以下、本発明に係る歩行動作補助装置の一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2に、それぞれ、本実施の形態に係る歩行動作補助装置1の斜視図及び部分正面図を示す。
また、図3及び図4に、それぞれ、前記歩行動作補助装置1の幅方向外方側及び内方側から視た部分分解斜視図を示す。
前記歩行動作補助装置1は、脚の不自由な人や脳卒中等の為に片麻痺を有するユーザーが歩行補助の為、又は、リハビリテーションの為に装着する器具であり、付設されるアクチュエータユニット100によって歩行補助力を付与し得るように構成されている。
本実施の形態に係る歩行動作補助装置1は、前記アクチュエータユニット100による歩行補助力を下腿に付与し得るように構成されている。
詳しくは、図1〜図4に示すように、前記歩行動作補助装置1は、ユーザーの大腿に装着される大腿側装具10と、ユーザーの下腿に装着された下腿側装具30と、前記大腿側装具10に装着され、前記下腿側装具30に対して膝関節回りの補助力を付与可能なアクチュエータユニット100とを備えている。
本実施の形態においては、前記大腿側装具10は、ユーザーの大腿に装着される大腿装着体15と、前記大腿装着体15に連結された大腿フレーム20とを有している。
前記大腿装着体15は、ユーザーの大腿に装着可能とされる限り種々の形態を取り得る。
本実施の形態においては、図1に示すように、前記大腿装着体15は、ユーザーの大腿が挿入可能で且つ大腿にフィットするような大きさの装着孔を有する筒状とされている。
図1〜図4に示すように、前記大腿フレーム20は、ユーザーの幅方向外方側においてユーザーの大腿に沿って上下に延びる第1大腿フレーム20(1)を有している。
本実施の形態においては、図1〜図4に示すように、前記大腿フレーム20は、さらに、前記大腿装着体10に挿入されたユーザーの大腿を挟んで前記第1大腿フレーム20(1)と対向するようにユーザーの幅方向内方側においてユーザーの大腿に沿って上下に延びる第2大腿フレーム20(2)を有している。
本実施の形態においては、前記下腿側装具30は、ユーザーの下腿に装着される下腿装着体35と、前記下腿装着体35に連結された下腿フレーム40とを有している。
前記下腿装着体35は、ユーザーの下腿に装着可能とされる限り種々の形態を取り得る。
本実施の形態においては、図1に示すように、前記下腿装着体35は、ユーザーの下腿が挿入可能で且つ下腿にフィットするような大きさの装着孔を有する筒状とされている。
図1〜図4に示すように、前記下腿フレーム40は、ユーザーの幅方向外方側においてユーザーの下腿に沿って上下に延びる第1下腿フレーム40(1)を有している。
本実施の形態においては、図1〜図4に示すように、前記下腿フレーム40は、さらに、前記下腿装着体30に挿入されたユーザーの下腿を挟んで前記第1下腿フレーム40(1)と対向するようにユーザーの幅方向内方側においてユーザーの下腿に沿って上下に延びる第2下腿フレーム40(2)を有している。
本実施の形態においては、前記下腿側装具30は、さらに、ユーザーが足を載置する足装着体65と、前記足装着体65を支持し且つ前記下腿フレーム40に連結される足フレーム60とを有している。
前記下腿側装具30は、前記大腿側装具10に対してユーザーの膝関節回り回動可能に連結されている。
即ち、前記下腿フレーム40が前記大腿フレーム20に対してユーザーの膝関節の揺動軸線X回り回動可能に連結されている。
前述の通り、本実施の形態においては、前記大腿フレーム20は前記第1及び第2大腿フレーム20(1)、20(2)を有し、前記下腿フレーム40は第1及び第2下腿フレーム40(1)、40(2)を有している。
従って、前記第1下腿フレーム40(1)が前記第1大腿フレーム20(1)に揺動軸線X回り回動可能に連結され、前記第2下腿フレーム40(2)が前記第2大腿フレーム20(2)に揺動軸線X回り回動可能に連結されている。
図5に、前記大腿フレーム20及び前記下腿フレーム40の分解斜視図を示す。
図5に示すように、前記大腿フレーム20は、上下方向に延びる大腿フレーム本体21と、前記大腿フレーム本体21の下端部を挟むように当該大腿フレーム本体21にピン連結又は溶接等によって固着された一対の連結片22a、22bとを有している。
前記一対の連結片22a、22bは、前記大腿フレーム本体21よりユーザーの脚から離間する側に位置する外側連結片22aと、前記大腿フレーム本体21よりユーザーの脚に近接する側に位置する内側連結片22bとを有している。
前記下腿フレーム40は、前記一対の連結片22a、22bの間に介挿された状態で前記揺動軸線X回り回動可能に前記一対の連結片22a、22bに連結されている。
詳しくは、前記一対の連結片22a、22b及び前記下腿フレーム40の上部には前記揺動軸線Xと同軸上においてユーザー幅方向に沿った取付孔23、43が形成されている。
前記アクチュエータユニット100が装着される側(ユーザーの対応する脚よりユーザー幅方向外方側)に位置する、前記第1大腿フレーム20(1)及び前記第1下腿フレーム40(1)は、第1回動連結具50(1)を介して前記揺動軸線X回り回動可能に連結されている。
前記第1回動連結具50(1)は、前記取付孔23、43内において互いに対して分離可能に連結される第1雌ネジ部材51(1)及び第1雄ネジ部材55(1)を有している。
前記第1雌ネジ部材51(1)は、前記内側連結片22bの側から前記取付孔23に挿入される筒部52と、前記取付孔23よりユーザーの脚に近接する位置において前記筒部52から径方向外方へ延在されるフランジ部53とを有しており、前記筒部52には自由端側に開くネジ穴が形成されている。
前記第1雄ネジ部材55(1)は、前記外側連結片22aの側から前記取付孔23内に挿入される筒部56と、前記取付孔23よりユーザーの脚から離間する位置において前記筒部56から延在された係合凸部57とを有している。
前記第1雄ネジ部材55(1)の筒部56には、前記取付孔23、43内において前記第1雌ネジ部材51(1)の前記ネジ穴に螺入される雄ネジが形成されている。
前記第1雄ネジ部材55(1)に形成された雄ネジ及び前記第1雌ネジ部材51(1)の雌ネジを、前記取付孔23、43内で螺入させることによって、前記第1下腿フレーム40(1)が前記第1大腿フレーム20(1)に対して揺動可能に連結される。
ユーザーの対応する脚よりユーザー幅方向内方側に位置する、前記第2大腿フレーム20(2)及び前記第2下腿フレーム40(2)は、第2回動連結具50(2)を介して前記揺動軸線X回り回動可能に連結されている。
前記第2回動連結具50(2)は、前記取付孔内23、43において互いに対して分離可能に連結される第2雌ネジ部材51(2)及び第2雄ネジ部材55(2)を有している。
前記第2雌ネジ部材51(2)は、前記第1雌ネジ部材51(1)と同一構成を有している。
前記第2雄ネジ部材55(2)は、前記外側連結片22aの側から前記取付孔23内に挿入される筒部56と、前記取付孔23よりユーザー幅方向内方側において前記筒部56から径方向外方へ延在されたフランジ部58とを有している。
前記第2雄ネジ部材55(2)の筒部56には、前記取付孔23、43内において前記第2雌ネジ部材51(2)の前記ネジ穴に螺入される雄ネジが形成されている。
前記第2雄ネジ部材55(2)に形成された雄ネジ及び前記第2雌ネジ部材51(2)の雌ネジを、前記取付孔23、43内で螺入させることによって、前記第2下腿フレーム40(2)が前記第2大腿フレーム20(2)に対して揺動可能に連結される。
なお、図5の符号53aは、前記フランジ部53に設けられた径方向外方突起であり、前記内側連結片22bに形成された凹部に係合することで、前記雌ねじ部材51が前記内側連結片22b(即ち、前記大腿フレーム20)に対して軸線回り相対回転不能に保持されるようになっている。
本実施の形態においては、前記歩行動作補助装置1は、図1〜図4に示すように、さらに、前記下腿フレーム40の前記大腿フレーム20に対する揺動軸線X回りの回動を禁止する為のロック部材70を有している。
前記ロック部材70は、前記大腿フレーム20及び前記下腿フレーム40を囲繞して両フレーム20、40を連結し、前記下腿フレーム40が前記大腿フレーム20に対して前記揺動軸線X回りに相対回転することを防止するロック状態示す状態(図1〜図4に示す状態)と、前記大腿フレーム20及び前記下腿フレーム40の連結を解除し、前記下腿フレーム40が前記大腿フレーム20に対して前記揺動軸線X回りに相対回転することを許容する解除状態とを取り得るように構成されている。
なお、本実施の形態においては、前記ロック部材70は、前記第1大腿フレーム20(1)及び前記第1下腿フレーム40(1)に作用するユーザー幅方向外側に位置する第1ロック部材70(1)と、前記第2大腿フレーム20(2)及び前記第2下腿フレーム40(2)に作用するユーザー幅方向内側に位置する第2ロック部材70(2)とを有している。
また、本実施の形態においては、図5に示すように、前記下腿フレーム40の上端面45(前記大腿フレーム20に対向する端面)は前記揺動軸線X回り一方側から他方側へ行くに従って前記揺動軸線Xからの径方向距離が増大するような傾斜面とされており、前記大腿フレーム20の下端面25(前記下腿フレーム40に対向する端面)は前記下腿フレーム40の上端面45に対応した傾斜面とされている。
斯かる構成により、前記下腿フレーム40は、前記大腿フレーム20に対して前記揺動軸線X回り一方側(ユーザーの下腿が大腿に対して屈曲する方向)へのみ回動が許容され、他方側へは、下腿が大腿に対して伸展することを許容しつつそれ以上は回動しないようになっている。
図6に、前記アクチュエータユニット100の部分縦断面図を示す。
図1〜図4及び図6に示すように、前記アクチュエータユニット100は、上部フレーム120と、前記上部フレーム120に枢支軸線Y回り回動可能に連結された下部フレーム340と、前記下部フレーム340を枢支軸線Y回りに回動させる為の駆動力を発生する電動モータ等の駆動体110と、前記上部フレーム340を前記大腿フレーム20に連結させる上部連結体360と、前記枢支軸線Yを前記揺動軸線Xと同軸上に位置させる回動中心連結体180と、下部連結体370とを備えている。
前記上部フレーム120及び前記下部フレーム340には、それぞれ、前記枢支軸線Yと同軸上に配置された上部フレーム取付孔120a及び下部フレーム取付孔140aが設けられている。
前記下部フレーム取付孔140aには回動連結軸151が固着されており、前記回動連結軸151が軸受部材155を介して前記上部フレーム取付孔120aに軸線回り回動可能に支持されており、これにより、前記下部フレーム340が前記上部フレーム120に前記枢支軸線Y回り回動可能に連結されている。
前記駆動体110は、電動モータ等の駆動源111と、前記駆動源111によって発生された駆動力を前記下部フレーム340に伝達する伝動機構115とを有している。
前記駆動源111は前記上部フレーム120の外側面に固着されている。
本実施の形態においては、図6に示すように、前記駆動源111は、出力軸111aが下方へ延在された状態で前記上部フレーム120の外側面に固着されている。
本実施の形態においては、図6に示すように、前記伝動機構115は、前記出力軸111aに相対回転不能に支持された駆動側ベベルギヤ116と、前記枢支軸線Y回りに前記下部フレーム340と一体的に回転するように前記下部フレーム340に連結された状態で前記駆動側ベベルギヤ116に噛合された従動側ベベルギヤ117とを備えている。
なお、前記アクチュエータユニット100は、前記回動連結軸151の軸線回りの回転角度を検出するセンサ(図示せず)を有することができ、前記センサによって前記回動連結軸151の軸線回りの回転角度を検出して、前記下部フレーム340の前記枢支軸線Y回りの揺動角度を認識することができる。
図3及び図4に示すように、前記上部連結体360は、枢支軸線Yに平行で且つユーザー幅方向外方(前記上部フレーム120の方向)に開くように前記第1大腿フレーム20(1)に設けられた係合孔361と、前記係合孔361に係合可能なように前記上部フレーム120に設けられた係合ピン362とを有している。
本実施の形態においては、前記上部連結体360には、ロック機構が備えられている。
前記ロック機構は、図4に示すように、前記係合ピン362の外表面から径方向に沿って進退自在とされ、前記係合ピンの外表面から径方向外方へ突出された係合位置及び前記係合ピン内に退避された解除位置を取り得る凸部366と、前記凸部366を係合位置へ向けて付勢する付勢部材(図示せず)と、前記係合ピン362が前記係合孔361に係入された状態において前記凸部366と係合するように前記係合孔に設けられた凹部(図示せず)と、外部からの人為操作に応じて前記付勢部材の付勢力に抗して前記凸部366を解除位置へ押動する解除操作部367とを有している。
図4及び図6に示すように、前記回動中心連結体180は、前記揺動軸線Xと同軸上に位置するように前記第1大腿フレーム20(1)又は前記第1下腿フレーム40(1)に設けられた装具側回動中心連結部材と、前記枢支軸線Yと同軸上に位置するように前記上部フレーム120又は前記下部フレーム340に設けられたアクチュエータ側回動中心連結部材185とを有している。
本実施の形態においては、前記第1回動連結具50(1)における前記係合凸部27が前記装具側回動中心連結部材として作用する。
前記アクチュエータ側回動中心連結部材185は、前記装具側回動中心連結部材(本実施の形態においては前記係合凸部57)に着脱可能に凹凸係合するアクチュエータ側凹凸係合部185aを有している。
本実施の形態においては、図6に示すように、前記上部フレーム120に、前記装具側回動中心連結部材(本実施の形態においては前記係合凸部57)が着脱可能且つ軸線回り回動可能に係入される係合凹部が形成されており、前記係合凹部が前記アクチュエータ側凹凸係合部185aとして作用する。
図3、図4及び図6に示すように、前記下部連結体370は、前記下部フレーム340が前記上部フレーム120に対して枢支軸線Y回りに回動する動きに応じて前記第1下腿フレーム40(1)が前記第1大腿フレーム20(1)に対して揺動軸線X回りに回動するように、前記下部フレーム340を前記第1下腿フレーム40(1)に連結させる。
詳しくは、図6に示すように、前記下部フレーム340は、前記回動連結軸151を介して前記上部フレーム120に枢支軸線Y回り回動可能に連結される基端部341と、前記基端部341から前記第1下腿フレーム40(1)に近接する側へ延びる先端部345とを有している。
図6等に示すように、本実施の形態においては、前記基端部341は、前記従動側ベベルギヤ117を枢支軸線Y回りに一体回転するように支持しており、これにより、前記駆動体110からの回転動力によって前記従動側ベベルギヤ117及び前記基端部341が枢支軸線Y回りに一体回動する。
本実施の形態においては、前記基端部341は略垂直に沿った平板状とされている。
図4及び図6に示すように、前記先端部345は、先端面346が前記第1下腿フレーム40(1)におけるユーザー幅方向外方を向く外側面と対向する対向面を形成している。
前記先端面346は、前記第1下腿フレーム40(1)の幅方向(即ち、ユーザー前後方向)に対応した幅方向Dに関し所定長さを有している。
本実施の形態においては、前記先端部345は略水平に沿った平板状とされており、先端面346は略矩形とされている。
図4及び図6に示すように、前記下部連結体370は、前記先端部345に形成された支持孔371と、前記支持孔371に進退自在に収容された係合ピン372と、前記係合ピン372を付勢する付勢ばね373と、前記先端部345に設けられた係合アーム375とを有している。
前記支持孔371は、前記対向面の幅方向中間領域において前記対向面に開き且つ前記第1下腿フレーム40(1)の外側面に対して略直交する方向に延びている。
前記係合ピン372は、先端が前記対向面から突出された突出位置及び前記突出位置より前記第1下腿フレーム40(1)から離間するように前記支持孔371に入り込んだ退避位置を取り得るように、前記支持孔371に軸線方向移動可能に収容されている。
前記付勢ばね373は、前記係合ピン371を突出位置へ向けて付勢する。
本実施の形態においては、前記付勢ばね373は、前記係合ピン371の基端部と前記支持孔371の底面との間に介挿されている。
詳しくは、本実施の形態においては、前記支持孔371は、一端側が前記対向面に開き且つ他端側が前記対向面とは反対側の裏面に開くように前記先端部345に形成されており、前記支持孔371の他端側は前記先端部345の裏面に固着される閉塞プレート348によって閉じられている。この場合、前記閉塞プレート348が前記支持孔371の底面を形成する。
前記係合アーム375は、前記対向面から前記第1下腿フレーム40(1)に近接する側へ枢支軸線Yに沿って延びる軸方向延在部376を有している。
前記軸方向延在部376は、前記第1下腿フレーム40(1)が前記下部フレーム340の幅方向に関し前記軸方向延在部376及び前記係合ピン372の間に配置可能なように、前記係合ピン372との間の幅方向離間距離が設定されている。
即ち、前記第1下腿フレーム40(1)がユーザー前後方向に関し前記係合ピン372及び前記軸方向延在部376の間に位置し得るように、前記係合ピン372及び前記軸方向延在部376の間の幅方向離間距離が前記第1下腿フレーム40(1)の幅よりも大とされている。
ここで、前記下部連結体370による前記下部フレーム340の前記第1下腿フレーム40(1)への装着動作について説明する。
図7に、図2におけるVII-VII線に沿った端面図を示す。
前記下部フレーム340を前記第1下腿フレーム40(1)に前記下部連結体370によって連結させる際には、まず、前記係合ピン372を前記付勢ばね373の付勢力に抗して退避位置に位置させつつ、前記第1下腿フレーム40(1)が枢支軸線Yに沿った方向に関し前記軸方向延在部376と重合する位置まで前記アクチュエータユニット100を枢支軸線Y方向に相対移動させる。
この際、好ましくは、前記係合ピン372の退避位置への移動を前記第1下腿フレーム40(1)の外側面を介して行うことができる。
即ち、前記第1下腿フレーム40(1)の外側面を前記係合ピン372に当接させた状態で前記係合ピン372が突出位置から退避位置へ移動するように、前記アクチュエータユニット100を前記第1下腿フレーム40(1)に対して近接方向へ相対移動させることができる。
この状態を図7に破線で示す。
図7において破線で示された状態から、前記下部フレーム340を枢支軸線Y回り連結方向(図7においては時計回り方向)に回動させると、前記係合ピン372と前記第1下腿フレーム40(1)との当接が解除されて、前記係合ピン372が前記付勢ばね373の付勢力によって退避位置から突出位置に位置される。
これにより、前記第1下腿フレーム40(1)は、前記下部フレーム340の幅方向(ユーザー前後方向)に関し前記係合ピン372及び前記軸方向延在部376によって挟まれることになり(図7の実線参照)、前記下部フレーム340が前記第1下腿フレーム40(1)に対してフレーム長手方向へは相対移動可能な状態で、前記下部フレーム340の前記上部フレーム120に対する前記枢支軸線Y回りの回動動作に連動して前記第1下腿フレーム40(1)を前記大腿フレーム20に対して前記揺動軸線X回りに回動させる連動状態が現出される。
なお、装着時とは逆の操作を行うことによって、前記下部連結体370によって前記第1下腿フレーム40(1)に連結されている前記下部フレーム340を取り外すことができる。
即ち、前記下部連結体370によって前記下部フレーム340が前記第1下腿フレーム40(1)に連結されている際には、前記係合ピン372は前記付勢ばね373の付勢力によって突出位置に位置されている。
この突出位置の前記係合ピン372を人為操作力によって前記付勢ばね373の付勢力に抗して退避位置まで押動しつつ、前記下部フレーム340を枢支軸線Y回り解除方向(図7においては反時計回り方向)に回動させて、前記係合ピン372の先端部が前記第1下腿フレーム40(1)の外側面に当接する状態(図7の破線の状態)を現出させる。
その後に、前記第1下腿フレーム40(1)及び前記下部フレーム340を互いに対して離間する方向へ相対移動させることによって、前記下部フレーム340を前記第1下腿フレーム40(1)から取り外すことができる。
好ましくは、前記係合アーム375は、前記軸方向延在部376から前記対向面の幅方向Wに関し前記係合ピン372に近接する方向へ延び、前記下部フレーム340が前記第1下腿フレーム40(1)に連結された状態において前記第1下腿フレーム40(1)の内側面(ユーザー幅方向に関し内側を向く側面)と対向する幅方向延在部377を含むものとされる。
前記幅方向延在部377は、前記第1下腿フレーム40(1)が前記係合ピン372、前記対向面を形成する前記先端面346、前記軸方向延在部376及び前記幅方向延在部377によって囲まれる保持空間370S(図4参照)内に配置可能なように、前記先端面346との間の軸方向離間距離が前記第1下腿フレーム40(1)の厚みよりも大となるように構成される。
前記係合アーム375に前記幅方向延在部377を備えることによって、前記下部フレーム340が前記下部連結体370によって前記第1下腿フレーム40(1)に連結されている状態において、前記下部フレーム340及び前記第1下腿フレーム40(1)が枢支軸線Y方向に沿って離間する方向へ相対移動することを有効に防止することができ、これにより、前記下部フレーム340が意に反して前記第1下腿フレーム40(1)から脱離することを有効に防止することができる。
本実施の形態においては、前記係合アーム375は、前記対向面の幅方向一方側及び他方側にそれぞれ設けられた第1及び第2係合アーム375(1)、375(2)を有しており、図7の破線で示す状態から前記下部フレーム340を枢支軸線Y回りに何れの方向に回動させても、前記下部フレーム340を前記第1下腿フレーム40(1)に連結させ得るようになっている。
また、本実施の形態においては、図7に示すように、揺動軸線Xが前記第1下腿フレーム40(1)の幅方向(ユーザー前後方向)の中心に対して、前記第1下腿フレーム40(1)の幅方向(ユーザー前後方向)一方側に偏位されている。図7においては、揺動軸線Xは前記第1下腿フレーム40(1)の幅方向中心に対して、ユーザー前後方向に関し後方へ偏位されている。
このような場合には、前記係合ピン372を前記下部フレーム40の幅方向(ユーザー前後方向)の中央に配置させると共に、前記係合アーム375が、前記係合ピン372を挟んで前記下部フレーム40の幅方向一方側及び他方側(ユーザー前後方向に関し前方側及び後方側)に位置する前記第1及び第2係合アーム375(1)、375(2)を有するように構成することで、前記アクチュエータユニット100を歩行動作補助装置1の左足側及び右足側の何れにも装着させることができる。
即ち、前記歩行動作補助装置1の左足側に前記アクチュエータユニット100を装着させる場合には、前記係合ピン372と前記第1係合アーム375(1)とによって前記第1下腿フレーム40(1)を挟む一方、前記歩行動作補助装置1の右足側に前記アクチュエータユニット100を装着させる場合には、前記係合ピン372と前記第2係合アーム375(2)とによって前記第1下腿フレーム40(1)を挟むことができる。
なお、本実施の形態においては、図7に示すように、前記アクチュエータユニット100は、前記係合ピン372とユーザー前後方向に関し前方に位置する前記第1係合アーム375(1)とによって前記第1下腿フレーム40(1)を挟むように装着されているが、前記第1下腿フレーム40(1)を前記第1大腿フレーム20(1)に対して回動させる回動角度を広げたい場合には、前記アクチュエータユニット100を、前記係合ピン372とユーザー前後方向に関し後方に位置する前記第2係合アーム375(2)とによって前記第1下腿フレーム40(1)を挟むように装着させることができる。
即ち、前記係合ピン372とユーザー前後方向に関し前方に位置する前記第1係合アーム375(1)とによって前記第1下腿フレーム40(1)を挟むと、前記下部フレーム340の初期姿勢(前記アクチュエータユニット100を装着した状態でユーザーが略直立姿勢と取る際の前記下部フレーム340の姿勢であり、図7の実線で示す姿勢)が、ユーザー幅方向内方から視た際に、水平姿勢(図7の破線で示す姿勢)から枢支軸線Y回りに時計回り方向へ所定角度αだけ回転された姿勢をとることになる。
ここで、前記アクチュエータユニット100付きの歩行動作補助装置1をユーザーが左脚に装着して歩行する際の左脚の動きを考えると、下腿が大腿に対して屈曲される動きを行う際には前記第1下腿フレーム40(1)はユーザー幅方向内方から視た状態において前記第1大腿フレーム20(1)に対して時計回り方向へ回動することになる。
従って、前記アクチュエータユニット100を前記歩行動作補助装置1に装着させた状態の初期姿勢において、ユーザー幅方向内方から視た際に、前記下部フレーム340が水平姿勢(図7の破線で示す姿勢)から枢支軸線Y回りに時計回り方向へ所定角度αだけ回転されているとすると、ユーザーが膝を曲げる動作をアシストすべく下腿を大腿に対して屈曲方向へ押動できる範囲、つまり、前記下部フレーム340を、ユーザー幅方向内方から視た際に枢支軸線Y回り時計回り方向へ回動できる回動範囲が、水平姿勢を基準にして前記所定角度α分だけ狭まることになる。
これに対し、前記係合ピン372とユーザー前後方向に関し後方に位置する前記第2係合アーム375(2)とによって前記第1下腿フレーム40(1)を挟むように、前記アクチュエータユニット100を装着させれば、前記下部フレーム340は、初期姿勢(ユーザーが略直立状態となる姿勢)において、ユーザー幅方向内方から視た際に、水平姿勢(図7の破線で示す姿勢)から枢支軸線Y回りに反時計回り方向へ所定角度αだけ回転された姿勢をとることになる。
従って、ユーザーの歩行動作をアシストすべく膝を曲げる方向へ押動力を付加できる範囲、つまり、前記下部フレーム340をユーザー幅方向内方から視た際に枢支軸線Y回り時計回り方向へ回動できる回動範囲を、水平姿勢を基準にして前記所定角度α分だけ広げることができる。
ここで、本実施の形態に係る歩行動作補助装置1の制御構造について説明する。
本実施の形態に係る歩行動作補助装置1は、大腿位相角に基づいて歩行周期中の歩行状態を認識し、当該歩行状態に適した歩行補助力が付与されるように前記アクチュエータユニット100の作動制御を行う。
前述の通り、本実施の形態においては、前記アクチュエータユニット100は下腿に対して歩行補助力を付与する。
即ち、本実施の形態に係る歩行動作補助装置1は、制御対象部位である下腿とは異なる大腿の動きを検出し、この大腿の動きに基づいて制御対象部位である下腿に対して歩行補助力を付与する前記アクチュエータユニット100の作動制御を行うように構成されている。
具体的には、前記歩行動作補助装置1は、ユーザーの大腿の前後揺動角度である股関節角度に関連する角度関連信号を検出可能な大腿姿勢検出手段510と、前記角度関連信号に基づいて大腿位相角を算出する大腿位相角算出手段550(下記図8参照)と、前記大腿位相角を歩行周期中の歩行状態(歩行動作タイミング)に変換する歩行動作タイミング算出手段560(図8参照)と、前記歩行動作タイミングにおいて出力すべきトルク値を算出する補助トルク算出手段570(図8参照)と、前記アクチュエータユニット100(前記駆動体110)の作動制御を司る作動制御手段580(図8参照)とを備えている。
図1に示すように、本実施の形態に係る前記歩行動作補助装置1は制御装置500を備えている。
図8に、前記制御装置500のブロック図を示す。
図8に示すように、本実施の形態においては、前記制御装置500が、前記大腿位相角算出手段550、前記歩行動作タイミング算出手段560、前記補助トルク算出手段570及び前記作動制御手段580として作用する。
前記制御装置500は、前記大腿姿勢検出手段510や人為操作部材等から入力される信号に基づいて演算処理を実行する制御演算手段を含む演算部と、制御プログラムや制御データ等を記憶するROM,設定値等を電源を切っても失われない状態で保存し且つ前記設定値等が書き換え可能とされた不揮発性記憶手段及び前記演算部による演算中に生成されるデータを一時的に保持するRAM等を含む記憶部とを有するものとされる。
前記大腿姿勢検出手段510は、一歩行周期中において、予め定められた所定サンプリングタイミング毎に前記角度関連信号を検出する。
前記大腿姿勢検出手段510は、大腿の前後揺動角度(股関節角度)を直接又は間接的に検出し得る限り、ジャイロセンサ、加速度センサ、ロータリーエンコーダ等の種々の形態を有し得る。
例えば、前記大腿姿勢検出手段510が加速度センサのみを有するように構成することも可能であり、この場合には、股関節角度を算出することなく、前記加速度センサの加速度(もしくは位置)と速度から歩行中の大腿位相角を算出することができる。
なお、本実施の形態に係る前記歩行動作補助装置1においては、前記大腿姿勢検出手段510は、大腿の前後揺動角速度を検出可能な3軸角速度センサ(ジャイロセンサ)511(下記図8参照)を有するものとされており、前記大腿位相角算出手段550が、前記3軸角速度センサ511によって検出される大腿の角速度を積分することで、大腿の前後揺動角度である股関節角度を算出するように構成されている。
なお、本実施の形態に係る歩行動作補助装置1は、3軸加速度センサ515を有しており、前記大腿位相角算出手段550は、静止時に前記3軸加速度センサ515によって検出される鉛直軸を基準とした股関節角度(大腿の前後揺動角度)を算出するように構成されている。
これに代えて、前記3軸加速度センサ515を有さないように構成することも可能である。
この場合には、前記大腿位相角算出手段550によって算出される股関節角度(大腿の前後揺動角度)は、前記歩行動作補助装置1の主電源がオンされた時点を基準とした大腿前後揺動角度となる。
従って、この場合には、前記大腿位相角算出手段550は、ハイパスフィルターを用いて股関節角度(大腿の前後揺動角度)の基準が、その大腿前後揺動角度の中央値となるように補正することができる。
若しくは、前記大腿位相角算出手段550は、ハイパスフィルターを用いる代わりに、算出した股関節角度(大腿の前後揺動角度)の正方向最大値と負方向最大値との偏差を検出し、前記偏差に基づき股関節角度(大腿の前後揺動角度)の基準が、その大腿前後揺動角度の中央値となるように補正することができる。
ロータリーエンコーダによって体軸に対する大腿の前後揺動角度を検出し、この検出値を股関節角度として用いることも可能であるが、本実施の形態においては、前記3軸角速度センサ511によって検出される角速度に基づいて股関節角度を算出することにより、前記歩行動作補助装置1の設計自由度を向上させている。
即ち、ロータリーエンコーダによって股関節角度(体軸に対する大腿前後揺動角度)を検出する場合には、胴体に固定された胴体側検出子と、大腿と一体的に揺動するように大腿に固定された大腿側検出子との相対移動角度を検出する必要があり、従って、前記固体側検出子及び前記大腿側検出子がそれぞれ胴体及び大腿に対して位置ズレしないように、前記両検出子を装着する必要がある。
これに対し、前記3軸角速度センサ511によって検出される角速度に基づいて股関節角度を算出する方法によれば、前述のような制限を受けることが無く、前記歩行動作補助装置1の設計自由度を向上させることができる。
前述の通り、本実施の形態に係る歩行動作補助装置1においては、前記大腿姿勢検出手段510は、前記3軸角速度センサ511に加えて、3軸加速度センサ515を有している。
この場合、前記大腿位相角算出手段550は、前記3軸角速度センサ511からの角速度データに基づき算出される第1オイラー角の高周波成分と前記3軸加速度センサ515からの加速度データに基づき算出される第2オイラー角の低周波成分とを合算して合算オイラー角を算出し、前記合算オイラー角から算出される股関節角度と前記股関節角度から算出される股関節角速度とに基づいて大腿位相角を算出するように構成される。
詳しくは、図8に示すように、前記大腿位相角算出手段550は、サンプリングタイミング毎に前記3軸角速度センサ511からセンサ座標軸を基準とした角速度データを入力し、前記角速度データを所定の変換式を用いてセンサ座標軸とグローバル座標軸(鉛直方向を基準とする空間座標軸)との相関を示す角速度データ(オイラー角速度)に変換する。
そして、前記大腿位相角算出手段550は、前記角速度データ(オイラー角速度)を積分することで前記第1オイラー角を算出する。
好ましくは、前記大腿位相角算出手段500は、静止時に前記3軸角速度センサ511から入力される角速度データを用いて、所定サンプリングタイミング毎に前記3軸角速度センサ511から入力されるセンサ座標軸を基準とした角速度データのドリフト除去を行うことができる。
また、前記大腿位相角算出手段550は、サンプリングタイミング毎に前記3軸加速度センサ515からセンサ軸を基準とした加速度データをローパスフィルタ520を介して入力し、静止時に入力される加速度データと重力加速度とに基づき、前記ローパスフィルタ520を介して入力された前記加速度データから、センサ座標軸とグローバル座標軸(鉛直方向を基準とする空間座標軸)との相関を示す前記第2オイラー角を算出する。
そして、前記大腿位相角算出手段550は、ハイパスフィルター530を介して得られる前記第1オイラー角の高周波成分とローパスフィルタ535を介して得られる前記第2オイラー角の低周波成分とを合算して得られる前記合算オイラー角及び大腿の向きを示す単位ベクトルから、股関節角度θを算出する。
好ましくは、前記大腿位相角算出手段550は、前記加速度センサ515からの加速度データに基づきヒールコンタクトを検出し、ヒールコンタクト検出時には前記3軸角速度センサ511からの角速度データから算出される補正オイラー角を前記合算オイラー角に加えることで、ドリフト除去を図ることができる。
大腿位相角φは下記アルゴリズムによって算出される。
前記大腿位相角算出手段550は、サンプリングタイミング毎に、股関節角度θを算出すると共に、これを微分して股関節角速度ωを算出する。
例えば、前記大腿位相角算出手段550は、歩行周期基準タイミングから第n番目のサンプリングタイミングSn(nは1以上の整数)での股関節角度θnを算出すると、これを微分して当該サンプリングタイミングSnでの股関節角速度ωnを算出する。
そして、前記大腿位相角算出手段550は、前記サンプリングタイミングSnでの股関節角度θn及び股関節角速度ωnに基づき、前記サンプリングタイミングSnでの大腿位相角φn(=−Arctan(ωn/θn))を算出する。
本実施の形態に係る歩行動作補助装置1においては、前記大腿位相角算出手段550は、角度関連信号に基づいて股関節角度θ及び股関節角速度ωを算出すると、この股関節角度θ及び股関節角速度ωによって画される大腿動作状態を位相角平面上にプロットしてトラジェクトリ線図を作成するように構成されている。
図9に、股関節角度θ及び股関節角速度ωによって画される大腿動作状態(歩行状態)を一歩行周期に亘ってプロットすることによって得られるトラジェクトリ線図を示す。
図9に示すように、股関節角度θ及び股関節角速度ωによって定まる大腿位相角φは、一歩行周期において0〜2πの間で変化するように定義される。
詳しくは、大腿が鉛直軸より前方及び後方に位置されている状態の股関節角度をそれぞれ「正」及び「負」とし、大腿が前方及び後方へ向けて揺動されている状態の股関節角速度をそれぞれ「正」及び「負」とする。
この条件で、股関節角度が「正」の方向に最大で且つ股関節角速度が「ゼロ」の状態(図9の点P)の位相角を0とすると、図9の歩行領域A1(股関節角度θが「正」の方向に最大で且つ股関節角速度ωが「ゼロ」の状態から股関節角度θが「ゼロ」で且つ股関節角速度ωが「負」の方向に最大となる状態までの歩行領域)は位相角0〜π/2に相当する。
また、図9中の歩行領域A2(股関節角度θが「ゼロ」で且つ股関節角速度が「負」の方向に最大の状態から股関節角度が「負」の方向に最大で且つ股関節角速度が「ゼロ」となる状態までの歩行領域)は位相角π/2〜πに相当する。
さらに、図9中の歩行領域A3(股関節角度θが「負」の方向に最大で且つ股関節角速度ωが「ゼロ」の状態から股関節角度θが「ゼロ」で且つ股関節角速度ωが「正」の方向に最大となる状態までの歩行領域)は位相角π〜3π/2に相当する。
また、図9中の歩行領域A4(股関節角度θが「ゼロ」で且つ股関節角速度が「正」の方向に最大の状態から股関節角度が「正」の方向に最大で且つ股関節角速度が「ゼロ」となる状態までの歩行領域)は位相角3π/2〜2πに相当する。
一歩行周期当たりに複数のサンプリングポイントが含まれるように前記大腿姿勢検出手段510のサンプリングタイミングが定められており、前記大腿位相角算出手段550は、サンプリングタイミング毎に大腿位相角φを算出する。
本実施の形態においては、前記大腿位相角算出手段550は、股関節角度θn及び股関節角速度ωnによって画されるトラジェクトリ線図上のプロット点Snのベクトル長(トラジェクトリ線図の原点(即ち、股関節角度θ及び股関節角速度ωがゼロの点)とプロット点Snとの間の距離)が所定の閾値を越えているか否かを判断し、前記ベクトル長が所定の閾値を越えていると、股関節角度θn及び股関節角速度ωnに基づく大腿位相角φnを算出して、大腿位相角φnを前記歩行動作タイミング算出手段560に送信する。
これに対し、前記ベクトル長が所定の閾値以下の場合には、前記大腿位相角算出手段550は、アクチュエータ作動禁止信号を出力する。
斯かる構成を備えることにより、歩行動作が開始されていないにも拘わらず、前記歩行動作補助装置1が前記アクチュエータユニット100を作動させることを有効に防止することができる。
即ち、前記歩行動作補助装置1を装着したユーザーが歩行動作を開始する前に、意に反して微少な範囲で姿勢変動を起こす場合がある。特に、ユーザーが片麻痺等を有する場合には、そのような事態が生じ易い。
前記大腿位相角算出手段550が前記構成を備えていれば、このような微少な姿勢変動はベクトル長の短いベクトルとして検出される。
従って、股関節角度θn及び股関節角速度ωnによって画されるベクトルVn(図9参照)のベクトル長が所定の閾値を越えている場合にのみ、歩行動作が行われていると判断することにより、歩行動作が開始されていないにも拘わらず、意に反して前記アクチュエータユニット100が作動することを有効に防止することができる。
前記歩行動作タイミング算出手段560は、大腿位相角φと歩行周期における歩行動作タイミングとの関係を規定した位相パターン関数を有しており、前記大腿位相角算出手段550から送られてくる一のサンプリングタイミングでの大腿位相角φを前記位相パターン関数に適用して前記一のサンプリングタイミングが歩行周期中のどの歩行動作タイミングにあたるかを算出する。
さらに、前記歩行動作タイミング算出手段560は、歩行周期が完了する毎に、当該完了した歩行周期における大腿位相角φと前記大腿位相角に対応した歩行動作タイミングとが関連付けられた最新位相角データと、その時点で記憶している過去位相角データとを含む有効位相角データに対して最小二乗法によって最新の位相パターン関数を算出し、算出した最新の位相パターン関数を上書き保存する。
詳しくは、図10に示すように、前記歩行動作タイミング算出手段560には、初期状態において、前記位相パターン関数として、初期位相パターン関数φ(x)(C0)が保存されている。
この初期位相パターン関数φ(x)(C0)はユーザー毎に作成され、予め前記歩行動作タイミング算出手段560に記憶されている。
例えば、第1回目の歩行周期C1中において、前記大腿位相角算出手段550が一のサンプリングタイミングSnでの大腿位相角としてφnを算出し、前記歩行動作タイミング算出手段560に送信したとする。
この時点では第1回目の歩行周期C1が完了していないから、前記歩行動作タイミング算出手段560は、前記位相パターン関数として、前記初期位相パターン関数φ(x)(C0)を有している。
従って、前記歩行動作タイミング算出手段560は、図10に示すように、前記大腿位相角算出手段550から送られてきた大腿位相角φnを前記初期位相パターン関数φ(x)(C0)に適用して、前記一のサンプリングタイミングSnに対応した保存周期歩行動作タイミングtnを算出し、前記補助トルク算出手段570に送信する。
前記歩行動作タイミング算出手段560は、斯かる処理を第1回目の歩行周期C1が完了するまで繰り返す。
なお、一歩行周期の完了は、例えば、股関節角度θ及び股関節角速度ωによって画される大腿位相角φが予め設定されている歩行周期基準角に戻ったか否かによって判断することができる。
前記歩行動作タイミング算出手段560は、第1回目の歩行周期C1が完了すると、当該完了した第1回目の歩行周期C1中において前記大腿位相角算出手段550から受信した大腿位相角と前記大腿位相角に対応した歩行動作タイミングとが関連付けられた状態の最新位相角データを、その時点で記憶している過去位相角データ(この例においては、初期位相パターン関数φ(x)(C0)によって生成される移送角データ)に加えて、その時点で有効な有効位相角データを生成し、前記有効位相角データに対して最小二乗法を用いて、最新位相角パターン関数(この例においては、第1歩行周期完了時位相パターン関数φ(x)(C1))を算出し、前記最新位相角パターン関数を上書き保存する。
具体的には、前記歩行動作タイミング算出手段560は、第1歩行周期C1が完了すると、その時点で有効な前記有効位相角データに対し最小二乗法によって、
φ(x)(C1)=a0(1)+a1(1)x+a2(1)x2+・・・+am(1)xm
の係数パラメータを算出し、前記φ(x)(C1)を大腿位相角の位相パターン関数として保存する。上式において、mは正の整数である。
そして、前記歩行動作タイミング算出手段560は、第2歩行周期C2中においては、その時点で記憶している第1歩行周期完了時位相パターン関数φ(x)(C1)を用いて、保存周期歩行動作タイミングtnを算出する。
第2歩行周期C2が完了すると、前記歩行動作タイミング算出手段560は、その時点で有効な前記有効位相角データに対し最小二乗法によって、
φ(x)(C2)=a0(2)+a1(2)x+a2(2)x2+・・・+am(2)xm
の係数パラメータを算出し、前記φ(x)(C2)を大腿位相角の位相パターン関数として上書き保存する。
そして、前記歩行動作タイミング算出手段560は、第3歩行周期C3中においては、その時点で記憶している第2歩行周期完了時位相パターン関数φ(x)(C2)を用いて、保存周期歩行動作タイミングを算出する。
前記歩行動作タイミング算出手段560は斯かる処理を繰り返す。
なお、前記有効位相角データは、その時点で完了している全ての歩行周期における位相角データを含むものとすることも可能であるし、これに代えて、前記歩行動作タイミング算出手段560における記憶容量に応じて、直近の所定回数(例えば、100回)の歩行周期における位相角データだけに制限することも可能である。
本実施の形態においては、前記歩行動作タイミング算出手段560は下記構成を備えることによって、異常な位相角データが位相角パターン関数の算出時の有効位相角データに含まれることを防止している。
即ち、前記歩行動作タイミング算出手段560は、前記大腿位相角算出手段550から受け取った一のサンプリングタイミングSnでの大腿位相角φnに基づき算出される現在周期歩行動作タイミングTnと、前記大腿位相角φnをその時点で記憶している前記位相パターン関数φ(x)に適用して算出される保存周期歩行動作タイミングtnとの差異ΔTを算出する。
ここで、前記現在周期歩行動作タイミングTnは、
Tn=(φn/2π)×100(%)
によって算出される。
前記差異ΔTの絶対値が所定閾値以下の場合には、前記歩行動作タイミング算出手段560は、歩行周期完了時において新たな位相パターン関数φ(x)を算出する際に用いる有効位相角データとして、前記現在周期歩行動作タイミングTnを記憶する。
即ち、前記差異ΔTの絶対値が所定閾値以下の場合には、前記歩行動作タイミング算出手段560は、一の歩行周期完了時に最新位相パターン関数を算出する際に、当該一の歩行周期において前記大腿位相角算出手段550から受信した大腿位相角φに関連付ける歩行動作タイミングとして、前記現在周期歩行動作タイミングTnを記憶する。
これに対し、前記差異ΔTの絶対値が所定閾値を越える場合には、前記歩行動作タイミング算出手段560は、歩行周期完了時において最新位相パターン関数を算出する際に用いる有効位相角データとして、前記保存周期歩行動作タイミングtnを記憶する。
即ち、前記差異ΔTの絶対値が所定閾値を越える場合には、前記歩行動作タイミング算出手段560は、一の歩行周期完了時に最新位相パターン関数を算出する際に、当該一の歩行周期において前記大腿位相角算出手段550から受信した大腿位相角φに関連付ける歩行動作タイミングとして、前記保存周期歩行動作タイミングtnを記憶する。
斯かる構成を備えることにより、何らかの理由によって異常値となった現在周期歩行動作タイミングTnが位相パターン関数算出時の対象データ(有効位相角データ)に含まれることを有効に防止することができる。
前記補助トルク算出手段570は、歩行動作タイミングと出力すべきトルク値との関係を規定した出力トルクパターンを有しており、前記歩行動作タイミング算出手段560から送られてくる歩行動作タイミングを前記出力トルクパターンに適用して当該サンプリングタイミングSnにおいて出力すべきトルク値を算出する。
前記出力トルクパターンはユーザー毎に作成され、予め、前記補助トルク算出手段570に記憶される。
前記作動制御手段580は、前記補助トルク算出手段570によって算出されたトルク値の補助力を出力するように、前記アクチュエータユニット100の作動制御を実行する。
このように、本実施の形態に係る歩行動作補助装置1は、大腿位相角φに基づいて歩行周期中の歩行状態(歩行動作タイミング)を把握し、前記歩行状態に応じた補助力を出力するように構成されている。
従って、歩行状態(歩行動作タイミング)を正確に認識し、歩行状態に適した補助力を出力することができる。
また、本実施の形態に係る歩行動作補助装置1は、大腿位相角φをその時点で記憶されている位相パターン関数に適用して、歩行状態(歩行動作タイミング)を算出するように構成されている。
従って、歩行周期中にイレギュラーな歩行動作が生じたとしても、修正された状態の補助力を出力することができる。
また、本実施の形態に係る歩行動作補助装置1においては、前記大腿位相角算出手段550は、股関節角度θ及び股関節角速度ωによって画されるトラジェクトリ線図上のプロット点のベクトル長が所定の閾値を越えている場合にのみ、股関節角度θ及び股関節角速度ωに基づく大腿位相角φを算出して、大腿位相角φを前記歩行動作タイミング算出手段に送信する一方で、前記ベクトル長が所定の閾値以下の場合には、アクチュエータ作動禁止信号を出力する。
従って、前記歩行動作補助装置1を装着したユーザーが意に反して姿勢変動を起こした場合に、歩行動作を開始していないにも拘わらず、前記アクチュエータユニット100が歩行補助力を出力することを有効に防止することができる。
さらに、本実施の形態に係る歩行動作補助装置1は、前述の通り、大腿位相角φに基づき一の歩行周期中における歩行状態を認識した上で、前記アクチュエータユニット100によって下腿に対して歩行補助力を付与するように構成されている。
従って、脳卒中等によって片麻痺を有するユーザーに対しても的確な歩行補助力を供給することができる。
即ち、アクチュエータユニットによって歩行補助力を付与するように構成された従来の歩行補助装置は、前記アクチュエータユニットによって補助力が付与される制御対象部位の動きを検出し、その検出結果に基づき前記アクチュエータユニットの作動制御を行うように構成されている。
例えば、大腿に対して歩行補助力を供給する従来の歩行補助装置においては、大腿の動きの検出結果に基づき、大腿に対して歩行補助力を付与するアクチュエータの作動制御を行うものとされている。
また、下腿に対して歩行補助力を供給する従来の歩行補助装置においては、下腿の動きの検出結果に基づき、下腿に対して歩行補助力を付与するアクチュエータの作動制御を行うものとされている。
しかしながら、脳卒中等の為に片麻痺を有する患者の場合、大腿の歩行動作(股関節回りの前後揺動動作)は比較的正常に行えるものの、下腿の歩行動作(膝関節回りの前後揺動動作)は正常に行えないことが多い。
このような患者に対して下腿への歩行補助力を付与しようとすると、前記従来の歩行補助装置においては、正常な歩行動作を行えない下腿の動きに基づいて、下腿に対して歩行補助力を提供するアクチュエータの作動制御を行うことになり、的確な歩行補助力を提供することができないおそれがある。
これに対し、本実施の形態に係る前記歩行動作補助装置1は、前述の通り、大腿位相角φに基づいて、下腿に対して歩行補助力を付与する前記アクチュエータユニット100の作動制御を行うように構成されている。
従って、ユーザーが脳卒中等によって片麻痺を有する場合であっても、下腿に対して的確な歩行補助力を供給することができる。
ここで、歩行動作に必要な歩行補助力について説明する。
図11に、一歩行周期中に変化する歩行状態の模式図を示す。
図11に示すように、一歩行周期は、鉛直軸より前方側で踵を接地させるヒールコンタクト時点を含むヒールコンタクト期(踏み出した足が接床する前後の期間)X1と、ヒールコンタクト後に当該ヒールコンタクトした脚を接地させた状態で後方側へ相対移動させる立脚期(接床した下肢が身体に対して相対的に後方に移動する期間)X2と、立脚期X2の終了時点から立脚していた脚を引き上げて前方側へ相対移動させる遊脚期X3とを含んでいる。
図12に、前記出力トルクパターンによって画される補助力の変化パターンの一例を示す。
図12に示す一例においては、前記出力トルクパターンは、前記ヒールコンタクト期X1において、前記下腿側装具30を膝関節回り膝伸展方向へ回動させて膝折れを防止する為の第1トルクパターンY1と、前記立脚期X2において、前記下腿側装具30を膝関節回り膝伸展方向へ回動させて膝折れを防止する為の第2トルクパターンY2と、立脚期X2の終了時点から立脚していた脚を引き上げて前方側へ相対移動させる遊脚期X2の初期段階X3aにおいて、前記下腿側装具30を膝関節回り膝屈曲方向へ回動させて脚の引き上げを補助する為の第3トルクパターンY3と、前記遊脚期X3の後期段階X3bにおいて、前記下腿側装具30を膝関節回り膝伸展方向へ回動させる第4トルクパターンY4とを含んでいる。
このように、歩行周期中の歩行状態(歩行動作タイミング)と歩行補助力との関係を表す前記出力トルクパターンを用いて前記アクチュエータユニット100の作動制御を行うことにより、ユーザーに合わせた適切な歩行補助を行うことができる。
図12に示す一例においては、ヒールコンタクトが歩行周期基準タイミングとして設定されている。
このように、ヒールコンタクトを歩行周期基準タイミングとすることによって、歩行周期中における歩行補助力が必要なタイミングを正確に把握することができる。
ヒールコンタクトのタイミングは、種々の方法によって認識することができる。
例えば、鉛直軸を基準として大腿が前方側及び後方側へ向けて揺動している際の股関節角速度をそれぞれ正及び負とした場合に、前記制御装置500が、算出される股関節角速度が正値からゼロへ移行したタイミング(図9中のP)から所定位相角Δαだけ進行した時点をヒールコンタクト時点として認識するように構成することができる。
これに代えて、前記歩行動作補助装置1にヒールコンタクトを検出するヒールコンタクト検出手段を備え、前記大腿位相角検出手段は、前記ヒールコンタクト検出手段によって検出されたタイミングをヒールコンタクト時点として認識し、そのタイミングでの大腿位相角φをヒールコンタクト位相角として認識するように構成することも可能である。
本実施の形態に係る歩行動作補助装置1におけるように、前記加速度センサ515が備えられている場合には、前記加速度センサ515を前記ヒールコンタクト検出手段として兼用することができる。
これに代えて、踵の接地を検出可能な圧力センサを別途に備え、前記圧力センサを前記ヒールコンタクト検出手段として作用させることも可能である。
図13に、前記歩行動作補助装置1におけるアクチュエータ作動制御モードのフローを示す。
起動信号入力に応じて前記制御装置500が前記アクチュエータ作動制御モードを起動する。
起動信号は、例えば、スタートボタン等の人為操作部材へのユーザーによる人為操作に応じて入力される。
前記アクチュエータ作動制御モードが起動されると、前記大腿位相角検出手段550は、前記大腿姿勢検出手段510からの一のサンプリングタイミングSnでの角度関連信号に基づき、当該一のサンプリングタイミングSnでの股関節角度θnを算出し(ステップS11)、股関節角度θnに基づき前記一のサンプリングタイミングSnでの股関節角速度ωnを算出する(ステップS12)。
前記大腿位相角検出手段550は、股関節角度θn及び股関節角速度ωnに基づきトラジェクトリ線図を作成し(ステップS13)、トラジェクトリ線図上のプロット点のベクトル長(プロット点と原点との距離)が閾値を越えているか否かを判断する(ステップS14)。
前記ステップS14がNOの場合、前記大腿位相角検出手段550は、歩行動作が開始されていないと判断して、アクチュエータ作動禁止信号を出力する(ステップ30)。
この場合、前記アクチュエータ作動制御モードは、ステップS11に戻る
前記ステップS14がYESの場合には、前記大腿位相角検出手段550は、歩行動作が行われていると判断して、股関節角度θn及び股関節角速度ωnに基づき大腿位相角φnを算出し、前記歩行動作タイミング算出手段560に送信する(ステップS15)。
前記歩行動作タイミング算出手段560は、前記大腿位相角検出手段550からの大腿位相角φnを、その時点において有効な位相パターン関数φ(x)に適用して、保存周期歩行動作タイミングtnを算出し、前記補助トルク算出手段570に送信する(ステップS16)。
同時に、前記歩行動作タイミング算出手段560は、位相パターン関数作成処理を実行する。位相パターン関数作成処理については後述する。
前記補助トルク算出手段570は、前記歩行動作タイミング算出手段560からの保存周期歩行動作タイミングtnを、記憶する出力トルクパターンに適用して、このタイミング(サンプリングタイミングSn)において前記アクチュエータユニット100が出力すべき歩行補助力の大きさ及び方向を取得し、前記作動制御手段580に送信する(ステップS17)。
前記作動制御手段580は、前記補助トルク算出手段570によって算出された大きさ及び方向の歩行補助力が出力されるように前記アクチュエータユニット100の作動制御を行う(ステップS18)。
ここで、前記位相パターン関数作成処理について説明する。
前記位相パターン関数作成処理は、サンプリングタイミングSnでの歩行動作が正常か否かを判断して、以降の歩行周期において使用する位相パターン関数の算出に際し用いるべき有効位相角データの選別を行い、歩行周期完了時に前記有効位相角データを用いて新たな位相パターン関数を作成するように構成されている。
具体的には、ステップS20において、前記歩行動作タイミング算出手段560は、(φn/2π)×100(%)によって算出される現在周期歩行動作タイミングTnと、前記ステップS16において算出した保存周期歩行動作タイミングtnとの差異ΔTが所定閾値以下か否かを判断する。
前記ステップS20がYESの場合、即ち、前記差異ΔTが所定閾値以下の場合には、前記歩行動作タイミング算出手段560は、サンプリングタイミングSnでの歩行動作が正常であると判断して、大腿位相角φn及び現在周期歩行動作タイミングTnを位相角データとして記憶する(ステップS21)。
一方、前記ステップS20がNOの場合、即ち、前記差異ΔTが所定閾値を越える場合には、前記歩行動作タイミング算出手段560は、サンプリングタイミングSnでの歩行動作が異常であると判断して、大腿位相角φn及び保存周期歩行動作タイミングtnを位相角データとして記憶する(ステップS22)。
その後、前記歩行動作タイミング算出手段560は、一歩行周期が終了したか否かを判断し(ステップS23)、一歩行周期が終了した時点で、当該歩行周期における位相角データとその時点で記憶されている過去の保存歩行周期における位相角データとを含む有効位相角データに基づき、最小二乗法を用いて新たな位相パターン関数を算出し、上書き保存する(ステップS24)。
一歩行周期が終了してない場合には、ステップS24はバイパスされる。
前記位相パターン関数処理を備えることにより、異常歩行動作のデータが位相パターン関数に含まれることを有効に防止することができる。
ステップS19において、前記制御装置500は、前記アクチュエータ作動制御モードの終了信号が入力されているか否かを判断し、終了信号の入力が無い場合にはステップS11へ戻り、終了信号が入力された場合には当該制御モードを終了する。
なお、終了信号は例えば、終了ボタン等の人為操作部材へのユーザーによる人為操作に応じて入力される。
なお、本実施の形態に係る歩行動作補助装置1は、大腿位相角φに基づいて歩行動作状態(歩行動作タイミング)を把握し、その歩行動作状態に適した歩行補助力を下腿に付与するように構成されているが、本発明は斯かる形態に限定されるものでは無く、大腿位相角φに基づいて把握された歩行動作状態に適した歩行補助力を大腿に付与するように構成することも可能である。