以下、本発明の実施の形態の1つにおける電子会議システムについて説明する。
電子会議システムは、端末装置、表示装置、及びサーバとして機能するMFP(画像形成装置)などで構成されている。各装置は、ネットワークを介して接続されている。端末装置は、無線接続により、ネットワークに接続されている。
端末装置は、例えば、電子ペーパーやディスプレイなどのタッチパネルを有するものである。端末装置は、タッチ操作可能な操作表示部(例えば複数か所を同時にタッチ操作できるいわゆるマルチタッチ型のもの)、画像又は文書を記憶する記憶部、指向性が比較的高く表示装置との間で位置検出するための通信部、表示装置やサーバなどと画像データや画像サイズ情報の通信が可能な転送部、及び各部の制御を行う制御部などを有している。
表示装置は、例えば、電子黒板、ホワイトボード、又はディスプレイなどである。表示装置は、表示部、通信部、位置特定部や端末特定部として機能する制御部、管理部、記憶部、転送部などを有している。表示部には、端末装置から送信された画像や、電子ペンなどにより直接記入された画像などが表示される。通信部は、表示画面上の多数位置に埋め込まれている。通信部は、指向性が比較的高く、端末装置との間で通信し、端末装置が近接したこと(接近したこと又は接触したこと)を検出する。位置特定部は、表示画面上での端末装置の接触位置を特定する。端末特定部は、表示部に近接した端末を特定する。管理部は、端末装置が近接している位置を基準に、後述の予約表示機能を行う。記憶部は、表示部に表示する画像データや所定領域の画像データなどを記憶する。転送部は、端末装置やサーバなどと画像データや画像サイズ情報の通信を行う。
サーバとしてのMFPは、画像を印刷(プリント)するための部位のほか、画像又は文書を記憶する記憶部、制御部、及び端末装置や表示装置などと画像データの通信を行う転送部などを有している。MFPは、用紙などをローラにより搬送しその用紙に印刷を行うプリント機能や、文書データなどを記憶部などに保存するサーバ機能などを有している。
本実施の形態において、例えば表示装置は、予約表示機能を実行する電子会議支援装置として機能する。予約表示機能は、次のような機能である。すなわち、ユーザが、表示装置の表示部のうちデータを追記したい位置に、端末装置をかざすと、その位置が電子会議支援装置により検出され、その検出された位置と端末装置との関係が記憶される(予約)。そして、その後、端末装置において当該予約位置に追記したい情報が構築され、表示指示が行われたとき、その情報を表示装置に転送し、その情報を表示部上の指定された位置(予約位置)に表示させることができる。すなわち、予約表示機能では、後から画像を表示するための領域を陣取ることができる。ユーザは、表示装置の表示部に表示されている画像のうち所望の位置に端末装置をかざすことで、表示を行う位置を予約することができ、後から、表示を行う内容を調整できる。なお、例えばMFPが電子会議支援装置として機能するようにしたり、端末装置が電子会議支援装置として機能したりするようにしてもよい。
このような予約表示機能が行われることで、多くのユーザが参加する会議などにおいて表示装置にそれぞれのユーザの情報を表示させて意見集約を行うときであっても、表示装置の前でユーザの混雑が発生することを避けられる。また、直感的な操作によって意見集約を行うことができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
予約表示機能は、次のようにして行われる。すなわち、端末装置が表示部に近接すると、表示装置が、端末装置が表示部に近接していることを検知する。表示装置は、端末装置が近接している位置を特定し、特定した位置の情報と近接している端末装置の情報とを紐付けて記憶する。その後、端末装置に構築された情報を表示装置に転送する指示があったとき、それに応答して、端末装置に構築された情報を受信し、その端末装置について記憶されている予約位置(陣取った領域)に、受信した情報を表示させる。このとき、端末装置において予め表示した表示画像の大きさを設定できるようにし、それに応じて表示装置に表示される画像サイズを変更するようにしてもよい。
ここで、予約位置に画像を表示させるときの動作モードとして、例えば他の画像に対して上書き表示を行うモードと、他の画像に対して透過表示させるモードとのうちいずれを適用するか選択可能であってもよい。また、これらのモードのうち、いずれを動作モードとするか、種々の条件に応じて自動的に選択されるようにしてもよい。種々の条件としては、例えば、予約位置の近くに他の画像がある場合において、その画像がその端末装置からの指示により表示されている画像であるか、他の端末装置からの指示により表示されている画像であるかなどが挙げられる。
なお、予約位置が表示部上にマーキング表示されるようにし、それにより、ユーザが予約位置やその大きさなどを容易に見て取れるように構成されていてもよい。また、このようにマーキング表示が行われるとき、マーキングにあわせて、ユーザ名や端末装置名などが表示されるようにしてもよい。
また、表示部に複数のページの画像(表示面)を互いに切替えながら表示させることができる表示装置を用いているとき、予約位置を、これらの複数のページの表示面毎に設定できるようにしたり、複数のページの表示面に共通して設定できるようにしたりしてもよい。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける電子会議システムの構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、電子会議システム11は、例えばネットワーク801にそれぞれ接続された複数の装置を有している。すなわち、電子会議システム11は、MFP(サーバ;画像形成装置)101と、複数の端末装置201と、表示装置301と、複数のPC401などを有している。複数の端末装置201としては、例えば、第1の端末装置(端末装置1)201a、第2の端末装置(端末装置2)201b、…、第nの端末装置(端末装置n)201などが用いられている。ここでは、これらを区別せず、それぞれを端末装置201という。また、複数のPC401としては、例えば、第1のPC(PC1)401a、第2のPC(PC2)401b、…、第nのPC(PCn)401などが用いられている。ここでは、これらを区別せず、それぞれをPC401という。
ネットワーク801は、例えば構内情報通信網(LAN)である。MFP101、表示装置301、及びPC401などは、それぞれ、例えば有線通信可能にネットワーク801に接続されている。これらの機器は、無線通信可能にネットワーク801に接続されていてもよい。他方、端末装置201は、無線通信可能にネットワーク801に接続されている。端末装置201は、ユーザが手に持って自由に移動できる携帯可能なものである。
[MFP101の構成]
図2は、MFP101を示す斜視図である。図3は、MFP101のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、MFP101は、給紙カセット103と、排紙トレイ105と、操作パネル111と、制御部121と、印刷部131と、スキャナ部141とを備える。制御部121は、MFP101の動作を制御する。制御部121、印刷部131、及びスキャナ部141などは、MFP101の筐体の内部に配置されている。
このMFP101は、3つの給紙カセット103(給紙カセット103a,103b,103c)を有している。それぞれの給紙カセット103には、例えば、互いに異なるサイズの用紙(B5サイズ、A4サイズ、及びA3サイズなど)が装てんされている。給紙カセット103は、MFP101の下部に、MFP101の筐体に抜き差し可能に配置されている。各給紙カセット103に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット103から給紙され、印刷部131に送られる。なお、給紙カセット103の数は3つに限られず、それより多くても少なくてもよい。
排紙トレイ105は、MFP101の筐体のうち印刷部131が収納されている部位の上方でスキャナ部141が配置されている部位の下方に配置されている。排紙トレイ5には、印刷部131により画像が形成された用紙が筐体の内部から排紙される。
印刷部131は、大まかに、トナー像形成部(図示せず)と、用紙搬送部(図示せず)と、定着装置(図示せず)とを有している。印刷部131は、例えば電子写真方式で用紙に画像を形成する。
用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ソーラ、及びそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセット103から給紙して、MFP101の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙をMFP101の筐体から排紙トレイ105などに排出する。
定着装置は、加熱ローラ及び加圧ローラを有している。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱及び加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。
スキャナ部141は、MFP101の筐体の上部に配置されている。スキャナ部141は、ADF(Auto Document Feeder)143を有している。スキャナ部141は、上述のスキャナ機能を実行する。スキャナ部141は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、スキャナ部141は、原稿トレイにセットされた複数の原稿を1枚ずつADF143により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサにより原稿を読み取り、画像データとする。
スキャナ部141により読み取られた画像は、制御部121により、仕上がり画像に変換される。制御部121は、生成した仕上がり画像を外部装置などに送信したり、仕上がり画像に基づいて印刷部131により用紙に画像を形成したりできる。例えば、制御部121は、読み取られた画像を、表示装置301に送り、表示装置301で表示させたりすることができる。
操作パネル111は、MFP101の上部前面(図2において正面)側に配置されている。操作パネル111には、ユーザにより押下操作可能な操作ボタンが配置されている。また、操作パネル111には、情報をユーザに表示する表示部112が配置されている。
図3に示されるように、MFP101は、上述の各部のほか、画像処理部123と、記憶部125と、転送部151とを有している。
制御部121は、MFP101の各部に、信号を送受可能に接続されている。制御部121は、例えば、CPU,ROM,RAMなどで構成されている。制御部121のROMなどには、例えば、MFP101の制御プログラム121aが記憶されている。制御部121は、制御プログラム121aなどを実行することにより、MFP101の種々の動作を制御する。
画像処理部123は、制御部121により制御されて、スキャナ部141により読み取られた画像や外部装置から送られた画像などについて、画像処理を実行する。
記憶部125は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などである。記憶部125は、いわゆるBOXと呼ばれ、MFP101に接続されている外部装置などから送られた印刷ジョブのデータや、スキャナ部141で読み取った画像データなどを記憶する。記憶部125には、MFP101の設定情報や、その他の制御プログラムなどが記憶されていてもよい。
転送部151は、例えばネットワークインターフェイスである。転送部151は、ネットワーク801に接続されている外部の中継装置などに、LANケーブルなどを介して接続されている。転送部151は、MFP101をネットワーク801に接続する。
操作パネル111の表示部112は、タッチパネルである。表示部112は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)である。表示部112は、ユーザに案内画面を表示したり、操作ボタンを表示してユーザからのタッチ操作を受け付けたりする。ユーザが表示部112に触れたとき、その情報が制御部121に送られ、制御部121は、その情報に基づいて、操作パネル111の制御を行う。すなわち、ユーザは、表示部112に触れて操作を加えることで、操作パネル111の操作を行うことができる。
[端末装置の構成]
図4は、端末装置201のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4を参照して、端末装置201は、操作表示部211と、制御部221と、記憶部225と、転送部251と、端末通信部261などを有している。本実施の形態において、端末装置201は、例えば、いわゆるタブレット型の携帯端末である。なお、端末装置201は、例えば、携帯電話機や、ラップトップ型パーソナルコンピュータや、携帯型ゲーム機など、いずれの携帯型端末であってもよい。
操作表示部211は、例えば、液晶タッチパネルである。制御部221による制御に基づいて、操作表示部211に種々の画像や端末装置の操作を行うための操作画像などが表示される。ユーザは、操作表示部211に表示されている操作画像についてタッチ操作などを行うことで、端末装置201に対して指令を行い、端末装置201に所望の動作を実行させることができる。
制御部221は、制御部121と同様に、CPU,ROM,RAMなどを有している。制御部221は、ROMなどに記憶されている制御プログラム221aを実行することで、端末装置201の種々の動作を制御する。
記憶部225は、例えば、フラッシュメモリである。記憶部225には、端末装置201で実行させる種々のプログラムや、各プログラムに用いられる文書データや画像データなどが記憶されている。なお、記憶部225は、例えばHDDであってもよい。
転送部251は、例えばネットワークインターフェイスである。本実施の形態において、転送部251は、いわゆる無線LANを介してネットワーク801に接続されている。これにより、端末装置201は、ネットワーク801との間で無線通信可能である。
端末通信部261は、例えば、近距離無線通信技術を用いて他の通信部との間で機器間相互通信などを行えるように構成されている。端末通信部261は、後述のように端末装置201が表示装置301に近接したとき、表示装置301側の通信部361(図5に示す。)との間で通信を行う。
[表示装置301の構成]
図5は、表示装置301のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5を参照して、表示装置301は、表示部311と、制御部321と、記憶部325と、転送部351と、複数の通信部361と、管理部371と、抽出部373とを有している。表示装置301は、いわゆる電子黒板であって、表示部311に、種々の画像(図形、写真、文字など)を表示させたり、ユーザによる表示部311への書き込みを反映させたりする。
表示部311は、例えば、プロジェクタ(図示せず)により画像が投影表示されるスクリーンである。表示部311は、例えば、対応する電子ペンやユーザの指が表示部311上に触れたとき、そのこと及びその位置を検知可能である。
制御部321は、CPU,ROM,RAMなどで構成されている。制御部321のROMなどには、制御プログラム321aが記憶されている。制御部321は、制御プログラム321aを実行することで、表示装置301の制御を行う。
記憶部325は、例えば不揮発性メモリやHDDなどである。記憶部325には、表示装置311が表示する画像や文書などの情報が記憶されている。制御部321は、記憶部325などに記憶されている情報に基づいて、表示部311に画像を表示させたり、その他の制御などを行ったりする。記憶部325には、例えば、MFP101や端末装置201などから送信された、表示部311に表示するための情報を記憶できる。
転送部351は、例えば、MFP101の転送部151と同様のネットワークインターフェイスである。転送部351は、表示装置301をネットワーク801に接続する。これにより、表示装置301は、MFP101、端末装置201、及びPC401などと、ネットワーク801を介して通信可能である。
管理部371は、例えば、制御部321の制御の下で、後述の予約表示機能実行時の表示装置301の動作を司る。
抽出部373は、例えば、表示部311に表示される画像の所定の領域の切り出し、すなわち抽出処理を行う。抽出部373は、例えば表示部311に表示される画像の一部を抽出することがユーザによって指示されたときなどに、抽出処理を行う。なお、抽出処理は、例えば、後述のように端末装置201が表示部311に近接していることが検知されたときにそれに応じて行われるようにしてもよい。
図6は、表示装置301の概略構成を示す正面図である。
図6を参照して、複数の通信部361は、表示装置301の表示部311に、m行n列のマトリクス状に配置されている。すなわち、複数の通信部361は、略水平方向にn個(例えば、最上段は通信部(1,1)〜(n,1))が並び、縦方向にm個(例えば、再左列は通信部(1,1)〜(1,m))が並ぶようにして設けられている。各通信部361は、表示部311の表示面の背面に配置されている。すなわち、実際には、図6に示されるように表示部311よりも手前側に露出しているわけではない。
各通信部361は、制御部321に接続されている。制御部321は、複数の通信部361のうち、いずれにより通信が行われているか、通信が行われたかを把握可能である。
図7は、表示装置301に端末装置201が近接したときの状態の一例を説明する正面図である。
各通信部361は、端末装置201の端末通信部261が近接したとき、すなわち表示部311に端末装置201が近接したとき、端末通信部261との間で近距離無線通信(非接触通信)を行う。ここで、表示部311に端末装置201が近接しているとは、例えば、表示部311に端末装置201が接触している状態か、通信部361と端末通信部261とが互いに通信可能となるように近接している状態のことをいう。
通信部361と端末通信部261との間では、例えば、端末装置201が有する情報や、表示装置301が有する情報が転送可能である。このような情報としては、例えば、端末装置201を識別するための情報や、各通信部361を特定するための情報などが該当する。なお、画像データなどを転送可能であってもよい。
図7に示されるように、表示装置301の表示部311に端末装置201が近接すると、その端末装置201の端末通信部261に近い通信部361と、端末通信部261とが通信可能になる。図7においては、端末装置201が、表示部311の各通信部361のうち、左上から3行7列目のものに近接している場合の例が示されている。
このように表示部311に端末装置201が近接すると、表示装置301の制御部321は、端末通信部261と通信を開始する通信部361がいずれであるかを判別し、近接した端末装置201の情報とを取得する。これにより、表示装置301は、端末装置201が近接したこと、近づいた端末装置の別、及び表示部311上で端末装置201が近接した位置などを判別できる。
[予約表示機能の説明]
ここで、本実施の形態において、表示装置301は、予約表示機能を実行する電子会議支援装置として機能する。ユーザは、表示部311の所望の位置に端末装置201をかざし、端末装置201を表示部311に近接させる動作を行うことにより、その後、その所望の位置に基づく表示部311上の領域を、端末装置201から送信した画像を表示させるための予約位置として予約することができる。
図8は、電子会議システム11を用いて行われる会議の実行例を説明する第1の図である。図9は、電子会議システム11を用いて行われる会議の実行例を説明する第2の図である。
図8及び図9には、6人のユーザ(会議の参加者)901,902,903,904,905,906が1つの表示装置301を見ながら会議を行う場合の例が示されている。各ユーザ901〜906は、それぞれ、自己の端末装置201を手に持って保持している。会議は、表示装置301の表示部311に各ユーザ901〜906が画像を表示させることで、各ユーザ901〜906の意見を集約して行われる。
図8を参照して、表示装置301の表示部311には、文字や図形などを表示可能な表示面の画像が表示されている。このように多くのユーザ901〜906が参加している会議中に、各ユーザ901〜906が端末装置201を表示部311に近接させる動作を行おうとすると、表示装置301の近くがユーザ901〜906で混雑し、全員の動作が終わるまで時間がかかる。
このような場合において、予約表示機能を実行することができる。すなわち、例えば会議が始まる前やその他のタイミングにおいて、表示装置301の近くがすいているときに、各ユーザ901〜906が、端末装置201を表示部311に近接させる動作を行う。これにより、各ユーザ901〜906の端末装置201と、それぞれの端末装置201が近接した表示部311上の位置とが紐付けて記憶される。すなわち、各ユーザ901〜906は、後から画像を表示させるための領域(予約位置)を予約する(陣取る)ことができる。
図9に示されるように、各ユーザ901〜906は、自身の予約位置を確保すると、表示装置301から離れて会議に参加できる。このような状態で、各ユーザ901〜906は、自身の端末装置201に紐付けて記憶された位置に、その端末装置201から送信した画像を表示させることができる。
例えば、ユーザ901,902,903が、それぞれ、端末装置201,201b,201cを所持している場合において、ユーザ901,902,903が、それぞれ、端末装置201,201b,201cに表示している画像952,962,972を表示部311に表示させる場合を想定する。このとき、ユーザ901は、表示装置301から離れている状態において、所定の操作入力を端末装置201などに行う。
図10は、端末装置201の操作画面の一例を示す図である。
予約位置に画像を表示させるときには、ユーザは、例えば図10に示されるような操作画面から、所定の操作入力を行うことができる。すなわち、図10に示されているように、端末装置201の操作表示部211に表示されている表示画面には、ユーザが閲覧したり編集したりしている画像981と、操作ボタン983,985が表示されている。操作ボタン983,985は、画像として表示されている。操作ボタン983は、画像981について、端末装置201上における編集機能を実行させるためのものである。他方、操作ボタン985は、表示されている画像981を予約位置に表示させる(貼り付ける)ことを指示するためのボタンである。ユーザは、所望の画像981が表示されている状態で、操作ボタン985を押下する操作を行うことで、所定の操作入力(送信操作)を行うことができる。
図9に示されるような場合において、ユーザ901により所定の操作入力が行われると、端末装置201は、表示装置301に対して表示指示を行う。これにより、端末装置201の操作表示部211に表示されている画像952の画像データが、ネットワーク801経由で表示装置301に送信される。そうすると、表示装置301は、表示指示を受け付け、ユーザ901の端末装置201に紐付けられている予約位置に、端末装置201から送信された画像データに基づいて、画像951を表示する。すなわち、ユーザ901は、表示装置301から離れながらにして、予約位置に、画像952に対応する画像951を表示させることができる。他のユーザ902,903もこれと同様にして、それぞれ事前に端末装置201b,201cを表示部311に近接させることによって確保した予約位置に、画像962,972に対応する画像961,971をそれぞれ表示させることができる。
図11は、予約表示機能の実行時において予約位置が確保されるまでの各装置の動作の流れを説明するシーケンス図である。
予約表示機能は、ユーザの操作に応じて、端末装置201と、電子会議支援装置としても機能する表示装置301との間で行われる。予約表示機能の実行時において、端末装置201が表示装置301に近接したことが検知されると、表示装置301の管理部371により、その端末装置201に関連付けて予約位置が設定される。すなわち、その端末装置201のための画像表示領域が予約位置として確保される。そして、その後、端末装置201により所定の操作入力が行われると、画像データが端末装置201から表示装置301に送られる。管理部371が、予約位置に関する情報に基づいて、表示制御を行うことで、表示装置301の表示部311において、予約位置となる位置に、画像が表示される。なお、図11では、表示装置301と管理部371とが分けられて示されているが、これは、表示装置301及び管理部371で行われる動作の例をより詳細に説明するためである。
図11に示されるように、予約表示機能では、次のような順番でユーザの操作が行われる。すなわち、ステップS11において、ユーザは、端末装置201の動作モードとして、予約表示モードを選択し、端末装置201の動作モードを予約表示モードにする。ユーザは、端末装置201に所定の操作を行うことで、動作モードを変更可能である。なお、ユーザが表示装置301やMFP101などに所定の操作を行うことで、端末装置201の動作モードが変更されるようにしてもよい。
ステップS13において、ユーザは、端末装置201を表示部311にかざす。このとき、ユーザは、表示部311のうち、画像の表示位置(貼り付け位置)として予約したい位置に端末装置201をかざす。
ステップS13の動作が行われると、その後、端末装置201と表示装置301との間で後述のように処理が行われることで、表示部311上の予約位置が設定される。
予約表示機能は、表示部311に端末装置201が近接するのに伴い、表示装置301及びその管理部371と、端末装置201とが、次のように処理を行うことで実現されている。これらの処理は、表示装置301の制御部321や、端末装置201の制御部221による制御の下で、表示装置301の各部や端末装置201の各部が動作することで行われる。
予約表示機能が開始される前には、表示装置301の表示部311には、画像が表示されている(ステップS101)。表示される画像としては、例えば、各ユーザから表示するように指示されたものや、MFP101やPC401などから送られたものがある。
上述のような、ユーザにより予約表示モードを選択する動作などが行われると(S11)、ステップS103において、端末装置201の動作モードが予約表示モードになる。すなわち、端末装置201において、予約表示モードが開始され、予約表示機能がスタートする。
ユーザによって端末装置201が表示部311にかざされると(S13)、ステップS105,S106において、端末通信部261と通信部361とが通信を行う。これにより、端末装置201は、表示装置301に近接していることを検出する(ステップS107)。また、表示装置301は、端末装置201が近接していることを検出する(ステップS108)。
ステップS111において、端末装置201は、指定情報を送信する。指定情報は、ネットワーク801を介して、表示装置301の管理部371に送信される。ここで、指定情報は、予約位置の設定に関する条件などを示す情報である。指定情報は、例えば、予約する表示部311上の領域の大きさや、予約位置の表示の有無などを指定する情報である。指定情報は、予約表示モードが選択されるときにユーザによって指定されたものであってもよいし、一定の値として定められているものであってもよい。また、他の機器から取得されるものであってもよい。
ステップS113において、管理部371は、端末装置201から送られた指定情報を受信する。
ステップS115において、管理部371は、第1の情報及び第2の情報を取得し、記憶する。情報は、例えば記憶部325などに記憶される。ここで、第1の情報及び第2の情報は、それぞれ次のようなものである。
第1の情報は、表示部311上で、端末装置201に近接している位置に関する情報である。すなわち、第1の情報は、ユーザが端末装置201を近接させることで表示部311上で指定された位置を示す情報である。端末通信部261と複数の通信部361のうちいずれかとが通信し、端末装置201が表示部311に近接したことが検出されたとき、その通信部361がいずれのものであるかに応じて、第1の情報が取得される。
第2の情報は、表示部311に近接している端末装置201を特定するための情報であって、例えば各端末装置201に固有の識別番号などである。端末装置201が表示部311に近接したことが検出されたとき、端末通信部261と通信部361との通信により、端末装置201の識別番号が表示装置301に送られる。これにより、第2の情報が取得される。
管理部371は、このような第1の情報及び第2の情報を記憶すると、ステップS117において、表示部311上で端末装置201を検出した検出位置を判別し、確認する。検出位置は、第1の情報に基づいて判別することができる。
ステップS121において、管理部371は、予約処理を行う。管理部371は、第1の情報と第2の情報とに基づいて、表示部311上で端末装置201に近接している位置に対応する位置を、その端末装置201に対応する予約位置として設定する。予約位置が設定されると、その情報すなわち第1の情報と第2の情報とを対応付けた情報を予約情報として記憶する。
ステップS123において、表示装置301は、転送部351などを介して、端末装置201に、予約完了通知を送信する。
ステップS125において、端末装置201は、予約完了通知を受信する。
ステップS127において、端末装置201は、予約完了通知に基づいて、予約完了表示を行う。予約完了表示は、例えば、操作表示部211上に、ユーザの支持に応じて予約処理が実行された旨、及びその予約処理が完了した旨などを表示することで行われる。
他方、ステップS129において、表示装置301では、予約位置表示が行われる。予約位置表示では、表示部311に、予約処理により確保された位置(範囲)などが、種々の方法で表示される。予約位置表示は、例えば、指定情報に基づいて、管理部371の制御により行われればよい。また、予約位置表示は、指定情報で表示しない旨が設定されている場合などには、行われなくてもよい。すなわち、予約位置が確保されていても、表示部311上には、そのような情報が何も表れないようにしてもよい。
図12は、予約表示機能の実行時において予約位置が確保された後に実行される各装置の動作の流れを説明するシーケンス図である。
上述のようにして予約位置が確保された後において、ユーザは、次の操作を行うことで、表示装置301の表示部311に画像を表示させることができる。すなわち、ユーザは、端末装置201に、貼り付け画像を呼び出す操作(ステップS15)と、所定の送信操作(ステップS17)とを実行する。
貼り付け画像は、ユーザが、予約位置に表示させたい画像である。貼り付け画像の呼出しは、例えば、端末装置201に前もって記憶されている画像を選択したり、端末装置201で撮像、作成、又は編集したりすることなどにより行われる。
貼り付け画像の呼出し操作が行われると、ステップS131において、端末装置201は、呼出し対象となった画像を操作表示部211に表示する。このとき、端末装置201は、例えば、操作表示部211に、上述の図10に示されるような操作画面を表示する。ユーザは、この操作画面が表示されている状態で、例えば操作ボタン985を押下する操作を行うことで、送信操作を行うことができる。
送信操作が行われると、ステップS133において、端末装置201は、送信操作を受け付ける。そして、端末装置201は、送信操作に応じて画像データや端末情報を送信することで、表示指示を行う。ここで画像データは、貼り付け画像についての画像データである。また、端末情報は、端末装置201を特定するためのものであって、第2の情報に対応するものである。
ステップS135において、表示装置301は、表示指示を受け付け、端末装置201から送られた画像データや端末情報を受信する。
ステップS137において、管理部371は、予約情報を呼び出す。予約情報としては、端末装置201から送られた端末情報に対応するもの、すなわちその端末装置201に対応するものが呼び出される。
ステップS139において、管理部371は、表示制御を行う。管理部371は、後述のように、表示指示の内容と、呼び出した予約情報とに基づいて、表示指示を行った端末装置201に対応する、表示部311上の位置を特定する。そして、管理部371は、その特定した位置に、端末装置201から送られた画像データや指定情報などに基づいて表示が行われるように、制御を行う。
ステップS141において、表示装置301は、表示制御に基づいて、表示部311に画像を表示する。これにより、予約表示機能の一連の動作が終了する。
[予約設定の説明]
なお、本実施の形態において、ユーザは、予約表示機能の実行に先だって、どのように予約表示を行うかなどについて設定することができる(予約設定)。予約設定は、例えば、端末装置201において、操作表示部211に予約設定画面を表示させつつ、所定の入力操作を行うことで行うことができる。
図13は、端末装置201の予約設定画面を示す図である。
予約設定画面は、例えば、予約表示モードを選択するときに操作表示部211に表示される画面である。図11に示されるように、予約設定画面では、端末装置201をどの種の動作モードにするかを設定するための選択肢が表示されている。例えば、手書き、ファイル読み込み、ファイル書き込み、特殊処理などを選択可能である。
ユーザは、図11に示されるように適切な選択肢を選択することで、例えば予約表示モードを選択することができる。すなわち、「特殊処理」を選択すると、特殊処理に該当する下位カテゴリの処理(例えば、「画像貼り付け」、「画像貼り付け予約」など)の選択肢が表示される。ここでは、「画像貼り付け予約」モード(「陣取り」モード)を選択する。この状態で、ユーザは、予約に関する種々の細かな条件などの処理内容について指定することができる。
処理内容としては、例えば、予約位置のサイズ(予約領域サイズ)指定や、予約位置を確保するページの指定や、表示を行う位置に他の画像が表示されているときの処理方法の指定や、予約位置のマーキング表示の実行態様に関する指定などが行えるようになっている。
予約領域サイズについては、例えば、基準位置について、画像を切り出す範囲を寸法(例えば、長さ単位や、画素数単位など)で指定できる。例えば端末装置201が表示部311に近接している位置を基準位置として、ここで指定されたサイズ指定情報で特定される領域に、画像が表示されることになる。換言すると、予約表示は、サイズ指定情報に応じた大きさで行われる。
予約ページの指定については、例えば、表示装置301が表示部311に複数のページの画像(表示面)を互いに切替えながら表示させることができるものであるとき、行うことができるものである。すなわち、例えば、複数のページのうち、全ページについて共通して予約位置を確保するか、それとも現在表示部311に表示されている特定のページ又は指定する特定のページについてのみ予約位置を確保するか、が選択できる。
表示を行う位置に他の画像が表示されている(「重なり」が発生する)ときの処理方法は、「重なり時」の項目で指定できる。この重なり時処理については、例えば、重なりがあるとき、表示対象の画像について、上書き表示をする方法、透過表示をする方法、又はこれらのいずれかを自動選択させる方法の3つがある。上書き表示を行う場合には(上書き表示設定)、表示される画像に重なる他の画像が、表示される画像よって隠れるようにして表示される(上書き表示処理)。透過表示を行う場合には(透過表示設定)、表示を行う画像の透明度が高くされ、表示を行う画像をとおして、その画像に重なる他の画像が見えるようにして表示される(透過表示処理)。自動選択で表示を行う場合には(自動選択設定)、例えば、表示を行う画像の属性と、その画像に重なる他の画像の属性とに応じて、上書き表示処理及び透過表示処理のいずれかの表示モードで、表示が行われる。ここで、属性には、例えば、表示する画像に重なる他の画像が、その端末装置201に対応するものであるか他の端末装置201に対応するものであるかを示すものが含まれる。すなわち、重なりが発生するのが同一の端末装置201に由来する画像間であるか否かに応じて、上書き表示処理及び透過表示処理のいずれかが行われる。
予約位置のマーキング表示については、後述のようにマーキング表示を表示部311に行うか否か、そこにその予約位置に対応する端末装置201の名を表示するか否か、及びそこにその端末装置201に対応するユーザの名を表示するか否かを指定できる。これに応じて、表示部311にマーキング表示が行われる。
[表示制御の説明]
図14は、表示制御を示すフローチャートである。
図14に示されるように、表示制御が開始されると、ステップS161に示されるように、管理部371は、呼び出した予約情報の読み込みを行う。
ステップS163において、管理部371は、予約情報に基づいて、予約位置についての表示部311画面上の位置と、サイズ情報を取得する。
ステップS165において、管理部371は、表示する画像(受信画像)のサイズを取得する。
ステップS167において、管理部371は、予約位置の画面サイズの情報に応じて、表示する画像のサイズ変更処理を行う。
ステップS169において、管理部371は、現在表示画像情報の取得を行う。この情報は、現在表示部311に表示されている画像の位置及びサイズに関する情報と、その画像の属性に関する情報とを含むものである。
ステップS171において、管理部371は、重なり判定処理を行う。すなわち、表示する画像の位置及びサイズと、ステップS169で取得した既に表示されている画像についての位置及びサイズとに基づいて、両者が重なる関係にあるか否かを判定する。
ステップS173において、管理部371は、重なり判定処理の結果として、重なりがあるか否かを判断する。
ステップS173において重なりがある場合、ステップS175において、重なり処理が実行される。重なり処理については、別途説明する。
ステップS173において重なりがない場合、又は重なり処理が終了した場合、ステップS177において、管理部371は、表示実行指示を行う。表示実行指示が行われると、図12の動作に戻り、表示する画像が、表示実行指示通りの態様で、表示部311に表示される。
図15は、重なり処理を示すフローチャートである。
重なり処理では、予約設定において指定された重なり時処理の指定内容に応じて、表示する画像が、上述の上書き表示処理又は透過表示処理により表示されるように制御される。
すなわち、図15に示されるように、ステップS181において、管理部371は、指定情報を確認する。これにより、重なり時処理に関する指定内容が確認される。
ステップS183において、管理部371は、重なり時処理が自動選択設定であるか否かを確認する。
ステップS183において自動選択設定であれば、ステップS185において、管理部371は、表示する画像に重なる他の画像が、表示する画像と同一の端末装置201(同一端末)により表示されたものであるか否かを判断する。
ステップS185において同一端末により表示されたものである場合には、ステップS187において、管理部371は、表示する画像について、上書き表示処理を行う。
ステップS185において同一端末により表示されたものでない場合には、ステップS189において、管理部371は、表示する画像について、透過表示処理を行う。
一方、ステップS183において自動選択設定でなければ、ステップS191において、管理部371は、重なり時処理が上書き表示設定であるか否かを確認する。上書き表示設定であれば、上書き表示処理が行われる(ステップS187)。
ステップS191で上書き表示設定でなければ、ステップS193において、管理部371は、重なり時処理が透過表示設定であるか否かを確認する。透過表示設定であれば、透過表示処理が行われる(ステップS189)。
ステップS193において透過表示設定でもなければ、ステップS195において、管理部371は、特に処理を行わないことに決定する。ステップS187,S189,S195のいずれかが行われると、図15の処理は終了し、図14の動作に戻る。
このように、重なりが発生する場合において、予約設定に応じて、上書き表示処理や透過表示処理が行われる。したがって、ユーザは、予約設定において所望の重なり処理を指定することで、その処理を実行させることができる。
また、自動選択設定を行うことで、例えば同一端末により表示された画像間では、上書き表示処理を行うようにし、同一のユーザにより表示されたより新しい画像を上書き表示できる。したがって、ユーザの意図をより反映させた表示を行うことができる。また、互いに異なる端末により表示された場合には、透過表示を行うようにし、他のユーザにより表示された画像が完全に隠されてしまうことがないようにしつつ、自らの画像も表示させることができる。自動選択設定では、これらの表示方法の選択が画像の属性に応じて自動的に行われるので、ユーザの手間を増加させることなく、適切に表示させることができる。
なお、予約設定にかかわらず、表示制御動作において重なりがあると判断されたときに、ユーザが、どのように画像を表示させるか指示できるようにしてもよい。これは、例えば、電子会議支援装置として機能する表示装置301と端末装置201とが通信して端末装置201の操作表示部211に所定の指示画面などを表示させることで、ユーザに、予約設定とは別に、処理内容に関する指示を求めることなどにより実現すればよい。
[マーキング表示の説明]
図16は、表示部311にマーキング表示が行われている状態の一例を示す図である。
図16に示される例では、5つの端末装置910(端末1〜5)にそれぞれ対応する5つの領域が、予約位置として確保されている。表示部311には、それぞれの予約位置が、マーキング910として表示されている。なお、5つの端末装置910のうち、端末1,2,3,4,5はそれぞれユーザA,B,C,D,Eのものである。マーキング910は、予約設定に応じて表示されている。
本実施の形態において、マーキング910は、それぞれの予約位置すなわち画像の表示領域を縁取るような形状に表示されている。図16に示されている例において、端末1に対応するマーキング910が最も大きくなっている。また、端末1に対応するマーキング910と端末2に対応するマーキング910とが互いに重なっている。この場合、端末1又は端末2によりいずれか一方の予約位置に画像が表示されている状態で、他方の端末装置201から画像が表示されるとき、表示する画像について、上述のような重なり処理が行われる場合がある。
各マーキング910には、それぞれが対応する端末装置201の名(「端末1」〜「端末6」)及びその端末装置201に対応するユーザ名(「ユーザA」〜「ユーザE」)が示されている。
このようにマーキング910が表示されていることで、表示部311のうち、どの位置について既に予約位置が確保されているか、すなわち他のユーザからの画像が表示される可能性があるかを一見して容易に把握可能である。また、マーキング910と共に対応する端末装置201及びそのユーザ名が表示されることで、その予約位置がどのユーザに対応するものであるかを容易に判別可能である。ユーザは、例えば新たに予約位置を確保しようとするとき、このようなマーキング910の表示を見て、既に確保されている他の予約位置を避けるようにして、容易に予約位置を確保できる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、予約表示機能を行って表示部311に予約位置を確保する動作を行った上で、その予約位置に後から画像を表示させることができる。したがって、多くのユーザが参加する会議などにおいて、表示装置301の前でユーザの混雑が発生することを避けられる。また、表示部311への予約位置を確保する動作は、ユーザにとって、所望の位置に端末装置201を近接させるだけの直感的な動作によって行うことができる。したがって、容易にかつスムーズに表示装置301への意見集約を行うことができ、ユーザの利便性が高い電子会議システムを構築することができる。
予約表示機能では、予約位置のサイズや、マーキング表示の有無など、様々な予約設定を行うことができる。したがって、容易な操作により、ユーザにとって自由度の高い予約位置の確保を行うことができる。
また、表示部311に複数のページの画像を互いに切替えながら表示させることができる表示装置301を用いているとき、予約位置を、これらの複数のページの表示面毎に設定したり、複数のページの表示面に共通して設定したりできる。これらの設定は、予約設定により容易に指定できる。したがって、より便利に意見集約機能を行うことができる。
[電子会議支援装置として機能する装置の変型例]
上記のような予約表示機能を司る電子会議支援装置としての役割を担うのは、表示装置301に限られない。例えば、MFP101が電子会議支援装置として機能するようにしたり、端末装置201が電子会議支援装置として機能したりするようにしてもよい。
図17は、MFP101が電子会議支援装置として機能する場合の変形例に係る予約表示機能の流れを示す第1のシーケンス図である。
図17において、図17と同様に予約表示機能の流れを示す図11と対比して、端末装置201及び表示装置301が行う役割はおおむね同じであるが、管理部371に代えてMFP101が画像の抽出や画像データの送信を行う点が相違する。この場合でも、ユーザが行う操作は、図11に示されるそれと同様である。
まず、予約表示モードの実行前においては、次のようにして、MFP101が保有する画像データに基づいて、表示装置301で画像の表示が行われている。すなわち、ステップS201において、表示装置301は、MFP101に対して、表示されるべき画像の画像データを要求する(画像データ取得要求)。
ステップS203において、MFP101は、画像データ取得要求に対して、画像データを送信する。
ステップS205,S207において、表示装置301は、MFP101から送られた画像データを受信し、その画像データに基づいて、表示部311に画像を表示する。これにより、MFP101にある画像データに基づいて、表示装置301に画像が表示される。
ここで、ユーザにより予約表示モードが選択され(ステップS11)、端末装置201が表示部311にかざされると(ステップS13)、ステップS209〜S214において、上述の実施の形態のステップS103〜S108と同様の処理が行われ、表示装置301と端末装置201とがお互いが近接していることを検出する。そして、ステップS217において、端末装置201からMFP101に、ネットワーク801経由で、指定情報が送信される。
ステップS219〜S225において、MFP101が管理部371に代わって処理を行うほか、ステップS113〜S121と同じ処理が行われる。すなわち、指定情報が端末装置201からMFP101に送信され、MFP101が予約処理までを行う。
ステップS227において、MFP101は、予約処理について、予約完了通知を端末装置201に送信する。
ステップS229,S231において、端末装置201は、ステップS125,S127と同様に、予約完了通知を受信し、受信した情報に基づいて、操作表示部211に予約が完了した旨の表示を行う。
ステップS233において、MFP101は、表示装置301に対し、予約位置に関する予約位置情報を送信する。
ステップS235において、表示装置301は、予約位置情報を受信する。
ステップS237において、表示装置301は、ステップS129と同様に、予約位置情報に基づいて、予約位置を表示する。
図18は、MFP101が電子会議支援装置として機能する場合の変形例に係る予約表示機能の流れを示す第2のシーケンス図である。
上述のようにして予約位置が確保された場合の後にも、上述の実施の形態と同様の動作が行われる。このとき、ユーザが行う操作は、図12に示されるそれと同様である。
ユーザの操作(ステップS15,S17)が行われると、ステップS241において、貼り付ける(表示部311に表示させる)画像が操作表示部211に表示され、その後、ステップS243において、画像データ及び端末情報が送信される。
ステップS245,S247において、MFP101は、送信された画像データ及び端末情報を受信する。そして、その画像データを、表示装置301で表示させるために、表示装置301に送信する。
ステップS249において、表示装置301は、送信された画像データを受信する。なお、ステップS243で送信された画像データがそのまま表示装置301に送信されるようにしたり、表示装置301及びMFP101に送信されるようにしたりしてもよい。
ステップS251,S253において、MFP101は、上記の実施の形態において管理部371が行うのと同じように、予約情報の呼出しと、表示制御を行う。
ステップS255において、表示装置301は、MFP101の表示制御に基づいて、受信した画像データに応じた画像を表示部311に表示する。
図19は、端末装置201自身が電子会議支援装置として機能する場合の変形例に係る予約表示機能の流れを示す第1のシーケンス図である。
本変型例では、上述の実施の形態と比較して、管理部371に代えて、いずれか1つの端末装置201自身が、予約処理などを行う点が相違する。この場合において、電子会議支援装置として機能する端末装置201を用いて予約表示機能が行われるとき、その動作の流れは以下のようになる。ここで、ユーザにより行う操作は、図11に示されるそれと同様である。以下の説明において、表示装置301の表示部311に表示される画像のデータが、基本的に、表示装置301内に保有されている場合を想定する。
図19に示されるように、予約表示機能が開始され、表示装置301と端末装置201とがお互いが近接していることを検出するまでの動作(ステップS301〜S308)は、上述の実施の形態と同様である。
ステップS311において、端末装置201は、指定情報を自身から取得する。
ステップS313〜S317において、端末装置201は、情報の取得から予約処理まで、上述の実施の形態のステップS115〜S121と同様の処理を行う。そして、ステップS319において、予約完了表示を行う。また、ステップS321において、予約位置に関する情報を、表示装置301に送信する。
ステップS323,S325において、表示装置301は、予約位置情報を受信し、それに応じて、予約位置表示を行う。
図20は、端末装置201自身が電子会議支援装置として機能する場合の変形例に係る予約表示機能の流れを示す第2のシーケンス図である。
上述のようにして予約位置が確保された場合の後にも、上述の実施の形態と同様の動作が行われる。このとき、ユーザが行う操作は、図12に示されるそれと同様である。
すなわち、ユーザの操作(ステップS15,S17)が行われると、ステップS331,S333において、貼り付ける(表示部311に表示させる)画像が操作表示部211に表示され、その後、画像データが送信される。なお、このとき、端末情報は送信されない。
ステップS335において、表示装置301は、送信された画像データを受信する。
ステップS337,S339において、端末装置201は、上記の実施の形態において管理部371が行うのと同じように、予約情報を呼び出し、表示制御を行う。
ステップS341において、表示装置301は、端末装置201の表示制御に基づいて、受信した画像データに応じた画像を表示部311に表示する。
なお、このように1つの端末装置201が電子会議支援装置として機能する場合において、その端末装置201は、他の端末装置201でユーザによる操作が行われる場合には、上述の図17及び図18に示されているMFP101と同様に動作する。
[その他]
上述の実施形態において、各部の特徴を適宜組み合わせたり、一部の特徴を除いたりしてもよい。
予約表示機能によって表示部上に予約位置が確保されたとき、表示部のうち確保された予約位置に表示されている画像は、表示されたままであってもよいし、非表示となってもよい。
表示指示は、所定のタイミングで自動的に行われるようにしてもよい。例えば、画像が呼び出されてから所定時間経過したときや、画像について行われている編集作業により画像が更新されたときなどに、自動的に、表示指示が行われてもよい。
端末装置が表示装置の表示部に近接していること及び近接している位置などは、近距離無線通信により検出されるものに限られない。例えば、表示部に対面して設けられた光学的センサを用いて得られた情報や、表示部に対面して設けられた撮像装置を用いて撮影された映像などを解析することなどによって、端末装置が表示部に近接しているか否かが検出されるようにしてもよい。このとき、端末装置側に接触スイッチなどを設け、そのスイッチのオンオフを合わせて検知することで、端末装置が表示部に接触したタイミングにおける近接している位置の検出を行うようにしてもよい。また、端末装置が近接することによる静電容量の変化により、近接していること及び近接している位置を検知してもよい。表示部が種々の方式のタッチパネルであって、端末装置が表示部に接触していること及び接触している位置が検知されてもよい。電子会議支援装置として機能する端末装置と表示装置とがネットワークを介して互いに通信することで、端末装置と表示装置とが近接していることやその位置の情報を、表示装置が得られるようにしてもよい。
画像の表示を行う位置に他の画像が表示されているとき、上述とは異なる動作を重なり時処理として行うようにしてもよい。例えば、一方の画像を予約位置や既に表示されている位置からずらして表示するようにしてもよい。また、すぐには画像の表示を行わず、ユーザに指示や操作のやり直しを求めるようにしてもよい。
電子会議システムを構成する種々の機器は、それぞれ、無線によりネットワークに接続されていてもよいし、有線によりネットワークに接続されていてもよい。
端末通信部と表示装置の通信部とは、表示装置の表示部と端末装置とが近接したことを検知するのみならず、その後の画像データの転送やその他の画像の通信を両者間で実現させるようにしてもよい。この場合において、端末装置は、ネットワークには接続されず、表示装置などの電子会議支援装置として機能する装置に直接接続されるようにしてもよい。
表示装置は、プロジェクタ型の電子黒板に限られない。例えば、液晶ディスプレイや他の方式のディスプレイを用いるものであってもよい。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートで文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。