JP2020159690A - 土壌腐食試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属の耐食性を精度よく評価できる土壌腐食試験方法を提供する。【解決手段】金属の土壌腐食試験方法は、測定工程と、準備工程と、試験工程と、を含む。測定工程では、実土壌中の粒度分布を測定する。準備工程では、互いに粒径が異なる複数の模擬粒子群31,32,33を準備する。試験工程では、模擬土壌4の粒度分布が実土壌の粒度分布に一致するように複数の模擬粒子群31,32,33を配合して模擬土壌4を生成する。模擬土壌4内に金属8を配置して金属の腐食を調べる。【選択図】図3

Description

本開示は、土壌腐食試験方法に関する。
屋外で長期間使用する鋼材は、厳しい腐食環境に曝されることがある。例えば、鋼管杭や鋼矢板等は、土木建築用の基礎構造物として土壌中に埋設される。土壌中に埋設された鋼材は、土壌や地下水等の電解質と接しているため次第に腐食していく。鋼材が過剰に腐食すれば、構造物の強度に影響を与える。そのため、土壌中に埋設された鋼材の耐食性を精度よく評価することが重要である。
鋼材の耐食性を評価する土壌腐食試験として、日本鉄鋼連盟、米国NBS(National Bureau of Standards)による曝露試験が知られている。しかしながら、曝露試験では、評価に時間がかかったり、実際に鋼材が曝される土壌環境が試験環境と異なる場合には別途長期にわたる検討が必要になったりする。また、実際の土壌(実土壌)には鋼材の腐食に関与する因子が非常に多く存在するため、鋼材を実土壌に接触させる曝露試験では金属の腐食に最も関与する因子を特定することが困難である。よって、曝露試験以外で鋼材の耐食性を評価する土壌腐食試験方法の開発が望まれている。
例えば、特許文献1は、模擬土壌を用いた土壌腐食試験方法を開示する。この試験方法では、模擬土壌を構成する粒状物は、水に対して不溶であり、酸及びアルカリに対して難溶性である。試験の際には、評価対象の鋼材を模擬土壌に接触させ、模擬土壌中の水分量の指標であるpF値を任意に調整する。
特許文献2は、試験土壌を用いた土壌腐食試験方法を開示する。この試験方法では、排水部が設けられた試験槽に試験土壌を複数積層する。複数の層のうちの少なくとも2つの層は、互いに粒径が異なる粒子からなる。試験の際には、鋼材が当該2つの層に接触するように埋設される。
特許文献3では、1種以上の酸化物種からなる土壌を用いた土壌腐食試験方法を開示する。この試験方法では、密閉可能な回収容器に土壌が収容され、この土壌に所定量の水分が供給される。試験の際には、回収容器内の土壌の温度を室温より高い温度に上昇させ、一定時間保持した後、室温に戻す。
特許文献4も、1種以上の酸化物種からなる土壌を用いた土壌腐食試験方法を開示する。この試験方法では、土壌及び鋼材を収容器に入れ、収容器に接続されたガス供給手段、給水手段等を制御装置で制御して試験を行う。
特開2011−75477号公報 特開2017−72592号公報 特許第6348454号公報 特開2017−215300号公報
特許文献1〜4の土壌腐食試験は実験室で行うことができるため、曝露試験に比べて、時間やコスト等を低減することができる。しかしながら、実土壌中には様々な腐食因子が存在し、その1つとして粒度分布が挙げられる。特許文献1〜4の土壌腐食試験方法では、平均粒径や材質等が考慮されているものの、実土壌の粒度分布については考慮されていない。したがって、このような土壌腐食試験方法では、実環境に近い腐食環境を十分に再現することができず、金属の耐食性を精度よく評価することが難しい。
本開示の目的は、金属の耐食性を精度よく評価できる土壌腐食試験方法を提供することである。
本開示に係る金属の土壌腐食試験方法は、測定工程と、準備工程と、試験工程と、を含む。測定工程では、実土壌中の粒度分布を測定する。準備工程では、互いに粒径が異なる複数の模擬粒子群を準備する。試験工程では、模擬土壌の粒度分布が実土壌の粒度分布に一致するように複数の模擬粒子群を配合して模擬土壌を生成する。試験工程では、模擬土壌内に金属を配置して金属の腐食を調べる。
本開示の土壌腐食試験方法によれば、金属の耐食性を精度よく評価できる。
図1は、実土壌の粒度分布測定のフローチャートである。 図2は、本実施形態に係る土壌腐食試験方法の準備工程を示す模式図である。 図3は、本実施形態に係る土壌腐食試験方法の試験工程において、模擬粒子群を配合している状態を示す模式図である。 図4は、本実施形態に係る土壌腐食試験方法の試験工程において、金属の腐食を調べている状態を示す模式図である。 図5は、金属の腐食速度と粒径との関係を調べる試験で用いた電気化学セルの模式図である。 図6は、酸素拡散速度と粒径との関係を示す図である。 図7は、水素イオン拡散速度と粒径との関係を示す図である。 図8は、ある実土壌、細砂及び粗砂の粒度分布を示す図である。
中性土壌中では金属表面において酸素の還元反応(O+2HO+4e→4OH)が起こり、金属が腐食する。酸性土壌中では金属表面において水素イオンの還元反応(2H+2e→H)が起こり、金属が腐食する。金属の腐食速度は、金属表面への酸素又は水素イオンの拡散速度で決定される。
酸素又は水素イオンは、土粒子同士の間隙で形成される拡散経路を通り、金属表面に到達する。酸素又は水素イオンの拡散速度は、拡散経路の大きさ、すなわち拡散経路を画定する土粒子の直径(粒径)と関係する。そこで本発明者らは、酸素及び水素イオンの拡散速度と粒径との関係を調べる試験を行った。より具体的には、中性土壌中の酸素拡散速度及び酸性土壌中の水素イオン拡散速度を調査した。
試験は、図5に示す電気化学セル101を用いた電気化学測定により行った。電気化学セル101は、試験槽102と、作用極103と、対極104と、参照極105と、ポテンショスタット106とを含む。試験槽102は内径50mm、高さ100mmの円筒容器とした。作用極103は白金電極とし、対極104はチタニウム電極とし、参照極105は飽和カロメル電極(SCE)とした。各電極はポテンショスタット106に接続した。
酸素拡散速度を調査するに際し、土粒子又はガラスビーズを高さ70mmとなるように試験槽102に収容した。また、試験槽102内の土粒子又はガラスビーズの高さの半分の位置に各電極の中心が位置するように各電極103,104,105を埋設した。試験槽102内の土粒子又はガラスビーズには、0.1mol/L硫酸ナトリウム水溶液(pH=5.8)を70ml含有させた。そして、作用極103と参照極105との電位差を−200mV(vs.SCE)とし、作用極103において酸素を還元反応させ、土粒子又はガラスビーズ中の酸素の拡散限界電流密度を測定した。電流値が一定値を示すように、分極時間は5分間とした。測定された拡散限界電流密度が酸素拡散速度に相当する。酸素拡散速度の調査は、土粒子又はガラスビーズの粒径ごとに実施した。
酸素拡散速度の調査の際と同様に、土粒子又はガラスビーズを試験槽102に収容し、この土粒子又はガラスビーズ内に各電極103,104,105を埋設して、水素イオン拡散速度を調査した。ただし、試験槽102に収容した土粒子又はガラスビーズには、0.1mol/L硫酸ナトリウム水溶液(pH=2.0)を70ml含有させた。そして、作用極103と参照極105との電位差を−700mV(vs.SCE)とし、作用極103において水素イオンを還元反応させ、土粒子又はガラスビーズ中の水素イオンの拡散限界電流密度を測定した。電流値が一定値を示すように、分極時間は1分間とした。測定された拡散限界電流密度が水素イオン拡散速度に相当する。水素イオン拡散速度の調査も、土粒子又はガラスビーズの粒径ごとに実施した。
図6は、酸素拡散速度と粒径との関係を示す図である。図6の縦軸は酸素拡散限界電流密度(μA/cm)を示し、横軸は平均粒径(mm)を示す。図6中、三角印は土粒子の試験結果を示し、丸印はガラスビーズの試験結果を示す。図6に示すように、土粒子及びガラスビーズの平均粒径が増大するにつれ、酸素拡散限界電流密度(すなわち、酸素拡散速度)も増大した。
図7は、水素イオン拡散速度と粒径との関係を示す図である。図7の縦軸は水素イオン拡散限界電流密度(mA/cm)を示し、横軸は平均粒径(mm)を示す。図7中、三角印は土粒子の試験結果を示し、丸印はガラスビーズの試験結果を示す。図7に示すように、土粒子及びガラスビーズの平均粒径が増大するにつれ、水素イオン拡散限界電流密度(すなわち、水素イオン拡散速度)も増大した。
これらの試験結果より、酸素及び水素イオンの拡散速度と粒径との間に比例関係があることが分かった。金属の腐食速度は酸素及び水素イオンの拡散速度に応じて定まるため、金属の腐食速度も粒径と比例関係にあるといえる。しかしながら、これらの試験結果は、粒径のばらつきがほとんどない土粒子や、粒径が実質的に均一であるガラスビーズを用いた場合の結果であり、実土壌とは異なる環境での結果である。この点について図8を参照して説明する。図8は、ある実土壌、細砂及び粗砂の粒度分布を示す図である。図8中、丸印は実土壌の粒度分布を示し、三角印は細砂の粒度分布を示し、四角印は粗砂の粒度分布を示す。
一般に、土壌腐食試験を行う場合、平均粒径をパラメータとして模擬土壌を生成する。模擬土壌によって土壌環境を再現する場合、平均粒径が実土壌と一致するように模擬土壌を生成する。
しかしながら、図8に示されるように、土壌には、狭い粒度分布を有する土壌(この例では、細砂及び粗砂)と、広い粒度分布を有する土壌(実土壌)とが存在する。土壌の粒度分布が広い場合、粒度分布が金属の耐食性に大きく影響を与えるため、平均粒径のみをパラメータとしてその土壌における耐食性を評価することは難しい。すなわち、土壌腐食試験で用いた模擬土壌の粒度分布が実土壌の粒度分布と異なれば、当該模擬土壌中の酸素又は水素イオンの拡散経路も実土壌と異なるため、当該模擬土壌を用いて精度よく金属の耐食性を評価することは困難である。したがって、精度よく金属の耐食性を評価するには、実土壌の平均粒径だけでなく、粒度分布も考慮した模擬土壌を用いて土壌腐食試験を行う必要がある。本実施形態の土壌腐食試験方法は、このような検討に基づき完成された。
実施形態に係る金属の土壌腐食試験方法は、測定工程と、準備工程と、試験工程と、を含む。測定工程では、実土壌中の粒度分布を測定する。準備工程では、互いに粒径が異なる複数の模擬粒子群を準備する。試験工程では、模擬土壌の粒度分布が実土壌の粒度分布に一致するように複数の模擬粒子群を配合して模擬土壌を生成する。試験工程では、模擬土壌内に金属を配置して金属の腐食を調べる(第1の構成)。
実施形態では、腐食環境を把握したい実土壌中の粒度分布を予め測定し、この実土壌の粒度分布と一致する粒度分布を有する模擬土壌を用いて金属の土壌腐食試験を行う。すなわち、実土壌に近い腐食環境を再現して土壌腐食試験を実施することができるため、金属の耐食性を精度よく評価することができる。
試験工程では、電解質溶液を含ませた模擬土壌内に金属を配置してもよい(第2の構成)。
土壌腐食試験では、実土壌中の電解質溶液中に含まれる成分(例えば、塩化物イオン、硫酸イオン、水素イオン、溶存酸素等)が金属の腐食に及ぼす影響を調査する場合がある。この際、実土壌の粒度分布を考慮せず生成された模擬土壌を用いて試験を行えば、電解質溶液中に含まれる成分の影響が試験結果に純粋に反映されず、電解質溶液中に含まれる成分が金属の腐食に及ぼす影響を把握しづらい。第2の構成によれば、実土壌の粒度分布を再現した模擬土壌を用いるため、粒度分布による腐食の影響を除外して、電解質溶液中に含まれる成分が金属の腐食に与える影響を把握することができる。
複数の模擬粒子群のうち、2つ以上の模擬粒子群の材質は同一であってもよい(第3の構成)。
第3の構成によれば、様々な材質の模擬粒子を準備する必要が無く、簡便に土壌腐食試験を行うことができる。
模擬粒子群の各々を構成する模擬粒子は、ガラスビーズ又はセラミックス系ビーズ(例えば、アルミナビーズ、ジルコンビーズ等)であるのが好ましい(第4の構成)。
模擬粒子の材質及び形状は金属の腐食に影響を与えるため、これらの影響を除外して土壌腐食試験を行う場合、模擬粒子は、化学的に安定な材質で、球状であるのが望ましい。市販又は公知のガラスビーズやセラミックス系ビーズ(アルミナビーズ、ジルコンビーズ等)は、化学的に安定で、概ね球状である。また、ガラスビーズやセラミックス系ビーズ(アルミナビーズ、ジルコンビーズ等)は、公称粒径からの乖離も小さい上、様々な粒径のものが存在する。さらに、ガラスビーズやセラミックス系ビーズ(アルミナビーズ、ジルコンビーズ等)は、安価であり比較的入手しやすい。そこで、第4の構成では、模擬粒子としてガラスビーズ又はセラミックス系ビーズ(アルミナビーズ、ジルコンビーズ等)を使用する。これにより、様々な粒径の模擬粒子を準備しやすく、実土壌の粒度分布の再現も容易になるため、簡便に模擬土壌を生成することができる。
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[土壌腐食試験方法]
本実施形態に係る土壌腐食試験方法は、測定工程と、準備工程と、試験工程と、を含む。
[測定工程]
測定工程では、まず腐食環境を把握したい場所の実土壌を採取する。例えば、腐食環境を把握したい場所でボーリングを実施し、そのボーリングコアから実土壌を採取する。ただし、必ずしも腐食環境を把握したい場所で実土壌を採取する必要は無く、腐食環境を把握したい場所に近い環境の実土壌を採取してもよい。次に、採取した実土壌の粒度分布をJIS A 1204に準拠した方法で測定する。具体的には、以下の手順で粒度分布を測定する。
図1は、実土壌の粒度分布測定のフローチャートである。採取した実土壌から所定量の試料を取り出し、当該試料を目開き2mmのふるいにかける(ステップS1)。目開き2mmのふるいに残留した試料に対しては、目開きがより粗いふるいを用いてふるい分析を実施する(ステップS2)。より具体的には、目開き2mmのふるいに残留した試料を、目開き75mm、53mm、37.5mm、26.5mm、19mm、9.5mm及び4.75mmのふるいに順次かける。各目開きのふるいにおいて、残留した試料の質量を測定し、ステップS1を実施する前の全試料の質量との差分を求める。この差分と全試料の質量との関係から、各目開きのふるいを通過した試料の質量百分率を求める。各ふるいの目開きのサイズは粒径に相当するため、試料の質量百分率を各粒径の質量百分率とする。
目開き2mmのふるいを通過した実土壌に対しては、目開きがより細かいふるいを用いてふるい分析を実施する(ステップS3)。より具体的には、目開き2mmのふるいに残留した試料を、目開き850μm、425μm、250μm、106μm及び75μmのふるいに順次かけ、ステップ2と同様に各粒径の質量百分率を求める。
このようなステップ1〜3によって、実土壌の粒度分布を求める。なお、粒径75μm未満の粒度分布が必要な場合は、ステップ1とステップ3との間にJIS A 1204に規定される沈降分析を実施してもよい。
[準備工程]
準備工程では、測定工程でふるい分けした粒径分の模擬粒子群を準備する。本実施形態では説明の便宜上、図2に示すように、3つの模擬粒子群31,32,33を準備する場合について説明する。模擬粒子群31は、所定の粒径を有する模擬粒子31Aで構成される。模擬粒子群32は、模擬粒子31Aと異なる粒径を有する模擬粒子32Aで構成される。模擬粒子群33は、模擬粒子31A,32Aと異なる粒径を有する模擬粒子33Aで構成される。本実施形態において、模擬粒子31A,32A,33Aの各粒径とは、質量基準の平均粒径であり、模擬粒子31A,32A,33Aが残留するふるいの目開きサイズのうち最大のものを意味する。なお、沈降分析によって求められた模擬粒子の粒径は、質量基準の平均粒径であり、当該模擬粒子と同速度で沈降する球体の直径を意味する。
模擬粒子31A,32A,33Aの材質は、二酸化珪素、酸化チタン、二酸化ジルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、カオリン、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム等である。特に、二酸化珪素を主成分とするガラスビーズやセラミックス系ビーズは粒径のばらつきが小さく、安価であるため模擬粒子として好ましい。セラミックス系ビーズは、例えば、酸化アルミニウムを主成分とするアルミナビーズ、ケイ酸ジルコニウムを主成分とするジルコンビーズである。
複数の模擬粒子群31,32,33は、様々な粒径の模擬粒子を粒径毎にふるい分けして作成してもよいし、粒径毎に仕分けされたものを購入してもよい。また、複数の模擬粒子群31,32,33はそれぞれ、同材質であってもよいし、異材質であってもよい。
[試験工程]
試験工程では、まず、図3に示すように複数の模擬粒子群31,32,33を配合して模擬土壌4を生成する。具体的には、測定工程で求めた実土壌の粒度分布を参照し、各粒径に対応する模擬粒子群を、その粒径の質量百分率と一致する質量百分率となるように配合する。その際、複数の模擬粒子群の材質がそれぞれ異なる場合には,材質の比重を考慮して配合する。これにより、生成された模擬土壌4の粒度分布が実土壌の粒度分布と一致する。次に、生成された模擬土壌4を用いて土壌腐食試験を行う。土壌腐食試験は、図4に示す土壌腐食試験装置1を用いて行う。
土壌腐食試験装置1は、試験槽2を含む。試験槽2は、上面が開放された円筒形状を有する。試験槽2の形状は、円筒形状に限らず、角筒形状でもよい。試験槽2の材質は、例えば、塩化ビニル、アクリル等の樹脂である。試験槽2は、上面を閉鎖する上蓋21を含んでいてもよい。上蓋21は、例えば、防水通気シートである。
試験槽2の所定の高さまで、生成された模擬土壌4を収容し、模擬土壌4内に金属8を埋設する。金属8は土壌腐食試験の評価対象であり、例えば、JIS G 3101に準拠した土木建築用鋼材である。金属8を埋設した後、試験槽2に水又は電解質溶液を入れる。電解質溶液は、例えば、硫酸ナトリウム水溶液、パイライト分散液、塩化ナトリウム水溶液等である。水又は電解質溶液の量は、再現したい腐食環境に応じて適宜設定すればよい。その後、上蓋21で試験槽2の上面を閉じ、所定の期間、土壌腐食試験装置1を所定の温度及び湿度の環境下で放置する。その後、模擬土壌4内から金属8を取り出し、腐食の有無、腐食の進行度合い等を確認する。確認方法は周知の方法で行えばよい。例えば、取り出した金属8を除錆して金属8の重量を測定し、試験前からの金属8の重量減少量に基づいて腐食の程度を確認する。
[効果]
本実施形態の土壌腐食試験方法では、粒径が既知の模擬粒子群を用いて、実土壌の粒度分布を再現した模擬土壌を生成する。そのため、模擬土壌中において実土壌に概略一致した腐食因子の拡散経路を再現でき、金属の耐食性を精度よく評価することができる。
模擬土壌の粒度分布を考慮しない従来の土壌腐食試験によって、模擬土壌中の電解質溶液中に含まれる成分が金属の腐食に及ぼす影響を調べようとしても、模擬土壌の粒度分布が実土壌の粒度分布と異なる場合には粒度分布が金属の腐食に大きく影響する可能性がある。そのため、当該試験によって電解質溶液中に含まれる成分が金属に直接的に及ぼす影響を把握することは難しい。これに対して、本実施形態の土壌腐食試験方法によれば、模擬土壌の粒度分布が実土壌の粒度分布と一致しているため、実土壌と模擬土壌との粒度分布の差による金属の腐食速度の差が無く、電解質溶液中に含まれる成分が金属の腐食に及ぼす影響を精度よく評価することができる。
本実施形態の土壌腐食試験方法では、模擬土壌の粒度分布が実土壌の粒度分布と一致していればよく、模擬土壌中の模擬粒子の材質は特に限定されない。したがって、模擬粒子の材質をこだわらずに模擬土壌を生成することができる。また、模擬粒子の粒径を材質ごとに管理する必要もない。よって、簡便に模擬土壌を生成して土壌腐食試験を実施することができる。
本実施形態の土壌腐食試験方法では、模擬粒子としてガラスビーズ又はセラミックス系ビーズ(例えば、アルミナビーズ、ジルコンビーズ等)を用いることができる。ガラスビーズやセラミックス系ビーズ(例えば、アルミナビーズ、ジルコンビーズ等)は粒径のばらつきがほとんどないため、実土壌の粒度分布を再現しやすい。また、ガラスビーズやセラミックス系ビーズ(例えば、アルミナビーズ、ジルコンビーズ等)は、容易に入手できる。したがって、さらに簡便に模擬土壌を生成することができる。
以上、本開示の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本開示を実施するための例示に過ぎない。したがって、本開示は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、土壌腐食試験として、金属を模擬土壌内に放置するいわゆる埋設試験を実施する場合について説明した。しかしながら、土壌腐食試験はこれに限定されず、土壌腐食試験として電気化学測定試験を実施してもよい。電気化学測定試験は、例えば、分極測定、交流インピーダンス測定、ガルバニック腐食電流測定等である。
上述の実施形態では、JIS A 1204に準拠して実土壌の粒度分布を求める場合について説明した。しかしながら、本実施形態の土壌腐食試験方法は、当該規格によらず実土壌の粒度分布を求めることを排除しない。例えば、上述の説明以外の目開きサイズのふるいを用いて、実土壌の粒度分布を測定してもよい。
1:土壌腐食試験装置
2:試験槽
4:模擬土壌
8:金属
21:上蓋
31〜33:模擬粒子群
31A〜33A:模擬粒子
101:電気化学セル
102:試験槽
103:作用極
104:対極
105:参照極
106:ポテンショスタット

Claims (4)

  1. 金属の土壌腐食試験方法であって、
    実土壌中の粒度分布を測定する測定工程と、
    互いに粒径が異なる複数の模擬粒子群を準備する準備工程と、
    模擬土壌の粒度分布が前記実土壌の粒度分布に一致するように前記複数の模擬粒子群を配合して前記模擬土壌を生成し、前記模擬土壌内に前記金属を配置して前記金属の腐食を調べる試験工程と、を備える、土壌腐食試験方法。
  2. 請求項1に記載の土壌腐食試験方法であって、
    前記試験工程では、電解質溶液を含ませた前記模擬土壌内に前記金属を配置する、土壌腐食試験方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の土壌腐食試験方法であって、
    前記複数の模擬粒子群のうち、2つ以上の模擬粒子群の材質は同一である、土壌腐食試験方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の土壌腐食試験方法であって、
    前記模擬粒子群の各々を構成する模擬粒子は、ガラスビーズ又はセラミックス系ビーズである、土壌腐食試験方法。
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