JP2020164666A - 多孔質微粒子及びその製造方法 - Google Patents

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春彦 松浦
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春彦 松浦
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Yosuke Maeyama
洋輔 前山
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Abstract

【課題】遮熱性の高い多孔質微粒子を提供することを課題とする。【解決手段】ビニル系樹脂を含む内部多孔質構造と、前記内部多孔質構造を覆う非多孔質の表面層とを有し、前記内部多孔質構造が:(i)ケイ素成分を含有し、(ii)SEM−EDXによる分析で炭素原子の原子数濃度C(%)とケイ素原子の原子数濃度Si(%)を得た際に、10≦C/Si≦100の関係を満たすことを特徴とする多孔質微粒子により上記課題を解決する。【選択図】図2

Description

本発明は、多孔質微粒子及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、内部多孔質構造と、内部多孔質構造を覆う非多孔質の表面層とを備えた多孔質微粒子及びその製造方法に関する。
近年、省エネルギー化をはかる観点から、建物の屋根に遮熱塗料や断熱塗料に由来する塗膜を形成することが検討されている。そのため、塗膜の遮熱性や断熱性を向上させる材料が求められている。
そのような材料としては、ガラス粒子、シラスバルーン及びセラミック製中空粒子が提案されている。しかし、これら粒子は、塗膜の性能を十分向上させることはできなかった。
そこで、これら材料に比べ、熱伝導率の低い材料としてアクリル系樹脂からなる多孔質微粒子が提案されている(例えば、特開2006−241226号公報:特許文献1)。特許文献1の多孔質微粒子は、その表面から内部に至る貫通孔を有している。また、特開2015−67803号公報(特許文献2)では、アクリル系樹脂からなる多孔質微粒子であって、内部が多孔質であり、非多孔質の表面層が形成されているアクリル系樹脂製の多孔質微粒子が提案されている。加えて、国際公開WO2017/150423号(特許文献3)では、外殻と、それにより区画された空洞内に形成された多孔質構造体とを有するシリカ内包マイクロカプセル樹脂粒子が提案されている。
特開2006−241226号公報 特開2015−67803号公報 国際公開WO2017/150423号
特許文献1の多孔質微粒子では、貫通孔内にバインダー成分のような塗料成分が浸入し、空隙率が低下する。その結果、この多孔質微粒子を含む塗料は十分な性能を有さなかった。
特許文献2の多孔質微粒子では、塗料成分の浸入による空隙率の低下を表面層が抑制する。しかし、この多孔質微粒子は、内部の空間による光散乱が十分とはいえず、特に可視光から近赤外光の拡散性能が不十分であった。その結果、遮熱性や断熱性が十分とは言えない。
特許文献3のシリカ内包マイクロカプセル樹脂粒子は、上記従来の粒子と比較して可視光から近赤外光の拡散性能に優れている。しかし、更なる遮熱性や断熱性の向上の観点から、より高度な光拡散性能を有する粒子が求められていた。
以上のように、より高度な光拡散特性を有する遮熱性の高い多孔質微粒子が求められていた。
かくして本発明によれば、ビニル系樹脂を含む内部多孔質構造と、前記内部多孔質構造を覆う非多孔質の表面層とを有し、前記内部多孔質構造が:
(i)ケイ素成分を含有し、
(ii)SEM−EDXによる分析で炭素原子の原子数濃度C(%)とケイ素原子の原子数濃度Si(%)を得た際に、10≦C/Si≦100の関係を満たす
ことを特徴とする多孔質微粒子が提供される。
また、本発明によれば、上記多孔質微粒子の製造方法であって、
ビニル系単官能単量体100重量部、ビニル系架橋性単量体20〜150重量部、シリカ前駆体としてのシリコンアルコキシド60〜400重量部とを含む混合物を、無機系分散安定剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合させることで表面層を形成する懸濁重合工程と、前記懸濁重合後又は懸濁重合中に前記シリコンアルコキシドをゲル化させることでビニル系樹脂及びケイ素成分を含む内部多孔質構造を形成するゲル化工程とを含むことを特徴とする多孔質微粒子の製造方法が提供される。
本発明によれば、可視光及び近赤外光の反射性に優れた遮熱性の高い多孔質微粒子を提供できる。
また、以下のいずれかの場合、可視光及び近赤外光の反射性により優れたより遮熱性の高い多孔質微粒子を提供できる。
(1)ビニル系樹脂が、多孔質微粒子中に70.0〜99.9重量%含まれ、表面層が、0.1〜0.8μmの厚みを有する。
(2)多孔質微粒子が、塗料組成物、化粧料、断熱性組成物、光拡散性樹脂組成物及び光拡散フィルムから選択される用途に使用される。
粒子断面の写真における、内部多孔質部分として設定された分析領域の一例を示す図である。 実施例1の多孔質微粒子の断面写真である。 実施例2の多孔質微粒子の断面写真である。 実施例3の多孔質微粒子の断面写真である。 比較例1の多孔質微粒子の断面写真及び表面写真である。 比較例2の多孔質微粒子の断面写真である。 紫外可視近赤外光の反射特性評価における各種粒子を含む塗膜の各波長に対する光反射率を示すグラフである。
(多孔質微粒子)
本発明の多孔質微粒子は、ビニル系樹脂を含む内部多孔質構造と、内部多孔質構造を覆う非多孔質の表面層とを有している。ここで、内部多孔質構造及び表面層の非多孔質は、多孔質微粒子の断面の写真により確認できる。
(1)内部多孔質構造
内部多孔質構造は:
(i)ケイ素成分を含有し、
(ii)SEM−EDXによる分析で炭素原子の原子数濃度C(%)とケイ素原子の原子数濃度Si(%)を得た際に、10≦C/Si≦100の関係を満たしている。
ケイ素成分を含有することで、可視光及び近赤外光の反射性により優れ、より遮熱性の高い多孔質微粒子を提供できる。
内部多孔質構造は、ケイ素成分を含有したビニル系樹脂によって区画された複数の空孔を有していてもよい。空孔の孔径及びその形状はそれぞれ同一でもよいし、異なっていてもよい。また、空孔は独立している孔(独立孔)であってもよく、連続している孔(連続孔)でもよい。
更に、C/Siが10〜100の範囲であることで、可視光及び近赤外光の反射性により優れ、より遮熱性の高い多孔質微粒子を提供できる。C/Siが10未満の場合や、100より大きい場合、可視光及び近赤外光の反射性が低下することがある。C/Siは、11〜80であることが好ましく、15〜60であることがより好ましい。
(2)表面層
表面層は非多孔質である。表面層は、ビニル系樹脂のみを樹脂成分として含んでいてもよく、ビニル系樹脂とケイ素成分との混合物を含んでいてもよく、内部多孔質構造と同一組成を有していてもよい。
表面層は、0.1〜0.8μmの厚みを有する。厚みが0.1μm未満の場合、多孔質微粒子がつぶれ易くなることがある。0.8μmより大きい場合、可視光及び近赤外光の反射性が低下することがある。厚みは、0.2〜0.7μmであることが好ましく、0.3〜0.6μmであることがより好ましい。
表面層の断面積は、多孔質微粒子の断面積の0.2〜40%を占めることが好ましい。占める割合が0.2%未満の場合、多孔質微粒子がつぶれ易くなることがある。40%より大きい場合、可視光及び近赤外光の反射性が低下することがある。占める割合は、0.4〜32%がより好ましく、1〜20%であることが更に好ましい。
なお、表面層の厚みを算出するために選択される多孔質微粒子は、多孔質微粒子の体積平均粒子径から算出される平均断面積にできるだけ近い断面積の微粒子である。
(3)構成成分
内部多孔質構造は、ビニル系樹脂とケイ素成分とを含む。
ビニル系樹脂が、多孔質微粒子中に70.0〜99.9重量%含まれていることが好ましい。含有量が70.0重量%未満の場合、多孔質微粒子の強度が十分でないことがある。99.9重量%より多い場合、可視光及び近赤外光の反射性が低下することがある。含有量は、75〜99.9重量%がより好ましく、80〜99.9重量%であることが更に好ましい。
ビニル系樹脂は、ビニル系単官能単量体に由来する成分を含み得る。ビニル系単官能単量体は、例えば、ビニル基を1つ有する単量体である。ビニル系樹脂は、ビニル系架橋性単量体に由来する成分を更に含み得る。ビニル系架橋性単量体は、例えば、ビニル基を2つ以上有する単量体である。
ビニル系単官能単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート、無水マレイン酸、N−ビニルカルバゾール;スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系単量体等が挙げられる。これらのビニル系単官能単量体を単独又は複数を組み合わせて用いることができる。
ビニル系架橋性単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリルエステル、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能アクリルアミド誘導体、ジアリルアミン、テトラアリロキシエタン等の多官能アリル誘導体等、ジビニルベンゼン等の芳香族系ジビニル化合物等が挙げられる。これらのビニル系架橋性単量体を単独又は複数を組み合わせて用いることができる。
ビニル系架橋性単量体に由来する成分は、ビニル系単官能単量体に由来する成分100重量部に対して、20〜150重量部の割合で多孔質微粒子に含まれていることが好ましい。ビニル系架橋性単量体に由来する成分の含有量が20重量部未満の場合、十分な強度を有する表面層が形成されないことがある。150重量部より多い場合、表面層が形成されないことがある。含有量は、80〜120重量部であることがより好ましい。なお、これら単量体に由来する成分の含有量は、多孔質微粒子製造時のこれら単量体の使用量とほぼ一致している。
ケイ素成分は、シリコンアルコキシドのようなシリカ前駆体に由来する成分を含み得る。シリコンアルコキシドとしては、同一分子内に1つ以上のケイ素原子とアルコキシ基(例えば、炭素数1〜4)を有するシリコンアルコキシドが挙げられる。具体的には、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン等が挙げられる。また、シリコンアルコキシドとしては、テトラメトキシシランの部分加水分解オリゴマーであるメチルシリケートオリゴマー(三菱化学社製 商品名;MKCシリケート)、テトラエトキシシランの部分加水分解オリゴマーであるエチルシリケートオリゴマー(多摩化学社製 製品名;シリケート45(5量体)、シリケート48(10量体))、シロキサンオリゴマー等のオリゴマーが挙げられる。これらのシリカ前駆体は、単独又は複数を組み合わせて用いることができる。この内、シリカ前駆体として、テトラエトキシシランや、エチルシリケートオリゴマーの使用が好ましい。
シリカ前駆体に由来する成分は、単官能単量体に由来する成分100重量部に対して、60〜400重量部の割合で多孔質微粒子に含まれていることが好ましい。シリカ前駆体に由来する成分の含有量が60重量部未満の場合、表面層の構成成分が相対的に多くなるため、表面層が厚くなり、可視光及び近赤外光の反射性が低下することがある。含有量が400重量部より多い場合、表面層の構成成分が相対的に少なくなるため、表面層が薄くなり、十分な強度を有する粒子が得られなくなることがある。含有量は、70〜270重量部がより好ましく、80〜250重量部であることが更に好ましい。シリカ前駆体に由来する成分の含有量は、多孔質微粒子製造時のシリカ前駆体の使用量とほぼ一致している。
(4)多孔質微粒子の外形
多孔質微粒子は、0.5〜100μmの体積平均粒子径を有することが好ましい。体積平均粒子径が0.5μm未満の場合、内部多孔質構造が形成されないことがある。100μmより大きい場合、非多孔質の表面層が形成されないことがある。用途にもよるが、体積平均粒子径は、3〜80μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましい。
多孔質微粒子の外形は特に限定されないが、できるだけ球状に近いことが好ましい。
(多孔質微粒子の製造方法)
本発明の多孔質微粒子の製造方法は、
・ビニル系単官能単量体100重量部、ビニル系架橋性単量体20〜150重量部、シリカ前駆体としてのシリコンアルコキシド60〜400重量部とを含む混合物を、無機系分散安定剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合させることで表面層を形成する懸濁重合工程と、
・懸濁重合後又は懸濁重合中に前記シリコンアルコキシドをゲル化させることでビニル系樹脂及びケイ素成分を含む内部多孔質構造を形成するゲル化工程と
を含む。
(1)懸濁重合工程
懸濁重合工程において、ビニル系架橋性単量体及びシリカ前駆体としてのシリコンアルコキシドは、ビニル系単官能単量体100重量部に対して、それぞれ20〜150重量部及び60〜400重量部で混合物に含まれる。なお、懸濁は乳化を包含する用語である。
ビニル系架橋性単量体の含有量が、20重量部未満の場合、十分な強度を有する表面層が形成されないことがある。150重量部より多い場合、表面層が形成されないことがある。含有量は、65〜140重量部であることが好ましく、80〜120重量部であることがより好ましい。
シリコンアルコキシドの含有量が、60重量部未満の場合、表面層の構成成分が相対的に多くなるため、表面層が厚くなり、可視光及び近赤外光の反射性が低下することがある。400重量部より多い場合、表面層の構成成分が相対的に少なくなるため、表面層が薄くなり、十分な強度を有する粒子が得られなくなることがある。含有量は、70〜270重量部であることが好ましく、80〜250重量部であることがより好ましい。
懸濁重合工程では、まず、ビニル系単官能単量体、ビニル系架橋性単量体及びシリカ前駆体を混合して、混合液を得る。次に、得られた混合液を、無機系分散安定剤の存在下、水性媒体中で懸濁させる。
無機系分散安定剤は、より高度な光拡散特性を有する多孔質微粒子を得るために使用される。より具体的には、無機系分散安定剤としては、ピロリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、炭酸バリウム等のような水に難溶性の塩類、シリカ、酸化ジルコニウム等の無機分散剤、タルク、ベントナイト、珪酸、珪藻土、粘土等の無機高分子物質等を用いることができる。ピロリン酸マグネシウムが特に好ましい。
水性媒体中には、必要に応じて、分散助剤、界面活性剤、pH調整剤、水溶性重合禁止剤及び酸化防止剤からなる群より選択される1種以上を加えてもよい。
重合は、ラジカル重合開始剤の存在下で行ってもよい。ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジメチルビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ビス(t−ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ブチル−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレラート、2−エチルヘキサンペルオキシ酸t−ブチル、ジベンゾイルパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物類、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルカプロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−エトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−n−ブトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)等のアゾ化合物類が挙げられる。これらの重合開始剤を単独又は複数を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤は、混合物中に、ビニル系単官能単量体及びビニル系架橋性単量体の合計100重量部に対して、0.05〜5重量部含まれていることが好ましい。
水性媒体としては、例えば、水、水と水溶性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール)との混合物等が挙げられる。
重合は、特に限定されず、混合物に含まれる単量体及び重合開始剤の種類に応じて、重合温度、重合時間等の諸条件を適宜調整しつつ行われる。例えば、重合温度を30〜80℃、重合時間を1〜20時間とすることができる。
(2)ゲル化工程
ゲル化工程は、シリコンアルコキシドをゲル化させることでケイ素成分を含む内部多孔質構造を形成する工程である。また、この工程は、懸濁重合後又は懸濁重合中に行うことができる。
ゲル化工程は、例えば、ゲル化温度を30〜120℃、ゲル化時間を1〜24時間とすることができる。
ゲル化工程は、潜在性pH調整剤の共存下で行ってもよい。潜在性pH調整剤とは、エネルギー放射線の照射、加熱等の外部刺激により、酸又は塩基を発生する物質が含まれる。エネルギー放射線とは、赤外線、可視光、紫外線等が挙げられる。
(3)その他の工程
ゲル化工程後の多孔質微粒子は、必要に応じて、遠心分離、水洗及び乾燥を経ることで、懸濁液から取り出すことができる。
(多孔質微粒子の用途)
多孔質微粒子は、塗料組成物、化粧料、断熱性樹脂組成物、光拡散性樹脂組成物、光拡散フィルム等の用途で使用できる。
(1)化粧料
化粧料は、多孔質微粒子を1〜40重量%の範囲で含んでいることが好ましい。
化粧料としては、石鹸、ボディシャンプー、洗顔クリーム、スクラブ洗顔料等の洗浄用化粧品、化粧水、クリーム、乳液、パック類、おしろい類、ファンデーション、口紅、リップクリーム、頬紅、眉目化粧品、マニキュア化粧品、洗髪用化粧品、染毛料、整髪料、芳香性化粧品、歯磨き、浴用剤、制汗剤、日焼け止め製品、サンタン製品、ボディーパウダー、ベビーパウダー等のボディー用化粧料、ひげ剃り用クリーム、プレシェーブローション、アフターシェーブローション、ボディローション等のローション等が挙げられる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料に一般に用いられている成分を目的に応じて配合できる。そのような成分として、例えば、水、低級アルコール、油脂及びロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、ステロール、脂肪酸エステル、金属石鹸、保湿剤、界面活性剤、高分子化合物、色材原料、香料、防腐・殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、特殊配合成分が挙げられる。
油脂及びロウ類としてはアボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、牛脂、ゴマ油、小麦胚芽油、サフラワー油、シアバター、タートル油、椿油、パーシック油、ひまし油、ブドウ油、マカダミアナッツ油、ミンク油、卵黄油、モクロウ、ヤシ油、ローズヒップ油、硬化油、シリコーン油、オレンジラフィー油、カルナバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ホホバ油、モンタンロウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げられる。
炭化水素としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等が挙げられる。高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オキシステアリン酸、リノール酸、ラノリン脂肪酸、合成脂肪酸が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、へキシルデカノール、オクチルデカノール、イソステアリルアルコール、ホホバアルコール、デシルテトラデカノール等が挙げられる。
ステロールとしては、コレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトコレステロール等が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、リノール酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキサデシル、イソオクタン酸セチル、パルミチン酸デシル、トリミリスチン酸グリセリン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グリセリン、トリイソオクタン酸グリセリン、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリルやイソステアリン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル等の環状アルコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
金属石鹸としては、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグリセリン、キシリット、マルチトール等が挙げられる。
界面活性剤としては、高級脂肪酸石鹸、高級アルコール硫酸エステル、N−アシルグルタミン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、アミン塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ベタイン型、アミノ酸型、イミダゾリン型、レシチン等の両性界面活性剤、脂肪酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酸化エチレン縮合物等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
高分子化合物としては、アラビアゴム、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼイン等の天然高分子化合物、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等の半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミド樹脂、シリコーン油、ナイロン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコン粒子、ウレタン粒子、ポリエチレン粒子等の合成高分子化合物が挙げられる。
色材原料としては、酸化鉄、群青、コンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、マンガンバイオレット、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、雲母、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー等の無機顔料、アゾ系、ニトロ系、ニトロソ系、キサンテン系、キノリン系、アントラキノリン系、インジゴ系、トリフェニルメタン系、フタロシアニン系、ピレン系等のタール色素が挙げられる。
ここで、上記高分子化合物や色材原料等の粉体原料については、予め表面処理が施されていてもよい。表面処理方法としては従来公知の表面処理技術が利用できる。例えば、炭化水素油、エステル油、ラノリン等による油剤処理、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等によるシリコーン処理、パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキル基を有する重合体等によるフッ素化合物処理、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等によるシランカップリング剤処理、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート等によるチタンカップリング剤処理、金属石鹸処理、アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理、水添卵黄レシチン等によるレシチン処理、コラーゲン処理、ポリエチレン処理、保湿性処理、無機化合物処理、メカノケミカル処理等の処理方法が挙げられる。
香料としては、ラベンダー油、ペパーミント油、ライム油等の天然香料、エチルフェニルアセテート、ゲラニオール、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート等の合成香料が挙げられる。防腐・殺菌剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、トコフェロール等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム等の無機系吸収剤、安息香酸系、パラアミノ安息香酸系、アントラニル酸系、サリチル酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系、ジベンゾイルメタン系等の有機系吸収剤が挙げられる。
特殊配合成分としては、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン等のホルモン類、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛等の皮膚収斂剤、カンタリスチンキ、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、センブリエキス、ニンニクエキス、ヒノキチオール、塩化カルプロニウム、ペンタデカン酸グリセリド、ビタミンE、エストロゲン、感光素等の発毛促進剤、リン酸−L−アスコルビン酸マグネシウム、コウジ酸等の美白剤等が挙げられる。
(2)塗料、断熱性及び光拡散性の組成物
これら組成物は、必要に応じて、バインダー樹脂、UV硬化性樹脂、溶剤等が含まれる。バインダー樹脂としては、有機溶媒又は水に可溶な樹脂もしくは水中に分散できるエマルション型の水性樹脂を使用できる。
バインダー樹脂又はUV硬化性樹脂及び多孔質微粒子の添加量は、形成される塗膜の膜厚、多孔質微粒子の平均粒子径及び塗装方法によっても異なる。多孔質微粒子の添加量は、バインダー樹脂(エマルジョン型の水性樹脂を使用する場合は固形分)と多孔質微粒子との合計に対して5〜50重量%が好ましい。より好ましい含有量は10〜50重量%であり、更に好ましい含有量は20〜40重量%である。
バインダー樹脂としては、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリルウレタン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、UV硬化性樹脂としては多価アルコール多官能(メタ)アクリレート等のような多官能(メタ)アクリレート樹脂;ジイソシアネート、多価アルコール、及びヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等から合成されるような多官能ウレタンアクリレート樹脂等が挙げられる。
UV硬化性樹脂としては、多官能(メタ)アクリレート樹脂が好ましく、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多価アルコール多官能(メタ)アクリレート樹脂がより好ましい。1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多価アルコール多官能(メタ)アクリレート樹脂としては、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
UV硬化性樹脂を用いる場合には、通常光重合開始剤が併用される。光重合開始剤は、特に限定されない。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、α−アミノアルキルフェノン、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号公報等に記載)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、オニウム塩類、ボレート塩、活性ハロゲン化合物、α−アシルオキシムエステル等が挙げられる。
これらバインダー樹脂又はUV硬化性樹脂は、塗装される基材への塗料の密着性や使用される環境等によって適宜選択され得る。
溶剤としては、特に限定されないが、バインダー樹脂又はUV硬化性樹脂を溶解又は分散できる溶剤を使用することが好ましい。例えば、油系塗料であれば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤等が挙げられる。水系塗料であれば、水、アルコール類等が使用できる。これら溶剤は、単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。コーティング材料中の溶剤含有量は、組成物全量に対し、通常20〜60重量%程度である。
組成物には、必要に応じて、公知の塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、体質顔料、着色顔料、金属顔料、マイカ粉顔料、染料等が含まれていてもよい。
組成物を使用した塗膜の形成方法は、特に限定されず、公知の方法をいずれも使用できる。例えば、スプレー塗装法、ロール塗装法、ハケ塗り法等の方法、及び薄層としてフィルム等基材にコーティングするにはコーティングリバースロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法、スプレーコート法が挙げられる。組成物は、必要に応じて粘度を調整するために、希釈してもよい。希釈剤としては、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;水;アルコール系溶剤等が挙げられる。これら希釈剤は、単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
基材等の任意の塗工面に塗工して塗工膜を作製し、この塗工膜を乾燥させた後、必要に応じて塗工膜を硬化させることによって、塗膜を形成できる。なお、塗料組成物を使用した塗膜は各種基材にコーティングして使用され、金属、木材、ガラス、プラスチックス等特に限定されない。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂等の透明基材にコーティングして用いることもできる。
(3)光拡散フィルム
光拡散フィルムは、ガラス、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)等のプラスチックシート、プラスチックフィルム、プラスチックレンズ、プラスチックパネル等の基材、陰極線管、蛍光表示管、液晶表示板等の基材の表面に前記の光拡散性組成物による光拡散層を形成したものである。用途によって異なるが、被膜が単独であるいは基材上に保護膜、ハードコート膜、平坦化膜、高屈折率膜、絶縁膜、導電性樹脂膜、導電性金属微粒子膜、導電性金属酸化物微粒子膜、その他必要に応じて用いるプライマー膜等と組み合わせて形成されている。なお、組み合わせて用いる場合、光拡散層が必ずしも最外表面に形成されている必要はない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。まず、実施例中の測定方法について説明する。
(粒子断面観察)
多孔質微粒子を光硬化性樹脂D−800(日本電子社製)と混合し、光照射することで硬化物を得た。その後、硬化物を液体窒素に5分間浸けてから割断し、断面を上に向けた状態で試料台にカーボンテープで貼り付けた。日立ハイテクノロジーズ社製「イオンスパッタE−1045型」スパッタ装置を用いて白金蒸着処理(15mV、240秒、6.0Pa、ターゲット〜試料表面間距離30mm)を行った。次いで、日立ハイテクノロジーズ社製「Regulus8230」走査電子顕微鏡の二次電子検出器を用いて、試料中の粒子断面を撮影した(粒子断面写真の倍率5000倍)。なお、観察時の加速電圧は10kVとした。
(粒子表面観察)
カーボンテープを用いて多孔質微粒子を試料台に貼り付けた。日立ハイテクノロジーズ社製「イオンスパッタE−1045型」スパッタ装置を用いて白金蒸着処理(15mV、240秒、6.0Pa、ターゲット〜試料表面間距離30mm)を行った。次いで、日立ハイテクノロジーズ社製「Regulus8230」走査電子顕微鏡の二次電子検出器を用いて、試料中の粒子表面を撮影した(粒子表面写真の倍率5000倍)。
(体積平均粒子径)
多孔質微粒子の体積平均粒子径は、コールターMultisizerTM3(ベックマン・コールター社製測定装置)により測定した。測定は、ベックマン・コールター社発行のMultisizerTM3ユーザーズマニュアルに従って校正されたアパチャーを用いて実施した。
なお、測定に用いるアパチャーの選択は、測定する粒子の想定の体積平均粒子径が1μm以上10μm以下の場合は50μmのサイズを有するアパチャーを選択し、測定する粒子の想定の体積平均粒子径が10μmより大きく30μm以下の場合は100μmのサイズを有するアパチャーを選択し、粒子の想定の体積平均粒子径が30μmより大きく90μm以下の場合は280μmのサイズを有するアパチャーを選択し、粒子の想定の体積平均粒子径が90μmより大きく150μm以下の場合は400μmのサイズを有するアパチャーを選択する等、適宜行った。測定後の体積平均粒子径が想定の体積平均粒子径と異なった場合は、適正なサイズを有するアパチャーに変更して、再度測定を行った。
また、50μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−800、Gain(ゲイン)は4と設定し、100μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−1600、Gain(ゲイン)は2と設定し、280μm及び400μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−3200、Gain(ゲイン)は1と設定した。
測定用試料としては、多孔質微粒子0.1gを0.1重量%ノニオン性界面活性剤水溶液10ml中にタッチミキサー(ヤマト科学社製、「TOUCHMIXER MT−31」)及び超音波洗浄器(ヴェルヴォクリーア社製、「ULTRASONICCLEANER VS−150」)を用いて分散させ、分散液としたものを使用した。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く撹拌しておき、粒子を10万個測定した時点で測定を終了した。粒子の体積平均粒子径は、10万個の粒子の体積基準の粒度分布における算術平均とした。
(多孔質微粒子中のビニル系樹脂の含有量)
測定対象の粒子1.0gを計量した後、計量した粒子を750℃で30分間電気炉内で焼失させて、残った残渣の重量(g)を計量した。そして、焼失前の粒子重量(1.0g)から、残った残渣の重量(g)を引いた数値を焼失前の粒子重量(1.0g)で除し、百分率換算した値を多孔質微粒子中のビニル系樹脂の含有量(重量%)とした。
(多孔質微粒子の表面層の厚み)
粒子断面観察において、体積平均粒子径付近の任意の30個に対し、5000倍に拡大した撮影を行った。得られた画像に対し日立ハイテクノロジーズ社製「Regulus8230」に付属している測長機能を用いて表面層の厚みを計測した。得られた数値の算術平均値を多孔質微粒子の表面層の厚みとした。
(C/Si)
粒子断面観察において、日立ハイテクノロジーズ社製「Regulus8230」に備え付けたオックスフォードインストゥルメンツ社製「X−MaxN150」を用いて元素分析を行った。粒子断面における内部多孔質部分を分析領域として任意設定し、分析領域中の炭素原子の原子数濃度(%)、及びケイ素原子の原子数濃度(%)を測定した。なお、炭素原子の原子数濃度(%)、及びケイ素原子の原子数濃度(%)は、観測された原子から炭素原子とケイ素原子以外を除外し、炭素原子の原子数濃度(%)とケイ素原子の原子数濃度(%)の合計が100%となるようオックスフォードインストゥルメンツ社製「X−MaxN150」に付属するソフトを用いて再解析を行った数値とした。なお、分析時の加速電圧は10kVとした。また、イメージスキャンの設定における解像度は1024、デュエルタイムは5μs、入力信号はSEとした。加えて、EDS収集スペクトル設定におけるエネルギー範囲、チャンネル数及び収集モードはオート設定、プロセスタイムは6に設定した。分析は体積平均粒子径付近の任意の粒子10個に対し行い、炭素原子の原子数濃度(%)の算術平均値を炭素原子の原子数濃度C(%)、ケイ素原子の原子数濃度(%)の算術平均値をケイ素原子の原子数濃度Si(%)とした。炭素原子の原子数濃度C(%)を、ケイ素原子の原子数濃度Si(%)で除した数値をC/Siとした。
粒子断面の写真における、内部多孔質部分として設定された分析領域の一例を図1に示した。図1中のスペクトル34及び35と記載されている白枠内を分析領域とした。白枠内の炭素原子の原子数濃度(%)とケイ素原子の原子数濃度(%)を、内部多孔質構造中の炭素原子の原子数濃度(%)とケイ素原子の原子数濃度(%)とした。
(内部構造が多孔質であること及び表面層が非多孔質であることの確認法)
粒子構成要素によって区画された空域の存在を上記粒子断面写真で確認することで、内部構造が多孔質であることを確認した。また、上記粒子断面写真で粒子内部への光硬化性樹脂D−800(日本電子社製)の浸入が認められないことを確認することで、表面層に孔が存在しないこと、すなわち、表面層が非多孔質であることを確認した。光硬化性樹脂D−800(日本電子社製)の浸入が認められた場合、上記粒子表面写真でも孔の存在を確認した。表面層が非多孔質であった場合を「○」、多孔質であった場合を「×」として評価した。
(実施例1)
ビニル系単官能単量体としてメチルメタクリレート(MMA)250g、ビニル系架橋性単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)250g、シリカ前駆体としてのテトラエトキシシラン(TEOS)425g、非反応性有機溶剤としての酢酸エチル75g、重合開始剤としての2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5g(富士フィルム和光純薬社製;製品名V−65)、潜在性pH調整剤としての(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル4−メチルベンゼンスルホネート(富士フィルム和光純薬社製;製品名WPAG−699)2.7gを混合・溶解して、油相を調整した。また、水性媒体としての脱イオン水3000gと、懸濁安定剤としてのピロリン酸マグネシウム60gと、ラウリルリン酸0.4gと、塩化ナトリウム750gを混合し、水相を調整した。
この水相中に上記油相を加え、ポリトロンホモジナイザーPT10−35(セントラル科学貿易社製)を用いて7000rpmにて5分間乳化・分散処理を行った。得られた乳化液を5Lの撹拌翼付圧力容器に投入し、撹拌翼を250rpmで撹拌しながら50℃で4時間の加熱を行うことで、ビニル系単官能単量体からなる表面層を形成させた。撹拌を維持したまま反応温度を105℃まで昇温し、2時間加熱することでTEOSのゲル化反応を進行させ、ケイ素成分を含む内部多孔質構造を形成させた。その後、反応系を室温まで冷却し、懸濁安定剤であるピロリン酸マグネシウムを塩酸によって分解した。ろ過による脱水で固形分を分離し、水洗を繰り返すことで精製を行った後、60℃にて乾燥することで多孔質微粒子を得た。
得られた多孔質微粒子の断面写真を図2に示す。内部構造が多孔質であることが確認できた。内部多孔質構造中への光硬化性樹脂D−800の浸入は見られず、得られた粒子が非多孔質の表面層を有することが確認できた。内部多孔質構造中のC/Siは16.53であった。更に、非多孔質の表面層の厚さは0.42μm、多孔質微粒子中のビニル系樹脂の含有量は83.0%、体積平均粒子径は9.3μmであった。
(実施例2)
シリカ前駆体としてのテトラエトキシシラン(TEOS)400g、非反応性有機溶剤としての酢酸エチル100g、潜在性pH調整剤としての(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル4−メチルベンゼンスルホネート2.5gとしたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質微粒子を得た。
得られた多孔質微粒子の断面写真を図3に示す。内部構造が多孔質であることが確認できた。内部多孔質構造中への光硬化性樹脂D−800の浸入は見られず、得られた粒子が非多孔質の表面層を有することが確認できた。内部多孔質構造中のC/Siは19.00であった。更に、非多孔質の表面層の厚さは0.36μm、多孔質微粒子中のポリマー成分は83.2%、体積平均粒子径は8.1μmであった。
(実施例3)
潜在性pH調整剤としての(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル4−メチルベンゼンスルホネート2.8gを使用しなかったことに加え、乳化液を50℃で4時間加熱することで、ビニル系単官能単量体とビニル系架橋性単量体からなる表面層、及びケイ素成分を含む内部多孔質構造を形成させた後、反応温度を105℃まで昇温させることなく反応系を室温まで冷却し、懸濁安定剤であるピロリン酸マグネシウムを塩酸によって分解し、ろ過による脱水で固形分を分離し、水洗を繰り返すことで精製を行った後、メタノールで洗浄することで未反応のTEOSを除去したこと以外は実施例1と同様にして、多孔質微粒子を得た。
得られた多孔質微粒子の断面写真を図4に示す。内部構造が多孔質であることが確認できた。内部多孔質構造中への光硬化性樹脂D−800の浸入は見られず、得られた粒子が非多孔質の表面層を有することが確認できた。内部多孔質構造中のC/Siは54.56であった。更に、非多孔質の表面層の厚さは0.40μm、多孔質微粒子中のポリマー成分は99.5%、体積平均粒子径は10.3μmであった。
(比較例1)
シリカ前駆体としてのテトラエトキシシラン(TEOS)を使用せず、非反応性有機溶剤としての酢酸エチルを500g、潜在性pH調整剤としての(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル4−メチルベンゼンスルホネートを使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして多孔質微粒子を得た。
得られた多孔質微粒子の断面写真及び表面写真を図5(a)及び(b)に示す。内部多孔質構造中への光硬化性樹脂D−800の浸入が見られた。加えて、表面写真からも、得られた粒子の表面が多孔質状であることが確認できた。内部多孔質構造中のC/Siは369であった。更に、多孔質微粒子中のポリマー成分は100%、体積平均粒子径は10.2μmであった。
(比較例2)
MMA25g、EGDMA25g、TEOS40g、トルエン10g、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5g、潜在性pH調整剤としての(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル4−メチルベンゼンスルホネート1gを混合・溶解して、混合物を調製した。得られた混合物を1重量%の濃度に調製したポリビニルアルコール(PVA)(日本合成化学社製;製品名ゴーセノールGH−17)水溶液300 mlに混合した。得られた混合液を1Lビーカーに投入し、ホモミキサー(プライミクス社製;製品名 ホモミキサーMK−II2.5型)を用いて、回転数4000rpmにて3分間乳化・分散処理を行った。得られた乳化液を500mlの撹拌翼付き圧力容器に投入し、撹拌翼を200rpmにて撹拌しながら、50℃の温度にて8時間の重合を行い、シリカ前駆体としてのTEOSを内部に含むマイクロカプセルを得た。その後、乳化液を110℃で2時間撹拌することで、マイクロカプセル内のTEOSのゲル化反応の進行により、シリカ内包粒子を得た。得られたシリカ内包粒子を、遠心分離及び上澄みの分離に付すことで乳化液から取り出し、水洗を繰り返し、精製を行った後、60℃にて真空オーブンで乾燥させた。
得られた多孔質微粒子の断面写真を図6に示す。内部構造が多孔質であることが確認できた。内部多孔質構造中への光硬化性樹脂D−800の浸入は見られず、得られた粒子が非多孔質の表面層を有することが確認できた。内部多孔質構造中のC/Siは7.84であった。更に、非多孔質の表面層の厚さは1.1μm、多孔質微粒子中のポリマー成分は83.9%、体積平均粒子径は11.7μmであった。
実施例及び比較例の原料種、その使用量(g)及び評価を表1にまとめて記載する。
(紫外可視近赤外光の反射特性評価)
多孔質微粒子の紫外光、可視光及び近赤外光に対する反射率を以下の手順で評価した。
市販の水性塗料(アサヒペン社製 商品名;水性多用途カラー 透明クリア)10gに対し、粒子を2.5g加え、撹拌脱泡装置を用いて、混合、脱泡することによって、粒子を分散し、評価用塗料を作製した。
評価用塗料を隠蔽率試験紙の黒側にウエット厚250μmに設定したアプリケーターにて塗工した後、室温下で十分に乾燥させ、光反射性評価用サンプル板を得た。
サンプル板の紫外光、可視光、及び近赤外光に対する反射率を以下の点順で評価した。
反射率の測定装置として島津製作所社製の紫外可視近赤外分光光度計(UV−3600Plus)を使用し、サンプル板における塗工面の紫外光から近赤外光(波長300〜2500nm)の反射特性を反射率(%)として測定した。なお、測定は60mmΦ積分球を用い、硫酸バリウムを標準白板に使用して行った。測定結果を図7に示す。また、波長1500nmでの反射率を表2に示す。
図7及び表2から、実施例の多孔質微粒子は、可視光及び近赤外光の反射性に優れているため、高い遮熱性を塗料等に与え得ることがわかる。
(塗料組成物製造例1)
実施例1で得られた多孔質微粒子2重量部と、市販のアクリル系水性つやあり塗料(カンぺパピオ社製、商品名スーパーヒット)20重量部とを、撹拌脱泡装置を用いて、3分間混合し、1分間脱泡することによって、塗料組成物を得た。
得られた塗料組成物を、クリアランス75μmのブレードをセットした塗工装置を用いてABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)板上に塗布した後、乾燥することによって塗膜を得た。
(光拡散性樹脂組成物及び光拡散フィルム製造例1)
実施例1で得られた多孔質微粒子7.5重量部と、アクリル樹脂(DIC社製、製品名アクリディックA811)30重量部、架橋剤(DIC社製、製品名VM−D)10重量部、溶剤として酢酸ブチル50重量部とを撹拌脱泡装置を用いて、3分間混合し、1分間脱泡することによって、光拡散性樹脂組成物を得た。
得られた光拡散性樹脂組成物を、クリアランス50μmのブレードをセットした塗工装置を用いて、厚さ125μmのPETフィルム上に塗布した後、70℃で10分乾燥することによって光拡散フィルムを得た。
(化粧料の処方例)
(配合例1)
パウダーファンデーションの製造
・配合量
実施例1で得られた多孔質微粒子 10.0重量部
赤色酸化鉄 3.0重量部
黄色酸化鉄 2.5重量部
黒色酸化鉄 0.5重量部
酸化チタン 10.0重量部
マイカ 20.0重量部
タルク 44.0重量部
流動パラフィン 5.0重量部
ミリスチン酸オクチルドデシル 2.5重量部
ワセリン 2.5重量部
防腐剤 適量
香料 適量
・製造法
多孔質微粒子、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化チタン、マイカ、タルクをヘンシェルミキサーで混合し、これに流動パラフィン、ミリスチン酸オクチルドデシル、ワセリン及び防腐剤を混合溶解したものを加えて均一に混合する。これに、香料を加えて混合した後、粉砕して篩いに通す。これを、金皿に圧縮成形してパウダーファンデーションを得る。
(配合例2)
化粧乳液の製造
・配合量
実施例1で得られた多孔質微粒子 10.0重量部
ステアリン酸 2.5重量部
セチルアルコール 1.5重量部
ワセリン 5.0重量部
流動パラフィン 10.0重量部
ポリエチレン(10モル)モノオレイン酸エステル 2.0重量部
ポリエチレングリコール1500 3.0重量部
トリエタノールアミン 1.0重量部
精製水 64.5重量部
香料 0.5重量部
防腐剤 適量
・製造法
まず、ステアリン酸、セチルアルコール、ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレンモノオレイン酸エステルを加熱溶解して、ここへ多孔質微粒子を添加・混合し、70℃に保温する(油相)。また、精製水にポリエチレングリコール、トリエタノールアミンを加え、加熱溶解し、70℃に保温する(水相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、その後ホモミキサーで均一に乳化し、乳化後かき混ぜながら30℃まで冷却させることで化粧乳液を得る。

Claims (4)

  1. ビニル系樹脂を含む内部多孔質構造と、前記内部多孔質構造を覆う非多孔質の表面層とを有し、前記内部多孔質構造が:
    (i)ケイ素成分を含有し、
    (ii)SEM−EDXによる分析で炭素原子の原子数濃度C(%)とケイ素原子の原子数濃度Si(%)を得た際に、10≦C/Si≦100の関係を満たす
    ことを特徴とする多孔質微粒子。
  2. 前記ビニル系樹脂が、前記多孔質微粒子中に70.0〜99.9重量%含まれ、前記表面層が、0.1〜0.8μmの厚みを有する請求項1に記載の多孔質微粒子。
  3. 前記多孔質微粒子が、塗料組成物、化粧料、断熱性組成物、光拡散性樹脂組成物及び光拡散フィルムから選択される用途に使用される請求項1又は2に記載の多孔質微粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の多孔質微粒子の製造方法であって、
    ビニル系単官能単量体100重量部、ビニル系架橋性単量体20〜150重量部、シリカ前駆体としてのシリコンアルコキシド60〜400重量部とを含む混合物を、無機系分散安定剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合させることで表面層を形成する懸濁重合工程と、前記懸濁重合後又は懸濁重合中に前記シリコンアルコキシドをゲル化させることでビニル系樹脂及びケイ素成分を含む内部多孔質構造を形成するゲル化工程とを含むことを特徴とする多孔質微粒子の製造方法。
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