JP2020179146A - 医用画像処理装置、x線コンピュータ断層撮影装置及びプログラム - Google Patents

医用画像処理装置、x線コンピュータ断層撮影装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 厳密さを犠牲にすることなく、X線散乱をより素早くシミュレートすること。【解決手段】 実施形態に係る医用画像処理装置は、処理回路を具備する。処理回路は、被検体を通過し且つ複数の検出器素子で検出されたX線放射の強度を表す投影データを取得する。投影データは複数のビューについて取得されている。処理回路は、投影データを使用して、被検体からのX線散乱の空間モデルを生成するために被検体の画像を再構成する。処理回路は、複数のビューのうちの一つ以上のビューについて、放射輸送方程式(RTE)及びRTEを不均一に離散化することを含む加速法を用いることで、一つ以上のビューの散乱X線束をシミュレートする。処理回路は、シミュレートされた散乱X線束を使用して、複数のビューのうちのプライマリX線束を決定する。プライマリX線束は複数の検出器素子上に入射され、散乱しなかったX線の強度を表す。【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、医用画像処理装置、X線コンピュータ断層撮影装置及びプログラムに関する。
アーチファクトは、臨床的なコンピュータ断層撮影(CT)においてよく遭遇するものであり、病変を曖昧又は模擬することがある。多くの異なるタイプのCTアーチファクトの中で、散乱X線は、撮像アーチファクトを生み出すことがある。例えば、これらの散乱が誘発するアーチファクトは、周辺で明るいストリークを伴って、金属や骨のような2つの高減衰物体の間の暗いストリークとして医用画像に現れる場合がある。これらのアーチファクトは、一部分において、組織との相互作用に続いて方向が変えられたX線光子が原因である。散乱したX線光子により導入された誤りについて明らかにするため、ハードウェアベースの及びソフトウェアベースの解決策が取り入れられる。ソフトウェアベースの解決策に関して、CTスキャンからの投影データは、X線散乱をシミュレートするために使用することができ、プライマリビームのみを残しつつ、当該シミュレートされた散乱をその後投影データから除去することができる。しかし、厳密にX線散乱をシミュレートするのに、時間が掛かる場合がある。従って、厳密さを犠牲にすることなく、X線散乱をより素早くシミュレートすることが可能な、改善された方法が所望される。
特開2018−8061号公報
本発明が解決しようとする課題は、厳密さを犠牲にすることなく、X線散乱をより素早くシミュレートすることである。
実施形態に係る医用画像処理装置は、処理回路を具備する。
前記処理回路は、被検体を通過し且つ複数の検出器素子で検出されたX線放射の強度を表す投影データを取得する。前記投影データは前記被検体に関して個別の投影角に対応する複数のビューについて取得されている。
前記処理回路は、前記投影データを使用して、前記被検体からのX線散乱の空間モデルを生成するために前記被検体の画像を再構成する。
前記処理回路は、前記複数のビューのうちの一つ以上のビューについて、放射輸送方程式(radiative transfer equation:RTE)及びRTEを不均一に離散化することを含む加速法を用いることで、前記複数の検出器素子で検出された散乱したX線放射の強度を表す前記一つ以上のビューの散乱X線束をシミュレートする。
前記処理回路は、前記一つ以上のビューの前記シミュレートされた散乱X線束を使用して、前記複数のビューのうちのプライマリX線束を決定する。前記プライマリX線束は前記複数の検出器素子上に入射され、散乱しなかったX線の強度を表す。
図1は、本開示の例示的な実施形態に係る、散乱除去グリッドを有するX線コンピュータ断層撮影装置における散乱プロセスの略図である。 図2は、本開示の例示的な実施形態に係る、放射輸送方程式を使用し散乱シミュレーションを実行するための方法のフローチャートである。 図3Aは、本開示の例示的な実施形態に係る、散乱シミュレーションのためのデュアル座標システムの概略図である。 図3Bは、本開示の例示的な実施形態に係る、散乱シミュレーションのためのデュアル座標システムを用いる方法のフローチャートである。 図4Aは、本開示の例示的な実施形態に係る、第一の散乱X線束のモンテカルロシミュレーション結果を示す図である。 図4Bは、本開示の例示的な実施形態に係る、多重散乱X線束のモンテカルロシミュレーション結果を示す図である。 図4Cは、本開示の例示的な実施形態に係る、第一の散乱シミュレーション及び多重の散乱シミュレーションに対するデュアル解像度法の実行のフローチャートである。 図5Aは、本開示の例示的な実施形態に係る、頭部の横断面のCT画像である。 図5Bは、本開示の例示的な実施形態に係る、散乱シミュレーションに対する先験的(a priori)圧縮されたグリッドの概略図である。 図5Cは、本開示の例示的な実施形態に係る、均一なグリッドの概略図である。 図5Dは、本開示の例示的な実施形態に係る、不均一なグリッドの概略図である。 図5Eは、本開示の例示的な実施形態に係る、散乱シミュレーションに対する先験的圧縮されたグリッドのライブラリ生成法のフローチャートである。 図5Fは、本開示の例示的な実施形態に係る、散乱シミュレーションに対する先験的圧縮されたグリッドの開発及び実行のフローチャートである。 図6Aは、本開示の例示的な実施形態に係る、散乱シミュレーションに対するデュアル解像度角度離散化システムの概略図である。 図6Bは、本開示の例示的な実施形態に係る、散乱シミュレーションに対するデュアル解像度角度離散化システムの開発及び実行のフローチャートである。 図7Aは、本開示の例示的な実施形態に係る、皮質骨及び水分に対するエネルギーの関数としてのX線減衰のプロット図である。 図7Bは、本開示の例示的な実施形態に係る、散乱シミュレーションに対する不均一なエネルギー離散化システムの開発及び実行のフローチャートである。 図8は、本開示の例示的な実施形態に係る、X線CT装置の概要図である。
ここで使用される、個数が定まらない可算名詞(英文上、a 又は an が付される可算名詞)は、1又は1より大きい名詞として定義される。またここで使用される「複数の」という言葉は、2又は2より大きいとして定義される。またここで使用される「その他の」という言葉は、少なくとも別の又はそれ以降のものとして定義される。更にここで使用される「含む」及び/又は「有する」という言葉は、「備える」(即ち、排他的でない又はオープンランゲージとして定義される。本文書を通して「一つの実施形態」、「本実施形態」、「実施形態」、「実行例」、「実施例」、又は同様の言葉に対する言及は、その実施形態に関して説明された特定の機能、構造、又は特徴が、本開示の少なくとも一つの実施形態に含まれるということを意味する。このように、当該実施形態にわたり、そのような表現の出現又は様々な箇所での出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を言及している必要はない。更に、限定無しで、特定の機能、構造、又は特徴を、一つ又はそれ以上の実施形態において何らかの適切な方法で組み合わせることが可能である。
以下、図面を参照しながら医用画像処理装置、X線コンピュータ断層撮影装置及びプログラム等で実行される例示的な実施形態について説明する。実施形態は、コンピュータ断層撮影(CT)のための、モデルベースの散乱推定及び散乱補正に関する。係る散乱推定の処理としては、例えば、[1]〜[4]のステップを備えてもよい。
[1]被検体を通過し且つ複数の検出器素子で検出されたX線放射の強度を表す投影データを取得する。投影データは、被検体に関して個別の投影角に対応する複数のビューについて取得されている。
[2]投影データを使用して、被検体からのX線散乱の空間モデルを生成するために、被検体の画像を再構成する。
[3]当該複数のビューのうちの一つ以上のビューについて、放射輸送方程式(radiative transfer equation:RTE)及びRTEを不均一に離散化することを含む加速法を用いることで、投影データにおいて散乱したX線放射の強度を表す散乱X線束をシミュレートする。
[4]当該一つ以上のビューについて当該シミュレートされた散乱X線束を使用して、複数のビューのプライマリX線束を決定する。プライマリX線束は、複数の検出器素子上に入射され、散乱しなかったX線の強度を表す。
なお、上記[4]の後、散乱補正の処理としては、上記[4]で取得されたプライマリX線束に対応する投影データを使用して、CT画像を再構成してもよい。これにより、改善されたCT画像を生成可能である。
また、上記[3]における加速法を用い、散乱X線束をシミュレートすることは、(A)RTEのエネルギー座標、(B)RTEの一つ以上の角座標、(C)RTEの空間座標、のリストのうちの一つ以上の不均一な離散化を含んでいてもよい。
このような加速法は、具体的には、散乱推定を加速させるための様々なアプローチを含んでいる。例えば、上記(A)に関しては、不均一なエネルギー離散化を使用するアプローチが使用可能となっている。
また例えば、上記(B)に関しては、散乱除去グリッド(anti-scatter grid:ASG)を使用する検出に対して、被検体におけるバルク散乱(bulk scatter)をシミュレートする場合に、異なる(例えば、より粗い/より細かい)角度離散化を適用するアプローチが使用可能となっている。
また例えば、上記(C)に関しては、(C1)〜(C3)の各々のアプローチが使用可能となっている。
(C1)一連の球面調和として拡張した、散乱したフィールドをシミュレートする場合に球面グリッドへと補間するアプローチ。
(C2)計算数を減らすために、より高いオーダー散乱に対してより粗いグリッド離散化を使用するアプローチ。
(C3)予備のCT画像に基づき、空間的に変化させる解像度/ピクセルピッチを有する先験的圧縮されたグリッドを使用するアプローチ。
補足すると、実施形態は、放射輸送方程式(radiative transfer equation:RTE)を解くモデルベースの散乱推定をより素早く実行するよう、様々な加速技法/アプローチを適用することにより、X線散乱をより素早くシミュレートするための手法に関する。
ここに説明される手法は、散乱シミュレーションの精度の低下が皆無かそれに近い状態でより素早いパフォーマンスを提供するために、不均一な分布を使用して粗くザラザラした(例、粗い解像度で離散化された)又は離散化したものの場合がある、散乱シミュレーションのRTE定式化における変数に関して、見識(インサイト)を適用する。その上、特定の実行例において、ここに説明される方法は、散乱シミュレーションを加速させるために、離散化に対して球面座標の対にデカルト座標の使用を伴う利点について見識を適用する。
下記に説明される通り、第一のオーダー散乱は、次のようにシミュレートすることができる。
特定の実行例において、RTEの数値的な解は、不均一な離散化を使用することで加速される。例えば、エネルギー変数E及びE′は、不均一な離散化を有することがある(例、より低いエネルギーでのより細かい離散化及びより高いエネルギーでのより粗い離散化)。
特定の領域(例、散乱断面/放射線濃度の均一な分布を有する領域、又は散乱/減衰が小さい領域)が粗く離散化する(即ち、大きなピクセルピッチを洗う(lave))ことができる、圧縮されたグリッドを使用する場合がある一方で、散乱シミュレーションがより敏感なその他の領域(例、臓器/骨と、高い散乱/減衰領域との間の端/境界)は、より細かく離散化(即ち、小さなピクセルピッチを洗う(lave))される。
散乱フィールド(scattered field)の球面調和成分の伝播は、球面座標を使用して簡略化することができる。散乱被検体のモデル(CTスキャンを経た患者)がデカルト座標で表される(例えば、デカルト座標が患者の断層撮影再構成に対して使用される)場合に、デカルト座標と球面座標との間の変換は、既知の補間法を使用して実行することができる。
ここで、右辺の第一項は第一のオーダー散乱であり、右辺(つまり積分)の第二項はより高いオーダー散乱を表す。この場合、第一のオーダー散乱の空間解像度は、より高いオーダー散乱の空間解像度とは異なる(つまりより細かい)場合があり、異なる解像度を用いた二つの結果は、既知の補間法を使用して共通のグリッド解像度上へと組み合わせることができる。例えば、シミュレーション及び/又は経験的データは、散乱の各オーダーに対する最適な空間解像度を決定するために使用することができる。特定の実行例において、より高いオーダー散乱は、より少ない高空間周波数成分を用いて滑らかにすることができ、従って、より粗い空間解像度は、より高いオーダー散乱を用いて使用することができる。
補足すると、上記(C)におけるRTEの空間座標が不均一に離散化された場合に、散乱X線束をシミュレートすることは、(C2-1)、(C2-2)を含むようにしてもよい。
(C2-1)RTEの空間離散化に対する第一の解像度を使用して、第一のオーダー散乱X線束をシミュレートすること。
(C2-2)RTEの空間離散化に対する第二の解像度を使用して、より高いオーダー散乱X線束をシミュレートすること。但し、第二の解像度は第一の解像度に比べてより粗い。
に対する異なる角度解像度と異なる角度スパンとを使用することにより、達成することができる。例えば、散乱被検体での点間の散乱に対して、4πステラジアン範囲が有利な場合がある(つまり、散乱したX線の方向が必ずしも限定されない)。しかし、検出器素子は、その前面から入ってくるX線のみを検出することがあり、係る受け入れ角度は、散乱除去グリッド(anti-scatter grid:ASG)により更に限定されるかもしれない。このようにして、
ASGとの組み合わせにおける検出器素子の制限された角度許容窓(angular acceptance window)における散乱の計算のみにより、より素早く実行することができる。その上、特定の実行例において、より細かい角度解像度は、制限された角度受け入れ窓において使用することができる。
X線ビームは、散乱する被検体の存在の下、プライマリX線ビームP(x,y)と散乱したX線ビームS(x,y)との合計としてモデル化することができ、投影データT(x,y)は、これら二つのビームの合成である。
T(x,y)=P(x,y)+S(x,y)
CTに対して、改善された画質は、推定することができるプライマリビームP(x,y)を使用する画像再構成を実行することにより達成することができる。画像再構成には、例えば散乱ビームS(x,y)を推定するために投影データT(x,y)を使用することと、その後、プライマリビームP(x,y)を取得するために投影データT(x,y)から推定された散乱ビームS(x,y)を除去することと、によるものである。その場合に、総投影データT(x,y)というよりも、プライマリビームP(x,y)が断層撮影再構成のために使用され、それにより散乱S(x,y)から生じる撮像アーチファクトを回避する。
散乱S(x,y)に関する解消且つ補正の際に、二つのアプローチを使用することができる。第一に、カーネルベースの方法は、散乱をシミュレートするためにカーネルと画像との間の畳み込みを使用する。第二に、モデルベースの方法は、散乱する被検体における位置の関数として散乱を計算するために、散乱する被検体の空間モデルに依存する。測定された投影データは、シミュレートされた散乱を引くことにより補正することができ、画像のCT再構成に対するプライマリビームが残る。
不十分な散乱シミュレーションや補償は、撮像クオリティに著しく影響を及ぼす可能性があり、またCT投影データにおいて、乏しい画像コントラスト、アーチファクト生成、そして大きなエラーという結果になる。幅広いビームジオメトリでのコーンビームCTのコンテキストにおいて、高画質画像の再構成に対する散乱補正の重要さは、より一層増すようになる場合がある。
一方で上述のカーネルベースのアプローチを含む畳み込みベースのアプローチは、20から40ハンスフィールド単位(Hounsfield Units:HU)のオーダーに関する著しいエラーの存在は、複雑な形状及び/又は多重物質を有する被検体により取り込まれるものも含め、その後の再構成画像のパフォーマンスに影響を与え、且つ精度を下げる場合があり、従ってアプローチの進歩やより広い実行を抑制してしまう。
畳み込みベースのアプローチが目標まで達しない箇所では、散乱シミュレーションに対するモデルベースのアプローチに見込みがある。
例えば、モンテカルロ法を使用する散乱の物理的な処理の精確なシミュレーションを伴う散乱補正は、CT投影データから再構成された画像におけるアーチファクトを軽減するために、補正されたCT投影データにおけるエラーを低減することができる。モンテカルロ法は、しかし、著しい計算的リソースと時間とを必要とするので、実用的な散乱補正に対し適用するのが難しく、従って精度とスピードとの特有のバランスを呈示する。更に、モンテカルロ法は、シミュレートされた光子数を減らし且つシミュレートされたデータを適合することにより、加速することができるが、不連続なノイズは、連続的なノイズとは対照的に、モンテカルロシミュレーションの性質により、散乱補正に悪影響を与える可能性がある。
決定的放射輸送方程式(deterministic radiative transfer function:RTE)を使用するモデルベースの散乱シミュレーションは、代わりに、散乱補償に対する速いシミュレーション速度で、ノイズフリーな解決策を提供する見込みがある。GPU加速を使用し数秒のうちに実行する能力がある一方で、RTEを使用する個別の離散座標実行は、モンテカルロ法のノイズのように、シミュレーションの精度に悪影響を与えるレイ効果をもたらす場合がある。その上、現在の多くのコアプロセッサにおいて、メモリ帯域幅のボトルネックは、並列化を用いてシミュレーション達成可能な加速を制限する可能性がある。例えば、非常に大きな次元で明白なマトリクス(explicit matrix)を用いる有限要素離散的縦座標法(finite-element discrete ordinate methods)を使用してRTEがシミュレートされる場合に、加速が限定されることがある。
従って、本開示に述べられる通り、RTE散乱シミュレーションについての積分球面調和実行例は、上述の速度制限に対する解決策を提供することができる。レイ効果の無い散乱解を素早く且つ精確に提供する一方で、日常的な臨床アプリケーションに対する散乱シミュレーションの実行可能性は、低いままである。
RTE散乱シミュレーションに対する上述の積分球面調和実行例は、本開示で説明されるとおり、一つ以上の加速戦略に従って、更に加速することができる。その上、係る一つ以上の加速戦略は、アプローチの臨床実行可能性を拡げるために、積分球面調和RTEフレームワークにおいて適用することができる。
その為、その他の方法の場合のように、精度を犠牲にしたりノイズを増加したりせずに、ここに説明される方法は、散乱補正に対する高速シミュレーションを提供する。本開示の方法は、空間ドメイン、角度ドメイン、そしてエネルギードメインを含む、RTEの離散化の三つのドメインで実行される加速法に関する。一つ以上の加速法は、ダイナミックな解像度がシステムにおいて実行することができる、不均一な離散化法へと向けることができる。一つ以上の加速法は、特定のボクセルにおける散乱を推定するための、空間離散化と、デュアル座標システムの実行とに向けることができる。
図面に関して、図1は、プライマリX線束105が被検体OBJを通過して減衰を伴いながら放射され、複数の検出器素子104で検出される散乱プロセスの略図を示す。図1に示される通り、被検体OBJは、ファントム103の場合もあるし、又は臨床的なアプリケーションでは患者の場合もある。従来的なCTシステムにつき、CTシステム100は、X線源101、ボウタイ102、そして散乱除去グリッド106を取り付けられた複数の検出器素子104を含むことができる。プライマリX線束105には、散乱しなかったX線も含む。係るプライマリX線束105に加えて、複数の検出器素子104は、単一の散乱イベントを経たX線を含む、第一の散乱X線束110も検出する。その上、複数の検出器素子104は、多数回散乱したX線も含む、多散乱X線束、多重散乱X線束115も検出する。
散乱は、厳密な物理的モデルを表すために、図1に示される、第一の散乱X線束と多重散乱X線束との両方を含むことで、厳密にシミュレートすることができる。図2を参照し、このX線束の物理的モデルは、次により与えられるRTEを使用して表すことができる。
ここで述べられる方法は、CT散乱補償について精確な散乱シミュレーションを取得するために、上記RTEを解く。これは、上記RTEを次により与えられる積分方程式としてRTEを第一に表すことで、達成される。
図1に示されている通り、X線束は、(1)プライマリX線束、(2)第一の散乱X線束、(3)多重散乱X線束、の3つの成分へとグループ分けすることができる。図2の方法200は、上で特定したX線束の3つのそれぞれの成分に対応するステップにおいて、RTEの積分方程式表現を解くために系統立てられる。
(1)プライマリX線束に対応するRTEの部分は、((2)及び(3))の散乱に対応する部分から別々に計算することができる。更に、散乱に対応するRTEの部分は、それ自体を球面調和のアプリケーションへと役立て、一方でプライマリX線束(散乱無し)に対応するRTEの部分は、プライマリX線束が異方性の傾向があるので球面調和の観点から拡張することは難しい。例えば、X線ビームのジオメトリに依存して、X線ビームは、平面波と局所的に似る場合がある。幸運にも、散乱シミュレーション実行の際に、散乱X線束を用いてプライマリX線束を同時に計算する必要はない。従って、RTEは、少なくとも二つの成分(つまり、散乱X線束とプライマリX線束)へと分けることができ、係るRTEの散乱X線束は、次により計算することができる。
散乱X線束に関する式は、閉形式ではなく、散乱X線束は、上述の通り収束まで逐次的に計算することができる。
図2を参照すると、方法200のステップ225で、ローCT投影データを取得することができる。その上、X線源スペクトル、CTジオメトリ、ボクセルベースのファントム/組織ジオメトリ情報、そして異なる物質の散乱断面積及び総減衰を含む様々なその他のパラメータが取得される。例えば、ボクセルベースのファントム/組織ジオメトリ情報は、補正されていない投影データを使用して再構成CT画像から導出ができる場合もある。異なる物質の、散乱断面積及び総減衰などの様々なその他の入力パラメータは、再構成画像の組み合わせと撮像された被検体に関する予備知識(例、撮像された被検体は、ファントム、又は患者の一部でよい。)とから導出する又は補間することができる。加えて、X線源スペクトル及びCTジオメトリのような特定のパラメータ(certain of the parameters)は、キャリブレーションの間に事前に測定することができる、又はCT装置の公知の仕様書から取得することができる。
方法200のステップ226において、第一の散乱X線束を計算することができる。プライマリX線束の計算と同様、第一の散乱X線束もX線CTシステムから直接的に取得され、従って、球面調和展開を使用する第一の散乱X線束を計算することは難しい。それにもかかわらず、第一の散乱X線束は次により与えられる、離散化された積分公式により計算することができる。
物質成分及び散乱断面積と、散乱のタイプ(例えば、コンプトン散乱及びレイリー散乱)とに依存する場合がある。
上の適用において、骨や水などの異なる物質は、それらの物質の原子的構成要素に依存して、異なる角度依存での異なる散乱断面積を有する。また、散乱断面積の大きさは、
物質成分の密度に依存して決まる可能性がある。従って、図1に示されるような物理的モデルは、位置の関数として様々な物質成分の密度を決定するために、物質弁別を使用して物質成分へと弁別することができ、位置依存散乱断面積は、物質成分の空間的な密度マップから取得することができる。位置依存断面は、物質成分と、係る物質成分についての以前に規格化された散乱断面積との係数の、線形重畳として取得することができる。物質弁別は、デュアルエネルギーCTを使用して実行することができる、又は、ボクセルの減衰による物質成分に対応する領域を推測する、閾値及び領域成長法(threshold and region growing method)(例えば、ハンスフィールド単位において所定の閾値を上回る減衰値を有するボクセルが、骨と決定される等)を使用して実行することもできる。
X線散乱は、レイリー散乱のようなその他の散乱メカニズムに比べて、より等方性の傾向があるコンプトン散乱によって占められる。従って、骨及び水のような一般的な物質に対して、X線のコンプトン散乱についての厳密な近似は、相対的に数少ない球面調和を用いて達成することができる。方法200で適用される球面調和の数は、経験的に予め決定することができる、又は近似の厳密さに対する収束基準を使用する方法200の実行の間に決定することができる。
図2を参照し、方法200のステップ227において、より高いオーダーの散乱項、又は多重散乱項を計算することができる。第一の散乱X線束が一回散乱したX線光子のみを含む一方、k番目のオーダーの散乱項はk回散乱したX線光子を含む。第一の散乱X線束が計算された後、多重散乱のX線束が、以下によって与えられる離散化積分球面調和公式を使用して計算することができる。
方法200のステップ228において、停止基準は、オーダーkまでの近似が十分厳密かどうかを決定するために評価される。つまり、オーダーkまで計算される場合に、上記で定義された逐次多重散乱計算により明らかとなった散乱が、散乱の厳密な描写を十分提供するかどうかである。例えば停止基準は、以下の場合に満たすことができる。
ここで、εは、所定の閾値である。更に、停止基準は、kについての最大値(つまり、逐次最大数)に達したら、満たすことができる。停止基準が満たされた場合に、係る方法200はステップ228からステップ229へと進む。そうでなければ、ステップ227は、多重散乱の、次のより高いオーダーについて繰り返される。
方法200のステップ229において、検出器でのX線束が決定される。
ASGの効果を明らかにする因子である。
特定の実行例において、検出器素子で実際に検出されたX線は入射X線束とは異なるように、検出器素子上の入射X線束は、ASGにより影響を受ける。従って、ステップ229において、第一の散乱X線束及び多重散乱X線束についてのASGの影響を決定することができる。ASGは、可能な限り、散乱が検出器素子に到達することを制限する、または妨げるために配置される。従って、入射散乱X線束上に正しく配置された効果が、重要な意味を持つ場合がある。
次に、モデルベースのRTE散乱シミュレーションを加速させるためのアプローチ/技法に関して、いくつか述べられる。例えば、本開示は上述の方程式の解決を加速させるための方法を説明する。
本開示の実施形態によると、積分球面調和ベースのRTEの一般的な実行例は、図2に示される通り、ステップ225でパラメータの入力を含む初期化ステップ207を具備する。次に、ステップ226で、被検体における第一の散乱X線束の計算を実行することができる。第一の散乱X線束から、被検体における多重散乱X線束は、ステップ227で逐次的に取得することができ、ここで散乱の連続的なインスタンスが収束するまで決定されるか、又はその他の停止基準がステップ228で満たされる。停止基準が満たされなければ、散乱の連続的なインスタンスは、停止基準が満たされるまで引き続き決定される。停止基準が満たされれば、検出器での総散乱X線束(方程式(3))は、被検体における第一の散乱(方程式(1))と、係る被検体における多重散乱X線束(方程式(2))とから、計算することができる。上記ステップのそれぞれにおいて、積分方程式、即ち方程式(1)、方程式(2)、方程式(3)は、空間、立体角、そしてエネルギーにおける個別の離散化を使用して数値的に解決する/近似することができる。下記に述べられる加速アプローチ/技法は、厳密さを著しく低下させることなく、より素早い散乱シミュレーションを可能にさせるために、空間、立体角又はエネルギーに対する最適なグリッド離散化の選択に関する。例えば、より素早い散乱シミュレーションは、厳密さに著しい影響を与える領域には高い解像度と、且つそうでない領域にはより低い解像度と、を有する不均一なグリッドを使用して、達成することができる。
従って、球面調和グリッド322は、フィールドを表すためのより自然なフィットとなる。このようにして、方程式(1)、方程式(2)、方程式(3)における被積分関数での異なる成分は、異なる座標システムを使用して空間的に離散化することができ、座標システム間の変換は、公知の補間法(例えば、線形補間又は三次補間)を使用して実行することができる。特定の実行例において、補間は予め実行することができ、ルックアップテーブルとして格納することができる。
例えば、デカルト座標において、被検体OBJにおけるフィールドと領域との間の相互作用は、
デカルト座標上へと補間することができる。
このようにして、被検体は、散乱X線束計算に対するデカルト座標321を用いて説明が可能である。デカルト座標321における特定のボクセル323(灰色の影付きにより示される)に対する散乱X線束は、散乱が計算されている特定のボクセル323を中心とした球面グリッド322を使用して表される、線束寄与を積分することで計算することができる。球面座標システムにおいて各離散化された領域は、散乱ボクセルの等立体角の範囲内にあり、各離散化された領域が散乱ボクセル323へと収束するフィールドに等しく寄与する結果になる。対照的に、デカルト座標システムに対して、散乱ボクセル323上に収束する総フィールドに対する各ソースボクセルの寄与の関連する重み付けは、それぞれ異なる。これらの差により、シミュレーションの厳密さに悪影響を与える、エラーという結果になる可能性がある。
これらのエラーを防ぐために、特定の実行例において、計算の一部は、デカルトグリッド321というよりも、球面グリッド322を使用して実行される。
デカルト座標システムから球面調和システムへと補間される。
補足すると、上記(C)におけるRTEの空間座標が不均一に離散化された場合に、被検体における散乱点は、デカルト座標を使用して離散化され、且つ当該散乱点へと収束するX線束は、球面座標を使用して離散化される、ようにしてもよい。
デュアル座標システム(つまり、デカルト座標システム 対 球面座標システム)の使用には、利点がいくつかある。上述の通り、デュアル座標システムの使用により、計算精度が改善される。加えて、当該使用は、離散化された被検体の空間的な解像度と点サンプリングステップとでも分けるので、シミュレーションの速度も改善することができる。
本開示の実施形態によると、離散化された被検体は、デカルト座標でまず離散化することができる。シミュレートされた散乱X線束は、その後デカルト座標に残すことができる。球面座標システム322における離散化した点の散乱X線束は、デカルト座標システムにおける離散化された点から三次線形補間を用いて、計算することができる。実施形態において、デュアル座標システムの利用は、それから生成されるが、散乱X線束計算の厳密さを改善し、且つ離散化された被検体の空間的な解像度を点サンプリングステップから分けることができ、厳密さを維持しながら、改善がシミュレーション速度を増大する場合がある。
図3Bは、散乱をシミュレートするためにデカルト座標グリッドと球面調和グリッドとの補間を使用するステップ227’の一つの実行例のフローチャートを示す。例えば、総散乱に対する積分方程式は、次の通り空間的に離散化することができる。
デカルトグリッド上に生成され且つ格納される。デカルトグリッド上の各ボクセル点rに対する被積分関数の合計は、ボクセル点rを中心とした球面グリッドを使用して実行することができ、より精確且つ潜在的により素早い計算を可能にする。
特定の実行例において、補間は、デカルト座標におけるグリッドの各単位の、球面調和におけるグリッドに対する相対的な寄与が前もって計算され且つ格納されるルックアップテーブルを使用して実行することができる。このようにして、補間は、非常に素早く実行できる(例えば、デカルトグリッド上の値が入力ベクトルで、且つ球面グリッド上の値が出力ベクトルである、疎なマトリクス乗法として)。
更に、この結果は、散乱が上述の通り、二重ガウシアンカーネルとの畳み込みとしてモデル化することができるので、物理的に直感的である。このようにして、散乱の各々高いオーダーは、散乱の低いオーダーに比べて、次第に滑らかになると期待することができる。結果的に、離散化グリッドのより低い空間分解能は、
係る第一のピクセルピッチに比べて、より粗い空間解像度を有する第二のピクセルピッチで離散化することができる。このようにして、より少ない点が第二のピクセルピッチを使用する座標グリッド上にあり、且つより少ない計算が右辺の第二項を計算する際に必要とされ、著しく厳密さを犠牲にすることなく散乱シミュレーションをより計算的に効果的にさせる。右辺の第一項及び第二項の合計により、右辺の第二項が、第一のピクセルピッチを用いて座標グリッド上へとアップサンプルする、又は補間することができる。
従って、多重散乱X線束は、低周波情報により最初に現れる場合がある。言い換えれば、多重散乱X線束分布は、第一の散乱X線束分布に比べて、より粗い空間解像度を使用して分解される予定であると言える。上述の散乱X線束分布は、図4A及び図4Bで観察することができる。特に、図4A及び図4Bは、従来的なCTジオメトリにおける32cm水ファントムにおける散乱X線束のモンテカルロシミュレーションのグラフ表示である。図4Aを参照すると、32cm水ファントムでの計算された第一の散乱X線束412のグラフ表示は、検出器素子の範囲にわたる散乱X線束強度の分布が大きく変化している。反対に、図4Bを参照すると、32cm水ファントムでの計算された多重散乱X線束413強度のグラフ表示は、検出器素子の範囲にわたる散乱X線束の分布が僅かである。散乱する被検体OBJの離散化に対し適用された空間解像度は、散乱X線束の様々なオーダーへと適用された空間解像度に依存しない場合がある。
本開示の実施形態によると、被検体離散化法は、散乱する被検体OBJの空間離散化に対して、且つ散乱X線束の様々なオーダーの個別の空間離散化に対して、複数の解像度を使用する場合がある。例において、
従って、異なる解像度を有する、第一の被検体離散化グリッド及び第二の被検体離散化グリッドは、散乱X線束シミュレーションに対して生成することができる。ここで、被検体離散化グリッドは、
それぞれ使用することができる。上で説明された、デュアル解像度被検体離散化法は、そのため十分な厳密さを保持しながら、散乱X線束シミュレーションの速度を改善することができる。実施形態によると、複数の被検体離散化法の空間解像度パラメータは、前もって実行される一つ以上のシミュレーションに基づいて、経験的に決定することができる。例えば、構成が変化する様々なファントム(例えば、様々な患者サイズ及び様々な解剖学的領域を表すファントム)は、第一の散乱X線束及び多重散乱X線束を個別にシミュレートするよう好ましい/所定の空間解像度を前もって決定するために、評価することができる。例えば、特定の実行例において、散乱シミュレーションに対する所定の空間解像度の選択は、患者サイズ及び解剖学的領域の関数となる場合がある。
図4Cは、デュアル解像度被検体離散化法の非限定例のフローチャートである。ステップ435で、患者サイズ及び/又は解剖学的領域のような入力パラメータは、二つの空間的グリッド解像度(即ち、ピクセルピッチ)に対して所定の解像度を選択するために使用することができる。代わりに、特定の実行例において、二つの空間的グリッド解像度に対する所定の解像度は、任意の入力に依存しない場合がある。例えば、所定の解像度は、経験的データに及び/又は経験に基づいて前もって決定することができ、そしてメモリに格納することができる。ステップ435で、所定の解像度は、二つの離散化されたグリッドを生成するために使用される。第一のグリッドは、細かい解像度を有し、またステップ226と同様に実行することができる方程式(1)を解くために、
更に、シミュレーションは、空間グリッドに対する不均一なピクセルピッチ/解像度を使用することで、更に加速することができる。例えば、空気の領域は、基本的に何も散乱に寄与しないだろうから、従って、第一の散乱X線束シミュレーションと多重散乱X線束シミュレーションと両方に対して非常に粗い解像度で離散化することができる。その上、均一な物質成分及び/又は、特に低い放射線濃度の、均一な放射線濃度での領域は、高い放射線濃度を呈示する及び/又は放射線濃度又は物質成分における高い空間的変動性を呈示する領域に比べて、より低い解像度で離散化することができる。例えば、図5Aは、頭部のCT画像のスライスを示す。図5Bは、外側の境界521が頭蓋の外側の周辺を、そして内側の境界522がその内側の周辺を、それぞれ表しながら、図5Aにおける画像を如何にして離散化することができるかの略図を示す。この場合、例えば頭蓋と大脳皮質との間のくも膜下腔近くに、中間の画像解像度が所望されることがある。減衰における突然の変化は、高解像度が望まれる領域を決定するために使用することができ、係る減衰における当該変化は、次のいくつかの方法のうちの一つを使用して、検出することができる。つまり、エッジ検出、セグメンテーション、ウェーブレット、ラプラシアン、ガウシアン、又はその他の多重スケールの分解である。
図5Bは、画像を四つの領域へと分割する、非限定の例を示している。それらの領域とは、外側低解像度領域526、中解像度領域524、高解像度領域525、そして内側低解像度領域523である。当該例において、外側境界521及び内側境界522は、高解像度領域を定義するために使用される。例えば、外側境界521及び内側境界522は、頭蓋のように鮮明な特徴を有する骨領域の個別の境界という場合がある。高解像度領域525は、検出器素子の固有の解像度と等しい解像度を有する。二つの低解像度領域526及び523は、脳組織のような比較的均一な画像の部分に対応する。図5Bにおいて、係る二つの低解像度領域526及び523でのピクセルピッチは、高解像度領域525の四倍である。中解像度領域524は、高解像度領域及び低解像度領域における特性の間の中間にある特性を伴う空間的構造を有する特徴を含むことができる。図5Bにおいて、中解像度領域524は、高解像度領域及び低解像度領域の間のバッファとしても機能し、また高解像度領域525の二倍のピクセルピッチを有する。
下記に基づいて割り当てるよう最善の解像度を決定/学習するために、様々な方法を使用することができる。例えば、再構成CT画像におけるピクセルのハンスフィールド単位(HU)、CT画像における物質成分、CT画像で実行された様々な画像処理(例えばエッジ検出)である。
補足すると、上記(C)におけるRTEの空間座標が不均一に離散化された場合に、散乱X線束をシミュレートすることは、被検体の再構成画像から、X線散乱の空間モデルの空間離散化に対して空間的に変化する解像度へとマッピングすることを含むようにしてもよい。ここで、空間的に変化する解像度は、(i)被検体の再構成画像の放射線濃度、(ii)被検体の再構成画像の物質弁別、(iii)被検体の再構成画像のセグメンテーション、及び(iv)被検体の再構成画像の画像処理、のうちの一つ以上に依存するようにしてもよい。
また、被検体の再構成画像から空間的に変化する解像度へのマッピングは、個別の学習画像と学習画像から導出された個別の散乱モデルとに対応する複数の不均一なグリッドに基づいていてもよい。複数の不均一なグリッドの各々は、散乱シミュレーションにおける計算数を減らしながら散乱シミュレーションに関して所定の精度を維持する個別の学習画像に対応する空間的に変化する解像度を発見するために、散乱モデルのうちの個別の散乱モデルを離散化する、個別の不均一なグリッドの個別の領域における解像度を局所的に粗くする及び/又は細かくする適応的メッシュ法を使用して取得されていてもよい。
例えば、帰納的エラー推定器(a posteriori error estimator)を使用する適応的メッシュ法は、所定のCTスキャンから投影データに対する最適な不均一グリッドに対して逐次的に解決するために使用することができる。人工/畳み込みニューラルネットワーク(又は別の機械学習法)の学習の際に、CT画像が入力としてニューラルネットワークへと適用された場合に、不均一なグリッドを生成するよう係るニューラルネットワークを学習するために、所定のCTスキャンのCT画像は入力学習データとして使用され、最適な不均一なグリッドが目標学習データとして使用される。学習データの十分大きなセットを用いて、ニューラルネットワークは、如何にして不均一なグリッド(ここでは「先験的圧縮されたグリッド」と呼ぶ)を、帰納的エラー推定器を使用する適応的メッシュ法と関わりのある計算的な複雑さや集中的な計算無しで、直接初期CT画像から直接生成するのかを学習することができる。
上の非限定例は、初期CT画像から散乱モデル(即ち、
に対する先験的圧縮されたグリッドへのマッピングを決定するために機械学習を使用し、その他の非機械学習法は、ここに説明される方法の趣旨から外れることなく、初期CT画像から、先験的圧縮されたグリッドへのマッピングを決定するために使用することができる。
上記を考慮して、実施形態は、散乱シミュレーションを実行するために先験的圧縮されたグリッドを生成且つ使用するために、これより説明される。この実施形態は、第一の散乱X線束、多重X線束、及び総X線束へと適用できる空間ドメインでの加速法を提供するが、言い換えれば、上記の方程式(1)、方程式(2)、方程式(3)の
離散化を実行することができる。一般的に、図5C及び図5Dを参照し、被検体は、圧縮されたグリッドの実行を通して、離散化することができる。
特定の実行例において、これは、X線散乱が最も大きく、且つ係るX線散乱のエリアにおける解像度の低減が最も少ない空間離散化グリッドのエリアにおける解像度の増加を引き起こす。その上、特定の実行例において、X線散乱が投影データ上で最も大きな効果を有するエリアにおける解像度の増加と、係るX線散乱が投影データに与える影響が最小のエリアにおける解像度の低減と、を引き起こす。
このアプローチは、次のような見識を考慮すると、よりよく理解することができる。即ち、均一な単一(モノ)物質の被検体/ファントムに対して、所望のシミュレーション精度を達成するために、図5Cに示される通り、均一なグリッドに対する空間的な解像度を最適化することができ、また均一なグリッドに対する最適な空間解像度は、異なる単一物体/放射線濃度ファントムに対して、異なる場合がある、ということである。従って、図5Dに示される通り、異なる位置で異なる物質/放射線濃度を伴うファントムに対する所望のシミュレーション精度を達成するために、不均一なグリッドが、最適な場合がある。
帰納的エラー推定器を使用する適応的メッシュ法であるが、最適な不均一なグリッドを決定するためにフィードバック(例えば、帰納的エラー)を使用することができるものの、このアプローチでは遅い。一般的に、
空間において均一ではないので、従って、不均一なグリッドアプローチがシミュレーション時間を著しく増やす場合がある。帰納的エラーを最小化するために、探索においてグリッドの改良及び粗大化を含む適応的メッシュ改良法は、精度を維持しながら、シミュレーション時間を減らす解を提供することができる。しかし、典型的に、この方法は、改良のため又は粗大化のため、離散化グリッドのエリアを選択するために帰納的エラー推定器の実行を必須とし、方法は、特にリアルタイムにおいて、厄介且つシミュレーションスピードに悪影響を及ぼす可能性のあるシーケンシャルグリッドを管理するために、複雑なデータ構造を含む。
ずっと速いアプローチは、不均一なグリッドとして先験的圧縮されたグリッドを生成するために、初期CTにおいてベースとなったフィードフォワードを使用することである。不均一なグリッドの更なる改良が所望された場合に、帰納的エラー推定器法を使用する適応的メッシュ法は、不均一なグリッドでの開始とは対照的に、先験的圧縮されたグリッドを開始点として使用することができる。
例えば、散乱シミュレーションは、第一の散乱X線束、多重散乱X線束、そして総散乱X線束のそれぞれに対し、
加速することができる。実施形態によると、図5C及び図5Dを再び参照しながら、本開示は、均一な空間離散化グリッド517が改良された又は粗大化された空間離散化グリッド518を生成することができるようにして圧縮が可能である、先験的圧縮されたグリッドアプローチについて説明する。これらの圧縮されたグリッドは、散乱推定計算リソースが最も少ない計算を用いて所望の精度を提供するよう配置することができるように、多様な不均質構造とX線の予測される散乱パターンとを反映することができる。
特定の実行例において、先験的圧縮されたグリッドのライブラリは、例えば様々な患者サイズに関して生成される。係るライブラリは、散乱シミュレーションに対する最適な不均一なグリッドを見つけるために帰納的エラー推定器を使用する適応的メッシュ法を実行し、且つ対応するCT画像と共に係る最適な不均一なグリッドを格納することで、前もって生成することができる。新たなCTスキャンが実行された場合に、係るライブラリは、その後新たなCTスキャンに対して生成された新たなCT画像と最もマッチするライブラリからCT画像を見つける(例えば、ベストなマッチは、ベストなマッチを決定するために新たなCTスキャンを用いて、ライブラリからCT画像をスケーリング且つレジスタリングすることで実行できる)ことで、ルックアップテーブルとして使用することができる。その後、ライブラリからのマッチングCT画像に対応する最適な不均一なグリッドは、新たなCTスキャンの散乱シミュレーションに対する先験的圧縮として使用される。適用可能ならば、ライブラリからのマッチングCT画像の最適な不均一グリッドは、新たなCT画像/スキャンを用いてベストなマッチを提供するよう、スケールし且つレジスタすることができる。
図5Eは、散乱シミュレーションに対する先験的圧縮されたグリッド生成のための、上述の方法の非限定的なフローチャートである。実施形態によると、参照可能な圧縮されたグリッドのライブラリは、リアルタイム散乱シミュレーションの間に、最適な圧縮されたグリッドを展開することができるようにして、包括的な帰納的離散化グリッド生成及び最適化に対する必要性を排除しながら、生成することができる。例において、参照可能な圧縮されたグリッドのライブラリは、参照被検体の抽出可能な特徴と関連付けることが可能な、最適化された空間離散化グリッドを含む。従って、参照可能な圧縮されたグリッドのライブラリの築く中で、その他の特徴の中でも特に、組織の範囲や、物質のタイプ、サイズ、そして密度を表す、人の身体又はファントムを含む、被検体の範囲を選択することができる。実施形態において、参照可能な圧縮グリッドは、対応する参照被検体の一つ以上の特徴と関連付けることができる。例えば、対応する参照被検体の一つ以上の特徴のうちの一つは、臓器の輪郭、ハンスフィールド単位(HU)、又は、リアルタイムの実行例において、特徴が実験的なCTスキャンにおいて特定することができ、且つ参照可能なライブラリにおいて最適化され圧縮されたグリッドとマッチすることができるような、公知の組織値、とすることができる。このような方法で、最適な空間離散化グリッドは、先行するシミュレーションに基づいたリアルタイム散乱推定に対して展開することができる。
先験的圧縮されたグリッドのライブラリ545の展開において、様々な参照被検体/患者のCTスキャンからの投影データは、ステップ540で初期CT画像を再構成するために使用することができる。その上、所定のCTスキャン及び対応する初期CT画像に対して、
初期空間離散化グリッドを使用して生成される。初期空間離散化グリッドは、公知の解像度の均一な空間離散化グリッドとすることができる。ステップ541で、局所調整は、帰納的エラー推定を最適化するために、空間離散化グリッドに対して実行される。係るステップは、帰納的エラー推定が何も生成されない場合に、第一の逐次の間にスキップする場合がある。ステップ542で、散乱シミュレーションは、調整された空間離散化グリッドを使用して実行され、新たな帰納的エラー推定が生成される。例において、修正された空間離散化グリッドは、図5Bに見られる圧縮されたグリッドと似ている。ステップ543で、散乱シミュレーションに基づいた帰納的エラー推定を生成したら、最適な不均一なグリッドへの収束を決定するために、基準の評価が評価される。評価/収束基準(例えば、画像再構成の時間の長さ)に満足いかない場合、方法はステップ541に戻り、最適化は続く。そうでなければ、不均一なグリッドの最適化は完了であり、方法は、初期CT画像及び最適化された不均一なグリッドが先験的圧縮されたグリッド生成のために後程使用される予定の、ライブラリ545に格納される、ステップ544へと続く。これらのステップ540−544は、ライブラリ545におけるCTスキャンのそれぞれに対して、繰り返すことができる。
実施形態によると、参照可能なライブラリ545における各圧縮されたグリッドは、一つ以上のラベルとインデックス付けすることができる。一つ以上のラベルのうちのそれぞれは、例えば、臓器の輪郭、ハンスフィールド単位、組織タイプ、臨床アプリケーション、患者サイズ等を含む、一つ以上の属性/特徴を反映することができる。例において、圧縮されたグリッドと関連付けられる一つ以上のラベルのうちの一つは、肝組織の場合がある。係る肝組織は、例えば輪郭セグメンテーション、ハンスフィールド単位等に基づいた臨床的アプローチを用いて、特定することができる。肝組織を特定した後、ライブラリ545における対応する圧縮されたグリッドは、被検体モデルの生成において選択され且つ展開(deploy)することができる。
適当な対応する圧縮されたグリッドの選択において、実験的な画像のうちの一つ以上の特徴は、図5Fで説明された処理により特定されねばならない。ステップ585で、新たなCTスキャンからの投影データが取得され、且つ新たなCT画像が投影データから再構成される。次に、ステップ588で、新たなCT画像は、先験的圧縮された離散化グリッドを選択するために、ライブラリ545におけるCT画像と比較される。
特定の実行例において、CT画像と最適化された不均一なグリッドとのペアの代わりに、ライブラリ545は、CT画像から不均一な空間グリッドを決定するためのマッピング及び/又は規則を含む。例えば、学習されたニューラルネットワークが、CT画像から不均一な空間グリッドに対しマッピングする非限定例である。その他の規則/マッピングは、CT画像の臓器/組織タイプへとセグメンティング、且つ特定の組織タイプ(例、骨でのより細かい解像度、水での中程度の解像度、空気での粗い解像度)、及び境界でのその他の解像度、又は領域/組織タイプ間のシャープなエッジ、のバルク領域(bulk region)による異なるグリッド解像度/ピクセルピッチの適用、に基づく場合がある。別の規則/マッピングは、CT画像からグリッドに対するピクセルピッチへとマップするために、ハンスフィールド単位の区分的関数を使用する場合もある。
このようにして、特定の実行例において、再構成CT画像は、特徴が抽出でき、且つ先験的圧縮された空間離散化グリッドがセグメントされたCT画像に対して生成できるように、セグメントすることができる。例において、抽出された特徴は、マクロレベル及びミクロレベルの特徴、臓器から、例えばハンスフィールド単位のピクセル毎の値における変化率に対する硬組織及び柔組織分類を含む。特徴セグメンテーション及び分類は、当業者に理解される通り、幅広い機械学習技法を用いて、実行することができる。これらの機械学習技法は、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン等を含む。再構成画像において関連する特徴を特定して、同じ特徴は、参照可能な圧縮されたグリッドのライブラリにおいて特定することができ、且つ対応する最適化された空間離散化グリッドは、CTスキャン投影データのセットにおける実行例に対するステップ588で、選択することができる。
実施形態によると、図5Fのステップ588で、最適化された空間離散化グリッドが選択されて、選択され且つ圧縮されたグリッドは、ステップ590で
ステップ592で、推定された散乱は、その後合計、乗法等を含む、当業者に理解される技法を用いて、投影データから除去することができる。推定された散乱を投影データから除去して、プライマリビーム投影データが残り、またステップ593で、アップデートされたCT画像がプライマリビーム投影データから再構成することができる。このアップデートされたCT画像は、散乱アーチファクトが不在の下、患者のX線減衰/放射線濃度を反映する。このアップデートされたCT画像は、初期CT画像に関して画質が改善されているので、アップデートされたCT画像は、値を先験的圧縮された空間離散化グリッドに関してアップデートすることで、
アップデートするために、ステップ595で、選択的に使用することができる。その後、ステップ591−593は、より厳密な散乱推定を生成するために、より厳密な散乱モデルを使用することにより、アップデートされたCT画像を改良するために繰り返すことができる。加えて、このループは、推定された散乱X線束とアップデートされたCT画像とが最終値に収束するまで多重回繰り返すことができる。解が収束したかの問い合わせが、所定の収束基準を使用してステップ594で実行される。
実施形態によると、ステップ593で修正された投影データを用いる画像再構成に続いて、被検体モデル及びそれからの散乱推定を改善するために、再構成画像の収束を決定するよう評価を実行することができる。例えば、ステップ594で、評価は、初期再構成及び後続の再構成で作られる場合もあり、ここで再構成間の決定された差が収束値である。収束値が所定のレベル以上の場合には、大幅なアップデートが散乱モデルに対して引き続きできるということを意味し、方法はステップ595へと進み且つ散乱モデルfがアップデートされ、係るアップデートされた散乱モデルfを使用して散乱X線束を推定するためにステップ591に対して使用される。
次に、角度離散化に対して異なる解像度を使用することで、散乱X線束の計算を加速させるための方法が説明される。例えば、より高い解像度は、散乱する被検体OBJにおける地点間の散乱に対する
に比べて、散乱除去グリッドを伴う検出器のより狭い角度受け入れウィンドウ(acceptance window)に対して使用することができる。例えば、散乱する被検体OBJにおける地点間の散乱は、次の通り計算することができる。
一方で検出器での散乱X線束は、次の通り表すことができる。
実施形態によると、本開示は、第一の散乱X線束、多重散乱X線束、総散乱X線束に対して適用することができる、角度ドメインでの加速法に関する。一般的に、被検体は、デュアル解像度角度離散化(例、患者/被検体OBJにおける地点の中の散乱に対する第一/粗い角度解像度と検出器上の散乱入射に対する第二/細かい角度解像度)を用いて、角度ドメインにおいて離散化することができる。特定の実行例において、このデュアル解像度角度離散化は、検出器素子での散乱X線束の角度解像度の増加と被検体における散乱X線束の角度解像度の減少とを含む場合がある。
補足すると、上記(B)におけるRTEの一つ以上の角座標が不均一に離散化された場合に、散乱X線束をシミュレートすることは、(b1)、(b2)によりRTEを不均一に離散化することを含んでもよい。
(b1)被検体における点の間の散乱X線束の角度離散化に対する第一の解像度を使用すること。
(b2)複数の検出器素子上に入射する散乱X線束の角度離散化に対する第二の解像度を使用すること。但し、第一の解像度は第二の解像度に比べてより粗い。
特にこのようなデュアル解像度角度離散化は、角度解像度が散乱シミュレーションの厳密さ/精度に最も影響を与える場合に、より細かい又はより粗い解像度が実行されるように、角度解像度は立体角に依存しない場合があることを意味する。図6Aは、デカルト座標における離散化された被検体621を含むシステムに対して適用することができる、デュアル解像度角度離散化法の非限定例を描く。被検体621における第一の散乱X線束と多重散乱X線束との決定の際、離散化は、ある立体角に、又は例えば4π立体角に依存し、ここで散乱のより大きな立体角は、より粗い解像度を使用して離散化することができる。相対的に、検出器604で又は複数の検出器素子で、被検体/散乱物(scatterer)は、検出器素子の限定された範囲(つまり、低減された立体角)を占め、この限定された範囲は、検出器素子のジオメトリにより更に制限される場合がある。従って、検出器素子は、X線を受け取り且つ検出することができる、低減された立体角を有する。散乱除去グリッド606の存在は、立体角を更に減らし、このようにして、角度離散化の間により高い、又はより細かい解像度を可能にする。
そのため、特定の実行例において、被検体における第一の散乱と多重散乱とが、第一の角度解像度で離散化され、且つ検出器604での総散乱X線束が、第二の角度解像度で離散化される、デュアル解像度角度離散化法が使用される。言い換えれば、
結果的に第一の散乱X線束と多重散乱X線束とは、検出器での決定された総散乱X線束との統合の間に補間されている。
上述の角度離散化アプローチは、図6Bのフローチャートで説明される。ステップ670及び671で、角度解像度は、被検体OBJにおいてと検出器素子とでの離散化の角度解像度に対し、前もって決定することができる。例えば、繰り返しでのシミュレーションは、最も少ない計算数で所望の精度を提供された角度解像度を決定するために、実行することができる。
ステップ670で、散乱X線束シミュレーションが複数のファントムに対して実行され、ここでファントムは、予期される散乱プロファイルの範囲を理解することができるように、既知のサイズ及び組成(composition)を有する。
ステップ671で、ステップ670からの散乱X線束シミュレーションは、被検体OBJにおける点に対して及び検出器素子に対して、収束するフィールドを離散化するために角度解像度を決定するために使用される。個別の角度解像度は、算定/計算(calculations/computations)数を最小化/減らす一方で、所望の精度レベルを提供するために、CTスキャン及び画像再構成より先に、選択することができる。実施形態において、角度離散化の個別の解像度は、散乱除去グリッドの有無に依存する場合があり、また散乱除去グリッド及び/又は検出器素子の角度許容角(angular acceptance angle)に依存する場合もある。これらの角度解像度は、前もって決定することができ、またCTスキャンからの投影データに呼応して散乱シミュレーションにとって必要となるまで、格納される。
ステップ672及び673で、CTスキャンに対する散乱シミュレーションは、デュアル角度解像度を使用して実行される。被検体においてと検出器素子とでの離散化の程度が決定されて、角度離散化は、CTスキャンを用いて画像化される被検体OBJの散乱シミュレーションに対して適用することができる。例えば、ステップ672で、図2のフローダイアグラムのステップ226と227との間に、第一の且つ粗い角度離散化を適用することができ、そしてステップ673で、図2におけるフローダイアグラムのステップ229の間に、第二の且つ細かい角度離散化を適用することができる。従って、被検体においては、大きい立体角及び粗い解像度が使用される。一方で、検出器素子では、第二の且つ細かい角度離散化を適用することができる。検出器はよく、より小さな立体角において収束するX線を検出する。デュアル解像度角度離散化法の適用実行例は、上述の通り、シミュレーションに速度を維持しながら、精度を維持することができる。
次に、エネルギーE’の不均一な離散化を使用する加速技法が提供される。実施形態によると、本開示は、第一の散乱X線束、多重散乱X線束、総散乱X線束へと適用することができる、エネルギードメインでの加速法に関する。この加速技法のより良い理解により、光子キャプチャ間に、例えばエネルギービニングを用いてエネルギードメインでの次元の低減によって、高速シミュレーション速度を達成できるよう留意することで、取得することができる。例えば、均一なエネルギービニングを使用することができる。しかし、X線減衰は、X線エネルギーについて均一ではなく、不均一なエネルギービンを使用しての散乱シミュレーションは、均一なエネルギービンを使用することに比べて、より優れた実行をすることができるということを示唆している。例えば、図7Aは、水776及び皮質骨775に対するエネルギーの関数としてX線減衰をそれぞれ示す。より具体的には、図7Aは、水776の質量減衰が、例えば皮質骨775の低エネルギーレベルでの質量減衰に比べ劇的により低い場合があることを示すものの、より高いエネルギーレベルでの水776の質量減衰と皮質骨775の質量減衰とでは、ほぼ同一となる場合があることも示す。このようにして、散乱シミュレーションの精度は、低いX線エネルギーでのエネルギー解像度に比べて、高いX線エネルギーでのエネルギー解像度により受ける影響がより少ない。即ち、低いX線エネルギーで、散乱シミュレーションは、エネルギーに対して、また散乱を生じさせる物質に対して、より敏感になる。従って、改善された散乱シミュレーションは、不均一なエネルギー離散化の使用を通して、達成することができる。
特定の実行例において、不均一なエネルギービニングは、エネルギー次元及び計算数を減らす一方で、シミュレーション精度を維持するために散乱シミュレーション間に使用される。
補足すると、上記(A)におけるRTEのエネルギー座標が不均一に離散化された場合に、散乱X線束をシミュレートすることは、(a1)、(a2)を更に含んでいてもよい。
(a1)第一のX線エネルギーに対応するエネルギー座標の部分を離散化するために第一の解像度が使用されること。
(a2)第二のX線エネルギーに対応する前記エネルギー座標の部分を離散化するために第二の解像度が使用されること。但し、第一の解像度は第二の解像度に比べてより粗く、且つ第一のX線エネルギーは第二のX線エネルギーに比べてより大きい。
例えば、細かい解像度が低X線エネルギーEでエネルギー離散化に対して、そして粗い解像度が高X線エネルギーEでエネルギー離散化に対して、それぞれ使用される。特定の実行例において、X線エネルギーの関数としてのエネルギー解像度の選択は、経験的に決定される。例えば、一連の散乱シミュレーションは、CTスキャンに先立って実行することができ、不均一なエネルギービニングは、計算数を減らす一方、所望の精度レベルを生成して決定することができる。その次に、この不均一なエネルギービニングは、後続のCTスキャンを補正するために、散乱シミュレーションに対して適用することができる。その上、動的なエネルギービニング法は、関心のエネルギーレベルが特定の組織に又はその他の物質に対して特定することができるように、特定のX線スペクトルにわたる前シミュレーションを用いて開発することができる。
図7Bは、不均一なエネルギービニングを使用する散乱シミュレーション実行の非限定例を描くフローチャートである。ステップ745及び746で、散乱シミュレーションは、低減された計算数で所望の精度を生み出す、エネルギービンの分布を決定するために、様々に不均一なエネルギービンを使用して実行される。ステップ745で、散乱シミュレーションは、様々に不均一なエネルギービニングを使用して実行される。その後、ステップ746で、改善された/最適な不均一なエネルギービニングは、精度を保持しながらより素早い散乱シミュレーションに対して決定される。改善された/最適な、不均一なエネルギービニングは、CTスキャン及び散乱シミュレーション/補正に先立って、決定されその後メモリに格納することができる。
ステップ747で、散乱シミュレーションを実行するために、不均一なエネルギービニングが使用される。例えば、散乱シミュレーションは、図2に示される方法を使用して実行することができる。
本開示の実施形態によると、上述の加速法は、CT装置又はスキャナからのローデータに適用するようにRTEの解決において実行することができる。図8は、X線CT装置の概要図であり、CT装置又はCTスキャナに含まれる放射線ガントリの実装を描いている。図8に図示されるように、放射線ガントリ850は側面から見て描かれており、X線管851、環状フレーム852、そして多列又は2次元アレイ型X線検出器853を更に含む。X線管851及びX線検出器853は、環状フレーム852上に被検体OBJを横切って正反対に取り付けられ、環状フレーム852は回転軸RAの回りに回転可能に支持される。被検体OBJが図示された頁の奥の方向又は手前の方向の軸RAに沿って移動されながら、回転ユニット857は環状フレーム852を0.4秒/回転もの高速で回転させる。
X線コンピュータ断層撮影(CT)装置の実施形態は、付随する図面を参照しながら以下に説明される。X線CT装置は、様々なタイプの装置を含んでいることに留意されたい。具体的には、X線管とX線検出器とが検査される予定の被検体の周辺を一緒に回る回転/回転型機構と、そして複数の検出器素子がリング状又は水平状に配置されており、X線管のみが検査される予定の被検体の周辺を回る固定/回転型機構とがある。本開示は、いずれのタイプにも適用可能である。今回は、現在の主流である回転/回転型機構が例示される。
X線管851は、撮影される被検体を収容するよう構成された被検体空間を通過するX線を放射するよう構成されたX線源の一例である。
X線検出器853は、複数の検出器素子を含んでいる。複数の検出器素子は、被検体空間にわたり且つX線管851に対向して配置され、X線管851からのX線を検出するよう構成されている。複数の検出器素子は、当該放射されたX線の強度を表す投影データを生成するよう構成されている。
マルチスライスX線CT装置は高電圧発生器859を更に含み、X線管851がX線を生成するように、高電圧発生器859はスリップリング858を通してX線管851に印加される管電圧を生成する。X線は、被検体OBJに向かって照射され、被検体OBJの断面領域が円で表される。例えば、第一のスキャン中に平均的なX線エネルギーを有するX線管851は、第二のスキャン中の平均的なX線エネルギーに比べてより小さい。このようにして、二つ以上のスキャンが異なるX線エネルギーに対応して、取得ができる。X線検出器853は、被検体OBJを通り抜けて伝播してきた照射X線を検出するために、被検体OBJを挟んでX線管851から反対側に位置されている。X線検出器853は、複数の検出器素子又は検出器ユニットを更に含む。
CT装置は、X線検出器853から検出された信号を処理するための、その他のデバイスを更に含む。データ収集回路又はデータ収集システム(DAS)854は、各チャンネルに対するX線検出器853からの出力信号を電圧信号に変換し、その電圧信号を増幅し、更にその電圧信号をデジタル信号へと変換する。X線検出器853およびDAS854は、1回転当たりの所定全投影数(TPPR)を処理するように構成されている。
上に説明されたデータは、非接触データ送信装置855を通して、放射線ガントリ850外部のコンソール内に収容された、前処理回路856へと送られる。前処理回路856は、ローデータに関する感度補正など、特定の補正を実行する。メモリ862は、再構成処理直前のステージで、投影データとも呼ばれる結果データを格納する。メモリ862は、再構成回路864、入力インタフェース865、ディスプレイ866と共に、データ/制御バス861を通して、システムコントローラ860に接続されている。当該システムコントローラ860は、CTシステムを駆動させるのに十分なレベルに達するまで電流を制限する電流調整器863を制御する。
検出器素子は、どんな世代のCTスキャナシステムであっても、患者に対して回転される及び/又は固定される。一実施例において、上で説明されたCTシステムは、第三世代ジオメトリシステムと第四世代ジオメトリシステムとが組み合わせられた例であってもよい。第三世代ジオメトリシステムにおいて、X線管851とX線検出器853とは、環状フレーム852上に正反対に取り付けられ、環状フレーム852が回転軸RAの周りを回転する時に、被検体OBJの周りを回転する。第四世代ジオメトリシステムにおいて、検出器素子は患者の周辺に固定して取り付けられており、X線管は患者の周辺を回転する。代替的な実施形態において、放射線ガントリ850は、Cアーム及びスタンドによって支持されている、環状フレーム852上に配置された複数の検出器素子を有する。
メモリ862は、X線検出器853でX線照射量を示す測定値を格納することができる。更に、メモリ862は、ここで説明された図3、4B、5B、6B、7B、8Bの方法を含むCT画像再構成、物質弁別そして散乱推定及び補正法を実行するための専用プログラムを格納していても良い。
再構成回路864は、ここで説明された、上記に参照される方法を実行することができる。例えば、再構成回路864は、上記[2]〜[4]のステップを備えた散乱推定の処理を実行可能となっている。また例えば、再構成回路864は、上記[4]の後、散乱補正の処理を実行可能となっている。また例えば、再構成回路864は、上記[3]における加速法が含んでいる様々なアプローチを実行可能となっている。更に、再構成回路864は、必要に応じてボリュームレンダリング処理や画像差処理など、前再構成処理画像処理を実行することができる。再構成回路864は、処理回路の一例である。
前処理回路856によって実行された投影データの前再構成処理は、例えば検出器キャリブレーション、検出器非直線性、極性効果のための補正を含むことができる。
再構成回路864によって実行される後再構成処理は、画像のフィルタリングや平滑化、ボリュームレンダリング処理、そして画像差処理を、必要に応じて含むことができる。画像再構成処理は、フィルタ補正逆投影法、逐次画像再構成法、又は確率的画像再構成法を使用して実行することができる。再構成回路864は、メモリ862を使って、例えば投影データ、再構成画像、キャリブレーションデータやパラメータ、そしてコンピュータプログラムを格納することができる。
再構成回路864は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はその他の複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)など、個々の論理ゲートとして実行可能な、CPU(処理回路)を含むことができる。FPGA又はCPLD実行は、VDHL、ベリログ、又は任意のその他のハードウェア記述言語でコード化されていてもよく、そして当該コードはFPGA又はCPLDにおいて直接電子メモリ内に格納されてもよいし、あるいは個別の電子メモリとして格納されてもよい。更に、メモリ862は、ROM、EPROM、EEPROM(登録商標)、又はFLASHメモリなど、不揮発性メモリであってもよい。メモリ862は、静的又は動的RAMなど揮発性でよく、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサなどプロセッサは、FPGA又はCPLDとメモリ862との間の相互作用と同様、電子メモリを管理するために提供されていてもよい。
代替的に、再構成回路864におけるCPUは、ここで説明された機能を実行するコンピュータ読み取り可能命令のセットを含んでいるコンピュータプログラムを実行することができ、当該プログラムは、任意の上述の非一時的電子メモリ及び/又はハードディスクドライブ、CD、DVD、FLASHドライブ、又は任意のその他の既知の格納媒体に格納されている。当該プログラムは、ここで説明された、上記に参照される方法をコンピュータに実行させることが可能である。例えば、当該プログラムは、上記[1]〜[4]のステップを備えた散乱推定の処理をコンピュータに実行させることが可能である。また例えば、当該プログラムは、上記[4]の後、散乱補正の処理をコンピュータに実行させることが可能である。また例えば、当該プログラムは、上記[3]における加速法が含んでいる様々なアプローチをコンピュータに実行させることが可能である。更に、コンピュータ読み取り可能命令は、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、又はオペレーティングシステムの構成要素、又はそれらの組み合わせで提供されてもよく、米国Intel社からのXenonプロセッサ又は米国AMD社からのOpteronプロセッサなどのプロセッサと、またMicrosoft 10、UNIX(登録商標)、Solaris、LINUX(登録商標)、Apple、MAC−OSなどのオペレーティングシステムや、当業者にとっては既知のその他のオペレーティングシステムと一体となって実行する。更に、CPUは、命令を実行するために並行して協同的に動く、マルチプルプロセッサとして実行されてもよい。
一実行例において、再構成画像は、ディスプレイ866上に映し出されてよい。ディスプレイ866は、LCDディスプレイ、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLED、LED、又は当業者にとって既知のその他のディスプレイであってもよい。
メモリ862は、ハードディスクドライブ、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、FLASHドライブ、RAM、ROM、又は当業者にとって既知のその他の格納メディアであってもよい。
上記実施形態においては、X線CT装置において、散乱X線束をシミュレートする場合を例示した。しかしながら、本実施形態に係る散乱X線束をシミュレートする手法は、X線CT装置のみならず、医用画像処理装置(医用ワークステーション、パーソナルコンピュータ等)やプログラムによって実現することも可能である。係る場合、当該医用画像処理装置は、例えば本実施形態に係るメモリ862、再構成回路864等を具備する構成となる。
また、X線CT装置、医用画像処理装置及びプログラムのいずれの場合としても、コンピュータ断層撮影(CT)データを補正するためのX線散乱シミュレーションは、精度を犠牲にすることなく計算数を減らしながら、RTEの不均一な離散化を使用して加速することができる。例えば、第一のオーダー散乱X線束に対してよりも、より高いオーダー/多重散乱X線束に対し、より粗い離散化を使用することができる。同様に、患者における散乱をシミュレートするためにより粗い角度解像度が使用された場合に、また検出器素子上の散乱X線束入射に対してより細かい角度解像度が使用された場合に、精度は維持される。より細かいエネルギー解像度は、より低いX線エネルギーでより都合がよく、またより粗い空間解像度は、より少ないX線散乱(例えば、低い放射線濃度での空気及び領域)を呈示する領域へと適用することができる。更に、所定の不均一な離散化は、学習データに関する散乱シミュレーション(例えば、適応的メッシュ法により生成された不均一なグリッドから学習された、先験的圧縮されたグリッド)から学習することができる。
本開示の実施形態は、以下の付記(1)〜(20)に記載されたようにも実施できる。
(1)装置は、被検体を通過し且つ複数の検出器素子で検出されたX線放射の強度を表す投影データを取得し、前記投影データは前記被検体に関して個別の投影角に対応する複数のビューについて取得されており、前記投影データを使用して、前記被検体からのX線散乱の空間モデルを生成するために前記被検体の画像を再構成し、前記複数のビューのうちの一つ又は複数のビューに対して、前記投影データにおいて散乱したX線放射の強度を表す散乱X線束をシミュレートし、前記散乱したX線放射の強度は放射輸送方程式(radiative transfer equation:RTE)の統合に基づいた加速法を使用して決定されており、前記一つ又は複数のビューのうちの前記シミュレートされた散乱X線束を使用して、前記複数のビューのうちのプライマリX線束を決定し、前記プライマリX線束は前記複数の検出器素子上の入射である散乱しなかったX線の強度を表す、前記散乱X線束のシミュレートが前記RTEの均一な離散化を使用する方法に関連して前記RTEの不均一な離散化により加速される、よう構成された処理回路を具備する。
(2)(1)に係る装置は、前記散乱X線束の前記シミュレートが、前記被検体における点の間の前記散乱X線束の角度離散化に対する第一の解像度を使用すること、且つ前記複数の検出器素子上の入射である前記散乱X線束の角度離散化に対する第二の解像度を使用すること、により前記RTEの不均一な離散化を含み、前記第一の解像度は前記第二の解像度に比べてより粗い。
(3)(1)又は(2)に係る装置は、前記散乱X線束の前記シミュレートが、前記RTEの不均一に離散化している空間座標を含む。
(4)(1)から(3)のうちのいずれかに係る装置は、前記被検体における散乱点が、デカルト座標を使用して離散化され、且つ前記散乱点へと収束するX線束が、球面座標を使用して離散化される。
(5)(1)から(4)のうちのいずれかに係る装置は、前記散乱X線束の前記シミュレートが、前記RTEの空間離散化に対する第一の解像度を使用して、第一のオーダー散乱X線束をシミュレートすること、且つ前記RTEの前記空間離散化に対する第二の解像度を使用して、より高いオーダー散乱X線束をシミュレートすること、を含み、前記第二の解像度は前記第一の解像度に比べてより粗い。
(6)(3)から(5)のうちのいずれかに係る装置は、前記散乱X線束の前記シミュレートが、前記被検体の前記再構成画像から、前記X線散乱の空間モデルの空間離散化に対して空間的に変化する解像度へとマッピングすることを含む。
(7)(6)に係る装置は、前記空間的に変化する解像度が、(i)前記被検体の前記再構成画像の放射線濃度、(ii)前記被検体の前記再構成画像の物質弁別、(iii)前記被検体の前記再構成画像のセグメンテーション、そして(iv)前記被検体の前記再構成画像の画像処理、のうちの一つ又は複数に依存する。
(8)(6)から(7)のうちのいずれかに係る装置は、前記被検体の前記再構成画像から前記空間的に変化する解像度への前記マッピングが、個別の学習画像と前記学習画像から導出された個別の散乱モデルとに対応する複数の不均一なグリッドに基づいており、前記複数の不均一なグリッドのうちのそれぞれは、散乱シミュレーションに対する所定の精度を維持する前記個別の学習画像に対応する前記空間的に変化する解像度を見つけるために、前記散乱シミュレーションにおける計算数を減らしながら、散乱モデルの個別の散乱モデルを離散化する個別の不均一なグリッドの個別の領域における解像度を局所的に粗くする及び/又は細かくする適応的メッシュ法を使用して取得されている。
(9)(1)から(8)のうちのいずれかに係る装置は、前記散乱X線束の前記シミュレートが、前記RTEのエネルギー座標の不均一な離散化を含む。
(10)(9)に係る装置は、第一のX線エネルギーに対応する前記エネルギー座標の部分を離散化するために第一の解像度が使用され、第二のX線エネルギーに対応する前記エネルギー座標の部分を離散化するために第二の解像度が使用される、前記第一の解像度が、前記第二の解像度に比べてより粗く、且つ前記第一のX線エネルギーが、前記第二のX線エネルギーに比べてより大きい。
(11)装置は、画像化される予定の被検体を適合させるよう構成された被検体空間を通過するX線を放射するよう構成されたX線源と、前記被検体空間にわたり且つ前記X線源とは反対に配置された複数の検出器素子と、前記複数の検出器素子は前記X線源からの前記X線を検出するよう構成されており、また前記複数の検出器素子は前記放射されたX線の強度を表す投影データを生成するよう構成され、処理回路と、を具備する装置であり、前記処理回路は、前記投影データを使用して、前記被検体からのX線散乱の空間モデルを生成するために前記被検体の画像を再構成し、複数のビューのうちの一つ又は複数のビューに対して、複数の検出器素子で検出された散乱したX線放射の強度を表す前記一つ又は複数のビューのうちの散乱X線束をシミュレートし、前記散乱したX線放射の強度はRTEの統合に基づいた加速法を使用して決定されており、前記一つ又は複数のビューのうちの前記シミュレートされた散乱X線束を使用して、前記複数のビューのうちのプライマリX線束を決定し、前記プライマリX線束は前記複数の検出器素子上の入射である散乱しなかったX線の強度を表す、前記散乱X線束のシミュレートが前記RTEの均一な離散化を使用する方法に関連して前記RTEの不均一な離散化により加速される、よう構成される。
(12)処理回路により、被検体を通過し且つ複数の検出器素子で検出されたX線放射の強度を表す投影データを取得すること、前記投影データは前記被検体に関して個別の投影角に対応する複数のビューに対して取得されており、前記処理回路且つ前記投影データの使用により、前記被検体からのX線散乱の空間モデルを生成するために前記被検体の画像を再構成すること、前記処理回路により、前記投影データにおいて散乱したX線放射の強度を表す散乱X線束をシミュレートすること、前記散乱したX線放射の強度はRTEの統合に基づいた加速法を使用して決定されており、前記処理回路且つ一つ又は複数のビューのうちの前記シミュレートした散乱X線束の使用により、前記複数のビューのうちのプライマリX線束を決定すること、前記プライマリX線束は前記複数の検出器素子上の入射である散乱しなかったX線の強度を表す、前記散乱X線束のシミュレートが前記RTEの均一な離散化を使用する方法に関連して前記RTEの不均一な離散化により加速される、を具備する方法。
(13)(12)に係る方法は、前記散乱X線束の前記シミュレートが、前記処理回路により、前記被検体における点の間に存在する前記散乱X線束の角度離散化に対する第一の解像度を使用すること、前記複数の検出器素子上の入射である前記散乱X線束の角度離散化に対する第二の解像度を使用すること、により前記RTEの不均一な離散化を更に具備し、前記第一の解像度は前記第二の解像度に比べてより粗い。
(14)(12)又は(13)に係る方法は、前記散乱X線束の前記シミュレートが、前記処理回路により、前記RTEの空間座標の不均一な離散化を更に含む。
(15)(12)から(14)のうちのいずれかに係る方法は、前記被検体における散乱点が、デカルト座標を使用して離散化され、且つ前記散乱点へと収束するX線束が、球面座標を使用して離散化される。
(16)(12)から(15)のうちのいずれかに係る方法は、前記散乱X線束の前記シミュレートが、前記処理回路により、前記RTEの空間離散化に対する第一の解像度を使用して、第一のオーダー散乱X線束をシミュレートすること、且つ前記処理回路により、前記RTEの前記空間離散化に対する第二の解像度を使用して、より高いオーダー散乱X線束をシミュレートすること、を更に具備し、前記第二の解像度は前記第一の解像度に比べてより粗い。
(17)(12)から(16)のうちのいずれかに係る方法は、前記散乱X線束の前記シミュレートが、前記被検体の前記再構成画像から、前記X線散乱の空間モデルの空間離散化に対して空間的に変化する解像度へとマッピングすることを更に具備する。
(18)(12)から(17)のうちのいずれかに係る方法は、前記空間的に変化する解像度が、(i)前記被検体の前記再構成画像の放射線濃度、(ii)前記被検体の前記再構成画像の物質弁別、(iii)前記被検体の前記再構成画像のセグメンテーション、そして(iv)前記被検体の前記再構成画像の画像処理、のうちの一つ又は複数に依存する。
(19)(12)から(18)のうちのいずれかに係る方法は、前記被検体の前記再構成画像から前記空間的に変化する解像度への前記マッピングが、個別の学習画像と前記学習画像から導出された個別の散乱モデルとに対応する複数の不均一なグリッドに基づいており、前記複数の不均一なグリッドのうちのそれぞれは、散乱シミュレーションに対する所定の精度を維持する前記個別の学習画像に対応する前記空間的に変化する解像度を見つけるために、前記散乱シミュレーションにおける計算数を減らしながら、散乱モデルの個別の散乱モデルを離散化する個別の不均一なグリッドの個別の領域における解像度を局所的に粗くする及び/又は細かくする適応的メッシュ法を使用して取得されている。
(20)(12)から(19)のうちのいずれかに係る方法は、前記散乱X線束の前記シミュレートが、前記処理回路により、前記RTEのエネルギー座標の不均一な離散化を更に具備し、前記不均一な離散化は、第一の解像度で第一のX線エネルギーに対応する前記エネルギー座標の部分を離散化すること、第二の解像度で第二のX線エネルギーに対応する前記エネルギー座標の部分を離散化すること、を含み、前記第一の解像度は前記第二の解像度に比べてより粗く、且つ前記第一のX線エネルギーは前記第二のX線エネルギーに比べてより大きい。
明らかに、上記の教示に照らして、多数の修正形態及び変形形態が可能である。従って、添付の特許請求の範囲内で、本明細書に具体的に記載されたものとは別の方法で本発明を実施することができることを理解されたい。
従って、前述の説明は、単に本発明の例示的な実施形態を開示及び説明したものである。当業者には理解されるように、本発明は、その趣旨又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形式で具体化することができる。このようにして、本発明の開示は例示を意図したものであり、本発明の範囲及び他の特許請求の範囲を限定するものではない。本明細書における教示の容易に識別可能な変形を含む本開示は、発明の主題を公衆の自由に供することがなく、前述の特許請求の範囲の用語の範囲を部分的に定義するものである。
補足すると、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100 CTシステム
101 X線源
102 ボウタイ
103 ファントム
104 複数の検出器素子
105 プライマリX線束
106 散乱除去グリッド
110 第一の散乱X線束
115 多重散乱X線束
321 デカルト座標
322 球面グリッド
323 ボクセル
517 均一な空間離散化グリッド
518 改良又は粗大化された空間離散化グリッド
521 外側の境界
522 内側の境界
523 内側の低解像度領域
524 中解像度領域
525 高解像度領域
526 外側の低解像度領域
850 放射線ガントリ
851 X線管
852 環状フレーム
853 X線検出器
854 DAS
855 非接触データ送信装置
856 前処理回路
858 スリップリング
859 高電圧発生器
860 システムコントローラ
861 データ/制御バス
862 メモリ
863 電流調整器
864 再構成回路
865 入力インタフェース
866 ディスプレイ
857 回転ユニット
OBJ 被検体

Claims (19)

  1. 被検体を通過し且つ複数の検出器素子で検出されたX線放射の強度を表す投影データを取得し、前記投影データは、前記被検体に関して個別の投影角に対応する複数のビューについて取得されており、
    前記投影データを使用して、前記被検体からのX線散乱の空間モデルを生成するために、前記被検体の画像を再構成し、
    前記複数のビューのうちの一つ以上のビューについて、放射輸送方程式(radiative transfer equation:RTE)及びRTEを不均一に離散化することを含む加速法を用いることで、前記投影データにおいて散乱したX線放射の強度を表す散乱X線束をシミュレートし、
    前記一つ以上のビューについて前記シミュレートされた散乱X線束を使用して、前記複数のビューのプライマリX線束を決定し、前記プライマリX線束は、前記複数の検出器素子上に入射され、散乱しなかったX線の強度を表す、
    よう構成された処理回路を具備する医用画像処理装置。
  2. 前記散乱X線束を前記シミュレートすることは、(A)前記RTEのエネルギー座標、(B)前記RTEの一つ以上の角座標、(C)前記RTEの空間座標、のリストのうちの一つ以上の不均一な離散化を含む請求項1記載の医用画像処理装置。
  3. 前記RTEの前記一つ以上の角座標が不均一に離散化された場合に、前記散乱X線束を前記シミュレートすることは、
    前記被検体における点の間の前記散乱X線束の角度離散化に対する第一の解像度を使用することと、
    前記複数の検出器素子上に入射する前記散乱X線束の角度離散化に対する第二の解像度を使用することと、前記第一の解像度は前記第二の解像度に比べてより粗い、
    により前記RTEを不均一に離散化することを含む請求項2記載の医用画像処理装置。
  4. 前記RTEの前記空間座標が不均一に離散化された場合に、前記被検体における散乱点は、デカルト座標を使用して離散化され、且つ前記散乱点へと収束するX線束は、球面座標を使用して離散化される請求項2記載の医用画像処理装置。
  5. 前記RTEの前記空間座標が不均一に離散化された場合に、前記散乱X線束を前記シミュレートすることは、
    前記RTEの空間離散化に対する第一の解像度を使用して、第一のオーダー散乱X線束をシミュレートすることと、
    前記RTEの前記空間離散化に対する第二の解像度を使用して、より高いオーダー散乱X線束をシミュレートすることと、前記第二の解像度は前記第一の解像度に比べてより粗い、
    を含む請求項2記載の医用画像処理装置。
  6. 前記RTEの前記空間座標が不均一に離散化された場合に、前記散乱X線束を前記シミュレートすることは、前記被検体の再構成画像から、前記X線散乱の空間モデルの空間離散化に対して空間的に変化する解像度へとマッピングすることを含む請求項2記載の医用画像処理装置。
  7. 前記空間的に変化する解像度は、(i)前記被検体の前記再構成画像の放射線濃度、(ii)前記被検体の前記再構成画像の物質弁別、(iii)前記被検体の前記再構成画像のセグメンテーション、及び(iv)前記被検体の前記再構成画像の画像処理、のうちの一つ以上に依存する請求項6記載の医用画像処理装置。
  8. 前記被検体の前記再構成画像から前記空間的に変化する解像度への前記マッピングは、個別の学習画像と前記学習画像から導出された個別の散乱モデルとに対応する複数の不均一なグリッドに基づいており、前記複数の不均一なグリッドの各々は、散乱シミュレーションにおける計算数を減らしながら前記散乱シミュレーションに関して所定の精度を維持する前記個別の学習画像に対応する前記空間的に変化する解像度を発見するために、前記散乱モデルのうちの個別の散乱モデルを離散化する、個別の不均一なグリッドの個別の領域における解像度を局所的に粗くする及び/又は細かくする適応的メッシュ法を使用して取得されている請求項6記載の医用画像処理装置。
  9. 前記RTEの前記エネルギー座標が不均一に離散化された場合に、前記散乱X線束を前記シミュレートすることは、
    第一のX線エネルギーに対応する前記エネルギー座標の部分を離散化するために第一の解像度が使用されることと、
    第二のX線エネルギーに対応する前記エネルギー座標の部分を離散化するために第二の解像度が使用されることと、
    を更に含んでおり、
    前記第一の解像度は前記第二の解像度に比べてより粗く、且つ前記第一のX線エネルギーは前記第二のX線エネルギーに比べてより大きい請求項2記載の医用画像処理装置。
  10. 撮影される被検体を収容するよう構成された被検体空間を通過するX線を放射するよう構成されたX線源と、
    前記被検体空間にわたり且つ前記X線源に対向して配置された複数の検出器素子と、前記複数の検出器素子は、前記X線源からの前記X線を検出するよう構成されており、且つ前記複数の検出器素子は、前記放射されたX線の強度を表す投影データを生成するよう構成されており、
    処理回路と、
    を具備する装置であり、
    前記処理回路は、
    前記投影データを使用して、前記被検体からのX線散乱の空間モデルを生成するために、前記被検体の画像を再構成し、
    複数のビューのうちの一つ以上のビューについて、放射輸送方程式(radiative transfer equation:RTE)及びRTEを不均一に離散化することを含む加速法を用いることで、前記複数の検出器素子で検出された散乱したX線放射の強度を表す前記一つ以上のビューの散乱X線束をシミュレートし、
    前記一つ以上のビューの前記シミュレートされた散乱X線束を使用して、前記複数のビューのプライマリX線束を決定し、前記プライマリX線束は、前記複数の検出器素子上の入射である散乱しなかったX線の強度を表す、
    ように構成されたX線コンピュータ断層撮影装置。
  11. コンピュータに、
    被検体を通過し且つ複数の検出器素子で検出されたX線放射の強度を表す投影データを取得することと、前記投影データは、前記被検体に関して個別の投影角に対応する複数のビューに対して取得されており、
    前記投影データを使用して、前記被検体からのX線散乱の空間モデルを生成するために、前記被検体の画像を再構成することと、
    前記複数のビューのうちの一つ以上のビューについて、放射輸送方程式(radiative transfer equation:RTE)及びRTEを不均一に離散化することを含む加速法を用いることで、前記投影データにおいて散乱したX線放射の強度を表す散乱X線束をシミュレートすることと、
    一つ以上のビューの前記シミュレートした散乱X線束を使用して、前記複数のビューのプライマリX線束を決定することと、前記プライマリX線束は、前記複数の検出器素子上の入射である散乱しなかったX線の強度を表す、
    を実行させるためのプログラム。
  12. 前記散乱X線束を前記シミュレートすることは、(A)前記RTEのエネルギー座標、(B)前記RTEの一つ以上の角座標、(C)前記RTEの空間座標、のリストのうちの一つ以上を不均一に離散化することを具備する請求項11記載のプログラム。
  13. 前記RTEの前記一つ以上の角座標が不均一に離散化された場合に、前記散乱X線束を前記シミュレートすることは、
    前記被検体における点の間に伝播する前記散乱X線束の角度離散化に対する第一の解像度を使用することと、
    前記複数の検出器素子上の入射である前記散乱X線束の角度離散化に対する第二の解像度を使用することと、前記第一の解像度は前記第二の解像度に比べてより粗い、
    により、前記RTEを不均一に離散化することを具備する請求項12記載のプログラム。
  14. 前記RTEの前記空間座標が不均一に離散化された場合に、前記被検体における散乱点は、デカルト座標を使用して離散化され、且つ前記散乱点へと収束するX線束は、球面座標を使用して離散化される請求項13記載のプログラム。
  15. 前記RTEの前記空間座標が不均一に離散化された場合に、前記散乱X線束を前記シミュレートすることは、
    前記RTEの空間離散化に対する第一の解像度を使用して、第一のオーダー散乱X線束をシミュレートすることと、
    前記RTEの前記空間離散化に対する第二の解像度を使用して、より高いオーダー散乱X線束をシミュレートすることと、前記第二の解像度は前記第一の解像度に比べてより粗い、
    を具備する請求項13記載のプログラム。
  16. 前記RTEの前記空間座標が不均一に離散化された場合に、前記散乱X線束を前記シミュレートすることは、前記被検体の再構成画像から、前記X線散乱の空間モデルの空間離散化に対して空間的に変化する解像度へとマッピングすることを具備する請求項13記載のプログラム。
  17. 前記RTEの前記空間座標が不均一に離散化された場合に、前記空間的に変化する解像度は、(i)前記被検体の前記再構成画像の放射線濃度、(ii)前記被検体の前記再構成画像の物質弁別、(iii)前記被検体の前記再構成画像のセグメンテーション、及び(iv)前記被検体の前記再構成画像の画像処理、のうちの一つ以上に依存する請求項16記載のプログラム。
  18. 前記被検体の前記再構成画像から前記空間的に変化する解像度への前記マッピングは、個別の学習画像と前記学習画像から導出された個別の散乱モデルとに対応する複数の不均一なグリッドに基づいており、前記複数の不均一なグリッドの各々は、散乱シミュレーションにおける計算数を減らしながら、前記散乱シミュレーションに関して所定の精度を維持する前記個別の学習画像に対応する前記空間的に変化する解像度を発見するために、散乱モデルのうちの個別の散乱モデルを離散化する個別の不均一なグリッドの個別の領域における解像度を局所的に粗くする及び/又は細かくする適応的メッシュ法を使用して取得されている請求項16記載のプログラム。
  19. 前記RTEの前記エネルギー座標が不均一に離散化された場合に、前記散乱X線束を前記シミュレートすることは、
    第一のX線エネルギーに対応する前記エネルギー座標の部分を第一の解像度で離散化することと、
    第二のX線エネルギーに対応する前記エネルギー座標の部分を第二の解像度で離散化することと、
    を更に備え、
    前記第一の解像度は前記第二の解像度に比べてより粗く、且つ前記第一のX線エネルギーは前記第二のX線エネルギーに比べてより大きい請求項12記載のプログラム。
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