色純度低下を招きにくい。このように、バックライトユニットに含まれる緑色蛍光体と、色調補正フィルターに含まれる色素を適切に選択することによって、色純度が良好になったと考えられる。
一方で、比較例1は、極大吸収波長が570〜620nmであるテトラアザポルフィリン系化合物を含有する色調補正フィルター(比較製造例3)を用いたものであるが、このテトラアザポルフィリン系化合物はグラム吸光係数が低い化合物であるため、色調補正フィルターの最小透過率が81%となった。このため純緑とは異なる波長の光の吸収が十分ではなかった。図5の透過光スペクトルから明らかなように、最小透過率が高い色調補正フィルターを用いた比較例1では、色純度低下を引き起こす純緑とは異なる波長の光の多くを透過するため、色素を含まない比較例2と同等の色純度となっていると考えられる。
比較例3〜5は、発光ピーク波長が520〜550nmよりも長波長であり、半値全幅が100nmより大きい、比較の蛍光体1を含有するバックライトユニットを用いたものである。蛍光体の半値全幅が非常に大きいため、図6の透過光スペクトルから明らかなように、比較例3及び4では540nm付近の緑色のピークと640nm付近の赤色のピークの2つのピークを有するものとなり、それによって透過光の色純度は純緑から著しく遠いものとなり、比較例5と同等になったと考えられる。比較例3及び4では、製造例1、2の色調補正フィルターを用いたにもかかわらず、液晶表示装置の色純度は十分なものとはならなかった。
<実施例3、4、比較例6〜10:液晶表示装置の赤色画素の模擬評価>
下記蛍光体を使用した。
赤色蛍光体R1:KSiF:Mnである結晶相を含む蛍光体。Mnは付活元素である。Mnで付活されたフッ化物錯体蛍光体である。
比較の蛍光体2:SrCa1−xAlSiN:Euで表される蛍光体。Euは付活元素である。
実施例1と同様にして発光スペクトルを測定して得た光学特性を表4に示す。
Figure 2020181061
前記蛍光体を含有するバックライトユニットと、製造例1、2、比較製造例3で得た色調補正フィルターとを組み合わせた液晶表示装置の赤色画素の、光学特性の模擬評価を行った。各実施例及び比較例における蛍光体と色素の組み合わせは、表5に記載のとおりとした。比較例7、10では、比較例2、5と同様に色素を含まない色調補正フィルターを用いた。
緑色画素の評価と同様にして、透過光スペクトルを算出し、色度座標を算出した。透過光スペクトルを図7〜9に示す。
<色純度の評価>
Rec. ITU−R BT.2020 (2012)で規定される色域のうち、赤頂点である色度座標(0.557,0.517)を、最も色純度が高い純赤とした。
次に、前記透過光スペクトルの色度座標と純赤の色度座標との間の距離Lを以下の式を用いて算出し、距離Lにて色純度の評価を行った。距離Lは小さいほど、色純度が高い。
Figure 2020181061
また、以下の基準にて、色純度の評価を行った。その結果を表5に示す。
◎:距離Lが0.030未満
○:距離Lが0.030以上0.060未満
△:距離Lが0.060以上0.090未満
×:距離Lが0.090以上
Figure 2020181061
表5の結果より、赤色蛍光体Rを含有するバックライトユニットと、570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有するスクアリリウム系化合物を含有する色調補正フィルター(製造例1、2)を組み合わせて使用することにより、得られる液晶表示装置の色純度が良好となることがわかる。
実施例3、4は、赤色蛍光体R1と製造例1、2の色調補正フィルターを組み合わせたものである。製造例1、2の色調補正フィルターの最小透過率は各々8%、7%であり、色純度低下を引き起こす純赤とは異なる波長の光を効率よく吸収する。また、バックライトユニットに含まれる赤色蛍光体R1は、極大発光波長が純赤に近い631nmであり半値全幅も7nmと非常に小さいことで、色調補正フィルターで吸収しきれない純赤以外の波長の光の発光強度が弱く、透過光の色純度低下を招きにくい。このように、バックライトユニットに含まれる赤色蛍光体と、色調補正フィルターに含まれる色素を適切に選択することによって、色純度が良好になったと考えられる。
一方で、比較例6は、極大吸収波長が570〜620nmであるテトラアザポルフィリン系化合物を含有する色調補正フィルター(比較製造例3)を用いたものであるが、このテトラアザポルフィリン系化合物はグラム吸光係数が低い化合物であるため、色調補正フィルターの最小透過率が81%となった。このため純赤とは異なる波長の光の吸収が十分ではなかった。図8において比較例6と比較例7の透過光スペクトルはほぼ同じであった。図8の透過光スペクトルから明らかなように、最小透過率が高い色調補正フィルターを用いた比較例6では、色純度低下を引き起こす純赤とは異なる波長の光の多くを透過するため、色素を含まない比較例7と同等の色純度となっていると考えられる。
比較例8〜10は、比較の蛍光体2を含有するバックライトユニットを用いたものである。比較の蛍光体2の半値全幅が75nmと大きいため、図9の透過光スペクトルから明らかなように、比較例8及び9では570nm付近の黄緑色のピークと640nm付近の赤色のピークの2つのピークを有するものとなり、それによって透過光の色純度は純赤から著しく遠いものとなり、比較例10と同等になったと考えられる。比較例8及び9では、製造例1、2の色調補正フィルターを用いたにもかかわらず、得られる液晶表示装置の色純度は十分なものとはならなかった。
1 色調補正フィルター
1a〜1e、2a〜2b、3a〜3b、4a〜4b 色調補正フィルターの挿入位置
10、20、30、40 バックライトユニット
11 導光板
12、21、32、41 発光デバイス
12a 発光素子
12b 蛍光体含有層
12c 反射シート
13 反射シート
14 光学フィルム群
14a 反射型偏光フィルム
14b プリズムシート
14c 拡散シート
15 蛍光体シート
31 拡散板
100 液晶パネル

Claims (6)

  1. バックライトユニット及び色調補正フィルターを備える液晶表示装置であって、
    前記バックライトユニットが下記緑色蛍光体Gを含有し、前記色調補正フィルターが下記色素Bを含有する液晶表示装置。
    緑色蛍光体G:波長455nmの光で励起したときに、波長520〜550nmの範囲内に半値全幅が100nm以下の発光ピークを有する蛍光体。
    色素B:波長570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有するスクアリリウム系化合物。
  2. 前記緑色蛍光体Gが、βサイアロン蛍光体を含有する、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記バックライトユニットが、さらに下記赤色蛍光体Rを含有する、請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
    赤色蛍光体R:Mnで付活されたフッ化物錯体蛍光体。
  4. バックライトユニット及び色調補正フィルターを備える液晶表示装置であって、
    前記バックライトユニットが下記赤色蛍光体Rを含有し、前記色調補正フィルターが下記色素Bを含有する液晶表示装置。
    赤色蛍光体R:Mnで付活されたフッ化物錯体蛍光体。
    色素B:波長570〜620nmの範囲内に吸収ピークを有するスクアリリウム系化合物。
  5. 前記色素Bの吸収ピークの半値全幅が40nm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記色素Bが、下記式(I)で表される化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
    Figure 2020181061
    (式(I)中、A及びAは各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。)
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