以下に添付図面を参照して本願に係るデータチェック装置、データチェック方法及びデータチェックプログラムについて説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[システム構成]
図1は、実施例1に係るサーバ装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。図1に示す業務システム1は、あくまで1つの側面として、給与業務に関する各種の機能、例えば給与計算や賞与計算、社会保険などの機能がパッケージ化された業務支援サービスを提供するものである。
図1に示すように、業務システム1には、サーバ装置10と、クライアント端末50とが含まれ得る。これらサーバ装置10及びクライアント端末50は、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、有線または無線を問わず、インターネットやLAN(Local Area Network)などの任意の種類の通信網であってかまわない。なお、図1には、説明の便宜上、1つのサーバ装置10につき1つのクライアント端末50が接続される例を挙げたが、1つのサーバ装置10につき複数のクライアント端末50が接続されることを妨げない。
サーバ装置10は、上記の業務支援サービスを提供するコンピュータの一例である。
一実施形態として、サーバ装置10は、パッケージソフトウェア又はオンラインソフトウェアとして、上記の業務支援サービスに対応する機能を実現する業務支援プログラムを任意のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、サーバ装置10は、上記の業務支援サービスに関する機能をオンプレミスに提供するサーバとして実装することができる。これに限定されず、サーバ装置10は、SaaS(Software as a Service)型の業務アプリケーションとして実装することで、上記の業務支援サービスをクラウドサービスとして提供することとしてもかまわない。
このような業務支援サービスのあくまで一例として、下記に挙げる複数の機能がパッケージで提供される例を挙げて以下の説明を行う。例えば、上記の業務支援サービスとしてパッケージ化される機能の例として、給与業務で標準とされる「給与計算」、「賞与計算」、「社会保険」、「年末調整」、「遡及計算」などの基本機能が挙げられる。この他、上記の業務支援サービスには、給与計算等の基本機能を用いて算出された従業員の給与データが正しい支給額であるか否かをチェックするのを支援する給与データチェック機能がパッケージ化される。
クライアント端末50は、上記の業務支援サービスの提供を受けるクライアントにより使用されるコンピュータの一例に対応する。このようなクライアントのあくまで一例として、給与業務に携わる関係者全般が挙げられる。ここで言う「関係者」には、一例として、給与データのチェック業務が分担される作業者、さらには、その管理者等が含まれ得る。例えば、給与データのチェック業務は、各作業者が担当する基準内賃金や固定変動手当、残業手当などの属性によって分担される。また、クライアント端末50には、デスクトップ型またはラップトップ型のパーソナルコンピュータなどが対応する。これはあくまで一例であり、クライアント端末50は、携帯端末装置やウェアラブル端末などの任意のコンピュータであってかまわない。
[課題の一側面]
上記の背景技術の欄で説明した通り、従来の給与データチェック機能では、担当者がチェックを担当するデータ項目が他の担当者によりチェックが担当されるデータ項目に埋もれた状態で給与データが表示される。そのため、他の担当者によりチェックが担当されるデータ項目の表示が妨げとなって担当者がチェックを担当するデータ項目の確認漏れや誤認などのチェックミスが発生する場合がある。
[課題解決のアプローチの一側面]
そこで、本実施例に係るデータチェック機能では、クライアント端末50により指定されるチェック条件からチェックパターンを決定し、従業員の給与データのデータ項目のうちチェックパターンで定められた1以上のデータ項目に関するデータ値を表示する。これによって、従業員の給与データのデータ項目がチェックパターンに応じて作業者がチェック対象とするデータ項目に絞り込まれた状態で当該データ項目に関するデータ値が表示される。それ故、他の作業者によりチェック対象とされるデータ項目の表示によって作業者がチェック対象とするデータ項目の確認が妨げられる事態が抑制される結果、担当者がチェック対象とするデータ項目の確認漏れや誤認などのチェックミスが発生するのも抑制できる。したがって、本実施例に係るデータチェック機能によれば、従業員データのチェックミスを抑制することが可能になる。
[サーバ装置の構成]
次に、本実施例に係るデータチェック機能を搭載するサーバ装置10の機能的構成について説明する。図1に示すように、サーバ装置10は、通信インタフェース部11と、記憶部13と、制御部15とを有する。なお、図1には、データの授受の関係を表す実線が示されているが、説明の便宜上、最小限の部分について示されているに過ぎない。すなわち、各処理部に関するデータの入出力は、図示の例に限定されず、図示以外のデータの入出力、例えば処理部及び処理部の間、処理部及びデータの間、並びに、処理部及び外部装置の間のデータの入出力が行われることとしてもかまわない。
通信インタフェース11は、他の装置、例えばクライアント端末50との間で通信制御を行うインタフェースである。
あくまで一例として、通信インタフェース11には、LANカードなどのネットワークインタフェースカードを採用することができる。例えば、通信インタフェース11は、クライアント端末50から給与データの検索リクエストを受け付けたり、また、給与データの検索結果をクライアント端末50へ送信したりする。
記憶部13は、制御部15で実行されるOS(Operating System)を始め、上記の業務支援プログラム、あるいは上記のデータチェック機能がモジュール化されたデータチェックプログラムなどの各種プログラムに用いられるデータを記憶する機能部である。
あくまで一例として、記憶部13は、サーバ装置10における補助記憶装置に対応する。例えば、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスクやSSD(Solid State Drive)などが補助記憶装置に対応する。この他、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)などのフラッシュメモリも補助記憶装置に対応する。
記憶部13は、制御部15で実行されるプログラムに用いられるデータの一例として、チェックパターンデータ13Aと、チェック項目データ13Bと、給与データ13Cとを記憶する。これらのデータ以外にも、上記のデータチェックプログラムによって参照または生成が行われるデータ、例えば上記の業務支援サービスのアカウントなどが記憶部13に記憶されることとしてもかまわない。なお、チェックパターンデータ13A、チェック項目データ13B及び給与データ13Cの説明は、各データの参照または生成が行われる制御部15の説明と合わせて行うこととする。
また、図1には、あくまで一例として、上記のデータチェックプログラムによって参照または生成が行われるデータを抜粋して例示したが、他のデータが記憶部13に記憶されることを妨げない。例えば、上記のデータチェックプログラム以外の他のプログラム、例えば業務支援プログラムなどによって参照または生成されるデータが記憶されることとしてもよい。
制御部15は、サーバ装置10の全体制御を行う機能部である。
一実施形態として、制御部15は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのハードウェアプロセッサにより実装することができる。ここでは、プロセッサの一例として、CPUやMPUを例示したが、汎用型および特化型を問わず、任意のプロセッサにより実装することができる。この他、制御部15は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによって実現されることとしてもかまわない。
制御部15は、上記のデータチェックプログラムを実行することにより、図示しない主記憶装置として実装されるDRAM(Dynamic Random Access Memory)などのRAMのワークエリア上に図1に示す処理部を仮想的に実現する。なお、ここでは、上記の業務支援サービスとしてパッケージ化される機能のうち上記のデータチェック機能に対応するデータチェックプログラムが実行される例を挙げるが、サーバ装置10上で動作するプログラムはこれに限定されない。例えば、上記の業務支援プログラムのパッケージソフトウェアが実行されることとしてもよいし、上記の業務支援サービスのうち任意の機能を抜粋してプログラムモジュールとして実行されたり、あるいはライブラリとして参照されたりすることとしてもかまわない。
例えば、制御部15は、図1に示すように、チェック条件受付部15Aと、チェックパターン決定部15Bと、チェック対象データ取得部15Cと、給与データ更新部15Dとを有する。
チェック条件受付部15Aは、チェック条件を受け付ける処理部である。
あくまで一例として、チェック条件受付部15Aは、上記の業務支援サービスのアカウントの認証に成功したクライアント端末50から給与データの検索リクエストを受け付けることができる。例えば、チェック条件受付部15Aは、クライアント端末50に表示されたメニュー画面上で「給与データチェック」のアイコンなどの押下操作を受け付けた場合、図2に示す検索条件入力画面をクライアント端末50に表示させる。この検索条件入力画面に対する入力操作を介して、チェック条件受付部15Aは、給与データの検索条件をチェック条件の一例として受け付ける。
[検索条件入力画面]
図2は、検索条件入力画面の一例を示す図である。図2に示すように、検索条件入力画面200には、各種のGUI(Graphical User Interface)コンポーネントが含まれる。例えば、検索条件入力画面200には、年月の指定を受け付けるプルダウンメニュー210及びプルダウンメニュー220が含まれる。このうち、プルダウンメニュー210では、給与データのチェック対象とする年月が指定される。また、プルダウンメニュー220では、給与データが確定済みである年月のうちチェック対象とする給与データの年月と比較する年月が指定される。
さらに、検索条件入力画面200には、チェック対象とする従業員の属性を絞り込む側面から、雇用形態、給与および雇用状態の3つの区分の指定を受け付けるラジオボタン230、231、240、241、250及び251が設置される。
例えば、ラジオボタン230又はラジオボタン231のいずれか1つが択一で選択されることにより、雇用形態の区分を個別に指定するか否かの選択を受け付けることができる。このとき、「すべて」に対応するラジオボタン230が選択される場合、役員、管理職および一般社員の3つ全ての区分に該当する従業員の給与データが検索対象とされる。一方、「雇用形態を選択」に対応するラジオボタン231が選択される場合、役員、管理職および一般社員の3つの区分の中から検索対象とする従業員の雇用形態を指定させることができる。例えば、「役員」、「管理職」および「一般社員」に対応するチェックボックス231A〜231Cのオンまたはオフを切り替えることにより、オンに設定された雇用形態の区分に該当する従業員の給与データが検索対象とされる。
また、ラジオボタン240又はラジオボタン241のいずれか1つが択一で選択されることにより、給与の区分を個別に指定するか否かの選択を受け付けることができる。このとき、「すべて」に対応するラジオボタン240が選択される場合、月給、日給および時間給の3つ全ての区分に該当する従業員の給与データが検索対象とされる。一方、「給与区分を選択」に対応するラジオボタン241が選択される場合、月給、日給および時間給の3つの区分の中から検索対象とする従業員の給与区分を指定させることができる。例えば、「月給」、「日給」および「時間給」に対応するチェックボックス241A〜241Cのオンまたはオフを切り替えることにより、オンに設定された給与区分に該当する従業員の給与データが検索対象とされる。
また、ラジオボタン250又はラジオボタン251のいずれか1つが択一で選択されることにより、雇用状態の区分を個別に指定するか否かの選択を受け付けることができる。このとき、「すべて」に対応するラジオボタン250が選択される場合、在籍、退職、休職および出向の4つ全ての区分に該当する従業員の給与データが検索対象とされる。一方、「雇用状態を選択」に対応するラジオボタン251が選択される場合、在籍、退職、休職および出向の4つの区分の中から検索対象とする従業員の給与区分を指定させることができる。例えば、「在籍」、「退職」、「休職」および「出向」に対応するチェックボックス251A〜251Dのオンまたはオフを切り替えることにより、オンに設定された雇用状態の区分に該当する従業員の給与データが検索対象とされる。
さらに、検索条件入力画面200には、実行ボタン260、クリアボタン270及び閉じるボタン280が含まれる。このうち、実行ボタン260は、プルダウンメニュー210及び220と、ラジオボタン230、231、240、241、250及び251と、チェックボックス231A〜231Cと、チェックボックス241A〜241Cと、チェックボックス251A〜251Dとの選択状態により指定される検索条件で検索を実行する操作を受け付ける。また、クリアボタン270は、チェックボックス231A〜231Cと、チェックボックス241A〜241Cと、チェックボックス251A〜251Dとの選択状態をクリアする操作を受け付ける。例えば、クリアボタン270の押下操作が受け付けられた場合、チェックボックス231A〜231C、チェックボックス241A〜241C及びチェックボックス251A〜251Dの選択状態がオフにクリアされる。なお、閉じるボタン280は、検索条件入力画面200のウィンドウを閉じる操作を受け付ける。
例えば、検索条件入力画面200の選択状態を例に挙げれば、チェック対象とする給与データの年月として「2018年12月」が指定されている。さらに、確定済みの給与データのうちチェック対象の給与データと比較する年月として「2018年11月」が指定されている。さらに、雇用形態の区分として「役員」が指定されており、給与の区分については個別の指定はなく、「月給」、「日給」及び「時間給」のすべてが指定されており、また、雇用状態の区分として「退職」が指定されている。このような検索条件の指定により、雇用形態の区分が「管理職」及び「一般社員」の従業員、並びに、雇用状態の区分が「在籍」、「休職」及び「出向」の従業員に関する給与データを検索の対象外に設定することができる。
チェックパターン決定部15Bは、指定のチェック条件からチェックパターンを決定する処理部である。ここで言う「チェックパターン」とは、1又は複数のデータ項目を含むパターンを指し、例えば、従業員の属性、後述の作業者の属性、あるいは他の任意の観点から設定される。以下、チェックパターンに設定されるデータ項目のことを「チェック項目」と表記する場合がある。
あくまで一例として、チェックパターン決定部15Bは、記憶部13に記憶されたチェックパターンデータ13Aに設定されたチェックパターンのうち、チェック条件受付部15Aにより受け付けられた検索条件に対応するチェックパターンを取得する。
[チェックパターンデータ13A]
ここで、チェックパターンデータ13Aは、従業員の属性と、チェックパターンとが対応付けられたデータである。図3は、チェックパターンデータ13Aの一例を示す図である。図3に示すように、チェックパターンデータ13Aには、区分、値およびチェックパターンなどの項目が対応付けられたデータを採用できる。ここで言う「区分」とは、従業員の属性を分類する区分の名称を指す。また、「値」とは、区分の値を指す。また、「チェックパターン」とは、チェックパターンの名称を指す。
例えば、図3に示すチェックパターンデータ13Aの例で言えば、従業員の属性を分類する区分の例として、雇用形態区分や給与区分、雇用状態区分などといった分類が抜粋して示されている。例えば、チェックパターンデータ13Aによれば、雇用形態区分の値として、「役員」、「管理職」及び「一般従業員」の3種類の値が定義されていることをコンピュータに認識させることができる。さらに、区分の値「役員」及び値「管理職」には、チェックパターン「役職者チェック」が対応付けられており、また、区分の値「一般従業員」には、チェックパターン「無資格者チェック」が対応付けられていることをコンピュータに認識させることができる。また、チェックパターンデータ13Aによれば、給与区分の値として、「月給」、「日給」及び「時間給」の3種類の値が定義されていることをコンピュータに認識させることができる。さらに、区分の値「月給」には、チェックパターン「月給チェック」が対応付けられており、また、区分の値「日給」及び値「時間給」には、チェックパターン「日給チェック」が対応付けられていることをコンピュータに認識させることができる。また、チェックパターンデータ13Aによれば、雇用状態区分の値として、「在籍」、「退職」、「休職」及び「出向」の4種類の値が定義されていることをコンピュータに認識させることができる。さらに、区分の値「在籍」には、チェックパターン「在籍者チェック」が対応付けられており、また、区分の値「退職」には、チェックパターン「退職者チェック」が対応付けられていることをコンピュータに認識させることができる。さらに、区分の値「休職」には、チェックパターン「休職者チェック」が対応付けられており、区分の値「出向」には、チェックパターン「出向者チェック」が対応付けられていることをコンピュータに認識させることができる。
このようなチェックパターンデータ13Aを参照先とし、チェックパターン決定部15Bは、検索条件入力画面200上で実行ボタン260の押下操作を受け付けた場合、検索条件入力画面200で指定された検索条件に対応するチェックパターンを取得する。
[雇用形態の条件に対応するチェックパターン]
より詳細には、チェックパターン決定部15Bは、検索条件入力画面200で指定された雇用形態の区分の条件に対応するチェックパターンをチェックパターンデータ13Aから取得する。このとき、チェックパターン決定部15Bは、検索条件入力画面200で「雇用形態を選択」に対応するラジオボタン231が選択されていた場合に絞ってチェックパターンを取得する。すなわち、チェックパターン決定部15Bは、検索条件入力画面200に含まれるチェックボックス231A〜231Cのうち、オンに設定された雇用形態区分の値に対応するチェックパターンをチェックパターンデータ13Aから取得する。このように作業者がチェック対象とする従業員を雇用形態の区分で絞り込む意思が明確である場合、絞り込んだ雇用形態の区分に適合するチェックを行う可能性が高いので、チェックパターンの取得が実行される。一方、検索条件入力画面200で「すべて」に対応するラジオボタン230が選択されていた場合、作業者がチェック対象とする従業員を雇用形態の区分で絞り込もうとしていないことが明確であるので、チェックパターンは取得されない。
[給与区分の条件に対応するチェックパターン]
また、チェックパターン決定部15Bは、検索条件入力画面200で指定された給与の区分の条件に対応するチェックパターンをチェックパターンデータ13Aから取得する。このとき、チェックパターン決定部15Bは、検索条件入力画面200で「給与区分を選択」に対応するラジオボタン241が選択されていた場合に絞ってチェックパターンを取得する。すなわち、チェックパターン決定部15Bは、検索条件入力画面200に含まれるチェックボックス241A〜241Cのうち、オンに設定された給与区分の値に対応するチェックパターンをチェックパターンデータ13Aから取得する。このように作業者がチェック対象とする従業員を給与区分で絞り込む意思が明確である場合、絞り込んだ給与区分に適合するチェックを行う可能性が高いので、チェックパターンの取得が実行される。一方、検索条件入力画面200で「すべて」に対応するラジオボタン240が選択されていた場合、作業者がチェック対象とする従業員を給与区分で絞り込もうとしていないことが明確であるので、チェックパターンは取得されない。
[雇用状態の条件に対応するチェックパターン]
また、チェックパターン決定部15Bは、検索条件入力画面200で指定された雇用状態の区分の条件に対応するチェックパターンをチェックパターンデータ13Aから取得する。このとき、チェックパターン決定部15Bは、検索条件入力画面200で「雇用状態を選択」に対応するラジオボタン251が選択されていた場合に絞ってチェックパターンを取得する。すなわち、チェックパターン決定部15Bは、検索条件入力画面200に含まれるチェックボックス251A〜251Dのうち、オンに設定された雇用状態区分の値に対応するチェックパターンをチェックパターンデータ13Aから取得する。このように作業者がチェック対象とする従業員を雇用状態の区分で絞り込む意思が明確である場合、絞り込んだ雇用状態の区分に適合するチェックを行う可能性が高いので、チェックパターンの取得が実行される。一方、検索条件入力画面200で「すべて」に対応するラジオボタン250が選択されていた場合、作業者がチェック対象とする従業員を雇用状態の区分で絞り込もうとしていないことが明確であるので、チェックパターンは取得されない。
例えば、図2に示す検索条件入力画面200を例に挙げれば、「雇用形態を選択」に対応するラジオボタン231が選択された状態で、雇用形態区分の値「役員」に対応するチェックボックス231Aがオンに設定されている。この場合、チェックパターン決定部15Bは、図3に網掛けで示された通り、チェックパターンデータ13Aに含まれるチェックパターンのうち雇用形態区分の値「役員」に対応するチェックパターン「役職者チェック」を取得する。また、検索条件入力画面200では、給与区分に関し、「すべて」に対応するラジオボタン240が選択されているので、給与区分の条件に対応するチェックパターンは取得されない。また、検索条件入力画面200では、「雇用状態を選択」に対応するラジオボタン251が選択された状態で、雇用状態区分の値「退職」に対応するチェックボックス251Bがオンに設定されている。この場合、チェックパターン決定部15Bは、図3に網掛けで示された通り、チェックパターンデータ13Aに含まれるチェックパターンのうち雇用状態区分の値「退職」に対応するチェックパターン「退職者チェック」を取得する。このように、図2に示す検索条件入力画面200の選択状態で実行ボタン260が押下操作された場合、チェックパターン決定部15Bは、チェックパターンとして「役職者チェック」および「退職者チェック」を取得する。
チェック対象データ取得部15Cは、チェック対象とするデータを取得する処理部である。
あくまで一例として、チェック対象データ取得部15Cは、記憶部13に記憶されたチェック項目データ13Bに設定されたチェック項目のうち、チェックパターン決定部15Bにより取得されたチェックパターンに対応するチェック項目を取得する。
[チェック項目データ13B]
ここで、チェック項目データ13Bは、チェックパターンと、チェック項目とが対応付けられたデータである。図4は、チェック項目データ13Bの一例を示す図である。図4に示すように、チェック項目データ13Bには、チェックパターンおよびチェック項目などの項目が対応付けられたデータを採用できる。ここで言う「チェックパターン」とは、チェックパターンの名称を指す。また、「チェック項目」とは、チェック項目の名称を指す。
例えば、図4に示すチェック項目データ13Bの例で言えば、チェックパターンの例として、休職者チェック、退職者チェック、無資格者チェック、役職者チェックなどといったチェックパターンが抜粋して示されている。例えば、チェック項目データ13Bによれば、チェックパターン「休職者チェック」のチェック項目として、給与データに含まれるデータ項目のうち「事故欠勤控除」および「病気欠勤控除」が設定されていることをコンピュータに認識させることができる。また、チェック項目データ13Bによれば、チェックパターン「退職者チェック」のチェック項目として、給与データに含まれるデータ項目のうち「本給」および「職能給」が設定されていることをコンピュータに認識させることができる。また、チェック項目データ13Bによれば、チェックパターン「無資格者チェック」のチェック項目として、給与データに含まれるデータ項目のうち「普通残業手当」、「深夜残業手当」および「休日残業手当」が設定されていることをコンピュータに認識させることができる。また、チェック項目データ13Bによれば、チェックパターン「役職者チェック」のチェック項目として、給与データに含まれるデータ項目のうち「役付手当」、「地域手当」および「営業手当」が設定されていることをコンピュータに認識させることができる。
あくまで一例として、図2に示された検索条件入力画面200で入力された検索条件にしたがってチェックパターン「役職者チェック」および「退職者チェック」がチェックパターン決定部15Bにより取得されたとしたとき、次のような動作となる。すなわち、図4に網掛けで示された通り、チェック対象データ取得部15Cは、チェック項目データ13Bに含まれるチェック項目のうち、チェックパターン「役職者チェック」に対応するチェック項目「役付手当」、「地域手当」及び「営業手当」を取得する。さらに、チェック対象データ取得部15Cは、チェック項目データ13Bに含まれるチェック項目のうち、チェックパターン「退職者チェック」に対応するチェック項目「本給」及び「職能給」を取得する。
このようにすべてのチェック項目が取得された上で、チェック対象データ取得部15Cは、記憶部13に記憶された給与データ13Cに含まれるデータ値のうち、チェック項目に対応するデータ項目が有するデータ値を取得する。以下、給与データに含まれるデータ項目が有するデータ値のことを「給与データ値」と記載する場合がある。
[給与データ13C]
ここで、給与データ13Cには、2つの給与データ13C1及び13C2が含まれる。これら2つの給与データ13C1及び13C2の間では、データ項目は共通するが、各種の支給額に関するデータ項目が有するデータ値が確定済みまたは未確定であるかのステータスが異なる。
図5は、確定済み給与データ13C1の一例を示す図である。また、図6は、未確定給与データ13C2の一例を示す図である。図5及び図6に示すように、確定済み給与データ13C1及び未確定給与データ13C2には、あくまで一例として、名前、部門コード、社員コード、雇用形態区分、給与区分、雇用状態区分といった従業員の属性に関するデータ項目が含まれる。さらに、確定済み給与データ13C1及び未確定給与データ13C2には、本給、職能給、役付手当、地域手当、営業手当、扶養手当、住宅手当、普通残業手当、深夜残業手当、休日残業手当、事故欠勤控除、病気欠勤控除、生命保険料、損害保険料などといった支給額等に関するデータ項目が含まれる。これらのデータ項目の他、確定済み給与データ13C1及び未確定給与データ13C2には、支給年月といった時間に関するデータ項目も含まれる。
さらに、図5及び図6には、従業員のあくまで一例として、富士一郎、富士二郎、富士三郎、富士四郎、富士五郎の5名の給与データが抜粋して示されている。このうち、図5に示すように、確定済み給与データ13C1のうち、支給年月が「2018年11月」であるレコードの支給額等の各データ項目には、データ値が格納されている。その一方で、確定済み給与データ13C1のうち、支給年月が「2018年12月」であるレコードの支給額等の各データ項目では、データ値がブランクとなっている。これは、支給年月「2018年11月」の給与データが確定済みである一方で、支給年月「2018年12月」の給与データが未確定であることを意味する。このように、支給額等が未確定である支給年月「2018年11月」の各データ項目に暫定のデータ値を保持する側面から、図6に示すように、未確定給与データ13C2には、支給額等が未確定である支給年月「2018年11月」に関するレコードが保存される。例えば、未確定給与データ13C2には、給与アプリケーションの基本機能として提供される「給与計算」の機能により算出された支給額等をデータ値として保存することができる。この他、未確定給与データ13C2には、クライアント端末50により修正等の編集を受け付けた支給額等をデータ値として保存することができる。その後、支給年月、レコード、あるいはデータ項目などの粒度でクライアント端末50を介して確定操作が行われた場合、確定操作が行われた支給年月、レコードまたはデータ項目が有するデータ値が未確定給与データ13C2から確定済み給与データ13C1へ複写または移行される。
なお、図3〜図6には、各データがテーブル形式で記憶部13に格納される場合を例示したが、これはあくまで一例であり、そのデータ構造はリレーショナルデータベースに限定されない。例えば、XML(Extensible Markup Language)などのマークアップ言語によりタグ形式で記述されるデータであってもよいし、CSV(Comma-Separated Values)などのようにカンマや改行により記述されるデータであってもかまわない。
このような確定済み給与データ13C1及び未確定給与データ13C2が保存された状況の下、チェック対象データ取得部15Cは、支給年月および比較対象年月ごとに給与データ値を取得する。例えば、支給年月の給与データ値を取得する場合、チェック対象データ取得部15Cは、確定済み給与データ13C1及び未確定給与データ13C2のうち確定済み給与データ13C1から優先して給与データ値を取得する。すなわち、検索条件として指定された支給年月の給与データが確定済みである場合、チェック対象データ取得部15Cは、確定済み給与データ13C1を給与データ値の取得先に決定する。その一方で、検索条件として指定された支給年月の給与データが未確定である場合、チェック対象データ取得部15Cは、未確定給与データ13C2を給与データ値の取得先に決定する。なお、比較対象年月には、給与データが確定済みの年月が指定されるので、給与データ値の取得先は確定済み給与データ13C1に決定される。その後、チェック対象データ取得部15Cは、給与データ値の取得先として決定された給与データ13Cのうち、検索条件で指定された支給年月と、検索条件で指定された雇用形態区分、給与区分及び雇用状態区分と一致する従業員のレコードを検索する。その上で、チェック対象データ取得部15Cは、検索条件にヒットした従業員のレコードのうち、各チェック項目に対応する給与データ値を取得する。そして、チェック対象データ取得部15Cは、各チェック項目に対応する給与データ値をチェック対象データとしてクライアント端末50に表示させる。
例えば、図2に示す検索条件入力画面200を例に挙げれば、検索条件として、支給年月「2018年12月」および比較対象年月「2018年11月」などの時間条件が指定されると共に、雇用形態区分「役員」および雇用状態区分「退職」などの従業員の属性が指定されている。さらに、チェックパターン決定部15Bにより取得されたチェックパターン「役職者チェック」および「退職者チェック」に基づいてチェック項目「役付手当」、「地域手当」、「営業手当」、「本給」及び「職能給」がチェック対象データ取得部15Cにより取得される。
この場合、支給年月「2018年12月」の給与データは未確定である。すなわち、確定済み給与データ13C1の給与データ値がブランクであり、確定済み給与データ13C1から給与データ値を取得することができない。このため、支給年月「2018年12月」の給与データ値の取得先は、未確定給与データ13C2に決定される。このように給与データ値の取得先として決定された未確定給与データ13C2のうち、図2に示す検索条件入力画面200で検索条件として指定された支給年月「2018年12月」と一致し、かつ検索条件として指定された雇用形態区分「役員」、給与区分「すべて」及び雇用状態区分「退職」と一致する従業員のレコードが検索される。このとき、給与区分には「すべて」が指定されているので、給与区分に関する絞り込みは行われず、給与区分が「月給」、「日給」あるいは「時間給」であっても検索にヒットする。図6に示す未確定給与データ13C2には、支給年月「2018年12月」と一致し、かつ雇用形態区分「役員」及び雇用状態区分「退職」と一致するフィールドが反転表示で示されている。このような反転表示が行われたフィールドを含む従業員「富士一郎」及び「富士五郎」のレコードが検索にヒットする。その上で、検索条件にヒットした従業員「富士一郎」及び「富士五郎」のレコードのうち、チェック項目「役付手当」、「地域手当」、「営業手当」、「本給」及び「職能給」に対応する給与データ値、すなわち図6に点模様の網掛けで表示された箇所のデータ値が取得される。例えば、従業員「富士一郎」の場合、役付手当「200000」、地域手当「5000」、営業手当「0」、本給「98000」及び職能給「120000」が取得される。また、従業員「富士五郎」の場合、役付手当「100000」、地域手当「0」、営業手当「0」、本給「102000」及び職能給「126500」が取得される。
一方、比較対象年月には、給与データが確定済みの年月が指定される。このため、比較対象年月「2018年11月」の給与データ値の取得先は確定済み給与データ13C1に決定される。このように給与データ値の取得先として決定された確定済み給与データ13C1のうち、図2に示す検索条件入力画面200で検索条件として指定された比較対象年月「2018年11月」と一致し、かつ検索条件として指定された雇用形態区分「役員」、給与区分「すべて」及び雇用状態区分「退職」と一致する従業員のレコードが検索される。このとき、給与区分には「すべて」が指定されているので、給与区分に関する絞り込みは行われず、給与区分が「月給」、「日給」あるいは「時間給」であっても検索にヒットする。図5に示す確定済み給与データ13C1には、比較対象年月「2018年11月」と一致し、かつ雇用形態区分「役員」及び雇用状態区分「退職」と一致するフィールドが反転表示で示されている。このような反転表示が行われたフィールドを含む従業員「富士一郎」及び「富士五郎」のレコードが検索にヒットする。その上で、検索条件にヒットした従業員「富士一郎」及び「富士五郎」のレコードのうち、チェック項目「役付手当」、「地域手当」、「営業手当」、「本給」及び「職能給」に対応する給与データ値、すなわち図5に点模様の網掛けで表示された箇所のデータ値が取得される。例えば、従業員「富士一郎」の場合、役付手当「200000」、地域手当「0」、営業手当「0」、本給「98000」及び職能給「120000」が取得される。また、従業員「富士五郎」の場合、役付手当「100000」、地域手当「0」、営業手当「0」、本給「102000」及び職能給「126500」が取得される。
このように取得された従業員「富士一郎」及び「富士五郎」のチェック項目ごとに、支給年月「2018年12月」及び比較対象年月「2018年11月」の給与データ値が比較可能に並べられた比較結果一覧画面がチェック対象データとして表示される。
[比較結果一覧画面]
図7は、比較結果一覧画面の一例を示す図である。図7には、図2に示す検索条件入力画面200で指定された検索条件に基づく給与データの検索結果としてクライアント端末50に表示される画面例が示されている。図7に示すように、比較結果一覧画面400では、従業員「富士一郎」及び「富士五郎」に関する給与データのレコードのうちチェック項目「役付手当」、「地域手当」、「営業手当」、「本給」及び「職能給」に対応する給与データ値が表示される。
この結果、あくまで一例として、図5や図6に示す給与データ13Cの例で言えば、本給、職能給、役付手当、地域手当、営業手当、扶養手当、住宅手当、普通残業手当、深夜残業手当、休日残業手当、事故欠勤控除、病気欠勤控除、生命保険料および損害保険料を含む計14個の給与データのデータ項目のうち、役付手当、地域手当、営業手当、本給及び職能給の計5個のチェック項目にまで表示させるデータ項目を絞り込むことができる。それ故、他の作業者によりチェック対象とされるデータ項目の表示によって作業者がチェック対象とするデータ項目の確認が妨げられる事態を抑制できる。
さらに、比較結果一覧画面400では、支給年月「2018年12月」における給与データ値と、比較対象年月「2018年11月」における給与データ値とがチェック項目ごとに上下に並べて表示される。このように、支給年月の給与データ値および比較対象年月の給与データ値を並べて表示させることで、支給年月の給与データ値および比較対象年月の給与データ値が比較可能となる。
これら支給年月および比較対象年月間の給与データ値の比較表示によって、次のような気付きや示唆を作業者に与えることが可能となる。例えば、支給年月および比較対象年月間で給与データ値の変化があるチェック項目や給与データ値の変化が大きいチェック項目に不審な点がないかどうかのチェックが可能になる。図7に示す比較結果一覧画面400の例で言えば、従業員「富士一郎」のチェック項目「地域手当」は、比較対象年月「2018年11月」では0円であったのが、支給年月「2018年12月」では5000円となっている。これを確認する作業者は、退職者である富士一郎の地域手当に変化があるのは不自然であるので、未確定である支給年月の地域手当の計算に疑義があるといった分析が可能である。
この通り、支給年月および比較対象年月間の給与データ値の比較表示が可能である他、比較結果一覧画面400では、各チェック項目の給与データ値に対する編集操作、例えばテンキー、ソフトウェアキーボードあるいは音声認識を用いた数値入力を受け付けることができる。この他、確定ボタン400Bを介して、表示中の従業員に関する給与データ値の確定操作を受け付けたり、閉じるボタン400Cを介して、比較結果一覧画面400のウィンドウを閉じる操作を受け付けたりすることもできる。
また、チェックパターンの修正ボタン400Aを介して、チェックパターンの修正を受け付けることもできる。あくまで一例として、チェックパターンの修正ボタン400Aが押下操作された場合、図8に示すチェックパターン修正画面500がクライアント端末50に表示される。このチェックパターン修正画面500は、比較結果一覧画面400の表示から遷移して表示させることとしてもよいし、比較結果一覧画面400とは別のウィンドウとして表示させることとしてもかまわない。
[チェックパターン修正画面]
図8は、チェックパターン修正画面の一例を示す図である。図8には、図7に示された比較結果一覧画面400上のチェックパターンの修正ボタン400Aの押下操作により呼び出されるチェックパターン修正画面500が示されている。図8に示すように、チェックパターン修正画面500には、表示エリア501と、表示エリア502と、表示エリア503との3つの表示エリアが含まれている。
このうち、表示エリア501には、図2に示す検索条件入力画面200で指定された検索条件に基づいてチェックパターン決定部15Bにより取得されたチェックパターンが表示される。例えば、図8に示す表示エリア501の例で言えば、チェックパターンとして、「役職者チェック」及び「退職者チェック」が表示される。
また、表示エリア502には、表示エリア501で選択中であるチェックパターンに設定されているチェック項目が表示される。例えば、表示エリア501に表示された「役職者チェック」及び「退職者チェック」のうち「退職者チェック」が選択中であるとしたとき、チェック項目として、「本給」および「職能給」が表示される。
また、表示エリア503には、給与データに含まれるデータ項目の一覧が表示される。以下、給与データに含まれるデータ項目のことを「給与データ項目」と表記する場合がある。例えば、図8に示す表示エリア503の例で言えば、「本給」、「職能給」、「役付手当」、「地域手当」、「営業手当」、「普通残業手当」、「深夜残業手当」、「休日残業手当」、「事故欠勤控除」、「病気欠勤控除」などの給与データ項目が表示される。
これらチェックパターン、チェック項目又は給与データ項目などのアイテムは、必ずしも表示エリア501、502又は503内に収まるとは限らない。その場合、スクロールバー510、520又は530上のつまみ510N、520N又は530N、もしくはアロー510U、510D、520U、520D、530U又は530Dなどの操作を介して、アイテム全体のうち表示エリア501、502又は503に表示させる部分を操作させることができる。
このようなチェックパターン修正画面500を介して、チェックパターンの修正操作を受け付けることができる。例えば、表示エリア503に表示された給与データ項目のうち1又は複数の給与データ項目が選択された状態で追加ボタン540の押下操作を受け付けた場合、表示エリア503で選択中の給与データ項目を表示エリア502に追加する。また、すべてボタン550の押下操作を受け付けた場合、すべての給与データ項目を表示エリア502に追加する。また、表示エリア502に表示されたチェック項目のうち1又は複数のチェック項目が選択された状態で削除ボタン560の押下操作を受け付けた場合、表示エリア502で選択中のチェック項目を表示エリア502から削除する。また、すべてボタン570の押下操作を受け付けた場合、すべてのチェック項目を表示エリア502から削除する。これら追加ボタン540、すべてボタン550、削除ボタン560又はすべてボタン570を介して表示エリア502のチェック項目が編集された状態で設定ボタン580の押下操作を受け付けた場合、チェック項目データ13Bに含まれるチェックパターンのうち、表示エリア501で選択中のチェックパターンに対応するチェック項目が表示エリア502に表示中のチェック項目に修正される。なお、閉じるボタン590の押下操作を受け付けた場合、チェックパターン修正画面500のウィンドウが閉じられる。
給与データ更新部15Dは、給与データを更新する処理部である。
あくまで一例として、給与データ更新部15Dは、チェック対象データの表示時に支給年月の給与データ値に対する編集操作を受け付けた場合、未確定給与データ13C2のうち編集操作が行われた従業員及びチェック項目に対応するデータ項目が有する給与データ値を編集操作の受付後の給与データ値に更新する。
他の一例として、給与データ更新部15Dは、チェック対象データの表示時に給与データの確定操作、例えば比較結果一覧画面400上で確定ボタン400Bの押下操作を受け付けた場合、未確定給与データ13C2のうち比較結果一覧画面400に表示された従業員に対応するレコード全体の給与データ値、あるいは各チェック項目の給与データ値を確定済み給与データ13C1へ複写または移行する。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係るサーバ装置10の処理の流れについて説明する。図9は、実施例1に係るサーバ装置10の全体処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、あくまで一例として、クライアント端末50に表示されたメニュー画面上で「給与データチェック」のアイコンなどの押下操作を受け付けた場合などに開始される。
図9に示すように、チェック条件受付部15Aは、図2に例示する検索条件入力画面等をクライアント端末50に表示させることにより、給与データの検索条件をチェック条件の一例として受け付ける(ステップS101)。
続いて、チェックパターン決定部15Bは、記憶部13に記憶されたチェックパターンデータ13Aに設定されたチェックパターンのうち、ステップS101で受け付けられた検索条件に対応するチェックパターンを取得する「チェックパターン取得処理」を実行する(ステップS102)。
ここで、ステップS102で実行されるチェックパターン取得処理について説明する。図10は、実施例1に係るチェックパターン取得処理の手順を示すフローチャートである。図10に示すように、チェックパターン決定部15Bは、ステップS101で検索条件として指定された雇用形態の区分の条件に対応するチェックパターンをチェックパターンデータ13Aから取得する(ステップS1021)。
また、チェックパターン決定部15Bは、ステップS101で検索条件として指定された給与の区分の条件に対応するチェックパターンをチェックパターンデータ13Aから取得する(ステップS1022)。
また、チェックパターン決定部15Bは、ステップS101で検索条件として指定された雇用状態の区分の条件に対応するチェックパターンをチェックパターンデータ13Aから取得する(ステップS1023)。
これらステップS1021からステップS1023までの処理が実行された後、図9に示すステップS103の処理へ移行する。なお、ステップS1021からステップS1023までの処理は、図10に示す順序から順序を変更して実行することとしてもよいし、また、並列に実行することとしてもよい。これらの場合でも処理の内容に変更はない。
図9の説明に戻り、チェック対象データ取得部15Cは、ステップS102で取得されたチェックパターンに対応するチェック項目が有する給与データ値を取得する「チェック対象データ取得処理」を実行する(ステップS103)。
ここで、ステップS103で実行されるチェック対象データ取得処理について説明する。図11は、実施例1に係るチェック対象データ取得処理の手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、チェック対象データ取得部15Cは、記憶部13に記憶されたチェック項目データ13Bに設定されたチェック項目のうち、ステップS102で取得されたチェックパターンに対応するすべてのチェック項目を取得する(ステップS1031)。
その上で、チェック対象データ取得部15Cは、ステップS101で検索条件として指定された支給年月と、検索条件で指定された雇用形態区分、給与区分及び雇用状態区分と一致する従業員に関する給与データ13Cのレコードのうち、ステップS1031で取得されたチェック項目に対応する給与データ値を取得する(ステップS1032)。
これらステップS1031からステップS1032までの処理が実行された後、図9に示すステップS104の処理へ移行する。
図9の説明に戻り、チェック対象データ取得部15Cは、ステップS103で取得されたチェック項目ごとに、支給年月および比較対象年月の給与データ値を並べた比較結果一覧画面をチェック対象データとしてクライアント端末50に表示させる(ステップS104)。
その後、チェック対象データの表示時に支給年月の給与データ値に対する編集操作を受け付けた場合(ステップS105Yes)、給与データ更新部15Dは、未確定給与データ13C2のうち編集操作が行われた従業員及びチェック項目に対応するデータ項目の給与データ値を編集操作の受付後の給与データ値に更新する(ステップS106)。
また、チェック対象データの表示時に給与データの確定操作を受け付けた場合(ステップS107Yes)、給与データ更新部15Dは、未確定給与データ13C2のうち指定の検索条件で絞り込まれた従業員のレコード全体の給与データ値を確定済み給与データ13C1へ複写または移行する(ステップS108)。
そして、チェック対象データの表示画面で確認の終了操作、例えば比較結果一覧画面上の閉じるボタン400Cの押下操作が行われるまで(ステップS109No)、上記のステップS105から上記のステップS108までの処理が繰り返し実行される。その後、チェック対象データの表示画面で確認の終了操作が行われた場合(ステップS109Yes)、処理が終了される。
[実施例1の効果の一側面]
上述してきたように、本実施例に係るサーバ装置10では、クライアント端末50により指定されるチェック条件からチェックパターンを決定し、従業員の給与データのデータ項目のうちチェックパターンで定められた1以上のデータ項目に関するデータ値を表示する。この結果、他の作業者によりチェック対象とされるデータ項目の表示によって作業者がチェック対象とするデータ項目の確認が妨げられる事態が抑制される結果、担当者がチェック対象とするデータ項目の確認漏れや誤認などのチェックミスが発生するのも抑制できる。したがって、本実施例に係るサーバ装置10によれば、従業員の給与データのチェックミスを抑制することが可能である。
さらに、本実施例に係るサーバ装置10では、クライアント端末50により複数のチェック条件が指定された場合は、指定されたチェック条件それぞれからチェックパターンを決定し、従業員の給与データのデータ項目のうちチェックパターンで定められた1以上のデータ項目に関するデータ値を表示する。この結果、作業者がチェック対象とするデータ項目を作業者の担務する対象に応じて変更することができる。したがって、本実施例に係るサーバ装置10によれば、作業者の担務する対象に応じた従業員の給与データのチェックを行わせることが可能である。
さて、上記の実施例1では、クライアント端末50により指定される検索条件からチェックパターンを決定する例を説明したが、これはあくまで一例に過ぎず、上記の実施例1で説明したチェックパターンの決定方法に限定されない。そこで、本実施例では、チェックパターンの決定方法の他の一例として、作業者の属性に応じてチェックパターンを決定する例を説明する。
図12は、実施例2に係るサーバ装置20の機能的構成の一例を示すブロック図である。図12に示す業務システム2には、作業者の属性に応じてチェックパターンを決定する機能が図1に示すサーバ装置10に追加されたサーバ装置20が含まれる。
図12に示すサーバ装置20は、図1に示すサーバ装置10に比べて、チェックパターン決定部15Bと処理内容の一部が異なるチェックパターン決定部25Aと、チェック対象データ取得部15Cと処理内容の一部が異なるチェック対象データ取得部25Bとを制御部25が有する点で異なる。さらに、図12に示すサーバ装置20は、図1に示すサーバ装置10に比べて、属性チェックパターンデータ23Aが記憶部23に記憶されると共に、チェック項目データ13Bの代わりにチェック項目データ23Bが記憶部23に記憶される点で異なる。なお、図12には、図1に示すサーバ装置10と同一の機能を有する機能部には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
チェックパターン決定部25Aは、図1に示すチェックパターン決定部15Bに比べて、雇用形態の条件、給与区分の条件および雇用状態の条件に対応するチェックパターンをチェックパターン13Aから取得する点で共通する。このような共通点がある一方で、チェックパターン決定部25Aは、作業者の属性に対応する属性チェックパターンを属性チェックパターンデータ23Aからさらに取得する点で図1に示すチェックパターン決定部15Bと異なる。
あくまで一例として、チェックパターン決定部25Aは、記憶部23に記憶された属性チェックパターンデータ23Aに設定された属性チェックパターンのうち、クライアント端末50のユーザである作業者に対応する属性チェックパターンを取得する。このとき、チェックパターン決定部25Aは、上記の業務支援サービスにログイン中のアカウントからクライアント端末50のユーザである作業者を識別することができる。
[属性チェックパターンデータ23A]
図13は、属性チェックパターンデータ23Aの一例を示す図である。図3に示すように、属性チェックパターンデータ23Aには、作業者名および属性チェックパターンなどの項目が対応付けられたデータを採用できる。ここで言う「作業者名」とは、作業者の氏名を指す。また、「属性チェックパターン」とは、作業者の属性に基づいて設定されるチェックパターンを指す。ここでは、作業者の属性のあくまで一例として、作業者の氏名を例示するが、部門コードや社員コードなどの他の属性であってもかまわない。
例えば、図13に示す属性チェックパターンデータ23Aの例で言えば、作業者名「富士六郎」には、属性チェックパターン「基準内賃金担当」が対応付けられており、また、作業者名「富士七郎」には、属性チェックパターン「固定変動手当担当」が対応付けられており、また、作業者名「富士八郎」には、属性チェックパターン「残業手当担当」が対応付けられていることをコンピュータに認識させることができる。
このような属性チェックパターンデータ23Aを参照先とし、チェックパターン決定部25Aは、クライアント端末50のユーザである作業者に対応する属性チェックパターンを取得する。
例えば、図2に示された検索条件入力画面200を介して検索条件を入力するクライアント端末50のユーザが作業者名「富士八郎」であるとしたとき、チェックパターン決定部25Aは、図13に網掛けで示された通り、属性チェックパターンデータ23Aに含まれる属性チェックパターンのうち作業者名「富士八郎」に対応する属性チェックパターン「残業手当担当」を取得する。
チェック対象データ取得部25Bは、図1に示すチェック対象データ取得部15Cに比べて、チェックパターン決定部25Aにより取得されたチェックパターンに対応するチェック項目を取得する点で共通する。このような共通点がある一方で、チェック対象データ取得部25Bは、チェックパターン決定部25Aにより取得された属性チェックパターンに対応するチェック項目をさらに取得する点で図1に示すチェック対象データ取得部15Cと異なる。
[チェック項目データ23B]
ここで、チェック項目データ23Bには、図4に示されたチェック項目データ13Bに加えて、図14に示すチェック項目データ23B2がさらに含まれる。図14は、チェック項目データ23B2の一例を示す図である。図14に示すように、チェック項目データ23B2には、属性チェックパターンおよびチェック項目などの項目が対応付けられたデータを採用できる。
例えば、図14に示すチェック項目データ23B2の例で言えば、属性チェックパターンの例として、基準内賃金担当、固定変動手当担当、残業手当担当などといった属性チェックパターンが抜粋して示されている。例えば、チェック項目データ23B2によれば、属性チェックパターン「基準内賃金担当」のチェック項目として、給与データに含まれるデータ項目のうち「本給」および「職能給」が設定されていることをコンピュータに認識させることができる。また、チェック項目データ23B2によれば、属性チェックパターン「固定変動手当担当」のチェック項目として、給与データに含まれるデータ項目のうち「役付手当」、「地域手当」および「営業手当」が設定されていることをコンピュータに認識させることができる。また、チェック項目データ23B2によれば、属性チェックパターン「残業手当担当」のチェック項目として、給与データに含まれるデータ項目のうち「普通残業手当」、「深夜残業手当」および「休日残業手当」が設定されていることをコンピュータに認識させることができる。
あくまで一例として、チェックパターン決定部25Aにより属性チェックパターン「残業手当担当」が取得されたとしたとき、次のような動作となる。すなわち、図14に網掛けで示された通り、チェック対象データ取得部25Bは、チェック項目データ23B2に含まれるチェック項目のうち、属性チェックパターン「残業手当担当」に対応するチェック項目「普通残業手当」、「深夜残業手当」及び「休日残業手当」を取得する。
このように、チェック対象データ取得部25Bでは、図1に示すチェック対象データ取得部15Cに比べて、属性チェックパターンに対応するチェック項目がさらに取得される。これに伴って、クライアント端末50に表示される内容も、図7に示された比較結果一覧画面400から変化する。
ここで、本実施例においても、上記の実施例1と同様の検索条件、すなわち比較結果一覧画面400の生成時に用いた検索条件と同様の検索条件としたとき、支給年月「2018年12月」の給与データの検索結果は次の通りとなる。
すなわち、図6に示された未確定給与データ13C2のうち、検索条件として指定された支給年月「2018年12月」と一致し、かつ検索条件として指定された雇用形態区分「役員」、給与区分「すべて」及び雇用状態区分「退職」と一致する従業員のレコードが検索される。これによって、図6で反転表示が行われたフィールドを含む従業員「富士一郎」及び「富士五郎」のレコードが検索にヒットする。
これまでの動作は、上記の実施例1で説明した比較結果一覧画面400の生成時と変わりないが、ここからの動作が比較結果一覧画面400の生成時と相違する。すなわち、検索条件にヒットした従業員「富士一郎」及び「富士五郎」のレコードのうち、チェック項目「役付手当」、「地域手当」、「営業手当」、「本給」及び「職能給」に対応する給与データ値、すなわち図6に点模様の網掛けで表示された箇所のデータ値に加えて、チェック項目「普通残業手当」、「深夜残業手当」及び「休日残業手当」に対応する給与データ値、すなわち図6に斜線の網掛けで表示された箇所のデータ値がさらに取得される。
例えば、従業員「富士一郎」の場合、役付手当「200000」、地域手当「5000」、営業手当「0」、本給「98000」、職能給「120000」、普通残業手当「0」、深夜残業手当「0」及び休日残業手当「0」が取得される。また、従業員「富士五郎」の場合、役付手当「100000」、地域手当「0」、営業手当「0」、本給「102000」、職能給「126500」、普通残業手当「15000」、深夜残業手当「3800」及び休日残業手当「34000」が取得される。
一方、比較対象年月「2018年11月」の給与データの検索結果は次の通りとなる。すなわち、図5に示された確定済み給与データ13C1のうち、検索条件として指定された比較対象年月「2018年11月」と一致し、かつ検索条件として指定された雇用形態区分「役員」、給与区分「すべて」及び雇用状態区分「退職」と一致する従業員のレコードが検索される。これによって、図5で反転表示が行われたフィールドを含む従業員「富士一郎」及び「富士五郎」のレコードが検索にヒットする。
これまでの動作は、比較結果一覧画面400の生成時と変わりないが、ここからの動作が比較結果一覧画面400の生成時と相違する。すなわち、検索条件にヒットした従業員「富士一郎」及び「富士五郎」のレコードのうち、チェック項目「役付手当」、「地域手当」、「営業手当」、「本給」及び「職能給」に対応する給与データ値、すなわち図5に点模様の網掛けで表示された箇所のデータ値に加えて、チェック項目「普通残業手当」、「深夜残業手当」及び「休日残業手当」に対応する給与データ値、すなわち図5に斜線の網掛けで表示された箇所のデータ値がさらに取得される。
例えば、従業員「富士一郎」の場合、役付手当「200000」、地域手当「0」、営業手当「0」、本給「98000」、職能給「120000」、普通残業手当「0」、深夜残業手当「0」及び休日残業手当「0」が取得される。また、従業員「富士五郎」の場合、役付手当「100000」、地域手当「0」、営業手当「0」、本給「102000」、職能給「126500」、普通残業手当「0」、深夜残業手当「0」及び休日残業手当「0」が取得される。
この結果、図15に示す比較結果一覧画面410がクライアント端末50に表示されることになる。図15は、比較結果一覧画面の一例を示す図である。図15に示す比較結果一覧画面410では、図7に示された比較結果一覧画面400に比べて、チェック項目「普通残業手当」、「深夜残業手当」及び「休日残業手当」に対応する給与データ値がさらに表示される点で異なる。これによって、作業者「富士八郎」がチェックを担当する給与データ項目が自動的に含まれることになるので、比較結果一覧画面410の表示に作業者「富士八郎」のチェック項目の漏れが発生する事態を抑制することが可能になる。
さらに、比較結果一覧画面410では、チェック項目「普通残業手当」、「深夜残業手当」及び「休日残業手当」ごとに、支給年月「2018年12月」における給与データ値と、比較対象年月「2018年11月」における給与データ値とが上下に並べて表示される。これによって、従業員「富士五郎」のチェック項目「普通残業手当」、「深夜残業手当」及び「休日残業手当」は、比較対象年月「2018年11月」では0円であったのが、支給年月「2018年12月」で唐突に15000円、3800円、34000円と計上されている。これを確認する作業者は、退職者である富士五郎の手当全般に変化があるのは不自然であるので、未確定である支給年月の各種手当の計算に疑義があるといった分析が可能である。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係るサーバ装置20の処理の流れについて説明する。ここで、本実施例に係るサーバ装置20の全体処理と、上記の実施例1に係るサーバ装置10の全体処理とは共通し、チェックパターン取得処理およびチェック対象データ取得処理の一部が異なる。このことから、以下では、差分があるチェックパターン取得処理およびチェック対象データ取得処理に絞って説明を行うこととする。
図16は、実施例2に係るチェックパターン取得処理の手順を示すフローチャートである。図16に示すチェックパターン取得処理も、図9に示すステップS102の処理として実行される。ここで、図16に示すチェックパターン取得処理は、図10に示されたチェックパターン取得処理に比べて、ステップS1024の処理がさらに実行される点で異なる。
図16に示すように、チェックパターン決定部25Aは、ステップS101で検索条件として指定された雇用形態の区分の条件に対応するチェックパターンをチェックパターンデータ13Aから取得する(ステップS1021)。
また、チェックパターン決定部25Aは、ステップS101で検索条件として指定された給与の区分の条件に対応するチェックパターンをチェックパターンデータ13Aから取得する(ステップS1022)。
また、チェックパターン決定部25Aは、ステップS101で検索条件として指定された雇用状態の区分の条件に対応するチェックパターンをチェックパターンデータ13Aから取得する(ステップS1023)。
さらに、チェックパターン決定部25Aは、クライアント端末50のユーザである作業者に対応する属性チェックパターンを属性チェックパターンデータ23Aから取得する(ステップS1024)。
これらステップS1021からステップS1024までの処理が実行された後、図9に示すステップS103の処理へ移行する。なお、ステップS1021からステップS1024までの処理は、図16に示す順序から順序を変更して実行することとしてもよいし、また、並列に実行することとしてもよい。これらの場合でも処理の内容に変更はない。
図17は、実施例2に係るチェック対象データ取得処理の手順を示すフローチャートである。図17に示すチェック対象データ取得処理も、図9に示すステップS103の処理として実行される。ここで、図17に示すチェック対象データ取得処理は、図11に示されたチェック対象データ取得処理に比べて、ステップS10311の処理がさらに実行される点で異なる。
図17に示すように、チェック対象データ取得部25Bは、チェック項目データ13Bに設定されたチェック項目のうち、ステップS102で取得されたチェックパターンに対応するすべてのチェック項目を取得する(ステップS1031)。
さらに、チェック対象データ取得部25Bは、チェック項目データ23B2に設定されたチェック項目のうち、ステップS102で取得された属性チェックパターンに対応するすべてのチェック項目を取得する(ステップS10311)。
その上で、チェック対象データ取得部25Bは、ステップS101で検索条件として指定された支給年月と、検索条件で指定された雇用形態区分、給与区分及び雇用状態区分と一致する従業員に関する給与データ13Cのレコードのうち、ステップS1031およびステップS10311で取得されたチェック項目に対応する給与データ値を取得する(ステップS1032)。
これらステップS1031からステップS1032までの処理が実行された後、図9に示すステップS104の処理へ移行する。
[実施例2の効果の一側面]
上述してきたように、本実施例に係るサーバ装置20では、上記の実施例1に係るサーバ装置10と同様、クライアント端末50により指定されるチェック条件からチェックパターンを決定し、従業員の給与データのデータ項目のうちチェックパターンで定められた1以上のデータ項目に関するデータ値を表示する。したがって、本実施例に係るサーバ装置20によれば、従業員データのチェックミスを抑制することが可能である。
さらに、本実施例に係るサーバ装置20では、作業者の属性に応じてチェックパターンを決定する。したがって、本実施例に係るサーバ装置20によれば、作業者がチェックを担当する給与データ項目が自動的に含まれることになるので、チェック対象データの表示に作業者のチェック項目の漏れが発生する事態を抑制することが可能である。
なお、本実施例では、チェックパターンに対応するチェック項目を取得すると共に、属性チェックパターンに対応するチェック項目を取得する例を挙げたが、チェックパターンに対応するチェック項目を取得する代わりに、属性チェックパターンに対応するチェック項目だけを取得することもできる。この場合、チェックパターンデータ13Aやチェック項目データ13Bは必ずしも記憶部23に記憶されずともかまわない。
さて、本実施例では、上記の実施例1や上記の実施例2に更なる追加を行うことができる機能、例えば給与データ値の編集時における関連項目の表示、及び、チェックパターンの修正補助等について例示する。
図18は、実施例3に係るサーバ装置30の機能的構成の一例を示すブロック図である。図18に示す業務システム3には、給与データ値の編集時における関連項目の表示、及び、チェックパターンの修正補助に関する機能が図12に示すサーバ装置20に追加されたサーバ装置30が含まれる。
図18に示すサーバ装置30は、図12に示すサーバ装置20に比べて、関連項目抽出部35A及びチェックパターン修正部35Bを制御部35がさらに有する他、給与データ更新部15Dと処理内容の一部が異なる給与データ更新部35Cを制御部35が有する点で異なる。さらに、図18に示すサーバ装置30は、図12に示すサーバ装置20に比べて、関連項目データ33Aが記憶部33に記憶される点で異なる。なお、図18には、図12に示すサーバ装置20と同一の機能を有する機能部には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
関連項目抽出部35Aは、給与データ値の編集時に編集が行われたチェック項目に関連する関連項目を抽出する処理部である。
あくまで一例として、関連項目抽出部35Aは、比較結果一覧画面410上で支給年月の給与データ値に対する編集操作を受け付けた場合、記憶部33に記憶された関連項目データ33Aから編集が行われたチェック項目に対応する関連項目を抽出する。
[関連項目データ33A]
図19は、関連項目データ33Aの一例を示す図である。図19に示すように、関連項目データ33Aには、項目グループと、関連項目1〜関連項目4となどの項目が対応付けられたデータを採用できる。ここで言う「項目グループ」とは、給与データ項目のグループを指す。また、「関連項目1」〜「関連項目4」とは、項目グループを構成する給与データ項目の要素を指す。なお、図19には、1つの項目グループにつき最大で4つの給与データ項目が関連付けられる例を挙げるが、これはあくまで一例であり、1つの項目グループにつき5つ以上の給与データ項目が関連付けられることとしてもかまわない。
例えば、図19に示す関連項目データ33Aの例で言えば、項目グループ「基準内賃金」には、関連項目として、「本給」および「職能給」などの給与データ項目が含まれることをコンピュータに認識させることができる。さらに、項目グループ「残業手当」には、関連項目として、「普通残業手当」、「深夜残業手当」および「休日残業手当」などの給与データ項目が含まれることをコンピュータに認識させることができる。さらに、項目グループ「各種手当」には、関連項目として、「扶養手当」、「住宅手当」、「役付手当」および「地域手当」などの給与データ項目が含まれることをコンピュータに認識させることができる。さらに、項目グループ「保険控除」には、関連項目として、「生命保険料」および「損害保険料」などの給与データ項目が含まれることをコンピュータに認識させることができる。
あくまで一例として、図15に示す比較結果一覧画面410において退職者である富士一郎の地域手当が比較対象年月である前月から変化している給与計算に疑義を持った作業者により編集操作が行われる事例について想定する。例えば、比較結果一覧画面410で従業員「富士一郎」の支給年月「2018年12月」のチェック項目「地域手当」に対応する給与データ値、すなわち図15に網掛けで示された箇所が5000円から0円へ編集される。この場合、関連項目抽出部35Aは、関連項目データ33Aに含まれる関連項目のうち、編集が行われたチェック項目「地域手当」と同一の項目グループ、すなわち図19に網掛けで示された箇所に属する関連項目「扶養手当」、「住宅手当」および「役付手当」を抽出する。
このように、関連項目「扶養手当」、「住宅手当」および「役付手当」が抽出された場合、関連項目「扶養手当」、「住宅手当」および「役付手当」に対応する給与データ値がチェック対象データ取得部25Bにより取得される。
ここで、本実施例においても、上記の実施例2と同様の検索条件、すなわち比較結果一覧画面410の生成時に用いる検索条件と同様の検索条件としたとき、支給年月「2018年12月」の給与データの検索結果は次の通りとなる。
すなわち、図6に示された未確定給与データ13C2のうち、検索条件として指定された支給年月「2018年12月」と一致し、かつ検索条件として指定された雇用形態区分「役員」、給与区分「すべて」及び雇用状態区分「退職」と一致する従業員のレコードが検索される。これによって、図6で反転表示が行われたフィールドを含む従業員「富士一郎」及び「富士五郎」のレコードが検索にヒットする。
これまでの動作は、上記の実施例2で説明した比較結果一覧画面410の生成時と変わりないが、ここからの動作が比較結果一覧画面410の生成時と相違する。すなわち、検索条件にヒットした従業員「富士一郎」及び「富士五郎」のレコードのうち、チェック項目「役付手当」、「地域手当」、「営業手当」、「本給」、「職能給」、「普通残業手当」、「深夜残業手当」及び「休日残業手当」に対応する給与データ値、すなわち図6に点模様および斜線の網掛けで表示された箇所のデータ値に加えて、関連項目「扶養手当」、「住宅手当」および「役付手当」に対応する給与データ値、すなわち図6に横線の網掛けで表示された箇所のデータ値がさらに取得される。なお、ここでは、役付手当については給与データ値の取得が重複しているので、一方の給与データ値の取得だけが実行されればよい。
例えば、従業員「富士一郎」の場合、役付手当「200000」、地域手当「0」、営業手当「0」、本給「98000」、職能給「120000」、普通残業手当「0」、深夜残業手当「0」、休日残業手当「0」、扶養手当「0」及び住宅手当「0」が取得される。また、従業員「富士五郎」の場合、役付手当「100000」、地域手当「0」、営業手当「0」、本給「102000」、職能給「126500」、普通残業手当「15000」、深夜残業手当「3800」、休日残業手当「34000」、扶養手当「0」及び住宅手当「0」が取得される。
一方、比較対象年月「2018年11月」の給与データの検索結果は次の通りとなる。すなわち、図5に示された確定済み給与データ13C1のうち、検索条件として指定された比較対象年月「2018年11月」と一致し、かつ検索条件として指定された雇用形態区分「役員」、給与区分「すべて」及び雇用状態区分「退職」と一致する従業員のレコードが検索される。これによって、図5で反転表示が行われたフィールドを含む従業員「富士一郎」及び「富士五郎」のレコードが検索にヒットする。
これまでの動作は、上記の実施例2で説明した比較結果一覧画面410の生成時と変わりないが、ここからの動作が比較結果一覧画面410の生成時と相違する。すなわち、検索条件にヒットした従業員「富士一郎」及び「富士五郎」のレコードのうち、チェック項目「役付手当」、「地域手当」、「営業手当」、「本給」、「職能給」、「普通残業手当」、「深夜残業手当」及び「休日残業手当」に対応する給与データ値、すなわち図5に点模様および斜線の網掛けで表示された箇所のデータ値に加えて、関連項目「扶養手当」、「住宅手当」および「役付手当」に対応する給与データ値、すなわち図5に横線の網掛けで表示された箇所のデータ値がさらに取得される。なお、ここでは、役付手当については給与データ値の取得が重複しているので、一方の給与データ値の取得だけが実行されればよい。
例えば、従業員「富士一郎」の場合、役付手当「200000」、地域手当「0」、営業手当「0」、本給「98000」、職能給「120000」、普通残業手当「0」、深夜残業手当「0」、休日残業手当「0」、扶養手当「0」及び住宅手当「0」が取得される。また、従業員「富士五郎」の場合、役付手当「100000」、地域手当「0」、営業手当「0」、本給「102000」、職能給「126500」、普通残業手当「0」、深夜残業手当「0」、休日残業手当「0」、扶養手当「0」及び住宅手当「0」が取得される。
この結果、図20に示す比較結果一覧画面420がクライアント端末50に表示されることになる。図20は、比較結果一覧画面の一例を示す図である。図20に示す比較結果一覧画面420では、図15に示された比較結果一覧画面410に比べて、関連項目「扶養手当」及び「住宅手当」に対応する給与データ値がさらに表示される点で異なる。このように、給与データ値の修正の影響が他の給与データ項目に及ぶ場合に影響先の給与データ項目を関連項目として表示するので、影響先の給与データ項目の修正漏れを抑制できる。
チェックパターン修正部35Bは、チェックパターンを修正する処理部である。
あくまで一例として、チェックパターン修正部35Bは、チェック対象データの表示時に支給年月の給与データ値に対する編集操作を受け付けた場合、編集が行われた給与データ項目がチェック対象データの取得に用いたチェックパターンに設定されたチェック項目以外の給与データ項目であるか否かを監視する。例えば、チェック対象データの取得に用いたチェックパターンに設定されたチェック項目と関連項目とは必ずしも共通するとは限らない。そして、関連項目の中でも編集の実績がある関連項目は新たなチェック項目として追加する価値があると認められる。
このことから、編集が行われた給与データ項目がチェック項目以外の給与データ項目である場合、チェックパターン修正部35Bは、チェック対象データの取得に用いたチェックパターンのチェック項目として編集が行われた給与データ項目を追加するレコメンドを含むチェックパターン修正画面をクライアント端末50に表示させる。このように表示されたチェックパターン修正画面上で、チェックパターン修正部35Bは、チェックパターンの修正を受け付ける。なお、ここでは、編集が行われた給与データ項目をチェックパターンに追加するレコメンドの表示に留めたが、編集が行われた給与データ項目をチェックパターンに自動的に追加することとしてもかまわない。
給与データ更新部35Cは、図12に示す給与データ更新部15Dとの間で、未確定給与データ13C2を更新する場合の処理内容は共通する。このような共通点がある一方で、給与データ更新部35Cは、図12に示す給与データ更新部15Dとの間で、確定済み給与データ13C1を更新する場合の処理内容の一部が異なる。
例えば、給与データ更新部35Cは、チェック対象データの表示時に給与データの確定操作、例えば比較結果一覧画面410上で確定ボタン400Bの押下操作を受け付けた場合、未確定給与データ13C2のうち指定の検索条件にヒットした従業員の各チェック項目に対応する給与データ値を確定済み給与データ13C1へ複写または移行する。
あくまで一例として、クライアント端末50の表示が図15に示す比較結果一覧画面410から図20に示す比較結果一覧画面420へ遷移した後、比較結果一覧画面420上でチェック項目「普通残業手当」、「深夜残業手当」及び「休日残業手当」に対応する給与データ値がゼロに編集された上で確定ボタン400Bの押下操作が行われた場合を想定する。この場合、給与データ更新部35Cは、未確定給与データ13C2のうち比較結果一覧画面420に表示された従業員「富士一郎」及び「富士五郎」の各チェック項目に対応する給与データ値を確定済み給与データ13C1へ複写または移行する。すなわち、従業員「富士一郎」及び「富士五郎」の支給年月「2018年12月」の給与データ項目のうち、チェック項目「役付手当」、「地域手当」、「営業手当」、「本給」、「職能給」、「普通残業手当」、「深夜残業手当」、「休日残業手当」、「扶養手当」及び「住宅手当」に対応する給与データ値が未確定給与データ13C2から確定済み給与データ13C1へ複写または移行される。
これによって、図5に示された確定済み給与データ13C1は、図21に示す確定済み給与データ13C1へ更新される。図21は、確定済み給与データ13C1の一例を示す図である。図21に示すように、給与データの確定を実行する粒度をチェックパターンの単位まで小さくすることができる。例えば、従業員「富士一郎」及び「富士五郎」の支給年月「2018年12月」の全ての給与データ項目に対応する給与データ値を必ずしも確定せずともよくなる。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係るサーバ装置30の処理の流れについて説明する。ここで、本実施例に係るサーバ装置30および上記の実施例2に係るサーバ装置20の間では、全体処理の一部が異なる一方で、チェックパターン取得処理およびチェック対象データ取得処理は共通することから、以下では、差分がある全体処理に絞って説明を行うこととする。
図22は、実施例3に係るサーバ装置30の全体処理の手順を示すフローチャートである。図22に示す全体処理も、図9に示す全体処理と同様、あくまで一例として、クライアント端末50に表示されたメニュー画面上で「給与データチェック」のアイコンなどの押下操作を受け付けた場合などに開始される。
ここで、図22に示す全体処理は、図9に示された全体処理に比べて、ステップS106の処理およびステップS107の処理の間にステップS301からステップS305の処理がさらに挿入される点で異なる。
図22に示すように、チェック条件受付部15Aは、図2に例示する検索条件入力画面等をクライアント端末50に表示させることにより、給与データの検索条件をチェック条件の一例として受け付ける(ステップS101)。
続いて、チェックパターン決定部25Aは、記憶部33に記憶されたチェックパターンデータ13Aに設定されたチェックパターンのうち、ステップS101で受け付けられた検索条件に対応するチェックパターンを取得する「チェックパターン取得処理」を実行する(ステップS102)。
そして、チェック対象データ取得部25Bは、ステップS102で取得されたチェックパターンに対応するチェック項目が有する給与データ値を取得する「チェック対象データ取得処理」を実行する(ステップS103)。
続いて、チェック対象データ取得部25Bは、ステップS103で取得されたチェック項目ごとに、支給年月および比較対象年月の給与データ値を並べた比較結果一覧画面をチェック対象データとしてクライアント端末50に表示させる(ステップS104)。
その後、チェック対象データの表示時に支給年月の給与データ値に対する編集操作を受け付けた場合(ステップS105Yes)、給与データ更新部35Cは、未確定給与データ13C2のうち編集操作が行われた従業員及びチェック項目に対応するデータ項目の給与データ値を編集操作の受付後の給与データ値に更新する(ステップS106)。
続いて、関連項目抽出部35Aは、記憶部33に記憶された関連項目データ33Aから編集が行われたチェック項目に対応する関連項目を抽出する(ステップS301)。そして、チェック対象データ取得部25Bは、ステップS301で抽出された関連項目に対応する給与データ値を取得した上でチェック対象データに追加してクライアント端末50に表示させる(ステップS302)。
その後、チェックパターン修正部35Bは、編集操作が行われた給与データ項目がチェック対象データの取得に用いたチェックパターンに設定されたチェック項目以外の給与データ項目であるか否かを監視する(ステップS303)。
このとき、編集が行われた給与データ項目がチェック項目以外の給与データ項目である場合(ステップS303Yes)、チェックパターン修正部35Bは、チェック対象データの取得に用いたチェックパターンのチェック項目として、編集操作が行われた給与データ項目を追加するレコメンドを含むチェックパターン修正画面をクライアント端末50に表示させる(ステップS304)。
その上で、チェックパターン修正部35Bは、ステップS304で表示されたチェックパターン修正画面上でチェックパターンの修正を受け付ける(ステップS305)。
また、チェック対象データの表示時に給与データの確定操作を受け付けた場合(ステップS107Yes)、給与データ更新部35Cは、未確定給与データ13C2のうち指定の検索条件で絞り込まれた従業員の各チェック項目に対応する給与データ値を確定済み給与データ13C1へ複写または移行する(ステップS108)。
そして、チェック対象データの表示画面で確認の終了操作、例えば比較結果一覧画面上の閉じるボタン400Cの押下操作が行われるまで(ステップS109No)、上記のステップS105から上記のステップS108までの処理が繰り返し実行される。その後、チェック対象データの表示画面で確認の終了操作が行われた場合(ステップS109Yes)、処理が終了される。
[実施例3の効果の一側面]
上述してきたように、本実施例に係るサーバ装置30では、上記の実施例2に係るサーバ装置20と同様、クライアント端末50により指定されるチェック条件からチェックパターンを決定し、従業員の給与データのデータ項目のうちチェックパターンで定められた1以上のデータ項目に関するデータ値を表示する。したがって、本実施例に係るサーバ装置30によれば、従業員データのチェックミスを抑制することが可能である。
さらに、本実施例に係るサーバ装置30では、編集が行われたチェック項目に対応する関連項目の給与データ値を取得した上でチェック対象データに追加してクライアント端末50に表示させる。この結果、給与データ値の修正の影響が他の給与データ項目に及ぶ場合に影響先の給与データ項目を関連項目として表示できる。したがって、本実施例に係るサーバ装置30によれば、影響先の給与データ項目の修正漏れを抑制できる。
また、本実施例に係るサーバ装置30では、編集操作が行われた給与データ項目がチェック項目以外の給与データ項目である場合、チェック対象データの取得に用いたチェックパターンのチェック項目として、編集操作が行われた給与データ項目を追加するレコメンドを表示する。したがって、本実施例に係るサーバ装置30によれば、チェックパターンにない給与データ項目の中でも編集の実績がある給与データ項目をチェック項目に追加するチェックパターンの修正が可能となる。
さらに、本実施例に係るサーバ装置30では、未確定給与データ13C2のうち指定の検索条件にヒットした従業員の各チェック項目に対応する給与データ値を確定済み給与データ13C1へ複写または移行する。したがって、本実施例に係るサーバ装置30によれば、給与データの確定を実行する粒度をチェックパターンの単位まで小さくすることが可能である。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
[給与データ値の表示のフィルタリング]
上記の実施例1〜上記の実施例3では、チェックパターンに設定されたチェック項目に対応する給与データ値を表示させることとしたが、必ずしも無条件に表示させずともかまわない。例えば、支給年月および比較対象年月の間で給与データ値に差があるチェック項目、あるいは支給年月および比較対象年月の間で給与データ値の差が所定の閾値以上であるチェック項目に絞り込んで給与データ値を表示させることとしてもかまわない。これによって、要注意のチェック項目に絞り込んで給与データ値を表示させることができる。
[従業員データの種類]
上記の実施例1〜上記の実施例3では、従業員データのあくまで一例として、従業員の給与データをチェックする例を挙げて説明したが、従業員データは給与データに限定されない。例えば、従業員の出退勤データや成績データの他、ストレスチェックなどのメンタルヘルスのデータなどのチェックを行う場合にも上記の実施例1〜上記の実施例3で説明したサーバ装置10、20及び30を同様に適用することができる。
[分散および統合]
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されておらずともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、制御部15、制御部25または制御部35が有する各機能部の一部をサーバ装置10、サーバ装置20またはサーバ装置30の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、制御部15、制御部25または制御部35が有する各機能部の一部を別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記のサーバ装置10、サーバ装置20またはサーバ装置30の機能を実現するようにしてもよい。
[データチェックプログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図23を用いて、上記の実施例と同様の機能を有するデータチェックプログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
図23は、実施例1〜実施例4に係るデータチェックプログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。図23に示すように、コンピュータ100は、操作部110aと、スピーカ110bと、カメラ110cと、ディスプレイ120と、通信部130とを有する。さらに、このコンピュータ100は、CPU150と、ROM160と、HDD170と、RAM180とを有する。これら110〜180の各部はバス140を介して接続される。
HDD170には、図23に示すように、上記の実施例1〜上記の実施例3のいずれかで示した制御部15、制御部25または制御部35が有する機能部と同様の機能を発揮するデータチェックプログラム170aが記憶される。このデータチェックプログラム170aは、図1、図12又は図18に示した制御部15、制御部25または制御部35が有する機能部の各構成要素と同様、統合又は分離してもかまわない。すなわち、HDD170には、必ずしも上記の実施例1で示した全てのデータが格納されずともよく、処理に用いるデータがHDD170に格納されればよい。
このような環境の下、CPU150は、HDD170からデータチェックプログラム170aを読み出した上でRAM180へ展開する。この結果、データチェックプログラム170aは、図23に示すように、データチェックプロセス180aとして機能する。このデータチェックプロセス180aは、RAM180が有する記憶領域のうちデータチェックプロセス180aに割り当てられた領域にHDD170から読み出した各種データを展開し、この展開した各種データを用いて各種の処理を実行する。例えば、データチェックプロセス180aが実行する処理の一例として、図9〜図11や図16〜図17、図22に示す処理などが含まれる。なお、CPU150では、必ずしも上記の実施例1で示した全ての処理部が動作せずともよく、実行対象とする処理に対応する処理部が仮想的に実現されればよい。
なお、上記のデータチェックプログラム170aは、必ずしも最初からHDD170やROM160に記憶されておらずともかまわない。例えば、コンピュータ100に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にデータチェックプログラム170aを記憶させる。そして、コンピュータ100がこれらの可搬用の物理媒体からデータチェックプログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などにデータチェックプログラム170aを記憶させておき、コンピュータ100がこれらからデータチェックプログラム170aを取得して実行するようにしてもよい。