JP2020170510A - 情報処理システム - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、車両をリースすることによって運営される投資ファンドにおいては、借主から得られるリース料や、リース期間終了後に車両を売却することにより得られる売却金等を元本として投資家へ分配される。そのため、将来の車両の価値の予測がファンド運営において重要であることはいうまでもない。
車両を貸主に賃貸して、前記車両を運転する旨の契約を前記貸主と交わした1以上の運転手に、当該車両を運転させる場合に利用される情報処理システムにおいて、
前記貸主による前記車両の扱い方に関する第1基準、及び、前記1以上の運転手の夫々による前記車両の扱い方に関する第2基準を少なくとも含む所定の判断基準に基づいて、前記貸主の与信を判断する与信判断手段、
を備える。
これにより、将来の車両の価値を精度よく予測することができる。
図1は、本発明の一実施形態が適用される情報処理システムが適用されるトラックファンドの運営形態の一例を示す図である。
図1に示すトラックファンドFの運営形態では、業務用貨物運搬用車両T(以下単に「車両T」と呼ぶ)を投資対象の1つとしてファンドマネージャFMがトラックファンドFを運営する。トラックファンドFでは、車両Tに対して複数の投資家Iから投資された資金を運用し、運用益を各投資家Iに還元する。
また、本明細書において特に断りの無い限り、車両Tを単に中古車と呼ぶ場合には、業務用貨物運搬用車両の中古車を意味するものとする。
即ち、ファンドマネージャFMは、車両Tを賃貸運用した結果として、借主Rから得られる車両Tの賃貸料と、N年後(Nは1以上の任意の整数値)の車両Tの下取金や売却益とに基づく収益を受け取る。このようにして、ファンドマネージャFMは、車両Tを調達し賃貸運用する結果として得られる収益を源泉として投資家Iにその収益を還元することができる。
N年後、車両Tの賃貸期間が終了すると、ファンドマネージャFMは、車両Tを借主Rから引き取り、次の新たな借主Rに再度賃貸するか、又は処分する。このとき、車両Tに対して新たな借主Rのニーズが合致しない場合、車両Tの新たな賃貸先は見つかりにくい。ここで借主Rのニーズとは、借主Rが例えば宅配便等の運送業者であれば、冷凍車やドライ車等といった収容庫内温度仕様で何年から何年までの年式、走行距離が何Km以内の車両を何台必要である、という情報、また借主Rが建設会社であれば、廃材を運搬する荷台を備えたトラック、つまり荷台に汎用性がある車両を何年から何年までの年式、走行距離は不問の車両が何台必要である、という情報である。
また車両は一般的に耐用年数も短く、機能や見た目としての劣化及び消耗等による資産価値の低下は避けられない。このような場合、車両Tを処分業者Uに下取りに出したとしても、下取り金からの収益についても多くは見込めないことが予想される。
つまり、トラックファンドFを安定的に運営するためには、ファンドマネージャFMは、運用対象である車両Tの(N年後の)資産としての価値を正確に予測する必要がある。これにより、ファンド投資家の期待する利回りに加えて、N年後の価値に基づく収益還元をもさらに予測して運用することができるようになる。
ここで一般的に与信審査とは、取引先と取引を行う場合に、取引先から代金を回収出来ないというリスクを伴うため、取引先の情報を収集することにより取引先が信用に値するかを審査することをいう。本実施形態においては、ファンドマネージャFMは、借主Rに関する情報を収集することにより、車両Tを貸し出すにあたり借主Rが信用に値するかを審査する。
そして、与信審査の結果、与信が高いと判断された借主Rは、車両Tの扱い方に関する信用度が高い借主Rとして、高ランクに格付けされる。ここでいう車両Tの扱い方に関する信用度が高い借主Rとは、例えば賃貸された車両Tに搭載される荷物が少ない、短距離間の移動である、車両Tが丁寧に扱われている、またドライバの教育が徹底されている、等の借主のことをいう。つまり、高ランクに格付けされる借主Rとは、車両Tの扱い方がよいと予想される借主Rであることを意味する。
また一方で与信が低いと判断された借主Rは、車両Tの扱い方に関する信用度が低い借主Rとして、低ランクに格付けされる。ここでいう車両Tの扱い方に関する信用度が低い借主Rとは、例えば、車両Tに搭載される荷物が重量物である、長距離間の移動である、車両Tが乱雑に扱われている、またドライバの教育がなされていない等の借主Rのことをいう。つまり、低ランクに格付けされる借主Rとは、車両Tの扱い方がよくないと予想される借主Rであることを意味する。
具体的には例えば、N年後の車両T自体の査定価格が500万円であると仮定する。車両Tが高ランクの借主Rに対して賃貸された場合、車両Tは信用度の高い借主Rによって使用されることを意味するため、N年後の車両Tの資産としての価値は、車両T自体の査定価格500万円から殆ど変化がない。一方で、車両Tが低ランクの借主Rに対して賃貸された場合、車両Tは信用度の低い借主Rによって使用されることを意味するため、N年後の車両Tの資産としての価値は、車両T自体の査定価格500万円から大幅に下がるものと予想される。
即ち、ファンドマネージャFMは、借主Rの格付けに基づいて、N年後の車両Tの価値を精度よく予測することができるようになる。結果として、ファンドマネージャFMは、トラックファンドFを安定的に運営することができる。
具体的には例えば、借主Rが賃貸期間中に車両Tの扱い方を改善したり、社員教育を実施することでドライバの運転技量に改善が見られたりした場合には、与信審査の結果に基づいて借主Rの格付が変更されてもよい。
また例えば、借主Rが賃貸期間中に賃貸料を延納した場合等には、車両Tの扱い方に関する信用度が低くなったとして、ファンドマネージャFMは、借主Rの格付を変更してもよい。
借主Rは、自身の運送業の業務における改善活動の結果として、トラックファンドFにおける格付が上がったり車両Tの賃貸料が安くなるため、さらなる改善活動に対する意欲がわく。一方でファンドマネージャFMは、借主Rにおける車両Tの扱い方が改善されることで資産としての車両Tの価値が維持されるため、トラックファンドFにおける増益にもつなげることができる。
結果として、ファンドマネージャFMは、トラックファンドFを安定して運営することができるようになる。
借主端末2は、借主Rのうち例えば図示せぬ経営者によって操作される情報処理端末であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等を含む。
ドライバ端末3は、車両Tを運転するドライバDによって操作される情報処理端末であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等を含む。ドライバDは、車両Tを運転する旨の契約を借主Rと交わした運転手であって、借主Rに勤務する者であるかどうかは問わないものとする。
ドライブレコーダ端末4は、車両Tに搭載され、ドライバDにより操作される情報処理端末である。
借主端末2、ドライバ端末3、及びドライブレコーダ端末4は、サーバ1に対して、与信審査に必要な情報を送信する。
なお、サーバ1が実行するこれらの処理の詳細については、図3及び4を参照して後述する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(図2の例で借主端末2、ドライバ端末3、及びドライブレコーダ端末4)との間で通信を行う。
また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
さらに、サーバ1の記憶部18の一領域には、車両DB40と、顧客DB50と、与信情報DB60が設けられている。
ここで借主Rのニーズとは、借主Rが例えば宅配便等の運送業者であれば、冷凍車やドライ車等といった収容庫内温度仕様で何年から何年までの年式、走行距離が何Km以内の車両を何台必要である、という情報、また借主Rが建設会社であれば、廃材を運搬する荷台を備えたトラック、つまり荷台に汎用性がある車両を何年から何年までの年式、走行距離は不問の車両が何台必要である、という情報である。
カテゴリ分けとは、車両Tの属性(形式、仕様、年式、走行距離等)に基づいて、例えば人工知能(Artificial Intelligence)や機械学習等により車両Tを任意のグループに配分することをいう。車両Tは、複数のグループにまたがって配分される場合もある。
この他、車両DB40には、車両Tの相場価格が記憶されている。車両Tの相場価格は、対象の車両Tが、例えば中古車や新古車等であれば、年式や車種、走行距離に応じた中古市場の価格である。対象の車両Tが、例えば新車であれば、カーディーラー等のパンフレットに記載されている新車価格である。
即ち、路線情報収集部111は、借主Rとしての車両Tの扱い方に関する基準に基づく情報を収集する。
ドライブレコーダのデータからは例えばドライバの技量や、危険運転の有無等に関する情報を把握することができる。さらにドライブレコーダに記録されている音声等よりドライバの人格等が推測できるため、潜在的な事故率の予測をすることができる。
また外線電話に対する対応の仕方からは、例えばドライバに社員教育等がなされているかや、ドライバの人格や、ドライバのスケジュール管理の仕方等が推測できるため、車両Tの扱い方を予測することができる。
さらにまた車両Tの清掃状況からは、車両Tの扱い方、車両Tの消耗や劣化の具合を予測することができる。
即ち、ドライブレコーダ情報収集部112は、車両Tを運転するドライバの車両の扱い方に関する基準に基づく情報を収集する。
即ち、企業情報収集部113は、借主Rの企業情報に関する基準に基づく情報を収集する。これらの情報から、後述する与信判断部120は、借主Rの車両Tに対する扱い方や考え方を予測することができる。
条件取得部110を構成する夫々は、上述の基準に基づいて収集された情報を、顧客DB50へ格納する。
即ち、審査部121は、与信の諾否、あるいはその与信の度合を判断する。
即ち、格付部122は、与信の諾否、あるいはその与信の度合に基づいて、借主Rを格付ける。具体的には例えば、与信が高いと判断された借主Rは、高ランクが付けられ、与信が低いと判断された借主Rには、低ランクが付けられる。
与信判断部120は、借主Rの与信審査の結果を、与信情報DB60へ格納する。
具体的には、リース料決定部130は、車両Tを借主Rに賃貸する際の賃貸料を、高ランクの借主Rに対しては安く設定し、低ランクの借主Rに対しては高く設定してもよい。
また例えば、リース料決定部130は、借主Rの与信審査の結果に基づいて、賃貸期間中に賃貸料を変更してもよい。
リース料決定部130は、決定された賃貸料に関する情報を、車両Tと関連付けることにより与信情報DB60に格納する。
価格査定部140は、N年後の車両Tの価値として、車両Tの相場価格や借主Rのニーズから決定される車両T自体の査定価格からではなく、その車両T自体の査定価格に対して借主Rの与信審査の結果を考慮して将来の価値としての車両Tの価格を予想する。
また図示はしないが当然ながら、借主Rとの取引の成立有無(取引Yes or No)や、借主Rへの車両Tの賃貸料、リース期間、他条件をも、N年後の車両Tの価格には考慮される。
結果として例えば、ファンドマネージャFMは、ファンド運営を適切に継続することができるようになる。
サーバ1では、条件取得部110が、借主Rの与信に関する情報を取得する。
続いて、与信判断部120は、条件取得部110により取得された借主Rの与信に関する情報に基づいて、借主Rの与信審査を実行する。
借主Rの与信審査がなされると、リース料決定部130は、与信判断部120において得られた与信審査の結果に基づいて、車両Tのリース料を決定する。
最後に、価格査定部140は、車両Tの査定価格、与信判断部120において得られた与信審査の結果等に基づいてN年後の車両Tの価格を予測する。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
そのため、収集されたドライブレコーダの情報を、例えば車両メーカ毎に抽出することで、車両メーカ毎の走行性能等、様々な情報を得ることができる。これらの情報は、荷主、保険会社、メーカに提供されてもよい。
即ち、本発明が適用される情報処理システム(例えば図2、図4のサーバ1等)は、車両を貸主(例えば図1の借主R)に賃貸して、前記車両を運転する旨の契約を前記貸主と交わした1以上の運転手(例えば図2のドライバD)に、当該車両を運転させる場合に利用される情報処理システムにおいて、前記貸主による前記車両の扱い方に関する第1基準(何を運ぶか、路線)、及び、前記1以上の運転手の夫々による前記車両の扱い方に関する第2基準(ドライブレコーダ、外線、清掃)を少なくとも含む所定の判断基準に基づいて、前記貸主の与信を判断する与信判断手段(例えば図4の与信判断部120)を備える。
即ち、車両Tが賃貸される貸主や運転手の車両の扱い方等に関する基準に基づいて貸主の与信判断がなされるため、将来の車両の価値の予測に与信判断結果を反映することができる。つまり将来、車両Tを再賃貸する場合や売却する際の車両の価格を精度よく予測することができるようになる。そのため例えば車両を運用対象とするトラックファンド等においても、将来の車両の価格予測に基づき、ファンドを適切に運営することができるようになる。
即ち、車両が賃貸される貸主の企業としての情報に関する基準に基づいて与信判断がなされるため、将来の車両の価値を精度よく予測することができる。結果として例えば、トラックファンド等においても、将来の車両の価格予測に基づき、ファンドを適切に運営することができるようになる。
即ち、貸主の与信に基づいて、車両の将来の価格が精度よく査定されるようになる。結果として例えば、トラックファンド等において将来再賃貸する場合の賃貸料や、売却する場合の売却金を予測することができるため、ファンドを適切に運営することができる。
これにより、貸主に対して車両が適正な賃貸料で貸し出されることが可能になる。結果として例えばトラックファンド等においても、貸主から適正な賃貸料(利益)を得ることができるため、ファンドを適切に運営することができるようになる。
Claims (4)
- 車両を貸主に賃貸して、前記車両を運転する旨の契約を前記貸主と交わした1以上の運転手に、当該車両を運転させる場合に利用される情報処理システムにおいて、
前記貸主による前記車両の扱い方に関する第1基準、及び、前記1以上の運転手の夫々による前記車両の扱い方に関する第2基準を少なくとも含む所定の判断基準に基づいて、前記貸主の与信を判断する与信判断手段
を備える情報処理システム。 - 前記所定の判断基準は、さらに、前記車両の扱い方以外の前記貸主に関する第3基準を含む、
請求項1に記載の情報処理システム。 - 前記与信判断手段により判断された前記貸主の与信に基づいて、前記車両の将来の価格を査定する査定手段
をさらに備える請求項1又は2に記載の情報処理システム。 - 前記与信判断手段により判断された前記貸主の与信に基づいて、前記車両又は新たな車両を前記貸主に賃貸する際の賃貸料を決定する賃貸料決定手段
をさらに備える請求項1又は2に記載の情報処理システム。
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