JP2020173153A - コショウ科コショウ属植物抽出物中のピペリン類化合物の定量方法 - Google Patents

コショウ科コショウ属植物抽出物中のピペリン類化合物の定量方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コショウ科コショウ属植物抽出物に含まれるピペリン類化合物を高精度に定量する方法を提供する。【解決手段】コショウ科コショウ属植物抽出物に含まれる第1〜第n(n≧2)ピペリン類化合物を定量する方法は、各ピペリン類化合物と内部標準物質とを含むNMR試料溶液をNMRで処理することで得られるNMRスペクトルから、各ピペリン類化合物の純度を算出する工程と、純度が算出された第1ピペリン類化合物に対する純度が算出された第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの相対モル感度を取得する工程と、植物抽出物を含む定量用試料溶液を液体クロマトグラフィーで処理することで得られる定量用クロマトグラム及び純度が算出された第1ピペリン類化合物を含む定量用標準溶液のそれぞれを液体クロマトグラフィーで処理することで得られる標準クロマトグラムから、植物抽出物中の各ピペリン類化合物の総含有量を算出する工程とを有する。【選択図】なし

Description

本発明は、コショウ科コショウ属に属する植物からの抽出物に含まれるピペリン類化合物を定量する方法に関する。
コショウ科コショウ属植物のヒハツ(Piper retrofractum又はPiper longum)やコショウ(Piper nigrum)は、東南アジアやインド等に分布する常緑のつる植物であり、果穂は香辛料として利用されている。このヒハツやコショウの果穂の抽出物には、主にピペリン、ピペラニン、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシンの5種のピペリン類化合物が含まれ、これらのピペリン類化合物は、優れた冷え改善効果を有することが知られている。そのような効果を期待して、例えば、上記ヒハツ抽出物は、飲食品に配合されて飲用や食用に供されている(特許文献1参照)。
特開2003−40788号公報
機能性表示食品は、当該機能性表示食品に配合される成分が有する効果(例えば、上記ヒハツ抽出物やコショウ抽出物が有する「冷え改善効果」等)に基づく機能を表示して需要者に提供され得る。上記ヒハツ抽出物や上記コショウ抽出物を配合してなる飲食品を機能性表示食品として需要者に提供しようとする場合、上記機能の有効成分(機能性関与成分)であるピペリン類化合物の含有量やその定量方法を届け出なければならない。しかしながら、ヒハツ抽出物やコショウ抽出物に含まれる上記5種のピペリン類化合物のうち、ピペラニンを除く4種は、互いにシス・トランス異性体であり、非遮光下で光異性化を生じさせることで、抽出物中の各ピペリン類化合物の含有量が変化するとともに、光異性化後は、吸光係数等のレスポンスの応答が変化してしまう。そのため、それらを高精度に定量する方法は、現在のところ確立されておらず、当該定量方法の提案が望まれている。
また、定量対象成分を含む検体を液体クロマトグラフィー処理に付して、それにより得られるクロマトグラムからピーク面積を求めて当該定量対象成分の検量線を作成することで、当該定量対象成分を定量する方法が一般的に知られている。この検量線を作成するためには、定量対象成分の標準品が必要となるが、ヒハツ抽出物やコショウ抽出物に含まれる複数種のピペリン類化合物のうちの一部は、標準品が市販されていないために、検量線を用いて定量することも困難である。仮に、ヒハツ抽出物やコショウ抽出物からピペリン類化合物を単離精製し、当該ピペリン類化合物を用いて検量線を作成したとしても、光異性化による含有量の変化のおそれがあることで、検量線の再現性が低く、定量結果の精度が低くなってしまうという問題もある。
上記課題に鑑みて、本発明は、コショウ科コショウ属に属する植物からの抽出物に含まれるピペリン類化合物を高精度に定量する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、コショウ科コショウ属に属する植物からの抽出物に含まれる第1〜第n(nは2以上の整数である。)ピペリン類化合物を定量する方法であって、第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれと内部標準物質とを含む第1〜第nNMR試料溶液をNMRで処理することで得られるNMRスペクトルから、前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの純度を算出する純度算出工程と、前記純度が算出された第1ピペリン類化合物に対する前記純度が算出された第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの相対モル感度を取得する相対モル感度取得工程と、前記抽出物を含む定量用試料溶液を液体クロマトグラフィーで処理することで得られる定量用クロマトグラム及び前記純度が算出された第1ピペリン類化合物を含む定量用標準溶液を液体クロマトグラフィーで処理することで得られる標準クロマトグラムから、前記抽出物中の前記第1〜第nピペリン類化合物の総含有量を算出する定量工程とを有し、前記相対モル感度取得工程は、前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれを複数種のモル濃度で含むLC試料溶液を液体クロマトグラフィーで処理することでLCクロマトグラムを得る工程と、前記各種LC試料溶液における前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの前記純度に基づくモル濃度と、前記LCクロマトグラムにおける前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれのピーク面積との関係を示す第1〜第n検量線のそれぞれの傾きを算出する工程と、前記第1検量線の傾きに対する前記第2〜第n検量線のそれぞれの傾きの比を、前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの前記相対モル感度として算出する工程とを含み、前記定量工程は、前記純度が算出された前記第1ピペリン類化合物を複数種のモル濃度で含む複数の前記定量用標準溶液のそれぞれを前記液体クロマトグラフィーで処理することで得られる複数の前記標準クロマトグラムから、前記純度が算出された第1ピペリン類化合物のピーク面積と前記複数の定量用標準溶液のそれぞれにおける前記第1ピペリン類化合物の前記純度に基づくモル濃度との関係を示す標準検量線を作成する工程と、前記定量用クロマトグラム及び前記標準検量線に基づいて、前記抽出物中の前記第1ピペリン類化合物の含有量を算出する工程と、前記標準検量線の傾き及び前記相対モル感度から、前記抽出物中の前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの含有量を算出する工程と、前記抽出物中の前記第1〜第nピペリン類化合物の総含有量を算出する工程とを含むことを特徴とするピペリン類化合物の定量方法を提供する。
前記定量工程において、前記第1ピペリン類化合物の含有量は、下記式(1)及び式(2)に基づいて算出され得る。
Figure 2020173153
Figure 2020173153
上記式(1)及び式(2)において、Ct1は「前記抽出物中の前記第1ピペリン類化合物の含有量」を表し、C1は「前記定量用試料溶液中における前記第1ピペリン類化合物のモル濃度」を表し、M1は「前記第1ピペリン類化合物の分子量」を表し、CEは「前記定量用試料溶液中における前記抽出物の濃度」を表し、S1’は「前記標準検量線の傾き」を表し、a1は「前記定量用クロマトグラムにおける前記第1ピペリン類化合物のピーク面積」を表す。
前記定量工程において、前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの含有量は、下記式(3)〜(5)に基づいて算出され得る。
Figure 2020173153
Figure 2020173153
Figure 2020173153
上記式(3)〜(5)において、Ct2〜nは「前記抽出物中の前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの含有量」を表し、C2〜nは「前記定量用試料溶液中における前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれのモル濃度」を表し、M2〜nは「前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの分子量」を表し、CEは「前記定量用試料溶液中における前記抽出物の濃度」を表し、S2〜n’は「前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれにおいて前記標準検量線を作成した場合における当該標準検量線の傾き」を表し、a2〜nは「前記定量用クロマトグラムにおける前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれのピーク面積」を表し、RMS2〜nは「前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの前記相対モル感度」を表す。
前記純度算出工程において、下記式(6)に基づいて前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの純度を算出することができる。
Figure 2020173153
上記式(6)において、P1〜nは「前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの純度」を表し、PISは「前記内部標準物質の純度」を表し、A1〜nは「前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの前記NMRスペクトルにおけるシグナル面積」を表し、AISは「前記内部標準物質の前記NMRスペクトルにおけるシグナル面積」を表し、H1〜nは「前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの前記NMRスペクトルにおける前記シグナル面積A1〜nに由来するプロトン数」を表し、HISは「前記内部標準物質の前記NMRスペクトルにおける前記シグナル面積AISに由来するプロトン数」を表し、M1〜nは「前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの分子量」を表し、MISは「前記内部標準物質の分子量」を表し、W1〜nは「前記第1〜第nNMR試料溶液のそれぞれにおける前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの秤量値」を表し、WISは「前記第1〜第nNMR試料溶液のそれぞれにおける前記内部標準物質の秤量値」を表す。
前記第1ピペリン類化合物として、ピペリンを用いることができる。前記コショウ科コショウ属に属する植物として、ヒハツ又はコショウを用いることができる。
本発明によれば、コショウ科コショウ属に属する植物からの抽出物に含まれるピペリン類化合物を高精度に定量する方法を提供することができる。
実施例1及び参考例1において得られた各ピペリン類化合物のNMRスペクトルである。
本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本実施形態に係るピペリン類化合物の定量方法は、コショウ科コショウ属に属する植物からの抽出物(以下、「コショウ属植物抽出物」という。)に含まれる第1〜第nピペリン類化合物(nは2以上の整数である。)、具体的には下記に示す化学構造を有するピペリン(第1ピペリン類化合物,構造式(A),piperine,C1719NO3,分子量:285.343)、ピペラニン(第2ピペリン類化合物,構造式(B),piperanine,C1721NO3,分子量:287.359)、イソピペリン(第3ピペリン類化合物,構造式(C),isopiperine,C1719NO3,分子量:285.343)、シャビシン(第4ピペリン類化合物,構造式(D),chavicine,C1719NO3,分子量:285.343)及びイソシャビシン(第5ピペリン類化合物,構造式(E),isochavicine,C1719NO3,分子量:285.343)の5種のピペリン類化合物(n=5)を定量する方法である。かかる定量方法は、純度取得工程と、相対モル感度取得工程と、定量工程とを含む。なお、後述するように、第1ピペリン類化合物は、本実施形態に係る定量方法において、第2〜第n(第5)ピペリン類化合物を定量するための標準物質として用いられるものである。したがって、第1ピペリン類化合物としては、コショウ属植物抽出物に含まれる複数のピペリン類化合物のうちのいずれか1種が用いられ得るが、市場に流通し安定的に入手可能なものが選択されるのが好ましく、ピペリンであるのが好ましい。
Figure 2020173153
[純度取得工程]
上記第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれと、純度が既知の内部標準物質(例えばDSS−d6等)とを溶媒(例えばDMSO−d6等)に溶解させて第1〜第5NMR試料溶液を調製する。各NMR試料溶液を調製するために用いられる各ピペリン類化合物は、市販の純品であってもよいし、コショウ属植物抽出物から単離精製して得られる精製物であってもよい。
抽出原料であるコショウ科コショウ属に属する植物としては、例えば、ヒハツ(学名:Piper retrofractum又はPiper longum)、コショウ(学名:Piper nigrum)等が用いられ得る。
ヒハツ(Piper retrofractum又はPiper longum)又はコショウ(Piper nigrum)は、コショウ科コショウ属の蔓性の常緑木本であり、東南アジアやインド等の地域から容易に入手可能である。ヒハツやコショウの果穂の乾燥物は、香辛料として広く用いられている。
ヒハツ又はコショウの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、果穂部、葉部、茎部、花部、根部などが挙げられるが、これらの中でも、果穂部が好ましい。
コショウ属植物抽出物は、抽出原料を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより調製され得る。抽出原料の乾燥は、天日で行われてもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行われてもよい。
抽出溶媒としては、極性溶媒を使用することが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられる。抽出処理においては、これらの抽出溶媒を単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用するのが好ましい。
抽出溶媒として使用され得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、恩泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれ得る。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本実施形態において抽出溶媒として使用され得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
抽出溶媒として使用され得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整され得る。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族アルコール1〜90容量部を混合するのが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40容量部を混合するのが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して多価アルコール10〜90容量部を混合するのが好ましい。
抽出処理は、抽出原料に含まれる第1〜第5ピペリン類化合物を抽出溶媒に溶出させ得る限りにおいて特に制限はなく、常法に従って行われ得る。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬させ、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去することでペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥させることで乾燥物が得られる。
以上のようにして得られる抽出液、当該抽出液の濃縮物又は当該抽出液の乾燥物から第1〜第5ピペリン類化合物を単離・精製する方法は、特に限定されるものではなく、常法により行うことができる。例えば、抽出物を展開溶媒に溶解し、シリカゲルやアルミナ等の多孔質物質、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やポリメタクリレート等の多孔性樹脂等を用いたカラムクロマトグラフィーに付して、第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれを含む画分を回収する方法等が挙げられる。この場合、展開溶媒は使用する固定相に応じて適宜選択すればよいが、例えば、多孔質性合成吸着樹脂であるダイヤイオンHP−20(三菱化学社製)等の多孔性合成吸着剤を用いたカラムクロマトグラフィーにより抽出物を分離する場合、展開溶媒としては、水、メタノール又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。さらに、カラムクロマトグラフィーにより得られる第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれを含む画分を、有機シリカハイブリッド材料(YMC-Actus Triart C18,YMC社製)等を充填剤として用いた分取カラムクロマトグラフィー、再結晶、液−液向流抽出等の任意の有機化合物精製手段を用いて精製してもよい。
続いて、第1〜第5NMR試料溶液のそれぞれを定量NMR処理に付することで第1〜第5NMRスペクトルを取得し、各NMRスペクトルから、第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれの純度P1〜P5を下記数式(6−1)〜(6−5)により算出する。
Figure 2020173153
上記式(6−1)〜(6−5)において、P1〜P5は「各ピペリン類化合物の純度」を表し、PISは「内部標準物質(例えばDSS−d6)の純度」を表し、A1〜A5は「各NMRスペクトルにおける各ピペリン類化合物のシグナル面積」を表し、AISは「各NMRスペクトルにおける内部標準物質(例えばDSS−d6)のシグナル面積」を表し、H1〜H5は「各NMRスペクトルにおける各ピペリン類化合物のシグナル面積A1〜A5に由来するプロトン数」を表し、HISは「各NMRスペクトルにおける内部標準物質(例えばDSS−d6)のシグナル面積ADSSに由来するプロトン数」を表し、M1〜M5は「第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれの分子量」を表し、MISは「内部標準物質(例えばDSS−d6)の分子量」を表し、W1〜W5は「各NMR試料溶液の調製時における各ピペリン類化合物の秤量値(mg)」を表し、WISは「各NMR試料溶液の調製時における内部標準物質(例えばDSS−d6)の秤量値(mg)」を表す。
各NMRスペクトルにおける各ピペリン類化合物及び内部標準物質(例えばDSS−d6)のシグナル面積A1〜A5,AISと当該シグナル面積A1〜A5,AISに由来するプロトン数H1〜H5,HISとは、例えば、NMR解析ソフト(VnmrJ3.2,Varian社製)等を用いて算出され得る。
[相対モル感度取得工程]
上記のようにして純度を取得した第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれを所定の溶媒(例えば、水とアセトニトリルとの混合溶媒等)に溶解させ、複数種(例えば6種)のモル濃度で各ピペリン類化合物を含む第1〜第5LC試料溶液を調製する。
次に、各種モル濃度の第1〜第5LC試料溶液のそれぞれを液体クロマトグラフィー処理に付すことでLCクロマトグラムを取得し、当該LCクロマトグラムにおける第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれのピーク面積を求める。各LC試料溶液の液体クロマトグラフィー処理条件(例えば、液体クロマトグラフ装置、固定相、移動相等)は同一である。
そして、第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれのピーク面積を従属変数とし、第1〜第5LC試料溶液のそれぞれにおける各ピペリン類化合物の上記純度に基づくモル濃度を独立変数とし、定数項を0とした回帰分析を行い、各ピペリン類化合物の回帰直線(第1〜第5検量線)を作成し、各回帰直線(各検量線)の傾きS1〜S5を算出する。第2〜第5ピペリン類化合物のそれぞれの相対モル感度RMS2〜RMS5は、第1検量線の傾きS1に対する第2〜第5検量線の傾きS2〜S5のそれぞれの比として、下記式により算出される。
RMS2=S2/S1
RMS3=S3/S1
RMS4=S4/S1
RMS5=S5/S1
[定量工程]
コショウ属植物抽出物を所定の溶媒(例えば水とアセトニトリルとの混合溶媒等)に溶解させ、定量用試料溶液を調製する。定量用試料溶液の調製に用いられるコショウ属植物抽出物は、上記純度取得工程において用いられ得るコショウ属植物抽出物と同様にして抽出原料から抽出して得られるものであってもよいし、それを従来公知の手法により精製して得られるものであってもよい。また、定量用試料溶液の調製には、コショウ属植物抽出物が配合された飲食品等であってもよい。このような飲食品を用いて定量用試料溶液を調製する場合、例えば、飲食品を上記溶媒(例えば水とアセトニトリルとの混合溶媒等)に溶解又は分散させ、フィルタ等で濾過した濾液を上記定量用試料溶液として調製すればよい。
純度が求められた第1ピペリン類化合物を所定の溶媒(例えば水とアセトニトリルとの混合溶媒等)に溶解させて、複数種(例えば6種)のモル濃度で第1ピペリン類化合物を含む定量用標準溶液を調製する。
定量用試料溶液を液体クロマトグラフィー処理に付すことで定量用クロマトグラムを取得して、当該定量用クロマトグラムにおける第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれのピーク面積a1〜a5を求める。それとともに、各定量用標準溶液を液体クロマトグラフィー処理に付すことで複数の標準クロマトグラムを取得し、各標準クロマトグラムにおける第1ピペリン類化合物のピーク面積を求める。定量用試料溶液及び定量用標準溶液の液体クロマトグラフィー処理条件(例えば、液体クロマトグラフ装置、固定相、移動相等)は同一とする。
各標準クロマトグラムにおけるピーク面積を従属変数とし、定量用標準溶液における第1ピペリン類化合物の純度に基づくモル濃度を独立変数とし、定数項を0とした回帰分析を行い、第1ピペリン類化合物の回帰直線(定量用検量線)を作成し、当該回帰直線(定量用検量線)の傾きS1’を算出する。それとともに、第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれについても第1ピペリン類化合物と同様の回帰直線(定量用検量線)を作成したと仮定した場合における当該回帰直線(定量用検量線)の傾きS2’〜S5’を下記式(5−1)〜(5−4)により算出する。
Figure 2020173153
相対モル感度RMS2〜RMS5を求める際に行われる液体クロマトグラフィー処理の処理条件(例えば、液体クロマトグラフ装置、固定相の種類、移動相の種類等)は、第1〜第5LC試料溶液のいずれにおいても同一である。第1ピペリン類化合物に関連する第1検量線の傾きS1に対する、第2〜第5ピペリン類化合物に関連する第2〜第5検量線の傾きS2〜S5の比で表される相対モル感度RMS2〜RMS5は、液体クロマトグラフィー処理の処理条件が変化したとしても、一定であると考えられる。そのため、定量用検量線の傾きS1’に各相対モル感度RMS2〜RMS5を乗じることで、第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれについても第1ピペリン類化合物と同様の回帰直線(定量用検量線)を作成したと仮定した場合における当該回帰直線(定量用検量線)の傾きS2’〜S5’を高精度に算出することができる。
そして、上記のようにして算出された傾きS1’〜S5’と定量用クロマトグラムにおける第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれのピーク面積a1〜a5とから、コショウ属植物抽出物中における第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれの含有量Ct1〜Ct5を下記式(3−1)〜(3−5)及び式(4−1)〜(4−5)により算出する。
Figure 2020173153
Figure 2020173153
上記式(3−1)〜(3−5)及び式(4−1)〜(4−5)において、Ct1〜Ct5は「コショウ属植物抽出物1gあたりの第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれの含有量(mg/g)」を表し、C1〜C5は「定量用試料溶液中における第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれのモル濃度(μmol/L)」を表し、M1〜M5は「第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれの分子量」を表し、CEは「定量用試料溶液中におけるコショウ属植物抽出物の濃度(μg/mL)」を表し、a1〜a5は「定量用クロマトグラムにおける第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれのピーク面積」を表す。
上記のようにして算出された第1〜第5ピペリン類化合物のそれぞれの含有量の総和を算出する。これにより、コショウ属植物抽出物に含まれるピペリン類化合物を定量することができる。コショウ属植物抽出物に含まれる第1〜第5ピペリン類化合物は、光照射等によって光異性化を生じさせること等があるため、同一ロットのコショウ属植物抽出物を用いたとしても、各ピペリン類化合物の含有量は、定量を行うごとに変動する場合がある。しかしながら、それらの総和はほとんど変動しない。そのため、定量を行ったときの各ピペリン類化合物の含有量の総和を求めることで、コショウ属植物抽出物中のピペリン類化合物を高い精度で定量することができる。
上述したように、本実施形態においては、コショウ属植物抽出物中に含まれるピペリン類化合物のうちの1種(第1ピペリン類化合物)を標準物質として利用し、当該標準物質としての第1ピペリン類化合物を、検量線を用いて定量するとともに、他のピペリン類化合物(第2〜第5ピペリン類化合物)は、標準物質との間の関係性として表される相対モル感度RMSを用いた算出により定量される。したがって、本実施形態によれば、コショウ属植物抽出物に含まれる複数種類のピペリン類化合物のうちの1種類のピペリン類化合物を定量するだけで、他のピペリン類化合物を含む、コショウ属植物抽出物中のピペリン類化合物の総含有量を簡易に、かつ高精度に求めることができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態において、第1〜第5ピペリン類化合物が市販の純品であって、それらの純度が既知である場合、各ピペリン類化合物の純度を算出する純度取得工程を行わなくてもよく、相対モル感度を取得すればよい。なお、当該純度が既知の市販の純品を用いて、各ピペリン類化合物の純度を算出してもよいことは言うまでもない。
以下、試験例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の試験例等に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕ピペリン類化合物の純度測定
(1)ピペリン類化合物の準備
上記構造式(A)〜(E)に示す5種のピペリン類化合物(ピペリン(第1ピペリン類化合物,構造式(A),piperine,C1719NO3,分子量:285.343)、ピペラニン(第2ピペリン類化合物,構造式(B),piperanine,C1721NO3,分子量:287.359)、イソピペリン(第3ピペリン類化合物,構造式(C),isopiperine,C1719NO3,分子量:285.343)、シャビシン(第4ピペリン類化合物,構造式(D),chavicine,C1719NO3,分子量:285.343)及びイソシャビシン(第5ピペリン類化合物,構造式(E),isochavicine,C1719NO3,分子量:285.343))のそれぞれを準備した。
第1ピペリン類化合物としてのピペリンは、市販の試薬(富士フイルム和光純薬社製)を準備した。第2ピペリン類化合物としてのピペラニンは、ヒハツ抽出物(製品名:ヒハツエキスパウダーMF,丸善製薬社製)から、以下のようにして単離精製して得た。
上記ヒハツ抽出物をヘキサン及び水で液−液分配し、得られたヘキサン層についてシリカゲル60(メルク・ミリポア社製)を用い、移動相としてヘキサンと酢酸エチルとの混合溶液(容量比1:1)を用いて分画し、次いで、分取HPLC(カラム:YMC Triart C18(YMC社製)、移動相:アセトニトリルと水との混合溶液(容量比43:57))により精製した。
第3〜第5ピペリン類化合物としてのイソピペラニン、シャビシン及びイソシャビシンは、上記ヒハツ抽出物をメタノールに溶解させて調製したピペリン溶液に光源としての日光を照射した後(照射照度:90000ルクス)、以下のようにして当該ピペリン溶液から単離精製して得た。
光照射したピペリン溶液について、分取HPLC(カラム:JAIGEL−GS310,日本分析工業社製,移動相:メタノール)、及び分取HPLC(カラム:YMC Triart PFP,YMC社製,移動相:アセトニトリルと水との混合溶液(容量比40:60))により、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシンを精製した。
(2)第1〜第5NMR試料溶液の調製
上記のようにして得られたピペリン、ピペラニン、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシンをそれぞれ5mg、DSS−d6(富士フイルム和光純薬社製)2mgを精確に量り取り、DMSO−d6(メルク社製)0.75mLに溶解させて第1〜第5NMR試料溶液を調製した。
(3)定量NMR測定
上記第1〜第5NMR試料溶液を、NMR装置(Varian NMR System 500,Varian社製)を用いて1H−qNMR測定を行い、NMRスペクトルを得た(図1(A)〜(E)参照)。なお、図1(A)はピペリンのNMRスペクトル、図1(B)はシャビシンのNMRスペクトル、図1(C)はイソピペリンのNMRスペクトル、図1(D)はイソシャビシンのNMRスペクトル、図1(E)はピペラニンのNMRスペクトルである。得られたNMRスペクトルから、NMR解析ソフト(VnmrJ3.2,Varian社製)を用いてピペリン、ピペラニン、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシン、並びにDSS−d6の各シグナル面積A1〜A5,AISと、各シグナル面積A1〜A5,AISに由来するプロトン数とH1〜H5,HISを求めた。そして、下記式(6−1)〜(6−5)により、ピペリンの純度P1、ピペラニンの純度P2、イソピペリンの純度P3、シャビシンの純度P4及びイソシャビシンの純度P5を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2020173153
上記式(6−1)〜(6−5)において、PISは「DSS−d6の純度」を、H1は「NMRスペクトルにおけるピペリンのシグナル面積A1に由来するプロトン数」を、H2は「NMRスペクトルにおけるピペリラニンのシグナル面積A2に由来するプロトン数」を、H3は「NMRスペクトルにおけるイソピペリンのシグナル面積A3に由来するプロトン数」を、H4は「NMRスペクトルにおけるシャビシンのシグナル面積A4に由来するプロトン数」を、H5は「NMRスペクトルにおけるイソシャビシンのシグナル面積A5に由来するプロトン数」を、HISは「各NMRスペクトルにおけるDSS−d6のシグナル面積ADSSに由来するプロトン数」を、M1は「ピペリンの分子量」を、M2は「ピペラニンの分子量」を、M3は「イソピペリンの分子量」を、M4は「シャビシンの分子量」を、M5は「イソシャビシンの分子量」を、MISは「DSS−d6の分子量」を、W1は「NMR試料溶液の調製時におけるピペリンの秤量値(mg)」を、W2は「NMR試料溶液の調製時におけるピペラニンの秤量値(mg)」を、W3は「NMR試料溶液の調製時におけるイソピペリンの秤量値(mg)」を、W4は「NMR試料溶液の調製時におけるシャビシンの秤量値(mg)」を、W5は「NMR試料溶液の調製時におけるイソシャビシンの秤量値(mg)」を、WISは「各NMR試料溶液の調製時におけるDSS−d6の秤量値(mg)」を表す。
〔実施例2〕相対モル感度の算出
上記のようにして純度を算出したピペリン、ピペラニン、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシンのそれぞれを、水55容量部及びアセトニトリル45容量部の混合溶媒に溶解してメンブレンフィルターで濾過し、第1〜第5LC試料溶液をそれぞれ6種類の濃度(0.1μg/mL,0.2μg/mL,0.4μg/mL,0.8μg/mL,1.6μg/mL,3.2μg/mL)で調製した。
各種濃度の第1〜第5LC試料溶液を、下記条件の液体クロマトグラフィー処理に付してLCクロマトグラムを得た。
<液体クロマトグラフィー条件>
液体クロマトグラフ装置:Prominence(製品名,島津製作所社製)
検出器:SPD−20A(UV,波長270nm,島津製作所社製)
注入量:20μL
カラム:Meteoric Core C18(100mm×4.6mm,YMC社製)
カラム温度:40℃
移動相:水/アセトニトリル/ギ酸(容量比550:450:1)
流速:1.4mL/min
分析時間(Run time):5min
そして、各LCクロマトグラムから算出した各ピペリン類化合物(ピペリン、ピペラニン、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシン)のピーク面積を従属変数とし、第1〜第5LC試料溶液のそれぞれにおける各ピペリン類化合物の上記純度に基づくモル濃度(μmol/L)を独立変数とし、定数項を0とした回帰分析を行い、各ピペリン類化合物の回帰直線(第1〜第5検量線)を作成し、各回帰直線(各検量線)の傾きS1〜S5を算出した。続いて、ピペラニン、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシンのそれぞれの相対モル感度RMS2〜RMS5を、第1検量線の傾きS1に対する第2〜第5検量線の傾きS2〜S5のそれぞれの比として、下記式により算出した。結果を表1に示す。
RMS2=S2/S1
RMS3=S3/S1
RMS4=S4/S1
RMS5=S5/S1
〔実施例3〕ヒハツ抽出物の定量
ヒハツ抽出物(製品名:ヒハツエキスパウダーMF,丸善製薬社製)を水55容量部及びアセトニトリル45容量部の混合溶媒に溶解してメンブレンフィルターで濾過し、定量用試料溶液をそれぞれ2種類の濃度(2000μg/mL,20000μg/mL)で調製した。
実施例1にて純度を求めたピペリンを水55容量部及びアセトニトリル45容量部の混合溶媒に溶解してメンブレンフィルターで濾過し、定量用標準溶液をそれぞれ6種類の濃度(0.1μg/mL,0.2μg/mL,0.4μg/mL,0.8μg/mL,1.6μg/mL,3.2μg/mL)で調製した。
定量用試料溶液及び定量用標準溶液のそれぞれにつき、上記条件の液体クロマトグラフィー処理に付して定量用クロマトグラム及び標準クロマトグラムを得た。得られた各標準クロマトグラムから得られたピーク面積を従属変数とし、各定量用標準溶液におけるピペリンの上記純度に基づくモル濃度(μmol/L)を独立変数とし、定数項を0とした回帰分析を行い、ピペリンの回帰直線(定量用検量線)を作成し、各回帰直線(定量用検量線)の傾きS1’を算出した。当該傾きS1’及び実施例2で算出した相対モル感度RMS2〜RMS5から、ピペラニン、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシンのそれぞれについてもピペリンと同様の回帰直線(定量用検量線)を作成したと仮定した場合における当該回帰直線(定量用検量線)の傾きS2’〜S5’を下記式(5−1)〜(5−4)により算出した。
Figure 2020173153
上記のようにして得られた定量用クロマトグラムから、ピペリン、ピペラニン、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシンのそれぞれのピーク面積a1〜a5を求め、傾きS1’〜S5’とピーク面積a1〜a5とから、ヒハツ抽出物1gあたりのピペリン、ピペラニン、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシンのそれぞれの含有量Ct1〜Ct5(mg/g)を下記式(3−1)〜(3−5)及び式(4−1)〜(4−5)により算出し、総含有量(mg/g)を算出した。結果を表1に示す。なお、ピペリン及びピペラニンの含有量Ct1,Ct2は、濃度2000μg/mLの定量用試料溶液について得られた定量用クロマトグラムのピーク面積a1,a2を用いて算出された値であり、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシンの含有量Ct3〜Ct5は、濃度20000μg/mLの定量用試料溶液について得られた定量用クロマトグラムのピーク面積a3〜a5を用いて算出された値である。
Figure 2020173153
Figure 2020173153
上記式(3−1)〜(3−5)及び式(4−1)〜(4−5)において、Ct1は「ヒハツ抽出物1gあたりのピペリンの含有量(mg/g)」を、Ct2は「ヒハツ抽出物1gあたりのピペラニンの含有量(mg/g)」を、Ct3は「ヒハツ抽出物1gあたりのイソピペリンの含有量(mg/g)」を、Ct4は「ヒハツ抽出物1gあたりのシャビシンの含有量(mg/g)」を、Ct5は「ヒハツ抽出物1gあたりのイソシャビシンの含有量(mg/g)」を、C1は「定量用試料溶液中におけるピペリンのモル濃度(μmol/L)」を、C2は「定量用試料溶液中におけるピペラニンのモル濃度(μmol/L)」を、C3は「定量用試料溶液中におけるイソピペリンのモル濃度(μmol/L)」を、C4は「定量用試料溶液中におけるシャビシンのモル濃度(μmol/L)」を、C5は「定量用試料溶液中におけるイソシャビシンのモル濃度(μmol/L)」を、M1は「ピペリンの分子量」を、M2は「ピペラニンの分子量」を、M3は「イソピペリンの分子量」を、M4は「シャビシンの分子量」を、M5は「イソシャビシンの分子量」を、CEは「定量用試料溶液中におけるヒハツ抽出物の濃度(μg/mL)」を、a1は「定量用クロマトグラムにおけるピペリンのピーク面積」を、a2は「定量用クロマトグラムにおけるピペラニンのピーク面積」を、a3は「定量用クロマトグラムにおけるイソピペリンのピーク面積」を、a4は「定量用クロマトグラムにおけるシャビシンのピーク面積」を、a5は「定量用クロマトグラムにおけるイソシャビシンのピーク面積」を表す。
〔参考例1〕NMRによるピペリン類化合物の定量
ヒハツ抽出物(製品名:ヒハツエキスパウダーMF,丸善製薬社製)8gを20mLの水に溶解し、固相抽出カートリッジ(OASIS HLB 6cc(500mg),ウォーターズ社製)に付し、水40mL、水/メタノール(容量比1:1)10mL、メタノール10mLの順に通液して、メタノール画分を得た。当該メタノール画分を濃縮乾燥後、DSS−d6(富士フイルム和光純薬社製)2mgを精確に量り取って加え、DMSO−d6(メルク社製)0.80mLに溶解させてNMR試料溶液を調製した。
当該NMR試料溶液を、NMR装置(Varian NMR System 700,Varian社製)を用いて1H−qNMR測定を行い、NMRスペクトルを得た(図1(F)参照)。得られたNMRスペクトルから、下記式(7)により、ヒハツ抽出物中の5種のピペリン類化合物(ピペリン、ピペラニン、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシン)の総含有量Ctall(mg/g)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2020173153
上記式(7)において、PISは「DSS−d6の純度」を、Aallは「NMRスペクトルにおけるピペリン類化合物のシグナル面積」を、AISは「NMRスペクトルにおけるDSS−d6のシグナル面積」を、Hallは「NMRスペクトルにおけるピペリン類化合物のシグナル面積Aallに由来するプロトン数」を、HISは「NMRスペクトルにおけるDSS−d6のシグナル面積AISに由来するプロトン数」を、M1は「ピペリンの分子量」を、MISは「DSS−d6の分子量」を、Wallは「NMR試料溶液の調製時におけるヒハツ抽出物の秤量値(mg)」を、WISは「NMR試料溶液の調製時におけるDSS−d6の秤量値(mg)」を表す。
なお、ピペリン、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシンの分子量(285.343)と、ピペラニンの分子量(287.359)との差はわずかであり、ヒハツ抽出物中のピペラニン含有量はピペリンの1/2以下であることから(下記表1参照)、当該分子量の差がピペリン類化合物の総含有量Ctallに与える影響は小さいと考え、上記式(7)においては、ピペリンの分子量M1を使用した。
Figure 2020173153
表1に示す結果から明確であるが、実施例1〜3のようにして算出された、ヒハツ抽出物に含まれるピペリン類化合物の総含有量は、参考例1にて算出されたピペリン類化合物の総含有量と同等であることが確認された。この結果から、コショウ属植物抽出物に含まれる各ピペリン類化合物の相対モル感度RMSを予め求めておけば、コショウ属植物抽出物中のピペリンを標準物質として利用した液体クロマトグラフィー処理により、ピペリン類化合物を高精度に定量可能であると理解することができる。

Claims (6)

  1. コショウ科コショウ属に属する植物からの抽出物に含まれる第1〜第n(nは2以上の整数である。)ピペリン類化合物を定量する方法であって、
    第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれと内部標準物質とを含む第1〜第nNMR試料溶液をNMRで処理することで得られるNMRスペクトルから、前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの純度を算出する純度算出工程と、
    前記純度が算出された第1ピペリン類化合物に対する前記純度が算出された第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの相対モル感度を取得する相対モル感度取得工程と、
    前記抽出物を含む定量用試料溶液を液体クロマトグラフィーで処理することで得られる定量用クロマトグラム及び前記純度が算出された第1ピペリン類化合物を含む定量用標準溶液のそれぞれを液体クロマトグラフィーで処理することで得られる標準クロマトグラムから、前記抽出物中の前記第1〜第nピペリン類化合物の総含有量を算出する定量工程と
    を有し、
    前記相対モル感度取得工程は、
    前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれを複数種のモル濃度で含むLC試料溶液を液体クロマトグラフィーで処理することでLCクロマトグラムを得る工程と、
    前記各種LC試料溶液における前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの前記純度に基づくモル濃度と、前記LCクロマトグラムにおける前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれのピーク面積との関係を示す第1〜第n検量線のそれぞれの傾きを算出する工程と、
    前記第1検量線の傾きに対する前記第2〜第n検量線のそれぞれの傾きの比を、前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの前記相対モル感度として算出する工程と
    を含み、
    前記定量工程は、
    前記純度が算出された前記第1ピペリン類化合物を複数種のモル濃度で含む複数の前記定量用標準溶液のそれぞれを前記液体クロマトグラフィーで処理することで得られる複数の前記標準クロマトグラムから、前記純度が算出された第1ピペリン類化合物のピーク面積と前記複数の定量用標準溶液のそれぞれにおける前記第1ピペリン類化合物の前記純度に基づくモル濃度との関係を示す標準検量線を作成する工程と、
    前記定量用クロマトグラム及び前記標準検量線に基づいて、前記抽出物中の前記第1ピペリン類化合物の含有量を算出する工程と、
    前記標準検量線の傾き及び前記相対モル感度から、前記抽出物中の前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの含有量を算出する工程と、
    前記抽出物中の前記第1〜第nピペリン類化合物の総含有量を算出する工程と
    を含むことを特徴とするピペリン類化合物の定量方法。
  2. 前記定量工程において、前記第1ピペリン類化合物の含有量は、下記式(1)及び式(2)に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載のピペリン類化合物の定量方法。
    Figure 2020173153
    Figure 2020173153
    上記式(1)及び式(2)において、Ct1は「前記抽出物中の前記第1ピペリン類化合物の含有量」を表し、C1は「前記定量用試料溶液中における前記第1ピペリン類化合物のモル濃度」を表し、M1は「前記第1ピペリン類化合物の分子量」を表し、CEは「前記定量用試料溶液中における前記抽出物の濃度」を表し、S1’は「前記標準検量線の傾き」を表し、a1は「前記定量用スペクトルにおける前記第1ピペリン類化合物のピーク面積」を表す。
  3. 前記定量工程において、前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの含有量は、下記式(3)〜(5)に基づいて算出されることを特徴とする請求項2に記載のピペリン類化合物の定量方法。
    Figure 2020173153
    Figure 2020173153
    Figure 2020173153
    上記式(3)〜(5)において、Ct2〜nは「前記抽出物中の前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの含有量」を表し、C2〜nは「前記定量用試料溶液中における前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれのモル濃度」を表し、M2〜nは「前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの分子量」を表し、CEは「前記定量用試料溶液中における前記抽出物の濃度」を表し、S2〜n’は「前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれにおいて前記標準検量線を作成した場合における当該標準検量線の傾き」を表し、a2〜nは「前記定量用スペクトルにおける前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれのピーク面積」を表し、RMS2〜nは「前記第2〜第nピペリン類化合物のそれぞれの前記相対モル感度」を表す。
  4. 前記純度算出工程において、下記式(6)に基づいて前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの純度を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のピペリン類化合物の定量方法。
    Figure 2020173153
    上記式(6)において、P1〜nは「前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの純度」を表し、PISは「前記内部標準物質の純度」を表し、A1〜nは「前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの前記NMRスペクトルにおけるシグナル面積」を表し、AISは「前記内部標準物質の前記NMRスペクトルにおけるシグナル面積」を表し、H1〜nは「前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの前記NMRスペクトルにおける前記シグナル面積A1〜nに由来するプロトン数」を表し、HISは「前記内部標準物質の前記NMRスペクトルにおける前記シグナル面積AISに由来するプロトン数」を表し、M1〜nは「前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの分子量」を表し、MISは「前記内部標準物質の分子量」を表し、W1〜nは「前記第1〜第nNMR試料溶液のそれぞれにおける前記第1〜第nピペリン類化合物のそれぞれの秤量値」を表し、WISは「前記第1〜第nNMR試料溶液のそれぞれにおける前記内部標準物質の秤量値」を表す。
  5. 前記第1ピペリン類化合物が、ピペリンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のピペリン類化合物の定量方法。
  6. 前記コショウ科コショウ属に属する植物が、ヒハツ又はコショウであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のピペリン類化合物の定量方法。
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