JP2020171210A - 高麗人参の栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】病害虫を防ぎ、培土から養分を補給すると共に、菌根菌を混入して、高麗人参の菌圏に接触させて共生効果を発揮させることができる、高麗人参の栽培方法を提供する。【解決手段】高麗人参の種子を、菌根菌を含有する培土に播種し、水分を供給しつつ発芽させることにより1年根を栽培する第一の工程と、前記1年根を、菌根菌を含有する培土を収容した移動可能な容器に移植し、水分を供給しつつ2年根を栽培する第二の工程と、を有する、高麗人参の栽培方法により解決する。【選択図】図2

Description

本発明は、高麗人参の栽培方法に関する。
高麗人参は古くから東アジア地域において広く薬用として用いられており、現在でも医薬品原料、健康食品として用いられている。従来は山野に自生している野生品が用いられてきたが、資源の枯渇が進んでおり、中国、朝鮮半島、日本などで、広く栽培が進められてきた。日本では、江戸時代、徳川吉宗が栽培を推奨し、全国に種を配布したため、「オタネニンジン」の名がつけられている。
しかしながら、高麗人参の栽培には高度の農業技術が必要であったため、日本全国で栽培に成功したのは、会津地方、出雲地方、信州東部の3ヵ所であった。そこで確立した栽培方法の基本は、3年間の土づくり、5年間の栽培、収穫後10年間の休耕、の3つであり、効率的に土地を利用する上で大きな障害となっていた。特に問題であったのは前後13年間に及ぶ土作りと休耕であって、この期間を短縮することが高麗人参栽培の効率化にとって重要であった。
このような問題を解決するために、高麗人参の栽培期間を短縮するための栽培方法が種々提案されている。
例えば、特開平11−220943号公報には、ビニールハウスや温室等の苗床に間引きできるように朝鮮人参の種を植え付ける種の植え付け工程と、種の植え付け工程後に温度、湿度、灌水の管理を行なうとともに、微風を送風して発芽させ、寿司ねた等として使用できる大きさに生育させる生育工程とを有する生食用朝鮮人参の栽培方法が開示されている(特許文献1)。
特開2015−181369号公報には、催芽処理された種子を発芽しない範囲の温度で低温処理した後、播種し、発芽させ、種子から発芽した苗を大気中に含まれるよりも高い濃度のCOを含む雰囲気下、生育を促進可能な光強度(PPFD)に保持して100〜120日間の範囲の期間生育させ、地上部が枯死した根を90〜120日間の範囲の期間休眠させた後、休眠打破して出芽させ、出芽させた苗を大気中に含まれるよりも高い濃度のCOを含む雰囲気下、生育を促進可能な光強度に保持して100〜120日間の範囲の期間生育させるオタネニンジンの生産方法が開示されている(特許文献2)。
特開2016−34243号公報には、苗が発芽後、本根の周囲及び先端を充填部材で覆い、充填部材の周囲を、通気性を有する樹脂製クッション部材で覆い、樹脂製クッション部材の周囲を押圧部材が圧迫する状態を作り、次いで、押圧部材を上部と下部の栽培空間を遮断するように形成された水耕栽培用パネルを用いた高麗人参の水耕栽培方法が開示されている(特許文献3)。
特開2016−208858号公報には、葉の少なくとも一部が枯れて休眠期に向う前の高麗人参又は休眠期に移行した高麗人参に対して、ジベレリン処理及び冷温処理を行うことにより、発芽を強制的に促す高麗人参の栽培方法が開示されている(特許文献4)。
国際公開第2015/190405号公報には、複数個の、平面視した場合に一方が相対的に長く、他方が相対的に短い形状で、その上部に開口を有する不織布製ポットを用意し、その各々に栽培用土壌を入れ、当該ポットの長手方向にそれぞれオタネニンジンの苗を、その軸が傾斜した状態となるように植えつけ、これを多段式棚に、当該苗の発芽部側が外側となるよう載置したオタネニンジンの栽培方法が開示されている(特許文献5)。
特開平11−220943号公報 特開2015−181369号公報 特開2016−34243号公報 特開2016−208858号公報 国際公開第2015/190405号公報
この長期間の土作りを短縮するために試みられた方法が水耕栽培であった。水耕栽培は、土を使わず植物の根を流水に浸漬した状態で栽培する方法である。土を使わないため、害虫や病原菌を防ぎやすいというメリットがある。
高麗人参の栽培において、もともと長い土作り期間が必要とされる理由としては、これまで、土中の養分が栽培期間中にほとんど人参に吸い取られてしまうこと、病菌が繁殖すること、害虫が発生すること、等の理由が考えられてきたが、最近の研究では養分の減少は大きな問題ではなく、伝染病と害虫の発生が主問題であるといわれている。水耕栽培法を用いることにより、斑点病、サビ病などの病原菌とアブラムシ等の害虫の発生は減少させることは可能である。
他方、高麗人参の育成には菌根菌、すなわち菌根を作って植物と共生する菌類が必要で、菌根菌と共生することによって、高麗人参は光合成をした炭水化物などのエネルギー源を菌根菌に与え、代わりに菌根菌からアミノ酸や低分子量核酸などの栄養分を供給してもらうという共生関係を形成しているという報告がある。
しかしながら、菌根菌は水溶性を持たないため、水耕栽培で養液中に菌根菌を供給することが困難であり、養液の流れによって高麗人参の根の周囲に根圏域を形成することなく菌根菌が流れてしまうため、所望の高麗人参を栽培することができないという問題があった。
本発明は水耕栽培が抱えるこのような課題を解決するためになされたものであり、病害虫を防ぎ、培土から養分を補給すると共に、菌根菌を混入して、高麗人参の菌圏に接触させて共生効果を発揮させることができる、高麗人参の栽培方法を提供することにある。
本発明者は、高麗人参の栽培方法について鋭意検討を行った結果、菌根菌を含有する高温消毒済みの培地に種子又は苗を植えて適宜水分を補給して育成することで上記課題を解決することができるとの知見を得た。
本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、高麗人参の種子を、菌根菌を含有する培土に播種し、水分を供給しつつ発芽させることにより1年根を栽培する第一の工程と、前記1年根を、菌根菌を含有する培土を収容した移動可能な容器に移植し、水分を供給しつつ2年根を栽培する第二の工程と、を有する、高麗人参の栽培方法を提供するものである。
本発明によれば、菌根菌を含有する高温消毒した培土を用いて、芽切り種を蒔き、あるいは苗を植え、清浄な水分を補給して栽培するため、長期間にわたる予備的土作り作業を必要とせず、栽培中に病原菌や害虫に接触する機会が減少し、苗は孤立した構造の容器中の培土の中で生育されるため、万一病害が発生した場合は容器ごと隔離するか廃棄処分することにより病害が他に伝染することを防止できる。
また、本発明によれば、連作障害がないことから、同一室内で永続的に栽培できるため、人工照明を用いた植物工場における栽培にも適用可能である。
1年根1を栽培する第一の工程を説明するための図である。 2年根2を栽培する第二の工程を説明するための図である。 2年根2を栽培する第二の工程の他の実施例を説明するための図である。 図3の上面図である。
本発明の実施形態に係る高麗人参の栽培方法について説明する。
1.第一の工程
本実施形態において、第一の工程は、高麗人参の種子を、菌根菌を含有する培土に播種し、水分を供給しつつ発芽させることにより1年根を栽培する工程である。
本実施形態において、菌根菌は、高麗人参の根に接触するように含有されてなることが好ましい。
菌根菌は、培土全体に存在していてもよいが、高麗人参が光合成により生産した炭水化物などのエネルギー源を受け取る代わりに、菌根菌からアミノ酸や低分子量核酸などの栄養分を高麗人参に供給するという共生関係を形成していると考えられていることから、少なくとも高麗人参の根(胴体(主根)、足(支根)、尾(細根))の周囲に存在するように培土に投入されることが好ましい。
菌根菌としては、アーバスキュラー菌根菌(VA菌根菌)と呼ばれる糸状菌の一群を挙げることができ、中でもリゾファガス・イレグラリス(Rhizophagus irregularis)が代表的なVA菌根菌として挙げることができる。菌根菌は、市販されている菌根菌を用いることができ、例えば、Dr.キンコン(商標、出光興産社製)などを挙げることができる。
本実施形態において、高麗人参の種子は、芽切り処理されたものであることが好ましい。
高麗人参の種は表皮が硬いため、そのまま播種してもなかなか発芽しないか、発芽時期にばらつきが生じてしまう。そのため「芽切り」処理を行うことで、種子の発芽率を90%以上に高めることができる。芽切り処理は通常、排水の良好な容器に種子と川砂を混合して入れ、温度10〜15℃の環境で土壌水分を15%前後に保ち、直射日光を避けて行う。必要に応じてジベレリン25〜50ppm溶液に種子を数時間浸漬することも効果的である。
本実施形態において、培土は、赤土をベースに、くん炭、ゼオライト、腐食酸、バーク堆肥を含むことが好ましい。
赤土は、本実施形態において使用される培土の主要成分であり、全体の50〜80重量%含まれる。
くん炭は、籾殻や木屑を蒸し焼きにして炭化させたものであり、土壌改良剤として添加される。くん炭は本実施形態において使用される培土において、5〜10重量%含まれる。
ゼオライトは、ミクロ多孔性の結晶性アルミノケイ酸塩であり、イオン交換材料、触媒および吸着材料として利用される。脱臭や水質浄化などの効果もある。ゼオライトは本実施形態において使用される培土において5〜20重量%含まれる。
腐食酸は、植物などが微生物による分解を経て形成された最終生成物であるフミン質(腐植物質)のうち、酸性の無定形高分子有機物をいう。発根・根毛形成の促進による養分吸収の促進、ミネラルの供給といった直接的な効果の他、間接的な効果として、土壌物理性の改善、リン酸固定の軽減、保肥力の向上、微生物(菌根菌)の活性化などの効果が期待される。腐食酸は本実施形態において使用される培土において5〜10重量%含まれる。
バーク堆肥は、広葉樹の樹皮を主原料(85%)として牛ふん及び尿素を加えてたい積腐熟させた物であり、培土の膨軟化を目的として添加される。バーク堆肥は本実施形態において使用される培土において5〜10重量%含まれる。
上記の培土は、腐食酸、パーク堆肥を除き、高温処理されたものであることが好ましい。
培土を高温処理する方法は特に限定されないが、200℃以上の高温で加熱する高温加熱処理により実施されることが好ましい。
本実施形態において、第一の工程における水分の供給方法は、種々の灌水方法を用いることができるため特に限定はないが、ミスト灌水法であることが好ましい。
ミスト灌水法は、栽培ベッドの上方に設置された噴霧ノズルから霧状の水(ミスト)を培土に向けて供給する灌水方法であり、清浄な水を供給できること、水量を節約することができること、病虫害が発生しにくいことなどの理由から特に好ましい。潅水は培土の水分が5%を下回らないように保つことが必要で、例えば一日1回、5分程度ミストを噴霧する。発芽後120日は葉の上から噴霧することが好ましく、それ以後は茎の下部、つまり培土の近くに重点的に噴霧することが好ましい。
灌水に用いる水は清浄なものであることが前提であり、病虫害が混入しないように灌水管理を行う。但し、必要に応じて、液肥や、葉枯れを防止するための酢酸を添加してもよい。
本実施形態において、第一の工程における温度は、10〜30℃であることが好ましく、15〜25℃であることがより好ましく、18〜23℃であることがさらに好ましい。
高麗人参の種子を播種すると、播種後、気温を20℃に管理すれば約3週間で出芽し、約4ヵ月で根の長さが10cm以上に生長する。この高麗人参の根を1年根といい、地上部は、茎、葉柄、葉から構成されているが(但し、花及び実を除く)、葉柄の数が1本であることからも判別できる。根の部分のみならず、葉や茎などの地上部にも、有効成分のサポニンが蓄積されるため、サラダや天ぷらなどの薬膳料理の食材として供給することができる。第一の工程では伝統的な栽培法に比べて栽培期間は約1/2に短縮することができ、また、その前の3年間の土つくり作業が不要になるなど利点は大きい。
一方、収穫せずに引き続き栽培を継続すると、やがて葉の部分が枯れるため、これを目安に1年根を掘り出し、以降に説明する2年根の栽培に供することができる。
2.第二の工程
本実施形態において、第二の工程は、1年根を、菌根菌を含有する培土を収容した移動可能な容器に移植し、水分を供給しつつ2年根栽培する工程である。
菌根菌、培土については、第一の工程で説明した菌根菌、培土と同様のものを適用することができる。
本実施形態において、移動可能な容器は、培土を投入して1年根を2年根とするために一定期間栽培することができる程度の耐久性と、灌水した後の余分な水が流れ出るように、底面又は側面に適度な大きさの穴(水切り穴)が形成されているものを使用することが好ましい。容器には、その大きさや形状は特に限定はないが、1年根を1本のみ移植する程度の小さいものでも、複数本移植する程度の大きさを有するものでもよい。具体的には、例えば、農業用コンテナ、プランター、ペットボトルなどを利用することができる。
1年根を移植する際に上記のような移動可能な容器に移植することにより、苗の個別管理が容易となる。例えば、生長速度に違いが出始めた場合は、容器の位置を変更することで生長速度が同じ程度になるように調整したり、一部に病気が発生した場合は、病気が発生した容器のみ除去し滅菌処理や廃棄等の対応が可能となる。
本実施形態において、第二の工程における水の供給方法は、先述したミスト灌水法のほか、底面灌水法を併用することができる。
ミスト灌水法は、第一の工程において説明した方法を適用することができる。
底面灌水法は、容器の底面又は側面から水を供給する方法であり、1年根を移植した移動可能な容器を、水を張った容器に設置する方法でもよく、1年根を移植した移動可能な容器を、流水中に設置する方法でもよい。
灌水に用いる水は清浄なものであることが前提であり、病虫害が混入しないように灌水管理を行う。但し、必要に応じて液肥を添加してもよい。
本実施形態において、第二の工程における温度は、10〜30℃であることが好ましく、15〜25℃であることがより好ましく、18〜23℃であることがさらに好ましい。
高麗人参の1年根を移植した後、約4ヵ月で根の長さが10〜15cmに生長する。この高麗人参の根を2年根といい、地上部は葉柄の数が2本であることからも判別できる。根の部分のみならず、葉や茎などの地上部にも、有効成分のサポニンが蓄積されるため、サラダや天ぷらなどの薬膳料理の食材として供給することができる。
一方、収穫せずに引き続き栽培を継続すると、やがて葉の部分が枯れるため、これを目安に2年根を掘り出し、3年根の栽培に供することができる。以降、第二の工程を1年ごとに繰り返すことにより、2年根から3年根を、3年根から4年根を、4年根から5年根を、5年根から6年根を順次栽培することができる。実質的な栽培期間は伝統的な栽培期間の約半分で済むが、それ以上に10年間の休耕期間を置かずに連作が可能であることから大幅な栽培期間の短縮が可能である。
3.共通事項
高麗人参の伝統的な栽培方法は、高麗人参が直射日光を
嫌うため、日光を一部遮蔽する小屋掛を行い、その中で栽培することを通例としているが、高麗人参のこの特性を利用して、人工照明による植物工場栽培に適用することができる。人工照明は通常白色LEDを用い、照度は5000〜7000lx程度、照明時間は1日14時間から24時間が適当である。
高麗人参の栽培雰囲気は、通例、清浄な空気中であるが、植物工場の場合は水蒸気濃度や炭酸ガス濃度を制御して高麗人参の成長を促進する雰囲気を用いることもできる。
このような方法により、土作りの期間を短縮し、栽培中に病原菌や害虫に接触する期間を減らすことが可能となり、新たに種を蒔き、苗を植える場合は新たに用意した上記の培土を用いることによって、高麗人参特有の連作障害を防止することが可能になる。
1.種からの栽培
1年根を栽培するための容器は、プラスチック製の幅45cm、長さ90cm、深さ30cmのプランターを使用した。高麗人参の種子は、芽切り処理された種子(JA佐久浅間人参センター)を使用した。培土の組成は表1の通りである。培土は使用する前に、焼成炉を用いて250℃で加熱処理することにより、消毒を行った。
図1は、1年根1を栽培する第一の工程を説明するための図である。プランター10の底に深さ5cmまで砂利12を敷き、その上に深さ5cmの種まき培土14を敷いた。種まき培土14の表面2cmの部分に培土の分量の10重量%程度のVA菌根菌(出光興産社製Dr.キンコン(商標))14を混入して、その上に芽切り種を1平方メートルあたり300粒程度蒔き、種子から発芽した高麗人参1の根が容易に菌根菌と接触できるようにした。
種子の上は深さ1〜2cmの厚さの種まき培土で覆い、種子が剥き出しにならないようにした。水分はミストとして噴霧した。散水は培土の水分が8%程度になるよう一日1回、5分程度行った。
プランター10を温室内に設置し、室温を20℃で管理した。播種後から約2週間で出芽を観察した。出芽後もミスト法で灌水を行い、高麗人参1の若芽が枯れないように管理した。
栽培期間中、照明は白色LED照明を用いて約7000lxの照度で1日14時間以上照射した。その際、気温は30℃を超えないように管理した。
この条件で4ヵ月栽培した結果、根が10cm以上の長さに生長した1年根1を50本収穫し、残りを、2年根の栽培のためにそのまま保存した。この期間は伝統的な栽培期間に比べて約1/2である。
2.苗からの栽培(1)
図2は、2年根2を栽培する第二の工程を説明するための図である。上記1で得られた高麗人参の1年根1を、収穫から約120日間放置し、地上部を枯らした。葉が枯れた後、1年根1を掘り起こし、直径15cm、高さ25cmのポリエチレンテレフタレート製の円筒容器20の底面部分に水の通る穴(水切り穴)20aを開け、その容器に深さ約3cmの砂利12を入れ、その上部に、前記1で説明した菌根菌16を含有する深さ約15cmの培土14を入れた。
高麗人参の苗(1年根)は容器の中央部分に1本ずつ植え、その容器を、清浄な水を深さ15cm貯めた水槽24に浸漬し、容器20の底部から水分を供給した。
高麗人参2を個別に移植した容器20は容易に移動することが可能なので、苗の葉の成長過程に応じて、適宜整列間隔を調整した。
栽培期間中、照明は白色LED照明を用いて約7000lxの照度で1日14時間以上照射した。その際、気温は30℃を超えないように管理した。
移植した1年根は継続して生長を続け、移植後から6ヶ月後に、根の長さが約20センチメートルにまで生長した2年根2を50本収穫した。
3.苗からの栽培(2)
図3及び図4は、2年根2を栽培する第二の工程の他の実施例を説明するための図である。第二の工程における苗2の植え方として、菌根菌16の利用に適した別の方法がある。それは苗を培土14に垂直に植えるのではなく、培土14の面にほぼ水平に植える方法である。苗3を植えるポットも筒型ではなく、ポットの筒を雨樋状に二分して雨樋の開口部を上にして底部に複数個の水切り穴30aを開けた雨樋状容器30をプランター32に並べ、その中に培土14を満たした。雨樋状容器30の中心線に沿って培土14に溝を掘り、溝の中に菌根菌16を散布して、その溝に根部を沿わせて苗3を植えた。植えた苗3の上部から培土14をかけて、苗3を埋めた。なお、苗3に適度な湿度を与えるため及び容器30を固定するために、底土34を用いた。
苗を垂直ポットに植える場合はポットに培土を入れ、培土の中心部分に菌根菌を散布し、その部分に接するように苗を挿入することは作業的にかなり困難である。しかし、水平植えの場合はこの作業が全て培土14の表面で行われるため、容易であるばかりか、菌根菌16の散布も苗3に近接した場所になり、菌16の使用量も垂直植えの場合に比して1/2以下で済む。
この方法で植えた苗3に潅水する方法は湛水方式よりもミスト方式が容易である。
プランター32に雨樋状容器30を平らに並べ、上部の自動散水装置から断続的に散水を行った。散水は苗の根の植わっている部分に均一に行った。培土が乾燥すると苗が枯れる恐れがあるので培土の水分が5%以上になるよう1日1回5分間の散水を行った。
栽培期間中、照明は白色LED照明を用いて約7000lxの照度で1日14時間以上照射した。その際、気温は30℃を超えないように管理した。
移植した1年根は継続して生長を続け、移植後から6ヶ月後に、根の長さが約20cmにまで生長した2年根3を30本収穫した。

Claims (8)

  1. 高麗人参の種子を、菌根菌を含有する培土に播種し、水分を供給しつつ発芽させることにより1年根を栽培する第一の工程と、
    前記1年根を、菌根菌を含有する培土を収容した移動可能な容器に移植し、水分を供給しつつ2年根を栽培する第二の工程と、
    を有する、高麗人参の栽培方法。
  2. 前記第二の工程を1年ごとに繰り返すことにより、前記2年根から3年根を、前記3年根から4年根を、前記4年根から5年根を、前記5年根から6年根を栽培する工程を有する、請求項1に記載の高麗人参の栽培方法。
  3. 前記菌根菌が、前記高麗人参の根に接触するように含有されてなる、請求項1又は2に記載の高麗人参の栽培方法。
  4. 前記第一の工程における水分の供給方法が、ミスト灌水法である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高麗人参の栽培方法。
  5. 前記第二の工程における水分の供給方法が、ミスト灌水法及び/又は底面灌水法である、請求項1〜4のいずれか1項に記載に記載の高麗人参の栽培方法。
  6. 前記種子が、芽切り処理されたものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載に記載の高麗人参の栽培方法。
  7. 前記培土が、消毒処理されたものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載に記載の高麗人参の栽培方法。
  8. 前記第一の工程及び前記第二の工程における温度が、10〜30℃である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の高麗人参の栽培方法。

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