JP2020165468A - バルブ装置、これを用いたマスフローコントローラ、流体制御装置および半導体製造装置 - Google Patents

バルブ装置、これを用いたマスフローコントローラ、流体制御装置および半導体製造装置 Download PDF

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真郷 高橋
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Abstract

【課題】集積化に適しかつ高温に対応可能なバルブ装置を提供する。【解決手段】流路を画定するバルブボディ2と、バルブボディ2の流路を開閉可能に設けられた弁体としてのダイヤフラム47と、ダイヤフラム47に流路を閉鎖させる閉位置と前記弁体に流路を開放させる開位置との間で移動可能に設けられた前記ダイヤフラムを操作する可動部材40と、前記可動部材を前記開市又は閉位置に移動させる圧電素子の伸縮を利用した圧電アクチュエータ50と、バルブボディ2から圧電アクチュエータ50に向かう伝熱経路の途中に設けられ、かつ、前記圧電アクチュエータの一部に常時接触する強制冷却機構100と、を有する【選択図】図2

Description

本発明は、圧電アクチュエータを利用したバルブ装置、これを用いたマスフローコントローラ、流体制御装置および半導体製造装置に関する。
特許文献1や特許文献2は、半導体製造用に用いられるバルブであって、弁体の開閉に圧電アクチュエータを利用したバルブを開示しているとともに、高温流体に対応するために、圧電アクチュエータと弁体との間に断熱スペーサ又は放熱スペーサを介在させ、熱源と圧電アクチュエータを遠ざけると共に、バルブボディ側からの圧電アクチュエータへの伝熱を抑制する技術を開示している。
特開2011-117499号公報 特開2004-62733号公報
特許文献1や特許文献2に開示されたバルブは、弁体と圧電アクチュエータとの間に断熱スペーサ又は放熱スペーサを介在させるため、高さ方向の寸法が長くなる。
半導体製造分野で使用されるバルブやマスフローコントローラは、集積化に伴う小型化が求められており、特許文献1や特許文献2に開示されたバルブはこの要請に反する。
本発明の目的の一つは、集積化に適しかつ高温に対応可能なバルブ装置、これを用いたマスフローコントローラ、流体制御装置および半導体製造装置を提供することにある。
本発明のバルブ装置は、流路を画定するバルブボディと、
前記バルブボディの流路を開閉可能に設けられた弁体と、
前記弁体に流路を閉鎖させる閉位置と前記弁体に流路を開放させる開位置との間で移動可能に設けられた前記弁体を操作する可動部材と、
前記可動部材を前記開市又は閉位置に移動させる圧電素子の伸縮を利用したアクチュエータと、
前記バルブボディから前記圧電アクチュエータに向かう伝熱経路の途中に設けられ、かつ、前記圧電アクチュエータの一部に常時接触する強制冷却機構と、を有する。
好適には、前記伝熱経路は、前記バルブボディに接続され、かつ、内部に前記可動部材の少なくとも一部を収容するボンネットと、
前記ボンネットに対して固定され、伸縮する前記アクチュエータの一端を支持する支持部と、を含み、
前記強制冷却機構は、前記支持部を兼ねている。
さらに好適には、前記支持部は、冷却媒体の流通する流通路を備える。
さらに好適には、前記支持部は、前記ボンネットを横断するように配置されている。
前記伝熱経路は、前記可動部材を前記閉位置に向けて付勢する付勢ばねをさらに含む。
本発明のバルブ装置は、前記バルブボディを加熱する加熱機構をさらに有する。
本発明のマスフローコントローラは、上記のバルブ装置を、流量を制御するコントロールバルブとして用いたマスフローコントローラである。
本発明の流体制御装置は、上流側から下流側に向かって複数の流体機器が配列された流体制御装置であって、
前記複数の流体機器は、上記のバルブ装置またはマスフローコントローラを含む。
本発明の半導体製造装置は、密閉されたチャンバ内においてプロセスガスによる処理工程を要する半導体装置の製造プロセスにおいて、前記プロセスガスの制御に上記のバルブ装置、上記のマスフローコントローラ、又は、上記の流体制御装置を用いる半導体製造装置である。
本発明によれば、圧電アクチュエータに常時接触するように伝熱経路に自然放熱機構や断熱材の代わりに、強制冷却機構を設けたので、バルブ装置が大型化することなく圧電アクチュエータが高温になるのを効果的に防ぐことができる。
本発明の一実施形態に係るマスフローコントローラの外観斜視図。 図1のマスフローコントローラの縦断面図。 本発明の一実施形態に係るマスフローコントローラの半導体製造プロセスへの適用例を示す概略図。 本実施形態のバルブ装置を用いる流体制御装置の一例を示す斜視図。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。説明において同様の要素には同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。図2において、A1を上方向とし、A2を下方向とする。
図1に本発明の一実施形態に係る圧力式マスフローコントローラ1は、ステンレス合金製の3つのブロック2A,2B,2Cが互いに連結してなるバルブボディ2、バルブボディに接続された円筒状のボンネット30、ボンネット30の上端部に螺合するナット部材70,ボンネット30およびナット部材70の内周側に配置された可動部材40,圧電アクチュエータ50および圧電アクチュエータ50の支持部100を含む。
バルブボディ2は、図2に示すように、流路21,22,23,24が内部に形成されている。流路21は一端にバルブボディ2の底面で開口する開口部21aを有する。
流路21と流路22との間には、ガスケット12が設けられ流路、流路21と流路22との間には、オリフィスガスケット13が設けられている。バルブボディ2の上面に設置された圧力センサ10、11は流路21内の流体の圧力と流路22内の圧力をそれぞれ検出する。バルブボディ2の両側面には、仮想線で示すように、加熱ジャケット90が設けられており、バルブボディ2内を流通するガス等の流体の温度をコントロールする。
流路22と流路23との間には、インナーディスク46を介して弁体としての球殻状のダイヤフラム47が設けられている。ダイヤフラム47の外周縁部は、押えアダプタ45を介してボンネット30の下端面がバルブボディ2に向けて押圧されることで固定されている。インナーディスク46には図示しないバルブシートが形成され、このバルブシートにダイヤフラムが当接および離隔することでバルブが開閉する。
可動部材40は、金属製で、先端部がダイヤフラム操作部40aとなっており、ダイヤフラム操作部40aの上方に延在する下側筒状部40bは積層された金属製の複数の皿ばね60を収容し、支持部100よりも上方に延在する上側筒状部40cには圧電アクチュエータ50が収容されている。可動部材40の下端部の外周とボンネット30の内周との間には、ドライベアリング41が圧入され、可動部材40の上端部の外周とナット部材70の内周との間にはドライベアリング42が圧入され、可動部材は、上下方向A1,A2方向に移動自在に案内されている。
ボンネット30の中途には、支持部100が貫通する貫通孔30bが半径方向の2箇所に形成され、支持部100が2つの貫通孔30bにより支持されている。ボンネット30の上端側にはねじ部30cが形成され、これにナット部材70が螺合することで、貫通孔30bに支持された支持部100がナット部材70の下端面により押圧され、支持部100はボンネット30に固定されている。
支持部100は、金属製部材であり、内部に冷却媒体CLを流通させる流通孔100aが形成される。冷却媒体CLは、特に限定されないが、不活性ガス等が挙げられる。支持部100は、冷却媒体CLを流通させることで、本発明の強制冷却機構を構成する。
皿ばね60は、可動部材40の筒状部40bの底面と支持部100の下面の間に配置されており、皿ばね60の弾性復元力が可動部材40を下方向に向けて付勢している。これにより、圧電アクチュエータが作動していない状態では、可動部材40のダイヤフラム操作部40aがダイヤフラム47をインナーディスク46のバルブシートに向けて押圧することで、バルブ閉状態となる。なお、本実施形態では、皿ばねを用いたが、コイルばね等の他のばねを用いることも可能である。
可動部材40の上側筒状部40cの上端部には、環状部材51を介してキャップ部材52が螺合している。
圧電アクチュエータ50は、ケースに図示しない積層された圧電素子を内蔵している。ケースは、ステンレス合金等の金属製で、半球状の先端部端面および基端部側端面が閉塞している。圧電アクチュエータ50は、下端部が支持部100に支持されており、積層された圧電素子に電圧を印加して伸長させると、キャップ部材52を介して可動部材40が上方向A1に押し上げられる。これにより、可動部材40のダイヤフラム操作部40aが上方向A1に移動し、ダイヤフラム47がインナーディスク46のバルブシートから離れ、バルブ開状態となる。
マスフローコントローラ1では、オリフィスガスケット13および圧力センサ10,11以外の部分で、バルブ装置が構成され、圧力センサ10,11の検出値に基づいて、バルブ装置の圧電アクチュエータ50を駆動することで、流量を制御する。
圧電アクチュエータ50の使用温度範囲は、一般的に、最高で120℃程度であるが、半導体製造に用いられるプロセスガスはこれよりも高い温度にする必要がある場合がある。このため、バルブボディ2に加熱ジャケット90を搭載している。
バルブボディ2が加熱されると、バルブボディ2に接続されたボンネット30にも伝熱する。また、可動部材40、皿ばね60を通じても熱が伝わる。すなわち、ボンネット30、可動部材40、皿ばね60等は圧電アクチュエータ50に熱を伝える伝熱経路となっている。
強制冷却機構としての支持部100は、伝熱経路の一部であるボンネット30に直接設けてあり、かつ、圧電アクチュエータの手前に配置されているので、圧電アクチュエータに熱が伝わる前に、バルブボディ2からボンネット30に伝わる熱を効果的に吸収できる。
また、支持部100は、圧電アクチュエータ50の下端部に常に接触しているので、圧電アクチュエータ50の熱を常時強制的に排除することができる。
次に、図3を参照して、上記したマスフローコントローラ1の適用例について説明する。上記したマスフローコントローラ1は、以下に説明する半導体製造装置や流体制御装置に適用されて利用される。
図3に示す半導体製造装置1000は、密閉されたチャンバ(処理チャンバ800)内においてプロセスガスによる処理工程を要する半導体装置の製造プロセスにおいて、プロセスガスの流量制御にバルブ装置100を用いたものである。たとえば、図3に示す半導体製造装置1000は、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition 法)による半導体製造プロセスを実行するためのシステムであり、600はプロセスガス供給源、700はガスボックス、710はタンク、800は処理チャンバ、900は排気ポンプを示している。
基板に膜を堆積させる処理プロセスにおいては、処理ガスを安定的に供給するためにガスボックス700から供給される処理ガスをバッファとしてのタンク710に一時的に貯留し、処理チャンバ800の直近に設けられたバルブ720を高頻度で開閉させてタンクからの処理ガスを真空雰囲気の処理チャンバへ供給する。
ALD法は、化学気相成長法の1つであり、温度や時間等の成膜条件の下で、2種類以上の処理ガスを1種類ずつ基板表面上に交互に流し、基板表面上原子と反応させて単層ずつ膜を堆積させる方法であり、単原子層ずつ制御が可能であるため、均一な膜厚を形成させることができ、膜質としても非常に緻密に膜を成長させることができる。
ALD法による半導体製造プロセスでは、処理ガス(プロセスガス)の流量を精密に調整する必要があるとともに、基板の大口径化等により、処理ガスの流量をある程度確保する必要もある。
ガスボックス700は、正確に計量したプロセスガスを処理チャンバ800に供給するために、各種の流体機器を集積化した流体制御装置をボックスに収容したものである。流体制御装置は、複数の流体機器が配列されたものである。マスフローコントローラ1は、ガスボックス700内に収容される。
タンク710は、ガスボックス700から供給される処理ガスを一時的に貯留するバッファとして機能する。
処理チャンバ800は、ALD法による基板への膜形成のための密閉処理空間を提供する。
排気ポンプ900は、処理チャンバ800内を真空引きする。
図4を参照して、本発明のマスフローコントローラ1が適用される流体制御装置の一例を説明する。
図4に示す流体制御装置には、幅方向W1,W2に沿って配列され長手方向G1,G2に延びる金属製のベースプレートBSが設けられている。なお、W1は正面側、W2は背面側,G1は上流側、G2は下流側の方向を示している。ベースプレートBSには、複数の流路ブロック992を介して各種流体機器991A〜991Eが設置され、複数の流路ブロック992によって、上流側G1から下流側G2に向かって流体が流通する図示しない流路がそれぞれ形成されている。
ここで、「流体機器」とは、流体の流れを制御する流体制御装置に使用される機器であって、流体流路を画定するボディを備え、このボディの表面で開口する少なくとも2つの流路口を有する機器である。具体的には、開閉弁(二方弁)991A、レギュレータ991B、プレッシャーゲージ991C、開閉弁(三方弁)991D、マスフローコントローラ991E等が含まれるが、これらに限定されるわけではない。なお、導入管993は、上記した図示しない流路の上流側の流路口に接続されている。例えば、マスフローコントローラ1はマスフローコントローラ991Eに適用される。
上記実施形態では、強制冷却機構として、支持部100に冷却媒体CLを流通させたものを例示したが、これに限定されるわけではなく、ペルチェ素子等を用いて強制冷却することも可能である。
上記実施形態では、マスフローコントローラとして圧力式のものを例示したが、これに限定されるわけではなく、サーマル式のものにも本発明を適用できる。
上記実施形態では、バルブ装置に加熱ジャケット90を設けた場合を例示したが、流体制御装置の複数の流体機器のボディを共通に加熱するように設けることも可能である。
1 :マスフローコントローラ
2 :バルブボディ
2A,2B,2C:ブロック
10,11:圧力センサ
12 :ガスケット
13 :オリフィスガスケット
21 :流路
21a :開口部
22,23,24:流路
30 :ボンネット
30b :貫通孔
40 :可動部材
40b :下側筒状部
40c :上側筒状部
41,42:ドライベアリング
45 :押えアダプタ
46 :インナーディスク
47 :ダイヤフラム
50 :圧電アクチュエータ
51 :ベアリング
52 :キャップ部材
60 :皿ばね
70 :ナット部材
90 :加熱ジャケット
100 :支持部
700 :ガスボックス
710 :タンク
720 :バルブ
800 :処理チャンバ
900 :排気ポンプ
991A―991D:流体機器
991E :マスフローコントローラ
992 :流路ブロック
993 :導入管
1000 :半導体製造装置
A1 :上方向
BS :ベースプレート
CL :冷却媒体
G1 :長手方向(上流側)
G2 :長手方向(下流側)
W1,W2 :幅方向

Claims (11)

  1. 流路を画定するバルブボディと、
    前記バルブボディの流路を開閉可能に設けられた弁体と、
    前記弁体に流路を閉鎖させる閉位置と前記弁体に流路を開放させる開位置との間で移動可能に設けられた前記弁体を操作する可動部材と、
    前記可動部材を前記開位置又は閉位置に移動させる圧電素子の伸縮を利用した圧電アクチュエータと、
    前記バルブボディから前記圧電アクチュエータに向かう伝熱経路の途中に設けられ、かつ、前記圧電アクチュエータの一部に常時接触する強制冷却機構と、を有するバルブ装置。
  2. 前記伝熱経路は、前記バルブボディに接続され、かつ、内部に前記可動部材の少なくとも一部を収容するボンネットと、
    前記ボンネットに対して固定され、伸縮する前記アクチュエータの一端を支持する支持部と、を含み、
    前記強制冷却機構は、前記支持部を兼ねている、請求項1に記載のバルブ装置。
  3. 前記支持部は、冷却媒体の流通する流通路を備える、請求項2に記載のバルブ装置。
  4. 前記支持部は、前記ボンネットを横断するように配置されている、請求項2又は3に記載のバルブ装置。
  5. 前記強制冷却機構は、ペルチェ素子を含む、請求項1に記載のバルブ装置。
  6. 前記伝熱経路は、前記可動部材を前記閉位置に向けて付勢する付勢ばねをさらに含む、請求項2ないし5のいずれかに記載のバルブ装置。
  7. 前記バルブボディを加熱する加熱機構をさらに有する、請求項1ないし6のいずれかに記載のバルブ装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のバルブ装置を、流量を制御するコントロールバルブとして用いたマスフローコントローラ。
  9. 上流側から下流側に向かって複数の流体機器が配列された流体制御装置であって、
    前記複数の流体機器は、請求項1ないし7のいずれかに記載のバルブ装置または請求項8に記載のマスフローコントローラを含む流体制御装置。
  10. 前記複数の流体機器のボディを共通に加熱する加熱機構をさらに有する、請求項8に記載の流体制御装置。
  11. 密閉されたチャンバ内においてプロセスガスによる処理工程を要する半導体装置の製造プロセスにおいて、前記プロセスガスの制御に請求項1ないし6のいずれかに記載のバルブ装置、請求項7に記載のマスフローコントローラ、又は、請求項8若しくは9に記載の流体制御装置を用いる半導体製造装置。

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