JP2020152649A - 複素環化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】化合物(A)の工業的製造に適した製造方法を提供する。【解決手段】工程数がより短く、極低温の反応条件や、カラム精製やキラルカラム精製といった煩雑な操作を必要とすることなく、より高い全収率で安価に化合物(A)またはその塩を製造する。[式中、各記号は明細書記載のとおりである。]【選択図】なし
Description
本発明は、複素環化合物の製造方法に関する。
(発明の背景)
優れたRORγtの阻害作用を有し、乾癬、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、ぶどう膜炎、喘息、強直性脊椎炎、全身性エリテマトーデス(SLE)等の予防または治療剤として有用な化合物として、特許文献1に以下に示す化合物(A)が記載されている。
優れたRORγtの阻害作用を有し、乾癬、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、ぶどう膜炎、喘息、強直性脊椎炎、全身性エリテマトーデス(SLE)等の予防または治療剤として有用な化合物として、特許文献1に以下に示す化合物(A)が記載されている。
特許文献1では、化合物(A)は、tert-ブチル (S)-5-((7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル)-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-カルボキシラート (化合物(10))およびcis-3-(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (化合物(18)のフリー体)を鍵中間体として、12工程(副工程を含まない)で製造される。これらの工程の中には、極低温の反応条件や、カラム精製やキラルカラム精製といった煩雑な操作を必要とする工程があり、また全収率が3.6%と低いものであった。
本発明は、化合物(A)の工業的製造に適した新規な製造方法および新規中間体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、
(i) 化合物(1)またはその塩を出発原料として化合物(10)を製造し、かつ化合物(12)を出発原料として化合物(18)((S)−1−フェネチルアミン塩)を製造するルートを含む新たなルート(スキーム1)、および
(ii) 化合物(20)またはその塩、および化合物(30)またはその塩をそれぞれ出発原料として化合物(10)を製造し、かつ化合物(36)またはその塩を出発原料として化合物(18)((S)−1−フェネチルアミン塩)を製造するルートを含む新たなルート(スキーム2)
が、工程数がより短く、極低温の反応条件や、カラム精製やキラルカラム精製といった煩雑な操作を必要とすることなく、より高い全収率で安価に化合物(A)またはその塩を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(i) 化合物(1)またはその塩を出発原料として化合物(10)を製造し、かつ化合物(12)を出発原料として化合物(18)((S)−1−フェネチルアミン塩)を製造するルートを含む新たなルート(スキーム1)、および
(ii) 化合物(20)またはその塩、および化合物(30)またはその塩をそれぞれ出発原料として化合物(10)を製造し、かつ化合物(36)またはその塩を出発原料として化合物(18)((S)−1−フェネチルアミン塩)を製造するルートを含む新たなルート(スキーム2)
が、工程数がより短く、極低温の反応条件や、カラム精製やキラルカラム精製といった煩雑な操作を必要とすることなく、より高い全収率で安価に化合物(A)またはその塩を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に関する。
[1] 以下のスキーム1に示される工程を含む、化合物(A)またはその塩の製造方法:
[1] 以下のスキーム1に示される工程を含む、化合物(A)またはその塩の製造方法:
(式中、Meはメチルを示し、Etはエチルを示し、Bocはtert−ブトキシカルボニルを示し、Bnはベンジルを示し、t−Buはtert−ブチルを示す。)
工程1:化合物(1)またはその塩から調製されたグリニア試薬をシュウ酸ジエチルと反応させて、化合物(2)またはその塩を得る工程;
工程2:化合物(2)またはその塩をアンモニアを用いたアミド化反応に付して、化合物(3)またはその塩を得る工程;
工程3:化合物(3)またはその塩をビニル化反応に付して、化合物(4)またはその塩を得る工程;
工程4:化合物(4)またはその塩をアンモニアを用いた環化反応に付して、化合物(5)またはその塩を得る工程;
工程5:化合物(5)またはその塩を不斉還元反応に付して、化合物(6)またはその塩を得る工程;
工程6:化合物(6)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(7)またはその塩を得る工程;
工程7:化合物(8)をハロゲン交換反応に付して、化合物(9)を得る工程;
工程8:化合物(7)またはその塩を化合物(9)と反応させて、化合物(10)またはその塩を得る工程;
工程9:化合物(10)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(11)またはその塩を得る工程;
工程10:化合物(12)またはその塩をベンジルエステル化反応に付して、化合物(13)を得る工程;
工程11:化合物(13)をメルドラム酸と反応させて、化合物(14)を得る工程;
工程12:化合物(14)を還元剤を用いた還元反応に付して、化合物(15)を得る工程;
工程13:化合物(15)をt−ブタノールと反応させて、化合物(16)を得る工程;
工程14:化合物(16)を接触還元反応に付して、化合物(17)またはその塩を得る工程;
工程15:化合物(17)またはその塩を(S)−1−フェネチルアミンとの塩形成に付して、化合物(18)を得る工程;
工程16:化合物(11)またはその塩を化合物(18)と反応させて、化合物(19)またはその塩を得る工程;および
工程17:化合物(19)またはその塩を酸加水分解反応に付して、化合物(A)またはその塩を得る工程。
[2] 以下のスキーム2に示される工程を含む、化合物(A)またはその塩の製造方法:
工程1:化合物(1)またはその塩から調製されたグリニア試薬をシュウ酸ジエチルと反応させて、化合物(2)またはその塩を得る工程;
工程2:化合物(2)またはその塩をアンモニアを用いたアミド化反応に付して、化合物(3)またはその塩を得る工程;
工程3:化合物(3)またはその塩をビニル化反応に付して、化合物(4)またはその塩を得る工程;
工程4:化合物(4)またはその塩をアンモニアを用いた環化反応に付して、化合物(5)またはその塩を得る工程;
工程5:化合物(5)またはその塩を不斉還元反応に付して、化合物(6)またはその塩を得る工程;
工程6:化合物(6)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(7)またはその塩を得る工程;
工程7:化合物(8)をハロゲン交換反応に付して、化合物(9)を得る工程;
工程8:化合物(7)またはその塩を化合物(9)と反応させて、化合物(10)またはその塩を得る工程;
工程9:化合物(10)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(11)またはその塩を得る工程;
工程10:化合物(12)またはその塩をベンジルエステル化反応に付して、化合物(13)を得る工程;
工程11:化合物(13)をメルドラム酸と反応させて、化合物(14)を得る工程;
工程12:化合物(14)を還元剤を用いた還元反応に付して、化合物(15)を得る工程;
工程13:化合物(15)をt−ブタノールと反応させて、化合物(16)を得る工程;
工程14:化合物(16)を接触還元反応に付して、化合物(17)またはその塩を得る工程;
工程15:化合物(17)またはその塩を(S)−1−フェネチルアミンとの塩形成に付して、化合物(18)を得る工程;
工程16:化合物(11)またはその塩を化合物(18)と反応させて、化合物(19)またはその塩を得る工程;および
工程17:化合物(19)またはその塩を酸加水分解反応に付して、化合物(A)またはその塩を得る工程。
[2] 以下のスキーム2に示される工程を含む、化合物(A)またはその塩の製造方法:
(式中、Meはメチルを示し、Etはエチルを示し、Bocはtert−ブトキシカルボニルを示し、Bnはベンジルを示し、t−Buはtert−ブチルを示す。)
工程18:化合物(20)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(21)を得る工程;
工程19:化合物(21)を化合物(22)またはその塩と反応させて、化合物(23)またはその塩を得る工程;
工程20:化合物(23)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(24)またはその塩を得る工程;
工程21:化合物(24)またはその塩をグリオキシル酸エチルを用いた環化反応に付して、化合物(25)またはその塩を得る工程;
工程22:化合物(25)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(26)またはその塩を得る工程;
工程23:化合物(26)またはその塩をメチル化反応に付して、化合物(27)またはその塩を得る工程;
工程24:化合物(27)またはその塩をアルカリ加水分解反応に付して、化合物(28)またはその塩を得る工程;
工程25:化合物(28)またはその塩を(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールとのジアステレオマー塩形成を利用した光学分割に付して、化合物(29)を得る工程;
工程26:化合物(30)またはその塩を酸クロリドに変換後、フリーデル・クラフツ反応に付して、化合物(31)を得る工程;
工程27:化合物(31)をベンジルアミンと反応させて、化合物(32)またはその塩を得る工程;
工程28:化合物(32)またはその塩を還元剤を用いた還元反応に付して、化合物(33)またはその塩を得る工程;
工程29:化合物(33)またはその塩を接触還元反応に付して、化合物(34)またはその塩を得る工程;
工程30:化合物(34)またはその塩を(+)−カンファースルホン酸との塩形成に付して、化合物(35)を得る工程;
工程31:化合物(29)を化合物(35)と反応させて、化合物(10)またはその塩を得る工程;
工程32:化合物(10)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(11)またはその塩を得る工程;
工程33:化合物(36)またはその塩を接触還元反応に付して、化合物(37)またはその塩を得る工程;
工程34:化合物(37)またはその塩を(S)−1−フェネチルアミンとの塩形成に付した後、分別結晶を行って、化合物(18)を得る工程;
工程35:化合物(11)またはその塩を化合物(18)と反応させて、化合物(19)またはその塩を得る工程;および
工程36:化合物(19)またはその塩を酸加水分解反応に付して、化合物(A)またはその塩を得る工程。
工程18:化合物(20)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(21)を得る工程;
工程19:化合物(21)を化合物(22)またはその塩と反応させて、化合物(23)またはその塩を得る工程;
工程20:化合物(23)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(24)またはその塩を得る工程;
工程21:化合物(24)またはその塩をグリオキシル酸エチルを用いた環化反応に付して、化合物(25)またはその塩を得る工程;
工程22:化合物(25)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(26)またはその塩を得る工程;
工程23:化合物(26)またはその塩をメチル化反応に付して、化合物(27)またはその塩を得る工程;
工程24:化合物(27)またはその塩をアルカリ加水分解反応に付して、化合物(28)またはその塩を得る工程;
工程25:化合物(28)またはその塩を(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールとのジアステレオマー塩形成を利用した光学分割に付して、化合物(29)を得る工程;
工程26:化合物(30)またはその塩を酸クロリドに変換後、フリーデル・クラフツ反応に付して、化合物(31)を得る工程;
工程27:化合物(31)をベンジルアミンと反応させて、化合物(32)またはその塩を得る工程;
工程28:化合物(32)またはその塩を還元剤を用いた還元反応に付して、化合物(33)またはその塩を得る工程;
工程29:化合物(33)またはその塩を接触還元反応に付して、化合物(34)またはその塩を得る工程;
工程30:化合物(34)またはその塩を(+)−カンファースルホン酸との塩形成に付して、化合物(35)を得る工程;
工程31:化合物(29)を化合物(35)と反応させて、化合物(10)またはその塩を得る工程;
工程32:化合物(10)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(11)またはその塩を得る工程;
工程33:化合物(36)またはその塩を接触還元反応に付して、化合物(37)またはその塩を得る工程;
工程34:化合物(37)またはその塩を(S)−1−フェネチルアミンとの塩形成に付した後、分別結晶を行って、化合物(18)を得る工程;
工程35:化合物(11)またはその塩を化合物(18)と反応させて、化合物(19)またはその塩を得る工程;および
工程36:化合物(19)またはその塩を酸加水分解反応に付して、化合物(A)またはその塩を得る工程。
[3] 下記化合物(2)またはその塩。
[4] 下記化合物(3)またはその塩。
[5] 下記化合物(4)またはその塩。
[6] 下記化合物(5)またはその塩。
[7] 下記化合物(6)またはその塩。
[8] 下記化合物(7)またはその塩。
[9] 下記化合物(9)。
[10] 下記化合物(14)。
[11] 下記化合物(15)。
[12] 下記化合物(16)。
[13] 下記化合物(32)またはその塩。
[14] 下記化合物(33)またはその塩。
本発明の製造方法によれば、工程数がより短く、極低温の反応条件や、カラム精製やキラルカラム精製といった煩雑な操作を必要とすることなく、より高い全収率で安価に化合物(A)またはその塩を製造できる。
(発明の詳細な説明)
化合物(A)の塩としては、薬理学的に許容される塩が好ましく、このような塩としては、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩が挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩等が挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩;アンモニウム塩等が挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
本発明の製造方法について以下に説明する。
以下の製造方法における各工程で用いられた原料や試薬、ならびに得られた化合物は、それぞれ塩を形成していてもよい。このような塩としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、化合物(A)の塩と同様のもの等が挙げられる。
以下の製造方法における各工程で用いられた原料や試薬、ならびに得られた化合物は、それぞれ塩を形成していてもよい。このような塩としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、化合物(A)の塩と同様のもの等が挙げられる。
各工程で得られた化合物が遊離化合物である場合には、自体公知の方法により、目的とする塩に変換することができる。逆に各工程で得られた化合物が塩である場合には、自体公知の方法により、遊離体または目的とする他の種類の塩に変換することができる。
各工程で得られた化合物は反応液のままか、または粗生成物として得た後に、次反応に用いることもできる、あるいは、各工程で得られた化合物を、常法に従って、反応混合物から濃縮、晶出、再結晶、蒸留、溶媒抽出、分溜、クロマトグラフィーなどの分離手段により単離および/または精製することができる。
各工程の原料や試薬の化合物が市販されている場合には、市販品をそのまま用いることができる。
各工程の反応において、特に記載が無い場合、これらの反応は、無溶媒、あるいは適当な溶媒に溶解または懸濁して行われる。溶媒の具体例としては、後述の実施例に記載されている溶媒、あるいは以下が挙げられる。
アルコール類:メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、2−メトキシエタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなど;
エーテル類:ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンなど;
芳香族炭化水素類:クロロベンゼン、トルエン、キシレンなど;
飽和炭化水素類:シクロヘキサン、ヘキサンなど;
アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなど;
ハロゲン化炭化水素類:ジクロロメタン、四塩化炭素など;
ニトリル類:アセトニトリルなど;
スルホキシド類:ジメチルスルホキシドなど;
有機塩基類:ピリジン、トリエチルアミンなど;
酸無水物類:無水酢酸など;
有機酸類:ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸など;
無機酸類:塩酸、硫酸など;
エステル類:酢酸エチル、酢酸イソプロピルなど;
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトンなど;
水。
上記溶媒は、二種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
アルコール類:メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、2−メトキシエタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなど;
エーテル類:ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンなど;
芳香族炭化水素類:クロロベンゼン、トルエン、キシレンなど;
飽和炭化水素類:シクロヘキサン、ヘキサンなど;
アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなど;
ハロゲン化炭化水素類:ジクロロメタン、四塩化炭素など;
ニトリル類:アセトニトリルなど;
スルホキシド類:ジメチルスルホキシドなど;
有機塩基類:ピリジン、トリエチルアミンなど;
酸無水物類:無水酢酸など;
有機酸類:ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸など;
無機酸類:塩酸、硫酸など;
エステル類:酢酸エチル、酢酸イソプロピルなど;
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトンなど;
水。
上記溶媒は、二種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
各工程の反応において塩基を用いる場合、例えば、以下に示す塩基、あるいは後述の実施例に記載されている塩基が用いられる。
無機塩基類:水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなど;
有機塩基類:トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、イミダゾール、ピペリジンなど;
金属アルコキシド類:ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシドなど;
アルカリ金属水素化物類:水素化ナトリウムなど;
金属アミド類:ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなど;
有機リチウム類:n−ブチルリチウムなど。
無機塩基類:水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなど;
有機塩基類:トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、イミダゾール、ピペリジンなど;
金属アルコキシド類:ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシドなど;
アルカリ金属水素化物類:水素化ナトリウムなど;
金属アミド類:ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなど;
有機リチウム類:n−ブチルリチウムなど。
各工程の反応において酸または酸性触媒を用いる場合、例えば、以下に示す酸や酸性触媒、あるいは後述の実施例に記載されている酸や酸性触媒が用いられる。
無機酸類:塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸など;
有機酸類:酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸など;
ルイス酸:三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、ヨウ化亜鉛、無水塩化アルミニウム、無水塩化亜鉛、無水塩化鉄など。
無機酸類:塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸など;
有機酸類:酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸など;
ルイス酸:三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、ヨウ化亜鉛、無水塩化アルミニウム、無水塩化亜鉛、無水塩化鉄など。
化合物(A)またはその塩は、以下のスキーム1に示される工程により製造することができる。
(式中の各基は前記と同義である。)
工程1
この工程では、化合物(1)またはその塩から調製されたグリニア試薬をシュウ酸ジエチルと反応させて、化合物(2)またはその塩を得る。
化合物(1)またはその塩からグリニア試薬を調製する反応は、溶媒中で行われる。
当該グリニア試薬は、化合物(1)またはその塩と、マグネシウムとの反応またはアルキルマグネシウムハライドとの交換反応により調製される。アルキルマグネシウムハライドとしては、イソプロピルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、tert−ブチルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムクロリド−塩化リチウム錯体等が挙げられる。マグネシウムまたはアルキルマグネシウムハライドの使用量は、化合物(1)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜10モル、好ましくは1〜2モルである。
溶媒としては、エーテル類、芳香族炭化水素類等が挙げられる。
当該反応は、通常−80〜60℃、好ましくは−20〜30℃で行われる。
グリニア試薬の調製後、引き続いて、シュウ酸ジエチルとの反応が行われる。当該反応は、溶媒中で行われる。
シュウ酸ジエチルの使用量は、化合物(1)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜10モル、好ましくは1〜3モルである。
溶媒としては、グリニア試薬を調製する反応で使用したものが挙げられる。
当該反応は、通常−100〜60℃、好ましくは−10〜30℃で行われる。反応時間は、通常、約5分〜約20時間、好ましくは約30分〜約3時間である。
この工程では、化合物(1)またはその塩から調製されたグリニア試薬をシュウ酸ジエチルと反応させて、化合物(2)またはその塩を得る。
化合物(1)またはその塩からグリニア試薬を調製する反応は、溶媒中で行われる。
当該グリニア試薬は、化合物(1)またはその塩と、マグネシウムとの反応またはアルキルマグネシウムハライドとの交換反応により調製される。アルキルマグネシウムハライドとしては、イソプロピルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、tert−ブチルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムクロリド−塩化リチウム錯体等が挙げられる。マグネシウムまたはアルキルマグネシウムハライドの使用量は、化合物(1)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜10モル、好ましくは1〜2モルである。
溶媒としては、エーテル類、芳香族炭化水素類等が挙げられる。
当該反応は、通常−80〜60℃、好ましくは−20〜30℃で行われる。
グリニア試薬の調製後、引き続いて、シュウ酸ジエチルとの反応が行われる。当該反応は、溶媒中で行われる。
シュウ酸ジエチルの使用量は、化合物(1)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜10モル、好ましくは1〜3モルである。
溶媒としては、グリニア試薬を調製する反応で使用したものが挙げられる。
当該反応は、通常−100〜60℃、好ましくは−10〜30℃で行われる。反応時間は、通常、約5分〜約20時間、好ましくは約30分〜約3時間である。
工程2
この工程では、化合物(2)またはその塩をアンモニアを用いたアミド化反応に付して、化合物(3)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中で行われる。
アンモニアは、アルコール溶液(例、エタノール溶液)として使用するのがよい。アンモニアの使用量は、化合物(2)またはその塩1モルに対して、通常1〜1000モル、好ましくは1〜20モルである。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、アミド類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常−80〜120℃、好ましくは0〜30℃で行われる。反応時間は、通常、約5分〜約100時間、好ましくは約1時間〜約48時間である。
この工程では、化合物(2)またはその塩をアンモニアを用いたアミド化反応に付して、化合物(3)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中で行われる。
アンモニアは、アルコール溶液(例、エタノール溶液)として使用するのがよい。アンモニアの使用量は、化合物(2)またはその塩1モルに対して、通常1〜1000モル、好ましくは1〜20モルである。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、アミド類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常−80〜120℃、好ましくは0〜30℃で行われる。反応時間は、通常、約5分〜約100時間、好ましくは約1時間〜約48時間である。
工程3
この工程では、化合物(3)またはその塩をビニル化反応に付して、化合物(4)またはその塩を得る。
ビニル化反応としては、エチレンガスを用いたヘック反応、またはビニルトリフルオロボラート塩を用いたクロスカップリング反応が採用できる。
この工程では、化合物(3)またはその塩をビニル化反応に付して、化合物(4)またはその塩を得る。
ビニル化反応としては、エチレンガスを用いたヘック反応、またはビニルトリフルオロボラート塩を用いたクロスカップリング反応が採用できる。
エチレンガスを用いたヘック反応は、パラジウム触媒の存在下、溶媒中で行われる。
エチレンガスの使用圧は、通常0.1〜10MPa、好ましくは0.5〜1.5MPaである。
パラジウム触媒について、パラジウム源としては、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、アリルパラジウム(II)クロリドダイマー等が挙げられる。配位子としては、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(DPEphos)、トリフェニルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、4,5’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン(キサントホス)、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリウム等が挙げられる。パラジウム源の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常0.0001〜1モル、好ましくは0.005〜0.2モルである。配位子の使用量は、パラジウム源1モルに対して、通常0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルである。パラジウム触媒は、パラジウム源と配位子から系中で調製されるか、予め調製されたものが使用される。
当該反応は、重合禁止剤の存在下で行ってもよい。重合禁止剤としては、フェノチアジン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ヒドロキノン等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常0.001〜0.2モル、好ましくは0.005〜0.05モルである。
当該反応は、塩基の存在下で行ってもよい。塩基としては、有機塩基類、無機塩基類、金属アルコキシド類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常1〜50モル、好ましくは1〜10モルである。
当該反応は、添加剤の存在下で行ってもよい。添加剤としては、塩化リチウム等が挙げられる。添加剤の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常0.01〜1モル、好ましくは0.05〜0.5モルである。
溶媒としては、アミド類、アルコール類、ニトリル類、エーテル類、芳香族炭化水素類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約48時間、好ましくは約6〜約24時間である。
エチレンガスの使用圧は、通常0.1〜10MPa、好ましくは0.5〜1.5MPaである。
パラジウム触媒について、パラジウム源としては、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、アリルパラジウム(II)クロリドダイマー等が挙げられる。配位子としては、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(DPEphos)、トリフェニルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、4,5’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン(キサントホス)、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリウム等が挙げられる。パラジウム源の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常0.0001〜1モル、好ましくは0.005〜0.2モルである。配位子の使用量は、パラジウム源1モルに対して、通常0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルである。パラジウム触媒は、パラジウム源と配位子から系中で調製されるか、予め調製されたものが使用される。
当該反応は、重合禁止剤の存在下で行ってもよい。重合禁止剤としては、フェノチアジン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ヒドロキノン等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常0.001〜0.2モル、好ましくは0.005〜0.05モルである。
当該反応は、塩基の存在下で行ってもよい。塩基としては、有機塩基類、無機塩基類、金属アルコキシド類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常1〜50モル、好ましくは1〜10モルである。
当該反応は、添加剤の存在下で行ってもよい。添加剤としては、塩化リチウム等が挙げられる。添加剤の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常0.01〜1モル、好ましくは0.05〜0.5モルである。
溶媒としては、アミド類、アルコール類、ニトリル類、エーテル類、芳香族炭化水素類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約48時間、好ましくは約6〜約24時間である。
ビニルトリフルオロボラート塩を用いたクロスカップリング反応は、パラジウム触媒の存在下、溶媒中で行われる。
ビニルトリフルオロボラート塩としては、カリウムビニルトリフルオロボラート等が挙げられる、ビニルトリフルオロボラート塩の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
パラジウム触媒について、パラジウム源としては、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、アリルパラジウム(II)クロリドダイマー等が挙げられる。配位子としては、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(DPEphos)、トリフェニルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、4,5’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン(キサントホス)、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリウム等が挙げられる。パラジウム源の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常0.0001〜1モル、好ましくは0.001〜0.2モルである。配位子の使用量は、パラジウム源1モルに対して、通常0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルである。パラジウム触媒は、パラジウム源と配位子から系中で調製されるか、予め調製されたものが使用される。
当該反応は、重合禁止剤の存在下で行ってもよい。重合禁止剤としては、フェノチアジン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ヒドロキノン等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常0.001〜0.2モル、好ましくは0.005〜0.05モルである。
当該反応は、塩基の存在下で行ってもよい。塩基としては、有機塩基類、無機塩基類、金属アルコキシド類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常1〜50モル、好ましくは1〜10モルである。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、アミド類、芳香族炭化水素類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約24時間、好ましくは約1〜約12時間である。
ビニルトリフルオロボラート塩としては、カリウムビニルトリフルオロボラート等が挙げられる、ビニルトリフルオロボラート塩の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
パラジウム触媒について、パラジウム源としては、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、アリルパラジウム(II)クロリドダイマー等が挙げられる。配位子としては、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(DPEphos)、トリフェニルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、4,5’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン(キサントホス)、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリウム等が挙げられる。パラジウム源の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常0.0001〜1モル、好ましくは0.001〜0.2モルである。配位子の使用量は、パラジウム源1モルに対して、通常0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルである。パラジウム触媒は、パラジウム源と配位子から系中で調製されるか、予め調製されたものが使用される。
当該反応は、重合禁止剤の存在下で行ってもよい。重合禁止剤としては、フェノチアジン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ヒドロキノン等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常0.001〜0.2モル、好ましくは0.005〜0.05モルである。
当該反応は、塩基の存在下で行ってもよい。塩基としては、有機塩基類、無機塩基類、金属アルコキシド類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(3)またはその塩1モルに対して、通常1〜50モル、好ましくは1〜10モルである。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、アミド類、芳香族炭化水素類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約24時間、好ましくは約1〜約12時間である。
工程4
この工程では、化合物(4)またはその塩をアンモニアを用いた環化反応に付して、化合物(5)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中で行われる。
アンモニアの使用量は、化合物(4)またはその塩1モルに対して、通常1〜1000モル、好ましくは1〜100モルである。
当該反応は、重合禁止剤の存在下で行ってもよい。重合禁止剤としては、フェノチアジン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ヒドロキノン等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、化合物(4)またはその塩1モルに対して、通常0.001〜0.1モル、好ましくは0.005〜0.05モルである。
溶媒としては、アルコール類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常−80〜200℃、好ましくは0〜100℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約24時間、好ましくは約1〜約12時間である。
この工程では、化合物(4)またはその塩をアンモニアを用いた環化反応に付して、化合物(5)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中で行われる。
アンモニアの使用量は、化合物(4)またはその塩1モルに対して、通常1〜1000モル、好ましくは1〜100モルである。
当該反応は、重合禁止剤の存在下で行ってもよい。重合禁止剤としては、フェノチアジン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ヒドロキノン等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、化合物(4)またはその塩1モルに対して、通常0.001〜0.1モル、好ましくは0.005〜0.05モルである。
溶媒としては、アルコール類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常−80〜200℃、好ましくは0〜100℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約24時間、好ましくは約1〜約12時間である。
工程5
この工程では、化合物(5)またはその塩を不斉還元反応に付して、化合物(6)またはその塩を得る。当該反応は、不斉触媒の存在下、溶媒中、化合物(5)またはその塩を水素源と反応させることにより行われる。
水素源としては、ギ酸アンモニウム、イソプロピルアルコール、ギ酸、水素等が挙げられる。水素源の使用量は、化合物(5)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。水素ガスを使用する場合は加圧下にて大過剰使用する。
不斉触媒としては、塩化(p−シメン)[(R,R)−N−(イソブタンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ルテニウム(II)、塩化[(S)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル][(S,S)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ルテニウム(II)、塩化[(R)−1−[(S)−2−{ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)フォスフィノ}フェロセニル]エチルジ−tert−ブチル−フォスフィン]ロジウム(I)等が挙げられる。不斉触媒の使用量は、化合物(5)またはその塩1モルに対して、通常0.0001〜1モル、好ましくは0.001〜0.2モルである。
溶媒としては、ニトリル類、アルコール類、アミド類、芳香族炭化水素類、有機塩基類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約72時間、好ましくは約1〜約48時間である。
反応終了後は、化合物(6)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程6に供してもよい。
この工程では、化合物(5)またはその塩を不斉還元反応に付して、化合物(6)またはその塩を得る。当該反応は、不斉触媒の存在下、溶媒中、化合物(5)またはその塩を水素源と反応させることにより行われる。
水素源としては、ギ酸アンモニウム、イソプロピルアルコール、ギ酸、水素等が挙げられる。水素源の使用量は、化合物(5)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。水素ガスを使用する場合は加圧下にて大過剰使用する。
不斉触媒としては、塩化(p−シメン)[(R,R)−N−(イソブタンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ルテニウム(II)、塩化[(S)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル][(S,S)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ルテニウム(II)、塩化[(R)−1−[(S)−2−{ビス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)フォスフィノ}フェロセニル]エチルジ−tert−ブチル−フォスフィン]ロジウム(I)等が挙げられる。不斉触媒の使用量は、化合物(5)またはその塩1モルに対して、通常0.0001〜1モル、好ましくは0.001〜0.2モルである。
溶媒としては、ニトリル類、アルコール類、アミド類、芳香族炭化水素類、有機塩基類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約72時間、好ましくは約1〜約48時間である。
反応終了後は、化合物(6)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程6に供してもよい。
工程6
この工程では、化合物(6)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(7)またはその塩を得る。当該反応は、塩基の存在下、溶媒中、化合物(6)またはその塩をBoc化剤と反応させることにより行われる。
Boc化剤としては、二炭酸ジ−tert−ブチル、t−ブトキシカルボニルクロリド等が挙げられる。Boc化剤の使用量は、化合物(6)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜20モルである。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(6)またはその塩1モルに対して、通常1〜1000モル、好ましくは1〜100モルであり、有機塩基類を溶媒として使用してもよい。
溶媒としては、ニトリル類、芳香族炭化水素類、エーテル類、アミド類、有機塩基類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約5分〜約24時間、好ましくは約5分〜約12時間である。
この工程では、化合物(6)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(7)またはその塩を得る。当該反応は、塩基の存在下、溶媒中、化合物(6)またはその塩をBoc化剤と反応させることにより行われる。
Boc化剤としては、二炭酸ジ−tert−ブチル、t−ブトキシカルボニルクロリド等が挙げられる。Boc化剤の使用量は、化合物(6)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜20モルである。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(6)またはその塩1モルに対して、通常1〜1000モル、好ましくは1〜100モルであり、有機塩基類を溶媒として使用してもよい。
溶媒としては、ニトリル類、芳香族炭化水素類、エーテル類、アミド類、有機塩基類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約5分〜約24時間、好ましくは約5分〜約12時間である。
工程7
この工程では、化合物(8)をハロゲン交換反応に付して、化合物(9)を得る。当該反応は、銅触媒の存在下、溶媒中、化合物(8)をヨウ化剤と反応させることによりで行われる。
ヨウ化剤としては、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ素等が挙げられる。ヨウ化剤の使用量は、化合物(8)1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
銅触媒について、銅源としては、ヨウ化銅(I)、塩化銅(I)、酸化銅(I)、チオフェン−2−カルボン酸銅(I)等が挙げられる。配位子としては、N,N−ジメチルエチレンジアミン(DMEDA)、エチレンジアミン、エチレングリコール、プロリン、フェナントロリン等が挙げられる。銅源の使用量は、化合物(8)1モルに対して、通常0.001〜10モル、好ましくは0.01〜0.2モルである。配位子の使用量は、銅源1モルに対して、通常1〜20モル、好ましくは1〜5モルである。銅触媒は、銅源と配位子から系中で調製されるか、予め調製されたものが使用される。
溶媒としては、エーテル類、ニトリル類、芳香族炭化水素類、アミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約48時間、好ましくは約1〜約24時間である。
この工程では、化合物(8)をハロゲン交換反応に付して、化合物(9)を得る。当該反応は、銅触媒の存在下、溶媒中、化合物(8)をヨウ化剤と反応させることによりで行われる。
ヨウ化剤としては、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ素等が挙げられる。ヨウ化剤の使用量は、化合物(8)1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
銅触媒について、銅源としては、ヨウ化銅(I)、塩化銅(I)、酸化銅(I)、チオフェン−2−カルボン酸銅(I)等が挙げられる。配位子としては、N,N−ジメチルエチレンジアミン(DMEDA)、エチレンジアミン、エチレングリコール、プロリン、フェナントロリン等が挙げられる。銅源の使用量は、化合物(8)1モルに対して、通常0.001〜10モル、好ましくは0.01〜0.2モルである。配位子の使用量は、銅源1モルに対して、通常1〜20モル、好ましくは1〜5モルである。銅触媒は、銅源と配位子から系中で調製されるか、予め調製されたものが使用される。
溶媒としては、エーテル類、ニトリル類、芳香族炭化水素類、アミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約48時間、好ましくは約1〜約24時間である。
工程8
この工程では、化合物(7)またはその塩を化合物(9)と反応させて、化合物(10)またはその塩を得る。当該反応は、塩基および銅触媒の存在下、溶媒中で行われる。
化合物(9)の使用量は、化合物(7)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜10モル、好ましくは1〜2モルである。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(7)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
銅触媒について、銅源としては、ヨウ化銅(I)、塩化銅(I)、酸化銅(I)、チオフェン−2−カルボン酸銅(I)等が挙げられる。配位子としては、N,N−ジメチルエチレンジアミン(DMEDA)、エチレンジアミン、エチレングリコール、プロリン、フェナントロリン等が挙げられる。銅源の使用量は、化合物(7)またはその塩1モルに対して、通常0.001〜10モル、好ましくは0.1〜2モルである。配位子の使用量は、銅源1モルに対して、通常1〜20モル、好ましくは1〜5モルである。銅触媒は、銅源と配位子から系中で調製されるか、予め調製されたものが使用される。
溶媒としては、芳香族炭化水素類、ニトリル類、エーテル類、アミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約72時間、好ましくは約12〜約48時間である。
この工程では、化合物(7)またはその塩を化合物(9)と反応させて、化合物(10)またはその塩を得る。当該反応は、塩基および銅触媒の存在下、溶媒中で行われる。
化合物(9)の使用量は、化合物(7)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜10モル、好ましくは1〜2モルである。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(7)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
銅触媒について、銅源としては、ヨウ化銅(I)、塩化銅(I)、酸化銅(I)、チオフェン−2−カルボン酸銅(I)等が挙げられる。配位子としては、N,N−ジメチルエチレンジアミン(DMEDA)、エチレンジアミン、エチレングリコール、プロリン、フェナントロリン等が挙げられる。銅源の使用量は、化合物(7)またはその塩1モルに対して、通常0.001〜10モル、好ましくは0.1〜2モルである。配位子の使用量は、銅源1モルに対して、通常1〜20モル、好ましくは1〜5モルである。銅触媒は、銅源と配位子から系中で調製されるか、予め調製されたものが使用される。
溶媒としては、芳香族炭化水素類、ニトリル類、エーテル類、アミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約72時間、好ましくは約12〜約48時間である。
工程9
この工程では、化合物(10)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(11)またはその塩を得る。
当該反応は、溶媒中、無機酸類または有機酸類で処理することにより行われる。
通常、酸類は大過剰使用される。
溶媒としては、水、アルコール類、エーテル類、エステル類等が挙げられる。
当該反応は、通常−5〜100℃、好ましくは0〜60℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約48時間、好ましくは約1〜約24時間である。
この工程では、化合物(10)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(11)またはその塩を得る。
当該反応は、溶媒中、無機酸類または有機酸類で処理することにより行われる。
通常、酸類は大過剰使用される。
溶媒としては、水、アルコール類、エーテル類、エステル類等が挙げられる。
当該反応は、通常−5〜100℃、好ましくは0〜60℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約48時間、好ましくは約1〜約24時間である。
工程10
この工程では、化合物(12)またはその塩をベンジルエステル化反応に付して、化合物(13)を得る。当該反応は、縮合剤の存在下、溶媒中、化合物(12)またはその塩をベンジルアルコールと反応させることにより行われる。
ベンジルアルコールの使用量は、化合物(12)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
縮合剤としては、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩(EDCl)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU)、二炭酸ジ−tert−ブチル、カルボニルジイミダゾール(CDI)等が挙げられる。縮合剤の使用量は、化合物(12)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
当該反応は、添加剤の存在下で行ってもよい。添加剤としては、4−ジメチルアミノピリジン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)等が挙げられる。添加剤の使用量は、化合物(12)またはその塩1モルに対して、通常0.01〜10モル、好ましくは0.01〜2モルである。
溶媒としては、ニトリル類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、アミド類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約48時間、好ましくは約1〜約24時間である。
反応終了後は、化合物(13)の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程11に供してもよい。
この工程では、化合物(12)またはその塩をベンジルエステル化反応に付して、化合物(13)を得る。当該反応は、縮合剤の存在下、溶媒中、化合物(12)またはその塩をベンジルアルコールと反応させることにより行われる。
ベンジルアルコールの使用量は、化合物(12)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
縮合剤としては、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩(EDCl)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU)、二炭酸ジ−tert−ブチル、カルボニルジイミダゾール(CDI)等が挙げられる。縮合剤の使用量は、化合物(12)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
当該反応は、添加剤の存在下で行ってもよい。添加剤としては、4−ジメチルアミノピリジン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)等が挙げられる。添加剤の使用量は、化合物(12)またはその塩1モルに対して、通常0.01〜10モル、好ましくは0.01〜2モルである。
溶媒としては、ニトリル類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、アミド類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約48時間、好ましくは約1〜約24時間である。
反応終了後は、化合物(13)の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程11に供してもよい。
工程11
この工程では、化合物(13)をメルドラム酸と反応させて、化合物(14)を得る。当該反応は、塩基の存在下、溶媒中で行われる。
メルドラム酸の使用量は、化合物(13)1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
塩基としては、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(13)1モルに対して、通常0.001〜10モル、好ましくは0.01〜1モルである。
溶媒としては、アルコール類、エステル類、エーテル類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜150℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約16〜約72時間、好ましくは約16〜約48時間である。
この工程では、化合物(13)をメルドラム酸と反応させて、化合物(14)を得る。当該反応は、塩基の存在下、溶媒中で行われる。
メルドラム酸の使用量は、化合物(13)1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
塩基としては、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(13)1モルに対して、通常0.001〜10モル、好ましくは0.01〜1モルである。
溶媒としては、アルコール類、エステル類、エーテル類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜150℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約16〜約72時間、好ましくは約16〜約48時間である。
工程12
この工程では、化合物(14)を還元剤を用いた還元反応に付して、化合物(15)を得る。当該反応は、溶媒中、化合物(14)を還元剤と反応させることにより行われる。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。還元剤の使用量は、化合物(14)1モルに対して、通常0.2〜100モル、好ましくは0.2〜10モルである。
溶媒としては、エーテル類、アルコール類、ニトリル類、アミド類、芳香族炭化水素類、エステル類等が挙げられる。
当該反応は、通常−90〜60℃、好ましくは−50〜30℃で行われる。反応時間は、通常、約0.5〜約24時間、好ましくは約0.5〜約12時間である。
当該反応では、還元がジアステレオ選択的に進行し、シス体が優先的に生成する(シス/トランス=10/1〜11/1(dr)程度)。そして、再結晶を繰り返すことで、より高い純度でシス体である化合物(15)を取得することができる(シス/トランス=99.5/0.5(dr)程度)。再結晶溶媒としては、酢酸エチル/2−プロパノールが好適であり、15〜35℃の温度範囲で、2〜96時間程度で再結晶が行われる。
この工程では、化合物(14)を還元剤を用いた還元反応に付して、化合物(15)を得る。当該反応は、溶媒中、化合物(14)を還元剤と反応させることにより行われる。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。還元剤の使用量は、化合物(14)1モルに対して、通常0.2〜100モル、好ましくは0.2〜10モルである。
溶媒としては、エーテル類、アルコール類、ニトリル類、アミド類、芳香族炭化水素類、エステル類等が挙げられる。
当該反応は、通常−90〜60℃、好ましくは−50〜30℃で行われる。反応時間は、通常、約0.5〜約24時間、好ましくは約0.5〜約12時間である。
当該反応では、還元がジアステレオ選択的に進行し、シス体が優先的に生成する(シス/トランス=10/1〜11/1(dr)程度)。そして、再結晶を繰り返すことで、より高い純度でシス体である化合物(15)を取得することができる(シス/トランス=99.5/0.5(dr)程度)。再結晶溶媒としては、酢酸エチル/2−プロパノールが好適であり、15〜35℃の温度範囲で、2〜96時間程度で再結晶が行われる。
工程13
この工程では、化合物(15)をt−ブタノールと反応させて、化合物(16)を得る。当該反応は、塩基の存在下、溶媒中で行われる。
t−ブタノールの使用量は、化合物(15)1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
塩基としては、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(15)1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
溶媒としては、芳香族炭化水素類、アミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
当該反応は、通常20〜200℃、好ましくは50〜150℃で行われる。反応時間は、通常、約16〜約72時間、好ましくは約16〜約48時間である。
反応終了後は、化合物(16)の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程14に供してもよい。
この工程では、化合物(15)をt−ブタノールと反応させて、化合物(16)を得る。当該反応は、塩基の存在下、溶媒中で行われる。
t−ブタノールの使用量は、化合物(15)1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
塩基としては、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(15)1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
溶媒としては、芳香族炭化水素類、アミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
当該反応は、通常20〜200℃、好ましくは50〜150℃で行われる。反応時間は、通常、約16〜約72時間、好ましくは約16〜約48時間である。
反応終了後は、化合物(16)の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程14に供してもよい。
工程14
この工程では、化合物(16)を接触還元反応に付して、化合物(17)またはその塩を得る。当該反応は、パラジウム触媒の存在下、溶媒中、化合物(16)を水素雰囲気下で反応させることにより行われる。
パラジウム触媒としては、パラジウム−炭素、パラジウム−アルミニウム等が挙げられる。パラジウム触媒の使用量は、化合物(16)1モルに対して、通常0.001〜10モル、好ましくは0.01〜2モルである。
溶媒としては、エステル類、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜150℃、好ましくは0〜80℃で行われる。反応時間は、通常、約16〜約96時間、好ましくは約16〜約48時間である。
反応終了後は、化合物(17)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程15に供してもよい。
この工程では、化合物(16)を接触還元反応に付して、化合物(17)またはその塩を得る。当該反応は、パラジウム触媒の存在下、溶媒中、化合物(16)を水素雰囲気下で反応させることにより行われる。
パラジウム触媒としては、パラジウム−炭素、パラジウム−アルミニウム等が挙げられる。パラジウム触媒の使用量は、化合物(16)1モルに対して、通常0.001〜10モル、好ましくは0.01〜2モルである。
溶媒としては、エステル類、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜150℃、好ましくは0〜80℃で行われる。反応時間は、通常、約16〜約96時間、好ましくは約16〜約48時間である。
反応終了後は、化合物(17)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程15に供してもよい。
工程15
この工程では、化合物(17)またはその塩を(S)−1−フェネチルアミンとの塩形成に付して、化合物(18)を得る。当該反応は、溶媒中、化合物(17)と(S)−1−フェネチルアミンを混合することにより行われる。化合物(17)が塩である場合には、酸を用いてフリー体(化合物(17))に変換した後、(S)−1−フェネチルアミンと混合することにより行われる。
(S)−1−フェネチルアミンの使用量は、化合物(17)1モルに対して、通常0.8〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
酸としては、無機酸類、有機酸類等が挙げられる。酸の使用量は、化合物(17)の塩に対して、通常1〜100当量、好ましくは1〜10当量である。
溶媒としては、エステル類、アルコール類、ニトリル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エーテル類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜100℃、好ましくは0〜60℃で行われる。
この工程では、化合物(17)またはその塩を(S)−1−フェネチルアミンとの塩形成に付して、化合物(18)を得る。当該反応は、溶媒中、化合物(17)と(S)−1−フェネチルアミンを混合することにより行われる。化合物(17)が塩である場合には、酸を用いてフリー体(化合物(17))に変換した後、(S)−1−フェネチルアミンと混合することにより行われる。
(S)−1−フェネチルアミンの使用量は、化合物(17)1モルに対して、通常0.8〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
酸としては、無機酸類、有機酸類等が挙げられる。酸の使用量は、化合物(17)の塩に対して、通常1〜100当量、好ましくは1〜10当量である。
溶媒としては、エステル類、アルコール類、ニトリル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エーテル類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜100℃、好ましくは0〜60℃で行われる。
工程16
この工程では、化合物(11)またはその塩を化合物(18)と反応させて、化合物(19)またはその塩を得る。当該反応は、縮合剤の存在下、溶媒中で行われる。
化合物(18)の使用量は、化合物(11)またはその塩1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.8〜2モルである。
縮合剤としては、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩(EDCl)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU)等が挙げられる。縮合剤の使用量は、化合物(11)またはその塩1モルに対して、通常1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
当該反応は、塩基の存在下で反応を行ってもよい。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(11)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
溶媒としては、ニトリル類、エーテル類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約24時間、好ましくは約1〜約12時間である。
この工程では、化合物(11)またはその塩を化合物(18)と反応させて、化合物(19)またはその塩を得る。当該反応は、縮合剤の存在下、溶媒中で行われる。
化合物(18)の使用量は、化合物(11)またはその塩1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.8〜2モルである。
縮合剤としては、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩(EDCl)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU)等が挙げられる。縮合剤の使用量は、化合物(11)またはその塩1モルに対して、通常1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
当該反応は、塩基の存在下で反応を行ってもよい。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(11)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
溶媒としては、ニトリル類、エーテル類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約24時間、好ましくは約1〜約12時間である。
工程17
この工程では、化合物(19)またはその塩を酸加水分解反応に付して、化合物(A)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中、無機酸類または有機酸類で処理することにより行われる。
酸類の使用量は、化合物(19)またはその塩1モルに対して、通常0.1〜1000モル、好ましくは1〜100モルである。
溶媒としては、ニトリル類、エステル類、エーテル類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約72時間、好ましくは約6〜約48時間である。
この工程では、化合物(19)またはその塩を酸加水分解反応に付して、化合物(A)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中、無機酸類または有機酸類で処理することにより行われる。
酸類の使用量は、化合物(19)またはその塩1モルに対して、通常0.1〜1000モル、好ましくは1〜100モルである。
溶媒としては、ニトリル類、エステル類、エーテル類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約72時間、好ましくは約6〜約48時間である。
スキーム1において、化合物(2)、化合物(3)、化合物(4)、化合物(5)、化合物(6)、化合物(7)、化合物(9)、化合物(14)、化合物(15)および化合物(16)が新規化合物である。
また、スキーム1において、工程1〜工程8が化合物(10)を製造する新規なルートであり、工程10〜工程15が化合物(18)を製造する新規なルートである。
スキーム1によれば、極低温の反応条件や、カラム精製やキラルカラム精製といった煩雑な操作を必要せず、10工程(副工程を含まない)で、化合物(A)またはその塩を全収率13〜22%で製造することができる。
また、スキーム1において、工程1〜工程8が化合物(10)を製造する新規なルートであり、工程10〜工程15が化合物(18)を製造する新規なルートである。
スキーム1によれば、極低温の反応条件や、カラム精製やキラルカラム精製といった煩雑な操作を必要せず、10工程(副工程を含まない)で、化合物(A)またはその塩を全収率13〜22%で製造することができる。
化合物(A)またはその塩は、以下のスキーム2に示される工程により製造することもできる。
(式中の各基は前記と同義である。)
工程18
この工程では、化合物(20)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(21)を得る。当該反応は、塩基の存在下、溶媒中、化合物(20)またはその塩をBoc化剤と反応させることにより行われる。
Boc化剤としては、二炭酸ジ−tert−ブチル、t−ブトキシカルボニルクロリド等が挙げられる。Boc化剤の使用量は、化合物(20)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜100モル、好ましくは1〜50モルである。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(20)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜100モル、好ましくは1〜50モルである。
溶媒としては、アルコール類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜100℃、好ましくは0〜60℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約48時間、好ましくは約1〜約24時間である。
反応終了後は、化合物(21)の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程19に供してもよい。
この工程では、化合物(20)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(21)を得る。当該反応は、塩基の存在下、溶媒中、化合物(20)またはその塩をBoc化剤と反応させることにより行われる。
Boc化剤としては、二炭酸ジ−tert−ブチル、t−ブトキシカルボニルクロリド等が挙げられる。Boc化剤の使用量は、化合物(20)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜100モル、好ましくは1〜50モルである。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(20)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜100モル、好ましくは1〜50モルである。
溶媒としては、アルコール類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜100℃、好ましくは0〜60℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約48時間、好ましくは約1〜約24時間である。
反応終了後は、化合物(21)の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程19に供してもよい。
工程19
この工程では、化合物(21)を化合物(22)またはその塩と反応させて、化合物(23)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中で、マンガン粉末およびニッケル触媒の存在下、化合物(21)と化合物(22)またはその塩とを反応させることにより行われる。
マンガン粉末の使用量は、化合物(22)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは2〜10モルである。
化合物(21)の使用量は、化合物(22)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜20モルである。
ニッケル触媒について、ニッケル源としては、臭化ニッケル(II)三水和物、臭化ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)等が挙げられる。配位子としては、フェナントロリン、バソフェナントロリン、4,4’−ジtert−ブチル−2,2’−ビピリジン等が挙げられる。ニッケル源の使用量は、化合物(22)1モルに対して、通常0.01〜10モル、好ましくは0.05〜1モルである。配位子の使用量は、ニッケル源1モルに対して、通常1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。ニッケル触媒は、ニッケル源と配位子から系中で調製されるか、予め調製されたものが使用される。
溶媒としては、アミド類、エステル類、エーテル類、ニトリル類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜200℃、好ましくは0〜100℃で行われる。反応時間は、通常、約15〜約120時間、好ましくは約15〜約72時間である。
反応終了後は、化合物(23)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程20に供してもよい。
この工程では、化合物(21)を化合物(22)またはその塩と反応させて、化合物(23)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中で、マンガン粉末およびニッケル触媒の存在下、化合物(21)と化合物(22)またはその塩とを反応させることにより行われる。
マンガン粉末の使用量は、化合物(22)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは2〜10モルである。
化合物(21)の使用量は、化合物(22)またはその塩1モルに対して、通常1〜100モル、好ましくは1〜20モルである。
ニッケル触媒について、ニッケル源としては、臭化ニッケル(II)三水和物、臭化ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)等が挙げられる。配位子としては、フェナントロリン、バソフェナントロリン、4,4’−ジtert−ブチル−2,2’−ビピリジン等が挙げられる。ニッケル源の使用量は、化合物(22)1モルに対して、通常0.01〜10モル、好ましくは0.05〜1モルである。配位子の使用量は、ニッケル源1モルに対して、通常1〜10モル、好ましくは1〜5モルである。ニッケル触媒は、ニッケル源と配位子から系中で調製されるか、予め調製されたものが使用される。
溶媒としては、アミド類、エステル類、エーテル類、ニトリル類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜200℃、好ましくは0〜100℃で行われる。反応時間は、通常、約15〜約120時間、好ましくは約15〜約72時間である。
反応終了後は、化合物(23)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程20に供してもよい。
工程20
この工程では、化合物(23)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(24)またはその塩を得る。当該反応は、化合物(23)またはその塩を酸で処理することにより行われる。
酸としては、有機酸類、無機酸類等が挙げられる。酸の使用量は、化合物(23)またはその塩に対して、通常0.2〜50モル、好ましくは1〜10モルである。
溶媒としては、エステル類、エーテル類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約24時間、好ましくは約1〜約12時間である。
反応終了後は、化合物(24)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程21に供してもよい。
この工程では、化合物(23)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(24)またはその塩を得る。当該反応は、化合物(23)またはその塩を酸で処理することにより行われる。
酸としては、有機酸類、無機酸類等が挙げられる。酸の使用量は、化合物(23)またはその塩に対して、通常0.2〜50モル、好ましくは1〜10モルである。
溶媒としては、エステル類、エーテル類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約24時間、好ましくは約1〜約12時間である。
反応終了後は、化合物(24)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程21に供してもよい。
工程21
この工程では、化合物(24)またはその塩をグリオキシル酸エチルを用いた環化反応に付して、化合物(25)またはその塩を得る。当該反応は、酸の存在下、溶媒中で行われる。
グリオキシル酸エチルは、ポリマー形態のトルエン溶液等の市販品を使用できる。グリオキシル酸エチルの使用量は、化合物(24)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
酸としては、無機酸類、有機酸類等が挙げられる。酸の使用量は、化合物(24)またはその塩1モルに対して、通常0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
溶媒としては、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜200℃、好ましくは25〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約6〜約96時間、好ましくは約12〜約48時間である。
この工程では、化合物(24)またはその塩をグリオキシル酸エチルを用いた環化反応に付して、化合物(25)またはその塩を得る。当該反応は、酸の存在下、溶媒中で行われる。
グリオキシル酸エチルは、ポリマー形態のトルエン溶液等の市販品を使用できる。グリオキシル酸エチルの使用量は、化合物(24)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
酸としては、無機酸類、有機酸類等が挙げられる。酸の使用量は、化合物(24)またはその塩1モルに対して、通常0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。
溶媒としては、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜200℃、好ましくは25〜120℃で行われる。反応時間は、通常、約6〜約96時間、好ましくは約12〜約48時間である。
工程22
この工程では、化合物(25)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(26)またはその塩を得る。当該反応は、塩基の存在下、溶媒中、化合物(25)またはその塩をBoc化剤と反応させることにより行われる。
Boc化剤としては、二炭酸ジ−tert−ブチル、t−ブトキシカルボニルクロリド等が挙げられる。Boc化剤の使用量は、化合物(25)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜3モル、好ましくは1〜1.5モルである。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(25)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜3モル、好ましくは1〜1.5モルである。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、スルホキシド類、エステル類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常10〜80℃、好ましくは30〜60℃で行われる。反応時間は、通常、約30分〜約5時間、好ましくは約1〜約2時間である。
この工程では、化合物(25)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(26)またはその塩を得る。当該反応は、塩基の存在下、溶媒中、化合物(25)またはその塩をBoc化剤と反応させることにより行われる。
Boc化剤としては、二炭酸ジ−tert−ブチル、t−ブトキシカルボニルクロリド等が挙げられる。Boc化剤の使用量は、化合物(25)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜3モル、好ましくは1〜1.5モルである。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(25)またはその塩1モルに対して、通常0.8〜3モル、好ましくは1〜1.5モルである。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、スルホキシド類、エステル類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常10〜80℃、好ましくは30〜60℃で行われる。反応時間は、通常、約30分〜約5時間、好ましくは約1〜約2時間である。
工程23
この工程では、化合物(26)またはその塩をメチル化反応に付して、化合物(27)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中、化合物(26)またはその塩をメチル化剤と反応させることにより行われる。
メチル化剤としては、ヨウ化メチル、トリメチルオキソニウム テトラフルオロボラート等が挙げられる。メチル化剤の使用量は、化合物(26)またはその塩1モルに対して、通常1〜10モル、好ましくは3〜7モルである。
ヨウ化メチルを使用する場合は、塩基の存在下で反応を行う。塩基としては、炭酸銀(I)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、イソプロピルエチルアミン等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(26)またはその塩1モルに対して、通常0.3〜5モル、好ましくは0.4〜1モルである。
溶媒としては、エーテル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、ケトン類、ニトリル類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜50℃、好ましくは15〜35℃で行われる。反応時間は、通常、約6〜約96時間、好ましくは約12〜約48時間である。
反応終了後は、化合物(27)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程24に供してもよい。
この工程では、化合物(26)またはその塩をメチル化反応に付して、化合物(27)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中、化合物(26)またはその塩をメチル化剤と反応させることにより行われる。
メチル化剤としては、ヨウ化メチル、トリメチルオキソニウム テトラフルオロボラート等が挙げられる。メチル化剤の使用量は、化合物(26)またはその塩1モルに対して、通常1〜10モル、好ましくは3〜7モルである。
ヨウ化メチルを使用する場合は、塩基の存在下で反応を行う。塩基としては、炭酸銀(I)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、イソプロピルエチルアミン等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(26)またはその塩1モルに対して、通常0.3〜5モル、好ましくは0.4〜1モルである。
溶媒としては、エーテル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、ケトン類、ニトリル類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜50℃、好ましくは15〜35℃で行われる。反応時間は、通常、約6〜約96時間、好ましくは約12〜約48時間である。
反応終了後は、化合物(27)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程24に供してもよい。
工程24
この工程では、化合物(27)またはその塩をアルカリ加水分解反応に付して、化合物(28)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中、化合物(27)またはその塩をアルカリで処理することにより行われる。
アルカリとしては、水酸化リチウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等が挙げられる。アルカリの使用量は、化合物(27)またはその塩に対して、通常0.5〜5当量、好ましくは1〜3当量である。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、アミド類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常5〜50℃、好ましくは15〜35℃で行われる。反応時間は、通常、約30分〜約10時間、好ましくは約1〜約5時間である。
反応終了後は、化合物(28)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程25に供してもよい。
この工程では、化合物(27)またはその塩をアルカリ加水分解反応に付して、化合物(28)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中、化合物(27)またはその塩をアルカリで処理することにより行われる。
アルカリとしては、水酸化リチウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等が挙げられる。アルカリの使用量は、化合物(27)またはその塩に対して、通常0.5〜5当量、好ましくは1〜3当量である。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、アミド類、水等が挙げられる。
当該反応は、通常5〜50℃、好ましくは15〜35℃で行われる。反応時間は、通常、約30分〜約10時間、好ましくは約1〜約5時間である。
反応終了後は、化合物(28)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程25に供してもよい。
工程25
この工程では、化合物(28)またはその塩を(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールとのジアステレオマー塩形成を利用した光学分割に付して、化合物(29)を得る。
当該光学分割は、溶媒中、化合物(28)を(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールと混合し、析出した結晶をろ取することにより行われる。化合物(28)が塩である場合には、酸または塩基を用いてフリー体(化合物(28))に変換した後、(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールと混合することにより行われる。
(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールの使用量は、化合物(28)またはその塩1モルに対して、通常0.3〜2モル、好ましくは0.4〜1モルである。
酸としては、無機酸類、有機酸類等が挙げられる。酸の使用量は、化合物(28)の塩に対して、通常0.5〜5当量、好ましくは1〜3当量である。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(28)の塩に対して、通常0.5〜5当量、好ましくは1〜3当量である。
(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールと混合のための溶媒としては、ニトリル類、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
混合は、通常0〜100℃、好ましくは10〜70℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約48時間、好ましくは約5〜約24時間である。
この工程では、化合物(28)またはその塩を(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールとのジアステレオマー塩形成を利用した光学分割に付して、化合物(29)を得る。
当該光学分割は、溶媒中、化合物(28)を(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールと混合し、析出した結晶をろ取することにより行われる。化合物(28)が塩である場合には、酸または塩基を用いてフリー体(化合物(28))に変換した後、(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールと混合することにより行われる。
(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールの使用量は、化合物(28)またはその塩1モルに対して、通常0.3〜2モル、好ましくは0.4〜1モルである。
酸としては、無機酸類、有機酸類等が挙げられる。酸の使用量は、化合物(28)の塩に対して、通常0.5〜5当量、好ましくは1〜3当量である。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(28)の塩に対して、通常0.5〜5当量、好ましくは1〜3当量である。
(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールと混合のための溶媒としては、ニトリル類、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
混合は、通常0〜100℃、好ましくは10〜70℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約48時間、好ましくは約5〜約24時間である。
工程26
この工程では、化合物(30)またはその塩を酸クロリドに変換後、フリーデル・クラフツ反応に付して、化合物(31)を得る。
化合物(30)またはその塩の酸クロリドへの変換は、溶媒中、化合物(30)またはその塩を塩素化剤と反応させることにより行われる。
塩素化剤としては、塩化チオニル、塩化オキザリル、オキシ塩化リン等が挙げられる。塩素化剤の使用量は、化合物(30)またはその塩1モルに対して、通常0.5〜5モル、好ましくは1〜3モルである。
必要により、触媒量のN,N−ジメチルホルムアミドを反応に加えてもよい。
溶媒としては、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜50℃、好ましくは10〜35℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約8時間、好ましくは約1〜約4時間である。
酸クロリドへの変換後、引き続いて、フリーデル・クラフツ反応を行う。フリーデル・クラフツ反応は、ルイス酸の存在下、溶媒中で行われる。
ルイス酸としては、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化スズ等が挙げられる。ルイス酸の使用量は、化合物(30)またはその塩1モルに対して、通常0.5〜5モル、好ましくは1〜3モルである。
溶媒としては、酸クロリドへの変換で使用したものが挙げられる。
当該反応は、通常0〜50℃、好ましくは10〜35℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約56時間、好ましくは約6〜約28時間である。
この工程では、化合物(30)またはその塩を酸クロリドに変換後、フリーデル・クラフツ反応に付して、化合物(31)を得る。
化合物(30)またはその塩の酸クロリドへの変換は、溶媒中、化合物(30)またはその塩を塩素化剤と反応させることにより行われる。
塩素化剤としては、塩化チオニル、塩化オキザリル、オキシ塩化リン等が挙げられる。塩素化剤の使用量は、化合物(30)またはその塩1モルに対して、通常0.5〜5モル、好ましくは1〜3モルである。
必要により、触媒量のN,N−ジメチルホルムアミドを反応に加えてもよい。
溶媒としては、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜50℃、好ましくは10〜35℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約8時間、好ましくは約1〜約4時間である。
酸クロリドへの変換後、引き続いて、フリーデル・クラフツ反応を行う。フリーデル・クラフツ反応は、ルイス酸の存在下、溶媒中で行われる。
ルイス酸としては、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化スズ等が挙げられる。ルイス酸の使用量は、化合物(30)またはその塩1モルに対して、通常0.5〜5モル、好ましくは1〜3モルである。
溶媒としては、酸クロリドへの変換で使用したものが挙げられる。
当該反応は、通常0〜50℃、好ましくは10〜35℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約56時間、好ましくは約6〜約28時間である。
工程27
この工程では、化合物(31)をベンジルアミンと反応させて、化合物(32)またはその塩を得る。当該反応は、パラジウム触媒および塩基の存在下、溶媒中で行われる。
パラジウム触媒としては、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム[Pd2(dba)3]、酢酸パラジウム、テトラキストリホスフィンパラジウム等が挙げられる。パラジウム触媒の使用量は、化合物(31)1モルに対して、通常0.01〜0.5モル、好ましくは0.02〜0.1モルである。
塩基としては、金属アルコキシド類、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(31)1モルに対して、通常0.5〜3モル、好ましくは1〜2モルである。
必要により、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、トリフェニルホスフィン等の配位子を反応に加えてもよい。配位子の使用量は、化合物(31)1モルに対して、通常0.01〜0.5モル、好ましくは0.02〜0.1モルである。
溶媒としては、芳香族炭化水素類、エーテル類、ニトリル類、アルコール類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常20〜120℃、好ましくは60〜100℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約12時間、好ましくは約1〜約6時間である。
反応終了後は、化合物(32)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程28に供してもよい。
この工程では、化合物(31)をベンジルアミンと反応させて、化合物(32)またはその塩を得る。当該反応は、パラジウム触媒および塩基の存在下、溶媒中で行われる。
パラジウム触媒としては、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム[Pd2(dba)3]、酢酸パラジウム、テトラキストリホスフィンパラジウム等が挙げられる。パラジウム触媒の使用量は、化合物(31)1モルに対して、通常0.01〜0.5モル、好ましくは0.02〜0.1モルである。
塩基としては、金属アルコキシド類、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(31)1モルに対して、通常0.5〜3モル、好ましくは1〜2モルである。
必要により、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、トリフェニルホスフィン等の配位子を反応に加えてもよい。配位子の使用量は、化合物(31)1モルに対して、通常0.01〜0.5モル、好ましくは0.02〜0.1モルである。
溶媒としては、芳香族炭化水素類、エーテル類、ニトリル類、アルコール類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常20〜120℃、好ましくは60〜100℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約12時間、好ましくは約1〜約6時間である。
反応終了後は、化合物(32)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程28に供してもよい。
工程28
この工程では、化合物(32)またはその塩を還元剤を用いた還元反応に付して、化合物(33)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中、化合物(32)またはその塩を還元剤と反応させることにより行われる。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等が挙げられる。還元剤の使用量は、化合物(32)またはその塩1モルに対して、通常0.3〜3モル、好ましくは0.7〜1.5モルである。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜70℃、好ましくは0〜30℃で行われる。反応時間は、通常、約5分〜約12時間、好ましくは約1〜約6時間である。
この工程では、化合物(32)またはその塩を還元剤を用いた還元反応に付して、化合物(33)またはその塩を得る。当該反応は、溶媒中、化合物(32)またはその塩を還元剤と反応させることにより行われる。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等が挙げられる。還元剤の使用量は、化合物(32)またはその塩1モルに対して、通常0.3〜3モル、好ましくは0.7〜1.5モルである。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類等が挙げられる。
当該反応は、通常−20〜70℃、好ましくは0〜30℃で行われる。反応時間は、通常、約5分〜約12時間、好ましくは約1〜約6時間である。
工程29
この工程では、化合物(33)またはその塩を接触還元反応に付して、化合物(34)またはその塩を得る。当該反応は、パラジウム触媒の存在下、溶媒中、化合物(33)またはその塩を水素雰囲気下で反応させることにより行われる。
パラジウム触媒としては、パラジウム−炭素、パラジウム−アルミナ等が挙げられる。パラジウム触媒の使用量は、化合物(33)またはその塩1モルに対して、通常0.001〜0.5モル、好ましくは0.01〜0.02モルである。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜100℃、好ましくは30〜85℃で行われる。反応時間は、通常、約12〜約192時間、好ましくは約24〜約96時間である。
反応終了後は、化合物(34)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程30に供してもよい。
この工程では、化合物(33)またはその塩を接触還元反応に付して、化合物(34)またはその塩を得る。当該反応は、パラジウム触媒の存在下、溶媒中、化合物(33)またはその塩を水素雰囲気下で反応させることにより行われる。
パラジウム触媒としては、パラジウム−炭素、パラジウム−アルミナ等が挙げられる。パラジウム触媒の使用量は、化合物(33)またはその塩1モルに対して、通常0.001〜0.5モル、好ましくは0.01〜0.02モルである。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜100℃、好ましくは30〜85℃で行われる。反応時間は、通常、約12〜約192時間、好ましくは約24〜約96時間である。
反応終了後は、化合物(34)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程30に供してもよい。
工程30
この工程では、化合物(34)またはその塩を(+)−カンファースルホン酸との塩形成に付して、化合物(35)を得る。当該反応は、溶媒中、化合物(34)と(+)−カンファースルホン酸を混合することにより行われる。化合物(34)が塩である場合には、塩基を用いてフリー体(化合物(34))に変換した後、(+)−カンファースルホン酸と混合することにより行われる。
(+)−カンファースルホン酸の使用量は、化合物(34)1モルに対して、通常0.5〜3モル、好ましくは0.7〜1.5モルである。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(34)の塩に対して、通常0.5〜10当量、好ましくは1〜3当量である。
溶媒としては、エステル類、ニトリル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜50℃、好ましくは10〜40℃で行われる。反応時間は、通常、約5分〜約5時間、好ましくは約5分〜約2時間である。
この工程では、化合物(34)またはその塩を(+)−カンファースルホン酸との塩形成に付して、化合物(35)を得る。当該反応は、溶媒中、化合物(34)と(+)−カンファースルホン酸を混合することにより行われる。化合物(34)が塩である場合には、塩基を用いてフリー体(化合物(34))に変換した後、(+)−カンファースルホン酸と混合することにより行われる。
(+)−カンファースルホン酸の使用量は、化合物(34)1モルに対して、通常0.5〜3モル、好ましくは0.7〜1.5モルである。
塩基としては、無機塩基類、有機塩基類等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物(34)の塩に対して、通常0.5〜10当量、好ましくは1〜3当量である。
溶媒としては、エステル類、ニトリル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜50℃、好ましくは10〜40℃で行われる。反応時間は、通常、約5分〜約5時間、好ましくは約5分〜約2時間である。
工程31
この工程では、化合物(29)を化合物(35)と反応させて、化合物(10)またはその塩を得る。当該反応は、縮合剤の存在下、溶媒中で行われる。
縮合剤としては、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム クロリド(DMT−MM)、プロパンホスホン酸無水物(T3P)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩(EDCl)等が挙げられる。縮合剤の使用量は、化合物(29)1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.8〜5モルである。
溶媒としては、エーテル類、ニトリル類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、エステル類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜50℃、好ましくは5〜40℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約20時間、好ましくは約1〜約10時間である。
この工程では、化合物(29)を化合物(35)と反応させて、化合物(10)またはその塩を得る。当該反応は、縮合剤の存在下、溶媒中で行われる。
縮合剤としては、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム クロリド(DMT−MM)、プロパンホスホン酸無水物(T3P)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩(EDCl)等が挙げられる。縮合剤の使用量は、化合物(29)1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.8〜5モルである。
溶媒としては、エーテル類、ニトリル類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、エステル類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜50℃、好ましくは5〜40℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約20時間、好ましくは約1〜約10時間である。
工程32
この工程では、化合物(10)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(11)またはその塩を得る。当該工程は、スキーム1の工程9と同様の方法で行われる。
この工程では、化合物(10)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(11)またはその塩を得る。当該工程は、スキーム1の工程9と同様の方法で行われる。
工程33
この工程では、化合物(36)またはその塩を接触還元反応に付して、化合物(37)またはその塩を得る。当該反応は、パラジウム触媒の存在下、溶媒中、化合物(36)またはその塩を水素雰囲気下で反応させることにより行われる。
パラジウム触媒としては、パラジウム−炭素、パラジウム−アルミナ等が挙げられる。パラジウム触媒の使用量は、化合物(36)またはその塩1モルに対して、通常0.001〜0.5モル、好ましくは0.002〜0.1モルである。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜50℃、好ましくは10〜50℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約60時間、好ましくは約6〜約30時間である。
反応終了後は、化合物(37)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程34に供してもよい。
この工程では、化合物(36)またはその塩を接触還元反応に付して、化合物(37)またはその塩を得る。当該反応は、パラジウム触媒の存在下、溶媒中、化合物(36)またはその塩を水素雰囲気下で反応させることにより行われる。
パラジウム触媒としては、パラジウム−炭素、パラジウム−アルミナ等が挙げられる。パラジウム触媒の使用量は、化合物(36)またはその塩1モルに対して、通常0.001〜0.5モル、好ましくは0.002〜0.1モルである。
溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜50℃、好ましくは10〜50℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約60時間、好ましくは約6〜約30時間である。
反応終了後は、化合物(37)またはその塩の単離・生成は行わず、反応混合物のまま、あるいは通常の後処理後、次の工程34に供してもよい。
工程34
この工程では、化合物(37)またはその塩を(S)−1−フェネチルアミンとの塩形成に付した後、分別結晶を行って、化合物(18)を得る。
(S)−1−フェネチルアミンとの塩形成は、溶媒中、化合物(37)と(S)−1−フェネチルアミンを混合することにより行われる。化合物(37)が塩である場合には、酸を用いてフリー体(化合物(37))に変換した後、(S)−1−フェネチルアミンと混合することにより行われる。
(S)−1−フェネチルアミンの使用量は、化合物(37)1モルに対して、通常0.4〜2モル、好ましくは0.8〜1.2モルである。
酸としては、無機酸類、有機酸類等が挙げられる。酸の使用量は、化合物(37)の塩に対して、通常0.5〜5当量、好ましくは1.5〜3当量である。
溶媒としては、エステル類、エーテル類、ニトリル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜100℃、好ましくは5〜70℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約12時間、好ましくは約1〜約6時間である。
続いて、得られた塩を分別結晶に付する。
分別結晶のための溶媒としては、エステル類、エーテル類、ニトリル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、ケトン類等が挙げられる。
分別結晶は、通常0〜100℃、好ましくは5〜70℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約16時間、好ましくは約1〜約8時間である。
この工程では、化合物(37)またはその塩を(S)−1−フェネチルアミンとの塩形成に付した後、分別結晶を行って、化合物(18)を得る。
(S)−1−フェネチルアミンとの塩形成は、溶媒中、化合物(37)と(S)−1−フェネチルアミンを混合することにより行われる。化合物(37)が塩である場合には、酸を用いてフリー体(化合物(37))に変換した後、(S)−1−フェネチルアミンと混合することにより行われる。
(S)−1−フェネチルアミンの使用量は、化合物(37)1モルに対して、通常0.4〜2モル、好ましくは0.8〜1.2モルである。
酸としては、無機酸類、有機酸類等が挙げられる。酸の使用量は、化合物(37)の塩に対して、通常0.5〜5当量、好ましくは1.5〜3当量である。
溶媒としては、エステル類、エーテル類、ニトリル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、ケトン類等が挙げられる。
当該反応は、通常0〜100℃、好ましくは5〜70℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約12時間、好ましくは約1〜約6時間である。
続いて、得られた塩を分別結晶に付する。
分別結晶のための溶媒としては、エステル類、エーテル類、ニトリル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、飽和炭化水素類、アミド類、ハロゲン化炭化水素類、スルホキシド類、ケトン類等が挙げられる。
分別結晶は、通常0〜100℃、好ましくは5〜70℃で行われる。反応時間は、通常、約1〜約16時間、好ましくは約1〜約8時間である。
工程35
この工程では、化合物(11)またはその塩を化合物(18)と反応させて、化合物(19)またはその塩を得る。当該工程は、スキーム1の工程16と同様の方法で行われる。
この工程では、化合物(11)またはその塩を化合物(18)と反応させて、化合物(19)またはその塩を得る。当該工程は、スキーム1の工程16と同様の方法で行われる。
工程36
この工程では、化合物(19)またはその塩を酸加水分解反応に付して、化合物(A)またはその塩を得る。当該工程は、スキーム1の工程17と同様の方法で行われる。
この工程では、化合物(19)またはその塩を酸加水分解反応に付して、化合物(A)またはその塩を得る。当該工程は、スキーム1の工程17と同様の方法で行われる。
スキーム2において、化合物(32)および、化合物(33)が新規化合物である。
また、スキーム2において、工程18〜工程20、工程25、および工程26〜工程31が化合物(10)を製造する新規なルート、工程33および34が化合物(18)を製造する新規なルートである。
スキーム2によれば、極低温の反応条件や、カラム精製やキラルカラム精製といった煩雑な操作を必要せず、12工程(副工程を含まない)で、化合物(A)またはその塩を全収率4〜6%で製造することができる。
また、スキーム2において、工程18〜工程20、工程25、および工程26〜工程31が化合物(10)を製造する新規なルート、工程33および34が化合物(18)を製造する新規なルートである。
スキーム2によれば、極低温の反応条件や、カラム精製やキラルカラム精製といった煩雑な操作を必要せず、12工程(副工程を含まない)で、化合物(A)またはその塩を全収率4〜6%で製造することができる。
本発明は、更に以下の実施例により詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約35℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
以下の実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約35℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
実施例のカラムクロマトグラフィーにおける溶出は、特に言及しない限り、TLC(Thin Layer Chromatography,薄層クロマトグラフィー)による観察下に行った。TLC観察においては、TLCプレートとしてメルク(Merck)社製の60 F254を用い、展開溶媒として、カラムクロマトグラフィーで溶出溶媒として用いた溶媒を用いた。また、検出にはUV検出器を採用した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいて、NHと記載した場合はアミノプロピルシラン結合シリカゲルを、Diolと記載した場合は3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)プロピルシラン結合シリカゲルを用いた。分取HPLC(高速液体クロマトグラフィー)において、C18と記載した場合はオクタデシル結合シリカゲルを用いた。溶出溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。
1H NMRはフーリエ変換型NMRで測定した。1H NMRの解析にはACD/SpecManager(商品名)ソフトウエアなどを用いた。水酸基やアミノ基などのプロトンピークが非常に緩やかなピークについては記載していないことがある。
MSは、LC/MSにより測定した。イオン化法としては、ESI法、または、APCI法を用いた。データは実測値 (found) を示す。通常、分子イオンピークが観測されるがフラグメントイオンとして観測されることがある。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピークもしくはフラグメントイオンピークが観測される。
1H NMRはフーリエ変換型NMRで測定した。1H NMRの解析にはACD/SpecManager(商品名)ソフトウエアなどを用いた。水酸基やアミノ基などのプロトンピークが非常に緩やかなピークについては記載していないことがある。
MSは、LC/MSにより測定した。イオン化法としては、ESI法、または、APCI法を用いた。データは実測値 (found) を示す。通常、分子イオンピークが観測されるがフラグメントイオンとして観測されることがある。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピークもしくはフラグメントイオンピークが観測される。
旋光度([α]D)における試料濃度(c)の単位はg/100 mLである。
元素分析値(Anal.)は計算値(Calcd)と実測値(Found)として示す。
実施例中、化合物名に含まれるcis/trans表記は、該当する部分構造が2個の不斉中心を有する場合、基本的には、cisあるいはtrans配置の2種の光学異性体の混合物を意味するが、例外的に、光学活性と記載のある場合は単一の光学異性体を表す。
実施例の粉末X線回折によるピークは、線源としてCu Kα線を用い、Ultima IV(Rigaku Corporation,Japan)を使って室温において測定されるピークを意味する。測定条件は以下のとおりである。
Electric pressure/Electric current:40 kV/50 mA
Scan speed:6 degree/min
Scan range of 2 Theta:2−35 degree
実施例の粉末X線回折による結晶化度はHermans法により算出した。
元素分析値(Anal.)は計算値(Calcd)と実測値(Found)として示す。
実施例中、化合物名に含まれるcis/trans表記は、該当する部分構造が2個の不斉中心を有する場合、基本的には、cisあるいはtrans配置の2種の光学異性体の混合物を意味するが、例外的に、光学活性と記載のある場合は単一の光学異性体を表す。
実施例の粉末X線回折によるピークは、線源としてCu Kα線を用い、Ultima IV(Rigaku Corporation,Japan)を使って室温において測定されるピークを意味する。測定条件は以下のとおりである。
Electric pressure/Electric current:40 kV/50 mA
Scan speed:6 degree/min
Scan range of 2 Theta:2−35 degree
実施例の粉末X線回折による結晶化度はHermans法により算出した。
以下の実施例においては下記の略号を使用する。
mp : 融点
MS : マススペクトル
M : モル濃度
N : 規定度
CDCl3: 重クロロホルム
DMSO-d6: 重ジメチルスルホキシド
1H NMR : プロトン核磁気共鳴
LC/MS : 液体クロマトグラフ質量分析計
ESI : electrospray ionization、エレクトロスプレーイオン化
APCI : atomospheric pressure chemical ionization、大気圧化学イオン化
DMF : N,N-ジメチルホルムアミド
THF : テトラヒドロフラン
CH3CN:アセトニトリル
MeOH : メタノール
EtOH : エタノール
BnOH : ベンジルアルコール
tBuOH : tert-ブタノール
EtOAc : 酢酸エチル
iPrOAc : 酢酸イソプロピル
Et3N : トリエチルアミン
tBu : tert-ブチル
Boc : tert-ブトキシカルボニル
iPrMgCl : イソブロピルマグネシウムクロリド
Pd(dppf)Cl2: [1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
BHT : 2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール
iPr2EtN : ジイソプロピルエチルアミン
DPEphos : ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル
DMEDA : N,N'-ジメチルエチレンジアミン
DMAP : 4-ジメチルアミノピリジン
EDCl : 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩
CSA : (+)-カンファースルホン酸
PhSO3H : ベンゼンスルホン酸
Pd2(dba)3: トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
BINAP : 2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル
(Boc)2O : 二炭酸ジ-tert-ブチル
mp : 融点
MS : マススペクトル
M : モル濃度
N : 規定度
CDCl3: 重クロロホルム
DMSO-d6: 重ジメチルスルホキシド
1H NMR : プロトン核磁気共鳴
LC/MS : 液体クロマトグラフ質量分析計
ESI : electrospray ionization、エレクトロスプレーイオン化
APCI : atomospheric pressure chemical ionization、大気圧化学イオン化
DMF : N,N-ジメチルホルムアミド
THF : テトラヒドロフラン
CH3CN:アセトニトリル
MeOH : メタノール
EtOH : エタノール
BnOH : ベンジルアルコール
tBuOH : tert-ブタノール
EtOAc : 酢酸エチル
iPrOAc : 酢酸イソプロピル
Et3N : トリエチルアミン
tBu : tert-ブチル
Boc : tert-ブトキシカルボニル
iPrMgCl : イソブロピルマグネシウムクロリド
Pd(dppf)Cl2: [1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
BHT : 2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール
iPr2EtN : ジイソプロピルエチルアミン
DPEphos : ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル
DMEDA : N,N'-ジメチルエチレンジアミン
DMAP : 4-ジメチルアミノピリジン
EDCl : 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩
CSA : (+)-カンファースルホン酸
PhSO3H : ベンゼンスルホン酸
Pd2(dba)3: トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
BINAP : 2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル
(Boc)2O : 二炭酸ジ-tert-ブチル
[スキーム1の実施例]
合成例1
エチル 2-(2-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)-2-オキソアセテート(化合物(2))の合成(工程1)
合成例1
エチル 2-(2-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)-2-オキソアセテート(化合物(2))の合成(工程1)
1L四つ口フラスコに3-ブロモ-2-クロロ-6-メトキシピリジン(120.0g, 539.4mmol)及びテトラヒドロフラン(240mL)を加えた。12℃に冷却後、イソブロピルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(2M, 269.7mL)を滴下し、室温で2時間撹拌した。この反応液を、別途調製したシュウ酸ジエチル(87.6mL)のテトラヒドロフラン(240mL)に1℃以下を保ちながら滴下した。3℃以下で1時間撹拌した後、塩酸(1M、600mL)を添加し、有機層を分液抽出した。溶媒をエタノール(480mL)に置換し、種晶を加えて室温で20分間撹拌した後、水(480mL)を滴下した。懸濁液をろ過し、得られた結晶をエタノールと水の1:2混合液(450mL)で洗浄し、40℃で減圧乾燥して標題化合物を得た。白色から薄紫色の結晶性粉末107.8g、収率82%。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 8.07 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.43 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.42 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 8.07 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.43 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.42 (t, J = 7.1 Hz, 3H)
合成例2
2-(2-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)-2-オキソアセトアミド(化合物(3))の合成(工程2)
2-(2-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)-2-オキソアセトアミド(化合物(3))の合成(工程2)
1L四つ口フラスコにエチル 2-(2-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)-2-オキソアセテート (100.0 g, 385.8mmol)及びアンモニアのエタノール溶液(2M, 600mL)を加えた。室温で24時間撹拌した後、懸濁液をろ過し、得られた結晶をエタノール(200mL)で洗浄した。40℃で減圧乾燥して標題化合物を得た。白色の結晶性粉末77.6g、収率94%。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 8.37 (bs, 1H), 8.13 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.02 (bs, 1H), 7.00 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H)
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 8.37 (bs, 1H), 8.13 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 8.02 (bs, 1H), 7.00 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H)
合成例3
2-(6-メトキシ-2-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソアセトアミド(化合物(4))の合成(工程3)
2-(6-メトキシ-2-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソアセトアミド(化合物(4))の合成(工程3)
1L四つ口フラスコに2-(2-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)-2-オキソアセトアミド(30.0 g, 139.8mmol)、カリウムビニルトリフルオロボラート(22.5g)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II) (Pd(dppf)Cl2) (0.7g)、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール (BHT) (0.9g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(60.9mL)及び1-プロパノール(150mL)を加え、脱気した後、95℃で3.5時間撹拌した。55℃に冷却してTHF(300mL)を加え15分撹拌し、不溶物をろ去した。得られた溶液を169gになるまで濃縮した後、溶媒をエタノール(150mL)に置換した。この混合液を5℃まで冷却し、1時間撹拌することにより得られた懸濁液をろ過し、結晶を冷エタノール(60mL)で洗浄した。45℃で減圧乾燥して標題化合物を得た。薄黄色の結晶性粉末22.3g、収率77%。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm)8.32 (brs, 1H), 8.03 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.99 (bs, 1H), 7.39 (dd, J = 10.6, 16.7 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.53 (dd, J = 2.2, 16.7 Hz, 1H), 5.65 (dd, J = 2.2, 10.6 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H)
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm)8.32 (brs, 1H), 8.03 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.99 (bs, 1H), 7.39 (dd, J = 10.6, 16.7 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.53 (dd, J = 2.2, 16.7 Hz, 1H), 5.65 (dd, J = 2.2, 10.6 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H)
合成例4
2-(6-メトキシ-2-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソアセトアミド(化合物(4))の合成(工程3)
2-(6-メトキシ-2-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソアセトアミド(化合物(4))の合成(工程3)
120mLオートクレーブに2-(2-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)-2-オキソアセトアミド(200.0 mg, 0.93mmol)、塩化パラジウム(8.3mg)、ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル (DPEphos) (25.0mg)、塩化リチウム(3.9mg)、テトラヒドロフラン(2.0mL)、ジメチルホルムアミド(1.0mL)及びトリエチルアミン(390.0μL)を加えた。気相をエチレンガスに置換し、エチレン雰囲気下1.0MPaにて80℃で40時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、不溶物をろ去した。得られた溶液を減圧濃縮し、THF(20mL)を加えて60℃程度に加熱しながら不溶物をろ去した。溶媒をトルエン(10mL)に置換し、生じた沈殿をろ取した。結晶をトルエン(5mL)で洗浄し、減圧乾燥して標題化合物を得た。薄黄色の結晶性粉末156.2mg、収率81%。
合成例5
2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボキシアミド(化合物(5))の合成(工程4)
2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボキシアミド(化合物(5))の合成(工程4)
120mLオートクレーブに2-(6-メトキシ-2-ビニルピリジン-3-イル)-2-オキソアセトアミド (2.0g, 9.7mmol)、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール (BHT) (80mg)及びメタノール(80mL)を加え、アンモニア雰囲気下0.30MPaにて室温で2時間撹拌した後、さらに60℃で6時間撹拌した。反応器を室温まで冷却した後、溶媒を2-プロパノール(20mL)に置換し、得られた沈殿をろ取した。結晶を2-プロパノール(8mL)で洗浄し、室温で減圧乾燥して標題化合物を得た。白色の結晶性粉末1.2g、収率60%。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm)8.20 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.85 (bs, 1H), 7.51 (bs, 1H), 6.75 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.83 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 2.77 (t, J = 7.9 Hz, 2H)
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm)8.20 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.85 (bs, 1H), 7.51 (bs, 1H), 6.75 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.83 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 2.77 (t, J = 7.9 Hz, 2H)
合成例6
(R)-tert-ブチル 5-カルバモイル-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-カルボキシレート(化合物(7))の合成(工程5および工程6)
(R)-tert-ブチル 5-カルバモイル-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-カルボキシレート(化合物(7))の合成(工程5および工程6)
100mL四つ口フラスコに2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボキシアミド (2.0g, 9.8mmol)、ギ酸アンモニウム(1.8g)、不斉触媒としての塩化(p-シメン)[(R,R)-N-(イソブタンスルホニル)-1,2-ジフェニルエチレンジアミン]ルテニウム(II)(58.7mg)及びアセトニトリル(50mL)を加え、窒素気流下35℃で24時間撹拌した。クエン酸水溶液(1M, 24mL)およびトルエン(12mL)を加えて水層を分液し、有機層はクエン酸水溶液(1M, 12mL)で2回洗浄した。得られた水層を併せてトルエン(12mL)で洗浄し、(R)-2-メトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボキシアミドのトルエン溶液を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm)7.59 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.52 (bs, 1H), 7.19 (bs, 1H), 6.60 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.29 (s, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.03-3.12 (m, 1H), 2.83-2.97 (m, 2H), 2.58-2.75 (m, 2H)
この溶液に炭酸カリウム(14.5g)及び(Boc)2O (2mL)のトルエン溶液を添加し、室温で1時間撹拌した後、有機層を分液し、水層をトルエン(12mL)で2回抽出した。併せた有機層を水(6mL)で洗浄してから、溶媒をメタノール(10mL)に置換し、水(10mL)を添加した。沈殿をろ取し、水(2.7mL)及びメタノール(1.3mL)の混合液で洗浄した。50℃で減圧乾燥して標題化合物を得た。白色の結晶性粉末2.16g、収率72%、光学収率98.3%ee。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm)7.74-7.84 (m, 1H), 7.71 (bs, 1H), 7.15 (br d, 1H), 6.70 (d, J = 8.51 Hz, 1H), 5.29 (s, 0.5H), 5.17 (s, 0.5H), 3.82 (s, 3H), 3.73 - 3.81 (m, 2H), 2.84 - 2.95 (m, 1H), 2.71 - 2.82 (m, 1H), 1.43 (br d, 9H)
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm)7.59 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.52 (bs, 1H), 7.19 (bs, 1H), 6.60 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.29 (s, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.03-3.12 (m, 1H), 2.83-2.97 (m, 2H), 2.58-2.75 (m, 2H)
この溶液に炭酸カリウム(14.5g)及び(Boc)2O (2mL)のトルエン溶液を添加し、室温で1時間撹拌した後、有機層を分液し、水層をトルエン(12mL)で2回抽出した。併せた有機層を水(6mL)で洗浄してから、溶媒をメタノール(10mL)に置換し、水(10mL)を添加した。沈殿をろ取し、水(2.7mL)及びメタノール(1.3mL)の混合液で洗浄した。50℃で減圧乾燥して標題化合物を得た。白色の結晶性粉末2.16g、収率72%、光学収率98.3%ee。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm)7.74-7.84 (m, 1H), 7.71 (bs, 1H), 7.15 (br d, 1H), 6.70 (d, J = 8.51 Hz, 1H), 5.29 (s, 0.5H), 5.17 (s, 0.5H), 3.82 (s, 3H), 3.73 - 3.81 (m, 2H), 2.84 - 2.95 (m, 1H), 2.71 - 2.82 (m, 1H), 1.43 (br d, 9H)
合成例7
5-ヨード-7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン(化合物(9))の合成(工程7)
5-ヨード-7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン(化合物(9))の合成(工程7)
30mLシュレンク管に、5-ブロモ-7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン(2.4g, 10.0mmol)、ヨウ化銅(95.2mg)、ヨウ化ナトリウム(3.0g)、1,4-ジオキサン(10.0mL)及びN,N'-ジメチルエチレンジアミン (DMEDA) (107.5μL)を加え、加熱還流下にて終夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、セライト(登録商標)ろ過し、ろ過物を酢酸エチル(20mL)で洗浄した。得られた溶液を、アンモニア水(10%, 10mL)で2回洗浄し、続けてクエン酸水溶液(20%, 10mL)及び水(10mL)で洗浄した。有機層を減圧濃縮することにより標題化合物を得た。黄色の油状物2.7g、収率94%
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 7.29 (s, 1H), 7.16 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 2.89 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.91 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.34 (s, 6H)
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 7.29 (s, 1H), 7.16 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 2.89 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.91 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.34 (s, 6H)
合成例8
(R)-tert-ブチル 5-((7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル)-2-メトキシ- 7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-カルボキシレート(化合物(10))の合成(工程8)
(R)-tert-ブチル 5-((7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル)-2-メトキシ- 7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-カルボキシレート(化合物(10))の合成(工程8)
30mLシュレンク管に(R)-tert-ブチル 5-カルバモイル-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-カルボキシレート (2.0g, 6.5mmol)、炭酸カリウム(2.0g)、ヨウ化銅(1.4g)、5-ヨード-7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン (2.2g)、トルエン(8.0mL)及びN,N'-ジメチルエチレンジアミン (DMEDA) (1.6mL)を加え、脱気した後に室温で30時間撹拌した。アンモニア水(25%, 50mL)及び酢酸エチル(16mL)を加えて有機層を分液抽出し、飽和塩化アンモニウム水溶液(16mL)で青色が消えるまで繰り返し有機層を洗浄した後に、水(16mL)で洗浄した。溶媒をエタノール(2mL)に置換し、酢酸(2mL)及び水(2mL)を加えた後、さらに水(9mL)を加えて得られた沈殿をろ取し、水(10mL)で洗浄し、50℃で減圧乾燥することにより標題化合物を得た。白色の結晶性固体1.4g、収率91%。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 8.96 (bs, 1H), 7.52 (m, 1H), 7.08 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.62 (d, J = 8.5Hz, 1H), 5.62 (bs, 1H), 3.95 - 4.10 (m, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.55 (bs, 1H), 2.87 - 2.99 (m, 2H), 2.85 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.89 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.53 (s, 9H), 1.33 (s, 6H)
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 8.96 (bs, 1H), 7.52 (m, 1H), 7.08 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.62 (d, J = 8.5Hz, 1H), 5.62 (bs, 1H), 3.95 - 4.10 (m, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.55 (bs, 1H), 2.87 - 2.99 (m, 2H), 2.85 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.89 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.53 (s, 9H), 1.33 (s, 6H)
合成例9
(5R)-N-(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-メトキシ-1,6-ナフチリジン-5-カルボキサミド 2ベンゼンスルホン酸塩(化合物(11)の2ベンゼンスルホン酸塩)の合成(工程9)
(5R)-N-(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-メトキシ-1,6-ナフチリジン-5-カルボキサミド 2ベンゼンスルホン酸塩(化合物(11)の2ベンゼンスルホン酸塩)の合成(工程9)
反応器に塩酸(4M, 102.5kg)を添加し、室温で(R)-tert-ブチル 5-((7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル)-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-カルボキシレート(32.18kg)を10回に分けて分割添加した。室温で12時間撹拌した後、反応液を20%炭酸カリウム水溶液(188.3kg)及び酢酸エチル(130.6kg)の混合液に滴下した。室温で30分間撹拌した後、分液し有機層を取得した。有機層を15%食塩水(71.6kg)で洗浄し、酢酸エチル(116.1kg)を加えながら共沸脱水した後、液量を103Lに調整し、不溶物をろ去した。得られた溶液にアセトニトリル(40.5kg)及び水(3.7kg)を加え、ベンゼンスルホン酸一水和物(24.2kg)の酢酸エチル溶液を40℃で1時間かけて滴下した。種晶を加えさらに1時間撹拌した後、酢酸エチル(139.3kg)を滴下し、40℃で2時間撹拌してから、室温でさらに6時間撹拌した。結晶を濾過し、酢酸エチル(92.9 kg)で洗浄した後、40℃で減圧乾燥することにより標題化合物を得た。白色の結晶性固体41.74kg、収率89%
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 1.31 (d,J = 2.5 Hz, 6H), 1.89 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.89 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.97 (dt, J = 18.0, 5.5 Hz, 1H), 3.11-3.17 (m, 1H), 3.50-3.60 (m, 1H), 3.78-3.87 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 5.23 (brs, 1H), 5.94 (brs, 2H), 6.77 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.23 (brs, 1H), 7.29-7.33 (m, 7H), 7.59-7.63 (m, 4H), 7.69 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 9.50 (brs, 1H), 9.76 (brs, 1H), 11.10 (s, 1H).
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 1.31 (d,J = 2.5 Hz, 6H), 1.89 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.89 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.97 (dt, J = 18.0, 5.5 Hz, 1H), 3.11-3.17 (m, 1H), 3.50-3.60 (m, 1H), 3.78-3.87 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 5.23 (brs, 1H), 5.94 (brs, 2H), 6.77 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.23 (brs, 1H), 7.29-7.33 (m, 7H), 7.59-7.63 (m, 4H), 7.69 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 9.50 (brs, 1H), 9.76 (brs, 1H), 11.10 (s, 1H).
合成例10
ベンジル3-オキソシクロブタンカルボキシレート(化合物(13))の合成(工程10)
ベンジル3-オキソシクロブタンカルボキシレート(化合物(13))の合成(工程10)
室温で3-オキソシクロブタンカルボン酸 (100 g, 876 mmol)、ベンジルアルコール (90.7 mL, 876 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (DMAP) (5.35 g, 43.8 mmol) をアセトニトリル (500 mL) に添加した。5 ℃で1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (EDCl) (185 g, 964 mmol) を分割添加し、アセトニトリル (100 mL) で洗い込んだ。室温で約1時間撹拌後、1 M塩酸 (400 mL) と酢酸エチル (800 mL) を添加し分液した。有機層を5%重曹水 (400 mL)、10%食塩水(400 mL) で順次洗浄後、減圧下約500 mLになるまで濃縮した。酢酸エチル (400 mL) を添加し、減圧下約500 mLになるまで濃縮する操作を2回、メタノール (500 mL) を添加し、減圧下約500 mLになるまで濃縮する操作を2回実施し、標題化合物のメタノール溶液を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 3.20-3.31 (m, 3H), 3.34-3.46 (m, 2H), 5.17 (s, 2H), 7.28-7.40 (m, 5H).
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 3.20-3.31 (m, 3H), 3.34-3.46 (m, 2H), 5.17 (s, 2H), 7.28-7.40 (m, 5H).
合成例11
ベンジル 3-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イリデン)シクロブタンカルボキシレート(化合物(14))の合成(工程11)
ベンジル 3-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イリデン)シクロブタンカルボキシレート(化合物(14))の合成(工程11)
室温でベンジル3-オキソシクロブタンカルボキシレートのメタノール溶液 (約500 mL) にメタノール (680 mL) とメルドラム酸 (129 g, 894 mmol) を添加した。ピペリジン (4.33 mL, 43.8 mmol) を添加後、室温で約17時間撹拌した。析出した結晶をろ取、メタノール (360 mL) で2回洗浄し、減圧下50 ℃で乾燥し、標題化合物を無色結晶として得た (254 g, 2工程通算収率88%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.70 (d, J = 5.4 Hz, 6H), 3.42-3.51 (m, 1H), 3.59-3.74 (m, 4H), 5.16 (s, 2H), 7.30-7.39 (m, 5H).
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.70 (d, J = 5.4 Hz, 6H), 3.42-3.51 (m, 1H), 3.59-3.74 (m, 4H), 5.16 (s, 2H), 7.30-7.39 (m, 5H).
合成例12
ベンジル cis-3-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)シクロブタンカルボキシレート(化合物(15))の合成(工程12)
ベンジル cis-3-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)シクロブタンカルボキシレート(化合物(15))の合成(工程12)
内温0 ℃以下でベンジル 3-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イリデン)シクロブタンカルボキシレート (120 g, 363 mmol) のTHF (720 mL) 懸濁溶液に水素化ホウ素ナトリウム (11.0 g, 291 mmol) を分割添加した。-5 ℃で約1時間撹拌後、1 M塩酸 (480 mL) を添加し、15 ℃で約1時間撹拌した。酢酸エチル (720 mL) を添加し、分液した。有機層を10%食塩水 (480 mL) で洗浄後、減圧下約300 mLになるまで濃縮した。酢酸エチル (360 mL) を添加し、減圧下約300 mLになるまで濃縮する操作を3回繰り返し、その後、酢酸エチル (240 mL) で希釈してセライトろ過、セライトを酢酸エチル (120 mL) で洗浄した。ろ液及び洗浄液を混合し減圧下約300 mLまで濃縮した。濃縮液を50 ℃に加温し溶解を確認後、約35 ℃で2-プロパノール (1.2 L) を滴下した。約30 ℃で約1時間、室温で約16時間撹拌後、析出した結晶をろ取、2-プロパノール (240 mL) で洗浄、減圧下50 ℃で乾燥し、標題化合物の粗結晶を得た (82.4 g, 単離収率68%、シス/トランス = 98.6/1.4)。粗結晶 (82.0 g, 247 mmol) を酢酸エチル (164 mL) に添加し、50 ℃に加温して溶解を確認した。40 ℃まで徐冷後、2-プロパノール(820 mL) を滴下した。30 ℃で約1時間、室温で約16時間撹拌後、析出した結晶をろ取、2-プロパノール (164 mL) で洗浄し、減圧下50 ℃で乾燥し、標題化合物を無色結晶として得た (67.4 g, 単離収率82%, シス/トランス = 99.6/0.4)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.70 (s, 3H), 1.77 (s, 3H), 2.29-2.37 (m, 2H), 2.62-2.69 (m, 2H), 2.80 (sxt, J = 8.8 Hz, 1H), 3.14 (quin, J = 8.8 Hz, 1H), 3.78 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 5.09 (s, 2H), 7.26-7.39 (m 5H).
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.70 (s, 3H), 1.77 (s, 3H), 2.29-2.37 (m, 2H), 2.62-2.69 (m, 2H), 2.80 (sxt, J = 8.8 Hz, 1H), 3.14 (quin, J = 8.8 Hz, 1H), 3.78 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 5.09 (s, 2H), 7.26-7.39 (m 5H).
合成例13
ベンジル cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボキシレート(化合物(16))の合成(工程13)
ベンジル cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボキシレート(化合物(16))の合成(工程13)
窒素気流下、室温でベンジル cis-3-(2,2-ジメチル-4,6-ジオキソ-1,3-ジオキサン-5-イル)シクロブタンカルボキシレート (65.0 g, 196 mmol) のトルエン (325 mL) 溶液にトリエチルアミン (54.5 mL, 391 mmol) とtert-ブタノール (97.5 mL) を添加した。加熱還流下、約24時間撹拌後、室温まで徐冷し、1 M塩酸 (390 mL) を添加した。分液後、有機層を5%重曹水 (325 mL)、10%食塩水 (325 mL) で順次洗浄し、減圧下濃縮した。酢酸エチル (390 mL) を添加し、減圧濃縮する操作を2回繰り返した後、酢酸エチルを添加し、全量約195 mLとして標題化合物の酢酸エチル溶液を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.41 (s, 9H), 1.95-2.04 (m, 2H), 2.32 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 2.34-2.42 (m, 2H), 2.51-2.62 (m, 1H), 2.99-3.08 (m, 1H), 5.09 (s, 2H), 7.26-7.37 (m, 5H).
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.41 (s, 9H), 1.95-2.04 (m, 2H), 2.32 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 2.34-2.42 (m, 2H), 2.51-2.62 (m, 1H), 2.99-3.08 (m, 1H), 5.09 (s, 2H), 7.26-7.37 (m, 5H).
合成例14
cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(化合物(18))の合成(工程14および工程15)
cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(化合物(18))の合成(工程14および工程15)
室温下、ベンジル cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボキシレートの酢酸エチル溶液 (約195 mL) に5% パラジウム/C (3.25 g) と酢酸エチル (195 mL) を添加した。0.85MPaの水素雰囲気下、室温で約19時間撹拌し、窒素へ置換後、触媒をセライトろ過によりろ去し、触媒を酢酸エチル (260 mL) で2回洗浄した。ろ液及び洗浄液を混合し、50 ℃に加温し溶解を確認した。40 ℃に徐冷し、(S)-1-フェネチルアミン (24.9 mL, 196 mmol) を滴下、酢酸エチル (65 mL) で洗い込み、種結晶を添加した。38 ℃で約1時間、室温で約5時間撹拌後、析出した結晶をろ取、氷冷酢酸エチル (195 mL) で洗浄、減圧下50 ℃で乾燥し、標題化合物を無色結晶として得た (52.2 g, 単離収率80%, シス/トランス = 99.6/0.4)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 1.35 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.38 (s, 9H), 1.72-1.81 (m, 2H), 2.11-2.20 (m, 2H), 2.22 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 2.31-2.41 (m, 1H), 2.74 (quin, J = 8.8 Hz, 1H), 4.13 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 7.00 (br s, 3H), 7.21-7.29 (m, 1H), 7.33 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 7.2 Hz, 2H).
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 1.35 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.38 (s, 9H), 1.72-1.81 (m, 2H), 2.11-2.20 (m, 2H), 2.22 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 2.31-2.41 (m, 1H), 2.74 (quin, J = 8.8 Hz, 1H), 4.13 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 7.00 (br s, 3H), 7.21-7.29 (m, 1H), 7.33 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 7.2 Hz, 2H).
合成例15
tert-ブチル [cis-3-({(5R)-5-[(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル]-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル}カルボニル)シクロブチル]アセテート(化合物(19))の合成(工程16)
tert-ブチル [cis-3-({(5R)-5-[(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル]-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル}カルボニル)シクロブチル]アセテート(化合物(19))の合成(工程16)
反応器にトルエン(108kg)及びcis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(22.40kg)を添加し、室温で塩酸(濃塩酸(8.8kg)と水(83L)から調製)を滴下してから、30分撹拌した。有機層を分液抽出し、水(83L)で洗浄した。減圧濃縮しながら溶媒をアセトニトリル(150L)に置換した後、室温でピリジン(14.4kg)、(5R)-N-(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-メトキシ-1,6-ナフチリジン-5-カルボキサミド 2ベンゼンスルホン酸塩(41.64kg)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (EDCl) (14.0kg)を順に添加した。室温で4時間撹拌した後、水(30L)及び種晶(208.2g)を添加し、さらに12時間撹拌した。続いて、室温で水(95L)を滴下し、4時間撹拌した。生じた結晶を濾過し、アセトニトリル(65.5kg)及び水(83L)の混合液で洗浄し、50℃にて減圧乾燥することにより標題化合物を得た。白色の結晶性固体31.34kg、収率91%
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.33 (6H, s), 1.43 (9H, s), 1.90 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.01-2.15 (2H, m), 2.35 (2H, d, J = 7.6 Hz), 2.40-2.52 (2H, m), 2.58-2.73 (1H, m), 2.86 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.90-3.01 (2H, m), 3.21-3.35 (1H, m), 3.57-3.69 (1H, m), 3.81-3.89 (1H, m), 3.91 (3H, s), 5.97 (1H, s), 6.64 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.05 (1H, d, J = 0.8 Hz), 7.12 (1H, d, J = 11.7 Hz), 7.42 (1H, d, J = 8.7 Hz), 9.09 (1H, s).
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.33 (6H, s), 1.43 (9H, s), 1.90 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.01-2.15 (2H, m), 2.35 (2H, d, J = 7.6 Hz), 2.40-2.52 (2H, m), 2.58-2.73 (1H, m), 2.86 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.90-3.01 (2H, m), 3.21-3.35 (1H, m), 3.57-3.69 (1H, m), 3.81-3.89 (1H, m), 3.91 (3H, s), 5.97 (1H, s), 6.64 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.05 (1H, d, J = 0.8 Hz), 7.12 (1H, d, J = 11.7 Hz), 7.42 (1H, d, J = 8.7 Hz), 9.09 (1H, s).
合成例16
[cis-3-({(5R)-5-[(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル]-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル}カルボニル)シクロブチル]酢酸(化合物(A))の合成(工程17)
[cis-3-({(5R)-5-[(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル]-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル}カルボニル)シクロブチル]酢酸(化合物(A))の合成(工程17)
反応器にアセトニトリル(59.2kg)及び85%りん酸(126.8kg)を加え、tert-ブチル [cis-3-({(5R)-5-[(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル]-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル}カルボニル)シクロブチル]アセテート (26.88kg)を分割添加した後に室温で24時間撹拌した。反応液を5 - 25℃に保ちながら、トルエン(81.5kg)、水酸化ナトリウム水溶液(水(151L)及び水酸化ナトリウム(35.2kg)から調製)を添加し、室温で30分間撹拌した。有機層を分液抽出し、水(1054L)、塩化ナトリウム(10.8kg)、85%りん酸(199.3kg)及び酢酸(157.9kg)の混合液で4回に分けて洗浄した後に、さらに酢酸緩衝液(水(105L)、水酸化ナトリウム(2.7kg)、酢酸(11.3kg)から調製)および水(105L)で洗浄した。有機層の溶媒を減圧濃縮しながら酢酸(78L)に置換し、得られた酢酸溶液を水(301L)に対して1時間以上かけながら滴下した。室温で6時間以上撹拌した後に、析出物をろ取し、水(269L)で洗浄した。ろ過物を水(269L)中で懸濁洗浄し、再度ろ過して得られた固体を減圧乾燥することにより標題化合物を得た。白色の固体17.77kg、収率73%
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.31 (6H, s), 1.88 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.05-2.18 (2H, m), 2.44-2.56 (4H, m), 2.62-2.77 (1H, m), 2.84 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.88-3.05 (2H, m), 3.31 (1H, quin, J = 8.9 Hz), 3.67-3.78 (1H, m), 3.80-3.88 (1H, m), 3.90 (3H, s), 5.97 (1H, s), 6.63 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.04 (1H, s), 7.10 (1H, d, J = 11.7 Hz), 7.46 (1H, d, J = 8.7 Hz), 9.21 (1H, s).
スキーム1における化合物(1)からの化合物(A)の全収率は15%であった。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.31 (6H, s), 1.88 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.05-2.18 (2H, m), 2.44-2.56 (4H, m), 2.62-2.77 (1H, m), 2.84 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.88-3.05 (2H, m), 3.31 (1H, quin, J = 8.9 Hz), 3.67-3.78 (1H, m), 3.80-3.88 (1H, m), 3.90 (3H, s), 5.97 (1H, s), 6.63 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.04 (1H, s), 7.10 (1H, d, J = 11.7 Hz), 7.46 (1H, d, J = 8.7 Hz), 9.21 (1H, s).
スキーム1における化合物(1)からの化合物(A)の全収率は15%であった。
[スキーム2の実施例]
合成例17
tert-ブチル (2-ブロモエチル)カーバメート(化合物(21))の合成(工程18)
合成例17
tert-ブチル (2-ブロモエチル)カーバメート(化合物(21))の合成(工程18)
反応器にメタノール(500 kg)を加えた。5±5℃に冷却後、二炭酸ジ-tert-ブチル(500.0 kg, 2291 mol)、2-ブロモエタンアミン 臭化水素酸塩(516.3 kg, 2520 mol)及びトリエチルアミン(347.7 kg, 3436 mol)を加えた。5±5℃で1時間攪拌した後、15±5℃で酢酸エチル(2000 kg)及び20%クエン酸水溶液(2000 kg)を添加し、有機層を分液抽出した。得られた有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液(2000 kg)及び水(2000 kg)で順次洗浄した後、約450 Lまで減圧濃縮し、標題化合物の酢酸エチル溶液を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 4.98 (br-s, 1H), 3.53 (m, 2H), 3.46 (m, 2H), 1.45 (s, 9H).
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 4.98 (br-s, 1H), 3.53 (m, 2H), 3.46 (m, 2H), 1.45 (s, 9H).
合成例18
tert-ブチル [2-(6-メトキシピリジン-2-イル)エチル]カーバメート(化合物(23))の合成(工程19)
tert-ブチル [2-(6-メトキシピリジン-2-イル)エチル]カーバメート(化合物(23))の合成(工程19)
窒素気流下で反応器にジメチルホルムアミド(313 kg)を加え、減圧脱気した。25±10℃でマンガン粉(119.9 kg, 2182 mol)、フェナントロリン一水和物(10.7 kg, 54.5 mol)及び臭化ニッケル三水和物(14.9 kg, 54.5 mol)を加えた。50±5℃に加熱し、同温で5時間攪拌した(混合物1)。別の反応器でtert-ブチル (2-ブロモエチル)カーバメート(2291 mol)の酢酸エチル溶液(約450 L)、ジメチルホルムアミド(345 kg)及び2-クロロ-6-メトキシピリジン(156.6 kg, 1091 mol)の溶液を調製した(以下、溶液2)。50±5℃で溶液2の約3%量を1.2時間かけて混合物1に滴下し、同温で1時間攪拌した。50±5℃で溶液2の約7%量を2時間かけて滴下し、同温で1時間攪拌した。50±5℃で溶液2の残り全量を3時間かけて滴下し、ジメチルホルムアミド(47 kg)で洗い込んだ後、同温で15時間攪拌した。反応液を47.5±7.5℃に保ちながら、30±10℃で酢酸イソプロピル(783 kg)及び15%クエン酸二ナトリウム水溶液(3130 kg)の溶液に滴下し、反応器を15%クエン酸二ナトリウム水溶液(783 kg)及び酢酸イソプロピル(313 kg)で順次洗い込んだ後、同温で3時間攪拌した。30±10℃で水酸化ナトリウム水溶液(8 mol/L, 470 kg)を加え、同温で1時間攪拌した。二層を分液し、有機層を取得した。一方の水層を酢酸イソプロピル(783 kg)で抽出し、有機層を取得した。得られた有機層を混合し、水(783 kg)で3回洗浄し、標題化合物の酢酸イソプロピル溶液を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 7.44 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 6.55 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.40 (br-s, 6H), 3.89 (s, 3H), 3.49 (m, 2H), 2.84 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 1.40 (s, 9H).
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 7.44 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 6.55 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.40 (br-s, 6H), 3.89 (s, 3H), 3.49 (m, 2H), 2.84 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 1.40 (s, 9H).
合成例19
2-(6-メトキシピリジン-2-イル)エタンアミン(化合物(24))の合成(工程20)
2-(6-メトキシピリジン-2-イル)エタンアミン(化合物(24))の合成(工程20)
反応器にtert-ブチル [2-(6-メトキシピリジン-2-イル)エチル]カーバメート(1091 mol)の酢酸イソプロピル溶液を加えた。20±10℃で塩酸(3.0 mol/L, 749 L, 2247 mol)を加えた後、同温で6時間攪拌した。反応液に25±10℃で水酸化ナトリウム水溶液(8 mol/L, 273 L, 2182 mol)を1時間かけて滴下した。二層を分液し、水層を取得した。得られた水層に酢酸イソプロピル(783 kg)及び水酸化ナトリウム水溶液(8 mol/L, 218 L, 1745 mol)を加えて分液抽出し、有機層を取得した。一方の水層に酢酸イソプロピル(783 kg)を加えて分液抽出し、有機層を取得した。得られた有機層を混合し、除塵ろ過した後、酢酸イソプロピル(157 kg)で洗浄した。ろ液と洗浄液を混合し、約188 Lまで減圧濃縮した。エタノール(376 L)を加え、約188 Lまで減圧濃縮した。エタノール(376 L)を加え、約298 Lまで減圧濃縮し、標題化合物のエタノール溶液を得た。含量83.2 kg, 収率50.1% (HPLC定量収率、2-クロロ-6-メトキシピリジンからの2工程収率)
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.31 (2H, brs), 2.82 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.11 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.92 (3H, s), 6.57 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.73 (1H, d, J = 7.2 Hz), 7.48 (1H, dd, J = 8.1, 7.4 Hz).
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.31 (2H, brs), 2.82 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.11 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.92 (3H, s), 6.57 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.73 (1H, d, J = 7.2 Hz), 7.48 (1H, dd, J = 8.1, 7.4 Hz).
合成例20
エチル 2-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボキシレート 塩酸塩(化合物(25)の塩酸塩)の合成(工程21)
エチル 2-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボキシレート 塩酸塩(化合物(25)の塩酸塩)の合成(工程21)
反応器に2-(6-メトキシピリジン-2-イル)エタンアミン(76.7 kg, 504 mol)のエタノール溶液(約298 L)、エタノール(238 kg)、グリオキシル酸エチルポリマーの50%トルエン溶液(154 kg, 756 mol)及び塩化水素/エタノール溶液(2 mol/L, 277 L, 554 mol)を加えた。70℃以上に加熱し、同温で8時間攪拌した。50±10℃に冷却し、グリオキシル酸エチルポリマーの50%トルエン溶液(154 kg, 756 mol)及び塩化水素/エタノール溶液(2 mol/L, 277 L, 554 mol)を加え、70℃以上に加熱した後、同温で19時間攪拌した。50±10℃に冷却し、グリオキシル酸エチルポリマーの50%トルエン溶液(77.2 kg, 378 mol)を加え、70℃以上に加熱した後、同温で24時間攪拌した。反応液を5±5℃まで冷却し、同温で2時間攪拌した。析出結晶をろ取し、5±5℃に冷却したエタノール(230 kg)で洗浄した後、60℃で減圧乾燥し、標題化合物を得た。白色の結晶性粉末 81.6 kg、収率62.6%
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 1.25 (3H, t, J = 7.0 Hz), 2.71-2.93 (2H, m), 3.37-3.51 (2H, m), 4.19-4.31 (2H, m), 5.23 (1H, s), 6.30 (1H, d, J = 9.4 Hz), 7.43 (1H, d, J = 9.4 Hz), 8.12 (1H, brs), 9.65 (1H, brs), 10.56 (1H, brs).
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 1.25 (3H, t, J = 7.0 Hz), 2.71-2.93 (2H, m), 3.37-3.51 (2H, m), 4.19-4.31 (2H, m), 5.23 (1H, s), 6.30 (1H, d, J = 9.4 Hz), 7.43 (1H, d, J = 9.4 Hz), 8.12 (1H, brs), 9.65 (1H, brs), 10.56 (1H, brs).
合成例21
6-tert-ブチル 5-エチル 2-ヒドロキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-5,6(5H)-ジカルボキシレート(化合物(26))の合成(工程22)
6-tert-ブチル 5-エチル 2-ヒドロキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-5,6(5H)-ジカルボキシレート(化合物(26))の合成(工程22)
反応器にエチル 2-ヒドロキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボキシレート 塩酸塩(147.1 kg, 569 mol)、水(441 L)、tert-ブタノール(441 L)及びトリエチルアミン(74.8 kg, 739 mol)を加えた。47±5℃に加熱し、二炭酸ジ-tert-ブチル(130 kg, 597 mol)を滴下した後、同温で1時間攪拌した。47±5℃で水(294 L)を滴下し、種晶(147 g)を添加した後、同温で2時間攪拌した。47±5℃で水(1177 L)を1時間かけて滴下し、同温で1時間攪拌した。23±3℃に冷却し、同温で4時間攪拌した。析出結晶をろ取し、tert-ブタノール(147 L)/水(1029 L)の混合液で洗浄した。反応器に得られた湿結晶及び水(4410 L)を加え、23±5℃で2時間攪拌した。結晶をろ取し、水(1176 L)で洗浄した後、60℃で減圧乾燥し、標題化合物を得た。白色の結晶性粉末 154.4 kg (水分補正後:152.5 kg)、収率84.2% (水分補正後:83.2%)
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.24-1.32 (3H, m), 1.45-1.50 (9H, m), 2.66-2.92 (2H, m), 3.37-3.55 (1H, m), 4.10-4.29 (3H, m), 5.18-5.43 (1H, m), 6.46 (1H, d, J = 9.4 Hz), 7.58-7.66 (1H, m), 12.94 (1H, brs).
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.24-1.32 (3H, m), 1.45-1.50 (9H, m), 2.66-2.92 (2H, m), 3.37-3.55 (1H, m), 4.10-4.29 (3H, m), 5.18-5.43 (1H, m), 6.46 (1H, d, J = 9.4 Hz), 7.58-7.66 (1H, m), 12.94 (1H, brs).
合成例22
6-tert-ブチル 5-エチル 2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-5,6(5H)-ジカルボキシレート(化合物(27))の合成(工程23)
6-tert-ブチル 5-エチル 2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-5,6(5H)-ジカルボキシレート(化合物(27))の合成(工程23)
反応器にテトラヒドロフラン(1068 L)、水(4.3 kg)及び6-tert-ブチル 5-エチル 2-ヒドロキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-5,6(5H)-ジカルボキシレート(152.5 kg (水分補正後), 473 mol)を加え、27±5℃で30分攪拌した。27±5℃で炭酸銀(78.3 kg, 284 mol)及びヨウ化メチル(336 kg, 2365 mol)を加え、同温で16時間攪拌した。27±5℃で炭酸銀(7.83 kg, 28.4 mol)を加え、同温で6時間攪拌した。不溶物をろ過により除去し、テトラヒドロフラン(458 L)で洗浄した。得られたろ液と洗浄液を混合し、約610 Lまで減圧濃縮した。エタノール(1068 L)を加え、約610 Lまで減圧濃縮した。再度エタノール(1068 L)を加え、約610 Lまで減圧濃縮し、標題化合物のエタノール溶液を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.21-1.30 (3H, m), 1.44-1.53 (9H, m),2.84-2.96 (2H, m), 3.55-3.70 (1H, m), 3.91 (3H, s), 4.01-4.22 (3H, m), 5.33-5.54 (1H, m), 6.60 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.69 (1H, t, J = 7.5 Hz).
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.21-1.30 (3H, m), 1.44-1.53 (9H, m),2.84-2.96 (2H, m), 3.55-3.70 (1H, m), 3.91 (3H, s), 4.01-4.22 (3H, m), 5.33-5.54 (1H, m), 6.60 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.69 (1H, t, J = 7.5 Hz).
合成例23
6-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボン酸(化合物(28))の合成(工程24)
6-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボン酸(化合物(28))の合成(工程24)
反応器に6-tert-ブチル 5-エチル 2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-5,6(5H)-ジカルボキシレート(473 mol)のエタノール溶液(約610 L)及びテトラヒドロフラン(458 L)を加えた。25±5℃で水酸化リチウム一水和物(39.7 kg, 946 mol)の水(458 L)溶液を滴下し、同温で2時間攪拌した。反応液にトルエン(458 L)及び15%クエン酸水溶液(967 kg)を加え、30分攪拌した。二層を分液し、有機層を取得した。一方の水層にトルエン(458 L)を加え、分液抽出した。得られた有機層を混合し、20%食塩水(610 L)で洗浄した後、約610 Lまで減圧濃縮した。濃縮液にアセトニトリル(763 L)を加え、約610 Lまで減圧濃縮した(本操作を計3回実施)。不溶物をろ過により除去し、アセトニトリル(1373 L)で洗浄した。得られたろ液と洗浄液を混合し、標題化合物のアセトニトリル溶液を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.44-1.52 (9H, m), 2.85-2.95 (2H, m), 3.57-3.68 (1H, m), 3.90 (3H, s), 3.97-4.07 (1H, m), 5.36-5.57 (1H, m), 6.61 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.68 (1H, d, J = 8.7 Hz).
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.44-1.52 (9H, m), 2.85-2.95 (2H, m), 3.57-3.68 (1H, m), 3.90 (3H, s), 3.97-4.07 (1H, m), 5.36-5.57 (1H, m), 6.61 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.68 (1H, d, J = 8.7 Hz).
合成例24
(5R)-6-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボン酸 (1S,2R)-2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノール塩(化合物(29)の(1S,2R)-2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノール塩)の合成(工程25)
(5R)-6-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボン酸 (1S,2R)-2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノール塩(化合物(29)の(1S,2R)-2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノール塩)の合成(工程25)
反応器に(1S,2R)-2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノール(65.6 kg, 307 mol)及びエタノール(610 L)を加えた。62±3℃に加熱し、1時間攪拌した。60±5℃で6-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボン酸(473 mol)のアセトニトリル溶液(約1983 L)を滴下した。62±3℃で種晶(153 g)を添加し、同温で6時間攪拌した。23±3℃に冷却し、同温で4時間攪拌した。析出結晶をろ取し、アセトニトリル(1068 L)で洗浄した後、60℃で減圧乾燥し、標題化合物を得た。白色の結晶性粉末 86.5 kg、光学純度:99.4%ee、収率35.0%
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 7.90 (1H, t, J = 8.8 Hz ), 7.13-7.22 (8H, m), 7.08-7.10 (2H, m), 6.63 (1H, d, J = 8.8 Hz), 5.11-5.21 (1H, m), 5.00 (1H, d, J = 4.0 Hz), 4.27 (1H, d, J = 4.4 Hz), 3.72-3.81 (1H, m), 3.69 (1H, s), 3.55-3.62 (1H, m), 2.75-2.79 (2H, m), 1.39-1.43 (9H, m).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 7.90 (1H, t, J = 8.8 Hz ), 7.13-7.22 (8H, m), 7.08-7.10 (2H, m), 6.63 (1H, d, J = 8.8 Hz), 5.11-5.21 (1H, m), 5.00 (1H, d, J = 4.0 Hz), 4.27 (1H, d, J = 4.4 Hz), 3.72-3.81 (1H, m), 3.69 (1H, s), 3.55-3.62 (1H, m), 2.75-2.79 (2H, m), 1.39-1.43 (9H, m).
合成例25
6-ブロモ-4-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(化合物(31))の合成(工程26)
6-ブロモ-4-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(化合物(31))の合成(工程26)
反応器に塩化メチレン(75 mL)及び3-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-3-メチルブタン酸(15.0 g, 54.5 mmol)を加えた。その溶液に室温でジメチルホルムアミド(0.42 mL, 5.4 mmol)及び塩化チオニル(13.0 g, 109.1 mmol)を滴下し、同温で2時間攪拌した。その反応液に室温で塩化アルミニウム(14.5 g, 109.1 mmol)の塩化メチレン(75 mL)溶液を滴下した。室温で14時間攪拌した後、40℃以下で塩酸(6 mol/L, 150 mL)を加えた。二層を分液し、有機層を取得した。一方の水層を塩化メチレン(75 mL)で分液抽出し、有機層を取得した。得られた有機層を混合し、10% 食塩水(75 mL)、水酸化ナトリウム水溶液(1 mol/L, 75 mL)及び10%食塩水(75 mL)で順次洗浄した。溶媒を減圧濃縮により留去し、エタノール(45 mL)を加え、再度溶媒を減圧濃縮により留去した。得られた残渣にエタノール(105 mL)及びジメチルホルムアミド(105 mL)を加え、40±5℃に加熱した後、水(180 mL)を滴下し、同温で1時間攪拌した。25±5℃に冷却し、4時間攪拌した。析出結晶をろ取し、水(45 mL)で洗浄した後、40℃で減圧乾燥した。淡褐色の結晶性粉末 13.0 g、収率92.7%
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 7.64 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 8.8, 1.6 Hz, 1H), 2.63 (s, 2H), 1.52 (s, 6H).
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 7.64 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 8.8, 1.6 Hz, 1H), 2.63 (s, 2H), 1.52 (s, 6H).
合成例26
6-(ベンジルアミノ)-4-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(化合物(32))の合成(工程27)
6-(ベンジルアミノ)-4-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(化合物(32))の合成(工程27)
反応器にトルエン(10 mL)、6-ブロモ-4-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(500 mg, 2.05 mmol)、ベンジルアミン(241.3 mg, 2.25 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム (Pd2(dba)3) (89.0 mg, 0.10 mmol)、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル (BINAP)(121.1 mg, 0.19 mmol)及びナトリウムtert-ブトキシド(280.3 mg, 2.92 mmol)を加え、減圧脱気した。80±5℃に加熱し、3時間攪拌した。20±5℃に冷却し、水(5 mL)を加えた。二層を分液し、有機層を取得した後、10%塩化アンモニウム水溶液(5 mL)及び10%食塩水(5 mL)で順次洗浄した。溶媒を減圧濃縮により除去した。エタノール(5 mL)を加え、再度溶媒を減圧濃縮により除去した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 7.39-7.27 (m, 5H), 6.70 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.55 (dd, J = 11.8, 2.1 Hz, 1H), 4.35-4.30 (m, 2H), 4.30-4.23 (m, 1H), 2.56 (s, 2H), 1.47 (s, 6H).
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 7.39-7.27 (m, 5H), 6.70 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.55 (dd, J = 11.8, 2.1 Hz, 1H), 4.35-4.30 (m, 2H), 4.30-4.23 (m, 1H), 2.56 (s, 2H), 1.47 (s, 6H).
合成例27
6-(ベンジルアミノ)-4-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オール 塩酸塩(化合物(33)の塩酸塩)の合成(工程28)
6-(ベンジルアミノ)-4-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オール 塩酸塩(化合物(33)の塩酸塩)の合成(工程28)
反応器にエタノール(5 mL)及び6-(ベンジルアミノ)-4-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(2.05 mmol)を加えた。25±5℃で水素化ホウ素ナトリウム(73.6 mg, 2.05 mmol)を加え、同温で3時間攪拌した。25±5℃で酢酸エチル(10 mL)及び10%塩化アンモニウム水溶液(5 mL)を加えた。二層を分液し、有機層を取得した後、10%食塩水(5 mL)で洗浄した。溶媒を減圧濃縮により除去した。酢酸エチル(5 mL)を加え、再度溶媒を減圧濃縮により除去した。残渣に酢酸エチル(5 mL)及び活性炭(100 mg)を加え、25±5℃で1時間攪拌した後、ろ過し、酢酸エチル(4 mL)で洗浄した。ろ液と洗浄液を混合し、溶媒を減圧濃縮により除去した。残渣に酢酸エチル(1.5 mL)を加え、25±5℃で塩酸の酢酸エチル溶液(4 mol/L, 1 mL, 4 mmol)を滴下した。析出結晶をろ取し、酢酸エチル(3 mL)で洗浄した後、40℃で減圧乾燥し、標題化合物を得た。淡褐色の結晶性粉末 347.8 mg、収率62.7% (化合物31からの2工程収率)
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 7.45-7.21 (m, 5H), 6.56 (br s, 1H), 6.36 (br d, J = 12.6 Hz, 2H), 4.94 (dd, J = 7.1, 7.1 Hz, 1H), 4.29 (s, 2H), 2.15 (dd, J = 12.6, 7.1 Hz, 1H), 1.68 (dd, J = 12.6, 7.1 Hz, 1H), 1.35 (s, 3H), 1.17 (s, 3H).
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 7.45-7.21 (m, 5H), 6.56 (br s, 1H), 6.36 (br d, J = 12.6 Hz, 2H), 4.94 (dd, J = 7.1, 7.1 Hz, 1H), 4.29 (s, 2H), 2.15 (dd, J = 12.6, 7.1 Hz, 1H), 1.68 (dd, J = 12.6, 7.1 Hz, 1H), 1.35 (s, 3H), 1.17 (s, 3H).
合成例28
7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-アミン(化合物(34))の合成(工程29)
7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-アミン(化合物(34))の合成(工程29)
耐圧反応器にエタノール(20 mL)、6-(ベンジルアミノ)-4-フルオロ-3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オール 塩酸塩(1.0 g, 3.50 mmol)及び20% Pd/C (50%含水、500 mg)を加えた後、水素雰囲気に置換した。反応液を70±5℃に加熱し、同温で43時間攪拌した。25±5℃に冷却し、不溶物をろ過により除去後、エタノール(4 mL)で洗浄した。ろ液と洗浄液を混合し、溶媒を減圧濃縮により除去した。残渣にtert-ブチルメチルエーテル(8 mL)及び水酸化ナトリウム水溶液(1 mol/L, 5 mL)を加え、25±5℃で2時間攪拌した。溶液を除塵ろ過し、tert-ブチルメチルエーテル(4 mL)で洗浄した後、ろ液と洗浄液を混合した。二層を分液し、有機層を取得した後、10%食塩水で洗浄した。溶媒を減圧濃縮により除去した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.34 (6 H, s), 1.89 (2 H, t, J = 7.4 Hz), 2.82 (2 H, t, J = 7.2 Hz), 3.61 (2 H, br s.), 6.13-6.21 (1 H, m), 6.28-6.33 (1 H, m).
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.34 (6 H, s), 1.89 (2 H, t, J = 7.4 Hz), 2.82 (2 H, t, J = 7.2 Hz), 3.61 (2 H, br s.), 6.13-6.21 (1 H, m), 6.28-6.33 (1 H, m).
合成例29
7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-アミン (+)-カンファースルホン酸塩(化合物(35))の合成(工程30)
7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-アミン (+)-カンファースルホン酸塩(化合物(35))の合成(工程30)
反応器に7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-アミン(3.50 mmol)及び酢酸エチル(2.5 mL)を加え、25±5℃で(+)-カンファースルホン酸 (CSA) (814.0 mg, 3.50 mmol)の酢酸エチル(20 mL)溶液を滴下した後、同温で1時間攪拌した。析出結晶をろ取し、酢酸エチル(4 mL)で洗浄した後、40℃で減圧乾燥し、標題化合物を得た。淡黄色の結晶性粉末 1.02 g、収率70.8%
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 0.74(3H, s), 0.93 (3H, s), 1.22-1.30 (1H, m), 1.34 (6H, s), 1.52-1.60 (1H, m), 1.77-1.90 (2H, m), 1.93 (2H, t, J=7.4Hz), 1.96-2.00 (1H, m), 2.23-2.30 (1H, m), 2.35-2.44 (1H, m), 2.74 (1H, d, J=14.8Hz), 2.91 (2H, t, J=7.4 Hz), 3.31 (1H, d, J=14.5Hz), 7.05-7.10 (1H, m), 7.15-7.20 (1H, m), 8.58-10.43 (2H, br).
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 0.74(3H, s), 0.93 (3H, s), 1.22-1.30 (1H, m), 1.34 (6H, s), 1.52-1.60 (1H, m), 1.77-1.90 (2H, m), 1.93 (2H, t, J=7.4Hz), 1.96-2.00 (1H, m), 2.23-2.30 (1H, m), 2.35-2.44 (1H, m), 2.74 (1H, d, J=14.8Hz), 2.91 (2H, t, J=7.4 Hz), 3.31 (1H, d, J=14.5Hz), 7.05-7.10 (1H, m), 7.15-7.20 (1H, m), 8.58-10.43 (2H, br).
合成例30
(R)-tert-ブチル 5-((7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル)-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-カルボキシレート(化合物(10))の合成(工程31)
(R)-tert-ブチル 5-((7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル)-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-カルボキシレート(化合物(10))の合成(工程31)
反応器にジイソプロピルエーテル(139.8kg)、7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-アミン (+)-カンファースルホン酸塩(32.0kg)及び水酸化ナトリウム水溶液(2M,64L)を加え、室温で1時間撹拌した後、分液し有機層を取得した。水層を再度ジイソプロピルエーテル(104.8L)で抽出し、併せた有機層を10%食塩水(62L)で洗浄した。減圧濃縮しながら溶媒を酢酸エチル(208L)に置換し、得られた溶液に活性炭(16.0kg)を加えた。室温で1時間撹拌した後、活性炭をろ去した。活性炭を酢酸エチル(577.3L)で洗浄し、併せたろ液と洗浄液を96Lになるまで濃縮することにより、7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-アミンの酢酸エチル溶液を得た。
別の反応器にテトラヒドロフラン(216.3kg)、トルエン(175.6kg)、水(81L)、水酸化ナトリウム水溶液(1M, 97L)及び(5R)-6-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボン酸 (1S,2R)-2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノール塩(40.56kg)を順に添加し、室温で1時間撹拌した。水層を分液抽出し、トルエン(93.8kg)およびテトラヒドロフラン(48kg)の混合液で洗浄した。得られた水層に20%クエン酸水溶液(61L)およびジイソプロピルエーテル(177.2kg)を添加し、有機層を分液抽出した。水層を再度ジイソプロピルエーテル(118.1kg)により抽出し、併せた有機層を10%食塩水(157L)で洗浄することにより(5R)-6-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボン酸のジイソプロピルエーテル溶液を得た。この溶液に、先に得られた7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-アミンの酢酸エチル溶液を混合し、減圧濃縮しながら溶媒を2-プロパノール(136.2kg)に置換した。混合液を0℃に冷却し、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウム クロリド(DMT-MM, 水分含量補正後の重量として22.59kg)を加えた。反応液を0℃で4時間した後、さらに室温で1時間撹拌した。ここに酢酸(67.1kg)と水(80L)の混合液を1時間かけて滴下し、室温で2時間撹拌した後に、種晶(32.0g)を添加してさらに3時間撹拌した。室温で水(160L)を滴下し、14時間撹拌して得られた結晶を濾過し、水(288L)で洗浄した後に、減圧下50℃にて乾燥することにより、標題化合物を得た。白色の結晶性固体 32.3kg、収率88%
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.34 (6H, s), 1.53 (9H, s), 1.91 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.83-3.01 (4H, m), 3.45 (1H, brs), 3.91 (3H, s), 4.06 (1H, dt, J = 13.2, 4.9 Hz), 5.56 (1H, brs), 6.64 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.05-7.12 (2H, m), 7.48 (1H, brs), 8.70 (1H, brs).
別の反応器にテトラヒドロフラン(216.3kg)、トルエン(175.6kg)、水(81L)、水酸化ナトリウム水溶液(1M, 97L)及び(5R)-6-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボン酸 (1S,2R)-2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノール塩(40.56kg)を順に添加し、室温で1時間撹拌した。水層を分液抽出し、トルエン(93.8kg)およびテトラヒドロフラン(48kg)の混合液で洗浄した。得られた水層に20%クエン酸水溶液(61L)およびジイソプロピルエーテル(177.2kg)を添加し、有機層を分液抽出した。水層を再度ジイソプロピルエーテル(118.1kg)により抽出し、併せた有機層を10%食塩水(157L)で洗浄することにより(5R)-6-(tert-ブトキシカルボニル)-2-メトキシ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-5-カルボン酸のジイソプロピルエーテル溶液を得た。この溶液に、先に得られた7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-アミンの酢酸エチル溶液を混合し、減圧濃縮しながら溶媒を2-プロパノール(136.2kg)に置換した。混合液を0℃に冷却し、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウム クロリド(DMT-MM, 水分含量補正後の重量として22.59kg)を加えた。反応液を0℃で4時間した後、さらに室温で1時間撹拌した。ここに酢酸(67.1kg)と水(80L)の混合液を1時間かけて滴下し、室温で2時間撹拌した後に、種晶(32.0g)を添加してさらに3時間撹拌した。室温で水(160L)を滴下し、14時間撹拌して得られた結晶を濾過し、水(288L)で洗浄した後に、減圧下50℃にて乾燥することにより、標題化合物を得た。白色の結晶性固体 32.3kg、収率88%
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.34 (6H, s), 1.53 (9H, s), 1.91 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.83-3.01 (4H, m), 3.45 (1H, brs), 3.91 (3H, s), 4.06 (1H, dt, J = 13.2, 4.9 Hz), 5.56 (1H, brs), 6.64 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.05-7.12 (2H, m), 7.48 (1H, brs), 8.70 (1H, brs).
合成例31
(5R)-N-(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-メトキシ-1,6-ナフチリジン-5-カルボキサミド 2ベンゼンスルホン酸塩(化合物(11)の2ベンゼンスルホン酸塩)の合成(工程32)
(5R)-N-(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-メトキシ-1,6-ナフチリジン-5-カルボキサミド 2ベンゼンスルホン酸塩(化合物(11)の2ベンゼンスルホン酸塩)の合成(工程32)
反応器に塩酸(4M, 102.5kg)を添加し、室温で(R)-tert-ブチル 5-((7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル)-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-カルボキシレート(32.18kg)を10回に分けて分割添加した。室温で12時間撹拌した後、反応液を20%炭酸カリウム水溶液(188.3kg)及び酢酸エチル(130.6kg)の混合液に滴下した。室温で30分間撹拌した後、分液し有機層を取得した。有機層を15%食塩水(71.6kg)で洗浄し、酢酸エチル(116.1kg)を加えながら共沸脱水した後、液量を103Lに調整し、不溶物をろ去した。得られた溶液にアセトニトリル(40.5kg)及び水(3.7kg)を加え、ベンゼンスルホン酸一水和物(24.2kg)の酢酸エチル溶液を40℃で1時間かけて滴下した。種晶を加えさらに1時間撹拌した後、酢酸エチル(139.3kg)を滴下し、40℃で2時間撹拌してから、室温でさらに6時間撹拌した。結晶を濾過し、酢酸エチル(92.9 kg)で洗浄した後、40℃で減圧乾燥することにより標題化合物を得た。白色の結晶性固体41.74kg、収率89%
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 1.31 (d,J = 2.5 Hz, 6H), 1.89 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.89 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.97 (dt, J = 18.0, 5.5 Hz, 1H), 3.11-3.17 (m, 1H), 3.50-3.60 (m, 1H), 3.78-3.87 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 5.23 (brs, 1H), 5.94 (brs, 2H), 6.77 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.23 (brs, 1H), 7.29-7.33 (m, 7H), 7.59-7.63 (m, 4H), 7.69 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 9.50 (brs, 1H), 9.76 (brs, 1H), 11.10 (s, 1H).
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 1.31 (d,J = 2.5 Hz, 6H), 1.89 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.89 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.97 (dt, J = 18.0, 5.5 Hz, 1H), 3.11-3.17 (m, 1H), 3.50-3.60 (m, 1H), 3.78-3.87 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 5.23 (brs, 1H), 5.94 (brs, 2H), 6.77 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.23 (brs, 1H), 7.29-7.33 (m, 7H), 7.59-7.63 (m, 4H), 7.69 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 9.50 (brs, 1H), 9.76 (brs, 1H), 11.10 (s, 1H).
合成例32
3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸(化合物(37))の合成(工程33)
3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸(化合物(37))の合成(工程33)
反応器に3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチリデン)シクロブタンカルボン酸(366.1 kg, 1725 mol)、メタノール(1100 L)及び5% Pd/C(50%含水、36.6 kg)を加えた。反応器内を水素に置換し、25±3℃で24時間攪拌した。反応器内を窒素に置換し、5% Pd/C(50%含水、9.2 kg)を加えた。再度、反応器内を水素に置換し、25±3℃で14時間攪拌した。反応器内を窒素に置換し、触媒をろ過により除去し、メタノール(370 L)で洗浄した。得られたろ液と洗浄液を混合し、内容量1100 Lまで濃縮した。酢酸エチル(3660 L)を加え、内容量1100 Lまで濃縮した。再度、酢酸エチル(3660 L)を加え、内容量1100 Lまで濃縮し、標題化合物の酢酸エチル溶液を得た。cis/trans = 77.6/22.4
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.40-1.47 (m, 9H), 1.97-2.06 (m, 21H), 2.33-2.50 (m, 4H), 2.54-2.65 (m, 0.8H), 2.71-2.83 (m, 0.2H), 2.99-3.99 (m, 0.8H), 3.10-3.18 (m, 0.2H)
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.40-1.47 (m, 9H), 1.97-2.06 (m, 21H), 2.33-2.50 (m, 4H), 2.54-2.65 (m, 0.8H), 2.71-2.83 (m, 0.2H), 2.99-3.99 (m, 0.8H), 3.10-3.18 (m, 0.2H)
合成例33
cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(化合物(18))の合成(工程34)
cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(化合物(18))の合成(工程34)
反応器に酢酸エチル(2799 L)及び3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸(575 mol)の酢酸エチル溶液を加えた。52±3℃に加熱した後、(S)-1-フェネチルアミン(69.9 kg, 575 mol)を添加し、酢酸エチル(92 L)で洗い込んだ。38±3℃に冷却し、種晶(193 g)を添加した後、同温にて1時間攪拌した。25±3℃に冷却し、同温で2時間攪拌した。析出結晶をろ取し、酢酸エチル(561 L)で洗浄し、標題化合物の湿結晶を得た。129.7 kg、cis/trans = 87.9/12.1
反応器に酢酸エチル(2075 L)及び先に得られた湿結晶cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(129.7 kg)を加えた。52±3℃に加熱し、同温で20分攪拌した。41±3℃に冷却し、種晶(130 g)を添加した後、同温で1時間攪拌した。25±3℃に冷却し、同温で2時間攪拌した。析出結晶をろ取し、酢酸エチル(324 L)で洗浄し、標題化合物の湿結晶を得た。84.2 kg、cis/trans =93.7/6.3
反応器に酢酸エチル(1349 L)及び先に得られた湿結晶cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(84.3 kg)を加えた。52±3℃に加熱し、同温で20分攪拌した。41±3℃に冷却し、種晶(84.3 g)を添加した後、同温で1時間攪拌した。25±3℃に冷却し、同温で2時間攪拌した。析出結晶をろ取し、酢酸エチル(211 L)で洗浄し、標題化合物の湿結晶を得た。61.8 kg、cis/trans =96.5/3.5
反応器に酢酸エチル(989 )及び先に得られた湿結晶cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(61.8 kg)を加えた。52±3℃に加熱し、同温で20分攪拌した。41±3℃に冷却し、種晶(61.8 g)を添加した後、同温で1時間攪拌した。25±3℃に冷却し、同温で2時間攪拌した。析出結晶をろ取し、酢酸エチル(155 L)で洗浄し、標題化合物の湿結晶を得た。47.2 kg、cis/trans =98.1/1.9
反応器に酢酸エチル(755 L)及び先に得られた湿結晶cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(47.2 kg)を加えた。52±3℃に加熱し、同温で20分攪拌した。41±3℃に冷却し、種晶(47.2 g)を添加した後、同温で1時間攪拌した。25±3℃に冷却し、同温で2時間攪拌した。析出結晶をろ取し、酢酸エチル(155 L)で洗浄し、標題化合物の湿結晶を得た。36.8 kg、cis/trans =98.9/1.1
反応器に酢酸エチル(589 L)及び先に得られた湿結晶cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(36.7 kg)を加えた。52±3℃に加熱し、同温で20分攪拌した。41±3℃に冷却し、種晶(36.7 g)を添加した後、同温で1時間攪拌した。25±3℃に冷却し、同温で2時間攪拌した。析出結晶をろ取し、酢酸エチル(92 L)で洗浄した後、40℃で減圧乾燥し、標題化合物を得た。白色の結晶性粉末 28.5 kg、cis/trans =99.4/0.6、収率14.7% (化合物36からの2工程収率)
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 1.35 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.38 (s, 9H), 1.73-1.80 (m, 1H), 2.12-2.20 (m, 2H), 2.22 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 2.31-2.41 (m, 1H), 2.74 (quin, J = 8.8 Hz, 1H), 4.13 (q, J = 6.73 Hz, 1H), 7.00 (br s, 3H), 7.23-7.28 (m, 1H), 7.33 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 7.2 Hz, 2H).
反応器に酢酸エチル(2075 L)及び先に得られた湿結晶cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(129.7 kg)を加えた。52±3℃に加熱し、同温で20分攪拌した。41±3℃に冷却し、種晶(130 g)を添加した後、同温で1時間攪拌した。25±3℃に冷却し、同温で2時間攪拌した。析出結晶をろ取し、酢酸エチル(324 L)で洗浄し、標題化合物の湿結晶を得た。84.2 kg、cis/trans =93.7/6.3
反応器に酢酸エチル(1349 L)及び先に得られた湿結晶cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(84.3 kg)を加えた。52±3℃に加熱し、同温で20分攪拌した。41±3℃に冷却し、種晶(84.3 g)を添加した後、同温で1時間攪拌した。25±3℃に冷却し、同温で2時間攪拌した。析出結晶をろ取し、酢酸エチル(211 L)で洗浄し、標題化合物の湿結晶を得た。61.8 kg、cis/trans =96.5/3.5
反応器に酢酸エチル(989 )及び先に得られた湿結晶cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(61.8 kg)を加えた。52±3℃に加熱し、同温で20分攪拌した。41±3℃に冷却し、種晶(61.8 g)を添加した後、同温で1時間攪拌した。25±3℃に冷却し、同温で2時間攪拌した。析出結晶をろ取し、酢酸エチル(155 L)で洗浄し、標題化合物の湿結晶を得た。47.2 kg、cis/trans =98.1/1.9
反応器に酢酸エチル(755 L)及び先に得られた湿結晶cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(47.2 kg)を加えた。52±3℃に加熱し、同温で20分攪拌した。41±3℃に冷却し、種晶(47.2 g)を添加した後、同温で1時間攪拌した。25±3℃に冷却し、同温で2時間攪拌した。析出結晶をろ取し、酢酸エチル(155 L)で洗浄し、標題化合物の湿結晶を得た。36.8 kg、cis/trans =98.9/1.1
反応器に酢酸エチル(589 L)及び先に得られた湿結晶cis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(36.7 kg)を加えた。52±3℃に加熱し、同温で20分攪拌した。41±3℃に冷却し、種晶(36.7 g)を添加した後、同温で1時間攪拌した。25±3℃に冷却し、同温で2時間攪拌した。析出結晶をろ取し、酢酸エチル(92 L)で洗浄した後、40℃で減圧乾燥し、標題化合物を得た。白色の結晶性粉末 28.5 kg、cis/trans =99.4/0.6、収率14.7% (化合物36からの2工程収率)
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ (ppm) 1.35 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.38 (s, 9H), 1.73-1.80 (m, 1H), 2.12-2.20 (m, 2H), 2.22 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 2.31-2.41 (m, 1H), 2.74 (quin, J = 8.8 Hz, 1H), 4.13 (q, J = 6.73 Hz, 1H), 7.00 (br s, 3H), 7.23-7.28 (m, 1H), 7.33 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 7.2 Hz, 2H).
合成例34
tert-ブチル [cis-3-({(5R)-5-[(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル]-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル}カルボニル)シクロブチル]アセテート(化合物(19))の合成(工程35)
tert-ブチル [cis-3-({(5R)-5-[(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル]-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル}カルボニル)シクロブチル]アセテート(化合物(19))の合成(工程35)
反応器にトルエン(108kg)及びcis-3-(2-tert-ブトキシ-2-オキソエチル)シクロブタンカルボン酸 (S)-1-フェネチルアミン塩(22.40kg)を添加し、室温で塩酸(濃塩酸(8.8kg)と水(83L)から調製)を滴下してから、30分撹拌した。有機層を分液抽出し、水(83L)で洗浄した。減圧濃縮しながら溶媒をアセトニトリル(150L)に置換した後、室温でピリジン(14.4kg)、(5R)-N-(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-メトキシ-1,6-ナフチリジン-5-カルボキサミド 2ベンゼンスルホン酸塩(41.64kg)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (EDCl) (14.0kg)を順に添加した。室温で4時間撹拌した後、水(30L)及び種晶(208.2g)を添加し、さらに12時間撹拌した。続いて、室温で水(95L)を滴下し、4時間撹拌した。生じた結晶を濾過し、アセトニトリル(65.5kg)及び水(83L)の混合液で洗浄し、50℃にて減圧乾燥することにより標題化合物を得た。白色の結晶性固体31.34kg、収率91%
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.33 (6H, s), 1.43 (9H, s), 1.90 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.01-2.15 (2H, m), 2.35 (2H, d, J = 7.6 Hz), 2.40-2.52 (2H, m), 2.58-2.73 (1H, m), 2.86 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.90-3.01 (2H, m), 3.21-3.35 (1H, m), 3.57-3.69 (1H, m), 3.81-3.89 (1H, m), 3.91 (3H, s), 5.97 (1H, s), 6.64 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.05 (1H, d, J = 0.8 Hz), 7.12 (1H, d, J = 11.7 Hz), 7.42 (1H, d, J = 8.7 Hz), 9.09 (1H, s).
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.33 (6H, s), 1.43 (9H, s), 1.90 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.01-2.15 (2H, m), 2.35 (2H, d, J = 7.6 Hz), 2.40-2.52 (2H, m), 2.58-2.73 (1H, m), 2.86 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.90-3.01 (2H, m), 3.21-3.35 (1H, m), 3.57-3.69 (1H, m), 3.81-3.89 (1H, m), 3.91 (3H, s), 5.97 (1H, s), 6.64 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.05 (1H, d, J = 0.8 Hz), 7.12 (1H, d, J = 11.7 Hz), 7.42 (1H, d, J = 8.7 Hz), 9.09 (1H, s).
合成例35
[cis-3-({(5R)-5-[(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル]-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル}カルボニル)シクロブチル]酢酸(化合物(A))の合成(工程36)
[cis-3-({(5R)-5-[(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル]-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル}カルボニル)シクロブチル]酢酸(化合物(A))の合成(工程36)
反応器にアセトニトリル(59.2kg)及び85%りん酸(126.8kg)を加え、tert-ブチル [cis-3-({(5R)-5-[(7-フルオロ-1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)カルバモイル]-2-メトキシ-7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル}カルボニル)シクロブチル]アセテート (26.88kg)を分割添加した後に室温で24時間撹拌した。反応液を5 - 25℃に保ちながら、トルエン(81.5kg)、水酸化ナトリウム水溶液(水(151L)及び水酸化ナトリウム(35.2kg)から調製)を添加し、室温で30分間撹拌した。有機層を分液抽出し、水(1054L)、塩化ナトリウム(10.8kg)、85%りん酸(199.3kg)及び酢酸(157.9kg)の混合液で4回に分けて洗浄した後に、さらに酢酸緩衝液(水(105L)、水酸化ナトリウム(2.7kg)、酢酸(11.3kg)から調製)および水(105L)で洗浄した。有機層の溶媒を減圧濃縮しながら酢酸(78L)に置換し、得られた酢酸溶液を水(301L)に対して1時間以上かけながら滴下した。室温で6時間以上撹拌した後に、析出物をろ取し、水(269L)で洗浄した。ろ過物を水(269L)中で懸濁洗浄し、再度ろ過して得られた固体を減圧乾燥することにより標題化合物を得た。白色の固体17.77kg、収率73%
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.31 (6H, s), 1.88 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.05-2.18 (2H, m), 2.44-2.56 (4H, m), 2.62-2.77 (1H, m), 2.84 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.88-3.05 (2H, m), 3.31 (1H, quin, J = 8.9 Hz), 3.67-3.78 (1H, m), 3.80-3.88 (1H, m), 3.90 (3H, s), 5.97 (1H, s), 6.63 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.04 (1H, s), 7.10 (1H, d, J = 11.7 Hz), 7.46 (1H, d, J = 8.7 Hz), 9.21 (1H, s).
スキーム2における化合物(20)からの化合物(A)の全収率は4.8%であった。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm) 1.31 (6H, s), 1.88 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.05-2.18 (2H, m), 2.44-2.56 (4H, m), 2.62-2.77 (1H, m), 2.84 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.88-3.05 (2H, m), 3.31 (1H, quin, J = 8.9 Hz), 3.67-3.78 (1H, m), 3.80-3.88 (1H, m), 3.90 (3H, s), 5.97 (1H, s), 6.63 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.04 (1H, s), 7.10 (1H, d, J = 11.7 Hz), 7.46 (1H, d, J = 8.7 Hz), 9.21 (1H, s).
スキーム2における化合物(20)からの化合物(A)の全収率は4.8%であった。
本発明の製造方法によれば、工程数がより短く、極低温の反応条件や、カラム精製やキラルカラム精製といった煩雑な操作を必要とすることなく、より高い全収率で安価に化合物(A)またはその塩を製造できる。
Claims (14)
- 以下のスキーム1に示される工程を含む、化合物(A)またはその塩の製造方法:
(式中、Meはメチルを示し、Etはエチルを示し、Bocはtert−ブトキシカルボニルを示し、Bnはベンジルを示し、t−Buはtert−ブチルを示す。)
工程1:化合物(1)またはその塩から調製されたグリニア試薬をシュウ酸ジエチルと反応させて、化合物(2)またはその塩を得る工程;
工程2:化合物(2)またはその塩をアンモニアを用いたアミド化反応に付して、化合物(3)またはその塩を得る工程;
工程3:化合物(3)またはその塩をビニル化反応に付して、化合物(4)またはその塩を得る工程;
工程4:化合物(4)またはその塩をアンモニアを用いた環化反応に付して、化合物(5)またはその塩を得る工程;
工程5:化合物(5)またはその塩を不斉還元反応に付して、化合物(6)またはその塩を得る工程;
工程6:化合物(6)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(7)またはその塩を得る工程;
工程7:化合物(8)をハロゲン交換反応に付して、化合物(9)を得る工程;
工程8:化合物(7)またはその塩を化合物(9)と反応させて、化合物(10)またはその塩を得る工程;
工程9:化合物(10)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(11)またはその塩を得る工程;
工程10:化合物(12)またはその塩をベンジルエステル化反応に付して、化合物(13)を得る工程;
工程11:化合物(13)をメルドラム酸と反応させて、化合物(14)を得る工程;
工程12:化合物(14)を還元剤を用いた還元反応に付して、化合物(15)を得る工程;
工程13:化合物(15)をt−ブタノールと反応させて、化合物(16)を得る工程;
工程14:化合物(16)を接触還元反応に付して、化合物(17)またはその塩を得る工程;
工程15:化合物(17)またはその塩を(S)−1−フェネチルアミンとの塩形成に付して、化合物(18)を得る工程;
工程16:化合物(11)またはその塩を化合物(18)と反応させて、化合物(19)またはその塩を得る工程;および
工程17:化合物(19)またはその塩を酸加水分解反応に付して、化合物(A)またはその塩を得る工程。 - 以下のスキーム2に示される工程を含む、化合物(A)またはその塩の製造方法:
(式中、Meはメチルを示し、Etはエチルを示し、Bocはtert−ブトキシカルボニルを示し、Bnはベンジルを示し、t−Buはtert−ブチルを示す。)
工程18:化合物(20)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(21)を得る工程;
工程19:化合物(21)を化合物(22)またはその塩と反応させて、化合物(23)またはその塩を得る工程;
工程20:化合物(23)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(24)またはその塩を得る工程;
工程21:化合物(24)またはその塩をグリオキシル酸エチルを用いた環化反応に付して、化合物(25)またはその塩を得る工程;
工程22:化合物(25)またはその塩をt−ブトキシカルボニル(Boc)化反応に付して、化合物(26)またはその塩を得る工程;
工程23:化合物(26)またはその塩をメチル化反応に付して、化合物(27)またはその塩を得る工程;
工程24:化合物(27)またはその塩をアルカリ加水分解反応に付して、化合物(28)またはその塩を得る工程;
工程25:化合物(28)またはその塩を(1S,2R)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノールとのジアステレオマー塩形成を利用した光学分割に付して、化合物(29)を得る工程;
工程26:化合物(30)またはその塩を酸クロリドに変換後、フリーデル・クラフツ反応に付して、化合物(31)を得る工程;
工程27:化合物(31)をベンジルアミンと反応させて、化合物(32)またはその塩を得る工程;
工程28:化合物(32)またはその塩を還元剤を用いた還元反応に付して、化合物(33)またはその塩を得る工程;
工程29:化合物(33)またはその塩を接触還元反応に付して、化合物(34)またはその塩を得る工程;
工程30:化合物(34)またはその塩を(+)−カンファースルホン酸との塩形成に付して、化合物(35)を得る工程;
工程31:化合物(29)を化合物(35)と反応させて、化合物(10)またはその塩を得る工程;
工程32:化合物(10)またはその塩を脱Boc化反応に付して、化合物(11)またはその塩を得る工程;
工程33:化合物(36)またはその塩を接触還元反応に付して、化合物(37)またはその塩を得る工程;
工程34:化合物(37)またはその塩を(S)−1−フェネチルアミンとの塩形成に付した後、分別結晶を行って、化合物(18)を得る工程;
工程35:化合物(11)またはその塩を化合物(18)と反応させて、化合物(19)またはその塩を得る工程;および
工程36:化合物(19)またはその塩を酸加水分解反応に付して、化合物(A)またはその塩を得る工程。 - 下記化合物(2)またはその塩。
- 下記化合物(3)またはその塩。
- 下記化合物(4)またはその塩。
- 下記化合物(5)またはその塩。
- 下記化合物(6)またはその塩。
- 下記化合物(7)またはその塩。
- 下記化合物(9)。
- 下記化合物(14)。
- 下記化合物(15)。
- 下記化合物(16)。
- 下記化合物(32)またはその塩。
- 下記化合物(33)またはその塩。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023232870A1 (en) | 2022-05-31 | 2023-12-07 | Immunic Ag | Rorg/rorgt modulators for the treatment of virus infections like covid-19 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023232870A1 (en) | 2022-05-31 | 2023-12-07 | Immunic Ag | Rorg/rorgt modulators for the treatment of virus infections like covid-19 |
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