JP2020178183A - 無線通信システム、変復調器および適応符号化率変調方法 - Google Patents

無線通信システム、変復調器および適応符号化率変調方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回線品質の変化に応じて適切な変調方式・符号化率に自動的に切り替える無線通信システムを提供する。【解決手段】対向する変復調器10,20それぞれは、対局側から送信されてきた無線信号を復調・復号化した復調データから抽出したパイロット信号とその理想信号から変調誤差を検出する変調誤差検出部11bと、該変調誤差に基づいて、対局側において設定すべき変調方式・符号化率の情報を選択して、選択した情報を含む対局送信制御情報を生成する判定部11aと、その対局送信制御情報を符号化・変調した無線信号を対局側に送信する変調部12とを有し、判定部11aは、さらに、対局側から送信されてきた前記無線信号を復調・復号化した復調データ内に多重化して含まれている対局送信制御情報内の変調方式・符号化率の情報を抽出して、該変調方式・符号化率を、自局において変調を行う際の変調方式・符号化率として変調部12に設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信システム、変復調器および適応符号化率変調方法に関し、特に回線品質の変化に応じて適切な変調方式および符号化率に自動的に切り替えることを可能にする無線通信システム、変復調器および適応符号化率変調方法に関する。
一般に、畳み込み符号化したデータを変調して送信する無線通信システムの分野においては、特に、対流圏散乱を利用した長距離見通し外通信システムの分野においては、周波数選択性マルチパスフェージングが発生するために、天候や気温により受信伝搬状況が刻一刻と変化する。
したがって、かくのごとき受信伝搬状況の変化に応じて、通信が途切れることなく、伝送速度を切り替えることにより、電波をより効率的に使用することを可能にし、かつ、受信状況が悪い場合であっても、最低限の通信路を自動的に確保することを可能にするために、特に見通し外通信においては、適応符号化率変調方式を実現することが強く求められている。ここで、適応符号化率変調方式は、回線品質に応じて符号化率、変調方式を適応的に切り替える変調方式をいう。
しかし、現状の見通し外通信向け等の無線通信システムにおいては、例えば、特許文献1の特開2003−304214号公報「無線通信システム」等に記載されているように、対向する通信装置ごとにそれぞれの通信路に応じた固定の変調方式および符号化率を用いて通信を行っている。このため、見通し外通信等の無線通信において、回線品質が変化して、受信伝搬状況が悪化してしまった場合には、通信可能な通信路を確保することができるような変調方式および符号化率を改めて選択し直すことが必要になっている。また、現状の無線通信システムにおいては、逆に、受信伝搬状況が良好な状態の時には、同一の変調方式および符号化率をそのまま用いて通信を行う仕組みになっているので、その結果として、回線状況の変化により受信伝搬状況がさらに良好な状態に変化した場合には、無線電波の利用効率が悪化するという場合も生じている。
特開2003−304214号公報
前述したように、本発明に関連する前記特許文献1等の現状の技術においては、無線通信システムにおいて、特に見通し外通信システムにおいて、対流圏散乱によるマルチパスフェージングの発生や天候・気温等の変化などの影響により回線品質が悪化した時には、通信路を確保することが可能な変調方式および符号化率を新たに選択して設定し直すことが必要である。また、逆に、回線品質がさらに良好な状態に回線状況が変化したとしても、現在設定している変調方式および符号化率を変更することなくそのまま使用し続けるために、無線電波の利用効率が悪化してしまう場合が生じるという解決するべき課題がある。
(本発明の目的)
本発明の目的は、かかる課題に鑑み、回線品質の変化に応じて適切な変調方式および符号化率に自動的に切り替えることを可能にする無線通信システム、変復調器および適応符号化率変調方法を提供することにある。
前述の課題を解決するため、本発明による無線通信システム、変復調器および適応符号化率変調方法は、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
(1)本発明による無線通信システムは、
送信用データの符号化および変調を行うことにより生成した無線信号を用いて互いに対向する各通信装置間の通信を行い、
各前記通信装置内の変復調器それぞれは、
対局側の前記通信装置内の変復調器から送信されてきた前記無線信号を復調および復号化して復調データを取得した際に、該復調データから抽出したパイロット信号とその理想信号から変調誤差を検出する変調誤差検出手段と、
該変調誤差検出手段により検出した前記変調誤差に基づいて、対局側の前記通信装置内の変復調器において設定すべき変調方式および符号化率を選択して、選択した該変調方式および符号化率の情報を含む対局送信制御情報を対局側の前記通信装置内の変復調器に設定要求する制御情報として生成する判定手段と、
前記判定手段によって生成された前記対局送信制御情報を送信フレーム内のヘッダ部に挿入して前記送信用データと多重化し、さらに、符号化および変調を行うことにより生成した前記無線信号を対局側の前記通信装置内の変復調器に対して送信する変調手段と、
を有し、
かつ
各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記判定手段は、さらに、
対局側の前記通信装置内の変復調器から送信されてきた前記無線信号を復調および復号化して取得した前記復調データ内に多重化して含まれている前記対局送信制御情報を受け取った際に、前記対局送信制御情報内の変調方式および符号化率の情報を抽出して、抽出した該変調方式および符号化率を、自局において変調を行う際の変調方式および符号化率として前記変調手段に設定する、
ことを特徴とする。
(2)本発明による変復調器は、
送信用データの符号化および変調を行うことにより生成した無線信号を用いて互いに対向する各通信装置間の通信を行う無線通信システムにおいて各前記通信装置内に設置され、
対局側の前記通信装置から送信されてきた前記無線信号を復調および復号化して復調データを取得した際に、該復調データから抽出したパイロット信号とその理想信号から変調誤差を検出する変調誤差検出手段と、
該変調誤差検出手段により検出した前記変調誤差に基づいて、対局側の前記通信装置において設定すべき変調方式および符号化率を選択して、選択した該変調方式および符号化率の情報を含む対局送信制御情報を対局側の前記通信装置に設定要求する制御情報として生成する判定手段と、
前記判定手段によって生成された前記対局送信制御情報を送信フレーム内のヘッダ部に挿入して前記送信用データと多重化し、さらに、符号化および変調を行うことにより生成した前記無線信号を対局側の前記通信装置に対して送信する変調手段と、
を有し、
かつ
前記判定手段は、さらに、
対局側の前記通信装置から送信されてきた前記無線信号を復調および復号化して取得した前記復調データ内に多重化して含まれている前記対局送信制御情報を受け取った際に、前記対局送信制御情報内の変調方式および符号化率の情報を抽出して、抽出した該変調方式および符号化率を、自局において変調を行う際の変調方式および符号化率として前記変調手段に設定する、
ことを特徴とする。
(3)本発明による適応符号化率変調方法は、
送信用データの符号化および変調を行うことにより生成した無線信号を用いて互いに対向する各通信装置間の通信を行う無線通信システムにおいて各前記通信装置の変復調器に適用され、
各前記通信装置内の変復調器それぞれは、
対局側の前記通信装置内の変復調器から送信されてきた前記無線信号を復調および復号化して復調データを取得した際に、該復調データから抽出したパイロット信号とその理想信号から変調誤差を検出する変調誤差検出ステップと、
該変調誤差検出ステップにより検出した前記変調誤差に基づいて、対局側の前記通信装置内の変復調器において設定すべき変調方式および符号化率を選択して、選択した該変調方式および符号化率の情報を含む対局送信制御情報を対局側の前記通信装置内の変復調器に設定要求する制御情報として生成する判定ステップと、
前記判定ステップによって生成された前記対局送信制御情報を送信フレーム内のヘッダ部に挿入して前記送信用データと多重化し、さらに、符号化および変調を行うことにより生成した前記無線信号を対局側の前記通信装置内の変復調器に対して送信する変調ステップと、
を有し、
かつ
各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記判定ステップは、さらに、
対局側の前記通信装置内の変復調器から送信されてきた前記無線信号を復調および復号化して取得した前記復調データ内に多重化して含まれている前記対局送信制御情報を受け取った際に、前記対局送信制御情報内の変調方式および符号化率の情報を抽出して、抽出した該変調方式および符号化率を、自局において変調を行う際の変調方式および符号化率として前記変調手段に設定する、
ことを特徴とする。
本発明の無線通信システム、変復調器および適応符号化率変調方法によれば、主に、以下のような効果を奏することができる。
すなわち、本発明においては、対局側の変復調器から受信した受信信号に関する変調誤差を検出して、検出した変調誤差に応じて適応する変調方式および符号化率を随時切り替えながら無線通信を行うことを可能にしている。而して、例えば長距離見通し外通信における対流圏散乱によるマルチパスフェージングなどの発生や天候・気温の変化に伴い回線品質が変化するような状況下においても、変化する回線品質に応じた通信品質を適切に確保しつつ、かつ、変化する回線品質に対する伝送容量を最適な状態に効率化して使用することが可能である。
本発明に係る無線通信システムを構成する各通信装置内の変復調器の内部構成の一例を示すブロック構成図である。 図1に示したA局の変復調器内に設置されるACM制御部の変調誤差検出部の内部構成の一例を示すブロック構成図である。 図1に示したA局の変復調器内の復調部において復調・復号化された復調データのフレーム構成の一例を示す説明図である。 図1に示したA局の変復調器内に設置されるACM制御部の判定部の内部構成の一例を示すブロック構成図である。 図1に示したA局の変復調器内に設置されるACM制御部の判定部に保有している適応変調符号化率登録テーブルの登録例を示すテーブルである。 図1に示した無線通信システムの動作の一例を説明するためのシーケンスチャートである。
以下、本発明による無線通信システム、変復調器および適応符号化率変調方法の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の各図面に付した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではないことは言うまでもない。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、無線通信において、特に長距離見通し外通信において、検出した変調誤差に基づいて、適用する変調方式と符号化率とを自動的に選択する適応符号化率変調機能を、回線品質の変化に応じた切り替え手段として有することを特徴とする発明である。すなわち、無線通信システムを構成する各通信装置内に備えた変復調器として、対局側の通信装置から受信して復調・復号化した復調データに関する変調誤差を検出する変調誤差検出手段を備えることにより、対局側の通信装置との間の回線品質の変化に応じて、適応する変調方式と符号化率とを自動的に選択して設定することを可能にする適応符号化率変調方法を実現していることを、主要な特徴としている。
本発明の特徴についてさらに説明すると、次の通りである。前記変調誤差検出手段が検出する前記変調誤差とは、パイロット信号としてあらかじめ定めた一定のパターンに固定された理想信号と対局側から実際に受信した受信信号に含まれている該パイロット信号のパターンとの差のことであり、該パイロット信号は対局側に送信する送信用データのフレーム内に多重化して対局側との間でやり取りする。
そして、前記変調誤差検出手段が検出した該変調誤差に基づいて、対局側との間の通信路の回線品質を推定することにより、対局側に対して設定要求すべき変調方式および符号化率を決定し、決定した変調方式および符号化率に関する情報を、対局送信制御情報として、対局側に送信する送信用データのフレーム内に多重化して、対局側に送信することを主要な特徴としている。対局側においては、該対局送信制御情報を受信する都度、該対局送信制御情報により設定要求された変調方式と符号化率とに切り替えて設定するという動作を繰り返すことにより、変化する回線品質に応じた通信品質を適切に確保しつつ、かつ、変化する回線品質に対する伝送容量を最適な状態に効率化して使用することが可能になる。
なお、前記対局送信制御情報を生成するために、前記変調誤差検出手段が検出した該変調誤差に基づいて適応する変調方式および符号化率を選択する判定手段を備えていて、該判定手段には、選択することが可能な1ないし複数の変調方式および符号化率を、その組み合わせにおけるSNR(Signal to Noise Ratio)値の範囲(上限値と下限値とにより与えられる範囲)とともに、あらかじめ登録した適応変調符号化率登録テーブルを保有していることも、本発明の主要な特徴の一つである。
ここで、前記適応変調符号化率登録テーブルは、SNR値が小さい順番に該当する変調方式と符号化率との組み合わせを登録している。そして、前記判定手段において、前記変調誤差が、対局側で現在使用されている変調方式および符号化率におけるSNR値の上限値以上に大きいと判定した場合には、前記適応変調符号化率登録テーブルの登録内容を参照して、対局側で現在使用されている変調方式および符号化率におけるSNR値よりも1段階大きいSNR値になる次段の変調方式および符号化率を選択して、前記対局送信制御情報を生成する。
また、前記変調誤差が、対局側で現在使用されている変調方式および符号化率におけるSNR値の上限値と下限値とが示す範囲内に存在していると判定した場合には、現在の変調方式および符号化率をそのまま維持することを選択して、前記対局送信制御情報を生成する。
一方、前記変調誤差が、対局側で現在使用されている変調方式および符号化率におけるSNR値の下限値を下回った場合には、対局側で現在使用されている変調方式および符号化率におけるSNR値よりも1段階小さいSNR値になる前段の変調方式および符号化率を選択して、前記対局送信制御情報を生成する。
(本発明の実施形態の構成例)
次に、本発明に係る無線通信システムを構成する各通信装置内の変復調器の内部構成について、その一例を、図1を参照して説明する。図1は、本発明に係る無線通信システムを構成する各通信装置内の変復調器の内部構成の一例を示すブロック構成図であり、対向するA局とB局との2つの通信装置内の変復調器について例示している。図1に示す無線通信システムは、データの符号化および変調を行うことにより生成した無線信号を用いて互いに対向する各通信装置間の通信を行う無線通信システムとして、対向するA局とB局との2つの通信装置内に設置した変復調器それぞれには、通信路の回線品質の変化に応じて適応する変調方式および符号化率に自動的に切り替えて設定する適応符号化率変調機能を有するACM(Adaptive Coding and Modulation)制御部を備えている場合の基本構成例を示している。
図1に示す無線通信システム100において、A局に配置した通信装置内の変復調器10と、B局に配置した通信装置内の変復調器20とは、通信路30を介して、互いに対向した状態で設置されている。そして、変復調器10と変復調器20とのいずれにも、通信路30の回線品質の変化に応じて、言い換えると、無線通信環境(発生する変調誤差の大きさ)に応じて、動的に変調方式および符号化率を対応する状態に調整して設定する適応符号化率変調機能を有するACM制御部を備えている。
図1に示すように、A局の通信装置内の変復調器10は、ACM制御部11、変調部12、復調部13から構成され、ACM制御部11は判定部11aと変調誤差検出部11bとから構成される。一方、B局の通信装置内の変復調器20も、A局の変復調器10と同様の構成であり、ACM制御部21、変調部22、復調部23から構成され、ACM制御部21は判定部21aと変調誤差検出部21bとから構成される。以下、A局の変復調器10の内部構成について説明する。なお、B局の変復調器20はA局の変復調器10の内部構成と全く同様であり、ここでの重複する説明は割愛する。
まず、ACM制御部11について説明する。ACM制御部11は、前述したように、適応符号化変調方式を制御する機能を有している。つまり、ACM制御部11の変調誤差検出部11bは、対局側の通信装置内の変復調器20から送信されてきた無線信号を復調および復号化して復調データを取得した際に、該復調データから抽出したパイロット信号とその理想信号から変調誤差を検出する。そして、検出した変調誤差を判定部11aに送出する。
また、ACM制御部11の判定部11aは、変調誤差検出部11bにより検出した前記変調誤差に基づいて、対局側の通信装置内の変復調器20において設定すべき変調方式および符号化率を選択して、選択した該変調方式および符号化率の情報を含む対局送信制御情報を、対局側の通信装置内の変復調器20に設定要求する制御情報として生成して、変調部12に送出する。そして、変調部12は、判定部11aによって生成された前記対局送信制御情報を送信フレーム内のヘッダ部に挿入して送信用データと多重化し、さらに、符号化および変調を行うことにより生成した無線信号を、対局側の通信装置内の変復調器20に対して送信する。
また、ACM制御部11の判定部11aは、対局側の通信装置内の変復調器20から送信されてきた無線信号を復調および復号化して取得した復調データ内に多重化して含まれている対局送信制御情報を受け取った際に、該対局送信制御情報内の変調方式および符号化率の情報を抽出して、抽出した該変調方式および符号化率を、自局のA局において変調を行う際の変調方式および符号化率として変調部12に設定する、
さらに、ACM制御部11の判定部11aは、自局側のA局の通信装置内の変復調器10において現在使用している変調方式および符号化率を、対局側のB局の通信装置内の変復調器20のACM制御部21に通知するために、変復調器10において現在使用している変調方式および符号化率の情報を含む自局送信制御情報を生成して、変調部12に送出する。
つまり、A局の変復調器10内のACM制御部11は、以下のような適用符号化変調の制御を行う。まず、復調部13は、対局側のB局の変復調器20から送出されてきた無線受信信号を受信すると、該無線受信信号に含まれているデータを復調・復号化するとともに、復調・復号化した復調データフレーム内の各データの位置を示すフレーム位置情報と対局送信制御情報と自局送信制御情報とを抽出する。そして、復調部13は、復調データフレーム内の各データと抽出したフレーム位置情報とをACM制御部11の変調誤差検出部11bに対して送出する。また、復調部13は、抽出した対局送信制御情報と自局送信制御情報とをACM制御部11の判定部11aに対して送出する。
変調誤差検出部11bは、受け取ったフレーム位置情報に基づいて該復調データ内の各データを抽出して、抽出した各データに基づいて、対局側のB局の変復調器20における変調誤差を計算して取得する。変調誤差検出部11bは、取得した該変調誤差を、判定部11aに対して送出する。ここで、前記復調データ内の各データとは、対局側のB局における変調方式および符号化率に基づく変調の対象とされたデータのことであり、また、変調誤差とは、前述したように、品質劣化が生じていない場合の理想的な信号パターンと対局側のB局から通信路30を介して実際に受信した信号パターンとの差を示す値である。
ここで、理想的な信号パターンとしては、あらかじめ定めた固定パターンのデータ(以下、パイロット信号と称する)を用い、送信用データに付随した形で付加して、対局側に対して送信する。そして、例えばA局の変復調器10において、対局側のB局から送信されてきた無線信号に、送信用データに付随する形で含まれている信号パターンのデータ(受信したパイロット信号)を抽出する。そして、A局の変調誤差検出部11bは、A局の変復調器10において実際に受信した信号パターンのデータ(受信したパイロット信号)が、該固定パターンのデータ(回線劣化がない場合の理想的なパイロット信号)からどの程度乖離した状態にあるかを計算することにより、対局側のB局が現在使用している変調方式および符号化率において生じている前記変調誤差を取得する。
なお、詳細な後述するが、本実施形態においては、変調誤差検出部11bは、判定部11aにおいて対局側のB局の変復調器20が現在使用している変調方式および符号化率において得られるSNR値と変調誤差との比較処理を行うことを考慮して、該変調誤差の単位をSNR値と同じ単位に変換するために、検出した該変調誤差を加工した変調誤差比(MER:Modulation Error Ratio)を算出して、算出した変調誤差比(MER)を、判定部11aに対して送出することにする。ここで、変調誤差比(MER)とは、品質劣化が生じていない場合の理想的な信号パターンのデータ(あらかじめ定めた固定パターンのデータからなる理想パイロット信号)と対局側のB局の変復調器20から通信路30を介して実際に受信した信号パターンのデータ(送信した前記固定パターンのデータを受信した受信パイロット信号)に含まれていた変調誤差との割合を示す値である。
また、判定部11aは、まず、復調部13から受け取った対局送信制御情報に含まれている変調方式および符号化率を、対局側のB局の変復調器20向けに送信するデータを変調する際の自局(A局)における変調方式および符号化率として、対局側のB局の変復調器20から設定要求されている変調方式および符号化率と判定して、該変調方式および符号化率を変調部12に設定する。さらに、設定した該変調方式および符号化率を含む自局送信制御情報を生成して、A局の変復調器10において現在使用している変調方式および符号化率を対局側のB局の変復調器20に対して通知するための制御情報として、変調部12に送出する。
さらに、判定部11aは、変調誤差検出部11bから変調誤差比(MER)を受け取ると、復調部13から受け取った自局送信制御情報に含まれている変調方式および符号化率が、対局側のB局の変調方式および符号化率として、変調誤差検出部11bから受け取った該変調誤差比(MER)を解消することができる適切な状態に設定されているか否かを判定する。不適切な状態に設定されていた場合には、適応する変調方式および符号化率を新たに選択し直して決定し、決定した変調方式および符号化率を対局側のB局の変復調器20に対して通知するために、決定した変調方式および符号化率を含む対局送信制御情報として生成して、変調部12に送出する。
つまり、A局の変復調器10における判定部11aが生成した自局送信制御情報とは、前述したように、自局のA局の変復調器10内の変調部12において変調および符号化に現在使用している変調方式および符号化率に関する制御情報であり、対局側のB局の変復調器20から受け取った自局送信制御情報とは、B局の変復調器20内の変調部22において変調および符号化に現在使用している変調方式および符号化率に関する制御情報である。なお、B局の変復調器20においても、同様に、B局の変復調器20内の変調部22において現在変調および符号化に用いている変調方式および符号化率に関する情報を含む自局送信制御情報を生成して、A局の判定部11aにおいて使用するための制御情報として、A局に送信してくる。
また、A局の変復調器10における判定部11aが生成した対局送信制御情報とは、前述したように、対局側のB局の変復調器20内の変調部22に設定することを要求する制御情報である。つまり、対局送信制御情報は、現在の受信回線品質を示す変調誤差比(MER)を解消するための適切な変調方式および符号化率として、対局側のB局の変復調器20内の変調部22において送信用データの変調および符号化に用いることを要求する変調方式および符号化率に関する制御情報である。
次に、A局の変復調器10のACM制御部11以外の構成要素について説明する。まず、変調部12について説明する。変調部12は、判定部11aが設定した現在の回線品質に適応した変調方式および符号化率(すなわち、判定部11aが対局側のB局の変復調器20から受け取った対局送信制御情報に基づいて設定した変調方式および符号化率)を使用して、対局側のB局に対して送信する送信用データの変調および符号化を行う。さらに、変調部12は、判定部11aから受け取った自局送信制御情報および対局送信制御情報を、対局側のB局に対して送信する送信フレーム内のヘッダ部に多重化した状態で、符号化および変調して生成した無線信号として、対局側のB局の変復調器20に対して通信路30を介して送信する。
次に、通信路30は、無線信号の空間伝搬路を示しており、無線通信システム100が見通し外通信を行う場合においては、対流圏拡散を利用した通信路を示している。したがって、通信路30においては、電波伝搬中の信号の減衰やノイズ信号の混入や対流圏散乱によるマルチパスフェージング等により、電波伝搬状況が刻一刻と変化している。
次に、復調部13は、対局側のB局の変復調器20から送出されてきた無線受信信号を受信すると、受信した該無線受信信号の復調および復号化を行うが、その際に用いる変調方式および符号化率は、前回、自局のA局の判定部11aが取得した対局側のB局からの対局送信制御情報に含まれている変調方式および符号化率である。
さらに、復調部13は、前述したように、復調および復号化した復調データ内に含まれている自局送信制御情報および対局送信制御情報を抽出して、ACM制御部11の判定部11aに対して送出する。また、復調部13は、前述したように、復調および復号化した復調データ内に含まれている各データおよび各該データの位置を示すフレーム位置情報を、ACM制御部11の変調誤差検出部11bに対して送出する。
(変調誤差検出部の構成例)
次に、ACM制御部11の変調誤差検出部11bの内部構成について、その一例を、図2を用いて説明する、図2は、図1に示したA局の変復調器10内に設置されるACM制御部11の変調誤差検出部11bの内部構成の一例を示すブロック構成図である。なお、A局の変復調器10に対局するB局の変復調器20内の変調誤差検出部21bの内部構成についても、図2の変調誤差検出部11bの内部構成と全く同様であるので、ここでの重複する説明は割愛する。
図2に示す変調誤差検出部11bは、パイロット検出部41、理想信号保存部42、誤差検出部43、第1アキュムレータ44、第2アキュムレータ45、第1デシベル変換部46、第2デシベル変換部47および減算部48を内部に備えて構成される。
前述したように、復調部13から変調誤差検出部11bに対して復調データおよびフレーム位置情報が変調誤差検出部11bに対して送出されてくる。復調部13から送出されてきた復調データおよびフレーム位置情報は、図2に示すように、変調誤差検出部11bのパイロット検出部41に入力される。ここで、復調データのフレーム構成は、図3のような構成からなっている。図3は、図1に示したA局の変復調器10内の復調部13において復調・復号化された復調データのフレーム構成の一例を示す説明図であり、対局の変復調器20から自局の変復調器10に対して送信されてくる無線信号のフレーム構成の一例を示している。
図3の復調データのフレーム構成は、ヘッダ1、ヘッダ2、パイロット信号、データ1、パイロット信号、データ2、パイロット信号、…、パイロット信号、データnからなり、データ1、データ2、…データnの各送信用データそれぞれに付随する形でパイロット信号が変調誤差検出用のデータとして多重化されている。ヘッダ1には、自局送信制御情報(対局側のB局からA局が受信した無線受信信号に関する復調データフレームの場合には、対局側の変復調器20における変調方式と符号化率とを含む制御情報)が格納される。また、ヘッダ2には、対局送信制御情報(対局側のB局からA局が受信した無線受信信号に関する復調データフレームの場合には、対局側の変復調器20が自局のA局の変復調器10に対して設定することを要求する変調方式と符号化率とを含む制御情報)が格納される。
また、データ1、データ2、…、データnには、いずれも、対局側から自局(A局)向けに送信した送信用データとして、対局側の変復調器20に設定された符号化率・変調方式によって符号化・変調されたデータを復調・復号化した後のデータが格納されている。また、1ないし複数の送信用データすなわちデータ1、データ2、…、データnそれぞれに付随する位置(図3の場合は、先行する位置)に挿入されている各パイロット信号には、いずれも、変調誤差の検出用としてあらかじめ定めた固定パターンからなるデータの送受信結果として、送信用データと同様、対局側の変復調器20に設定された符号化率・変調方式によって符号化・変調されたデータを復調・復号化した後のデータが格納されている。ここで、該固定パターンのデータは、いずれも、振幅の2乗が1(すなわち、I+Q=1:Iはパイロット信号のI(同相)成分、Qはパイロット信号のQ(直交)成分)からなるデータである。
なお、復調部13から変調誤差検出部11bに対して送出されてくるフレーム位置情報には、該当する復調データに同期する形で、ヘッダ1、ヘッダ2、パイロット信号、データ1、パイロット信号、データ2、パイロット信号、…、パイロット信号、データnそれぞれの復調データフレーム内の位置に関する情報が含まれている。
図2の変調誤差検出部11bにおいて、パイロット検出部41は、同期して入力されてきたフレーム位置情報に基づいて、入力されてきた復調データの中から受信パイロット信号(振幅の2乗が1(i+q=1:iは受信パイロット信号のI(同相)成分、qは受信パイロット信号のQ(直交)成分)となるはずの固定パターンのデータ)を抽出する。また、理想信号保存部42は、変調誤差が生じていない正常な受信状態における受信パイロット信号を意味する理想パイロット信号(振幅の2乗が1(I+Q=1)になるあらかじめ定めた固定パターンのデータ)を保存している。
また、誤差検出部43は、パイロット検出部41において復調データから抽出した受信パイロット信号に関して、理想信号保存部42に保存されている理想パイロット信号との間の誤差を算出する。すなわち、
誤差=(I−i)+(Q−q)
を求める。
ここで、前述したように、Iは理想パイロット信号のI成分(同相成分)であり、iは復調データから抽出した受信パイロット信号のI成分(同相成分)であり、また、Qは理想パイロット信号のQ成分(直交成分)であり、qは復調データから抽出した受信パイロット信号のQ成分(直交成分)である。
また、第1アキュムレータ44は、誤差検出部43において算出した受信パイロット信号の誤差(すなわち(I−i)+(Q−q))に関する情報を、あらかじめ定めた一定周期分例えばn周期分に亘って蓄積する。また、第2アキュムレータ45は、理想信号保存部42に保存されている理想パイロット信号の固定パターンのデータに関する情報を、第1アキュムレータ44と同期させて同様の前記一定周期分例えばn周期分に亘って蓄積する。
また、第1デシベル変換部46は、第1アキュムレータ44に累積された受信パイロット信号に関する誤差((I−i)+(Q−q))の値をデシベル単位の値に変換する。n周期それぞれの誤差をe(k=1,2,…,n)とし、あらかじめ定めた周期分例えばn周期分の誤差の累積値をデシベル化した値を当該n周期分における変調誤差eとすると、デシベル単位の値への変換式は、次の式(1)で与えられる。
Figure 2020178183
また、第2デシベル変換部47は、第2アキュムレータ45に累積された理想パイロット信号の値をデシベル単位の値に変換する。n周期それぞれの理想パイロット信号の値をE(k=1,2,…,n)とし、あらかじめ定めた周期分例えばn周期分の理想パイロット信号の累積値をデシベル化した値を当該n周期分における理想パイロット信号の固定パターン累積値Eとすると、デシベル単位の値への変換式は、次の式(2)で与えられる。
Figure 2020178183
また、減算部48は、デシベル変換後の理想パイロット信号の固定パターン累積値Eからデシベル変換後の誤差の累積値である変調誤差eを減算した値(言い換えると、理想パイロット信号の固定パターン累積値を誤差eの累積値により除した値をデシベル化した値)を変調誤差比(MER:Modulation Error Ratio)として算出する。変調誤差比(MER)の算出式は、次の式(3)で与えられる。算出された変調誤差比(MER)は、ACM制御部11の判定部11aに送出される。
Figure 2020178183
詳細は後述するが、ACM制御部11の判定部11aは、以上のように、変調誤差検出部11bにおいて検出した変調誤差eを加工して取得した当該n周期分における変調誤差比(MER)を受け取ることにより、該変調誤差比(MER)に基づいて、検出した変調誤差eを解消するための適切な変調方式および符号化率として、対局側のB局の変復調器20において設定すべき変調方式および符号化率を選択する動作を行うことになる。
(判定部の構成例)
次に、ACM制御部11の判定部11aの内部構成について、その一例を、図4を用いて説明する、図4は、図1に示したA局の変復調器10内に設置されるACM制御部11の判定部11aの内部構成の一例を示すブロック構成図である。なお、A局の変復調器10に対局するB局の変復調器20内の判定部21aの内部構成についても、図4の判定部11aの内部構成と全く同様であるので、ここでの重複する説明は割愛する。
図4に示す判定部11aは、次変調符号化率閾値判定部51、前変調符号化率閾値判定部52、対局変調符号化率判定部53、自局変調符号化率判定部54を内部に備えて構成される。次変調符号化率閾値判定部51と前変調符号化率閾値判定部52とには、復調部13からの自局送信制御情報と変調誤差検出部11bからの変調誤差比(MER)とが入力される。また、対局変調符号化率判定部53には、復調部13からの対局送信制御情報が入力される。ここで、自局送信制御情報には、対局側のB局の変復調器20において現在使用されている変調方式および符号化率の情報が含まれている。また、対局送信制御情報には、対局側のB局の変復調器20から設定要求された変調方式および符号化率の情報が、自局側のA局の変復調器10に設定すべき変調方式および符号化率として含まれている。
次変調符号化率閾値判定部51は、変調誤差検出部11bにおいて算出された変調誤差比(MER)と、図5として後述する適応変調符号化率登録テーブル60にあらかじめ登録されている1ないし複数の変調方式および符号化率ごとに決定されるSNR(Signal to Noise Ratio)値(具体的には、決定されるSNR値の範囲を与える上限値と下限値)のうち、対局側の変復調器20において現在使用されている変調方式および符号化率によって決定されるSNR値の上限値と、の比較を行う。そして、該比較の結果に応じて、現在の変調方式および符号化率から、決定されるSNR値の上限値が1段階大きくなる次段の変調方式および符号化率への遷移要求を対局側の変復調器20に対して行うことを有効にするか否かを判定する。なお、対局側の変復調器20において現在使用されている変調方式および符号化率は、対局側の変復調器20から送信されてきた自局送信制御信号が示す変調方式および符号化率である。
また、前変調符号化率閾値判定部52は、変調誤差検出部11bにおいて算出された変調誤差比(MER)と、図5として後述する適応変調符号化率登録テーブル60にあらかじめ登録されている1ないし複数の変調方式および符号化率ごとに決定されるSNR値(決定されるSNR値の範囲を与える上限値と下限値)のうち、対局側の変復調器20において現在使用されている変調方式および符号化率によって決定されるSNR値の下限値と、の比較を行う。そして、該比較の結果に応じて、現在の変調方式および符号化率から、決定されるSNR値の下限値が1段階小さくなる前段の変調方式および符号化率への遷移要求を対局側の変復調器20に対して行うことを有効にするか否かを判定する。
ここで、次変調符号化率閾値判定部51は、前記変調誤差比(MER)が対局側の変復調器20において現在使用されている変調方式および符号化率によって決定されるSNR値の上限値以上に大きかった場合には、あらかじめ登録されている1ないし複数の変調方式および符号化率ごとに決定されるSNR値の上限値と下限値とのうち、現在の変調方式および符号化率により決定されるSNR値の上限値よりも1段階大きい次段のSNR値の範囲が得られる変調方式および符号化率への遷移を有効とする判定を行い、その判定結果を対局変調符号化率判定部53に通知する。
一方、前変調符号化率閾値判定部52は、前記変調誤差比(MER)が現在使用されている変調方式および符号化率によって決定されるSNR値の下限値を下回っていた場合には、あらかじめ登録されている1ないし複数の変調方式および符号化率ごとに決定されるSNR値の上限値と下限値とのうち、現在の変調方式および符号化率により決定されるSNR値の下限値よりも1段階小さい前段のSNR閾値が得られる変調方式および符号化率への遷移を有効とする判定を行い、その判定結果を対局変調符号化率判定部53に通知する。
また、対局変調符号化率判定部53は、次変調符号化率閾値判定部51、前変調符号化率閾値判定部52それぞれから通知されてくる判定結果に基づいて、対局側の変復調器20に対して設定要求を行う変調方式および符号化率を選択する。そして、対局側のB局に対して設定要求を行うために、選択した変調方式および符号化率の情報を含む対局送信制御情報を生成して、変調部12に対して送出する。
なお、次変調符号化率閾値判定部51および前変調符号化率閾値判定部52のいずれの判定結果も、変調方式および符号化率の遷移を有効とする判定を通知してきていない場合は、対局変調符号化率判定部53は、対局側の変復調器20において現在使用されている変調方式および符号化率をそのまま継続して使用するものと判定して、対局側の変復調器20において現在使用されている変調方式および符号化率の情報を含む対局送信制御情報を生成して、変調部12に対して送出する。つまり、かかる場合は、前記変調誤差比(MER)が現在の変調方式および符号化率により決定されるSNR値の範囲(上限値と下限値との範囲)に収まっている場合(該SNR値の上限値よりも小さくかつ該SNR値の下限値以上に大きい場合)であると判定することができる。
また、自局変調符号化率判定部54は、復調部13において復調データから抽出された対局送信制御情報が示す変調方式および符号化率(すなわち対局側の変復調器20から設定を要求された自局の変復調器10の変調方式および符号化率)に、自局の変復調器10の変調方式および符号化率を変調部12に設定するとともに、該変調方式および符号化率の情報を含む自局送信制御情報を生成して、変調部12に対して送出する。
なお、判定部11aは、図5に示すように、対局側の変復調器20における変調方式および符号化率を回線品質に応じて適応的に選択して切り替えるための情報として1ないし複数あらかじめ登録している適応変調符号化率登録テーブル60を保有している。図5は、図1に示したA局の変復調器10内に設置されるACM制御部11の判定部11aに保有している適応変調符号化率登録テーブル60の登録例を示すテーブルである。図5に示す適応変調符号化率登録テーブル60には、選択して設定することが可能な1ないし複数の変調方式および符号化率に関する情報を、それぞれの変調方式と符号化率との組み合わせにおいて決定されるSNR(Signal to Noise Ratio)値の範囲を示す上限値と下限値とともに、該SNR値が小さい順番に登録している。
つまり、図5に示す適応変調符号化率登録テーブル60は、項番61、変調方式62、符号化率63、SNR値64から構成されていて、SNR値64に設定される値が小さい順に順番に登録されている。ここで、SNR値64に設定される値は、変調方式62および符号化率63に設定された変調方式および符号化率に応じてSNR値の範囲として一義的に決定される上限値と下限値とである。なお、適応変調符号化率登録テーブル60のSNR値64に設定されるSNR値の範囲を与える上限値と下限値とについては、それぞれの変調方式と符号化率との組み合わせにおいて決定されるSNR値が、上限値未満であり、かつ、下限値以上であるという範囲を与えるように設定している。
そして、図2に示した変調誤差検出部11bにおいて算出された変調誤差比(MER)と図5の適応変調符号化率登録テーブル60のSNR値64に登録されているSNR値の範囲との比較結果に基づいて、前記変換誤差比(MER)が生じた現在の回線品質に応じた適切な変調方式および符号化率を、対局側の変復調器20において設定すべき変調方式および符号化率として、適応変調符号化率登録テーブル60から選択する。ここで、適応変調符号化率登録テーブル60におけるSNR値64の登録順にしたがって、現在使用している変調方式および符号化率が登録されている登録位置から上方向または下方向に向かって順番に変調方式62、符号化率63の登録情報を選択していくように構成している。
(本発明の実施形態の動作の説明)
次に、本発明の一実施形態として図1に示した無線通信システム100の動作について、その一例を図6のシーケンスチャートを用いて説明する。図6は、図1に示した無線通信システム100の動作の一例を説明するためのシーケンスチャートであり、無線通信システム100において対向して配置されているA局の変復調器10とB局の変復調器20との間の変調方式および符号化率を回線品質の変化に応じて適切な状態に自動的に調整する適応符号化率変調方法の一例を示している。なお、図6には、A局の変復調器10の判定部11a、変調誤差検出部11b、変調部12、復調部13が、対局側のB局の変復調器20の変調部22から、送信用データ、パイロット信号、自局送信制御情報、対局送信制御情報を含む無線信号を受信した場合において、制御情報をやり取りする様子の一例を示している。
図6のシーケンスチャートにおいて、まず、B局の変復調器20の変調部22からの無線信号を、A局の変復調器10の復調部13にて受信する(シーケンスSeq1)。該無線信号には、図3に示したように、ヘッダ1に自局送信制御情報が格納され、ヘッダ2に対局送信制御情報が格納され、以降、パイロット信号とデータ1、パイロット信号とデータ2、…、パイロット信号とデータnのそれぞれが含まれている。すなわち、自局送信制御情報は、対局送信制御情報と同期して送信することが可能になるように、対局送信制御情報が挿入されているヘッダ2とは異なるヘッダ部であるヘッダ1の位置に挿入されている。また、パイロット信号は、送信用データのデータ1、データ2、…、データnそれぞれに付随させた形で多重化されている。
復調部13は、受信した該無線受信信号を復調・復号化して、パイロット信号とデータ1、パイロット信号とデータ2、…、パイロット信号とデータnの復調データと、各ヘッダ、各データ、各パイロット信号それぞれのフレーム内の格納位置を示すフレーム位置情報と、を取得して、変調誤差検出部11bに送出する(シーケンスSeq2)。さらに、復調部13は、復調・復号化した受信信号のヘッダ1に含まれている自局送信制御情報およびヘッダ2に含まれている対局送信制御情報を抽出して、判定部11aに対して送出する(シーケンスSeq3)。
変調誤差検出部11bは、復調部13から送出されてきた復調データに含まれている受信パイロット信号の受信パターンのデータと図2の理想信号保存部42に保存されている理想パイロット信号の固定パターンデータとの間の差を、誤差として算出し、算出した誤差をあらかじめ定めた一定周期分例えばn周期分累積した後、デシベル化することにより、変調誤差を求める。また、理想パイロット信号の固定パターンデータについても、該一定周期分例えばn周期分累積した後、デシベル化した値を求める。そして、固定パターンデータの累積値のデシベル変換後の値と変調誤差との差すなわち変調誤差比(MER:Modulation Error Ratio)を算出する(シーケンスSeq4)。しかる後、変調誤差検出部11bは、算出した変調誤差比(MER)を、判定部11aに送出する(シーケンスSeq5)。なお、復調部13から送出されてきた復調データに含まれているデータ1、データ2、…、データnに関しては、変調誤差検出部11bは、それぞれのデータ処理を行うために、図示していない後位のデータ処理部に対して転送する。
判定部11aにおいては、復調部13から送出されてきた自局送信制御情報が、次変調符号化率閾値判定部51および前変調符号化率閾値判定部52に入力される。また、変調誤差検出部11bから送出されてきた変調誤差比(MER)も、次変調符号化率閾値判定部51および前変調符号化率閾値判定部52に入力される。一方、復調部13において復調データから抽出された対局送信制御情報は、自局変調符号化率判定部54に入力される。
自局変調符号化率判定部54は、復調部13において復調データから抽出された対局送信制御情報が入力されてくると、入力されてきた該対局送信制御情報に含まれている変調方式および符号化率(すなわち、対局側のB局の変復調器20から設定を要求された自局側のA局の変復調器10の変調方式および符号化率)の情報を抽出して、抽出した該変調方式および符号化率を、自局の変調用として、自局の変調部12に設定する(シーケンスSeq6)。その結果、自局の変復調器10は、対局側の変復調器20から設定要求された状態に設定された変調方式および符号化率に基づいて、変復調および符号化・復号化を行うことになる。さらに、自局変調符号化率判定部54は、自局(A局)の変復調器10が現在使用している変調方式および符号化率を、対向側のB局の変復調器20に対して通知するために、自局送信制御情報として生成して(シーケンスSeq7)、生成した該自局送信制御情報を変調部12に対して送出する(シーケンスSeq8)。
また、復調部13から入力されてきた自局送信制御情報に関しては、判定部11aは、対局側の変復調器20に対して設定要求を行うべき変調方式および符号化率を回線品質に応じた適切な状態に決定するために、変調誤差検出部11bから入力されてきた変調誤差比(MER)の評価を行う動作を行う。
すなわち、判定部11aは、復調・復号化して得られた復調データ内に多重化して含まれている自局送信制御情報を受け取った際に、該自局送信制御情報内の変調方式および符号化率の情報を、対局側の変復調器20において現在使用されている変調方式および符号化率を示す情報として抽出し、抽出した該変調方式および符号化率により決定されるSNR値の上限値および下限値とを適応変調符号化率登録テーブル60から取り出す。そして、判定部11aは、自局の前記変調誤差検出部11bにより取得した変調誤差比(MER)と適応変調符号化率登録テーブル60から取り出した前記SNR値の上限値および下限値との比較結果に基づいて、前記変調誤差比が生じた状態の回線品質に応じた適切な変調方式および符号化率を対局側のB局の変復調器20において設定すべき変調方式および符号化率として、適応変調符号化率登録テーブル60から選択するという動作を行う。
より具体的に説明すると、次の通りである。まず、次変調符号化率閾値判定部51は、復調部13において復調データから抽出された自局送信制御情報が入力されてくると、入力されてきた該自局送信制御情報に基づいて、対局側のB局の変復調器20において現在使用されている変調方式および符号化率を取得し、取得した変調方式および符号化率を用いて図5に示す適応変調符号化率登録テーブル60の変調方式62および符号化率63を参照する。その参照結果として、現在使用されている変調方式および符号化率において決定されるSNR値の上限値を適応変調符号化率登録テーブル60のSNR値64から取得する。そして、取得したSNR値の上限値と入力された変調誤差比(MER)との比較を行う。
比較結果として、変調誤差比(MER)が、取得したSNR値の上限値以上に大きかった場合には、次変調符号化率閾値判定部51は、取得したSNR値の上限値に基づいて図5に示す適応変調符号化率登録テーブル60を再度参照する。そして、取得したSNR値の上限値(すなわち、現在使用されている変調方式および符号化率により得られるSNR値の上限値)よりも1段階大きい次段のSNR値の上限値が得られる変調方式および符号化率(すなわち、図5の適応変調符号化率登録テーブル60の次の行に登録されている変調方式および符号化率)への遷移を有効とする判定を行う。なお、変調誤差比(MER)が、取得したSNR値の上限値よりも小さかった場合には、現在よりも1段階大きい次段のSNR値の上限値が得られる変調方式および符号化率への遷移を無効とする判定を行う。そして、該遷移を有効とするか否かを示す判定結果を、対局変調符号化率判定部53に通知する。
次に、前変調符号化率閾値判定部52は、復調部13において復調データから抽出された自局送信制御情報が入力されてくると、入力されてきた該自局送信制御情報に基づいて、対局側の変復調器20において現在使用されている変調方式および符号化率を取得し、取得した変調方式および符号化率を用いて図5に示す適応変調符号化率登録テーブル60の変調方式62および符号化率63を参照する。その参照結果として、現在使用されている変調方式および符号化率において決定されるSNR値の下限値を適応変調符号化率登録テーブル60のSNR値64から取得する。そして、取得したSNR値の下限値と入力された変調誤差比(MER)との比較を行う。
比較結果として、変調誤差比(MER)が、取得したSNR値の下限値を下回っていた場合には、前変調符号化率閾値判定部52は、取得したSNR値の下限値に基づいて図5に示す適応変調符号化率登録テーブル60を再度参照する。そして、取得したSNR閾値の下限値(すなわち、現在使用されている変調方式および符号化率により得られるSNR値の下限値)よりも1段階小さい前段のSNR値の下限値が得られる変調方式および符号化率(すなわち、図5の適応変調符号化率登録テーブル60の1つ前の行に登録されている変調方式および符号化率)への遷移を有効とする判定を行う。なお、変調誤差比(MER)が、取得したSNR値の下限値以上に大きかった場合には、現在よりも1段階小さい前段のSNR値の下限値が得られる変調方式および符号化率への遷移を無効とする判定を行う。そして、該遷移を有効とするか否かを示す判定結果を、対局変調符号化率判定部53に通知する。
対局変調符号化率判定部53は、次変調符号化率閾値判定部51および前変調符号化率閾値判定部52から通知されてきた遷移を有効とするか否かを示す判定結果に基づいて、対局側の変復調器20に対して設定要求を行うべき変調方式および符号化率を決定する(シーケンスSeq9)。
すなわち、対局変調符号化率判定部53は、次変調符号化率閾値判定部51の判定結果が遷移を有効とする判定であった場合には、対局側の変復調器20に対して、現在使用されている変調方式および符号化率において決定される現在のSNR値よりも1段階大きい次段のSNR値の上限値が得られる変調方式および符号化率を設定することを要求するという判定を行う。一方、前変調符号化率閾値判定部52の判定結果が遷移を有効する判定であった場合には、対局側の変復調器20に対して、現在のSNR値よりも1段階小さい前段のSNR値の下限値が得られる変調方式および符号化率を設定することを要求するという判定を行う。また、次変調符号化率閾値判定部51および前変調符号化率閾値判定部52のいずれの判定結果も遷移を無効とする判定であった場合には、現在のSNR値の上限値、下限値が得られる変調方式および符号化率をそのまま維持して設定することを要求するという判定を行う。
しかる後。対局変調符号化率判定部53は、判定結果として得られた変調方式および符号化率を、対局側の変復調器20に対して設定要求するために、該変調方式および符号化率の情報を含む対局送信制御情報を生成する(シーケンスSeq10)。そして、生成した該対局送信制御情報を変調部12に対して送出する(シーケンスSeq11)。
変調部12は、判定部11aの自局変調符号化率判定部54からの自局送信制御情報、判定部11aの対局変調符号化率判定部53からの対局送信制御情報を受け取ると、後位側のデータ処理部から送信用データとして送出されてくるデータ1、データ2、…、データnおよび各送信用データに付随する形で挿入した固定パターンデータのパイロット信号と多重化するために、受け取った自局送信制御情報を、送信フレームのヘッダ1の位置に挿入し、受け取った対局送信制御情報を、送信フレームのヘッダ2の位置に挿入する。しかる後、自局の変調用として設定されている符号化率と変調方式とに基づいて、送信フレームデータを符号化・変調して(シーケンスSeq12)、無線信号として、対局側の変復調器20に対して送信する(シーケンスSeq13)。
その結果、対局側の変復調器20の変調方式および符号化率を、自局側のA局の変復調器10において対局側の変復調器20に対して送信した該対局送信制御情報によって設定要求した状態に設定することができる。また、対局側のB局の変復調器20においても、A局の変復調器10に設定すべき変調方式および符号化率を、B局の変復調器20において算出した変調誤差比(MER)に基づいて決定して、対局送信制御情報として、A局の変復調器10に対して送信してくる。したがって、自局側のA局の変復調器10の変調方式および符号化率を、対局側のB局の変復調器20が設定要求した状態に設定することができる。
かかる変調方式および符号化率の設定調整動作を動的に繰り返すことにより、対局側のB局の変復調器20における変調方式および符号化率を回線品質の変化に応じて適応的に調整することができる。同様に、自局側のA局の変復調器10においても、対局側のB局の変復調器20から設定要求された変調方式および符号化率を設定する動作を繰り返すことにより、自局側のA局の変復調器10における変調方式および符号化率を回線品質の変化に応じて適応的に調整することができる。
(実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態においては、以下のような効果が得られる。
すなわち、本実施形態においては、対局側の変復調器20から受信した受信信号に関する変調誤差を検出して、検出した変調誤差に応じて変調方式および符号化率を随時切り替えながら無線通信を行うことを可能にしている。而して、例えば長距離見通し外通信における対流圏散乱によるマルチパスフェージングなどの発生や天候・気温の変化に伴い回線品質が変化するような状況下においても、変化する回線品質に応じた通信品質を適切に確保しつつ、かつ、変化する回線品質に対する伝送容量を最適な状態に効率的に設定して使用することが可能である。
また、本実施形態においては、自局側のA局の変復調器10は、当該変復調器10に現在設定されている変調方式および符号化率の情報および対局側のB局の変復調器20が設定すべき変調方式および符号化率の情報を、自局送信制御情報および対局送信制御情報として無線送信フレームに多重化して対局側のB局の変復調器20に対して送信し、逆に、対局側のB局の変復調器20から送信されてきた無線送信フレームを復調・復号化した復調データから抽出した対局送信制御情報および自局送信制御情報に基づいて、自局側のA局の変復調器10および対局側のB局の変復調器20の変調方式および符号化率の調整を動的に行っている。
而して、固定の変調方式および符号化率をそのまま使用し続けるのではなく、無線通信環境(回線品質)の変化に応じて、適切な通信品質・伝送容量が得られる変調方式および符号化率に動的に切り替えて通信を行うことが可能である。
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
10 変復調器
11 ACM制御部
11a 判定部
11b 変調誤差検出部
12 変調部
13 復調部
20 変復調器
21 ACM制御部
21a 判定部
21b 変調誤差検出部
22 変調部
23 復調部
30 通信路
41 パイロット検出部
42 理想信号保存部
43 誤差検出部
44 第1アキュムレータ
45 第2アキュムレータ
46 第1デシベル変換部
47 第2デシベル変換部
48 減算部
51 次変調符号化率閾値判定部
52 前変調符号化率閾値判定部
53 対局変調符号化率判定部
54 自局変調符号化率判定部
60 適応変調符号化率登録テーブル
61 項番
62 変調方式
63 符号化率
64 SNR値
100 無線通信システム

Claims (10)

  1. 送信用データの符号化および変調を行うことにより生成した無線信号を用いて互いに対向する各通信装置間の通信を行い、
    各前記通信装置内の変復調器それぞれは、
    対局側の前記通信装置内の変復調器から送信されてきた前記無線信号を復調および復号化して復調データを取得した際に、該復調データから抽出したパイロット信号とその理想信号から変調誤差を検出する変調誤差検出手段と、
    該変調誤差検出手段により検出した前記変調誤差に基づいて、対局側の前記通信装置内の変復調器において設定すべき変調方式および符号化率を選択して、選択した該変調方式および符号化率の情報を含む対局送信制御情報を対局側の前記通信装置内の変復調器に設定要求する制御情報として生成する判定手段と、
    前記判定手段によって生成された前記対局送信制御情報を送信フレーム内のヘッダ部に挿入して前記送信用データと多重化し、さらに、符号化および変調を行うことにより生成した前記無線信号を対局側の前記通信装置内の変復調器に対して送信する変調手段と、
    を有し、
    かつ
    各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記判定手段は、さらに、
    対局側の前記通信装置内の変復調器から送信されてきた前記無線信号を復調および復号化して取得した前記復調データ内に多重化して含まれている前記対局送信制御情報を受け取った際に、前記対局送信制御情報内の変調方式および符号化率の情報を抽出して、抽出した該変調方式および符号化率を、自局において変調を行う際の変調方式および符号化率として前記変調手段に設定する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記変調手段は、
    あらかじめ定めた固定パターンデータからなるパイロット信号を1ないし複数の前記送信用データそれぞれに付随させた形で多重化し、さらに、符号化および変調を行って生成した前記無線信号を対局側の前記通信装置内の変復調器に対して送信し、
    かつ
    各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記変調誤差検出手段は、
    復調および復号化して得られた前記復調データ内に多重化されている1ないし複数の前記パイロット信号を抽出して、抽出した1ないし複数の該パイロット信号の受信パターンデータそれぞれと前記固定パターンデータとの間の誤差をあらかじめ定めた一定周期分累積した累積値をデシベル化した値を、前記変調誤差として検出し、前記固定パターンデータを前記一定周期分累積した累積値をデシベル化した値から前記変調誤差を減算した値を変調誤差比として取得し、
    かつ
    各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記判定手段は、
    自局の変調誤差検出手段において検出した前記変調誤差を加工して取得した前記変調誤差比に基づいて、対局側の前記通信装置内の変復調器において設定すべき変調方式および符号化率を選択する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記判定手段は、
    対局側の前記通信装置内の変復調器において設定することが可能な変調方式および符号化率を、それぞれの変調方式と符号化率との組み合わせにおいて決定されるSNR(Signal to Noise Ratio)値の範囲を示す上限値および下限値とともに、該SNR値が小さい順番に登録した適応変調符号化率登録テーブルを保有し、
    自局の前記変調誤差検出手段により取得した前記変調誤差比と前記適応変調符号化率登録テーブルに登録されている前記SNR値との比較結果に基づいて、前記変調誤差比が生じた状態の回線品質に応じた適切な変調方式および符号化率を、対局側の前記通信装置内の変復調器において設定すべき変調方式および符号化率として、前記適応変調符号化率登録テーブルから選択する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記判定手段は、
    自局の前記通信装置内の変復調器において現在使用している変調方式および符号化率の情報を含む自局送信制御情報を生成し、
    かつ
    各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記変調手段は、
    自局の前記通信装置内の変復調器の前記判定手段によって生成された前記自局送信制御情報を送信フレーム内の前記対局送信制御情報を挿入した前記ヘッダ部とは異なるヘッダ部に挿入して前記送信用データと多重化し、さらに、符号化および変調を行って生成した前記無線信号を対局側の前記通信装置内の変復調器に対して送信し、
    かつ
    各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記判定手段は、さらに、
    復調および復号化して得られた前記復調データ内に多重化して含まれている前記自局送信制御情報を受け取った際に、前記自局送信制御情報内の変調方式および符号化率の情報を、対局側の前記通信装置内の変復調器において現在使用されている変調方式および符号化率を示す情報として抽出し、抽出した該変調方式および符号化率により決定されるSNR値の上限値および下限値とを前記適応変調符号化率登録テーブルから取り出して、
    自局の前記変調誤差検出手段により取得した前記変調誤差比と前記適応変調符号化率登録テーブルから取り出した前記SNR値の上限値および下限値との比較結果に基づいて、前記変調誤差比が生じた状態の回線品質に応じた適切な変調方式および符号化率を対局側の前記通信装置内の変復調器において設定すべき変調方式および符号化率として、前記適応変調符号化率登録テーブルから選択する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
  5. 各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記判定手段は、
    自局の前記変調誤差検出手段により取得した前記変調誤差比と前記適応変調符号化率登録テーブルから取り出した前記SNR値の上限値および下限値との比較結果として、
    前記変調誤差比が、前記適応変調符号化率登録テーブルから取り出した前記SNR値の上限値以上に大きい値であった場合には、該SNR値の上限値よりも1段階大きい次段のSNR値の上限値が得られる変調方式および符号化率を、対局側の前記通信装置内の変復調器において設定すべき変調方式および符号化率として前記適応変調符号化率登録テーブルから選択し、
    また、
    前記変調誤差比が、前記適応変調符号化率登録テーブルから取り出した前記SNR値の下限値を下回った値であった場合には、該SNR値の下限値よりも1段階小さい前段のSNR値の下限値が得られる変調方式および符号化率を、対局側の前記通信装置内の変復調器において設定すべき変調方式および符号化率として前記適応変調符号化率登録テーブルから選択し、
    また、
    前記変調誤差比が、前記適応変調符号化率登録テーブルから取り出した前記SNR値の上限値よりも小さく、かつ、前記SNR値の下限値以上に大きい値であった場合には、該SNR値の上限値および下限値が得られる現在使用されている変調方式および符号化率を、対局側の前記通信装置内の変復調器において設定すべき変調方式および符号化率として選択する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
  6. 送信用データの符号化および変調を行うことにより生成した無線信号を用いて互いに対向する各通信装置間の通信を行う無線通信システムにおいて各前記通信装置内に設置され、
    対局側の前記通信装置から送信されてきた前記無線信号を復調および復号化して復調データを取得した際に、該復調データから抽出したパイロット信号とその理想信号から変調誤差を検出する変調誤差検出手段と、
    該変調誤差検出手段により検出した前記変調誤差に基づいて、対局側の前記通信装置において設定すべき変調方式および符号化率を選択して、選択した該変調方式および符号化率の情報を含む対局送信制御情報を対局側の前記通信装置に設定要求する制御情報として生成する判定手段と、
    前記判定手段によって生成された前記対局送信制御情報を送信フレーム内のヘッダ部に挿入して前記送信用データと多重化し、さらに、符号化および変調を行うことにより生成した前記無線信号を対局側の前記通信装置に対して送信する変調手段と、
    を有し、
    かつ
    前記判定手段は、さらに、
    対局側の前記通信装置から送信されてきた前記無線信号を復調および復号化して取得した前記復調データ内に多重化して含まれている前記対局送信制御情報を受け取った際に、前記対局送信制御情報内の変調方式および符号化率の情報を抽出して、抽出した該変調方式および符号化率を、自局において変調を行う際の変調方式および符号化率として前記変調手段に設定する、
    ことを特徴とする変復調器。
  7. 送信用データの符号化および変調を行うことにより生成した無線信号を用いて互いに対向する各通信装置間の通信を行う無線通信システムにおいて各前記通信装置の変復調器に適用され、
    各前記通信装置内の変復調器それぞれは、
    対局側の前記通信装置内の変復調器から送信されてきた前記無線信号を復調および復号化して復調データを取得した際に、該復調データから抽出したパイロット信号とその理想信号から変調誤差を検出する変調誤差検出ステップと、
    該変調誤差検出ステップにより検出した前記変調誤差に基づいて、対局側の前記通信装置内の変復調器において設定すべき変調方式および符号化率を選択して、選択した該変調方式および符号化率の情報を含む対局送信制御情報を対局側の前記通信装置内の変復調器に設定要求する制御情報として生成する判定ステップと、
    前記判定ステップによって生成された前記対局送信制御情報を送信フレーム内のヘッダ部に挿入して前記送信用データと多重化し、さらに、符号化および変調を行うことにより生成した前記無線信号を対局側の前記通信装置内の変復調器に対して送信する変調ステップと、
    を有し、
    かつ
    各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記判定ステップは、さらに、
    対局側の前記通信装置内の変復調器から送信されてきた前記無線信号を復調および復号化して取得した前記復調データ内に多重化して含まれている前記対局送信制御情報を受け取った際に、前記対局送信制御情報内の変調方式および符号化率の情報を抽出して、抽出した該変調方式および符号化率を、自局において変調を行う際の変調方式および符号化率として前記変調ステップに設定する、
    ことを特徴とする適応符号化率変調方法。
  8. 各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記変調ステップは、
    あらかじめ定めた固定パターンデータからなるパイロット信号を1ないし複数の前記送信用データそれぞれに付随させた形で多重化し、さらに、符号化および変調を行って生成した前記無線信号を対局側の前記通信装置内の変復調器に対して送信し、
    かつ
    各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記変調誤差検出ステップは、
    復調および復号化して得られた前記復調データ内に多重化されている1ないし複数の前記パイロット信号を抽出して、抽出した1ないし複数の該パイロット信号の受信パターンデータそれぞれと前記固定パターンデータとの間の誤差をあらかじめ定めた一定周期分累積した累積値をデシベル化した値を、前記変調誤差として検出し、前記固定パターンデータを前記一定周期分累積した累積値をデシベル化した値から前記変調誤差を減算した値を変調誤差比として取得し、
    かつ
    各記通信装置内の変復調器それぞれの前記判定ステップは、
    自局の変調誤差検出ステップにおいて検出した前記変調誤差を加工して取得した前記変調誤差比に基づいて、対局側の前記通信装置内の変復調器において設定すべき変調方式および符号化率を選択する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の適応符号化率変調方法。
  9. 各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記判定ステップは、
    対局側の前記通信装置内の変復調器において設定することが可能な変調方式および符号化率を、それぞれの変調方式と符号化率との組み合わせにおいて決定されるSNR(Signal to Noise Ratio)値の範囲を示す上限値および下限値とともに、該SNR値が小さい順番に登録した適応変調符号化率登録テーブルを保有し、
    自局の前記変調誤差検出ステップにより取得した前記変調誤差比と前記適応変調符号化率登録テーブルに登録されている前記SNR値との比較結果に基づいて、前記変調誤差比が生じた状態の回線品質に応じた適切な変調方式および符号化率を、対局側の前記通信装置内の変復調器において設定すべき変調方式および符号化率として、前記適応変調符号化率登録テーブルから選択する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の適応符号化率変調方法。
  10. 各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記判定ステップは、
    自局の前記通信装置内の変復調器において現在使用している変調方式および符号化率の情報を含む自局送信制御情報を生成し、
    かつ
    各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記変調ステップは、
    自局の前記通信装置内の変復調器の前記判定ステップによって生成された前記自局送信制御情報を送信フレーム内の前記対局送信制御情報を挿入した前記ヘッダ部とは異なるヘッダ部に挿入して前記送信用データと多重化し、さらに、符号化および変調を行って生成した前記無線信号を対局側の前記通信装置内の変復調器に対して送信し、
    かつ
    各前記通信装置内の変復調器それぞれの前記判定ステップは、さらに、
    復調および復号化して得られた前記復調データ内に多重化して含まれている前記自局送信制御情報を受け取った際に、前記自局送信制御情報内の変調方式および符号化率の情報を、対局側の前記通信装置内の変復調器において現在使用されている変調方式および符号化率を示す情報として抽出し、抽出した該変調方式および符号化率により決定されるSNR値の上限値および下限値とを前記適応変調符号化率登録テーブルから取り出して、
    自局の前記変調誤差検出ステップにより取得した前記変調誤差比と前記適応変調符号化率登録テーブルから取り出した前記SNR値の上限値および下限値との比較結果に基づいて、前記変調誤差比が生じた状態の回線品質に応じた適切な変調方式および符号化率を対局側の前記通信装置内の変復調器において設定すべき変調方式および符号化率として、前記適応変調符号化率登録テーブルから選択する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の適応符号化率変調方法。
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