JP2020153870A - 衝撃試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝撃試験方法を提供する。【解決手段】少なくとも1つの対象部品を含む供試体の耐衝撃性を評価する衝撃試験方法であって、供試体を複数の振動レベルで加振する加振ステップと、加振ステップの結果に基づいて供試体の全体の加振条件を算出する供試体加振条件算出ステップと、供試体の全体の加振条件に基づいて、部品を単体で試験した場合の単体加振条件を算出する単体加振条件算出ステップと、単体加振条件に基づいて、部品を加振する単体加振ステップと、単体加振ステップの結果に基づいて、供試体の耐衝撃性を評価する評価ステップと、を含む。【選択図】図5

Description

本発明は、衝撃試験方法に関する。
対象物を載置した振動台を加振装置により振動させ、振動の結果に基づいて、対象物の耐衝撃性を評価する衝撃試験装置がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の衝撃試験装置は、テーブルとテーブルを駆動する加振機とを有する振動台と、加振機を制御する加振制御装置と、を備え、テーブルの上に取り付けられた供試体を振動させる振動試験装置において、振動台及び供試体をモデル化し、加振機に入力される加振信号とモデルとからテーブルの加速度を計算するシミュレータと、振動の加速度の目標値をシミュレータで計算されたテーブルの加速度に基づいて補正する波形補正装置と、を備えることが記載されている。
特開2003−75287号公報
評価の対象物となる供試体は、耐衝撃性を評価する部品が複数配置される場合がある。この複数の部品の全てが必要な加振レベル(加わる衝撃の条件)を満たすかを評価するためには、供試体に大きな振動を加える必要が生じる。しかしながら、加振装置で大きな振動を加えるためには、装置を大型化する必要がある。そのため、加振装置には、試験できる対象物に限界がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、加振装置で、より多くの供試体の耐衝撃性を評価することができる衝撃試験方法を提供することを目的とする。
本発明に係る衝撃試験方法は、少なくとも1つの対象部品を含む供試体の耐衝撃性を評価する衝撃試験方法であって、前記供試体を複数の振動レベルで加振する加振ステップと、前記加振ステップの結果に基づいて前記供試体の全体の加振条件を算出する供試体加振条件算出ステップと、前記供試体の全体の加振条件に基づいて、前記部品を単体で試験した場合の単体加振条件を算出する単体加振条件算出ステップと、前記単体加振条件に基づいて、前記部品を加振する単体加振ステップと、前記単体加振ステップの結果に基づいて、前記供試体の耐衝撃性を評価する評価ステップと、を含む。
また、前記供試体の目標振動レベルを算出するステップと、前記供試体をランダム加振する供試体加振ステップと、前記供試体加振ステップの結果に基づいて、前記供試体を前記目標振動レベルでの振動が可能かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで、前記供試体を前記目標振動レベルでの振動できないと判定した場合、前記加振ステップの処理を行い、前記供試体を前記目標振動レベルでの振動できると判定した場合、前記目標振動レベルでの振動できる振動条件で前記供試体を振動し、前記供試体の耐衝撃性を評価するステップと、を含むことが好ましい。
また、前記単体加振条件算出ステップは、前記加振ステップで検出した複数の振動レベルで加振した場合の、前記供試体に設置されている位置での前記部品の単体の振動特性を算出するステップと、前記部品の単体の振動特性に基づいて、前記部品の単体での応答波形を算出するステップと、前記部品の単体での応答波形に基づいて、前記部品単体での衝撃応答スペクトルを算出するステップと、を含むことが好ましい。
また、前記単体加振条件算出ステップは、前記加振ステップで検出した複数の振動レベルで加振した場合の、前記供試体に設置されている位置での前記部品の単体の振動特性を算出するステップと、前記部品の単体の振動特性に基づいて、部品単体の応答モードを算出し、算出した応答モードの単一正弦波で加振し、加振を停止した後の振動を検出するステップと、加振を停止した後の前記部品の単体の振動に基づいて算出した固有振動数と減衰比に基づいて、前記部品の単体での応答波形を算出するステップと、前記部品の単体での応答波形に基づいて、前記部品単体での衝撃応答スペクトルを算出するステップと、を含むことが好ましい。
また、前記単体加振条件算出ステップは、前記加振ステップで検出した複数の振動レベルで加振した場合の、前記供試体に設置されている位置での前記部品の単体の振動特性を算出するステップと、前記部品の単体の振動特性に基づいて、前記部品が供試体に設置された状態での衝撃応答スペクトルを算出するステップと、固有周期毎に、振動レベルと、前記部品が供試体に設置された状態で最大加速度応答値との相対関係を算出するステップと、算出した相対関係に基づいて、供試体を目標レベルで加振した時の前記部品の最大加速度応答値を算出するステップと、目標レベルで加振した時の前記部品の最大加速度応答値に基づいて、前記部品単体での衝撃応答スペクトルを算出するステップと、を含むことが好ましい。
また、前記単体加振条件算出ステップは、前記加振ステップで検出した複数の振動レベルで加振した場合の、前記供試体に設置されている位置での前記部品の単体の振動特性に基づいて、前記部品が供試体に設置された状態で加速度波形のピーク値を検出するステップと、振動レベルと、前記部品が供試体に設置された状態で加速度波形のピーク値との相対関係を算出するステップと、算出した相対関係に基づいて、供試体を目標レベルで加振した時の、前記部品が供試体に設置された状態での最大加速度時刻歴波形を算出するステップと、を含むことが好ましい。
また、前記供試体を目標レベルで加振した時の、前記部品が供試体に設置された状態での最大加速度時刻歴波形に基づいて、加振条件を設定し、最大加速度時刻歴波形を満たしている加振条件を前記単体加振条件とすることが好ましい。
本発明によれば、供試体に配置された部品について、部品単体の高い精度で耐衝撃性を評価することができる。これにより、加振装置で、より多くの供試体の耐衝撃性を評価することができる。
図1は、本実施形態に係る衝撃試験装置の一例を示す模式図である。 図2は、供試体の試験時の状態の概略構成を示す模式図である。 図3は、部品単体の試験時の状態の概略構成を示す模式図である。 図4は、衝撃試験方法の一例を示すフローチャートである。 図5は、衝撃試験方法の一例を示すフローチャートである。 図6は、衝撃試験方法の一例を説明するためのグラフである。 図7は、衝撃試験方法の一例を説明するためのグラフである。 図8は、衝撃試験方法の一例を示すフローチャートである。 図9は、衝撃試験方法の一例を説明するためのグラフである。 図10は、衝撃試験方法の一例を示すフローチャートである。 図11は、衝撃試験方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る衝撃試験装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る衝撃試験装置10の一例を示す模式図である。図2は、供試体の試験時の状態の概略構成を示す模式図である。図3は、部品単体の試験時の状態の概略構成を示す模式図である。衝撃試験装置10は、供試体8の耐衝撃性を評価する。衝撃試験装置10は、供試体8の機器全体が所定のSRS(衝撃応答スペクトル:Shock Response Spectrum)を満たすように加振した際に機器が健全に動作することを確認して、機器の耐衝撃性能を確認する試験を行う装置である。図1に示すように、衝撃試験装置10は、加振装置12と、センサ14と、制御装置16と、を有する。
加振装置12は、振動台20と、加振部22と、を有する。振動台20は、例えば金属等の材料を用いて板状に形成される。振動台20は、振動させる対象である供試体8、部品等を載置する載置面を有する。加振装置12は、振動台20に加速度センサを配置してもよい。加振装置12は、加速度センサで振動台20の加速度を検出し、検出結果を制御装置16に送信することで、振動台20の振動を制御することができる。
加振部20は、振動台20を振動させ、供試体8を振動させる力を加える駆動部である。加振部20は、例えば、ピストン、シリンダ等を有する。ピストンは、例えば円板状に形成され、シリンダの内部に収容される。ピストンは、連結部材を介して振動台20と一体に設けられる。加振部20は、シリンダでピストンを移動させ、振動台20を振動させる。なお、加振装置12は、供試体8を振動させることができればよく、振動源は、ピストンとシリンダに限定されない。例えば、電磁石で移動する直動機構を組み合わせて、振動台20を振動させる構造としてもよい。
センサ14は、供試体8の振動状態を検出する。センサ14は、供試体8の振動を検出したい部分、部品に設置される。センサ14は、加速度センサ、移動量を検出するセンサ等である。センサ14は、供試体8の振動を検出する必要がある部分に配置される。
制御装置16は、加振装置12の動作を制御し、センサ14の検出結果を取得し、供試体8の衝撃試験を行い、試験結果を判定する。制御装置16は、例えば、コンピュータであり、図には明示しないが、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む演算処理装置や、ROMやRAMのようなメモリおよびストレージを含む記憶装置などにより実現される。演算処理装置は、記憶装置に記憶されているプログラムに従って演算処理を実施する。制御装置16は、入力装置、音声出力装置、ドライブ装置、および入出力インターフェース装置を有してもよい。入力装置は、操作されることにより入力データを生成するもので、キーボードおよびマウスの少なくとも一方を含む。音声出力装置は、スピーカーを含む。ドライブ装置は、プログラムなどのデータが記録された記録媒体からデータを読み出す。記録媒体は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスクなどのように情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリなどの様に情報を電気的に記録する半導体メモリなど、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
制御装置16は、センサ情報検出部32と、加振制御部34と、評価部36と、記憶部38と、を含む。センサ情報検出部32は、センサ14で検出した供試体8の振動の情報を取得する。加振制御部34は、加振装置12の動作を制御する。評価部36は、センサ情報検出部32の検出結果を解析し、評価することで供試体8の加振の条件を決定する。また、評価部36は、衝撃試験の試験結果を評価する。
記憶部38は、ROM、RAM等のデータを記憶する記憶装置である。記憶部38は、衝撃試験プログラム40を記憶している。衝撃試験プログラム40は、加振装置12の動作を制御する処理、供試体8の試験条件を設定する処理、試験の結果を評価する処理等を実行するためのプログラムである。制御装置16は、衝撃試験プログラム40の処理を実行することで、センサ情報検出部32、加振制御部34、評価部36での処理を実行する。
衝撃試験装置10は、供試体8の衝撃試験と、供試体に設置された部品単体の試験を行うことができる。図2は、供試体8aの衝撃試験を行う場合の一例を示している。供試体8aは、振動台20に固定されている。供試体8aは、筐体50と、筐体50の内部に保持された、部品52、54、56を有する。供試体8aは、例えば、内部に基板、バッテリ等を有する制御装置である。部品52、54、56は、基板、バッテリ等であり、衝撃試験において、耐衝撃性能(耐衝撃性)を評価する対象である。つまり、所定のSRSが入力された後でも正常に作動するか評価する対象の部品である。また、センサ14a、14b、14cは、それぞれ部品52、54、56に設置され、それぞれの振動状態を検出する。
図3は、部品52の衝撃試験を行う場合の一例を示している。部品52は、振動台20に固定されている。センサ14aは、部品52に設置され、部品52の振動状態を検出する。
次に、図4から図7を用いて、衝撃試験装置10を用いて供試体の衝撃試験を行う衝撃試験方法の一例について説明する。図4は、衝撃試験方法の一例を示すフローチャートである。図5は、衝撃試験方法の一例を示すフローチャートである。図6は、衝撃試験方法の一例を説明するためのグラフである。図7は、衝撃試験方法の一例を説明するためのグラフである。
図4を用いて、衝撃試験方法の全体の処理について説明する。衝突試験装置10は、評価対象である供試体の情報を取得し、目標SRSを確認する(ステップS12)。つまり、供試体の構造、要求される耐衝撃性能に基づいて、供試体に加える加振力を算出し、目標SRSを特定する。
衝撃試験装置10は、目標SRSに基づいて、振動台の制御周波数を決定する(ステップS14)。つまり、加振する周波数を決定する。例えば、目標SRSの一番短周期側から振動台の加振制御振動数を決定する。
衝撃試験装置10は、決定した制御周波数に基づいて、ランダム加振を行う(ステップS16)。具体的には、ステップS14で決定した制御周波数を含んだ一様レベルのランダム波で供試体を加振する。衝撃試験装置10は、ランダム加振で供試体8aに生じた振動を検出し、検出した結果から加振時刻歴波形を生成する(ステップS18)。
衝撃試験装置10は、供試体8aの加振時刻歴波形と目標SRSに基づいて、全体加振が可能かを判定する(ステップS20)。衝撃試験装置10は、全体加振が可能ではない(ステップS20でNo)、つまり目標SRSの加振ができないと判定した場合、部品単体試験を行う(ステップS22)。部品単体試験については、後述する。
衝撃試験装置10は、全体加振が可能である(ステップS20でYes)と判定した場合、全体衝撃加振を行う(ステップS24)。衝撃試験装置10は、全体衝撃加振で加えた振動が目標SRSを包絡しているかを判定する(ステップS26)。
衝撃試験装置10は、目標SRSを包絡していない(ステップS26でNo)と判定した場合、加振のレベルを調整し(ステップS28)、ステップS24に戻る。具体的には、加振のレベルを上げる。衝撃試験装置10は、目標SRSを包絡している(ステップS26でYes)と判定した場合、機器動作がOKかを判定する(ステップS30)。つまり、目標SRSを包絡する衝撃を与えた後も、供試体8aの各機器が正常に動作するかを判定する。衝撃試験装置10は、機器動作がOKである場合(ステップS30でYes)、OKと判定して(ステップS32)、処理を終了する。衝撃試験装置10は、機器動作がOKはない場合(ステップS30でNo)、NGと判定して(ステップS34)、処理を終了する。
次に、図5を用いて、部品単体試験の処理について説明する。なお、部品単体試験は、供試体に含まれる評価対象の部品毎に実行する。衝撃試験装置10は、全体小レベルの加振を行い(ステップS50)、全体中レベルの加振を行い(ステップS52)、全体限界レベルの加振を行う(ステップS54)。ステップS50からステップS54までの各レベルの衝撃試験の順番は特に限定されない。限界レベルの加振条件は、加振装置12で実行できる最大のレベルでの加振条件である。また、中レベル、小レベルの加振条件は、限界レベルに基づいて、算出する。また、本実施形態では、3段階のレベルで実行したが、2段階でも4段階でもよい。
衝撃試験装置10は、目標全体加振レベルを算出する(ステップS56)。図6は、横軸を周期とし、縦軸をSRSとしたグラフである。ステップS50からステップS54の処理で、図6に示すように、小レベルの加振で算出した周期とSRSとの関係100と、中レベルの加振で算出した周期とSRSとの関係102と、限界レベルの加振で算出した周期とSRSとの関係104と、を算出される。算出した関係100、102、104の任意の周期S1での値に基づいて、供試体の耐衝撃性能の評価に必要な周期とSRSとの目標の関係108を算出する。また、目標全体加振レベルは、周期の最小値における応答値ZPAに基づいて算出してもよい。目標の関係108を算出することで、図7に示すように、レベルL1(小レベル)、レベルL2(中レベル)、レベルL3(限界レベル)のSRSに基づいて、直線112を算出し、直線112と目標の関係108のSRSに基づいて、加振レベルLaを算出することができる。
衝撃試験装置10は、部品単体位置振動特性を算出する(ステップS58)。衝撃試験装置10は、ステップS50からステップS54の試験結果に基づいて、供試体に設置された部品の振動特性をセンサ14で検出する。振動特性としては、加速度応答が例示される。部品単体位置振動特性は、各レベルで取得した自由減衰波形に基づいて、部品単体の設置位置における、固有振動数と減衰比を分析する。さらに、加振レベルと固有振動数、減衰比を整理して目標全体の加振レベルにおける対象の部品の固有振動数、減衰比を予測する。
衝撃試験装置10は、部品単体応答波形を算出する(ステップS60)。衝撃試験装置10は、供試体全体を加振する際の加振波形に対して、ステップS58で計算したパラメータを用いて、応答計算を行い部品単体の加振加速度時刻歴波形を計算する。衝撃試験装置10は、部品単体SRSを算出する(ステップS62)。ステップS60で算出した部品単体の応答波形から部品単体試験の目標SRSを算出する。
衝撃試験装置10は、部品単体衝撃加振を行う(ステップS64)。衝撃試験装置10は、部品単体衝撃加振で加えた振動が目標SRSを包絡しているかを判定する(ステップS66)。
衝撃試験装置10は、目標SRSを包絡していない(ステップS66でNo)と判定した場合、加振のレベルを調整し(ステップS68)、ステップS64に戻る。具体的には、加振のレベルを上げる。衝撃試験装置10は、目標SRSを包絡している(ステップS66でYes)と判定した場合、機器動作がOKかを判定する(ステップS70)。つまり、目標SRSを包絡する衝撃を与えた後も、部品が正常に動作するかを判定する。衝撃試験装置10は、機器動作がOKである場合(ステップS70でYes)、OKと判定して(ステップS72)、処理を終了する。衝撃試験装置10は、機器動作がOKはない場合(ステップS70でNo)、NGと判定して(ステップS74)、処理を終了する。
衝撃試験装置10は、上記の衝撃試験方法で試験を実行することで、供試体8aの全体を衝撃試験装置10で試験できない目標SRSである場合でも、部品単体でそれぞれを評価することができる。これにより、種々の対象物の衝撃試験を行うことができる。
また、部品単体の位置の振動特性に基づいて、部品単体の目標SRSを算出することで、部品の非線形性を考慮して、部品搭載位置に対応した加振波形を決定することができる。これにより、部品単体の試験で、供試体に設置された部品の評価を高い精度で行うことができる。
また、上記実施形態では、部品単体のSRSを算出して、SRSを基準として条件を満足したかを判定したが、ステップS60で算出した部品単体の時刻歴波形に基づいて、SRSを許容する時刻歴波形を算出し、時刻歴波形を用いて、部品単体加振試験を実施してもよい。
次に、図8及び図9を用いて、部品単体の目標SRSの作成方法の他の例を説明する。図8は、衝撃試験方法の一例を示すフローチャートである。図9は、衝撃試験方法の一例を説明するためのグラフである。図8に示す処理は、図5に示す処理のステップS58からステップS60の処理に対応する。
衝撃試験装置10は、全体加振の部品毎の応答波形を抽出する(ステップS80)。全体加振の際に検出した部品の応答波形を抽出する。衝撃試験装置10は、部品毎の応答波形に基づいて、主要応答モードを把握する(ステップS82)。次に、衝撃試験装置10は、主要応答モードとなる周波数に対応する単一正弦波で加振する(ステップS84)。衝撃試験装置10は、加振後、加振を急停止する(ステップS86)。衝撃試験装置10は、加振を急停止した後の、固有振動数・減衰比を確認し、満足したかを判定する(ステップS88)。具体的には、設定した段階数の加振レベルでの試験を行い、それぞれの加振レベルでの固有振動数・減衰比のデータを取得したかを判定し、必要なデータを取得している場合、満足したと判定する。
衝撃試験装置10は、固有振動数・減衰比が満足していない(ステップS88でNo)と判定した場合、加振レベルを変更し(ステップS90)、ステップS80に戻る。衝撃試験装置10は、固有振動数・減衰比が満足である(ステップS88でYes)と判定した場合、取得した加振レベルでの固有振動数・減衰比のデータに基づいて、部品単体の固有振動数・減衰比の加振レベルの変化に対する傾向を把握し(ステップS92)、目標SRSでの部品単体での応答を予測する(ステップS94)。
図9は、縦軸を振動方向の加速度、横軸を時間とした場合の対象部分の振動を示している。台形波の波形120を入力して、振動を計測することなく、単一正弦波を入力し、入力を停止することで、波形122、124、126のように、自由減衰の波形を検出することができる。これにより、固有振動数、減衰を好適に算出することができる。
このように、単一周波数で加振し、固有振動、減衰を評価することで、非線形性をより精緻に評価することができ、部品単体の目標SRSをより高い精度で作製することができる。
図10は、衝撃試験方法の一例を示すフローチャートである。図10に示す処理は、図5に示す処理のステップS58からステップS62の処理に対応する。衝撃試験装置10は、加速度波形からSRSを計算する(ステップS102)。つまり、ステップS50からステップS54で検出した各部品位置の加速度波形(振動状態)から、その位置におけるSRSを算出する。
衝撃試験装置10は、固有周期毎にレベルと最大加速度応答値の関係を整理する(ステップS104)。つまり、算出したSRSに基づいて、周波数毎に、部品全体の目標SRSを満足するレベルでの最大加速度応答値を算出する。
衝撃試験装置10は、最も勾配が急な直線を把握する(ステップS106)。算出した各レベルと、各レベルでの最大加速度応答値との関係に基づいて、レベルの変化に対して最大加速度応答値の変化が最も大きい関係を、最も勾配が急な直線として、算出する。次に、衝撃試験装置10は、全体を目標レベルで加振した時の最大加速度応答値を算出する(ステップS108)。具体的には、固有周期ごとにレベルと最大加速度応答値の関係を整理し、原点から見て一番勾配が急になる直線を用いて、全体を目標レベルで加振した時の最大加速度応答値を算出する。なお、本実施形態では、最も勾配が急な直線を把握したが、平均的な勾配を算出してもよい。次に、衝撃試験装置10は、目標SRSを計算する(ステップS102)。各周期で算出した全体を目標レベルで加振した時の最大加速度応答値を繋ぐことで、部品単体の目標SRSを算出する。
衝撃試験装置10は、図10に示すように、固有周期毎の最大加速応答値に基づいて、SRSを算出することで、時刻歴の応答計算を行わずに、部品単体のSRSを算出することができる。これにより計算量を低減することができる。
図11は、衝撃試験方法の一例を示すフローチャートである。図11に示す処理は、図5に示す処理のステップS58からステップS60の処理に対応する。衝撃試験装置10は、部品位置の加速度波形からピーク値を確認する(ステップS122)。衝撃試験装置10は、加振レベルと加速度応答波形からピークの関係を整理する(ステップS124)。衝撃試験装置10は、最も勾配が急な直線を把握する(ステップS126)。衝撃試験装置10は、全体を目標レベルで加振した時の部品位置の最大加速度時刻歴波形の予測を行う(ステップS128)。
衝撃試験装置10は、図11に示すように、部品単体のSRSを算出せずに、各レベルでの部品位置の加速度応答波形のピーク値と、供試体全体の目標加振レベルと各レベルとの関係に基づいて、全体を目標レベルで加振した時の部品位置の最大加速度時刻歴波形の予測することで、目標SRSを満足する加振時時刻歴波形を少ない計算量で算出することができる。衝撃試験装置10は、図11で算出した部品位置の最大加速度時刻歴波形を満たすように、部品単体の衝撃試験を行うことで、供試体に設置された部品の耐衝撃性能を評価することができる。
8、8a 供試体
10 衝撃試験装置
12 加振装置
14、41a、41b、14c センサ
16 制御装置
20 振動台
22 加振部
32 センサ情報検出部
34 加振制御部
36 評価部
38 記憶部
40 衝撃試験プログラム
50 筐体
52、54、56 部品

Claims (7)

  1. 少なくとも1つの対象部品を含む供試体の耐衝撃性を評価する衝撃試験方法であって、
    前記供試体を複数の振動レベルで加振する加振ステップと、
    前記加振ステップの結果に基づいて前記供試体の全体の加振条件を算出する供試体加振条件算出ステップと、
    前記供試体の全体の加振条件に基づいて、前記部品を単体で試験した場合の単体加振条件を算出する単体加振条件算出ステップと、
    前記単体加振条件に基づいて、前記部品を加振する単体加振ステップと、
    前記単体加振ステップの結果に基づいて、前記供試体の耐衝撃性を評価する評価ステップと、を含む衝撃試験方法。
  2. 前記供試体の目標振動レベルを算出するステップと、
    前記供試体をランダム加振する供試体加振ステップと、
    前記供試体加振ステップの結果に基づいて、前記供試体を前記目標振動レベルでの振動が可能かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップで、前記供試体を前記目標振動レベルでの振動できないと判定した場合、前記加振ステップの処理を行い、
    前記供試体を前記目標振動レベルでの振動できると判定した場合、前記目標振動レベルでの振動できる振動条件で前記供試体を振動し、前記供試体の耐衝撃性を評価するステップと、を含む請求項1に記載の衝撃試験方法。
  3. 前記単体加振条件算出ステップは、前記加振ステップで検出した複数の振動レベルで加振した場合の、前記供試体に設置されている位置での前記部品の単体の振動特性を算出するステップと、
    前記部品の単体の振動特性に基づいて、前記部品の単体での応答波形を算出するステップと、
    前記部品の単体での応答波形に基づいて、前記部品単体での衝撃応答スペクトルを算出するステップと、を含む請求項1または請求項2に記載の衝撃試験方法。
  4. 前記単体加振条件算出ステップは、前記加振ステップで検出した複数の振動レベルで加振した場合の、前記供試体に設置されている位置での前記部品の単体の振動特性を算出するステップと、
    前記部品の単体の振動特性に基づいて、部品単体の応答モードを算出し、算出した応答モードの単一正弦波で加振し、加振を停止した後の振動を検出するステップと、
    加振を停止した後の前記部品の単体の振動に基づいて算出した固有振動数と減衰比に基づいて、前記部品の単体での応答波形を算出するステップと、
    前記部品の単体での応答波形に基づいて、前記部品単体での衝撃応答スペクトルを算出するステップと、を含む請求項1または請求項2に記載の衝撃試験方法。
  5. 前記単体加振条件算出ステップは、前記加振ステップで検出した複数の振動レベルで加振した場合の、前記供試体に設置されている位置での前記部品の単体の振動特性を算出するステップと、
    前記部品の単体の振動特性に基づいて、前記部品が供試体に設置された状態での衝撃応答スペクトルを算出するステップと、
    固有周期毎に、振動レベルと、前記部品が供試体に設置された状態で最大加速度応答値との相対関係を算出するステップと、
    算出した相対関係に基づいて、供試体を目標レベルで加振した時の前記部品の最大加速度応答値を算出するステップと、
    目標レベルで加振した時の前記部品の最大加速度応答値に基づいて、前記部品単体での衝撃応答スペクトルを算出するステップと、を含む請求項1または請求項2に記載の衝撃試験方法。
  6. 前記単体加振条件算出ステップは、前記加振ステップで検出した複数の振動レベルで加振した場合の、前記供試体に設置されている位置での前記部品の単体の振動特性に基づいて、前記部品が供試体に設置された状態で加速度波形のピーク値を検出するステップと、
    振動レベルと、前記部品が供試体に設置された状態で加速度波形のピーク値との相対関係を算出するステップと、
    算出した相対関係に基づいて、供試体を目標レベルで加振した時の、前記部品が供試体に設置された状態での最大加速度時刻歴波形を算出するステップと、を含む請求項1または請求項2に記載の衝撃試験方法。
  7. 前記供試体を目標レベルで加振した時の、前記部品が供試体に設置された状態での最大加速度時刻歴波形に基づいて、加振条件を設定し、最大加速度時刻歴波形を満たしている加振条件を前記単体加振条件とする請求項6に記載の衝撃試験方法。
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