JP2020166867A - 用水管理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この場合、例えば圃場主の間で不公平感が生じることなどがないように、適切な料金設定が行われることが求められる。
しかし、引用文献1において、データロガーに記憶された情報は、大学や研究機関が設置するサーバに集約され、研究などに用いられる。このため、引用文献1の構成により適切な料金設定が行われるようにすることは困難である。
そこで、本発明は上記の課題を考慮して、圃場の用水管理業務に関連して圃場主が支払う料金を適切に設定できるようにすることを目的とする。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態における用水管理システムの全体的な構成例を示している。本実施形態の用水管理システムは、複数の圃場における給排水を管理する。
なお、以降の説明にあたり、圃場FM−1、FM−2について特に区別しない場合には、圃場FMと記載する。なお、本実施形態の用水管理システムが管理対象とする圃場FMの数は特に限定されるものではない。
また、圃場FM−1には排水栓200−1が設けられている。排水栓200−1は、圃場FM−1に貯まっている水を排出させるための設備である。排水栓200−1は、圃場FM−1から引き揚げた水を例えばパイプラインに出すまでの流水経路において開閉する栓部(弁)を備えることで、排水量が調節可能なようにされている。
また、以降の説明にあたり、圃場FM−2の排水栓200−2A、200−2Bについて特に区別しない場合には、排水栓200−2と記載する。また、排水栓200−1、200−2A、200−2Bについて特に区別しない場合には、排水栓200と記載する。
ファームポンドFPに貯留された用水は、ポンプ(図示せず)によって汲み上げられ、圧力が加えられることによりパイプラインPLに供給される。同図の場合、パイプラインPLは3つの経路に分岐され、それぞれ、圃場FM−1、FM−2に設けられた給水栓100−1、100−2A、100−2Bと接続されている。これにより、ファームポンドFPからパイプラインPLを経由して送られた用水は、給水栓100−1、100−2A、100−2Bにまで到達する。この際、給水栓100−1、100−2A、100−2Bの栓部が開状態であれば、給水栓100−1、100−2A、100−2Bから圃場FM−1、FM−2のそれぞれに対して用水が供給され、灌漑が行われる。
また、用水センサ350は、無線LANに対応したネットワーク通信機能を有している。このため、用水センサ350は、無線LANルータRTからネットワークNTを経由して用水管理サーバ500と通信を行うことが可能である。
なお、第1実施形態において、用水センサ350は省略されてよい。
例えば給水栓100−1が閉状態にあって給水栓100−1に用水が流れない状態では、給水栓100−1に近い部分のパイプラインPLにおいても用水の流れは生じない。従って、この場合の用水センサ300−1は、流量がゼロであると検出する。
これに対して、給水栓100−1が開状態にあって給水栓100−1に用水が流れている状態では、給水栓100−1に近い部分のパイプラインPLにおいても用水の流れが生じる。従って、この場合の用水センサ300−1は、給水栓100−1において流れている用水の量に応じた流量を検出する。
このように、用水センサ300−1は、給水栓100−1に流れる用水を検出することができる。
また、用水センサ300−1と給水栓100−1とは比較的近接して設置される。そこで、用水センサ300−1と給水栓100−1とは、近距離無線通信により通信可能に構成される。これにより、用水センサ300−1は、検出された結果を示す検出情報を給水栓100−1に送信し、給水栓100−1は受信された検出情報を、無線LANルータRTからネットワークNTを経由して用水管理サーバ500に送信することができる。このように、用水管理サーバ500は、通信を介して用水センサ300−1の検出情報を取得することができる。
このような近距離無線通信は、消費電力が少ないことから、例えば用水センサ300−1については、バッテリーを電源として長期間にわたって動作させることが可能であり、メンテナンスの省力化が図られる。また、例えば太陽電池により日中において発生した電力を充電して電源として使用する場合にも、小容量の太陽電池や充電池で済ませることができる。
また、用水センサ300−2Aと給水栓100−2Aとは、近距離無線通信により通信可能とされている。これにより、用水管理サーバ500は、通信を介して給水栓100−2Aから用水センサ300−2Aの検出情報を取得することができる。
また、用水センサ300−2Bと給水栓100−2Bとは、近距離無線通信により通信可能とされている。これにより、用水管理サーバ500は、通信を介して給水栓100−2Bから用水センサ300−2Bの検出情報を取得することができる。
カメラ800−1は、水位目盛板700−1の目盛の部分を撮像するように設けられる。従って、カメラ800−1により撮像された画像を人が見ることによっては、圃場FM−1における水位を確認することができる。なお、本実施形態におけるカメラ800−1は、静止画を撮像可能であればよいが、動画を撮像可能であってもよい。以降においては、カメラ800−1が静止画を撮像する場合について説明する。
なお、水位目盛板700−1とカメラ800−1とに代えて、例えば静電容量などを利用したリニアな水位センサを圃場FMに設けてもよい。そして、水位センサにより測定された水位の情報を、給水栓100−1が中継する通信を介して用水管理サーバ500に送信するように構成してもよい。
水温計900−1も、近距離無線通信により同じ圃場FM−1に設置された給水栓100−1と通信可能とされている。これにより、水温計900−1は、水温を計測して得られた水温データを給水栓100−1に送信することができる。また、給水栓100−1は、水温計900−1から受信した水温データを無線LANルータRTからネットワークNTを経由して用水管理サーバ500に送信することができる。つまり、水温計900−1は、測定によって得られた水温データを、給水栓100−1が中継する通信を介して用水管理サーバ500に送信することができる。
通信部301は、近距離無線通信により通信距離の範囲内に位置する給水栓100と通信を行う。
流量センサ302は、当該流量センサ302が取り付けられた部位における水の流量を検出する。流量センサ302により検出された流量の情報は、通信部301によって通信相手の給水栓100に送信される。
なお、用水センサ350も、図4と同様の構成であればよい。
本実施形態における制御部502は、圃場主の用水利用に応じた料金設定に関連する機能部として、水量取得部521と、用水管理情報管理部522と、料金対応処理部523とを備える。
なお、水位・水温報告関連処理部524は、後述の第2実施形態に関連する機能部であることから、ここでの説明は省略する。また、給水開始検出部525と給水栓制御部526とは後述の第3実施形態に関連する機能部であることから、ここでの説明は省略する。本実施形態において、水位・水温報告関連処理部524、給水開始検出部525及び給水栓制御部526については省略されてよい。
用水管理情報管理部522は、用水管理情報記憶部532が記憶する用水管理情報を管理する。用水管理情報管理部522は、取得された水量についての検出値に基づく用水利用量を、給水栓100が設置される圃場FMの圃場主に対応付けて用水管理情報として記憶部503に記憶させる。
料金対応処理部523は、用水利用料金に対応する処理として少なくとも用水管理情報に基づいて圃場主の用水利用料金を算出する。
圃場主情報記憶部531は、圃場主情報を記憶する。圃場主情報は、図示は省略するが、圃場主を一意に示す圃場主ID(ユーザID)ごとに、圃場主に関する所定の情報を対応付けた情報である。圃場主に関する所定の情報としては、圃場主の氏名、連絡先(住所、電話番号、メールアドレスなど)である。さらに、圃場主の個人情報についてのセキュリティのために、例えば圃場主IDに対応付けられたパスワードを圃場主情報に含めてよい。
また、圃場主が圃場FMにて作業していることに応じて、圃場主端末600が圃場FMの現場に存在している場合には、圃場主端末600は、給水栓100の通信を介して用水管理サーバ500と通信を行うことができる。この際、通信可能に接続される圃場主端末600と給水栓100とは、対応の圃場FMの圃場主のものであることが要求される場合がある。このような場合には、例えば、上記のユーザIDとパスワードとを認証キーとして用いて、給水栓100と圃場主端末600とがペアリングを行うように構成すればよい。
同図の用水管理情報は、1レコードが1の圃場主に対応する。用水管理情報の1レコードは、圃場主IDごとに、給水栓IDと用水利用履歴情報との各領域を対応付けた構造を有する。
圃場主IDの領域には、用水提供業者と契約して用水供給を受ける圃場主の圃場主IDが格納される。同図における「FM0001」の圃場主IDは、図1に示した圃場FM−1の圃場主を示し、「FM0002」の圃場主IDは圃場FM−2の圃場主を示す。
同図において、「F0001」の給水栓IDに対応しては、「log0001」とのファイル名の用水利用履歴情報が格納されている。また、「F0011」の給水栓IDに対応しては、「log0011」とのファイル名の用水利用履歴情報が格納されている。また、「F0012」の給水栓IDに対応しては、「log0012」とのファイル名の用水利用履歴情報が格納されている。
なお、「FM0002」の圃場主IDの場合のように、複数の給水栓IDが格納される場合において、用水利用履歴情報は、複数の給水栓IDに対して1つの用水利用履歴情報が対応付けられるようにしてもよい。複数の給水栓IDに対して1つの用水利用履歴情報を対応付けた場合、用水利用履歴情報においては、複数の給水栓IDに対応する複数の給水栓100のそれぞれから吐出された水量が合算されたうえで時間軸に対応させて示されるようにすればよい。
そこで、用水管理サーバ500の水量取得部521は、用水センサ300のうちのいずれかから送信された検出情報が受信されるのを待機する(ステップS101−NO)。
そして、用水管理情報管理部522は、用水管理情報記憶部532からステップS102にて取得された給水栓IDに対応付けられた用水利用履歴情報を検索し、検索した用水利用履歴情報に対して、同じステップS102にて取得された流量値を現在日時と対応付けて新規に格納する(ステップS103)。このようにして用水管理情報管理部522により用水利用履歴情報が更新される。用水管理サーバ500は、定常的に上記の処理を実行することで、給水栓100ごとに対応する用水利用量履歴情報を含む用水管理情報を管理する。
1の料金算出対象の圃場主について予め定められた用水利用料金算出タイミングに至ると、用水管理サーバ500における料金対応処理部523は、料金算出対象の圃場主の圃場主IDに対応付けられた用水利用履歴情報から、今回の料金算出対象期間に対応する日時範囲に含まれる用水利用履歴情報を取得する(ステップS201)。
なお、図1の圃場FM−2のように、1つの圃場に複数の給水栓100が設けられている場合、図4における「FM0002」の圃場主IDに対応する用水管理情報のように、複数の給水栓100ごとに応じた複数の用水利用履歴情報が格納される。このような場合、ステップS201では、複数の用水利用履歴情報のそれぞれから、今回の料金算出対象期間に該当する日時範囲に含まれる用水利用履歴情報を取得する。
用水利用履歴情報においては、日時に流量値が対応付けられている。そこで、料金対応処理部523は、用水利用履歴情報においてゼロより大きい有意な流量値が得られている単位時間ごとの流量値を積算することで、今回の料金算出対象の圃場主の圃場FMに設置される給水栓100から圃場に供給された水量を算出する。このように算出される水量が、圃場主が自分の圃場FMの作物の栽培のために利用した用水の量、即ち、用水利用量である。なお、1つの圃場に複数の給水栓100が設けられている場合には、料金対応処理部523は、複数の給水栓100ごとに取得された用水利用履歴情報から算出した水量を合算することで用水利用量を算出する。
請求関連処理として、料金対応処理部523は、例えば料金の請求先の圃場主の圃場主端末600に対して、用水利用料金(請求金額)を通知することができる。通知にあたっては、例えば圃場主情報記憶部531が記憶する圃場主情報に登録されているメールアドレスを宛先とする用水利用料金(請求金額)の通知の電子メールを作成し、作成された電子メールを送信するという態様を採ることができる。あるいは、圃場主端末600に、用水提供業者が提供する用水管理用アプリケーションがインストールされている場合には、圃場主情報に登録されている圃場主IDがユーザアカウントとして登録された用水管理用アプリケーションに通知を送信するようにしてもよい。
そのうえで、用水管理サーバ500は、用水利用履歴情報に基づいて用水利用料金を算出するようにされている。このように、圃場主の用水利用料金が圃場主ごとの用水利用量に基づいて算出されることで、圃場の用水管理業務に関連して圃場主が支払う料金を適切に設定することが可能になる。
続いて、第2実施形態について説明する。圃場主にとって、圃場FMにおける水位や水温の情報は、作物を良好に成長させていくうえで重要である。このため、圃場主としては、例えば稲作であれは田植えから収穫までの栽培期間における水位と水温を定期的に把握しておくことが好ましい。しかし、このような作業を圃場主自らが行うことは相当の負担になる。
そこで、本実施形態においては、用水提供業者が、圃場FMにおける水位と水温とを報告するサービス(水位・水温報告サービス)を圃場主に提供する。そして、このような水位・水温報告サービスを提供するにあたり、水位と水温との情報の収集については、図1にて説明したように圃場FMに設置したカメラ800と水温計900との通信を利用して、用水管理サーバ500が行う。そして、圃場主への水位と水温の情報の報告については、用水管理サーバ500が報告書を作成し、圃場主端末600に送信する。これにより、圃場FMにおける水位と水温とを圃場主が把握するにあたっての省力化が図られる。
以下、上記のような水位・水温報告サービスを実現するための構成について説明する。
なお、本実施形態においては、必ずしも第1実施形態の用水提供に応じた料金の徴収を行わなくともよく、この場合には、水量取得部521、用水管理情報管理部522及び料金対応処理部523は省略されてよい。
カメラIDの領域は、同じレコードに含まれる圃場主IDが示す圃場主に対応する圃場FMに設置されたカメラ800を一意に示すカメラIDが格納される。同図の例では、図1の圃場FM−1に設置されるカメラ800−1のカメラIDとして「C0001」が格納され、圃場FM−2に設置されるカメラ800−2のカメラIDとして「C0002」が格納されている例が示されている。
また、水温計IDの領域は、同じレコードに含まれる圃場主IDが示す圃場主に対応する圃場FMに設置された水温計900を一意に示すカメラIDが格納される。同図の例では、図1の圃場FM−1に設置される水温計900−1を示す水温計IDとして「WT0001」が格納され、圃場FM−2に設置される水温計900−2を示す水温計IDとして「WT0002」が格納されている例が示されている。
本実施形態において、圃場FMに設置されたカメラ800は、予め定められた日時(例えば1日の所定時刻ごと)により、定期的に水位目盛板700を撮像し、撮像により得られた水位画像データを給水栓100からネットワークNT経由で用水管理サーバ500に送信してくる。
また、圃場FMに設置された水温計900も、予め定められた日時により、定期的に水温を測定し、測定された水温を示す水温情報を給水栓100からネットワークNT経由で用水管理サーバ500に送信してくる。
水位・水温報告関連処理部524は、取得したカメラIDを格納するレコードを用水管理情報記憶部532から検索し、検索されたレコードに含まれる用水利用履歴情報に、ステップS301にて受信された水位画像データを現在日時と対応付けて新規に格納する。このようにして水位画像データの送信元のカメラ800が設置された圃場FMの圃場主に対応して、水位画像データが取得される。
水位・水温報告関連処理部524は、取得した水温計IDを格納するレコードを用水管理情報記憶部532から検索し、検索されたレコードに含まれる用水利用履歴情報に、ステップS303にて受信された水温情報が示す水温を現在日時と対応付けて新規に格納する。このようにして、水温情報の送信元の水温計900が設置された圃場FMの圃場主に対応して水温の情報が取得される。ステップS304の処理の後は、ステップS301に処理が戻される。
同図の処理が定常的に実行されることにより、各圃場FMにおけるカメラ800により撮像された水位画像データと水温計900により測定された水温とが、圃場主ごとに対応して、時間と対応付けられるようにして収集される。
水位・水温報告関連処理部524は、1の圃場主について設定された報告書配信日時に基づいて報告書配信タイミングに至るのを待機している(ステップS401−NO)。
ここで、報告書配信日時については、圃場主からの希望に応じて設定されるようにしてよい。圃場主は、例えば週ごとの決まった曜日における所定時刻を報告書配信日時として指定することができる。このような報告書配信日時の指定は、例えば圃場主が圃場主端末600を操作して、用水管理サーバ500が提供する報告書配信日時指定用のウェブサイトにアクセスし、このウェブサイト上で設定できるようにすればよい。このように指定された報告書配信日時は、例えば圃場主情報に含められるようにして格納される。報告書配信タイミングは、例えば指定された報告書配信日時の所定時間前として設定されればよい。
ここで、ステップS402において水位画像データと水温の情報とを取得する対象となる一定期間は、例えば指定された報告書配信日時に応じて異なる。具体例として、指定された報告書配信日時が、週ごとの月曜日を指定しており、1日の所定時刻ごとに水位画像データと水温の情報とが収集される場合には、例えば、先週の月曜日から前日の日曜日までの期間において取得された水位画像データと水温の情報とが取得される。
また、報告書は、圃場主端末600にて表示させることが可能な所定のファイル形式によるファイルとして作成されればよい。
圃場主は、圃場主端末600により受信された報告書を、圃場主端末600の表示部に表示させて見ることができる。これにより、圃場主は、自分の圃場の過去の一定期間における水位を水位画像データの画像を見て確認し、水温については、グラフまたは表を見て確認することができる。
続いて、第3実施形態について説明する。図1に示したように、圃場FMへの用水の供給は、ファームポンドFPからパイプラインPLを介して供給される用水を給水栓100から吐出させることによって行われる。
ここで、ファームポンドFPからの用水の供給が開始されて以降において給水栓100の栓部が閉状態のままであると、パイプラインPL内に残留していた空気が圧縮されて給水栓100に過大な圧力を加えるエアハンマーと呼ばれる現象が発生する場合がある。エアハンマーが発生した場合には、その過大な圧力によって給水栓が破損する可能性がある。
また、エアハンマーの発生防止のための給水栓100の開栓は、用水管理サーバ500の制御によって人的作業を伴うことなく行われる。これにより、本実施形態においては、エアハンマーの発生防止に関して省力化が図られる。
給水栓100において給水管101は、パイプラインPLから用水が供給される管である。給水管101の下端部側は、図示するように、パイプラインPLの端部と連結されている。これにより、図10において矢印αで示すように、パイプラインPLから送られてきた用水が給水管101における中空部101aに供給される。
本実施形態においては、止水栓ボール104と中空部102aの下側の開口部とにより栓部が形成される。
また、軸部105は、カップ103と吐出管102の中空部102aを貫通するように設けられる。軸部105は、栓駆動部111により図10の矢印Aで示すように一定の可動範囲で上下方向に移動可能とされている。
このように開状態となることにより、パイプラインPLから給水管101に供給された用水は、同図の破線で示す矢印βとして示すように、中空部101a、中空部102a及び中空部103aによる流水経路を通って、給水栓100の外部に吐出される。このようにして用水が給水栓100から圃場FMに供給される。この際、吐出管102の上にはカップ103が設けられていることで、中空部102aから吐出される用水の圧力が高い状態であっても、上に吹き出すことなく、中空部103aを通して下側に流すことができる。
栓駆動部111は、栓部の開閉駆動を行う。つまり、栓駆動部111は、軸部105を上下方向に移動させることで、止水栓ボール104が中空部102aの開口部を塞ぐ閉状態と止水栓ボール104が中空部102aの開口部よりも下側に位置する開状態との間で状態を変化させる。
なお、栓駆動部111は、開状態において軸部105の上下方向における位置を変化させることで、中空部102aの開口部と止水栓ボール104との間の隙間を調節することができる。これにより、給水栓100から吐出される用水の量が調節可能とされる。
また、制御部112は、センサ対応通信部113を介して、センサ対応通信部113の通信距離にある用水センサ300、カメラ800及び水温計900と情報の送受信を行う。また、制御部112は、サーバ対応通信部114を介してネットワークNT経由で用水管理サーバ500と情報の送受信を行う。
サーバ対応通信部114は、ネットワークNT経由で用水管理サーバ500と通信を行う。
あるいは、電源部115は、2次電池または1次電池などの所定の規格の電池により電源を供給するようにされたうえで、電池の残量が少なくなった場合には電池を交換するように使用される構成であってもよい。
なお、第1実施形態の用水提供に応じた料金の徴収を行わないのであれば、水量取得部521、用水管理情報管理部522及び料金対応処理部523は省略されてよい。また、第2実施形態に対応する水位・水温報告サービスを行わなければ、水位・水温報告関連処理部524は省略されてよい。
そして、ファームポンドFPからパイプラインPLに用水を送り出すためのポンプ(図示せず)が作動され、ファームポンドFPから給水栓100への給水が開始されると、圧力が加わることによってファームポンドFPの近傍のパイプラインPLにおいて水の流れが生じる。この際、用水センサ350はゼロより大きい流量値を検出する。即ち、用水センサ350は流量有りと検出する。
そこで、給水開始検出部525は、監視している流量がゼロであった状態から流量有り(ゼロより大きい流量値)の状態に変化した場合に、ファームポンドFPからの給水が開始されたことを検出する。
即ち、給水栓制御部526は、給水開始検出部525により用水の供給が開始されたことが検出されると、各圃場FMにおける全ての給水栓100−1、100−2A、100−2B(即ち、ファームポンドFPからの用水の供給を受ける全ての給水栓100)に対して栓部を開状態とするための開栓制御信号を送信する。
このように、ファームポンドFPからの用水の供給の開始に応じたタイミングで給水栓100が開状態なることで、エアハンマーの発生が防止される。
このため、ファームポンドFPからの用水の供給の開始に応じてエアハンマーの発生を防止するために全ての給水栓100を開状態としたままとしておくことによっては、以下のような不具合が生じる可能性がある。
つまり、上記のように開栓制御を行った場合には、現在において給水を行うべきでない給水栓100があれば、その給水栓100からも用水が圃場FMに供給されることになる。この場合には、無駄な用水利用料金が発生してしまうことにもなる。このような不具合が生じた場合において、圃場主が給水栓100にまで赴いて手動で給水栓100を閉状態とすることは面倒であり省力化の点で好ましくない。
そこで、本実施形態のエアハンマー防止サービスにおいては、給水の停止が設定された給水栓100については、先の開栓制御により開状態としてエアハンマーの発生が回避された後において、さらに、用水管理サーバ500の制御によって閉状態に戻すことが行われる。これにより、無駄な用水利用量が発生してしまうことが防がれる。
つまり、給水栓制御部526は、開栓制御の対象とされた給水栓100のうち、圃場FMへの給水に使用しないことが予め定められた給水栓100について栓駆動部111が栓部を閉状態とするように閉栓制御を行う。
具体的に、給水栓制御部526は、前述の開栓制御を行った後において、開栓制御の対象とされた給水栓100のそれぞれにおいて、ファームポンドFPから供給された用水が吐出されるのを待機する。ファームポンドFPと給水栓100との間のパイプラインPLは物理的に或る程度の長さを有していることから、ファームポンドFPからの用水の供給が開始されたことに応じて給水栓100から用水が吐出されるようになるまでには或る程度の時間を要する。
未だ給水栓100から用水が吐出されていない状態では、用水センサ300が設けられた給水栓100の近傍のパイプラインPLにおいても水の流れが生じていない。この際、用水センサ300は流量がゼロであると検出する。
そして、給水栓100から用水が吐出される状態となっているときには、用水センサ300が設けられた給水栓100の近傍のパイプラインPLにおいても水の流れが生じる。この際、用水センサ300はゼロより大きい流量値を検出する。即ち、用水センサ300は流量有りと検出する。
そこで、給水栓制御部526は、各用水センサ300のそれぞれが検出する各流量の全てがゼロから流量有りに変化したことを以て、開栓制御の対象とされた給水栓100の全てにおいて用水が吐出された状態になったと判定する。
図12の給水栓管理情報は、ファームポンドIDと給水栓IDと使用フラグと圃場主IDとが対応付けられた構造である。
ファームポンドIDは、ファームポンドFPごとに割り当てられた識別子である。
給水栓IDは、給水栓100を一意に示す識別子である。例えば同図においては、ファームポンドID[P0001]に、3つの給水栓ID[F0001]、[F0011]、[F0012]が対応付けられている。これは、ファームポンドID[P0001]のファームポンドから用水の供給を受ける給水栓が、それぞれ、給水栓ID[F0001]により示される給水栓、給水栓ID[F0011]により示される給水栓、給水栓ID[F0012]の給水栓により示される3つであることを示す。
同図のファームポンドID[P0001]は、図1におけるファームポンドFPを示し、給水栓ID[F0001]、[F0011]、[F0012]は、それぞれ、同じ図1における給水栓100−1、100−2A、100−2Bを示す。
同図の例では、図1の給水栓100−1(給水栓ID[F0001])と、給水栓100−2A(給水栓ID=[F0011])については圃場FMへの給水のための使用が許可されているが、給水栓100−2B(給水栓ID=[F0012])については、圃場FMへの給水のための使用が禁止されていることが示されている。即ち、給水栓100−2Bは、給水に使用しないことが定められた給水栓である。
また、給水栓ID[F0021]の給水栓と、給水栓ID[F0022]の給水栓とについては、いずれも圃場への給水のための使用が許可されていることが示されている。
同図において、圃場FM−1に設置される給水栓100−1を示す給水栓ID[F0001]には、同じ圃場FM−1の圃場主を示す圃場主ID[FM0001]が対応付けられている。
また、圃場FM−2に設置される給水栓100−2Aを示す給水栓ID[F0011]には、圃場FM−2の圃場主を示す圃場主ID[FM0002]が対応付けられている。同様に、同じ圃場FM−2に設置される給水栓100−2Bを示す給水栓ID[F0012]には、圃場FM−2の圃場主を示す圃場主ID[FM0002]が対応付けられている。
また、図1に示されていないファームポンドから用水の供給を受ける圃場の2つの給水栓に対応する給水栓ID[F0021]、[F0022]には、それぞれ、圃場FM−1、FM−2と異なる圃場の圃場主の圃場主ID[FM0003]、[FM0004]が対応付けられている。
閉栓制御信号を受信した給水栓100の制御部112は、栓駆動部111を制御して栓部を閉状態とする。この結果、開栓制御が行われた後において、給水栓管理情報により給水が許可されている給水栓100からはそのまま圃場FMへの給水が継続される。一方、給水栓管理情報により給水が禁止されている給水栓100について圃場FMへの給水が停止される。このように、給水栓制御部526は、用水センサ300の検出結果に基づいて給水栓100から用水が吐出された状態となったことを判定した場合に閉栓制御を行うように構成される。
ここでは、同図の処理が図1に示したファームポンドFPを対象として行われる処理である場合を例に挙げて説明する。
なお、用水センサ350から送信される検出情報には、例えばファームポンドIDに代えて、用水センサ350を一意に示す用水センサIDを含めてもよい。この場合、用水管理サーバ500は、ファームポンドFPのファームポンドIDと用水センサ350の用水センサIDとを対応付けて管理することで、用水センサ350が流量検出対象とするファームポンドFPを一意に特定することが可能である。
ファームポンドFPを示すファームポンドID[P0001]を含む検出情報が受信されると(ステップS501−YES)、給水開始検出部525は、受信された検出情報において含まれる流量値を取得する(ステップS502)。
ステップS503の判定にあたって、例えば給水開始検出部525は、前回までのステップS502により取得された流量値がゼロであった状態からゼロより大きくなるように変化したか否かについて判定すればよい。つまり、この場合には、ファームポンドFPからの用水の流量が検出されたことに応じて即座に給水栓100を開状態とする制御が行われるようにしている。
なお、流量値がゼロであった状態から、所定のマージン値に応じたゼロより大きい所定値に変化したか否かについて判定するようにしてもよい。なお、例えば流量値がゼロであった状態から、ゼロより大きい所定以上の流量値が連続して一定回数にわたって取得された場合に、ファームポンドFPからの用水の供給が開始されたと判定してもよい。上記2つの構成の場合には、何らかの原因により生じた一時的なパイプラインPL内の水の流れの発生を、ファームポンドFPからの用水の供給開始であると誤判定することが避けられ、判定結果についての信頼性を向上させることが可能になる。
これに対して、ファームポンドFPからの用水の供給が開始されたことが判定された場合(ステップS503−YES)、給水栓制御部526が以下の処理を実行する。
まず、給水栓制御部526は、開栓制御の対象としての給水栓を特定する。このために、給水栓制御部526は、用水供給開始の監視対象のファームポンドFPのファームポンドIDに対応付けられている給水栓IDを、給水栓管理情報記憶部533が記憶する給水栓管理情報から取得する。
具体的に、この場合における用水供給開始の監視対象のファームポンドFPのファームポンドIDは、[P0001]である。そこで、この場合の給水栓制御部526は、給水栓管理情報から、ファームポンドID[P0001]に対応付けられている3つの給水栓ID[F0001]、[F0011]、[F0012]を取得する。このように給水栓IDを取得することにより、開栓制御の対象としての給水栓が、給水栓100−1、100−2A、100−2Bであることが特定される。このように特定された給水栓100−1、100−2A、100−2Bは、監視対象のファームポンドFPから用水の供給を受ける全ての給水栓100である。
そして、給水栓制御部526は、上記のように開栓制御の対象として特定した給水栓100−1、100−2A、100−2Bに対して、開栓制御信号を送信する。このようにして、ステップS504における開栓制御が行われる。
上記のように開栓制御が行われることに応じて、給水栓100−1、100−2A、100−2Bにおける各制御部112は、栓部が開状態となるように栓駆動部111を制御する。これにより、開栓制御の対象の給水栓100の全てが開状態となる。
ここで、ステップS504の開栓制御による給水栓100の開状態としては、全開(100%の開度)とすればよい。給水栓100を全開の状態とすることにより止水栓ボール104のストローク距離ができるかぎり小さくなるので、エアハンマーの現象による破壊もさらに生じにくくなる。
そこで、上記のように開栓制御の対象の給水栓100の全てを開状態とした後において、給水栓制御部526は、用水が給水栓100から吐出される状態となることを待機する。このために、給水栓制御部526は、以下のようにステップS505及びS506の処理を行う。
つまり、給水栓制御部526は、全ての給水栓100のそれぞれに対応する用水センサ300−1が検出する流量を監視する(ステップS505)。
用水センサ300−1、300−2A、300−2Bは、それぞれ、給水栓100−1、100−2A、100−2Bの近傍のパイプラインPLにおける流量を検出し、検出した流量を示す流量値を含む検出情報を、用水センサ300−1、300−2A、300−2Bを経由して用水管理サーバ500に対して一定時間ごとに送信する。
また、用水センサ300−1、300−2A、300−2Bが送信する検出情報には、対応の給水栓を示す情報として、それぞれ、給水栓100−1、100−2A、100−2Bの給水栓IDが含まれる。
このために、給水栓制御部526は、用水センサ300のそれぞれにて検出された流量の全てが、ゼロの状態からゼロより大きい状態に変化したか否かについて判定すればよい。用水センサ300により検出された流量の全てがゼロより大きい状態に変化したということは、開栓制御対象とされて開状態にある全ての給水栓100において、ファームポンドFPから供給された用水が吐出されているということである。
一方、開栓制御対象の全ての給水栓100から用水が吐出された状態となったことを判定した場合(ステップS506−YES)、給水栓制御部526は、以下の制御に移行する。つまり、給水栓制御部526は、開栓制御対象とされた給水栓100のうちで、給水のための使用が禁止されている給水栓100については閉状態とするための制御に移行する。
そこで、給水栓制御部526は、まず、開栓制御対象とされた給水栓100のうちで、給水のための使用が禁止されている給水栓100を特定する(ステップS507)。このため、給水栓制御部526は、給水栓管理情報において格納される開栓制御対象の給水栓100の給水栓IDのうち、対応付けされている使用フラグが「0」の給水栓IDを特定する。このようにして給水栓IDの特定が行われることにより、給水のための使用が禁止されている給水栓100の特定が行われる。
図12の給水栓管理情報の例では、給水栓ID[F0001]、[F0002]、[F0003]のうち、給水栓ID[F0003]に対応付けられた使用フラグが「0」となっている。従って、この場合には、給水栓ID[F0003]により示される給水栓100−2Aが給水のための使用が禁止されている給水栓として特定される。
ステップS504の開栓制御により開栓状態とされていた給水栓100のうち、ステップS507により特定された給水栓100は、閉栓制御信号を受信する。閉栓制御信号を受信した給水栓100は、これまで開状態とされていた栓部が閉状態となるように栓駆動部111を制御する。
これにより、開栓制御の対象とされた給水栓100のうち、給水のための使用が許可されている給水栓100は開状態が維持され、給水のための使用が禁止されている給水栓100が閉状態となる。この結果、給水の必要のある圃場FMには給水が行われ、その一方で、給水の必要がない圃場FMには給水が行われないこととなり、給水栓管理情報の設定に従って適正な給水管理が可能となる。
しかしながら、エアハンマーの防止にあたり、1つのファームポンドFPに対応する給水栓100のうちの一部を開状態とするように制御し、残りの給水栓100については閉状態のままとしてもよい。この場合においては、空気の圧力が給水栓100の間でできるだけ偏らないように、一定数おき(例えば1つおき、2つおき)の給水栓100を開状態の制御対象とするとよい。
このようにファームポンドFPに対応する一部の給水栓100を開状態としても、閉状態にある給水栓100にかかる空気の圧力は十分に低減させることができるため、エアハンマーによる破壊が防止される。このようにファームポンドFPに対応する給水栓100のうち開状態とする給水栓100を一部に制限することによっては、開状態の制御対象とされない給水栓100については栓駆動部111が動作しなくともよいため、例えば電源部115における2次電池あるいは1次電池の容量を節約することができる。
エアハンマー防止サービスについては、希望者である圃場者のみが享受できるオプションのサービスとされてもよい。この場合、圃場主情報記憶部531が記憶する圃場主情報には、エアハンマー防止サービスの利用者であるか否かを示す情報も格納される。また、エアハンマー防止サービスの申し込みあるいは停止などの申請についても、例えば用水管理サーバ500が提供するウェブサイトに圃場主端末600によりアクセスして行えるようにすればよい。
しかしながら、本実施形態においては、例えば、用水センサ350について、流量を検出するとともに、検出した流量に基づいてファームポンドFPからの給水が開始されたか否かを検出可能なように構成してもよい。即ち、給水開始検出部525は、用水センサ350に備えられてもよい。この場合、用水センサ350の給水開始検出部525は、ファームポンドFPからの給水が開始されたことを検出すると、その旨を示す給水開始通知を用水管理サーバ500に送信する。用水管理サーバ500における給水栓制御部526は、給水開始通知が受信されたことに応じて開栓制御を行うようにされればよい。
また、給水開始検出部525は、例えばファームポンドFPからパイプラインPLに用水を送り出すためのポンプの動作状態を監視し、ポンプが停止している状態から動作を開始した状態となったことに応じて、給水が開始されたことを検出するようにしてもよい。あるいは、ポンプに給水開始検出部525を設けてもよい。つまり、この場合には、ポンプ自体が、自己の動作を開始したことに応じて給水が開始されたことを検出し、作開始通知を用水管理サーバ500に送信するように構成すればよい。
あるいは、圃場ごとに通信機能を備える水位計を設置し、水位計から送信された水位の情報を取得するようにしてもよい。この際には、1つの圃場FMにおいて複数の水位計を備え、複数の水位計により測定された水位を平均するなどしてもよい。これにより、水位計により水位の情報を得る場合における水位の測定結果についての信頼性を高めることができる。
例えば、本実施形態の用水管理システムは、圃場決壊通知サービスを行うことができる。つまり、用水管理サーバ500は、給水栓100による給水量と圃場FMにおける水位の状態とを取得し、給水量に応じた水位の上昇が得られているか否かについて判定する。用水管理サーバ500は、給水量に応じた水位の上昇が得られていないことを判定した場合に、圃場FMにおいて決壊が生じていることを圃場主端末600に送信することができる。
また、本実施形態の用水管理システムは、高水温対策給水サービスを行うことができる。つまり、圃場FMにおいて水温計を設け、圃場FMに供給されている用水の温度についての計測結果が、例えば給水栓100経由で用水管理サーバ500にて取得されるようにする。そのうえで、用水管理サーバ500は、取得された水温を監視し、水温が所定以上となった場合に、水温が異常に上昇したとして、例えば一定時間、あるいは水温が所定以下に低下するまで給水栓100を開状態として給水を行わせる。
このような高水温対策給水サービスにあたっては、例えば測定される水位が上限値を越えたとしても、一定時間の給水または水温が所定以下に低下するまでの給水を継続させてよい。また、高水温対策給水サービスのもとでは、高水温に対する対策を段階的に行うことができる。例えば1次対策として、用水管理サーバ500は、水温が1次設定温度にまで上昇した場合に、圃場主端末600に対して水温の上昇を通知する水温上昇通知を送信する。そして、水温が1次設定温度よりも高い2次設定温度となったことに応じて、用水管理サーバ500は、2次対策として上記のように圃場FMへの給水を行う。
また、本実施形態の用水管理システムは、集中豪雨対策サービスを行うことができる。つまり、用水管理サーバ500は、天気予報に基づいて集中豪雨が発生するか否かを予測する。用水管理サーバ500は、集中豪雨が発生すると予測した場合、集中豪雨の生じることが予測される時間よりも前の時間において、事前に排水栓200を開状態として圃場FMから用水を排出させ、排出が完了したら排水栓200を閉状態とする。この状態から集中豪雨が発生すると、圃場FMには雨水が入ることとなり、圃場FMにおける保水が保たれる。このような制御を行うことで、集中豪雨が生じた際に圃場FMからの排水が集中することがなくなるので、例えば河川などの氾濫を防ぐことが可能になる。
また、本実施形態の用水管理システムは、圃場主の位置管理サービスを行うことができり。つまり、圃場主端末600にGPS(Global Positioning System)などに対応した測位機能を有させる。そして、圃場主端末600は、測位機能により測位して得られた自己の位置を示す位置情報を用水管理サーバ500に送信する。用水管理サーバ500は、送信された位置情報を、例えば位置情報の送信元の圃場主端末600の所有者である圃場主に対応させて記憶する。このように記憶された圃場主の位置情報は、例えば、農業日誌に記録される圃場主の行動履歴に含め、作業効率の検討に用いるなど、多様な用途に用いることができる。
続いて、第4実施形態について説明する。本実施形態においては、用水管理サーバ500は、例えば稲作であれば田植えから収穫までの耕作期間における水位の情報を時間に対応付けて、圃場主ごとに管理するように構成される。この場合、水位の情報は、前述のようにカメラ800から受信した水位画像データを画像解析することによって得るようにしてもよいし、例えば圃場主が圃場主端末600により用水管理サーバ500が提供するウェブサイトにアクセスすることにより入力するようにされてもよいし、例えば圃場FMに通信機能を有する水位計を備え、水位計により計測された水位の情報を用水管理サーバ500が通信経由で取得するようにされてもよい。
圃場主端末600は、用水管理用アプリケーション上で、要求に応答して用水管理サーバ500から送信された水位実績情報を視覚的に把握可能な態様で表示する。水位実績情報の表示としては、例えば横軸に日付が示され、縦軸に水位が示されるグラフにより、年間における水位の変化が表されるようにした態様とすることができる。
さらに、本実施形態においては、用水管理用アプリケーション上で表示された水位実績情報について、圃場主が操作を行って水位及び水位の維持期間などを変更するように編集を行うことができる。このような水位実績情報の編集機能は、例えば、圃場主が今年度の圃場の水位管理のプランを建てるにあたっての支援ツールとして利用することができる。
例えば、圃場主は、今年度において予測される天候や圃場の状況に近かったと思われる過去の年度の水位実績情報を指定して用水管理用アプリケーション上で表示させる。そして、表示された水位実績情報を参考にしつつ、かつ、今年度の状況を考慮しながら、水位とその維持期間について適宜変更を行う。
上記のように編集された水位実績情報は、例えば今年度の水位管理プランとして用水管理サーバ500に記憶させておき、圃場主が必要に応じて呼び出して圃場主端末600の用水管理用アプリケーション上で表示させて確認、修正などを行うことができる。
このように本実施形態において、用水提供業者は、例えば過去の水位実績情報を圃場主に提供する水位実績提供サービスを行うことができる。そして、本実施形態の用水管理サーバ500は、水位実績提供サービスに対応した料金についての請求関連処理を実行することができる。
また、或る圃場主により蓄積された水管理のノウハウの情報を、有料もしくは無料で第三者に提供できるようにしてもよい。このような水管理のノウハウの情報を新規就農者に向けて提供することにより、新規就農者のノウハウの蓄積を促すことが可能になる。
また、上記各実施形態のサービスは、同じ業者が行ってもよいし、それぞれ異なる業者が行ってもよい。
Claims (2)
- 用水を圃場に供給するように設けられる給水栓に流れる水量についての検出値を取得する水量取得部と、
取得された前記検出値に基づく用水利用量を前記給水栓が備えられる圃場の圃場主に対応付けて用水管理情報として記憶部に記憶させる用水管理情報管理部と、
用水利用料金に対応する処理として少なくとも前記用水管理情報に基づいて圃場主の用水利用料金を算出する料金対応処理部と
を備える用水管理装置。 - 前記圃場において水位を測定するように設置される水位目盛板を撮像するように設置されるカメラから送信された画像データを、水位画像データとして時間に対応付けて記憶し、記憶された水位画像データを利用して過去の一定期間における水位を表す報告書を作成し、作成した報告書を、圃場主が利用する圃場主端末に送信するように構成された水位・水温報告関連処理部をさらに備える
請求項1に記載の用水管理装置。
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