JP2020166459A - 車両誘導システムおよび車両誘導方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】駐車場内に設置する設備の数の増加を抑えながら駐車場を利用する車両を誘導する。【解決手段】駐車場に設置された送信機は、送信機識別情報を発光部の点灯および消灯を制御して送信する。車両用装置は、送信機を撮影した画像に基づいて車両用装置位置を同定し、地図データにおける現在の車両用装置位置から目標位置までのルートを計算し、計算したルートを出力する。また、車両用装置は、車両用装置位置を駐車場管理装置に通知する。駐車場管理装置は、各駐車場所の位置および使用状態を示す駐車場管理情報を記憶しており、使用状態が空きの駐車場所の中から選択した駐車場所の位置である目標位置を車両用装置に通知する。駐車場管理装置は、車両用装置から受信した車両用装置位置に基づいて駐車場所への駐車と、駐車場所からの移動を検出し、駐車場所の使用状態を更新する。【選択図】図20
Description
本発明は、車両誘導システムおよび車両誘導方法に関する。
屋内駐車場では、ドライバーがフロアごとの「満車」「空車」の表示を頼りに駐車場構内を巡回して空きスペースを見つけるか、誘導員の指示に従い駐車していた。しかし、一般的に、屋内や地下の駐車場は、屋外の平面駐車場に較べ見通しが悪く、一方通行などがあることよって経路も複雑である。そのため、ドライバーは、混雑時に空きスペースを見つけることが困難な場合が多い。また、満車表示や係員の誘導も、正確に駐車状況を把握できていないまま行われていることが多い。これらのことから、駐車スペースが有効に利用されていない状況が普通に発生している。一方、床面に線状発光体を配設して車両を駐車スペースに誘導する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
上述した特許文献1の技術では、駐車場内の床前面に車両を誘導するための多数の線状発光体を設けたり、車両の位置や車両が駐車スペースに駐車しているかを把握するための多数のセンサを設けたりする必要がある。これらの設置には、金銭的、時間的、人的コストを要する。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、駐車場内に設置する設備の数の増加を抑えながら駐車場を利用する車両を誘導可能な車両誘導システムおよび車両誘導方法を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る車両誘導システム(500)は、送信機(800)と車両用装置(600)と駐車場管理装置(700)とを有する車両誘導システムであって、前記送信機は、発光部(24)と、自送信機を識別する送信機識別情報を前記発光部の点灯および消灯を制御することにより送信する送信部(23)とを備え、前記車両用装置は、駐車場に設置された前記送信機を撮影した画像に基づいて検出された前記送信機識別情報と、前記画像における前記送信機の位置と、検出された前記送信機識別情報により特定される前記送信機の三次元座標系における位置とを用いて、前記三次元座標系における当該車両用装置の位置である車両用装置位置を同定する位置同定部(610)と、地図データと、前記駐車場管理装置から受信した目標位置に基づいて、前記地図データにおける現在の前記車両用装置位置から前記目標位置までのルートを計算し、計算した前記ルートを出力するルート計算部(634)と、前記位置同定部が同定した前記車両用装置位置を前記駐車場管理装置に通知する位置通知部(635)とを備え、前記駐車場管理装置は、前記駐車場内における各駐車場所の位置および使用状態を示す駐車場管理情報を記憶する記憶部(710)と、前記駐車場管理情報に前記使用状態が空きであることが示される前記駐車場所の中から選択した前記駐車場所の前記位置を示す目標位置を前記車両用装置に通知する通知部(733)と、前記車両用装置から受信した前記車両用装置位置に基づいて前記駐車場所への駐車と、前記駐車場所からの移動を判別する車両状態判別部(735)と、前記車両状態判別部の判別に基づいて、前記駐車場所の前記使用状態を更新する管理情報更新部(732)とを備える。
(2)また、本発明の一態様に係る車両誘導システムにおいて、前記通知部は、前記車両用装置から受信した前記車両用装置位置に基づいて前記駐車場所からの移動を検出した場合、出口の位置を示す目標位置を前記車両用装置に通知する、ようにしてもよい。
(3)また、本発明の一態様に係る車両誘導システムにおいて、前記通知部は、前記駐車場所への駐車が判定された後に、前記車両用装置又は前記駐車場の利用者の端末から駐車場所案内要求を受信し、前記駐車場の地図データと、前記駐車場所の位置を示す目標位置とを前記車両用装置又は前記端末に送信する、ようにしてもよい。
(4)また、本発明の一態様に係る車両誘導システムにおいて、前記車両用装置は、前記送信機を撮影した画像に基づいて検出された前記送信機識別情報を前記駐車場管理装置に送信する送信機識別送信部(例えば、実施形態の車両情報送信部632)と、前記送信機識別送信部が送信した前記送信機識別情報に対応して前記駐車場管理装置から前記地図データを受信する地図受信部(例えば、実施形態の情報受信部633)とをさらに備え、前記記憶部は、前記送信機識別情報と地図データとを対応付けて記憶し、前記駐車場管理装置は、前記車両用装置から受信した前記送信機識別情報に対応した前記地図データを前記記憶部から読み出して送信する地図送信部(例えば、実施形態の通知部733)をさらに備える、ようにしてもよい。
(5)また、本発明の一態様に係る車両誘導システムにおいて、前記車両用装置は、前記送信機を撮影した前記画像に基づいて検出された前記送信機識別情報と、前記駐車場を利用する車両に関する情報を示す車両情報を前記駐車場管理装置に送信する車両情報送信部(632)と、前記車両情報送信部が送信した前記送信機識別情報および前記車両情報に対応して前記駐車場管理装置から前記地図データと、前記駐車場所の位置を示す前記目標位置を受信する情報受信部(633)とをさらに備え、前記記憶部は、前記車両情報に応じた前記駐車場の範囲の地図データを送信機識別情報と対応付けて記憶するとともに、前記車両情報に応じた各駐車場所の位置および使用状態を示す前記駐車場管理情報とを記憶し、前記通知部は、前記車両用装置から通知された前記送信機識別情報および前記車両情報に基づいて選択した前記地図データと、前記車両情報に応じた前記駐車場管理情報に前記使用状態が空きであることが示される前記駐車場所の中から選択した前記駐車場所の前記位置を示す前記目標位置を前記車両用装置に通知する、ようにしてもよい。
(6)また、本発明の一態様に係る車両誘導システムにおいて、前記通知部は、前記車両用装置位置に応じた前記地図データを前記車両用装置に送信する、ようにしてもよい。
(7)上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る車両誘導方法は、送信機(800)と車両用装置(600)と駐車場管理装置(700)とを有する車両誘導システム(500)における車両誘導方法であって、前記送信機が、自送信機を識別する送信機識別情報を発光部の点灯および消灯を制御することにより送信する送信ステップと、前記車両用装置が、駐車場に設置された前記送信機を撮影した画像に基づいて検出された前記送信機識別情報と、前記画像における前記送信機の位置と、検出された前記送信機識別情報により特定される前記送信機の三次元座標系における位置とを用いて、前記三次元座標系における当該車両用装置の位置である車両用装置位置を同定する位置同定ステップと、地図データと、前記駐車場管理装置から受信した目標位置に基づいて、前記地図データにおける現在の前記車両用装置位置から前記目標位置までのルートを計算し、計算した前記ルートを出力するルート計算ステップと、前記位置同定ステップにおいて同定された前記車両用装置位置を前記駐車場管理装置に通知する位置通知ステップと、前記駐車場管理装置が、前記駐車場内における各駐車場所の位置および使用状態を示す駐車場管理情報に前記使用状態が空きであることが示される前記駐車場所の中から選択した前記駐車場所の前記位置を示す目標位置を前記車両用装置に通知する通知ステップと、前記車両用装置から受信した前記車両用装置位置に基づいて前記駐車場所への駐車と、前記駐車場所からの移動を判別する車両状態判別ステップと、前記車両状態判別ステップにおける判別に基づいて、前記駐車場所の前記使用状態を更新する管理情報更新ステップと、を有する。
上述した(1)および(7)によれば、駐車場内に設置する設備の数の増加を抑えながら、駐車場を利用する車両を空きの駐車場所に誘導することができる。
また、上述した(2)によれば、駐車場を利用した車両を出口に誘導することができる。
また、上述した(3)によれば、駐車場に車両を駐車した後に、再び駐車場に戻ってきたドライバーに、駐車場所までのルートを提示することができる。
また、上述した(4)によれば、駐車場に入庫する車両に、入庫した入口に応じた駐車場の地図を送信することができる。
また、上述した(5)によれば、駐車場に入庫する車両に、車両の大きさや優先度と、入庫した入口とに応じた駐車場の地図を送信することができる。
また、上述した(6)によれば、複数階からなる駐車場などにおいても、車両の位置に応じた地図を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
まず、本実施形態に適用される位置同定システムについて説明する。
[位置同定システムの構成]
まず、位置同定システムの構成例を説明する。
図1は、本実施形態に適用される位置同定システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、位置同定システム1は、送信機2a,2b,2c,…と受信機3を備える。なお、以下の説明において、送信機2a,2b,2c,…のうちの1つを特定しない場合は送信機2という。送信機2は、固有のビーコン信号(g1a、g1b、g1c、…)を発光と消灯によって送信する。また、受信機3は、撮影部31と処理部32を備える。後述するように、ビーコン信号には、各送信機2を識別するための識別情報(ID)が含まれている。
[位置同定システムの構成]
まず、位置同定システムの構成例を説明する。
図1は、本実施形態に適用される位置同定システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、位置同定システム1は、送信機2a,2b,2c,…と受信機3を備える。なお、以下の説明において、送信機2a,2b,2c,…のうちの1つを特定しない場合は送信機2という。送信機2は、固有のビーコン信号(g1a、g1b、g1c、…)を発光と消灯によって送信する。また、受信機3は、撮影部31と処理部32を備える。後述するように、ビーコン信号には、各送信機2を識別するための識別情報(ID)が含まれている。
次に、送信機2と受信機3それぞれの構成例を説明する。なお、以下の説明では、図1に示した送信機2a,2b,2c,…の構成が同じ場合を説明する。なお、送信機2a,2b,2c,…の構成は、異なっていてもよい。
図2は、位置同定システム1の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、位置同定システム1は、送信機2と受信機3を備える。
送信機2は、送信情報生成部21、エンコーダ22、送信部23、および発光部24を備える。
受信機3は、撮影部31、および処理部32を備える。処理部32は、露光制御部321、画像処理部322、記憶部323、判定部324、デコーダ325、CALデータ記憶部326、方向演算部327、地図データ記憶部328、自己位置演算部329、および出力部330を備える。
送信機2は、送信情報生成部21、エンコーダ22、送信部23、および発光部24を備える。
受信機3は、撮影部31、および処理部32を備える。処理部32は、露光制御部321、画像処理部322、記憶部323、判定部324、デコーダ325、CALデータ記憶部326、方向演算部327、地図データ記憶部328、自己位置演算部329、および出力部330を備える。
図2に示す位置同定システム1において、送信機2は互いに非同期であり、かつ受信機3とも非同期である。このため、位置同定システム1は、送信機2同士は、互いに同期信号の送受信を行わない。また、位置同定システム1は、送信機2と受信機3も、互いに同期信号の送受信を行わない。
送信機2は、固有のビーコン信号(符号g1)を発光と消灯によって送信する。なお、送信機2は互いに非同期であり、かつ受信機3とも非同期である。このため、送信機2同士は、互いに同期信号の送受信を行わない。また、送信機2と受信機3も、互いに同期信号の送受信を行わない。なお、送信機2が取り付けられているワールド座標系における位置(以下、ビーコン座標ともいう)は既知である。
送信情報生成部21は、送信情報を生成して、生成した送信情報をエンコーダ22に出力する。なお、送信情報には、送信機2を識別するための識別情報(ID)が含まれている。また、送信情報には、ビーコン座標を示す情報が含まれていてもよい。
エンコーダ22は、送信情報生成部21が出力する送信情報を、後述するようにエンコード処理して送信データを生成する。エンコーダ22は、生成した送信データを送信部23に出力する。なお、後述するように、送信データにおける1ビットは、例えば6単位(6つの所定時間)のH(ハイ)レベルとL(ロー)レベルによって構成されている。また、1セットのメインデータには、後述するようにスタートビットと、データビットと、パリティビットが含まれている。なお、単位および送信データの構成等については後述する。
送信部23は、エンコーダ22が出力する送信データに基づいて、Hレベルの信号に対して発光部24を点灯するように制御し、Lレベルの信号に対して発光部24を消灯するように制御することで、ビーコン信号を送信するように制御する。なお、送信部23は、発光部24に供給する電流値または電圧値を制御することで点灯と消灯を制御する。
発光部24は、例えばLED(発光ダイオード)であり、送信部23の制御に応じて点灯と消灯を行うことで、ビーコン信号を送信する。なお、光源の波長は、例えば赤外線(IR(Infrared Rays))である。なお、光源の波長は赤外線に限らない。
受信機3は、受信したビーコン信号から送信情報を抽出する。また、受信機3は、複数の送信機2から受信したビーコン信号に基づいて、自己位置を求める。なお、受信機3は、各送信機2の位置情報を、ビーコン信号から取得してもよく、外部装置(不図示)から取得してもよく、予め地図データ記憶部328に記憶させておいてもよい。
撮影部31は、露光制御部321の制御に応じて送信データを1単位のフレームレートで撮影を行い、撮影した画像を処理部32に出力する。撮影部31は、慣性センサ(不図示)、距離センサ(不図示)等を備えている。撮影部31は、センサが検出した検出結果を自己位置演算部329に出力する。
処理部32は、撮影された画像に対して画像処理を行って送信情報を抽出する。
処理部32は、撮影された画像に対して画像処理を行って送信情報を抽出する。
露光制御部321は、撮影部31の露光タイミングを制御する。なお、露光タイミングについては後述する。
画像処理部322は、撮影部31が撮影した画像を取得し、取得した画像を記憶部323に記憶させる。画像処理部322は、取得した画像に対して画像処理を行う。なお、画像処理については後述する。画像処理部322は、画像処理した結果を判定部324と方向演算部327に出力する。画像処理部322が出力する結果には、カメラ座標におけるビーコン信号による輝点の座標(u,v)が含まれている。なお、撮影された画像等については後述する。
記憶部323は、撮影された画像を記憶する。記憶部323は、撮影された画像に含まれる各信号に対応する画素領域がHレベルであるかLレベルであるかを判定するための画像に対する閾値を記憶する。記憶部323は、送信情報のビットの判定に用いられる判定基準を記憶する。なお、判定基準については後述する。記憶部323は、画像処理に必要な情報を記憶する。記憶部323は、デコードに必要な情報を記憶する。
判定部324は、画像処理部322が出力する画像処理された画像に対して、記憶部323が記憶する閾値に基づいて、撮影された画像に含まれる各信号に対応する画素領域がHレベルであるのかLレベルであるのか判定する。判定部324は、判定した判定結果をデコーダ325に出力する。
デコーダ325は、記憶部323が記憶する判定基準に基づいて、ビットが“0”の発光パターンであるのか、“1”の発光パターンであるのか判定する。なお、“0”の発光パターンと“1”の発光パターンについては後述する。デコーダ325は、判定した結果に基づいて、ビーコン信号から情報を抽出する(デコードする)。デコーダ325は、抽出した情報を自己位置演算部329と出力部330に出力する。
CALデータ記憶部326は、撮影部31が有するレンズや撮像素子等の組み合わせに固有のキャリブレーションデータを記憶する。
方向演算部327は、CALデータ記憶部326が記憶するキャリブレーションデータを用いて、画像処理部322が出力する画像処理された画像に基づいて、ビーコン信号が送信された方向を演算する。なお、方向の演算方法については後述する。方向演算部327は、演算した方向を示す方向情報を自己位置演算部329に出力する。なお、方向演算部327が出力する方向情報には、撮影部31に対するビーコン信号の方向(方位角ω、仰角θ)が含まれている。
地図データ記憶部328は、例えば位置同定システム1が使用される領域の地図データを記憶する。
自己位置演算部329は、撮影部31が出力する検出結果と、方向演算部327が出力する方向情報を取得する。自己位置演算部329は、検出結果と、方向情報と、地図データ記憶部328が記憶する地図データを用いて、送信機2の自己位置を演算する。自己位置演算部329は、演算した位置を示す位置情報を出力部330に出力する。自己位置演算部329が出力する位置情報には、ワールド座標系における自己位置(x,y,z,θz)が含まれている。なお、位置の演算方法については後述する。
出力部330は、デコーダ325が出力する情報と、自己位置演算部329が出力する位置情報とを外部装置(例えば表示装置、信号処理装置等)(不図示)に出力する。
[送信データの構成]
次に、送信データの構成について、図3〜図4を用いて説明する。
まず、送信機2によるビーコン信号の発光パターンを説明する。
図3は、ビーコン信号の“0”と“1”の発光パターンを示す図である。図3において、横軸は経過時間であり、縦軸は信号のレベル(Hレベル、Lレベル)である。なお、“0”と“1”は、ビーコン信号におけるビットである。位置同定システム1においては、図3に示すようにビットを発光部24の発光時間の長短(光信号)で表現する。また、以下の説明では、1ビットは6単位の通信時間である。なお、1単位は、所定時間であり、図3においてtn(nは1以上の整数)〜tn+1の期間である。
次に、送信データの構成について、図3〜図4を用いて説明する。
まず、送信機2によるビーコン信号の発光パターンを説明する。
図3は、ビーコン信号の“0”と“1”の発光パターンを示す図である。図3において、横軸は経過時間であり、縦軸は信号のレベル(Hレベル、Lレベル)である。なお、“0”と“1”は、ビーコン信号におけるビットである。位置同定システム1においては、図3に示すようにビットを発光部24の発光時間の長短(光信号)で表現する。また、以下の説明では、1ビットは6単位の通信時間である。なお、1単位は、所定時間であり、図3においてtn(nは1以上の整数)〜tn+1の期間である。
時刻t1〜t7の期間の信号が“0”の発光パターンである。“0”の発光パターンは、時刻t1〜t3の期間が点灯(Hレベル)であり、時刻t3〜t7の期間が消灯(Lレベル)である。すなわち、“0”の発光パターンは、2単位時間が点灯であり、4単位時間が消灯である。
また、時刻t11〜t17の期間の信号が“1”の発光パターンである。“1”の発光パターンは、時刻t11〜t15の期間が点灯(Hレベル)であり、時刻t15〜t17の期間が消灯(Lレベル)である。すなわち、“1”の発光パターンは、4単位時間が点灯であり、2単位時間が消灯である。
このように、送信機2のエンコーダ22は、“0”に対して“HHLLLL”に変換(エンコード)し、“1”に対して“HHHHLL”に変換(エンコード)する。そして、送信機2の送信部23は、Hレベルに対して発光部24を点灯するように制御し、Lレベルに対して発光部24を消灯するように制御する。
なお、図3に示した例では、“0”と“1”の発光パターンがHレベルから開始される例を説明したが、これに限らない。例えば、“0”の発光パターンがLレベルから開始され、4単位の消灯後に2単位の点灯であってもよく、“1”の発光パターンがLレベルから開始され、2単位の消灯後に4単位の点灯であってもよい。また、Hレベルが消灯であり、Lレベルが点灯であってもよい。
次に、ビーコン信号の構成例を説明する。
図4は、ビーコン信号の構成例を示す図である。図4において、符号g5が示す図は、ビーコン信号に対する発光部24への制御電圧の測定値例を示している。また、符号g7が示す図は、符号g5のビーコン信号のうち、メインデータセットを示している。なお、図4において、横軸は経過時間であり、符号g5の縦軸は信号レベル[V]であり、符号g7の縦軸は信号レベル(HレベルとLレベル)である。
図4は、ビーコン信号の構成例を示す図である。図4において、符号g5が示す図は、ビーコン信号に対する発光部24への制御電圧の測定値例を示している。また、符号g7が示す図は、符号g5のビーコン信号のうち、メインデータセットを示している。なお、図4において、横軸は経過時間であり、符号g5の縦軸は信号レベル[V]であり、符号g7の縦軸は信号レベル(HレベルとLレベル)である。
図4に示すように、ビーコン信号のメインデータセットは、スタートビット(Start,S)と、データビット(Data)と、パリティビット(Parity,P)とで構成されている。図3のルールで作成されたデータビットは、“1”、“0”、“1”、“1”、“0”、“0”、“0”、“1”であり、パリティビットが“1”である。
スタートビットは、1ビット(6単位)であり、データビットの前に設けられている。また、スタートビットは、連続した消灯信号であり、図4に示す例では6単位の消灯である。
データビットは、スタートビットの後に連続して設けられ、例えば8ビット以上の情報を有する。なお、データビットには、エラー検出符号や、エラー訂正符号が含まれていてもよい。
パリティビットは、1ビット(6単位)であり、データビットに連続して設けられ、例えば奇数パリティである。パリティビットは、パリティ自身を含め、ビット全体で“1”の個数が奇数となるように設定されている。
なお、図4に示した例では、1ビットが6単位の例を示したが、1ビットは例えば6単位以下であってもよく、6単位以上であってもよい。
データビットは、スタートビットの後に連続して設けられ、例えば8ビット以上の情報を有する。なお、データビットには、エラー検出符号や、エラー訂正符号が含まれていてもよい。
パリティビットは、1ビット(6単位)であり、データビットに連続して設けられ、例えば奇数パリティである。パリティビットは、パリティ自身を含め、ビット全体で“1”の個数が奇数となるように設定されている。
なお、図4に示した例では、1ビットが6単位の例を示したが、1ビットは例えば6単位以下であってもよく、6単位以上であってもよい。
[サブデータセット]
次に、サブデータセットの例を説明する。
ビーコン信号は、図4に示したメインデータセットに加え、さらにメインデータセットに重畳されるサブデータセットを有していてもよい。図5は、メインデータセットに重畳されるサブデータセットの例を示す図である。なお、図5に示す例では、メインデータの1ビット(6単位)に対し、サブデータは1ビット(60単位)とする例である。
次に、サブデータセットの例を説明する。
ビーコン信号は、図4に示したメインデータセットに加え、さらにメインデータセットに重畳されるサブデータセットを有していてもよい。図5は、メインデータセットに重畳されるサブデータセットの例を示す図である。なお、図5に示す例では、メインデータの1ビット(6単位)に対し、サブデータは1ビット(60単位)とする例である。
図5に示す例では、メインデータセットは、スタートビット(1ビット)、データビット(48ビット)およびパリティビット(1ビット)の計50ビットである。そして、データビットとパリティビットにサブデータが重畳されている。符号g11は、2ビット目のデータビットを拡大して示した図である。また、図5の例は、サブデータセットの重畳に、メインデータセットの正転=1、反転=0を用いた場合である。
まず、スタートビットは、1ビット=サブデータの60単位が全て点灯状態である。
次に、サブデータビットは、データビットが“1”の発光パターンである符号g12が正転であり、データビットが“0”の発光パターンである符号g13が逆転である。
そして、パリティビットは“0”の発光パターンであるので逆転である。
なお、スタートビットの60単位の間は、メインデータの送信を不可とする。
次に、サブデータビットは、データビットが“1”の発光パターンである符号g12が正転であり、データビットが“0”の発光パターンである符号g13が逆転である。
そして、パリティビットは“0”の発光パターンであるので逆転である。
なお、スタートビットの60単位の間は、メインデータの送信を不可とする。
図5に示したように、メインデータセットの正転と反転を繰り返し送信することで、メインデータにサブデータを重畳して連続送信するこができる。このサブデータセットに、例えば処理頻度の低い情報を割り当てることで、常時処理が必要な情報を、より高速に取得することが可能である。
なお、図5に示したデータビットのビット数や、サブデータの単位数は一例であり、これに限らない。また、サブデータセットの重畳は、メインデータセットの正転=0、反転=1であってもよい。また、サブデータの1ビットは、50単位以下であってもよく、50単位以上であってもよい。
[送信機の送信処理]
次に、送信機2が行う送信処理手順例を説明する。
図6は、送信機2が行う送信処理手順のフローチャートである。
次に、送信機2が行う送信処理手順例を説明する。
図6は、送信機2が行う送信処理手順のフローチャートである。
(ステップS1)送信情報生成部21は、送信情報を生成する。
(ステップS2)エンコーダ22は、送信情報生成部21が出力する送信情報をエンコード処理して送信データを生成する。なお、エンコーダ22は、サブデータが含まれている場合、サブデータも含めてエンコード処理を行う。また、上述したように、送信データには、スタートビットとデータビットとパリティビットが含まれる。このため、エンコーダ22は、エンコード処理の際、スタートビットをデータビットの前に付与し、さらにパリティビットを計算して、計算したパリティビットをデータビットの後に付与する。
(ステップS3)送信部23は、エンコーダ22が出力する送信データを基づいて、Hレベルのデータに対して発光部24を点灯するように制御し、Lレベルのデータに対して発光部24を消灯するように制御することで、ビーコン信号を送信するように制御する。
[受信機の画像処理]
次に、受信機3が行う画像処理について説明する。
図7は、送信機2からの光を含む画像を撮影部の全感度領域で撮影した画像例を示す図である。図7において、符号g101は、ビーコン信号の輝点の画像であり、符号g102とg103はダウンライト照明による光の画像である。このように、受信機3が撮影した画像には、送信機2以外の他の光源による画像が撮影される場合がある。なお、図7では、説明のために白と黒とを反転させている。
次に、受信機3が行う画像処理について説明する。
図7は、送信機2からの光を含む画像を撮影部の全感度領域で撮影した画像例を示す図である。図7において、符号g101は、ビーコン信号の輝点の画像であり、符号g102とg103はダウンライト照明による光の画像である。このように、受信機3が撮影した画像には、送信機2以外の他の光源による画像が撮影される場合がある。なお、図7では、説明のために白と黒とを反転させている。
図8は、受信機3が光学系にフィルタ処理を行った後撮影した画像例を示す図である。なお、図8に示す例は、図7に示した撮影された画像に対して、IR帯域を通過させるBPF(バンドパスフィルタ)を用いた後の画像である。すなわち、撮影部31が有する撮像素子の前段の光学系でBPFをかけている。この理由は、撮影部31が白黒の撮影装置の場合は、撮影後に輝度情報となってしまうためである。また、図8では、説明のために白と黒とを反転させている。符号g121は、ビーコン信号の輝点の画像であり、符号g122とg123はダウンライト照明による光の画像である。このように、BPFを用いることで、不要な可視光照明による画像を除去または減衰させることができ検出精度を向上させることができる。なお、処理部32は、さらに例えばクラスタリング処理等を行って、面積が閾値以上の白領域の画像を抽出することで、符号g122やg123の領域の画像を除去するようにしてもよい。
[受信機側の点灯と消灯の判定]
次に、消灯と点灯の判定例について、図9〜図11を用いて説明する。
図9は、“0”の発光パターンにおける消灯と点灯の判定例を示す図である。図10は、“1”の発光パターンにおける消灯と点灯の判定例を示す図である。図11は、判定基準例を示す図である。図9と図10において、横軸は経過時間であり、縦軸は信号レベル(HレベルとLレベル)である。
次に、消灯と点灯の判定例について、図9〜図11を用いて説明する。
図9は、“0”の発光パターンにおける消灯と点灯の判定例を示す図である。図10は、“1”の発光パターンにおける消灯と点灯の判定例を示す図である。図11は、判定基準例を示す図である。図9と図10において、横軸は経過時間であり、縦軸は信号レベル(HレベルとLレベル)である。
また、図9と図10において、符号g201とg221は、発光部24の点灯と消灯を表す。符号g202とg222は、第1ケースにおける撮影装置の露光タイミングである。符号g203とg223は、第2ケースにおける撮影装置の露光タイミングである。符号g204とg224は、第3ケースにおける撮影装置の露光タイミングである。符号g209と符号229が示す範囲は、HレベルとLレベルの判定結果を示す。
なお、図9と図10は、露光時間が5/6単位の例である。この露光時間および露光タイミングは、受信機3の露光制御部321が制御する。また、発光部24と撮影部31のフレームレートの周波数のズレは、撮影部のレートを100とすると98.33〜101.66(±1.66%)が許容される。ただし、図9と図10は、発光部24と撮影部31のフレームレートの周波数完全一致した場合の図である。
図9と図10の第1ケース〜第3ケースでは、5/6単位の露光時間のうち、1/6単位以上の入光があったらHと判定する。
符号g202とg222の第1ケースの場合は、発光部24の立ち上がりタイミングと、露光時間の立ち上がりタイミングが一致している例である。符号g202のように、第1ケースでは、“0”の発光パターンに対して、点灯(Hレベル)が2個であり、消灯(Lレベル)が4個であると判定される。符号g222のように、第1ケースでは、“1”の発光パターンに対して、点灯(Hレベル)が4個であり、消灯(Lレベル)が2個であると判定される。
符号g203とg223の第2ケースの場合は、発光部24の立ち上がりタイミングと、露光時間の立ち上がりタイミングが2/6単位(120[deg])進んでいる例である。符号g203のように、第2ケースでは、“0”の発光パターンに対して、点灯(Hレベル)が3個であり、消灯(Lレベル)が3個であると判定される。符号g223のように、第2ケースでは、“1”の発光パターンに対して、点灯(Hレベル)が5個であり、消灯(Lレベル)が1個であると判定される。
符号g204とg224の第3ケースの場合は、発光部24の立ち上がりタイミングと、露光時間の立ち上がりタイミングが4/6単位(240[deg])進んでいる例である。符号g204のように、第3ケースでは、“0”の発光パターンに対して、点灯(Hレベル)が3個であり、消灯(Lレベル)が3個であると判定される。符号g224のように、第3ケースでは、“1”の発光パターンに対して、点灯(Hレベル)が5個であり、消灯(Lレベル)が1個であると判定される。
次に、記憶部323が記憶する判定基準について説明する。
なお、ここでは、説明が煩雑になることを避けるため、上述したサブデータ処理を除外してメインデータのデコード処理について説明する。
図11に示すようにHレベルの個数が0個の場合、受信機3のデコーダ325は、スタートビット(Start bit)と見なす、または光量不足等によりID(識別情報)読み取りができない(不可)とみなす。Hレベルの個数が1個の場合、デコーダ325は、光量不足等によりID(識別情報)読み取りができない(不可)とみなす。また、Hレベルの個数が2個以上、3個以下の場合、デコーダ325は、“0”とみなす。Hレベルの個数が4個以上、5個以下の場合、デコーダ325は、“1”とみなす。Hレベルの個数が6個の場合、デコーダ325は、光量過剰等によりID(識別情報)読み取りができない(不可)とみなす、または発光部24以外の光源であるとみなす。これらの判定基準は、受信機3の記憶部323が記憶している。なお、図11に示した判定基準は、1ビットが6単位の場合である。このため、判定基準は、1ビットが6単位以外の場合、1ビットの単位数に合わせて設定される。
なお、ここでは、説明が煩雑になることを避けるため、上述したサブデータ処理を除外してメインデータのデコード処理について説明する。
図11に示すようにHレベルの個数が0個の場合、受信機3のデコーダ325は、スタートビット(Start bit)と見なす、または光量不足等によりID(識別情報)読み取りができない(不可)とみなす。Hレベルの個数が1個の場合、デコーダ325は、光量不足等によりID(識別情報)読み取りができない(不可)とみなす。また、Hレベルの個数が2個以上、3個以下の場合、デコーダ325は、“0”とみなす。Hレベルの個数が4個以上、5個以下の場合、デコーダ325は、“1”とみなす。Hレベルの個数が6個の場合、デコーダ325は、光量過剰等によりID(識別情報)読み取りができない(不可)とみなす、または発光部24以外の光源であるとみなす。これらの判定基準は、受信機3の記憶部323が記憶している。なお、図11に示した判定基準は、1ビットが6単位の場合である。このため、判定基準は、1ビットが6単位以外の場合、1ビットの単位数に合わせて設定される。
このように、第1ケース〜第3ケースの“0”の発光パターンと“1”の発光パターンは、図11に示した判定基準に基づいて、“0”または“1”が適切に判定される。
次に、受信機3が撮影した画像に対して行う処理例を説明する。
図12は、撮影された画像に対して受信機3が行う処理を説明するための図である。なお、図12に示す例では、データビットが8ビットの例である。受信機3の撮影部31は、発光パターンを、1ビットあたり6枚、10(=1+8+1)ビットに対して計60枚撮影する。なお、図12は白と黒とを反転してある。
また、符号g301が示す領域の画像(01〜06)は、スタートビットの発光パターンを撮影した画像である。符号g302〜g309が示す領域の画像(07〜12、13〜18、19〜24、25〜30、31〜36、37〜42、43〜48、49〜54、55〜60)は、1ビット目〜8ビット目の発光パターンを撮影した画像である。
図12は、撮影された画像に対して受信機3が行う処理を説明するための図である。なお、図12に示す例では、データビットが8ビットの例である。受信機3の撮影部31は、発光パターンを、1ビットあたり6枚、10(=1+8+1)ビットに対して計60枚撮影する。なお、図12は白と黒とを反転してある。
また、符号g301が示す領域の画像(01〜06)は、スタートビットの発光パターンを撮影した画像である。符号g302〜g309が示す領域の画像(07〜12、13〜18、19〜24、25〜30、31〜36、37〜42、43〜48、49〜54、55〜60)は、1ビット目〜8ビット目の発光パターンを撮影した画像である。
1単位目(01)がL、2単位目(02)がL、…、6単位目(06)がLである。このため、受信機3の判定部324は、1〜6単位をスタートビットであると判定する。
続けて、判定部324は、データビットの1ビット目の1単位目(07)〜6単位目(12)の順に判定する。判定部324は、HHHHLL、すなわちHが4個のため“1”と判定する。
続けて、判定部324は、データビットの2ビット目の1単位目(08)〜6単位目(18)の順に判定する。判定部324は、HHLLLL、すなわちHが2個のため“0”と判定する。
続けて、判定部324は、データビットの2ビット目の1単位目(08)〜6単位目(18)の順に判定する。判定部324は、HHLLLL、すなわちHが2個のため“0”と判定する。
以下、判定部324は、3ビット目、…、8ビット目を順に判定する。
続けて、判定部324は、符号g310の1単位目(55)〜6単位目(60)の順に判定する。判定部324は、HHHHLL、すなわちHが4個のため“1”と判定する。なお、判定部324は、符号g310に続いて、符号g301のLLLLLLの発光パターン、すなわちスタートビットを受信した際、そのスタートビットの前のビットをパリティビットであると判定する。または、データビット長が予め決められている場合、判定部324は、所定のデータビットの後に付与されているビットをスタートビットであると判定する。
続けて、判定部324は、符号g310の1単位目(55)〜6単位目(60)の順に判定する。判定部324は、HHHHLL、すなわちHが4個のため“1”と判定する。なお、判定部324は、符号g310に続いて、符号g301のLLLLLLの発光パターン、すなわちスタートビットを受信した際、そのスタートビットの前のビットをパリティビットであると判定する。または、データビット長が予め決められている場合、判定部324は、所定のデータビットの後に付与されているビットをスタートビットであると判定する。
図12に示したように、発光パターンが輝点(図12では黒点)として連続画像に撮影されるため、処理部32は、これらの画像に対してHかLかを判定した後、ビット毎に“0”か“1”を判定する。そして、受信機3の処理部32は、判定結果を用いて、ビーコン信号に含まれるデータに対してデコードを行うことができる。
なお、上述したように、送信機2は、送信機2のタイミングでビーコン信号を送信する。そして、受信機3は、送信機2からの同期信号を用いずに画像から送信データに対してデコードを行う。このように、受信機3が、送信機2からの同期信号を用いずに画像に対してデコードを行える理由は、上述したようにビーコン信号の信号列(メインデータセット)の構成を、1ビットを複数単位で構成し、HレベルとLレベルの発光の組み合わせ(“0”の発光パターンをHHLLLL、“1”の発光パターンをHHHHLL)で定義したためである。また、受信機3が、送信機2からの同期信号を用いずに画像に対してデコードを行える理由は、データnビットと、スタートビット(1ビット)とパリティビット(1ビット)で構成したためである。
なお、位置同定システム1の位置同定精度は、送信機2の設置数と受信機3の撮影部31の画素数に依存するが、例えば20cm以下が可能である。
なお、位置同定システム1の位置同定精度は、送信機2の設置数と受信機3の撮影部31の画素数に依存するが、例えば20cm以下が可能である。
[画像処理手順]
次に、受信機3の処理部32が行う画像処理手順例を説明する。
図13は、受信機3の処理部32が行う画像処理手順のフローチャートである。
次に、受信機3の処理部32が行う画像処理手順例を説明する。
図13は、受信機3の処理部32が行う画像処理手順のフローチャートである。
(ステップS101)撮影部31は、露光制御部321の制御に基づいて撮影する。
(ステップS102)画像処理部322は、撮影された多値(例えばグレースケール、256階調)の画像を2値化する。
(ステップS103)画像処理部322は、2値化された画像に対してクラスタリング処理を行う。なお、画像処理部322は、クラスタリング処理を行うクラスタごとに画素数、縦横比および充填率等の属性を付加する。なお、画像処理部322は、例えば記憶部323が記憶する閾値以上の画素に対してクラスタリング処理を行う。
(ステップS104)画像処理部322は、クラスタリング処理を行った結果に基づいて、光源候補の領域の画像を抽出する。なお、画像処理部322は、ステップS103で付加した属性に基づいて光源候補を抽出する。
(ステップS105)画像処理部322は、系列で光源候補が蓄積されたら光源候補を追跡する。なお、画像処理部322は、追跡に必要なデータを記憶部323に記憶させる。例えば、画像処理部322は、例えば6フレーム後を探して近傍(例えば5画素×5画素)に類似の光源があれば同一の光源と仮定してその間の信号強度を抽出する。画像処理部322は、HレベルとLレベルに不適切な強度であれば信号候補から外す。画像処理部322は、現時刻から後の時刻に見つかった光源を基準にしてその後の光源を探すことを光源が見つからなくなるまで繰り返す。
以下、判定部324は、画像処理された結果に基づいてHレベルとLレベルを判定する。そして、判定部324は、1ビットにおけるHレベルの個数に基づいて“0”の発光パターンであるか“1”の発光パターンであるか判定する。続けて、デコーダ325は、画像処理部322が追跡した信号列について信号列の長さを検証し、必要に応じてエラー訂正もしくはエラー検出信号を利用して信号を補正して、送信情報を得る。
なお、上述した画像処理手順は一例であり、これに限らない。画像処理部322は、画像処理において、例えばエッジ検出、特徴量検出等の処理を行ってもよい。
[方向の演算方法]
次に、受信機3が行うビーコン信号の方向の演算方法について、図14と図15を用いて説明する。
図14は、受信機3により撮影された画像における座標を示す図である。図14において、水平方向をU軸方向、垂直方向をV軸方向とする。符号g401は、撮影された画像内のビーコン信号の輝点を表す。ビーコン信号の輝点の座標(u,v)を、以下、輝点座標という。
次に、受信機3が行うビーコン信号の方向の演算方法について、図14と図15を用いて説明する。
図14は、受信機3により撮影された画像における座標を示す図である。図14において、水平方向をU軸方向、垂直方向をV軸方向とする。符号g401は、撮影された画像内のビーコン信号の輝点を表す。ビーコン信号の輝点の座標(u,v)を、以下、輝点座標という。
受信機3の処理部32は、輝点座標(u,v)からビーコン信号が送信された方向(方位角ω,仰角θ)を演算する。なお、方向演算部327は、ビーコン信号の方向を計算する際に、CALデータ記憶部326が記憶するキャリブレーションデータを使用する。
図15は、カメラ座標系を示す図である。
図15に示すように、カメラ座標系の原点をカメラ光学中心とする。例として,複数のレンズからなる光学系においては物側主点とする。さらに、カメラ座標軸をXc,Yc,Zcとする。また、カメラ座標系は、−Yc方向を撮影部31前方とし且つ移動体前方とし、+Zc方向を天井方向とする左手系とする。
図15に示すように、カメラ座標系の原点をカメラ光学中心とする。例として,複数のレンズからなる光学系においては物側主点とする。さらに、カメラ座標軸をXc,Yc,Zcとする。また、カメラ座標系は、−Yc方向を撮影部31前方とし且つ移動体前方とし、+Zc方向を天井方向とする左手系とする。
輝点座標(u,v)(図14)に対し、内部パラメータならびにレンズ歪みの補正データを使用することで,カメラ座標系の点に変換する。
ビーコン信号の輝点座標(u,v)と、ビーコン信号のカメラ座標系での座標(Xc,Yc,Zc)(以下、ビーコン座標ともいう)との関係は次式(1)で表される。
ビーコン信号の輝点座標(u,v)と、ビーコン信号のカメラ座標系での座標(Xc,Yc,Zc)(以下、ビーコン座標ともいう)との関係は次式(1)で表される。
ただし、式(1)において、(fx,fy)はピクセル単位の焦点距離であり、(Cx,Cy)はピクセル単位の光学的中心(主点)であり、Sはスケールファクタである。カメラレンズの半径方向と円周方向の歪みが、このXc,Yc,Zcに反映されている。
半径方向の歪み係数kと円周方向の歪み係数pを用いて、カメラ座標系における拡張表記すると次式(2)のように表すことができる。
半径方向の歪み係数kと円周方向の歪み係数pを用いて、カメラ座標系における拡張表記すると次式(2)のように表すことができる。
式(2)において、Xcにおけるx’(1+k1r2+k2r4+k3r6)の項と、Ycにおけるy’(1+k1r2+k2r4+k3r6)の項は、撮影部31が有するレンズによる歪み成分の内、半径方向の歪みを表している。また、Xcにおける{2p1x’y’+p2(r2+2x’2)}の項と、Ycにおける{p1(r2+2y’2)+2p2x’y’}の項は、撮影部31が有するレンズによる歪み成分の内、円周方向の歪みを表している。
方向演算部327は、例えば規定画像や送信機2の配置パターンを用いたキャリブレーションターゲットによるカメラキャリブレーションを行う。そして、方向演算部327は、既知の座標に対応する理論上の撮像内座標と実際に撮影された座標とを比較してk値とp値を決定する。これにより、受信機3は、レンズの歪みが算出されるカメラ座標系に与える影響を除去することができるので、以降の自己位置算出を精度良く行うことができる。
カメラ座標系におけるビーコン信号の方向(方位角ω,仰角θ)は、次式(3)のように表すことができる。
[自己位置の演算方法]
次に、受信機3が行う自己位置の演算方法について、図16〜図18を用いて説明する。
図16は、カメラ座標系とワールド座標系におけるビーコン座標を示す図である。図16では、2つの送信機2a,2bを用いて説明する。(Xw,Yw,Zw)がワールド座標系であり、(Xc,Yc,Zc)がカメラ座標系である。符号g421は、カメラ座標系における送信機2aの座標(X1c,Y1c,Z1c)、ワールド座標系における送信機2aの座標(X1w,Y1w,Z1w)を表している。符号g422は、カメラ座標系における送信機2bの座標(X2c,Y2c,Z2c)、ワールド座標系における送信機2bの座標(X2w,Y2w,Z2w)を表している。また、ワールド座標系におけるカメラ座標系の原点Ocの座標を(t1,t2,t3)とする。
次に、受信機3が行う自己位置の演算方法について、図16〜図18を用いて説明する。
図16は、カメラ座標系とワールド座標系におけるビーコン座標を示す図である。図16では、2つの送信機2a,2bを用いて説明する。(Xw,Yw,Zw)がワールド座標系であり、(Xc,Yc,Zc)がカメラ座標系である。符号g421は、カメラ座標系における送信機2aの座標(X1c,Y1c,Z1c)、ワールド座標系における送信機2aの座標(X1w,Y1w,Z1w)を表している。符号g422は、カメラ座標系における送信機2bの座標(X2c,Y2c,Z2c)、ワールド座標系における送信機2bの座標(X2w,Y2w,Z2w)を表している。また、ワールド座標系におけるカメラ座標系の原点Ocの座標を(t1,t2,t3)とする。
式(1)で演算したカメラ座標系におけるビーコン座標と、既知のワールド座標系におけるビーコン座標を複数使用すると、回転行列と併進行列を求められる。従って、ワールド座標系を使用した既知の地図上での自己位置を算出することができる。
ここで、カメラ座標系からワールド座標系への変換は、3次元アフィン変換により行う。この変換に使用される変換行列の各値は、参照するビーコン信号を必要数確保すれば算出可能である。しかしながら、ここでは位置同定に必要な,X,Y,θzのみに限定し、他のパラメータはセンサからの入手や固定値とした。
ワールド座標とカメラ座標との関係は、要素rnmからなる回転行列と、要素tnからなる併進行列を用いて、次式(4)のように表すことができる。
ワールド座標とカメラ座標との関係は、要素rnmからなる回転行列と、要素tnからなる併進行列を用いて、次式(4)のように表すことができる。
回転行列要素であるr11〜r33は、カメラ座標系がワールド座標系に対して,Xw軸周りにα、Yw軸周りにβ、Zw軸周りにγ回転しているとした場合の変数であるとする。ここでαとβは、例えば移動体や撮影部31に内蔵された慣性センサの、重力に対する値を用いて取得することができる。また、t3も、床面との距離センサより取得可能である。この結果、位置同定のために求めなければならない変数は、t1(X),t2(Y)と、Zw軸周りの回転角度γ(θZ)となる。
ここで、ワールド座標系におけるビーコン座標は既知であるため、複数の送信機2を用いて連立方程式を解き,撮影部31の撮影位置と方向を得ることができる(自己位置と方向の同定)。
ここで、ワールド座標系におけるビーコン座標は既知であるため、複数の送信機2を用いて連立方程式を解き,撮影部31の撮影位置と方向を得ることができる(自己位置と方向の同定)。
図17は、天井に取り付けられている複数の送信機2からの光を撮影した際の画像のイメージ図である。符号g431が示す領域は、撮影部31によって撮影された画像である。符号g433が示す領域は、送信機2が天井に取り付けられている部屋の外形を示している。また、符号g441〜g445は、各送信機2が送信したビーコン信号を示している。また、受信機3は、受信した送信データに対してデコードを行い、符号g441の送信機2のID(識別情報)がID1、符号g442の送信機2のIDがID2、符号g443の送信機2のIDがID3、符号g444の送信機2のIDがID4を得る。図17の例では、撮影範囲以外であったため、受信機3は、符号g445のIDを取得できていない。
上述したように、各送信機2のワールド座標系における位置は既知である。そして、受信機3は、ビーコン信号を受信できた送信機2のIDを送信データから取得し、かつ方向を演算して求める。さらに、複数の送信機2の位置から、自己位置を同定する。この結果、図17に示すように、ワールド座標系における受信機3の位置が同定される。なお、図17において、紙面の上側を受信機3の後方(REAR)とし、紙面の下側を受信機3の前方(FRONT)とする。
受信機3は、図18に示すように、同定した自己位置を地図上の座標に変換する。図18は、地図上の自己位置を示す図である。図18において、横軸はX軸であり、縦軸はY軸である。また、図18に示す例は、4つの送信機2を撮影して、IDを取得できた場合の例である。なお、IDが5の送信機2(図17の符号g445)は、撮影範囲外であったため撮影できていない。図18に示す例の自己位置は、例えばXw=2855、Yw=3140、θz=303度である。
このように、位置同定システム1によれば、受信機3を起動して画像を撮影すれば即時に自己位置の座標と向きが得られる。また、位置同定システム1によれば、図18に示すように送信機2のIDに紐付けた地図を得ることができる。
[位置同定の処理手順]
次に、受信機3が行う位置同定の処理手順例を説明する。
図19は、受信機3が行う位置同定の処理手順のフローチャートである。
次に、受信機3が行う位置同定の処理手順例を説明する。
図19は、受信機3が行う位置同定の処理手順のフローチャートである。
(ステップS201)撮影部31は、露光制御部321の制御に応じて撮影する。
(ステップS202)画像処理部322は、撮影された画像に対して画像処理(図13のステップS102〜S105)の処理を行う。
(ステップS202)画像処理部322は、撮影された画像に対して画像処理(図13のステップS102〜S105)の処理を行う。
(ステップS203)判定部324は、画像処理部が出力する情報に基づいて、判定処理を行って、ビーコン信号による画像を確定する。続けて、デコーダ325は、ビーコン信号からIDを含む送信データを抽出する。これにより、デコーダ325は、ビーコン信号のIDを確定する。
(ステップS204)方向演算部327は、画像処理部が出力する情報と、CALデータ記憶部326が記憶するキャリブレーション情報と、上述した式(1)、式(2)を用いて、カメラ座標系におけるビーコン信号の位置(ビーコン座標)を確定する。続けて、方向演算部327は、画像処理部が出力する情報を用いて、上述した式(3)によってビーコン信号の方向(撮影部31から見た送信機2の方向)を演算する。
(ステップS205)自己位置演算部329は、デコーダ325が出力する送信データを取得する。続けて、自己位置演算部329は、IDを2つ以上検出できたか否かを判別する。自己位置演算部329は、IDを2つ以上検出できたと判別した場合(ステップS205;YES)、ステップS206の処理に進める。自己位置演算部329は、IDを2つ以上検出できていないと判別した場合(ステップS205;NO)、ステップS201の処理に戻る。
(ステップS206)自己位置演算部329は、撮影部31が出力する検出結果と、方向演算部327が出力する方向情報を取得する。続けて、自己位置演算部329は、検出結果と、方向情報と、地図データ記憶部328が記憶する地図データを用いて、上述した式(4)によって送信機2の自己位置を演算して同定する。
なお、上述した例において、撮影部31は、広角または魚眼レンズを有していてもよい。これにより、位置同定システム1によれば、より広範囲に設置されたビーコン情報が取得できることにより、送信機2の設置数の削減による設置コストの低減ができる。
また、角または魚眼レンズを用いた場合は、より多方位のビーコンを捉えることが出来るため、遮蔽物が存在した場合のロバスト性が向上する。
また、角または魚眼レンズを用いた場合は、より多方位のビーコンを捉えることが出来るため、遮蔽物が存在した場合のロバスト性が向上する。
また、上述した例において、撮影部31の代わりに直線上、または平面上に複数並べた受光素子(フォトトランジスタ等)アレイを使用してもよい。撮影部31のカメラの代わりに受光素子を用いることで、受信機3を小型化でき、さらに受信機のコストを下げることができる。
また、位置同定システム1によれば、ビーコンに光を使用することにより、鏡面以外では電波のようなマルチパスの影響がないため、設置後の設置環境個別のキャリブレーションが不要である。また、位置同定システム1によれば、電波の様に他の機器との干渉やノイズの影響を受けにくい。
[本発明の実施形態による車両誘導システムの説明]
次に、本発明の実施形態による車両誘導システムについて説明する。本実施形態による車両誘導システムは、屋内駐車場と、屋内駐車場を利用する車両とに、屋内自己位置認識システムを搭載する。屋内自己位置認識システムとして、上述した位置同定システム1を用いる。すなわち、屋内駐車場に位置同定システムの送信機2を設け、車両に位置同定システム1の受信機3を設ける。
次に、本発明の実施形態による車両誘導システムについて説明する。本実施形態による車両誘導システムは、屋内駐車場と、屋内駐車場を利用する車両とに、屋内自己位置認識システムを搭載する。屋内自己位置認識システムとして、上述した位置同定システム1を用いる。すなわち、屋内駐車場に位置同定システムの送信機2を設け、車両に位置同定システム1の受信機3を設ける。
実施形態の車両誘導システムは、屋内駐車場内を走行中の車両の位置を屋内自己位置認識システムによって追跡することにより、リアルタイムに駐車スペースの使用状態を把握し、管理を行う。また、車両誘導システムは、この車両位置の追跡により、入庫した車両を指定の駐車スペースへ誘導する。よって、個々の駐車スペースにセンサを設ける必要がない。さらに、車両誘導システムは、ドライバーが使用する可搬のコンピュータ端末(以下、モバイル端末と記載)へ、駐車した位置やその場所までの経路を通知する。
図20は、本実施形態の車両誘導システム500の構成例を示す図である。車両誘導システム500は、車両501に用いられる車両用装置600と、駐車場502の管理に用いられる駐車場管理装置700と、駐車場502に設置される送信機800とを有する。駐車場502は、例えば、屋内駐車場や、立体駐車場である。駐車場502内の大部分ではGNSS(Global Navigation Satellite System;全球測位衛星システム)が使用できない。送信機800は、駐車場502の入口、天井、壁などに設置される。送信機800は、位置同定システム1の送信機2に相当する。駐車場502内で車両501が走行又は駐車し得るいずれの場所においても、異なる位置に設置された送信機800が複数見通せるように、送信機800が設置されることが望ましい。車両用装置600が備える撮影部611は、位置同定システム1の受信機3が備える撮影部31に相当する。車両用装置600と駐車場管理装置700とは、例えば、WiFi(登録商標)などにより無線通信する。
図21は、車両用装置600の構成を示すブロック図である。図21では、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示している。車両用装置600は、位置同定部610、無線通信部620、処理部630、記憶部640、表示部650、音声出力部660、および入力部670を備える。
位置同定部610は、位置同定システム1の受信機3に相当する。位置同定部610は、送信機800から送信されるビーコン信号のビーコンIDを検出し、自己位置を算出する。ビーコンIDは、送信機800を一意に識別する送信機識別情報であり、上述の送信機2が送信するビーコン信号に含まれるIDに相当する。ビーコンIDは、全世界においてユニークな識別情報とすることが望ましい。位置同定部610は、撮影部611、および演算部612を有する。撮影部611は受信機3の撮影部31に、演算部612は受信機3の処理部32に相当する。撮影部611は、駐車場502に設置された送信機800を撮影する。演算部612は、撮影部611により撮影された画像に基づいて検出されたビーコンIDと、撮影された画像における送信機800の位置と、検出されたビーコンIDにより特定される送信機800の三次元座標系における位置の情報とを用いて、三次元座標系における座標および向きを表す自己位置(車両用装置位置)を同定する。三次元座標系は、例えば、ワールド座標系である。無線通信部620は、無線通信を行う。
処理部630は、通信制御部631、車両情報送信部632(送信機識別送信部)、情報受信部633(地図受信部)、ルート計算部634、位置通知部635、通知受信部636、車両状態通知部637、およびモード制御部638を有する。通信制御部631は、無線通信部620を制御する。車両情報送信部632は、車両501に関する情報を示す車両情報を駐車場管理装置700に送信する。情報受信部633は、駐車場管理装置700から屋内地図データや目標位置を受信する。屋内地図データは、駐車場502内の地図データである。目標位置は、三次元座標系の座標で表した移動の目標となる位置である。ルート計算部634は、屋内地図データおよび移動目標の位置と、位置同定部610が同定した現在の自己位置である現在地とを用いて、現在地から目標位置に至る地図上のルートを計算する。位置通知部635は、位置同定部610が同定した現在地の情報を駐車場管理装置700に通知する。通知受信部636は、駐車場管理装置700からの通知を受信し、表示部650や音声出力部660に受信した通知を出力する。車両状態通知部637は、車両501の状態を駐車場管理装置700に通知する。モード制御部638は、車両用装置600の動作モードを変更する。動作モードには、通常モードと、スリープモードがある。スリープモードでは、車両用装置600の一部の機能を停止したり、処理周期を長くしたりすることにより、電力消費を抑える。入力部670は、ユーザの操作を入力する。
記憶部640は、各部の処理に必要な各種情報を記憶する。記憶部640が、受信機3の地図データ記憶部328として用いられてもよい。表示部650は、画面を表示するディスプレイである。音声出力部660は、音声を出力するスピーカである。
なお、車両用装置600は、車両501に備え付けられていてもよく、ドライバーなど車両501に乗車している人が使用するスマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末でもよい。また、車両用装置600の一部の機能部が車両501に備えられ、他の機能部がモバイル端末に備えられてもよい。この場合、車両501とモバイル端末のいずれにいずれの機能部を備えるかは任意とすることができる。例えば、車両501に位置同定部610を備え、モバイル端末に無線通信部620、処理部630、記憶部640、表示部650、音声出力部660、および入力部670を備えてもよい。また、例えば、車両501に撮影部611を備え、モバイル端末に演算部612、無線通信部620、処理部630、記憶部640、表示部650、音声出力部660、および入力部670を備えてもよい。また、車両501に位置同定部610、無線通信部620、処理部630、および記憶部640を備え、モバイル端末に表示部650、音声出力部660、および入力部670を備えてもよい。また、一つの機能部を車両501とモバイル端末との両方により実現してもよい。
図22は、駐車場管理装置700の構成を示すブロック図である。駐車場管理装置700は、記憶部710、無線通信部720、および処理部730を備える。記憶部710は、各種情報を記憶する。記憶部710は、許可情報記憶部711、地図データ記憶部712、駐車場管理情報記憶部713、および出庫ゲート情報記憶部714を備える。
許可情報記憶部711は、許可DB(データベース)を記憶する。許可DBは、駐車場502の利用が許可されている又は許可されていない利用者IDを示す。また、許可DBは、高い優先度の利用者IDの情報を含んでもよい。利用者IDとして、車両501の識別情報又は車両用装置600の識別情報が用いられる。
地図データ記憶部712は、地図DBを記憶する。地図DBは、ビーコンIDと、許可対象ごとの屋内地図データとを対応付けた情報である。許可対象は、屋内地図データを提供する対象となる車両501又は車両用装置600の条件を示す。許可対象に対応した屋内地図データは、駐車場502内において許可対象の車両501又は許可対象の車両用装置600が使用されている車両501に許可されるエリアの地図を示す。
駐車場管理情報記憶部713は、駐車場管理DBを記憶する。駐車場管理DBは、許可対象毎の駐車スペース管理情報を記憶する。駐車スペース管理情報は、各駐車スペースの位置、使用状態および利用者を示す。利用者の情報として、駐車スペースの利用が許可された利用者IDや、車両用装置600に割り当てられた通行キーを用いることができる。
出庫ゲート情報記憶部714は、出庫ゲートDBを記憶する。出庫ゲートDBは、駐車場502における各出庫ゲートの三次元座標系における位置の情報を示す。
無線通信部720は、無線により車両用装置600と通信する。処理部730は、検索部731、管理情報更新部732、通知部733(地図送信部)、位置受信部734、車両状態判別部735、モード制御部736、ゲート制御部737、およびエラー処理部738を備える。検索部731は、車両用装置600に送信する屋内地図データなどの情報を検索する。管理情報更新部732は、駐車場管理DBにより管理されている各駐車スペースの使用状態を更新する。通知部733は、車両用装置600に目標位置や地図データなどの情報を通知する。位置受信部734は、車両用装置600の現在地を示す情報を受信する。車両状態判別部735は、位置受信部734が受信した現在地の情報に基づいて車両用装置600の車両の状態を判別する。モード制御部736は、駐車場管理装置700の動作モードを変更する。動作モードには、通常モードと、スリープモードがある。スリープモードでは、ある車両用装置600と連携して動作する一部の機能を停止したり、処理周期を長くしたりすることにより、電力消費を抑える。ゲート制御部737は、車両501が駐車場502から出庫するときに通過する出庫ゲート(図示せず)を制御する。エラー処理部738は、車両用装置600との無線通信が確立できないなどのエラーが発生した場合の処理を行う。
なお、駐車場管理装置700は、1台以上のコンピュータ装置で実現することができる。駐車場管理装置700をネットワークに接続された複数台のコンピュータ装置により実現する場合、いずれのコンピュータ装置によりいずれの機能部を実現するかは任意とすることができる。また、一つの機能部を複数台のコンピュータ装置により実現してもよい。また、無線通信部720は、コンピュータ装置と接続される無線通信装置でもよい。
続いて駐車場管理装置700の記憶部710に記憶される各種データを説明する。
図23は、地図DBの例を示す図である。地図DBは、検出ビーコンIDと、許可対象と、屋内地図データと、送信機位置情報とを対応付けた情報である。検出ビーコンIDは、車両用装置600により検出されたビーコンIDである。許可対象は、例えば、車両の大きさ、優先度、利用者IDなどで表される。屋内地図データは、駐車場502内の地図を示すデータである。許可対象に対応した屋内地図データは、駐車場502内において許可対象の車両501に許可されるエリアについての地図を示す。送信機位置情報は、屋内地図データが示すエリア内又はそのエリア内から見通せる位置に設置されている各送信機800のビーコンIDと、それら送信機800のワールド座標系におけるビーコン位置(座標)を示す設置位置情報とを対応付けた情報である。
図23は、地図DBの例を示す図である。地図DBは、検出ビーコンIDと、許可対象と、屋内地図データと、送信機位置情報とを対応付けた情報である。検出ビーコンIDは、車両用装置600により検出されたビーコンIDである。許可対象は、例えば、車両の大きさ、優先度、利用者IDなどで表される。屋内地図データは、駐車場502内の地図を示すデータである。許可対象に対応した屋内地図データは、駐車場502内において許可対象の車両501に許可されるエリアについての地図を示す。送信機位置情報は、屋内地図データが示すエリア内又はそのエリア内から見通せる位置に設置されている各送信機800のビーコンIDと、それら送信機800のワールド座標系におけるビーコン位置(座標)を示す設置位置情報とを対応付けた情報である。
図24は、駐車場管理DBの例を示す図である。駐車場管理DBは、許可対象と、駐車スペース管理情報とを対応付けた情報である。駐車スペース管理情報は、駐車スペースを特定する識別情報である駐車スペースIDと、駐車スペース位置情報と、駐車スペースの使用状態情報と、利用者情報とを対応付けた情報である。駐車スペース位置情報は、ワールド座標系における駐車スペースの位置の座標を示す。使用状態情報は、空き、予約中、使用中を示す。利用者情報は、駐車スペースの利用者を示す。利用者情報として、利用者IDを用いてもよく、駐車場管理装置700が車両用装置600に割り当てた通行キーを用いてもよく、それらの両方の組合せを用いてもよい。以下では、利用者IDを用いる場合を例に説明する。
図25は、出庫ゲートDBの例を示す図である。出庫ゲートDBは、出庫ゲートを特定する出庫ゲートIDと、出庫ゲート位置情報とを対応付けた情報である。出庫ゲート位置情報は、ワールド座標系における出庫ゲートの位置の座標を示す。
続いて、車両誘導システム500の動作を説明する。
図26〜図30は、車両誘導システム500の処理を示すフロー図である。一台の車両501ごとに、図26〜図30の処理が行われる。
図26〜図30は、車両誘導システム500の処理を示すフロー図である。一台の車両501ごとに、図26〜図30の処理が行われる。
図26〜図29のフロー図は、駐車場502内において車両501を誘導する場合の車両誘導システム500の処理を示す。まず、図26に示す車両用装置600の処理を説明する。
(ステップS1010)車両用装置600の電源投入後、位置同定部610は、駐車場502の入口付近の送信機800から送信されるビーコンIDを検出する。この検出は、図19に示す送信機2のステップS201〜ステップS203の処理により行われる。位置同定部610の演算部612は、検出したビーコンIDを処理部630に出力する。
(ステップS1015)通信制御部631は、駐車場管理装置700との無線通信を確立するよう無線通信部620を制御する。
(ステップS1020)通信制御部631は、無線通信部620が駐車場管理装置700との無線通信を確立できたか否かを判別する。通信制御部631が、無線通信を確立できたと判別した場合(ステップS1020;YES)、車両用装置600は後述する図27に示す処理に進む。無線通信の確立後、車両用装置600と駐車場管理装置700との間の情報の送受信は、車両用装置600の無線通信部620および駐車場管理装置700の無線通信部720を介した無線通信により行われるが、その無線通信の処理については記載を省略する。一方、通信制御部631は、無線通信を確立できなかったと判別した場合(ステップS1020;NO)、ステップS1025の処理に進める。
(ステップS1025)通信制御部631は、接続リトライ回数が閾値N未満であるか否かを判別する。通信制御部631は、接続リトライ回数が閾値N未満であると判別した場合(ステップS1025;YES)、ステップS1030の処理に進める。一方、通信制御部631は、接続リトライ回数が閾値Nに達したと判別した場合(ステップS1025;YES)、後述する図29に示す処理に進める。
(ステップS1030)通信制御部631は、接続リトライを行い、駐車場管理装置700との無線通信を確立するよう無線通信部620を制御する。接続リトライ後、通信制御部631は、ステップS1020の処理に戻る。
次に、図27に示す処理を説明する。まず、車両用装置600の処理を説明する。
(ステップS1110)無線通信部620が駐車場管理装置700との無線通信を確立すると、車両情報送信部632は、演算部612から出力されたビーコンIDと、予め記憶部640に記憶されていた車両情報および利用者IDとを駐車場管理装置700へ送信する。車両情報は、車両501のサイズを示す情報である。車のサイズは、例えば、軽自動車、普通車、大型車などで表される。
(ステップS1110)無線通信部620が駐車場管理装置700との無線通信を確立すると、車両情報送信部632は、演算部612から出力されたビーコンIDと、予め記憶部640に記憶されていた車両情報および利用者IDとを駐車場管理装置700へ送信する。車両情報は、車両501のサイズを示す情報である。車のサイズは、例えば、軽自動車、普通車、大型車などで表される。
(ステップS1115)情報受信部633は、駐車場管理装置700から許可情報、屋内地図データおよび目標駐車場所を受信したか否かを判別する。許可情報は、駐車場502の利用が許可された場合に割り当てられる通行キーを含む。目標駐車場所は、車両501に割り当てられた駐車スペースのワールド座標系における位置を表す座標である。屋内地図データには、送信機800の設置位置情報が付加されている。なお、駐車場管理装置700は、屋内地図データとは異なるタイミングで送信機800の設置位置情報を車両用装置600に送信してもよい。また、車両用装置600の位置同定部610は、送信機800が送信する情報からその送信機800の設置位置情報を取得してもよい。
情報受信部633は、許可情報、屋内地図データおよび目標駐車場所を受信したと判別した場合(ステップS1115;YES)、受信したそれらの情報を記憶部640に書き込む。さらに、情報受信部633は、屋内地図データを位置同定部610に出力する。これにより、演算部612は、屋内地図データを、上述した位置同定システム1の受信機3が用いる地図データとする。その後、情報受信部633は、ステップS1120の処理に進める。なお、車両用装置600の処理部630は、許可情報の受信後、車両501が出庫するまで、駐車場管理装置700に情報を送信するときに、利用者IDと許可情報が示す通行キーとを付加する。一方、情報受信部633は、許可情報、および屋内地図データを受信していないと判別した場合(ステップS1115;NO)、ステップS1155の処理に進める。
(ステップS1120)ルート計算部634は、屋内地図データを用いて、位置同定部610が同定した現在位置から目標駐車場所までのルートを計算する。位置同定部610がまだ位置を同定していない場合、ルート計算部634は、ステップS1110において検出されたビーコンIDに対応付けられた設置位置情報を現在地として用いる。ルート計算部634は、屋内地図データが示す駐車場502の地図上に、現在地から目標駐車場所までのルートを重ねて表示部650に表示し、音声出力部660によりそのルートを案内する音声を出力する。このとき、ルート計算部634は、位置同定部610が同定した地図上の方向が上になるように表示を行ってもよい。
(ステップS1125)位置同定部610は、例えば周期的に図19の処理を行うことにより、送信機800から送信されるビーコンIDを用いて、屋内自己位置を取得する。位置同定部610は、屋内自己位置として得られた現在地の座標と、屋内地図データが示す地図上の位置および方向とを処理部630に出力する。
(ステップS1130)位置通知部635は、ステップS1125において位置同定部610が同定した現在地の座標を示す現在地座標と、利用者ID及び通行キーとを駐車場管理装置700に送信する。位置通知部635は、位置同定部610が検出したビーコンIDをさらに駐車場管理装置700に送信してもよい。
(ステップS1135)情報受信部633は、駐車場管理装置700から屋内地図データ、又は、屋内地図データおよび目標駐車場所を受信したか否かを判別する。情報受信部633は、受信したと判別した場合(ステップS1135;YES)、受信したそれらの情報を記憶部640に書き込む。さらに、情報受信部633は、屋内地図データを位置同定部610に出力する。情報受信部633は、ステップS1120の処理に戻る。情報受信部633は、受信しないと判別した場合(ステップS1135;NO)、ステップS1140の処理に進む。
(ステップS1140)通知受信部636は、駐車場管理装置700から目標駐車場所への移動を促す通知を受信したか否かを判別する。通知受信部636が、通知を受信したと判別した場合(ステップS1140;YES)、ステップS1120の処理に戻る。ルート計算部634は、通知を受信していないと判別した場合(ステップS1140;NO)、ステップS1145の処理に進める。
(ステップS1145)通知受信部636は、駐車場管理装置700から駐車完了通知を受信したか否かを判別する。通知受信部636は、通知を受信していないと判別した場合(ステップS1145;NO)、ステップS1120の処理に戻る。一方、通知受信部636は、通知を受信したと判別した場合(ステップS1145;YES)、ステップS1150の処理に進める。
(ステップS1150)ルート計算部634は、ルート案内が終了したと判断し、ルート案内終了を表示部650に表示したり、音声出力部660から音声により出力したりする。車両用装置600は、図28の処理に進む。
(ステップS1155)処理部630は、駐車場管理装置700から許可情報および屋内地図データを受信できない場合、エラー処理を行う。例えば、地図を更新できない旨のエラーを表示部650に表示したり、音声出力部660から音声により出力したりする。
続いて、駐車場管理装置700の処理を説明する。
(ステップS2110)駐車場管理装置700の検索部731は、ステップS1110において車両用装置600から送信されたビーコンID、車両情報および利用者IDを受信すると、許可DBの照合と、地図DBの検索とを行う。具体的には、検索部731は、利用者IDにより許可DBを照合して、駐車場502の利用を許可すると判断した場合、通行キーを割り当て、利用者IDと対応付けて記憶部710に書き込む。また、検索部731は、許可DBを参照して、利用者IDが予め登録された高い優先度であるか、登録がない通常の優先度であるかを判別する。
(ステップS2110)駐車場管理装置700の検索部731は、ステップS1110において車両用装置600から送信されたビーコンID、車両情報および利用者IDを受信すると、許可DBの照合と、地図DBの検索とを行う。具体的には、検索部731は、利用者IDにより許可DBを照合して、駐車場502の利用を許可すると判断した場合、通行キーを割り当て、利用者IDと対応付けて記憶部710に書き込む。また、検索部731は、許可DBを参照して、利用者IDが予め登録された高い優先度であるか、登録がない通常の優先度であるかを判別する。
続いて、検索部731は、受信したビーコンIDを検出ビーコンIDとして用い、検出ビーコンIDと、車両情報および優先度に合致する許可対象とに対応付けられた屋内地図データを、地図データ記憶部712が記憶する地図DBから読み出す。この屋内地図データは、車両501に対する稼働範囲制限付きの地図データに相当する。さらに、検索部731は、駐車場管理情報記憶部713が記憶する駐車場管理DBから車両情報および優先度に合致する許可対象と対応付けられた駐車スペース管理情報を特定する。検索部731は、特定した駐車スペース管理情報から空きの駐車スペースを一つ選択し、選択した駐車スペースの駐車スペース位置情報を読み出す。加えて、検索部731は、選択した駐車スペースの使用状態情報を予約中に書替え、利用者情報に利用者IDを書き込む。
(ステップS2115)通知部733は、通行キーを設定した許可情報と、検索部731が読み出した屋内地図データと、検索部731が読み出した駐車スペース位置情報を示す目標駐車場所とを車両用装置600に送信する。なお、車両用装置600に通行キーを送信した後、車両501が出庫するまで、車両用装置600から送信される情報には利用者ID及び通行キーが付加される。駐車場管理装置700の処理部730は、利用者ID及び通行キーの組合せが正当であるかの正当性確認を行い、正当であると判断した場合に処理を継続する。この正当性確認の処理については記載を省略する。
(ステップS2120)位置受信部734は、車両用装置600から現在地座標と、利用者IDおよび通行キーとを受信し、これらの情報を受信時刻と対応付けて記憶部710に書き込む。車両状態判別部735は、車両501が停車しているか否かを判別する。車両状態判別部735は、受信した利用者ID及び通行キーに付けて記憶部710に記憶されている現在地座標が所定時間同一である場合に、車両501が停車していると判別する。車両状態判別部735は、停車していないと判別した場合(ステップS2120;NO)、ステップS2125の処理に進める。車両状態判別部735は、停車していると判別した場合(ステップS2120;YES)、ステップS2135の処理に進める。
(ステップS2125)検索部731は、新たな屋内地図データの送信が必要か否かを判別する。例えば、検索部731は、受信した現在地座標が、車両用装置600に送信済みの屋内地図データが示すエリアの外又はエリアの外周から所定以内の距離である場合に、新たな屋内地図データが必要と判断する。あるいは、検索部731は、車両用装置600から現在地座標と併せて受信したいずれかのビーコンIDが地図DBの検出ビーコンIDに含まれる場合に新たな屋内地図データが必要と判断する。検索部731は、新たな屋内地図データが必要と判別した場合(ステップS2125:YES)、ステップS2130の処理に進める。検索部731は、新たな屋内地図データが不要と判別した場合(ステップS2125:NO)、ステップS2120の処理に戻る。
(ステップS2130)検索部731は、ステップS2110において用いた車両情報および優先度に合致する許可対象に対応付けられた屋内地図データのうち、現在地座標がエリアに含まれている屋内地図データを地図DBから読み出す。あるいは、検索部731は、車両用装置600から受信したビーコンIDが設定された検出ビーコンIDと、ステップS2110において用いた車両情報および優先度に合致する許可対象とに対応付けられた屋内地図データを地図DBから読み出す。通知部733は、検索部731が読み出した屋内地図データと、目標駐車場所とを車両用装置600に送信する。目標駐車場所の変更がなければ、目標駐車場所の送信を省略してもよい。
なお、検索部731は、ステップS2110と同様の処理により駐車場管理DBを参照して新たな駐車スペースを選択し、選択した駐車スペースの駐車スペース位置情報を目標駐車場所としてもよい。この場合、管理情報更新部732は、駐車場管理DBの元の駐車スペースの使用状態情報に空きを設定し、利用者情報に設定されていた利用者IDを削除する。さらに、管理情報更新部732は、新たに選択した駐車スペースの使用状態情報に予約中を設定し、利用者情報に利用者IDを設定する。
(ステップS2135)車両状態判別部735は、車両501が目標駐車場所にいるか否かを判別する。車両状態判別部735は、車両用装置600から受信した現在地座標と、車両用装置600に通知した目標駐車場所とが異なる場合、目標駐車場所にいないと判別し(ステップS2135;NO)、ステップS2140の処理に進める。車両状態判別部735は、現在地座標と目標駐車場所とが同じ場合、目標駐車場所にいると判別し(ステップS2135;YES)、ステップS2150の処理に進める。
(ステップS2140)通知部733は、車両501が停止している場所が目標駐車場所ではないため、目標駐車場所への移動を促す通知を車両用装置600に送信する。
(ステップS2145)位置受信部734は、車両用装置600から現在地座標を受信し、車両501が移動したか否かを判別する。車両状態判別部735は、所定時間以内に現在地座標が変化した場合、車両501が移動したと判別し(ステップS2145;YES)、ステップS2120の処理に戻る。一方、車両状態判別部735は、所定時間経過しても現在地座標が変化しなかった場合、車両501は移動していないと判別する(ステップS2145;NO)。車両状態判別部735は、車両501が現在駐車している場所を新たな目標駐車場所として、ステップS2155の処理に進める。
(ステップS2150)通知部733は、車両501が目標駐車場所への駐車を完了したと判別し、駐車完了通知を車両用装置600に送信する。
(ステップS2155)管理情報更新部732は、駐車スペース管理情報を参照して、現在地座標と合致又は最も近い駐車スペース位置情報を特定し、特定した駐車スペース位置情報と対応付けられた使用状態情報を使用中に書替える。なお、管理情報更新部732は、特定した駐車スペース位置情報と対応付けられた利用者情報に、車両用装置600から受信した利用者IDが設定されていない場合、受信した利用者IDが利用者情報として設定されている駐車スペースを特定する。管理情報更新部732は、受信した利用者IDにより特定した駐車スペースの使用状態情報を空きに書替え、さらにこの駐車スペースの利用者情報を削除する。管理情報更新部732は、使用状態情報を使用中に書替えた駐車スペースの利用者情報に、受信した利用者IDを書き込む。駐車場管理装置700は、図28の処理に進む。
なお、車両用装置600は、記憶している屋内地図データが示すエリア外に出てしまったなどの理由により屋内自己位置を算出できない場合、ステップS1130において現在地座標を送信せず、屋内自己位置を算出できなくなってから最初に検出したビーコンIDを送信してもよい。駐車場管理装置700は、受信したビーコンIDを示す検出ビーコンIDと、車両情報および優先度に合致する許可対象とに対応付けられた屋内地図データを地図DBから読み出して車両用装置600に送信する。
続いて、図28に示す処理を説明する。まず、図27のステップS1150の後の車両用装置600の処理を説明する。
(ステップS1210)車両用装置600の車両状態通知部637は、車両501がイグニッションオフしたか否かを判別する。車両状態通知部637は、イグニッションオフしたと判別した場合(ステップS1210:YES)、ステップS1215の処理に進める。車両状態通知部637は、イグニッションオフしていないと判別した場合(ステップS1210:NO)、ステップS1235の処理に進める。
(ステップS1215)車両状態通知部637は、イグニッションオフと、利用者IDおよび通行キーとを設定したIG OFF情報を駐車場管理装置700に送信する。
(ステップS1220)モード制御部638は、車両用装置600をスリープモードに変更する。スリープモードにおいては、位置同定部610は位置同定を行わず、位置通知部635は現在地座標の通知を行わない。車両用装置600は、駐車場管理装置700と長周期通信を行う。
(ステップS1225)車両状態通知部637は、車両501がイグニッションオンしたか否かを周期的に判別する。車両状態通知部637は、車両501がイグニッションオンしていないと判別した場合(ステップS1225:NO)、スリープモードを継続して、次の周期でステップS1225の処理を行う。車両状態通知部637は、車両501がイグニッションオンしたと判別した場合(ステップS1225:YES)、ステップS1230の処理に進める。
(ステップS1230)モード制御部638は、車両用装置600をスリープモードから通常モードに変更する。車両状態通知部637は、イグニッションオンと、利用者IDおよび通行キーとを設定したIG ON情報を駐車場管理装置700に送信する。
(ステップS1235)情報受信部633は、駐車場管理装置700から屋内地図データおよび目標出庫ゲート場所を受信する。目標出庫ゲート場所は、三次元座標系における出庫ゲートの位置を示す座標である。情報受信部633は、受信したそれらの情報を記憶部640に書き込む。さらに、情報受信部633は、屋内地図データを位置同定部610に出力する。ルート計算部634は、屋内地図データを用いて、位置同定部610が同定した現在位置から目標出庫ゲート場所までのルートを計算する。ルート計算部634は、屋内地図データが示す駐車場502の地図上に、現在地から目標出庫ゲート場所までのルートを重ねて表示部650に表示し、音声出力部660によりそのルートへ案内する音声を出力する。ルート計算部634は、位置同定部610が同定した地図上の方向が上になるように表示を行ってもよい。
(ステップS1240)位置同定部610は、例えば周期的に図19の処理を行うことにより、送信機800から送信されるビーコンIDを用いて、屋内自己位置を取得する。位置同定部610は、屋内自己位置として得られた現在地の座標と、屋内地図データが示す地図上の位置および方向とを処理部630に出力する。
(ステップS1245)位置通知部635は、ステップS1240において位置同定部610が同定した現在地座標と、利用者IDおよび通行キーとを駐車場管理装置700に送信する。位置通知部635は、位置同定部610が検出したビーコンIDをさらに駐車場管理装置700に送信してもよい。
(ステップS1250)通知受信部636は、駐車場管理装置700から出庫ゲートへの到着通知を受信したか否かを判別する。通知受信部636は、受信していないと判別した場合(ステップS1250;NO)、ステップS1235の処理に戻る。一方、通知受信部636は、受信したと判別した場合(ステップS1250;YES)、ステップS1255の処理に進める。
(ステップS1255)通知受信部636は、ルート案内が終了したため、ルート計算部634にルート計算終了を指示し、記憶部640に記憶していた許可情報を消去する。さらに、通知受信部636は、ルート案内終了を表示部650に表示したり、音声出力部660から音声により出力したりする。
(ステップS1260)駐車場502の出庫ゲートがオープンすると、ドライバーは、車両501を出庫する。
続いて、駐車場管理装置700の処理を説明する。駐車場管理装置700は、図28の処理を、図27のステップS2155の処理の後に行う。
(ステップS2210)駐車場管理装置700の車両状態判別部735は、車両501がイグニッションオンからイグニッションオフの状態に移行したかを判別する。車両状態判別部735は、車両501がイグニッションオフの状態に移行していないと判別した場合(ステップS2210;NO)、ステップS2215の処理に進める。一方、車両状態判別部735は、車両用装置600からIG OFF情報を受信した場合に、イグニッションオンからイグニッションオフの状態に移行したと判別し(ステップS2210;YES)、ステップS2225の処理に進める。
(ステップS2215)車両状態判別部735は、車両501が停車しているか否かを判別する。車両状態判別部735は、車両用装置600の利用者IDおよび通行キーに対応付けて記憶部710に記憶されている現在地座標が所定時間同一である場合に、車両501が停車していると判別する。車両状態判別部735は、停車していると判別した場合(ステップS2215;YES)、ステップS2220の処理を行い、停車していないと判別した場合(ステップS2215;NO)、ステップS2240の処理に進める。
(ステップS2220)車両状態判別部735は、車両501が停車してから所定秒が経過したか否かを判別する。車両状態判別部735は、車両用装置600の利用者IDおよび通行キーに対応付けて記憶部710に記憶されている現在地座標が所定秒以上に渡って同一である場合に、停車してから所定秒が経過したと判別する。車両状態判別部735は、所定秒が経過していないと判別した場合(ステップS2220;NO)、ステップS2210の処理に戻る。車両状態判別部735は、所定秒が経過したと判別した場合(ステップS2220;YES)、ステップS2240の処理に進める。
(ステップS2225)モード制御部736は、車両用装置600からの現在地座標の送信が行われないため、車両用装置600に関する処理を行う機能部をスリープモードに移行する。スリープモードでは、駐車場管理装置700は、車両用装置600と長周期通信を行う。
(ステップS2230)車両状態判別部735は、車両501がイグニッションオフからイグニッションオンの状態に移行したかを周期的に判別する。車両状態判別部735は、車両501がイグニッションオンの状態に移行していないと判別した場合(ステップS2230;NO)、スリープモードを継続して、次の周期でステップS2230の処理を行う。一方、車両状態判別部735は、車両用装置600からIG ON情報を受信した場合に、イグニッションオフからイグニッションオンの状態に移行したと判別し(ステップS2230;YES)、ステップS2235の処理に進める。
(ステップS2235)モード制御部736は、車両用装置600に関する処理を行う機能部をスリープモードから通常モードに変更する。通常モードでは、車両用装置600から現在地座標を受信する。
(ステップS2240)検索部731は、車両用装置600の最も新しい現在地座標と、出庫ゲートDBに設定されている各出庫ゲート位置情報との距離を算出し、最も近い出庫ゲート位置情報を目標出庫ゲート場所として決定する。
(ステップS2245)通知部733は、ステップS2240において決定された目標出庫ゲート場所と、現在地座標に対応した屋内地図データとを車両用装置600に送信する。
(ステップS2250)位置受信部734は、車両用装置600から現在地座標と、利用者IDおよび通行キーとを受信する。車両状態判別部735は、現在地座標がいずれかの出庫ゲート位置情報が示す座標又はその座標から所定以内の位置である否かにより、車両501が出庫ゲートに到着したか否かを判別する。車両状態判別部735は、出庫ゲートに到着していないと判別した場合(ステップS2250;NO)、ステップS2245の処理に戻る。この場合、ステップS2245において、通知部733は、ステップS2125と同様の処理により新たな屋内地図データの送信が必要と判別した場合に、送信を行ってもよい。一方、車両状態判別部735は、出庫ゲートに到着したと判別した場合(ステップS2250;YES)、ステップS2255の処理に進める。
(ステップS2255)通知部733は、出庫ゲート到着通知を車両用装置600に送信する。管理情報更新部732は、車両用装置600に割り当てていた通行キーの割り当てを解除する。管理情報更新部732は、受信した利用者IDが使用者情報に設定されている駐車スペースの使用状態情報を空きに更新し、利用者情報からその利用者IDを削除する。なお、管理情報更新部732は、現在地座標が利用者IDと対応付けられた駐車スペース位置から所定以上離れた位置となったときに、使用状態情報を空きに更新し、駐車スペース管理情報から利用者IDを削除してもよい。
(ステップS2260)ゲート制御部737は、車両501が到着した出庫ゲートをオープンする。
(ステップS2265)ゲート制御部737は、出庫ゲートから出庫の確認を受信すると、出庫ゲートをクローズする。
(ステップS2265)ゲート制御部737は、出庫ゲートから出庫の確認を受信すると、出庫ゲートをクローズする。
続いて、図29に示す処理を説明する。
(ステップS2310)駐車場管理装置700のエラー処理部738は、通信確立不可のため駐車場502の利用不可である旨を、駐車場502に設定されたディスプレイ(図示せず)やスピーカ(図示せず)により通知する。
(ステップS2315)エラー処理部738は、ゲート操作や、ゲート又はゲート付近に設置されたスピーカなどにより、車両501を出庫ルートへ誘導する。
(ステップS2310)駐車場管理装置700のエラー処理部738は、通信確立不可のため駐車場502の利用不可である旨を、駐車場502に設定されたディスプレイ(図示せず)やスピーカ(図示せず)により通知する。
(ステップS2315)エラー処理部738は、ゲート操作や、ゲート又はゲート付近に設置されたスピーカなどにより、車両501を出庫ルートへ誘導する。
続いて、車両501のドライバーの動作について説明する。
(ステップS1310)車両501のドライバーは、ステップS2310における通知によって、車両用装置600と駐車場管理装置700との通信確立が不可であることを認識する。
(ステップS1315)車両501のドライバーは、ステップS2315における誘導に従って、車両501を出庫ルートへ移動させる。
(ステップS1310)車両501のドライバーは、ステップS2310における通知によって、車両用装置600と駐車場管理装置700との通信確立が不可であることを認識する。
(ステップS1315)車両501のドライバーは、ステップS2315における誘導に従って、車両501を出庫ルートへ移動させる。
図30のフロー図は、車両501を駐車して駐車場502を離れたドライバーを、駐車場所へ案内するときの車両誘導システム500の処理を示す。まず、車両用装置600の処理を説明する。車両用装置600がモバイル端末である場合、ドライバーは、車両501を駐車スペースに駐車した後、車両用装置600を持って降車する。このとき、車両用装置600は、図28のステップS1225の処理を行っている。
(ステップS1410)ドライバーは、車両用装置600の入力部670により駐車場案内指示を入力する。モード制御部638は、車両用装置600をスリープモードから通常モードに変更する。
(ステップS1415)位置同定部610は、図19に示す送信機2のステップS201〜ステップS203の処理によりビーコンIDを検出する。
(ステップS1420)位置通知部635は、ステップS1415において位置同定部610が同定したビーコンID、利用者IDおよび通行キーを設定した駐車場所案内要求を駐車場管理装置700に送信する。
(ステップS1425)情報受信部633は、駐車場管理装置700から屋内地図データおよび駐車場所を受信したか否かを判別する。情報受信部633は、屋内地図データおよび駐車場所を受信したと判別した場合(ステップS1425;YES)、その屋内地図データおよび駐車場所を記憶部640に書き込む。さらに、情報受信部633は、屋内地図データを位置同定部610に出力する。これにより、演算部612は、屋内地図データを、上述した位置同定システム1の受信機3が用いる地図データとする。その後、車両用装置600は、ステップS1430の処理に進める。一方、情報受信部633は、屋内地図データおよび駐車場所を受信していないと判別した場合(ステップS1430;NO)、ステップS1415の処理に戻る。
(ステップS1430)ルート計算部634は、屋内地図データを用いて、位置同定部610が同定した現在位置から駐車場所までのルートを計算する。位置同定部610がまだ位置を同定していない場合、ルート計算部634は、ステップS1415において検出されたビーコンIDに対応付けられた設置位置情報を現在地として用いる。ルート計算部634は、屋内地図データが示す駐車場502の地図上に、現在地から駐車場所までのルートを重ねて表示部650に表示し、音声出力部660によりそのルートを案内する音声を出力する。このとき、ルート計算部634は、位置同定部610が同定した地図上の方向が上になるように表示を行ってもよい。
(ステップS1435)位置同定部610は、例えば周期的に図19の処理を行うことにより、送信機800から送信されるビーコンIDを用いて、屋内自己位置を取得する。位置同定部610は、屋内自己位置として得られた現在地の座標と、屋内地図データが示す地図上の位置および方向とを処理部630に出力する。
(ステップS1440)位置通知部635は、ステップS1435において位置同定部610が同定した現在地座標と、利用者IDおよび通行キーとを駐車場管理装置700に送信する。位置通知部635は、位置同定部610が検出したビーコンIDをさらに駐車場管理装置700に送信してもよい。
(ステップS1445)情報受信部633は、駐車場管理装置700から屋内地図データを受信したか否かを判別する。情報受信部633は、受信したと判別した場合(ステップS1445;YES)、受信した屋内地図データを記憶部640に書き込み、さらに、位置同定部610に出力する。情報受信部633は、ステップS1430の処理に戻る。情報受信部633は、受信しないと判別した場合(ステップS1445;NO)、ステップS1450の処理に進む。
(ステップS1450)通知受信部636は、駐車場管理装置700から案内完了通知を受信したか否かを判別する。通知受信部636が、案内完了通知を受信していないと判別した場合(ステップS1450;NO)、ステップS1430の処理に戻る。一方、通知受信部636は、案内完了通知を受信したと判別した場合(ステップS1450;YES)、ステップS1455の処理に進める。モード制御部638は、車両用装置600を通常モードからスリープモードに変更する。
(ステップS1455)ルート計算部634は、駐車場所への案内が終了したと判断し、案内終了を表示部650に表示したり、音声出力部660から音声により出力したりする。
続いて、駐車場管理装置700の処理を説明する。このとき、駐車場管理装置700は、図28のステップS2230の処理を行っている。
(ステップS2410)駐車場管理装置700の検索部731は、ビーコンID、利用者ID、および通行キーが設定された駐車場所案内要求を車両用装置600から受信する。検索部731は、受信したビーコンIDを検出ビーコンIDとする。検索部731は、検出ビーコンIDに対応した屋内地図データのうち、利用者IDに対応する車両情報および優先度に合致する許可種別の屋内地図データを地図DBから読み出す。さらに、検索部731は、利用者IDに対応した駐車スペース位置情報を駐車場管理DBから読み出し、駐車場所とする。
(ステップS2415)通知部733は、検索部731が読み出した屋内地図データおよび駐車場所を車両用装置600に送信する。モード制御部736は、車両用装置600に関する処理を行う機能部をスリープモードから通常モードに変更する。
(ステップS2420)位置受信部734は、車両用装置600から現在地座標と、利用者IDおよび通行キーとを受信し、記憶部710に書き込む。通知部733は、受信した現在地座標と通知した駐車場所とを比較し、ドライバーが駐車場所にいるか否かを判別する。通知部733は、駐車場所にいないと判別した場合(ステップS2420;NO)、ステップS2425の処理に進める。通知部733は、駐車場所にいると判別した場合(ステップS2420;YES)、ステップS2435の処理に進める。
(ステップS2425)検索部731は、ステップS2125の処理と同様に、新たな屋内地図データの送信が必要か否かを判別する。検索部731は、新たな屋内地図データが必要と判別した場合(ステップS2425:YES)、ステップS2430の処理に進める。検索部731は、新たな屋内地図データが不要と判別した場合(ステップS2425:NO)、ステップS2420の処理に戻る。
(ステップS2430)検索部731は、利用者IDに対応する車両情報および優先度に合致する許可種別の屋内地図データのうち、現在地座標がエリアに含まれている屋内地図データを地図DBから読み出す。あるいは、検索部731は、車両用装置600から受信したビーコンIDが設定された検出ビーコンIDと、利用者IDに対応する車両情報および優先度に合致する許可対象とに対応付けられた屋内地図データを地図DBから読み出す。通知部733は、検索部731が読み出した屋内地図データを車両用装置600に送信する。
(ステップS2435)通知部733は、駐車場所への案内完了通知を車両用装置600に送信する。モード制御部736は、車両用装置600に関する処理を行う機能部をスリープモードに移行する。
なお、ドライバーが車両用装置600の機能を搭載していないモバイル端末(図示せず)を保有している場合、モバイル端末に利用者IDおよび通行キーを車両用装置600から転送するなどして入力しておく。モバイル端末は、入力された利用者ID及び通行キーを駐車場管理装置700に送信する。駐車場管理装置700の通知部733は、利用者ID及び通行キーの組合せが正当であるかを判別する。通知部733は、正当であると判別した場合、受信した利用者IDに対応した駐車スペース位置情報を駐車場管理DBから読み出し、さらに、駐車場502の全体の地図を表す屋内地図データを記憶部710から読み出す。通知部733は、屋内地図データが示す地図上において駐車スペース位置情報が示す位置を特定し、地図上の特定した位置に駐車場所を表すアイコンなどの画像を付加した案内地図データを生成する。通知部733は、生成した案内地図データをモバイル端末に返送する。モバイル端末は、受信した案内地図データを表示する。
なお、駐車場管理装置700の処理部730は、ステップS2145においてNOと判別した場合、ドライバーが誘導した駐車場所に駐車しなかったと判別し、任意のペナルティ処理を行ってもよい。例えば、ステップS2255において、「次回は誘導した駐車場所への駐車をお願いします」などのメッセージを車両用装置600に通知して表示させたり、出庫ゲート付近のスピーカから音声で出力したりしてもよい。予め会員登録されているドライバーである場合、ドライバーに誘導した駐車場所への駐車を依頼するメールを送信してもよい。また、駐車場管理装置700は、同一の利用者IDについて誘導した駐車場所に駐車しなかった回数を計測し、所定回数を超えた場合に上記のようなメッセージを出力・送信するなど、任意のペナルティを課すようにしてもよい。
また、ステップS2145においてNOと判別された後、駐車場管理装置700の通知部733は、停車している位置が許容されない駐車スペースであるか否かを判別し、許容されないと判別した場合に駐車不可を通知してもよい。具体的には、検索部731は、駐車スペース管理情報を参照して、現在地座標と合致又は最も近い駐車スペース位置に対応付けられた許可対象を読み出す。検索部731は、ステップS2110において用いた車両情報、優先度、および利用者IDが、読み出した許可対象に含まれない場合に、車両用装置600に駐車不可を通知する。車両用装置600の通知受信部636は、通知を受信すると、駐車不可を表示部650に表示したり、音声出力部660から音声により出力したりする。
上記では、車両用装置600は、駐車場管理装置700から通行キーを受信した後、駐車場管理装置700に送信する情報に通行キーを付加しているが、駐車場管理装置700と送受信する情報を、通行キーを用いて暗号化および復号化してもよい。また、通行キーが、車両用装置600において図27のステップS1115以降の処理を所定時間実行可能とさせる情報であってもよい。この場合、車両用装置600は通行キーを送信せず、駐車場管理装置700は、利用者IDのみで管理を行ってもよい。
なお、駐車場管理装置700は、複数個所の駐車場502のそれぞれについて、上述した処理を行ってもよい。駐車場管理装置700は、各エリア内の駐車場502の駐車場管理DBを参照することにより、エリア毎に「満車」および「空車」を管理することができる。また、駐車場管理装置700は、ある駐車場502に入庫した車両501に割り当て可能な駐車スペースがないときには、その駐車場502から近い順に他の駐車場502について割り当て可能な駐車スペースを検索し、割り当て可能な駐車スペースを検出した場合にはその駐車場502の情報を車両用装置600に通知してもよい。車両用装置600は、通知された情報を表示したり、案内の音声を出力したりする。
また、車両用装置600は、位置同定部610が同定した屋内自己位置と、他の車載センサから得られた情報を用いて、駐車場502の入り口から目標駐車場所までの自動走行および目標駐車場所への自動駐車を行ってもよい。
また、駐車場管理装置700は、駐車場502における車両毎の駐車場所と時間を把握できるため、出口ゲートの集約や、カメラによるナンバー読み取り装置の導入などをすることなく、容易に自動精算システムを構築することもできる。
本実施形態によれば、屋内駐車場に入庫した車両のドライバーは、駐車スペース単位の正確な使用状態の情報に基づいて提供された誘導情報に従って、的確に空きスペースに到着し、車両を駐車することができる。
また、駐車場運用者は、全ての駐車スペースに車両を感知するセンサを設置することなく、正確な駐車スペースの使用状況を把握でき、無駄のない駐車場運用ができる。
また、車両誘導システムは、車両に戻るドライバーに、そのドライバーの車両を駐車した駐車スペースとそこまでの経路を知らせることができるため、ドライバーは迷うことなく自分の車両に戻ることができる。
このように、本実施形態の車両誘導システムは、駐車場内に設置する設備の数の増加を抑えながら、駐車場を利用する車両を誘導することができる。
また、駐車場運用者は、全ての駐車スペースに車両を感知するセンサを設置することなく、正確な駐車スペースの使用状況を把握でき、無駄のない駐車場運用ができる。
また、車両誘導システムは、車両に戻るドライバーに、そのドライバーの車両を駐車した駐車スペースとそこまでの経路を知らせることができるため、ドライバーは迷うことなく自分の車両に戻ることができる。
このように、本実施形態の車両誘導システムは、駐車場内に設置する設備の数の増加を抑えながら、駐車場を利用する車両を誘導することができる。
なお、本発明における送信機2の送信情報生成部21、エンコーダ22および送信部23、車両用装置600の演算部612、処理部630および記憶部640、ならびに、駐車場管理装置700の記憶部710および処理部730の機能の全てまたは一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより送信機2の送信情報生成部21、エンコーダ22および送信部23、車両用装置600の演算部612、処理部630および記憶部640、ならびに、駐車場管理装置700の記憶部710および処理部730が行う処理の全てまたは一部を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
1…位置同定システム、2,2a,2b,2c,・・・…送信機、3…受信機、21,21a,21b,21c,・・・…送信情報生成部、22,22a,22b,22c,・・・…エンコーダ、23,23a,23b,23c,・・・…送信部、24,24a,24b,24c,・・・…発光部、31…撮影部、32…処理部、321…露光制御部、322…画像処理部、323…記憶部、324…判定部、325…デコーダ、326…、CALデータ記憶部、327…方向演算部、328…地図データ記憶部、329…自己位置演算部、330…出力部、500…車両誘導システム、501…車両、502…駐車場、600…車両用装置、610…位置同定部、611…撮影部、612…演算部、620…無線通信部、630…処理部、631…通信制御部、632…車両情報送信部、633…情報受信部、634…ルート計算部、635…位置通知部、636…通知受信部、637…車両状態通知部、638…モード制御部、640…記憶部、650…表示部、660…音声出力部、700…駐車場管理装置、710…記憶部、711…許可情報記憶部、712…地図データ記憶部、713…駐車場管理情報記憶部、714…出庫ゲート情報記憶部、720…無線通信部、730…処理部、731…検索部、732…管理情報更新部、733…通知部、734…位置受信部、735…車両状態判別部、736…モード制御部、737…ゲート制御部、738…エラー処理部、800…送信機
Claims (7)
- 送信機と車両用装置と駐車場管理装置とを有する車両誘導システムであって、
前記送信機は、
発光部と、
自送信機を識別する送信機識別情報を前記発光部の点灯および消灯を制御することにより送信する送信部とを備え、
前記車両用装置は、
駐車場に設置された前記送信機を撮影した画像に基づいて検出された前記送信機識別情報と、前記画像における前記送信機の位置と、検出された前記送信機識別情報により特定される前記送信機の三次元座標系における位置とを用いて、前記三次元座標系における当該車両用装置の位置である車両用装置位置を同定する位置同定部と、
地図データと、前記駐車場管理装置から受信した目標位置に基づいて、前記地図データにおける現在の前記車両用装置位置から前記目標位置までのルートを計算し、計算した前記ルートを出力するルート計算部と、
前記位置同定部が同定した前記車両用装置位置を前記駐車場管理装置に通知する位置通知部とを備え、
前記駐車場管理装置は、
前記駐車場内における各駐車場所の位置および使用状態を示す駐車場管理情報を記憶する記憶部と、
前記駐車場管理情報に前記使用状態が空きであることが示される前記駐車場所の中から選択した前記駐車場所の前記位置を示す目標位置を前記車両用装置に通知する通知部と、
前記車両用装置から受信した前記車両用装置位置に基づいて前記駐車場所への駐車と、前記駐車場所からの移動を判別する車両状態判別部と、
前記車両状態判別部の判別に基づいて、前記駐車場所の前記使用状態を更新する管理情報更新部とを備える、
車両誘導システム。 - 前記通知部は、前記車両用装置から受信した前記車両用装置位置に基づいて前記駐車場所からの移動を検出した場合、出口の位置を示す目標位置を前記車両用装置に通知する、
請求項1に記載の車両誘導システム。 - 前記通知部は、前記駐車場所への駐車が判定された後に、前記車両用装置又は前記駐車場の利用者の端末から駐車場所案内要求を受信し、前記駐車場の地図データと、前記駐車場所の位置を示す目標位置とを前記車両用装置又は前記端末に送信する、
請求項1又は請求項2に記載の車両誘導システム。 - 前記車両用装置は、
前記送信機を撮影した画像に基づいて検出された前記送信機識別情報を前記駐車場管理装置に送信する送信機識別送信部と、
前記送信機識別送信部が送信した前記送信機識別情報に対応して前記駐車場管理装置から前記地図データを受信する地図受信部とをさらに備え、
前記記憶部は、前記送信機識別情報と地図データとを対応付けて記憶し、
前記駐車場管理装置は、前記車両用装置から受信した前記送信機識別情報に対応した前記地図データを前記記憶部から読み出して送信する地図送信部をさらに備える、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両誘導システム。 - 前記車両用装置は、
前記送信機を撮影した前記画像に基づいて検出された前記送信機識別情報と、前記駐車場を利用する車両に関する情報を示す車両情報を前記駐車場管理装置に送信する車両情報送信部と、
前記車両情報送信部が送信した前記送信機識別情報および前記車両情報に対応して前記駐車場管理装置から前記地図データと、前記駐車場所の位置を示す前記目標位置を受信する情報受信部とをさらに備え、
前記記憶部は、前記車両情報に応じた前記駐車場の範囲の地図データを送信機識別情報と対応付けて記憶するとともに、前記車両情報に応じた各駐車場所の位置および使用状態を示す前記駐車場管理情報とを記憶し、
前記通知部は、前記車両用装置から通知された前記送信機識別情報および前記車両情報に基づいて選択した前記地図データと、前記車両情報に応じた前記駐車場管理情報に前記使用状態が空きであることが示される前記駐車場所の中から選択した前記駐車場所の前記位置を示す前記目標位置とを前記車両用装置に通知する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両誘導システム。 - 前記通知部は、前記車両用装置位置に応じた前記地図データを前記車両用装置に送信する、
請求項4又は請求項5に記載の車両誘導システム。 - 送信機と車両用装置と駐車場管理装置とを有する車両誘導システムにおける車両誘導方法であって、
前記送信機が、
自送信機を識別する送信機識別情報を発光部の点灯および消灯を制御することにより送信する送信ステップと、
前記車両用装置が、
駐車場に設置された前記送信機を撮影した画像に基づいて検出された前記送信機識別情報と、前記画像における前記送信機の位置と、検出された前記送信機識別情報により特定される前記送信機の三次元座標系における位置とを用いて、前記三次元座標系における当該車両用装置の位置である車両用装置位置を同定する位置同定ステップと、
地図データと、前記駐車場管理装置から受信した目標位置に基づいて、前記地図データにおける現在の前記車両用装置位置から前記目標位置までのルートを計算し、計算した前記ルートを出力するルート計算ステップと、
前記位置同定ステップにおいて同定された前記車両用装置位置を前記駐車場管理装置に通知する位置通知ステップと、
前記駐車場管理装置が、
前記駐車場内における各駐車場所の位置および使用状態を示す駐車場管理情報に前記使用状態が空きであることが示される前記駐車場所の中から選択した前記駐車場所の前記位置を示す目標位置を前記車両用装置に通知する通知ステップと、
前記車両用装置から受信した前記車両用装置位置に基づいて前記駐車場所への駐車と、前記駐車場所からの移動を判別する車両状態判別ステップと、
前記車両状態判別ステップにおける判別に基づいて、前記駐車場所の前記使用状態を更新する管理情報更新ステップと、
を有する車両誘導方法。
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2019
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