本発明は、太陽の向きと高度に合わせて架台を追尾させる技術に係り、特に、回転駆動系を用いることなく太陽の向きと高度に合わせて追従する太陽追尾機能付き架台及び太陽光発電機に関する。
太陽追尾装置を備えた架台としては、太陽の方位に合わせて東西方向に移動させる所謂パン駆動するパン駆動系と、上下方向に傾動させる所謂チルド駆動系を備えた構成が提案されている(特許文献1)。パン駆動系とチルト駆動系は緯度等の情報が予め設定されたプログラムを備えた太陽追尾制御装置により別々に回転駆動制御され、太陽の方位と高さに応じて所定方向に移動する。
このような太陽追尾装置付きの架台は、例えばソーラパネルを架台上面に取付け、日の出から日の入りの間でソーラパネルが太陽に向くようにしている。
従来の太陽追尾装置付きの架台において、太陽追尾装置は、パン駆動系とチルト駆動系の2つの回転駆動系を必要とする。このため、架台の構成が複雑化し、また電動モータ等を搭載するため重くなる。また、前記2つの駆動系は、駆動に電力を必要とするため、設置の際に電源の確保が必要となる。さらに、前記2つの駆動系の駆動制御には、太陽追尾制御装置を必要とするため、設置個所に合わせて緯度等の情報を事前に入力しなければならず、簡便な利用性に欠ける傾向にある。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、回転駆動系を用いることなく太陽の向きと高度に合わせて追従する太陽追尾機能付き架台及び太陽光発電機を提供することを目的としている。
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の太陽追尾機能付き架台は、架台本体をなす遮光性を有する遮光板と、前記遮光板を3点でそれぞれ自在継手を介して個々に支持する3つの支持装置とを備え、2又は3の前記支持装置は、太陽光の照射状態による温度変化で軸方向長さが伸縮し、降温側への温度変化で支持高さが高く、昇温側への温度変化で支持高さが低くなる支持高さ可変手段を有し、前記遮光板は、前記支持高さ可変手段に対する太陽光の照射状態を変化させる庇をなす。
〔発明2〕 さらに、発明2の太陽追尾機能付き架台は、発明1の太陽追尾機能付き架台において、前記支持高さ可変手段は、降温側への温度変化で軸方向に沿って縮み、昇温側への温度変化で軸方向に沿って伸びるコイル状バイメタルと、前記コイル状バイメタルの伸縮動作を逆方向の動作に変換し、前記コイル状バイメタルが縮むと前記遮光板の支持高さを高く、前記コイル状バイメタルが伸びると前記遮光板の支持高さを低くする変換機構とを備える。
〔発明3〕 さらに、発明3の太陽追尾機能付き架台は、発明1及び2のいずれか1の太陽追尾機能付き架台において、前記3つの支持装置は、基台に取付けられている。
〔発明4〕 さらに、発明4の太陽追尾機能付き架台は、発明1乃至3のいずれか1の太陽追尾機能付き架台において、前記3つの支持装置は、鋭角三角形の各頂点位置に配置される。
〔発明5〕 さらに、発明5の太陽追尾機能付き架台は、発明4の太陽追尾機能付き架台において、前記鋭角三角形の底辺を東西方向に向けて前記架台を設置し、東西方向の各頂点と南側の頂点に前記支持装置を配置した。
〔発明6〕 さらに、発明6の太陽追尾機能付き架台は、発明1乃至5のいずれか1の太陽追尾機能付き架台において、前記遮光板の上面に形成した閉鎖空間内に多数の球体が前記遮光板の傾動動作に従って転がりながら移動する多数の球体が収納されている。
〔発明7〕 さらに、発明7の太陽追尾機能付き架台は、発明6の太陽追尾機能付き架台において、前記多数の球体の移動を前記球体の導電性を利用して電気的に検知し、又は音、振動を検知して認識する認識手段を備える。
〔発明8〕 一方、上記目的を達成するために、発明8の太陽光発電機は、発明1乃至7のいずれか1の太陽追尾機能付き架台と、前記太陽追尾機能付き架台の遮光板の上面にソーラパネルを設けたソーラパネルユニットとを備える。
以上説明したように、発明1の太陽追尾機能付き架台によれば、従来のようなパン駆動系とチルト駆動系が不要となり、シンプルな構成の架台を提供でき、また軽量化することができ、電源のない場所でも設置することができる。
さらに、発明2の太陽追尾機能付き架台によれば、コイル状バイメタルの伸縮動作を利用して遮光板を太陽に追尾させることができる。
さらに、発明3の太陽追尾機能付き架台によれば、3つの支持装置を安定して取り付けることができる。
さらに、発明4の太陽追尾機能付き架台によれば、太陽光の向きによって、3つの支持装置に対し、太陽光の照射状況を異ならせることができる。
さらに、発明5の太陽追尾機能付き架台によれば、太陽の日の出から日の入りに渡って遮光板を南向きに傾斜させて太陽に追尾させることができる。
さらに、発明6の太陽追尾機能付き架台によれば、遮光板の太陽追尾動作を補助し、遮光板の滑らかな移動を行うことができる。
さらに、発明7の太陽追尾機能付き架台によれば、ゆっくりと移動する遮光板が太陽の向きと高度に合わせて追尾しているか否かを認識することができる。
一方、発明8の太陽光発電機によれば、架台の太陽追尾動作に電力を不要としてソーラパネルを太陽の向きと高度に追尾させることができ、効率のよい発電が行える。
(a)は本発明による太陽追尾機能付き架台の概要を示す概略分解斜視図で、架台にソーラパネルユニットを装備した太陽光発電機を示す。(b)は(a)のT−T線に沿って切断した転球収納部の上面図。(c)はソーラパネルユニットの上面図である。
図1(a)の太陽光発電機に南東方向から太陽光が射した時の架台の動作を示す図で、(a)は太陽光の照射方向とソーラパネルユニットの傾斜方向を示す上面図、(b)は球体の転がり方向を示す図、(c)は太陽光発電機を南側から見た図、(d)は太陽光発電機を北側から見た図である。
図1(a)の太陽光発電機に真上から太陽光が射した時の架台の動作を示す図で、(a)はソーラパネルユニットに対する太陽光の照射方向を示す上面図、(b)は球体の転がり方向を示す図、(c)は太陽光発電機を南側から見た図、(d)は太陽光発電機を北側から見た図である。
図1(a)の太陽光発電機に南西方向から太陽光が射した時の架台の動作を示す図で、(a)は太陽光の照射方向とソーラパネルユニットの傾斜方向を示す上面図、(b)は球体の転がり方向を示す図、(c)は太陽光発電機を南側から見た図、(d)は太陽光発電機を北側から見た図である。
図1(a)の太陽光発電機を傾斜面に設置した場合を示し、(a)は屋根に設置した状態、(b)は斜面に設置した状態、(c)は太陽光の照射方向とソーラパネルユニットの傾斜方向を示す上面図、(d)は球体の転がり方向を示す図、(e)は太陽光発電機を南側から見た図、(f)は太陽光発電機を北側から見た図である。
本発明による太陽追尾機能付き架台を備えた太陽光発電機の実施形態を示す外観斜視図である。
図6に示す支持装置の側面図で、支持筒及びソーラパネルユニットを縦断面で示す。
(a)は図6に示すソーラパネルユニットの上面図で、ソーラパネルを取り外した状態を示し、(b)は(a)のイーイ線断面図である。
ソーラパネルユニットの方位を示すインジケータを示す。
太陽の向き(東向き)とソーラパネルの傾斜状態の関係を示し、(a)は上面図、(b)は東側から見た側面図、(c)は南側から見た正面図である。
太陽の向き(南東向き)とソーラパネルの傾斜状態の関係を示し、(a)は上面図、(b)は東側から見た側面図、(c)は南側から見た正面図である。
太陽の向き(南向き)とソーラパネルの傾斜状態の関係を示し、(a)は上面図、(b)は東側から見た側面図、(c)は南側から見た正面図である。
太陽の向き(南西向き)とソーラパネルの傾斜状態の関係を示し、(a)は上面図、(b)は西側から見た側面図、(c)は南側から見た正面図である。
太陽の向き(西向き)とソーラパネルの傾斜状態の関係を示し、(a)は上面図、(b)は西側から見た側面図、(c)は南側から見た正面図である。
太陽の向き(真上)とソーラパネルの傾斜状態の関係を示し、(a)は上面図、(b)は東側から見た側面図、(c)は南側から見た正面図である。
(a)〜(f)は太陽の向きとソーラパネルユニットの傾斜に応じた転球群の片寄状態との関係を示し、(a)は太陽が東方向、(b)は太陽が南西方向、(c)は太陽が南方向、(d)は太陽が南西方向、(e)は太陽が西方向、(f)は太陽が真上を示す。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
〔本実施の形態の概要〕
本発明による太陽追尾機能付き架台の概要を図1に基づいて説明し、太陽追尾動作の概要を図2〜図5に基づいて説明する。
図1に示す架台300には、ソーラパネルユニット400が装備されて太陽光発電機100を構成する。架台300は、ソーラユニットパネル400を載置する架台本体310を3本の支持脚311、312、313により3点支持する構成としている。3本の支持脚の支持点を結ぶと、各支持点は三角形の各頂点に位置する。架台本体310を3本の支持脚311〜313で3点支持する構成は、架台300を水平面に限らず、傾斜面に設置する場合でも3本の支持脚311〜313が必ず当接するという特徴がある。また、3本の支持脚311〜313の長さが異なっても各支持脚311〜313は必ず当接する。その際、架台本体310は傾斜する。
3本の支持脚311〜313の長さが異なると、架台本体310は丈の長い支持脚を上側、丈の低い支持脚を下側として傾斜する傾斜面をなす。このことより、ある支持脚の丈を他の支持脚よりも短くすると、架台本体310の傾斜面を丈の短い支持脚側に向かわせることができる。
架台300の3本の支持脚311〜313について、支持脚の長さが温度上昇で短くなり、温度低下で長くなるという温度変化による長さ調節機能を備えたものとしている。架台本体310を遮光性の板材である遮光板とした場合、太陽の向きによって、3本の支持脚311〜313の丈に変化が生じる。例えば、太陽光が照射されて温度が上昇した支持脚は丈が短くなり、遮光板である架台本体310により太陽光が遮られて温度が低下した支持脚は丈が短くなる。そうすると、太陽に向いた支持脚は丈が短くなり、架台本体310は太陽に向かって傾斜することになる。
3本の支持脚311〜313の上端が架台本体310の裏面にしっかりと固定されていると、3本の支持脚311〜313の丈の変化に応じて架台本体310の自由な傾動動作ができない。このため、3本の支持脚311〜313はそれぞれユニバーサルジョイント(自在継手)320を介して架台本体310に連結され、台1本体310の自由な傾動動作を確保している。架台300は、ユニバーサルジョイント320による架台本体310の自由な傾動を可能とすることにより、架台本体310を太陽の向きに傾斜させながら追尾させることができるようにしている。
図1において、架台300は、基台301にユニバーサルジョイント320を備えた3本の支持脚311〜313を取り付け、各ユニバーサルジョイント320を介して遮光板である架台本体310を3本の支持脚311〜313に連結している。架台本体310には、図1(b)に示すように、架台本体310の傾動動作を促進する複数の球体302を転動可能に収納する転球収納枠部303が設けられている。転球収納枠部303内における複数の球体302の偏り状態で架台本体310の傾斜方向が判断可能となる。
転球収納枠部303の上に、図1(c)に示すソーラパネルユニット400が取り付けられる。基台301の幅を2dとすると、基台301の前側で、幅方向中央に第1支持脚311、後側の両角部に第2支持脚312、第3支持脚313を取り付けており、第1支持脚311の取付位置を頂点とする二等辺三角形の底辺両端に第2支持脚312、第3支持脚313を取り付けた構成として以下に説明する。また、図2〜図5において、第1支持脚311を南側、第2支持脚312を東側、第3支持脚313を西側に向けるようにして太陽光発電機100を配置したものとする。さらに、第1支持脚311〜第3支持脚311は、同一温度において同一長さとして説明する。
図2は太陽Sの向きが南東の場合を示し、図2(a)に示すように架台本体310上のソーラパネルユニット400は南東に向けて傾斜する。第1支持脚311と第2支持脚312と第3支持脚313について、架台本体310による日陰の影響が最も少ないのは第1支持脚311、最も大きいのは第3支持脚313、中間は第2支持脚312である。したがって、丈の長さは第1支持脚311、第2支持脚312、第3支持脚313の順に長くなる。
図2(b)に示すように、複数の球体302は架台本体310の傾斜方向である南東方向に集まる。図2(c)に示すように、架台本体310の南側前端が低く、西側から東側に傾斜する。図2(d)に示すように、架台本体310の北側の後端は、南側前端よりも高く、西側から東方向に傾斜する。
図3は太陽Sの向きが真南(真上)の場合を示し、図3(a)に示すようにソーラパネルユニット400はフラットな状態に保持される。第1支持脚311と第2支持脚312と第3支持脚313に対する架台本体310による日陰の影響は同一になるので、第1支持脚311、第2支持脚312、第3支持脚313の丈は同一長さとなり、図3(c)及び図3(d)に示すように架台本体310はフラットになる。
図4は太陽Sの向きが南西の場合を示し、図2(a)に示すように架台本体310上のソーラパネルユニット400は南西に向けて傾斜する。第1支持脚311と第2支持脚312と第3支持脚313について、架台本体310による日陰の影響が最も少ないのは第1支持脚311、最も大きいのは第2支持脚312、中間は第3支持脚313である。したがって、丈の長さは第1支持脚311、第3支持脚313、第2支持脚312の順に長くなる。
図4(b)に示すように、複数の球体302は架台本体310の傾斜方向である南西方向に集まる。図4(c)に示すように、架台本体310の南側前端が低く、東側から西側に傾斜する。図4(d)に示すように、架台本体310の北側の後端は、南側前端よりも高く、東側から西方向に傾斜する。
太陽光発電機100は図5(a)のように屋根に設置し、又は図5(b)に示すように斜面等に設置することが一般的である。架台300を図5(a)に示す屋根に設置した場合を例にする。架台300を図5(e)、図5(f)のように東から西に向けて下り傾斜の屋根の傾斜面101に設置すると、ソーラパネルユニット400は東から西に向けて太陽Sを追尾する。日の入りから日の出前の間は、3本の支持脚311〜313は丈が等長なので、架台本体310とソーラパネルユニット400は傾斜面101と平行に保持される。太陽Sが東から南東方向に移動するに従って、第2支持脚312の温度上昇が最も大きく、次いで第1支持脚312、殆ど温度変化がないのが第3支持脚313となる。このため、架台本体310が東側を向くことになる。太陽Sの向きが南東方向まで移動すると、第1支持脚311の温度が第2支持脚312の温度を上回り、南側に面する第1支持脚311が第2支持脚312よりも丈が低くなり、架台本体310が南向きに傾斜することになる。図5(d)に示すように、架台本体310の傾斜に合わせて球体302は転球収納枠部303の南東寄りに集まる。
図1〜図5に基づく架台300の概要説明において、3本の支持脚311〜313は基台301上に当接させているが、基台301を設けずに、3本の支持脚311〜313を直接地面等に当接させるようにしてもよい。この場合、地面に凹凸があっても架台300はぐらつくことなく地面等に安定して据え付けられる。このため、架台300にソーラパネルユニット400を取り付けた太陽光発電機100は設置場所の状況に左右されることなく設置することができる。
なお、第1支持脚311〜第3支持脚313の向きはこれに限定されるものではなく、架台300をどのような向きに設置しても、太陽に向いた支持脚側を低くなるように架台本体310が傾斜するので、太陽追尾が行われる。
〔本実施の形態の構成〕
本発明による架台の概要説明に続き、以下に詳細な構成を説明する。
図6及び図7において、太陽光発電機1は、基台2に前記支持脚に相当する3基の支持装置10(以下、第1支持装置11、第2支持装置12、第3支持装置13とする)を取り付け、前記台本体に相当する遮光性を有する遮光板41を第1支持装置11、第2支持装置12、第3支持装置13により3点支持する。基台2と第1支持装置11と第2支持装置12と第3支持装置13と遮光板41により架台3を構成する。
本実施の形態では、ソーラパネルユニット40に遮光板41を設けており、架台3の天板をなす遮光板41にソーラパネルユニット40が取り付けられる。
支持装置10は、太陽光の照射による温度変化により軸方向長さを変化させる支持高さ可変手段の構成部材として例えば帯状のバイメタルをコイル状に巻回して形成されたコイル状バイメタル21の温度変化に応じた長さ変化に基づき、遮光板41に対する支持点と基台2との上下方向距離であるの高さを調整する。コイル状バイメタル21が太陽光により温められると軸方向長さが伸び、温度が低下すると軸方向長さが短くなる特性を有する。
支持装置10は、支持高さ可変手段の後記する変換機構により、コイル状バイメタル21が昇温傾向にある、すなわち太陽の高度が高くなり、継続して温められる状況下において支持高さを低くするように動作する。逆に、コイル状バイメタル21が降温傾向にある、すなわち太陽の高度が低くなり、又は遮光されて温度が低下する状況下において支持高さを高くするように動作する。
本実施の形態において、支持装置10は、矩形形状の基板22の一端部にコイル状バイメタル21を軸方向を上下方向にして下端を固定する。基板22の他端部には、円筒状の支持筒23を軸方向を上下方向にして下端を固定する。支持筒23内に支持部材である支持ロッド24が上下方向に移動自在に挿通される。支持ロッド24は、支持筒23の上端から上方に伸びるロッド上端には自在継手25が取り付けられ、自在継手25の取付軸26がソーラパネルユニット40の遮光性を有する遮光板41の裏面に取り付けられる。自在継手25は、回転ボール251に取付軸26が固定され、回転ボール251の回転中心Pを中心として取付軸26が支持ロッド24に対して任意の向きに移動自在となっている。したがって、ソーラパネルユニット40は回転中心Pを中心に任意の向きに傾斜可能となる。
支持筒23内に配置される支持ロッド24の下端部には、連結ピン27が固定されており、作動レバー28の先端部に形成した軸方向に沿って細長い長孔29が連結ピン27に係合している。作動レバー28の先端部は、支持筒23の側面に上下方向に沿って形成した細い長孔で構成されたスリット30を通して支持筒23内に装入される。
作動レバー28の基端部は、コイル状バイメタル21の上端部に固定された連結軸31に連結ピン32を介して連結される。コイル状バイメタル21と支持筒23との間に起立して基板22に固定した支柱33の上端部に支軸34を介して作動レバー28が回転自在に取り付けられ、これらの部材等によってコイル状バイメタル21の伸縮動作を逆方向に変換する変換機構を構成する。
コイル状バイメタル21が可動範囲内で最長に伸びた状態で作動レバー28は支持ロッド24を下死点位置に下動させ、最も縮んだ状態で作動レバー28は支持ロッド24を上死点位置に上動させる。
図7において、支持装置10は、コイル状バイメタル21が太陽光を浴びて熱くなると、コイル状バイメタル21の上端が矢印100方向に移動し、支持ロッド24が矢印200で示す下方に向けて下動し、取付軸26に取付けられたソーラパネルユニット40が下方に下がる。
基板22の裏面側には作動ロッド24の軸中心線上に回転支軸35が下方に向けて支出される。基台2の上面には、支持装置10の取り付け位置に回転支軸35が回転可能に係合する係合穴2aが形成されている。支持装置10は、基板22にコイル状バイメタル21と支柱33と支持筒23を固定してユニット化した構成としており、図6に示すように、回転支軸35を中心に時計回り方向(CW)及び反時計回り方向(CCW)に回転し、コイル状バイメタル21を任意の向きに向けることができる。
太陽光発電機1を設置する地域を北半球とすると、太陽は東から出て、南を通り西に沈むので、ソーラパネルユニット40を東側に向けて傾斜させ、徐々に南側に向け傾斜させ、さらに西側に向けて傾斜させることで、太陽光を効率よく受光することができる。また、ソーラパネルユニット40を3基の支持装置10で3点支持することは、3点の支持高さが異なってもソーラパネルユニットを傾斜状態で安定に支持できる。このため、第1支持装置11を南側、第2支持装置12を東側、第3支持装置13を西側に配置している。
ここで、図7に示すように支持装置10の作動ロッド24の中心軸線Lが基台2の表面に交わる点を支持点Rとすると、図6に示すように、第1支持装置11の支持点をR1、第2支持装置12の支持点をR2、第3支持装置13の支持点をR3とする。支持点R1、R2、R3を結ぶ三角形を鋭角三角形とし、本実施の形態では二等辺三角形として支持点R1を頂点とすると、底辺の両端をR2とR3としている。各取付軸26と遮光板41との取付位置の関係においても前記二等辺三角形と同じ二等辺三角形が形成され、支持点とすることができる。
このように、鋭角三角形の各頂点で、南方向及び東西方向に第1支持装置11〜第3支持装置13を配置することにより、太陽が真上に位置する場合を除き、第1支持装置11〜第3支持装置13に対する太陽光の照射状態を異ならせることができ、日の出から日の入りに渡って確実に太陽の追尾が行える。
図6〜図8に示すように、ソーラパネルユニット40は、ソーラパネル取付板43に複数のソーラパネル44が取り付けられた構成としている。架台3は、例えば正方形に形成された遮光板41の上面中央に、平面正方形の転球収納枠部42が取り付けられた構成とし、転球収納枠部42の開口上面を外形が正方形のソーラパネル取付板43で覆っている。転球収納枠部42と遮光板41とソーラパネル取付板43により囲まれた空間を転球収納部45とし、転球収納部45内に多数個の球体46が転がり自在に収納されている。球体46は鉄等の高比重の材料で形成され、導電性を備えている。
遮光板41の各辺は転球収納枠部45よりも外方にそれぞれ幅Wだけ延出されており、この延出部分は第1支持装置11と第2支持装置12と第3支持装置13のコイル状バイメタル21に対して日光を遮る庇として機能する。
第1支持装置11の支持点R1は、遮光板41の東西方向に沿った長さの中央位置で、幅Wの前記延出部分の中央位置としている。第2支持装置12の支持点R2と第3支持装置13の支持点R3は、遮光板41の北側の側辺から延出幅Wの半分の位置で、それぞれ東及び西側の側辺から延出幅Wの半分の位置としている。なお、支持点R1は東側又は西側に偏ってもよく、支持点R2と支持点R3は南北方向においてずれてもよい。
図8に示すように、遮光板41の中央部分には転球収納枠部42内において、球面形状の凹部47が形成されており、凹部47の中央部分における深さを球体46が僅かにはまり込む程度としている。また、凹部47内に全ての球体46を収納可能とする。ソーラパネルユニット40が水平状態の場合、殆どの球体46が凹部47内に収納され、遮光板41と一体にソーラパネルユニット40が傾斜すると、傾斜方向に向けて移動する。その際、多数の重い球体46が傾斜方向に移動するので、ソーラパネルユニット40の傾斜側の重量を増加させて傾斜動作を加速させる。
転球収納枠部42は、東側に面する東枠板421と、南側に面する南枠板422と、西側に面する西枠板423と、北側に面する北枠板424とにより構成している。東枠板421の南北方向両端部内面側には、端面から僅かな距離を隔てて導電性の第1電極板48と第2電極板49が設けられている。同様に南枠板422の東西方向両端部内面側に導電性の第3電極板50と第4電極板51が設けられ、西枠板423の南北方向両端部内面側に導電性の第5電極板52と第6電極板53、北枠板424の東西方向両端部内面側に導電性の第7電極板54と第8電極板55が設けられている。
転球収納枠部42の各角部に設けられる一対の第1電極板48と第8電極板55により第1スイッチS1、一対の第2電極板49と第3電極板50により第2スイッチS2、一対の第4電極板51と第5電極板52により第3スイッチS3、一対の第6電極板53と第7電極板54により第4スイッチS4を構成する。第1スイッチS1〜第4スイッチS4において、導電性を備えた球体46がスイッチ作動体として機能し、各一対の電極に球体46が接触して導通すると、スイッチオン(ON)の「1」信号、球体46が非接触の非導通状態でスイッチオフ(OFF)の「0」信号をソーラパネルユニット40の傾斜方位を示す図4(a)に示すソーラパネルユニット40の移動を確認する確認手段としてのインジケータに出力する。
図9に示すインジケータ60は、基台2を水平配置した場合を例にするもので、東、南、西の向きにソーラパネルユニット40が傾斜した状態と、特別な設定の場合に太陽が真上に位置する状態をそれぞれ点灯表示で示す東表示部61、南表示部62、西表示部63、真上表示部64を有している。各表示部61〜64は、点灯回路65により点灯制御される。点灯回路65は、第1〜第4AND回路66〜69を有する。第1AND回路66には第1スイッチS1と第2スイッチS2から「0」又は「1」の信号が入力される。第2AND回路67には第2スイッチS2と第3スイッチS3から「0」又は「1」の信号が入力される。第3AND回路68には第3スイッチS3と第4スイッチS4から「0」又は「1」の信号が入力される。第4AND回路69には第1スイッチS1〜第4スイッチS4から「0」又は「1」の信号がそれぞれNOT回路70を介して入力される。
第1スイッチS1と第2スイッチS2が共にオンとなりそれぞれ信号1が第1AND回路66に出力されると東表示部61が点灯する。第2スイッチS2と第3スイッチS3が共にオンとなりそれぞれ信号1が第2AND回路67に出力されると南表示部62が点灯する。第3スイッチS3と第4スイッチS4が共にオンとなりそれぞれ信号1が第3AND回路68に出力されると西表示部63が点灯する。
後記するが基台2を水平配置し、第2支持装置12と第3支持装置13を回転支軸35を中心に回転して東西方向に向け、各コイル状バイメタル21を遮光板41よりも外側に張り出した場合において、太陽が真南に来た時、第1スイッチS1〜第4スイッチS4が全てオフとなり、それぞれ信号0が各NOT回路70に出力され、各NOT回路70から信号1が第4AND回路69に出力されると真上表示部64が点灯する。
図6に示す実施の形態は、説明を容易とするために基台2を水平状態としているが、通常は家屋の傾斜した屋根に設置し、また傾斜した地面に基台2を傾斜して設置する。基台2を設けずに第1支持装置11〜第3支持装置13を直接設置個所の設置面に設置するようにしてもよい。例えば凹凸のある地面では基台2を使用すると太陽光発電装置1の姿勢安定性が悪くなるが、第1支持装置11〜第3支持装置13による3点支持で太陽光発電機1の姿勢安定性が確保できる。
太陽光発電機1を設置する地域を東京とすると、太陽が真南に来た時の太陽の高度(南中高度)は、冬至では31.6度、夏至では78.4度である。したがって、ソーラパネルユニット40の傾斜角度は夏場に比べて冬場を大きくすることが望ましい。また、緯度が低くなるに従って南中高度が高くなるので、設置地域の緯度が低くなるに従って基台2の傾斜角度を低くするのが好ましい。
〔本実施の形態の動作〕
次に、太陽の向きに応じた太陽光発電機1のソーラパネルユニット40の動きを図10A〜図10Fに基づいて説明する。太陽光発電機1は、基台2を水平状態に設置し、第1支持装置11を南に向け、第1支持装置11よりも北側において第2支持装置12を東側、第3支持装置13を西側に配置したものとする。また、図10A〜図10Fにおいて、第1支持装置11のコイル状バイメタルに符号21Aを付し、第2支持装置12のコイル状バイメタルに符号21Bを付し、第3支持装置13のコイル状バイメタルを符号21Cを付して説明する。さらに、回転ボール25に固定の取付軸26は、第1支持装置11では符号26Aを付し、第2支持装置12では符号26Bを付し、第3支持装置13では符号26Cを付して説明する。
図10Aの(a)は、日の出によって東側から太陽光が太陽光発電機1に向けて当たっている状況を示す。第1支持装置11のコイル状バイメタル21Aと第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bは東側面で略全長にわたって太陽光を浴びるため、略同温度に熱せられて軸方向に沿って略等長伸びる。したがって、各支持ロッド24は各作動レバー28を介して下方に押し下げられる。しかし、第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cはソーラパネルユニット40により太陽光が遮られるため熱せられず、軸方向に沿った伸縮はない。
したがって、第3支持装置13の支持ロッド24の昇降動作はなく、第1支持装置11の支持ロッド24及び第2支持装置12の支持ロッド24の高さよりも第3支持装置13の支持ロッド24が高い位置にある。
このような状態において、図10A(b)(c)に示すように、遮光板41の北西の角が最も高い位置に存在する格好で遮光板41が傾斜する。第1支持装置11の支持ロッド24と第2支持装置12の支持ロッド24は東西方向及び南北方向の位置が異なるため、遮光板41は南東の角を最も下げた状態で傾斜する。遮光板41が傾斜状態に保持されるのは、遮光板41を3点支持する取付軸26A、26B、26Cが自在継手25の各回転ボール251により任意の方向に向きが変えられることによる。
したがって、ソーラパネルユニット40のソーラパネル44は、東側に向けて傾斜するため、朝の太陽光を効率よく受光することができる。日の出から時間が経過すると、太陽の向きは南側に移動する。第1支持装置11のコイル状バイメタル21Aは遮光板41の幅Wの飛び出た部分(以下、庇とする)よりも南側に張り出ているため、太陽光が遮られることがない。これに対し、第2支持装置12のコイル状バイメタル21B及び第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cは、日の出と日の入りを除けば遮光板41の庇により部分的に太陽光が遮られる。
第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bは太陽が南東から南に向うに従って、遮光板41の庇により徐々に太陽光の受光面積が減少して温度低下を招くため、第1支持装置11のコイル状バイメタル21Aが伸び、逆にコイル状バイメタル21Bが縮む。その結果、第1支持装置11の支持ロッド24の高さに比べて第2支持装置12の支持ロッド24の高さが高くなる。なお、第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cは西側に配置され、遮光板41の庇により太陽光が遮られているため温度変化がない。したがって、第3支持装置13の支持ロッド24が最も高い。つまり、支持ロッド24は第1支持装置11が最も短く、次に第2支持装置12が長い。
このため、遮光板41は、依然北西の角を最高点としつつ、北東の角から南側への傾斜を大きくしながら第1支持装置11の取付軸26Aを支点として西側に向けてひねられるように傾斜する。したがって、太陽光の向きに追従してソーラパネルユニット40のソーラパネル44が向くことになる。
すなわち、第1支持装置11の支持ロッド24の先端部に設けられている取付軸26を支軸として、ソーラパネルユニット40は、南北方向の傾動と東西方向に傾動する。そして、南北方向の傾動と東西方向の傾動を行う傾動力は、午前中では東側に配置した第2支持装置12が主として受け持ち、午後は西側に配置した第3支持装置13が主として受け持つことになる。
第1支持装置11と第2支持装置12と第3支持装置13のこのような動作の理解に基づき、以下図10Bでは太陽の向きが南西の場合、図10Cでは太陽の向きが南、図10Dでは太陽の向きが南西、図10Eでは太陽の向きが西の場合におけるソーラパネルユニット40の傾斜動作を説明する。
図10Bの(a)に示すように太陽が南東に向いている場合、図10Aの状態に続いて第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bは遮光板41の庇により太陽光が遮られて更なる受光面積の減少を招き、温度が低くなってさらに縮む。このため、第2支持装置12の支持ロッド24が長くなってソーラパネルユニット40の南側を下向きにしつつ遮光板41の南東の角を最も低くして傾斜し、図10Aの状態よりもより一層傾斜が大きくなる。したがって、ソーラパネル44は南東に向くと共に太陽の高度に合わせてソーラパネル44の受光面を大きく傾斜させる。
図10Cの(a)に示すように太陽が真南に向いている場合、第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bと第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cは遮光板41の庇により同じ遮光条件で太陽光が遮られるため、軸方向に同じ長さとなる。ただし、第1支持装置11のコイル状バイメタル21Aよりも高さが低い状態にある。すなわち、第1支持装置11の支持ロッド24が最も短く、第2支持装置12と第3支持装置13の各支持ロッド24が等しい長さとなる。したがって、図10C(b)及び(c)に示すように、ソーラパネルユニット40は南側を下向きにすると共に、遮光板41の南側辺を水平にして傾斜する。この傾斜角度は冬場に設定されており、第2支持装置12と第3支持装置13の各支持ロッド24をできるだけ高くし南向き傾斜を大きくしている。
これに対し、第2支持装置12と第3支持装置13を支持点Q2、Q3を中心にして外側方向に張り出し、遮光板41の庇による遮光面積を少なくすると、コイル状バイメタル21Bとコイル状バイメタル21Cの温度が高くなって軸方向に沿って伸びる。このため、第2支持装置12と第3支持装置13の支持ロッド24の高さが低くなり、ソーラパネル44の傾斜面が小さくなる。
これにより、冬場は図1に示すように第2支持装置12と第3支持装置13を南北方向に沿って配置し、夏場は第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bと第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cを遮光板41の側縁から外側に張り出すように調整する。
図10Dの(a)に示すように、太陽が南西に向いている場合、図10Bの(a)に示す太陽が南東に向いている場合とは逆に、図10Dの(b)(c)に示すように、第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cが太陽光を浴びて軸方向に沿って伸び、第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bに対してはソーラパネルユニット40により太陽光が遮られて温度が低下して軸方向に沿って縮む。
したがって、第1支持装置11の支持ロッド24が最も短く、第2支持装置12の支持ロッド24が最も高く、第3支持装置13の支持ロッド24が中間の高さとなる。これにより、遮光板41は南西の角を最も低くし、南西の角に向けて傾斜し、ソーラパネルユニット40のソーラパネル44が太陽の方向である南西方向に向くことになる。
図10Eの(a)に示すように、太陽が西に向いている場合、図10Aの(a)に示す太陽が東に向いている場合とは逆に、第1支持装置11のコイル状バイメタル21Aと第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cの太陽光受光面積が略等しいため、遮光板41の南西端の角を最も低くし、かつ遮光板41の北西端の角を図10Dの場合よりも一層低くし、遮光板41の西側辺を下向きにして傾斜する。したがって、ソーラパネル44が太陽の方向である西側に傾斜して向くことになる。
図10Fの(a)は、太陽光発電機1を赤道直下等の低緯度地域に設置した場合を示す。この場合、基台2を水平配置し、第2支持装置12と第3支持装置13を回転支軸35を中心に回転して東西方向に向け、各コイル状バイメタル21B、21Cを遮光板41よりも外側に張り出した構成としている。
この場合、太陽が東から上り、ある程度の高度に達すると、第1支持装置11〜第3支持装置13の各コイル状バイメタル21A、21B、21Cは略同じ条件で太陽光を受光するため、太陽光が真上を通過して西に向かい、ある程度の高度までの間において、図10Fの(b)(c)に示すように、各支持ロッド24は同じ高さを維持し、遮光板41は水平状態を維持して遮光パネル44は真上を向く。
図11は図8及び図9に示す第1スイッチS1〜第4スイッチS4のスイッチング動作を説明する図である。
図11(a)はソーラパネルユニット40が東向きに傾斜している状態を示し、図10Aに対応する。この場合、転球収納部45内に収納される多数の球体46は、北東の角から南西の角近くまでの直角三角形で囲まれる領域に密集する。この場合、球体46の数を適宜調整することにより、第3スイッチS3には触れない。したがって、第1スイッチS1と第2スイッチS2が球体46によりオンとされ、第1スイッチS1と第2スイッチS2は信号1を出力する。
図11(b)はソーラパネルユニット40が南東向きに傾斜している状態を示し、図10Bに対応する。この場合、転球収納部45内に収納される多数の球体46は、図11(a)の場合よりも南向き傾斜が強くなり、遮光板41の東辺が少し西側に向けて傾斜するため、全体的に南側に移動し、転球収納部45の南北方向の略半部分を埋める。この場合、第1スイッチS1からは球体46が外れオフとなり、第2スイッチS2と第3スイッチS3が球体46によりオンとなる。
図11(c)はソーラパネルユニット40が南向きに傾斜している状態を示し、図10Cに対応する。この場合、転球収納部45内に収納される多数の球体46は、図11(c)の場合と同様に転球収納部45の南北方向の略半部分を埋める。この場合、第2スイッチS2と第3スイッチS3が球体46によりオンとなり、第2スイッチS2と第3スイッチS3は信号1を出力する。
図11(d)はソーラパネルユニット40が南西向きに傾斜している状態を示し、図10Dに対応する。この場合、転球収納部45内に収納される多数の球体46は、図11(b)の場合と東西方向で対称となり、第4スイッチS4がオフとなり、第2スイッチS2と第3スイッチS3が球体46によりオンとなる。
図11(e)はソーラパネルユニット40が西向きに傾斜している状態を示し、図10Eに対応する。この場合、転球収納部45内に収納される多数の球体46は、図11(a)の場合と東西方向で対称となり、第3スイッチS3と第4スイッチS4が球体46によりオンとなり、第3スイッチS3と第4スイッチS4は信号1を出力する。
図11(f)は図10Fに対応し、全ての球体46は凹部47内に入っている状態を示す。したがって、第1スイッチS1〜第4スイッチS4は全てオフとなり、各第1スイッチS1〜第4スイッチS4から信号0を出力する。
したがって、ソーラパネルユニット40が東向きに傾斜した場合には、図9に示す点灯回路65の第1AND回路66から信号1が出力されてインジケータ60の東表示部61が点灯する。同様に、ソーラパネルユニット40が南向きに傾斜した場合には、点灯回路65の第2AND回路67から信号1が出力されて南表示部62が点灯する。ソーラパネルユニット40が西向きに傾斜した場合には、第3AND回路68から信号1が出力されて西表示部61が点灯する。
また、ソーラパネルユニット40が真上を向いた場合には、第4AND回路69から信号1が出力されて真上表示部64が点灯する。
〔本実施の形態の効果〕
以上説明したように本実施の形態の架台3によれば、3基の支持装置11〜13の支持ロッド24の昇降動作だけで、太陽の向きと高度に合わせて遮光板41を追尾させることができる。このため、従来のようなパン駆動系とチルト駆動系が不要となり、シンプルな構成の架台3を提供でき、また軽量化することができ、電源のない場所でも設置することができる。
太陽光発電機1は、架台3を北半球の地域に設置する場合、3本の支持ロッド24の相対的な高さの差を利用してソーラパネルユニット40を太陽の向きに合わせて移動させる所謂パン動作と、ソーラパネルユニット40の南向き傾斜を維持し、太陽の高度が最も高い時に南向き傾斜角度を最も小さく(ソーラパネルユニット40を寝かせる)、その前後では南向き傾斜角度を大きく(ソーラパネルユニット40を立たせる)という所謂チルト動作を行うことができる。
つまり、日の出から日の入りの間で、南側に配置した第1支持装置11の支持ロッド24の高さが第2支持装置12と第3支持装置13の各支持ロッド24の高さよりも常に低くなってソーラパネルユニット40が南向きに傾斜する。
午前中は東側に配置した第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bに当たる太陽光が徐々に遮られて第2支持装置12の支持ロッド24が徐々に高くなる。ただし、第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cはソーラパネルユニット40により太陽光が遮られ、第3支持装置13の支持ロッド24の高さが最も高い。
このため、太陽の向きが東から南に向けて移動するに従って第2支持装置12の支持ロッド24が上昇し、第1支持装置11の自在継手25の回転ボール251を支点としてソーラパネルユニット40が東側から西側に向けて徐々に回転し、東側から南に向けて移動するパン動作が行われる。
さらに、午後では午前とは逆に第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cに対して太陽光が徐々に照射され、コイル状バイメタル21Cの温度が徐々に高くなって軸方向に沿って伸びる。このため、第3支持装置13の支持ロッド24が徐々に低くなり、第1支持装置11の自在継手25の回転ボール251を支点としてソーラパネルユニット40がさらに西側に向けて徐々に回転し、南から西側に向けて移動するパン動作が行われる。
〔変形例〕
なお、上記実施の形態において、架台3にソーラパネルユニット40を取り付けて太陽光発電機1を構成しているが、これに限らず、例えば、次の構成を採用することもできる。
第1の構成は、太陽を追尾して乾燥効率を高める構成であり、乾物材料(例えば、魚や海苔等の水産物、野菜や果実等の農産物)、食塩の原料となる海水、洗濯物、生ゴミ等の廃棄物その他の被乾燥体を架台3の遮光板41に設置する。例えば、干物や海苔は、網やすのこに乗せ、これを架台3の遮光板41に設置する。
第2の構成は、太陽を追尾して成長効率を高める構成であり、植物その他の光合成体を架台3の遮光板41に設置する。
第3の構成は、太陽を追尾して美容効果又は治療効果を高める構成であり、日焼け用のベッド又は日光浴用のベッド等を架台3の遮光板41に設置する。
第4の構成は、太陽を追尾して蓄熱効果を高める構成であり、蓄熱材又は蓄熱装置(例えば特開2018−091554号公報開示の装置)等を架台3の遮光板41に設置する。
第5の構成は、太陽を追尾して集光効果を高める構成であり、太陽光を集光する集光装置(例えば特開2015−153681号公報開示の装置)等を架台3の遮光板41に設置する。
第6の構成は、太陽を追尾して殺菌効果を高める構成であり、太陽光を利用して殺菌を行う殺菌装置(例えば特開2006−688号公報又は特開2015−160146号公報開示の装置)等を架台3の遮光板41に設置する。
また、上記実施の形態及びその変形例において、架台3には、太陽光の入射と遮光を繰り返してコイル状バイメタルを軸方向に沿って伸縮移動させ、コイル状バイメタルの先端に取り付けた永久磁石がコイル内移動することにより、フレミングの右手の法則に従って発電する発電機(実用新案登録第3220436号公報)、風車にソーラパネルを取り付け、風車発電と太陽光発電を合体させた合体発電機(実用新案登録第3218689号公報)を搭載するようにしてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例において、支持装置10は、昇降駆動源として温度が高くなると軸方向に沿って伸び、温度が低くなると軸方向に沿って縮むコイル状バイメタル21を用いているため、作動レバー28と支柱33を用いて作動ロッド24の昇降方向をコイル状バイメタル21との伸縮方向とは逆としている。しかし、コイル状バイメタル21とは逆に、温度が高くなると軸方向に沿って縮み、温度が低くなると軸方向に沿って伸びる二方向形状記憶コイルばねを用いることができる。この二方向形状記憶コイルばねを昇降駆動源とすると、二方向形状記憶コイルばねに支持ロッド24を直接接続すればよいので、支持装置10をシンプルな構成とすることができる。
二方向形状記憶コイルばねは、特開平3−13551号公報に開示されているように、Ni−Ti合金等の形状記憶合金線をコイルばね形状に形成されていて、加熱すると軸方向に沿って縮み、冷やすと軸方向に沿って長くなる特性を備える。
ソーラパネルユニット40が傾動していることを移動確認手段としてインジケータ60により確認できるようにしているが、移動確認手段として転球収納枠部42に振動センサ、マイクロフォン等を設け、球体46の転がりによる振動、球体46同士の衝突を検出することでソーラパネルユニット40の傾動を確認できるようにしてもよい。
また、第1支持装置11は一定の支持高さに維持し、この一定の維持高さを第2支持装置12と第3支持装置13の支持高さの下限値以下とすれば、日の出から日の入りの間で遮光板41を南向き傾斜に維持できる。このことから、第1支持装置11は支持高さを可変とする機能は不要であり、第2支持装置12と第3支持装置13が支持高さを可変とする機能を有すればよい。
1、100…太陽光発電機、 2、301…基台、 2a…係合穴、 3、300…太陽追尾機能付き架台、 101…傾斜面、 10…支持装置、 11…第1支持装置、 12…第2支持装置、 13…第3支持装置、 21(21A、21B、21C)…コイル状バイメタル、 22…基板、 23…支持筒、 24…支持ロッド、 25、320…ユニバーサルジョイント(自在継手)、 251…回転ボール、 26(26A、26B、26C)…取付軸、 27…連結ピン、 28…作動レバー、 29…長孔、 30…スリット、 31…連結軸、 32…連結ピン、 33…支柱、 34…支軸、 35…回転支軸、 40、400…ソーラパネルユニット、 310…架台本体、 311〜313…支持脚、 41…遮光板、 42、303…転球収納枠部、 421…東枠板、 422…南枠板、 423…西枠板、 424…北枠板、 43…ソーラパネル取付板、 44…ソーラパネル、 45…転球収納部、 46、302…球体、 47…凹部、 48…第1電極板、 49…第2電極板、 50…第3電極板、 51…第4電極板、 52…第5電極板、 53…第6電極板、 54…第7電極板、 55…第8電極板、 60…インジケータ、 61…東表示部、 62…南表示部、 63…西表示部、 64…真上表示部、 65…点灯回路、 66〜69…第1〜第4AND回路、 70…NOT回路、 S1…第1スイッチ、 S2…第2スイッチ、 S3…第3スイッチ、 S4…第4スイッチ、 P…回転中心、 CW…時計回り方向、 CCW…反時計回り方向、 L…中心軸線、 R(R1、R2、R3)…支持点
本発明は、太陽の向きと高度に合わせて架台を追尾させる技術に係り、特に、回転駆動系を用いることなく太陽の向きと高度に合わせて追従する太陽追尾装置に関する。
太陽追尾装置を備えた架台としては、太陽の方位に合わせて東西方向に移動させる所謂パン駆動するパン駆動系と、上下方向に傾動させる所謂チルド駆動系を備えた構成が提案されている(特許文献1)。パン駆動系とチルト駆動系は緯度等の情報が予め設定されたプログラムを備えた太陽追尾制御装置により別々に回転駆動制御され、太陽の方位と高さに応じて所定方向に移動する。
このような太陽追尾装置付きの架台は、例えばソーラパネルを架台上面に取付け、日の出から日の入りの間でソーラパネルが太陽に向くようにしている。
従来の太陽追尾装置付きの架台において、太陽追尾装置は、パン駆動系とチルト駆動系の2つの回転駆動系を必要とする。このため、架台の構成が複雑化し、また電動モータ等を搭載するため重くなる。また、前記2つの駆動系は、駆動に電力を必要とするため、設置の際に電源の確保が必要となる。さらに、前記2つの駆動系の駆動制御には、太陽追尾制御装置を必要とするため、設置個所に合わせて緯度等の情報を事前に入力しなければならず、簡便な利用性に欠ける傾向にある。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、回転駆動系を用いることなく太陽の向きと高度に合わせて追従する太陽追尾装置を提供することを目的としている。
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の太陽追尾装置は、架台本体をなす遮光性を有する遮光板と、前記遮光板を3点でそれぞれ自在継手を介して個々に支持する3つの支持装置とを備え、2又は3の前記支持装置は、太陽光の照射状態による温度変化で軸方向長さが伸縮し、降温側への温度変化で支持高さが高く、昇温側への温度変化で支持高さが低くなる支持高さ可変手段を有し、前記遮光板は、前記支持高さ可変手段に対する太陽光の照射状態を変化させる庇をなし、前記遮光板の上面に形成した閉鎖空間内に多数の球体が前記遮光板の傾動動作に従って転がりながら移動する多数の球体が収納されている太陽追尾機能付き架台と、前記太陽追尾機能付き架台の遮光板の上面に被乾燥体を設置可能なユニットとを備える。
〔発明2〕 さらに、発明2の太陽追尾装置は、発明1の太陽追尾装置において、前記被乾燥体は、乾物材料、海水、洗濯物又は廃棄物である。
〔発明3〕 一方、上記目的を達成するために、発明3の太陽追尾装置は、架台本体をなす遮光性を有する遮光板と、前記遮光板を3点でそれぞれ自在継手を介して個々に支持する3つの支持装置とを備え、2又は3の前記支持装置は、太陽光の照射状態による温度変化で軸方向長さが伸縮し、降温側への温度変化で支持高さが高く、昇温側への温度変化で支持高さが低くなる支持高さ可変手段を有し、前記遮光板は、前記支持高さ可変手段に対する太陽光の照射状態を変化させる庇をなし、前記遮光板の上面に形成した閉鎖空間内に多数の球体が前記遮光板の傾動動作に従って転がりながら移動する多数の球体が収納されている太陽追尾機能付き架台と、前記太陽追尾機能付き架台の遮光板の上面に光合成体を設置可能なユニットとを備える。
〔発明4〕 さらに、発明4の太陽追尾装置は、発明3の太陽追尾装置において、前記光合成体は、植物である。
〔発明5〕 一方、上記目的を達成するために、発明5の太陽追尾装置は、架台本体をなす遮光性を有する遮光板と、前記遮光板を3点でそれぞれ自在継手を介して個々に支持する3つの支持装置とを備え、2又は3の前記支持装置は、太陽光の照射状態による温度変化で軸方向長さが伸縮し、降温側への温度変化で支持高さが高く、昇温側への温度変化で支持高さが低くなる支持高さ可変手段を有し、前記遮光板は、前記支持高さ可変手段に対する太陽光の照射状態を変化させる庇をなし、前記遮光板の上面に形成した閉鎖空間内に多数の球体が前記遮光板の傾動動作に従って転がりながら移動する多数の球体が収納されている太陽追尾機能付き架台と、前記太陽追尾機能付き架台の遮光板の上面に、太陽光による蓄熱を行う蓄熱材を設置可能なユニットとを備える。
〔発明6〕 さらに、発明6の太陽追尾装置は、発明1乃至5のいずれか1の太陽追尾装置において、前記支持高さ可変手段は、降温側への温度変化で軸方向に沿って縮み、昇温側への温度変化で軸方向に沿って伸びるコイル状バイメタルと、前記コイル状バイメタルの伸縮動作を逆方向の動作に変換し、前記コイル状バイメタルが縮むと前記遮光板の支持高さを高く、前記コイル状バイメタルが伸びると前記遮光板の支持高さを低くする変換機構とを備える。
〔発明7〕 さらに、発明7の太陽追尾装置は、発明1乃至6のいずれか1の太陽追尾装置において、前記3つの支持装置は、基台に取付けられている。
〔発明8〕 さらに、発明8の太陽追尾装置は、発明1乃至7のいずれか1の太陽追尾装置において、前記3つの支持装置は、鋭角三角形の各頂点位置に配置される。
〔発明9〕 さらに、発明9の太陽追尾装置は、発明8の太陽追尾装置において、前記鋭角三角形の底辺を東西方向に向けて前記架台を設置し、東西方向の各頂点と南側の頂点に前記支持装置を配置した。
〔発明10〕 さらに、発明10の太陽追尾装置は、発明1乃至9のいずれか1の太陽追尾装置において、前記多数の球体の移動を前記球体の導電性を利用して電気的に検知し、又は音、振動を検知して認識する認識手段を備える。
〔発明11〕 一方、上記目的を達成するために、発明11の太陽追尾機能付き架台は、架台本体をなす遮光性を有する遮光板と、前記遮光板を3点でそれぞれ自在継手を介して個々に支持する3つの支持装置とを備え、2又は3の前記支持装置は、太陽光の照射状態による温度変化で軸方向長さが伸縮し、降温側への温度変化で支持高さが高く、昇温側への温度変化で支持高さが低くなる支持高さ可変手段を有し、前記遮光板は、前記支持高さ可変手段に対する太陽光の照射状態を変化させる庇をなす。
〔発明12〕 さらに、発明12の太陽追尾機能付き架台は、発明11の太陽追尾機能付き架台において、前記支持高さ可変手段は、降温側への温度変化で軸方向に沿って縮み、昇温側への温度変化で軸方向に沿って伸びるコイル状バイメタルと、前記コイル状バイメタルの伸縮動作を逆方向の動作に変換し、前記コイル状バイメタルが縮むと前記遮光板の支持高さを高く、前記コイル状バイメタルが伸びると前記遮光板の支持高さを低くする変換機構とを備える。
〔発明13〕 さらに、発明13の太陽追尾機能付き架台は、発明11及び12のいずれか1の太陽追尾機能付き架台において、前記3つの支持装置は、基台に取付けられている。
〔発明14〕 さらに、発明14の太陽追尾機能付き架台は、発明11乃至13のいずれか1の太陽追尾機能付き架台において、前記3つの支持装置は、鋭角三角形の各頂点位置に配置される。
〔発明15〕 さらに、発明15の太陽追尾機能付き架台は、発明14の太陽追尾機能付き架台において、前記鋭角三角形の底辺を東西方向に向けて前記架台を設置し、東西方向の各頂点と南側の頂点に前記支持装置を配置した。
〔発明16〕 さらに、発明16の太陽追尾機能付き架台は、発明11乃至15のいずれか1の太陽追尾機能付き架台において、前記遮光板の上面に形成した閉鎖空間内に多数の球体が前記遮光板の傾動動作に従って転がりながら移動する多数の球体が収納されている。
〔発明17〕 さらに、発明17の太陽追尾機能付き架台は、発明16の太陽追尾機能付き架台において、前記多数の球体の移動を前記球体の導電性を利用して電気的に検知し、又は音、振動を検知して認識する認識手段を備える。
〔発明18〕 一方、上記目的を達成するために、発明18の太陽光発電機は、発明11乃至17のいずれか1の太陽追尾機能付き架台と、前記太陽追尾機能付き架台の遮光板の上面にソーラパネルを設けたソーラパネルユニットとを備える。
以上説明したように、発明1乃至10の太陽追尾装置によれば、従来のようなパン駆動系とチルト駆動系が不要となり、シンプルな構成の架台を提供でき、また軽量化することができ、電源のない場所でも設置することができる。さらに、遮光板の太陽追尾動作を補助し、遮光板の滑らかな移動を行うことができる。
一方、発明11の太陽追尾機能付き架台によれば、従来のようなパン駆動系とチルト駆動系が不要となり、シンプルな構成の架台を提供でき、また軽量化することができ、電源のない場所でも設置することができる。
さらに、発明12の太陽追尾機能付き架台によれば、コイル状バイメタルの伸縮動作を利用して遮光板を太陽に追尾させることができる。
さらに、発明13の太陽追尾機能付き架台によれば、3つの支持装置を安定して取り付けることができる。
さらに、発明14の太陽追尾機能付き架台によれば、太陽光の向きによって、3つの支持装置に対し、太陽光の照射状況を異ならせることができる。
さらに、発明15の太陽追尾機能付き架台によれば、太陽の日の出から日の入りに渡って遮光板を南向きに傾斜させて太陽に追尾させることができる。
さらに、発明16の太陽追尾機能付き架台によれば、遮光板の太陽追尾動作を補助し、遮光板の滑らかな移動を行うことができる。
さらに、発明17の太陽追尾機能付き架台によれば、ゆっくりと移動する遮光板が太陽の向きと高度に合わせて追尾しているか否かを認識することができる。
一方、発明18の太陽光発電機によれば、架台の太陽追尾動作に電力を不要としてソーラパネルを太陽の向きと高度に追尾させることができ、効率のよい発電が行える。
(a)は本発明による太陽追尾機能付き架台の概要を示す概略分解斜視図で、架台にソーラパネルユニットを装備した太陽光発電機を示す。(b)は(a)のT−T線に沿って切断した転球収納部の上面図。(c)はソーラパネルユニットの上面図である。
図1(a)の太陽光発電機に南東方向から太陽光が射した時の架台の動作を示す図で、(a)は太陽光の照射方向とソーラパネルユニットの傾斜方向を示す上面図、(b)は球体の転がり方向を示す図、(c)は太陽光発電機を南側から見た図、(d)は太陽光発電機を北側から見た図である。
図1(a)の太陽光発電機に真上から太陽光が射した時の架台の動作を示す図で、(a)はソーラパネルユニットに対する太陽光の照射方向を示す上面図、(b)は球体の転がり方向を示す図、(c)は太陽光発電機を南側から見た図、(d)は太陽光発電機を北側から見た図である。
図1(a)の太陽光発電機に南西方向から太陽光が射した時の架台の動作を示す図で、(a)は太陽光の照射方向とソーラパネルユニットの傾斜方向を示す上面図、(b)は球体の転がり方向を示す図、(c)は太陽光発電機を南側から見た図、(d)は太陽光発電機を北側から見た図である。
図1(a)の太陽光発電機を傾斜面に設置した場合を示し、(a)は屋根に設置した状態、(b)は斜面に設置した状態、(c)は太陽光の照射方向とソーラパネルユニットの傾斜方向を示す上面図、(d)は球体の転がり方向を示す図、(e)は太陽光発電機を南側から見た図、(f)は太陽光発電機を北側から見た図である。
本発明による太陽追尾機能付き架台を備えた太陽光発電機の実施形態を示す外観斜視図である。
図6に示す支持装置の側面図で、支持筒及びソーラパネルユニットを縦断面で示す。
(a)は図6に示すソーラパネルユニットの上面図で、ソーラパネルを取り外した状態を示し、(b)は(a)のイーイ線断面図である。
ソーラパネルユニットの方位を示すインジケータを示す。
太陽の向き(東向き)とソーラパネルの傾斜状態の関係を示し、(a)は上面図、(b)は東側から見た側面図、(c)は南側から見た正面図である。
太陽の向き(南東向き)とソーラパネルの傾斜状態の関係を示し、(a)は上面図、(b)は東側から見た側面図、(c)は南側から見た正面図である。
太陽の向き(南向き)とソーラパネルの傾斜状態の関係を示し、(a)は上面図、(b)は東側から見た側面図、(c)は南側から見た正面図である。
太陽の向き(南西向き)とソーラパネルの傾斜状態の関係を示し、(a)は上面図、(b)は西側から見た側面図、(c)は南側から見た正面図である。
太陽の向き(西向き)とソーラパネルの傾斜状態の関係を示し、(a)は上面図、(b)は西側から見た側面図、(c)は南側から見た正面図である。
太陽の向き(真上)とソーラパネルの傾斜状態の関係を示し、(a)は上面図、(b)は東側から見た側面図、(c)は南側から見た正面図である。
(a)〜(f)は太陽の向きとソーラパネルユニットの傾斜に応じた転球群の片寄状態との関係を示し、(a)は太陽が東方向、(b)は太陽が南西方向、(c)は太陽が南方向、(d)は太陽が南西方向、(e)は太陽が西方向、(f)は太陽が真上を示す。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
〔本実施の形態の概要〕
本発明による太陽追尾機能付き架台の概要を図1に基づいて説明し、太陽追尾動作の概要を図2〜図5に基づいて説明する。
図1に示す架台300には、ソーラパネルユニット400が装備されて太陽光発電機100を構成する。架台300は、ソーラユニットパネル400を載置する架台本体310を3本の支持脚311、312、313により3点支持する構成としている。3本の支持脚の支持点を結ぶと、各支持点は三角形の各頂点に位置する。架台本体310を3本の支持脚311〜313で3点支持する構成は、架台300を水平面に限らず、傾斜面に設置する場合でも3本の支持脚311〜313が必ず当接するという特徴がある。また、3本の支持脚311〜313の長さが異なっても各支持脚311〜313は必ず当接する。その際、架台本体310は傾斜する。
3本の支持脚311〜313の長さが異なると、架台本体310は丈の長い支持脚を上側、丈の低い支持脚を下側として傾斜する傾斜面をなす。このことより、ある支持脚の丈を他の支持脚よりも短くすると、架台本体310の傾斜面を丈の短い支持脚側に向かわせることができる。
架台300の3本の支持脚311〜313について、支持脚の長さが温度上昇で短くなり、温度低下で長くなるという温度変化による長さ調節機能を備えたものとしている。架台本体310を遮光性の板材である遮光板とした場合、太陽の向きによって、3本の支持脚311〜313の丈に変化が生じる。例えば、太陽光が照射されて温度が上昇した支持脚は丈が短くなり、遮光板である架台本体310により太陽光が遮られて温度が低下した支持脚は丈が短くなる。そうすると、太陽に向いた支持脚は丈が短くなり、架台本体310は太陽に向かって傾斜することになる。
3本の支持脚311〜313の上端が架台本体310の裏面にしっかりと固定されていると、3本の支持脚311〜313の丈の変化に応じて架台本体310の自由な傾動動作ができない。このため、3本の支持脚311〜313はそれぞれユニバーサルジョイント(自在継手)320を介して架台本体310に連結され、台1本体310の自由な傾動動作を確保している。架台300は、ユニバーサルジョイント320による架台本体310の自由な傾動を可能とすることにより、架台本体310を太陽の向きに傾斜させながら追尾させることができるようにしている。
図1において、架台300は、基台301にユニバーサルジョイント320を備えた3本の支持脚311〜313を取り付け、各ユニバーサルジョイント320を介して遮光板である架台本体310を3本の支持脚311〜313に連結している。架台本体310には、図1(b)に示すように、架台本体310の傾動動作を促進する複数の球体302を転動可能に収納する転球収納枠部303が設けられている。転球収納枠部303内における複数の球体302の偏り状態で架台本体310の傾斜方向が判断可能となる。
転球収納枠部303の上に、図1(c)に示すソーラパネルユニット400が取り付けられる。基台301の幅を2dとすると、基台301の前側で、幅方向中央に第1支持脚311、後側の両角部に第2支持脚312、第3支持脚313を取り付けており、第1支持脚311の取付位置を頂点とする二等辺三角形の底辺両端に第2支持脚312、第3支持脚313を取り付けた構成として以下に説明する。また、図2〜図5において、第1支持脚311を南側、第2支持脚312を東側、第3支持脚313を西側に向けるようにして太陽光発電機100を配置したものとする。さらに、第1支持脚311〜第3支持脚311は、同一温度において同一長さとして説明する。
図2は太陽Sの向きが南東の場合を示し、図2(a)に示すように架台本体310上のソーラパネルユニット400は南東に向けて傾斜する。第1支持脚311と第2支持脚312と第3支持脚313について、架台本体310による日陰の影響が最も少ないのは第1支持脚311、最も大きいのは第3支持脚313、中間は第2支持脚312である。したがって、丈の長さは第1支持脚311、第2支持脚312、第3支持脚313の順に長くなる。
図2(b)に示すように、複数の球体302は架台本体310の傾斜方向である南東方向に集まる。図2(c)に示すように、架台本体310の南側前端が低く、西側から東側に傾斜する。図2(d)に示すように、架台本体310の北側の後端は、南側前端よりも高く、西側から東方向に傾斜する。
図3は太陽Sの向きが真南(真上)の場合を示し、図3(a)に示すようにソーラパネルユニット400はフラットな状態に保持される。第1支持脚311と第2支持脚312と第3支持脚313に対する架台本体310による日陰の影響は同一になるので、第1支持脚311、第2支持脚312、第3支持脚313の丈は同一長さとなり、図3(c)及び図3(d)に示すように架台本体310はフラットになる。
図4は太陽Sの向きが南西の場合を示し、図2(a)に示すように架台本体310上のソーラパネルユニット400は南西に向けて傾斜する。第1支持脚311と第2支持脚312と第3支持脚313について、架台本体310による日陰の影響が最も少ないのは第1支持脚311、最も大きいのは第2支持脚312、中間は第3支持脚313である。したがって、丈の長さは第1支持脚311、第3支持脚313、第2支持脚312の順に長くなる。
図4(b)に示すように、複数の球体302は架台本体310の傾斜方向である南西方向に集まる。図4(c)に示すように、架台本体310の南側前端が低く、東側から西側に傾斜する。図4(d)に示すように、架台本体310の北側の後端は、南側前端よりも高く、東側から西方向に傾斜する。
太陽光発電機100は図5(a)のように屋根に設置し、又は図5(b)に示すように斜面等に設置することが一般的である。架台300を図5(a)に示す屋根に設置した場合を例にする。架台300を図5(e)、図5(f)のように東から西に向けて下り傾斜の屋根の傾斜面101に設置すると、ソーラパネルユニット400は東から西に向けて太陽Sを追尾する。日の入りから日の出前の間は、3本の支持脚311〜313は丈が等長なので、架台本体310とソーラパネルユニット400は傾斜面101と平行に保持される。太陽Sが東から南東方向に移動するに従って、第2支持脚312の温度上昇が最も大きく、次いで第1支持脚312、殆ど温度変化がないのが第3支持脚313となる。このため、架台本体310が東側を向くことになる。太陽Sの向きが南東方向まで移動すると、第1支持脚311の温度が第2支持脚312の温度を上回り、南側に面する第1支持脚311が第2支持脚312よりも丈が低くなり、架台本体310が南向きに傾斜することになる。図5(d)に示すように、架台本体310の傾斜に合わせて球体302は転球収納枠部303の南東寄りに集まる。
図1〜図5に基づく架台300の概要説明において、3本の支持脚311〜313は基台301上に当接させているが、基台301を設けずに、3本の支持脚311〜313を直接地面等に当接させるようにしてもよい。この場合、地面に凹凸があっても架台300はぐらつくことなく地面等に安定して据え付けられる。このため、架台300にソーラパネルユニット400を取り付けた太陽光発電機100は設置場所の状況に左右されることなく設置することができる。
なお、第1支持脚311〜第3支持脚313の向きはこれに限定されるものではなく、架台300をどのような向きに設置しても、太陽に向いた支持脚側を低くなるように架台本体310が傾斜するので、太陽追尾が行われる。
〔本実施の形態の構成〕
本発明による架台の概要説明に続き、以下に詳細な構成を説明する。
図6及び図7において、太陽光発電機1は、基台2に前記支持脚に相当する3基の支持装置10(以下、第1支持装置11、第2支持装置12、第3支持装置13とする)を取り付け、前記台本体に相当する遮光性を有する遮光板41を第1支持装置11、第2支持装置12、第3支持装置13により3点支持する。基台2と第1支持装置11と第2支持装置12と第3支持装置13と遮光板41により架台3を構成する。
本実施の形態では、ソーラパネルユニット40に遮光板41を設けており、架台3の天板をなす遮光板41にソーラパネルユニット40が取り付けられる。
支持装置10は、太陽光の照射による温度変化により軸方向長さを変化させる支持高さ可変手段の構成部材として例えば帯状のバイメタルをコイル状に巻回して形成されたコイル状バイメタル21の温度変化に応じた長さ変化に基づき、遮光板41に対する支持点と基台2との上下方向距離であるの高さを調整する。コイル状バイメタル21が太陽光により温められると軸方向長さが伸び、温度が低下すると軸方向長さが短くなる特性を有する。
支持装置10は、支持高さ可変手段の後記する変換機構により、コイル状バイメタル21が昇温傾向にある、すなわち太陽の高度が高くなり、継続して温められる状況下において支持高さを低くするように動作する。逆に、コイル状バイメタル21が降温傾向にある、すなわち太陽の高度が低くなり、又は遮光されて温度が低下する状況下において支持高さを高くするように動作する。
本実施の形態において、支持装置10は、矩形形状の基板22の一端部にコイル状バイメタル21を軸方向を上下方向にして下端を固定する。基板22の他端部には、円筒状の支持筒23を軸方向を上下方向にして下端を固定する。支持筒23内に支持部材である支持ロッド24が上下方向に移動自在に挿通される。支持ロッド24は、支持筒23の上端から上方に伸びるロッド上端には自在継手25が取り付けられ、自在継手25の取付軸26がソーラパネルユニット40の遮光性を有する遮光板41の裏面に取り付けられる。自在継手25は、回転ボール251に取付軸26が固定され、回転ボール251の回転中心Pを中心として取付軸26が支持ロッド24に対して任意の向きに移動自在となっている。したがって、ソーラパネルユニット40は回転中心Pを中心に任意の向きに傾斜可能となる。
支持筒23内に配置される支持ロッド24の下端部には、連結ピン27が固定されており、作動レバー28の先端部に形成した軸方向に沿って細長い長孔29が連結ピン27に係合している。作動レバー28の先端部は、支持筒23の側面に上下方向に沿って形成した細い長孔で構成されたスリット30を通して支持筒23内に装入される。
作動レバー28の基端部は、コイル状バイメタル21の上端部に固定された連結軸31に連結ピン32を介して連結される。コイル状バイメタル21と支持筒23との間に起立して基板22に固定した支柱33の上端部に支軸34を介して作動レバー28が回転自在に取り付けられ、これらの部材等によってコイル状バイメタル21の伸縮動作を逆方向に変換する変換機構を構成する。
コイル状バイメタル21が可動範囲内で最長に伸びた状態で作動レバー28は支持ロッド24を下死点位置に下動させ、最も縮んだ状態で作動レバー28は支持ロッド24を上死点位置に上動させる。
図7において、支持装置10は、コイル状バイメタル21が太陽光を浴びて熱くなると、コイル状バイメタル21の上端が矢印100方向に移動し、支持ロッド24が矢印200で示す下方に向けて下動し、取付軸26に取付けられたソーラパネルユニット40が下方に下がる。
基板22の裏面側には作動ロッド24の軸中心線上に回転支軸35が下方に向けて支出される。基台2の上面には、支持装置10の取り付け位置に回転支軸35が回転可能に係合する係合穴2aが形成されている。支持装置10は、基板22にコイル状バイメタル21と支柱33と支持筒23を固定してユニット化した構成としており、図6に示すように、回転支軸35を中心に時計回り方向(CW)及び反時計回り方向(CCW)に回転し、コイル状バイメタル21を任意の向きに向けることができる。
太陽光発電機1を設置する地域を北半球とすると、太陽は東から出て、南を通り西に沈むので、ソーラパネルユニット40を東側に向けて傾斜させ、徐々に南側に向け傾斜させ、さらに西側に向けて傾斜させることで、太陽光を効率よく受光することができる。また、ソーラパネルユニット40を3基の支持装置10で3点支持することは、3点の支持高さが異なってもソーラパネルユニットを傾斜状態で安定に支持できる。このため、第1支持装置11を南側、第2支持装置12を東側、第3支持装置13を西側に配置している。
ここで、図7に示すように支持装置10の作動ロッド24の中心軸線Lが基台2の表面に交わる点を支持点Rとすると、図6に示すように、第1支持装置11の支持点をR1、第2支持装置12の支持点をR2、第3支持装置13の支持点をR3とする。支持点R1、R2、R3を結ぶ三角形を鋭角三角形とし、本実施の形態では二等辺三角形として支持点R1を頂点とすると、底辺の両端をR2とR3としている。各取付軸26と遮光板41との取付位置の関係においても前記二等辺三角形と同じ二等辺三角形が形成され、支持点とすることができる。
このように、鋭角三角形の各頂点で、南方向及び東西方向に第1支持装置11〜第3支持装置13を配置することにより、太陽が真上に位置する場合を除き、第1支持装置11〜第3支持装置13に対する太陽光の照射状態を異ならせることができ、日の出から日の入りに渡って確実に太陽の追尾が行える。
図6〜図8に示すように、ソーラパネルユニット40は、ソーラパネル取付板43に複数のソーラパネル44が取り付けられた構成としている。架台3は、例えば正方形に形成された遮光板41の上面中央に、平面正方形の転球収納枠部42が取り付けられた構成とし、転球収納枠部42の開口上面を外形が正方形のソーラパネル取付板43で覆っている。転球収納枠部42と遮光板41とソーラパネル取付板43により囲まれた空間を転球収納部45とし、転球収納部45内に多数個の球体46が転がり自在に収納されている。球体46は鉄等の高比重の材料で形成され、導電性を備えている。
遮光板41の各辺は転球収納枠部45よりも外方にそれぞれ幅Wだけ延出されており、この延出部分は第1支持装置11と第2支持装置12と第3支持装置13のコイル状バイメタル21に対して日光を遮る庇として機能する。
第1支持装置11の支持点R1は、遮光板41の東西方向に沿った長さの中央位置で、幅Wの前記延出部分の中央位置としている。第2支持装置12の支持点R2と第3支持装置13の支持点R3は、遮光板41の北側の側辺から延出幅Wの半分の位置で、それぞれ東及び西側の側辺から延出幅Wの半分の位置としている。なお、支持点R1は東側又は西側に偏ってもよく、支持点R2と支持点R3は南北方向においてずれてもよい。
図8に示すように、遮光板41の中央部分には転球収納枠部42内において、球面形状の凹部47が形成されており、凹部47の中央部分における深さを球体46が僅かにはまり込む程度としている。また、凹部47内に全ての球体46を収納可能とする。ソーラパネルユニット40が水平状態の場合、殆どの球体46が凹部47内に収納され、遮光板41と一体にソーラパネルユニット40が傾斜すると、傾斜方向に向けて移動する。その際、多数の重い球体46が傾斜方向に移動するので、ソーラパネルユニット40の傾斜側の重量を増加させて傾斜動作を加速させる。
転球収納枠部42は、東側に面する東枠板421と、南側に面する南枠板422と、西側に面する西枠板423と、北側に面する北枠板424とにより構成している。東枠板421の南北方向両端部内面側には、端面から僅かな距離を隔てて導電性の第1電極板48と第2電極板49が設けられている。同様に南枠板422の東西方向両端部内面側に導電性の第3電極板50と第4電極板51が設けられ、西枠板423の南北方向両端部内面側に導電性の第5電極板52と第6電極板53、北枠板424の東西方向両端部内面側に導電性の第7電極板54と第8電極板55が設けられている。
転球収納枠部42の各角部に設けられる一対の第1電極板48と第8電極板55により第1スイッチS1、一対の第2電極板49と第3電極板50により第2スイッチS2、一対の第4電極板51と第5電極板52により第3スイッチS3、一対の第6電極板53と第7電極板54により第4スイッチS4を構成する。第1スイッチS1〜第4スイッチS4において、導電性を備えた球体46がスイッチ作動体として機能し、各一対の電極に球体46が接触して導通すると、スイッチオン(ON)の「1」信号、球体46が非接触の非導通状態でスイッチオフ(OFF)の「0」信号をソーラパネルユニット40の傾斜方位を示す図4(a)に示すソーラパネルユニット40の移動を確認する確認手段としてのインジケータに出力する。
図9に示すインジケータ60は、基台2を水平配置した場合を例にするもので、東、南、西の向きにソーラパネルユニット40が傾斜した状態と、特別な設定の場合に太陽が真上に位置する状態をそれぞれ点灯表示で示す東表示部61、南表示部62、西表示部63、真上表示部64を有している。各表示部61〜64は、点灯回路65により点灯制御される。点灯回路65は、第1〜第4AND回路66〜69を有する。第1AND回路66には第1スイッチS1と第2スイッチS2から「0」又は「1」の信号が入力される。第2AND回路67には第2スイッチS2と第3スイッチS3から「0」又は「1」の信号が入力される。第3AND回路68には第3スイッチS3と第4スイッチS4から「0」又は「1」の信号が入力される。第4AND回路69には第1スイッチS1〜第4スイッチS4から「0」又は「1」の信号がそれぞれNOT回路70を介して入力される。
第1スイッチS1と第2スイッチS2が共にオンとなりそれぞれ信号1が第1AND回路66に出力されると東表示部61が点灯する。第2スイッチS2と第3スイッチS3が共にオンとなりそれぞれ信号1が第2AND回路67に出力されると南表示部62が点灯する。第3スイッチS3と第4スイッチS4が共にオンとなりそれぞれ信号1が第3AND回路68に出力されると西表示部63が点灯する。
後記するが基台2を水平配置し、第2支持装置12と第3支持装置13を回転支軸35を中心に回転して東西方向に向け、各コイル状バイメタル21を遮光板41よりも外側に張り出した場合において、太陽が真南に来た時、第1スイッチS1〜第4スイッチS4が全てオフとなり、それぞれ信号0が各NOT回路70に出力され、各NOT回路70から信号1が第4AND回路69に出力されると真上表示部64が点灯する。
図6に示す実施の形態は、説明を容易とするために基台2を水平状態としているが、通常は家屋の傾斜した屋根に設置し、また傾斜した地面に基台2を傾斜して設置する。基台2を設けずに第1支持装置11〜第3支持装置13を直接設置個所の設置面に設置するようにしてもよい。例えば凹凸のある地面では基台2を使用すると太陽光発電装置1の姿勢安定性が悪くなるが、第1支持装置11〜第3支持装置13による3点支持で太陽光発電機1の姿勢安定性が確保できる。
太陽光発電機1を設置する地域を東京とすると、太陽が真南に来た時の太陽の高度(南中高度)は、冬至では31.6度、夏至では78.4度である。したがって、ソーラパネルユニット40の傾斜角度は夏場に比べて冬場を大きくすることが望ましい。また、緯度が低くなるに従って南中高度が高くなるので、設置地域の緯度が低くなるに従って基台2の傾斜角度を低くするのが好ましい。
〔本実施の形態の動作〕
次に、太陽の向きに応じた太陽光発電機1のソーラパネルユニット40の動きを図10A〜図10Fに基づいて説明する。太陽光発電機1は、基台2を水平状態に設置し、第1支持装置11を南に向け、第1支持装置11よりも北側において第2支持装置12を東側、第3支持装置13を西側に配置したものとする。また、図10A〜図10Fにおいて、第1支持装置11のコイル状バイメタルに符号21Aを付し、第2支持装置12のコイル状バイメタルに符号21Bを付し、第3支持装置13のコイル状バイメタルを符号21Cを付して説明する。さらに、回転ボール25に固定の取付軸26は、第1支持装置11では符号26Aを付し、第2支持装置12では符号26Bを付し、第3支持装置13では符号26Cを付して説明する。
図10Aの(a)は、日の出によって東側から太陽光が太陽光発電機1に向けて当たっている状況を示す。第1支持装置11のコイル状バイメタル21Aと第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bは東側面で略全長にわたって太陽光を浴びるため、略同温度に熱せられて軸方向に沿って略等長伸びる。したがって、各支持ロッド24は各作動レバー28を介して下方に押し下げられる。しかし、第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cはソーラパネルユニット40により太陽光が遮られるため熱せられず、軸方向に沿った伸縮はない。
したがって、第3支持装置13の支持ロッド24の昇降動作はなく、第1支持装置11の支持ロッド24及び第2支持装置12の支持ロッド24の高さよりも第3支持装置13の支持ロッド24が高い位置にある。
このような状態において、図10A(b)(c)に示すように、遮光板41の北西の角が最も高い位置に存在する格好で遮光板41が傾斜する。第1支持装置11の支持ロッド24と第2支持装置12の支持ロッド24は東西方向及び南北方向の位置が異なるため、遮光板41は南東の角を最も下げた状態で傾斜する。遮光板41が傾斜状態に保持されるのは、遮光板41を3点支持する取付軸26A、26B、26Cが自在継手25の各回転ボール251により任意の方向に向きが変えられることによる。
したがって、ソーラパネルユニット40のソーラパネル44は、東側に向けて傾斜するため、朝の太陽光を効率よく受光することができる。日の出から時間が経過すると、太陽の向きは南側に移動する。第1支持装置11のコイル状バイメタル21Aは遮光板41の幅Wの飛び出た部分(以下、庇とする)よりも南側に張り出ているため、太陽光が遮られることがない。これに対し、第2支持装置12のコイル状バイメタル21B及び第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cは、日の出と日の入りを除けば遮光板41の庇により部分的に太陽光が遮られる。
第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bは太陽が南東から南に向うに従って、遮光板41の庇により徐々に太陽光の受光面積が減少して温度低下を招くため、第1支持装置11のコイル状バイメタル21Aが伸び、逆にコイル状バイメタル21Bが縮む。その結果、第1支持装置11の支持ロッド24の高さに比べて第2支持装置12の支持ロッド24の高さが高くなる。なお、第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cは西側に配置され、遮光板41の庇により太陽光が遮られているため温度変化がない。したがって、第3支持装置13の支持ロッド24が最も高い。つまり、支持ロッド24は第1支持装置11が最も短く、次に第2支持装置12が長い。
このため、遮光板41は、依然北西の角を最高点としつつ、北東の角から南側への傾斜を大きくしながら第1支持装置11の取付軸26Aを支点として西側に向けてひねられるように傾斜する。したがって、太陽光の向きに追従してソーラパネルユニット40のソーラパネル44が向くことになる。
すなわち、第1支持装置11の支持ロッド24の先端部に設けられている取付軸26を支軸として、ソーラパネルユニット40は、南北方向の傾動と東西方向に傾動する。そして、南北方向の傾動と東西方向の傾動を行う傾動力は、午前中では東側に配置した第2支持装置12が主として受け持ち、午後は西側に配置した第3支持装置13が主として受け持つことになる。
第1支持装置11と第2支持装置12と第3支持装置13のこのような動作の理解に基づき、以下図10Bでは太陽の向きが南西の場合、図10Cでは太陽の向きが南、図10Dでは太陽の向きが南西、図10Eでは太陽の向きが西の場合におけるソーラパネルユニット40の傾斜動作を説明する。
図10Bの(a)に示すように太陽が南東に向いている場合、図10Aの状態に続いて第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bは遮光板41の庇により太陽光が遮られて更なる受光面積の減少を招き、温度が低くなってさらに縮む。このため、第2支持装置12の支持ロッド24が長くなってソーラパネルユニット40の南側を下向きにしつつ遮光板41の南東の角を最も低くして傾斜し、図10Aの状態よりもより一層傾斜が大きくなる。したがって、ソーラパネル44は南東に向くと共に太陽の高度に合わせてソーラパネル44の受光面を大きく傾斜させる。
図10Cの(a)に示すように太陽が真南に向いている場合、第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bと第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cは遮光板41の庇により同じ遮光条件で太陽光が遮られるため、軸方向に同じ長さとなる。ただし、第1支持装置11のコイル状バイメタル21Aよりも高さが低い状態にある。すなわち、第1支持装置11の支持ロッド24が最も短く、第2支持装置12と第3支持装置13の各支持ロッド24が等しい長さとなる。したがって、図10C(b)及び(c)に示すように、ソーラパネルユニット40は南側を下向きにすると共に、遮光板41の南側辺を水平にして傾斜する。この傾斜角度は冬場に設定されており、第2支持装置12と第3支持装置13の各支持ロッド24をできるだけ高くし南向き傾斜を大きくしている。
これに対し、第2支持装置12と第3支持装置13を支持点Q2、Q3を中心にして外側方向に張り出し、遮光板41の庇による遮光面積を少なくすると、コイル状バイメタル21Bとコイル状バイメタル21Cの温度が高くなって軸方向に沿って伸びる。このため、第2支持装置12と第3支持装置13の支持ロッド24の高さが低くなり、ソーラパネル44の傾斜面が小さくなる。
これにより、冬場は図1に示すように第2支持装置12と第3支持装置13を南北方向に沿って配置し、夏場は第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bと第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cを遮光板41の側縁から外側に張り出すように調整する。
図10Dの(a)に示すように、太陽が南西に向いている場合、図10Bの(a)に示す太陽が南東に向いている場合とは逆に、図10Dの(b)(c)に示すように、第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cが太陽光を浴びて軸方向に沿って伸び、第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bに対してはソーラパネルユニット40により太陽光が遮られて温度が低下して軸方向に沿って縮む。
したがって、第1支持装置11の支持ロッド24が最も短く、第2支持装置12の支持ロッド24が最も高く、第3支持装置13の支持ロッド24が中間の高さとなる。これにより、遮光板41は南西の角を最も低くし、南西の角に向けて傾斜し、ソーラパネルユニット40のソーラパネル44が太陽の方向である南西方向に向くことになる。
図10Eの(a)に示すように、太陽が西に向いている場合、図10Aの(a)に示す太陽が東に向いている場合とは逆に、第1支持装置11のコイル状バイメタル21Aと第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cの太陽光受光面積が略等しいため、遮光板41の南西端の角を最も低くし、かつ遮光板41の北西端の角を図10Dの場合よりも一層低くし、遮光板41の西側辺を下向きにして傾斜する。したがって、ソーラパネル44が太陽の方向である西側に傾斜して向くことになる。
図10Fの(a)は、太陽光発電機1を赤道直下等の低緯度地域に設置した場合を示す。この場合、基台2を水平配置し、第2支持装置12と第3支持装置13を回転支軸35を中心に回転して東西方向に向け、各コイル状バイメタル21B、21Cを遮光板41よりも外側に張り出した構成としている。
この場合、太陽が東から上り、ある程度の高度に達すると、第1支持装置11〜第3支持装置13の各コイル状バイメタル21A、21B、21Cは略同じ条件で太陽光を受光するため、太陽光が真上を通過して西に向かい、ある程度の高度までの間において、図10Fの(b)(c)に示すように、各支持ロッド24は同じ高さを維持し、遮光板41は水平状態を維持して遮光パネル44は真上を向く。
図11は図8及び図9に示す第1スイッチS1〜第4スイッチS4のスイッチング動作を説明する図である。
図11(a)はソーラパネルユニット40が東向きに傾斜している状態を示し、図10Aに対応する。この場合、転球収納部45内に収納される多数の球体46は、北東の角から南西の角近くまでの直角三角形で囲まれる領域に密集する。この場合、球体46の数を適宜調整することにより、第3スイッチS3には触れない。したがって、第1スイッチS1と第2スイッチS2が球体46によりオンとされ、第1スイッチS1と第2スイッチS2は信号1を出力する。
図11(b)はソーラパネルユニット40が南東向きに傾斜している状態を示し、図10Bに対応する。この場合、転球収納部45内に収納される多数の球体46は、図11(a)の場合よりも南向き傾斜が強くなり、遮光板41の東辺が少し西側に向けて傾斜するため、全体的に南側に移動し、転球収納部45の南北方向の略半部分を埋める。この場合、第1スイッチS1からは球体46が外れオフとなり、第2スイッチS2と第3スイッチS3が球体46によりオンとなる。
図11(c)はソーラパネルユニット40が南向きに傾斜している状態を示し、図10Cに対応する。この場合、転球収納部45内に収納される多数の球体46は、図11(c)の場合と同様に転球収納部45の南北方向の略半部分を埋める。この場合、第2スイッチS2と第3スイッチS3が球体46によりオンとなり、第2スイッチS2と第3スイッチS3は信号1を出力する。
図11(d)はソーラパネルユニット40が南西向きに傾斜している状態を示し、図10Dに対応する。この場合、転球収納部45内に収納される多数の球体46は、図11(b)の場合と東西方向で対称となり、第4スイッチS4がオフとなり、第2スイッチS2と第3スイッチS3が球体46によりオンとなる。
図11(e)はソーラパネルユニット40が西向きに傾斜している状態を示し、図10Eに対応する。この場合、転球収納部45内に収納される多数の球体46は、図11(a)の場合と東西方向で対称となり、第3スイッチS3と第4スイッチS4が球体46によりオンとなり、第3スイッチS3と第4スイッチS4は信号1を出力する。
図11(f)は図10Fに対応し、全ての球体46は凹部47内に入っている状態を示す。したがって、第1スイッチS1〜第4スイッチS4は全てオフとなり、各第1スイッチS1〜第4スイッチS4から信号0を出力する。
したがって、ソーラパネルユニット40が東向きに傾斜した場合には、図9に示す点灯回路65の第1AND回路66から信号1が出力されてインジケータ60の東表示部61が点灯する。同様に、ソーラパネルユニット40が南向きに傾斜した場合には、点灯回路65の第2AND回路67から信号1が出力されて南表示部62が点灯する。ソーラパネルユニット40が西向きに傾斜した場合には、第3AND回路68から信号1が出力されて西表示部61が点灯する。
また、ソーラパネルユニット40が真上を向いた場合には、第4AND回路69から信号1が出力されて真上表示部64が点灯する。
〔本実施の形態の効果〕
以上説明したように本実施の形態の架台3によれば、3基の支持装置11〜13の支持ロッド24の昇降動作だけで、太陽の向きと高度に合わせて遮光板41を追尾させることができる。このため、従来のようなパン駆動系とチルト駆動系が不要となり、シンプルな構成の架台3を提供でき、また軽量化することができ、電源のない場所でも設置することができる。
太陽光発電機1は、架台3を北半球の地域に設置する場合、3本の支持ロッド24の相対的な高さの差を利用してソーラパネルユニット40を太陽の向きに合わせて移動させる所謂パン動作と、ソーラパネルユニット40の南向き傾斜を維持し、太陽の高度が最も高い時に南向き傾斜角度を最も小さく(ソーラパネルユニット40を寝かせる)、その前後では南向き傾斜角度を大きく(ソーラパネルユニット40を立たせる)という所謂チルト動作を行うことができる。
つまり、日の出から日の入りの間で、南側に配置した第1支持装置11の支持ロッド24の高さが第2支持装置12と第3支持装置13の各支持ロッド24の高さよりも常に低くなってソーラパネルユニット40が南向きに傾斜する。
午前中は東側に配置した第2支持装置12のコイル状バイメタル21Bに当たる太陽光が徐々に遮られて第2支持装置12の支持ロッド24が徐々に高くなる。ただし、第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cはソーラパネルユニット40により太陽光が遮られ、第3支持装置13の支持ロッド24の高さが最も高い。
このため、太陽の向きが東から南に向けて移動するに従って第2支持装置12の支持ロッド24が上昇し、第1支持装置11の自在継手25の回転ボール251を支点としてソーラパネルユニット40が東側から西側に向けて徐々に回転し、東側から南に向けて移動するパン動作が行われる。
さらに、午後では午前とは逆に第3支持装置13のコイル状バイメタル21Cに対して太陽光が徐々に照射され、コイル状バイメタル21Cの温度が徐々に高くなって軸方向に沿って伸びる。このため、第3支持装置13の支持ロッド24が徐々に低くなり、第1支持装置11の自在継手25の回転ボール251を支点としてソーラパネルユニット40がさらに西側に向けて徐々に回転し、南から西側に向けて移動するパン動作が行われる。
〔変形例〕
なお、上記実施の形態において、架台3にソーラパネルユニット40を取り付けて太陽光発電機1を構成しているが、これに限らず、例えば、次の構成を採用することもできる。
第1の構成は、太陽を追尾して乾燥効率を高める構成であり、乾物材料(例えば、魚や海苔等の水産物、野菜や果実等の農産物)、食塩の原料となる海水、洗濯物、生ゴミ等の廃棄物その他の被乾燥体を架台3の遮光板41に設置する。例えば、干物や海苔は、網やすのこに乗せ、これを架台3の遮光板41に設置する。
第2の構成は、太陽を追尾して成長効率を高める構成であり、植物その他の光合成体を架台3の遮光板41に設置する。
第3の構成は、太陽を追尾して美容効果又は治療効果を高める構成であり、日焼け用のベッド又は日光浴用のベッド等を架台3の遮光板41に設置する。
第4の構成は、太陽を追尾して蓄熱効果を高める構成であり、蓄熱材又は蓄熱装置(例えば特開2018−091554号公報開示の装置)等を架台3の遮光板41に設置する。
第5の構成は、太陽を追尾して集光効果を高める構成であり、太陽光を集光する集光装置(例えば特開2015−153681号公報開示の装置)等を架台3の遮光板41に設置する。
第6の構成は、太陽を追尾して殺菌効果を高める構成であり、太陽光を利用して殺菌を行う殺菌装置(例えば特開2006−688号公報又は特開2015−160146号公報開示の装置)等を架台3の遮光板41に設置する。
また、上記実施の形態及びその変形例において、架台3には、太陽光の入射と遮光を繰り返してコイル状バイメタルを軸方向に沿って伸縮移動させ、コイル状バイメタルの先端に取り付けた永久磁石がコイル内移動することにより、フレミングの右手の法則に従って発電する発電機(実用新案登録第3220436号公報)、風車にソーラパネルを取り付け、風車発電と太陽光発電を合体させた合体発電機(実用新案登録第3218689号公報)を搭載するようにしてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例において、支持装置10は、昇降駆動源として温度が高くなると軸方向に沿って伸び、温度が低くなると軸方向に沿って縮むコイル状バイメタル21を用いているため、作動レバー28と支柱33を用いて作動ロッド24の昇降方向をコイル状バイメタル21との伸縮方向とは逆としている。しかし、コイル状バイメタル21とは逆に、温度が高くなると軸方向に沿って縮み、温度が低くなると軸方向に沿って伸びる二方向形状記憶コイルばねを用いることができる。この二方向形状記憶コイルばねを昇降駆動源とすると、二方向形状記憶コイルばねに支持ロッド24を直接接続すればよいので、支持装置10をシンプルな構成とすることができる。
二方向形状記憶コイルばねは、特開平3−13551号公報に開示されているように、Ni−Ti合金等の形状記憶合金線をコイルばね形状に形成されていて、加熱すると軸方向に沿って縮み、冷やすと軸方向に沿って長くなる特性を備える。
ソーラパネルユニット40が傾動していることを移動確認手段としてインジケータ60により確認できるようにしているが、移動確認手段として転球収納枠部42に振動センサ、マイクロフォン等を設け、球体46の転がりによる振動、球体46同士の衝突を検出することでソーラパネルユニット40の傾動を確認できるようにしてもよい。
また、第1支持装置11は一定の支持高さに維持し、この一定の維持高さを第2支持装置12と第3支持装置13の支持高さの下限値以下とすれば、日の出から日の入りの間で遮光板41を南向き傾斜に維持できる。このことから、第1支持装置11は支持高さを可変とする機能は不要であり、第2支持装置12と第3支持装置13が支持高さを可変とする機能を有すればよい。
1、100…太陽光発電機、 2、301…基台、 2a…係合穴、 3、300…太陽追尾機能付き架台、 101…傾斜面、 10…支持装置、 11…第1支持装置、 12…第2支持装置、 13…第3支持装置、 21(21A、21B、21C)…コイル状バイメタル、 22…基板、 23…支持筒、 24…支持ロッド、 25、320…ユニバーサルジョイント(自在継手)、 251…回転ボール、 26(26A、26B、26C)…取付軸、 27…連結ピン、 28…作動レバー、 29…長孔、 30…スリット、 31…連結軸、 32…連結ピン、 33…支柱、 34…支軸、 35…回転支軸、 40、400…ソーラパネルユニット、 310…架台本体、 311〜313…支持脚、 41…遮光板、 42、303…転球収納枠部、 421…東枠板、 422…南枠板、 423…西枠板、 424…北枠板、 43…ソーラパネル取付板、 44…ソーラパネル、 45…転球収納部、 46、302…球体、 47…凹部、 48…第1電極板、 49…第2電極板、 50…第3電極板、 51…第4電極板、 52…第5電極板、 53…第6電極板、 54…第7電極板、 55…第8電極板、 60…インジケータ、 61…東表示部、 62…南表示部、 63…西表示部、 64…真上表示部、 65…点灯回路、 66〜69…第1〜第4AND回路、 70…NOT回路、 S1…第1スイッチ、 S2…第2スイッチ、 S3…第3スイッチ、 S4…第4スイッチ、 P…回転中心、 CW…時計回り方向、 CCW…反時計回り方向、 L…中心軸線、 R(R1、R2、R3)…支持点