JP2020174240A - 撮像装置 - Google Patents

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宣之 高瀬
Noriyuki Takase
宣之 高瀬
栄志 滝田
Eiji Takita
栄志 滝田
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Abstract

【課題】画素アレイに含まれる各画素の検査を、配線面積を抑えた構成で可能とすることができる撮像装置を提供する。【解決手段】撮像装置は、光電変換素子100に蓄積された電荷が転送される容量に蓄積された電荷に基づく信号を容量から読み出すための読み出し信号線VSLに対して、少なくとも接地電位と、接地電位に対して正の所定電圧の電位と、を供給する電圧供給回路120と、読み出し信号線VSLと電圧供給回路120との間に接続される第1のスイッチ回路121と、読み出し信号線VSLと光電変換素子100との間に接続される第2のスイッチ回路110と、電圧供給回路120と、第1のスイッチ回路121と、第2のスイッチ回路110と、容量の初期化を行う動作と、を制御する制御部と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、撮像装置に関する。
フォトダイオードに蓄積された電荷を浮遊容量に転送し、浮遊容量において、蓄積された電荷量に応じた電圧に変換して画素信号として取り出す構成の画素が知られている。この構成の画素では、リセットスイッチの一方の端と転送スイッチの一方の端と、が浮遊容量に接続され、リセットスイッチの他方の端が所定電圧の電源に接続される。転送スイッチの他方の端は、フォトダイオードに接続される。フォトダイオードの露光期間の後、リセットスイッチをオンとして浮遊容量を電圧VDDの電源に接続して浮遊容量の電位をリセットする。その後、転送スイッチをオンとしてフォトダイオードの電荷を浮遊容量に転送する。
この画素が行列状に配列された画素アレイに対して、画素アレイに含まれる各画素のフォトダイオードや浮遊容量に直接的に電荷を注入して、これらフォトダイオードや浮遊容量に対する測定を実行して、画素の検査を行う技術が知られている。
例えば、各画素において、浮遊容量に接地電位を接続した状態でリセットスイッチおよび転送スイッチをオンとして、フォトダイオードおよび浮遊容量を電荷で満たす。その後、転送スイッチをオフ、リセットスイッチをオンとし、浮遊容量に接続される電位を接地電位から電源の電圧VDDの電位に切り替える。これにより、浮遊容量に蓄積された電荷が電源に吸い上げられ、フォトダイオードのみに電荷が蓄積された状態となる。この状態から、通常のシーケンスで読み出しを実行し、フォトダイオードの検査を行う。
特開2006−128244号公報
上述した既存の検査方法では、電源ラインの電位を接地電位と電源の電圧VDDとで切り替えることで、浮遊容量に接続される電位の切り替えを行っている。そのため、電源ラインの電位を切り替えるための構成を、例えば画素アレイ部の列毎に設ける必要がある。この構成は、配線面積が比較的大きなものとなり、画素アレイを含むデバイス内部に組み込むことは、現実的ではないと考えられる。
本開示は、画素アレイに含まれる各画素の検査を、配線面積を抑えた構成で可能とする撮像装置を提供することを目的とする。
本開示に係る撮像装置は、受光に応じて光電変換により電荷を生成し、生成した電荷を蓄積する光電変換素子と、光電変換素子に蓄積された電荷が転送され、転送された電荷を蓄積する容量と、容量に蓄積された電荷に基づく信号を容量から読み出すための読み出し信号線と、読み出し信号線に対して、少なくとも接地電位と、接地電位に対して正の所定電圧の電位と、を供給する電圧供給回路と、読み出し信号線と電圧供給回路との間に接続される第1のスイッチ回路と、読み出し信号線と光電変換素子との間に接続される第2のスイッチ回路と、電圧供給回路と、第1のスイッチ回路と、第2のスイッチ回路と、容量の初期化を行う動作と、を制御する制御部と、を備える。
既存技術による撮像装置の一例の構成を示すブロック図である。 既存技術に係る画素回路の一例の構成を示す図である。 既存技術に係る画素回路における読み出し動作のシーケンスの例を示すタイムチャートである。 既存技術により光電変換素子の検査を行う方法を説明するための図である。 第1の実施形態に係る画素回路の構成の例を示す図である。 第1の実施形態に係る光電変換素子の検査を行う方法を説明するための図である。 第1の実施形態に係る光電変換素子の検査を行う方法を説明するための図である。 第1の実施形態に係る撮像装置の一例の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態の第1の変形例に係る画素回路の構成の例を示す図である。 第1の実施形態の第1の変形例による光電変換素子の検査方法の第1の例を説明するための図である。 第1の実施形態の第1の変形例による光電変換素子の検査方法の第2の例を説明するための図である。 第1の実施形態の第2の変形例に係る画素回路の一例の構成を示す図である。 第1の実施形態の第2の変形例に係る画素回路における、光電変換素子に対して電荷を注入する処理のシーケンスの例を示す図である。 第1の実施形態の第3の変形例に係る画素回路および垂直信号線の一例の構成を示す図である。 第1の実施形態の第3の変形例による光電変換素子の検査方法の例を説明するための図である。 第2の実施形態に係る画素回路の一例の構成を示す図である。 第3の実施形態に係る、DVSとしての撮像装置に適用可能な画素回路の一例の構成を示す図である。 第3の実施形態に係る撮像装置の一例の構成を示すブロック図である。 第4の実施形態に係る任意電圧供給回路の一例の構成を示す図である。 画素アレイ部に対してストリーキング特性の評価を実施する場合の電荷注入パターンの例を示す図である。 第4の実施形態に係る、図17に示す電荷注入パターンを実現するための撮像装置1の動作の例を示すタイミングチャートである。 第5の実施形態に適用可能なチェッカーパターンの例を示す図である。 5の実施形態に適用可能な任意電圧供給回路の一例の構成を示す図である。 第5の実施形態に係る垂直信号線VSL−OddおよびVSL−Evenの出力例を示すタイミングチャートである。 第6の実施形態に係る構成に対する撮像装置の各部の基板への配置の例を示す図である。 第6の実施形態の第1の変形例に係る撮像装置の各部の基板に対する配置の例を示す図である。 第6の実施形態の第2の変形例に適用可能な2層構造の半導体チップを説明するための図である。 第6の実施形態の第2の変形例に係る構成に対する撮像装置の各部の基板への配置の例を示す図である。
以下、本開示の各実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより、重複する説明を省略する。
(既存技術による構成例)
本開示は、複数の受光素子が行列状の配列で配置された画素アレイを含む撮像装置の検査などに用いて好適なものである。本開示の実施形態の説明に先んじて、理解を容易とするために、既存技術による画素アレイの検査方法について概略的に説明する。
図1は、既存技術による撮像装置の一例の構成を示すブロック図である。図1において、撮像装置1000は、画素アレイ部11と、垂直走査部12と、AD(Analog to Digital)変換部13と、画素信号線16と、垂直信号線VSLと、制御部19と、信号処理部20と、を含む。
画素アレイ部11は、それぞれ受光した光に対して光電変換を行う、例えばフォトダイオードによる光電変換素子と、光電変換素子から電荷の読み出しを行う回路と、を含む複数の画素回路10を含む。画素アレイ部11において、複数の画素回路10は、水平方向(行方向)および垂直方向(列方向)に行列状の配列で配置される。画素アレイ部11において、画素回路10の行方向の並びをラインと呼ぶ。この画素アレイ部11において所定数のラインから読み出された画素信号により、1フレームの画像(画像データ)が形成される。例えば、3000画素×2000ラインで1フレームの画像が形成される場合、画素アレイ部11は、少なくとも3000個の画素回路10が含まれるラインを、少なくとも2000ライン、含む。
また、画素アレイ部11には、各画素回路10の行および列に対し、行毎に画素信号線16が接続され、列毎に垂直信号線VSLが接続される。
画素信号線16の画素アレイ部11と接続されない端部は、垂直走査部12に接続される。垂直走査部12は、後述する制御部19の制御に従い、画素から画素信号を読み出す際の駆動パルスなどの制御信号を、画素信号線16を介して画素アレイ部11へ伝送する。垂直信号線VSLの画素アレイ部11と接続されない端部は、AD変換部13に接続される。画素から読み出された画素信号は、垂直信号線VSLを介してAD変換部13に伝送される。
AD変換部13は、垂直信号線VSL毎に設けられたAD変換器17と、参照信号生成部14と、水平走査部15と、を含む。AD変換器17は、画素アレイ部11の各列(カラム)に対してAD変換処理を行うカラムAD変換器である。AD変換器17は、垂直信号線VSLを介して画素回路10から供給された画素信号に対してAD変換処理を施し、ノイズ低減を行う相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)処理のための2つのディジタル値を生成する。
より具体的には、AD変換器17は、コンパレータとカウンタとを含み、参照信号生成部14から供給される参照信号に基づき、垂直信号線VSLから供給されるアナログ信号による画素信号をデジタル値に変換する。
参照信号生成部14は、制御部19から入力される制御信号に基づき、各AD変換器17が画素信号を2つのディジタル値に変換するために用いるランプ信号を参照信号として生成する。ランプ信号は、レベル(電圧値)が時間に対して一定の傾きで低下する信号、または、レベルが階段状に低下する信号である。参照信号生成部14は、生成したランプ信号を、各AD変換器17に供給する。参照信号生成部14は、例えばDAC(Digital to Analog Converter)などを用いて構成される。
参照信号生成部14から、所定の傾斜に従い階段状に電圧が降下するランプ信号が供給されると、カウンタによりクロック信号に従いカウントが開始される。コンパレータは、垂直信号線VSLから供給される画素信号の電圧と、ランプ信号の電圧とを比較して、ランプ信号の電圧が画素信号の電圧を跨いだタイミングでカウンタによるカウントを停止させる。AD変換器17は、カウントが停止された時間のカウント値に応じた値を出力することで、アナログ信号による画素信号を、デジタル値に変換する。
AD変換器17は、生成した2つのディジタル値を信号処理部20に供給する。信号処理部20は、AD変換器17から供給される2つのディジタル値に基づきCDS処理を行い、ディジタル信号による画素信号(画素データ)を生成する。信号処理部20により生成されたディジタル信号による画素信号は、撮像装置1000の外部に出力される。
信号処理部20から出力されたディジタル信号による画素信号は、撮像装置1000の外部において、例えばフレームバッファに順次記憶される。フレームバッファに1フレーム分の画素信号が記憶されると、記憶された画素信号が1フレームの画像データとしてフレームバッファから読み出される。
水平走査部15は、制御部19の制御の下、各AD変換器17を所定の順番で選択する選択走査を行うことによって、各AD変換器17が一時的に保持している各ディジタル値を信号処理部20へ順次出力させる。水平走査部15は、例えばシフトレジスタやアドレスデコーダなどを用いて構成される。
制御部19は、垂直走査部12、AD変換部13、参照信号生成部14および水平走査部15などの駆動制御を行う。制御部19は、垂直走査部12、AD変換部13、参照信号生成部14および水平走査部15の動作の基準となる各種の駆動信号を生成する。制御部19は、例えば、外部から供給される垂直同期信号または外部トリガ信号と、水平同期信号とに基づき、垂直走査部12が画素信号線16を介して各画素回路10に供給するための制御信号を生成する。制御部19は、生成した制御信号を垂直走査部12に供給する。
垂直走査部12は、制御部19から供給される制御信号に基づき、画素アレイ部11の選択された画素行の画素信号線16に駆動パルスを含む各種信号を、ライン毎に各画素回路10に供給し、各画素回路10から、画素信号を垂直信号線VSLに出力させる。垂直走査部12は、例えばシフトレジスタやアドレスデコーダなどを用いて構成される。
このように構成された撮像装置1000は、AD変換器17が列毎に配置されたカラムAD方式のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。
図2は、既存技術に係る画素回路10の一例の構成を示す図である。図2において、画素回路10は、例えばPN接合のフォトダイオードからなる光電変換素子100と、それぞれN型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである転送トランジスタ101、リセットトランジスタ102、増幅トランジスタ104および読み出し経路選択トランジスタ105と、を含む。また、画素回路10に対して、垂直走査部12から、リセットパルスRSTと、転送パルスTGと、読み出し経路選択信号SELがそれぞれ供給される。
画素回路10において、光電変換素子100は、アノードが接地接続され、カソードが転送トランジスタ101のソースに接続される。転送トランジスタ101のドレインは、浮遊拡散層103に接続される。以下、特に記載の無い限り、浮遊拡散層103を、FD(Floating Diffusion)103と呼ぶ。転送トランジスタ101のゲートには、転送パルスTGが供給される。転送トランジスタ101は、転送パルスTGがハイ(High)状態でオンとなり、転送パルスTGがロー(Low)状態でオフとなる。転送トランジスタ101がオンの状態で、光電変換素子100から出力される電荷がFD103に供給される。
FD103は、光電変換素子100から供給された電荷を蓄積する。FD103は、蓄積した電荷の量に応じた電圧を生成する。
リセットトランジスタ102のソースがFD103に接続される。リセットトランジスタ102のドレインに対して、画素回路10に対する電圧VDDの電源ラインが接続される。リセットトランジスタ102のゲートには、リセットパルスRSTが供給される。リセットトランジスタ102は、リセットパルスRSTがハイ状態でオンとなり、リセットパルスRSTがロー状態でオフとなる。
増幅トランジスタ104のゲートがFD103に接続される。増幅トランジスタ104のドレインに電圧VDDの電源ラインが接続され、ソースに読み出し経路選択トランジスタ105のドレインが接続される。読み出し経路選択トランジスタ105のソースは、垂直信号線VSLに接続される。読み出し経路選択トランジスタ105のゲートには、読み出し経路選択信号SELが供給される。読み出し経路選択トランジスタ105は、読み出し経路選択信号SELがハイ状態でオンとなり、ロー状態でオフとなる。
図3は、既存技術に係る、図2に示した画素回路10における読み出し動作のシーケンスの例を示すタイムチャートである。図3において、「SEL」、「RST」および「TG」は、それぞれ読み出し経路選択信号SEL、リセットパルスRSTおよび転送パルスTGを示す。また、「FD」は、FD103に蓄積される電荷量を示し、「VSL」は、垂直信号線VSLから出力される画素信号のレベル(電圧)を示している。
図3のタイムチャートにおいて、初期状態では、読み出し経路選択信号SEL、リセットパルスRSTおよび転送パルスTGがそれぞれロー状態とされる。また、光電変換素子100が露光され、ロー状態転送パルスTGにより転送トランジスタ101がオフとなっているため、露光により生成された電荷が光電変換素子100に蓄積される。
時間t100において、読み出し経路選択信号SELがハイ状態とされて、読み出し経路選択トランジスタ105がオンとされる。時間t101でリセットパルスRSTがハイ状態とされ、FD103の電荷が電圧VDDの電源ラインに排出されることにより、FD103の電位が所定電位にリセットされる。リセットパルスRSTがロー状態に戻されて所定時間後の時間t102で、転送パルスTGがハイ状態とされ、露光により光電変換素子100に蓄積された電荷がFD103に供給され、蓄積される。FD103に蓄積された電荷に応じた電圧が生成され、この電圧が増幅トランジスタ104により増幅され、読み出し経路選択トランジスタ105を介して画素信号として垂直信号線VSLに出力される。
ここで、リセットパルスRSTがハイ状態とされた時間t101から所定時間後の、例えばFD103の状態が安定する時間t110において垂直信号線VSLに出力されたリセットレベル(黒レベル)の信号Aが、AD変換器17によりディジタル値に変換され、例えばAD変換器17が持つレジスタなどに一時的に記憶される。この信号Aは、オフセット性のノイズである。この信号Aの読み出しを、P相(Pre-Charge)読み出しと呼び、P相読み出しを行う期間をP相期間と呼ぶ。
さらに、転送パルスTGがハイ状態とされた時間t102から処置時間後の、例えばFD103の状態が安定する時間t111において垂直信号線VSLに出力された信号レベルの信号Bが、AD変換器17によりディジタル値に変換され、例えばAD変換器17が持つレジスタなどに一時的に記憶される。この信号Bは、オフセット性のノイズと画素信号とを含む信号である。この信号Bの読み出しを、D相(Data Phase)読み出しと呼び、D相読み出しを行う期間をD相期間と呼ぶ。
AD変換器17は、記憶した信号AおよびBの差分を求め、求めた差分を信号処理部20に供給する。信号処理部20は、AD変換器17から供給された信号Aと信号Bとの差分に基づき、オフセット性のノイズが除去された画素信号を取得する。
図4は、図2に示す構成において、既存技術により、画素回路10すなわち光電変換素子100の検査を行う方法を説明するための図である。光電変換素子100の検査は、光電変換素子100を遮光状態として電源のラインから光電変換素子100に電荷を注入して、光電変換素子100を擬似的に受光した状態とする。その後、光電変換素子100から図3を用いて説明したような通常のシーケンスに従い、画素信号の読み出しを行う。
より具体的には、先ず、光電変換素子100を遮光状態とすると共に、電源ラインの電位を電圧VDDから接地電位(GND)に切り替えて、リセットパルスRSTと転送パルスTGとをオン(ハイ)状態とする。これにより、図4における経路Aに従い、光電変換素子100およびFD103に対して電源ラインから電子が引き込まれ、光電変換素子100およびFD103が電荷で満たされる。この状態において、転送パルスTGおよびリセットパルスRSTをそれぞれロー状態として、転送トランジスタ101およびリセットトランジスタ102をそれぞれオフ状態とする。
その後、電源ラインの電圧を接地電位から電圧VDDに切り替えて、リセットパルスRSTをオン状態とする。これにより、FD103に蓄積された電荷が電源ラインに排出され、光電変換素子100のみに電荷が蓄積された状態となる。この状態から、図3を用いて説明した通常のシーケンスに従い、光電変換素子100からの画素信号の読み出しを行い、読み出した画素信号に基づき光電変換素子100の評価を行う。
以上の動作を、画素アレイ部11に含まれる例えば全ての画素回路10に対して実行する。具体的には、各画素回路10に接続される電源ラインを電圧VDDと接地電位との間で切り替えて、光電変換素子100に電荷を注入する。このような構成において、例えば画素アレイ部11の各画素回路10について、画素アレイ部11の列毎、行毎、あるいは、各画素回路10毎に、各画素回路10に供給する画素電源を電圧VDDと接地電位との間で切り替えるようにする。これにより、画素アレイ部11における各画素回路10の配置に対して様々なパターンでの光電変換素子100の評価が可能となる。
しかしながら、一般的に、画素電源は、画素アレイ部11において、各画素回路10に対して列単位または行単位、あるいは、画素アレイ部11にメッシュ状の配線により画素回路10を単位として供給される。そのため、各画素回路10に供給する画素電源を電圧VDDと接地電位との間で切り替えるためには、行毎、列毎、あるいは、各画素回路10毎に、電源供給部分にそれぞれスイッチ回路を設けると共に、各スイッチ回路を制御する回路を設ける必要があり、配線面積が膨大となってしまう。また、行毎、列毎、あるいは、各画素回路10毎に、電源供給部分にそれぞれスイッチ回路を設けた場合、各画素回路10の特性に影響が出るおそれがある。
[第1の実施形態]
次に、本開示の第1の実施形態について説明する。本開示では、垂直信号線VSLと光電変換素子100とをスイッチ回路を介して接続すると共に、垂直信号線VSLに対して、光電変換素子100に電荷を注入するための電圧供給回路を接続する。この構成とすることで、画素電源を供給する電源ラインの電圧を画素アレイ部11の行毎、列毎、各画素回路10毎などに対して電圧VDDと接地電位との間で切り替える構成を設けずに、画素アレイ部11に含まれる各画素回路10の、画素アレイ部11における各画素回路10の配置に対して様々なパターンでの検査が可能となる。
図5は、第1の実施形態に係る画素回路の構成の例を示す図である。図5に示される画素回路10aは、図2を用いて説明した既存技術に係る画素回路10に対して、スイッチ回路としてのN型MOS(Metal Oxide Semiconduct)トランジスタである注入経路選択トランジスタ110が追加されている。また、垂直信号線VSLに対して、スイッチ回路121を介して任意電圧供給回路120が接続されている。任意電圧供給回路120は、電圧値が任意の任意電圧VANYを出力する。
なお、任意電圧VANYは、例えば接地電位から、画素回路10内に含まれる各トランジスタが正常に動作可能な電位の電圧の範囲内における任意の電圧である。また、特に記載の無い限り、以下で用いる「任意」は、「所定の範囲内における任意」を意味するものとする。
注入経路選択トランジスタ110のドレインが垂直信号線VSLに接続され、ソースがFD103と転送トランジスタ101のドレインとが接続される接続点に接続される。注入経路選択トランジスタ110のゲートには、注入経路選択信号SELIが入力される。
図6Aおよび図6Bは、第1の実施形態に係る、図5の構成における画素回路10すなわち光電変換素子100の検査を行う方法を説明するための図である。図6Aは、図5の構成において、光電変換素子100に対して検査のための電荷を注入するための経路を示す図である。
図6Aに示されるように、注入経路選択信号SELIがハイ状態とされることで注入経路選択トランジスタ110がオン状態となり、垂直信号線VSLと転送トランジスタ101とが接続される。この状態で転送トランジスタ101をオンとすることで、垂直信号線VSLと光電変換素子100との間に、信号の経路Bが形成される。この経路Bにより、任意電圧供給回路120から出力される任意電圧VANYが光電変換素子100に印加され、光電変換素子100に当該任意電圧VANYに応じた電荷が注入される。
したがって、第1の実施形態に係る画素回路10aは、任意電圧供給回路120による垂直信号線VSLに対する任意電圧VANYの供給と、注入経路選択信号SELIおよび転送パルスTGの任意時刻でのオン/オフ制御により、画素アレイ部11内の任意の画素回路10aに対して、任意電圧VANYに応じた任意レベルの電荷注入が可能となる。
なお、注入経路選択トランジスタ110がオンとなることで、垂直信号線VSLからFD103への経路も形成される。これにより、FD103にも、任意電圧VANYに応じた電荷が注入される。
図6Bは、図6Aに示す経路により電荷を注入する処理のシーケンスの例を示す図である。図6Bにおいて、上段から、電源ラインの電圧VDD、リセットパルスRST、読み出し経路選択信号SEL、注入経路選択信号SELI、転送パルスTG、垂直信号線VSLの電圧(VSLとして示す)、スイッチ回路121の状態(SWとして示す)、および、任意電圧VANY、をそれぞれ示している。
時間t10から時間t15までの期間は、電荷注入区間であって、この期間において、光電変換素子100とFD103とに、任意電圧VANYに応じた電荷が注入される。時間t10において、例えば制御部19は、任意電圧供給回路120に対して接地電位(0[V])の任意電圧VANYの生成を指示すると共に、スイッチ回路121をオンとする。これにより、垂直信号線VSLの電位が接地電位(図6Aでは「GND」と表記)となる。
なお、電荷注入区間において、リセットパルスRSTおよび読み出し経路選択信号SELは、それぞれロー状態とされ、リセットトランジスタ102および読み出し経路選択トランジスタ105は、それぞれオフ状態とされる。
電荷注入区間内の時間t11において、例えば垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、注入経路選択信号SELIをハイ状態として注入経路選択トランジスタ110をオン状態とし、次の時間t12において転送パルスTGをハイ状態として、転送トランジスタ101をオン状態とする。次の時間t13において、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、転送パルスTGをロー状態として転送トランジスタ101をオフ状態とする。さらに次の時間t14において、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、注入経路選択信号SELIをロー状態として注入経路選択トランジスタ110をオフ状態とする。
ここで、時間t12〜t13の期間において、注入経路選択トランジスタ110と転送トランジスタ101とが共にオン状態となる。これにより、図6Aに示した経路Bが形成され、垂直信号線VSLから供給される任意電圧VANYが光電変換素子100に印加され、光電変換素子100に対して、当該任意電圧VANYに応じた電荷が注入される。また、当該時間t12〜t13は、リセットパルスRSTおよび読み出し経路選択信号SELが共にロー状態とされているため、任意電圧VANYがFD103にも印加され、FD103に対して、当該任意電圧VANYに応じた電荷が注入される。
時間t15から時間t18までの期間は、FD103のリセット期間(FDリセット区間)である。すなわち、当該FDリセット区間内の時間t16〜t17の期間において、垂直走査部12は、制御部19の制御に従いリセットパルスRSTをハイ状態とする。これにより、FD103が電圧VDDの電源ラインに接続される。また、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、読み出し経路選択信号SEL、注入経路選択信号SELIおよび転送パルスTGそれぞれのロー状態を維持する。
したがって、この時間t16〜t17の期間で、電荷注入区間においてFD103に注入、蓄積された電荷が電源ラインに吸い上げられ、FD103がリセットされる。一方、光電変換素子100は、転送パルスTGがロー状態とされ、転送トランジスタ101がオフ状態となっているため、電荷注入区間において注入、蓄積された電荷は、維持される。これにより、画素回路10aにおいて、光電変換素子100にのみ電荷が蓄積された状態、すなわち、光電変換素子100が受光し、光電変換により発生した電荷を当該光電変換素子100が保持している状態と同様の状態を、電源ラインの電圧を接地電位に切り替えることなく実現できる。
なお、FDリセット区間内では、読み出し経路選択信号SELおよび注入経路選択信号SELIがそれぞれロー状態とされ、読み出し経路選択トランジスタ105および注入経路選択トランジスタ110が共にオフ状態となっている。したがって、垂直信号線VSLが画素回路10aから切り離され、任意電圧VANYおよび垂直信号線VSLの電圧は、任意の電圧とすることができ、また、スイッチ回路121の状態も、任意の状態(オン、オフの何れか)とすることができる。
図6Bにおける時間t18の後に、例えば図3を用いて説明した、既存の読み出し動作を実行することで、光電変換素子100に蓄積された電荷量を測定することができる。また、図6Bに示されるように、電荷注入区間およびFDリセット区間を通じて電源ラインの電圧は、電圧VDDの一定値とされ、光電変換素子100の電荷量の測定に当たり、図4を用いて説明した既存技術の方法のように接地電位に切り替える必要が無い。
図7は、第1の実施形態に係る撮像装置の一例の構成を示すブロック図である。図7において、撮像装置1は、図1を用いて説明した撮像装置1000に対して、任意電圧供給回路120と、垂直信号線VSL毎のスイッチ回路121と、が追加されている。任意電圧供給回路120は、各スイッチ回路121を介して、垂直信号線VSLと接続される。任意電圧供給回路120および各スイッチ回路121は、それぞれ、制御部19により動作を制御される。
また、画素アレイ部11は、図5を用いて説明した画素回路10aが行列状の配列で配置される。垂直走査部12は、上述した転送パルスTG、リセットパルスRST、読み出し経路選択信号SELおよび注入経路選択信号SELIの各制御信号を、画素信号線16を介して、行単位で、各画素回路10aに供給する。
このような構成において、例えば制御部19は、画素アレイ部11の列毎すなわち垂直信号線VSL毎に各スイッチ回路121を制御する。それと共に、制御部19は、垂直走査部12を制御して、上述の各制御信号を、行単位で各画素回路10aに供給する。これにより、第1の実施形態に係る撮像装置1は、画素アレイ部11に含まれる任意の画素回路10aに対して、任意電圧VANYによる光電変換素子100に対する電荷注入を実現できる。
(第1の実施形態の第1の変形例)
次に、第1の実施形態の第1の変形例について説明する。第1の実施形態の第1の変形例は、1つの画素回路が複数の光電変換素子を含む場合の例である。図8は、第1の実施形態の第1の変形例に係る画素回路の構成の例を示す図である。図8において、画素回路10bは、2つの光電変換素子100aおよび100bを含み、これら光電変換素子100aおよび100bが1つのFD103を共有している。
より具体的には、光電変換素子100aのカソードが、転送トランジスタ101aのソースに接続される。同様に、光電変換素子100bのカソードが、転送トランジスタ101bのソースに接続される。転送トランジスタ101aおよび101bのドレインは、FD103に対して共通に接続される。転送トランジスタ101aおよび101bの各ゲートには、それぞれ、垂直走査部12から画素信号線16を介して転送パルスTG1および転送パルスTG2が入力される。
注入経路選択トランジスタ110のソースは、転送トランジスタ101aおよび101bの各ドレインが接続される接続点と、FD103と、が接続される接続点に接続される。
例えば、制御部19は、転送パルスTG1およびTG2により、転送トランジスタ101と転送トランジスタ101bとでオンおよびオフ状態を排他的に制御する。これにより、光電変換素子100aおよび100bそれぞれが受光により生成した電荷に基づく各画素信号を順次に読み出して、垂直走査線VSLに対して出力することができる。
図9Aおよび図9Bを用いて、図8に示した、第1の実施形態の第1の変形例に係る画素回路10bにおける光電変換素子100aおよび100bの検査方法の第1および第2の例について説明する。
図9Aは、第1の実施形態の第1の変形例による光電変換素子100aおよび100bの検査方法の第1の例を説明するための図である。この第1の例では、光電変換素子100aおよび100bに対して、個別のタイミングで電荷注入を実行する。
図6Bを参照し、例えば、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、電荷注入区間内の時間t11〜t14の期間において注入経路選択信号SELIをハイ状態として注入経路選択トランジスタ110をオン状態とする。そして、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、時間t11〜t14の期間内の時間t12〜t13の期間において、転送パルスTG1をハイ状態として、転送トランジスタ101aをオン状態とする。また、制御部19は、任意電圧供給回路120により任意電圧VANYを生成させると共に、スイッチ回路121をオン状態とする。
一方、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、電荷注入区間において転送パルスTG2をロー状態として、転送トランジスタ101bをオフ状態とする。
これにより、時間t12〜t13の期間において、垂直信号線VSLから、注入経路選択トランジスタ110および転送トランジスタ101aを介して光電変換素子100aに接続される経路Cが形成される。この経路Cを介して、光電変換素子100aに対して、任意電圧供給回路120から任意電圧VANYが供給され、光電変換素子100aにおいて任意電圧VANYに応じた電荷が生成、蓄積される。また、任意電圧VANYは、FD103にも供給され、FD103において任意電圧VANYに応じた電荷が蓄積される。
その後、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、図6BのFDリセット区間に示されるシーケンスに従って、時間t16〜t17の期間においてリセットパルスRSTをハイ状態としてリセットトランジスタ102をオン状態とする。これにより、FD103に蓄積された電荷が電圧VDDの電源ラインに吸い上げられ、FD103がリセットされる。なお、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、転送パルスTG2のロー状態を維持し、転送トランジスタ101bをオフ状態のままとする。
FD103のリセット後、例えば図3を用いて説明した、既存の読み出し動作を実行することで、光電変換素子100に蓄積された電荷量を測定することができる。
光電変換素子100bの検査も、上述と同様にして実行される。この場合、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、時間t12〜t13の期間において転送パルスTG2をハイ状態として転送トランジスタ101bをオン状態とする。これにより、垂直信号線VSLから、注入経路選択トランジスタ110および転送トランジスタ101bを介して光電変換素子100bに接続される経路が形成される。
一方、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、電荷注入区間およびFDリセット区間を通じて転送パルスTG1ロー状態とし、転送トランジスタ101bのオフ状態を維持する。
図9Bは、第1の実施形態の第1の変形例による光電変換素子100aおよび100bの検査方法の第2の例を説明するための図である。この第2の例では、光電変換素子100aおよび100bに対して同時に電荷注入を実行する。
図6Bを参照し、例えば、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、電荷注入区間内の時間t11〜t14の期間において注入経路選択信号SELIをハイ状態として注入経路選択トランジスタ110をオン状態とする。そして、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、時間t11〜t14の期間内の時間t12〜t13の期間において、転送パルスTG1およびTG2をそれぞれハイ状態として、各転送トランジスタ101aおよび101bをオン状態とする。また、制御部19は、任意電圧供給回路120により任意電圧VANYを生成させると共に、スイッチ回路121をオン状態とする。
これにより、時間t12〜t13の期間において、垂直信号線VSLから、注入経路選択トランジスタ110および転送トランジスタ101aを介して光電変換素子100aに接続される経路DおよびD1が形成される。それと共に、垂直信号線VSLから、注入経路選択トランジスタ110および転送トランジスタ101bを介して光電変換素子100bに接続される経路DおよびD2が形成される。
これら経路D、D1およびD2を介して、光電変換素子100aおよび100bに対して、任意電圧供給回路120から任意電圧VANYが供給される。これにより、光電変換素子100aおよび100bそれぞれにおいて任意電圧VANYに応じた電荷が生成、蓄積される。また、任意電圧VANYは、FD103にも供給され、FD103において任意電圧VANYに応じた電荷が蓄積される。
この第2の例において、FDリセット区間の動作は、図9Aを用いて説明した第1の例と同様であるので、ここでの説明を省略する。
FD103のリセット後、例えば図3を用いて説明した、既存の読み出し動作を、光電変換素子100aおよび100bに対してそれぞれ実行する。すなわち、光電変換素子100aに対する読み出し動作は、転送パルスTG2を常時ロー状態とし、転送トランジスタ101bのオフ状態を維持した状態で実行される。同様に、光電変換素子100bに対する読み出し動作は、転送パルスTG1を常時ロー状態とし、転送トランジスタ101aのオフ状態を維持した状態で実行される。
この第2の例によれば、1度の動作により、各光電変換素子100aおよび100bに対する電荷の注入が実行されるため、上述した第1の例と比較して、処理時間を短縮することが可能である。
なお、図8の例では、1つの画素回路10bが2つの光電変換素子100aおよび100bを含み、これら2つの光電変換素子100aおよび100bが1つのFD103を共有するむものとして示しているが、これはこの例に限定されない。すなわち、第1の実施形態の第1の変形例は、1つの画素回路が3以上の光電変換素子を含み、この3以上の光電変換素子が1つのFD103を共有する構成にも適用可能である。
(第1の実施形態の第2の変形例)
次に、第1の実施形態の第2の変形例について説明する。この第1の実施形態の第2の変形例では、上述した第1の実施形態の構成に対し、電荷注入時のリセットトランジスタ102の制御を省略した例である。
図10は、第1の実施形態の第2の変形例に係る画素回路の一例の構成を示す図である。図10において、画素回路10cは、図5に示した第1の実施形態に係る画素回路10aと同等の構成を有し、リセットトランジスタ102の回路記号を点線で表すことで、電荷注入時のリセットトランジスタ102の制御が省略あるいは簡略化されることを示している。
この図10の構成においては、光電変換素子100に対する電荷注入時には、リセットトランジスタ102をオフ状態とし、FD103のリセットを、注入経路選択トランジスタ110をオン状態として、FD103と、任意電圧供給回路120から任意電圧VANYが供給された垂直信号線VSLとを接続することで実行する。
図11は、第1の実施形態の第2の変形例に係る画素回路10cにおける、光電変換素子100に対して電荷を注入する処理のシーケンスの例を示す図である。図11において、上段から、電源ラインの電圧VDD、読み出し経路選択信号SEL、注入経路選択信号SELI、転送パルスTG、垂直信号線VSLの電圧(VSLとして示す)、スイッチ回路121の状態(SWとして示す)、および、任意電圧VANY、をそれぞれ示している。なお、第1の実施形態の第2の変形例では、リセットパルスRSTは、電荷注入区間およびFDリセット区間を通じて(時間t20〜t28)常時ロー状態とされ、リセットトランジスタ102がオフ状態に固定される。
図11のシーケンスにおいて、電荷注入区間(時間t20〜t25)の動作は、図6Bを用いて説明した、第1の実施形態に係る電荷注入区間(時間t10〜t15)の動作と同様である。すなわち、時間t20において、制御部19は、任意電圧供給回路120に対して接地電位(0[V])の任意電圧VANYの生成を指示すると共に、スイッチ回路121をオンとする。これにより、垂直信号線VSLの電位が接地電位となる。
なお、電荷注入区間において、読み出し経路選択信号SELがロー状態とされ、読み出し経路選択トランジスタ105がオフ状態とされる。
電荷注入区間内の時間t21において、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、注入経路選択信号SELIをハイ状態として注入経路選択トランジスタ110をオン状態とし、次の時間t22において転送パルスTGをハイ状態として、転送トランジスタ101をオン状態とする。次の時間t23において、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、転送パルスTGをロー状態として転送トランジスタ101をオフ状態とする。さらに次の時間t24において、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、注入経路選択信号SELIをロー状態として注入経路選択トランジスタ110をオフ状態とする。
時間t22〜t23の期間において、注入経路選択トランジスタ110と転送トランジスタ101とが共にオン状態となり、図6Aに示した経路Bに対応する経路が形成される。これにより、垂直信号線VSLから供給される任意電圧VANYが光電変換素子100に印加され、光電変換素子100に対して、当該任意電圧VANYに応じた電荷が注入される。また、当該時間t22〜t23は、読み出し経路選択信号SELがロー状態とされているため、任意電圧VANYがFD103にも印加され、FD103に対して、当該任意電圧VANYに応じた電荷が注入される。
時間t25から時間t28までのFDリセット区間において、制御部19は、任意電圧供給回路120により、FD103のリセットレベル(黒レベル)の電圧の任意電圧VANYを生成させる。また、制御部19は、スイッチ回路121のオン状態を維持する。
FDリセット区間内の時間t26〜t27の期間において、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い注入経路選択信号SELIをハイ状態とする。これにより、FD103が任意電圧VANYの垂直信号線VSLに接続される。また、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、読み出し経路選択信号SELおよび転送パルスTGそれぞれのロー状態を維持する。
したがって、この時間t26〜t27の期間で、電荷注入区間においてFD103に注入、蓄積された電荷が垂直信号線VSLに吸い上げられ、FD103がリセットされる。一方、光電変換素子100は、転送パルスTGがロー状態とされ、転送トランジスタ101がオフ状態となっているため、電荷注入区間において注入、蓄積された電荷は、維持される。これにより、画素回路10cにおいて、光電変換素子100にのみ電荷が蓄積された状態、すなわち、光電変換素子100が受光し、光電変換により発生した電荷を当該光電変換素子100が保持している状態と同様の状態を、電源ラインの電圧を接地電位に切り替えることなく実現できる。
図11における時間t28の後に、例えば図3を用いて説明した、リセットパルスRSTの制御を含めた既存の読み出し動作を実行することで、光電変換素子100に蓄積された電荷量を測定することができる。
この第1の実施形態の第2の変形例においても、図11に示されるように、電荷注入区間およびFDリセット区間を通じて電源ラインの電圧は、電圧VDDの一定値とされ、光電変換素子100の電荷量の測定に当たり、図4を用いて説明した既存技術の方法のように接地電位に切り替える必要が無い。また、この第1の実施形態の第2の変形例に係る画素回路10cでは、電荷注入区間およびFDリセット区間を通じてリセットパルスRSTが常時ロー状態とされているため、例えば垂直走査部12の負荷を軽減することが可能である。
なお、この第1実施形態の第2の変形例による構成は、上述した第1の実施形態の第1の変形例にも適用可能である。
(第1の実施形態の第3の変形例)
次に、第1の実施形態の第3の変形例について説明する。第1の実施形態の第3の変形例では、1つの光電変換素子を含む1つの画素回路に対して複数の垂直信号線VSLを接続した例である。
図12Aは、第1の実施形態の第3の変形例に係る画素回路および垂直信号線の一例の構成を示す図である。図12Aにおいて、2本の垂直信号線VSLaおよびVSLbが、画素回路10dに接続される。また、任意電圧供給回路120が、スイッチ回路121aおよび121bを介して垂直信号線VSLaおよびVSLbに接続される。
この構成では、画素回路10dにおいて、低速読み出しモードと、高速読み出しモードと、を切り替えて実行できる。低速読み出しモードは、例えば2本の垂直信号線VSLaおよびVSLbのうち1本の例えば垂直信号線VSLaのみを用いて、当該垂直信号線VSLaに接続される各画素回路10dにおける読み出しを順次に行う。また、高速読み出しモードは、当該2本の垂直信号線VSLaおよびVSLbそれぞれに接続される各画素回路10dにおける読み出しを並列的に行う。高速読み出しモードは、低速読み出しモードと比較して、垂直信号線VSLの本数に応じて高速に読み出し処理を行うことができる一方で、高消費電力となる。
図12Aの説明に戻り、画素回路10dは、垂直信号線VSLaおよびVSLbの本数に応じて、2つの読み出し経路選択トランジスタ105aおよび105bと、2つの注入経路選択トランジスタ110aおよび110bと、を含む。読み出し経路選択トランジスタ105aのソースが垂直信号線VSLaに接続され、読み出し経路選択トランジスタ105bのソースが垂直信号線VSLbに接続される。読み出し経路選択トランジスタ105aおよび105bの各ドレインは、増幅トランジスタ104のソースに共通に接続される。読み出し経路選択トランジスタ105aのゲートには、垂直走査部12から読み出し経路選択信号SELaが供給される。また、読み出し経路選択トランジスタ105bのゲートには、垂直走査部12から読み出し経路選択信号SELbが供給される。
注入経路選択トランジスタ110aのドレインが垂直信号線VSLaに接続され、注入経路選択トランジスタ110bのドレインが垂直信号線VSLbに接続される。注入経路選択トランジスタ110aおよび110bの各ソースは、転送トランジスタ101のドレインとFD103とが接続される接続点に、共通に接続される。注入経路選択トランジスタ110aのゲートには、垂直走査部12から注入経路選択信号SELIaが供給される。また、注入経路選択トランジスタ110bのゲートには、垂直走査部12から注入経路選択信号SELIbが供給される。
このような構成において、高速読み出しモードでは、制御部19は、垂直信号線VSLaおよびVSLbに共通に接続される各画素回路10dのうち、例えば半数の画素回路10dを、読み出し経路選択トランジスタ105aおよび垂直信号線VSLaを用いて通常の読み出しを行い、残りの半数の画素回路10dを、読み出し経路選択トランジスタ105bおよび垂直信号線VSLbを用いて通常の読み出しを行うように制御する。
例えば、図12Aの例では、制御部19は、図12Aの上側に示される画素回路10dにおいて、読み出し経路選択トランジスタ105aおよび垂直信号線VSLaを用いて通常の読み出しを行うように制御する。また、制御部19は、図12Aの下側に示される画素回路10dにおいて、読み出し経路選択トランジスタ105bおよび垂直信号線VSLbを用いて通常の読み出しを行うように制御する。
一方、低速読み出しモードでは、制御部19は、垂直信号線VSLaおよびVSLbに共通に接続される各画素回路10dにおいて、それぞれ、例えば読み出し経路選択トランジスタ105aおよび垂直信号線VSLaを用いて、図3に示した通常の読み出し動作を行う。この場合、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、読み出し経路選択トランジスタ105bを常時オフの状態に制御する。
第1の実施形態の第3の変形例では、低速読み出しモードにおいて、各画素回路10dに含まれる光電変換素子100に対する検査のための電荷の注入は、低速読み出しモード時の動作により、垂直信号線VSLaおよびVSLbのうち読み出しに用いてない垂直信号線VSLを用いて行う。
一例として、図12Bに経路Eとして示されるように、FD103に蓄積された電荷に基づく電圧の読み出しを、読み出し経路選択トランジスタ105aを介して垂直信号線VSLaにより実行するものとする。この場合、電荷の注入は、図12Bに経路Fとして示されるように、読み出しに用いていない垂直信号線VLSbにより実行する。
より具体的には、図6Bを用いて説明したシーケンスに従い、制御部19は、スイッチ回路121aをオフ状態、スイッチ回路121bをオン状態として、任意電圧供給回路120で生成される任意電圧VANYを垂直信号線VSLbに供給する(図6Bの時間t10)。また、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、読み出し経路選択信号SELaおよびSELbをロー状態として読み出し経路選択トランジスタ105aおよび105bをそれぞれオフ状態とする。さらに、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、注入経路選択信号SELIaおよびSELIbをロー状態とし、注入経路選択トランジスタ110aおよび110bをそれぞれオフ状態とする。
その後、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、注入経路選択信号SELIb、転送パルスTGおよびリセットパルスRSTを、図6Bの選択信号SELI、転送パルスTGおよびリセットパルスRSTと同様に制御する。また、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、読み出し経路選択信号SELaおよびSELb、ならびに、注入経路選択信号SELIaを、常時ロー状態に制御する。また、制御部19は、スイッチ回路121aを、常時オフ状態に制御する。
このような制御により、光電変換素子100を電荷が蓄積された状態とし、光電変換素子100が受光し、光電変換により発生した電荷を当該光電変換素子100が保持している状態と同様の状態を、電源ラインの電圧を接地電位に切り替えることなく実現できる。
上述の処理により電荷が蓄積された光電変換素子100からの電荷の読み出しは、図3を用いて説明した既存の読み出し動作により実行される。このとき、制御部19は、読み出し経路選択信号SELbと、注入経路選択信号SELIaおよびSELIbと、をそれぞれロー状態に制御し、読み出し経路選択トランジスタ105bと、注入経路選択トランジスタ110aおよび110bと、をオフ状態とする。垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、この既存の読み出し動作を、垂直信号線VSLaに共通に接続される各画素回路10dにより順次に実行されるように、各画素回路10dを制御する。
この第1の実施形態の第3の変形例では、光電変換素子100に対する電荷注入と、光電変換素子100からの電荷の読み出しと、をそれぞれ異なる垂直信号線VSLaおよびVSLbを用いて行っている。そのため、光電変換素子100からの電荷の読み出しの動作タイミングに対する制約が少ない状態で、光電変換素子100に対する電荷注入を実行できる。
一例として、図5を用いて説明した第1の実施形態に係る構成では、画素アレイ部11の1列に対して配置される各画素回路10が1本の垂直信号線VSLに接続される。この構成では、各画素回路10における電荷注入後の読み出し処理は、当該列に配置される各画素回路10について順次に実行され、各画素回路10から読み出された各画素信号が垂直信号線VSLに対して順次に出力される。したがって、各画素回路10に対する垂直信号線VSLを介した電荷注入動作は、当該垂直信号線VSLに接続される全ての画素回路10の読み出しが完了した後に、実行することが可能となる。
これに対して、第1の実施形態の第3の変形例では、画素アレイ部11の1列に対して配置される各画素回路10dが、それぞれ独立して接続制御が可能な2本の垂直信号線VSLaおよびVSLbに接続される。この構成においても、各画素回路10dにおける電荷注入後の読み出し処理は、当該列に配置される各画素回路10dについて順次に実行される。この場合、各画素回路10dから読み出された各画素信号を、例えば一方の垂直信号線VSLaに対して出力することで、他方の垂直信号線VSLbを、これら各画素回路10dに対する電荷注入のために用いることができる。
したがって、第1の実施形態の第3の変形例によれば、各画素回路10dに対する電荷注入動作は、垂直信号線VSLaに接続される全ての画素回路10dの読み出し完了を待たずに、例えば各画素回路10dのうち読み出しが完了した画素回路10dを任意に選択して実行可能となる。
なお、上述では、垂直信号線VSLaを各画素回路10dからの画素信号の読み出しに用い、垂直信号線VSLbを、各画素回路10dに対する電荷注入のために用いているが、これはこの例に限定されない。すなわち、垂直信号線VSLaおよび垂直信号線VSLbの役割を逆として、垂直信号線VSLbを各画素回路10dからの画素信号の読み出しに用い、垂直信号線VSLaを、各画素回路10dに対する電荷注入のために用いてもよい。
また、上述では、各画素回路10dに対して2本の垂直信号線VSLaおよびVSLbが接続されるように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、第1の実施形態の第3の変形例は、各画素回路10dに対して3本以上の垂直信号線VSLを接続した構成にも対応可能である。この場合、各画素回路10dは、接続される垂直信号線VSLの本数に応じた数の読み出し経路選択トランジスタ105および注入経路選択トランジスタ110が設けられる。例えば各画素回路10dに3本の垂直信号線VSLが接続される場合、2本の垂直信号線VSLを各画素回路10dからの画素信号の読み出しに用いて高速読み出しを実現し、残りの1本の垂直信号線VSLを各画素回路10dの電荷注入のために用いることが考えられる。
このように、第1の実施形態およびその各変形例に係る技術を撮像装置1に適用することで、撮像装置1の出荷検査、特性評価、ボード組み込み後の故障診断を、より容易に実行することが可能となる。例えば、第1の実施形態に係る技術を適用することで、高価な光源、カラーフィルターおよび遮光パターンや、それらを制御する制御システムを用いることなく、画素領域の全面、または一部に対し、画素回路毎に任意のレベルの電荷注入を行い、それを読出す試験が可能となる。これにより、設備投資の低減、検査時間の削減が見込まれる。また、既存技術では困難であった特性検査が実施可能となり、品質向上が見込まれる。
なお、この第1の実施形態の第3の変形例に対して、上述した第1の実施形態の第2の変形例の構成を適用することで、リセットトランジスタ102を省略することができる。図12Aの画素回路10dからリセットトランジスタ102を省略した構成を考える。この構成において、例えば垂直信号線VSLbに係る経路をFD103のリセットを行う経路として用い、垂直信号線VSLaに係る経路を、FD103に蓄積された電荷に応じた電圧(画素信号)を出力する経路として用いる。
一例として、低速読み出しモードにおいて、図3のリセットパルスRSTを、上述した第1の実施形態の第2の変形例と同様に、任意電圧供給回路120においてFD103のリセットレベルの電圧の任意電圧VANYを生成し、この電圧を、スイッチ回路121bと注入経路選択信号SELIbとを介してFD103に印加することで実現する。
光電変換素子100に対する電荷注入の動作は、上述した第1の実施形態の第2の変形例で、図11を用いて説明した動作において注入経路選択信号SELIを注入経路選択信号SELIbと読み替えた動作と同様であるので、ここでの説明を省略する。
光電変換素子100に蓄積された電荷の読み出し動作は、注入経路選択信号SELIbを、図3を用いて説明した動作におけるリセットパルスRSTに対応させて変化させる。制御部19は、上述の動作により光電変換素子100に対する電荷注入動作が完了すると、任意電圧供給回路120をFD103のリセットレベルの電圧を任意電圧VANYとして生成するよう制御すると共に、スイッチ回路121aをオフ状態、スイッチ回路121bをオン状態とするように制御する。これにより、垂直信号線VSLbに対してFD103のリセットレベルの電圧の任意電圧VANYが出力される。また、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、読み出し経路選択信号SELbをロー状態に固定的とし、読み出し経路選択トランジスタ105bをオフ状態とする。
その後、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、図3の時間t100で読み出し経路選択信号SELaをハイ状態として読み出し経路選択トランジスタ105aをオン状態とする。垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、時間t101で注入経路選択信号SELIbをハイ状態とし、注入経路選択トランジスタ110bをオン状態とする。これにより、FD103に対してリセットレベルの電圧が印加され、FD103の電荷が垂直信号線VSLbに排出され、FD103がリセットされる。垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、時間t101から所定時間の経過後、注入経路選択信号SELIbをロー状態として注入経路選択トランジスタ110bをオフ状態とする。
次に、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、図3の時間t102で転送パルスTGをハイ状態とし、転送トランジスタ101をオン状態とする。これにより、電荷注入により光電変換素子100に蓄積された電荷がFD103に転送され、蓄積される。転送パルスTGは、時間t102から所定時間の経過後にロー状態とされて転送トランジスタ101がオフ状態とされる。FD103において、蓄積した電荷に応じた電圧が生成され、この電圧が増幅トランジスタ104および読み出し経路選択トランジスタ105aを介して垂直信号線VSLaに出力される。
[第2の実施形態]
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、画素回路がオーバーフローゲート(OFG)を持つ場合の例である。図13は、第2の実施形態に係る画素回路の一例の構成を示す図である。図13において、画素回路10eは、図5の画素回路10に対して、N型MOSトランジスタである転送トランジスタ101cと、容量131とが追加され、また、N型MOSトランジスタであるトランジスタ130が設けられる。トランジスタ130は、オーバーフローゲート用のトランジスタであって、以下、OFGトランジスタ130と呼ぶ。
光電変換素子100のカソードが、OFGトランジスタ130のソースと転送トランジスタ101cのソースとが接続される接続点に接続される。転送トランジスタ101cのドレインが、容量131と転送トランジスタ101のソースとが接続される接続点に接続される。転送トランジスタ101cのゲートには、垂直走査部12から画素信号線16を介して転送パルスTG3が供給される。
OFGトランジスタ130のドレインが、信号線OFDに接続される。OFGトランジスタ130のゲートは、垂直走査部12から画素信号線16を介してパルスOFGが供給される。なお、パルスOFGおよび転送パルスTG3は、画素アレイ部11が含む各画素回路10eに対して全行同時に供給される。一方、転送トランジスタ101に供給される転送パルスTGは、各行について順次に供給される。
信号線OFDに対して、任意電圧供給回路120がスイッチ回路121を介して接続される。また、信号線OFDに対して、電圧VDDの電源ラインがスイッチ回路122を介して接続される。
この画素回路10eの構成において、通常の露光および読み出しの動作は、例えば次のようになる。通常の露光および読み出し動作時では、制御部19は、スイッチ回路121をオフ状態として任意電圧供給回路120の信号線OFDに対する接続を遮断する。それと共に、制御部19は、スイッチ回路122をオン状態とし、信号線OFDと電源ラインとを接続し、信号線OFDに対して電圧VDDを供給する。
1フレーム周期の先頭における露光直前のタイミングにおいて、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、パルスOFGをハイ状態として、画素アレイ部11における全ての画素回路10eに含まれるOFGトランジスタ130をオン状態とする。これにより、光電変換素子100に蓄積された電荷が信号線OFDに吸い上げられ、光電変換素子100が初期化される。パルスOFGがロー状態となり、OFGトランジスタ130がオフ状態とされると、光電変換素子100に対する1フレーム分の露光が開始される。
垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、露光中において、パルスOFGと、転送パルスTG3と、をそれぞれロー状態とする。また、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、露光中において転送パルスTGをハイ状態とし、転送トランジスタ101をオン状態とする。これにより、例えば直前のフレーム周期において容量131に蓄積された電荷の読み出し処理を実行する。
光電変換素子100の露光が終了すると、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、転送パルスTGをロー状態として転送トランジスタ101をオフ状態とすると共に、転送パルスTG3をハイ状態とし、転送トランジスタ101cをオン状態とする。これにより、露光により光電変換素子100に蓄積された電荷が容量131に転送され、転送された電荷が容量131に蓄積される。垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、容量131に対する電荷の蓄積が完了するタイミングで、転送パルスTG3をロー状態にする。
一方、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、露光と並行して、容量131に蓄積された電荷の読み出し処理を実行する。すなわち、転送パルスTG3がロー状態とされ、転送トランジスタ101cがオフ状態とされると、容量131と光電変換素子100とが切り離される。垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、転送パルスTG3をロー状態とした後、容量131に蓄積された電荷の読み出し処理を実行する。この読み出し処理は、容量131を図5の光電変換素子100と見做した場合の、図3に示した読み出し動作と同様のシーケンスにより実行される。画素アレイ部11の全行の読み出し処理は、1フレーム周期内に完了される。
次のフレーム周期において、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、パルスOFGをハイ状態、転送パルスTG3をロー状態として、直前のフレームにおける露光により光電変換素子100に蓄積された電荷の初期化処理を実行する。垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、当該初期化処理が終了し露光が開始されるタイミングでパルスOFGをロー状態とする。転送パルスTG3は、露光中はロー状態が維持される。
このように、OFGトランジスタ130、転送トランジスタ101cおよび容量131を用いることで、画素アレイ部11に含まれる各画素回路10eにおいて一斉に露光を実行する、グローバルシャッタを実現できる。
この図13に示す第2の実施形態に係る構成では、信号線OFDを利用することで、第1の実施形態およびその各変形例と同様に、画素アレイ部11に含まれる各画素回路10eに対して、任意のレベルの電荷注入を実行することが可能となる。
すなわち、図13の構成において、制御部19は、スイッチ回路122をオフ状態、スイッチ回路121をオン状態とし、信号線OFDに対して任意電圧供給回路120により生成された任意電圧VANYを供給する。また、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、転送パルスTG3をロー状態とする。この状態において、垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、パルスOFGをハイ状態とする。これにより、任意電圧VANYが、図13の経路Gに従い信号線OFDからOFGトランジスタ130を介して光電変換素子100に供給され、任意電圧VANYに応じた電荷が光電変換素子100に蓄積される。
このような制御により、画素回路10eにおいて、光電変換素子100を電荷が蓄積された状態とし、光電変換素子100が受光し、光電変換により発生した電荷を当該光電変換素子100が保持している状態と同様の状態を、電源ラインの電圧を接地電位に切り替えることなく、実現できる。
[第3の実施形態]
次に、本開示の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、DVS(Dynamic Vision Sensor)としての撮像装置における画素回路に含まれる光電変換素子に対して、電荷注入を実行するようにした例である。DVSは、画素アドレス毎に、その画素が受光した光量が閾値を超えた旨をアドレスイベントとしてリアルタイムに検出する検出回路を画素毎に設けた、非同期型の撮像装置である。
図14は、第3の実施形態に係る、DVSとしての撮像装置に適用可能な画素回路の一例の構成を示す図である。図14において、画素回路10fは、電流電圧変換部300と、減算部301と、ロジック回路302と、を含む。
電流電圧変換部300は、N型MOSトランジスタによるトランジスタ311および312と、P型MOSトランジスタによるトランジスタ313と、を含む。ここでは、光電変換素子310がフォトダイオードであるものとして説明する。
N型のトランジスタ311のソースは、光電変換素子310に接続され、ドレインは例えば電圧VDDの電源ラインに接続される。P型のトランジスタ313およびN型のトランジスタ312は、電源ラインと接地電位との間において、直列に接続される。また、トランジスタ313のドレインとトランジスタ312のドレインとの接続点は、トランジスタ311のゲートと図示されないバッファアンプの入力端子とに接続される。また、トランジスタ313のゲートには、所定のバイアス電圧が印加される。
それぞれN型のトランジスタ311および312のドレインは、電源側に接続されており、それぞれソースフォロワを形成している。これらのループ状に接続された2つのソースフォロワにより、光電変換素子310から出力される光電流は、その対数の電圧信号に変換される。また、トランジスタ313は、一定の電流をトランジスタ312に供給する。
光電変換素子310から出力された光電流が電流電圧変換部300により電圧に変換された電圧信号は、図示されないバッファアンプを介して減算部301に供給される。減算部301は、コンデンサそれぞれ容量C1およびC2を有するコンデンサ314および316と、スイッチ部317と、インバータ315と、を含む。
コンデンサ314の一端は、図示されないバッファアンプの出力端子に接続され、他端は、インバータ315の入力端に接続される。コンデンサ316は、インバータ315に並列に接続される。スイッチ部317は、後述する駆動回路3113から供給される駆動信号に従い、コンデンサ316の両端を接続する経路を、オン状態およびオフ状態で切り替える。インバータ315は、コンデンサ314を介して入力された電圧信号を反転する。この反転された電圧信号は、スイッチ部317のオン状態およびオフ状態におけるバッファアンプの出力電圧の差分を示す。インバータ315は、反転した信号を、ロジック回路302に供給する。
ロジック回路302は、インバータ315から供給された信号に対してON閾値およびOFF閾値の2つの閾値を用いて閾値判定を行い、(+)イベント、(−)イベントおよびイベント検出無し、の3状態を検出する。この検出結果が、この画素回路10fのアドレスに対応したイベント検出信号として出力される。このように、画素回路10fは、光電変換素子100に蓄積される電荷量に変化が生じた場合にのみ、光電変換素子100からの読み出しが行われる。
なお、図示は省略するが、電流電圧変換部300において、光電変換素子310と、トランジスタ311のソースとトランジスタ312のゲートとが接続される接続点と、の間に、後述する信号OFGによりオン状態/オフ状態が制御されるスイッチ回路が設けられる。
第3の実施形態では、任意電圧供給回路120が接続される信号線321を設け、信号線321と画素回路10fとを、注入経路選択信号SELIによりオン状態およびオフ状態が制御されるスイッチ回路320を介して接続する。スイッチ回路320は、例えばN型MOSトランジスタにより構成され、当該トランジスタのゲートに注入経路選択信号SELIが供給される。
図15は、第3の実施形態に係る撮像装置の一例の構成を示すブロック図である。図15に示す撮像装置3000において、画素アレイ部3110は、画素回路10fが行列状の配列で配置される。駆動回路3113は、各画素回路10fのDVSとしての動作を制御する駆動信号を生成する。また、駆動回路3113は、制御部3115の制御に従い信号OFGを生成し、生成したこれら信号OFGを、各画素回路10fに供給する。図15の例では、駆動回路3113は、画素アレイ部3110に行列状に配列される各画素回路10fに対して、行毎に信号OFGを生成している。
また、各画素回路10fは、要求および応答の送受信のために、行単位でローアービタ3112に接続される。それと共に、各画素回路10fは、要求および応答の送受信、ならびに、イベントの検出を示すイベント検出信号およびアドレス情報の供給のために、列単位でカラムアービタ3111に接続される。
例えば、カラムアービタ3111は、画素回路10fから供給されたイベント検出信号およびアドレス情報を、制御部3115に供給する。制御部3115は、カラムアービタ3111から供給されたイベント検出信号およびアドレス情報に基づき、信号OFGのハイ/ロー状態を切り替えるべき行を特定する。制御部3115は、特定された行における信号OFGのハイ/ロー状態の切り替えの指示を、駆動回路3113に供給する。駆動回路3113は、この指示に応じて、当該行における信号OFGのハイ/ロー状態を切り替える。
図15において、駆動回路3113は、さらに、画素アレイ部3110に行列状に配列される各画素回路10fに対して、行毎に注入経路選択信号SELIを生成している。また、撮像装置3000は、制御部3115により動作が制御される任意電圧供給回路120と、任意電圧供給回路120から任意電圧VANYが出力される信号線321とが設けられる。信号線321は、画素アレイ部3110における画素回路10fの配列の列毎に設けられ、それぞれスイッチ回路121を介して任意電圧供給回路120に接続される。各スイッチ回路121は、制御部3115の制御に従い駆動回路3113からスイッチ回路121毎に出力される制御信号に応じて、それぞれ動作を制御される。
また、画素アレイ部3110において、各画素回路10fに対してスイッチ回路320がそれぞれ接続される。ここで、駆動回路3113は、各画素回路10fに1対1に接続されるスイッチ回路320を、注入経路選択信号SELIによりそれぞれ独立して制御が可能なように構成される。
このような構成において、駆動回路3113は、制御部3115の制御に従い、読み出しを行う画素回路10fに対応するスイッチ回路320をオフ状態からオン状態に切り替える。これにより、当該スイッチ回路320に対応する画素回路10fに含まれる光電変換素子310に対して急速に電荷が蓄積される(図14、経路J)。また、上述した各スイッチ回路121の制御と、各画素回路10fに1対1に接続されるスイッチ回路320と、により、電荷を注入したい光電変換素子310を含む画素回路10fを、画素アレイ部3110に含まれる各画素回路10fに対して任意に指定することができる。したがって、画素アレイ部3110においてアドレスイベント検出を行わせる画素回路10fを任意に、且つ、高速に指定(生成)可能となる。
したがって、本開示の技術をDVSに対して適用することで、各種の遮光パターンや、局所的な光照射が可能な設備を用いること無く、検査や特性評価を実施することが可能となる。そのため、設備投資の低減が可能となり、また、検査のために光源を制御する時間などの削減が見込まれる。
[第4の実施形態]
次に、本開示の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、上述した第1の実施形態およびその各変形例、ならびに、第2および第3の実施形態に適用可能な任意電圧供給回路120およびスイッチ回路121の第1の例をより具体的に示す。
図16は、第4の実施形態に係る任意電圧供給回路120の一例の構成を示す図である。また、以下では、説明のため、任意電圧供給回路120およびスイッチ回路121は、第1の実施形態に係る画素回路10aを含む撮像装置1に適用されるものとする。
図16において、任意電圧供給回路120は、任意電圧生成回路1200aおよび1200bと、パターン発生回路1220と、を含む。任意電圧生成回路1200aは、選択回路1201aと、電圧生成回路1203aと、を含む。電圧生成回路1203aは、一般的な定電圧回路により構成され、例えば制御部19によるレジスタ制御に従い指定された電圧を生成する。端子1230aは、外部電圧が印加される。
選択回路1201aは、スイッチ1202a1および1202a2を含む。これらスイッチ1202a1および1202a2のそれぞれは、例えば制御部19によるレジスタ制御に従いオン/オフが切り替えられ、任意電圧生成回路1200aから出力する電圧を、電圧生成回路1203aにより生成された電圧と、端子1230aに印加された外部電圧のうち、何れかに選択する。ここでは、端子1230aに対して外部電圧として黒レベル(リセットレベル)の電荷注入を行うための黒レベル電圧(例えば1.3[V])が印加され、選択回路1201aによりこの黒レベル電圧の外部電圧が選択され、任意電圧生成回路1200aから出力電圧として出力されるものとする。
任意電圧生成回路1200bも、任意電圧生成回路1200aと同様の構成とされ、選択回路1201bと、電圧生成回路1203bと、を含む。電圧生成回路1203bは、一般的な定電圧回路により構成され、例えば制御部19によるレジスタ制御に従い指定された電圧を生成する。端子1230bは、外部電圧が印加される。
選択回路1201bは、スイッチ1202b1および1202b2を含む。これらスイッチ1202b1および1202b2のそれぞれは、例えば制御部19によるレジスタ制御に従いオン/オフが切り替えられ、任意電圧生成回路1200bから出力する電圧を、電圧生成回路1203bにより生成された電圧と、端子1230bに印加された外部電圧のうち、何れかに選択する。ここでは、電圧生成回路1203bにより白レベルの電荷注入を行うための白レベル電圧(例えば0.0[V])が印加され、選択回路1201bによりこの白レベル電圧が選択され、任意電圧生成回路1200bから出力電圧として出力されるものとする。
任意電圧生成回路1200aおよび1200bから出力された、黒レベル電圧および白レベル電圧の各出力電圧は、スイッチ部1210に供給される。スイッチ部1210は、それぞれD−フリップフロップ回路によるFF回路1211aおよび1211b、ならびに、N型MOSトランジスタであるトランジスタ1212aおよび1212bを含むスイッチ回路121を複数、含む。スイッチ回路121は、例えば画素アレイ部11に含まれる全画素回路10aの列毎(垂直信号線VSL毎)に設けられる。
スイッチ部1210において、行方向に整列する各FF回路1211aは、後述するパターン発生回路1220から供給されるクロック信号CLKに従い動作するシフトレジスタを構成する。各FF回路1211aの出力は、次段のFF回路1211aに入力される(当該シフトレジスタの終端部のFF回路1211aを除く)と共に、各トランジスタ1212aのゲートに入力される。各トランジスタ1212aのドレインには、任意電圧生成回路1200aから出力された出力電圧(この例では黒レベル電圧)が供給される。各トランジスタ1212aのソースは、それぞれ垂直信号線VSLに接続される。
同様に、スイッチ部1210において、行方向に整列する各FF回路1211bは、後述するパターン発生回路1220から供給されるクロック信号CLKに従い動作するシフトレジスタを構成する。各FF回路1211bの出力は、次段のFF回路1211bに入力される(当該シフトレジスタの終端部のFF回路1211bを除く)と共に、各トランジスタ1212bのゲートに入力される。各トランジスタ1212bのドレインには、任意電圧生成回路1200bから出力された出力電圧(この例では白レベル電圧)が供給される。各トランジスタ1212bのソースは、それぞれ垂直信号線VSLに接続される。
パターン発生回路1220は、プログラマブルパターン発生器1221と、選択回路1222と、を含む。プログラマブルパターン発生器1221は、例えば制御部19によるレジスタ制御に従い、予め設定される1以上のパターンから1つのパターンを選択し、選択したパターンに示されるビット列を生成、出力する。プログラマブルパターン発生器1221は、例えば、擬似ランダムビットシーケンスによるビットパターン、ビットパターン「FFh/00h」の繰り返し、ビットパターン「AAh/55h」の繰り返し、ビットパターン「33h/CCh」の繰り返し、…など、所定のビットパターンを、レジスタ制御に従い選択して出力する。なお、ビットパターンの記載における「h」は、直前の2文字が16進数の値であることを示している。
端子1231は、外部パターンが印加される。
選択回路1222は、スイッチ1223aおよび1223bを含む。これらスイッチ1223aおよび1223bのそれぞれは、例えば制御部19によるレジスタ制御に従いオン/オフが切り替えられ、パターン発生回路1220から出力するパターンを、プログラマブルパターン発生器1221により発生されたパターンと、端子1231に印加された外部パターンのうち、何れかに選択する。ここでは、選択回路1222により、外部パターンが選択されたものとする。
選択回路1222で選択されたパターンは、各FF回路1211aによるシフトレジスタに入力されると共に、インバータ1226で反転されて、各FF回路1211bによるシフトレジスタに入力される。図16の例では、各シフトレジスタがそれぞれ5個のFF回路1211aおよび1211bを含むものとされ、選択回路1222から出力されるパターンがビット列「10110」であるものとする。
FF回路1211aによるシフトレジスタには、このビット列「10110」が入力され、各トランジスタ1212aは、それぞれこのビット列「10110」の各ビットの値に応じてオン状態およびオフ状態が制御される。また、FF回路1211bによるシフトレジスタには当該ビット列「10110」がインバータ1226で反転されたビット列「01001」が入力され、各トランジスタ1212bは、それぞれこのビット列「01001」の各ビットの値に応じてオン状態およびオフ状態が制御される。
その結果、各垂直信号線VSLには、任意電圧VANYとして、図16の左から黒レベル電圧、白レベル電圧、黒レベル電圧、黒レベル電圧、白レベル電圧の各電圧が出力される。
この第4の実施形態に係る任意電圧供給回路120およびスイッチ回路121を用いることで、画素アレイ部11に含まれる各画素回路10aに対して、任意のパターンで電荷注入を行うことができる。例えば、画素アレイ部11の各画素回路10aを列方向にスキャンして電荷注入を行う場合に、パターン発生回路1220から出力されるパターンを、1乃至複数行毎に変更する。
図17は、画素アレイ部11に対してストリーキング特性の評価を実施する場合の電荷注入パターンの例を示す図である。図17において、画素アレイ部11における画素領域1100のサイズを、図の水平方向に1000画素(画素回路10a)、垂直方向に700画素(画素回路10a)であるものとする。また、図17において、左上隅が原点(x,y)=(1,1)であり、右下隅の座標が(1000,700)であるものとする。
ここで、任意電圧VANY=白レベル電圧で、画素回路10aにおいて光電変換素子100に対して電荷が注入され、光電変換素子100の電荷に基づく画素信号のレベルが白レベルとなるものとする。一方、任意電圧VANY=黒レベル電圧で、画素回路10aにおいて光電変換素子100に対して電荷注入が行われず、リセットされている状態(黒レベル)となるものとする。
この画素領域1100に対して、座標(300,200)−(700,500)で示される矩形領域内の各画素回路10aに対して、任意電圧VANY=0[V]により電荷注入を行い、当該矩形領域外の各画素回路10aに対して、任意電圧VANY=黒レベル電圧により電荷注入を行うものとする。
この場合、矩形領域の内部の各画素回路10aについては電荷注入が行われて各光電変換素子100が電荷が蓄積された状態とされ、矩形領域の外部の各画素回路10aについては電荷注入が行われず各光電変換素子100がリセットされた状態とされる。したがって、例えば、電荷注入後の画素領域1100内の各画素回路10aにおける光電変換素子100の電荷の状態を調べることで、ストリーキング特性の評価を行うことが可能となる。
図18は、第4の実施形態に係る、図17の電荷注入パターンを実現するための撮像装置1の動作の例を示すタイミングチャートである。ここで、図17を参照し、画素領域1100の左端からx=300までの領域に含まれる垂直信号線VSLの組を垂直信号線群VSL−A、x=301〜x=700の領域に含まれる垂直信号線VSLの組を垂直信号線群VSL−B、x=701から画素領域1100の右端の領域に含まれる垂直信号線VSLの組を垂直信号線群VSL−Cとする。また、画素領域1100の上端(y=1)からy=200までの、行方向に沿って区切った領域を、電荷注入エリアAREA(1)、y=201〜y=500までの、行方向に沿って区切った領域を、電荷注入エリアAREA(B)、y=501から画素領域1100の下端(y=700)までの領域を、電荷注入エリアAREA(3)とする。
図18において、上段から、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、垂直信号線群VSL−Aの状態、垂直信号線群VSL−Bの状態、垂直信号線群VSL−Cの状態、をそれぞれ示している。
例えば制御部19は、垂直同期信号Vsyncが入力される時間t30から時間t31までの期間4001において、電荷注入エリアAREA(1)において注入する電荷に対応する任意電圧VANYの設定を行う。電荷注入エリアAREA(1)では、垂直信号線群VSL−A、VSL−BおよびVSL−Cそれぞれにおいて電荷注入がなされない。そのため、例えば制御部19は、端子1231から、外部パターンとして値「1」を入力し続け、各垂直信号線VSLに接続される全てのFF回路1211aに値「1」をシフトインする。各FF回路1211bには、値「1」がインバータ1226により値「0」とされてシフトインされる。
制御部19は、この状態で、垂直走査部12に対して水平同期信号Hsyncを200回入力する。垂直信号線群VSL−A、VSL−BおよびVSL−Cの各垂直信号線VSLに対して、任意電圧VANY=黒レベル電圧が供給される。垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、入力された各水平同期信号Hsyncに応じて、リセットパルスRST、読み出し経路選択信号SEL、注入経路選択信号SELIおよび転送パルスTGを図6Bを用いて説明したタイミングで変化させることにより、各画素回路10aに対して、垂直信号線VSLに供給される任意電圧VANYに応じた電荷の注入を行う。
時間t32で電荷注入エリアAREA(1)に対する電荷注入動作が終了すると、時間t32から時間t33の期間4002において、次の電荷注入エリアAREA(2)において注入する電荷に対応する任意電圧VANYの設定を行う。
電荷注入エリアAREA(2)では、垂直信号線群VSL−Bに対応するx=301〜x=700の領域に対して電荷注入がなされ、それ以外の領域では電荷注入がなされない。したがって、制御部19は、端子1231から、外部パターンとして値「1」を300回入力し、次に値「0」を400回入力し、さらに値「1」を300回入力する。これにより、垂直信号線群VSL−AおよびVSL−Cの各垂直信号線VSLに対して、任意電圧VANY=黒レベル電圧が供給され、垂直信号線群VSL−Bの各垂直信号線VSLに対して、任意電圧VANY=白レベル電圧が供給される。
制御部19は、この状態で、垂直走査部12に対して水平同期信号Hsyncを300回入力する。垂直信号線群VSL−AおよびVSL−Cの各垂直信号線VSLに対して、任意電圧VANY=黒レベル電圧が供給され、垂直信号線群VSL−Bの各垂直信号線VSLに対して、任意電圧VANY=白レベル電圧が供給される。垂直走査部12は、制御部19の制御に従い、入力された各水平同期信号Hsyncに応じて、リセットパルスRST、読み出し経路選択信号SEL、注入経路選択信号SELIおよび転送パルスTGを図6Bを用いて説明したタイミングで変化させることにより、各画素回路10aに対して、垂直信号線VSLに供給される任意電圧VANYに応じた電荷の注入を行う。
時間t34で電荷注入エリアAREA(2)に対する電荷注入動作が終了すると、時間t34から時間t35の期間4003において、次の電荷注入エリアAREA(3)において注入する電荷に対応する任意電圧VANYの設定を行う。この電荷注入エリアAREA(3)に対する設定および電荷注入動作は、上述した電荷注入エリアAREA(1)に対する設定および電荷注入動作と、行方向の位置以外は同様であるため、ここでの説明を省略する。
このように、第4の実施形態では、任意電圧生成回路1200aおよび1200bにより生成した2つの任意電圧VANYを、パターン発生回路1220により発生させたビットパターンに応じて、各垂直信号線VSLに供給することができる。そのため、画素領域1100に含まれる各画素回路10aに対して、任意のパターンで電荷注入を行うことができる。
なお、上述では、任意電圧供給回路120が、画素回路10aの光電変換素子100に白レベルでの電荷注入を行う電圧値と、電荷注入を行わない(黒レベル)電圧値と、の2種類の電圧値の任意電圧VANYを供給するように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、任意電圧供給回路120が、白レベルと黒レベルとの中間のレベルの任意電圧VANYの生成、供給を行うことも可能である。さらに、任意電圧生成回路1200aおよび1200bで生成される任意電圧VANYを、例えば行毎あるいは複数行毎に変化させることで、3種類以上の電圧値の任意電圧VANYを生成、供給することも可能である。
[第5の実施形態]
次に、本開示の第5の実施形態について説明する。上述した第4の実施形態では、画素領域1100に対して任意のパターンで電荷注入を行うことができるようにしている。これに対して、第5の実施形態では、チェッカーパターンに限定して電荷注入を行う。なお、以下では、第1の実施形態に係る画素回路10aを含む撮像装置1を例にとって説明を行う。
図19は、第5の実施形態に適用可能なチェッカーパターンの例を示す図である。図19において、白および黒の各四角は、それぞれ画素回路10aを示すものとする。より具体的には、白の四角は、白レベルの電荷が注入される光電変換素子100を含む画素回路10a(白レベルの画素回路10aと呼ぶ)を示し、黒の四角は、黒レベルの電荷が注入される(リセットされる)光電変換素子100を含む画素回路10a(黒レベルの画素回路10aと呼ぶ)を示している。
図19に示されるように、チェッカーパターンにおいては、白レベルの画素回路10aと、黒レベルの画素回路10aとが、列、行のそれぞれにおいて、互いに隣接しない配置とされる。また、図19において、左端の垂直信号線VSLを第1列目の垂直信号線VSLとし、奇数列目の垂直信号線VSLを垂直信号線VSL−Odd、偶数列目の垂直信号線VSLを垂直信号線VSL−Evenとする。
このように、画素領域1100の各画素回路10aに対し、チェッカーパターンに従い電荷注入を行うことで、例えばブルーミングの評価を容易に実施できる。
図20は、第5の実施形態に適用可能な任意電圧供給回路120の一例の構成を示す図である。任意電圧供給回路120は、任意電圧生成部1207と、スイッチ部1210’と、を含む。任意電圧生成部1207は、それぞれN型MOSのトランジスタであるトランジスタ1205a1および1205a2、ならびに、トランジスタ1205b1および1205b2と、D−フリップフロップ回路であるFF回路1206と、を含む。また、スイッチ部1210’は、画素アレイ部11(画素領域1100)に含まれる全画素回路10aの列毎(垂直信号線VSL毎)に設けられる。図20の例では、スイッチ回路121は、N型MOSトランジスタであるトランジスタ1213により構成される。
図20において、端子1232aは、外部電圧として黒レベル(リセットレベル)の電荷注入を行うための黒レベル電圧が印加される。また、端子1232bは、外部電圧として白レベルの電荷注入を行うための白レベル電圧が印加される。
FF回路1206において、データ入力端に対して反転出力端QBの出力が入力され、FF回路1206のクロック入力端に対して水平同期信号Hsyncが入力される。すなわち、FF回路1206がD−フリップフロップ回路を用いたT−フリップフロップ回路とされ、出力端Qから水平同期信号Hsyncと同期した信号が出力され(非反転信号)、反転出力端QBから出力端Qと逆位相の信号が出力される(反転信号)。このFF回路1206は、チェッカーパターンの元となるパターンを発生するパターン発生器として機能する。
端子1232aに対して、トランジスタ1205a1および1205a2の各ドレインが接続される。端子1232bに対して、トランジスタ1205b1および1205b2の各ドレインが接続される。トランジスタ1205a1および1205b1の各ソースが、信号線1208aに接続される。信号線1208aは、各スイッチ回路121のうち、垂直信号線VSL−Oddにソースが接続される各トランジスタ1213のドレインのそれぞれがさらに接続される。また、トランジスタ1205a2および1205b2の各ソースが、信号線1208bに接続される。信号線1208bは、各スイッチ回路121のうち、垂直信号線VSL−Evenにソースが接続される各トランジスタ1213のドレインのそれぞれがさらに接続される。
FF回路1206の出力端Qと、トランジスタ1205a1および1205b2の各ゲートとが接続される。また、FF回路1206の反転出力端QBと、トランジスタ1205a2および1205b1の各ゲートとが接続される。
端子1233が、各スイッチ回路121のトランジスタ1213それぞれのゲートに接続される。端子1233は、外部からテストモード選択値が入力される。テストモード選択値は、値「0」で電荷注入を行わない通常モードが選択され、値「1」で電荷注入を実行する外部電圧印加モードが選択される。テストモード選択値が値「0」で、スイッチ部1210’に含まれる各トランジスタ1213がオフ状態とされ、信号線1208aおよび1208bが各垂直信号線VSL−OddおよびVSL−Evenと切り離される。
図21は、第5の実施形態に係る、垂直信号線VSL−OddおよびVSL−Evenの出力例を示すタイミングチャートである。例えば制御部19は、垂直同期信号Vsyncを時間t40で入力し、端子1232aおよび1232bそれぞれに対する黒レベルおよび白レベルの各電圧の入力と、端子1233に対するテストモード選択値として値「1」の入力と、を実行する。これらの入力が完了すると、制御部19は、時間t41で、垂直走査部12に対する水平同期信号Hsyncの入力を開始する。
水平同期信号Hsyncは、FF回路1206のクロック入力端に入力される。水平同期信号Hsyncに同期して、トランジスタ1205a1および1205b2のオン/オフ状態が、オン状態、オフ状態、オン状態、…と交互に切り替えられる。同様に、トランジスタ1205a2および1205b1のオン/オフ状態が、水平同期信号Hsyncに同期してオフ状態、オン状態、オフ状態…と、トランジスタ1205a1および1205b2とは逆相で、交互に切り替えられる。
これにより、各垂直信号線VSL−Oddに対して、黒レベルの任意電圧VANYと、白レベルの任意電圧VANYとが、水平同期信号Hsyncに同期して交互に出力される(黒レベル電圧→白レベル電圧→黒レベル電圧→…)。また、各垂直信号線VSL−Evenに対して、白レベルの任意電圧VANY(白レベル電圧)と、黒レベルの任意電圧VANY(黒レベル電圧)とが、水平同期信号Hsyncに同期して、各垂直信号線VSL−Oddに対して逆相で、交互に出力される(白レベル電圧→黒レベル電圧→白レベル電圧→…)。
時間t42で、垂直走査部12により次の垂直同期信号Vsyncが入力されると、画素領域1100に対するチェッカーパターンによる電荷注入が完了する。
チェッカーパターンによる電荷注入は、上述した第4の実施形態に係る構成でも実現可能である。しかしながら、第4の実施形態の構成では、パターン発生回路1220により行毎にパターンを発生する必要があり、処理の負荷が大きくなる。これに対して、第5の実施形態では、チェッカーパターンによる電荷注入を簡易な構成で実現することが可能である。
なお、本開示に係る撮像装置は、上述した第4の実施形態に係る任意電圧供給回路120と、この第5の実施形態に係る任意電圧供給回路120とを共に搭載して、これらの任意電圧供給回路120を、目的などに応じて切り替えて用いてもよい。
[第6の実施形態]
次に、本開示の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、撮像装置1が構成される基板(半導体チップ)に対する任意電圧供給回路120の配置の例を示す。
図22は、第6の実施形態に係る構成に対する撮像装置1の各部の基板への配置の例を示す図である。以下、上述した図7などと対比させながら、各部の配置について説明する。半導体チップである基板2000のほぼ中央部に、画素アレイ部11に対応する画素領域2001が配置される。
なお、図22において、画素領域2001は、図22の水平方向(左右方向)が行方向に対応し、垂直方向(上下方向)が列方向に対応する。また、画素領域2001は、水平方向の辺を長辺、垂直方向の辺を短辺とする。画素領域2001において、画素領域2001の垂直方向に延びる複数の垂直信号線VSLが、水平方向に整列されて配置される。これは、後述する図23および図25にも同様に適用できる。
画素領域2001の上側に、長辺に沿った方向で、負荷回路2013a、コンパレータ2012a、カウンタ2011aおよび水平走査回路2010aが配置される。画素領域2001の下側も同様に、長辺に沿った方向で、負荷回路2013b、コンパレータ2012b、カウンタ2011bおよび水平走査回路2010bが配置される。
水平走査回路2010aおよび2010bは、図7の水平走査部15に対応するもので、例えば水平走査回路2010aが奇数列目の垂直信号線VSLに対する走査を行い、水平走査回路2010bが偶数列目の垂直信号線VSLに対する走査を行う。カウンタ2011aおよびコンパレータ2012a、ならびに、カウンタ2011bおよびコンパレータ2012bは、それぞれ、図7の各AD変換器17に含まれるもので、例えばカウンタ2011aおよびコンパレータ2012aが奇数列目の垂直信号線VSLに接続され、カウンタ2011bおよびコンパレータ2012bが偶数列目の垂直信号線VSLに接続される。負荷回路2013aおよび2013bは、それぞれ、奇数列目および偶数列目の垂直信号線VSLに接続される各画素回路10aから、垂直信号線VSLを介して信号を吸い上げる回路である。
図22において、画素領域2001の右端側に、垂直走査回路2014とロジック回路2015aとが配置される。垂直走査回路2014は、図7の垂直走査部12に対応する。ロジック回路2015aは、画素領域2001の左端側に配置されるロジック回路2015bと併せて、図7の制御部19および信号処理部20を含む。例えば、ロジック回路2015aが制御部19を含み、ロジック回路2015bが信号処理部20を含む。
画素領域2001の左端側に、DAC2016aおよびBIAS2017a、ならびに、DAC2016bおよびBIAS2017bが配置される。これらDAC2016aおよびBIAS(バイアス回路)2017a、ならびに、DAC2016bおよびBIAS2017bは、図7における参照信号生成部14に含まれる。DAC2016aおよびBIAS2017aは、コンパレータ2012aが用いるランプ信号を生成し、DAC2016bおよびBIAS2017bは、コンパレータ2012bが用いるランプ信号を生成する。
画素領域2001の左端側の上部および下部に、PLL(Phase Locked Loop)2018aおよびセンスアンプ(SA)2019aと、PLL2018bおよびSA2019bと、が配置される。PLL2018aおよび2018bは、この基板2000上に配置される各部が用いるクロック信号CLKを生成する。SA2019aおよび2019bは、それぞれ、水平走査回路2010aおよび2010bから出力された画素信号を増幅する。
さらに、基板2000の左端に、インタフェース(I/F)2020が配置される。I/F2020は、基板2000と外部との信号の送受信を行うためのインタフェースである。I/F2020としては、例えばMIPI(Mobile Industry Processor Interface)を適用することができる。また、外部から、電源電圧が電源端子(図示しない)を介して基板2000の内部に供給される。
このような配置構成において、任意電圧供給回路120は、例えば負荷回路2013aの左端側に配置される。スイッチ部1210(図16、図20参照)は、任意電圧供給回路120に接続され、画素領域2001と負荷回路2013aとの間に配置される。スイッチ部1210に含まれる各スイッチ回路121のそれぞれは、各垂直信号線VSLのそれぞれに対して1対1に接続される。
(第6の実施形態の第1の変形例)
次に、第6の実施形態の第1の変形例について説明する。第6の実施形態の第1の変形例では、4つの任意電圧供給回路120を基板2000上に配置し、画素領域2001に含まれる複数の垂直信号線VSLを、この4つの任意電圧供給回路120に分割して割り当てる。
図23は、第6の実施形態の第1の変形例に係る撮像装置1の各部の基板に対する配置の例を示す図である。なお、図23において、任意電圧供給回路120およびスイッチ部1210以外の各部の配置は、上述した図22の配置と同様であるので、ここでの説明を省略する。
図23において、それぞれ同様の構成を含む4つの任意電圧供給回路120a、120b、120cおよび120dのそれぞれが、画素領域2001の4つの角のそれぞれに1対1に対応して、近接して配置される。より具体的には、任意電圧供給回路120aが2001の左上角に近接して配置され、任意電圧供給回路120bが2001の右上角に近接して配置される。さらに、任意電圧供給回路120cが2001の左下角に近接して配置され、任意電圧供給回路120dが2001の右下角に近接して配置される。
任意電圧供給回路120aに接続されるスイッチ部1210aは、画素領域2001と負荷回路2013aとの間に、奇数列目の複数の垂直信号線VSLを、画素領域2001の左端方向から右端方向に向けて通して配置される。また、任意電圧供給回路120bに接続されるスイッチ部1210bは、画素領域2001と負荷回路2013aとの間に配置される。スイッチ部1210bが含む複数のスイッチ回路121のそれぞれは、奇数列目の複数の垂直信号線VSLのそれぞれに対して1対1に接続される。このとき、スイッチ部1210aおよび1210bは、それぞれ同数の垂直信号線VSLが接続されるように構成すると、好ましい。
任意電圧供給回路120cおよび120d、ならびに、スイッチ部1210cおよび1210dも、同様である。すなわち、任意電圧供給回路120cに接続されるスイッチ部1210cは、画素領域2001と負荷回路2013bとの間に、偶数列目の複数の垂直信号線VSLを、画素領域2001の左端方向から右端方向に向けて通して配置される。また、任意電圧供給回路120dに接続されるスイッチ部1210dは、画素領域2001と負荷回路2013bとの間に配置される。スイッチ部1210dが含む複数のスイッチ回路121のそれぞれは、偶数列目の複数の垂直信号線VSLのそれぞれに対して1対1に接続される。このとき、スイッチ部1210cおよび1210dは、互いに重複しないように配置される。また、スイッチ部1210cおよび1210dは、それぞれ同数の垂直信号線VSLが接続されるように構成すると、好ましい。
このように、第6の実施形態の第1の変形例では、それぞれスイッチ部1210a、1210b、1210cおよび1210dが接続される複数の任意電圧供給回路120a、120b、120cおよび120dを設ける。そして、画素領域2001に含まれる複数の垂直信号線VSLを、スイッチ部1210a、1210b、1210cおよび1210dに分割して割り当てている。これにより、各スイッチ部1210a、1210b、1210cおよび1210dにおける任意電圧VANYの電圧ドロップを抑制することが可能となる。
なお、上述では、基板2000上に4つの任意電圧供給回路120a〜120dを配置したが、これはこの例に限定されない。例えば、基板2000上に2または3の任意電圧供給回路120を配置する構成も可能である。
(第6の実施形態の第2の変形例)
次に、第6の実施形態の第2の変形例について説明する。上述した第6の実施形態およびその第1の変形例では、撮像装置1の各部を、1つの基板2000(半導体チップ)上に配置している。これに対して、第6の実施形態の第2の変形例では、2以上の半導体チップを貼り合わせた積層構造の半導体チップに、撮像装置1の各部を配置する例である。
図24は、第6の実施形態の第2の変形例に適用可能な、2層構造の半導体チップを説明するための図である。図24の構造では、第1層の半導体チップに、例えば撮像装置1の画素領域2001以外の各部を含む回路部が配置される回路チップ2101を形成し、第2層の半導体チップに、画素領域2001を含む受光チップ2102を形成している。図24の右側に示されるように、第1層の半導体チップと、第2層の半導体チップとを図示されない接続部により電気的に接触させつつ貼り合わせた2層構造の半導体チップ2100により、撮像装置1が形成される。
図25は、第6の実施形態の第2の変形例に係る構成に対する撮像装置1の各部の基板への配置の例を示す図である。図25の例では、第1の半導体チップである回路チップ2101に対して、例えば図23を用いて説明した基板2000の画素領域2001の代わりにメモリ2031が配置されている。メモリ2031は、例えば、画素領域2001に含まれる各画素回路10aから読み出された1フレーム分の画素信号を記憶する、フレームメモリである。
一方、第1の半導体チップに対して貼り合わされる第2の半導体チップである受光チップ2102に対して、画素領域2001が配置される。回路チップ2101の上端部および下端部には、それぞれ接続部2030a1および2030a2が配置される。また、受光チップ2102の上端部および下端部には、接続部2030a1および2030a2に対応して、接続部2030b1および2030b2がそれぞれ配置される。さらに、回路チップ2101の右端部に接続部2030a3が配置される。また、接続部2030a3に対応する接続部2030b3が、受光チップ2102の当該接続部2030a3と対応する位置に配置される。
回路チップ2101と、受光チップ2102とは、接続部2030a1と接続部2030b1との接続、接続部2030a2と接続部2030b2との接続、および、接続部2030a3と接続部2030b3との接続により、電気的に接続される。垂直走査回路2014から出力される各信号は、この接続部2030a3および接続部2030b3を介して、画素領域2001に供給される。これら接続部2030a1と接続部2030b1との接続、接続部2030a2と接続部2030b2との接続、接続部2030a3と接続部2030b3との接続それぞれにおける接続方法は、特に限定されない。この接続方法として、例えばビア(Via)、CCC(Copper-Copper Connection)などを適用することができる。
回路チップ2101において、メモリ2031の上側に、長辺に沿った方向で、ロジック回路2015a’、カウンタ2011a、コンパレータ2012aおよび負荷回路2013aが配置される。メモリ2031の下側も同様に、長辺に沿った方向で、ロジック回路2015b’、カウンタ2011b、コンパレータ2012bおよび負荷回路2013bが配置される。なお、この場合において、ロジック回路2015a’および2015b’は、例えば信号処理部20を含む。ロジック回路2015a’および2015b’の一方または両方に制御部19をさらに含むこともできる。
なお、図25の構成では、例えば、各カウンタ2011aおよび2011bにおいてそれぞれCDS処理が実行され、ロジック回路2015a’および2015b’は、各カウンタ2011aおよび2011bの出力に対してそれぞれ所定の信号処理(例えばクランプ処理やグレイコードカウンタの演算処理)を実行する。ロジック回路2015a’および2015b’において信号処理された出力が、メモリ2031に書き込まれる。そのため、図25の構成では、例えば図22、図23において基板2000に配置される水平走査回路2010aおよび2010bが省略されている。
図25において、メモリ2031の右端と接続部2030a3との間に、垂直走査回路2014が配置される。メモリ2031の左端側に、DAC2016aおよびBIAS2017a、ならびに、DAC2016bおよびBIAS2017bが配置される。メモリ2031の左端側の上部にPLL2018aが配置され、下部にPLL2018bが配置される。さらに、回路チップ2101の左端に、I/F2020が配置される。
また、受光チップ2102の画素領域2001における例えば奇数列目の各垂直信号線VSLが、接続部2030b1および2030a1を介して回路チップ2101の負荷回路2013aに接続され、さらにコンパレータ2012aに接続される。同様に、受光チップ2102の画素領域2001における例えば偶数列目の各垂直信号線VSLが、接続部2030b2および2030a2を介して回路チップ2101の負荷回路2013bに接続され、さらにコンパレータ2012bに接続される。
このような配置構成において、それぞれ同様の構成を含む4つの任意電圧供給回路120a、120b、120cおよび120dのうち2つの任意電圧供給回路120aおよび120bが、接続部2030a1の左右端側にそれぞれ近接して配置される。また、任意電圧供給回路120a、120b、120cおよび120dのうち2つの任意電圧供給回路120cおよび120dが、接続部2030a2の左右端側にそれぞれ近接して配置される。
任意電圧供給回路120aに接続されるスイッチ部1210aは、接続部2030a1と負荷回路2013aとの間に配置される。スイッチ部1210aに含まれる複数のスイッチ回路121のそれぞれは、奇数列目の複数の垂直信号線VSLのそれぞれに対して1対1に接続される。また、任意電圧供給回路120bに接続されるスイッチ部1210bは、接続部2030a1と負荷回路2013aとの間に配置される。スイッチ部1210bが含む複数のスイッチ回路121のそれぞれは、奇数列目の複数の垂直信号線VSLのそれぞれに対して1対1に接続される。このとき、スイッチ部1210aおよび1210bは、互いに重複しないように配置される。また、スイッチ部1210aおよび1210bは、それぞれ同数の垂直信号線VSLが接続されるように構成すると、好ましい。
任意電圧供給回路120cおよび120d、ならびに、スイッチ部121cおよび121dも、同様である。すなわち、任意電圧供給回路120cに接続されるスイッチ部1210cは、接続部2030a2と負荷回路2013bとの間に、偶数列目の複数の垂直信号線VSLを、接続部2030a2の左端方向から右端方向に向けて通して配置される。また、任意電圧供給回路120dに接続されるスイッチ部1210dは、接続部2030a2と負荷回路2013bとの間に、偶数列目の複数の垂直信号線VSLを、接続部2030a2の右端方向から左端方向に向けて通して配置される。このとき、スイッチ部1210cおよび1210dは、互いに重複しないように配置される。また、スイッチ部1210cおよび1210dは、それぞれ同数の垂直信号線VSLが接続されるように構成すると、好ましい。
このように、積層構造の半導体チップについても、本開示の技術を適用できる。また、第6の実施形態の第2の変形例では、上述した第6の実施形態の第1の変形例と同様に、それぞれスイッチ部1210a、1210b、1210cおよび1210dが接続される複数の任意電圧供給回路120a、120b、120cおよび120dを回路チップ2101上に設ける。そして、受光チップ2102上に設けられる画素領域2001に含まれる複数の垂直信号線VSLを、スイッチ部1210a、1210b、1210cおよび1210dに分割して割り当てている。これにより、各スイッチ部1210a、1210b、1210cおよび1210dにおける任意電圧VANYの電圧ドロップを抑制することが可能となる。
なお、上述では、回路チップ2101上に4つの任意電圧供給回路120a〜120dを配置したが、これはこの例に限定されない。例えば、回路チップ2101上に1または2または3の任意電圧供給回路120を配置する構成も可能である。さらに、複数の任意電圧供給回路120を回路チップ2101と受光チップ2102とに分散して配置することも考えられる。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
受光に応じて光電変換により電荷を生成し、生成した該電荷を蓄積する光電変換素子と、
前記光電変換素子に蓄積された前記電荷が転送され、転送された該電荷を蓄積する容量と、
前記容量に蓄積された電荷に基づく信号を該容量から読み出すための読み出し信号線と、
前記読み出し信号線に対して、少なくとも接地電位と、該接地電位に対して正の所定電圧の電位と、を供給する電圧供給回路と、
前記読み出し信号線と前記電圧供給回路との間に接続される第1のスイッチ回路と、
前記読み出し信号線と前記光電変換素子との間に接続される第2のスイッチ回路と、
前記電圧供給回路と、前記第1のスイッチ回路と、前記第2のスイッチ回路と、前記容量の初期化を行う動作と、を制御する制御部と、
を備える撮像装置。
(2)
前記制御部は、
第1の期間において前記第1のスイッチ回路をオンとすると共に前記電圧供給回路により接地電位を供給し、該第1の期間内において前記第2のスイッチ回路をオンとした後にオフとし、
前記第1の期間の後の第2の期間において前記初期化を行う
前記(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記容量と電源電圧が供給される電源線との間に接続され、前記制御部に制御される第3のスイッチ回路をさらに備え、
前記制御部は、
前記第2の期間において前記第3のスイッチ回路をオンとすることで、前記初期化を行う
前記(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記光電変換素子のうち第1の光電変換素子と前記容量との間に接続され、前記制御部に制御される第4のスイッチ回路と、
前記光電変換素子のうち第2の光電変換素子と前記容量との間に接続され、前記制御部に制御される第5のスイッチ回路と、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記第4のスイッチ回路および前記第5のスイッチ回路のうち少なくとも一方を、前記第1の期間において前記第2のスイッチ回路がオンとされている期間内でオンとする
前記(2)または(3)の何れかに記載の撮像装置。
(5)
前記読み出し信号線は、第1の読み出し信号線および第2の読み出し信号線を含み、
前記第1のスイッチ回路は、前記第1の読み出し信号線と前記電圧供給回路との間に接続される第6のスイッチ回路と、前記第2の読み出し信号線と前記電圧供給回路との間に接続される第7のスイッチ回路と、を含み、
前記第2のスイッチ回路は、前記第1の読み出し信号線と前記光電変換素子との間に接続される第8のスイッチ回路と、前記第2の読み出し信号線と前記光電変換素子との間に接続される第9のスイッチ回路と、を含み、
前記容量と前記第1の読み出し信号線との間に接続される、前記制御部に制御される第10のスイッチ回路と、
前記容量と前記第2の読み出し信号線との間に接続される、前記制御部に制御される第11のスイッチ回路と、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記第6のスイッチ回路と、前記第8のスイッチ回路と、前記第11のスイッチ回路と、を含む組と、
前記第7のスイッチ回路と、前記第9のスイッチ回路と、前記第10のスイッチ回路と、を含む組と、
のうち、一方の組に含まれる各スイッチ回路をオンとした場合に、他方の組に含まれる各スイッチ回路をオフとする
前記(1)乃至(3)の何れかに記載の撮像装置。
(6)
複数の前記光電変換素子が行列状の配列で配置され、
前記読み出し信号線は、前記配列における列のそれぞれに設けられ、
前記第1のスイッチ回路は、
前記配列における前記列のそれぞれに設けられる前記読み出し信号線のそれぞれに1対1に接続される複数のスイッチ回路と、
前記複数のスイッチ回路それぞれの状態を制御するためのパターンを発生するパターン発生回路と、
を含み、
前記電圧供給回路は、
前記パターン発生回路により制御される前記複数のスイッチ回路それぞれの状態に応じた2以上の電圧を、前記それぞれの状態に1対1に対応する前記複数のスイッチ回路のそれぞれに供給する
前記(1)乃至(5)の何れかに記載の撮像装置。
(7)
前記パターン発生回路は、
前記複数のスイッチ回路のうち、前記列のうち奇数列に接続される奇数列スイッチ回路と、前記列のうち偶数列に接続される偶数列スイッチ回路と、を異なる状態に制御し、且つ、前記配列のうち行毎に、前記奇数列スイッチ回路の状態と、前記偶数列スイッチ回路の状態と、を入れ替える前記パターンを発生する
前記(6)に記載の撮像装置。
(8)
行列状の配列で配置される複数の前記光電変換素子と、複数の前記容量と、該配列のうち列のそれぞれに配置される複数の前記読み出し信号線と、複数の前記第2のスイッチ回路と、を含む画素領域と、
複数の前記読み出し信号線が接続され、前記画素領域の前記配列のうち行方向に延びる辺に平行に配置されるAD変換部と、
前記電圧供給回路と、
前記列のそれぞれに対応する複数のスイッチ回路を含む前記第1のスイッチ回路と、
前記制御部と、
が配置される半導体チップを有し、
前記第1のスイッチ回路が含む前記複数のスイッチ回路のそれぞれは、
前記画素領域に隣接した位置に前記行方向に沿って配列される
前記(1)乃至(7)の何れかに記載の撮像装置。
(9)
前記AD変換部は、前記画素領域の前記行方向に延びる一方および他方の辺それぞれに対応して、該辺に平行に配置され、
前記電圧供給回路は、それぞれ少なくとも接地電位と、該接地電位に対して正の所定電圧の電位と、を供給する2乃至4の電圧供給回路を含み、
前記第1のスイッチ回路は、前記2乃至4の電圧供給回路のそれぞれに1対1で対応する、それぞれ複数のスイッチ回路を有する2乃至4のスイッチ回路を含み、
前記2乃至4のスイッチ回路それぞれが有する前記複数のスイッチ回路は、
前記画素領域に隣接した位置に前記行方向に沿って配列される
前記(8)に記載の撮像装置。
(10)
前記半導体チップは、
第1の半導体チップと、該第1の半導体チップに積層される第2の半導体チップと、を含み、
前記第1の半導体チップは、
前記電圧供給回路と、前記列のそれぞれに対応する複数のスイッチ回路を含む前記第1のスイッチ回路と、前記制御部と、前記AD変換部と、
が配置され、
前記第2の半導体チップは、
前記画素領域が配置され、
前記AD変換部は、
前記画素領域の前記行方向に延びる辺に平行に配置されると共に、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとを電気的に接続する、該辺に平行に配置される接続部を介して複数の前記読み出し信号線が接続され、
前記第1のスイッチ回路が含む前記複数のスイッチ回路のそれぞれは、
前記第2の半導体チップ上の前記画素領域に隣接した位置に前記行方向に沿って配列される
前記(8)に記載の撮像装置。
(11)
前記AD変換部は、前記画素領域の前記行方向に延びる一方および他方の辺それぞれに対応して、該辺に平行に配置され、
前記電圧供給回路は、それぞれ少なくとも接地電位と、該接地電位に対して正の所定電圧の電位と、を供給する2乃至4の電圧供給回路を含み、
前記第1のスイッチ回路は、前記2乃至4の電圧供給回路のそれぞれに1対1で対応する、それぞれ複数のスイッチ回路を有する2乃至4のスイッチ回路を含み、
前記2乃至4のスイッチ回路それぞれが有する前記複数のスイッチ回路は、
前記画素領域に隣接した位置に前記行方向に沿って配列される
前記(10)に記載の撮像装置。
(12)
前記制御部は、
前記第2の期間内において前記電圧供給回路により前記所定電圧を供給すると共に、前記第2のスイッチ回路をオフからオンに切り替えることで、前記初期化を行う
前記(2)に記載の撮像装置。
(13)
受光に応じて光電変換により電荷を生成し、生成した該電荷を蓄積する光電変換素子と、
前記光電変換素子に蓄積された前記電荷を読み出す読み出し回路と、
前記光電変換素子に接続される電圧供給線と、
前記電圧供給線に対して所定の電圧を供給する電圧供給回路と、
前記電圧供給線と前記光電変換素子との間に接続される第1のスイッチ回路と、
前記電圧供給回路および前記第1のスイッチ回路を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1のスイッチ回路をオンとして前記光電変換素子に対して前記電圧供給回路から供給される前記所定の電圧に応じた電荷を注入する
撮像装置。
(14)
前記電圧供給線と前記電圧供給回路との間に接続される第2のスイッチ回路と、
前記電圧供給線に対して第3のスイッチ回路を介して接続される、電源電圧を供給する電源部と、
をさらに備え、
前記読み出し回路は、
前記光電変換素子に蓄積された前記電荷が第3のスイッチ回路を介して転送され、転送された該電荷を蓄積する第1の容量と、
前記第1の容量に蓄積された電荷が第4のスイッチ回路を介して転送され、転送された該電荷を蓄積する第2の容量と、
前記第2の容量に蓄積された電荷に基づく信号を該第2の容量から読み出すための読み出し信号線と、
を含み、
前記制御部は、
前記第1のスイッチ回路および前記第2のスイッチ回路をそれぞれオン、前記第3のスイッチ回路および前記第4のスイッチ回路をそれぞれオフとして、前記光電変換素子に対して前記電圧供給回路から供給される前記所定の電圧に応じた電荷を注入する
前記(13)に記載の撮像装置。
(15)
前記読み出し回路は、
前記光電変換素子に蓄積された前記電荷に基づく電流を電圧に変換する電流電圧変換回路と、
前記電流電圧変換回路で変換された電圧の変化を求める減算回路と、
前記減算回路で求められた前記電圧の変化を示す値を量子化する量子化器と、
を含み、
前記制御部は、
前記第1のスイッチ回路をオンとすることで、前記光電変換素子に対して前記電圧供給回路から供給される前記所定の電圧に応じた電荷を注入する
前記(13)に記載の撮像装置。
1,1000,3000 撮像装置
10,10a,10b,10c,10d,10e,10f 画素回路
11 画素アレイ部
12 垂直走査部
19 制御部
100,100a,100b,310 光電変換素子
101,101a,101b,101c 転送トランジスタ
102 リセットトランジスタ
103 FD
105,105a,105b 読み出し経路選択トランジスタ
110,110a,110b 注入経路選択トランジスタ
120,120a,120b,120c,120d 任意電圧供給回路
121,122,320 スイッチ回路
130 OFGトランジスタ
131 容量
1100,2001 画素領域
1200a,1200b 任意電圧生成回路
1201a,1201b,1222 選択回路
1206,1211a,1211b FF回路
1207 任意電圧生成部
1210,1210’,1210a,1210b,1210c,1210d スイッチ部
1220 パターン発生回路
1221 プログラマブルパターン発生器
1230a,1230b,1231,1232a,1232b 端子
2000 基板
2010a,2010b 水平走査回路
2011a,2011b カウンタ
2012a,2012b コンパレータ
2013a,2013b 負荷回路
2014 垂直走査回路
2015a,2015a’,2015b,2015b’ ロジック回路
2100 半導体チップ
2101 回路チップ
2102 受光チップ
2030a1,2030a2,2030b1,2030b2 接続部
2031 メモリ

Claims (15)

  1. 受光に応じて光電変換により電荷を生成し、生成した該電荷を蓄積する光電変換素子と、
    前記光電変換素子に蓄積された前記電荷が転送され、転送された該電荷を蓄積する容量と、
    前記容量に蓄積された電荷に基づく信号を該容量から読み出すための読み出し信号線と、
    前記読み出し信号線に対して、少なくとも接地電位と、該接地電位に対して正の所定電圧の電位と、を供給する電圧供給回路と、
    前記読み出し信号線と前記電圧供給回路との間に接続される第1のスイッチ回路と、
    前記読み出し信号線と前記光電変換素子との間に接続される第2のスイッチ回路と、
    前記電圧供給回路と、前記第1のスイッチ回路と、前記第2のスイッチ回路と、前記容量の初期化を行う動作と、を制御する制御部と、
    を備える撮像装置。
  2. 前記制御部は、
    第1の期間において前記第1のスイッチ回路をオンとすると共に前記電圧供給回路により接地電位を供給し、該第1の期間内において前記第2のスイッチ回路をオンとした後にオフとし、
    前記第1の期間の後の第2の期間において前記初期化を行う
    請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記容量と電源電圧が供給される電源線との間に接続され、前記制御部に制御される第3のスイッチ回路をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記第2の期間において前記第3のスイッチ回路をオンとすることで、前記初期化を行う
    請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記光電変換素子のうち第1の光電変換素子と前記容量との間に接続され、前記制御部に制御される第4のスイッチ回路と、
    前記光電変換素子のうち第2の光電変換素子と前記容量との間に接続され、前記制御部に制御される第5のスイッチ回路と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記第4のスイッチ回路および前記第5のスイッチ回路のうち少なくとも一方を、前記第1の期間において前記第2のスイッチ回路がオンとされている期間内でオンとする
    請求項2に記載の撮像装置。
  5. 前記読み出し信号線は、第1の読み出し信号線および第2の読み出し信号線を含み、
    前記第1のスイッチ回路は、前記第1の読み出し信号線と前記電圧供給回路との間に接続される第6のスイッチ回路と、前記第2の読み出し信号線と前記電圧供給回路との間に接続される第7のスイッチ回路と、を含み、
    前記第2のスイッチ回路は、前記第1の読み出し信号線と前記光電変換素子との間に接続される第8のスイッチ回路と、前記第2の読み出し信号線と前記光電変換素子との間に接続される第9のスイッチ回路と、を含み、
    前記容量と前記第1の読み出し信号線との間に接続される、前記制御部に制御される第10のスイッチ回路と、
    前記容量と前記第2の読み出し信号線との間に接続される、前記制御部に制御される第11のスイッチ回路と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記第6のスイッチ回路と、前記第8のスイッチ回路と、前記第11のスイッチ回路と、を含む組と、
    前記第7のスイッチ回路と、前記第9のスイッチ回路と、前記第10のスイッチ回路と、を含む組と、
    のうち、一方の組に含まれる各スイッチ回路をオンとした場合に、他方の組に含まれる各スイッチ回路をオフとする
    請求項1に記載の撮像装置。
  6. 複数の前記光電変換素子が行列状の配列で配置され、
    前記読み出し信号線は、前記配列における列のそれぞれに設けられ、
    前記第1のスイッチ回路は、
    前記配列における前記列のそれぞれに設けられる前記読み出し信号線のそれぞれに1対1に接続される複数のスイッチ回路と、
    前記複数のスイッチ回路それぞれの状態を制御するためのパターンを発生するパターン発生回路と、
    を含み、
    前記電圧供給回路は、
    前記パターン発生回路により制御される前記複数のスイッチ回路それぞれの状態に応じた2以上の電圧を、前記それぞれの状態に1対1に対応する前記複数のスイッチ回路のそれぞれに供給する
    請求項1に記載の撮像装置。
  7. 前記パターン発生回路は、
    前記複数のスイッチ回路のうち、前記列のうち奇数列に接続される奇数列スイッチ回路と、前記列のうち偶数列に接続される偶数列スイッチ回路と、を異なる状態に制御し、且つ、前記配列のうち行毎に、前記奇数列スイッチ回路の状態と、前記偶数列スイッチ回路の状態と、を入れ替える前記パターンを発生する
    請求項6に記載の撮像装置。
  8. 行列状の配列で配置される複数の前記光電変換素子と、複数の前記容量と、該配列のうち列のそれぞれに配置される複数の前記読み出し信号線と、複数の前記第2のスイッチ回路と、を含む画素領域と、
    複数の前記読み出し信号線が接続され、前記画素領域の前記配列のうち行方向に延びる辺に平行に配置されるAD変換部と、
    前記電圧供給回路と、
    前記列のそれぞれに対応する複数のスイッチ回路を含む前記第1のスイッチ回路と、
    前記制御部と、
    が配置される半導体チップを有し、
    前記第1のスイッチ回路が含む前記複数のスイッチ回路のそれぞれは、
    前記画素領域に隣接した位置に前記行方向に沿って配列される
    請求項1に記載の撮像装置。
  9. 前記AD変換部は、前記画素領域の前記行方向に延びる一方および他方の辺それぞれに対応して、該辺に平行に配置され、
    前記電圧供給回路は、それぞれ少なくとも接地電位と、該接地電位に対して正の所定電圧の電位と、を供給する2乃至4の電圧供給回路を含み、
    前記第1のスイッチ回路は、前記2乃至4の電圧供給回路のそれぞれに1対1で対応する、それぞれ複数のスイッチ回路を有する2乃至4のスイッチ回路を含み、
    前記2乃至4のスイッチ回路それぞれが有する前記複数のスイッチ回路は、
    前記画素領域に隣接した位置に前記行方向に沿って配列される
    請求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記半導体チップは、
    第1の半導体チップと、該第1の半導体チップに積層される第2の半導体チップと、を含み、
    前記第1の半導体チップは、
    前記電圧供給回路と、前記列のそれぞれに対応する複数のスイッチ回路を含む前記第1のスイッチ回路と、前記制御部と、前記AD変換部と、
    が配置され、
    前記第2の半導体チップは、
    前記画素領域が配置され、
    前記AD変換部は、
    前記画素領域の前記行方向に延びる辺に平行に配置されると共に、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとを電気的に接続する、該辺に平行に配置される接続部を介して複数の前記読み出し信号線が接続され、
    前記第1のスイッチ回路が含む前記複数のスイッチ回路のそれぞれは、
    前記第2の半導体チップ上の前記画素領域に隣接した位置に前記行方向に沿って配列される
    請求項8に記載の撮像装置。
  11. 前記AD変換部は、前記画素領域の前記行方向に延びる一方および他方の辺それぞれに対応して、該辺に平行に配置され、
    前記電圧供給回路は、それぞれ少なくとも接地電位と、該接地電位に対して正の所定電圧の電位と、を供給する2乃至4の電圧供給回路を含み、
    前記第1のスイッチ回路は、前記2乃至4の電圧供給回路のそれぞれに1対1で対応する、それぞれ複数のスイッチ回路を有する2乃至4のスイッチ回路を含み、
    前記2乃至4のスイッチ回路それぞれが有する前記複数のスイッチ回路は、
    前記画素領域に隣接した位置に前記行方向に沿って配列される
    請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記制御部は、
    前記第2の期間内において前記電圧供給回路により前記所定電圧を供給すると共に、前記第2のスイッチ回路をオフからオンに切り替えることで、前記初期化を行う
    請求項2に記載の撮像装置。
  13. 受光に応じて光電変換により電荷を生成し、生成した該電荷を蓄積する光電変換素子と、
    前記光電変換素子に蓄積された前記電荷を読み出す読み出し回路と、
    前記光電変換素子に接続される電圧供給線と、
    前記電圧供給線に対して所定の電圧を供給する電圧供給回路と、
    前記電圧供給線と前記光電変換素子との間に接続される第1のスイッチ回路と、
    前記電圧供給回路および前記第1のスイッチ回路を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記第1のスイッチ回路をオンとして前記光電変換素子に対して前記電圧供給回路から供給される前記所定の電圧に応じた電荷を注入する
    撮像装置。
  14. 前記電圧供給線と前記電圧供給回路との間に接続される第2のスイッチ回路と、
    前記電圧供給線に対して第3のスイッチ回路を介して接続される、電源電圧を供給する電源部と、
    をさらに備え、
    前記読み出し回路は、
    前記光電変換素子に蓄積された前記電荷が第3のスイッチ回路を介して転送され、転送された該電荷を蓄積する第1の容量と、
    前記第1の容量に蓄積された電荷が第4のスイッチ回路を介して転送され、転送された該電荷を蓄積する第2の容量と、
    前記第2の容量に蓄積された電荷に基づく信号を該第2の容量から読み出すための読み出し信号線と、
    を含み、
    前記制御部は、
    前記第1のスイッチ回路および前記第2のスイッチ回路をそれぞれオン、前記第3のスイッチ回路および前記第4のスイッチ回路をそれぞれオフとして、前記光電変換素子に対して前記電圧供給回路から供給される前記所定の電圧に応じた電荷を注入する
    請求項13に記載の撮像装置。
  15. 前記読み出し回路は、
    前記光電変換素子に蓄積された前記電荷に基づく電流を電圧に変換する電流電圧変換回路と、
    前記電流電圧変換回路で変換された電圧の変化を求める減算回路と、
    前記減算回路で求められた前記電圧の変化を示す値を量子化する量子化器と、
    を含み、
    前記制御部は、
    前記第1のスイッチ回路をオンとすることで、前記光電変換素子に対して前記電圧供給回路から供給される前記所定の電圧に応じた電荷を注入する
    請求項13に記載の撮像装置。
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