≪第1実施形態≫
以下、本発明に係る第1実施形態について、図1〜図7に基づいて説明する。
図1には、第1実施形態に係る露光装置10Pの構成が概略的に示されている。また、図2は、図1の露光装置10Pが有するステージ装置20P及び基板搬送装置100Pの平面図である。
露光装置10Pは、例えば液晶表示装置(フラットパネルディスプレイ)などに用いられる矩形(角型)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
露光装置10Pは、照明系12、回路パターン等のパターンが形成されたマスクMを保持するマスクステージ14、投影光学系16、表面(図1で+Z側を向いた面)にレジスト(感応剤)が塗布された基板P(P)を保持するステージ装置20P、基板搬送装置100P、及びこれらの制御系等を有している。以下、図1に示すように、露光装置10Pに対して互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を設定し、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系16に対してそれぞれX軸方向に沿って相対走査されるものとし、Y軸が水平面内に設定されているものとして説明を行う。また、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。また、X軸、Y軸、及びZ軸方向に関する位置をそれぞれX位置、Y位置、及びZ位置として説明を行う。
照明系12は、例えば米国特許第5,729,331号明細書などに開示される照明系と同様に構成され、露光用照明光(照明光)ILをマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)のうち少なくとも1つの波長を含む光が用いられる。また、照明系12で用いられる光源、及び該光源から照射される照明光ILの波長は、特に限定されず、例えばArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。
マスクステージ14は、光透過型のマスクMを保持している。マスクステージ14は、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系(不図示)により、少なくとも走査方向(X軸方向)に所定のストロークで駆動される。また、マスクステージ14は、照明系12、ステージ装置20P、投影光学系16の少なくともいずれかとの相対位置を調整するために、そのX位置やY位置をストロークで移動させる微動駆動系により駆動させる。マスクステージ14の位置情報は、例えば、リニアエンコーダシステムや干渉計システムを含むマスクステージ位置計測系(不図示)により求められる。
投影光学系16は、マスクステージ14の下方(−Z側)に配置されている。投影光学系16は、例えば米国特許第6,552,775号明細書などに開示される投影光学系と同様な構成の、いわゆるマルチレンズ型の投影光学系であり、例えば正立正像を形成する両側テレセントリックな複数の光学系を備えている。なお、投影光学系16は、マルチレンズ型でなくてもよい。半導体露光装置に用いられるような、一つの投影光学系により構成されていてもよい。
露光装置10Pでは、照明系12からの照明光ILによる所定の照明領域内に位置するマスクMが照明されると、その照明領域内のマスクMのパターンの投影像(部分的なパターンの像)が、投影光学系16によって露光領域に形成される。そして、照明領域(照明光IL)に対してマスクMが走査方向に相対移動するとともに、露光領域に対して基板Pが走査方向に相対移動することで、基板P上に走査露光が行われ、マスクMに形成されたパターン(マスクMの走査範囲に対応するパターン全体)が転写される。
(ステージ装置20P)
ステージ装置20Pは、定盤22、基板テーブル24、支持装置26、及び基板ホルダ28を備えている。
定盤22は、例えば上面(+Z面)がXY平面に平行となるように配置された平面視(+Z側から見て)矩形の板状の部材から成り、不図示の防振装置を介して床F上に設置されている。支持装置26は、定盤22上に非接触状態で載置され、基板テーブル24を下方から非接触で支持している。基板ホルダ28は基板テーブル24上に配置され、基板テーブル24と基板ホルダ28とは、ステージ装置20が備える不図示のステージ駆動系により一体的に駆動される。ステージ駆動系は、例えばリニアモータなどを含み、基板テーブル24をX軸、及びY軸方向に(定盤22の上面に沿って)所定のストロークで駆動可能な粗動系と、例えばボイスコイルモーターを含み、基板テーブル24を6自由度(X軸、Y軸、Z軸、θx、θy、及びθz)方向に微小駆動する微動系とを備える。また、ステージ装置20Pは、例えば光干渉計システムやエンコーダシステムなどを含み、基板テーブル24の上記6自由度方向の位置情報を求めるためのステージ計測系を備えている。
基板ホルダ28は、平面視矩形状の上面28u(+Z側の面)に基板Pが載置される。図2に示すように、上面28uは、その縦横比が基板Pとほぼ同じである。一例として、上面28uの長辺及び短辺の長さは、基板Pの長辺及び短辺の長さに対して、それぞれ幾分短く設定されている。
基板ホルダ28の上面28uは、全面に渡って平坦に仕上げられている。また、基板ホルダ28の上面には、空気吹き出し用の微小な孔部(不図示)、真空吸引用の微小な孔部(不図示)が複数形成されている。なお、空気吹き出し用の微小な孔部と真空吸引用の微小な孔部とは、共通の孔部を併用してもよい。基板ホルダ28は、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力を用いて、上記複数の孔部を介して、上面28uと基板Pとの間の空気を吸引し、上面28uに基板Pを吸着させる(平面矯正する)ことが可能である。基板ホルダ28は、いわゆるピンチャック型のホルダであって、複数のピン(直径が、例えば直径1mm程度と非常に小さいピン)がほぼ均等な間隔で配置されている。基板ホルダ28は、この複数のピンを有することで、基板Pの裏面にゴミや異物を挟み込んで支持する可能性を低減でき、その異物の挟み込みによる基板Pの変形の可能性が低減できる。基板Pは、複数のピンの上面に保持(支持)される。この複数のピンの上面により形成されるXY平面を、基板ホルダ28の上面とする。また、基板ホルダ28は、不図示の加圧気体供給装置から供給される加圧気体(例えば空気)を、上記孔部を介して上面28uと基板Pとの間に供給(給気)することによって、基板ホルダ28に吸着された基板Pの裏面を上面28uに対して離間(基板Pを浮上)させることが可能である。また、基板ホルダ28に形成された複数の孔部のそれぞれで、加圧気体を給気するタイミングに時間差を生じさせたり、真空吸引を行う孔部と加圧気体を給気する孔部の場所を適宜交換したり、吸引と給気とで空気圧力を適宜変化させたりすることによって、基板Pの接地状態を制御(例えば、基板Pの裏面と基板ホルダ28Aの上面との間に空気溜まりが発生しないように)できる。
なお、基板ホルダ28は、基板Pを上面28uに吸着させず、浮上支持した状態で基板の平面矯正を行うようにしても良い。この場合、基板ホルダ28は、不図示の加圧気体供給装置から供給される加圧気体(例えば空気)を、上記孔部を介して基板Pの裏面に供給(給気)することによって、基板Pの下面と基板ホルダ28の上面28uとの間に気体を介在させる(すなわち、気体膜を形成する)。また、基板ホルダ28は、真空吸引装置を用いて、真空吸引用の孔部を介して基板ホルダ28と基板Pとの間の気体を吸引し、基板Pに対して重力方向下向きの力(プリロード)を作用させることにより、上記気体膜に重力方向の剛性を付与する。そして、基板ホルダ28は、加圧気体の圧力及び流量と真空吸引力とのバランスにより、基板PをZ軸方向に微小なクリアランスを介して浮上させて非接触で保持(支持)しつつ、基板Pに対してその平面度を制御する力(例えば、平面度を矯正または補正する力)を作用させるようにしてもよい。なお、各孔部は基板ホルダ28を加工して形成してもよいし、多孔質材により基板ホルダ28を形成することで、空気を供給したり、吸引したりするようにしてもよい。また、基板Pを浮上支持される基板ホルダ28における、上面28uは、孔部が形成される面ではなく、その面から上記のクリアランス分上方に位置する仮想面、つまり、平面矯正された基板の上面を、上面28uとする。
基板ホルダ28の上面28uにおける−X側の端部には、図2に示すように、例えば2つの切り欠き28aがY軸方向に離間して形成されている。また、基板ホルダ28の上面28uにおける+X側の端部には、図2に示すように、例えば2つの切り欠き28bがY軸方向に離間して形成されている。
(基板搬送装置100P)
図1に示すように、基板搬送装置100Pは、ポート部150P、基板スライドハンド140P、基板フィーダ160P、及び搬送装置180Pを有している。ポート部150P、基板スライドハンド140P、及び基板フィーダ160Pは、ステージ装置20Pに対して+X側に設置されている。例えば、コータ/デベロッパなどの外部装置(不図示)と露光装置との間における基板Pの受け渡しは、基板搬送装置100Pによって行われる。
また、上述の外部装置と露光装置10Pとの間における基板Pの受け渡しは、露光装置10Pを収容する不図示のチャンバの外側に配置された、外部搬送装置300により行われる。外部搬送装置300は、フォーク状のロボットハンドを有しており、載置された基板Pを外部装置から露光装置10P内のポート部150Pへ運ぶことができる。また、外部搬送装置300は、基板搬送装置100Pによりポート部150Pへ搬送された露光済み基板Pをチャンバ内から外部装置へ運ぶことができる。
ポート部150Pは、図2に示すように、Y軸方向に所定間隔を空けて配置された複数本(本第1実施形態では、7本)のビームにより構成されたビームユニット152を有する。ビームユニット152の上面には、空気吹き出し用の微小な孔部(不図示)が複数形成されている。ビームユニット152は、不図示の加圧気体供給装置から供給される加圧気体(例えば空気)を、上記孔部を介して基板Pの裏面とビームユニット152の上面との間に供給(給気)することによって、基板Pの裏面をビームユニット152の上面に対して離間(基板Pを浮上)させることが可能である。複数のビームのY軸方向の間隔は、ビームユニット152により基板Pを下方から支持でき、且つ、外部搬送装置300のロボットハンドをビームユニット152と同一高さに配置したときに、該ロボットハンドが有する複数の指部300Fが複数のビームの間に配置(挿脱)可能なように設定されている。
各ビームの長手方向(X軸方向)の長さは、基板Pの長手方向の長さよりも若干長く、幅方向(Y軸方向)の長さは、基板Pの幅方向の長さの、例えば1/50程度、あるいは基板Pの厚さの、例えば10〜50倍程度に設定されている。
図1に示すように、複数のビーム(図1では紙面奥行き方向に重なっている)それぞれは、複数(例えば2本)の棒状の脚254によって、X軸方向の両端部よりも内側の位置で下方から支持されている。ビームユニット152を支持する複数の脚254それぞれの下端部は、板状のベース部253に連結されている。ベース部253は、上下動機構255により上下動される。また、上下動機構255は、床F上にX軸方向に沿って敷設されたレール257に沿ってX軸方向に移動可能となっている。すなわち、ビームユニット152及びビームユニット152に支持された基板Pは、X軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。
基板スライドハンド140Pは、図2に示すように、ポート部150Pの+Y側及び−Y側に一対設けられている。基板スライドハンド140Pは、図2に示すように、吸着パッド142と、吸着パッド142を上下動する上下動機構144とを有する。上下動機構144は、X軸方向に沿って敷設されたレール146に沿ってX軸方向に移動可能となっている。すなわち、吸着パッド142は、X軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。吸着パッド142は、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力により、基板Pの下面を吸着保持することができるようになっている。なお、基板スライドハンド140Pの吸着パッド142は、図2に示すように、レール146よりもビームユニット152に近い側に飛び出した状態となっている。このようにしているのは、基板スライドハンド140Pが基板P(P2)を基板フィーダ160Pに搬送する際に(図5(b)の状態で)、基板ホルダ28上に載置されている基板P(P1)と上下動機構144との接触を避けるためである。
基板フィーダ160Pは、図1、図2に示すように、X軸方向に関して、ステージ装置20Pとポート部150Pとの間に設けられ、2本の支持柱262と、2本の支持柱262により床Fから所定高さの位置で支持されたスライド板264と、を有する。後述するが、支持柱262は、ステージ装置20Pが基板交換位置へ移動した際に、基板ホルダ28の上面とスライド板264の下面とが接触しないように、高さが規定されている。図3には、スライド板264の斜視図が示されている。図3及び図2からわかるように、スライド板264は、XZ断面が三角形状の板部263と、支持柱262の上端部が接続される支持部265と、を有する。板部263の上面の大きさは、基板Pの略全面を支持可能な程度の大きさとされている。板部263の上面は、XY面に対して傾斜している。板部263の上面には、不図示であるが、空気吹き出し用の微小な孔部(不図示)が複数形成されている。板部263においては、不図示の加圧気体供給装置から供給される加圧気体(例えば空気)を孔部を介して板部263上に載置された基板Pの裏面に供給(給気)することによって、基板Pの裏面を板部263の上面に対して離間(基板Pを浮上)させることが可能である。なお、板部263の+X側かつ+Y側及び−Y側の端部には、切り欠き263aが形成されている。この切り欠き263aは、基板スライドハンド140Pの吸着パッド142との機械的な干渉を避けるために形成されている。
(搬送装置180P)
図1に戻り、搬送装置180Pは、基板交換時において、ポート部150P及び基板スライドハンド140Pと協働する装置である。換言すると、露光装置10Pでは、ポート部150P及び基板スライドハンド140Pと搬送装置180Aとを用いて基板ホルダ28に対する基板Pの搬入および搬出が行われる。
搬送装置180Pは、ステージ装置20Pに設けられており、図1及び図2に示すように、一対の基板搬入ベアラ装置182P、一対の基板搬出ベアラ装置183P、及びオフセットビーム部185Pを備える。
基板搬入ベアラ装置182Pは、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力により、基板Pの下面を吸着保持する吸着パッド284と、吸着パッド284をZ軸方向に沿って駆動する駆動機構286と、を備える。吸着パッド284は、最も−Z側に位置した状態で、基板ホルダ28に形成された切り欠き28a内に入った状態となる。
基板搬出ベアラ装置183Pは、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力により、基板Pの下面を吸着保持する吸着パッドを有しており、X軸方向に沿って駆動可能となっている。基板搬出ベアラ装置183Pは、最も−X側に位置した状態で、基板ホルダ28に形成された切り欠き28b内に入った状態となる。
オフセットビーム部185Pは、Y軸方向に所定間隔で配置された複数(本第1実施形態では、例えば8本)のビームを有している。ビームは、その上面が基板ホルダ28の上面28uと略同一平面内に含まれるように配置されている。ビームの上面には、空気吹き出し用の微小な孔部(不図示)が複数形成されている。複数の孔部からは、不図示の加圧気体供給装置から供給される加圧気体(例えば空気)が、基板Pの裏面に向けて供給(給気)される。これにより、基板Pの裏面をビームの上面に対して離間(基板Pを浮上)させることができる。
なお、基板搬入ベアラ装置182P及び基板搬出ベアラ装置183Pの構成は、適宜変更が可能である。例えば各ベアラ装置182P,183Pは、本実施形態では、基板テーブル24に取り付けられたが、これに限定されず、例えば基板ホルダ28、あるいは基板テーブル24をXY平面内で駆動するためのXYステージ装置(不図示)に取り付けられていても良い。また、各ベアラ装置182P,183Pの位置や数も、これに限定されるものではない。例えば基板テーブル24の+Y側、及び−Y側の側面に取り付けられても良い。
上述のようにして構成された露光装置10Pでは、不図示の主制御装置の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージ14上へのマスクMのロードが行われるとともに、基板搬送装置100Pによって、基板ホルダ28上への基板Pの搬入が行なわれる。その後、主制御装置により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、そのアライメント計測の終了後、基板P上に設定された複数のショット領域に逐次ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式の露光動作と同様であるので、X方向をスキャン方向とする。なお、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作に関する詳細な説明は省略するものとする。そして、露光処理が終了した基板Pが基板搬送装置100Pにより基板ホルダ28上から搬出されるとともに、次に露光される別の基板Pが基板ホルダ28に搬入されることにより、基板ホルダ28上の基板Pの交換が行われ、複数の基板Pに対する一連の露光動作が連続して行われる。
(基板交換動作)
以下、露光装置10Pにおける基板ホルダ28上の基板Pの交換動作について、図1、図4(a)〜図7(b)を用いて詳細に説明する。以下の基板交換動作は、不図示の主制御装置により制御される。なお、基板交換動作を説明するための図4(a)〜図7(b)の各側面図においては、理解を容易にするため、構成要素の動作方向が模式的に白抜矢印で示されている。また、気体を吸引または供給(給気)する状態が黒矢印によって模式的に示されている。
また、動作説明の前提として、ステージ装置20Pの基板ホルダ28には、あらかじめ基板P1が載置されているものとする。また、基板交換動作においては、露光済みの基板P1を搬出する動作と、新たに露光する(基板P1とは別の)基板P2を基板ホルダ28に搬入(載置)する動作とが実行されるものとする。なお、基板P2は、未露光(1度も露光されていない)基板であってもよいし、2度目以降の露光を行う基板であってもよい。
図1のように、ステージ装置20Pにおいて基板P1に対する露光が行われている状態で、主制御装置は、露光前の基板P2を保持する外部搬送装置300をポート部150Pの上方まで駆動する。そして、主制御装置は、外部搬送装置300を下降駆動することで基板P2をポート部150Pに受け渡す。なお、外部搬送装置300は、外部搬送装置300が有するフォーク状のロボットハンドの各指部300Fがビームユニット152の各ビームと接触しないように、Y軸方向の位置決めがなされているものとする。
ポート部150Pに基板P2が受け渡された後は、主制御装置は、図4(a)に示すように外部搬送装置300を+X方向(矢印A方向)に駆動し、外部搬送装置300をポート部150Pのビームユニット152の下側から退避させる。
次いで、主制御装置は、図4(b)に示すようにポート部150Pの上下動機構255を制御して、ビームユニット152を下降駆動する(矢印B参照)。これにより、ビームユニット152の上面(+Z面)と、基板フィーダ160Pのスライド板264の上端との高さ位置がほぼ一致する。また、主制御装置は、基板スライドハンド140Pの上下動機構144を制御して、吸着パッド142を上昇駆動し(矢印C参照)、吸着パッド142による、基板P2の下面(−Z面)の+X側両端部付近の吸着保持を開始する。また、この段階では、基板P1に対する露光は終了しているため、主制御装置は、ステージ装置20Pを+X方向に駆動する(矢印D参照)。
次いで、主制御装置は、図5(a)に示すように、基板搬出ベアラ装置183P(図5(a)では不図示、図1、図2参照)に基板P1を吸着保持させ、基板搬出ベアラ装置183Pを+X方向に駆動することで、基板P1を基板ホルダ28上で+X方向にオフセットさせる(矢印E参照)。オフセット量は、基板P1の大きさによっても異なるが、例えば50mm〜100mm程度であるものとし、基板P1の−X側端部が基板搬入ベアラ装置182Pと重ならない位置までの距離とする。基板搬出ベアラ装置183Pは、基板P1を吸着保持した状態で、基板P1の+X側をオフセットビーム部185P上へ移動させる。なお、オフセットの際には、基板ホルダ28の上面28uから基板P1の下面に対して加圧気体が供給(給気)されている。これにより、基板P1が基板ホルダ28の上面28uから浮上し、基板P1の下面と基板ホルダ28の上面28uとの間の摩擦が無視できる程度(低摩擦状態)となっている。また、主制御装置は、オフセットビーム部185Pが有するビームの上面からも加圧気体を供給(給気)する。これにより、基板P1の基板ホルダ28上面からオフセットビーム部185Pへの移動が、低摩擦状態で行われることとなる。なお、基板ホルダ28に切り欠き28bを形成しなくてもよい。上述のとおり、基板ホルダ28の上面28uの長辺及び短辺の長さは、基板Pの長辺及び短辺の長さに対して、それぞれ幾分か短く設定されている。このため、基板ホルダ28Aからはみ出した基板Pを基板搬出ベアラ装置183Pが保持した状態で+X軸方向へ移動し、基板Pを基板ホルダ28の上面28uから+X側へオフセットさせることができるのであれば、切り欠き28bを基板ホルダ28A上に形成しなくてもよい。この場合、基板Pの端部においても基板ホルダ28A上の平面矯正が行えるようになる。
また、主制御装置は、図5(a)において、基板スライドハンド140P(吸着パッド142及び上下動機構144)をレール146に沿って−X方向に駆動する(矢印F参照)。なお、主制御装置は、この駆動の際に、ポート部150Pのビームユニット152の上面及び基板フィーダ160Pのスライド板264(板部263)の上面から加圧気体を噴出する。これにより、基板P2は、ビームユニット152及びスライド板264の上を非接触状態で浮上搬送されるようになっている。このとき、基板P2は、その自重により、ビームユニット152及びスライド板264の上面に倣ってわずかに撓む。
図5(b)には、基板スライドハンド140P(吸着パッド142及び上下動機構144)がレール146の−X側の端部まで移動した状態が示されている。なお、図5(b)の状態では、スライド板264の板部263の切り欠き263aの位置に吸着パッド142が位置する。一方、ステージ装置20Pは、この段階で基板交換位置に到達する。図5(b)の状態では、基板P2の−X側の端部が基板搬入ベアラ装置182Pの吸着パッド284の上方に位置するようになっている。なお、主制御装置は、この段階で、基板スライドハンド140Pの吸着パッド142の位置を調整することで、基板P2の基板ホルダ28に対する位置を調整(アラインメント)するようにしてもよい。
次いで、主制御装置は、図6(a)に示すように、基板搬入ベアラ装置182Pの吸着パッド284を上昇駆動する(矢印G参照)。また、主制御装置は、吸着パッド284による基板P2の吸着保持を開始する。吸着パッド284は、基板P2を吸着保持すると、基板P2のX位置とY位置とを拘束する。更に、主制御装置は、基板スライドハンド140Pの吸着パッド142による基板P2の吸着保持を解除し、吸着パッド142を−Z方向、+X方向、−Z方向、−X方向の順に駆動することで(矢印H参照)、吸着パッド142を基板P1の+X側の端部の下面側に位置決めする。なお、吸着パッド142を矢印Hのように駆動するのは、吸着パッド142と基板P1との接触を避けるためである。吸着パッド142が図6(a)に示す位置に位置決めされた段階で、主制御装置は、吸着パッド142による基板P1の吸着保持を開始する。更に、主制御装置は、上下動機構255を制御して、ビームユニット152の上面がオフセットビーム部185Pの上面とほぼ一致するように、ビームユニット152を下降駆動する(矢印I参照)。
次いで、主制御装置は、図6(b)に示すように、ステージ装置20Pを−X方向に移動する(矢印J参照)。また、主制御装置は、ステージ装置20Pの移動に合わせて(同期して)、ポート部150Pを−X方向に移動する(矢印K参照)。これにより、ステージ装置20Pとポート部150Pの位置関係が維持されるようになっている。更に、主制御装置は、ステージ装置20Pとポート部150Pが−X方向に駆動する間に、基板スライドハンド140Pを+X方向に移動する(矢印L参照)。
これにより、基板ホルダ28が基板フィーダ160Pから離れる方向へ相対移動する。この場合、基板ホルダ28がスライド板264から離れる方向へ移動するにつれて、スライド板264が保持する基板P2の面積が徐々に減少し、基板ホルダ28が支持する基板P2の面積が徐々に増加するようになっている。基板ホルダ28は、基板P2の−X側の端部から+X側の端部へ向かって、順々に、基板P2を保持することができる。これにより、基板ホルダ28と基板P2との間の空気を−X側から+X側に向けて排出することができるため、基板ホルダ28と基板P2との間の空気により基板が変形したり、基板ホルダ28上で基板Pの平面度が矯正できなかったりといった空気溜まりによる問題を解消することができる。
さらに、ステージ装置20P、ポート部150P、及び基板スライドハンド140Pの移動に伴い、基板P1が基板ホルダ28及びオフセットビーム部185P上をスライドし、基板P1が基板ホルダ28上からビームユニット152上に移載されるようになっている。このように、図6(b)の一連の動作により、基板P1の基板ホルダ28からの搬出動作と基板フィーダ160Pから基板ホルダ28への基板P2の搬入動作とが少なくとも一部並行して行われる。よって、搬出動作と搬入動作とのそれぞれの動作をシリアルに行うよりも、基板交換動作を早く行うことができる。
次いで、主制御装置は、図7(a)に示すように、ポート部150Pと基板スライドハンド140Pを同一速度で+X方向に移動する(矢印M、N参照)。そして、主制御装置は、基板スライドハンド140Pが図7(a)の位置(基板受け渡し位置)に到達した段階で、吸着パッド142による基板P1の吸着保持を解除する。なお、主制御装置は、吸着パッド142の吸着保持を解除する前に、吸着パッド142を微小駆動することで、基板P1のアライメント(位置調整)を行うこととしてもよい。また、主制御装置は、吸着パッド142の吸着保持を解除した後に吸着パッド142をわずかに下降させてもよい。
次いで、主制御装置は、基板搬入ベアラ装置182Pの吸着パッド284を下降駆動する。また、主制御装置は、基板ホルダ28による基板P2の吸着保持を開始する。なお、基板搬入ベアラ装置182PがX軸方向に微小駆動可能である場合には、基板ホルダ28が基板P2を吸着保持する前に基板搬入ベアラ装置182Pを駆動して、アライメント(基板P2の基板ホルダ28に対する位置調整)を行うこととしてもよい。
また、主制御装置は、基板P2を吸着保持したステージ装置20Pを所定の露光開始位置へ移動し、基板P2に対する露光を開始する。なお、基板P2に対する露光動作についての説明は省略する。
次いで、主制御装置は、図7(b)に示すように、ポート部150Pの上下動機構255を制御して、ビームユニット152を上昇駆動し、吸着パッド142による吸着保持が解除された基板P1をポート部150Pに支持させる(矢印O参照)。そして、主制御装置は、外部搬送装置300を駆動することで、ポート部150Pから基板P1を掬い取らせ、基板P1を保持した外部搬送装置300を+X方向に駆動することで、基板P1をコータ/デベロッパなどの外部装置に搬出する。露光済みの基板P1が、外部装置に受け渡された後、主制御装置は、外部搬送装置300を用いて、基板P2の次に露光する基板P3をポート部150Pに対して搬入する(図4(a)と同様)。
以上、詳細に説明したように、本第1実施形態によると、基板Pを支持する支持面を有する基板ホルダ28と、基板ホルダ28の上方に位置する基板P2の下面の一部(−X側の端部)を吸着保持する基板搬入ベアラ装置182Pと、XY面に対して傾斜する面を有し、基板P2を保持する基板フィーダ160P(スライド板264)と、基板ホルダ28上に載置された基板P1の一部(+X側の端部)を吸着保持する基板スライドハンド140Pと、を備えており、主制御装置は、基板P2と基板ホルダ28との間から基板フィーダ160P(スライド板264)がX軸方向に沿って退避するように、ステージ装置20Pが駆動するとともに、基板スライドハンド140Pが基板P1を保持しつつ基板ホルダ28に対してX軸方向に移動することで、基板P2を基板ホルダ28上に搬入するとともに、基板P1を基板ホルダ28上から搬出する。これにより、本第1実施形態では、基板ホルダ28に対して、基板P2をスライド搬送することで、搬送時の衝撃の発生を抑制することができる。また、本第1実施形態では、基板フィーダ160Pが床Fに対して固定されているため、基板フィーダ160Pを駆動するための可動部が不要となり、構造をシンプルにすることができるとともに、発塵を低減することができる。また、本第1実施形態では、基板搬送装置100P全体の構造がシンプルであるため、コストを低減することができる。
また、本第1実施形態では、基板スライドハンド140Pが保持する基板P1が基板ホルダ28から搬出される際に、ポート部150P及びオフセットビーム部185Pが基板P1を支持するようになっている(図6(a)、図6(b)参照)。これにより、露光済みの基板P1を基板ホルダ28からスライド搬送することが可能となるので、基板への衝撃が少なく、基板に割れや傷が生じる可能性を低減し、発塵を低減することができる。
また、本第1実施形態では、ポート部150Pは、露光前の基板P2を支持し、基板スライドハンド140Pは、ポート部150Pが支持する基板P1を保持して移動し、基板搬入ベアラ装置182Pに受け渡す。このように、ポート部150P及び基板スライドハンド140Pが基板搬入時及び基板搬出時のいずれにおいても機能することで、シンプルな構成で必要な機能を実現することが可能である。また、ポート部150Pから基板フィーダ160Pに対しても、基板Pをスライド搬送するため、基板への衝撃が少なく、基板に割れや傷が生じる可能性を低減し、発塵を低減することができる。
また、本第1実施形態では、露光装置10Pが、基板Pを支持する基板ホルダ28と、基板ホルダ28の上方で基板P2の下面を保持する基板フィーダ160Pと、を備えており、主制御装置は、基板搬入ベアラ装置182Pによって基板P2の一部が保持された状態で、基板ホルダ28を基板フィーダ160Pから離れる方向に駆動することで、基板P2を基板ホルダ28上に搬送する。これにより、本第1実施形態では、基板フィーダ160Pを床Fに対して固定することができるため、基板フィーダ160Pを駆動するための可動部が不要となり、構造をシンプルにすることができるとともに、発塵を低減することができる。また、本第1実施形態では、基板搬送装置100P全体の構造がシンプルであるため、コストを低減することができる。また、本第1実施形態では、基板フィーダ160P(スライド板264)の上面が基板ホルダ28の上面に対して傾斜しているため、上述した動作を行うことで、基板P2を基板ホルダ28上にスライド搬送することができる。これにより、基板搬送時の衝撃を抑制し、発塵を低減することができる。
また、本第1実施形態では、露光装置10Pが、基板ホルダ28が保持する露光済みの基板P1の一部を保持して移動する基板スライドハンド140Pと、基板スライドハンド140Pが基板P1を保持しながら移動している間に基板P1を支持するポート部150Pと、を有している。これにより、基板フィーダ160Pを用いた基板ホルダ28への基板搬入の際に、並行して、基板ホルダ28から露光済みの基板P1を搬出することができる。
また、本第1実施形態では、ポート部150Pは、基板P1の搬出入の際に、基板ホルダ28の−X方向への移動に追従して−X方向に移動するため、基板P2を搬入するために基板ホルダ28を移動させても、ポート部150Pを追従させることで、基板搬入と並行して基板搬出を行うことが可能となる。これにより、基板交換のスループットを向上することができる。
(第1変形例)
以下、第1変形例について、図8〜図11に基づいて説明する。
図8には、第1変形例に係る露光装置10P’が有するステージ装置20P及び基板搬送装置100P’の側面図が概略的に示されている。また、図9は、図8の露光装置10P’が有するステージ装置20P及び基板搬送装置100P’の平面図である。
図8、図9に示すように、本第1変形例では、基板フィーダ160Pに代えて、基板フィーダ160P’が設けられている点に特徴を有している。基板フィーダ160P’は、図8、図9に示すように、スライド板264’を有する。スライド板264’は、図9に示すように、板部263’と、支持部265’と、回転機構266を有する。支持部265’は、支持柱262により床Fから所定高さの位置で支持されている。なお、板部263’と支持部265’との間は、第1実施形態と異なり、固定されておらず、回転機構266のY軸回りの回転駆動力により、板部263’の上面(スライド板264’の上面)のXY面に対する傾斜角度が変更されるようになっている。
また、板部263’の+X側の端部近傍には、一対の基板ピックハンド268が設けられている。基板ピックハンド268は、基板Pの下面を吸着保持した状態で、X軸方向に沿って移動することが可能となっている。すなわち、基板ピックハンド268は、基板Pを板部263’の表面に沿ってスライド移動させる機構である。
以下、本第1変形例の動作について、図10(a)〜図11(b)に基づいて詳細に説明する。
図10(a)は、上記第1実施形態の図4(b)に対応する図である。本第1変形例では、図10(a)のように、ポート部150Pのビームユニット152上に露光前の基板P2が載置された状態で、主制御装置は、回転機構266を駆動し、スライド板264’(板部263’)の上面をXY面と略平行にする。また、主制御装置は、ポート部150Pを駆動し、基板フィーダ160P’と近接させる。これにより、スライド板264’の上面とビームユニット152の上面がほぼ面一で、近接した状態になる。
次いで、主制御装置は、図10(b)に示すように基板スライドハンド140Pの吸着パッド142を用いて、基板P2をビームユニット152の上面及びスライド板264’の上面に沿ってスライド移動させる(矢印F参照)。このスライド移動の際には、主制御装置は、ビームユニット152の上面及びスライド板264’の上面から気体を排気することで、基板P2を浮上させている。スライド板264’の上面とビームユニット152の上面がほぼ面一としたため、基板P2を変形させることなく、吸着パッド142は基板P2をビームユニット152上からスライド板264’へ移動させることができる。これにより、基板P2に対して余計な応力がかかる恐れがなく、基板P2の一部が割れてしまったり変形してしまったりすることを避けることができる。また、このスライド移動の際には、主制御装置は、基板搬出ベアラ装置183P(図2等参照)を駆動して、基板ホルダ28上の基板を+X方向にオフセットさせている(矢印E参照)。
次いで、主制御装置は、図11(a)に示すように、基板搬入ベアラ装置182Pの吸着パッド284を上昇駆動する(矢印G参照)。また、主制御装置は、回転機構266を駆動し、スライド板264’の上面をXY面に対して傾斜させる(スライド板264’の下面がXY面に対して平行になるようにする)。更に、主制御装置は、吸着パッド142による基板P2の吸着保持を解除するとともに、基板ピックハンド268による吸着を開始し、基板ピックハンド268の移動により、スライド板264’の上面に沿って基板P2を移動する。これにより、基板P2の−X側の端部が吸着パッド284に接触すると、主制御装置は、吸着パッド284による基板P2の吸着保持を開始する。また、主制御装置は、基板スライドハンド140Pの吸着パッド142を−Z方向及び−X方向に駆動することで(矢印H’参照)、吸着パッド142を基板P1の+X側の端部の下面側に位置決めする。そして、主制御装置は、吸着パッド142による基板P1の吸着保持を開始する。更に、主制御装置は、上下動機構255を制御して、ビームユニット152の上面がオフセットビーム部185Pの上面とほぼ一致するように、ビームユニット152を下降駆動する(矢印I参照)。
次いで、主制御装置は、図11(b)に示すように、ステージ装置20Pを−X方向に移動する(矢印J参照)。また、主制御装置は、ステージ装置20Pの移動に合わせて(同期して)、ポート部150Pを−X方向に移動する(矢印K参照)。更に、主制御装置は、ステージ装置20Pとポート部150Pが−X方向に駆動する間に、基板スライドハンド140Pを+X方向に移動する(矢印L参照)。
このように、本第1変形例においても、基板ホルダ28上の基板交換を行うことが可能となっている。その後は、上記第1の実施形態(図7)と同様の動作が実行される。
以上のように、本第1変形例によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本第1変形例によれば、基板フィーダ160P’のスライド板264’の姿勢が変更可能であり、スライド板264’の上面(基板を保持する面)をXY面に対して平行な状態と、傾斜した状態との間で遷移させることが可能であるので、ポート部150Pからスライド板264’への基板の搬送の際の基板の撓みを抑制することができる。
(第2変形例)
以下、第2変形例について、図12〜図15に基づいて説明する。
図12には、第2変形例に係る露光装置10Qが有するステージ装置20P及び基板搬送装置100Qが平面図にて示されている。図12に示すように、本第2変形例の基板搬送装置100Qは、基板フィーダ160Qを備える。
基板フィーダ160Qは、第1実施形態と同様のスライド板264を有し、スライド板264をY軸回りに回転する一対の回転機構266も有している。更に、基板フィーダ160Qは、一対の回転機構266をX軸方向に移動する一対のX駆動機構269も有している。すなわち、基板フィーダ160Qのスライド板264は、Y軸回りに回転可能であるとともに、X軸方向にも往復移動可能となっている。
以下、本第2変形例の動作について、図13(a)〜図15に基づいて詳細に説明する。なお、図13(a)〜図15においては、図示の便宜上、X駆動機構269の図示を省略している。
図13(a)は、上記第1実施形態の図4(b)に対応する図である。本第2変形例では、図13(a)のように、ポート部150Pのビームユニット152上に基板P2が載置された状態で、主制御装置は、回転機構266を駆動し、基板フィーダ160Qのスライド板264の上面をXY面と平行にする。また、主制御装置は、ポート部150Pを駆動し、基板フィーダ160Qと近接させる。これにより、スライド板264の上面とビームユニット152の上面がほぼ面一で、近接した状態になる。
次いで、主制御装置は、図13(b)に示すように基板スライドハンド140Pの吸着パッド142を用いて、基板P2をビームユニット152の上面及びスライド板264の上面に沿ってスライド移動させる。このスライド移動の際には、主制御装置は、ビームユニット152の上面及びスライド板264の上面から排気することで、基板P2を浮上させている。また、このスライド移動の際には、主制御装置は、基板搬出ベアラ装置183P(図2等参照)を駆動して、基板ホルダ28上の基板を+X方向にオフセットさせている(矢印E参照)。先述したが、スライド板264’の上面とビームユニット152の上面がほぼ面一であるため、基板P2を変形させることなく、吸着パッド142は基板P2をビームユニット152上からスライド板264’へ移動させることができるという効果がある。これにより、基板P2に対して余計な応力がかかる恐れがなく、基板P2の一部が割れてしまったり変形してしまったりすることを避けることができる。
次いで、主制御装置はX駆動機構269を制御して、図14(a)に示すように、基板フィーダ160Qのスライド板264(及び基板P2)を、基板ホルダ28の上方に位置するように、−X方向に移動させる(矢印T参照)。これにより基板ホルダ28の+X方向へ移動する距離を短くすることができる。また、それに伴い定盤22のX方向の寸法を小さくすることができ、露光装置10Qを小型化することができる。
主制御装置は、基板スライドハンド140Pの吸着パッド142を−Z方向及び−X方向に駆動することで(矢印H”参照)、図14(b)に示すように吸着パッド142を基板P1の下面の+X側の端部に位置決めする。そして、主制御装置は、吸着パッド142による基板P1の吸着保持を開始する。
次いで、主制御装置は、図14(b)に示すように、回転機構266を駆動し、スライド板264の上面をXY面に対して傾斜させる(スライド板264の下面がXY面に対して平行になるようにする)。更に、主制御装置は、基板搬入ベアラ装置182Pの吸着パッド284を上昇駆動する(矢印G参照)。また、主制御装置は、上下動機構255を制御して、ビームユニット152の上面がオフセットビーム部185Pの上面とほぼ一致するように、ビームユニット152を下降駆動するとともに、−X方向に駆動する(矢印I’参照)。
次いで、主制御装置は、図15に示すように、ステージ装置20Pを−X方向に移動する(矢印J参照)。また、主制御装置は、ステージ装置20Pの移動に合わせて(同期して)、ポート部150Pを−X方向に移動する(矢印K参照)。更に、主制御装置は、基板フィーダ160Qのスライド板264をX駆動機構269を介して+X方向に移動する(矢印U参照)。このような一連の基板交換動作により、ステージ装置20Pと基板フィーダ160Qとを反対方向に移動させるため、より短時間で基板交換を行うことが可能となる。また、主制御装置は、ステージ装置20Pとポート部150Pが−X方向に駆動する間に、基板スライドハンド140Pを+X方向に移動する(矢印L参照)。
これにより、基板ホルダ28上からは基板P1が搬出され、基板P2と基板ホルダ28との間から基板フィーダ160Pのスライド板264が退避する。このように、本第2変形例においても、基板ホルダ28上の基板交換を行うことが可能となっている。その後は、上記第1の実施形態(図7)と同様の動作が実行される。
以上のように、本第2変形例によれば、基板交換の際に、ステージ装置20Pと基板フィーダ160Qとを反対方向に移動させるため、より短時間で基板交換を行うことが可能となる。また、上記第1変形例で用いた基板ピックハンド268を用意しなくてもよい。また、基板P2を基板ホルダ28の上方に搬送する際には、基板フィーダ160Q(スライド板264)の上面をXY面に対して平行に維持しているため、基板P2の−X側の端部と基板ホルダ28や基板搬入ベアラ装置182Pとが接触しないようにすることができる。
なお、本第2変形例では、スライド板264のY軸回りの回転により、基板P2の−X側の端部を基板ホルダ28に接触させることができるため、基板搬入ベアラ装置182Pを設けないこととしてもよい。
(第3変形例)
以下、第3変形例について、図16〜図19(b)に基づいて説明する。
図16には、第3変形例に係る露光装置10Rが有するステージ装置20Pと、基板搬送装置100Rが平面図にて示されている。図16に示すように、本第3変形例の基板搬送装置100Rは、基板フィーダ160Rを備えている。
基板フィーダ160Rは、第1変形例と同様のスライド板264’を有し、スライド板264’をY軸回りに回転する一対の回転機構266も有している。更に、基板フィーダ160Rは、一対の回転機構266をX軸方向に移動する一対のX駆動機構269も有する。すなわち、基板フィーダ160Rのスライド板264’は、Y軸回りに回転可能であるとともに、X軸方向にも往復移動可能となっている。また、第1変形例と同様、スライド板264’の+X側の端部近傍には、一対の基板ピックハンド268が設けられている。
以下、本第3変形例の動作について、図17(a)〜図19(b)に基づいて詳細に説明する。なお、図17(a)〜図19(b)においては、図示の便宜上、X駆動機構269の図示を省略している。
図17(a)は、上記第1実施形態の図4(b)に対応する図である。本第3変形例では、図17(a)のように、ポート部150Pのビームユニット152上に基板P2が載置された状態で、主制御装置は、回転機構266を駆動し、基板フィーダ160Rのスライド板264’の上面をXY面と平行にする。また、主制御装置は、ポート部150Pを駆動し、基板フィーダ160Rと近接させる。これにより、スライド板264’の上面とビームユニット152の上面がほぼ面一で、近接した状態になる。
次いで、主制御装置は、図17(b)に示すように基板スライドハンド140Pの吸着パッド142を用いて、基板P2をビームユニット152の上面及びスライド板264’の上面に沿ってスライド移動させる。このスライド移動の際には、主制御装置は、ビームユニット152の上面及びスライド板264の上面から排気することで、基板P2を浮上させている。このスライド移動により、基板P2がスライド板264’の上面に載置された後、吸着パッド142は基板P2の吸着を解除する。基板ピックハンド268は、吸着パッド142による吸着が解除された基板P2の吸着を開始する。また、このスライド移動の際には、主制御装置は、基板搬出ベアラ装置183P(図2等参照)を駆動して、基板ホルダ28上の基板を+X方向にオフセットさせている(矢印E参照)。
次いで、主制御装置は、図18(a)に示すように、回転機構266を駆動し、スライド板264’の上面をXY面に対して傾斜させる(スライド板264’の下面がXY面に対して平行になるようにする)。また、主制御装置は、基板スライドハンド140Pの吸着パッド142を下降駆動するとともに、ポート部150Pのビームユニット152も下降駆動する。
次いで、主制御装置は、図18(b)に示すように、X駆動機構269を制御して、スライド板264’(及び基板P2)を−X方向に移動させる(矢印T参照)。また、主制御装置は、基板スライドハンド140Pの吸着パッド142を駆動して、図18(b)に示すように吸着パッド142を基板P1の下面の+X側の端部に位置決めする。そして、主制御装置は、吸着パッド142による基板P1の吸着保持を開始する。また、主制御装置は、図18(b)に示すように、ビームユニット152をオフセットビーム部185Pに近接させる。更に、主制御装置は、基板搬入ベアラ装置182Pの吸着パッド284を上昇駆動する。そして、主制御装置は、基板ピックハンド268を駆動することで、基板P2をスライド板264’の上面に沿って移動する。これにより、基板P2の−X側の端部が吸着パッド284に接触するので、主制御装置は、吸着パッド284による基板P2の吸着保持を開始する。
次いで、主制御装置は、図19(a)に示すように、ステージ装置20Pを−X方向に移動する(矢印J参照)。また、主制御装置は、ステージ装置20Pの移動に合わせて(同期して)、ポート部150Pを−X方向に移動する(矢印K参照)。更に、主制御装置は、基板フィーダ160Rのスライド板264’をX駆動機構269を介して+X方向に移動する(矢印U参照)。また、主制御装置は、ステージ装置20Pとポート部150Pが−X方向に駆動する間に、基板スライドハンド140Pを+X方向に移動する(矢印L参照)。
これにより、図19(b)に示すように、基板ホルダ28上からは基板P1が搬出され、基板P2と基板ホルダ28との間から基板フィーダ160Pのスライド板264が退避する。このように、本第3変形例においても、基板ホルダ28上の基板交換を行うことが可能となっている。その後は、上記第1の実施形態(図7)と同様の動作が実行される。
以上のように、本第3変形例によれば、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、基板P2の吸着パッド284への受け渡しを吸着パッド142ではなく基板ピックハンド268が行うことができるため、吸着パッド142が基板P2を吸着パッド284へ受け渡した後に図18(b)に示された位置へ早く移動することができる。具体的には、吸着パッド142は、基板P2を基板ピックハンド268へ受け渡した後、基板P2が基板ピックハンド268から吸着パッド284へ受け渡される前に、図18(b)に示された位置へ移動することができるようになり、基板交換時間を短くすることができる。
(第4変形例)
次に、第4変形例にかかる露光装置10Sについて、図20(a)〜図23に基づいて説明する。
図20(a)には、第4変形例に係る基板搬送装置100Sが有する基板フィーダ160Sの平面図が示され、図20(b)には、基板フィーダ160Sの側面図が示されている。
図20(a)、図20(b)に示すように、基板フィーダ160Sは、スライド板364と、スライド板364の上面(+Z面)の+X側の端部に設けられたY軸方向に伸びる板状部材367と、スライド板364の側面(+Y面及び−Y面)の+X側の端部近傍に設けられた基板搬送アーム369と、を有する。また、基板フィーダ160Sは、板状部材367にX軸方向の駆動力を付与するX駆動機構368を有する。
スライド板364は、平面視で(+Z方向から見て)櫛歯状の形状を有し、側面視で(−Y方向から見て)台形状の形状を有している。スライド板264の櫛歯と、ポート部150Pのビームユニット152のY軸方向位置は重ならないようになっている。
基板搬送アーム369は、先端に吸着パッドを有する多関節ロボット又はパラレルリンクロボットである。吸着パッドは、基板P(P1,P2)を吸着保持することができる。
ここで、本第4変形例の基板搬送装置100Sには、図21(a)に示すように、上記第1実施形態及び第1〜第3変形例で説明した基板スライドハンド140Pが設けられていない。また、本第4変形例では、これまでに説明したステージ装置20Pの一部が変更されたステージ装置20P’が用いられている。ステージ装置20P’においては、図21(a)に示すように、基板ホルダ28に切り欠き28aが形成されていない。また、一対の基板搬入ベアラ装置182Pは、吸着パッド284をZ軸方向に移動するとともに、基板搬入ベアラ装置182P全体がX軸方向に移動可能となっている(矢印V参照)。
次に、本第4変形例の動作について、図21(a)〜図23に基づいて詳細に説明する。なお、図21(a)〜図23においては、図示の便宜上、X駆動機構368の図示を省略している。
図21(a)には、不図示の外部搬送装置300からポート部150Pのビームユニット152上に露光前の基板P2が搬送された状態が示されている。なお、この基板P2の搬送前には、基板フィーダ160Sのスライド板364がビームユニット152の下側になるように、ビームユニット152が位置決めされている。
次いで、主制御装置は、図21(b)に示すように、ビームユニット152を下降駆動する(矢印W1参照)。これにより、スライド板364の上面に基板P2が受け渡される。なお、ビームユニット152は、スライド板364の櫛歯部分の隙間を通るように下降する。
なお、基板P2がスライド板364に受け渡された状態では、基板搬送アーム369の先端の吸着パッドにより基板P2の下面が吸着保持される。次いで、主制御装置は、図22(a)に示すように、スライド板364を−X方向に移動する(矢印W2参照)。また、主制御装置は、基板搬入ベアラ装置182Pの吸着パッド284を上昇させる(矢印L1参照)とともに、基板搬入ベアラ装置182Pを+X方向に移動させる(矢印L2参照)。そして、主制御装置は、基板搬送アーム369を伸ばすことで、基板P2をスライド板364の上面に沿ってスライド移動させる。このとき、スライド板364の上面からは加圧気体が噴出されているので、基板P2はスライド板364の上面に対して非接触状態で浮上搬送される。基板P2が図22(a)の位置まで到達すると、基板P2の−X側の端部が吸着パッド284に接触するので、主制御装置は、吸着パッド284による基板P2の吸着保持を開始する。
なお、主制御装置は、上述したように基板P2を移動している間、基板ホルダ28上の基板P1を基板搬出ベアラ装置183P(図2等参照)を介して+X方向に移動する(矢印E参照)。すなわち、主制御装置は、基板P1を基板ホルダ28から+X方向にオフセットさせる。
次いで、主制御装置は、図22(b)に示すように、基板搬送アーム369を駆動して、先端の吸着パッドを基板P1の下面に接触させ、吸着保持を開始する。
次いで、主制御装置は、図23に示すように、基板フィーダ160Sのスライド板364をX駆動機構368を介して+X方向に移動する(矢印W4参照)。これにより、基板ホルダ28上からは基板搬送アーム369に保持された基板P1がビームユニット152に沿ってスライド搬出され、基板P2と基板ホルダ28との間から基板フィーダ160Pのスライド板364が退避し、基板P2が基板ホルダ28上に搬入される。このように、本第4変形例においても、基板ホルダ28上の基板交換を行うことが可能となっている。なお、主制御装置は、スライド板364が+X方向に移動する間に、ステージ装置20Pとポート部150Pを−X方向に移動させるようにしてもよい。これにより、より短時間で基板P1,P2の交換動作を行うことができる。
なお、図23の後は、基板P1がビームユニット152上に載置されるため、外部搬送装置300が、基板P1を露光装置10Sの外に搬出する。
以上、説明したように、本第4変形例によると、基板スライドハンド140Pを用いないシンプルな構成で、つまり基板スライドハンド140PをX方向へ駆動する駆動機構を設けなくて良い構成で、基板ホルダ28上の基板を交換することができる。また、基板フィーダ160Pの+X方向への移動により、基板P2の基板ホルダ28への搬入と、基板P1の基板ホルダ28からの搬出を同時に行うことができる。さらに、基板フィーダ160PをX方向へ移動させる駆動系のみで、基板P2の基板ホルダ28への搬入と、基板P1の基板ホルダ28からの搬出とを行うことができる。
また、本第4変形例では、スライド板364を上下動させる駆動機構を用意する必要がないため、シンプルな構成とすることができる。また、上下動させないため、基板フィーダ160S全体の剛性を高めることができる。
また、本第4変形例では、基板搬送アーム369をスライド板364に設けているため、基板スライドハンド140Pのように、基板搬送アーム369をX軸方向に移動するための専用の機構を設けなくてもよく、この点からも構成をシンプルにすることができる。
なお、上記第4変形例では、基板フィーダ160Sのスライド板364が櫛歯状である場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、図24に示すように、スライド板364に代えて、複数の薄板(+Y方向から見て台形形状の薄板)364’をY軸方向に所定間隔をあけた状態で板状部材367の下面(−Z面)に固定するようにしてもよい。このようにしても上記第4変形例と同様の作用効果を得ることができる。
(第5変形例)
次に、第5変形例に係る露光装置10S’について、図25に基づいて説明する。
図25には、第5変形例に係る露光装置10S’の一部を示す側面図である。本第5変形例においては、前述した第4変形例のポート部150Pに代えて、ポート部150P’を用いている点に特徴を有する。また、ポート部150P’に対応するため、基板フィーダ160Sは、スライド板364がX軸方向に加えて、Z軸方向にも移動可能であるものとする。なお、本第5変形例では、ステージ装置として、上記第1実施形態と同様のステージ装置20Pを用いることとしている。
ポート部150P’は、複数のビームユニット152と、複数のビームユニット152を平行移動する平行リンク機構255’と、を有する。平行リンク機構255’は、レール257に沿ってX軸方向に移動可能となっている。
本第5変形例では、外部搬送装置からポート部150P’のビームユニット152に露光前の基板P2が搬送される前に、主制御装置は、スライド板364がビームユニット152の下側に移動する。そして、主制御装置は、外部搬送装置からビームユニット152に基板P2が搬送された後に、スライド板364を上昇させる。これにより、スライド板364上にビームユニット152から基板P2が受け渡されるようになっている。その他については、上述した第4変形例と同様となっている。
以上のように、本第5変形例では、上述した第4変形例と同様の効果を得ることができる。また、本第5変形例では、ポート部150P’が平行リンク機構255’を有するため、レール267を短くしても(ポート部150P’のX軸方向の移動量を小さくしても)、第4変形例と同様の効果を得ることができる。
(第6変形例)
次に、第6変形例について、図26(a)〜図27(b)に基づいて説明する。図26(a)には、第6変形例にかかる基板搬送装置100Tの側面図が示されている。図26(a)に示すように、基板搬送装置100Tは、基板フィーダ160Tと、ポート部150Tと、第1実施形態と同様の基板スライドハンド140Pと、を備える。
基板フィーダ160Tは、第1変形例と同様のスライド板264’を有し、スライド板264’の上面の+X側の端部には、一対の基板ピックハンド268が設けられている。なお、スライド板264’は、不図示のX駆動機構により、X軸方向に沿って移動されるようになっている。
ポート部150Tは、これまでと同様、複数のビームユニット152を有している。複数のビームユニット152は、一対のZ軸駆動機構255A,255Bにより移動される。Z軸駆動機構255A,255Bは、独立に駆動されるため、Z軸駆動機構255A,255Bの上端部が異なる高さ位置に制御された場合には、ビームユニット152がX軸に対して傾斜した状態となる(図26(b)参照)。また、Z軸駆動機構255A,255Bの上端部が同一高さ位置に制御された場合には、ビームユニット152の上面がXY面に平行な状態となる(図26(a)参照)。更に、Z軸駆動機構255A,255B及びビームユニット152は、レール257に沿ってX軸方向に移動される。
次に、本第6変形例の動作について説明する。
本第6変形例においては、図26(a)に示すように、外部搬送装置300からポート部150Tのビームユニット152上に露光前の基板P2が搬送されると、主制御装置は、図26(b)に示すように、Z軸駆動機構255A,255Bが駆動する。このとき、主制御装置は、Z軸駆動機構255Aの上端部の高さがZ軸駆動機構255Bの上端部の高さよりも低くなるようにする。これにより、基板P2を保持するビームユニット152が、−X側の端部の方が+X側の端部よりも低くなるように傾斜する。このとき、ビームユニット152の上面は、基板フィーダ160Tのスライド板264’の上面と略平行となっている。また、主制御装置は、基板スライドハンド140Pの吸着パッド142を上昇させ、吸着パッド142に基板P2の下面を吸着保持させる。
次いで、主制御装置は、図27(a)に示すように、吸着パッド142を−X方向及び−Z方向に移動させる。これにより、基板P2がビームユニット152及びスライド板264’の上面に沿って搬送される。なお、吸着パッド142の移動の際には、主制御装置は、ビームユニット152の上面及びスライド板264’の上面から排気することで、基板P2を浮上させている。基板P2が図27(a)の位置まで到達すると、主制御装置は、基板ピックハンド268による基板P2の下面の吸着保持を開始するとともに、吸着パッド142の吸着保持を停止する。
次いで、主制御装置は、図27(b)に示すように、スライド板264’を−X方向に駆動するとともに、基板ピックハンド268を−X方向に駆動する。これにより、基板P2の−X側の端部が基板搬入ベアラ装置182Pの吸着パッド284に接触するので、主制御装置は、吸着パッド284による基板P2の下面の吸着保持を開始するとともに、基板ピックハンド268による基板P2の吸着保持を解除する。また、主制御装置は、基板スライドハンド140Pの吸着パッド142を、基板ホルダ28上の基板P1の下面に接触させ、吸着パッド142による基板P1の吸着保持を開始する。
その後は、主制御装置は、ステージ装置20Pを−X方向に移動するとともに、ポート部150Tを−X方向に移動する。更に、主制御装置は、ステージ装置20Pとポート部150Tが−X方向に駆動する間に、基板スライドハンド140Pを+X方向に移動する。
これにより、基板P2と基板ホルダ28との間から基板フィーダ160Tのスライド板264’が退避するため、基板P2が基板ホルダ28上に載置される。また、基板P1はビームユニット152上に移載される。
以上のように、本第6変形例によれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られるとともに、ビームユニット152を傾斜させることにより、基板を変形させる(撓ませる)ことなくビームユニット152上から基板フィーダ160Tに対してスライド移動させやすくなる。また、ビームユニット152の上面を外部搬送装置300の上面と略平行にすることで、ビームユニット152と外部搬送装置300との一方から他方への基板の受け渡しに関しても、基板を変形させることなく行うことができる。
(第7変形例)
次に、第7変形例について、図28に基づいて説明する。本第7変形例は、第1実施形態の基板フィーダ160Pのスライド板264にカバー199が設けられている点に特徴を有している。
カバー199は、YZ断面が逆U字状であり、カバー199とスライド板264との間には、+X側から基板をスライド搬入することができるとともに、−X側から基板をスライド搬出することができるようになっている。なお、図28では、カバー199が透明である場合を図示しているが、カバー199は透明でなくてもよい。
本第7変形例では、カバー199を設けることにより、基板Pへのゴミの付着を防止することができるとともに、基板Pの温度を一定にすることができる。
なお、カバー199は、第1実施形態以外のスライド板(ポート部からスライド板に基板をスライド搬入しない例を除く)にも適宜設けることができる。特に、床F上に固定されている基板フィーダの場合には、基板フィーダが移動しないため、カバー199を設けることで重量が大きくなっても特段問題は生じない。
(第8変形例)
次に、第8変形例について、図29に基づいて説明する。本第8変形例は、図29(a)に示すように、第1実施形態の基板フィーダ160Pのスライド板264の上面を湾曲させている点に特徴を有している。このように、スライド板264の上面(基板支持面)を湾曲させることで、基板の断面係数を大きくすることができる。すなわち、基板の撓みに対して、基板の厚みが実際よりも数倍から数百倍大きくなったのと同じ効果を得ることができる。
このようにすることで、図29(b)のように基板Pの−X側端部が飛び出した状態で基板Pが基板フィーダ160P上に載置されたとしても、基板Pの−X側の端部に撓み(垂れ)が発生するのを抑制することができる。また、基板Pの撓み(垂れ)の発生が抑制されているため、基板Pを基板ホルダ28に接触させるときに、基板Pを−X側の辺のY軸方向中央部から接触させることができるので、Y軸方向中央部から+Y軸方向と−Y軸方向と広がるように基板Pが基板ホルダ28に支持させるため、基板Pの−X側の端部に皺を生じにくくさせることができる。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る露光装置について、図30(a)〜図41(b)を用いて説明する。第2実施形態に係る露光装置10Gの構成は、基板搬送装置の一部の構成及び動作が異なる点を除き、上記第1実施形態と同じであるので、以下、相違点についてのみ説明し、上記第1実施形態と同じ構成及び機能を有する要素については、上記第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
図30(a)及び図30(b)はそれぞれ、第2実施形態に係る露光装置10Gの平面図及び側面図である。また、図31(a)及び図31(b)は、第2実施形態に係る基板搬入ハンド161Gの斜視図である。
(ステージ装置20G)
ステージ装置20Gは、上記第1実施形態のステージ装置20Pと同様である。なお、本第2実施形態では、基板ホルダの符号を「28G」と表記している。
(基板搬送装置100G)
第2実施形態に係る基板搬送装置100Gにおいて、複数のビームユニット152それぞれは、Z軸方向に延びる複数(例えば2本)の棒状の脚154によって、X軸方向の両端部よりも内側の位置で下方から支持されている。各ビームユニット152を支持する複数の脚154は、それぞれ下端部近傍がベース板156により連結されている。基板搬送装置100Gでは、ベース板156が不図示のXアクチュエータによりX軸方向へ所定のストロークで移動されることにより、複数のビームユニット152が一体的にX軸方向に所定のストロークで移動するようになっている。また、ベース板156がZアクチュエータ158によりZ軸方向へ移動されることにより、複数のビームユニット152が一体的にZ軸方向に上下動可能となっている。なお、図30(a)及び以降の平面図においては、ベース板156の図示を省略している。
第2実施形態に係る基板搬送部160G(第1実施形態の基板フィーダ160Pに対応)において、図30(a)に示すように、基板搬入ハンド161Gは、複数(本第2の実施形態では、例えば8本)の指部162Gを有している。複数の指部162Gは、−X側の端部近傍が連結部材163Gにより互いに連結されている。連結部材163Gは、基板搬入ハンド161Gに保持された基板Pの裏面へ気体を供給(給気)することによって基板Pを浮上支持させることができる構成になっている。これに対し、複数の指部162Gの+X側の端部は、自由端となっており、隣接する指部162G間は、ポート部150G側に開いている。また、各指部162Gは、図30(a)に示すように、平面視において複数のビームユニット152が有する複数のビームとY軸方向における位置が重ならないような配置になっている。
図31(a)及び図31(b)に示すように、複数の指部162Gのうち、Y軸方向の両端の指部162G1は、側面視において−X側(基板ホルダ28G側)の厚みが薄く、+X側(ポート部150G側)が厚くなる三角形状を有する。一方、内側の指部162G2は、ポート部側の厚みが、両端の指部162G1よりも薄くなっている。
また、図31(a)及び図31(b)に示すように、両端の指部162G1には、基板搬入ハンド161Gのアーム168が取り付けられている。図30(a)に示すように、アーム168の両端部は、X軸駆動装置164に連結されている。
基板搬入ハンド161Gは、図30(a)及び図30(b)に示すように、Y軸方向の両端の指部162G1に設けられた一対の基板ピックハンド167Gを有している。基板ピックハンド167Gは不図示の駆動装置によって、指部162G1に沿うようにX軸方向及びZ軸方向に所定のストロークで移動可能となっている。
また、基板ピックハンド167Gは、不図示のバキューム装置から供給される真空吸引力により、基板Pの下面を吸着保持することができるようになっている。
(搬送装置180G)
搬送装置180Gは、上記第1実施形態の搬送装置180Pと同様である。
(基板交換動作について)
以下、第2実施形態に係る露光装置10Gにおける、基板ホルダ28G上の基板Pの交換動作について、図32(a)〜図40(b)を用いて説明する。
図32(a)及び図32(b)に示すように、ステージ装置20Gが露光処理を行っている間、外部搬送装置300が−Z方向に移動されてビームユニット152に新しい基板P2を載置する。その後、外部搬送装置300は、+X方向に移動され退出する(矢印A1参照)。
基板搬入ハンド161Gは、+X方向に移動され、ビームユニット152の下に−X側(基板ホルダ28G側)から進入する(矢印A2参照)。
その後、図33(a)及び図33(b)に示すように、露光処理を終えたステージ装置20Gは、基板搬送部160Gとの基板受け渡し位置へと移動する(矢印B1参照)。
ビームユニット152は、Zアクチュエータ158により、基板P2を保持したまま−Z方向に移動される(矢印B2参照)。このとき、基板搬入ハンド161Gの基板ピックハンド167Gにビームユニット152上の基板P2の一部が接触する。基板ピックハンド167Gは、基板P2の下面を吸着把持する。
その後、図34(a)及び図34(b)に示すようにステージ装置20Gでは、基板ホルダ28G上の基板P1を、基板搬出ベアラ装置183Pによって+X方向にオフセットする(矢印C1参照)。このとき、基板ホルダ28G及びオフセットビーム部185Pは、基板P1が浮上された状態で移動されるよう、基板P1の裏面に気体を供給(給気)する。
ビームユニット152からは加圧気体が噴出される。また、ビームユニット152は、徐々に降下を続ける(矢印C2参照)。
基板搬入ハンド161Gは、ビームユニット152上の基板P2を基板ピックハンド167Gで吸着把持したまま、−X方向に徐々に移動される(矢印C3参照)。基板P2は、基板搬入ハンド161Gの−X方向の移動に伴い−X方向に移動する。
その後、図35(a)及び図35(b)に示すように、基板搬入ハンド161Gは、指部162Gの股部とビームユニット152とが平面視において重ならないX位置まで−X方向に移動される。
ビームユニット152は、基板搬入ハンド161Gの下方まで降下移動され(矢印D1参照)、新しい基板P2を完全に基板搬入ハンド161Gに受け渡す。このとき、基板搬入ハンド161G上において、一対の基板ピックハンド167Gによって基板搬入ハンド161Gに対する基板P2の相対位置の調整を行ってもよい。
その後、図36(a)及び図36(b)に示すように、基板搬入ハンド161Gは、基板P2を保持したまま−X方向に移動され(矢印E1参照)、基板ホルダ28Gの上空における所定位置に配置させる。
ステージ装置20Gでは、基板搬入ベアラ装置182Pの吸着パッド284が駆動機構286により+Z方向に移動される(矢印E2参照)。基板搬入ハンド161Gは基板ピックハンド167Gにより、基板P2を斜め下に押し出す。これにより、基板P2の−X側の端部が吸着パッド284に接触する。これにより、吸着パッド284は、基板ホルダ28Gの上方で待機している基板搬入ハンド161G上の基板P2に下方から接触し、該基板P2の−X側の端部近傍を吸着保持する。なお、このタイミングで、基板ピックハンド167Gは、基板ホルダ28Gに対する基板P2の位置調整を行ってもよい。
また、吸着パッド284による基板P2の吸着保持動作と並行して、基板搬出ハンド170Aが移動され、基板P1のうち、基板ホルダ28Gから+X側にオフセットされた部分の下面を吸着把持する。
ビームユニット152は、−X方向及び−Z方向に移動され(矢印E3,E4参照)、基板ホルダ28Gとの基板受け渡し位置で停止する。またビームユニット152から、加圧気体を噴出させる。これにより、ビームユニット152は、基板ホルダ28Gから搬出される基板P1を支持するガイドとなる。
その後、基板搬入ハンド161Gの基板ピックハンド167Gによる基板P2の把持を解放し、図37(a)及び図37(b)に示すように、基板搬入ベアラ装置182Pの吸着パッド284が、基板P2の−X側の端部を吸着把持した状態で、基板搬送部160Gが搬出方向(+X側)に移動される(矢印F1参照)。基板搬送部160Gが搬出方向(+X側)に移動されると、基板P1を保持した基板搬出ハンド170Aも+X方向へ移動される。
基板搬送部160Gが搬出方向に移動されるのと並行して、ステージ装置20Gが−X方向に移動される(矢印F2参照)。このとき、ポート部150Gもステージ装置20Gの−X方向の移動に追従するように、−X方向に移動される(矢印F3参照)。これにより、基板P1が基板ホルダ28G上から、ポート部150G(複数のビームユニット152)上へ移動する。このとき、複数のビームユニット152それぞれの上面からは加圧気体が噴出されているので、基板P1が基板ホルダ28G、及びポート部150G上を、非接触状態(基板搬出ハンド170Aにより保持されている部分を除く)で浮上搬送される。なお、基板搬入ハンド161Gが+X方向に移動されるとともに、ステージ装置20Gが−X方向に移動されるので、より短時間で基板ホルダ28G上の基板P1の搬出と、基板ホルダ28Gへの基板P2の搬入とを一部並行して行うことができる。
なお、図38(a)及び図38(b)に示すように、基板搬送部160Gのみを搬出方向(+X側)に移動して(矢印G1参照)、基板P1を基板ホルダ28G上から、ポート部150G(複数のビームユニット152)上へ移動させてもよい。
その後、図39(a)及び図39(b)に示すように、基板搬出ハンド170Aは基板P1の把持を解放して、基板搬入ハンド161Gと共に−X方向へ移動される(矢印H1参照)。ポート部150Gは、ビームユニット152上に基板P2を保持したまま+X方向へ移動される(矢印H2参照)。
ステージ装置20Gでは、基板搬入ベアラ装置182Pが基板P2のアライメントを行った後、駆動機構286により吸着パッド284が−Z方向に移動され、その一部が切り欠き28a内に収容される(矢印H3参照)。これにより、基板P2が基板ホルダ28Gの基板支持面に吸着する。なお、ここで述べた基板P2の位置調整(アライメント)は、省略することができ、必要に応じて実施するように制御してもよい。
その後、図40(a)及び図40(b)に示すように、基板搬入ハンド161Gが基板P1に干渉しない位置まで移動すると、ビームユニット152は+Z方向に移動され、外部搬送装置300との基板受け渡し位置まで移動する。
外部搬送装置300はビームユニット152上の基板P1を回収した後、新たな基板P3をポート部150Gに搬送する。
以上、詳細に説明したように、本第2実施形態によれば、基板搬入ハンド161Gの、隣接する指部162G間は、ポート部150G側が開いている。これにより、基板搬入ハンド161Gは、基板ホルダ28G側から直接ビームユニット152の下方に入り込み、ビームユニット152の上方へと移動されることにより、ビームユニット152上の基板P2を掬い取って、基板ホルダ28G側に移動することができる。そのため、ビームユニット152上に基板P2が載置されている状態でも、基板搬入ハンド161Gは、X軸方向において短い移動距離で基板P2の下方に入り込むことができる。つまり、基板搬入ハンド161Gは、ポート部150Gの+X側の位置まで移動しなくとも、ビームユニット152上の基板P2を受け取ることができる。また、基板搬入ハンド161Gは、露光済み基板P1を、ポート部150Gの+X側の位置まで移動しなくとも、ビームユニット152上へ受け渡すことができる。つまり、外部搬送装置300とポート部150Gと基板搬入ハンド161Gと基板ホルダ28GとのX方向に関する位置関係を変えずに、基板P2の搬入および基板P1の搬出の一連の動作を行うことができる。さらに、基板搬入ハンド161Gがポート部150Gの+X側の位置まで移動する空間を設けるようにチャンバを設置する必要がないため、露光装置のフットプリント、つまり露光装置10の設置面積を小さくすることができる。また、露光装置内で不具合が発生した場合や、初期設定等の作業を行う場合等において、外部搬送装置300がなくても、ポート部150G(ビームユニット152)まで搬出した基板Pを再度基板搬入ハンド161Gに受け渡して、基板ホルダ28Gに搬入することができる。
また、本第2実施形態では、基板Pを支持する支持面を有する基板ホルダ28Gと、基板ホルダ28Gの上方に位置する基板P2の下面の一部(−X側の端部)を吸着保持する基板搬入ベアラ装置182Pと、XY面に対して傾斜する面を有し、基板P2を保持する基板搬入ハンド161Gと、基板ホルダ28G上に載置された基板P1の一部(+X側の端部)を吸着保持する基板搬出ハンド170Aと、を備えており、基板P2と基板ホルダ28Gとの間から基板搬入ハンド161GがX軸方向に沿って退避するように、ステージ装置20Gが移動するとともに、基板搬出ハンド170Aが基板P1を保持しつつ基板ホルダ28Gに対してX軸方向に移動することで、基板P2を基板ホルダ28上に搬入するとともに、基板P1を基板ホルダ28G上から搬出する。これにより、本第2実施形態では、基板ホルダ28Gに対して、基板P2をスライド搬送することで、搬送時の衝撃を抑制することができる。
また、本第2実施形態によれば、基板搬入ハンド161Gの複数の指部162Gは、−X側(基板ホルダ28G側)の端部近傍が連結部材163Gにより互いに連結されている。これにより、第2実施形態に係る基板搬入ハンド161Gは、基板P2を基板ホルダ28G上に歪みなく設置することができる。
具体的には、図41(a)に示すように、第1実施形態の第4変形例に係る基板フィーダ160Sにおいては、−X側に櫛歯部分が伸びている。そのため、基板ホルダ28に設置する直前の基板P2の−X側の縁は、図41(a)に示すように櫛歯部分により支持されている領域と支持されていない領域とがあるため微小量ではあるが波打っており、基板P2を基板ホルダ28に歪みなく設置するのが難しい場合がある。一方、図31(a)及び図31(b)に示すように、第2実施形態に係る基板搬入ハンド161Gは、−X側において隣接する指部162Gの間が開いておらず連続しており、基板P2の−X側の端を面で支持することができる。これにより、図41(b)に示すように、基板ホルダ28Gに設置する直前の基板P2の−X側の縁は、波打ちづらくなる。そのため、第2実施形態に係る基板搬入ハンド161Gは、基板P2を基板ホルダ28G上に歪みなく設置することができる。
また、本第2実施形態によれば、基板搬送部160G(基板搬入ハンド161G)とステージ装置20G(基板ホルダ28G)とを逆方向に移動することによって、基板搬入ハンド161Gを基板P2と基板ホルダ28Gとの間から退避させる。これにより、基板P2の基板ホルダ28Gへの搬入時間を短縮することができる。
また、本第2実施形態によれば、基板搬入ハンド161Gの指部162Gにおいて、両端の指部162G1以外の内側の指部162G2は、ポート部側の厚みが、両端の指部162G1よりも薄くなっている(例えば、図31(b)参照)。これにより、基板搬入ハンド161Gの重量を軽くすることができる。
また、本第2実施形態によれば、基板搬入ハンド161Gのアーム168は、両端の指部162G1に取り付けられているので、基板搬入ハンド161Gは基板P2の中央部を支持することができ、基板搬入ハンド161Gを小さくすることができる。さらに、基板搬入ハンド161Gのアーム168は、両端の指部162G1に取り付けられているので、基板搬入ハンド161G全体の重心全体を支持するため、基板搬入ハンド161Gが撓むのを抑制できる。
(第1変形例)
以下、第2実施形態の第1変形例に係る露光装置10Hについて、図42(a)、図42(b)に基づいて説明する。
上記第2実施形態では、外部搬送装置300とポート部150Gのビームユニット152との間で基板を受け渡すZ位置(パスライン)は、基板ホルダ28Gの上面よりも高い位置に設定されていたが、本第1変形例では、当該パスラインの高さは自由に設定できる(制限がない)点を特徴とする。
図42(a)及び図42(b)は、第1変形例における基板交換動作について説明するための図である。
図42(a)及び図42(b)に示すように、外部搬送装置300は、基板ホルダ28Gの上面よりも低い位置で停止したビームユニット152上に基板P2を載置する。
その後、上記第2実施形態の図32(a)及び図32(b)に示すように、ビームユニット152が基板搬入ハンド161Gの最高部よりも高い位置まで上昇すれば、基板搬入ハンド161Gを上下に移動する駆動装置がない場合でも、基板P2を基板搬入ハンド161Gに受け渡すことができる。これにより、例えば、露光装置内で不具合が発生した場合や、初期設定等の作業を行う場合等において、外部搬送装置300がなくても、ポート部150G(ビームユニット152)まで搬出した基板を再度基板搬入ハンド161Gに受け渡して、基板ホルダ28Gに搬入することができる。
(第2変形例)
以下、第2実施形態の第2変形例に係る露光装置10Iについて、図43(a)、図43(b)に基づいて説明する。本第2変形例は、基板搬送装置の構成を変えた例である。
第2変形例に係る基板搬送装置100Iにおいて、基板搬送装置160Iは、基板搬入ハンド161IをY軸周りに回転移動させる駆動系を備えている。すなわち、基板搬入ハンド161Iは、駆動系により基板保持面をY軸周りに傾けることが可能となっている。
また、第2変形例では、図43(a)に示すように、基板搬入ハンド161Iが備える基板ピックハンド167Iのストロークが、第2実施形態の基板ピックハンド167Gよりも長くなっている。なお、第2変形例では、図43(a)に示すように、基板搬入ハンド161Iの−X側の端部から指部162Iの付け根までの距離、すなわち、連結部材163IのX軸方向における幅が、第2実施形態の連結部材163Gよりも長くなっている。
第2変形例に係る基板搬送装置100Iにおける基板交換動作について、図43(a)〜図46(b)を用いて説明する。なお、図43(a)及び図43(b)の状態は、第2実施形態における図32(a)及び図32(b)の状態にそれぞれ対応する。
図43(a)及び図43(b)に示すように、ステージ装置20Gが露光処理を行っている間、外部搬送装置300は−Z方向に移動されてビームユニット152上に新しい基板P2を載置し、その後、+X方向に移動され露光装置10I内から退出する(矢印J1,J2参照)。
基板搬入ハンド161Iは、+X方向に移動され、ビームユニット152の下に−X側(基板ホルダ28G側)から進入する。そして、基板搬入ハンド161Iの指部162Iの股部がビームユニット152の−X側の端部と平面視において重複しない位置で停止される。
その後、図44(a)及び図44(b)に示すように、露光処理を終えたステージ装置20Gは、ポート部150Gとの基板受け渡し位置へと移動する(矢印K1参照)。
基板搬入ハンド161Iは、基板搬入ハンド161Iの基板保持面がビームユニット152上の基板P2と略平行となるように、Y軸周りに回転する(矢印K2参照)。ビームユニット152は、基板P2を保持したまま降下移動(−Z方向に移動)され、基板搬入ハンド161Iの基板ピックハンド167Iにビームユニット152上の基板P2の一部が接触する位置で停止する(矢印K3参照)。基板ピックハンド167Iは、基板P2の裏面を吸着把持する。
その後、図45(a)及び図45(b)に示すように、ステージ装置20Gでは、基板ホルダ28G上の基板P1を、基板搬出ベアラ装置183Pによって+X方向にオフセットする。
基板搬入ハンド161Iの基板ピックハンド167Iは、ビームユニット152上の基板P2を把持したまま−X方向に移動される(矢印L1参照)。これにより、基板P2は、基板搬入ハンド161Iとビームユニット152とに保持された状態で、基板搬入ハンド161I上へ移動される。このとき、ビームユニット152上、及び、基板搬入ハンド161I上から加圧気体が噴出される。基板ピックハンド1671が、基板P2を吸着保持しているため、基板P2が、ビームユニット152上や基板搬入ハンド161I上から、落下する恐れがない。基板P2は、基板搬入ハンド161Iとビームユニット152とに保持されているため、基板搬入ハンド161Iがビームユニットに対して+Z方向へ移動してビームユニット152から基板P2が基板搬入ハンド161Iに載置されるよりも、基板P2への負荷が少ない。よって、基板搬入ハンド161Iとビームユニット152間の基板P2の受け渡し時に、基板P2が破損する恐れを少なくすることができる。
その後、図46(a)及び図46(b)に示すように、ビームユニット152は基板搬入ハンド161Iの下方まで−Z方向に移動され(矢印M1参照)、基板P2を完全に基板搬入ハンド161Iに受け渡す。基板P2が基板搬入ハンド161Iに載置されると、基板搬入ハンド161IはY軸周りに回転駆動され、基板搬入ハンド161Iの基板保持面が、基板ホルダ28Gの基板支持面よりに対して傾斜された状態(図43(b)の状態)となる(矢印M2参照)。
以後の動作は、第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
第2変形例によれば、基板搬入ハンド161Iの基板保持面がビームユニット152上の基板P2と略平行となるように、基板搬入ハンド161IをY軸周りに回転駆動した後、ビームユニット152上の基板P2を基板搬入ハンド161Iに受け渡す。これにより、基板P2を撓ませることなく確実に基板搬入ハンド161Iに受け渡すことができる。
また、第2変形例によれば、連結部材163IのX軸方向の幅が広い。これにより、基板搬入ハンド161Iの指部162Iの長さを短くし、基板搬入ハンド161I全体の剛性を上げることができる。
(第3変形例)
以下、第2実施形態の第3変形例に係る基板搬送装置100Jについて、図47(a)、図47(b)に基づいて説明する。上述した第2変形例では、ビームユニット152から基板搬入ハンド161Iへの基板P2への移動を、基板搬入ハンド161Iを傾けることによって行なったが、本第3変形例では、ビームユニット152を傾けることによって行う。
図47(a)に示すように、第3変形例に係る基板搬送装置100Jにおいて、ポート部150Jは、上端がビームユニット152に接続された脚154a及び154bを備える。また、ポート部150Jは、脚154a及び脚154bを独立してZ軸方向に伸縮可能なZアクチュエータ158a及び158bを備えている。当該Zアクチュエータ158a及び158bが、脚154a及び154bの伸縮量を変更することにより、ビームユニット152の上面の傾きを変更することができる。なお、図47(a)においては、両端の指部162I1と内側の指部162I2との間に配置されているビームユニット152を図示している。
次に、図47(a)及び図47(b)を用いて、ビームユニット152から基板搬入ハンド161Iへの基板P2の受け渡しについて説明する。
図47(a)は、外部搬送装置300によって、基板P2がビームユニット152上に設置された状態を示している。このとき、基板搬入ハンド161Iは、ビームユニット152の−X側から+X方向に移動され、平面視において指部162Gの股部がビームユニット152の−X側の端部と平面視で重ならない位置で停止される。
次に、図47(b)に示すように、Zアクチュエータ158a及び158bにより、脚154a及び154bの伸縮量を変えて、ビームユニット152の上面が基板搬入ハンド161Iの基板保持面と略同一面を形成するよう、ビームユニット152を傾斜させる(矢印N1,N2参照)。
次に、ビームユニット152によって保持されていた基板P2は、ビームユニット152の降下と共に基板ピックハンド167Iによって把持され、基板ピックハンド167Iの移動によって基板位置をずらしながら基板搬入ハンド161Iに受け渡される。
第3変形例のように、ビームユニット152を傾けることによって、ビームユニット152から基板搬入ハンド161Iへ基板P2を移動させてもよい。
(第4変形例)
以下、第2実施形態の第4変形例に係る露光装置10Kの基板搬送装置100Kについて、図48(a)〜図49(b)に基づいて説明する。第4変形例は、基板搬入ハンドの指部の構成を変えた例である。
図48(a)及び図49(a)に示すように、第4変形例に係る基板搬入ハンド161Kは、X軸方向において、基板寸法とほぼ同じ長さの指部162Kを有する。また、図48(b)等に示すように、基板搬入ハンド161Kの形状は、側面視において、両先端が尖ったひし形のような形をしており、中央部分の厚みのある場所にアーム168が取り付けられている。
第4変形例におけるビームユニット152から基板搬入ハンド161Kへの基板の受け渡しについて、図48(a)〜図49(b)を用いて説明する。
図48(a)及び図48(b)に示すように、基板搬入ハンド161Kは、指部162Kの股部がビームユニット152の−X側の端部と平面視において重ならない位置に配置される。
その後、外部搬送装置300がビームユニット152上に基板P2を受け渡すと、図49(a)及び図49(b)に示すように、ビームユニット152は−Z方向へ移動される。基板搬入ハンド161Kの指部162Kの長さが基板P2の長さとほぼ同じであるため、ビームユニット152の−Z方向への移動により、基板P2は基板搬入ハンド161K上に載置される。その後、基板ピックハンド167Kによって、基板P2を斜面側にスライドさせる。これにより、基板P2の一部は、基板ホルダ28Gの基板支持面に対して傾斜した状態となる。以降の動作は、第2実施形態とほぼ同様である詳細な説明を省略する。
第4変形例によれば、基板搬入ハンド161Kの指部162Kの長さ(X軸方向の長さ)が基板の長さとほぼ同じであるため、ビームユニット152上に載置された基板P2を基板搬入ハンド161Kで受取る場合に、基板搬入ハンド161Kをビームユニット152の下から上に通過させるだけで、基板P2を掬い取ることができる。そのため、動作が単純で、基板P2の損傷や発塵が起こり難いという効果がある。
(第5変形例)
以下、第2実施形態の第5変形例に係る露光装置10Lの基板搬送装置100Lについて、図50(a)〜図51(b)に基づいて説明する。第5変形例は、外部搬送装置300から基板搬入ハンド161Kに直接基板を受け渡す例である。
第5変形例において、外部搬送装置300のフォークは、図50(a)に示すように、基板搬入ハンド161Kの指部162KとY軸方向における位置が平面視において重ならないように配置されている。また、ビームユニット152は、外部搬送装置300のフォークと平面視において重ならないように配置されている。その結果、第5変形例において、基板搬入ハンド161Kの指部162Kとビームユニット152とは、平面視において重なる位置に配置されている。
以下、第5変形例における外部搬送装置300から基板搬入ハンド161Kへの基板の受け渡しについて、図50(a)〜図51(b)を用いて説明する。
図50(a)及び図50(b)に示すように、基板搬入ハンド161Kは、外部搬送装置300との基板受け渡し位置に配置されるよう+X方向に移動される(矢印Q1参照)。外部搬送装置300は、基板P2を保持したまま、基板搬入ハンド161Kとの基板受け渡し位置に到達するまで、−X方向に移動される(矢印Q2参照)。
その後、図51(a)及び図51(b)に示すように露光処理を終えたステージ装置20Gは、ビームユニット152との基板受け渡し位置へと移動する(矢印R1参照)。また、ステージ装置20Gでは、基板ホルダ28G上の基板P1を、基板搬出ベアラ装置183Pによって+X方向にオフセットする(矢印R2参照)。
外部搬送装置300が−Z方向に移動されると(矢印R3参照)、基板P2の下面が基板ピックハンド167Kに接触する。基板ピックハンド167Kは、基板P2の下面を吸着把持する。
基板P2の下面を吸着把持した基板ピックハンド167Kは、−X方向に駆動される。これにより、外部搬送装置300上の基板P2が基板搬入ハンド161Kへと移動する。外部搬送装置300は、そのまま−Z方向に移動され基板搬入ハンド161K上に基板P2を完全に受け渡すと、+X方向に移動され露光装置10L内から退出する(矢印R4参照)。
ビームユニット152は、−Z方向及び−X方向に移動され(矢印R5、R6参照)、ステージ装置20Gとの基板受け渡し位置へと向かう。
その後の動作は、第2実施形態とほぼ同様であるため、その詳細な説明を省略する。
以上説明したように、第5変形例によれば、基板P2の搬入に際しては、基板搬入ハンド161Kがポート部150Gを介さず外部搬送装置300から基板P2を直接受け取ることができる。これは、外部搬送装置300の連結部を+X側に設け、基板搬入ハンド161Gの連結部材163Gを−X側に設けることで、外部搬送装置300から基板搬入ハンド161Kへ基板Pを受け渡すときに互いの連結部が干渉しないために可能となっている。これにより、これまで外部搬送装置300からポート部150Gへの基板P2の受け渡し、ポート部150Gから基板搬入ハンド161Kへの基板P2の受け渡しという2回の受け渡し動作が必要であったのに対し、外部搬送装置300から基板搬入ハンド161Kへ受け渡しという1回の受け渡しだけで良く、基板P2の受け渡し回数が削減されるため、基板P2の搬入にかかる時間の短縮と基板P2の損傷や発塵を防ぐことができる。
なお、第5変形例において、基板P1の回収(搬出)については、第2実施形態と同様に、基板P1をビームユニット152から外部搬送装置300へと受け渡す。
なお、第5変形例では、ビームユニット152と外部搬送装置300のロボットハンドの指部が平面視において重ならないようにするために、ビームユニット152と基板搬入ハンド161Kの指部162Kが平面視において重なるように配置したが、これに限られるものではない。ビームユニット152と基板搬入ハンド161Kの指部162Kも平面視において重ならないようにしてもよい。この場合、ビームユニット152はY軸方向に1つの指部162K分シフトできるようになっていてもよい。これにより、基板ホルダ28Gからポート部150Gまで搬出された基板を再び基板搬入ハンドで掬い取ることができる。
基板を受け渡しする場合に、指部162Kと平面視において重ならないようにするために、ビームユニット152がY軸方向にシフトするのではなく、外部搬送装置300がY軸方向にシフトしてもよいし、基板搬入ハンド161KがY軸方向にシフトしてもよい。
なお、上記第2実施形態及びその変形例においては、ステージ装置20Gに代えて、第1実施形態の第4変形例で説明したステージ装置20P’を用いてもよい。
また、第2実施形態及び第2実施形態の変形例において、基板搬送装置はX軸方向に移動可能となっていたが、基板搬送装置は固定されていてもよい。この場合、ステージ装置20Gを、X軸方向において基板搬送装置の下方まで移動できるように構成し、ステージ装置20Gを−X方向に移動させることによって、基板搬入ハンドを基板P2と基板ホルダ28Gとの間から退避させてもよい。
また、第1及び第2実施形態並びにその変形例において、図52に示すように、投影光学系16やマスクステージ14等を支持する、上コラムと呼ばれる定盤30の、+X側の端部付近を、基板フィーダ又は基板搬入ハンドと干渉しないように一部面取り(30a)してもよい。なお、図52では、基板フィーダ又は基板搬入ハンドとして、第2実施形態に係る基板搬入ハンド161Gを採用した場合が示されている。これにより、露光装置全体の高さを低減することができる。さらに、上コラムを面取りしない場合と比較して、基板搬入ハンド161Gが投影光学系16へ、つまり、より−X方向側へ移動することができる。これにより、ステージ装置20Gが+X側へ移動する距離を短くすることができ、ステージ装置20Gが基板交換位置まで移動する時間を短縮することができるため基板交換をより迅速に行うことができる。また、定盤22の+X方向側の寸法を短くすることができ、ステージ装置20Gを小型化することができる。
また、上記第1及び第2実施形態並びにその変形例において、ステージ装置20P,20Gは、図53(a)及び図53(b)に示すように、基板Pのエッジを検出するためのCCDカメラ31x及び31y(画像処理エッジ検出)を備えている。CCDカメラ31xは基板ホルダ28,28Gに載置される前の基板Pの−X側の辺2箇所を観察できるように配置されている。CCDカメラ31yは、基板Pの−Y側(又は+Y側)の辺の1箇所を下から観察できるように配置されている。これにより、ステージ装置20P,20Gに対する基板PのX位置、Y位置、θz位置を知ることができる。これらの情報は、載置前の基板P2の位置の修正や、載置後の基板P2の位置情報としてステージ制御に用いられる。なお、基板Pのエッジは検出するCCDカメラ31x及び31yでなく、たとえば、光源と、受光部とを備えた公知のエッジセンサを用いるようにしてもよい。光源は、CCDカメラ31x及び31yと同じ位置に配置され、受光部は、基板Pを挟んで光源に対向するように配置される。光源から照射される計測光の光軸に直交する断面はライン状であり、受光部は、該計測光を受光することにより基板Pの端部を検出する。このようにして、基板PのX軸方向の端部とY軸方向の端部とを計測した検出結果に基づいて、ステージ装置20P,20Gに対する基板PのX位置、Y位置、θz位置を検出するようにしてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態並びにその変形例において、図54(a)〜図54(c)に示すステージ装置20Mを用いてもよい。
ステージ装置20Mにおいて、図54(a)に示すように、基板搬入ベアラ装置182Mは基板ホルダ28Mの−X側の端部に2箇所設けられている。基板搬入ベアラ装置182Mは、図54(b)に示すように、基板ホルダ28Mの−X側の端部に形成された切り欠き28aにその一部が収納された状態において、吸着パッド284の上面の高さが、基板ホルダ28Mの上面とほぼ同一の高さとなるように設定されている。このため、基板P2の載置後にも、吸着パッド284は−X方向へ移動して基板ホルダ28Mから退避しなくてよい。
また、図54(c)に示すように、基板搬入ベアラ装置182Mは斜めに搬入される基板Pの裏面を確実に吸着固定できるように傾斜できるようになっている。また、基板搬入ベアラ装置182Mは基板Pの位置アライメントができるように水平方向(X軸方向又はX軸及びY軸方向)に移動できるようになっている。
ステージ装置20Mによれば、吸着パッド284を傾斜させることができるため、基板P2の裏面を確実に吸着固定できる。
また、上記第1及び第2実施形態並びにその変形例において、図55(a)及び図55(b)に示すステージ装置20Nを用いてもよい。
ステージ装置20Nは、独立して移動する、第1及び第2実施形態で説明した基板搬入ベアラ装置を持たない。ステージ装置20Nにおいては、基板ホルダ28Nの上面の一部が搬入基板の先端部を吸着把持する吸着パッド284の役目を兼ねるよう、基板ホルダの−X側端面付近の1箇所又は複数個所に搬入基板の先端部を吸着把持するための吸着領域(ベアラ領域)187が設けられている。
なお、ステージ装置20Nは、独立移動する基板搬入ベアラ装置を持たないため、基板搬入ベアラ装置によって搬入基板のアライメントを行うことができないが、例えば、ベアラ領域187で基板を吸着する前に、一対の基板搬出ハンドを用いて、基板搬入ハンド上の基板に対してアライメントを行えばよい。また、基板を基板ホルダ28Nに載置したのち、基板のアライメントを行いたい場合には、基板搬出ベアラ装置183Pを使って基板のアライメントを行えばよい。
また、ステージ装置が独立移動する基板搬入ベアラ装置を持たない場合、図56(a)〜図56(c)に示すように、例えば基板フィーダ160P(スライド板264)を基板Pと基板ホルダ28Nとの間から退避させつつ、基板ホルダ28N上に基板P2を載置するが、この場合には、基板ホルダ28Nは、真空吸引により、基板P2を基板支持面に吸着することで、安定して基板P2の搬入を行うことができる。
なお、上記第1及び第2実施形態並びにその変形例において、基板フィーダや基板搬入ハンドの指部上の支持パッドは省略してもよい。
また、上記各実施形態では、投影光学系16として、等倍系が用いられたが、これに限られず、縮小系、あるいは拡大系を用いても良い。
露光装置の用途としては、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば有機EL(Electro―Luminescence)パネル製造用の露光装置、半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも適用できる。
また、露光対象となる基板はガラスプレートに限られず、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。また、露光対象物がフラットパネルディスプレイ用の基板である場合、その基板の厚さは特に限定されず、例えばフィルム状(可撓性を有するシート状の部材)のものも含まれる。なお、本実施形態の露光装置は、一辺の長さ、又は対角長が500mm以上の基板が露光対象物である場合に特に有効である。また、露光対象の基板が可撓性を有するシート状である場合には、該シートがロール状に形成されていても良い。
《デバイス製造方法》
次に、上記各実施形態に係る露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法について説明する。上記実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることができる。
〈パターン形成工程〉
まず、上述した各実施形態に係る露光装置を用いて、パターン像を感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に形成する、いわゆる光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成される。
〈カラーフィルタ形成工程〉
次に、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列された、又はR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルタを形成する。
〈セル組み立て工程〉
次に、パターン形成工程にて得られた所定パターンを有する基板、及びカラーフィルタ形成工程にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。例えば、パターン形成工程にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
〈モジュール組立工程〉
その後、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。
この場合、パターン形成工程において、上記各実施形態に係る露光装置を用いて高スループットかつ高精度で基板の露光が行われるので、結果的に、液晶表示素子の生産性を向上させることができる。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。