JP2020159713A - ドップラー振動計、ドップラー振動計の計測方法及び計測プログラム - Google Patents

ドップラー振動計、ドップラー振動計の計測方法及び計測プログラム Download PDF

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【課題】波長可変連続光光源が照射する連続光のコヒーレント長と同程度又はこれより長い距離で使用する。【解決手段】波長が変化する連続光を生成する波長可変連続光光源1、連続光を2分岐する光スプリッタ2、光スプリッタ2の第1の出力光を周波数変調する光変調器8、及び光変調器8で周波数変調された光に遅延時間を付与して局部発振光ELOとする光可変遅延手段20で構成される計測光生成部50と、光スプリッタ2の第2の出力光をシグナル光ESとしてターゲット200に照射し、該ターゲット200で生じる拡散反射光EDを受光するアンテナ部40と、拡散反射光EDと局部発振光ELOとを干渉させてコヒーレント検波し、拡散反射光EDの振動周波数を算出する検波処理部60とで構成され、光可変遅延手段20は、光遅延線を用いた光可変遅延線20及び分散性媒質90によって、光変調器8で周波数変調された光に所定の遅延量を付与する。【選択図】図1

Description

本発明は、ドップラー振動計、ドップラー振動計の計測方法及び計測プログラムに関し、例えば、コヒーレント長の短い安価な光源を使用するドップラーライダーに関する。
ドップラーライダーは、ターゲットの速度、振動周波数を非接触で測定する測定手段である。その測定原理は、ターゲットに光を照射し、そこで生じた散乱光のドップラーシフトを計測するものである。ドップラーライダーは、測定対象にセンサを直接取り付ける方式と比較すると、高温な場所、地盤が極端に軟弱な場所や、高所等の危険な場所に適用できる利点がある。例えば、ドップラーライダーは、橋梁・鉄塔などの建築物の異常振動の検出に適している。
また、ドップラーライダーは、24GHz帯等の電波を使用するドップラーセンサと比較すると、光の波長が電波よりも短いために、微小なターゲットの速度計測や、サブミクロンオーダの微小な振動幅でも計測できることが強みである。
非特許文献1には、ドップラー振動計を用いて、人体の頸動脈の隣接する2箇所で、脈拍の周期のズレを測定する技術が開示されている。
Yanlu Li, Patrick Segers, Joris Dirckx,and Roel Baets、BIO MEDICAL OPTICS EXPRESS,July 2013,Vol.4, No.7, pp.1229-1235
ところで、ドップラーライダーにおいては、連続光光源の照射光を2分岐し、一方をターゲットに照射し、他方を局部発振光とするコヒーレント検波が一般に用いられる。光の干渉を起こさせるため、測定距離範囲で、ターゲットからの散乱光と局部発振光の伝搬時間差は、連続光光源のコヒーレンス時間よりも十分に短くする必要がある。
非特許文献に記載のドップラー振動計は、脈拍の周期を測定するものであるので、ターゲットとの距離は、レーザ光のコヒーレント長よりも極めて短いものである。しかしながら、橋梁や鉄塔をターゲットとするように、測定距離が極めて長くなると、狭線幅の連続光光源(言い換えれば、コヒーレント長の長い連続光光源)を用いる必要があり、コスト面で問題となる。つまり、コヒーレント長が短い安価な連続光光源を用いたときでも、ターゲットとの往復距離が長かったりしたときでも、ターゲットとの往復距離を連続光のコヒーレント長と同程度又はこれより長い距離にする必要がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、連続光光源が照射する連続光のコヒーレント長と同程度又はこれより長い距離で使用することができるドップラー振動計、ドップラー振動計の計測方法及び計測プログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のドップラー振動計は、波長が変化する連続光を生成する波長可変連続光光源(1)、前記連続光を2分岐して、第1の光及び第2の光としてそれぞれ出力する光分岐器(2)、前記光分岐器から出力される前記第1の光を周波数変調する第1光変調器(8)、及び前記第1光変調器で周波数変調された光に遅延時間を付与して局部発振光として出力する光可変遅延手段(20)で構成される計測光生成部(50)と、前記光分岐器から出力される前記第2の光をシグナル光(E)として測定対象(200)に照射し、該測定対象で反射する反射光(例えば、拡散反射光(E)や散乱光)を受光するアンテナ部(40)と、前記アンテナ部で受光した前記反射光と前記局部発振光とを干渉させてコヒーレント検波し、前記反射光の振動周波数を算出する検波処理部(60)とで構成され、前記光可変遅延手段は、光遅延線(23)を用いた第1遅延量調整手段(20)及び分散性媒質(90)を用いた第2遅延量調整手段を備え、前記第1遅延量調整手段及び前記第2遅延量調整手段によって、前記第1光変調器で周波数変調された光に所定の遅延量を付与することを特徴とする。なお、括弧内の符号や文字は、実施形態において付した符号等であって、本発明を限定するものではない。
アンテナ部から測定対象までの往復距離が連続光のコヒーレント長と同程度以上のときには、コヒーレント検波が困難になる。そこで、アンテナ部から測定対象までの往復距離に相当する遅延量を局部発振光に付与し、遅延した局部発振光と、アンテナ部が受光した反射光とでコヒーレント検波を行う。この遅延量は、光遅延線を用いた第1遅延量調整手段及び分散性媒質を用いた第2遅延量調整手段により付与される。この分散性媒質は、波長可変連続光光源の波長に応じて、遅延量が変化する。なお、波長可変連続光光源の波長可変によって、第2遅延量調整手段は、第1遅延量調整手段の設定分解能の範囲を連続的に可変(微調整)することができる。したがって、第1遅延量調整手段を用いて粗調をし、第2遅延量調整手段を用いて微調することができる。
本発明によれば、連続光光源が照射する連続光のコヒーレント長と同程度又はこれより長い距離で使用することができる。これにより、コヒーレント長が短い安価な連続光光源を使用することができる。
本発明の第1実施形態であるドップラー振動計の構成図である。 本発明の第1実施形態であるドップラー振動計で使用される光可変遅延線の構成図である。 処理部の構成図である。 本発明の第1実施形態であるドップラー振動計の制御部が実行する動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1実施形態であるドップラー振動計の全体動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態であるドップラー振動計の構成図である。 本発明の第2実施形態であるドップラー振動計で使用される光可変遅延線の構成図である。 本発明の第3実施形態であるドップラー振動計の構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
(構成の説明)
図1は、本発明の第1実施形態であるドップラー振動計の構成図である。なお、図中の実線は、光配線(例えば、光ファイバ)を示し、破線は電気配線(例えば、同軸ケーブル)を示す。
ドップラー振動計100は、計測光生成部50とアンテナ部40と検波処理部60と信号処理装置13と制御部70とを備える。計測光生成部50は、レーザ光(シグナル光E)と、シグナル光Eを周波数シフトさせた局部発振光ELOとを生成する。アンテナ部40は、測定対象としてのターゲット200に、シグナル光Eを照射し、ターゲット200で拡散反射した拡散反射光を受光する。また、検波処理部60は、アンテナ部40が受信した反射光としての拡散反射光Eと局部発振光ELOとを用いてコヒーレント検波を行う。
計測光生成部50は、連続光光源としての波長可変CW光源1と、光分岐器としての光スプリッタ2と、光増幅器6と、第1光変調器としての光変調器8と、第1遅延量調整手段としての光可変遅延線20と、分散性媒質90とを備える。波長可変CW光源1は、レーザ光を出射する波長可変CW(Continuous Wave)レーザ光源である。多くのドップラーライダーでは、線幅が数100kHz(線幅100kHzでコヒーレント長3km)以下の連続光光源を使用するが、本実施形態では、高価な光源の使用回避が目的なので、線幅1〜10MHz(コヒーレント長300m〜30m)程度の安価な光源(例えば、DFB(Distributed Feedback)レーザ等)を使用する。波長可変CW光源1の波長は、C(Conventional)-bandの1530〜1565nmの範囲で可変可能であることが好ましい。この波長可変により、分散性媒質90は、第2遅延量調整手段として機能する。そして、光可変遅延線20と分散性媒質90とは、光可変遅延手段として機能する。
光スプリッタ2は、波長可変CW光源1が出射する連続光を第1の光及び第2の光に2分岐し、第1の光を光変調器8に出射し、第2の光を光増幅器6に出射する無偏光ビームスプリッタである。光スプリッタ2のパワー分岐比は、後記するバランスフォトディテクタ11及びバランスフォトディテクタ12に適切なパワーの局部発振光を入力し、且つターゲット200からの散乱光のSN比を大幅に劣化させないように選択される。
光増幅器6は、光ファイバ増幅器と半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)との何れを用いても構わず、光パワーが足りるのであれば無くても構わない。光増幅器6は、JIS C 6802で規定されたアイセーフの条件を満たす範囲内で、なるべく高利得・高パワー出力であるとよい。光増幅器6の出力光をシグナル光Eと称する。なお、シグナル光Eは、波長可変CW光源1が出射する連続光と位相が同期していればよく、第2実施形態のように、周波数が異なっていても構わない。
光変調器8は、音響光学変調器(AOM:Acousto-Optic Modulator)であり、周波数f(40MHz〜400MHz、例えば、80MHz)の高周波電力を供給することにより、レーザ光が通過する結晶(例えば、PbMoO)に超音波による回折格子が形成される。結晶を通過中に、レーザ光は、回折角だけ偏向すると共に、光周波数がfだけシフトする。つまり、光変調器8は、光周波数シフタとして機能する。
光可変遅延線20は、遅延量をデジタル的に可変可能な遅延素子である。ドップラー振動計100は、0m近傍〜約百m以上離れたターゲット200を測定対象にしている。このため、光可変遅延線20は、0m近傍〜約百mの範囲と同程度の桁で、遅延量を可変することができる。光可変遅延線20の詳細は、図2を用いて後記する。
分散性媒質90は、光可変遅延線20の出射光を入射し、局部発振光ELOとして検波処理部60の光90°ハイブリッドカプラ10に出射する。分散性媒質90は、分散補償ファイバやFBG(Fiber Bragg Grating)のように、短距離・低損失で十分な分散量を有する素子が好ましい。また、分散性媒質90は、可変分散補償器のような素子を適用してもよく、そのときには分散量の変化によって遅延量が制御される。
分散性媒質90は、光の波長変化によって素材の屈折率が変わるので、伝搬速度が変わる性質を有する。つまり、分散性媒質90は、入射光の波長を変えると、光の遅延時間が変わる性質を有する。例えば、分散性媒質90の分散量が200[ps/nm]、波長可変CW光源1の波長可変範囲が33.3[nm]である場合には、波長変化による可変距離範囲は2[m]となる。このため、光可変遅延線20の距離分解能は4[m]とすればよい。
図2は、本発明の第1実施形態であるドップラー振動計で使用される光可変遅延線の構成図である。
可変することができる遅延素子は商用化されていない。そこで、図2の構成の光可変遅延線20を新規製作した。
光可変遅延線20は、Z(自然数)段(例えば、7段)の光遅延部29a,29b,・・・,29n,・・・,29z(不図示)が縦続接続されて構成されており、光変調器8(図1)の出力光を設定された遅延量で遅延させて、最終段の遅延光を分散性媒質90に出射する。N(1〜Zの自然数)段目の光遅延部29nは、初段(N=1)の遅延量をΔL[m]としたとき、2N−1ΔL[m]の遅延量と、遅延量ゼロとが光スイッチ22で切り替えられるように構成されている。これにより、光可変遅延線20は、遅延量0〜(2ΔL−ΔL)まで、2段階で可変することができる。例えば、Z=7、ΔL=1[m]のとき、2=128段階で可変可能であり、最大可変範囲127[m]となる。
例えば、初段(1段目)の光遅延部29aは、光サーキュレータ21aと、光スイッチ22aと、2つのミラー24a,25aと、光遅延線23aとを備える。光サーキュレータ21aは、第1段目の入射光(光変調器8(図1)の出射光)を光スイッチ22aに出射し、光スイッチ22aからの戻り光を次段の光遅延部29b(光サーキュレータ21b)に出射する。光スイッチ22aは、短光路と長光路とを切り替える。短光路は、ミラー24aの往復光路であり、長光路は、光遅延線23a及びミラー25aの往復光路である。つまり、光スイッチ22aは、光サーキュレータ21aからの入力光をミラー24aと光遅延線23aとの何れかに出射するように光路を切り替える。ミラー24aは、光サーキュレータ21aが出射する光を反射し、遅延量ゼロで光サーキュレータ21aに戻す。
光遅延線23aは、遅延量(1/2)ΔLの自由空間伝搬長に相当する長さの光ファイバである。ΔLは、光可変遅延線20の全遅延量の設定分解能であり、例えば、線幅1〜10MHz(コヒーレント長300m〜30m)程度の連続光光源を用いる場合は、1[m]程度が好ましい。なお、分散性媒質90の可変距離範囲を2[m]としたときには、光可変遅延線20は、初段(N=1)の遅延量ΔLを4[m]とすることができる。ミラー25aは、光遅延線23aの出射光を反射するものである。ミラー25aによる反射光は、光遅延線23aを介して、光スイッチ22aに戻る。つまり、光遅延線23aの遅延量は、往復でΔL[m]となる。
ミラー24a又はミラー25aで反射し、光スイッチ22aに戻った光は、光サーキュレータ21aに戻り、光サーキュレータ21aが次段の光遅延部29b(光サーキュレータ21b)に出射する。つまり、光遅延部29aの遅延量は、光スイッチ22aの状態に応じて、短光路でのゼロ又は長光路でのΔLとなる。なお、短光路は、限りなくゼロに近いことが好ましく、少なくとも短光路の遅延量δと光遅延部29の全段数Zとの積が長光路での往復遅延量ΔLよりも小さくすることにより、遅延量の分解能に影響を及ぼさない。
また、N段目では、光サーキュレータ21nは、第N入射光を光スイッチ22nに入射させる。光スイッチ22nは、第N入射光をミラー24n及び光遅延線23nの何れか一方に出射する。光遅延線23nは、第N入射光を遅延させ遅延光をミラー25nに照射する。ミラー24nは、第N入射光を反射し、ミラー25nは、第N入射光を遅延させた遅延光を反射させる。そして、光遅延線23nは、ミラー25nで反射した反射光をさらに反射させ、第N遅延反射光を生成する。そして、光スイッチ22nは、ミラー24nで反射した第N反射光と第N遅延反射光との何れかを切り替える。光サーキュレータ21nは、光スイッチ22nで切り替えた第N反射光と第N遅延反射光との何れか一方を次段の第(N+1)入射光とする。
ここで、光遅延線23nの遅延量は、2N−2ΔLであり、光遅延部29nの遅延量は、スイッチ22nの状態に応じて、短光路でゼロ又は長光路で2N−1ΔLである。光遅延線23nは、2N−2ΔLの空間伝搬長に相当するような長さの光ファイバを用いる。なお、全ての光スイッチ22a,22b,・・・,22n,・・・,22z(不図示)がミラー24a,24b,・・・,24n,・・・24z側の光路を選択し、全遅延量がゼロとなったとき、ドップラー振動計100は、最短測定距離の遅延時間を補償できるように、適宜調整されているものとする。
図1の説明に戻り、アンテナ部40は、光サーキュレータ3と、光アンテナ4とを有し、光サーキュレータ3と光アンテナ4との間は、実線で示す光ファイバで接続されている。また、本実施形態のアンテナ部40は、ターゲット200との距離を計測する距離計7を、光アンテナ4の近傍に配設している。光サーキュレータ3は、計測光生成部50の光増幅器6が出射するシグナル光Eを光アンテナ4に接続する光ファイバに出射すると共に、光アンテナ4から戻る拡散反射光Eを検波処理部60の光90°ハイブリッドカプラ10に出射するものである。
光アンテナ4は、その内部にレンズ(コリメートレンズ)を備えており、光ファイバを伝搬する光を空間に放出し、空間を伝搬した光を光ファイバに結合させるファイバコリメータである。例えば、thorlab社の型番 C40APC-Cのような製品を適用できる。光アンテナ4は、シグナル光Eをターゲット200に向けて照射し、ターゲット200の表面で拡散した拡散反射光Eの一部を取り込むものである。
距離計7は、内蔵する光アンテナから送出された光パルスが光アンテナとターゲット200との間を往復する伝搬時間を計測することで距離を測定するTOF(Time Of Flight)技術を利用したものである。本実施形態では、分散性媒質90で遅延時間の微調を行うので、距離計7の測定距離分解能は、例えば、10cm以下であることが好ましい。なお、距離計7は、必要な距離分解能を満たせば、左右の視差を用いて、測定対象であるターゲット200との距離を計測するステレオカメラであっても構わない。
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)であり、内蔵する記憶部(FROM)に格納された計測プログラムを実行することにより、距離計7を制御し、計測結果に基づいて、光可変遅延線20の光スイッチ22a,22b,・・・を制御する。
検波処理部60は、光90°ハイブリッドカプラ10と2組のバランスフォトディテクタ11,12を有し、ターゲット200の表面で拡散反射した拡散反射光Eと、局部発振光ELOとをヘテロダイン検波する。拡散反射光Eと局部発振光ELOとの周波数差は、光変調器8に供給する高周波電力の周波数f(例えば、80MHz)である。このため、ターゲット200が静止していれば、ヘテロダイン検波のビート周波数もfとなる。
光90°ハイブリッドカプラ10は、拡散反射光Eと局部発振光ELOとを合波し、位相反転した2つの干渉波である干渉波ペアを2組生成するものである。光90°ハイブリッドカプラ10は、位相反転したペアのうち一方を上側2つで出力し、他方の位相反転したペアを下側2つで出力する。
ここで、拡散反射光Eの複素振幅をE=√Pexp(jωt+jθD1+jθD2)とし、局部発振光ELOの複素振幅をELO=√PLOexp(jωt+jωt+jθLO)とする。ここで、ωは波長可変CW光源1により生成した連続光の各周波数、ωは光変調器8によるシフト角周波数ω=2πf、θLOは局部発振光ELOの位相、θD1はターゲット200が静止しているときの拡散反射光Eの位相、θD2はターゲット200の振動により生じた拡散反射光Eの位相変化である。ターゲット200の振動周波数f=1/(2π)・dθD2/dtを演算する、または周波数・強度変換器やFFT(Fast Fourier Transform)などの周波数測定手段により振動周波数fを得る。
光90°ハイブリッドカプラ10は、位相反転した2つの干渉波である干渉波ペアを2組生成する。この一方の干渉波ペアは、E=1/2・(E+ELO)、及びE=1/2・(E−ELO)であり、他方の干渉波ペアは、E=1/2・(E+jELO)、及びE=1/2・(E・jELO)である。
バランスフォトディテクタ11,12は、2つのフォトダイオードを備え、電流−電圧変換のための負荷抵抗器R、又はトランスインピーダンスアンプを備える。ここでは、負荷抵抗Rを備えた場合を例に挙げて説明する。バランスフォトディテクタ11の光電変換器は、内部の光電変換器の出力電流をI,Iとすると、(I−I)の出力電流が負荷抵抗器Rに流れる。バランスフォトディテクタ12の光電変換器は、内部の光電変換器の出力電流をI,Iとすると、(I−I)の出力電流が負荷抵抗器Rに流れる。ここで、バランスフォトディテクタ11の負荷抵抗器Rに流れる平均電流をI(In-Phase)軸電流Iとし、バランスフォトディテクタ12の負荷抵抗器Rに流れる平均電流をQ(Quadrature)軸電流Iとする。
=I−I=η(|E−|E)/2=η√(PLO/2)/2・sin(ωt+θD1+θD2−θLO
=I−I=η(|E−|E)/2=η√(PLO/2)/2・cos(ωt+θD1+θD2−θLO
ここで、ηは、変換効率[A/W]である。
tan−1(I/I)=ωt+θD1+θD2−θLOとなる。
ここで、局部発振光ELOの光路と拡散反射光Eの光路との差(遅延長)が波長可変CW光源1のコヒーレンス長よりも短く、両者の位相の相関が保持されている場合、θD1−θLOは時間経過により変化しない定数とみなせる。つまり、d(θD1−θLO)/dt≒0と近似できる。また、ωは設計者により指定されており、既知の値である。
したがって、信号処理装置13(図1)は、tan−1(I/I)を演算すれば、ターゲット200の振動周波数f=1/(2π)・dθD2/dtを演算することができる。また、信号処理装置13は、内部のAD変換器を用いて、I軸電流I及びQ軸電流Iを記憶し、取得データの雑音除去、周波数・速度解析などを行う。
図4は、本発明の第1実施形態であるドップラー振動計の制御部が実行する動作を説明するためのフローチャートである。このルーチンは、使用者による計測スイッチの押下や、周期的な割込発生などによっても起動する。
制御部70は、距離計7でターゲット200との距離を測定する(SP1)。SP1の後、制御部70は、遅延量として、距離計7が計測した距離の2倍を演算する(SP2)。SP2の後、制御部70は、光可変遅延線20のスイッチ22a,22b,・・・,22n,・・・にSP2で演算した遅延量を設定し(SP3)、波長可変CW光源1の波長を設定する(SP4)。このとき、光可変遅延線20のスイッチ22a,22b,・・・,22n,・・・で粗調し、光遅延線20の設定分解能ΔL(つまり、光遅延部29a(図2)の往復遅延時間)を波長可変CW光源1の波長で微調することが好ましい。これにより、拡散反射光Eのノイズの影響を低減することができる。
これにより、光可変遅延線20は、光アンテナ4とターゲット200との間の往復で生じたシグナル光Eや拡散反射光Eの遅延時間を補償する。つまり、ターゲット200に向けて出射したシグナル光Eが拡散反射光Eとして光アンテナ4に戻ってきた時に、局部発振光ELOが光90°ハイブリッドカプラ10に入射する。このため、光アンテナ4とターゲット200との往復距離がシグナル光Eのコヒーレント長よりも長い場合であっても、ターゲット200が無振動のとき、拡散反射光Eの位相と局部発振光ELOの位相とが同期する。このため、光90°ハイブリッドカプラ10の内部で、拡散反射光Eと局部発振光ELOとは干渉し、コヒーレント検波による位相検出が可能となる。
図5は、本発明の第1実施形態であるドップラー振動計100の全体動作を説明するためのフローチャートである。
このルーチンが実行される前に、予めターゲット200とアンテナ部40との距離が計測されているものとする。また、制御部70は、その測定された距離から演算されたシグナル光の伝播時間に相当する遅延量(遅延時間)を演算し、演算した遅延量を光可変遅延線20に設定しているものとする。
ドップラー振動計100は、波長可変CW光源1で連続光を生成し(SP11)、生成した連続光を光スプリッタ2で2分岐する(SP12)。そして、SP12で2分岐した一方の分岐光を光変調器8で周波数変調する(SP13)。さらに、SP12で2分岐した他方の分岐光をシグナル光としてアンテナ部40でターゲット200に照射する(SP14)。そして、SP13で周波数変調された光に対して、制御部70で設定された遅延量を光可変遅延線20及び分散性媒質90の組合せに付与して局部発振光を生成する(SP15)。そして、ターゲット200で拡散反射した拡散反射光をアンテナ部40で受光する(SP16)。SP16で受光した拡散反射光とSP15で生成した局部発振光とを干渉させてコヒーレント検波する(SP17)。これにより、ターゲット200の振動が計測される。ドップラー振動計100は、必要に応じてSP12以降を繰り返してターゲット200の振動を計測する。
(第2実施形態)
前記第1実施形態の光可変遅延線20(図2)は、複数の光サーキュレータ21a,21b,・・・,21n,・・・を設けたが、光サーキュレータを設けることなく、同様の機能を実現することができる。また、ドップラー振動計100は、シグナル光Eと局部発振光ELOとの周波数差を光変調器8に供給する高周波電力の周波数f(例えば、80MHz)にしたが、シグナル光Eと局部発振光ELOとの周波数差をfよりもより小さくすることができる。また、ドップラー振動計100は、単一の光アンテナ4でシグナル光Eをターゲット200に照射させると共に、拡散反射光Eを入射させたが、光アンテナ4と異なる光アンテナに拡散反射光Eを入射させることができる。
図6は、本発明の第2実施形態であるドップラー振動計の構成図である。
前記第1実施形態と同様に、ドップラー振動計110は、計測光生成部51とアンテナ部41と検波処理部60と信号処理装置13と制御部70とを備える。
計測光生成部51は、連続光光源としての波長可変CW光源1と、光分岐器としての光スプリッタ2と、光増幅器6と、2つの光変調器8,9と、PLL(Phase Locked Loop)発振器80と、第1遅延量調整手段としての光可変遅延線30と、分散性媒質90とを備える。波長可変CW光源1と光スプリッタ2と光増幅器6と光変調器8とは、前記第1実施形態で説明したので、説明を省略する。なお、前記第1実施形態で説明したように、分散性媒質90は、波長可変により、第2遅延量調整手段として機能する。
光変調器9は、光スプリッタ2と光増幅器6との間に挿入されるものであり、光変調器8と同一構成である。しかしながら、光変調器9に供給される高周波電力の周波数fは、光変調器8に供給される高周波電力の周波数fに対してΔf(例えば、1MHz)だけズレており、f=f±Δfである。つまり、光変調器9に供給される高周波電力の周波数f1は、例えば、79MHz又は81MHzである。
PLL発振器80は、光変調器8に供給される高周波電力(周波数f)と光変調器9に供給される高周波電力(周波数f=f±Δf)とを位相同期させる。これにより、計測光生成部51は、シグナル光Eと局部発振光ELOとのビート周波数(Δf)を低くすることができる。このため、バランスフォトディテクタ11,12や信号処理装置13を安価、且つ容易に作成することができる。
図7は、本発明の第2実施形態であるドップラー振動計で使用される光可変遅延線の構成図である。
光可変遅延線30は、前記第1実施形態の光可変遅延線20(図2)と同様に、Z段(7段)の光遅延部39a,39b,・・・,39n,・・・,39z(不図示)が縦続接続されているが、最終段に光スイッチ34を設けている点で光可変遅延線20と相違する。つまり、Z段の可変遅延線30は、Z個の光スイッチ32a,32b,・・・,32n,・・・,32zと、Z個の光遅延線33a,33b,・・・,33n,・・・,33zと、光スイッチ34とを備える。
初段の光スイッチ32aは、光変調器8(図6)からの入力光を、短光路と長光路との何れか一方に切り替え、次段の光遅延部39bに出射する。つまり、光スイッチ32aは、光遅延線33aと次段の光遅延部39b(光スイッチ32b)との何れか一方に出射させる。光遅延線33aは、長光路を形成し、前記第1実施形態の光遅延線23a(図2)と異なり、遅延量ΔLの空間伝搬長に相当する長さの光ファイバである。光スイッチ32aの他方の出力端と次段の光遅延部39b(光スイッチ32b)とは、短光路を形成し、長さゼロである。これらの構成により、光遅延部39aの遅延量は、光スイッチ32aの状態に応じて、短光路でゼロ又は長光路でΔLとなる。
N段目では、光遅延線33nの遅延量は、2N−1ΔLであり、光遅延部39nの遅延量は、光スイッチ32nの状態に応じて、ゼロ又は2N−1ΔLである。光遅延線33nは、2N−1ΔLの空間伝搬長に相当するような長さの光ファイバを用いる。
最終段の光スイッチ34は、光遅延線33z(不図示)の出射光と、前段の光スイッチ32z(不図示)の出射光とを1出力にするものである。光遅延線34の出射光と、前段の光スイッチ32zの出射光とは、前段の光スイッチ32zが何れか一方に切り替える。このため、光スイッチ34は、光カプラに置きかえることができる。
図6の説明に戻り、アンテナ部41は、2つの光アンテナ4,5と距離計7とを備える。光アンテナ4は、計測光生成部51の光増幅器6からのシグナル光Eをターゲット200に照射する。光アンテナ5は、ターゲット200で拡散反射した拡散反射光Eを受信し、検波処理部60の光90°ハイブリッドカプラ10に出射する。なお、光アンテナ4と光増幅器6との間や、光アンテナ5と光90°ハイブリッドカプラ10との間は、光ファイバケーブルで接続されている。距離計7は、ターゲット200との距離を測定するものであり、前記第1実施形態と同様に、光アンテナ4,5の近傍に配設される。
本実施形態のドップラー振動計110は、前記第1実施形態のドップラー振動計100に比較して、光可変遅延線20が光可変遅延線30に変わった点と、アンテナ部40がアンテナ部41に変わった点と、光変調器9及びPLL発振器80が追加された点とで相違する。これら3つの相違点の組合せは、任意である。例えば、前記第1実施形態のドップラー振動計100の光可変遅延線20を光可変遅延線30に変えただけでも構わない。また、前記第1実施形態のドップラー振動計100のアンテナ部40をアンテナ部41に変えただけでも構わない。
(第3実施形態)
前記第1,2実施形態の計測光生成部50,51は、光変調器8と分散性媒質90との間に光可変遅延線20が挿入されていたが、光可変遅延線20を用いることなく、分散性媒質90のみで遅延させることができる。
図8は、本発明の第3実施形態であるドップラー振動計の構成図である。
ドップラー振動計120は、前記各実施形態と同様に、計測光生成部52とアンテナ部40と検波処理部60と信号処理装置13と制御部70とを備える。計測光生成部52は、連続光光源としての波長可変CW光源1と、光分岐器としての光スプリッタ2と、光増幅器6と、第1光変調器としての光変調器8と、分散性媒質90とを備える。
分散性媒質90は、光変調器8の出射光を入射し、局部発振光ELOとして検波処理部60の光90°ハイブリッドカプラ10に出射する。これにより、ドップラー振動計120は、分散性媒質90による遅延量のみになり、光アンテナ4とターゲット200との距離を短くする必要がある。しかしながら、分散性媒質90による遅延量のみで十分な状況下では、分散性媒質90による遅延は、拡散反射光Eにノイズ低減効果を生じさせ、有意義である。
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記各実施形態のドップラー振動計100,110,120は、光増幅器6を使用したが、波長可変CW光源1が出射するレーザ光の強度が強ければ、光増幅器6が不要となる。前記実施形態のドップラー振動計100,110は、ターゲット200で拡散反射した拡散反射光Eを受光したが、雲、霧や塵等で散乱する散乱光を受光することもできる。また、ドップラー振動計100,110,120は、拡散反射光E及び散乱光を受光しても構わない。
(2)前記各実施形態の検波処理部60は、I軸電流I及びQ軸電流Iを出力したが、I軸電流I及びQ軸電流Iの何れか一方のみが必要である場合では、光90°ハイブリッドカプラ10を2入力2出力でパワー分岐比1:1の通常のカプラに置き換え、バランスフォトディテクタ12を除去しても構わない。この場合、瞬時速度の符号が判別できなくなるが、振動周波数の計測は同様に可能であり、また検波処理部60のコストは半減できる。
(3)前記各実施形態の光可変遅延線20,30は、最終段の光遅延部29z,39z(不図示)は、遅延量を2Z−1ΔLとしたが、さらに他の光遅延線を縦続接続(追加)し、最短測定距離の遅延時間を補償するように、調整しても構わない。また、最終段(第Z段目)の光遅延部29z,39zと検波処理部60との間に、波長可変CW光源1のコヒーレント長以上の長さの光遅延線を追加挿入しても構わない。追加挿入する光遅延線の遅延量は、例えば、最小測定距離の2倍に設定することが考えられる。これにより、光可変遅延線20,30の可変範囲が制限されたとき、ドップラー振動計100,110は、最小測定距離を超える距離で振動測定を行うことが可能である。
(4)前記各実施形態のドップラー振動計100,110は、距離計7を含めたが、別体でも構わない。このときには、使用者が距離計7を用いて、ターゲット200との距離を測定し、測定距離に基づいて、光可変遅延線20,30の光スイッチ22,32を設定すればよい。
(5)前記実施形態のドップラー振動計100,110は、コヒーレント検波としてヘテロダイン検波を行ったが、ホモダイン検波を行っても構わない。
1 波長可変CW光源(波長可変連続光光源)
2 光スプリッタ(光分岐器)
3 光サーキュレータ
4,5 光アンテナ
6 光増幅器
7 距離計
8 光変調器(第1光変調器)
9 光変調器(第2光変調器)
10 光90°ハイブリッドカプラ
13 信号処理装置
20,30 光可変遅延線(光可変遅延手段、第1遅延量調整手段)
21a,21b,・・・,21n,・・・,21z 光サーキュレータ
22a,22b,・・・,22n,・・・,22z 光スイッチ
23a,23b,・・・,23n,・・・,23z 光遅延線
24a,25a,24b,25b,・・・,24n,25n,・・・,24z,25z ミラー
29a,29b,・・・,29n,・・・,29z,39a,・・・,39n,・・・,39z 光遅延部
32a,32b,・・・,32n,・・・,32z 光スイッチ
33a,33b,・・・,33n,・・・,33z,34 光遅延線
40,41 アンテナ部
50,51,52 計測光生成部
60 処理部
70 制御部
80 PLL発振器
90 分散性媒質(光可変遅延手段、第2遅延量調整手段)
100,110,120 ドップラー振動計
200 ターゲット(測定対象)

Claims (20)

  1. 波長を可変することのできる波長可変連続光光源、前記波長可変連続光光源が出射する連続光を2分岐して、第1の光及び第2の光としてそれぞれ出力する光分岐器、前記光分岐器から出力される前記第1の光を周波数変調する第1光変調器、及び前記第1光変調器で周波数変調された光に遅延時間を付与して局部発振光として出力する光可変遅延手段で構成される計測光生成部と、
    前記光分岐器から出力される前記第2の光をシグナル光として測定対象に照射し、該測定対象で反射する反射光を受光するアンテナ部と、
    前記アンテナ部で受光した前記反射光と前記局部発振光とを干渉させてコヒーレント検波し、前記反射光の振動周波数を算出する検波処理部とで構成され、
    前記光可変遅延手段は、
    光遅延線を用いた第1遅延量調整手段及び分散性媒質を用いた第2遅延量調整手段を備え、
    前記第1遅延量調整手段及び前記第2遅延量調整手段によって、前記第1光変調器で周波数変調された光に所定の遅延量を付与する
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  2. 請求項1に記載のドップラー振動計であって、
    前記第2遅延量調整手段は、分散性媒質である
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のドップラー振動計であって、
    前記所定の遅延量は、距離計で計測した前記測定対象との距離から前記シグナル光の伝播時間に相当する遅延量である
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  4. 請求項3に記載のドップラー振動計であって、
    前記計測光生成部は、前記光分岐器の他方の出力光を増幅して前記シグナル光として前記アンテナ部に出力する光増幅器をさらに備える
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  5. 請求項3又は請求項4に記載のドップラー振動計であって、
    前記第1遅延量調整手段は、第N(2以上の自然数)入射光を反射した第N反射光と、該第N入射光を遅延反射した第N遅延反射光とを切り替えて出力するZ個の光遅延部が縦続接続されており、
    初段の第1入射光は、前記第1光変調器で周波数変調された光であり、
    N段目の光遅延部は、前段の第(N−1)反射光と前段の第(N−1)遅延反射光との何れかを前記第N入射光とし、前記第N反射光と前記第N遅延反射光との何れかを次段の第(N+1)入射光とし、
    前記局部発振光は、最終段の第Z反射光と第Z遅延反射光との何れかである
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  6. 請求項5に記載のドップラー振動計であって、
    前記N段目の光遅延部の各々は、
    前記第N入射光又は前記第N入射光を遅延した遅延光を反射させるミラーと、
    前記遅延光を生成すると共に、前記遅延光を前記ミラーで反射した反射光を遅延させ、前記第N遅延反射光を生成する光遅延線と、
    前記ミラーで反射した前記第N反射光と前記第N遅延反射光との何れかを切り替える光スイッチと、
    前記第N入射光を前記光スイッチに入射させ、前記光スイッチで切り替えた前記第N反射光と前記第N遅延反射光との何れか一方を次段の第入射光とする光サーキュレータと
    を備えることを特徴とするドップラー振動計。
  7. 請求項6に記載のドップラー振動計であって、
    第N段目の前記光遅延線は、初段の長さをΔL/2としたとき、2N−2ΔLの長さであり、
    Z個の前記光スイッチは、前記距離に応じて、切り替えられる
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  8. 請求項3に記載のドップラー振動計であって、
    前記第1遅延量調整手段は、第N(自然数)入射光を第1出射光と第2出射光との何れかに切り替える光スイッチと、該第2出射光を遅延させ、次段の光スイッチに入射させる光遅延線とを有するZ段の光遅延部が縦続接続されており、
    該光遅延線の出射光又は前記第1出射光は、次段の光スイッチの入射光となり、
    初段の第1入射光は、前記第1光変調器で周波数変調された光であり、
    前記局部発振光は、最終段の光遅延線の出射光又は最終段の前記第1出射光である
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  9. 請求項8に記載のドップラー振動計であって、
    第N段目の前記光遅延線は、初段の長さをΔLとしたとき、2N−1ΔLの長さであり、
    Z個の前記光スイッチは、前記距離に応じて、切り替えられる
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  10. 請求項7又は請求項9に記載のドップラー振動計であって、
    前記第1遅延量調整手段は、最終段の光遅延部と前記検波処理部との間に、前記波長可変連続光光源のコヒーレント長以上の長さの光遅延線が挿入されている
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  11. 請求項1に記載のドップラー振動計であって、
    前記第1遅延量調整手段は、少なくとも一つの光遅延部を備え、
    各々の前記光遅延部は、短光路と長光路と該短光路及び該長光路とを切り替える光スイッチとを備える
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  12. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のドップラー振動計であって、
    前記第1遅延量調整手段は、Z(2以上の自然数)個の光遅延部が縦続接続されたものであり、
    各々の前記光遅延部は、短光路と長光路と該短光路及び該長光路とを切り替える光スイッチとを備え、
    第N(2以上Z以下の自然数)段目の前記光遅延部は、
    第(N−1)段目の前記短光路、及び前記長光路の何れか一方を通過した光を前記光スイッチの入射光とする
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  13. 請求項12に記載のドップラー振動計であって、
    1段目の長光路の長さは、ΔLであり、
    第N段目の前記長光路の長さは、2N−1ΔLになっている
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  14. 請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載のドップラー振動計であって、
    前記測定対象で反射する反射光は、拡散反射光及び散乱光の何れか一方又は双方である
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  15. 請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載のドップラー振動計であって、
    前記アンテナ部は、光アンテナと、前記シグナル光を該光アンテナに送信し、該光アンテナを介して受信した前記反射光を前記検波処理部に送信する光サーキュレータとを備える
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  16. 請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載のドップラー振動計であって、
    前記アンテナ部は、前記計測光生成部から前記シグナル光を受信し、前記測定対象に送信する第1光アンテナと、受信した前記反射光を前記検波処理部に送信する第2光アンテナとを備える
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  17. 請求項4に記載のドップラー振動計であって、
    前記光分岐器と前記光増幅器との間に挿入された第2光変調器と、
    前記第1光変調器と前記第2光変調器とに、位相同期した異なる周波数の高周波電力を供給するPLL発振器と
    をさらに備えることを特徴とするドップラー振動計。
  18. 請求項1乃至請求項17の何れか一項に記載のドップラー振動計であって、
    前記検波処理部が行うコヒーレント検波は、ヘテロダイン検波又はホモダイン検波である
    ことを特徴とするドップラー振動計。
  19. 波長を変化することのできる波長可変連続光生成過程と、
    前記波長可変連続光生成過程で生成された連続光を2分岐して、第1の光及び第2の光としてそれぞれ出力する光分岐過程と、
    前記第1の光を周波数変調する光変調過程と、
    前記光変調過程で周波数変調された光に遅延時間を付与して局部発振光を生成する光可変遅延過程と、
    前記光分岐過程で出力される前記第2の光をシグナル光として測定対象に照射するシグナル光照射過程と、
    前記測定対象で反射する前記シグナル光の反射光を受光する受光過程と、
    前記受光過程で受光した前記シグナル光の反射光と前記局部発振光とを干渉させてコヒーレント検波し、前記反射光の振動周波数を算出する検波処理過程と、を備えるドップラー振動計の計測方法であって、
    前記光可変遅延過程は、光遅延線を用いた第1遅延量調整手段及び分散性媒質を用いた第2遅延量調整手段が前記光変調過程で周波数変調された光に所定の遅延量を付与する
    ことを特徴とするドップラー振動計の計測方法。
  20. 波長を変化することのできる波長可変連続光光源、前記波長可変連続光光源が出射する連続光を2分岐して、第1の光及び第2の光としてそれぞれ出力する光分岐器、前記光分岐器から出力される前記第1の光を周波数変調する第1光変調器、及び前記第1光変調器で周波数変調された光に遅延時間を付与して局部発振光として出力する光可変遅延手段で構成される計測光生成部と、前記光分岐器から出力される前記第2の光をシグナル光として測定対象に照射し、該測定対象で反射する反射光を受光するアンテナ部と、前記アンテナ部で受光した前記反射光と前記局部発振光とを干渉させてコヒーレント検波し、前記反射光の振動周波数を算出する検波処理部と、前記測定対象との距離を計測する距離計とで構成されるドップラー振動計を制御する制御部に実行させる計測プログラムであって、
    前記光可変遅延手段は、光遅延線を用いた第1遅延量調整手段及び分散性媒質を用いた第2遅延量調整手段を備え、
    前記距離計に距離を計測させる計測機能と、
    前記計測機能で測定した距離の2倍の遅延量を前記光可変遅延手段に設定する遅延量設定機能と
    を実現させることを特徴とするドップラー振動計の計測プログラム。
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