JP2020153442A - 自動調心ころ軸受用の保持器及びその製造方法 - Google Patents

自動調心ころ軸受用の保持器及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自動調心ころ軸受の保持器の製造コストを低減する。【解決手段】鋼製の帯板50に、帯板50の長手方向に沿って複数の切り欠き51を、切削により帯板50の板厚方向を切削の進行方向として形成する(切削工程)。切り欠き51が形成された帯板50の長手方向が周方向となり、かつ、帯板50の板厚方向が径方向となるようにして、帯板50を曲げて湾曲帯板とする(曲げ工程)。前記湾曲帯板の端部52,53同士を溶接により接合する(接合工程)。【選択図】 図5

Description

本発明は、自動調心ころ軸受用の保持器及びその製造方法に関する。
自動調心ころ軸受は、内輪、外輪、二列の凸面ころ(球面ころ)、及び保持器を備える。外輪の内周には、断面が円弧状である軌道面が形成されている。円弧状である軌道面の中心は軸受の中心と一致していて、軸受は調心性を有することができる。保持器は、各列に含まれる複数の凸面ころを保持する。保持器は、円環部と、円環部から軸方向に延びている複数の柱部とを有する。周方向で隣り合う柱部の間が、凸面ころを収容するポケットとなる。
自動調心ころ軸受は、様々な機器に用いられるが、例えば風力発電設備の主軸を支持する軸受として用いられる。この場合、その直径が比較的大きい。そこで、構成部材である保持器は、遠心鋳造等によって得られた黄銅製の環状部材を切削することで製造されることがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−85542号公報
図9は、黄銅製の環状部材を切削する方法の説明図であり、その一部を示している。従来の製造方法では、環状部材90に対して、その中心線に略平行な方向(図9の矢印J)に削り工具を移動させて切削が行われ、ポケット91が形成される。保持器となる環状部材90は、直径Dに比べて厚さtが小さい。このような環状部材90を、図9の矢印Jに示すように削り工具を移動させて切削し、ポケット91を形成するのに手間を要する。また、保持器を黄銅製とする場合、材料費が高くなる。
そこで、本開示は、自動調心ころ軸受の保持器の製造コストを低減することを目的とする。
本開示の自動調心ころ軸受用の保持器の製造方法は、鋼製の帯板に、当該帯板の長手方向に沿って複数の切り欠きを、切削により当該帯板の板厚方向を切削の進行方向として形成する切削工程と、前記切り欠きが形成された前記帯板の長手方向が周方向となり、かつ、当該帯板の板厚方向が径方向となるようにして、当該帯板を曲げて湾曲帯板とする曲げ工程と、前記湾曲帯板の端部同士を溶接により接合する接合工程と、を含む。
前記製造方法によれば、切削によって帯板に切り欠きを複数形成し、この帯板を曲げて溶接することで、環状の保持器が得られる。帯板に形成した切り欠きが、凸面ころを保持するためのポケットとなる。本開示により製造される保持器は、従来のように黄銅製ではなく鋼製である。また、ポケットの形成のために、帯板に対してその板厚方向に例えばミーリング等による切削を進めて切り欠きを形成すればよい。よって、保持器の製造コストの低減が可能となる。
また、好ましくは、前記切削工程では、前記帯板の一面側から他面側に向かって徐々に前記切り欠きの前記長手方向の間隔が狭くなるようにして、前記切り欠きを形成し、前記曲げ工程では、前記一面側が内周側となるようにして前記帯板を曲げ、前記切り欠きが有する前記長手方向に対向する対の側面が、凸面ころを保持するためのポケットが有する周方向に対向する対のポケット側面となり、前記切削工程において、前記切り欠きが有する前記対の側面の成す角度は、前記ポケットが有する前記対のポケット側面の成す角度よりも、大きく設定される。
完成した保持器において、ポケットそれぞれが有する対のポケット側面の成す角度が、凸面ころの抱き角度となる。この抱き角度は凸面ころを保持する機能に影響を与える。切削工程で得られる切り欠きの側面の成す角度は、前記曲げ工程で帯板を曲げると、変化する。そこで、切削工程において、切り欠きの側面の成す角度が前記製造方法のとおり大きく設定されることで、ポケットが有する対のポケット側面の成す角度(前記抱き角度)を、所望の値とすることができる。
本開示は、円環部と、当該円環部から軸方向一方に延びている複数の柱部と、を有し、周方向で隣り合う前記柱部の間が、軸方向一方に開口したポケットとなる、自動調心ころ軸受用の保持器であって、周方向に沿った形状の帯板により構成され複数の前記ポケットが形成されている環状本体部と、前記帯板の端部同士を接合して前記環状本体部を周方向に連続させている溶接ビード部と、を有する。
前記保持器は、前記製造方法によって製造される。このため、保持器の製造コストの低減が可能となる。
また、好ましくは、前記ポケットは、周方向に向く平面状のポケット側面を有し、当該ポケットの周方向で対向する対の前記ポケット側面の間隔は、径方向外側に向かって徐々に狭くなっている。
この構成により、ポケットに収容した凸面ころが径方向外側に脱落するのを防止することができる。ポケット側面は平面状であり、ポケットの形成がより一層容易となる。
また、好ましくは、前記自動調心ころ軸受用の保持器は、前記柱部を第一の柱部として有すると共に、前記円環部から軸方向他方に延びている複数の第二の柱部を、更に有し、周方向で隣り合う当該第二の柱部の間が軸方向他方に開口したポケットとなる。この場合、二列の凸面ころを一つで保持する保持器が得られる。
この保持器において、好ましくは、前記溶接ビード部は、軸方向一方の前記ポケットの一部と、軸方向他方の前記第二の柱部の軸方向他方の端とを結ぶ。この場合、溶接ビード部が比較的広い領域に存在する。つまり、溶接ビード部とポケット側面とが離れる。このため、溶接が行われやすい。
または、好ましくは、前記溶接ビード部は、前記第一の柱部の軸方向一方の端と、前記第二の柱部の軸方向他方の端とを結ぶ。この場合、ポケットに溶接ビード部が存在しない。ポケットに凸面ころが接触するが、溶接ビード部が強度的に弱点となり難い。
本開示によれば、自動調心ころ軸受の保持器の製造コストを低減することができる。
本開示の保持器を備える自動調心ころ軸受の一例を示す断面図である。 環状である保持器を平面に展開した場合の説明図である。 第一のポケット及びその周囲を示す斜視図である。 保持器の製造方法の説明図である。 保持器の製造方法(切削工程)の説明図である。 保持器の製造方法(曲げ工程)の説明図である。 保持器の製造方法(接合工程)の説明図である。 他の形態の保持器を平面に展開した場合の説明図である。 従来の保持器の製造方法の説明図である。
図1は、本開示の保持器を備える自動調心ころ軸受の一例を示す断面図である。図1に示す自動調心ころ軸受10(以下、単に「軸受10」と称する場合もある)は、内輪11、外輪12、これら内輪11と外輪12との間に設けられている複列の凸面ころ(球面ころ)13,14、環状の保持器15、及び、保持器15をガイドするガイドリング16を備える。内輪11、外輪12、保持器15、及びガイドリング16それぞれの中心線Cは一致することができる。以下の説明において、各中心線Cに平行な方向を「軸方向」と称する。中心線Cに直交する方向が「径方向」である。
軸方向一方側(図1において左側)に設けられている複数の凸面ころ13の列が「第一列(第一ころ列)L1」であり、軸方向他方側(図1において右側)に設けられている複数の凸面ころ14の列が「第二列(第二ころ列)L2」である。保持器15は、第一列L1に含まれる複数の凸面ころ13を周方向に間隔をあけて保持すると共に、第二列L2に含まれる複数の凸面ころ14を周方向に間隔をあけて保持する。第一列L1の凸面ころ13と第二列L2の凸面ころ14とは、共通する一つの保持器15によって保持される。
外輪12は、その内周に単一の外軌道面17を有する。外軌道面17は、凹曲面からなり、自動調心ころ軸受10の中心線(C)上の点(軸受中心点)から所定の半径を有する球面に沿った形状を有する。内輪11は、その外周に、二列の内軌道面18,18を有する。内軌道面18は、凹曲面からなり、図1に示すように内輪11の中心線Cを含む断面において、内軌道面18の形状は円弧となる。この円弧は、外軌道面17を形成する前記球面の半径と略同じ半径を有する。
図2は、環状である保持器15を平面に展開した場合の説明図であり、保持器15の一部を示している。保持器15は、環状の部分である円環部20と、円環部20から軸方向一方に延びている複数の第一の柱部21とを有する。周方向で隣り合う柱部21,21の間が、軸方向一方に開口した第一のポケット26となる。本開示の保持器15は、更に、円環部20から軸方向他方に延びている複数の第二の柱部22を有する。周方向で隣り合う第二の柱部22,22の間が、軸方向他方に開口した第二のポケット27となる。図2に開示の保持器15では、第一のポケット26と第二のポケット27とが、周方向に位置ずれして設けられている。
図3は、第一のポケット26及びその周囲を示す斜視図である。図3では、第一のポケット26に保持されている凸面ころ13を仮想線(二点鎖線)で示している。第一のポケット26は、周方向に向くポケット側面28を有する。ポケット側面28は、平面状である。なお、ポケット側面28の径方向両側は面取り(アール面取り)形状を有する。第一のポケット26の周方向で対向する対のポケット側面28,28の間隔eは、径方向外側(つまり、外周面側)に向かって徐々に狭くなっている。この構成により、ポケット26に収容した凸面ころ13が径方向外側に脱落するのを防止することができる。ポケット側面28,28の成す角度の参照符号が「Z2」である。この角度Z2は、ポケット側面28,28それぞれの延長面の交差角度である。
第二のポケット27(図2参照)は、第一のポケット26と同じ形状を有する。つまり、第二のポケット27は周方向に向くポケット側面29を有する。ポケット側面29は、平面状である。第二のポケット27の周方向で対向する対のポケット側面29,29の間隔eは、径方向外側(つまり、外周面側)に向かって徐々に狭くなっている。
保持器15は溶接が可能である鋼材により製造されている。例えば、保持器15は溶接が可能である炭素鋼により製造されている。後にも説明するが(図4から図7参照)、保持器15は、直線状である帯板50に対して、切り欠き51を複数形成し、この帯板50を環状に曲げて溶接することで製造される。切り欠き51がポケット26(27)となる。
このような製造方法のため、保持器15は、図2に示すように、複数のポケット26,27が形成されている環状本体部60と、環状本体部60を周方向に連続させている溶接ビード部61とを有する。環状本体部60は、周方向に沿った形状の帯板50(湾曲帯板54)により構成されている。溶接ビード部61は、曲げられた帯板50の周方向の端部52,53同士を接合して形成される。溶接ビード部61により、環状本体部60を周方向に連続させている。
本開示では、保持器15を構成する帯板50は一枚であり、溶接ビード部61は一箇所である。図示しないが、保持器15は複数枚の帯板50により構成され、各帯板50の周方向の端部同士が溶接によって接合されていてもよい。この場合、溶接ビード部61は複数箇所となる(帯板50と同数になる)。
図2に示す形態では、溶接ビード部61は、第一のポケット26の一部26aと、第二の柱部22の軸方向他方の端22aとを結ぶ。特に本開示では、一つの第二の柱部22が有する二つのポケット側面29,29それぞれから等しい距離となる位置に、溶接ビード部61が設けられている。
以上の構成を備える保持器15の製造方法について説明する。図4から図7は、保持器15の製造方法の説明図である。保持器15は、一方向に長く直線状である鋼製の帯板50(図4参照)により製造される。帯板50は溶接可能な鋼材である。
図5に示すように、帯板50の長手方向に沿って複数の切り欠き51が形成される。切り欠き51はミーリング等の切削により形成される(切削工程)。切り欠き51は、帯板50の板厚方向を切削の進行方向として形成される。つまり、帯板50の一面50a側から他面50bに向かって切削工具を進め、板厚方向に貫通した切り欠き51を形成する。切り欠き51は、最終的にポケット26,27となる。図5では、帯板50の幅方向一方側及び他方側それぞれに切り欠き51が複数形成される。
切削工程では、帯板50の一面50a側から他面50b側に向かって徐々に切り欠き51の間隔Eが狭くなるようにして、切り欠き51が形成される。このために、例えばミーリングの削り工具の形状が、先細り形状とされ、その形状は、切り欠き51と同じ形状となっている。なお、前記間隔Eは、帯板50の長手方向における切り欠き51の対の側面38,38(39,39)間の距離である。全ての切り欠き51の形状は同じである。
図6に示すように、切り欠き51が形成された帯板50を曲げて湾曲帯板54とする(曲げ工程)。帯板50の長手方向が周方向となり、かつ、帯板50の板厚方向が径方向となるようにして、帯板50が曲げられる。これにより、帯板50の長手方向一方側及び他方側であった端部52,53は、湾曲帯板54の周方向の端部52,53となる。端部52,53は対向し接近した状態となる。端部52,53それぞれに、(図示しないが)溶接のための開先が形成されている。この開先は、図1に示す帯板50に予め形成されていてもよく、前記切削工程において形成されてもよい。曲げ工程では、帯板50の一面50a側(図5参照)が内周側となるようにして帯板50が曲げられる。帯板50の他面50bが保持器15の外周面となる。
図7に示すように、湾曲帯板54の周方向の端部52,53同士が溶接により接合される(接合工程)。完全溶接が行われるのが好ましい。湾曲帯板54が環状本体部60となり、端部52,53における溶接部が溶接ビード部61となる。接合工程において溶接が行われることで、湾曲帯板54は完全な環状となる。帯板50の切り欠き51が有する対の側面38,38(図5参照)が、図3に示すように、凸面ころ13を保持するための第一のポケット26が有する周方向に対向する対のポケット側面28,28となる。同様に、反対側の切り欠き51の対の側面39,39(図5参照)が、凸面ころ14を保持するための第二のポケット27の対のポケット側面29,29となる。接合工程の後、保持器15が完成する。前記製造方法により製造された保持器15の環状本体部60は、円環部20と、第一の柱部21と、第二の柱部22とから成る。
以上のように、本開示の保持器15の製造方法は、切削工程、曲げ工程、及び接合工程が含まれる。切削工程では(図5参照)、直線状である鋼製の帯板50に、帯板50の長手方向に沿って複数の切り欠き51が、切削により帯板50の板厚方向を切削の進行方向として形成される。曲げ工程では(図6参照)、切り欠き51が形成された帯板50の長手方向が周方向となり、かつ、板厚方向が径方向となるようにして帯板50が曲げられて湾曲帯板54となる。接合工程では(図7参照)、湾曲帯板54の端部52,53同士が溶接により接合される。
この製造方法によれば、切削によって帯板50に切り欠き51を複数形成し、この帯板50を曲げて溶接することで、環状の保持器15が得られる。帯板50に形成した切り欠き51が、凸面ころ13,14を保持するためのポケット26,27となる。保持器15は、従来のように黄銅製ではなく鋼製(炭素鋼)である。また、ポケット26,27の形成のために、帯板50に対してその板厚方向に例えばミーリング等による切削を進めて切り欠き51を形成すればよい。ポケット26,27の形成が従来よりも容易となる。また、従来のように遠心鋳造によって黄銅製の環状部材を作らなくてよい。よって、保持器15の製造コストの低減が可能となる。
本開示の製造方法では、曲げ工程において、帯板50は塑性変形して直線帯板状から環状に曲げられる。このため、切り欠き51が有する対の側面38,38の成す角度Z1(図5参照)と、第一のポケット26が有する対のポケット側面28,28の成す角度Z2(図3参照)とは相違する。つまり、曲げられた後の角度Z2は、曲げられる前の前記角度Z1よりも小さくなる。そこで、切削工程では、切り欠き51が有する対の側面38,38の成す角度Z1(図5参照)は、第一のポケット26が有する対のポケット側面28,28の成す角度Z2(図3参照)よりも、大きく設定される。このように、第一のポケット26のために、切り欠き51の対の側面38,38を前記のように予め大きめに設定することは、第二のポケット27のための切り欠き51の側面39,39にも適用される。
完成した保持器15において、ポケット26それぞれが有する対のポケット側面28,28の成す角度Z2(図3参照)が、凸面ころ13の抱き角度となる。この抱き角度(Z2)は凸面ころ13を保持する機能に影響を与える。前記のとおり、切削工程で得られる切り欠き51の側面38,38の成す角度Z1は、曲げ工程で帯板50を曲げると変化する。そこで、切削工程において、前記角度Z1が、前記のとおり、規定の抱き角度となる角度Z2よりも大きく設定される。この結果、保持器15の完成後の抱き角度(Z2)を、所望の値とすることができる。
抱き角度(Z2)は、例えば、20°以上であって40°以下に設定される。角度Z2が大きいほど、凸面ころ13の保持性能が高くなる。保持性能の例としては、凸面ころ13がスキューするのを抑える性能である。また、凸面ころ13は、ポケット側面28の径方向中央付近で接触するのが好ましい。角度Z2が大きくなりすぎると、ポケット側面28と凸面ころ13との接触位置が、径方向一方(径方向外側)に偏ってしまう。よって、前記角度Z2は、特に、23°以上であって30°以下とするのが好ましい。本開示の前記角度Z2は25°である。
前記製造方法によって製造される保持器15は、環状本体部60と、溶接ビード部61とを有する。環状本体部60は、周方向に沿った形状の帯板50(湾曲帯板54)により構成されている。環状本体部60には、複数のポケット26,27が形成されている。溶接ビード部61は、帯板50の端部52,53同士を接合していて、環状本体部60を周方向に連続させている。
図2に示す形態では、軸方向一方の第一のポケット26と、軸方向他方の第二のポケット27とは、周方向に位置ずれして設けられている。そこで、溶接ビード部61は、前記のとおり、軸方向一方の第一のポケット26の一部26aと、軸方向他方の第二の柱部22の軸方向他方の端22aとを結ぶ。この構成の場合、溶接ビード部61が比較的広い領域に存在することができる。つまり、溶接ビード部61とポケット側面28,28とが離れる。このため、溶接が行われやすい。図2に示すように、第一のポケット26と第二のポケット27とが周方向に位置ずれしている配置を「千鳥配置」と称する。
ポケット26,27の配置は千鳥配置以外であってもよい。つまり、図8に示すように、軸方向一方の第一のポケット26と、軸方向他方の第二のポケット27とが、周方向に同じ位置に設けられていてもよい。この場合、溶接ビード部61は、第一の柱部21の軸方向一方の端21aと、第二の柱部22の軸方向他方の端22aとを結ぶ。この構成の場合、ポケット26,27に溶接ビード部61が存在しない。ポケット26,27に凸面ころ13,14が接触するが、溶接ビード部61が強度的に弱点となり難い。
または、変形例として、図8の一点鎖線で示すように、溶接ビード部61は円環部20のみに設けられていてもよい。この場合、溶接量が少なくて済む。なお、図8に示す形態の溶接ビード部61の形態を、ポケット26,27が千鳥配置である保持器に適用してもよい。
前記各形態の保持器15は、一枚の帯板50により構成されているが、複数枚の帯板50が組み合わされて一つの環状の保持器15が構成されてもよい。この場合、複数の湾曲帯板54によって一つの環状本体部60が構成され、溶接ビード部61が湾曲帯板54と同数形成される。
また、前記各形態では、二列の凸面ころ13,14(図1において、第一列L1及び第二列L2)を一つの保持器15が保持する形態について説明した。その変形例として、列ごとに保持器15が設けられる構成であってもよい。この場合、自動調心ころ軸受において、保持器15が二つ設けられる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
13,14:凸面ころ 15:保持器 20:円環部
21:第一の柱部 21a:端 22:第二の柱部
22a:端 26:第一のポケット 26a:一部
27:第二のポケット 28:ポケット側面 29:ポケット側面
38:側面 39:側面 50:帯板
50a:一面 50b:他面 51:切り欠き
52,53:端部 54:湾曲帯板 60:環状本体部
61:溶接ビード部 E:間隔 e:間隔
Z1:角度 Z2:角度

Claims (7)

  1. 鋼製の帯板に、当該帯板の長手方向に沿って複数の切り欠きを、切削により当該帯板の板厚方向を切削の進行方向として形成する切削工程と、
    前記切り欠きが形成された前記帯板の長手方向が周方向となり、かつ、当該帯板の板厚方向が径方向となるようにして、当該帯板を曲げて湾曲帯板とする曲げ工程と、
    前記湾曲帯板の端部同士を溶接により接合する接合工程と、
    を含む、自動調心ころ軸受用の保持器の製造方法。
  2. 前記切削工程では、前記帯板の一面側から他面側に向かって徐々に前記切り欠きの前記長手方向の間隔が狭くなるようにして、前記切り欠きを形成し、
    前記曲げ工程では、前記一面側が内周側となるようにして前記帯板を曲げ、
    前記切り欠きが有する前記長手方向に対向する対の側面が、凸面ころを保持するためのポケットが有する周方向に対向する対のポケット側面となり、
    前記切削工程において、前記切り欠きが有する前記対の側面の成す角度は、前記ポケットが有する前記対のポケット側面の成す角度よりも、大きく設定される、請求項1に記載の自動調心ころ軸受用の保持器の製造方法。
  3. 円環部と、当該円環部から軸方向一方に延びている複数の柱部と、を有し、周方向で隣り合う前記柱部の間が、軸方向一方に開口したポケットとなる、自動調心ころ軸受用の保持器であって、
    周方向に沿った形状の帯板により構成され複数の前記ポケットが形成されている環状本体部と、前記帯板の端部同士を接合して前記環状本体部を周方向に連続させている溶接ビード部と、を有する、自動調心ころ軸受用の保持器。
  4. 前記ポケットは、周方向に向く平面状のポケット側面を有し、
    当該ポケットの周方向で対向する対の前記ポケット側面の間隔は、径方向外側に向かって徐々に狭くなっている、請求項3に記載の自動調心ころ軸受用の保持器。
  5. 前記柱部を第一の柱部として有すると共に、前記円環部から軸方向他方に延びている複数の第二の柱部を、更に有し、周方向で隣り合う当該第二の柱部の間が軸方向他方に開口したポケットとなる、請求項3又は4に記載の自動調心ころ軸受用の保持器。
  6. 前記溶接ビード部は、軸方向一方の前記ポケットの一部と、軸方向他方の前記第二の柱部の軸方向他方の端とを結ぶ、請求項5に記載の自動調心ころ軸受用の保持器。
  7. 前記溶接ビード部は、前記第一の柱部の軸方向一方の端と、前記第二の柱部の軸方向他方の端とを結ぶ、請求項5に記載の自動調心ころ軸受用の保持器。
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