JP2020165350A - チャージパイプ、冷却構造、冷却システム - Google Patents

チャージパイプ、冷却構造、冷却システム Download PDF

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清一郎 冨川
Seiichiro Tomikawa
清一郎 冨川
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Abstract

【課題】省スペースで、かつ、十分な冷却能力を発揮することが可能なチャージパイプを提供すること。【解決手段】チャージパイプは、車両が搭載するエアコンプレッサで圧縮された空気が流通する内側流路を形成する内管と、前記内管の外側に設けられ、前記内管との間に、圧送された冷却水が流通する外側流路を形成する外管と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、チャージパイプに関するものであり、特に、車両のエアコンプレッサとエアドライヤとをつなぐチャージパイプに関する。また、そのようなチャージパイプを備える冷却構造及び冷却システムに関する。
従来、車両のブレーキや空気ばねを作動させるための圧縮された空気を貯蔵するために、車両にエアタンクを設けることがある。エアタンクの上流には空気を乾燥させるエアドライヤが設けられており、エアドライヤの上流には、空気を圧縮するエアコンプレッサが設けられている。エアコンプレッサで圧縮された空気は水分を含むため、エアドライヤで乾燥させてからエアタンクに貯蔵される。エアコンプレッサとエアドライヤとはチャージパイプと呼ばれる供給路を介して接続される。
ところで、エアコンプレッサによって圧縮された空気は120℃程度まで温度が上昇するが、そのままの高温空気をエアドライヤに供給するとエアドライヤの故障を招くことになる。そのため、従来では、チャージパイプの長さを長くするなどによって供給路の表面積を増加させて放熱することで、空気の温度をエアドライヤの許容温度まで低下させていた。このような自然放熱を利用した冷却を用いた技術として、特許文献1に開示されるチャージパイプが挙げられる。
しかしながら、このような方法によると、自然放熱に頼った冷却方法であるため、チャージパイプ内の空気の温度を十分低下させるには相当な長さのチャージパイプが必要となり、チャージパイプの取り回しスペースが過大になってしまうという問題があった。また、特許文献1に開示されるように、チャージパイプの周囲に冷却フィンを設け、供給路の表面積を増加させることも考えられるが、チャージパイプ自体の容積が大きくなり設置スペースが必要となるとともに、自然放熱に頼った冷却方法であることに変わりはなく、やはり、チャージパイプの取り回しスペースが過大となる。
ここで、小さいスペースで空気を冷却する技術として、特許文献2に示すように、エアコンプレッサ出口に冷却水を流通させるジャケットを設け、冷却水を用いて積極的に冷却する技術が開発されている。
ところが、特許文献2に開示される技術によると、エアコンプレッサと一体となった冷却水回路を構成するため、エアコンプレッサ出口の空気だけでなく、エアコンプレッサ全体の熱を奪うこととなり、非効率的なだけでなく、出口付近のみの冷却であるため、十分に空気を冷却することができないという問題があった。
特開2009−154614号公報 特開2009−209930号公報
本開示の目的は、省スペースで、かつ、十分な冷却能力を備えるという、相反する課題を解決することができるチャージパイプ、冷却構造及び冷却システムを提供することである。
本開示の一態様に係るチャージパイプは、車両が搭載するエアコンプレッサで圧縮された空気が流通する内側流路を形成する内管と、前記内管の外側に設けられ、前記内管との間に、圧送された冷却水が流通する外側流路を形成する外管と、を備える。
本開示に係るチャージパイプ、冷却構造及び冷却システムによれば、省スペースで、かつ、十分な冷却能力を発揮することができる。
図1は、本実施形態に係るチャージパイプを含む空気供給装置を示す模式図である。 図2は、本実施形態に係るチャージパイプの断面を示す模式図である。 図3は、本実施形態に係る冷却水供給装置及び空気供給装置を示す模式図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は一例であり、本開示はこの実施形態により限定されるものではない。
[空気供給装置の全体構成]
図1を参照して、本実施形態に係るチャージパイプ11を含む空気供給装置10の全体構成について説明する。本実施形態に係る空気供給装置10は、エアコンプレッサ12、チャージパイプ11、エアドライヤ13、エアタンク14からなる。
エアコンプレッサ12では、吸入した空気を所望の圧力まで圧縮する。エアコンプレッサ12で圧縮された空気は約120℃と高温になるため、そのままエアドライヤ13に供給するとエアドライヤ13の耐用温度を超え、故障の原因となる。そのため、チャージパイプ11で60〜80℃まで冷却してエアドライヤ13に供給する。チャージパイプ11の詳細については後述する。チャージパイプ11で60〜80℃まで冷却された空気はエアドライヤ13に流入し、エアドライヤ13で空気中の水分を除去されたのち、エアタンク14に貯蔵される。エアタンク14に貯蔵された空気は、適宜のタイミングで図示しないブレーキや空気ばね等、圧縮空気を必要とするコンポーネントに供給され、利用に供される。
[チャージパイプ11の構成]
次に、図2を用いて、本実施形態に係るチャージパイプ11の構造について説明する
本実施形態に係るチャージパイプ11は、内管11iと外管11oとからなる二重管構造を呈するものであり、内管11iの内部に内側流路11ipが、内管11iと外管11oの間に外側流路11opが形成される。
内側流路11ipには、エアコンプレッサ12で圧縮された高温の空気が流通し、外側流路11opには、空気を冷却するためにポンプ21から圧送される冷却水が流通する。そのため、外側流路11opを流通する冷却水によって、内側流路11ipを流通する高温の空気が冷却される。ポンプ21によって強制的に冷却水を外側流路11opに流通させることで、冷却水と高温空気の間の熱伝達率を向上させることができ、短い流路でも十分な冷却能力を得ることができる。
また、冷却効率を向上させるために、外側流路11opを流通する冷却水と、内側流路11ipを流通する空気とが対向流となるように流れの向きを設定することが好ましい。
このように、チャージパイプ11を内管11iと外管11oによる二重管構造とし、内管11i内を内側流路11ip、内管11iと外管11oとの間を外側流路11opとして、内側流路11ipに高温の空気を流通させ、外側流路11opに冷却水を流通させることで、高温空気の温度を効果的に下げることができる。特に、冷却水をポンプ21を使用して強制的に流通させること、及び、高温空気と冷却水とを対向して流通させることにより、熱伝達率を上げ、短い流路でも十分な冷却能力を得ることができる。
このとき、約120℃の温度でチャージパイプ11に流入する空気は、チャージパイプ11で冷却されることで、約60〜80℃の温度となることが好ましい。60〜80℃程度まで冷却されることで、エアドライヤ13を損傷させることなく、エアドライヤ13において水分を除去することができる。
[空気供給装置及び冷却水供給装置の全体構成]
図3を参照して、本実施形態に係る本実施形態に係る空気供給装置10及び冷却水供給装置20の全体構成について説明する。なお、空気供給装置10については、図1に示したものと同様であるため、説明を省略する。空気供給装置10及び冷却水供給装置20によって冷却構造が構成されている。また図示しない制御装置によって、空気供給装置10及び冷却水供給装置20を構成する各機器の制御が行われる。冷却構造及び制御装置によって冷却システムが構成されている。
図3において、車両の冷却水供給装置20は、冷却水を圧送するためのポンプ21と、温度によって流路の切り替えを行うサーモスタット22と、昇温された冷却水の放熱を行うラジエータ23とによって構成される。このように構成された冷却水供給装置20を使用して、加熱した内燃機関30を循環する冷却水によって冷却する。このような冷却水供給装置20は、従来より車両に備わっているものである。
本実施形態において、エアコンプレッサ12から流出する高温空気を冷却するための冷却水供給装置20は、内燃機関30を冷却するための冷却水供給装置20と共通のものとして構成される。すなわち、図3に示すように、ポンプ21によって圧送される冷却水は、その一部が内燃機関30に供給され、内燃機関30の冷却に利用されるとともに、一部がチャージパイプ11に供給される流路を備える。
そして、チャージパイプ11で高温空気を冷却することで加温された後の冷却水は、サーモスタット22を経てラジエータ23で減温され、再びポンプ21で圧送されて冷却に供される。
このように、内燃機関30の冷却水と共通する冷却水供給装置20を利用して高温空気を冷却することにより、新たな動力源を設置することなく、高温空気を効率的に冷却することができる。すなわち、新たな動力源の設置スペースの追加を不要とし、チャージパイプ11自体の設置スペースを少なくすることができ、しかも、高温空気の効率的な冷却を実現することができる。
また、高温空気の冷却水供給装置20と内燃機関30の冷却水供給装置20を共通のものとすることにより、始動時の内燃機関30の暖機のための熱源を、加温された冷却水によってまかなうことができる。つまり、高温空気を冷却することによって加温された冷却水を、内燃機関30を暖めるために使用する。この点について、以下に詳細を説明する。
内燃機関30の始動時において、内燃機関30の温度は常温まで下がっている状態であるが、排気の後処理の触媒活性や燃料消費量の効率を考慮すると、内燃機関30を強制的に暖機して、早期に所定の温度まで昇温する必要がある。特に、排気量の大きい内燃機関30においては、熱容量が大きいため、所望の温度まで昇温するのに時間がかかる。
一方、エアコンプレッサ12は始動時においても通常通りに作動するため、エアコンプレッサ12で圧縮される空気は約120℃まで昇温される。そして、上述の通り、高温の空気はチャージパイプ11を流通する冷却水によって所望の温度まで減温され、冷却水は60〜80℃程度まで昇温される。
そこで、内燃機関30の始動時において、チャージパイプ11で昇温された冷却水を内燃機関30に供給することで、冷却水が保有する熱により、内燃機関30を加熱することができる。つまり、チャージパイプ11を流通して昇温された冷却水を、ラジエータ23に供給して放熱するのではなく、内燃機関30に供給してその熱を利用する。
このように、チャージパイプ11で熱交換を行った後の冷却水が保有する熱を内燃機関30の暖機に利用することで、他の動力を用いることなく、内燃機関30を早期に暖機することができる。
このような制御は図示しない制御部によって行われる。このような制御は、始動直後から可能であり、内燃機関30に60〜80℃に昇温された冷却水を供給し続けることにより、内燃機関30は徐々に加熱され、内燃機関30が約60℃まで加熱されると、暖機を終了する。暖気の終了に際しては、チャージパイプ11を流通して昇温された冷却水を、ラジエータ23に供給することによって行う。
このように、内燃機関30の暖機に、高温の空気と熱交換することによって昇温された冷却水を使用することで、他の動力や他の熱源を使用することなく、また、エネルギーを無駄に捨てることなく、効率的に暖機を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態に係るチャージパイプは、車両におけるエアコンプレッサとエアドライヤとを接続し、内部にエアコンプレッサで圧縮された空気が流通するチャージパイプであって、チャージパイプは内管と外管とを備える二重管構造であり、内管の内側に内側流路が形成され、内管と外管の間に外側流路が形成され、内側流路にエアコンプレッサで圧縮された空気が、外側流路に圧送された冷却水が流通するチャージパイプである。
チャージパイプは内管と外管とを備える二重管構造であり、内管の内側に形成された内側流路にエアコンプレッサで圧縮された空気が、内管と外管の間に形成された外側流路に圧送された冷却水が流通するため、大きなスペースを必要とせず、圧縮空気を所望の温度まで冷却することができる。
それにより、省スペースで、かつ、十分な冷却能力を発揮することが可能なチャージパイプを提供することができる。
また、本実施形態に係るチャージパイプにおいて、冷却水を圧送するためのポンプと、内燃機関を冷却することによって昇温された冷却水の放熱を行うラジエータとによって構成され、冷却水が循環する冷却水供給装置と、エアコンプレッサとチャージパイプとエアドライヤとからなる空気供給装置とを備え、冷却水供給装置は、ポンプによって圧送される冷却水の一部を内燃機関に供給し、一部をチャージパイプに供給する流路を備える。
内燃機関を冷却するための冷却水を使用して圧縮空気を冷却するため、冷却水を流通させるための新たな動力源を必要とせず、高温空気の効率的な冷却を実現することが可能となる。
また、本実施形態に係るチャージパイプにおいて、内燃機関の始動時に、エアコンプレッサで圧縮された空気及びポンプで圧送した冷却水がチャージパイプに供給され、チャージパイプを流通した後の冷却水が内燃機関に供給される。
始動時において、チャージパイプを流通し熱交換を行った後の冷却水が内燃機関に供給されるため、温まった冷却水が保有する熱を利用して、内燃機関の暖機を行うことが可能となる。
そのため、他の動力や他の熱源を使用することなく、また、エネルギーを無駄に捨てることなく、効率的に暖機を行うことができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
本開示のチャージパイプによれば、省スペースで、かつ、十分な冷却能力を備えるという、相反する課題を解決することができ、産業上の利用可能性は多大である。
10 空気供給装置
11 チャージパイプ
11i 内管
11o 外管
11ip 内側流路
11op 外側流路
12 エアコンプレッサ
13 エアドライヤ
14 エアタンク
20 冷却水供給装置
21 ポンプ
22 サーモスタット
23 ラジエータ
30 内燃機関

Claims (3)

  1. 車両が搭載するエアコンプレッサで圧縮された空気が流通する内側流路を形成する内管と、
    前記内管の外側に設けられ、前記内管との間に、圧送された冷却水が流通する外側流路を形成する外管と、を備える
    チャージパイプ。
  2. 請求項1に記載のチャージパイプと、
    前記冷却水を圧送するポンプと、
    内燃機関を冷却することによって昇温された前記冷却水の放熱を行うラジエータと、
    前記ポンプによって圧送される前記冷却水の一部を前記内燃機関に供給し、前記冷却水の一部を前記チャージパイプに供給する流路を備える、
    冷却構造。
  3. 車両が搭載するエアコンプレッサで圧縮された空気が流通する内側流路を形成する内管と、前記内管の外側に設けられ、前記内管との間に、圧送された冷却水が流通する外側流路を形成する外管と、を備えるチャージパイプと、
    前記冷却水を圧送するポンプと、
    内燃機関を冷却することによって昇温された前記冷却水の放熱を行うラジエータと、
    前記ポンプによって圧送される前記冷却水の一部を前記内燃機関に供給し、前記冷却水の一部を前記チャージパイプに供給する流路を備え、
    前記内燃機関の始動時に、前記エアコンプレッサで圧縮された前記空気及び前記ポンプで圧送された前記冷却水が前記チャージパイプに供給され、前記チャージパイプを流通した後の前記冷却水が前記内燃機関に供給される、
    冷却システム。
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