JP2020178730A - 歩行動作補助装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩行周期中の歩行状態に応じた適切な歩行補助力を、時間遅れを可及的に防止乃至は低減した状態で付与できる歩行動作補助装置を提供する。【解決手段】歩行動作補助装置は、ユーザーの大腿及び下腿を含む脚部の股関節回りの動きを棒状剛体600の振り子動作で近似し、振り子動作の運動方程式に基づいて算出される前記棒状剛体の揺動中心軸Zb回りの揺動角度及び揺動角速度を、前記大腿姿勢検出手段から入力される角度関連信号を観測値として用いたカルマンフィルタによって推定し、推定揺動角度及び推定揺動角速度をそれぞれ大腿の股関節角度及び股関節角速度として用いて大腿位相角を算出し、大腿位相角に基づき算出された補助トルク値を出力する。【選択図】図10
Description
本発明は、歩行動作補助装置に関する。
脚の不自由な人や脳卒中等の為に麻痺を有する人の歩行補助用又はリハビリテーション用の器具として、脚の動きを補助する電動モータ等のアクチュエータが備えられた歩行動作補助装置が提案されている(下記特許文献1〜3参照)。
詳しくは、前記特許文献1〜3に記載の従来の歩行動作補助装置は、ユーザーの大腿に装着される大腿側装具と、ユーザーの下腿に装着され且つ前記大腿側装具に対してユーザーの膝関節回り回動可能に連結された下腿側装具と、前記大腿側装具に装着され、前記下腿側装具に対して膝関節回りの補助力を付与可能なアクチュエータと、大腿に対する下腿の膝関節回りの回動角度を検出する下腿角度センサと、前記アクチュエータの作動制御を司る制御装置とを備え、前記制御装置が、前記下腿角度センサからの検出信号に基づいて前記アクチュエータの作動制御を実行するように構成されている。
即ち、前記従来の歩行動作補助装置は、前記下腿角度センサによって検出される下腿の膝関節回りの回動角度に基づいて歩行動作状態を認識し、この歩行動作状態に応じた大きさ及び方向の補助力を出力するように前記アクチュエータの作動制御を行うように構成されている。
しかしながら、歩行動作の際には、下腿は膝関節回りに回動動作しつつ、大腿は股関節回りに回動動作する。
即ち、前記従来構成においては、股関節回りに回動する大腿に対する下腿の膝関節回りの回動角度を検出しており、従って、歩行動作状態を正確に認識することが困難であった。
即ち、前記従来構成においては、股関節回りに回動する大腿に対する下腿の膝関節回りの回動角度を検出しており、従って、歩行動作状態を正確に認識することが困難であった。
さらに、ユーザーが脳卒中等の為に麻痺を有する場合、大腿の歩行動作(股関節回りの大腿の前後揺動動作)は比較的正常に行えるものの、下腿の歩行動作(膝関節回りの下腿の前後揺動動作)は正常に行えないことが多い。
このような場合、前記従来の構成では、正常な歩行動作を行えない下腿の動きに基づいて前記アクチュエータの作動制御を行うことになり、この点においても、的確な歩行補助力を提供することができないおそれがあった。
また、下記特許文献4には、股関節の周期的な動作によって規定される大腿位相角に基づいて歩行動作状態を認識し、認識された歩行動作状態に応じた歩行補助力を大腿に対して出力するようにアクチュエータの作動制御を行う歩行補助装置が開示されている。
詳しくは、前記特許文献4に記載の歩行補助装置は、大腿に対して歩行補助力を付与する付与部と、前記付与部の作動制御を行う制御部と、股関節角度及び股関節角速度の少なくとも一方を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて大腿の位相角を算出する算出部とを備え、前記制御部が、前記位相角に基づいて前記付与部の作動制御を行うように構成されている。
ここで、前記特許文献4においては、大腿の位相角は、前記検出部によって検出された股関節角度及び当該股関節角度を微分して得られる股関節角速度に基づいて算出されている。
斯かる構成では、微分処理によって雑音成分が強調されることになり、正確な大腿位相角を得ることは困難となる。
斯かる構成では、微分処理によって雑音成分が強調されることになり、正確な大腿位相角を得ることは困難となる。
この点に関し、前記検出部によって検出された信号に対しローパス処理を行うことによって雑音成分を除去することも可能であるが、この場合には、時間遅れが生じ、前記付与部の作動制御を適切なタイミングで行うことが困難となる。
また、前記特許文献4においては、大腿の揺動中心が、前記検出部における揺動中心軸(即ち、上体の前後方向中央において重力方向に沿う垂直基準軸)に常に一致していることを前提としている。
しかしながら、歩行動作における大腿の揺動中心は、ユーザー毎に異なるのが一般的であり、特に、脚の不自由な人や脳卒中等の為に麻痺を有する人の場合には、大腿の揺動中心が垂直基準軸に対して前方又は後方に傾斜しやすい。
このような場合には、前記検出部によって検出された股関節角度及び当該股関節角度を微分して得られる股関節角速度に基づいて算出される大腿の位相角が実際の大腿の位相角とは異なることになり、適切な歩行補助力の提供が困難になる。
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、歩行周期中の歩行状態に即した適切な歩行補助力を、時間遅れを可及的に防止乃至は低減した状態で付与可能な歩行動作補助装置の提供を、目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、ユーザーの歩行動作に対して補助力を付与するアクチュエータと、サンプリングタイミング毎にユーザーの大腿の前後揺動角度である股関節角度に関連する股関節角度関連信号を検出する大腿姿勢検出手段と、一のサンプリングタイミングkでの大腿位相角を算出する大腿位相角算出手段と、大腿位相角と前記アクチュエータが出力すべきトルク値との関係が直接又は間接的に規定された出力パターンデータを有し、前記大腿位相角算出手段によって算出された大腿位相角及び前記出力パターンデータに基づいて前記一のサンプリングタイミングkにおいて出力すべきトルク値を算出する補助トルク算出手段と、前記補助トルク算出手段によって算出されたトルク値の補助力を出力するように前記アクチュエータの作動制御を司る作動制御手段とを備え、前記大腿位相角算出手段は、歩行時におけるユーザーの大腿及び下腿を含む脚部の股関節回りの動きを、先端部に所定質量mの質点が取り付けられた所定長さlの棒状剛体が基端部を揺動支点として振り子動作する動きで近似し、前記質点の揺動軌跡に沿った円の接線方向における運動方程式に基づく式(1a)及び前記大腿姿勢検出手段から入力される股関節角度関連信号を観測値とする式(1b)とカルマンフィルタによる式(2a)〜(2e)とを用いて、前記大腿姿勢検出手段の検出基準軸に対して揺動中心角θ0だけ傾斜した軸を揺動中心軸とした前記棒状剛体の推定揺動角度及び推定揺動角速度をサンプリングタイミングk毎に算出し、前記推定揺動角度及び前記推定揺動角速度をそれぞれ股関節角度及び股関節角速度として用いてサンプリングタイミングkでの大腿位相角を算出するように構成されている歩行動作補助装置を提供する。
但し、式(1a)、式(1b)及び式(2a)〜式(2e)における記号は下記の通りであり、式中の右肩記号Tは行列の転置操作を表している。
θ:股関節角度
θ0:揺動中心角
φ:揺動中心角θ0を中心とした揺動角度
φドット:揺動中心角θ0を中心とした揺動角速度
g:重力加速度
γ:未知外乱ベクトル
γφ:揺動角度成分に対する未知外乱
γθ:揺動中心角成分に対する未知外乱
β:観測雑音
ξハット[k|k]:サンプリングタイミングkでの事後推定値
ξハット[k|k-1]: サンプリングタイミングkでの事前推定値
K[k]:サンプリングタイミングkでのカルマンゲイン
P[k|k]:サンプリングタイミングkでの事後誤差共分散行列
P[k|k-1]:サンプリングタイミングkでの事前誤差共分散行列
y[k]:サンプリングタイミングkでの大腿姿勢検出手段の観測値(計測値)
C:観測行列
Q:未知外乱γの共分散行列
R:観測雑音βの共分散行列
I:単位行列
ω:1歩行周期に要する時間より算出される固有角周波数
θ0:揺動中心角
φ:揺動中心角θ0を中心とした揺動角度
φドット:揺動中心角θ0を中心とした揺動角速度
g:重力加速度
γ:未知外乱ベクトル
γφ:揺動角度成分に対する未知外乱
γθ:揺動中心角成分に対する未知外乱
β:観測雑音
ξハット[k|k]:サンプリングタイミングkでの事後推定値
ξハット[k|k-1]: サンプリングタイミングkでの事前推定値
K[k]:サンプリングタイミングkでのカルマンゲイン
P[k|k]:サンプリングタイミングkでの事後誤差共分散行列
P[k|k-1]:サンプリングタイミングkでの事前誤差共分散行列
y[k]:サンプリングタイミングkでの大腿姿勢検出手段の観測値(計測値)
C:観測行列
Q:未知外乱γの共分散行列
R:観測雑音βの共分散行列
I:単位行列
ω:1歩行周期に要する時間より算出される固有角周波数
一形態においては、前記大腿姿勢検出手段は、前記股関節角度関連信号として大腿の股関節角速度を検出可能な3軸角速度センサを有し得る。
例えば、本発明に係る歩行動作補助装置は3軸加速度センサを備えることができ、この場合、前記大腿位相角算出手段は、静止時に前記3軸加速度センサによって検出される鉛直軸を前記検出基準軸として用いるように構成され得る。
好ましくは、本発明に係る歩行動作補助装置は、大腿位相角と歩行周期に対する百分率である周期歩行動作タイミングとの関係を規定した変換関数を有し、前記大腿位相角算出手段から送られてくる大腿位相角を前記変換関数に適用して周期歩行動作タイミングを算出する歩行動作タイミング算出手段を備え得る。
この場合、前記出力パターンデータは、周期歩行動作タイミング及び出力すべきトルク値の関係を規定したものとされ、前記補助トルク算出手段は、前記歩行動作タイミング算出手段から送られてくる周期歩行動作タイミングを前記出力トルクパターンに適用してサンプリングタイミングに応じたトルク値を算出するように構成される。
本発明に係る歩行動作補助装置は、前記アクチュエータとして作用する電動モータと、前記電動モータを収容するケーシングと、前記電動モータの出力軸から伝動機構を介して作動的に伝達される回転動力によって駆動側枢支軸線回りに回転駆動される駆動アームと、ユーザーの大腿に装着される大腿装着体、前記大腿装着体を支持した状態で略上下方向に延びる大腿フレーム、ユーザーの下腿に装着される下腿装着体及び前記下腿装着体を支持した状態で略上下方向に延びる下腿フレームを含み、前記下腿フレームが前記大腿フレームに対してユーザーの膝関節と同軸上の装具側枢支軸線回りに揺動可能とされている長下肢装具における前記大腿フレームに、前記ケーシングの上部を連結させる上部連結機構と、前記駆動アームの先端部を前記下腿フレームに作動的に連結させる下部連結機構と、駆動側枢支軸線を装具側枢支軸線に一致させる中間連結機構とを備えることができ、前記中間連結機構は、装具側枢支軸線上においてユーザー幅方向外方へ延びるように前記長下肢装具に設けられたボールスタッドと、駆動側枢支軸線上において前記長下肢装具の側に開くように前記駆動アームに設けられ、前記ボールスタッドが係入可能とされた収容凹部とを有するものとされ得る。
本発明に係る歩行動作補助装置によれば、ユーザーの大腿及び下腿を含む脚部の股関節回りの動きを、大腿姿勢検出手段の検出基準軸に対して揺動中心角θ0だけ傾斜した軸を揺動中心軸とした棒状剛体の振り子動作で近似し、振り子動作の運動方程式に基づいて算出される前記棒状剛体の揺動中心軸回りの揺動角度、揺動角速度及び揺動中心角を、前記大腿姿勢検出手段から入力される角度関連信号を観測値として用いたカルマンフィルタによって推定し、推定揺動角度及び推定揺動角速度をそれぞれ大腿の股関節角度及び股関節角速度として用いて大腿位相角を算出し、大腿位相角に基づき算出された補助トルク値が出力されるようにアクチュエータの作動制御を行うので、歩行周期中の歩行状態に応じた適切な歩行補助力を、時間遅れを可及的に防止乃至は低減した状態で付与できる。また、大腿の揺動中心軸が大腿姿勢検出手段の検出基準軸(例えば、ユーザーの体軸に沿った垂直軸)に対して傾斜していたとしても、かかる傾斜に起因する歩行状態の認識のズレを有効に防止乃至は低減できる。
以下、本発明に係る歩行動作補助装置の一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、長下肢装具1を装着したユーザーに対して歩行補助力を提供するものであり、左脚用の長下肢装具及び右脚用の長下肢装具の何れにも装着可能とされている。
本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、長下肢装具1を装着したユーザーに対して歩行補助力を提供するものであり、左脚用の長下肢装具及び右脚用の長下肢装具の何れにも装着可能とされている。
まず、前記長下肢装具1について、左脚用長下肢装具を例に説明する。
図1に、ユーザーの左脚に装着される左脚用長下肢装具の正面図を示す。
なお、左脚用長下肢装具及び右脚用長下肢装具は、ユーザーの鉛直方向に沿った体軸を通って前後方向に延びる中央垂直面を基準にして左右対称とされる。
図1に、ユーザーの左脚に装着される左脚用長下肢装具の正面図を示す。
なお、左脚用長下肢装具及び右脚用長下肢装具は、ユーザーの鉛直方向に沿った体軸を通って前後方向に延びる中央垂直面を基準にして左右対称とされる。
前記長下肢装具1は、脚の不自由な人や脳卒中等の為に麻痺を有する人が、歩行補助の為、又は、リハビリテーションの為に装着する器具であり、ユーザーの体格に合わせてオーダーメイドされるものである。
図1に示すように、前記長下肢装具1は、ユーザーの大腿に装着される大腿装着体11と、前記大腿装着体11を支持した状態で略上下方向に延びる大腿フレーム20と、ユーザーの下腿に装着される下腿装着体31と、前記下腿装着体31を支持した状態で略上下方向に延びる下腿フレーム40とを有している。
前記大腿装着体11及び前記下腿装着体31は、それぞれ、ユーザーの大腿及び下腿に装着可能とされる限り種々の形態を取り得る。
本実施の形態においては、前記大腿装着体11は、ユーザーの大腿が挿入可能で且つ大腿にフィットするような大きさの装着孔を有する筒状とされている。
同様に、前記下腿装着体31は、ユーザーの下腿が挿入可能で且つ下腿にフィットするような大きさの装着孔を有する筒状とされている。
本実施の形態においては、前記大腿装着体11は、ユーザーの大腿が挿入可能で且つ大腿にフィットするような大きさの装着孔を有する筒状とされている。
同様に、前記下腿装着体31は、ユーザーの下腿が挿入可能で且つ下腿にフィットするような大きさの装着孔を有する筒状とされている。
本実施の形態においては、図1に示すように、前記大腿フレーム20は、前記大腿装着体11のユーザー幅方向Wの外方側において略上下方向に延びる第1大腿フレーム20(1)と、前記大腿装着体11のユーザー内方側において略上下方向に延びる第2大腿フレーム20(2)とを有している。
同様に、前記下腿フレーム40は、前記下腿装着体31のユーザー幅方向Wの外方側において略上下方向に延びる第1下腿フレーム40(1)と、前記下腿装着体31のユーザー幅方向Wの内方側において略上下方向に延びる第2下腿フレーム40(2)とを有している。
図2に、図1におけるII部拡大斜視図を示す。
また、図3に、図2の分解斜視図を示す。
なお、図3においては、理解容易化の為に構成部材の一部の図示を省略している。
さらに、図4に、図2の縦断斜視図を示す。
また、図3に、図2の分解斜視図を示す。
なお、図3においては、理解容易化の為に構成部材の一部の図示を省略している。
さらに、図4に、図2の縦断斜視図を示す。
図1〜図4に示すように、前記下腿フレーム40は、装具側回動連結部50を介して前記大腿フレーム20にユーザーの膝関節と同軸上の装具側枢支軸線X回り揺動可能に連結されている。
前述の通り、本実施の形態においては、前記大腿フレーム20は前記第1及び第2大腿フレーム20(1)、20(2)を有し、前記下腿フレーム40は前記第1及び第2下腿フレーム40(1)、40(2)を有している。
この場合、前記第1下腿フレーム40(1)の上端部が前記第1大腿フレーム20(1)の下端部に第1装具側回動連結部50(1)を介して装具側枢支軸線X回り揺動可能に連結され、前記第2下腿フレーム40(2)の上端部が前記第2大腿フレーム20(2)の下端部に第2装具側回動連結部50(2)を介して装具側枢支軸線X回り揺動可能に連結される。
詳しくは、図2〜図4に示すように、前記大腿フレーム20は、上下方向に延びるフレーム本体21cと、前記フレーム本体21cの下端部のユーザー幅方向Wの両側にピン連結又は溶接等によって固着された一対の連結片21a、21bとを有しており、対応する前記下腿フレーム40の上端部が前記一対の連結片21a、21bの間に介挿されている。
前記一対の連結片21a、21bには装具側枢支軸線Xと同軸上に大腿フレーム取付孔20aが設けられており、前記下腿フレーム40には装具側枢支軸線Xと同軸上に下腿フレーム取付孔40aが設けられている。
前記装具側回動連結部50は、前記大腿フレーム取付孔20a及び前記下腿フレーム取付孔40aによって形成される装具側フレーム取付孔に挿通されて、対応する前記大腿フレーム20及び前記下腿フレーム40同士を装具側枢支軸線X回り回動可能に連結する装具側連結具51を有している。
図2〜図4に示すように、前記装具側連結具51は、前記装具側フレーム取付孔内において互いに対して分離可能に螺合される雌ネジ部材52及び雄ネジ部材55を有している。
前記雌ネジ部材52は、ユーザー幅方向一方側から前記装具側フレーム取付孔に挿入される筒部53と、前記筒部53のユーザー幅方向一方側から前記装具側フレーム取付孔より径方向外方へ延在されるフランジ部54とを有しており、前記筒部53には自由端側に開くネジ穴が形成されている。
一方、前記雄ネジ部材55は、ユーザー幅方向他方側から前記ネジ穴に螺入される雄ネジが形成された筒部56と、前記筒部56のユーザー幅方向他方側から前記装具側フレーム取付孔より径方向外方へ延在されたフランジ部57とを有している。
図2〜図4に示すように、本実施の形態においては、前記雌ネジ部材52が前記大腿装着体11に挿入されるユーザーの大腿の側から前記装具側フレーム取付孔に挿入されており、前記雄ネジ部材55がユーザーの大腿とは反対側から前記雌ネジ部材52に螺合されている。
なお、図3及び図4中の符号54aは、前記フランジ部53に設けられた径方向外方突起であり、前記内側連結片21bに形成された凹部22(図3参照)に係合することで、前記雌ねじ部材52が前記内側連結片21b(即ち、前記大腿フレーム20)に対して軸線回り相対回転不能に保持されるようになっている。
本実施の形態においては、ユーザーの下腿の最大伸展時における前記下腿フレーム40の装具側枢支軸線X回りの揺動位置が、前記下腿フレーム40の前記大腿フレーム20に対する装具側枢支軸線X回り前方側への揺動端とされている。
詳しくは、図3に示すように、前記下腿フレーム40の上端面は、(前記大腿フレーム20に対向する端面)は装具側枢支軸線X回り一方側から他方側へ行くに従って装具側枢支軸線Xからの径方向距離が増大するような傾斜面とされており、前記大腿フレーム20の下端面25(前記下腿フレーム40に対向する端面)は前記下腿フレーム40の上端面45に対応した傾斜面とされている。
斯かる構成により、下腿最大伸展時においては、前記下腿フレーム40は、前記大腿フレーム20に対して装具側枢支軸線X回り一方側(ユーザーの下腿が大腿に対して屈曲する方向)へのみ回動が許容され、他方側(ユーザーの下腿が大腿に対して伸展する方向)への回動は禁止されるようになっている。
本実施の形態においては、前記長下肢装具1は、図1〜図4に示すように、さらに、前記下腿フレーム40の前記大腿フレーム20に対する装具側枢支軸線X回り双方向の回動を禁止する為のロック部材70を有している。
前記ロック部材70は、前記大腿フレーム20及び前記下腿フレーム40を囲繞して両フレーム20、40を連結し、前記下腿フレーム40が前記大腿フレーム20に対して装具側枢支軸線X回りに相対回転することを防止するロック状態(図2に示す状態)と、前記大腿フレーム20及び前記下腿フレーム40の連結を解除し、前記下腿フレーム40が前記大腿フレーム20に対して装具側枢支軸線X回りに相対回転することを許容する解除状態とを取り得るように構成されている。
なお、本実施の形態においては、前記ロック部材70は、前記第1大腿フレーム20(1)及び前記第1下腿フレーム40(1)に作用する第1ロック部材70(1)と、前記第2大腿フレーム20(2)及び前記第2下腿フレーム40(2)に作用する第2ロック部材70(2)とを有している。
本実施の形態においては、図1に示すように、前記長下肢装具1は、さらに、ユーザーが足を載置する足フレーム60を有している。
この場合、前記下腿フレーム40は、下端部が前記足フレーム60に連結される。
この場合、前記下腿フレーム40は、下端部が前記足フレーム60に連結される。
以下、本実施の形態に係る歩行動作補助装置100について説明する。
図5に、前記歩行動作補助装置100が左脚用の前記長下肢装具1に装着された状態をユーザー幅方向内方且つ前方から視た斜視図を示す。
また、図6に、前記歩行動作補助装置100を装着面の側から視た分解斜視図を示す。
さらに、図7及び図8に、それぞれ、前記歩行動作補助装置100及び前記長下肢装具1をユーザー幅方向外方且つ前方から視た分解斜視図、及び、分解縦断面図を示す。
図5に、前記歩行動作補助装置100が左脚用の前記長下肢装具1に装着された状態をユーザー幅方向内方且つ前方から視た斜視図を示す。
また、図6に、前記歩行動作補助装置100を装着面の側から視た分解斜視図を示す。
さらに、図7及び図8に、それぞれ、前記歩行動作補助装置100及び前記長下肢装具1をユーザー幅方向外方且つ前方から視た分解斜視図、及び、分解縦断面図を示す。
図5〜図8に示すように、前記歩行動作補助装置100は、前記長下肢装具1に着脱可能に連結されるケーシング110と、前記ケーシング110に収容され、下腿に対する歩行補助力を出力するアクチュエータと、前記アクチュエータによって作動的に揺動駆動される駆動アーム150と、一歩行周期中の歩行動作状態を検出する歩行動作状態検出センサ170と、前記アクチュエータの作動制御を司る制御装置500とを備えている。
前記ケーシング110は、前記アクチュエータを支持するフレーム115と、前記フレーム115及び前記アクチュエータを囲繞するカバー120とを有している。
前記フレーム115は、前記ケーシング110が前記長下肢装具1に装着された状態において略上下方向に延びる上下方向延在壁117と、前記上下方向延在壁117から略水平に延びる水平方向延在壁119とを有している。
前記カバー120は、前記第1大腿フレーム20(1)と対向する装着面112を形成する下カバー122と、前記下カバー122に着脱可能に連結される上カバー125であって、前記下カバー122と共働して前記フレーム115及び前記アクチュエータを収容する収容空間を形成する上カバー125とを有している。
本実施の形態においては、前記上下方向延在壁117が前記下カバー122の内面にボルト等の締結部材によって連結されることで、前記フレーム115が前記カバー120の収容空間内に固定されている。
なお、本実施の形態においては、前記上カバー125は、前記下カバー122に着脱可能に連結される第1上カバー125aと、前記第1上カバー125aに着脱可能に連結される第2上カバー125bとを有している。
本実施の形態においては、前記アクチュエータとして、電動モータ130が採用されている。
図6に示すように、前記電動モータ130は、モータ本体132と、前記モータ本体132に連結された出力軸135とを有しており、前記出力軸135から軸線回り一方側の第1方向及び軸線回り他方側の第2方向の双方向の回転動力を出力し得るように構成されている。
図6に示すように、前記電動モータ130は、モータ本体132と、前記モータ本体132に連結された出力軸135とを有しており、前記出力軸135から軸線回り一方側の第1方向及び軸線回り他方側の第2方向の双方向の回転動力を出力し得るように構成されている。
本実施の形態においては、前記モータ本体132は、前記水平方向延在壁119に載置された状態で前記フレーム115に支持されており、前記出力軸135は前記水平方向延在壁119より下方へ延在されている。
図6及び図7に示すように、本実施の形態に係る前記歩行動作補助装置100は、さらに、バッテリ等の前記電動モータ130の動力源190を有している。
前記動力源190は、前記電動モータ130の上方に位置するように前記上下方向延在壁117に支持されている。
前記動力源190は、前記電動モータ130の上方に位置するように前記上下方向延在壁117に支持されている。
前記駆動アーム150は、前記出力軸135に作動連結され、前記出力軸135の第1及び第2方向の回転出力に応じて、駆動側枢支軸線Y回り一方側の第1方向及び他方側の第2方向へ揺動する。
図8に示すように、本実施の形態においては、前記駆動アーム150は、伝動ギヤ機構140を介して前記出力軸135に作動連結されている。
前記伝動ギヤ機構140は、前記出力軸135に相対回転不能に支持された駆動側ベベルギヤ142と、前記駆動側ベベルギヤ142と噛合された状態で駆動側枢支軸線Y上に配置された従動側ベベルギヤ144とを有している。
前記従動側ベベルギヤ144は、ユーザー幅方向Wに関し、前記出力軸135より前記長下肢装具1に近接する側に配置されている。
そして、前記駆動アーム150の基端部が前記従動側ベベルギヤ144に連結されており、これにより、前記出力軸135の出力に応じて前記駆動アーム150が駆動側枢支軸線Y回りに揺動するようになっている。
そして、前記駆動アーム150の基端部が前記従動側ベベルギヤ144に連結されており、これにより、前記出力軸135の出力に応じて前記駆動アーム150が駆動側枢支軸線Y回りに揺動するようになっている。
なお、図8に示すように、前記下カバー122にはアクセス開口123が設けられており、前記従動側ベベルギヤ144及び前記駆動アーム150の基端部は前記アクセス開口123を介して連結されている。
前記駆動アーム150の先端部は、前記歩行動作補助装置100を前記長下肢装具1に装着させた状態において前記第1下腿フレーム40(1)に作動連結され、前記駆動アーム150の駆動側枢支軸線Y回りの揺動に応じて前記第1下腿フレーム40(1)を装具側枢支軸線X回りに押動するようになっている。
本実施の形態に係る前記歩行動作補助装置100は、さらに、前記駆動アーム150の揺動位置を検出する回転センサ160を有している。
詳しくは、図8に示すように、前記従動側ベベルギヤ144には、駆動側枢支軸線Y回り相対回転不能に被検出軸146が連結されており、前記回転センサ160は前記被検出軸146の軸線回りの回転角度を検出するように配置されている。
詳しくは、図8に示すように、前記従動側ベベルギヤ144には、駆動側枢支軸線Y回り相対回転不能に被検出軸146が連結されており、前記回転センサ160は前記被検出軸146の軸線回りの回転角度を検出するように配置されている。
前記歩行動作補助装置100は、上部、下部及び上下中間部の3箇所で前記長下肢装具1に着脱自在に装着される。
詳しくは、図6に示すように、前記歩行動作補助装置100は、上部連結機構220、下部連結機構260及び中間連結機構250を有している。
図8に示すように、前記中間連結機構250は、前記長下肢装具1に設けられたボールスタッド251と、前記歩行動作補助装置100に設けられ、前記ボールスタッド251がボールジョイントされる収容凹部258とを有している。
図8に示すように、前記ボールスタッド251は、前記長下肢装具1の装具側枢支軸線Xと同軸上に立設され、前記歩行動作補助装置100に向けて延びる軸部252と、前記軸部252の先端部に設けられた球頭部255とを有している。
本実施の形態においては、前記ボールスタッド251は、前記装具側連結具51を利用して、前記長下肢装具1に立設されている。
詳しくは、図4及び図8に示すように、前記ボールスタッド251は、前記装具側連結具51における前記雌ネジ部材52及び前記雄ネジ部材55のうちユーザー幅方向外方側に位置する外方側ネジ部材(本実施の形態においては、前記雄ネジ部材55)に代えて、前記雌ネジ部材52及び前記雄ネジ部材55のうちユーザー幅方向内方側に位置する内方側ネジ部材(本実施の形態においては、前記雌ネジ部材52)にネジ連結されることで、前記長下肢装具1に立設されている。
前記ボールスタッド251及び前記内方側ネジ部材のネジ連結は種々の構成によって現出され得る。
例えば、前記ボールスタッド251に、軸線方向に貫通する段付き軸線孔を形成することができる。前記段付き軸線孔は、前記球頭部255が位置する側に開口する大径孔と、軸線方向に関し前記球頭部とは反対側に開口する小径孔と、前記大径孔及び前記小径孔をつなぐ段部とを有するものとされる。そして、前記段付き軸線孔に挿通され且つ前記内方側ネジ部材にネジ連結されるボルト等の締結部材を介して前記ボールスタッド251及び前記内方側ネジ部材を連結させることができる。
例えば、前記ボールスタッド251に、軸線方向に貫通する段付き軸線孔を形成することができる。前記段付き軸線孔は、前記球頭部255が位置する側に開口する大径孔と、軸線方向に関し前記球頭部とは反対側に開口する小径孔と、前記大径孔及び前記小径孔をつなぐ段部とを有するものとされる。そして、前記段付き軸線孔に挿通され且つ前記内方側ネジ部材にネジ連結されるボルト等の締結部材を介して前記ボールスタッド251及び前記内方側ネジ部材を連結させることができる。
斯かる構成によれば、前記ボールスタッド251を既存の長下肢装具1に対して、装具側枢支軸線Xと同軸上に容易に立設させることができる。
本実施の形態においては、図8に示すように、前記収容凹部258は前記駆動アーム150の基端部に形成されている。
斯かる構成によれば、前記歩行動作補助装置100のユーザー幅方向に関する小型化を図りつつ、装具側枢支軸線X及び駆動側枢支軸線Yを確実に同軸上に位置させることができる。
斯かる構成によれば、前記歩行動作補助装置100のユーザー幅方向に関する小型化を図りつつ、装具側枢支軸線X及び駆動側枢支軸線Yを確実に同軸上に位置させることができる。
図6に示すように、前記上部連結機構220は、前記装着面112にユーザー幅方向内方側へ延びるように設けられた上部回動軸222と、前記上部回動軸222に軸線回り回動可能に支持された上部締結部材225とを備えている。
前記上部締結部材225は、前記上部回動軸222に支持された軸受部227と、前記軸受部227から径方向外方へ延在されたカム部229とを有している。
前記カム部229は、外周面と前記上部回動軸222の軸線との間の径方向距離が前記上部回動軸222の軸線回り一方側へ行くに従って長くなるように構成されている。
前記上部連結機構220は、さらに、前記上部回動軸222との間に前記第1大腿フレーム20(1)が介在され得る距離だけ前記上部回動軸222からユーザー前後方向に離間された位置で前記装着面112に設けられた上部受け止め部材246を備えている。
本実施の形態においては、前記上部連結機構220は、前記装着面112からユーザー幅方向内方側へ延びるように設けられた上部受け止め軸247を備えており、前記上部受け止め軸247に支持された弾性ローラ248が前記上部受け止め部材246として作用している。
前記上部締結部材225が前記上部回動軸222回り解放位置に位置された状態においては、前記歩行動作補助装置100を前記長下肢装具1に近接させる方向へ移動させることにより前記上部締結部材225及び前記上部受け止め部材246の間のスペース内に前記第1大腿フレーム20(1)を位置させることができ且つ前記第1大腿フレーム20(1)が前記スペース内に位置されている状態において前記歩行動作補助装置100Aを前記長下肢装具1から離間させる方向へ移動させることにより前記スペースから前記第1大腿フレーム20(1)を退出させることができるようになっている。
さらに、前記スペース内に前記第1大腿フレーム20(1)が位置されている状態において前記上部締結部材225を前記上部回動軸222回りに解放位置から締結位置へ回動させると、前記カム部229が前記上部受け止め部材246と共働して前記第1大腿フレーム20(1)をユーザー前後方向に関し狭持し、これにより、前記歩行動作補助装置100の上部が前記第1大腿フレーム20(1)に連結された状態が現出される。
図6に示すように、本実施の形態においては、前記上部締結部材225は、さらに、前記軸受部227から径方向外方へ延びる操作アーム230を有している。
前記操作アーム230は、自由端と前記上部回動軸222の軸線との間の径方向長さが、前記カム部229の径方向最外端と前記上部回動軸222の軸線との間の径方向長さよりも大となるように、構成されている。
斯かる構成により、前記操作アーム230を介して前記上部締結部材225を前記上部回動軸222回りに容易に回動させることを可能としつつ、前記第1大腿フレーム20(1)及び前記歩行動作補助装置100の上部に意に反した外力が付加した場合に、前記カム部229を介して前記上部締結部材225が前記上部回動軸222回りに回動されて前記歩行動作補助装置100の上部及び前記第1大腿フレーム20(1)の連結状態が解除されることを有効に防止することができる。
また、図6に示すように、本実施の形態においては、前記上部締結部材225は、前記カム部229よりユーザー幅方向内方側において前記軸受部227から径方向外方へ延びる係合アーム232を有している。
前記係合アーム232は、前記上部締結部材225及び前記上部受け止め部材246の間のスペース内に位置されている状態の前記第1大腿フレーム20(1)より、ユーザー幅方向内方側に位置するように、前記上部締結部材225に備えられている。
前記係合アーム232には、前記上部締結部材225が前記上部回動軸222回りに解放位置から締結位置へ回動操作されて前記カム部229が前記上部受け止め部材246と共働して前記第1大腿フレーム20(1)をユーザー前後方向に関し狭持している状態において、前記上部受け止め軸247のうち前記上部受け止め部材246よりユーザー幅方向内方側へ延在した部位に係合する係合溝233が設けられており、前記係合溝233に前記上部受け止め軸247の内方延在部位が係入されることによって、前記歩行動作補助装置100の上部及び前記第1大腿フレーム20(1)の意に反したユーザー幅方向への相対移動が防止されるようになっている。
次に、前記下部連結機構260について説明する。
図5〜図8に示すように、本実施の形態においては、前記駆動アーム150の先端部には、ユーザー前後方向に沿った回動軸205回り揺動可能とされた揺動部材200が設けられており、前記下部連結機構260は前記揺動部材200に設けられている。
図5〜図8に示すように、本実施の形態においては、前記駆動アーム150の先端部には、ユーザー前後方向に沿った回動軸205回り揺動可能とされた揺動部材200が設けられており、前記下部連結機構260は前記揺動部材200に設けられている。
斯かる構成を備えることにより、前記上部連結機構220及び前記中間連結機構250と前記下部連結機構260とのユーザー幅方向に関する相対位置を適宜調整することが可能となり、ユーザーの体格に応じてオーダーメイドされる種々の形状の長下肢装具1に適切な状態で前記歩行動作補助装置100を取り付けることが可能となる。
即ち、前記長下肢装具1は、ユーザーの体格に合わせてオーダーメイドされるものであり、前記第1下腿フレーム40(1)に対する前記第1大腿フレーム20(1)のユーザー幅方向W(図1参照)に関する傾斜角度及び/又は曲り形状は、長下肢装具1毎に相違する。
この点に関し、前記駆動アーム150の先端部に前記揺動部材200をユーザー幅方向揺動可能に連結させ、前記揺動部材200に前記下部連結機構260を設けることにより、前記第1下腿フレーム40(1)に対する前記第1大腿フレーム20(1)のユーザー幅方向Wに関する傾斜角度及び/又は曲り形状が異なる種々の長下肢装具1に対して、前記歩行動作補助装置100を適切に装着させることができる。
前記下部連結機構260は、前記上部連結機構220と実質的に同一構成を有している。
具体的には、図6に示すように、前記下部連結機構260は、ユーザー幅方向内方側へ延びるように前記揺動部材200に設けられた下部回動軸262と、前記下部回動軸262に軸線回り回動可能に支持された下部締結部材265とを備えている。
具体的には、図6に示すように、前記下部連結機構260は、ユーザー幅方向内方側へ延びるように前記揺動部材200に設けられた下部回動軸262と、前記下部回動軸262に軸線回り回動可能に支持された下部締結部材265とを備えている。
前記下部締結部材265は、前記下部回動軸262に支持された軸受部(図示せず)と、前記軸受部から径方向外方へ延在されたカム部(図示せず)とを有している。
前記カム部は、外周面と前記下部回動軸262の軸線との間の径方向距離が前記下部回動軸262の軸線回り一方側へ行くに従って長くなるように構成されている。
図6に示すように、前記下部連結機構260は、さらに、前記下部回動軸262との間に前記第1下腿フレーム40(1)が介在され得る距離だけ前記下部回動軸262からユーザー前後方向に離間された位置で前記揺動部材200に支持された下部受け止め部材286を備えている。
本実施の形態においては、前記下部連結機構260は、ユーザー幅方向内方側へ延びるように前記揺動部材200に設けられた下部受け止め軸287を備えており、前記下部受け止め軸287に支持された弾性ローラ288が前記下部止め部材286として作用している。
前記下部締結部材265が前記下部回動軸262回り解放位置に位置された状態においては、前記歩行動作補助装置100を前記長下肢装具1に近接させる方向へ移動させることにより前記下部締結部材265及び前記下部受け止め部材286の間のスペース内に前記第1下腿フレーム40(1)を位置させることができ且つ前記第1下腿フレーム40(1)が前記スペース内に位置されている状態において前記歩行動作補助装置100を前記長下肢装具1から離間させる方向へ移動させることにより前記スペースから前記第1下腿フレーム40(1)を退出させることができるようになっている。
さらに、前記スペース内に前記第1下腿フレーム40(1)が位置されている状態において前記下部締結部材265を前記下部回動軸262回りに解放位置から締結位置へ回動操作させると、前記カム部が前記下部受け止め部材286と共働して前記第1下腿フレーム40(1)をユーザー前後方向に関し狭持し、これにより、前記歩行動作補助装置100の下部が前記第1下腿フレーム40(1)に連結された状態が現出される。
図6に示すように、本実施の形態においては、前記下部締結部材265は、さらに前記軸受部から径方向外方へ延びる操作アーム270を有している。
前記操作アーム270は、自由端と前記下部回動軸262の軸線との間の径方向長さが、前記カム部269の径方向最外端と前記下部回動軸262の軸線との間の径方向長さよりも大となるように、構成されている。
斯かる構成により、前記操作アーム270を介して前記下部締結部材265を前記下部回動軸262回りに容易に回動させることを可能としつつ、前記第1下腿フレーム40(1)及び前記歩行動作補助装置100の下部に意に反した外力が付加した場合に、前記カム部を介して前記下部締結部材265が前記下部回動軸262回りに回動されて前記歩行動作補助装置100の下部及び前記第1下腿フレーム40(1)の連結状態が解除されることを有効に防止することができる。
また、図6に示すように、本実施の形態においては、前記下部締結部材265は、前記カム部269よりユーザー幅方向内方側において前記軸受部267から径方向外方へ延びる係合アーム272を有している。
前記係合アーム272は、前記下部締結部材265及び前記下部受け止め部材286の間のスペース内に位置されている状態の前記第1下腿フレーム40(1)より、ユーザー幅方向内方側に位置するように、前記下部締結部材265に備えられている。
前記係合アーム272には、前記下部締結部材265が前記下部回動軸262回りに解放位置から締結位置へ回動操作されて前記カム部が前記下部受け止め部材286と共働して前記第1下腿フレーム40(1)をユーザー前後方向に関し狭持している状態において、前記下部受け止め軸287のうち前記下部受け止め部材286よりユーザー幅方向内方側へ延在した部位に係合する係合溝273が設けられており、前記係合溝273に前記下部受け止め軸287の内方延在部位が係入されることによって、前記歩行動作補助装置100の下部及び前記第1下腿フレーム40(1)の意に反したユーザー幅方向への相対移動が防止されるようになっている。
ここで、本実施の形態に係る歩行動作補助装置100の制御構造について説明する。
本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、大腿位相角に基づいて歩行周期中の歩行状態を認識し、当該歩行状態に適した歩行補助力が付与されるように前記アクチュエータ(前記電動モータ130)の作動制御を行う。
本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、大腿位相角に基づいて歩行周期中の歩行状態を認識し、当該歩行状態に適した歩行補助力が付与されるように前記アクチュエータ(前記電動モータ130)の作動制御を行う。
前述の通り、前記歩行動作補助装置100においては、前記アクチュエータの駆動力は下腿に対する歩行補助力として下腿に付与される。
即ち、前記歩行動作補助装置100は、制御対象部位である下腿とは異なる大腿の動きを検出し、この大腿の動きに基づいて制御対象部位である下腿に対して歩行補助力を付与する前記アクチュエータの作動制御を行うように構成されている。
即ち、前記歩行動作補助装置100は、制御対象部位である下腿とは異なる大腿の動きを検出し、この大腿の動きに基づいて制御対象部位である下腿に対して歩行補助力を付与する前記アクチュエータの作動制御を行うように構成されている。
図9に、前記歩行動作補助装置100の制御ブロック図を示す。
図9に示すように、前記歩行動作補助装置100は、ユーザーの大腿の前後揺動角度である股関節角度に関連する角度関連信号を検出可能な大腿姿勢検出手段510と、前記角度関連信号に基づいて大腿位相角αを算出する大腿位相角算出手段550と、前記大腿位相角αに基づいて認識される歩行状態において出力すべきトルク値を算出する補助トルク算出手段570と、前記アクチュエータ(前記電動モータ130)の作動制御を司る作動制御手段580とを備えている。
図9に示すように、前記歩行動作補助装置100は、ユーザーの大腿の前後揺動角度である股関節角度に関連する角度関連信号を検出可能な大腿姿勢検出手段510と、前記角度関連信号に基づいて大腿位相角αを算出する大腿位相角算出手段550と、前記大腿位相角αに基づいて認識される歩行状態において出力すべきトルク値を算出する補助トルク算出手段570と、前記アクチュエータ(前記電動モータ130)の作動制御を司る作動制御手段580とを備えている。
図9に示すように、本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、大腿位相角αに基づき、当該大腿位相角αが一歩行周期中のどの歩行状態にあたるか(即ち、歩行周期に対する百分率で規定される周期歩行動作タイミング)を算出する歩行動作タイミング算出手段560を有しており、前記補助トルク算出手段570は、周期歩行動作タイミングに基づき、出力すべき補助力のトルク値を算出するように構成されている。
図5に示すように、本実施の形態に係る前記歩行動作補助装置100は制御装置500を備えている。
本実施の形態においては、図9に示すように、前記制御装置500が、前記大腿位相角算出手段550、前記歩行動作タイミング算出手段560、前記補助トルク算出手段570及び前記作動制御手段580として作用する。
本実施の形態においては、図9に示すように、前記制御装置500が、前記大腿位相角算出手段550、前記歩行動作タイミング算出手段560、前記補助トルク算出手段570及び前記作動制御手段580として作用する。
前記制御装置500は、前記大腿姿勢検出手段510や人為操作部材等から入力される信号に基づいて演算処理を実行する制御演算手段を含む演算部と、制御プログラムや制御データ等を記憶するROM,設定値等を電源を切っても失われない状態で保存し且つ前記設定値等が書き換え可能とされた不揮発性記憶手段及び前記演算部による演算中に生成されるデータを一時的に保持するRAM等を含む記憶部とを有するものとされる。
前記大腿姿勢検出手段510は、一歩行周期中において、予め定められた所定サンプリングタイミング毎に前記角度関連信号を検出する。
前記大腿姿勢検出手段510は、検出基準軸Zaに対する大腿の前後揺動角度(股関節角度)を直接又は間接的に検出し得る限り、ジャイロセンサ、加速度センサ、ロータリーエンコーダ等の種々の形態を有し得る。
本実施の形態に係る前記歩行動作補助装置100においては、前記大腿姿勢検出手段510は、大腿の前後揺動角速度を検出可能な3軸角速度センサ(ジャイロセンサ)511を有するものとされている。
図10(a)に、歩行時におけるユーザーの大腿及び下腿を含む脚部の股関節回りの動きを模式的に表す模式側面図を示す。
前記検出基準軸Zaは、例えば、ユーザーの体軸に沿った鉛直軸(図10(a)参照)とされる。
本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、3軸加速度センサ515を有しており、前記大腿位相角算出手段550は、静止時に前記3軸加速度センサ515によって検出される鉛直軸を前記検出基準軸Zaとして用いるように構成されている。
本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、3軸加速度センサ515を有しており、前記大腿位相角算出手段550は、静止時に前記3軸加速度センサ515によって検出される鉛直軸を前記検出基準軸Zaとして用いるように構成されている。
本実施の形態においては、前記大腿位相角算出手段550は、歩行時におけるユーザーの大腿及び下腿を含む脚部の股関節回りの動きを、図10(b)に示すような、先端部に所定質量mの質点Mが取り付けられた所定長さlの棒状剛体600が基端部を支点610として振り子動作する動きで近似し、この振り子動作の運動方程式に対して設計されたカルマンフィルタを用いて一のサンプリングタイミングkでの股関節角度及び股関節角速度を得るように構成されている。
なお、m及びlは、実験等によってユーザー毎に設定され、棒状剛体600の質量は0とする。
なお、m及びlは、実験等によってユーザー毎に設定され、棒状剛体600の質量は0とする。
ここで、ユーザーの歩行動作における大腿の揺動中心軸Zbが、前記検出基準軸Za(例えば、ユーザーの体軸に沿った鉛直軸)と一致している場合には、前記大腿姿勢検出手段510からの前記角度関連信号に基づいて、ユーザーの股関節角度及び股関節角速度を正確に知ることができる。
しかしながら、ユーザーの大腿の揺動中心軸Zbは、必ずしも前記検出基準軸Zaとは一致しない。
即ち、ユーザーによっては、大腿の揺動中心軸Zbが前記検出基準軸Zaに対して前後何れかの方向へ所定角度(揺動中心角θ0)だけ傾斜する場合がある。特に、脚の不自由な人や脳卒中等の為に麻痺を有する人がユーザーである場合にはその可能性が高くなり、さらに、前記揺動中心角θ0はユーザー毎に異なる。
即ち、ユーザーによっては、大腿の揺動中心軸Zbが前記検出基準軸Zaに対して前後何れかの方向へ所定角度(揺動中心角θ0)だけ傾斜する場合がある。特に、脚の不自由な人や脳卒中等の為に麻痺を有する人がユーザーである場合にはその可能性が高くなり、さらに、前記揺動中心角θ0はユーザー毎に異なる。
従って、前記大腿姿勢検出手段510からの前記角度関連信号をそのまま用いて股関節角度及び股関節角速度を得ると、前記揺動中心角θ0に起因する誤差が含まれることになる。
この点に関し、本実施の形態においては、ユーザーの大腿の揺動中心軸Zbが前記検出基準軸Zaに対して揺動中心角θ0だけ変位していることを考慮した状態で、カルマンフィルタを用いて一のサンプリングタイミングkでの股関節角度及び股関節角速度を推定するように構成されている。
詳しくは、前記質点Mを含む棒状剛体600が、検出基準軸Zaから揺動中心角θ0だけ変位した揺動中心軸Zbを揺動中心として振り子動作すると仮定する。この場合、前記質点Mの揺動軌跡に沿った円Qの接線方向の運動方程式は式(10)となる。
また、式(10)においては、sinθをθで近似している。
前記質点Mを含む棒状剛体600の揺動中心軸Zb(検出基準軸Zaから揺動中心角θ0だけ変位した軸)を揺動中心とした振動成分をφ(t)とすると、式(11)となる。
式(11)を式(10)に代入すると、揺動中心角を考慮した運動方程式である式(12)となる。
ここで、揺動中心角θ0は、ユーザー毎に決まる定数とも考えられるが、歩行周期に亘って若干の変動を行うとも考えられる。特に、脚の不自由な人や脳卒中等の為に麻痺を有する人がユーザーである場合には、揺動中心角θ0が変動する可能性が高い。
そこで、θ0(t)の変動が正規分布するものと仮定すると、式(13)と表すことができる。
そこで、θ0(t)の変動が正規分布するものと仮定すると、式(13)と表すことができる。
また、観測方程式は式(14)で表される。
ここで、揺動中心軸Zbを中心とした揺動角度φ(t)及び揺動角速度φドット(t)並びに揺動中心角θ0(t)をベクトルとしてまとめると、下記式(15)となる。
式(15)を用いて式(12)及び式(13)を書き直すと、式(16)となる。
式(16)及び式(14)をベクトルξ(t)(式15参照)を用いて書き換えると、式(17a)及び式(17b)となる。
但し、式(17a)及び式(17b)中のA、G、C及びγ(t)は以下の通りである。
式(17a)及び式(17b)を離散時間表現(サンプリングタイミングk)で表記すると、式(1a)及び式(1b)となる。
式(1a)及び式(1b)における[ ]内は、サンプリングタイミングを示している。
即ち、ξ[k+1]は、サンプリングタイミングk+1でのξの値を意味し、ξ[k]は、サンプリングタイミングkでのξの値を意味し、γ[k]は、サンプリングタイミングkでの未知外乱の値を意味し、β[k]は、サンプリングタイミングkでの観測雑音の値を意味している。
即ち、ξ[k+1]は、サンプリングタイミングk+1でのξの値を意味し、ξ[k]は、サンプリングタイミングkでのξの値を意味し、γ[k]は、サンプリングタイミングkでの未知外乱の値を意味し、β[k]は、サンプリングタイミングkでの観測雑音の値を意味している。
また、式(1a)中のF及びGdは、それぞれ、以下の通りである。
なお、式(1a)において、股関節に作用するユーザーの筋力トルクは未知量として、未知外乱γに含めている。
なお、式(1a)において、股関節に作用するユーザーの筋力トルクは未知量として、未知外乱γに含めている。
カルマンフィルタによる推定式は、式(2a)から式(2e)によって表される。
なお、なお、式(2a)〜式(2e)中の記号は以下の通りである。また、式中の右肩記号Tは行列の転置操作を表している。
ξハット[k|k]:サンプリングタイミングkでの事後推定値
ξハット[k|k-1]: サンプリングタイミングkでの事前推定値
K[k]:サンプリングタイミングkでのカルマンゲイン
P[k|k]:サンプリングタイミングkでの事後誤差共分散行列
P[k|k-1]:サンプリングタイミングkでの事前誤差共分散行列
y[k]:サンプリングタイミングkでの大腿姿勢検出手段の観測値(計測値)
C:観測行列
Q:未知外乱γの共分散行列
R:観測雑音βの共分散行列
I:単位行列
γ:未知外乱ベクトル
γφ:揺動角度成分に対する未知外乱
γθ:揺動中心角成分に対する未知外乱
ξハット[k|k]:サンプリングタイミングkでの事後推定値
ξハット[k|k-1]: サンプリングタイミングkでの事前推定値
K[k]:サンプリングタイミングkでのカルマンゲイン
P[k|k]:サンプリングタイミングkでの事後誤差共分散行列
P[k|k-1]:サンプリングタイミングkでの事前誤差共分散行列
y[k]:サンプリングタイミングkでの大腿姿勢検出手段の観測値(計測値)
C:観測行列
Q:未知外乱γの共分散行列
R:観測雑音βの共分散行列
I:単位行列
γ:未知外乱ベクトル
γφ:揺動角度成分に対する未知外乱
γθ:揺動中心角成分に対する未知外乱
前記大腿位相角算出手段550は、サンプリングタイミング毎に、推定誤差及び観測誤差の大きさに応じてカルマンゲインを算出する。
即ち、前記大腿位相角算出手段550は、サンプリングタイミング毎に、推定誤差及び観測誤差の共分散を最小とする値を式(2c)、式(2d)および式(2e)により算出し、この値をそのサンプリングタイミングでのカルマンゲインK[k]として用いる。
即ち、前記大腿位相角算出手段550は、サンプリングタイミング毎に、推定誤差及び観測誤差の共分散を最小とする値を式(2c)、式(2d)および式(2e)により算出し、この値をそのサンプリングタイミングでのカルマンゲインK[k]として用いる。
なお、前記カルマンフィルタは、式(2a)〜式(2e)によって、揺動中心軸を揺動中心とした推定揺動角度と推定揺動角速度を算出する。その際、サンプリングタイミングkにおけるカルマンゲインK[k]は、毎サンプリングタイミングにおいて式(2c)〜式(2e)によって計算されるが、サンプリングタイミング毎にカルマンゲインK[k]を算出する代わりに、下記式(18a)及び式(18b)によって簡易的に事前に計算された定常カルマンゲインの値Kによって代用することもできる。すなわち、K[k]=Kとして使用する。
P:定常誤差共分散行列
前記大腿位相角算出手段550は、サンプリングタイミングkにおいて算出した最適なカルマンゲインK[k]、又は、定常カルマンゲインK を知得した上で、一つ前のサンプリングタイミングk−1の時点において式(2a)によって算出しておいた一つ先のサンプリングタイミングの予測値を、サンプリングタイミングkでの事前推定値ξハット[k|k-1]として用い、式(2b)によって当該サンプリングタイミングkでの事後推定値ξハット[k|k]を算出する。
前記大腿位相角算出手段550は、事後推定値ξハット[k|k]に含まれる推定揺動角度φハット及び推定揺動角速度φドットハットをそれぞれ股関節角度及び股関節角速度として用いて、サンプリングタイミングkでの大腿位相角α(k)(=−Arctan(ξドットハット(k)/ξハット(k)+π)を算出する。
斯かる構成によれば、下記効果を得ることができる。
即ち、ジャイロセンサ等によって検出された股関節角度に対して微分処理及びローパス処理を実行することによって、一のサンプリングタイミングでの股関節角度及び股関節角速度を得て、この股関節角度及び股関節角速度に基づき大腿位相角を算出することも可能である(以下、比較構成という)。
即ち、ジャイロセンサ等によって検出された股関節角度に対して微分処理及びローパス処理を実行することによって、一のサンプリングタイミングでの股関節角度及び股関節角速度を得て、この股関節角度及び股関節角速度に基づき大腿位相角を算出することも可能である(以下、比較構成という)。
しかしながら、前記比較構成においては、微分処理によって雑音成分が強調されると共に、ローパス処理を行うことによる時間遅れも生じることになる。
これに対し、本実施の形態においては、前述の通り、歩行時におけるユーザーの脚部の動きを棒状剛体600の振り子動作で近似し、この振り子動作の運動方程式に対して設計されたカルマンフィルタを用いてサンプリングタイミングkにおいて揺動中心軸を基準とした推定揺動角度φハット及び推定揺動角速度φドットハットを得て、推定揺動角度φハット及び推定揺動角速度φドットハットをそれぞれ股関節角度及び股関節角速度として用いて大腿位相角αを算出しているので、微分処理に起因する雑音成分の強調、及び、ローパス処理に起因する時間遅れを有効に防止乃至は低減しつつ、大腿位相角αを得ることができる。
さらに、ユーザーの大腿の揺動中心が前記大腿姿勢検出手段の検出基準軸Zaから変位したことに起因する、大腿位相角αの誤差を有効に防止乃至は低減できる。
本実施の形態においては、前記大腿位相角算出手段550は、推定揺動角度φハットに基づく股関節角度及び推定揺動角速度φドットハットに基づく股関節角速度によって画される大腿動作状態を位相角平面上にプロットしてトラジェクトリ線図を作成するように構成されている。
図11に、推定揺動角度φハットに基づく股関節角度及び推定揺動角速度φドットハットに基づく股関節角速度によって画される大腿位相角α(歩行状態)を一歩行周期に亘ってプロットすることによって得られるトラジェクトリ線図を模式的に示す。
図11に示すように、股関節角度及び股関節角速度によって画される大腿位相角αは、一歩行周期において0〜2πの間で変化する。
詳しくは、大腿が揺動基準軸Zbより前方及び後方に位置されている状態の推定揺動角度(股関節角度)をそれぞれ「正」及び「負」とし、大腿が前方及び後方へ向けて揺動されている状態の推定揺動角速度(股関節角速度)をそれぞれ「正」及び「負」とした場合において、推定揺動角度(股関節角度)が「負」の方向に最大で且つ推定揺動角速度(股関節角速度)が「ゼロ」の状態の大腿位相角を0とすると、大腿が後方側へ最大揺動された状態(推定揺動角度(股関節角度)が「負」の方向に最大で且つ推定揺動角速度(股関節角速度)が「ゼロ」の状態、図11中のS(1))から、大腿が遊脚状態で相対的に前方側へ移動して揺動基準軸Zbと一致する状態(推定揺動角度(股関節角度)が「ゼロ」で且つ推定揺動角速度(股関節角速度)が「正」の方向に最大となる状態、図11中のS(2))までの期間(図11の歩行領域A1)においては、大腿位相角は0からπ/2へ変化する。
次いで、引き上げた遊脚状態の大腿が揺動基準軸Zbと一致している状態(推定揺動角度(股関節角度)が「ゼロ」で且つ推定揺動角速度(股関節角速度)が「正」の方向に最大となる状態)からさらに相対的に前方側へ最大揺動された状態(推定揺動角度(股関節角度)が「正」の方向に最大で且つ推定揺動角速度(股関節角速度)が「ゼロ」となる状態、図11中のS(3))までの期間(図11の歩行領域A2)においては、大腿位相角はπ/2からπへ変化する。
そして、遊脚状態の大腿が前方側へ最大揺動された状態(推定揺動角度(股関節角度)が「正」の方向に最大で且つ推定揺動角速度(股関節角速度)が「ゼロ」の状態、図11中のS(3))から、ヒールコンタクトを経て接地して立脚状態となり、当該立脚状態の大腿が相対的に後方側へ揺動されて揺動基準軸Zbと一致する状態(推定揺動角度(股関節角度)が「ゼロ」で且つ推定揺動角速度(股関節角速度)が「負」の方向に最大となる状態、図11中のS(4))までの期間(図11の歩行領域A3)においては、大腿位相角は位相角πから3π/2へ変化する。
さらに、立脚状態の大腿が揺動基準軸と一致する状態(推定揺動角度(股関節角度)が「ゼロ」で且つ推定揺動角速度(股関節角速度)が「負」の方向に最大となる状態、図11中のS(4))から相対的に後方側へ揺動されて後方側へ最大揺動された状態(推定揺動角度(股関節角度)が「負」の方向に最大で且つ推定揺動角速度(股関節角速度)が「ゼロ」となる状態、図11中のS(1))までの期間(図11の歩行領域A4)においては、大腿位相角は3π/2から2πへ変化する。
一歩行周期当たりに複数のサンプリングポイントが含まれるように前記大腿姿勢検出手段510のサンプリングタイミングが定められており、前記大腿位相角算出手段550は、サンプリングタイミング毎に大腿位相角φを算出する。
本実施の形態においては、前記大腿位相角算出手段550は、推定揺動角度(股関節角度)及び推定揺動角速度(股関節角速度)によって画されるトラジェクトリ線図上のプロット点S(k)のベクトル長(トラジェクトリ線図の原点(即ち、推定揺動角度(股関節角度)及び推定揺動角速度(股関節角速度)がゼロの点O)とプロット点S(k)との間の距離)が所定の閾値を越えているか否かを判断し、前記ベクトル長が所定の閾値を越えていると、推定揺動角度(股関節角度)及び推定揺動角速度(股関節角速度)に基づく大腿位相角を算出して、当該大腿位相角を前記歩行動作タイミング算出手段560に送信する。
これに対し、前記ベクトル長が所定の閾値以下の場合には、前記大腿位相角算出手段550は、アクチュエータ作動禁止信号を出力する。
斯かる構成を備えることにより、歩行動作が開始されていないにも拘わらず、前記歩行動作補助装置100が前記アクチュエータを作動させることを有効に防止することができる。
斯かる構成を備えることにより、歩行動作が開始されていないにも拘わらず、前記歩行動作補助装置100が前記アクチュエータを作動させることを有効に防止することができる。
即ち、前記歩行動作補助装置100を装着したユーザーが歩行動作を開始する前に、意に反して微少な範囲で姿勢変動を起こす場合がある。特に、ユーザーが片麻痺等を有する場合には、そのような事態が生じ易い。
前記大腿位相角算出手段550が前記構成を備えていれば、このような微少な姿勢変動はベクトル長の短いベクトルとして検出される。
従って、推定揺動角度(股関節角度)及び推定揺動角速度(股関節角速度)によって画されるベクトルV(k)(図11参照)のベクトル長が所定の閾値を越えている場合にのみ、歩行動作が行われていると判断することにより、歩行動作が開始されていないにも拘わらず、意に反して前記アクチュエータが作動することを有効に防止することができる。
従って、推定揺動角度(股関節角度)及び推定揺動角速度(股関節角速度)によって画されるベクトルV(k)(図11参照)のベクトル長が所定の閾値を越えている場合にのみ、歩行動作が行われていると判断することにより、歩行動作が開始されていないにも拘わらず、意に反して前記アクチュエータが作動することを有効に防止することができる。
前記歩行動作タイミング算出手段560は、前記大腿位相角算す津手段から送られてきた大腿位相角α(k)を、歩行周期に対する百分率で規定される周期歩行動作タイミングT(k)に変換するように構成されている。
前記周期歩行動作タイミングT(k)は、下記変換関数によって算出される。
T(k)=(α(k)/2π)×100(%)
T(k)=(α(k)/2π)×100(%)
前記補助トルク算出手段570は、周期歩行動作タイミングと出力すべきトルク値との関係を規定した出力トルクパターンを有しており、前記歩行動作タイミング算出手段560から送られてくる周期歩行動作タイミングを前記出力トルクパターンに適用して当該サンプリングタイミングS(k)において出力すべきトルク値f(k)を算出する。
前記出力トルクパターンはユーザー毎に作成され、予め、前記補助トルク算出手段570に記憶される。
前記出力トルクパターンはユーザー毎に作成され、予め、前記補助トルク算出手段570に記憶される。
前記作動制御手段580は、前記補助トルク算出手段570によって算出されたトルク値の補助力を出力するように、前記アクチュエータの作動制御を実行する。
次に、歩行動作に必要な歩行補助力について説明する。
図12に、一歩行周期中の歩行姿勢を時系列で表した模式図を示す。
図12に示すように、一歩行周期は、ユーザーの体軸(鉛直軸)より前方側で踵を接地させるヒールコンタクト時点を含むヒールコンタクト期(踏み出した足が接床する前後の期間)X1と、ヒールコンタクト後に当該ヒールコンタクトした脚を接地させた状態で後方側へ相対移動させる立脚期(接床した下腿が身体に対して相対的に後方に移動する期間)X2と、立脚期X2の終了時点から立脚していた脚の下腿を引き上げる遊脚期の初期段階X3aと、引き上げた下腿を前方側へ相対移動させて、ヒールコンタクトへ導く遊脚期の後期段階X3bとを含んでいる。
図12に、一歩行周期中の歩行姿勢を時系列で表した模式図を示す。
図12に示すように、一歩行周期は、ユーザーの体軸(鉛直軸)より前方側で踵を接地させるヒールコンタクト時点を含むヒールコンタクト期(踏み出した足が接床する前後の期間)X1と、ヒールコンタクト後に当該ヒールコンタクトした脚を接地させた状態で後方側へ相対移動させる立脚期(接床した下腿が身体に対して相対的に後方に移動する期間)X2と、立脚期X2の終了時点から立脚していた脚の下腿を引き上げる遊脚期の初期段階X3aと、引き上げた下腿を前方側へ相対移動させて、ヒールコンタクトへ導く遊脚期の後期段階X3bとを含んでいる。
歩行補助力には、下腿を大腿に対して伸展方向に押動する力と、下腿を大腿に対して屈曲方向へ押動する力とが含まれ、歩行周期中の動作タイミングに応じて必要な歩行補助力の方向が異なる。
例えば、前記ヒールコンタクト期X1及び立脚期X2においては、下腿を膝関節回り膝伸展方向へ回動させて膝折れを防止する伸展方向の歩行補助力が必要となる。
遊脚期の初期段階X3aにおいては、下腿を膝関節回り膝屈曲方向へ回動させて脚の引き上げを補助する屈曲方向の歩行補助力が必要となる。
また、前記遊脚期の後期段階X3bにおいては、下腿を膝関節回り膝伸展方向へ回動させる歩行補助力が必要となる。
遊脚期の初期段階X3aにおいては、下腿を膝関節回り膝屈曲方向へ回動させて脚の引き上げを補助する屈曲方向の歩行補助力が必要となる。
また、前記遊脚期の後期段階X3bにおいては、下腿を膝関節回り膝伸展方向へ回動させる歩行補助力が必要となる。
そして、前記4段階の何れの段階又は全ての段階において歩行補助力が必要か、及び/又は、必要な段階においてどの程度の大きさの歩行補助力が必要かは、ユーザー毎、及び/又は、ユーザーの回復程度に応じて異なる。
この点を踏まえて、ユーザー毎、及び、ユーザーの回復程度毎に応じて、前記出力トルクパターンが設定される。
この点を踏まえて、ユーザー毎、及び、ユーザーの回復程度毎に応じて、前記出力トルクパターンが設定される。
図13に、前記歩行動作補助装置100における前記制御装置500によるアクチュエータ作動制御モードのフローを示す。
起動信号入力に応じて前記制御装置500が前記アクチュエータ作動制御モードを起動する。
起動信号は、例えば、スタートボタン等の人為操作部材へのユーザーによる人為操作に応じて入力される。
起動信号は、例えば、スタートボタン等の人為操作部材へのユーザーによる人為操作に応じて入力される。
前記アクチュエータ作動制御モードが起動されると、前記大腿位相角検出手段550は、前記大腿姿勢検出手段510からの一のサンプリングタイミングkでの角度関連信号に基づき、当該一のサンプリングタイミングkでの測定股関節角度y[k]を入力する(ステップS11)。
前記大腿位相角検出手段550は、ユーザーの脚部の動きを棒状剛体600の振り子動作で近似し、振り子動作の運動方程式に応じて設計されたカルマンフィルタを用いて、サンプリングタイミングkでの揺動中心軸Zb回りの推定揺動角度φハット[k]及び推定揺動角速度φドットハット[k]を算出する(ステップS12)。
前記大腿位相角検出手段550は、推定揺動角度φハット[k]及び推定揺動角速度φドットハット[k]に基づきトラジェクトリ線図を作成し(ステップS13)、トラジェクトリ線図上のプロット点のベクトル長(プロット点と原点との距離)が閾値を越えているか否かを判断する(ステップS14)。
前記ステップS14がNOの場合、前記大腿位相角検出手段550は、歩行動作が開始されていないと判断して、アクチュエータ作動禁止信号を出力する(ステップ21)。
この場合、前記アクチュエータ作動制御モードは、ステップS11に戻る
この場合、前記アクチュエータ作動制御モードは、ステップS11に戻る
前記ステップS14がYESの場合には、前記大腿位相角検出手段550は、歩行動作が行われていると判断して、推定揺動角度φハット[k]及び推定揺動角速度φドットハット[k]をそれぞれ股関節角度及び股関節角速度として用いて大腿位相角α[k]を算出し、前記歩行動作タイミング算出手段560に送信する(ステップS15)。
前記歩行動作タイミング算出手段560は、前記大腿位相角検出手段550からの大腿位相角α[k]を、大腿位相角と周期歩行動作タイミングとの関係を規定した変換関数に適用して周期歩行動作タイミングT[k]を算出し、前記補助トルク算出手段570に送信する(ステップS16)。
前記補助トルク算出手段570は、前記歩行動作タイミング算出手段560からの周期歩行動作タイミングT[k]を、記憶する出力トルクパターンに適用して、このタイミング(サンプリングタイミングk)において前記アクチュエータが出力すべき歩行補助力の大きさ及び方向を取得し、前記作動制御手段580に送信する(ステップS17)。
前記作動制御手段580は、前記補助トルク算出手段570によって算出された大きさ及び方向の歩行補助力が出力されるように前記アクチュエータの作動制御を行う(ステップS18)。
ステップS19において、前記制御装置500は、前記アクチュエータ作動制御モードの終了信号が入力されているか否かを判断し、終了信号の入力が無い場合にはステップS11へ戻り、終了信号が入力された場合には当該制御モードを終了する。
なお、終了信号は例えば、終了ボタン等の人為操作部材へのユーザーによる人為操作に応じて入力される。
なお、終了信号は例えば、終了ボタン等の人為操作部材へのユーザーによる人為操作に応じて入力される。
なお、本実施の形態に係る歩行動作補助装置100は、大腿位相角αに基づいて歩行動作状態(歩行動作タイミング)を把握し、その歩行動作状態に適した歩行補助力を下腿に付与するように構成されているが、本発明は斯かる形態に限定されるものでは無く、大腿位相角φに基づいて把握された歩行動作状態に適した歩行補助力を大腿に付与するように構成することも可能である。
100 歩行動作補助装置
130 電動モータ(アクチュエータ)
10 大腿側装具
30 下腿側装具
500 制御装置
510 大腿姿勢検出手段
511 3軸角速度センサ
515 3軸加速度センサ
550 大腿位相角算出手段
560 歩行動作タイミング算出手段
570 補助トルク算出手段
580 作動制御手段
130 電動モータ(アクチュエータ)
10 大腿側装具
30 下腿側装具
500 制御装置
510 大腿姿勢検出手段
511 3軸角速度センサ
515 3軸加速度センサ
550 大腿位相角算出手段
560 歩行動作タイミング算出手段
570 補助トルク算出手段
580 作動制御手段
Claims (5)
- ユーザーの歩行動作に対して補助力を付与するアクチュエータと、サンプリングタイミング毎にユーザーの大腿の前後揺動角度である股関節角度に関連する股関節角度関連信号を検出する大腿姿勢検出手段と、一のサンプリングタイミングkでの大腿位相角を算出する大腿位相角算出手段と、大腿位相角と前記アクチュエータが出力すべきトルク値との関係が直接又は間接的に規定された出力パターンデータを有し、前記大腿位相角算出手段によって算出された大腿位相角及び前記出力パターンデータに基づいて前記一のサンプリングタイミングkにおいて出力すべきトルク値を算出する補助トルク算出手段と、前記補助トルク算出手段によって算出されたトルク値の補助力を出力するように前記アクチュエータの作動制御を司る作動制御手段とを備え、
前記大腿位相角算出手段は、歩行時におけるユーザーの大腿及び下腿を含む脚部の股関節回りの動きを、先端部に所定質量mの質点が取り付けられた所定長さlの棒状剛体が基端部を揺動支点として振り子動作する動きで近似し、前記質点の揺動軌跡に沿った円の接線方向における運動方程式に基づく式(1a)及び前記大腿姿勢検出手段から入力される股関節角度関連信号を観測値とする式(1b)とカルマンフィルタによる式(2a)〜(2e)とを用いて、前記大腿姿勢検出手段の検出基準軸に対して揺動中心角θ0だけ傾斜した軸を揺動中心軸とした前記棒状剛体の推定揺動角度及び推定揺動角速度をサンプリングタイミングk毎に算出し、前記推定揺動角度及び前記推定揺動角速度をそれぞれ股関節角度及び股関節角速度として用いてサンプリングタイミングkでの大腿位相角を算出するように構成されていることを特徴とする歩行動作補助装置。
θ0:揺動中心角
φ:揺動中心角θ0を中心とした揺動角度
φドット:揺動中心角θ0を中心とした揺動角速度
g:重力加速度
γ:未知外乱ベクトル
γφ:揺動角度成分に対する未知外乱
γθ:揺動中心角成分に対する未知外乱
β:観測雑音
ξハット[k|k]:サンプリングタイミングkでの事後推定値
ξハット[k|k-1]: サンプリングタイミングkでの事前推定値
K[k]:サンプリングタイミングkでのカルマンゲイン
P[k|k]:サンプリングタイミングkでの事後誤差共分散行列
P[k|k-1]:サンプリングタイミングkでの事前誤差共分散行列
y[k]:サンプリングタイミングkでの大腿姿勢検出手段の観測値(計測値)
C:観測行列
Q:未知外乱γの共分散行列
R:観測雑音βの共分散行列
I:単位行列 - 前記大腿姿勢検出手段は、前記股関節角度関連信号として大腿の股関節角速度を検出可能な3軸角速度センサを有していることを特徴とする請求項1に記載の歩行動作補助装置。
- 3軸加速度センサを備え、
前記大腿位相角算出手段は、静止時に前記3軸加速度センサによって検出される鉛直軸を前記検出基準軸として用いるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の歩行動作補助装置。 - 大腿位相角と歩行周期に対する百分率である周期歩行動作タイミングとの関係を規定した変換関数を有し、前記大腿位相角算出手段から送られてくる大腿位相角を前記変換関数に適用して周期歩行動作タイミングを算出する歩行動作タイミング算出手段を備え、
前記出力パターンデータは、周期歩行動作タイミング及び出力すべきトルク値の関係を規定しており、前記補助トルク算出手段は、前記歩行動作タイミング算出手段から送られてくる周期歩行動作タイミングを前記出力トルクパターンに適用してサンプリングタイミングに応じたトルク値を算出することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の歩行動作補助装置。 - 前記アクチュエータとして作用する電動モータと、前記電動モータを収容するケーシングと、前記電動モータの出力軸から伝動機構を介して作動的に伝達される回転動力によって駆動側枢支軸線回りに回転駆動される駆動アームと、ユーザーの大腿に装着される大腿装着体、前記大腿装着体を支持した状態で略上下方向に延びる大腿フレーム、ユーザーの下腿に装着される下腿装着体及び前記下腿装着体を支持した状態で略上下方向に延びる下腿フレームを含み、前記下腿フレームが前記大腿フレームに対してユーザーの膝関節と同軸上の装具側枢支軸線回りに揺動可能とされている長下肢装具における前記大腿フレームに、前記ケーシングの上部を連結させる上部連結機構と、前記駆動アームの先端部を前記下腿フレームに作動的に連結させる下部連結機構と、駆動側枢支軸線を装具側枢支軸線に一致させる中間連結機構とを備え、
前記中間連結機構は、装具側枢支軸線上においてユーザー幅方向外方へ延びるように前記長下肢装具に設けられたボールスタッドと、駆動側枢支軸線上において前記長下肢装具の側に開くように前記駆動アームに設けられ、前記ボールスタッドが係入可能とされた収容凹部とを有していることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の歩行動作補助装置。
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Legal Events
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