JP2020151634A - 集塵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通風面から見て均等に高い集塵効率を得る集塵装置を提供する。【解決手段】気流の上流側から順に針状電極2とプリーツ状に折られた濾材3と、濾材3の下流側全面に設けた導電格子とを備え、濾材3の通風面は前記気流を遮るように配置し、針状電極2の本体を気流の流れる方向に垂直に配置し、針状電極2と濾材3の通風面との距離を所定の距離とした集塵装置において、前記導電格子に対して針状電極2にマイナスの電圧を印加して、前記導電格子と針状電極2間の放電電流を一つの針状電極について1μAより大きく10μAより小さい範囲で流す直流高圧電源11を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、濾材の分極帯電の促進と粉塵のイオンによる帯電を同時に起こして空気中の粉塵を取り除く集塵装置に関するものである。
濾材の分極を促進すると同時に空気中の粉塵を帯電して捕集する集塵装置として、特許文献1記載の第12図が示す集塵装置が存在する。
以下、その集塵装置について説明する。
図7に示す集塵装置101は上流側から順に通風面に対して平行に設けられた針状電極202、濾材103、濾材103の裏側全面に設けられた導電格子104で構成される。高圧電源115によって針状電極202に高電圧を印加し、導電格子104に0Vを印加することで針状電極202の先端で電離を起こしてイオンを放出し、粉塵を帯電する。この放電によって流れる放電電流は1μA以下で微小のため針状電極の先端がコロナ発光するほどの放電を起こしていない。
濾材103は数μm〜数十μmの繊維を敷き詰めたシート状の構造を有しており、空気を通しながら空気中の粉塵を濾過する。粉塵は衝突作用、さえぎり作用、拡散作用によって繊維に捕集され、これら3つの作用による集塵効率は繊維径と濾材中の繊維充填率および厚さでほぼ決まる。3つ以外のもう1つの大きな捕集作用として電場によって粉塵が繊維表面に引き寄せられる静電作用がある。これは帯電繊維間の電場が強いほど、また粉塵が帯電しているほど作用が強くなる。
この静電作用の重要な2項目を同時に満たす発明として集塵装置101は構成されている。すなわち針状電極202から見て濾材103の裏側全面に導電性および通気性を有する導電格子104を設けることで針状電極202から導電格子104に向けて放電を起こすことが可能となり、針状電極202の針先からイオンを発生させて粉塵を帯電させると同時に導電格子に向けて放たれたイオンが付着して導電格子104すぐ手前にある濾材103の繊維表面を分極帯電させている。
これにより通風抵抗すなわち圧力損失の低い濾材を用いながら高い集塵効率を長時間維持する集塵装置の提供が実現されている。
特開2012−154621号公報
特許文献1に記載された集塵装置は針状電極の根元周辺に位置する通風面の集塵効率が低いという課題を有する。なぜならば針状電極の先端が向く方向へイオンは放射されやすいため、反対側の根元周辺へのイオンの放射が少ないためである。
上記目的を達成するために、気流の上流側から順に針状電極とプリーツ状に折られた濾材と、濾材の下流側全面に設けた導電格子とを備え、濾材の通風面は前記気流を遮るように配置し、前記針状電極の本体を気流の流れる方向に垂直に配置し、前記針状電極と前記濾材の通風面との距離を所定の距離とした集塵装置において、前記導電格子に対して前記針状電極にマイナスの電圧を印加して、前記導電格子と前記針状電極間の放電電流を一つの針状電極について1μAより大きく10μAより小さい範囲で流す直流高圧電源を備えたものである。
また、上記目的を達成するために、気流の上流側から順に針状電極とプリーツ状に折られた濾材と、濾材の下流側全面に設けた導電格子とを備え、濾材の通風面は前記気流を遮るように配置し、前記針状電極の本体を気流の流れる方向に垂直に配置し、前記針状電極と前記濾材の通風面との距離を所定の距離とした集塵装置において、前記導電格子と同電位にした二本のイオン誘電電極を備え、前記イオン誘電電極は、前記針状電極の上流側に前記所定の距離に対して1.5倍の位置において、前記所定の距離の2.5倍の間隔を離して併設し、前記導電格子と前記イオン誘電電極に対して前記針状電極にマイナスの電圧を印加して、前記導電格子と前記イオン誘電電極から前記針状電極へ流入する放電電流を一つの針状電極について0.1μA以上で10μAより小さい範囲で流す直流高圧電源を備えたものである。
また、上記目的を達成するために、気流の上流側から順に針状電極とプリーツ状に折られた濾材と、濾材の下流側全面に設けた導電格子とを備え、濾材の通風面は前記気流を遮るように配置し、前記針状電極の本体を気流の流れる方向に垂直に配置し、前記針状電極と前記濾材の通風面との距離を所定の距離とした集塵装置において、前記針状電極は通風方向に本体を向けて二本配置し、該針状電極の間隔は、前記所定の距離の2倍とし、前記導電格子に対して前記針状電極にマイナスの電圧を印加して、前記導電格子と前記針状電極間の放電電流を一つの針状電極について0.1μA以上で10μAより小さい範囲で流す直流高圧電源を備えたものである。
これらにより、所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、通風面に対して高い集塵効率を均一に得る集塵装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1の集塵装置および実施例の集塵装置D、ならびに比較例の集塵装置Cの斜視図 同実施の形態1の集塵装置および実施例の集塵装置Dの分解図 同実施の形態2の集塵装置および実施例の集塵装置Eの斜視図 同実施の形態3の集塵装置および実施例の集塵装置Fの斜視図 同比較例の集塵装置Aの斜視図 同比較例の集塵装置Bの斜視図 同実施例の集塵装置AないしFの集塵効率を示す図 従来の集塵装置を示す図
本発明の請求項1に係る形態の集塵装置は、気流の上流側から順に針状電極とプリーツ状に折られた濾材と、濾材の下流側全面に設けた導電格子とを備え、濾材の通風面は前記気流を遮るように配置し、前記針状電極の本体を気流の流れる方向に垂直に配置し、前記針状電極と前記濾材の通風面との距離を所定の距離とした集塵装置において、前記導電格子に対して前記針状電極にマイナスの電圧を印加して、前記導電格子と前記針状電極間の放電電流を一つの針状電極について1μAより大きく10μAより小さい範囲で流す直流高圧電源を備えたものである。
重要な構成要件および原理は針状電極から見て濾材の裏側全面に導電性および通気性を有する導電格子を設けることで針状電極から導電格子に向けて放電を起こすことである。この構成とすることによって針状電極の針先からイオンを発生させて粉塵を帯電させると同時に導電格子の上流側すぐ手前にある濾材に向けてイオンを放射および付着させ、濾材の繊維表面を分極帯電させることが可能となる。粉塵の帯電と濾材の分極帯電を同時に実現することで圧力損失の低い濾材を用いながら高い集塵効率を得ることが可能となる。
そして1μA以下の放電電流が流れるように放電させても高い集塵効率が得られるが、針状電極の根元周辺では放電が起こらないため、その位置における集塵効率が低くなる傾向がある。そこで1μAより高い放電電流を流すことで針状電極の根元周辺にもイオンを放射することができる。そうすることで通風面において均一かつ高い集塵効率を得ることができる。また、集塵装置に流す風量にもよるが、放電電流を10μA未満にすることでオゾン発生量を許容範囲内に収めることが可能となる。
また、請求項2に係る形態の集塵装置は、気流の上流側から順に針状電極とプリーツ状に折られた濾材と、濾材の下流側全面に設けた導電格子とを備え、濾材の通風面は前記気流を遮るように配置し、前記針状電極の本体を気流の流れる方向に垂直に配置し、前記針状電極と前記濾材の通風面との距離を所定の距離とした集塵装置において、
前記導電格子と同電位にした二本のイオン誘電電極を備え、前記イオン誘電電極は、前記針状電極の上流側に前記所定の距離に対して1.5倍の位置において、前記所定の距離の2.5倍の間隔を離して併設し、前記導電格子と前記イオン誘電電極に対して前記針状電極にマイナスの電圧を印加して、前記導電格子と前記イオン誘電電極から前記針状電極へ流入する放電電流を一つの針状電極について0.1μA以上で10μAより小さい範囲で流す直流高圧電源を備えたものである。
針状電極の針先で空気の電離を起こすことでイオンは発生する。発生したイオンは針先の作る電場によって針先の向く方向へと一旦放射され、その後、導電格子全体に向かって拡散していく。イオンの拡散を補助する役割として0Vが印加されたイオン誘導電極を針状電極の上流側に設ける。こうすることでイオンの吸収を防ぎながらイオンの拡散を促して導電格子の全体に均一にイオンを放射させることが可能となる。
ここでも前記と同様に重要な構成要件および原理は針状電極から見て濾材の裏側全面に導電性および通気性を有する導電格子を設けることで針状電極から導電格子に向けて放電を起こすことである。この構成とすることによって針状電極の針先からイオンを発生させて粉塵を帯電させると同時に導電格子の上流側すぐ手前にある濾材に向けてイオンを放射および付着させ、濾材の繊維表面を分極帯電させることが可能となる。粉塵の帯電と濾材の分極帯電を同時に実現することで圧力損失の低い濾材を用いながら高い集塵効率を得ることが可能となる。
また、請求項3に係る形態の集塵装置は、気流の上流側から順に針状電極とプリーツ状に折られた濾材と、濾材の下流側全面に設けた導電格子とを備え、濾材の通風面は前記気流を遮るように配置し、前記針状電極の本体を気流の流れる方向に垂直に配置し、前記針状電極と前記濾材の通風面との距離を所定の距離とした集塵装置において、前記針状電極は通風方向に本体を向けて二本配置し、該針状電極の間隔は、前記所定の距離の2倍とし、前記導電格子に対して前記針状電極にマイナスの電圧を印加して、前記導電格子と前記針状電極間の放電電流を一つの針状電極について0.1μA以上で10μAより小さい範囲で流す直流高圧電源を備えたものである。
イオンは空気の電離によって針状電極の針先で発生し、針先の向かう方向へと放射される。針状電極の針先を濾材の通風面に対して垂直に対向して設けることで針先から濾材に対して均等にイオンが放射される。針状電極の針先と濾材の通風面とが距離的に近いとイオンが拡散する前に導電格子に吸収されてしまうが、ある程度離すことで十分か拡散を得ることができる。
ここでも前記と同様に重要な構成要件および原理は針状電極から見て濾材の裏側全面に導電性および通気性を有する導電格子を設けることで針状電極から導電格子に向けて放電を起こすことである。この構成とすることによって針状電極の針先からイオンを発生させて粉塵を帯電させると同時に導電格子の上流側すぐ手前にある濾材に向けてイオンを放射および付着させ、濾材の繊維表面を分極帯電させることが可能となる。粉塵の帯電と濾材の分極帯電を同時に実現することで圧力損失の低い濾材を用いながら高い集塵効率を得ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態の集塵装置1は、図1に示すように、上流側から順に、針状電極2、プリーツ状に折られた濾材3、濾材3の裏側全面に設けられた導電格子4の主要部品で構成される。そして、これら三つの主要部品は、絶縁性を有したケース5の中に収められている。
構成をわかりやすくするためにケース5を除いた分解図を図2に示す。
針状電極2は濾材の通風面6に対して水平に設けられており、針状電極2の針先から導電格子4へ向けてイオンが放射され、その後拡散して粉塵および濾材3を帯電し、かつ濾材3を分極する。直流高圧電源を備えて、1μAよりも大きい放電電流を流すことでイオンの量を増やし、イオンが拡散しにくい針状電極2の根元周辺にも拡散を促すことができる。また、放電電流を10μA未満とすることでオゾン発生量を許容範囲内に収めることができる。図には示していないが送風機を集塵装置の下流側に設けて通風方向12に示す方向に集塵装置1に通風し、空気中に含まれる粉塵を集塵する。
(実施の形態2)
次に、別の形態の集塵装置20を図3に示す。
図3に示す集塵装置20は、図1および図2に示す実施の形態1の集塵装置1の針状電極2の上流側にイオン誘導電極27を設け、イオン誘導電極27を導電格子4と同電位(0V)にしたものである。針状電極2の針先から放射されたイオンは針状電極2とイオン誘導電極27が作る電場によってイオン誘導電極27へと移動し拡散するが上流側に位置するため、針状電極2の下流側に配置した導電格子4にはほとんどが吸収されない。このようにイオンが拡散することで濾材の通風面6全体に均一にイオンが拡散し、均一で高い集塵効率が得られる。
(実施の形態3)
さらに、別の形態の集塵装置30を図4に示す。
図4に示す集塵装置30は図1に示す実施の形態1の集塵装置1に対して、針状電極2の向きを濾材の通風面6に対して垂直に対向するように設けたものである。針状電極2の針先から濾材の通風面6に向かってイオンが放射され、拡散する。放射拡散したイオンは粉塵および濾材3を帯電し、濾材3は分極する。これらの作用によって高い集塵効率が得られる。
ここで、以下のA〜Fの5つの集塵装置を作成し、それぞれの集塵効率を測定した。なお、わかりやすくするために濾材3および導電格子4のプリーツの山数は12山でなく3山で図示している。
<共通項目>
・集塵効率:集塵装置の上流側および下流側における粒子径0.3〜0.5μmの粉塵個数濃度をパーティクルカウンター(リオン製KC−52)で測定し、以下の式で算出した。集塵効率η=1−下流側濃度/上流側濃度×100(%)
・風速(風量):図には示していないが送風機を集塵装置の下流側に設けて濾材面風速6.52cm/s(15.2m/h)となるよう通風した。
・開口寸法(通風開口13):幅90mm×高さ50mmとした。
・濾材:ガラス繊維濾紙「H720A」(北越コーポレーション製)を山高さ30mm、ピッチ4.2mm(山数が12山)でプリーツ加工したものを用いた。平板の圧力損失は、面風速が5.3cm/sにおいて、13Paだった。なお、この濾材単体の集塵効率は6.52cm/sで20%だった。
・導電格子:ポリエステル繊維とガラス繊維の複合不織布「EHN40GC」(王子エフテックス製)をグラファイト系導電顔料「スーパーコロハイト」(日本黒鉛製)に含浸除液乾燥し、導電性を持たせた通気性シートを用いた。これを濾材3同様に、山高さ30mm、ピッチ4.2mm(山数が12山)でプリーツ加工した。なお、通気性シートの平板状態での圧力損失は、面風速5.3cm/sで0.8Paだった。集塵効率は6.52cm/sでほぼ0%だった。電気抵抗値は50mm間で10kΩ以下だった。
・針状電極:胴径0.7mm、針先曲半径約0.1mmの針先の尖った金属製針を針状電極として用いた。
・濾材と導電格子の構成:濾材を上流側とし、濾材の下流側、すなわち裏側全面に沿うように導電格子を貼り合わせた。
集塵装置A〜Fについて以下に説明する。
<実施例における各集塵装置の特徴>
集塵装置D(実施例):図1に示すように濾材の通風面6から上流側に20mm(所定の距離)離れた位置に針状電極を設けた。直流高圧電源11を用いて針状電極2に−6.99kV、導電格子4に0kVの電圧を印加して、導電格子4から針状電極2へ2μAの放電電流を流した。
集塵装置E(実施例):図3に示すように濾材の通風面6から上流側に20mm離れた位置に針状電極2を設けた。そして針状電極2から上流側に30mm(濾材の通風面6と針状電極2の距離の1.5倍)離れた位置に2本のイオン誘導電極27を設けた。2本のイオン誘導電極27の間隔を50mm(濾材の通風面6と針状電極2の距離の2.5倍)とした。直流高圧電源11を用いて針状電極2に−6.57kV、導電格子4およびイオン誘導電極27に0kVの電圧を印加して、導電格子4とイオン誘導電極27から針状電極2へ2μAの放電電流を流した。
集塵装置F(実施例):図4に示すように2つの針状電極2を濾材3の通風方向すなわち通風面に垂直に向くように設けた。また、濾材の通風面6から上流側に20mm離れて針先が位置するように針状電極2を設けた。2本の針状電極2の間隔を44mm(濾材の通風面6と針状電極2の距離の2倍)とした。直流高圧電源11を用いて針状電極2に−5.83kVと導電格子4に0kVの電圧を印加して、二つの針状電極2へ流れる放電電流の総和を2μAとした。すなわち、一つの針状電極2へ1μAの放電電流を流した。
<比較例における各集塵装置の特徴>
また、比較例として集塵装置A、集塵装置Bは、イオンを濾材3よりも上流側で発生、吸収させるものである。集塵装置Cは、従来技術を代表する集塵装置である。
集塵装置A(比較例):図5に示すように直径0.1μmのタングステン線からなる線状電極8と対向電極9で構成される荷電部10を濾材3の上流側に設けた。線状電極8は濾材の通風面6から上流側に20mm離れて位置している。荷電部10は長さ100mmの3本の線状電極8と、それぞれの線状電極8を挟むように設けた対向電極9によって構成される。直流高圧電源11を用いて線状電極8に−4.48kV、対向電極9と導電格子4に0kVの電圧を印加して、対向電極9と導電格子4から一つの線状電極8へ20μAの放電電流を流した。
集塵装置B(比較例):図6に示すように濾材の通風面6の上流側に向けられた針状電極2と対向電極9からなる荷電部10を濾材3の上流側に設けた。針状電極2の針先が濾材の通風面6から上流側に30mm(濾材の通風面6と針状電極2の距離の1.5倍)離れて位置している。荷電部10は濾材の通風面6に対して上流側に垂直に向けられた2本の針状電極2と、針状電極2の針先から20mm上流側に離れた位置に設けた対向電極9とで構成される。二つの針状電極2の左右の間隔を44mm(濾材の通風面6と針状電極2の距離の2倍)とした。直流高圧電源11を用いて針状電極2に−4.46kV、対向電極9と導電格子4に0kVの電圧を印加して、対向電極9と導電格子4から二つの針状電極2への総量が2μAの放電電流を流した。すなわち、一つの針状電極2へ1μAの放電電流を流した。
集塵装置C(比較例):図1に示すように濾材の通風面6から上流側に20mm離れた位置に針状電極2を設けた。直流高圧電源11を用いて針状電極2に−5.77kV、導電格子4に0kVの電圧を印加して、導電格子4から針状電極2へ1μAの放電電流を流した。(比較例):図1に示すように濾材の通風面6から上流側に20mm離れた位置に針状電極2を設けた。直流高圧電源11を用いて針状電極2に−5.77kV、導電格子4に0kVの電圧を印加して、導電格子4から針状電極2へ1μAの放電電流を流した。
<評価>
得られた集塵効率の結果を図7に示す。なお、図7では、図1、図3、図4、図5、図6の集塵装置に対応させて、幅90mm、高さ50mmの通風開口13を上流側から覗いた位置における集塵効率を示している。集塵効率の結果として、通風開口13を9つの領域に区切り、それぞれの領域内(位置)で集塵効率を示している。
本評価の集塵効率の高低の判断基準として、通風開口13、上20mmの領域であって水平方向へ3箇所の位置で集塵効率の平均値(図7での表示は上20mm平均)が85%以上、かつ全9箇所の集塵効率の平均値(図7での表示は全体平均)が90%以上を良しとした。
図7に示すように、比較例である集塵装置A、Bは全体的に集塵効率が低く、集塵効率の全体の平均値は集塵装置Aで64.6%、集塵装置Bで69.3%となり90%を大きく下回った。すなわちイオンを濾材3の上流側で発生させるだけでは高い集塵効率は得られず、高い集塵効率を得るためには濾材3に向かって放電し、濾材3を分極させる構造が必要であることがわかった。
また、比較例である集塵装置Cは針状電極の根元周辺の領域である上20mmの3箇所以外は高い集塵効率が得られたが、上20mmの3箇所の集塵効率の平均値は85%以下と基準値を下回った。針状電極2の根元は針先が向くのと反対側の方向に位置するため、イオンの拡散が弱いことがわかった。
実施例である集塵装置Dでは全体の集塵効率の平均値が92.5%、上20mmの3箇所の集塵効率の平均値が87.6%を示し、ともに基準値以上の高い集塵効率が得られた。集塵装置Cに比べ放電電流を増やすことでイオンの発生量および放射速度を上げ、領域全体にイオンを拡散できることがわかった。
実施例である集塵装置Eでは、全体の集塵効率の平均値が93.3%、上20mmの3箇所の集塵効率の平均値が91.6%を示し、集塵装置D以上の高くて均一な集塵効率が得られた。イオン誘導電極27を針状電極2の上流に設けることでイオンの量を減らすことなく領域全体にイオンを拡散できることがわかった。
実施例である集塵装置Fでは、全体の集塵効率の平均値が93.8%、上20mmの3箇所の集塵効率の平均値が92.8%を示し、全領域において高くて均一な集塵効率が得られた。二つの針状電極2を濾材の通風面6に向けること、かつ針状電極2の針先と濾材の通風面6との距離をある程度取ることで領域全体にイオンを拡散できることがわかった。
高い集塵効率を得るには針状電極の針先で放電を起こす必要があるが、目安として針状電極の一つについて少なくとも0.1μAの放電電流が必要である。また、放電電流が大きくなるとイオンの量が増えて集塵効率が高くなるが、放電の伴い発生するオゾンの量も多くなる。集塵装置に流す風量にもよるが、今回のように15.2m/h(開口に対して一般的な範囲の風速である0.93m/s)で針状電極にマイナスの高電圧を印加して10μAの放電電流を流すとオゾン濃度はおよそ7〜10ppbになる。これ以上の濃度になるとオゾン除去手段が集塵装置の後段に必要になってくる。放電電流をこれ以上増やしても集塵効率が大幅に上がらないにも関わらずオゾン濃度は線形的に増えるため、放電電流は一つの針状電極の針先について10μA未満とすることが望ましい。
本開示にかかる集塵装置は圧力損失の低い濾材を用いながら、高い集塵効率を得ることができる。そのため室内で空気を循環したり、または室外の空気を室内に入れたりする時に空気中の粉塵を除去する空気浄化装置として有用である。
1 集塵装置
2 針状電極
3 濾材
4 導電格子
5 ケース
6 濾材の通風面
8 線状電極
9 対向電極
10 荷電部
11 直流高圧電源
12 通風方向
13 通風開口
20 集塵装置
27 イオン誘導電極
30 集塵装置

Claims (3)

  1. 気流の上流側から順に針状電極とプリーツ状に折られた濾材と、濾材の下流側全面に設けた導電格子とを備え、濾材の通風面は前記気流を遮るように配置し、前記針状電極の本体を気流の流れる方向に垂直に配置し、前記針状電極と前記濾材の通風面との距離を所定の距離とした集塵装置において、
    前記導電格子に対して前記針状電極にマイナスの電圧を印加して、前記導電格子と前記針状電極間の放電電流を一つの針状電極について1μAより大きく10μAより小さい範囲で流す直流電源を備えた集塵装置。
  2. 気流の上流側から順に針状電極とプリーツ状に折られた濾材と、濾材の下流側全面に設けた導電格子とを備え、濾材の通風面は前記気流を遮るように配置し、前記針状電極の本体を気流の流れる方向に垂直に配置し、前記針状電極と前記濾材の通風面との距離を所定の距離とした集塵装置において、
    前記導電格子と同電位にした二本のイオン誘電電極を備え、前記イオン誘電電極は、前記針状電極の上流側に前記所定の距離に対して1.5倍の位置において、前記所定の距離の2.5倍の間隔を離して併設し、前記導電格子と前記イオン誘電電極に対して前記針状電極にマイナスの電圧を印加して、前記導電格子と前記イオン誘電電極から前記針状電極へ流入する放電電流を一つの針状電極について0.1μA以上で10μAより小さい範囲で流す直流高圧電源を備えた集塵装置。
  3. 気流の上流側から順に針状電極とプリーツ状に折られた濾材と、濾材の下流側全面に設けた導電格子とを備え、濾材の通風面は前記気流を遮るように配置し、前記針状電極の本体を気流の流れる方向に垂直に配置し、前記針状電極と前記濾材の通風面との距離を所定の距離とした集塵装置において、
    前記針状電極は通風方向に本体を向けて二本配置し、該針状電極の間隔は、前記所定の距離の2倍とし、前記導電格子に対して前記針状電極にマイナスの電圧を印加して、前記導電格子と前記針状電極間の放電電流を一つの針状電極について0.1μA以上で10μAより小さい範囲で流す直流高圧電源を備えた集塵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114160309A (zh) * 2021-11-25 2022-03-11 中山尚诚环保科技有限公司 一种柔性静电片主体制造方法及其柔性静电片主体以及过滤器
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