JP2020167399A - 発光装置 - Google Patents

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【課題】発光装置を提供する。【解決手段】第一発光素子11を備える第一光源101と、第二発光素子12と第二蛍光体72を備える第二光源102との混色光を出射する発光装置100であって、CIE1931表色系の色度図において、第一光源は、x,yが0.280,0.070の第一の点と、0.280,0.500の第二の点とを結ぶ第一の直線と、第二の点と、x,yが0.013,0.500の第三の点とを結ぶ第二の直線と、第一の点からxの値の小さい方に延びる純紫軌跡と、第三の点から色度座標におけるyの値の小さい方に延びるスペクトル軌跡で画定された領域内の光を発し、第一発光素子の最大の発光ピーク波長の発光強度に対する波長490nmの発光強度の発光強度比が0.22以上0.95以下であり、第二光源は、相関色温度が1500K以上8000K以下の範囲内にて黒体放射軌跡からの色偏差duvが−0.02以上0.02以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置に関する。
発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下、「LED」と略称する。)のような発光素子を用いる発光装置として、青色に発光する発光素子と、発光素子からの光に励起されて黄色系の発光する蛍光体を用いて白色系の混色光を発光する発光装置が知られている。このような発光装置は、一般照明、車載照明、ディスプレイ、液晶用バックライト等の幅広い分野で使用されている。
ところで、緯度が高く日照時間が比較的少ない地域(例えば、日本国外では北欧や北米、日本国内では東北地方など。)においては睡眠障害や鬱病を発症する確率が高くなる傾向にあることが報告されている。
日照時間の少ない地域において睡眠障害や鬱病を発症する確率が高くなる要因の一つとして、サーカディアンリズムの乱れが関係していると考えられている。サーカディアン(Circadian)とは、ラテン語で「約」を表す「Circa」と「1日」を表す「Dies」を連ねた造語であって、「概日リズム」を意味する。ヒトが1日周期で目覚めたり眠たくなるのは、外界の明るさや暗さの変化による外的環境因子の影響よりも身体の中にある体内時計が働いているからである。ヒトの睡眠や体温リズム周期は約25時間と1日より少し長いが、通常の生活では外部環境の変化が刺激となり、体内時計の位相を補正することで同調している。その同調因子として、生物は光を利用しており、25時間周期のヒトは朝に浴びる光で位相を前進させて同調し、23時間周期のハツカネズミの系統では日没前に浴びる光で位相を後退させて同調している。つまり、光をトリガーとした体内時計のコントロールはサーカディアンリズムを形成する上で非常に重要である。
また、2002年には哺乳類の網膜上に、杆体や錐体とは別の新たな光受容体が発見され、内因性光感受性網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive Retinal Ganglion Cell:ipRGC)と名付けられている。ipRGCは、メラノプシンという視物質を有しており、サーカディアンリズムの光同調や瞳孔反射のような非視覚的な機能に関与することが明らかにされている。ipRGCは、視交叉上核に直接投与することで、光信号を与える細胞である。視交叉上核とは、脳の視床下部にある非常に小さい領域で哺乳類のサーカディアンリズムを統率する体内時計の役割を担っており、約20000個の神経細胞によって、睡眠、覚醒、血圧、体温、ホルモン分泌など様々な生理機能のサーカディアンリズムを作りだしている。つまり、ipRGCの内因性光応答のコントロールはサーカディアンリズムを形成する上で非常に重要である。
ipRGCが有するメラノプシンは、網膜神経節細胞のうち1%から2%程度にあたる細胞で光受容タンパク質を発現している。その他の大多数の網膜神経節細胞は光感受性を持たない。その光受容物質は細胞によって吸収特性が異なることが知られており、メラノプシンであれば480nmから490nm付近にピーク波長がある。また錐体が有するオプシンは、S錐体が440nm付近、M錐体が535nm付近、L錐体が565nm付近、杆体が有するロドプシンは、507nm付近にピーク波長がある。
メラノプシンは、睡眠促進ホルモンであるメラトニンの分泌又は抑制にも関与しているとされ、例えばipRGCへの刺激量が増えることによってメラトニンの分泌が抑制されると考えられている。メラトニンは夜間に分泌ピークを示し、メラトニンが分泌されることでヒトは眠たくなり、睡眠が促進される。例えば、一日の多くを人工光のもとで過ごす室内執務者の場合には、その浴びる光は非常に重要な要素となる。つまり、ヒトのサーカディアンリズム形成をサポートする光とするためには、活動時間帯に応じた光を浴びるべきであり、朝から正午付近にかけてはメラトニン分泌が抑制される光、夕方から日没にかけてはメラトニン分泌が促進される光が好ましいと考えられる。
近年、人を中心とした照明であるヒューマン・セントリック・ライティング(Human Centric Lighting:HCL)の思想が広く普及し始めている。HCLは、照明の明るさや色の調整により、照明などの人工光で過ごすヒトの集中力を高めたり、サーカディアンリズムを改善することを目指している。建築物内で働く人の健康に焦点を当てたWELL認証(Well Building Standard)は、環境・エネルギー性能とともに、ヒトの健康を評価するビルの新しい認証制度であり、運営をIWBI(International WELL Building Institute)が行い、GBCI(Green Business Certification Incorporated)が認証業務を行う。このWELL認証においては、サーカディアンリズムに配慮した照明とすることが認証の必須項目に挙げられている。その中では、サーカディアンリズムに影響する明るさの定量的単位として、等価メラノピック(Melanopic)照度が用いられている。等価メラノピック照度では、執務空間の75%以上かつ1日4時間以上の条件を満たした上で、鉛直面の等価メラノピック照度が250ルクス以上となるように要求されている。等価メラノピック照度は、下記式(1)によって求められる。また、等価メラノピック照度の算出には、光源の分光分布から求めるメラノピック比(Melanopic Ratio)が必要であり、下記式(2)によって求められる。
式(2)中、用語「Lamp」は、光源の分光分布を示す。式(2)中、用語「Circadian」は、哺乳類の網膜にある光受容体であるipRGCの感度曲線(吸光度)を表す。式(2)中、用語「Visual」は、ヒトの明所視における視感度曲線を表す。
メラノピック比を求めるための、光源の分光分布に含まれるサーカディアン作用曲線にはipRGCのメラノプシン(サーカディアン:Circadian)応答が使用される。また、視感度(Visual)曲線にはヒトの視感度応答が使用される。結果として、メラノピック比が高い値を示すほどサーカディアンリズムを強く刺激できる分光分布であると判断できる。
ヒトのサーカディアンリズムの形成をサポートする人工光として、LED調色調光照明がある。このLED調色調光照明は、黒体放射軌跡周辺で異なる色調を発光するLEDを、それぞれ制御し、混色光を得ることで、色温度変化(調色)と明るさ変化(調光)を可能にした照明装置である。このような照明装置は、調色とともにメラノピック比も変化するが、それは色温度変化に応じた波長成分割合の変化にすぎず、例えば光色が白色となるような高色温度においてはメラノピック比が低い。ここで、メラノピック比は480nmから490nm付近の成分の影響を受けることから、照明装置から発せられる光の演色性が高くなるにつれて、メラノピック比は高くなる傾向にはあるが、演色性が高くなることのトレードオフとして発光効率が低下する傾向にある。そこで、サーカディアンリズムに配慮した照明とするためには、調色時、サーカディアンリズムに応じたメラノピック比のコントロールと、メラノピック比がコントールされた際の発光効率の維持の両立が必要となる。
例えば、特許文献1には、出射光の色度を調整できる発光装置及び照明装置として、黒体放射上に位置する色度を有する白色光と、発光素子から出射される青色の単色光による組み合わせた発光装置が提案されている。
特開2018−129492号公報
しかしながら、黒体放射軌跡周辺かつ色調の異なるLEDによる従来の調色調光照明では、メラノピック比のコントロールと発光効率の維持の両立が困難である。青色の単色光によって色度を調整する場合、色温度はほぼ同じままで色偏差が変更されるため、調整後の色度は黒体放射から大きくずれたものとなる。サーカディアンリズムに配慮した照明とするためには、前提として太陽光の経時変化を再現する必要があるため、調色時に得られる色度は黒体放射軌跡周辺にあることが望ましく、青色の単色光では調色時の色度に課題がある。さらには調色に応じてメラノピック比を効果的に調整するには、組み合わせる光源に波長480nmから490nmの発光成分を含んでいることが望ましく青色の単色光ではその効果が十分ではない。また、色度が調整される方向が色偏差のマイナス方向である場合は、分光分布から視感度成分が少なくなるため、発光効率は低下する。
本発明の一態様は、サーカディアンリズムに配慮したメラノピック比のコントロールと発光効率の維持の両立を可能とする発光装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、410nm以上490nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第一発光素子を備える第一光源と、410nm以上460nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第二発光素子と、第二蛍光体と、を備える第二光源とを備え、前記第一光源は、CIE1931表色系の色度図において、色度座標におけるxが0.280及びyが0.070である第一の点と、色度座標におけるxが0.280及びyが0.500である第二の点と、を結ぶ第一の直線と、前記第二の点と、色度座標におけるxが0.013及びyが0.500である第三の点と、を結ぶ第二の直線と、前記第一の点から色度座標におけるxの値の小さい方に延びる純紫軌跡と、前記第三の点から色度座標におけるyの値の小さい方に延びるスペクトル軌跡で画定された領域内の光を発し、発光スペクトルにおいて、前記第一発光素子の最大の発光ピーク波長における発光強度IPLに対する、波長490nmにおける発光強度IPMの発光強度比IPM/IPLが、0.22以上0.95以下の範囲内であり、前記第二光源は、CIE1931表色系の色度図において、相関色温度が1500K以上8000K以下の範囲内であるとき、JIS Z8725に準拠して測定される黒体放射軌跡からの色偏差duvが−0.02以上0.02以下の範囲内である光を発し、前記第一光源から発する光と前記第二光源から発する光との混色光を出射する、発光装置である。
「純紫軌跡」は、赤色と紫色の両端スペクトルの間に形成された色度図の両端を結ぶ軌跡である。純紫軌跡上の色は、単色光では存在しない色(赤ないし赤紫)であり、混色によって作られる色である。「スペクトル軌跡」は、色度図上で単色(純粋)光の色度点を結んで得られる曲線をいう。CIE表色系の色度図は、国際照明委員会(CIE:Commission Internationale de l’Eclairage)が規定した。
第一発光素子及び第二発光素子について、全方位積分球を用いて測定した発光スペクトルを測定し、その発光スペクトル中で最も高い発光強度を示す波長を発光ピーク波長とする。第一発光素子の発光ピーク波長における発光強度を発光強度IPLとする。
発光装置について、分光蛍光光度計を用いて発光スペクトルを測定し、発光スペクトルにおける波長490nmの発光強度を発光強度IPMとする。
発光装置の発光色の色度座標(色度x、y)は、マルチチャンネル分光器と積分球を組み合わせた光計測システムを用いて測定する。
第二光源について、マルチチャンネル分光器と積分球を組み合わせた光計測システムを用いて、発光色の色度座標(色度x、y)、JIS Z8725に準拠した相関色温度(Tcp;K)及び黒体放射軌跡からの色偏差duv、並びにJIS Z8726に準拠して平均演色評価数Raを測定した。
本発明の一態様によれば、サーカディアンリズムに配慮したメラノピック比のコントールと、発光効率の維持の両立を可能とする発光装置を提供することができる。
図1は、発光装置の一例を示す概略断面図である。 図2は、CIE1931表色系の色度図の一部を示し、第一光源の発光領域LSaと、黒体放射軌跡(duvが0)と、各相関色温度における黒体放射軌跡からの色偏差duvが−0.02、duvが−0.01、duvが0.01、duvが0.02である軌跡とを示す図である。 図3は、発光装置の別の一例を示す概略断面図である。 図4は、実施例1に係る発光装置から出射される混色光の相関色温度が6500K、5000K、4000K、3000K、2700Kにおけるそれぞれの発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。 図5は、実施例2に係る発光装置から出射される混色光の相関色温度が6500K、5000K、4000K、3000K、2700Kにおけるそれぞれの発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。 図6は、比較例1に係る発光装置から出射される混色光の相関色温度が6500K、5000K、4000K、3000K、2700Kにおけるそれぞれの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。 図7は、実施例3に係る発光装置から出射される混色光の相関色温度が6500K、5000K、4000K、3000K、2700Kにおけるそれぞれの発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。 図8は、比較例2に係る発光装置から出射される混色光の相関色温度が6500K、5000K、4000K、3000K、2700Kにおけるそれぞれの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。 図9は、実施例4に係る発光装置から出射される混色光の相関色温度が6500K、5000K、4000K、3000K、2700Kにおけるそれぞれの発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。 図10は、比較例3に係る発光装置から出射される混色光の相関色温度が6500K、5000K、4000K、3000K、2700Kにおけるそれぞれの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。 図11は、実施例5に係る発光装置から出射される混色光の相関色温度が6500K、5000K、4000K、3000K、2700Kにおけるそれぞれの発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。 図12は、実施例6に係る発光装置から出射される混色光の相関色温度が6500K、5000K、4000K、3000K、2700Kにおけるそれぞれの発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。 図13は、比較例4に係る発光装置から出射される混色光の相関色温度が6500K、5000K、4000K、3000K、2700Kにおけるそれぞれの発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。 図14は、比較例5に係る発光装置から出射される混色光の相関色温度が6500K、5000K、4000K、3000K、2700Kにおけるそれぞれの発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。
以下、本発明に係る発光装置を一実施形態に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は、以下の発光装置に限定されない。なお、色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。
発光装置は、410nm以上490nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第一発光素子を備える第一光源と、410nm以上460nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第二発光素子と、第二発光素子により励起されて発光する第二蛍光体とを備える第二光源とを備える。第一光源は、CIE1931表色系の色度図において、色度座標におけるxが0.280及びyが0.070である第一の点と、色度座標におけるxが0.280及びyが0.500である第二の点とを結ぶ第一の直線と、第二の点と、色度座標におけるxが0.013及びyが0.500である第三の点とを結ぶ第二の直線と、第一の点から色度座標におけるxの値の小さい方に延びる純紫軌跡と、第三の点から色度座標におけるyの値の小さい方に延びるスペクトル軌跡で画定された領域(以下、「第一光源の発光領域LSa」とも称する。)内の光を発する。「純紫軌跡」は、赤色と紫色の両端スペクトルの間に形成された色度図の両端を結ぶ軌跡である。純紫軌跡上の色は、単色光では存在しない色(赤ないし赤紫)であり、混色によって作られる色である。「スペクトル軌跡」は、色度図上で単色(純粋)光の色度点を結んで得られる曲線をいう。CIE表色系の色度図は、国際照明委員会(CIE:Commission Internationale de l’Eclairage)が規定した。さらに、発光装置の発光スペクトルにおいて、第一発光素子の最大の発光ピーク波長における発光強度IPLに対する、波長490nmにおける発光強度IPMの発光強度比IPM/IPLが、0.22以上0.95以下の範囲内である。第二光源は、CIE1931表色系の色度図において、相関色温度が1500K以上8000K以下の範囲内であるとき、JIS Z8725に準拠して測定される黒体放射軌跡からの色偏差duvが−0.02以上0.02以下の範囲内である光を発する。発光装置は、第一光源から発する光と第二光源から発する光との混色光を出射する。
第一発光素子及び第二発光素子について、全方位積分球を用いて測定した発光スペクトルを測定し、その発光スペクトル中で最も高い発光強度を示す波長を発光ピーク波長とする。第一発光素子の発光ピーク波長における発光強度を発光強度IPLとする。
発光装置について、分光蛍光光度計を用いて発光スペクトルを測定し、発光スペクトルにおける波長490nmの発光強度を発光強度IPMとする。
発光装置の発光色の色度座標(色度x、y)は、マルチチャンネル分光器と積分球を組み合わせた光計測システムを用いて測定する。
第二光源について、マルチチャンネル分光器と積分球を組み合わせた光計測システムを用いて、発光色の色度座標(色度x、y)、JIS Z8725に準拠した相関色温度(Tcp;K)及び黒体放射軌跡からの色偏差duv、並びにJIS Z8726に準拠して平均演色評価数Raを測定した。
本発明の一実施態様の発光装置の一例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施態様の発光装置100を示す概略断面図である。
発光装置100は、410nm以上490nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第一発光素子11を覆う被覆部材50を備える第一光源101と、410nm以上460nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第二発光素子12と、第二発光素子12からの光により励起されて発光する第二蛍光体72を含む蛍光部材52を備える第二光源102とを備える。発光装置100は、第一光源101及び第二光源102を配置する基体103を備える。本明細書において、第二光源102に含まれる蛍光体を第二蛍光体72と称する。後述するように、第一光源101に含まれる蛍光体を第一蛍光体71と称する。
第一光源101及び第二光源102は、それぞれ成形体41,42と、第一発光素子11又は第二発光素子12とを備える。各成形体41,42は、それぞれ第一リード21,22と、第二リード31,32を備え、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含む樹脂部43,44とが一体的に成形されてなるものである。各成形体41,42は底面と側面を持つ凹部を形成しており、凹部の底面に第一発光素子11又は第二発光素子12が載置されている。第一発光素子11又は第二発光素子12はそれぞれ一対の正負の電極を有しており、その一対の正負の電極は第一リード21,22及び第二リード31,32とそれぞれワイヤ61,62を介して電気的に接続されている。第一発光素子11又は第二発光素子12は、それぞれ被覆部材50又は蛍光部材52より被覆されている。被覆部材50は、封止材料を含む。蛍光部材52は、第二発光素子12からの光を波長変換する第二蛍光体72と封止材料を含む。第一蛍光体71又は第二蛍光体72は、第一発光素子11又は第二発光素子12からの光により励起されて特定の波長範囲に少なくとも一つの発光ピーク波長を有し、発光ピーク波長の波長範囲の異なる2種以上の蛍光体が含まれていてもよい。第一リード21,22及び第二リード31,32を介して、外部から電力の供給を受けて第一光源101及び第二光源102を発光させ、第一光源101及び第二光源102から発する光の混色光を発光装置100から出射させることができる。
第一発光素子11及び第二発光素子12は、励起光源として用いられる。第一発光素子11は、410nm以上490nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する。なお、第一光源101に備えられる第一発光素子11は、複数の発光素子としてもよく、複数の発光素子が、それぞれ上記波長の範囲内に発光ピーク波長を有し、それらが互いに異なる発光ピーク波長を有していてもよい。第二発光素子12は、410nm以上460nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する。なお、第二光源102に備えられる第二発光素子12は、複数の発光素子としてもよく、複数の発光素子が、それぞれ上記波長の範囲内に発光ピーク波長を有し、それらが互いに異なる発光ピーク波長を有していてもよい。第一発光素子11及び第二発光素子12の発光スペクトルの半値幅は、例えば30nm以下でもよく、25nm以下でもよく、20nm以下でもよい。なお、半値幅は、発光スペクトルにおける発光ピークの半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)をいい、各発光スペクトルにおける発光ピークの最大値の50%の値を示す発光ピークの波長幅をいう。第一発光素子11及び第二発光素子12は、例えば、窒化物系半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた半導体発光素子であることが好ましい。第一発光素子11及び第二発光素子12として、半導体発光素子を用いることによって、高効率であり、入力に対するリニアリティが高く、機械的衝撃にも強い安定した第一光源101及び第二光源102を備えた発光装置を得ることができる。
図2は、CIE1931表色系の色度図における、第一光源101がの発光領域LSaを示す。第一光源101は、CIE1931表色系の色度図において、色度座標における第一の点(x=0.280、y=0.070)と第二の点(x=0.280、y=0.500)を結ぶ第一の直線と、第二の点(x=0.280、y=0.500)と第三の点(x=0.013、y=0.500)を結ぶ第二の直線と、第一の点(x=0.280、y=0.070)から色度座標におけるxの小さい方に延びる純紫軌跡と、第三の点(x=0.013、y=0.500)からyの小さい方に延びるスペクトル軌跡で画定された領域である第一光源の発光領域LSa内の光を発する。第一光源101が、第一光源の発光領域LSa内の光を発することによって、波長480nmから490nmの波長範囲内の発光成分を含む光を発光装置から出射することができ、所望の色温度となるような調色に応じて、メラノピック比を効果的に調整することができ、サーカディアンリズムに配慮した照明とすることができる。本明細書において、メラノピック比に影響する波長480nmから490nmの発光成分をサーカディアン(Circadian)成分という場合がある。第一の点として、好ましくはxが0.270及びyが0.063であり、より好ましくはxが0.260及びyが0.059である。第二の点として、好ましくはxが0.270及びyが0.490であり、より好ましくはxが0.260及びyが0.480である。第三の点として、好ましくはxが0.014及びyが0.490であり、より好ましくはxが0.015及びyが0.480である。
第一光源の色度座標における発光領域LSaとして、好ましい範囲は、第一の点(x=0.270、y=0.063)と第二の点(x=0.270、y=0.490)を結ぶ第一の直線と、第二の点(x=0.270、y=0.490)と第三の点(x=0.014、y=0.490)を結ぶ第二の直線と、第一の点(x=0.270、y=0.063)から色度座標におけるxの小さい方に延びる純紫軌跡と、第三の点(x=0.014、y=0.490)からyの小さい方に延びるスペクトル軌跡で画定された領域である。
第一光源の色度座標における発光領域LSaとして、より好ましい範囲は、第一の点(x=0.260、y=0.059)と第二の点(x=0.260、y=0.480)を結ぶ第一の直線と、第二の点(x=0.260、y=0.480)と第三の点(x=0.015、y=0.480)を結ぶ第二の直線と、第一の点(x=0.260、y=0.059)から色度座標におけるxの小さい方に延びる純紫軌跡と、第三の点(x=0.015、y=0.480)からyの小さい方に延びるスペクトル軌跡で画定された領域である。
第一光源101は、発光装置の発光スペクトルにおいて、第一光源101から発せられる光に起因する、第一発光素子11の最大の発光ピーク波長における発光強度IPLに対する、波長490nmにおける発光強度IPMの発光強度比IPM/IPLが0.22以上0.95以下の範囲内である。波長490nmの光は、メラトニンの分泌に影響するipRGCのメラノプシンに関与する光であり、発光スペクトルにおいて、波長490nmの発光強度をメラノピック(Melanopic)発光強度IPMと称する場合もある。発光装置の発光スペクトルにおいて、第一発光素子11の最大の発光ピーク波長における発光強度にIPLに対して、メラノピック発光強度IPMの発光強度比IPM/IPLが0.22以上0.95以下の範囲内であると、ipRGCのメラノプシン(Circadian)応答が使用されたサーカディアン作用曲線に近い発光スペクトルを得ることができ、ヒトのサーカディアンリズムに応じてメラノピック比をコントロールすることができる。さらに発光装置は、第一光源101から発せらる光と第二光源102から発せられる光によって、所望の発光効率も維持した混色光を得ることができる。発光装置の発光スペクトルにおいて、発光強度比IPM/IPLが0.22以上0.95以下の範囲内であると、第一光源からの光と第二光源からの光によって調色され、相関色温度が4000K以上8000K以下となる場合に、例えば第二光源同士からの光によって調色された場合のメラノピック比を100%とした場合に、相対的に1%以上35%以下の範囲内でメラノピック比を高くすることができ、ヒトのサーカディアンリズムを刺激するメラノピック比をコントロールすることができる。発光装置の発光スペクトルにおいて、発光強度比IPM/IPLは、好ましくは0.25以上0.90以下の範囲内であり、より好ましくは0.29以上0.85以下の範囲内であり、さらに好ましくは0.30以上0.82以下の範囲内であり、特に好ましくは0.35以上0.80以下の範囲内である。
発光強度IPMは、ipRGCのメラノプシン応答が使用されたサーカディアン作用曲線の最大の発光ピーク波長である490nmにおける発光強度(メラノピック発光強度)を表す。発光強度IPLは、励起光源の最大の発光ピーク波長となる発光強度を表す。発光強度比IPM/IPLは、励起光源の発光強度IPLに対するメラノピック発光強度IPMの比を表す。発光強度比IPM/IPLが0.22未満であると、励起光源の発光強度に対するメラノピック発光強度が小さすぎて、発光装置は、ヒトのサーカディアンリズムに応じてメラノピック比をコントロールすることができない。発光強度比IPM/IPLが0.95を超えると、励起光源の発光強度に対するメラノピック発光強度が大きすぎて、ヒトのサーカディアンリズムに応じてメラノピック比をコントロールすることができない。
図2は、CIE1931表色系の色度図における、黒体放射軌跡と、黒体放射軌跡からの偏差である色偏差duvが−0.02以上0.02以下の範囲を示す。第二光源は、CIE1931表色系の色度図において、相関色温度が1500K以上8000K以下の範囲内であるとき、JIS Z8725に準拠して測定される黒体放射軌跡からの色偏差duvが−0.02以上0.02以下の範囲内である光を発する。第二光源から発する光が、JIS Z8725に準拠して測定される黒体放射軌跡からの色偏差duvが−0.02以上0.02以下の範囲内であれば、ヒトの視感度応答に影響する視感度成分の光が減少することなく、ヒトの視感度応答が使用される視感度曲線に近い発光スペクトルを得ることができる。また、第二光源から発せられる光が、黒体放射軌跡からの色偏差duvが−0.02以上0.02以下の範囲内であると、メラノピック比に影響する第一光源からの光との混色光によって、サーカディアンリズムに応じてメラノピック比をコントロールすることができ、発光効率を維持した混色光が得られる。第二光源は、CIE1931表色系の色度図において、相関色温度が1500K以上8000K以下の範囲内であるときに、JIS Z8725に準拠して測定される黒体放射軌跡からの色偏差duvが−0.01以上0.01以下の範囲内である光を発してもよい。
発光装置は、相関色温度が1500K以上8000K以下の範囲内であり、発光装置から出射される混色光の平均演色評価数Raが70以上であることが好ましく、より好ましくは平均演色評価数Raが75以上である。発光装置の平均演色評価数Raは、100以下である。発光装置の平均演色評価数Raは、JIS Z8726に準拠して測定することができる。発光装置の平均演色評価数Raは、100に近づくほど、基準光源に近似した発光色を得ることができる。第一光源から波長480nmから490nmのサーカディアン成分を含む光が発せられ、分光分布が基準光源に近くなるため、発光装置は、平均演色評価数を比較的高くすることができる。第一光源からの光と第二光源からの光の混色光によって調色することなく、例えば単一の光源において蛍光体等の種類を変化させて相関色温度が4000K以上8000K以下の範囲内となる光を得る場合において、波長480nmから490nmのサーカディアン成分の光を含む光源を用いた場合は、平均演色評価数Raはわずかに増加するが、ある点を基準として逆に低下する傾向がある。これは波長480nmから490nmのサーカディアン成分の光を多く含む光源のみを用いた単一の光源の場合は、発光装置から得られる発光スペクトルとしての色バランスが崩れてしまうからである。また、波長480nmから490nmのサーカディアン成分を多く含む光源のみでは、視認性が低下する傾向があり、一般的な照明用途には使用し難い。CIEの1986年に公表された指針によれば、蛍光ランプが具備すべき平均演色評価数は、一般作業を行う工場では60以上80未満とされている。所望の色温度となるような調色に応じて、メラノピック比を効果的に調整することができ、サーカディアンリズムに配慮した照明とするために、第一光源から発せられる光と第二光源から発せられる光の混色光は、平均演色評価数Raは、95以下であってもよい。
第一光源101は、第一発光素子11より励起されて発光する第一蛍光体71を備えることが好ましい。図3は、本発明の他の実施態様の発光装置200を示す概略断面図である。他の実施態様を示す発光装置200は、発光装置100に対して、第一光源101が、被覆部材50の代わりに、第一蛍光体71を含む蛍光部材51を備えてる点が相違し、その他は共通する。第一光源101は、410nm以上490nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第一発光素子11により励起されて発光する第一蛍光体71を含む蛍光部材51を備えることが好ましい。第一光源101が、第一蛍光体71を備えることによって、第一光源101から特定の発光領域LSaの光を発するように調整しやすく、第一光源から発せられる光をと第二光源から発せられる光によって、所望の相関色温度の光を発するように調色されるときに、所望の発光効率を維持しながら、サーカディアンリズムに配慮してメラノピック比をコントールできる混色光が得やすくなる。
第一光源101に含まれる第一蛍光体71は、440nm以上526nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する、以下の(A1)、(A2)、(A3)及び(A4)の蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種からなる蛍光体Aであることが好ましく、二種以上の蛍光体が含まれてもよい。第一光源101に含まれる第一蛍光体71は、少なくとも以下の(A1)アルカリ土類金属アルミン酸塩からなる蛍光体を含むことがより好ましい。第一光源101に含まれる第一蛍光体71が、440nm以上526nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有すると、発光強度IPMの低下を抑制できる。
(A1)発光スペクトルにおける半値幅が、好ましくは58nm以上78nm以下の範囲内であり、より好ましくは63nm以上73nm以下の範囲内である、Euで賦活されたアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体。
(A2)発光スペクトルにおける半値幅が、好ましくは50nm以上75nm以下の範囲内であり、より好ましくは50nm以上60nm以下の範囲内である、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、Mgと、F、Cl及びBrからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、を組成に有し、Euで賦活されたケイ酸塩蛍光体。
(A3)発光スペクトルにおける半値幅が、好ましくは50nm以上75nm以下の範囲内であり、より好ましくは58nm以上68nm以下の範囲内である、Ba、Sr及びCaからなる群から選択される少なくとも一種の元素を組成に有し、Euで賦活されたケイ酸塩蛍光体。
(A4)発光スペクトルにおける半値幅が、好ましくは90nm以上115nm以下の範囲内であり、より好ましくは95nm以上110nm以下の範囲内である、Y、Gd、Tb及びLuからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素と、Alと、必要に応じてGaと、を組成に有し、Ceで賦活された希土類アルミン酸塩蛍光体。
半値幅(Full Width at Half Macimum:FWHM)は、蛍光体の発光スペクトルにおける発光ピークの最大値の50%の値を示す発光ピークの波長幅をいう。
第一光源101に、第一蛍光体71として、(A1)、(A2)、(A3)及び(A4)の蛍光体からなる群から選択される蛍光体が含まれることによって、第一光源から発せられる光と第二光源から発せられる光によって、所望の相関色温度の光を発するように調色されたときに、発光装置から得られる混色光の色度が、黒体放射軌跡に近く、色偏差duvが−0.02以上0.02以下の範囲内であり、所望の発光効率を維持しながら、サーカディアンリズムに配慮してメラノピック比をコントールできる混色光が得られる。例えば、相関色温度が低く、相関色温度が3000K付近から2700K付近にかけては、夕方から日没にかけての光に近くなり、メラトニンの分泌が促進されやすいように、メラノピック比の値が低い発光スペクトルを有する混色光が発光装置から得られることが好ましい。一方、相関色温度が3000K超えて6500K付近の場合には、朝から正午付近にかけての太陽光に近くなり、メラトニンの分泌が抑制されやすいように、サーカディアンリズムを刺激する、メラノピック比の値が高い発光スペクトルを有する混色光が発光装置から得られることが好ましい。
第一光源101に含まれる第一蛍光体71は、下記式(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)示される組成を有する蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種の蛍光体であることがさらに好ましく、二種以上を併用してもよい。第一光源101に、式(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)で示される組成を有する蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種の蛍光体を第一蛍光体71を含むことにより、波長480nmから490nmのサーカディアン成分を多く含む光が得られ、第一光源101から発せられる光と、第二光源102から発せられる光により、平均演色評価数Raが70以上となる混色光が得られる。
SrAl1425:Eu (a1)
(Ca,Sr,Ba)MgSi16(F,Cl,Br):Eu (a2)
(Ca,Sr,Ba)SiO:Eu (a3)
(Y,Gd,Tb,Lu)(Al,Ga)12:Ce (a4)
ここで、蛍光体の組成を示す組成式中、カンマ(,)で区切られて記載されている複数の元素は、これら複数の元素のうち少なくとも一種の元素を組成中に含むことを意味し、前記複数の元素から二種以上を組み合わせて含んでいてもよい。また、本明細書において、蛍光体の組成を示す式中、コロン(:)の前は母体結晶を構成する元素及びそのモル比を表し、コロン(:)の後は賦活元素を表す。「モル比」は、蛍光体の組成の1モル中の元素のモル量を表す。
第一光源101に含まれる第一蛍光体71の量は、第一光源101と組み合わせる第二光源102の第二発光素子12の波長範囲、及び第二蛍光体72の種類、発光装置200の大きさによって異なる。第一光源101に含まれる第一蛍光体71の量は、第一光源101から発せられる光が、第一光源の発光領域LSa内であり、発光装置200の発光スペクトルにおいて、第一発光素子11の最大の発光ピーク波長IPLに対する波長490nmにおける発光強度IPMの発光強度比IPM/IPLが0.22以上0.95以下の範囲内となる量であればよい。
第二光源102に含まれる第二蛍光体72は、601nm以上650nm未満の範囲内に発光ピーク波長を有する第二蛍光体72B及び650nm以上670nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第二蛍光体72Cから選択された少なくとも一種と、440nm以上600nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第二蛍光体72A’と、を含むことが好ましい。第二蛍光体72は、それぞれ発光ピーク波長の波長範囲が異なる第二蛍光体72A’と、第二蛍光体72B及び第二蛍光体72Cからなる群から選択される二種以上の蛍光体と、を含んでもよく、三種の蛍光体を含んでもよい。第二光源102に、このように蛍光体が含まれていると、所望の相関色温度に調光した白色光を第二光源102から発することができ、この第二光源102から発せられる光と、第一光源101から発せられる光とによって、所望の発光効率を維持しながら、サーカディアンリズムに配慮してメラノピック比をコントールできる混色光を得ることができる。
第二蛍光体72の中で、440nm以上600nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第二蛍光体72A’は、以下の(A1)、(A2)、(A3)及び(A4)の蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、二種以上の蛍光体が含まれてもよい。第二蛍光体72の中で、440nm以上600nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第二蛍光体72A’は、第一光源101に含まれる第一蛍光体71と同種の蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種の蛍光体を含んでいてもよい。440nm以上600nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第二蛍光体72A’は、第一蛍光体71と同種の蛍光体であってもよく、第一蛍光体71と異種の蛍光体であってもよい。
(A1)発光スペクトルにおける半値幅が、好ましくは58nm以上78nm以下の範囲内であり、より好ましくは63nm以上73nm以下の範囲内である、Euで賦活されたアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体。
(A2)発光スペクトルにおける半値幅が、好ましくは50nm以上75nm以下の範囲内であり、より好ましくは50nm以上60nm以下の範囲内である、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、Mgと、F、Cl及びBrからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、を組成に有し、Euで賦活されたケイ酸塩蛍光体。
(A3)発光スペクトルにおける半値幅が、好ましくは50nm以上75nm以下であり、より好ましくは58nm以上68nm以下の範囲内である、Ba、Sr及びCaからなる群から選択される少なくとも一種の元素を組成に有し、Euで賦活されたケイ酸塩蛍光体。
(A4)発光スペクトルにおける半値幅が、好ましくは90nm以上115nm以下の範囲内であり、より好ましくは95nm以上110nm以下の範囲内である、Y、Gd、Tb及びLuからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素と、Alと、必要に応じてGaと、を組成に有し、Ceで賦活された希土類アルミン酸塩蛍光体。
第二蛍光体72の中で、601nm以上650nm未満の範囲内に発光ピーク波長を有する第二蛍光体72Bは、以下の(B1)、(B2)及び(B3)の蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種の蛍光体であることが好ましく、二種以上の蛍光体が含まれてもよい。
(B1)発光スペクトルにおける半値幅が、好ましくは65nm以上100nm以下の範囲内であり、より好ましくは70nm以上95nm以下の範囲内である、Sr及びCaからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、Alと、を組成に有し、Euで賦活されたシリコンナイトライド蛍光体。
(B2)発光スペクトルにおける半値幅が、好ましくは80nm以上100nm以下の範囲内であり、より好ましくは85nm以上95nm以下の範囲内である、Euで賦活されたアルカリ土類金属シリコンナイトライド蛍光体、及び
(B3)発光スペクトルにおける半値幅が、好ましくは10nm以下であり、通常1nm以上である、Mnで賦活されたフッ化物蛍光体。
第二蛍光体72の中で、650nm以上680nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第二蛍光体72Cは、以下の(C1)及び(C2)の蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種の蛍光体であることが好ましく、二種が含まれてもよい。
(C1)発光スペクトルにおける半値幅が、好ましくは45nm以下であり、より好ましくは40nm以下であり、通常1nm以上である、Mnで賦活されたフルオロジャーマネート蛍光体。
(C2)発光スペクトルにおける半値幅が、好ましくは40nm以上70nm以下の範囲内であり、より好ましくは45nm以上65nm以下の範囲内である、Ca、Sr、Ba及びMgからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、Li、Na及びKからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、Alと、を組成に有し、Euで賦活されたアルカリナイトライド蛍光体。
第二蛍光体72が、第二蛍光体72A’と、第二蛍光体72B及び第二蛍光体72Cから選択される少なくとも一種を含み、第二蛍光体72A’が、下記式(a1)で示される組成を有するアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、下記式(a2)で示される組成を有するケイ酸塩蛍光体、下記式(a3)で示される組成を有するケイ酸塩蛍光体、及び下記式(a4)で示される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましく、二種以上であってもよい。
SrAl1425:Eu (a1)
(Ca,Sr,Ba)MgSi16(F,Cl,Br):Eu (a2)
(Ca,Sr,Ba)SiO:Eu (a3)
(Y,Gd,Tb,Lu)(Al,Ga)12:Ce (a4)
第二蛍光体72Bが、下記式(b1)で示される組成を有するシリコンナイトライド蛍光体、下記式(b2)で示される組成を有するアルカリ土類金属シリコンナイトライド蛍光体、及び下記式(b3)で示される組成を有するフッ化物蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましく、二種以上であってもよい。
(Ca,Sr)AlSiN:Eu (b1)
(Ca,Sr,Ba)Si:Eu (b2)
(Si,Ge,Ti)F:Mn (b3)
第二蛍光体72Cが、下記式(c1)で示される組成を有するフルオロジャーマネート蛍光体、及び下記式(c2)で示される組成を有するアルカリナイトライド蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましく、二種以上であってもよい。
3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn (c1)
(Sr,Ca)(Li,Na,K)Al:Eu (c2)
第二光源102に含まれる第二蛍光体72の量は、組み合わせて用いる第一光源101の第一発光素子11の種類、第一蛍光体71の種類、発光装置100、200の大きさによって異なる。第二光源102に含まれる第二蛍光体72の量は、第二光源102から発せられる光が、相関色温度が1500K以上8000K以下の範囲内であるときに、JIS Z7825に準拠して測定される黒体放射軌跡からの色偏差duvが−0.02以上0.02以下の範囲内となる量であればよい。
第一光源101に含まれる第一蛍光体71、又は第二光源102に含まれる第二蛍光体72は、それぞれ蛍光部材51,52に含まれる。蛍光部材51,52は、それぞれ第一蛍光体71又は第二蛍光体72と、封止材料を含むものであることが好ましい。被覆部材50、蛍光部材51、及び蛍光部材52に含まれる封止材料は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂から選ばれる樹脂を用いることができる。製造の容易であることから、封止材料として用いられる樹脂は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。被覆部材50、蛍光部材51、及び蛍光部材52は、第一蛍光体又は第二蛍光体及び封止材料の他に、フィラー、光安定剤、着色剤等の成分を含んでいてもよい。フィラーとしては、例えばシリカ、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等を挙げることができる。被覆部材50、蛍光部材51、及び蛍光部材52中の、第一蛍光体、第二蛍光体及び封止材料以外の成分の含有量は、目的とする発光装置の大きさ、目的とする混色光の相関色温度、混色光の色偏差duv、混色光の色調によって異なり、目的とする相関色温度、色偏差duv、色調に基づいて、好適範囲に設定することができる。例えば、被覆部材50、蛍光部材51、及び蛍光部材52中の蛍光体及び封止材料以外の成分の含有量は、封止材料100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下の範囲内とすることができる。
発光装置100、200は、複数の第一光源101と、複数の第二光源102を備えていてもよい。発光装置100、200は、第一光源101の光出力と、第二光源102の光出力とをそれぞれ独立して制御し、所望の色温度に調色に制御できる制御部と、所望の調色に設定できる設定部とを連動させることができる駆動回路と、外部から電力の供給を受ける電源とを備えた駆動装置を備えることが好ましい。このような駆動装置を備えた発光装置として、既に知られている手法、例えば特開2012−113959号公報に開示される手法を利用することができる。第一光源101からの光出力と、第二光源102からの光出力をそれぞれ独立して制御する駆動装置を備えることで、発光装置100、200は、低い色温度から高い色温度の所望の色温度、所望の色度の混色光を出射することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
図3に示す発光装置200と同様の発光装置を製造した。
実施例1:第一発光素子11及び第二発光素子12
発光装置200の第一光源101における第一発光素子11と、第二光源102における第二発光素子12として、発光ピーク波長が446nmである窒化物半導体を用いた。
第一発光素子11及び第二発光素子12の発光ピーク波長は、全方位積分球を使用して発光スペクトルを測定し、発光スペクトルの最大の発光強度を示す波長を発光ピーク波長とした。
実施例1:蛍光部材51,52に用いる封止材料
第一光源101における蛍光部材51、及び第二光源102における蛍光部材52の封止材料として、シリコーン樹脂を用いた。
実施例1:第一蛍光体71
第一光源101に含まれる第一蛍光体71は、第一発光素子11から発せられる光に励起されて495nmに発光ピーク波長を有し、SrAl1425:Euで示される組成を有し、半値幅が68nmである、(A1)アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体(以下、「SAE蛍光体」とも称する。)を用いた。第一光源101に含まれる第一蛍光体71の量は、第一光源101から発せられる光が、CIE1931表色系の色度図において、x=0.149、y=0.234となる量を用いた。また、第一光源101に含まれる第一蛍光体71の量は、発光装置200の発光スペクトルにおいて、第一発光素子11の最大の発光ピーク波長IPLに対する波長490nmにおける発光強度IPMの発光強度比IPM/IPLが0.22以上0.95以下の範囲内となる量を用いた。
実施例1:第二蛍光体72
第二光源102に含まれる第二蛍光体72は、以下に説明するように、第二蛍光体A’として二種の蛍光体と、第二蛍光体Bとして一種の蛍光体を用いた。第二蛍光体A’として、第二発光素子12から発せられる光に励起されて533nmに発光ピーク波長を有し、YAl12:Ceで示される組成を有し、半値幅が108nmである、(A4−1)希土類アルミン酸塩蛍光体(以下、「YAG蛍光体」とも称する。)と、第二発光素子12から発せられる光に励起されて538nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が105nmである、(A4−2)LuAl12:Ceで示される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体(以下、「LAG蛍光体」とも称する。)を用いた。第二蛍光体Bとして、第二発光素子12から発せられる光に励起されて630nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が81nmである(B1)(Sr,Ca)AlSiN:Euで示される組成を有するシリコンナイトライド蛍光体(以下、「SCASN蛍光体」とも称する。)を用いた。第二蛍光体72は、第二光源102から発せられる光の相関色温度が2700K付近、JIS Z8725に準拠して測定される黒体放射軌跡からの色偏差duvが0付近、又は、duvが−0.02以上0.02以下の範囲内となり、第一光源101から発せられる光及び第二光源102から発せられる光の混色光の平均演色評価数Raが75以上となる量を用いた。
実施例1:第一光源101
封止材料であるシリコーン樹脂と第一蛍光体71とを混合し、シリコーン樹脂に第一蛍光体71を分散させて蛍光部材用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、第一光源101を構成する成形体41の凹部内に充填し、150℃で3時間加熱して、樹脂組成物を硬化させ、蛍光部材51を形成し、第一光源101を製造した。
第一光源について、マルチチャンネル分光器と積分球を組み合わせた光計測システムを用いて、発光色の色度座標(色度x、y)を測定した。
実施例1:第二光源102
封止材料であるシリコーン樹脂と第二蛍光体72を混合し、シリコーン樹脂に、第二蛍光体72を分散させて蛍光部材用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、第二光源102を構成する成形体42の凹部内に充填し、150℃で3時間加熱して、樹脂組成物を硬化させ、蛍光部材52を形成し、第二光源102を製造した。
第二光源について、マルチチャンネル分光器と積分球を組み合わせた光計測システムを用いて、発光色の色度座標(色度x、y)、JIS Z8725に準拠した相関色温度(Tcp;K)及び黒体放射軌跡からの色偏差duv、並びにJIS Z8726に準拠して平均演色評価数Raを測定した。
実施例1:発光装置200
得られた第一光源101及び第二光源102を用いて、発光装置200を製造した。発光装置200は、第一光源101からの光出力の制御と、第二光源102からの光出力の制御によって、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近の混色光が得られるように複数の第一光源101及び複数の第二光源102を用いた。発光装置200は、第一光源101の光出力と、第二光源102の光出力とを制御し、所望の色温度に調色に制御できる制御部と、所望の調色に設定できる設定部と連動させることが可能であり、第一光源101からの光出力と、第二光源102からの光出力を制御することで、所望の色温度及び色度の混色光を出射することができる。
評価
発光スペクトル(分光分布)、発光強度比
各実施例及び各比較例の発光装置から発せられる混色光の発光スペクトル(分光分布)を分光蛍光光度計(製品名:F−4500、日立ハイテクノロジーズ株式会社製)を用いて測定した。発光装置の発光スペクトルにおいて、第一発光素子11の最大の発光ピーク波長における発光強度IPLに対する、波長490nmにおける発光強度IPMの発光強度比IPM/IPLを求めた。 発光強度IPMは、ipRGCのメラノプシン応答が使用されたサーカディアン作用曲線の最大の発光ピーク波長である490nmにおける発光強度(メラノピック発光強度)を表す。発光強度IPLは、励起光源の最大の発光ピーク波長となる発光強度を表す。発光強度比IPM/IPLは、励起光源の発光強度IPLに対するメラノピック発光強度IPMの比を表す。
発光効率(lm/W)、色度(x、y)、相関色温度、平均演色評価数Ra
各実施例及び比較例の発光装置について、マルチチャンネル分光器と積分球を組み合わせた光計測システムで、光源から得られる全光束(lm)を投入した電力量で除することで発光効率(lm/W)、発光色の色度座標(色度x、y)、JIS Z8725に準拠して相関色温度(Tcp;K)、JIS Z8726に準拠して平均演色評価数Ra、特殊演色評価数R9、R12を測定した。特殊演色評価数R9、R12は、それぞれ赤色と青色を評価する演色性指標である。なお、発光装置の計測にかかる投入電流は、発光装置の定格順電流とするため65mAであり、そのときの順電圧は2.89Vであった。
メラノピック比
各実施例及び各比較例の発光装置から出射される混色光が、サーカディアンリズムに影響を与える刺激量の大小を評価するために、得られた発光スペクトルから、下記式(2)により、メラノピック比を求めた。比較例1の発光装置から出射される、各相関色温度における光のメラノピック比を100%として、各実施例及び比較例1以外の各比較例のメラノピック比の各相関色温度におけるメラノピック比を相対メラノピック比として表した。
式(2)中、用語「Lamp」は、光源の分光分布を示す。式(2)中、用語「Circadian」は、哺乳類の網膜にある光受容体であるipRGCの感度曲線(吸光度)を表す。式(2)中、用語「Visual」は、ヒトの明所視における視感度曲線を表す。
メラノピック発光効率
各実施例及び各比較例の発光装置から出射される混色光が、一定の消費電力に対して、どの程度サーカディアンリズムに影響を与えるかを評価するために、下記式(3)に示すとおり、メラノピック比と発光効率(lm/w)の積によって求められるメラノピック発光効率を求めた。比較例1の発光装置から出射される、各相関色温度における光のメラノピック発光効率を100%として、各実施例及び比較例1以外の各比較例の各相関色温度におけるメラノピック発光効率を相対メラノピック発光効率として表した。
表1は、実施例1に係る発光装置の第一光源及び第二光源の設定色温度、発光素子、第一蛍光体又は第二蛍光体、CIE1931表色系の色度図の座標x及びy、色偏差、平均演色評価数を示した。表2は、実施例1に係る発光装置の評価結果を示した。
実施例1に係る発光装置は、第一光源から発せられる光と、第二光源から発せられる光とを調色した混色光の色温度が、それぞれ3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近となるとき、比較例1に係る発光装置に比べて、色温度が高くなるにつれて、相対メラノピック比が9%から35%まで高くなり、相対メラノピック発光効率も5%から16%まで高くなる。この結果から、相関色温度が3000Kから6500Kの朝から正午付近にかけて太陽光に近い相関色温度の場合には、メラトニンの分泌が抑制されるように、サーカディアンリズムを刺激する、メラノピック比が高い値になるようにコントールすることができた。また、実施例1に係る発光装置から出射される混色光は、発光強度比IPM/IPLが0.79と高く、メラノピック比に影響する波長480nmから490nmのサーカディアン成分を多く含んでいた。また、実施例1に係る発光装置は、2700K付近から6500K付近と、すなわち、朝から正午付近への色温度へと調色されていくにつれ、平均演色性Ra、特殊演色性R9、及び特殊演色性R12の値が高くなり、人間が一般作業を行う視環境における十分な演色性を有していた。特に3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近では、実施例1に係る発光装置から出射される混色光の平均演色性Raが85以上であり、例えば勉強や読書、執務作業など、日中に生産活動を行う場合のヒトの環境光として特に適した混色光が得られた。例えば5000K付近や6500K付近は、基準光源として太陽光の発光スペクトルが用いられており、実施例1に係る発光装置は、発光装置から太陽光に近似した混色光が得られていることが確認でき、サーカディアンリズムに配慮した照明として適していた。
図4は、実施例1に係る発光装置の相関色温度が2700K付近、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近における発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。実施例1に係る発光装置の発光スペクトルにおいて、2700K付近から6500K付近へと相関色温度が高くなるように調色された混色光は、波長480nmから490nmのサーカディアン成分が増加している。このように、実施例1に係る発光装置は、サーカディアンリズムに刺激を与えるように、メラノピック比が高い値になるようにコントロールすることができた。
実施例2
第二光源102に用いる第二蛍光体72として、557nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が111nmである、(A4)YAG蛍光体と、620nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が75nmである、(B1)SCASN蛍光体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置200を製造した。
表3は、実施例2に係る発光装置に用いた第一光源及び第二光源の設定色温度、発光素子、第一蛍光体又は第二蛍光体、CIE1931表色系の色度図の座標x及びy、色偏差、平均演色評価数を示した。表4は、実施例2に係る発光装置の評価結果を示した。
実施例2に係る発光装置は、第一光源から発せられる光と、第二光源から発せられる光とを調色した混色光の色温度がそれぞれ、4000K付近、5000K付近、6500K付近となるとき、比較例1に係る発光装置に比べて、色温度が高くなるにつれて、相対メラノピック比が15%から31%まで高くなり、相対メラノピック発光効率も14%から20%まで高くなった。この結果から、相関色温度が4000Kから6500Kの朝から正午付近にかけて太陽光に近い相関色温度の場合には、メラトニンの分泌が抑制されるように、サーカディアンリズムを刺激するように、メラノピック比が高い値になるようにコントールすることができた。実施例2に係る発光装置から得られる混色光は、3000K付近から2700K付近の夕方から日没にかけての光に近い相関色温度となるときは、睡眠を促すメラトニンの分泌が促進されやすようにメラノピック比の値が低い発光スペクトルが得られており、サーカディアンリズムに配慮した照明として適していた。また、実施例2に係る発光装置から出射される混色光は、発光強度比IPM/IPLが0.79と高く、メラノピック比に影響する波長480nmから490nmのサーカディアン成分を多く含んでいた。また、実施例2に係る発光装置は、2700K付近から6500K付近と、朝から正午付近への色温度に調色されていくにつれ、平均演色性Ra、特殊演色性R9、及び特殊演色性R12の値が高くなり、ヒトが一般作業を行う視環境における十分な演色性を有していた。
図5は、実施例2に係る発光装置の相関色温度が2700K付近、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近における発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。実施例2に係る発光装置の発光スペクトルにおいて、2700K付近から6500K付近へと相関色温度が高くなるように調色された混色光は、波長480nmから490nmのサーカディアン成分が増加している。このように、実施例2に係る発光装置は、サーカディアンリズムに刺激を与えるようにメラノピック比をコントロールすることができた。
比較例1
第一光源101を用いることなく、相関色温度を2700K付近に設定した実施例1と同様の一つの第二光源102(以下、「2700K第二光源」とも称する。)と、相関色温度を6500K付近に設定した他の一つの第二光源102(以下、「6500K第二光源」とも称する。)の二つの第二光源102を用いて発光装置を製造した。
比較例1:6500K第二光源102
6500K第二光源102は、第二発光素子12として、発光ピーク波長が446nmである窒化物半導体を用いた。蛍光部材52の封止材料として、シリコーン樹脂を用いた。6500K第二光源102に含まれる第二蛍光体72は、第二蛍光体A’として、533nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が108nmである、(A4−1)YAG蛍光体と、538nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が105nmである、(A4−2)LAG蛍光体の二種を用い、第二蛍光体Bとして、630nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が63nmである、(B1)SCASN蛍光体を用いた。第二蛍光体72は、第二光源102から発せられる光の相関色温度が6500K付近、JIS Z8725に準拠して測定される色偏差duvが0付近となり、2700K第二光源102から発せられる光と、6500K第二光源102から発せられる光との混色光の平均演色評価数Raが85以上となる量を用いた。
比較例1:発光装置
得られた2700K第二光源102及び6500K第二光源102の二つの第二光源を用いて、発光装置を製造した。発光装置は、2700K第二光源102からの光出力の制御と、6500K第二光源102からの光出力の制御とによって、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近の混色光が得られるように複数の2700K第二光源102及び複数の6500K第二光源102を用いた。発光装置は、2700K第二光源102の光出力と、6500K第二光源102の光出力とを制御し、所望の色温度に調色に制御できる制御部と、所望の調色に設定できる設定部と連動させることが可能であり、2700K第二光源102からの光出力と、6500K第二光源102からの光出力を制御することで、所望の色温度及び色度の混色光を出射することができる。発光装置は、相関色温度が2700K付近の低い色温度に設定された2700K第二光源102から相関色温度が2700Kの低い色温度の光を出射することができ、6500K第二光源102から相関色温度が6500K付近の高い色温度の光を出射することができ、2700K第二光源102の光出力及び6500K第二光源102の光出力を制御することによって、低い色温度から高い色温度までの黒体放射軌跡上を含む黒体放射軌跡からの色偏差duvが−0.02以上0.02以下の範囲内の混色光を出射することができる。
表5は、比較例1に係る発光装置に用いた2700K第二光源及び6500K第二光源の設定色温度、発光素子、第一蛍光体又は第二蛍光体、CIE1931表色系の色度図の座標x及びy、色偏差、平均演色評価数を示した。表6は、比較例1に係る発光装置の評価結果を示した。
比較例1に係る発光装置は、2700K第二光源から発せられる光と、6500K第二光源から発せられる光とを調色した混色光が得られる。比較例1に係る発光装置における各相関色温度におけるメラノピック比及びメラノピック発光効率が、実施例及び比較例1以外の比較例に係る発光装置の各相関色温度におけるメラノピック比及びメラノピック発光効率の基準となる。比較例1に係る発光装置から出射される混色光は、発光強度比IPM/IPLが0.19と低く、メラノピックに影響する波長480nmから490nmのサーカディアン成分が少ない。比較例1に係る発光装置は、2700K付近から6500K付近と、朝から正午付近への色温度に調色されても、平均演色評価数Raは大きく変化せず、6500K付近では、平均演色評価数Raは低くなった。
図6は、比較例1に係る発光装置の相関色温度が2700K付近、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近における発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。比較例1に係る発光装置の発光スペクトルにおいて、2700K付近から6500K付近へと相関色温度が高くなるにつれて、サーカディアンリズムを刺激する波長480nmから490nmのサーカディアン成分の発光スペクトルはわずかに高くなる傾向がある。しかし、比較例1に係る発光装置は、実施例1に係る発光装置と比べて、サーカディアン成分が少なく、サーカディアンリズムに配慮した照明としては適していない。
実施例3
第一光源101に用いる第一蛍光体71として、第一発光素子11から発せられる光に励起されて510nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が55nmである、(A2)CaMg(SiO)C1:Euで示される組成を有するクロロシリケート蛍光体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置200を製造した。
表7は、実施例3に係る発光装置に用いた第一光源及び第二光源の設定色温度、発光素子、第一蛍光体又は第二蛍光体、CIE1931表色系の色度図の座標x及びy、色偏差、平均演色評価数を示した。表8は、実施例3に係る発光装置の評価結果を示した。
実施例3に係る発光装置は、第一光源から発せられる光と、第二光源から発せられる光とを調色した混色光の色温度が、それぞれ4000K付近、5000K付近、6500K付近となるとき、比較例1に係る発光装置に比べて、色温度が高くなるにつれて、相対メラノピック比が10%から19%まで高くなり、相対メラノピック発光効率も2%から8%まで高くなった。この結果から、相関色温度が4000Kから6500Kの朝から正午付近にかけて太陽光に近い相関色温度の場合には、メラトニンの分泌が抑制されるように、サーカディアンリズムを刺激する、メラノピック比が高い値になるようにコントールすることができた。また、実施例3に係る発光装置から出射される混色光は、発光強度比IPM/IPLが0.31と比較的高く、メラノピック比に影響する波長480nmから490nmのサーカディアン成分を多く含んでおり、サーカディアンリズムに配慮した照明として適していた。また、実施例3に係る発光装置は、4000K付近から6500K付近と、朝から正午付近への色温度に調色されていくにつれ、平均演色性Ra、特殊演色性R9、及び特殊演色性R12の値が高くなり、特に平均演色評価数Raが85以上である。このように、実施例3に係る発光装置は、例えば勉強や読書、執務作業など、日中の生産活動を行う場合のヒトの環境光として特に適していた。
図7は、実施例3に係る発光装置の相関色温度が2700K付近、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近における発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。実施例3に係る発光装置の発光スペクトルにおいて、2700K付近から6500K付近へと相関色温度が高くなるように調色された混色光は、波長480nmから490nmのサーカディアン成分が増加している。このように、実施例3に係る発光装置は、サーカディアンリズムに刺激を与えるようにメラノピック比をコントロールすることができた。
比較例2
第一光源101を用いることなく、相関色温度を2700K付近に設定した実施例1と同様の一つ第二光源102(以下、「2700K第二光源」とも称する。)と、相関色温度を6500K付近に設定した他の一つ第二光源102(以下、「6500K第二光源」とも称する。)の二つの第二光源102を用いて発光装置を製造した。
比較例2:6500K第二光源102
6500K第二光源102は、第二発光素子12として、発光ピーク波長が446nmである窒化物半導体を用いた。蛍光部材52の封止材料として、シリコーン樹脂を用いた。6500K第二光源102に含まれる第二蛍光体72は、第二蛍光体A’として、515nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が58nmである、(A2)CaMg(SiO)C1:Euで示される組成を有するクロロシリケート蛍光体と、533nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が108nmである、(A4)YAG蛍光体の二種を用い、第二蛍光体Bとして、630nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が81nmである、(B1)SCASN蛍光体を用いた。第二蛍光体72は、第二光源102から発せられる光の相関色温度が6500K付近、JIS Z8725に準拠して測定される色偏差duvが0付近となり、2700K第二光源102から発せられる光と、6500K第二光源102から発せられる光との混色光の平均演色評価数Raが95以上となる量を用いた。
表9は、比較例2に係る発光装置に用いた2700K第二光源及び6500K第二光源の設定色温度、発光素子、第一蛍光体又は第二蛍光体、CIE1931表色系の色度図の座標x及びy、色偏差、平均演色評価数を示した。表10は、比較例2に係る発光装置の評価結果を示した。
比較例2に係る発光装置は、2700K第二光源から発せられる光と、6500K第二光源から発せられる光とを調色した混色光が得られる。比較例2に係る発光装置から得られる混色光の色温度は、それぞれ、4000K付近、5000K付近、6500K付近の相対メラノピック比が、比較例1に係る発光装置から出射光よりも高くなっている。しかし、2700K付近から3000K付近の方が、相対メラノピック比の値が高くなっており、夕方から日没にかけての光に近い色温度となるとき、本来、メラトニンの分泌が促進されるべきところ、メラトニンの分泌が抑制されており、睡眠が阻害されるような光が出射されている。すなわち、比較例2に係る発光装置は、サーカディアンリズムに配慮した照明として適していない。また、比較例2に係る発光装置から出射される混色光は、発光強度比IPM/IPLが0.21と、比較例1に係る発光装置から出射される混色光の発光強度比IPM/IPLよりも高いものの、発光効率が低いため、比較例2に係る発光装置から出射される調色された混色光の相対メラノピック発光効率は、比較例1に係る発光装置から出射された混色光の相対メラノピック発光効率と同程度となった。また、比較例2に係る発光装置から出射される混色光の平均演色評価数Ra、特殊演色評価数R9、特殊演色評価数R12は、比較例1よりも高く、所望の発光効率は維持している。しかし、比較例2に係る発光装置は、前述のとおり、相関色温度が低い2700K付近から3000K付近の相対メラノピック比の値が高くなっており、メラノピック比のコントールができておらず、サーカディアンリズムに配慮した照明とはなっていない。
図8は、比較例2に係る発光装置の相関色温度が2700K付近、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近における発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。比較例2に係る発光装置の発光スペクトルにおいて、2700K付近から6500K付近へと相関色温度が高くなるにつれて、サーカディアンリズムを刺激する波長480nmから490nmのサーカディアン成分の発光スペクトルはわずかに高くなる傾向がある。しかし、比較例2に係る発光装置は、実施例3に係る発光装置と比べて、サーカディアン成分が少なく、サーカディアンリズムに配慮した照明としては適していない。
実施例4
第一光源101に用いる第一蛍光体71として、第一発光素子11から発せられる光に励起されて496nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が96nmである、(A4)LAG蛍光体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置200を製造した。
表11は、実施例4に係る発光装置に用いた第一光源及び第二光源の設定色温度、発光素子、第一蛍光体又は第二蛍光体、CIE1931表色系の色度図の座標x及びy、色偏差、平均演色評価数を示した。表12は、実施例4に係る発光装置の評価結果を示した。
実施例4に係る発光装置は、第一光源から発せられる光と、第二光源から発せられる光とを調色した混色光の色温度がそれぞれ、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近となるとき、比較例1に係る発光装置に比べて、色温度が高くなるにつれて、相対メラノピック比が4%から24%まで高くなり、相対メラノピック発光効率も1%から13%まで高くなる。この結果から、相関色温度が3000K付近から6500K付近の朝から正午付近にかけて太陽光に近い相関色温度の場合には、メラトニンの分泌が抑制されるようにサーカディアンリズムを刺激する、メラノピック比が高い値になるようにコントールすることができた。また、実施例4に係る発光装置から出射される混色光は、発光強度比IPM/IPLが0.50と比較的高く、メラノピック比に影響する波長480nmから490nmのサーカディアン成分を多く含んでいた。また、実施例4に係る発光装置は、3000K付近から6500K付近と、朝から正午付近への色温度に調色されていくにつれ、平均演色性Ra、特殊演色性R9、及び特殊演色性R12の値が高くなり、人間が一般作業を行う視環境における十分な演色性を有している。特に3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近では、実施例4に係る発光装置から出射される混色光の平均演色性Raが75以上であり、例えば勉強や読書、執務作業など、日中に生産活動を行う場合のヒトの環境光として特に適した混色光が得られる。例えば5000K付近や6500K付近は、基準光源として太陽光の発光スペクトルが用いられており、実施例4に係る発光装置から太陽光に近似した混色光が得られていることが確認でき、サーカディアンリズムに配慮した照明として適していた。
図9は、実施例4に係る発光装置の相関色温度が2700K付近、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近における発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。実施例4に係る発光装置の発光スペクトルにおいて、2700K付近から6500K付近へと相関色温度が高くなるように調色された混色光は、波長480nmから490nmのサーカディアン成分が増加し、サーカディアンリズムを刺激を与えるようにメラノピック比をコントロールすることができており、実施例4に係る発光装置は、サーカディアンリズムに配慮した照明として非常に適していた。
比較例3
第一光源101を用いることなく、実施例1と同様にして、相関色温度を2700K付近に設定した一つの第二光源102(以下、「2700K第二光源」とも称する。)と、相関色温度を6500K付近に設定した他の一つの第二光源102(以下、「6500K第二光源」とも称する。)の二つの第二光源102を用いて発光装置を製造した。
比較例3:2700K第二光源102
2700K第二光源102は、第二発光素子12として、発光ピーク波長が446nmである窒化物半導体を用いた。蛍光部材52の封止材料として、シリコーン樹脂を用いた。2700K第二光源102に含まれる第二蛍光体72は、第二蛍光体A’として、523nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が63nmである、(A2)CaMg(SiO)C1:Euで示される組成を有するクロロシリケート蛍光体と、538nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が105nmである、(A4−2)LAG蛍光体の二種を用い、第二蛍光体Bとして、640nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が92nmである、(B1)SCASN蛍光体と、第二蛍光体Cとして、660nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が31nmである、(C1)3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mnで表される組成を有するフルオロジャーマネート蛍光体(以下、「MGF蛍光体」とも称する。)の4種の蛍光体を用いた。
比較例3:6500K第二光源102
6500K第二光源102は、第二発光素子12として、発光ピーク波長が446nmである窒化物半導体を用いた。蛍光部材52の封止材料として、シリコーン樹脂を用いた。6500K第二光源102に含まれる第二蛍光体72は、第二蛍光体A’として、495nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が68nmである、(A1)SAE蛍光体と、544nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が106nmである、(A4)LAG蛍光体の二種を用い、第二蛍光体Bとして、640nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が91nmである、(B1)SCASN蛍光体を用い、第二蛍光体Cとして、660nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が31nmである、(C1)3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mnで表される組成を有するMGF蛍光体を用いた。これらの第二蛍光体72を用いたこと以外は、比較例1と同様にして第二光源102を製造した。第二蛍光体72は、第二光源102から発せられる光の相関色温度が6500K付近、JIS Z8725に準拠して測定される色偏差duvが0付近となり、2700K第二光源102から発せられる光と、6500K第二光源102から発せられる光との混色光の平均演色評価数Raが95以上となる量を用いた。
表13は、比較例3に係る発光装置に用いた2700K第二光源及び6500K第二光源の設定色温度、発光素子、第一蛍光体又は第二蛍光体、CIE1931表色系の色度図の座標x及びy、色偏差、平均演色評価数を示した。表14は、比較例3に係る発光装置の評価結果を示した。
比較例3に係る発光装置は、2700K第二光源から発せられる光と、6500K第二光源から発せられる光とを調色した混色光が得られる。比較例3に係る発光装置から得られる混色光の色温度が、4000K付近、5000K付近、6500K付近の相対メラノピック比が、比較例1に係る発光装置から出射光よりも高くなっている。しかし、2700K付近から3000K付近の方が、相対メラノピック比の値が高く、夕方から日没にかけての光に近い色温度となるとき、本来、メラトニンの分泌が促進されるべきところ、メラトニンの分泌が抑制されており、睡眠が阻害されるような光が出射されている。すなわち、比較例3に係る発光装置は、サーカディアンリズムに配慮した照明として適していない。また、比較例3に係る発光装置から出射される混色光は、発光強度比IPM/IPLが0.33と、比較例1に係る発光装置から出射される混色光の発光強度比IPM/IPLよりも高いものの、発光効率が低いため、比較例3に係る発光装置から出射される調色された混色光の相対メラノピック発光効率は、比較例1に係る発光装置から出射された混色光の相対メラノピック発光効率よりも低くなった。また、比較例3に係る発光装置から出射される混色光の平均演色評価数Ra、特殊演色評価数R9、特殊演色評価数R12は、比較的高く、所望の発光効率は維持している。しかし、比較例3に係る発光装置は、前述のとおり、相関色温度が低い2700K付近から3000K付近の相対メラノピック比の値が高くなっている。このように、比較例3に係る発光装置は、メラノピック比のコントールができておらず、サーカディアンリズムに配慮した照明とはなっていない。
図10は、比較例3に係る発光装置の相関色温度が2700K付近、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近における発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。比較例3に係る発光装置の発光スペクトルにおいて、2700K付近から6500K付近へと相関色温度が高くなるにつれて、サーカディアンリズムを刺激する波長480nmから490nmのサーカディアン成分の発光スペクトルはわずかに高くなる傾向がある。しかし、比較例3に係る発光装置は、実施例3に係る発光装置と比べて、サーカディアン成分が少なく、サーカディアンリズムに配慮した照明としては適していない。
実施例5
第一光源101に用いる第一蛍光体71として、第一発光素子11から発せられる光に励起されて517nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が97nmである、(A4)LAG蛍光体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置200を製造した。
表15は、実施例5に係る発光装置に用いた第一光源及び第二光源の設定色温度、発光素子、第一蛍光体又は第二蛍光体、CIE1931表色系の色度図上のx及びy、色偏差、平均演色評価数を示した。表16は、実施例5に係る発光装置の評価結果を示した。
実施例5に係る発光装置は、第一光源から発せられる光と、第二光源から発せられる光とを調色した混色光の色温度がそれぞれ、4000K付近、5000K付近、6500K付近となるとき、比較例1に係る発光装置に比べて、色温度が高くなるにつれて、相対メラノピック比が5%から18%まで高くなり、相対メラノピック発光効率も3%から11%まで高くなった。この結果から、相関色温度が4000Kから6500Kの朝から正午付近にかけて太陽光に近い相関色温度の場合には、メラトニンの分泌が抑制されるようにサーカディアンリズムを刺激する、メラノピック比が高い値になるようにコントールすることができた。また、実施例5に係る発光装置から出射される混色光は、発光強度比IPM/IPLが0.41と比較的高く、メラノピック比に影響する波長480nmから490nmのサーカディアン成分を効果的に含んでいた。また、実施例5に係る発光装置は、3000K付近から6500K付近、すなわち、朝から正午付近への色温度へと調色されていくにつれ、平均演色性Ra、特殊演色性R9、及び特殊演色性R12の値が高くなり、特に平均演色評価数Raが70以上であり、ヒトが一般作業を行う視環境における十分な演色性を有していた。
図11は、実施例5に係る発光装置の相関色温度が2700K付近、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近における発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。実施例5に係る発光装置の発光スペクトルにおいて、2700K付近から6500K付近へと相関色温度が高くなるように調色された混色光は、波長480nmから490nmのサーカディアン成分が増加し、サーカディアンリズムを刺激を与えるようにメラノピック比をコントロールすることができた。実施例5に係る発光装置は、発光装置から太陽光に近似した混色光が得られていることが確認でき、サーカディアンリズムに配慮した照明として適していた。
実施例6
第一光源101に用いる第一蛍光体71として、第一発光素子11から発せられる光に励起されて517nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が104nmである、(A4)YAG蛍光体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置200を製造した。
表17は、実施例6に係る発光装置に用いた第一光源及び第二光源の設定色温度、発光素子、第一蛍光体又は第二蛍光体、CIE1931表色系の色度図上のx及びy、色偏差、平均演色評価数を示した。表18は、実施例6に係る発光装置の評価結果を示した。
実施例6に係る発光装置は、第一光源から発せられる光と、第二光源から発せられる光とを調色した混色光の色温度がそれぞれ、4000K付近、5000K付近、6500K付近となるとき、比較例1に係る発光装置に比べて、色温度が高くなるにつれて、相対メラノピック比が6%から12%まで高くなり、相対メラノピック発光効率も2%から9%まで高くなった。この結果から、相関色温度が4000K付近から6500K付近の朝から正午付近にかけて太陽光に近い相関色温度の場合には、メラトニンの分泌が抑制されるようにサーカディアンリズムを刺激する、メラノピック比を高い値にコントールすることができた。また、実施例6に係る発光装置から出射される混色光は、発光強度比IPM/IPLが0.29と比較的高く、メラノピック比に影響する波長480nmから490nmのサーカディアン成分を多く含んでいた。また、実施例6に係る発光装置は、4000K付近から6500K付近と、朝から正午付近への色温度に調色されていくにつれ、平均演色性Ra、特殊演色性R9、及び特殊演色性R12の値が高くなり、特に平均演色評価数Raが85以上である。これは、実施例6に係る発光装置が、例えば勉強や読書、執務作業など、日中の生産活動を行う場合のヒトの環境光として特に適していることを示している。
図12は、実施例6に係る発光装置の相関色温度が2700K付近、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近における発光スペクトルと、第一光源のみの発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。実施例6に係る発光装置の発光スペクトルにおいて、2700K付近から6500K付近へと相関色温度が高くなるように調色された混色光は、波長480nmから490nmのサーカディアン成分が増加し、サーカディアンリズムを刺激を与えるようにメラノピック比をコントロールすることができた。実施例6に係る発光装置から太陽光に近似した混色光が得られていることが確認でき、実施例6に係る発光装置は、サーカディアンリズムに配慮した照明として適していた。
比較例4
後述する第一光源101と、相関色温度を2700K付近に設定した実施例1と同様の第二光源102(以下、「2700K第二光源」とも称する。)を用いて発光装置を製造した。第一光源101に用いる第一蛍光体71として、第一発光素子11から発せられる光に励起されて527nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が64nmである、(A2)CaMg(SiO)C1:Euで示される組成を有するクロロシリケート蛍光体を用いた。第一光源101に含まれる第一蛍光体71は、CIE1931表色系の色度図において、x=0.199、y=0.265となる量を用いた。また、第一光源101に含まれる第一蛍光体71の量は、発光装置200の発光スペクトルにおいて、第一光源101から発せられる光に起因する、第一発光素子11の最大の発光ピーク波長IPLに対する波長490nmにおける発光強度IPMの発光強度比IPM/IPLが0.14となる量を用いた。この第一光源101を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置200を製造した。第一光源101に含まれる第一蛍光体71の発光ピーク波長が527nmであるため、比較例4の発光装置の発光強度(メラノピック発光強度)IPMが小さい。そのため、比較例4の発光装置の発光強度比IPM/IPLが0.22未満である。
表19は、比較例4に係る発光装置200に用いた第一光源101及び第二光源102の設定色温度、発光素子、第一蛍光体又は第二蛍光体、CIE1931表色系の色度図の座標x及びy、色偏差、平均演色評価数を示した。表20は、比較例4に係る発光装置の評価結果を示した。
比較例4に係る発光装置は、第一光源から発せられる光と、2700K第二光源から発せられる光とを調色した混色光が得られる。比較例4に係る発光装置から得られる混色光は、4000K付近、5000K付近、6500K付近の相対メラノピック比が、比較例1に係る発光装置から出射光よりも1%から5%わずかに高くなっているものの、相対メラノピック発光効率が、比較例1に係る発光装置からの出射光よりも3%から5%低くなった。比較例4に係る発光装置から出射される混色光は、発光強度比IPM/IPLが0.14と、比較例1に係る発光装置から出射される混色光の発光強度比IPM/IPLよりも低く、発光効率も低いため、相対メラノピック発光効率が低くなり、一定の消費電力に対して、サーカディアンリズムに影響与える効果は少なく、サーカディアンリズムに配慮した照明としては適していなかった。また、比較例4に係る発光装置から出射される混色光の平均演色評価数Ra、特殊演色評価数R9、特殊演色評価数R12は、比較例1と同程度である。これは、比較例4に係る発光装置が、所望の発光効率は維持している一方、前述のとおり、サーカディアンリズムに配慮した照明とはなっていないことを示す。
図13は、比較例4に係る発光装置の相関色温度が2700K付近、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近における発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。比較例4に係る発光装置の発光スペクトルにおいて、2700K付近から6500K付近へと相関色温度が高くなっても、サーカディアンリズムを刺激する波長480nmから490nmのサーカディアン成分の発光スペクトルは、ほとんど変わらず、サーカディアン成分が少なく、サーカディアンリズムに配慮した照明としては適していない。
比較例5
後述する第一光源101と、相関色温度を2700K付近に設定した実施例1と同様の第二光源102(以下、「2700K第二光源」とも称する。)を用いて発光装置を製造した。第一光源101に用いる第一蛍光体71として、第一発光素子11から発せられる光に励起されて540nmに発光ピーク波長を有し、半値幅が55nmである、Si6−zAl8−z:Eu(0<z≦4.2)で示される組成を有するβサイアロン蛍光体を用いた。第一光源101に含まれる第一蛍光体71は、CIE1931表色系の色度図において、x=0.234、y=0.293となる量を用いた。また、第一光源101に含まれる第一蛍光体71の量は、発光装置200の発光スペクトルにおいて、第一光源101から発せられる光に起因する、第一発光素子11の最大の発光ピーク波長IPLに対する波長490nmにおける発光強度IPMの発光強度比IPM/IPLが0.02となる量を用いた。この第一光源101を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置200を製造した。第一光源101に含まれる第一蛍光体71の発光ピーク波長が540nmであるため、比較例5の発光装置の発光強度(メラノピック発光強度)IPMが小さい。そのため、比較例5の発光装置の発光強度比IPM/IPLが0.22未満である。
表21は、比較例5に係る発光装置に用いた第一光源及び第二光源の設定色温度、発光素子、第一蛍光体又は第二蛍光体、CIE1931表色系の色度図上のx及びy、色偏差、平均演色評価数を示した。表22は、比較例5に係る発光装置の評価結果を示した。
比較例5に係る発光装置は、第一光源から発せられる光と、2700K第二光源から発せられる光とを調色した混色光が得られる発光装置である。比較例5に係る発光装置から得られる混色光は、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近の相対メラノピック比が、比較例1に係る発光装置から出射光よりも低くなり、相対メラノピック発光効率も、比較例1に係る発光装置からの出射光よりも低くなった。比較例5に係る発光装置から出射される混色光は、発光強度比IPM/IPLが0.02と、比較例1に係る発光装置から出射される混色光の発光強度比IPM/IPLよりもかなり低く、発光効率も低いため、相対メラノピック比も、相対メラノピック発光効率が低く、サーカディアンリズムに影響与える効果がほとんどなく、サーカディアンリズムに配慮した照明としては適していなかった。また、比較例5に係る発光装置から出射される混色光の平均演色評価数Ra、特殊演色評価数R9、特殊演色評価数R12も、比較例1に係る発光装置から出射される混色光よりも低く、比較例5に係る発光装置は、所望の発光効率を維持できていなかった。
図14は、比較例5に係る発光装置の相関色温度が2700K付近、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近における発光スペクトルと、サーカディアン作用曲線及び視感度曲線を示す図である。比較例5に係る発光装置の発光スペクトルにおいて、2700K付近から6500K付近へと相関色温度が高くなっても、サーカディアンリズムを刺激する波長480nmから490nmのサーカディアン成分の発光スペクトルはほとんど変わっていない。このように、比較例5に係る発光装置は、サーカディアン成分が非常に少なく、サーカディアンリズムに配慮した照明としては適していない。
本発明の一態様の発光装置は、サーカディアンリズムに応じたメラノピック比のコントロールと発光効率の維持を両立することができる。すなわち、本発明の一態様の発光装置は、HCLの思想に適した照明が可能であるため、WELL認証の要求に沿って、サーカディアンリズムに配慮した照明用の発光装置として利用可能である。
11:第一発光素子、12:第二発光素子、41,42:成形体、50:被覆部材、51,52:蛍光部材、71:第一蛍光体、72,72A’,72B,72C:第二蛍光体、101:第一光源、102:第二光源、103:基体、100,200:発光装置。

Claims (8)

  1. 410nm以上490nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第一発光素子を備える第一光源と、
    410nm以上460nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第二発光素子と、前記第二発光素子により励起されて発光する第二蛍光体と、を備える第二光源とを備え、
    前記第一光源は、CIE1931表色系の色度図において、色度座標におけるxが0.280及びyが0.070である第一の点と、色度座標におけるxが0.280及びyが0.500である第二の点と、を結ぶ第一の直線と、前記第二の点と、色度座標におけるxが0.013及びyが0.500である第三の点と、を結ぶ第二の直線と、前記第一の点から色度座標におけるxの値の小さい方に延びる純紫軌跡と、前記第三の点から色度座標におけるyの値の小さい方に延びるスペクトル軌跡と、で画定された領域内の光を発し、
    発光スペクトルにおいて、前記第一発光素子の最大の発光ピーク波長における発光強度IPLに対する、波長490nmにおける発光強度IPMの発光強度比IPM/IPLが、0.22以上0.95以下の範囲内であり、
    前記第二光源は、CIE1931表色系の色度図において、相関色温度が1500K以上8000K以下の範囲内であるとき、JIS Z8725に準拠して測定される黒体放射軌跡からの色偏差duvが−0.02以上0.02以下の範囲内である光を発し、
    前記第一光源から発する光と前記第二光源から発する光との混色光を出射する、発光装置。
  2. 相関色温度が1500K以上8000K以下の範囲内であり、前記混色光の平均演色性評価数が70以上である、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記第一光源が、前記第一発光素子により励起されて発光する第一蛍光体を備える、請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記第一蛍光体が、440nm以上526nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、
    (A1)発光スペクトルにおける半値幅が、58nm以上78nm以下の範囲内であり、Euで賦活されたアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、
    (A2)発光スペクトルにおける半値幅が、50nm以上75nm以下の範囲内であり、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、Mgと、F、Cl及びBrからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、を組成に有し、Euで賦活されたケイ酸塩蛍光体、
    (A3)発光スペクトルにおける半値幅が、50nm以上75nm以下の範囲内であり、Ba、Sr及びCaからなる群から選択される少なくとも一種の元素を組成に有し、Euで賦活されたケイ酸塩蛍光体、及び
    (A4)発光スペクトルにおける半値幅が、90nm以上115nm以下の範囲内であり、Y、Gd、Tb及びLuからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素と、Alと、必要に応じてGaと、を組成に有し、Ceで賦活された希土類アルミン酸塩蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種の蛍光体Aを含む、請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記第二蛍光体が、601nm以上650nm未満の範囲内に発光ピーク波長を有する第二蛍光体B及び650nm以上670nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第二蛍光体Cから選択された少なくとも一種と、440nm以上600nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する第二蛍光体A’と、を含み、
    前記第二蛍光体A’が、
    (A1)発光スペクトルにおける半値幅が、58nm以上78nm以下の範囲内であり、Euで賦活されるアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、
    (A2)発光スペクトルにおける半値幅が、50nm以上75nm以下の範囲内であり、Ca、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、Mgと、F、Cl及びBrからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、を組成に有し、Euで賦活されたケイ酸塩蛍光体、
    (A3)発光スペクトルにおける半値幅が、50nm以上75nm以下の範囲内であり、Ba、Sr及びCaからなる群から選択される少なくとも一種の元素を組成に有し、Euで賦活されたケイ酸塩蛍光体、及び
    (A4)発光スペクトルにおける半値幅が、90nm以上115nm以下の範囲内であり、Y、Gd、Tb及びLuからなる群から選択される少なくとも一種の希土類元素と、Alと、必要に応じてGaと、を組成に有し、Ceで賦活された希土類アルミン酸塩蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記第二蛍光体Bが、
    (B1)発光スペクトルにおける半値幅が、65nm以上100nm以下の範囲内であり、Sr及びCaからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、Alと、を組成に有し、Euで賦活されたシリコンナイトライド蛍光体、
    (B2)発光スペクトルにおける半値幅が、80nm以上100nm以下の範囲内であり、Euで賦活されたアルカリ土類金属シリコンナイトライド蛍光体、及び
    (B3)発光スペクトルにおける半値幅が、10nm以下であり、Mnで賦活されたフッ化物蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記第二蛍光体Cが、
    (C1)発光スペクトルにおける半値幅が、45nm以下であり、Mnで賦活されたフルオロジャーマネート蛍光体、及び
    (C2)発光スペクトルにおける半値幅が、40nm以上70nm以下の範囲内であり、Ca、Sr、Ba及びMgからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、Li、Na及びKからなる群から選択される少なくとも一種の元素と、Alと、を組成に有し、Euで賦活されたアルカリナイトライド蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記第一蛍光体が、下記式(a1)で示される組成を有するアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、下記式(a2)で示される組成を有するケイ酸塩蛍光体、下記式(a3)で示される組成を有するケイ酸塩蛍光体、及び下記式(a4)で示される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項3又は4に記載の発光装置。
    SrAl1425:Eu (a1)
    (Ca,Sr,Ba)MgSi16(F,Cl,Br):Eu (a2)
    (Ca,Sr,Ba)SiO:Eu (a3)
    (Y,Gd,Tb,Lu)(Al,Ga)12:Ce (a4)
  7. 前記第二蛍光体が、第二蛍光体A’と、第二蛍光体B及び第二蛍光体Cから選択される少なくとも一種と、を含み、
    前記第二蛍光体A’が、下記式(a1)で示される組成を有するアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、下記式(a2)で示される組成を有するケイ酸塩蛍光体、下記式(a3)で示される組成を有するケイ酸塩蛍光体、及び下記式(a4)で示される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記第二蛍光体Bが、下記式(b1)で示される組成を有するシリコンナイトライド蛍光体、下記式(b2)で示される組成を有するアルカリ土類シリコンナイトライド蛍光体、及び下記式(b3)で示される組成を有するフッ化物蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記第二蛍光体Cが、下記式(c1)で示される組成を有するフルオロジャーマネート蛍光体、及び下記式(c2)で示される組成を有するアルカリナイトライド蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1から6のいずれか1項に記載の発光装置。
    SrAl1425:Eu (a1)
    (Ca,Sr,Ba)MgSi16(F,Cl,Br):Eu (a2)
    (Ca,Sr,Ba)SiO:Eu (a3)
    (Y,Gd,Tb,Lu)(Al,Ga)12:Ce (a4)
    (Ca,Sr)AlSiN:Eu (b1)
    (Ca,Sr,Ba)Si:Eu (b2)
    (Si,Ge,Ti)F:Mn (b3)
    3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn (c1)
    (Sr,Ca)(Li,Na,K)Al:Eu (c2)
  8. 前記第一光源と、前記第二光源とを独立して制御する駆動装置を備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の発光装置。
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