JP2020169596A - 振動を利用する発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】限られた場所を頻繁に車両が通行する特殊施設で使用される電力を生成する振動を利用する発電装置を提供する。【解決手段】本発明の振動を利用する発電装置は、車両が頻繁に通行する特定区画を備える特定施設における発電装置であって、特定区画において通行する車両による振動であって上下方向の振動を受ける受圧部と、受圧部に接続されて、受圧部での振動を受けて振動圧力として伝達する伝達部と、伝達部が伝達する振動圧力を回転運動に変換する回転変換部と、回転変換部での回転運動を受けて動作するタービンと、を備え、振動圧力は、下降方向における下降圧力と上昇方向における上昇圧力とを含み、回転変換部は、下降圧力に基づいて回転力を生じさせると共に、上昇圧力に基づいて回転運動を生じさせ、タービンは、回転運動を受けて電力を生成して、特定区画において生じる振動に基づいて電力を生成する。【選択図】図4

Description

本発明は、車両ターミナルや料金所などのように、頻繁に車両の通行が生じる場所において、車両の通行による振動を利用して発電を行う振動を利用する発電装置に関する。
近年の化石燃料(石油や天然ガス)の価格高騰、環境保護意識の高まりを背景に、化石燃料を用いた火力発電以外の発電装置の普及が求められている。特に、再生可能エネルギーによる発電装置の普及が求められている。再生可能エネルギーによる発電の例として、太陽光発電、水力発電、風力発電、潮力発電、海流発電、波力発電、バイオマス発電、地熱発電などがある。これらは、いずれも自然環境に存在する熱源や動力源を用いて発電機を回すことで、電力を発生させる。
これら再生可能エネルギーを用いた発電は、化石燃料と異なり、有限資源を枯渇させることが無く、バイオマス発電を除けば、燃料の燃焼による二酸化炭素発生も生じない。このため、再生可能エネルギーによる発電装置は、環境への負荷が少なく、近年の環境保護意識の高まりに対応できる。
加えて、火力発電に代わる発電装置として、原子力発電が従来から普及しているが、事故や維持コストなどの問題点が明らかになるにつれて、原子力発電に代わる再生可能エネルギーを用いる発電装置が求められている。
このような状況で、わが国においては、国家プロジェクトや様々なプロジェクトによって風力発電装置や太陽光発電装置の設置や普及が進んでいる。風力発電装置は、風の強い山間部に設置されたり、洋上に設置されたりしており、少ないながらも一定の電力を供給するに至っている。しかしながら、風力発電装置は、非常に大掛かりであってコストも高い。加えて、発電後の電力の送電などの難しさもあり、資本力のある企業や電力会社などに、風力発電の参入が限られている現状がある。
太陽光発電は、太陽光発電パネルの普及に伴って、大型太陽光発電システムと家庭用太陽光発電の両面で普及が進んでいる。太陽光発電装置も、再生可能エネルギーである太陽光を用いるだけであるので、環境負荷が少なく、資源枯渇の心配を生じさせない。しかしながら、大型太陽光発電システムを設置するには、大きな資本や技術を必要とするので、普及にはネックが多い。一方、家庭用太陽光発電は、個々の家庭や事業場に普及させやすいが、発電量は小さく、家庭で必要とする電力程度しかまかなえない問題がある。
他の潮力発電や海流発電は、まだ実験段階であったり試作段階であったりして、普及するにはかなりの時間と技術解決を必要とする。
これらのように、太陽光発電、風力発電、潮力発電、海流発電などの再生可能エネルギーを用いる発電装置は、資本力、設備投資、発電量などの問題を有している。このため、再生可能エネルギーを用いる発電装置であって、これら問題の少ない発電装置の導入と普及が求められている。
また、風力発電や潮力発電などは、発電を行える場所に制限がある。自然環境が対象であるので、風力の生じる自然環境、潮位変動が生じる自然環境のある場所でしか発電できない。一方で、これらの自然環境のある場所では、発電された電力を消費する量は多くない。住居、工場、事業場などのような電力を消費する施設などが少ないからである。このため、このような再生可能エネルギーでの発電は、発電する地域から消費地へ送電される必要がある。
一方で、多くの電力ではないが、一定量の電力を必要とする施設は様々な場所にある。これらの施設は、一般的には化石燃料を利用する大型発電所から送電される電力を利用する。あるいは、上述のように、遠隔地で発電された再生可能エネルギーによって発電された電力の送電を受ける必要がある。
しかしながら、このような遠隔で発電された電力を利用することは、コストや送電時の電力ロスなどの問題がある。また、近年の環境問題への意識の高まりから、化石燃料を利用した大型発電所から送電される電力のみで、これら施設の電力をまかなうことが好ましくない問題もある。このため、これら施設において必要となる電力の少なくとも一部を、消費する施設において発電することが求められるようになってきている。
このような施設は多々あるが、トラックターミナル、バスターミナル、タクシーターミナル、有料道路料金所などのように、限られた場所を頻繁に車両が通行する施設が、様々な場所にある。トラックターミナルやバスターミナルであれば、ターミナルの出入り口という限られた場所を、頻繁にトラックやバスが通行する。有料道路料金所においても、様々な車両が限られた場所を頻繁に通行する。あるいは駐車場の出入り口なども同様である。
これらの施設は、様々な場所に存在する。一般の道路などと異なり、限られた場所を頻繁に車両が通行する。加えて、これらの施設そのものは、内部で種々の電気機器のために電力を必要とする。電力を恒常的に必要とするので、電力コストや環境問題への対応として、既存の発電所などからの送電による電力の少なくとも一部を削減することが求められている。
以上のような環境で、コストを抑えつつ、必要な電力の少なくとも一部を消費する場所で発電できる発電装置の必要性が高まっている。例えば、いくつかの技術提案がなされている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2012−207646号公報 特開2013−48536号公報
特許文献1は、橋梁等の構造物そのものの上下方向の運動を回転運動に変換して発電機を回すのではなく、橋梁等の構造物の振動に共振して大きく運動する錘体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。また錘体の運動エネルギーのうち、上下方向の運動成分のみを被駆動体に伝達してこの被駆動体を上下運動させるので、被駆動体の上下運動を支持する機構に水平方向の運動成分が作用することがなく、摩擦や変形等によって被駆動体の上下方向の運動エネルギーをロスすることがない。被駆動体の上下方向の運動エネルギーを回転運動に変換して増倍した後、ステッピングモータである発電機を回転駆動して発電する発電装置を開示する。
特許文献1は、橋梁等の構造物の振動を、共振として拾うことで運動エネルギーを電気エネルギーに変換する技術を開示している。
しかしながら、特許文献1の発電装置は、橋梁等の大型構造物であるからこそ発生する振動を基礎として発電する。振動の発生源およびこれを共振として拾う装置のいずれであっても大型の装置を必要とする。上述したような限られた場所を車両が頻繁に通行するような施設においては、このような大型装置を設置することは困難である。また、このような大型装置を設置することにより増加するコストが、発電電力によるコストメリットを超えてしまう問題がある。
特許文献2は、発電用コイル8、12とこれに対向する位置にある永久磁石のいずれかが摺動して発電するリニア発電装置の摺動套4、14及び中間円筒20の数を増やして多連化し、コイル8、12と永久磁石とから成る発電ユニットの数を増加させ、これによって発電機能を強化する。上記の装置へエアーダンパー、又はコイルスプリングを附設して緩衝機能を付加するリニア発電機を開示する。
特許文献2は、リニア発電機を開示するが、この技術も工場や施設において適用することに適しているとは言いがたい。特許文献1と同様に、専用の装置や専用の電力発生源を整備する必要があるからである。
従来技術は、このように、装置が大掛かりであったり電力発生源を別途設けなければならなかったりする問題を残したままであった。
上述したような限られた場所を頻繁に車両が通行する施設において、その場所で大がかりな装置を必要とせずに電力を発電することについての問題解決は、従来技術では実現できてない問題がある。
本発明は、限られた場所を頻繁に車両が通行する特殊施設で使用される電力を生成する振動を利用する発電装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の振動を利用する発電装置は、車両が頻繁に通行する特定区画を備える特定施設における発電装置であって、
特定区画において通行する車両による振動であって上下方向の振動を受ける受圧部と、
受圧部に接続されて、受圧部での振動を受けて振動圧力として伝達する伝達部と、
伝達部が伝達する振動圧力を回転運動に変換する回転変換部と、
回転変換部での回転運動を受けて動作するタービンと、を備え、
振動圧力は、下降方向における下降圧力と上昇方向における上昇圧力とを含み、
回転変換部は、下降圧力に基づいて回転力を生じさせると共に、上昇圧力に基づいて回転運動を生じさせ、
タービンは、回転運動を受けて電力を生成して、特定区画において生じる振動に基づいて電力を生成する。
本発明の振動を利用する発電装置は、特定の場所で頻繁に通行する車両の振動を、狭小な場所で集中して受ける。この受けた振動での往復運動を回転運動に変化させて、電力を発電できる。この車両の通行による振動は、捨てられていた運動エネルギーであり、この運動エネルギーで発電できることで、環境負荷が低く、有効活用となる発電を実現できる。
また、車両の集中的な通行が生じる施設は、電力を必要とする場所であり、電力の生成と消費との場所を一致させることができる。これにより送電による電力ロスを低減でき、発電による電力コストの低減レベルを上げることができる。
また、本発明の発電装置は、往復運動を回転運動に変換する機構とタービンとで構成されるので、小型かつ簡素化が可能であり、設置される施設への負荷や負担を小さくできる。また、組み入れることも容易である。
結果として、未活用の運動エネルギーを活用しつつ発電された電力が、その場でそのまま利用できるようになる。
本発明の実施の形態1における特定施設の一例としてのタクシーターミナルの模式図である。 本発明の実施の形態1における特定施設の一例としてのトラックターミナルを示す模式図である。 本発明の実施の形態1における特定施設の一つである道路料金所の模式図である。 本発明の実施の形態1における振動を利用する発電装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1における回転変換部の内部ブロック図である。 本発明の実施の形態1における回転変換部の一例を示す構成図である。 本発明の実施の形態2における発電装置のブロック図である。 本発明の実施の形態2における発電装置の一部のブロック図である。 本発明の実施の形態2におけるフライホイールを備える回転変換部の周辺のブロック図である。
本発明の第1の発明に係る振動を利用する発電装置は、車両が頻繁に通行する特定区画を備える特定施設における発電装置であって、
特定区画において通行する車両による振動であって上下方向の振動を受ける受圧部と、
受圧部に接続されて、受圧部での振動を受けて振動圧力として伝達する伝達部と、
伝達部が伝達する振動圧力を回転運動に変換する回転変換部と、
回転変換部での回転運動を受けて動作するタービンと、を備え、
振動圧力は、下降方向における下降圧力と上昇方向における上昇圧力とを含み、
回転変換部は、下降圧力に基づいて回転力を生じさせると共に、上昇圧力に基づいて回転運動を生じさせ、
タービンは、回転運動を受けて電力を生成して、特定区画において生じる振動に基づいて電力を生成する。
この構成により、車両が頻繁に通行する特定の場所において生じる振動を、電力にすることができる。
本発明の第2の発明に係る振動を利用する発電装置では、第1の発明に加えて、回転変換部は、下降圧力および上昇圧力との両方に基づくことにより、振動圧力の大半を回転運動に変換可能である。
この構成により、振動により生じる圧力の上下方向の両方を用いて、より大きな電力の生成が可能となる。
本発明の第3の発明に係る振動を利用する発電装置では、第1または第2の発明に加えて、回転変換部は、
振動圧力をうけて回転する回転運動生成部と、
回転運動生成部の回転軸に接続されて、回転運動生成部の回転に合わせて回転するモーター歯車と、
モーター歯車と接続されて、モーター歯車の回転の伝達により回転する主回転部と、
主回転部の回転を受けて回転する補助回転部と、を有し、
主回転部の主回転軸は、タービンに接続しており、主回転部の回転により主回転軸はタービンを回転させ、
補助回転部は、主回転部の回転に基づいて回転を開始した後で、自己回転を生じさせ、
回転運動生成部は、下降圧力および上昇圧力により回転する。
この構成により、振動のみによる回転量よりも大きな回転量で、発電を行うことができる。
本発明の第4の発明に係る振動を利用する発電装置では、第3の発明に加えて、補助回転部は、自己回転により、主回転部を加重回転させる。
この構成により、主回転部は、補助回転部によって、より高い回転量で回転できるようになる。結果として、主回転部がタービンで発電させる発電量が高まる。
本発明の第5の発明に係る振動を利用する発電装置では、第4の発明に加えて、加重回転により、主回転部は、下降圧力および上昇圧力そのもので生じる回転数よりも高い回転数で、回転する。
この構成により、振動そのものからの回転よりも高い回転で、主回転部はタービンを回転させることができる。これにより、発電効率を増加させることができる。
本発明の第6の発明に係る振動を利用する発電装置では、第4または第5の発明に加えて、主回転部は、主回転部での主回転および加重回転の少なくとも一方に基づいて、補助回転部を回転させ、
補助回転部は、自己回転に基づいて、主回転部を、加重回転により回転させ、
主回転部と補助回転部は、相互に相手の回転を維持する。
この構成により、主回転部と補助回転部は相互に回転を維持しながら、最終的には主回転部での回転量を増加させることができる。
本発明の第7の発明に係る振動を利用する発電装置では、第3から第6のいずれかの発明に加えて、補助回転部は、フライホイールを備える。
この構成により、補助回転部での回転維持が向上する。結果として、主回転部での加重回転も向上して、タービンでの発電能力が向上する。
本発明の第8の発明に係る振動を利用する発電装置では、第3から第7のいずれかの発明に加えて、回転変換部は、下降圧力および上昇圧力のそれぞれにより、直線方向に基準位置を移動させる直線歯車を有する直線運動生成部材を更に備え、
回転運動生成部は、直線運動生成部材と連結して回転し、
回転運動生成部は、直線運動生成部材における基準位置の移動量に応じて回転を行い、
この移動量に応じた回転により、区画で生じる個々の振動に時間差がある場合でも、直線運動生成部材は、回転運動生成部での回転に必要な運動量を一時蓄積できる。
この構成により、振動の発生にばらつきがある場合でも、恒常的にタービンを回転させて電力を発生させることができる。
本発明の第9の発明に係る振動を利用する発電装置では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、振動は、特定区画を通行する車両によって発生する。
この構成により、頻繁に通行が集中する場所で生じる車両による振動を、電力に変換できる。
本発明の第10の発明に係る振動を利用する発電装置では、第9の発明に加えて、受圧部は、特定区画における地面に設置されて車両の接触を受ける受け板と、受け板の振動圧力を増加する弾性体とを、有する。
この構成により、振動を増幅して、発電能力を高めることができる。
本発明の第11の発明に係る振動を利用する発電装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、特定施設は、トラックターミナル、バスターミナル、タクシーターミナル、駐車場、道路料金所および交差点の少なくとも一つである。
この構成により、車両が頻繁に通行する特定区画を有する施設での、電力コストを低減できる。また、これらの施設で不快でもあった振動を、電力に変換できるメリットもある。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
(特定施設と車両の関係)
本発明の振動を利用する発電装置(以下、必要に応じて「発電装置」と略す)は、車両が頻繁に通行する特定区画を備える特定施設における発電装置である。特定施設には、様々なものがある。例えば、特定施設としては、トラックターミナル、バスターミナル、タクシーターミナル、駐車場、道路料金所および交差点の少なくとも一つがある。もちろん、これらは一例であり、これら以外であって、車両が頻繁に通行する特定区画を備える施設であれば、本発明での特定施設である。
図1は、本発明の実施の形態1における特定施設の一例としてのタクシーターミナルの模式図である。車両100の一つであるタクシー110が、タクシーターミナル200に駐車している。図1のように、タクシーターミナル200には、多数のタクシー110が、駐車している。タクシーターミナル200に駐車しているタクシー110は、業務により、タクシーターミナル200から出ることも多く、タクシーターミナル200に戻ることも多い。
タクシーターミナル200には、このようなタクシー110が頻繁に通行する特定区画500がある。図1では、タクシーターミナル200の出入り口210が、特定区画500である。出入り口210は、タクシー110が出入りするために、頻繁にタクシー110が通行する場所である。
このため、特定区画500である出入り口210の地面には、頻繁に出入りするタクシー110の振動が加わっている。近年は、高齢化やインバウンドの増加に伴い、タクシー110の活用が高まっている。この高まりに合わせて、タクシーターミナル200の増加や、タクシーターミナル200の出入り口210を通行するタクシー110の数も増加している。すなわち、タクシーターミナル200は、特定施設の一例であり、出入り口210は、特定区画500である。この特定区画500は、タクシー110である車両100が頻繁に通行する。
図2は、本発明の実施の形態1における特定施設の一例としてのトラックターミナルを示す模式図である。トラックターミナル300には多数のトラック120が駐車している。トラック120は、車両100の一つである。トラックターミナル300に駐車している多数のトラック120は、配送などの業務のために、頻繁に出入りする。このとき、特定区画500としての出入り口310から、トラック120は、外部に出る。あるいは、出入り口310へ、トラック120は内部に入る。この出入りにより、特定区画500として出入り口310を、多数のトラック120が頻繁に通行する。
この頻繁な通行により、特定区画500としての出入り口310の地面へ、通過するトラック120からの振動が付与される。頻繁に通行することで、特定区画500の地面へ付与される振動の量は多い。
近年の通信販売やネット販売などの増加により、トラック輸送の量は劇的に増加している。また、トラック輸送の効率化のために、トラックターミナル300の整備および増加もなされている。このため、車両100であるトラック120が、頻繁に出入りする特定区画500も、増加している。この特定区画500においては、通行するトラック120による振動が多数付与されている。
もちろん、図2のトラックターミナル300は、バスターミナルとして把握されてもよいし、大型車両の駐車場や基地などとして把握されてもよい。
図1、図2に示されるように、車両100のターミナルにおいては、出入り口などにおいて車両100が頻繁に通行する特定区画500が備わっている。この特定区画500の地面には、通過する車両100による振動が、頻繁に加わっている。
図3は、本発明の実施の形態1における特定施設の一つである道路料金所の模式図である。道路料金所400は、例えば我が国であれば、ETCなどと呼ばれる自動料金所などである。もちろん、これら以外でもよい。
道路料金所400では、車両100が減速するものの一定の速度で通行する。特にETCなどでは、遅い速度とはいえ、車両100は、次々と通行していく。このような道路料金所400も、特定施設の一つである。特定区画500を多数の車両100が通過していく。このため、特定区画500の地面には、通行する多数の車両100の振動が加わる。
近年の自動車社会の発展、インバウンドの増加、旅行や自動車輸送の増加などから、道路料金所400を通過する車両100の数は増加している。また、ETCなどの自動料金所の増加や普及により、停止することなく走りながら道路料金所400を通過する車両100の数も増えている。
このため、このような道路料金所400の特定区画500においても、通行する多数の車両100による振動が加わっている。
もちろん、図1〜図3で示した例以外に、車両100が頻繁に通行する特定区画500を備える特定施設は多数存在する。また、同じ特定施設の中にも、複数のあるいは異なる態様の特定区画500が存在することもある。
このように、多数の車両100が頻繁に通行する特定区画500は、様々な場所に存在する。これらは、道路のような車両100が走行する場所ではなく、特定施設として建設された施設において備わっている。車両100が頻繁に通行することで、特定区画500の地面には、頻繁かつ大きな振動が加わっている状態となっている。この振動は、付与される間隔が短くかつ多数であるという特徴を有する。また、地面に加わるので、特定区画500での地面で、これらの頻発する多数の振動を拾うことができる。
(全体概要)
振動を利用する発電装置についての全体概要を説明する。図4は、本発明の実施の形態1における振動を利用する発電装置のブロック図である。発電装置1は、図1〜図3で説明した特定区画500を通行する車両100によって地面に加わる振動を利用する。このため、発電装置1は、特定区画500に備わればよい。振動を受けて発電するので、例えば、特定区画500の地下に埋設されて設けられてもよい。あるいは、特定区画500に近接して設けられてもよい。
発電装置1は、受圧部2、伝達部3、回転変換部4、タービン5を備える。
受圧部2は、特定区画500を通行する車両100による振動であって、上下方向の振動を受ける。図4では、特定区画500の地面を通行する車両100のタイヤ101によって振動が生じる。受圧部2は、この振動を受ける。例えば、受圧部2は、振動に敏感に反応する板状部材であり、上下振動を受ける。また、上下振動を受けて、この上下振動を伝達部3に伝える。
伝達部3は、受圧部2で受けた振動を振動圧力として伝達する。受圧部2で受ける振動は上下振動である。例えば、これを増幅するなどして振動圧力に変換する。あるいは、後述するように、ラックピニオンなどの直線歯車部材を用いて、上下振動を直線運動に変換する。この場合にも、上下振動が増幅された状態となる。これらによって、伝達部3は、受圧部2で受けた振動を、振動圧力に変換できる。
回転変換部4は、伝達部3が伝達する振動圧力を回転運動に変換する。例えば、振動圧力を回転歯車部材に供給して、回転歯車部材により回転運動に変換する。あるいは、バネにより、振動圧力を回転運動に変換する。回転運動に変換することで、回転軸を持った回転運動を生じさせることができる。
タービン5は、回転変換部4からの回転運動を受けて、動作する。タービン5は、一般に知られているように、回転運動における磁界と電界との関係から、電力を生成できる。すなわち、タービン5に回転運動が伝わることで、タービン5は、電力を生成して発電する。回転変換部4とタービン5とが回転軸で接続されていることで、回転変換部4からの回転が、タービン5内部での回転を生じさせればよい。
ここで、振動圧力は、下降方向における下降圧力と上昇方向における上昇圧力とを含む。回転変換部4は、下降圧力に基づいて回転運動を生じさせると共に、上昇圧力に基づいて回転運動を生じさせる。すなわち、回転変換部4は、上下振動を起点として生じる、上昇圧力と下降圧力(いずれも振動圧力に含まれる)の両方により、回転運動を生じさせる。
タービン5は、この上昇圧力と下降圧力の両方で生じる回転運動を受けて、磁界および電界での回転により電力を生成する。
以上のように、発電装置1は、特定区画500において生じる車両100からの振動に基づいて、電力を生成できる。
特定区画500は、図1〜図3で説明した特定施設に備わっている。これらの特定区画500を、様々な車両100が頻繁に通行する。道路などと異なり、時間間隔での通行の集中度も高く、加えて、通行する車両100のスピードも一定範囲に収まる。このため、同レベルの振動が短い間隔で長時間にわたって付与される場所となる。このような特定区画500での振動を拾えることで、特定施設において電力を生成できる。
特に、このような特定施設では、照明、エアコン、制御、その他において電力を必要とする。このため、この特定施設において電力を生成できることは、発電所からの送電と異なり、電力の生成と消費をほぼ同じ場所で行うことができる。すなわち、送電コストや送電ロスが少なくて済む。加えて、電力を必要とする特定施設における電力の一部を賄うこともできるので、省エネや環境保護が図られる。
特定区画500における振動は捨てられていたエネルギーである。発電装置1によって、この捨てられていたエネルギーが有効活用されて、特定施設で使用される電力の一部を賄うことができる。
次に、各部の詳細について説明する。
(受圧部)
受圧部2は、車両100が通行する(通過する)場所の地面に設置されればよい。図4においては、この形態が示されている。例えば、車両100のタイヤ101が通過する際の振動に敏感に反応する素材で形成されればよい。例えば、金属製あるいは合金製のように、剛性があることで、振動を受けやすい素材であればよい。
また、車両100の振動を受けやすいことに加えて、受けた振動を増幅しやすい素材や構造であることも好適である。例えば、金属製などであれば、タイヤ101からの振動に敏感に反応するので、受圧部2は、大きな上下振動を生じさせる。
また、受圧部2は、敏感に反応することでタイヤ101の通過により下降した受圧部2は、すぐに上昇する。受圧部2が、敏感に反応しつつ板状の部材であることで、タイヤ101の通過で、下降と上昇を繰り返す。この結果、受圧部2は、上昇方向の振動と下降方向の振動を生じさせる。この上下方向の振動のそれぞれを、受圧部2は、伝達部3に伝える。
受圧部2は、このように特定区画500を通行する車両100を受けて、振動を生じさせる。この振動を伝達部3を介して回転変換部4に伝える。
(伝達部)
伝達部3は、受圧部2での振動を回転変換部4に伝える。受圧部2では、上昇方向の振動と下降方向の振動があり、この上下方向の振動を伝達部3は、回転変換部4に伝える。
例えば、伝達部3は、上下運動可能なピストンのような部材であればよい。ピストン部材であることで、受圧部2を通行する車両100で受圧部2で生じた振動を、そのまま(場合によっては増幅して)、回転変換部4に伝えることができる。ピストン部材は、上下動作を行うからである。この上下動作が、伝達部3が回転変換部4に伝える振動圧力である。
あるいは、伝達部3は、油圧や水圧で動作する管路であってもよい。管路には油圧を伝える油分が充てんされている。この充てんされている油分が、受圧部2の振動を受けて、油圧を回転変換部4に伝える。この油圧が、回転変換部に伝わる振動圧力となる。もちろん、油圧以外でも、様々な液体が管路に充てんされていることで、伝達部3が構成されてもよい。この液体による圧力が、振動圧力として、伝達部3が、受圧部2での振動を、回転変換部4に伝えることができる。
受圧部2が、上向きの振動を伝達部3に付与すると、伝達部3には、受圧部2との接続部分から回転変換部4に向けて、上向きの振動圧力が伝達される。すなわち、上昇方向における上昇圧力が伝達される。
また、受圧部2が、下向きの振動を伝達部3に付与すると、伝達部3には、受圧部2との接続部分から回転変換部4に向けて、下向きの振動圧力が伝達される。すなわち、下降方向における下降圧力が伝達される。
受圧部2は、伝達部3と接続していることで、振動を付与できる。
(回転変換部)
回転変換部4には、伝達部3からの振動圧力が加わる。この振動圧力を用いて回転運動を生成する。振動圧力は、直線方向の運動力である。回転変換部4は、この直線方向の運動力を、回転運動に変換する。回転変換部4は、回転軸を備えておき、この回転軸に伝達部3からの振動圧力が付与される。この付与によって、回転軸が回転して、回転変換部4が、回転運動を生じさせる。
ここで、既述したように、振動圧力は下降方向の下降圧力と上昇方向の上昇圧力とを含む。このため、回転変換部4は、下降圧力および上昇圧力の両方に基づくことで、振動圧力の大半を回転運動に変換可能である。振動圧力の含む下降圧力のみあるいは上昇圧力のみを利用するのではなく、両方に基づいて回転運動を生じさせる。この結果、回転変換部4は、伝達部3から伝わる振動を、より十分に回転運動に変換できる。
また、回転変換部4は、図5のように直線運動生成部材42と回転運動生成部41とから構成されることもよい。図5は、本発明の実施の形態1における回転変換部の内部ブロック図である。
直線運動生成部材42は、伝達部3から伝わる振動圧力である下降圧力および上昇圧力のそれぞれにより、直線方向に基準位置を移動させる直線歯車を備える。直線方向の基準位置が移動することで、図6のように回転部材である回転運動生成部41の回転が生じる。
図6は、本発明の実施の形態1における回転変換部の一例を示す構成図である。
直線運動生成部材42は、直線歯車422を備えている。下降圧力および上昇圧力は、この直線歯車422を直線方向に動かす。これにより、直線運動生成部材42は、直線方向での基準位置を移動させる。この移動を生じさせることで、直線歯車422により回転力を受ける回転運動生成部41が回転するようになる。
すなわち、回転運動生成部41は、直線運動生成部材42と連結して回転する。加えて、直線運動生成部材42における基準位置の移動量に応じて回転を行う。この移動量に応じた回転により、特定区画500で生じる個々の振動に時間差がある場合でも、回転運動生成部41での回転運動の生成を平均化できる。
特に、直線運動生成部材42は、振動圧力の内、下降圧力および上昇圧力の両方を受けて、基準位置を移動させていく。両方の振動圧力を受けるので、直線運動生成部材42の基準位置の変化は、より大きくかつスムーズに進んでいく。受圧部2の構成や素材によっては、下降圧力が上昇圧力よりも大きいことがある。この場合には、下降圧力がより優勢な状態で、直線運動生成部材42の基準位置を変化させていく。
この基準位置の変化が、直線歯車422による回転運動生成部41を回転させる。これが、回転変換部4としての回転運動を生じさせて、タービン5での回転を生じさせる。
図6の矢印Cのように、直線運動生成部材42は、基準位置を変化させつつ移動する。この移動量が、図6の矢印Dのように、回転運動生成部41を回転させる。移動量が大きいほど、また移動の間隔が短いほど、回転運動生成部41の回転がより大きくなる。
受圧部2での振動は、特定区画500を通行する車両100によって発生する。受圧部2は、車両100の重量を受けて下方に下がる振動と、車両100の通過を受けて反発する上方へ上がる振動との2つを有している。この下方への振動による下降圧力と上方への上昇圧力が、伝達部3を介して、回転変換部4に伝わっている。これによって、回転変換部4での回転運動が効率よく生じる。
(タービン)
タービン5は、回転変換部4からの回転運動を受ける。例えば、回転変換部4の回転軸とタービン5の回転軸とが連結されている。この回転軸の連結により、タービン5の回転(タービン5内部での回転部材の回転)を実現できる。タービン5は、磁界と電界との回転運動により、電力を生成できる。この結果、タービン5は、電力を生成できる。
このように、特定区画500では、特定施設の性質上で多数の車両100が頻繁に通行する。また特定区画500は、特定施設の特定の場所であり、車両100の通行が集中する場所である。このような特定区画500においては、頻繁な車両100の通行によって、振動が地面に生じている。
車両100の一つ一つの振動は小さくても、その頻度が大きいことで、特定区画500においては、恒常的に何らかの振動が発生している状態である。発電装置1は、この特定区画500での振動エネルギーを電力として生成できる。特定区画500を備える特定施設は、その場で電力を必要とする場所であり、発電装置1で発電された電力は、特定施設でそのまま利用できる。このため送電コストや送電ロスが低減できる。
以上のように、実施の形態1における発電装置1は、特定施設で捨てられていた振動エネルギーを電力に変換できる。更に、そのままその特定施設での電力の一部として利用できる。
特に、上述したように、トラックターミナル、バスターミナル、タクシーターミナル、駐車場、道路料金所および交差点などは、特定区画500を備えている。また、これらの特定施設は、その施設の中に、発電装置1を設置して発電された電力を利用できる。このような特定施設で捨てられていた車両100の振動エネルギーを発電して、環境負荷やコストを低減できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、追加的な工夫やバリエーションなどについて説明する。
(受圧部)
図7は、本発明の実施の形態2における発電装置のブロック図である。
同じ要素を有しているが、受圧部2のバリエーションが示されている。受圧部2は、既述したように、特定区画500を通行する車両100の振動を受ける。
図7では、受圧部2は、特定区画500の地面に設置されている受け板21と、受け板が受ける振動を増加する弾性体22を備える。受け板21は、地面に設置されて、車両100に接触する。この接触により、受け板21は、上下に振動する。弾性体22は、受け板21と連結されており、連結によって振動を増幅する。弾性体22は、その弾性力によって、受け板21で発生する振動を増幅して、伝達部3につたえることができる。
伝達部3は、弾性体22によって増幅された振動を受けて、振動圧力として回転変換部4に伝達できる。この振動圧力は、上述の通り、受け板21と弾性体22との組み合わせによって増幅されているので、回転変換部4での回転運動を増強できる。
(主回転部と補助回転部)
図8は、本発明の実施の形態2における発電装置の一部のブロック図である。回転変換部4およびタービン5との部分を示している。図8においては、回転変換部4は、回転運動生成部41、モーター歯車43、主回転部44、補助回転部45を備えている。また、モーター歯車43と主回転部44を回転連結する連結ベルト46も備えている。
回転運動生成部41は、伝達部3からの振動圧力を受けて回転運動を生成する。図6で説明したような、直線運動からの回転運動を生成する構成でもよいし、その他の構成で、回転運動生成部41は、回転運動を生成してもよい。また、回転運動生成部41は、モーターとしての機能を有しており、モーターとしての回転を行う。振動圧力に基づいて、回転運動生成部41は、モーターとしての回転を生じさせる。
回転運動生成部41は、回転軸411を有している。回転運動生成部41が回転することで、この回転軸411も当然に回転する。モーター歯車43は、この回転軸411に接続されている。この接続により、回転軸411の回転に合せてモーター歯車43も回転する。すなわち、モーター歯車43は、回転運動生成部41の回転に合せて回転する。
主回転部44は、連結ベルト46で、モーター歯車43と接続される。連結ベルト46が、モーター歯車43と主回転部44とを接続する。更に、この連結ベルト46は、モーター歯車43の回転を、主回転部44に伝達する。結果として、回転運動生成部41での回転運動が、主回転部44を回転させる。
主回転部44は、その回転軸である主回転軸441を備える。主回転軸441は、主回転部44の回転軸に設けられ、主回転部44の回転に応じて回転する。この主回転軸441は、タービン5に接続している。タービン5は、主回転軸441の回転を受けて、磁界と電界の交差による発電を行う。
すなわち、発電装置1は、基本的にこの主回転部44の回転によって回転する主回転軸441により、タービン5で電力を生成する。この主回転部44の回転の元は、受圧部2での振動であり、伝達部3からの振動圧力である。これにより、主回転部44が回転して、タービン5での発電が実現される。主回転部44が回転して主回転軸441が回転する。この主回転軸441は、タービン5を回転させて電力生成を行うからである。
また、補助回転部45は、主回転部44の回転を受けて回転する。主回転部44は、タービン5への主回転軸441だけでなく、補助回転部45への主回転軸441も有する。この結果、補助回転部45も、回転運動生成部41からの回転を受けて、主回転部44と同様に回転するようになる。
すなわち、振動圧力を受けて回転運動生成部41が回転運動を行う。この回転運動により、主回転部44は、主回転を行う。主回転は、回転運動生成部41から伝わる回転により生じる回転運動である。
一方、補助回転部45は、主回転部44の主回転を受けて、回転を開始する。この開始された回転がそのまま回転運動として持続して、自己回転を生じさせる。すなわち、回転運動生成部41で生じた回転運動は、主回転部44での主回転と、補助回転部45での自己回転を生じさせる。回転運動生成部41は、そもそも、伝達部3を通じて伝達された振動圧力である下降圧力と上昇圧力で回転運動を生成する。すなわち、下降圧力と上昇圧力は、主回転部44での主回転と補助回転部45での自己回転を生じさせる。
補助回転部45は、主回転部44の回転を受けて回転を始めて、これを自己回転として回転運動を持続させる役割を担う。このように、タービン5を直接的に回転させて発電につなげる主回転部44が回転する中で、この主回転を受けた補助回転部45は、自己回転を維持する。
補助回転部45による自己回転は、主回転部44を加重回転させる。この加重回転によって、主回転部44の回転運動が増強される。この加重回転によって、主回転部44は、回転運動生成部41からの回転伝達で回転するよりも、高い回転数で回転する。すなわち、伝達部3から伝達される下降圧力および上昇圧力そのもので生じる回転数よりも高い回転数で、主回転部44は、回転する。
このように、補助回転部45によって加重回転された高い回転数で、主回転部44は、回転するようになる。この高い回転数での回転を、タービン5に伝達して、タービン5での回転量を高めることができる。この結果、振動圧力そのものよりも高い回転量で、タービン5での回転を生じさせて、タービン5での発電能力を高めることができる。
このように、主回転部44に補助回転部45が連結されていることで、主回転部44での回転量が高まり、発電能力が高まる。
主回転部44は、主回転部44そのものの回転である主回転および補助回転部45から受ける加重回転の少なくとも一方に基づいて、補助回転部45を回転させる。すなわち、補助回転部45は、自己回転により主回転部44に加重回転を与える。これに対応して、主回転部44は、補助回転部45を回転させる。相互に回転を伝え合う関係であることで、主回転部44と補助回転部45とは、相互に相手の回転を維持する。
この相互の回転維持により、補助回転部45は、主回転部44への加重回転を維持できる。一方で、荷重回転によってより回転する主回転部45は、その主回転を維持しつつ、補助回転部45から受ける加重回転で、高い回転数を維持できる。
これらによって、結果的には主回転部44の回転量が増加および維持されて、タービン5での発電能力を高めることができる。これは、受圧部2で受ける振動そのものからの発電能力を超えることができる。
このように、回転変換部4が、図8のような構成を有することで、発電装置1の発電能力を高めることができる。
(フライホイール)
また、補助回転部45は、図9のようにフライホイール48を更に備えることも好適である。図9は、本発明の実施の形態2におけるフライホイールを備える回転変換部の周辺のブロック図である。
図9のような構成により、補助回転部45と連結されるフライホイール48には、主回転部44からの回転が伝わる。すなわち、主回転部44の回転が、補助回転部45とフライホイール48とを回転させる。
フライホイール48は、その特性上、補助回転部45からの回転が伝わって回転を始めると、自己回転を生じさせる。この自己回転は、自己回転力が途切れるまで続く。この自己回転力が途切れるまでは、主回転部44の回転が弱まるタイミングも含む。この主回転部44の回転が弱まるタイミングにおいても、フライホイール48は自己回転を継続する。フライホイール48が自己回転を継続すれば、これを含む補助回転部45は、自己回転を継続する。
この構成により、フライホイール48は、補助回転部45の回転を持続させやすくなる。この結果、補助回転部45が主回転部44を回転させる加重回転を更に促進できる。主回転部44の主回転は、更に増加されて、発電能力が高まっていく。
このフライホイール48により主回転部44の回転量を増加させることが更に促進される。補助回転部45が、フライホイール48を備えることのメリットである。
なお、実施の形態〜2で説明された振動を利用する発電装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 振動を利用する発電装置
2 受圧部
3 伝達部
4 回転変換部
5 タービン
41 回転運動生成部
42 直線運動生成部材
442 直線歯車
43 モーター歯車
44 主回転部
45 補助回転部
46 連結ベルト
48 フライホイール

Claims (11)

  1. 車両が頻繁に通行する特定区画を備える特定施設における発電装置であって、
    前記特定区画において通行する車両による振動であって上下方向の振動を受ける受圧部と、
    前記受圧部に接続されて、前記受圧部での振動を受けて振動圧力として伝達する伝達部と、
    前記伝達部が伝達する前記振動圧力を回転運動に変換する回転変換部と、
    前記回転変換部での回転運動を受けて動作するタービンと、を備え、
    前記振動圧力は、下降方向における下降圧力と上昇方向における上昇圧力とを含み、
    前記回転変換部は、前記下降圧力に基づいて回転力を生じさせると共に、前記上昇圧力に基づいて回転運動を生じさせ、
    前記タービンは、前記回転運動を受けて電力を生成して、前記特定区画において生じる振動に基づいて電力を生成する、振動を利用する発電装置。
  2. 前記回転変換部は、前記下降圧力および前記上昇圧力との両方に基づくことにより、前記振動圧力の大半を回転運動に変換可能である、請求項1記載の振動を利用する発電装置。
  3. 前記回転変換部は、
    前記振動圧力をうけて回転する回転運動生成部と、
    前記回転運動生成部の回転軸に接続されて、前記回転運動生成部の回転に合わせて回転するモーター歯車と、
    前記モーター歯車と接続されて、前記モーター歯車の回転の伝達により回転する主回転部と、
    前記主回転部の回転を受けて回転する補助回転部と、を有し、
    前記主回転部の主回転軸は、前記タービンに接続しており、前記主回転部の回転により前記主回転軸は前記タービンを回転させ、
    前記補助回転部は、前記主回転部の回転に基づいて回転を開始した後で、自己回転を生じさせ、
    前記回転運動生成部は、前記下降圧力および前記上昇圧力により回転する、請求項1または2記載の振動を利用する発電装置。
  4. 前記補助回転部は、前記自己回転により、前記主回転部を加重回転させる、請求項3記載の振動を利用する発電装置。
  5. 前記加重回転により、前記主回転部は、前記下降圧力および上昇圧力そのもので生じる回転数よりも高い回転数で、回転する、請求項4記載の振動を利用する発電装置。
  6. 前記主回転部は、前記主回転部での主回転および前記加重回転の少なくとも一方に基づいて、前記補助回転部を回転させ、
    前記補助回転部は、前記自己回転に基づいて、前記主回転部を、前記加重回転により回転させ、
    前記主回転部と前記補助回転部は、相互に相手の回転を維持する、請求項4または5記載の往復運動を利用する発電装置。
  7. 前記補助回転部は、フライホイールを備える、請求項3から6のいずれか記載の振動を利用する発電装置。
  8. 前記回転変換部は、前記下降圧力および前記上昇圧力のそれぞれにより、直線方向に基準位置を移動させる直線歯車を有する直線運動生成部材を更に備え、
    前記回転運動生成部は、前記直線運動生成部材と連結して回転し、
    前記回転運動生成部は、前記直線運動生成部材における基準位置の移動量に応じて回転を行い、
    この移動量に応じた回転により、前記区画で生じる個々の振動に時間差がある場合でも、前記直線運動生成部材は、前記回転運動生成部での回転に必要な運動量を一時蓄積できる、請求項3から7のいずれか記載の振動を利用する発電装置。
  9. 前記振動は、前記特定区画を通行する車両によって発生する、請求項1から8のいずれか記載の振動を利用する発電装置。
  10. 前記受圧部は、前記特定区画における地面に設置されて前記車両の接触を受ける受け板と、前記受け板の振動圧力を増加する弾性体とを、有する、請求項9記載の振動を利用する発電装置。
  11. 前記特定施設は、トラックターミナル、バスターミナル、タクシーターミナル、駐車場、道路料金所および交差点の少なくとも一つである、請求項1から10のいずれか記載の振動を利用する発電装置。
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