以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
<用語について>
特許請求の範囲の表示装置は画像を表示する装置である。電子黒板は表示装置の一例である。実施形態では、表示装置を電子黒板という用語で説明する。
表示面は、ディスプレイ等の画像を表示する手段における画像が表示される面をいう。
データ入力部は、電子黒板に外部機器からデータを入力する手段である。実施形態では、データ入力部は、電子黒板の表示面の両側に設けられている。
指示受付部の一例としてのUI(User Interface)は、電子黒板に対するユーザの指示を受け付ける手段である。
外部機器は、電子黒板に対し外部の機器であり、ケーブル、ネットワーク、又はデータ入力部を介して接続できる機器を言う。例えば、ノートPC(Personal Computer)及びこれと同等の機器が外部機器の一例である。また、可搬性の記憶媒体も外部機器に該当する。
識別情報は、USBポート、有線ポート、及びアンテナ等のデータ入力部のそれぞれに付与され、複数のデータ入力部を識別するための情報をいう。なお、接触センサがセンサコントローラに出力する赤外線のID(Identification)は、単にIDと称し、上記のデータ入力部の識別情報とは区別して用いる。
以下に示す実施形態では、電子黒板を備えた表示システムを一例として説明する。
<実施形態に係る表示システムの構成>
図1は、実施形態に係る表示システムの構成の一例を説明する図である。なお、図1では、説明を簡略化するために、2台の電子黒板2a,2b及びこれに付随する電子ペン4a,4b等を示しているだけであって、3台以上の電子黒板2や電子ペン等を利用してもよい。
図1に示されているように、表示システム1は、複数の電子黒板2a,2b、複数の電子ペン4a,4b、USB(Universal Serial Bus)メモリ5a,5b、ノートPC6a,6b、テレビ(ビデオ)会議端末7a,7b、及びPC8を有する。また、電子黒板2a,2b、及びPC8は、通信ネットワーク9を介して通信可能に接続されている。更に、複数の電子黒板2a,2bには、ディスプレイ3a,3bが設けられている。ディスプレイ3aには表示面301aが含まれ、ディスプレイ3bには表示面301bが含まれている。
また、電子黒板2aには、電子ペン4aによって生じたイベント(ディスプレイ3aに電子ペン4aのペン先、又は、電子ペン4aのペン尻のタッチ)による描画された画像を、ディスプレイ3aに表示させることができる。なお、電子ペン4aだけでなく、ユーザの手Ha等によって生じたイベント(拡大、縮小、ページめくり等のジェスチャ)に基づいて、ディスプレイ3aの表示面上に表示されている画像を変更させることもできる。電子ペン4a及びユーザの手Haは、それぞれ「指示体」の一例である。
また、電子黒板2aの両側には、USBメモリ5aが接続可能なUSBポートが少なくとも一つずつ設けられている。電子黒板2aは、USBメモリ5aからPDF等の電子ファイルを読み出したり、USBメモリ5aに電子ファイルを記録したりすることができる。
また、電子黒板2aは、DisplayPort(登録商標)、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標。High-Definition Multimedia Interface)及びVGA(Video Graphics Array)等の規格による通信が可能な有線方式のデータ入力部を備えている。有線方式のデータ入力部は、電子黒板2aの両側、又は何れか一方側に設けられている。図1では、この有線方式のデータ入力部に、ケーブル10a1を介して、ノートPC6aが接続されている。
ここで、電子黒板2aの両側とは、水平方向における左右の両側をいい、電子黒板2aの何れか一方側とは、水平方向における何れか一方側をいう。また、表示面301aは電子黒板2aの水平方向における中央に位置するため、電子黒板2aの両側は表示面301aの両側の一例であり、電子黒板2aの何れか一方側は表示面301aの何れか一方側の一例である。
電子黒板2aは、ディスプレイ3aに対する接触によってイベントを発生させ、このイベントを示すイベント情報を、マウスやキーボード等の入力装置からのイベントと同様に、ノートPC6aに送信することができる。
電子黒板2aには、上記規格による通信が可能なケーブル10a2を介して、テレビ(ビデオ)会議端末7aが接続されている。また、電子黒板2aは、赤外線、Bluetooth(登録商標)等の各種無線通信プロトコルに準拠した無線通信が可能な無線方式のデータ入力部を電子黒板2aの両側、又は有線方式のデータ入力部を備えない側に備えることで、無線通信によってノートPC6aと通信することができる。
一方、電子黒板2bが設置されている他の拠点では、上記と同様に、ディスプレイ3bを備えた電子黒板2b、電子ペン4b、USBメモリ5b、ノートPC6b、テレビ会議端末7b、ケーブル10b1、ケーブル10b2が利用される。更に、ユーザの手Hb等によって生じたイベントに基づいて、ディスプレイ3b上に表示されている画像を変更させることもできる。
これにより、一の拠点で電子黒板2aのディスプレイ3a上に描画された画像は、他の拠点で電子黒板2bのディスプレイ3b上にも表示され、逆に他の拠点で電子黒板2bのディスプレイ3b上に描画された画像は、一の拠点で電子黒板2aのディスプレイ3a上に表示される。このように、表示システム1では、遠隔地において同じ画像を共有する遠隔共有処理を行うことができるため、遠隔地での会議等に用いると、非常に便利である。
なお、以下では、複数の電子黒板2のうち任意の電子黒板2を示す場合には「電子黒板2」と示す。複数のディスプレイのうち任意のディスプレイを示す場合には「ディスプレイ3」と示す。複数の電子ペンのうち任意の電子ペンを示す場合には「電子ペン4」と示す。複数のUSBメモリのうち任意のUSBメモリを示す場合には「USBメモリ5」と示す。複数のノートPC6のうち任意のノートPC6を示す場合には「ノートPC6」と示す。複数のテレビ会議端末のうち任意のテレビ会議端末を示す場合には「テレビ会議端末7」と示す。また、複数のユーザの手のうち任意の手を示す場合には「手H」と示す。複数のケーブルのうち任意のケーブルを示す場合には「ケーブル10」と示す。
また、実施形態では、表示装置の一例として、電子黒板2を説明するが、これに限るものではなく、表示装置の他の例として、電子看板(デジタルサイネージ)、スポーツや天気予報等で利用されるテレストレータ、又は、遠隔画像(映像)診断装置等であってもよい。また、外部機器の一例として、ノートPC6を説明するが、これに限るものではなく、外部機器の他の例として、デスクトップ型PCやタブレット型PC、PDA、スマートフォン、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ、ゲーム機等の画像フレームを供給可能な機器であっても良い。更に、通信ネットワークには、インターネット、LAN(Local Area Network)、携帯電話通信網等が含まれる。また、実施形態では、記録媒体の一例として、USBメモリを説明するが、これに限るものではなく、記録媒体の他の例として、SDカード等の各種記録メディアであってもよい。
<実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成>
続いて、電子黒板2のハードウェア構成を説明する。図2は、実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。
図2に示されているように、電子黒板2は、電子黒板2全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101と、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102と、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103とを備えている。また、電子黒板2は、電子黒板2用のプログラム等の各種データを記憶するSSD(Solid State Drive)104と、通信ネットワーク9との通信を制御するネットワークコントローラ105と、USBポート51を介したUSBメモリ5との通信を制御する外部記憶コントローラ106とを備えている。
更に、電子黒板2は、ノートPC6等の外部機器から映像情報を静止画又は動画として入力するキャプチャデバイス111と、グラフィクスを専門に扱うGPU(Graphics Processing Unit)112と、GPUからの出力画像をディスプレイ3等に出力するために画面表示の制御及び管理を行うディスプレイコントローラ113とを備えている。キャプチャデバイス111が入力した外部機器からの映像情報は、GPU112及びディスプレイコントローラ113を介して、電子黒板2のディスプレイ3に表示される。
また、電子黒板2は、上述したように、DisplayPort、DVI、HDMI及びVGA等の規格に準拠した有線ポート117a及び117bを備えている。PC6からの映像情報は、有線ポート117aを介してキャプチャデバイス111に入力され、テレビ会議端末7からの映像情報は、有線ポート117bを介してキャプチャデバイス111に入力される。
さらに、電子黒板2は、近距離通信回路118と、近距離通信回路118のアンテナ119とを備えている。近距離通信回路118は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth等の通信回路である。ノートPC6、及びテレビ会議端末7からの映像情報は、アンテナ119及び近距離通信回路118を介した無線通信により、電子黒板2に入力されても良い。
ここで、USBポート51、有線ポート117a、有線ポート117b、及びアンテナ119は、それぞれ「データ入力部」の一例である。実施形態では、USBポート51及びアンテナ119は電子黒板2の左側に設けられ、有線ポート117a及び有線ポート117bは電子黒板2の右側に設けられている。
なお、図2では、電子黒板2が1つのUSBポート51と、2つの有線ポート117a及び117bと、1つのアンテナ119とを備える例を示したが、これに限定されるものではない。電子黒板2は1以上のUSBポート51と、1以上の有線ポートと、1以上のアンテナを備えても良い。
また、電子黒板2は、DisplayPort、DVI、HDMI及びVGA等の規格の全部、又は一部の有線ポートを備えても良いし、NFCやBluetooth等の規格の全部、又は一部のアンテナを備えても良い。
更に、電子黒板2は、接触センサ115の処理を制御するセンサコントローラ114、ディスプレイ3上に電子ペン4やユーザの手H等が接触したことを検知する接触センサ115を備えている。
この接触センサ115は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ3の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ3に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ3の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。
接触センサ115は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のID(Identification)をセンサコントローラ114に出力し、センサコントローラ114が、物体の接触位置である座標位置を特定する。
また、接触センサ115としては、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2の抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。
また、電子黒板2は、電子ペンコントローラ116を備えている。この電子ペンコントローラ116は、電子ペン4と通信することで、ディスプレイ3へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。なお、電子ペンコントローラ116が、電子ペン4のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン4のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
更に、電子黒板2は、CPU101、ROM102、RAM103、SSD104、ネットワークコントローラ105、外部記憶コントローラ106、キャプチャデバイス111、GPU112、センサコントローラ114、及び電子ペンコントローラ116を、図4に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン120を備えている。
なお、電子黒板2用のプログラムは、CD−ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
<実施形態に係る電子黒板の機能構成>
続いて、図3A〜図5を用いて電子黒板2の機能構成について説明する。先ず、電子黒板2の全体的な機能構成を、図3Aを参照して説明する。
図A3は、実施形態に係る電子黒板の機能構成の一例を説明するブロック図である。電子黒板2は、図3Aに示されているハードウェア構成及びプログラムによって、図3Aに示されている各機能構成を有する。
電子黒板2は、最初に遠隔共有処理を開始する「主催装置」となり得ると共に、既に開始されている遠隔共有処理に後から参加する「参加装置」にもなり得る。また、電子黒板2は、大きく分けて、クライアント部20及びサーバ部90の両方によって構成されている。
クライアント部20及びサーバ部90は、電子黒板2の1台の筐体内で実現される機能である。そして、電子黒板2が主催装置となる場合には、この電子黒板2では、クライアント部20とサーバ部90が実現される。また、電子黒板2が参加装置となる場合には、この電子黒板2では、クライアント部20は実現されるが、サーバ部90は実現されない。
即ち、図3Aにおいて、電子黒板2aが主催装置で、電子黒板2bが参加装置となる場合、電子黒板2aのクライアント部20は、同じ電子黒板2a内に実現されたサーバ部90を介して、他の電子黒板2bのクライアント部20と通信を行う。一方、電子黒板2bのクライアント部20は、他の電子黒板2a内に実現されたサーバ部90を介して、他の電子黒板2aのクライアント部と通信を行う。
<<クライアント部の機能構成>>
続いて、主に図3Aから図5を用いて、クライアント部20の機能構成について説明する。クライアント部20は、映像取得部21、座標検知部22、自動調整部23、接触検知部24、イベント振分部25、操作処理部26、ジェスチャ処理部27、映像重畳部28、画像処理部30、及び通信制御部60を有する。
このうち、映像取得部21は、有線方式のデータ入力部、及び無線方式のデータ入力部に接続された映像出力機器の出力画像を取得する。映像取得部21は、映像出力機器から画像信号を受信すると、この画像信号を解析して、この画像信号によって形成される映像出力機器の表示画像である画像フレームの解像度や、この画像フレームの更新頻度などの画像情報を導出し、画像取得部31に出力する。映像出力機器は「外部機器」の一例であり、具体的には、ノートPCやスマートフォン、タブレット等である。
ここで、映像取得部21は、映像出力機器から有線ポート117a及び117bを介して有線方式で映像を取得する場合は、映像出力機器のディスプレイに表示された画面の映像を、映像信号としてそのまま取得することができる。
また、映像取得部21は、映像出力機器からアンテナ119を介して無線方式で映像を取得する場合は、映像出力機器のディスプレイに表示された画面の映像を、映像信号としてそのまま取得でき、また、映像出力機器のメモリに格納された画像ファイル等のファイルを取得することもできる。
ファイルを取得する場合、映像取得部21は、電子黒板2に無線方式で接続された映像出力機器からPNGなど所定の種類のファイルを自動で取得しても良いし、ユーザが指定するファイルを取得しても良い。また、映像出力機器の備える複数のフォルダのうち、ユーザが指定するフォルダに格納されたファイルを取得しても良い。
座標検知部22は、ディスプレイ3上でユーザによって生じたイベント(ディスプレイ3上にユーザの手Hがタッチされた動作等)の座標位置を検出する。また、座標検知部22は、タッチされた面積も検出する。
自動調整部23は、電子黒板2の起動時(再起動時と表現してもよい)に起動され、座標検知部22が適切な値を出力できるように、光センサ方式により座標を検知する座標検知部22がセンサーカメラの画像を処理する際のパラメータを調整する。
接触検知部24は、ユーザによって生じたイベント(ディスプレイ3上に電子ペン4のペン先又は電子ペン4のペン尻が押下(タッチ)された動作等)を検出する。
イベント振分部25は、座標検知部22によって検知されたイベントの座標位置と接触検知部24によって検出された検出結果を、ストローク描画、UI操作、及びジェスチャ操作の各イベントに振り分ける。
ここで、「ストローク描画」は、ディスプレイ3上に図6に示されている後述のストローク画像(B)が表示されている場合に、ユーザがディスプレイ3上で電子ペン4を押下し、この押下した状態で電子ペン4を移動させ、最終的にディスプレイ3上から電子ペン4を離すまでのイベントである。
このストローク描画により、例えば、アルファベット「S」や「T」等がディスプレイ3上に描画される。なお、この「ストローク描画」には、画像を描画するだけでなく、既に描画された画像を削除したり、描画された画像を編集したりするイベントも含まれる。
「UI操作」は、ディスプレイ3の表示面301に後述(図6)するUI画像(A)が表示されている場合に、ユーザが電子ペン4又は手Hによって所定の位置を押下したイベントである。換言すると、UI操作は、ユーザが電子黒板2を動作させるために電子黒板2に対して行う指示であり、「ユーザの指示」の一例である。
このUI操作により、電子ペン4により描画される線の色や幅等が設定される。或いは、ディスプレイ3に表示された画像を静止画として電子黒板2に保存したり、電子黒板2に接続されたノートPC6等の外部機器の映像を電子黒板2に入力したりすることができる。
「ジェスチャ操作」は、ディスプレイ3上に図6に示されている後述のストローク画像(B)が表示されている場合に、ユーザが手Hでディスプレイ3上をタッチしたり移動させたりするイベントである。このジェスチャ操作により、例えば、ユーザがディスプレイ3に手Hをタッチさせた状態で手Hを移動させることで、画像の拡大(若しくは縮小)、表示領域の変更、又は、ページ切り換え等を行うことができる。
操作処理部26は、イベント振分部25によってUI操作と判断されたものから、イベントが発生されたUIの要素にしたがって、各種操作を実行する。このUIの要素としては、例えば、ボタン、リスト、チェックボックス、テキストボックスが挙げられる。ジェスチャ処理部27は、イベント振分部25によってジェスチャ操作と判断されたものに対応した操作を実行する。
映像重畳部28は、後述の表示重畳部36で重畳された画像を映像として表示部29に対して表示する。表示部29はディスプレイ3により実現される表示機能を示す。ここで、表示部29は、「画像表示部」の一例である。また、映像重畳部28は、映像出力機器(ノートPC6等)からの映像に対して、他の映像出力機器(テレビ会議端末7等)から送られて来た映像をピクチャーインピクチャーする。更に、映像重畳部28は、ピクチャーインピクチャーされて表示部29の一部に表示された映像を、表示部29の全体に表示させるための切り替えを行う。
画像処理部30は、図6に示されているような各画像レイヤの重畳処理等を行う。この画像処理部30は、GPU112によって実行される、画像取得部31、ストローク処理部32、UI画像生成部33、背景生成部34、透かし画像生成部38、レイアウト管理部35、表示重畳部36、ページ処理部37、ファイル処理部40、ページデータ記憶部300、及び遠隔ライセンス管理テーブル310、CPU101によって実行される入力検出部33aを有している。
このうち、画像取得部31は、映像取得部21で取得された映像から、各フレームを画像として取得する。画像取得部31は、この画像のデータを、ページ処理部37に出力する。この画像は、図6に示されている映像出力機器(ノートPC6等)からの出力画像(C)に相当する。
ストローク処理部32は、イベント振分部25によって割り振られたストローク描画に係るイベントに基づいて、画像を描画したり、描画された画像を削除したり、描画された画像を編集する。このストローク描画による画像は、図6に示されているストローク画像(B)に相当する。また、このストローク描画に基づいた画像の描画、削除、編集の各結果は、後述の操作データとして、操作データ記憶部840に記憶される。
入力検出部33aは、複数のデータ入力部の一例としてのUSBポート51、有線ポート117a、有線ポート117b、及びアンテナ119のうち、データが入力されたデータ入力部を検出する。
入力検出部33aは、USBポート51、有線ポート117a、有線ポート117b、及びアンテナ119の何れか少なくとも1つに外部機器が接続されたことを検出して、データが入力されたデータ入力部を検出する。
また、入力検出部33aは、USBポート51、有線ポート117a、有線ポート117b、及びアンテナ119毎に付与した識別情報と、電子黒板2の左側、又は右側とを予め対応付けておき、検出結果として、この識別情報をUI画像生成部33に出力することができる。
「指示受付画像生成部」の一例としてのUI画像生成部33は、電子黒板2に予め設定されているUI画像を生成する。このUI画像は、「指示受付画像」の一例であり、図6に示されているUI画像(A)に該当する。ここで、図6の例では、UI画像(A)には、ユーザがUI操作するためのUI620a、620b、及び620cが含まれている。電子黒板2は、UI620a、620b、及び620cを用いて、ユーザの指示(UI操作)を受け付けることができる。なお、以下では、UI620a、620b、及び620cを単にUI620という。
そして、UI画像生成部33は、入力検出部33aが検出したデータ入力部の識別情報に基づいて、電子黒板2の外部機器が接続されている側に、UI620を配置したUI画像(A)を生成することができる。より具体的には、UI画像生成部33は、電子黒板2の左側に外部機器が接続されている場合には、表示面301の左側にUI620が表示させるようにUI620を配置したUI画像(A)を生成し、電子黒板2の右側に外部機器が接続されている場合には、表示面301の右側にUI620が表示されるようにUI620を配置したUI画像(A)を生成する。また、電子黒板2の両側に外部機器が接続されている場合には、表示面301の両側にUI620が表示されるようにUI620を配置したUI画像(A)を生成する。
UI画像生成部33は、入力検出部33aから入力した識別情報に基づき、テーブルを参照して、UI画像を構成する画像を取得する。そして、取得した画像を用いてUI画像を生成することができる。
ここで、図3Bは、UI画像生成部33がUI画像の生成時に参照するテーブルの一例を示す図である。図3Bにおいて、最も左側の列には識別情報が示され、その右側の列には識別情報の説明が示されている。また、その右側の列には、UI画像を構成する画像が示され、その右側にはUI画像の説明が示されている。図3Bに示すように、識別情報とUI画像とは対応付けられている。図3Bに示すテーブルは、予め作成され、SSD104等に記憶されている。
UI画像生成部33は、入力検出部33aから入力した識別情報に基づき、図3Bのテーブルを参照して生成するUI画像を構成する画像を取得することができる。
また、実施形態では、入力検出部33aが複数のデータ入力部にデータが入力されたことを検出した場合に、予め定められた識別情報の優先順位に従って、UI画像を生成することができる。図3B(a)は、識別情報に優先順位がない場合を示す図、図3B(b)は識別情報に優先順位がある場合を示す図である。
図3B(b)の優先順位があるテーブルを用いる場合は、入力検出部33aが複数のデータ入力部にデータが入力されたことを検出した時に、UI画像生成部33は、優先順位が最も高いUI画像を生成する。
背景生成部34は、ページ処理部37がページデータ記憶部300から読み出したページデータのうちのメディアデータを、ページ処理部37から受信する。背景生成部34は、この受信したメディアデータを表示重畳部36に出力する。また、このメディアデータによる画像は、図6に示されている背景画像(D)に相当する。背景画像(D)のパターンは、無地、グリッド表示等である。
透かし画像生成部38は、電子黒板2の記憶手段としてページデータ記憶部300に記憶されている透かし画像データを表示重畳部36に出力する。この透かし画像データは、図6に示されている透かし画像(E)に相当する。透かし画像生成部38はページデータ記憶部300の透かし画像データをディスプレイ3の解像度やアスペクト比に合わせるなどの処理を行って透かし画像データを生成する。
透明度は予め透かし画像データが保持していてもよいし、ユーザが電子黒板2で設定してもよい。別の言い方をすれば、透かし画像(E)に関する透かし画像データは、少なくとも透かし画像(E)の透明度に関する情報を有していてもよい。
レイアウト管理部35は、表示重畳部36に対して、画像取得部31、ストローク処理部32、UI画像生成部33(又は背景生成部34)及び透かし画像生成部38から出力された各画像のレイアウトを示すレイアウト情報を管理している。
これにより、レイアウト管理部35は、表示重畳部36に対して、出力画像(C)、ストローク画像(B)及び透かし画像(E)を、UI画像(A)及び背景画像(D)中のどの位置に表示させるか又は非表示にさせるかを指示することができる。
表示重畳部36は、レイアウト管理部35から出力されたレイアウト情報に基づき、画像取得部31、ストローク処理部32、UI画像生成部33(背景生成部34)及び透かし画像生成部38から出力された各画像のレイアウト(重ね合わせ)を行う。
ページ処理部37は、ストローク画像(B)のデータと出力画像(C)のデータを、1つのページデータにまとめてページデータ記憶部300に記憶する。ストローク画像(B)のデータは、図6に示されているストローク配列データIDで示されるストローク配列データ(各ストロークデータ)として、ページデータの一部を成す。出力画像(C)のデータは、図6に示されているメディアデータIDで示されているメディアデータとして、ページデータの一部を成す。そして、このメディアデータは、ページデータ記憶部300から読み出されると、背景画像(D)のデータとして取り扱われる。
また、ページ処理部37は、一旦記憶されたページデータのうちのメディアデータを、背景生成部34を介して表示重畳部36に送信することで、映像重畳部28が背景画像(D)をディスプレイ3に再表示させることができる。また、ページ処理部37は、ページデータのうちのストローク配列データ(各ストロークデータ)を、ストローク処理部32に戻すことで、ストロークの再編集ができる状態にすることができる。更に、ページ処理部37は、ページデータを削除したり複製したりすることもできる。
即ち、ページ処理部37がページデータ記憶部300にページデータを記憶する時点でディスプレイ3上に表示されている出力画像(C)のデータは、一旦、ページデータ記憶部300に記憶され、その後にページデータ記憶部300から読み出される際には、背景画像(D)を示すメディアデータとして読み出される。
そして、ページ処理部37は、ページデータ記憶部300から読み出したページデータのうち、ストローク画像(B)を示すストローク配列データを、ストローク処理部32に出力する。また、ページ処理部37は、ページデータ記憶部300から読み出したページデータのうち、背景画像(D)を示すメディアデータを、背景生成部34に出力する。
また、ページ処理部37は、ページデータ記憶部300に記憶された透かし画像データを透かし画像生成部38に送出する。透かし画像生成部38は透かし画像を表示重畳部36に送信する。
表示重畳部36は、画像取得部31からの出力画像(C)、ストローク処理部32からのストローク画像(B)、UI画像生成部33からのUI画像(A)、背景生成部34からの背景画像(D)、及び透かし画像生成部38からの透かし画像(E)を、レイアウト管理部35によって指定されたレイアウトにしたがって重畳する。これにより、図6に示されているように、各画像が重なってもユーザが見える順に、UI画像(A)、ストローク画像(B)、透かし画像(E)、出力画像(C)、及び背景画像(D)の各レイヤの構成となっている。
また、表示重畳部36は、図6に示されている出力画像(C)と背景画像(D)を切り替えて、UI画像(A)、ストローク画像(B)及び透かし画像(E)に対して排他的に重畳することも可能である。例えば、当初、UI画像(A)、ストローク画像(B)及び出力画像(C)が表示されている状態で、電子黒板2と映像出力機器(ノートPC6等)との間のケーブル10が抜かれた場合には、レイアウト管理部35の指定によって、出力画像(C)を重畳対象から外し、背景画像(D)を表示させることができる。この場合、レイアウト管理部35は透かし画像(E)を非表示から表示に切り替える。また、表示重畳部36は、表示の拡大、表示の縮小、表示領域の移動処理も行う。
ページデータ記憶部300は、表1に示されているようなページデータを記憶する。
表1は、ページデータを概念的に示す。ページデータは、ディスプレイ3に表示される1ページ分のデータ(ストローク配列データ(各ストロークデータ)及びメディアデータ)である。なお、ページデータに含まれるパラメータの種類が多いため、ここでは、表1〜表4に分けて、ページデータの内容を説明する。
ページデータは、表1に示されているように、任意の1ページを識別するためのページデータID、このページの表示を開始した時刻を示す開始時刻、ストロークやジェスチャ等によるページの内容の書き換えが行われなくなった時刻を示す終了時刻、電子ペン4やユーザの手Hによるストロークによって生じたストローク配列データを識別するためのストローク配列データID、及びメディアデータを識別するためのメディアデータIDが関連付けて記憶されている。ストローク配列データは、後述の図7に示されているストローク画像(B)がディスプレイ3上に表示されるためのデータである。メディアデータは、後述の図7に示されている背景画像(D)がディスプレイ3上に表示されるためのデータである。
このようなページデータにより、例えば、ユーザが電子ペン4によってアルファベット「S」を描く場合は一筆書きとなるため、ストロークデータIDが1つで一文字のアルファベット[S]が示される。ところが、ユーザが電子ペン4によってアルファベット「T」を描く場合、二筆書きとなるため、ストロークデータIDが2つで一文字のアルファベット「T」が示されることになる。
また、ストローク配列データは、表2に示されているように詳細な情報を示している。表2は、ストローク配列データを概念的に示す。表2に示されているように、1つのストローク配列データは、複数のストロークデータによって表される。そして、1つのストロークデータは、このストロークデータを識別するためのストロークデータID、1つのストロークの書き始めの時刻を示す開始時刻、1つのストロークの書き終わりの時刻を示す終了時刻、ストロークの色、ストロークの幅、及び、ストロークの通過点の配列を識別するための座標配列データIDを示している。
更に、この座標配列データは、表3に示されているように詳細な情報を示している。表3は、座標配列データを概念的に示す。表3に示されているように、座標配列データは、ディスプレイ3上の1点(X座標値、Y座標値)、この1点を通過したときのストロークの開始時刻からの差分の時刻(ms)、及び、この1点における電子ペン4の筆圧の各情報を示している。即ち、表3に示されている1点の集まりが、表2に示されている1つの座標配列データで示されている。例えば、ユーザが電子ペン4によってアルファベット「S」を描く場合、一筆書きとなるが、「S」を描き終えるまでに、複数の通過点を通過するため、座標配列データは、これら複数の通過点の情報を示している。
また、表1に示されているページデータのうちのメディアデータは、表4に示されているように詳細な情報を有している。
表4は、メディアデータを概念的に示す。表4に示されているように、メディアデータは、表1に示されているページデータにおけるメディアデータID、メディアデータのデータ種類、ページ処理部37からページデータ記憶部300にページデータが記憶された記録時刻、ページデータによってディスプレイ3上に表示される画像の位置(X座標値、Y座標値)及び画像のサイズ(幅、高さ)、並びにメディアデータの内容を示すデータが関連付けられて示されている。このうち、ページデータによってディスプレイ3上に表示される画像の位置は、ディスプレイ3の左上端の座標を(X座標値,Y座標値)=(0,0)とした場合に、ページデータによって表示される画像の左上端の位置を示している。
図3Aに戻って説明する。ページデータ記憶部300には、透かし画像データが記憶されている。透かし画像データは表5に示されているような情報を有している。
表5は、ページデータ記憶部300に記憶された透かし画像データを概念的に示す。表5に示されているように、透かし画像データはファイルとして保持されており、ファイル名、更新日時、種類、及び、作成者の各情報を対応付けて保持している。これらは情報処理装置がファイルの属性として有する項目であり、この他、ファイルが持ちうる属性が登録されていてよい。
また、表5では3つのファイルが登録されているが、ファイルは1つ以上登録されていればよい。また、1つもファイルが登録されていない場合もあり得る(透かし画像は表示できない)。複数のファイルが登録されている場合、最後に表示された透かし画像データ、ユーザが選択した透かし画像データ、更新日時が最も新しい(又は古い)透かし画像データ、又は、電子黒板2にログインしたユーザを作成者とする透かし画像データが適宜、選択して使用される。
ファイルの種類は透明度を扱える透過PNG(以下、単にPNGという)であるが、透過GIFなど透明度を表すことができるファイルであればよい。また、ファイルの機能として透明度を保持できなくても透かし画像生成部38が、JPEGなどから透明度が制御された透かし画像を作成してもよい。
次に、遠隔ライセンス管理テーブル310について説明する。遠隔ライセンス管理テーブル310は、遠隔共有処理を実行するために必要なライセンスデータを管理する。この遠隔ライセンス管理テーブル310では、電子黒板2のプロダクトID、認証に用いられるライセンスID、及びライセンスの有効期限が関連付けて管理されている。
(ファイル処理部40の機能構成)
続いて、図4を用いて、図3Aに示されているファイル処理部40の機能構成を説明する。図4は、実施形態に係るファイル処理部の機能構成の一例を説明するブロック図である。ファイル処理部40は、リカバリ処理部41と、ファイル入力部42aと、ファイル出力部42bと、ファイル変換部43と、ファイル送信部44と、アドレス帳入力部45と、バックアップ処理部46と、バックアップ出力部47と、設定管理部48と、設定ファイル入力部49aと、設定ファイル出力部49bとを備えている。
更に、ファイル処理部40は、アドレス帳管理テーブル410、バックアップデータ記憶部420、設定ファイル記憶部430、及び接続先管理テーブル440を有している。
このうち、リカバリ処理部41は、電子黒板2が異常終了した後に、異常終了を検知し、未保存のページデータを復旧する。例えば、正常終了の場合は、ページデータがPDFファイルとしてファイル処理部40を介してUSB5に記録されるが、電源がダウンした等の異常終了の場合は、ページデータがページデータ記憶部300に記録されたままになっている。そのため、再び、電源オンになった際に、リカバリ処理部41は、ページデータ記憶部300からページデータを読み出すことで復旧させる。
ファイル入力部42aは、USBメモリ5から、PDFファイルを読み込み、各ページをページデータとしてページデータ記憶部300に記憶する。ファイル変換部43は、ページデータ記憶部300に記憶されているページデータを、PDF形式のファイルに変換する。
また、ファイル入力部42aは、透かし画像データ等の画像データを取得し、ページデータ記憶部300に記憶する。ファイル入力部42aは、電子黒板2に接続されたUSBメモリ5からPNG等の所定の種類のファイルを自動で取得しても良いし、ユーザが指定するファイルをUSBメモリ5から取得し、ページデータ記憶部300にコピーしても良い。また、ファイル入力部42aは、USBメモリ5の備える複数のフォルダのうち、ユーザが指定するフォルダに格納されたファイルを取得し、ページデータ記憶部300にコピーしてもよい。
また、ユーザが任意の端末を操作して電子黒板2と通信し、電子黒板2が用意したWebページを使って透かし画像データを電子黒板2にアップロードで入力してもよい。この場合、ファイル入力部42aはWebサーバとして機能する。任意の端末はブラウザ等で電子黒板2のIPアドレスを指定してファイル送信が可能なHTMLデータを電子黒板2から受信する。ブラウザはユーザによるファイルの選択を受け付けるので、ユーザが選択した透かし画像データのファイルを任意の端末がファイル入力部42aに送信する。ファイル入力部42aは透かし画像データのファイルをページデータ記憶部300に記憶させる。別の言い方をすれば、ファイル入力部42aは、透かし画像(E)の透明度に関する情報を有する透かし画像データを、外部から入力する(取得する)ことができ、その透かし画像データをページデータ記憶部300に記憶することができる。
ファイル出力部42bは、ファイル変換部43によって出力されたPDFファイルをUSBメモリ5に記録する。
ファイル送信部44は、ファイル変換部43によって生成されたPDFファイルを、電子メールに添付して送信する。このファイルの送信先は、表示重畳部36によってディスプレイ3上にアドレス帳管理テーブル410の内容を表示し、ファイル送信部44がユーザによるタッチパネル等の入力装置の操作により、宛先の選択を受け付けることによって決定される。アドレス帳管理テーブル410には、宛先の名前及び宛先の電子メールのメールアドレスが関連付けて管理されている。
また、ファイル送信部44が、ユーザによるタッチパネル等の入力装置の操作により、宛先としてのメールアドレスの入力を受け付けることもできる。
アドレス帳入力部45は、USBメモリ5から電子メールアドレスの一覧ファイルを読み込み、アドレス帳管理テーブル410に管理する。
バックアップ処理部46は、ファイル出力部42bによって出力されたファイルや、ファイル送信部44によって送信されたファイルを、バックアップデータ記憶部420に記憶することでバックアップする。なお、ユーザがバックアップ設定しない場合は、バックアップの処理は行われない。バックアップデータは、PDF形式で記憶される。
バックアップ出力部47は、バックアップされたファイルをUSBメモリ5に記憶する。この記憶の際には、ユーザによるタッチパネル等の入力装置の操作により、セキュリティのためにパスコードが入力される。
設定管理部48は、電子黒板2の各種設定情報を設定ファイル記憶部430に記憶したり読み出したりして管理する。この各種設定情報としては、例えば、ネットワーク設定、日付や時刻の設定、地域や言語の設定、メールサーバの設定、アドレス帳の設定、接続先リストの設定、バックアップに関する設定が挙げられる。なお、ネットワーク設定は、例えば、電子黒板2のIPアドレスの設定、ネットマスクの設定、デフォルトゲートウェイの設定、又はDNS(Domain Name System)の設定等である。
設定ファイル出力部49bは、電子黒板2の各種設定情報を、設定ファイルとしてUSBメモリ5に記録させる。なお、設定ファイルはセキュリティによって、ユーザは中身を見ることができない。
設定ファイル入力部49aは、USBメモリ5に記憶されている設定ファイルを読み込み、各種設定情報を電子黒板2の各種設定に反映させる。
アドレス帳入力部50は、USBメモリ5から遠隔共有処理の接続先IPアドレスの一覧ファイルを読み込み、接続先管理テーブル440に管理する。
接続先管理テーブル440は、電子黒板2が遠隔共有処理に参加しようとする参加装置である場合、この参加装置のユーザが主催装置としての役割を果たす電子黒板2のIPアドレスを入力する手間を削減するために、予め管理しておくためのテーブルである。この接続先管理テーブル440では、参加されることが可能な主催装置としての電子黒板2が設置されている拠点の名称、及び主催装置としての電子黒板2のIPアドレスが関連付けて管理されている。
なお、接続先管理テーブル440は、無くてもよい。但し、この場合には、参加装置のユーザは、主催装置との間で遠隔要求処理の開始するために、タッチパネル等の入力装置によって、主催装置のIPアドレスを入力する必要がある。そのため、参加装置のユーザは、電話や電子メール等によって、主催装置のユーザから、主催装置のIPアドレスを知得する。
(通信制御部60の機能構成)
次に、図5を用いて、通信制御部60の機能構成について説明する。図5は、サーバ部とクライアント部の機能構成の一例を説明するブロック図である。通信制御部60は、通信ネットワーク9を介して、他の電子黒板2と行う通信や、サーバ部90における後述の通信制御部70と行う通信を制御する。そのため、通信制御部60は、遠隔開始処理部61、遠隔参加処理部62、遠隔画像送信部63、遠隔画像受信部64、遠隔操作送信部65、遠隔操作受信部66、及び参加拠点管理テーブル610を有している。
このうち、遠隔開始処理部61は、同じ電子黒板2のサーバ部90に対して、新たに遠隔共有処理を開始する要求を行い、サーバ部90から要求の結果を受信する。この場合、遠隔開始処理部61は、遠隔ライセンス管理テーブル310を参照し、ライセンス情報(プロダクトID、ライセンスID、及び有効期限)が管理されている場合には、遠隔共有処理を開始する要求を行うことができる。但し、ライセンス情報が管理されていない場合には遠隔共有処理を開始する要求を行うことができない。
参加拠点管理テーブル610は、電子黒板2が主催装置である場合、現在、遠隔共有処理に参加している参加装置としての電子黒板2を管理するテーブルである。
この参加拠点管理テーブル610では、参加中の電子黒板2が設置されている拠点の名称及び当該電子黒板2のIPアドレスが関連付けて管理されている。
遠隔参加処理部62は、通信ネットワーク9を介して、既に遠隔共有処理を開始している主催装置としての電子黒板2のサーバ部90における遠隔接続要求受信部71に対して、遠隔共有処理への参加要求を行う。この場合も、遠隔参加処理部62は、遠隔ライセンス管理テーブル310を参照する。
また、遠隔参加処理部62が、既に開始されている遠隔共有処理に参加する場合には、接続先管理テーブル440を参照して、参加先の電子黒板2のIPアドレスを取得する。なお、遠隔参加処理部62によって接続先管理テーブルが参照されず、ユーザによるタッチパネル等の入力装置の操作により参加先の電子黒板2のIPアドレスが入力されてもよい。
遠隔画像送信部63は、映像取得部21から画像取得部31を介して送られて来た出力画像(C)を、サーバ部90に送信する。
遠隔画像受信部64は、サーバ部90から、他の電子黒板2に接続された映像出力機器からの画像データを受信し、表示重畳部36に出力することで、遠隔共有処理を可能にする。
遠隔操作送信部65は、遠隔共有処理に必要な各種操作データをサーバ部90に送信する。この各種操作データとしては、例えば、ストロークの追加、ストロークの削除、ストロークの編集(拡大、縮小、移動)、ページデータの記憶、ページデータの作成、ページデータの複製、ページデータの削除、表示されているページの切り替え等に関するデータが挙げられる。また、遠隔操作受信部66は、サーバ部90から、他の電子黒板2で入力された操作データを受信し、画像処理部30に出力することで、遠隔共有処理を行う。
<<サーバ部の機能構成>>
続いて、図5を用いて、サーバ部90の機能構成について説明する。サーバ部90は、各電子黒板2に設けられており、いずれの電子黒板2であっても、サーバ部としての役割を果たすことができる。そのため、サーバ部90は、通信制御部70、及びデータ管理部80を有している。
(通信制御部70の機能構成)
次に、図5を用いて、通信制御部70の機能構成について説明する。
通信制御部70は、同じ電子黒板2内のクライアント部20における通信制御部70、及び通信ネットワーク9を介して他の電子黒板2内のクライアント部20における通信制御部70との通信を制御する。データ管理部80は、操作データや画像データ等を管理する。
更に詳細に説明すると、通信制御部70は、遠隔接続要求受信部71、遠隔接続結果送信部72、遠隔画像受信部73、遠隔画像送信部74、遠隔操作受信部75、及び遠隔操作送信部76を有している。
このうち、遠隔接続要求受信部71は、遠隔開始処理部61からの遠隔共有処理の開始要求を受信したり、遠隔参加処理部62からの遠隔共有処理に対する参加要求を受信したりする。遠隔接続結果送信部72は、遠隔開始処理部61へ遠隔共有処理の開始要求の結果を送信したり、遠隔参加処理部62へ遠隔共有処理に対する参加要求の結果を送信したりする。
遠隔画像受信部73は、遠隔画像送信部63からの画像データ(出力画像(C)のデータ)を受信し、後述の遠隔画像処理部82に送信する。遠隔画像送信部74は、遠隔画像処理部82から画像データを受信し、遠隔画像受信部64に対して、この画像データを送信する。
遠隔操作受信部75は、遠隔操作送信部65からの操作データ(ストローク画像(B)等のデータ)を受信し、後述の遠隔操作処理部83に送信する。遠隔操作送信部76は、遠隔操作処理部83から操作データを受信し、遠隔操作受信部66に対して、この操作データを送信する。
(データ管理部の機能構成)
次に、図5を用いて、データ管理部80の機能構成について説明する。データ管理部80は、遠隔接続処理部81、遠隔画像処理部82、遠隔操作処理部83、操作合成処理部84、及びページ処理部85を有している。更に、サーバ部90は、パスコード管理部810、参加拠点管理テーブル820、画像データ記憶部830、操作データ記憶部840、及びページデータ記憶部850を有している。
このうち、遠隔接続処理部81は、遠隔共有処理の開始、及び遠隔共有処理の終了を行う。また、遠隔接続処理部81は、遠隔接続要求受信部71が、遠隔開始処理部61から遠隔共有処理の開始要求と共に受信したライセンス情報、又は、遠隔参加処理部62から遠隔共有処理の参加要求と共に受信したライセンス情報に基づいて、ライセンスの有無やライセンスの期間内であるかを確認する。更に、遠隔接続処理部81は、クライアント部としての他の電子黒板2からの参加要求が予め定められた参加可能数を超えていないかを確認する。
更に、遠隔接続処理部81は、他の電子黒板2から遠隔共有処理に対する参加要求があった際に送られて来たパスコードが、パスコード管理部810で管理されているパスコードと同じであるか否かを判断し、同じである場合には、遠隔共有処理の参加を許可する。
なお、このパスコードは、新たに遠隔共有処理を開始する際に、遠隔接続処理部81によって発行され、遠隔共有処理に参加しようとする参加装置としての電子黒板2のユーザが、主催装置としての電子黒板2のユーザから、電話や電子メール等により伝えられる。
これにより、遠隔共有処理に参加しようとする参加装置のユーザが、タッチパネル等の入力装置によって参加装置にパスコードを入力して参加要求することで、参加が許可されることになる。なお、セキュリティよりもユーザの使い勝手を優先して、ライセンス状況の確認だけで、パスコードの確認を省略してもよい。
また、電子黒板2が主催装置の場合、遠隔接続処理部81は、参加装置の遠隔参加処理部62から通信ネットワーク9を介して送られて来た参加要求に含まれる参加拠点情報を、サーバ部90の参加拠点管理テーブル820に記憶する。そして、遠隔接続処理部81は、参加拠点管理テーブル820に記憶されている遠隔拠点情報を読み出し、遠隔接続結果送信部72に送信する。遠隔接続結果送信部72は、同じ主催装置のクライアント部20における遠隔開始処理部61に遠隔拠点情報を送信する。
遠隔開始処理部61は、参加拠点管理テーブルに610に、遠隔拠点情報を記憶する。これにより、主催装置では、クライアント部20及びサーバ部90の両方で、遠隔拠点情報を管理することになる。
遠隔画像処理部82は、遠隔共有処理中の各電子黒板2のクライアント部(主催装置である自己の電子黒板2のクライアント部を含む)に接続された映像出力機器(ノートPC6等)からの画像データ(出力画像(C))を受信して画像データ記憶部830に記憶すると共に、主催装置である自己の電子黒板2のサーバ部90に届いた時間順で遠隔共有処理すべき画像データの表示順を判断する。また、遠隔画像処理部82は、参加拠点管理テーブル820を参照し、遠隔共有処理に参加中の全ての電子黒板2のクライアント部20(主催装置である自己の電子黒板2のクライアント部を含む)に、通信制御部70(遠隔画像送信部74)を介して、上記判断した順番で画像データを送信する。
遠隔操作処理部83は、遠隔共有処理中の各電子黒板2のクライアント部(主催装置である自己の電子黒板2のクライアント部を含む)で描画されたストローク画像等の各種操作データ(ストローク画像(B)等)を受信し、主催装置である自己の電子黒板2のサーバ部90に届いた時間順で遠隔共有処理すべき画像の表示順を判断する。なお、各種操作データは、上記の各種操作データと同じである。また、遠隔操作処理部83は、参加拠点管理テーブル820を参照し、遠隔共有処理中の全ての電子黒板2のクライアント部20(主催装置である自己の電子黒板2のクライアント部を含む)に操作データを送信する。
操作合成処理部84は、遠隔操作処理部83から出力された各電子黒板2の操作データを合成し、この合成結果としての操作データを、操作データ記憶部840に記憶すると共に遠隔操作処理部83に戻す。この操作データは、遠隔操作送信部76から、主催装置である電子黒板2のクライアント部、及び参加装置である電子黒板2のクライアント部のそれぞれに送信されることで、各電子黒板2で同じ操作データに係る画像が表示される。操作データの一例を表6に示す。
操作データは、表6に示されているように、SEQ(Sequence)、操作データの操作名、操作データの送信元である電子黒板2のIPアドレス及びクライアント部(サーバ部)のPort No.、操作データの送信先である電子黒板2のIPアドレス及びクライアント部(サーバ部)のPort No,、操作データの操作種類、操作データの操作対象、並びに操作データの内容を示すデータが関連付けられて示されている。例えば、SEQ1では、主催装置である電子黒板2(IPアドレス:192.0.0.1)のクライアント部(Port No.:50001)でストロークが描画されると、同じ主催装置である電子黒板2(IPアドレス:192.0.0.1)のサーバ部(Port No.:50000)に操作データが送られたことが示されている。この場合の操作種類は「STROKE」、操作対象はページデータID「p005」、及び、操作データの内容を示すデータはストロークを示すデータである。また、SEQ2では、主催装置である電子黒板2(IPアドレス:192.0.0.1)のサーバ部(Port No.:50000)から、参加装置である他の電子黒板2(IPアドレス:192.0.0.1)のクライアント部(Port No.:50001)に、操作データが送られたことが示されている。
なお、操作合成処理部84は、この操作合成処理部84に操作データが入力された順に合成を行うため、通信ネットワーク9が混雑していなければ、各電子黒板2のユーザによるストローク順に、遠隔共有処理中の全ての電子黒板2のディスプレイ3にストローク画像(B)が表示される。
ページ処理部85は、クライアント部20の画像処理部30におけるページ処理部37と同様の機能を有し、サーバ部90でも、表1から表3に示されているページデータを、ページデータ記憶部850に記憶する。なお、ページデータ記憶部850は、画像処理部30におけるページデータ記憶部300と同じ内容であるため、その説明を省略する。
<実施形態に係る各電子黒板による処理>
続いて、図7及び図8Aを用いて、実施形態に係る各電子黒板2による処理について説明する。図7及び図8Aに示す例では、電子黒板2aが遠隔共有処理を主催する主催装置(サーバ部及びクライアント部)としての役割を果たしており、電子黒板2b,2cが遠隔共有処理に参加する参加装置(クライアント部)としての役割を果たす場合について説明する。
また、ここでは、電子黒板2a,2b,2cには、それぞれディスプレイ3a,3b,3cが接続され、更に、それぞれノートPC6a,6b,6cが接続されている。また、電子黒板2a,2b,2cでは、それぞれ電子ペン4a,4b,4cが使用される。
(参加の処理)
先ずは、図7を用いて、電子黒板2b,2cが遠隔共有処理に参加するための処理について説明する。
ユーザが電子黒板2aの電源スイッチをオンにすると、電子黒板2aのクライアント部20が起動する。そして、ユーザがタッチパネル等の入力装置によってサーバ部90を起動させる操作をすると、クライアント部20の遠隔開始処理部61から同じ電子黒板2aのサーバ部90における遠隔接続要求受信部71に、サーバ部90の処理を開始させる指示を出力する。これにより、電子黒板2aでは、クライアント部20だけでなくサーバ部90も各種処理を開始可能となる(ステップS21)。
次に、電子黒板2aのクライアント部20におけるUI画像生成部33が電子黒板2aとの接続を確立するための接続情報を生成し、映像重畳部28が、UI画像生成部33から表示重畳部36を介して得た接続情報をディスプレイ3aに表示させる(ステップS22)。
この接続情報には、主催装置のIPアドレス、及び今回の遠隔共有処理のために生成されたパスコードが含まれている。この場合、パスコード管理部810に記憶されているパスコードは、図5に示されている遠隔接続処理部81によって読み出され、遠隔接続結果送信部72、遠隔開始処理部61の順に送信される。更に、パスコードは、遠隔開始処理部61を含む通信制御部60から、図4に示されている画像処理部30に送信され、最終的にUI画像生成部33に入力される。これにより、接続情報には、パスコードが含まれる。そして、接続情報は、電子黒板2aのユーザによって、電話や電子メールにより、電子黒板2b,2cのユーザに伝えられる。なお、接続先管理テーブル440があれば、接続情報には、主催装置のIPアドレスが含まれていなくても、参加装置は参加要求を行うことができる。
次に、電子黒板2b,2cでは、各ユーザによるタッチパネル等の入力装置の操作によって接続情報の入力を受け付けると、各電子黒板2a,2bのクライアント部20における遠隔参加処理部62が、接続情報のIPアドレスに基づき、通信ネットワーク9を介して、電子黒板2aのサーバ部90における通信制御部70に対してパスコードを送信して参加要求を行う(ステップS23,S24)。これにより、通信制御部70の遠隔接続要求受信部71は、各電子黒板2b,2cから、参加要求(パスコードを含む)を受信し、このパスコードを遠隔接続処理部81に出力する。
次に、遠隔接続処理部81は、各電子黒板2b,2cから受信したパスコードに対し、パスコード管理部810で管理されているパスコードを用いて認証する(ステップS25)。
そして、遠隔接続結果送信部72が、各電子黒板2b,2cのクライアント部20に認証結果を通知する(ステップS26,S27)。
ステップS25の認証により、各電子黒板2b,2cが正当な電子黒板2であると判断されていた場合には、主催装置である電子黒板2aと、参加装置である電子黒板2b,2cとの遠隔共有処理の通信が確立され、各電子黒板2b,2cのクライアント部20における遠隔参加処理部62が、それぞれ他の電子黒板2との間の遠隔共有処理の開始を可能にする(ステップS28,S29)。
(出力画像の表示)
続いて、図7を用いて、遠隔共有処理における出力画像(C)が表示される処理について説明する。
まず、電子黒板2bは、ディスプレイ3bに出力画像(C)を表示する(ステップS30)。具体的には、電子黒板2bの画像取得部31が、ノートPC6bから映像取得部21を介して、ノートPC6bで表示されている出力画像(C)のデータを受信し、表示重畳部36及び映像重畳部28を介してディスプレイ3bに送信することで、ディスプレイ3bは出力画像(C)を表示する。
次に、電子黒板2bの画像取得部31を含む画像処理部30が、遠隔画像送信部63に出力画像(C)のデータを送信することで、遠隔画像送信部63を含む通信制御部60が通信ネットワーク9を介して、主催装置である電子黒板2aの通信制御部70に出力画像(C)のデータを送信する(ステップS31)。これにより、電子黒板2aの遠隔画像受信部73は、出力画像(C)のデータを受信し、遠隔画像処理部82に出力することで、遠隔画像処理部82が画像データ記憶部830に出力画像(C)のデータを記憶する。
次に、主催装置である電子黒板2aは、ディスプレイ3aに出力画像(C)を表示する(ステップS32)。具体的には、電子黒板2aの遠隔画像処理部82は、遠隔画像受信部73から受信した出力画像(C)のデータを、遠隔画像送信部74に出力する。
遠隔画像送信部74は、同じ主催装置である電子黒板2aのクライアント部20における遠隔画像受信部64に、出力画像(C)のデータを出力する。遠隔画像受信部64は、表示重畳部36に出力画像(C)のデータを出力する。表示重畳部36は、映像重畳部28に出力画像(C)のデータを出力する。映像重畳部28はディスプレイ3aに出力画像(C)のデータを出力する。これにより、ディスプレイ3aは、出力画像(C)を表示する。
次に、主催装置としての電子黒板2aのサーバ部90における遠隔画像送信部74を含む通信制御部70は、通信ネットワーク9を介して、出力画像(C)のデータの送信元である電子黒板2b以外の電子黒板2cの通信制御部60に出力画像(C)のデータを送信する(ステップS33)。これにより、参加装置である電子黒板2cの遠隔画像受信部64は、出力画像(C)のデータを受信する。
次に、電子黒板2cは、ディスプレイ3cに出力画像(C)を表示する(ステップS34)。具体的には、電子黒板2cの遠隔画像受信部64が、上記ステップS33によって受信された出力画像(C)のデータを、電子黒板2cの表示重畳部36に出力する。表示重畳部36は、映像重畳部28に出力画像(C)のデータを出力する。映像重畳部28はディスプレイ3cに出力画像(C)のデータを出力する。これにより、ディスプレイ3cは、出力画像(C)を表示する。
なお、出力画像(C)のデータだけでなく、UI画像(A)、ストローク画像(B)及び透かし画像(E)の各画像が、映像重畳部28に入力されている場合には、表示重畳部36により、重畳画像(A,B,C)が生成され、映像重畳部28はディスプレイ3cに重畳画像(A,B,C)のデータを出力する。
透かし画像(E)は表示されない。また、テレビ会議端末7から映像重畳部28に、テレビ会議用の映像(F)のデータが送られて来ている場合には、映像重畳部28は、重畳画像(A,B,C)にピクチャーインピクチャーによりテレビ会議用の映像(F)のデータを重畳して、ディスプレイ3cに出力する。
なお、透かし画像(E)に関しては主催装置と参加装置の間で送受信されない。したがって、透かし画像(E)が表示されるかどうかは電子黒板2によって異なる。また、各電子黒板2が表示する透かし画像(E)も電子黒板2によって異なっていてよい(同じ場合もある)。
また、透かし画像データは電子黒板2の間で送受信されてもよい。電子黒板2は、電子黒板2の動作に関する設定が記述された設定情報を伝達する機能を有している。設定情報とは、例えば、電子黒板2が適切に動作するための設定(同期時刻、再起動時刻など)、電子黒板2の動作を許可又は制限するための設定(パスコードなどのセキュリティに関する設定)、各機能のオン/オフの設定、ネットワークを介してインターネットや他の機器と通信するための設定(IPアドレス等)、などを含む。設定情報を伝達する機能を利用して、設定情報と共に透かし画像データを電子黒板2の間で共有できる。
(重畳画像の表示)
続いて、図8Aを用いて、遠隔共有処理における重畳画像が表示される処理について説明する。
先ず、電子黒板2bは、ユーザが電子ペン4bを用いて電子黒板2bにストローク画像(B)を描画する(ステップS41)。
次に、電子黒板2bの表示重畳部36は、図6に示されているように、UI画像(A)、及び出力画像(C)に対して、ストローク画像(B)を重畳し、映像重畳部28が電子黒板2bのディスプレイ3b上に、重畳された重畳画像(A,B,C)を表示させる(ステップS42)。具体的には、電子黒板2bのストローク処理部32が座標検知部22及び接触検知部24からイベント振分部25を介して、操作データとしてのストローク画像(B)のデータを受信し、表示重畳部36に送信する。これにより、表示重畳部36は、UI画像(A)、及び出力画像(C)に対して、ストローク画像(B)を重畳することができ、映像重畳部28が電子黒板2bのディスプレイ3b上に重畳画像(A,B,C)を表示させることができる。
次に、電子黒板2bのストローク処理部32を含む画像処理部30が、遠隔操作送信部65にストローク画像(B)のデータを送信することで、電子黒板2bの遠隔操作送信部65は、通信ネットワーク9を介して、主催装置である電子黒板2aの通信制御部70にストローク画像(B)のデータを送信する(ステップS43)。
これにより、電子黒板2aの遠隔操作受信部75は、ストローク画像(B)のデータを受信し、遠隔操作処理部83に出力することで、遠隔操作処理部83が操作合成処理部84にストローク画像(B)のデータを出力する。このようにして、電子黒板2bで描画されたストローク画像(B)のデータは、描画される度に、主催装置である電子黒板2aの遠隔操作処理部83に順次送信される。
このストローク画像(B)のデータは、図7に示されているストロークデータID毎に示されるデータである。よって、例えば、上記したように、ユーザが電子ペン4によってアルファベット「T」を描く場合は二筆書きとなるため、2つのストロークデータIDのそれぞれで示されるストローク画像(B)のデータが順次送信される。
次に、主催装置である電子黒板2aは、ディスプレイ3aに、電子黒板2bから送られて来たストローク画像(B)のデータが含まれた重畳画像(A,B,C)を表示する(ステップS44)。具体的には、電子黒板2aの操作合成処理部84は、遠隔操作処理部83を介して順次送られて来た複数のストローク画像(B)のデータを合成して、操作データ記憶部840に記憶すると共に遠隔操作処理部83に戻す。
これにより、遠隔操作処理部83は、操作合成処理部84から受信した、合成後のストローク画像(B)のデータを、遠隔操作送信部76に出力する。遠隔操作送信部76は、同じ主催装置である電子黒板2aのクライアント部20における遠隔操作受信部66に、合成後のストローク画像(B)のデータを出力する。
遠隔操作受信部66は、画像処理部30における表示重畳部36に、合成後のストローク画像(B)のデータを出力する。よって、表示重畳部36は、UI画像(A)、及び出力画像(C)に対して、合成後のストローク画像(B)を重畳する。最後に、映像重畳部28が、表示重畳部36によって重畳された重畳画像(A,B,C)をディスプレイ3a上に表示させる。
次に、主催装置としての電子黒板2aのサーバ部90における遠隔操作送信部76を含む通信制御部70は、通信ネットワーク9を介して、ストローク画像(B)のデータの送信元である電子黒板2b以外の電子黒板2cの通信制御部60に、合成後のストローク画像(B)のデータを送信する(ステップS45)。これにより、参加装置である電子黒板2cの遠隔操作受信部66は、合成後のストローク画像(B)のデータを受信する。
次に、電子黒板2cは、ディスプレイ3cに重畳画像(A,B,C)を表示する(ステップS46)。具体的には、電子黒板2cの遠隔操作受信部66が、上記ステップS45によって受信された合成後のストローク画像(B)のデータを、電子黒板2cの画像処理部30に出力する。画像処理部30の表示重畳部36は、UI画像(A)、及び出力画像(C)の各データと、合成後のストローク画像(B)のデータを重畳し、映像重畳部28に重畳画像(A,B,C)のデータを出力する。映像重畳部28は、ディスプレイ3cに重畳画像(A,B,C)のデータを出力する。これにより、ディスプレイ3cは、重畳画像(A,B,C)を表示する。
なお、上記処理では、ディスプレイ3上に出力画像(C)が表示されているが、この出力画像(C)に代えて、背景画像(D)を表示してもよい。また、出力画像(C)と背景画像(D)との排他的な関係をやめて、出力画像(C)と背景画像(D)との両方を同時にディスプレイ3上に表示させてもよい。
(参加の終了)
続いて、図8Aを用いて、参加装置が遠隔共有処理への参加を終了する処理について説明する。図8Aに示す例では、電子黒板2cが参加を終了する処理が示されている。
まず、電子黒板2cでは、ユーザによるタッチパネル等の入力装置の操作によって参加の終了要求を受け付けると、遠隔参加処理部62は、主催装置としての電子黒板2aのサーバ部90における通信制御部70に、参加の終了要求を行う(ステップS47)。
これにより、通信制御部70の遠隔接続要求受信部71は、電子黒板2cから、参加の終了要求を受信し、遠隔接続処理部81に、電子黒板2cのIPアドレスと共に参加の終了要求を出力する。そして、電子黒板2aの遠隔接続処理部81は、遠隔接続要求受信部71から送られて来たIPアドレスに基づいて、参加拠点管理テーブル820から、参加の終了要求を行った電子黒板2cのIPアドレス及び電子黒板2cが設置されている拠点の名称を削除し、遠隔接続結果送信部72に、電子黒板2cのIPアドレス及び削除した旨の通知を出力する。
次に、遠隔接続結果送信部72を含んだ通信制御部70が、通信ネットワーク9を介して、電子黒板2cのクライアント部20における通信制御部60に、参加の終了を指示する(ステップS48)。これにより、電子黒板2cにおける通信制御部60の遠隔参加処理部62が、遠隔共有処理の通信を切断することで、参加の終了処理を行うことで、参加が終了する(ステップS49)。
このようにして、参加装置が遠隔共有処理への参加を終了する処理を実行することができる。
ここで、電子黒板2が外部機器からデータを入力し、UI画像(A)を表示面301に表示させる処理を説明する。なお、この処理は、図7のステップS30の「出力画像(C)を表示する」に含まれる処理の一部を、より詳細に説明するものである。
図8Bは、電子黒板2が外部機器からデータを入力し、UI画像(A)を表示面301に表示させる処理の一例を示すフローチャートである。
図8Bに示すように、先ず、ステップS301において、電子黒板2は、ノートPC6等の外部機器から有線ポート117a等のデータ入力部を介して、映像データ等のデータを入力する。
続いて、ステップS302において、入力検出部33aは、データが入力されたデータ入力部を検出し、検出したデータ入力部の識別情報をUI画像生成部33に出力する。
続いて、ステップS303において、UI画像生成部33は、入力検出部33aから入力した識別情報に基づき、図3B(a)、又は図3B(b)に示したテーブルを参照して、UI画像を構成する画像を取得する。
続いて、ステップS304において、UI画像生成部33は、取得した画像を用いて、UI画像(A)を生成し、表示重畳部36に出力する。
続いて、ステップS305において、表示重畳部36は、入力したUI画像(A)を含む重畳画像を生成し、映像重畳部28に出力する。
続いて、ステップS306において、映像重畳部28はUI画像(A)を含む重畳画像を表示面301に表示させる。
このようにして、電子黒板2は、外部機器から入力したデータに応じて生成したUI画像(A)を表示面301に表示させることができる。
<重畳画像の例>
次に、実施形態に係る重畳画像について、図9〜10を参照して説明する。
図9は、電子黒板の右側に外部機器が接続された場合の重畳画像の一例を説明する図である。図9において、ノートPC6は、電子黒板2の右側に設けられた有線ポート117aにケーブルを介して接続されている。
ディスプレイ3の表示面301には、出力画像(C)とUI画像(A)が重畳された画像が表示されている。具体的には、ディスプレイ3の表示面301の中央には出力画像(C)が表示され、ディスプレイ3の表示面301の右側には、UI画像(A)に含まれるカメラUI621と、映像UI622とが表示されている。
より詳しくは、電子黒板2において、入力検出部33aは、有線ポート117aにノートPC6が接続されたことを検出して、有線ポート117aの識別情報をUI画像生成部33に出力する。UI画像生成部33は入力した識別情報に応じて、カメラUI621と映像UI622を右側に配置したUI画像(A)を生成し、表示重畳部36に出力する。表示重畳部36は入力したUI画像(A)を含む重畳画像を生成し、映像重畳部28は、UI画像(A)を含む重畳画像を表示面301に表示させる。これにより、表示面301の右側には、カメラUI621と、映像UI622とが表示されている。ここで、カメラUI621及び映像UI622は、それぞれ「指示受付部」の一例である。
ここで、カメラUI621は、出力画像(C)を静止画として電子黒板2に保存するためのUIである。ユーザが表示面301上のカメラUI621に対してUI操作を行うと、表示面301に表示されている出力画像(C)が、電子黒板2の備えるSSD104等の保存部に静止画として保存される。ここで、出力画像(C)は「画面データ」の一例である。
また、映像UI622は、ノートPC6の映像を電子黒板2に入力するためのUIである。ユーザが表示面301上のカメラUI621に対してUI操作を行うと、ノートPC6のディスプレイに表示されている映像が電子黒板2に入力され、表示面301に表示される。
図9では、電子黒板2の右側の有線ポート117aにノートPC6が接続された例を示したが、これに限定されるものではない。電子黒板2の左側の有線ポートにノートPC6が接続された場合には、入力検出部33aによりノートPC6の接続が検出された有線ポートの識別情報に基づいて、UI画像生成部33は、カメラUI621と映像UI622を左側に配置したUI画像を生成し、映像重畳部28は、このUI画像を含む重畳画像を表示面301に表示させる。これにより、表示面301の左側に、カメラUI621と、映像UI622とが表示される。
また、電子黒板2の左側の有線ポートにノートPC6が接続され、右側の有線ポートにノートPC6が接続された場合には、入力検出部33aによりノートPC6の接続が検出された有線ポートの識別情報に基づいて、UI画像生成部33は、カメラUI621と映像UI622を左右の両側にそれぞれ配置したUI画像を生成し、映像重畳部28は、このUI画像を、表示面301に表示させる。これにより、表示面301の左右の両側に、カメラUI621と、映像UI622とがそれぞれ表示される。
さらに、電子黒板2の複数のデータ入力部に外部機器が接続された場合であって、識別情報に優先順位が定められている場合には、入力検出部33aにより検出されたデータ入力部のうち、最も優先順位の高いデータ入力部の識別情報に基づいて、UI画像生成部33は、最も優先順位の高いデータ入力部が接続された側に、カメラUI621と映像UI622を配置したUI画像を生成し、映像重畳部28は、このUI画像を含む重畳画像を表示面301に表示させる。これにより、表示面301の、最も優先順位の高いデータ入力部が接続された側に、カメラUI621と、映像UI622とが表示される。
図9では、UI画像に含まれるUIとして、カメラUI621と映像UI622の例を示したが、これに限定されるものではない。電子ペン4により描画される線の色や幅等を設定するためのUI等がUI画像に含まれても良い。
図10は、出力画像が静止画として電子黒板に保存された場合の重畳画像の一例を説明する図である。ユーザが表示面301上のカメラUI621に対してUI操作を行うと、電子黒板2の保存部に出力画像(C)が静止画として保存される。表示面301の左下側には、保存された画像のサムネイル623が表示されている。
[第1の実施形態]
次に、第1の実施形態に係る電子黒板2Aの動作を、図11〜12を参照して説明する。図11は、本実施形態に係る電子黒板の動作の一例を説明する図(その1)である。図11は、電子黒板に映像出力機器が無線方式で接続された場合の重畳画像の一例を示している。
図11に示すように、電子黒板2Aは、鉛直方向に長い縦長のディスプレイ3Aを備えている。電子黒板2Aの水平方向における右側にはアンテナ119aが設けられ、電子黒板2Aの左側にはアンテナ119bが設けられている(図示を省略)。アンテナ119aは「一方のデータ入力部」の一例、アンテナ119bは「他方のデータ入力部」の一例、アンテナ119a及び119bは「両方のデータ入力部」の一例であり、何れも無線方式でデータを入力する。
ユーザ100aはスマートフォン110aを把持し、ユーザ100bはスマートフォン110bを把持している。スマートフォン110a及び110bは、それぞれ映像を外部に向けて出力することができ、また、上述したように、電子黒板2Aに対して画像ファイル等のファイルを出力することもできる。
ユーザ100aの把持するスマートフォン110aは、アンテナ119aを介して電子黒板2Aに接続される。また、ユーザ100bの把持するスマートフォン110bは、アンテナ119bを介して電子黒板2Aに接続される。
入力検出部33aは、電子黒板2Aの右側に、アンテナ119aを介して外部機器が接続されたことを検出し、また、電子黒板2Aの左側に、アンテナ119bを介して外部機器が接続されたことを検出する。入力検出部33aは、アンテナ119a及び119bの識別情報をUI画像生成部33Aに出力する。UI画像生成部33Aは、入力した識別情報に基づいて、カメラUI621aと映像UI622aが右側に配置され、カメラUI621bと映像UI622bが左側に配置されたUI画像(A)を生成する。
また、映像取得部21Aは、アンテナ119aを介してスマートフォン110aの出力画像(C)を取得する。或いは、映像取得部21Aは、アンテナ119bを介してスマートフォン110bの出力画像(C)を取得しても良い。
表示重畳部36Aは、UI画像(A)と出力画像(C)を重ね合わせた重畳画像を映像重畳部28Aに出力する。映像重畳部28Aは、入力した重畳画像をディスプレイ3Aに表示することができる。
なお、図11では、一方のデータ入力部と他方のデータ入力部が何れも無線方式でデータを入力する例を示したが、何れも有線方式でデータを入力するようにしても良い。
次に、図12は、本実施形態に係る電子黒板の動作の一例を説明する図(その2)である。図12は、電子黒板の一方の側に映像出力機器が有線方式で接続され、他方の側に無線方式で接続された場合の重畳画像の一例を示している。
電子黒板2Aの右側には有線ポート117aが設けられ、電子黒板2Aの左側にはアンテナ119bが設けられている(図示を省略)。有線ポート117aは「一方のデータ入力部」の一例であり、有線方式でデータを入力する。アンテナ119bは「他方のデータ入力部」の一例であり、無線方式でデータを入力する。
図12に示すように、ノートPC6は、ディスプレイ3Aの右側にケーブルを介して接続されている。また、ユーザ100bに把持されたスマートフォン110bが、アンテナ119bを介して電子黒板2Aの左側に接続されている。
入力検出部33aは、電子黒板2Aの右側に、有線ポート117aを介して外部機器が接続されたことを検出し、また、電子黒板2Aの左側に、アンテナ119bを介して外部機器が接続されたことを検出する。入力検出部33aは、有線ポート117a及びアンテナ119bの識別情報をUI画像生成部33Aに出力する。
UI画像生成部33Aは、入力した識別情報に基づいて、カメラUI621aと映像UI622aが右側に配置され、カメラUI621bと映像UI622bが左側に配置されたUI画像(A)を生成する。
また、映像取得部21Aは、有線ポート117aを介してノートPC6の出力画像(C)を取得する。或いは、映像取得部21Aは、アンテナ119bを介してスマートフォン110bの出力画像(C)を取得しても良い。
表示重畳部36Aは、UI画像(A)と出力画像(C)を重ね合わせた重畳画像を映像重畳部28Aに出力する。映像重畳部28Aは、入力した重畳画像を表示面301Aに表示させることができる。
<効果>
電子黒板を利用するユーザは、電子黒板に表示された画像を遮らないために、一般に、電子黒板の一方の側に立ってプレゼンテーション等を行う。また、ユーザはプレゼンテーションを行っている最中に、映像出力機器からの映像の入力や、電子ペン4により描画される線の色や幅等の設定等のUI操作を行いたい場合がある。
従来の電子黒板では、各UIが、ユーザの立つ位置によらず、電子黒板の一方の側、例えば右側に表示された。そのため、電子黒板の左側に立ってプレゼンテーション等を行うユーザは、UI操作を行おうとすると、電子黒板の表示面を跨ぐように手を伸ばしたり、UIの表示された位置まで移動したりする必要があり、UI操作をしにくくなる場合があった。
UIの表示位置をユーザ設定で変更できる電子黒板も知られているが、ユーザに設定変更作業の手間をかけさせる場合があり、また、ユーザによっては、UIの表示位置設定の変更方法が分からない場合もあった。
本実施形態に係る電子黒板2Aは、ユーザが電子黒板2Aの右側に立つと、ユーザの立つ右側から電子黒板2Aにデータが入力される。電子黒板2Aは、データが入力された表示面301Aの右側にカメラUI621a、映像UI622a等のUIを表示する。また、ユーザが電子黒板2Aの左側に立つと、ユーザの立つ左側から電子黒板2Aにデータが入力される。電子黒板2Aは、データが入力された表示面301Aの左側にUIを表示する。
これにより、ユーザは、自分に近い位置に表示されたUIに対してUI操作を行うことができる。本実施形態により、電子黒板の表示面を跨ぐように手を伸ばしたり、UIの表示された位置まで移動したりする必要のない、ユーザがUI操作(指示)しやすい電子黒板2A等の表示装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、データ入力部が表示面301Aの左側や右側に設けられた例を説明したが、データ入力部が下側や上側にある構成にしても良い。この場合、例えば、下側のデータ入力部からデータが入力された場合は、UIは表示面301Aの下部中央に表示され、上側のデータ入力部からデータが入力された場合は、表示面301Aの上部中央にUIが表示される。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る電子黒板2Bについて説明する。なお、既に説明した実施形態と同一の構成部についての説明は省略する。
本実施形態に係る電子黒板2Bは、UIの表示と非表示を切り替えるためのUIを備えるものである。
図13は、本実施形態に係る電子黒板の動作の一例を説明する図であり、(a)はUIを表示した場合の電子黒板を示す図、(b)はUIを非表示にした場合の電子黒板を示す図である。
表示面301Bには、切替UI630が表示されている。「切替指示受付部」の一例としての切替UI630は、表示面301Bの左側に存在するUIの表示と非表示を切り替えるためのUIである。
図13(a)において、スマートフォン110bを把持するユーザ100bが、電子黒板2Bの左側に立つことで、スマートフォン110bが、アンテナ119bを介して電子黒板2Bに接続されている。
映像重畳部28は、カメラUI621bと映像UI622bが左側に配置されたUI画像(A)を含む重畳画像を、表示面301Aに表示させている。このUI画像(A)は、入力検出部33aにより接続が検出されたデータ入力部の識別情報に基づいて、UI画像生成部33Aが生成したものである。
表示面301Bの左側に、カメラUI621bと映像UI622bとが表示されている。この状態で、ユーザが切替UI630に対してUI操作を行うと、カメラUI621bと映像UI622bとが非表示に切り替えられる。カメラUI621b、映像UI622b、及び切替UI630のそれぞれは、「複数のUI」の一例である。
その結果、表示面301Bでは、図13(b)に示すように、カメラUI621bと、映像UI622bがそれぞれ非表示の状態になる。表示面301Bに多くのUIが表示されていると、電子ペン4や手H等で描画された線図や、表示面301Bに表示された出力画像が見にくくなる場合がある。このように、表示面301B上でUIを非表示にすることで、UIの表示に伴う線図や画像の見にくさを解消することができる。
図13(b)の状態で、ユーザが切替UI630に対してUI操作を行うと、カメラUI621b及び映像UI622bが表示される。つまり、図13(a)の状態に戻すことができる。
図13(b)の状態では、カメラUI621bと、映像UI622bは非表示であるため、ユーザはこれらに対してUI操作を行うことはできないが、図13(a)の状態に戻すことで、再びカメラUI621b等に対するUI操作が可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る電子黒板2Bは切替UI630を備え、表示面301B上のUIの表示と非表示を切り替えことができる。これにより、UIの表示に伴う線図や画像の見にくさを解消することができ、電子黒板2Bを用いたコミュニケーションをより円滑に行うことが可能となる。
なお、上述した以外の効果は、第1の実施形態で説明したものと同様である。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
また、本実施形態では、電子黒板2に有線方式でノートPC6が接続された場合を説明したが、電子黒板2に無線方式でノートPC6が接続され、ノートPC6からの映像が電子黒板2に入力されるようにしても良い。この場合、映像の入力の有無は無線LANなどの通信装置が映像を受信したか否かにより判断される。
更に、ノートPC6と電子黒板2が1対1で接続又は通信する場合だけでなく、ネットワーク(有線又は無線)で通信する場合も本実施形態を適用できる。
また、図3A等の構成例は、電子黒板2による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。電子黒板2の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
なお、上記した実施形態に係る表示装置は、1以上のプログラムを記憶したデバイスメモリと、1以上のプロセッサによって実現されてもよい。1以上のプロセッサは、1以上のプログラムを実行することで、実施形態において記載された処理を実行する。例えば、デバイスメモリと1以上のプロセッサは、実施形態に記載されたような機能を実現(実装)することができる。例えば、デバイスメモリと1以上のプロセッサは、実施形態において記載されたようなハードウェア要素によって実現(実装)されてもよい。また、表示装置などのコンピュータに処理を実行させるための1以上のプログラムは、不揮発性の記録媒体に記憶されていてもよい。
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
また、実施形態は、表示方法を含む。例えば、表示方法は、表示面と、複数のデータ入力部と、を備えた表示装置による表示方法であって、前記複数のデータ入力部のうち、データが入力された前記データ入力部を検出する入力検出工程と、前記入力検出工程の検出結果に応じた位置に、ユーザの指示を受け付ける指示受付部を配置した指示受付画像を生成する指示受付画像生成工程と、前記指示受付画像を表示する画像表示工程と、を含む。このような表示方法により、上述した表示装置と同様の効果を得ることができる。