以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2等に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられている。演出ボタン125は、遊技者の演出ボタン125の操作を各種演出等に反映させることで、遊技者の興趣を向上させる目的で設けられたものであり、具体的には、演出ボタン125の操作に応じて、後述する装飾図柄表示装置42の表示内容を変更したり、対応する音声を流したりする等の何らかの変化を生じさせる制御が行われる。
下皿15の右方には、手前側に突出した操作手段としての遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、詳しくは後述するタッチセンサ451や、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための可変抵抗器445が設けられている(図8等参照)。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。尚、本実施形態では、下皿15やハンドル18が前面枠セット14に設けられているが、前面枠セット14を、下皿15やハンドル18が設けられる部位とそれ以外の部位とに分け、それぞれ独立して開閉可能に構成してもよい。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット(始動口)33、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、始動入賞ユニット33への入球があった場合には3個、一般入賞口31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
始動入賞ユニット33は、始動入球手段としての上入賞口33a(第1始動入球手段)及び下入賞口33b(第2始動入球手段)と、下入賞口33bの両側部に設けられた開閉する一対の開閉部材33cを備えている。上入賞口33aは、遊技球が常時入球可能となっているのに対し、下入賞口33bは、開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不可能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。尚、詳しくは後述するが、始動入賞ユニット33は、上入賞口33a、下入賞口33bに入球した遊技球をそれぞれ検知する条件成立検出手段(入球検知手段)としての第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bを備えており、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合に、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43L、43R(及び後述する装飾図柄表示装置42)にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態(特別遊技状態)が付与される。
本実施形態では、大当たり状態の種別として、「確変大当たり」、「通常大当たり」、及び「特殊確変」がある。「確変大当たり」及び「通常大当たり」の大当たり状態においては、可変入賞装置32が30秒間開放状態とされる、又は、可変入賞装置32に8個の遊技球が入賞することを1ラウンドとして、これが15回繰り返される。一方、「特殊確変」の大当たり状態においては、可変入賞装置32が0.4秒間開放状態とされることを1ラウンドとして、これが2回繰り返される。すなわち、「確変大当たり」及び「通常大当たり」の大当たり状態は、遊技球の大幅な増加が望めるのであるが、「特殊確変」の大当たり状態は、大当たり状態中に獲得可能な遊技球の数が著しく少ない(遊技球の増加がほぼ望めない)ものとなる。
さらに、「確変大当たり」又は「特殊確変」が発生した場合には、大当たり状態の終了後に高確率状態(確変モード)が付与される。一方、「通常大当たり」が発生した場合、大当たり状態の終了後に低確率状態(時間短縮モード、通常モード)が付与される。
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、遊技球が上入賞口33aに入球した場合と、下入賞口33bに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり状態の種別の振分けが異なるようになっている。上入賞口33aへの遊技球の入球を契機とする当否抽選に当選した場合には、「確変大当たり」、「通常大当たり」、及び「特殊確変」のいずれかに振分けられ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機とする当否抽選に当選した場合には、「確変大当たり」、及び「通常大当たり」のどちらかに振分けられることとなる。
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、7セグメント表示装置により構成され、可変入賞装置32の右方に設置されている。そして、始動入賞ユニット33の上入賞口33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて切替表示(変動表示)が行われ、下入賞口33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御手段としての主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの表示態様(例えば、文字)により、大当たりか否かが確定的に表示される。例えば、上入賞口33aに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて、「−」→「7」→「3」→「2」→「−」→・・・という具合に高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)がなされ、所定時間が経過すると、いずれかの表示態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、大当たり抽選に当選した場合には、「7」、「3」、「2」のいずれかが変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
具体的に、「確変大当たり」が付与される場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「7」が停止表示され、「通常大当たり」が付与される場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「3」が停止表示され、「特殊確変」が付与される場合には第1特別表示装置43Lにおいて「2」が停止表示される(第2特別表示装置43Rにおいては「2」は表示されない)。
また、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上入賞口33aに入賞した遊技球、及び下入賞口33bに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。また、その保留回数が第1保留ランプ46a、第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
尚、基本的に、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が上入賞口33aへ入球した順に記憶されるとともに入球した順に消化され、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が下入賞口33bへ入球した順に記憶されるとともに入球した順に消化される。但し、上入賞口33aへの入賞を契機とする変動表示、及び、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示の両方が保留されている場合(第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が優先的に消化される。すなわち、下入賞口33bへの入賞を契機とする変動表示が全て消化された状態でなければ、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、下入賞口33bに遊技球が入球し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が後回しにされ、先に下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が行われることとなる。以下、説明の便宜上、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示を「第1変動表示」とも称し、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示を「第2変動表示」とも称する。
また、スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、始動入賞ユニット33を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて変動表示が行われる構成となっている。そして、開放抽選にて当選した場合には、始動入賞ユニット33(開閉部材33c)が規定時間だけ開状態とされる。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。さらに、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42にて行われている変動表示が上入賞口33a及び下入賞口33bのうちどちらの入球に対応するものであるかを示す変動特定ランプ40と、上記第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bと、保留ランプ44とが設けられている。尚、本実施形態では、特別表示装置43L、43R、変動特定ランプ40、及び装飾図柄表示装置42が可変表示装置を構成する。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、始動入賞ユニット33が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御手段としてのサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たりが確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
尚、リーチ状態が発生しても、大当たり状態が発生しない場合には、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された図柄とは異なる図柄が中図柄表示領域において停止表示される。また、「確変大当たり」又は「通常大当たり」となる場合には、上記のように装飾図柄表示装置42においてゾロ目の数字が停止表示されるのではあるが、「特殊確変」となる場合には、ゾロ目ではなく、予め定められた特定の数字の組み合わせ(以下、チャンス図柄と称する)が停止表示される(例えば、上・中・下図柄表示領域において、「3」・「4」・「1」が停止表示される)。
加えて、変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、装飾図柄表示装置42において、上入賞口33aへの入球を契機とする変動表示が行われている場合には青色に発光し、下入賞口33bへの入球を契機とする変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、始動入賞ユニット33(上入賞口33a)の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で始動入賞ユニット33(上入賞口33a)に入球するようになっている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、入球手段としての一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、始動入賞ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1始動入賞スイッチ224a(第1条件成立検出手段)、第2始動入賞スイッチ224b(第2条件成立検出手段)が設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御手段としての主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、始動入賞ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入球を検出する始動入賞スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く)。
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、始動入賞ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。例えば、現在の遊技状態(大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、本実施形態において特徴的構成を備えてなる操作手段としてのハンドル18について、図7〜図17を参照して説明する。
ハンドル18は、前面枠セット14に固定されたハンドル基部401と、ハンドル基部401に対して回動可能に組付けられた操作部としての回転操作体402と、回転操作体402の前面側においてハンドル基部401に固定された略半球状のカバー403と、回転操作体402に固定された第1のギヤ体466と、変位量検出手段としての可変抵抗器445と、第1のギヤ体466と可変抵抗器445とを連動させる第2のギヤ体448と、タッチ検出手段としてのタッチセンサ451とを備えている。さらに、回転操作体402に取付けられる操作金具405と、回転操作体402をアースさせるためのアース金具406及び中継金具407と、回転操作体402を反時計回り方向に付勢するゼンマイばね475と、遊技球の発射を停止させるためのストップスイッチ455と、ストップスイッチ455の操作に用いられるストップレバー458とを備えている。加えて、第2のギヤ体448と噛み合う第3のギヤ体408と、回転操作体402の回動操作時に第3のギヤ体408を反時計回り方向に付勢する付勢ばね482とを備えている。
(ハンドル基部401)
図8、図11、図12等に示すように、ハンドル基部401は、全体として略円筒状をなしており、後側に位置する小径部411と前側に位置する大径部412とが隔壁部413により隔てられている。大径部412には、部分的に切り欠かれることで形成されてなる第1切欠き部414a(図11で左下の部位)が設けられている。また、隔壁部413の中心には、円筒状の中央ボス415(図13参照)が一体形成されている。
さらに、隔壁部413には、円筒状の第1、第2及び第3の取付用ボス417、418、419が前方に突出形成されている。第1及び第2の取付用ボス417、418は、互いに近接する位置に形成されており、第1の取付用ボス417と第2の取付用ボス418との間には、隔壁部413から前方に突出する円柱状のばね掛け突起421が形成されている。ばね掛け突起421には、ばね掛け突起421の前面中央部を通るようにしてハンドル基部401の遠心方向に沿って延びる引っ掛け溝422が形成されている。また、第3の取付用ボス419は、中央ボス415を挟んでばね掛け突起421とは反対側の位置に形成されている。
加えて、隔壁部413からは、第3の取付用ボス419の近傍位置(上方)において、ストップレバー458を軸支するための支軸423が前方に突出形成されている。さらに、隔壁部413には、各種配線等を後側へ導くための図示しない挿通孔が形成されている。尚、ハンドル基部401は絶縁体(ABS等)で構成されている。
(回転操作体402)
回転操作体402は、円環状のリング部431と、リング部431の外周において突出形成された複数の指掛け凸部432と、リング部431の中心に位置するセンター取付部433と、センター取付部433から相反する2方向に延び、端部がリング部431にそれぞれ連結されてなる連結部434a、434bとを備えている。
リング部431の後面側には、ハンドル基部401の大径部412が挿入可能な後面側環状溝430a(図12参照)が形成され、リング部431の前面側には、カバー403の後端縁(後述するガイドリブ441a、441b)が挿入可能な前面側環状溝430b(図11参照)が形成されている。
尚、指掛け凸部432は、遊技者が指を引っ掛けて回転操作体402を把持・回動操作を行いやすくするためのものである。本実施形態の指掛け凸部432は、主として(右手の)親指が掛けられる第1指掛け凸部432aと、主として人指し指が掛けられる第2指掛け凸部432bと、主として中指が掛けられる第3指掛け凸部432cとからなる。また、本実施形態では、遊技球を発射させる際に、回転操作体402を正面視で時計回り方向に回動させるよう構成されているため、当該回動操作に際して遊技者の指に押圧される各指掛け凸部432の反時計回り方向側の面(操作面SH)は、ハンドル18の遠心方向に沿って延びている(リング部431の外周面に対してほぼ垂直に延びている)。さらに、各指掛け凸部432は後方に開口した形状をなしている(図12参照)。尚、回転操作体402を基準位置に戻すときには、遊技者が回転操作体402を反時計回り方向に回動させなくても、ゼンマイばね475の付勢力によって戻るため、指掛け凸部432の時計回り方向側の面は緩斜面となっている。
センター取付部433は、円盤状のベース板435と、ベース板435の外周縁から後方に延出する周壁部436と、周壁部436の内周側においてベース板435から後方に突出成形された第1のギヤ体用ボス437及び接続ボス485とを備えている。また、ベース板435の中央部には前後に貫通する円形の中央開口部486が形成され、中央開口部486を囲うようにして、ベース板435から前方に突出する略円筒状の囲い壁部487が設けられている。囲い壁部487の内径は、中央開口部486の直径よりも大きくなっている。さらに、囲い壁部487には、ばね掛けスリット488が形成されている。本実施形態では、第1のギヤ体用ボス437は2箇所に形成され、それぞれ後側に向かって開口形成されるとともに内周に雌ねじ部を有している。また、接続ボス485は、中央開口部486の左側(背面視では右側)に形成され、後側に向かって開口形成されるとともに内周に雌ねじ部を有している。加えて、接続ボス485は、第1のギヤ体用ボス437よりも大きく後方に突出している。
加えて、本実施形態では、回転操作体402の後面側において、正面視で左側の連結部434aから後方に突出する導電リブ428及び押圧部427が設けられている。押圧部427は導電リブ428よりも回転操作体402の外周側に設けられている。本実施形態では、導電リブ428がアース接触手段を構成する。
かかる構成下、センター取付部433の外周面と、連結部434a、434bの両側面と、リング部431の内周面とによって略円弧状をなす第1開口部439A(図11、図12では下側)及び第2開口部439B(図11、図12では上側)が形成されている。本実施形態では、ハンドル18の組付け状態において、第2開口部439Bに対して第1及び第2の取付用ボス417、418が挿通され、第1開口部439Aに対して第3の取付用ボス419が挿通された状態となる。第2開口部439Bは、回転操作体402の回動方向において、第1開口部439Aよりも形成幅が大きく、本実施形態では、第2の取付用ボス418と正面視右側(第3指掛け凸部432c側)の連結部434bとが当接した場合、第3の取付用ボス419と正面視左側(第1指掛け凸部432a側)の連結部434aとが当接し、第1の取付用ボス417と正面視左側の連結部434aとが当接した場合、第3の取付用ボス419と正面視右側の連結部434bとが当接するようになっている。また、ハンドル18の組付け状態においては、各取付用ボス417、418、419の前端縁と、開口部439A、439Bの周縁部(ベース板435の前面、連結部434a、434bの前縁部等)とが略面一となる。
また、本実施形態では、回転操作体402は、静電気拡散性を有する静電気拡散性材料としての導電性樹脂材料(表面抵抗率が105〜109Ω/sq)により構成されている。つまり、回転操作体402は、基本的に、静電気が帯電している物体に接触された場合に静電気放電(ESD)を起こすことなく、かつ、物体に帯電している静電気を比較的速やかに逃がすことのできる程度の導電性を有している。
さらに、回転操作体402の裏面(裏側から見える範囲)及び指掛け凸部432の操作面SH(図で散点模様を付した箇所)には、導電性を有する金属製のメッキ層が形成されている。但し、操作面SHのうち、指掛け凸部432の先端部側、及び前側の部位には、金属メッキ層が形成されていない。また、回転操作体402の金属メッキ層は一続きに形成されており、回転操作体402の裏面に形成された金属メッキ層と指掛け凸部432の操作面SHに形成された金属メッキ層とが繋がっている(電気的に接続されている)。本実施形態では、回転操作体402のうち、導電性樹脂材料で構成された部位(導電性樹脂材料が表面に露出している部位)が静電気誘導部を構成し、金属メッキ層がタッチ部を構成する。尚、上記接続ボス485や導電リブ428の表面にも、指掛け凸部432に形成された金属メッキ層と一続きに金属メッキ層が形成されている。
(カバー403)
カバー403は、前カバー403aと、前カバー403aの内側に挿入される後カバー403bと、前カバー403aと後カバー403bとを固定する組付けパーツ403cとを備えている。前カバー403aは有色透明の樹脂により構成され、後カバー403b及び組付けパーツ403cには前カバー403aを介して視認される部位にメッキ加工が施されている。尚、カバー403は絶縁体(ABS等)で構成されている。
前カバー403aは、略半球状をなす前カバー本体440aと、前カバー本体440aの後縁部よりも若干内周側において前カバー本体440aから後方に延出し、前記回転操作体402の前面側環状溝430bに挿入されるガイドリブ441aとを備えている。また、ガイドリブ441aには、後方に開口する嵌合凹部490と、ガイドリブ441aの外周方向において貫通する係止孔491とが形成されている。
後カバー403bは、略半球状をなす後カバー本体440bと、後カバー本体440bの後縁部から後方に延出し、前記回転操作体402の前面側環状溝430bに挿入されるガイドリブ441bと、前記ハンドル基部401の第1〜第3の取付用ボス417〜419に相対向するようにして、後カバー本体440bから後方に突出成形され、内周に雌ねじ部を有するカバーボス442、443、444とを備えている。当該後カバー403bは前カバー403aよりも一回り小さく形成されており、前カバー403aの内側に収容可能に構成されている。また、ガイドリブ441bには、前カバー403aの嵌合凹部490に対応してガイドリブ441の外周面から突出する嵌合凸部493と、前カバー403aの係止孔491に対応して、後方に開口する係止凹部494とが形成されている。さらに、後カバー本体440bの後面側には、係止凹部494に近接した位置において、後方に突出する組付けボス495と、組付け突起496とが形成されている。
組付けパーツ403cは、後カバー403bに固定されるパーツ本体497と、パーツ本体497から突出する係止凸部498とを備えている。また、パーツ本体497には、組付けボス495と位置合わせされてねじ固定される組付け孔499と、組付け突起496が挿入される位置決め孔500とが形成されている。そして、嵌合凹部490に嵌合凸部493を挿入させるようにして後カバー403bを前カバー403aの内側に挿入し、係止凹部494と位置合わせされた係止孔491に組付けパーツ403cの係止凸部498を挿入するとともに、組付け突起496を位置決め孔500に挿入し、後カバー403bと組付けパーツ403cとを組付けボス495及び組付け孔499においてねじ止めすることで固定する。これにより、前カバー403aと後カバー403bとが固定される。
さらに、上記のように組付けられたカバー403は、カバーボス442、443、443が、回転操作体402の開口部439A,439Bに挿通された第1〜第3の取付用ボス417、418、419と位置合わせされた後(カバーボス442、443、444の後端部を取付用ボス417、418、419に挿入した後)、ハンドル基部401(隔壁部413)の後面側から両者がねじで固定されることで、ハンドル基部401に固定されている。
尚、回転操作体402の前面側に形成された前面側環状溝430bにガイドリブ441a、441bを挿通させるようにして、カバー403をハンドル基部401に固定する(ハンドル基部401の第1〜第3の取付用ボス417〜419と、カバー403のカバーボス442〜444とをねじ固定する)ことで、回転操作体402が、カバー403とハンドル基部401(大径部412)とに挟まれるようにして、ハンドル基部401に対し回転可能に取付けられることとなる。
(タッチセンサ451、タッチ金具452)
タッチセンサ451は、例えば静電容量の変化に基づき、人手が触れたことを検知することができるものである。タッチセンサ451は、金属製のタッチ金具452を備えている。また、本実施形態のタッチセンサ451は、隔壁部413の後面側に取付けられ、タッチ金具452は、第3の取付用ボス419と中央ボス415との間付近において、隔壁部413に形成された図示しない挿通孔を介して、隔壁部413よりも前方に延出している(図13参照)。また、タッチ金具452の先端部は直角に折り曲げられるとともに、当該折り曲げられた部位には、前方に突出する接触凸部453が形成されている。本実施形態では、タッチセンサ451がタッチ検出手段を構成し、タッチ金具452がタッチ接続手段を構成する。
(第1のギヤ体466)
第1のギヤ体466は、円板状のベース部467と、ベース部467の外周縁よりも内周側の位置においてベース部467から後方へ突出する略円柱状の段壁部468と、段壁部468の外周縁よりも内周側の位置において段壁部468から後方へ突出する円筒状の組付用ボス469と、ベース部467の中央部から前方へ突出する円筒状の支持突起471とを備えている。段壁部468の外周には外歯472が設けられている。また、ベース部467には、回転操作体402のセンター取付部433に設けられた2箇所の第1のギヤ体用ボス437に相対するようにして透孔470が形成されている。そして、支持突起471を前記回転操作体402のセンター取付部433の中央開口部486に挿通させるようにして、センター取付部433の周壁部436の内周側にベース部467を挿入し、透孔470と第1のギヤ体用ボス437の雌ねじ部とを位置合わせした状態でねじ止めすることで、第1のギヤ体466が回転操作体402に固定されている。当該第1のギヤ体466の回転操作体402への固定状態においては、支持突起471が、センター取付部433の中央開口部486を介して、センター取付部433の前方に突出している。
さらに、組付用ボス469を前記ハンドル基部401の中央ボス415に内挿させることで、ハンドル基部401に回転操作体402が組付けられている(図13等参照)。これにより、組付用ボス469の中央ボス415に対する位置ずれが防止され、ハンドル基部401に対する回転操作体402の相対回動を比較的スムースに行うことができる。
また、第1のギヤ体466は、ベース部467において、上記回転操作体402のセンター取付部433に形成された接続ボス485を挿入可能な導通孔473が形成されているとともに、導通孔473の近傍において、ベース部467から後方に突出する位置決め突起474が設けられている。上記のように、第1のギヤ体466が回転操作体に取付けられると、回転操作体402の接続ボス485が第1のギヤ体466の導通孔473に挿入された状態とされる。この状態では、第1のギヤ体466のベース部467の後面と、接続ボス485の後端面とが略面一となる。尚、第1のギヤ体466は、絶縁体(ABS等)で構成されている。
(可変抵抗器445)
可変抵抗器445は、抵抗器本体446と、抵抗器本体446から突出する回転軸447とを有している。そして、ハンドル基部401の隔壁部413に形成された連通孔426(図9参照)に対して回転軸447を挿通させるようにして、抵抗器本体446が隔壁部413の後面側に取付けられている。尚、図9では、可変抵抗器445、第2のギヤ体448の図示を省略している。また、回転軸447は、断面非円形状(略D字状)をなし、抵抗器本体446に対し360゜自由回転可能となっている。抵抗器本体446は、前記回転軸447の回転角度に応じて抵抗値を可変とし、その抵抗値に関する信号を出力可能となっている。
(第2のギヤ体448)
可変抵抗器445の回転軸447には、第2のギヤ体448が挿通状態で嵌合されている。第2のギヤ体448の外周には外歯449が形成されている。また、ハンドル基部401に対し回転操作体402が組み付けられた場合には、第1のギヤ体466の外歯472と前記第2のギヤ体448の外歯449とが噛合するようになっている。このため、回転操作体402が時計回り方向に回動操作された場合には、第1のギヤ体466が時計回り方向に回動することに伴って、第2のギヤ体448が反時計回り方向に回動する。また、回転操作体402が反時計回り方向に回動した場合には、第1のギヤ体466が反時計回り方向に回動することに伴って、第2のギヤ体448が時計回り方向に回動する。
(ゼンマイばね475)
付勢手段としてのゼンマイばね475は、図11に示すように、コイル状に巻回されたコイル部476と、コイル部476の両端から外方に向けて延びるフック部477、478とを備えている。コイル部476は、回転操作体402の前面側において、センター取付部433の中央開口部486を介して前方に突出した第1のギヤ体466の支持突起471を内側に挿通させるようにして、支持突起471と回転操作体402の囲い壁部487との間に形成された収容溝に設置されている。そして、一方のフック部477が、回転操作体402の囲い壁部487のばね掛けスリット488に係止され、他方のフック部478が、第2開口部439Bを介して回転操作体402の前方に突出したハンドル基部401のばね掛け突起421の引っ掛け溝422に係止されている。これにより、回転操作体402は、ゼンマイばね475の付勢力によって(正面視で)反時計回り方向に付勢されている。
また、ゼンマイばね475の付勢力により、反時計回り方向に回動応力を受ける回転操作体402は、図14(a)等に示すように、非操作状態において、一方(正面視で右側)の連結部434bが第2の取付用ボス418に当接するとともに、他方(正面視で左側)の連結部434aが第3の取付用ボス419に当接することで、回転操作体402のそれ以上の反時計回り方向への回動が規制される。尚、このときの回転操作体402の位置が基準位置である。また、このときの第2のギヤ体448(回転軸447)の相対回動位置が、回動操作量ゼロの基準状態となり、この状態における可変抵抗器445の抵抗器本体446の抵抗値が、回動操作量ゼロに対応した値となる。
一方、遊技者がゼンマイばね475の付勢力に抗して回転操作体402を時計回り方向へと回動操作させると、回転操作体402のセンター取付部433に取付けられた第1のギヤ体466も時計回り方向へと回動する。第1のギヤ体466の外歯472には、第2のギヤ体448の外歯449が噛合しているので、第1のギヤ体466の回動に伴い、第2のギヤ体448は反時計方向へと回動する。第2のギヤ体448が回動すると、回転軸447も回動することとなり、可変抵抗器445の抵抗器本体446は、回転軸447の回転角度に応じた抵抗値をとることとなり、その抵抗値に関する信号が出力される。
(操作金具405)
第1のギヤ体466のベース部467の後面側には、全体として略C字状をなす操作金具405が、第1のギヤ体466の段壁部468の左下側(背面視では右下側)約180度程度の範囲を囲むようにして設けられている。つまり、操作金具405は、回転操作体402の変位方向に沿って延在するようにして設けられている。操作金具405は、ベース部467の後面に固定される固定部701と、固定部701の反時計回り方向側(背面視では時計回り方向側)の端縁から反時計回り方向側に向けて斜め後方に延出する段部704と、段部704の反時計回り方向側の端縁から反時計回り方向側に向けて固定部701とほぼ平行に延出する接触辺部705とを備え、1枚の板金を折り曲げることで形成されている。
固定部701には、第1のギヤ体466の位置決め突起474が挿通される合わせ孔702と、第1のギヤ体466の導通孔473に挿入された回転操作体402の接続ボス485と位置合わせされ、ねじ固定される接続孔703とが形成されている。また、上記のように、第1のギヤ体466は絶縁体で構成されているが、接続ボス485の表面(雌ねじの内周側を含む)には、指掛け凸部432の操作面SH等に形成された金属メッキ層と一続きに金属メッキ層が形成されている。そして、接続ボス485と、操作金具405とが当接状態で金属のねじによって固定されることで、回転操作体402と操作金具405とが電気的に接続されている。
また、本実施形態では、ハンドル基部401に取付けられたタッチセンサ451のタッチ金具452の接触凸部453と、回転操作体402に固定された操作金具405とが前後に当接可能となっている。タッチ金具452と操作金具405とが当接することにより、操作金具405を介して、回転操作体402(金属メッキ層)と、タッチセンサ451とが電気的に接続され、タッチセンサ451により回転操作体402に対して遊技者の手が触れたことを検知可能に構成されている。
但し、本実施形態では、図16(a)、図17(a)に示すように、回転操作体402が基準位置にある場合(非操作状態にあり、ゼンマイばね475の付勢力によって基準位置で保持されている場合)、タッチ金具452の接触凸部453は操作金具405の段部704の側方に位置しており、タッチ金具452と操作金具405とは離間している。すなわち、回転操作体402とタッチセンサ451とが電気的に絶縁されている。一方、図16(b)、図17(b)に示すように、回転操作体402が回動操作されることで、タッチ金具452の接触凸部453が、段部704及び接触辺部705において操作金具405と当接するように構成されている。本実施形態では、操作金具405がタッチ接触手段を構成する。
さらに、操作金具405は段部704を有して前後に撓み得る板バネ状をなしていることから、回転操作体402を回動させた場合、タッチ金具452の接触凸部453が接触辺部705に圧接して接触辺部705を若干撓ませつつ、接触辺部705と摺接するようになっている。従って、回転操作体402を回動操作した場合にタッチ金具452と操作金具405とを確実に接触させることができる。加えて、固定部701、段部704、及び接触辺部705の段部704側の部位は、接触辺部705の先端側の部位よりも幅広に構成され、これにより、固定状態の安定化、弾性力の確保等が図られている。尚、接触凸部453の存在により、摺接に際しての摩擦力を低減させることができ、回転操作体402の操作性の低下を抑制することができる。
(アース金具406)
隔壁部413の前面側には、中央ボス415と第3の取付用ボス419との間、すなわち、隔壁部413を貫通して前方に突出するタッチ金具452の近傍部位においてアース金具406が設けられている。アース金具406は、隔壁部413の前面に当接状態で固定される取着部711と、取着部711から前方に延出する延出部713と、延出部713の側辺部の前側の部位から延出部713と略直交して延出する接触片714とを備え、1枚の板金を折り曲げることで形成されている。取着部711には、前後に貫通する取着孔712が形成されている。尚、当該アース金具406と、上記タッチ金具452とは離間しており、電気的に絶縁されている。
(中継金具407)
また、隔壁部413の前面側には、アース金具406と一部重複するようにして中継金具407が設けられている。中継金具407は、アース金具406の固定部701と当接状態で隔壁部413にねじ固定されるねじ留め部721と、ねじ留め部721の側方から後方に延出するリード部723とを備え、金属で一体的に形成されている。ねじ留め部721には前後に貫通する留孔722が形成されており、アース金具406の取着部711の取着孔712とともに、隔壁部413に形成された図示しないねじ孔と位置合わせされ、隔壁部413との間にアース金具406の取着部711を挟み込んだ状態で隔壁部413に対して金属製のねじで固定されている。これにより、アース金具406と中継金具407とが電気的に接続されている。
さらに、リード部723は、隔壁部413に形成された図示しない挿通孔を介して隔壁部413の後方にまで延出しており、図示しない配線を介して、前面枠セット14の後面側に設けられ、電気的に接地されている補強用板金28(図3参照)と電気的に接続されている。これにより、アース金具406が、中継金具407等を介して電気的に接地(アース)されている。本実施形態では、アース金具406及び中継金具407がアース接続手段を構成する。
また、本実施形態では、回転操作体402(連結部434a)の後面側に設けられた導電リブ428と、アース金具406の接触片714とが回転操作体402の回動方向において当接可能となっている。導電リブ428とアース金具406とが当接することにより、アース金具406、中継金具407等を介して、回転操作体402が電気的に接地(アース)される。
本実施形態では、図14(a)、図15(a)に示すように、回転操作体402が基準位置にある場合に(非操作状態にあり、ゼンマイばね475の付勢力によって基準位置で保持されている場合に)、回転操作体402の導電リブ428(図15では導電リブ428に散点模様を付している)と、アース金具406の接触片714とが当接するようになっている。一方、図14(b)、図15(b)に示すように、回転操作体402が回動操作されることで、導電リブ428と接触片714とが離間するように構成されている。すなわち、回転操作体402が基準位置から時計回り方向に回動されることで、回転操作体402とアース金具406とが電気的に絶縁されることとなる。
加えて、アース金具406の接触片714は板バネ状をなしていることから、回転操作体402が非操作状態にあり、ゼンマイばね475の付勢力によって回転操作体402が基準位置に保持されている状態においては、回転操作体402の導電リブ428が接触片714を若干撓ませつつ当該接触片714と圧接することとなる。従って、導電リブ428と接触片714とを確実に当接させることができる。
尚、中継金具407及びアース金具406は、回転操作体402を回動させてもさせなくても操作金具405とは接触しない位置に設けられている。また、回転操作体402の導電リブ428は、回転操作体402を回動させてもさせなくても、タッチ金具452とは接触しない位置に設けられている。
(第3のギヤ体448)
図11、図14等に示すように、第2のギヤ体448の側方には、第3のギヤ体408が隔壁部413に対して回動可能に設けられている。第3のギヤ体408の外周面には外歯481が形成されている。尚、ハンドル基部401に対し回転操作体402が組み付けられた場合には、第2のギヤ体448の外歯449と第3のギヤ体408の外歯481とが噛合するようになっている。
(付勢ばね482)
回転操作体402の回動操作時に第3のギヤ体408を反時計回り方向側へと付勢するためのゼンマイばね(付勢ばね482)は、一端が第3のギヤ体408に形成された凹部に係止されるとともに、他端が隔壁部413から前方に突設されたばね突起483に係止されている。これにより、第3のギヤ体408を介して、第2のギヤ体448が時計回り方向に付勢される。従って、回転操作体402の回動操作時に第2のギヤ体448と第1のギヤ体466とが確実に圧接することとなり、第2のギヤ体448のがたつき等が抑制され、可変抵抗器445によって回転操作体402の回動量をより正確に検出することができる。
(ストップスイッチ455)
図13等に示すように、ストップスイッチ455は、舌片状の押圧操作部456と、図示しない突出部とを備え、前記大径部412内(中央ボス415の上側)において隔壁部413に対しねじ固定されている。突出部は、ストップスイッチ455に内蔵されたばねの付勢力によって常には突出状態に維持されており、これにより、押圧操作部456が突出方向へと押し出された状態となっている。一方、押圧操作部456が押された場合には、突出部が付勢力に抗して没入することとなる。
(ストップレバー458)
図13等に示すように、ストップレバー458は、ハンドル基部401の隔壁部413から前方に突出形成された支軸423に軸支される軸孔464を有するレバー本体部459と、レバー本体部459からハンドル18の外周側に延出し、大径部412の第1切欠き部414aを介して大径部412よりも外側に突出する操作部461と、ストップスイッチ455の押圧操作部456と当接可能な押圧作用部462とを備えている。そして、操作部461がハンドル18内周側に押圧操作されると、ストップレバー458は支軸423を中心に回動し、押圧作用部462によって押圧操作部456の先端が押圧される。押圧操作部456が押されることでストップスイッチ455の突出部が没入し、これによりストップスイッチ455によってストップレバー458の押圧操作が検出される。
また、ストップレバー458には、レバー本体部459から前方に突出する引っ掛け部460が設けられている。回転操作体402の非操作状態においては、ゼンマイばね475によって常に反時計回り方向に付勢される回転操作体402の後面側に形成された押圧部427(図12参照)と当該引っ掛け部460とが圧接するとともに、これに伴って押圧作用部462と押圧操作部456とが圧接し、ストップスイッチ455の突出部が没入させられこととなる。つまり、回転操作体402が基準位置にある場合には、(遊技者がタッチリング404に手を触れても)遊技球が発射されないようになっている。
尚、本実施形態では、上記のように回転操作体402が基準位置にある場合には、操作金具405とタッチ金具452とが離間しており、回転操作体402とタッチセンサ451とが電気的に絶縁されている。このため、ストップレバー458の引っ掛け部460及び回転操作体402の押圧部427を省略しても、回転操作体402が基準位置にある場合には、遊技者がハンドル18(回転操作体402)に手を触れても、遊技球が発射されないようにすることができる。この場合、構成の簡素化を図ることができる。
次に、上記のように構成されてなるハンドル18の組み付けの手順について説明する。
先ず、回転操作体402のセンター取付部433に対し、第1のギヤ体466が取付けられるとともに、第1のギヤ体466に対し、操作金具405が取付けられる。また、ハンドル基部401に対して、タッチセンサ451、可変抵抗器445、第2のギヤ体448、第3のギヤ体408、アース金具406、中継金具407、ストップスイッチ455、ストップレバー458等が所定位置に配置される。
より具体的には、タッチセンサ451は、隔壁部413の後面側に取付けられ、タッチ金具452が隔壁部413の前方に突出される。可変抵抗器445は、隔壁部413の後面側に取付けられ、回転軸447が隔壁部413の前方に突出される。また、隔壁部413の前方に突出した回転軸447に対して第2のギヤ体448が取付けられる。さらに、第2のギヤ体448の外歯449と噛み合うようにして、第3のギヤ体408が設置される。加えて、一端が第3のギヤ体408に係止され、他端がハンドル基部401のばね突起483に係止される付勢ばね482が取付けられる。
また、隔壁部413の前面側にアース金具406及び中継金具407が取付けられる。さらに、隔壁部413よりも後方に延出した中継金具407のリード部723に対し、前記補強用板金28(図3参照)と電気的に接続される図示しない配線が電気的に接続される。これにより、中継金具407等を介して、アース金具406が電気的に接地される。加えて、ストップスイッチ455が設置されるとともに、支軸423に軸孔464を挿通させるようにして、ストップレバー458が設置される。
続いて、回転操作体402に取着されている第1のギヤ体466の組付用ボス469がハンドル基部401の中央ボス415に内挿され、回転操作体402が、ハンドル基部401に対し組み付けられる。また、当該組付用ボス469の中央ボス415への内挿とともに、ハンドル基部401の大径部412が、回転操作体402の後面側環状溝430aへと挿通され、さらには、第2のギヤ体448の外歯449と、第1のギヤ体466の外歯472とが噛合し合うこととなる。以上のように、ハンドル基部401に対する回転操作体402の組み付けが完了すれば、組付用ボス469の中央ボス415に対する相対回動、つまり、ハンドル基部401に対する回転操作体402の相対回動が可能となる。
その後、ゼンマイばね475のコイル部476が回転操作体402の前面側(収容溝)に設置されるとともに、一方のフック部477が、回転操作体402(センター取付部433)の囲い壁部487のばね掛けスリット488に係止され、他方のフック部478が隔壁部413から前方に突設されたばね掛け突起421の引っ掛け溝422に係止される。このように、ゼンマイばね475が取付けられることにより、回転操作体402が反時計回り方向に付勢される。
さらに、組付けパーツ403cを用いて前カバー403aと後カバー403bとを組付けることでカバー403が構成される。最後に、カバー403のガイドリブ441a、441bが前面側環状溝430bへと挿通され、ハンドル基部401の第1〜第3の取付用ボス417〜419と、カバー403のカバーボス442〜444とが位置合わせされた上で、それぞれについて大径部412の後側からねじ止めが行われることでハンドル基部401に対し、カバー403が固定される。
以上のように構成されてなるハンドル18は、回転操作体402が非操作状態にあってゼンマイばね475の付勢力により回転操作体402が基準位置にて保持されている場合、回転操作体402の後面側に突設された導電リブ428とアース金具406とが当接状態とされ、回転操作体402に固定された操作金具405とタッチ金具452とが離間した状態とされる。すなわち、回転操作体402が基準位置にある場合には、回転操作体402が電気的に接地され、遊技者が回転操作体402に手を触れたとしても、遊技球が発射されないように構成されている。換言すれば、回転操作体402が基準位置にある場合に、回転操作体402に触れた遊技者が静電気を帯電していても、静電気はタッチセンサ451側に流れることなくアースへと逃がされることとなる。
一方、回転操作体402が時計回り方向に回動操作された場合、導電リブ428とアース金具406とが離間した状態とされ、操作金具405とタッチ金具452とが当接状態とされる。すなわち、回転操作体402が基準位置から所定量回動変位した位置にある場合には、遊技者が回転操作体402を操作していることがタッチセンサ451により検出され、回転操作体402の回動量に応じた強さで遊技球が発射されることとなる。また、このとき、電気がアース側に流れることがなく、確実に遊技者の手の接触を検知することができる。
尚、回転操作体402の表面には金属メッキ層が形成されているが、当該金属メッキ層は回転操作体402の後面、及び、指掛け凸部432の操作面SHのうち指掛け凸部432の先端部及び前端部を除く部位に形成されている。すなわち、金属メッキ層は、遊技者の手が触れる範囲においては、操作面SHの一部にしか形成されていない。このため、遊技者がハンドル18の操作を開始するにあたり、回転操作体402を握る際に、回転操作体402のうち金属メッキ層が形成された部位よりも先に、導電性樹脂が露出されている部位に接触し易い。従って、遊技者が回転操作体402を握ると、先ず、遊技者に帯電していた静電気が、静電気放電を起こすことなく、かつ、比較的速やかに回転操作体402の導電性樹脂が露出している部位へと流れ、当該静電気が、回転操作体402の導電リブ428、アース金具406、及び中継金具407等を介してアースへと逃がされることとなる。
また、遊技者が回転操作体402を回動させる際には、指掛け凸部432の操作面SHに指を掛けて時計回り方向に押圧操作することとなる。このため、回転操作体402を回動させる際には、指掛け凸部432の操作面SHに形成された金属メッキ層と遊技者の指とが接触することとなる。さらに、回転操作体402はゼンマイばね475により反時計回り方向に付勢されているため、回転操作体402を所定の回動位置で保持する際にも、指掛け凸部432の操作面SHに形成された金属メッキ層と遊技者の指とが接触することとなる。従って、回転操作体402の回動時においては、回転操作体402の指掛け凸部432の操作面SHや導電リブ428等に一繋がりに形成された金属メッキ層、操作金具405、及びタッチ金具452の各種金属部(静電気導電性を有する材料で構成される部位、部材)を介して、遊技者の回転操作体402への接触がタッチセンサ451に検知される。
また、本実施形態では、回転操作体402が回動操作され、操作金具405とタッチ金具452とが当接することで遊技球が発射されることとなるが、操作金具405とタッチ金具452とが当接していない状態から当接状態となった際の遊技球の発射強さは、遊技球がレール50(内レール構成部51と外レール構成部52とが平行して延在する部位)の先端部と遊技領域との境界部にまで達する強さとなるように設定されている(図4参照)。もちろん、回転操作体402をさらに大きく回動させていくことで、遊技球の発射強さが徐々に強くなり、回転操作体402を時計回り方向に最大限回動させた状態では、遊技球が返しゴム54に衝突することとなる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図18は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。発射制御装置312には、上述した可変抵抗器445、タッチセンサ451、及び、ストップスイッチ455が電気的に接続されており、可変抵抗器445からは抵抗値に関する信号が、タッチセンサ451からは遊技者が回転操作体402に触れているか否かに関する信号が、また、ストップスイッチ455からはストップレバー459が押圧操作されているか否かに関する信号が、それぞれ発射制御装置312に対し入力されるようになっている。そして、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18(回転操作体402)に触れている旨の信号がタッチセンサ451から出力されていること、ストップレバー459が押圧操作されている旨の信号がストップスイッチ455から出力されていないことを条件に、発射装置60(ソレノイド)が駆動され、ハンドル18の操作量(回転操作体402の回動量)に応じた強度で遊技球が1球ずつ発射される。尚、発射に際しては、前記可変抵抗器445から入力される抵抗値に関する信号に基づき、発射制御装置312により発射装置60(ソレノイド)への供給電力が調整等され、結果として遊技球の発射速度が調整されるようになっている。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
以上詳述したように、本実施形態では、ハンドル18の回転操作体402が基準位置にある場合、操作金具405とタッチ金具452とが離間しており、回転操作体402とタッチセンサ451とが電気的に絶縁されている。さらに、回転操作体402が基準位置にある場合には、回転操作体402の導電リブ428とアース金具406とが当接しており、回転操作体402とアース金具406とが電気的に接続されている。このため、遊技者が遊技を開始するにあたって回転操作体402に触れた際に、かかる遊技者に静電気が帯電している場合であっても、遊技者に帯電していた静電気がタッチセンサ451側に流れることなく、アース金具406及び中継金具407等を介してアースへと逃がされるようになっている。従って、遊技者が回転操作体402に触れた際に、タッチセンサ451を具備するタッチ検出回路に対して静電気に基づく高電圧が印加されてしまうといった事態を抑止することができ、静電気に起因するタッチ検出回路等への悪影響(静電破壊等)を抑止することができる。
さらに、遊技者は、遊技を開始するにあたって、意図的に静電気を除去するような特段の動作をしなくても、従来通りハンドル18を操作すれば、上記のように遊技者に帯電していた静電気がアース金具406等を介してアースへと逃がされることとなる。このため、遊技者の手を煩わせることなくスムースに遊技を進行させることができる。また、静電気除去シートなどを設けて、これに先に触れることを認知させるための構成(案内板など)を設けなくても済み、構成の複雑化、製造作業性の低下、コストアップ、意匠性の低下、パチンコ機10前面側に案内用の部材の設置スペースを確保する必要が生じる等の各種不具合を回避することができる。
また、回転操作体402は、静電気導電性(一般に表面抵抗率が105Ω/sq以下)を有する材料(以下、静電気導電性材料と称する)と、静電気防止性(一般に表面抵抗率が1011〜1014Ω/sq)を有する材料(以下、静電気防止性材料と称する)との間の表面抵抗率を有する静電気拡散性(本例では表面抵抗率が105〜109Ω/sq)を有する静電気拡散性材料(本例では導電性樹脂)で構成され、表面の一部に金属メッキ層が形成されている。
つまり、静電気拡散性材料で構成された回転操作体402は、静電気導電性材料で構成されたものに比べ、遊技者に帯電している静電気を比較的ゆっくりと逃がすことができ、帯電した遊技者が回転操作体402の導電性樹脂が露出した部位に触れても静電気放電が生じ難い。結果として、ハンドル18の操作に際して静電気放電が起きることで、遊技者が不快な思いをしてしまうといった事態を抑制することができる。
また、遊技者が回転操作体402を操作するにあたり、遊技者の手が金属メッキ層(タッチ部)に触れる前に導電性樹脂が露出した部位(静電気誘導部)に触れることで、導電性樹脂が露出した部位、導電リブ428、アース金具406、中継金具407等を介して遊技者に帯電していた静電気が逃がされる。このため、その後、遊技者が金属メッキ層に触れる際に遊技者の手と金属メッキ層との間に静電気放電が起きてしまうといった事態を抑止することができる。
尚、本実施形態では、回転操作体402に形成される金属メッキ層は、回転操作体402のうち遊技者が触れる箇所においては、指掛け凸部432の操作面SHの一部にのみ形成されている。このため、遊技者がハンドル18の操作を開始するにあたり、遊技者の手が金属メッキ層よりも先に導電性樹脂が露出した部位に触れ易くなっている。従って、遊技者の手とタッチ部との間に静電気放電が生じてしまうといった事態をより抑制することができる。
さらに、静電気拡散性材料の導電性樹脂は、静電気防止性材料で構成されたものに比べて、遊技者に帯電していた静電気を比較的速やかに逃がすことができる。このため、遊技者が回転操作体402の導電性樹脂が露出した部位に触れてから金属メッキ層に触れるまでの時間が短くても、遊技者に帯電している静電気をより確実に減らすことができる。結果として、遊技者の手と金属メッキ層との間に静電気放電が起きてしまうといった事態をより確実に抑止することができる。また、遊技者が回転操作体402の導電性樹脂が露出した部位に触れてから金属メッキ層に触れるまでの時間を稼ぐべく、ハンドル18の形状をいびつに大きく変更しなくても済むため、構成の複雑化、操作性の低下等を抑制するとともに、金属メッキ層に遊技者の手が触れ難くなるといった事態を抑制することができる。
加えて、例えば、回転操作体402に金属メッキ層を形成しなかった場合、遊技者が回転操作体402に触れたことを好適に検出できなくなってしまう(反応が遅くなったりする等してしまう)ことが懸念される。これに対し、本実施形態では、回転操作体402に金属メッキ層が形成され、当該金属メッキ層等の各種金属部を介してタッチセンサ451による検知を行っている。従って、遊技者が回転操作体402に触れたことを好適に検出することができる。
また、アース金具406と接触する回転操作体402の導電リブ428に形成された金属メッキ層と、操作金具405と当接固定される接続ボス485に形成された金属メッキ層とは一繋がりになっており、結果的に、導電リブ428と、タッチ金具452に接触する操作金具405とが電気的に接続されている。例えば、回転操作体402の表面に形成される金属メッキ層が、導電リブ428と電気的に接続されている第1のメッキ層と、第1のメッキ層と電気的に絶縁され、かつ、操作金具405と電気的に接続されている第2のメッキ層とに分かれ、遊技者が回転操作体402を操作する際に、遊技者の手が第1のメッキ層及び第2のメッキ層の両方に接触する構成を採用する場合、遊技者が基準位置にある回転操作体402に手を触れると、導電リブ428と電気的に接続されている第1のメッキ層に流れた静電気はアースへと逃がされるが、第2のメッキ層に流れた静電気は、第2のメッキ層及び操作金具405に帯電してしまうおそれがある。この場合、回転操作体402を回動操作した際に、第2のメッキ層及び操作金具405に帯電していた静電気がタッチセンサ451側に流れ、タッチセンサ451等に悪影響を及ぼしてしまうなどの不具合を招いてしまうことが懸念される。これに対し、本実施形態のように、導電リブ428と操作金具405とを電気的に接続しておくことによって、遊技者が回転操作体402に触れた際に回転操作体402に流れた静電気を全てアースへと逃がすことができ、回転操作体402に帯電した静電気によってタッチセンサ451等に悪影響を及ぼしてしまうなどの不具合を防止することができる。
さらに、アース金具406と接触する導電リブ428は回転操作体402に一体的に形成され、タッチ金具452に接触する操作金具405は回転操作体402に一体的に固定されている。このため、構成の簡素化(部材点数の低減、ハンドル18の大型化の防止等)やハンドル18の組立てに際しての作業性の向上等を図ることができる。
また、回転操作体402に固定される操作金具405が回転操作体402の変位方向に沿って延設されているため、回転操作体402が操作されると、操作金具405とタッチ金具452とが摺接しつつ、接触状態が維持される。特に、操作金具405は、回転操作体402の変位方向に対して交差する方向(前後方向)に撓む板バネ状をなしているため、操作金具405とタッチ金具452との接触状態(電気的な接続状態)をより確実に維持することができる。従って、回転操作体402が操作されている間の遊技者の手の回転操作体402への接触を確実に検知することができる。
また、遊技者の操作に応じて変位する回転操作体402に設けられた操作金具405が回転操作体402の変位方向に沿って延在するよう構成されているため、ハンドル基部401側に設けられるタッチ金具452を回転操作体402の変位方向に沿って延在するよう構成する場合に比べ、ハンドル18の内部スペースの有効利用を図ることができ、ハンドル18の内部構成の複雑化やハンドル18の大型化等を抑制することができる。
さらに、例えば、操作金具405を回転操作体402の変位方向に沿って延在させる場合であって、かつ、導電リブ428がなく、操作金具405がアース金具406に接触することで、回転操作体402がアース金具406に電気的に接続されるよう構成しようとした場合、回転操作体402が基準位置にある状態において、操作金具405がアース金具406及びタッチ金具452の両方に同時に接触してしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、回転操作体402に対して操作金具405とは別に回転操作体402とアース金具406との電気的導通を図る導電リブ428が設けられている。このため、回転操作体402が基準位置にある状態において、回転操作体402とアース金具406とが電気的に接続されるとともに、回転操作体402とタッチ金具452とが電気的に絶縁されるように確実に構成することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、回転操作体402の導電リブ428がアース金具406と接触することで回転操作体402がアースされ、回転操作体402に固定された操作金具405がタッチ金具452と接触することで回転操作体402への遊技者の接触を検知可能に構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、回転操作体402が基準位置にある場合には、回転操作体402がアース金具406と電気的に接続されるとともに、タッチ金具452と電気的に絶縁され、回転操作体402が基準位置から変位した場合には、回転操作体がアース金具406と電気的に絶縁されるとともに、回転操作体402がタッチ金具452と電気的に接続されるよう構成されていればよい。但し、回転操作体402とタッチ金具452とを電気的に接続するタッチ接触手段(操作金具405)及び回転操作体402とアース金具406とを電気的に接続するアース接続手段(導電リブ428)のうち少なくとも一方を回転操作体402と一体的に設けることで、ハンドル18の大型化や製造作業性の低下等を抑制することができる。もちろん、両方を回転操作体402と一体的に設けることで、かかる作用効果が一層確実に奏される。
また、上記実施形態では、回転操作体402が導電性樹脂で構成されているが、その他の静電気拡散性を有する材料(静電気拡散性材料)で構成してもよい。例えば、その他の導電性高分子(導電性ゴム、導電性繊維等)、導電性ガラス等が挙げられる。加えて、上記実施形態において、回転操作体402を電気的に接地させたり、タッチセンサ451と電気的に接続したりする構成は特に限定されるものではない。但し、回転操作体402を回動させた際に互いに摺接しつつ電気的導通が図られるような部位に関しては、メッキではなく金属で構成することが望ましい。また、ケーブルを用いた場合には、ハンドル基部401内部の煩雑化や、ケーブル等の引き回し等による作業性の低下等を招くおそれがあるため、上記実施形態のように、操作金具405やアース金具406等を用いて電気的接続を行うことが望ましい。
(b)上記実施形態では、回転操作体402を導電性樹脂で構成するとともに、指掛け凸部432の操作面SHの一部及び回転操作体402の裏面側に金属メッキ層を形成し、ハンドル18の操作を開始するにあたっては、遊技者の静電気を回転操作体402の導電性樹脂部分を介してアース金具406へと逃がし、回転操作体402の回動操作時においては、回転操作体402の金属メッキ層を介して遊技者のハンドル18への接触を検知するように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。
例えば、回転操作体402を導電性樹脂で構成し、その裏面側に金属メッキ層を形成するとともに、回転操作体402の後方において全表面に金属メッキ層が形成された略環状のタッチリングをハンドル基部401に固定的に組み付け、タッチリングと回転操作体402の裏面側とを電気的に接続する(タッチリングと回転操作体402とが摺接するようにする、或いは、回転操作体402又はタッチリングのうち一方から他方に向けて延出する金属製の延出部(別部材でも可)を設け、延出部を介して両者を接触状態とする)こととしてもよい。
また、例えば、回転操作体402の全表面に金属メッキ層を形成した上で、カバー403を導電性樹脂で構成し、回転操作体402の非操作時に回転操作体402を介してカバー403をアース金具406と電気的に接続したり、回転操作体402の後方に導電性樹脂で構成された略環状の静電気消散用リングをハンドル基部401に組み付け、回転操作体402の非操作時に回転操作体402を介して静電気消散用リングをアース金具と電気的に接続したり(少なくとも回転操作体402が非操作状態(基準位置)にある場合に両者が当接する、或いは、回転操作体402又は静電気消散用リングのうち一方から他方に向けて延出する延出部を設け、延出部を介して両者を接触状態とする)することとしてもよい。これらの構成を採用することでも、遊技者がハンドル18の操作を開始するにあたって、金属部分(各金属メッキ層)よりも先に導電性樹脂部分に触れることで、ハンドル18と遊技者との間に静電気放電が発生してしまうといった事態を抑制することができる。
尚、前者の構成を採用する場合、導電性樹脂製の回転操作体402がタッチリングよりも前方に位置しているため、タッチリングよりも先に回転操作体402に触れ易く、静電気放電の発生を抑制するといった作用効果が奏され易い。また、後者の構成を採用する場合、例えば、静電気消散リングを回転操作体402のリング部431よりも一回り大きく形成する(両者の連接部は面一にすることが望ましい)ことで、回転操作体402の金属メッキ層よりも先に静電気消散用リングに触れ易くすることができる。但し、金属部分(各金属メッキ層)よりも先に導電性樹脂部分に触れ易くする構成は、ハンドル18の形状等に合わせて適宜設計することが可能である。
(c)また、上記実施形態において、回転操作体402を絶縁体の樹脂等で構成し、その表面全体に金属メッキ層を形成することとしてもよい。この場合においても、回転操作体402が基準位置にある場合には、静電気を帯電した遊技者が回転操作体402に触れても、静電気がタッチセンサ451側に流れることがないため、タッチセンサ451を具備するタッチ検出回路が破壊される等の不具合を防止することができる。
(d)上記実施形態では、回転操作体402が基準位置にある場合においても、回転操作体402の金属メッキ層が接触可能に露出しているが、回転操作体402が基準位置にある場合には、金属メッキ層への接触が不可能又は困難となるように構成され、回転操作体402が基準位置から所定量変位させられた場合に、金属メッキ層への接触が可能となるように構成してもよい。例えば、上記実施形態では、回転操作体402にタッチ部としての金属メッキ層が形成されているが、金属メッキされたタッチ部を導電性樹脂で構成される静電気誘導部(及び操作部)としての回転操作体402とは別体として構成するとともに、回転操作体402の非操作状態においてはタッチ部が接触不可能又は困難に構成され、回転操作体402を回動させることで、タッチ部が接触可能に露出するよう構成してもよい。この場合、遊技者がハンドル18を操作するにあたり、遊技者の手がタッチ部よりも先に回転操作体402に触れることとなるため、遊技者の手と回転操作体402との間に静電気放電が生じてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
さらに、上記タッチリングは、略環状のリング本体と、リング本体から外周側に突出する指接触部とを備え、回転操作体402の指掛け凸部432の操作面SHやリング部431には、回転操作体402を回動変位させた場合に、前記指接触部を指掛け凸部432からリング部431の外周面側に突出させることのできるスリットが形成されていることとしてもよい。この場合、指掛け凸部432に指を掛けて回転操作体402を操作すれば遊技者の指が自然とタッチリングの指接触部に触れることとなる。その上、指接触部をリング部431の外周面側に突出させることも可能に構成されているため、指接触部が遊技者の指により触れやすいようになっている。従って、回転操作体402を操作することで遊技者の指をタッチリングに確実に触れさせることができる。また、タッチリングは、回転操作体402と同方向に変位可能に構成されていることとしてもよい。この場合、回転操作体402を操作する遊技者の手や指の軌道上にタッチ部(指接触部)を設けても、タッチ部により回転操作体402を操作する遊技者の手の動きが阻害されてしまうといった事態を回避することができる。従って、回転操作体402を操作する遊技者の指が確実にタッチ部に接触するよう構成することができ、回転操作体402を操作した遊技者の手がタッチ部に触れないことに起因して遊技球が発射されないといった事態を防止することができる。
また、上記実施形態では、接続ボス485に固定される操作金具405と、導電リブ428とが電気的に導通しているが、両者間を絶縁させることとしてもよい。すなわち、回転操作体402の表面に形成される金属メッキ層を、導電リブ428と電気的に接続されている第1のメッキ層と、第1のメッキ層と電気的に絶縁され、かつ、操作金具405と電気的に接続されている第2のメッキ層とに分け、遊技者が回転操作体402を操作する際に、遊技者の手が第1のメッキ層及び第2のメッキ層の両方に接触するような構成を採用してもよい。但し、当該構成を採用する場合、遊技者が基準位置にある回転操作体402に手を触れると、導電リブ428と電気的に接続されている第1のメッキ層に流れた静電気についてはアースへと逃がされるが、第2のメッキ層に流れた静電気については、第2のメッキ層及び操作金具405に帯電してしまうおそれがある。この場合、回転操作体402を回動操作した際に、第2のメッキ層及び操作金具405に帯電していた静電気がタッチセンサ451側に流れ、タッチセンサ451等に悪影響を及ぼしてしまうなどの不具合を招いてしまうことが懸念される。これに対し、上記実施形態のように、導電リブ428と操作金具405とを電気的に接続しておくことによって、遊技者が回転操作体402に触れた際に回転操作体402に流れた静電気を全てアースへと逃がすことができ、回転操作体402に帯電した静電気によってタッチセンサ451等に悪影響を及ぼしてしまうなどの不具合を防止することができる。
このように、操作金具405と導電リブ428とが電気的に接続されていなくても、回転操作体402が基準位置にある場合には、静電気がタッチセンサ451側に流れることはないが、操作金具405に静電気が帯電し、回転操作体402を操作した際にかかる静電気がタッチセンサ451側に流れることが懸念されるため、操作金具405と導電リブ428とを電気的に接続しておくことが望ましい。尚、絶縁の方法としては、例えば、回転操作体402を導電性樹脂で構成される部位と、絶縁体の樹脂で構成される部位とで構成し、絶縁体で構成される部位の表面に、導電性樹脂で構成される部位にかからないように金属メッキ層を形成する構成等が挙げられる。
(e)上記実施形態では、アース金具406とタッチ金具452とが比較的近接配置されている(接触はしていない)が、アース金具406やタッチ金具452等の配置は特に限定されるものではない。但し、導電リブ428とアース金具406とが離間してから、操作金具405とタッチ金具452とが接触するまでの回転操作体402の回動距離が長くなると、基準位置にある回転操作体402の操作を開始してからタッチ金具452と操作金具405とが接触するまで、すなわち、遊技球の発射が開始されるまでの回転操作体402の回動量が比較的大きくなってしまうおそれがある。この場合、遊技球の発射が開始されるまでにその分だけ大きく回転操作体402を操作(回動)させなければならなくなってしまい、操作性の低下を招くおそれがある。また、ハンドル18は、回転操作体402の回動量を変えることで、遊技球の発射強さを調整可能となっているのであるが、回転操作体402の操作を開始してから遊技球の発射が開始されるまでの遊技球が発射されることのない回転操作体402の回動区間が大きくなることに起因して、各種不具合を招くおそれがある。すなわち、遊技球の発射強さを(従来通り)比較的細かく調整できるように、回転操作体402の最大変位量を大きくする場合、遊技球を強く発射させるためには回転操作体402を比較的大きく変位させる必要が生じ、操作性の低下を招いたり、構成の複雑化を招いたりするおそれがある。また、回転操作体402の最大変位量を変更することなく、遊技球の発射されることとなる範囲が小さくなった中で遊技球の強さの調節が行えるように収める場合、発射強さの微調整が難しくなり、操作性の低下を招くおそれがある。このため、基準位置にある回転操作体402を操作することで、比較的直ぐにタッチ金具452と操作金具405とを接触させることができるように構成することが望ましい。
(f)上記実施形態では、操作金具405とタッチ金具452とが当接していない状態から当接状態となった際の遊技球の発射強さは、遊技球がレール50の先端部と遊技領域との境界部にまで達する強さとなるように設定されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。但し、かかる構成を採用することで、発射された遊技球がレール50の先端に達せず、遊技球がレール50を逆流してしまうといった事態を低減させることができる。従って、遊技に際しての時間効率の向上を図ることができ、気分よく遊技を進行させることができる。また、遊技領域に打出されることとなる回転操作体402の回動量の範囲を大きくすることができ、遊技球の発射強さの調節をより細かく行えるようにすることができる。
(g)上記実施形態では、第1のギヤ体466が固定された回転操作体402と可変抵抗器445とが第2のギヤ体448を介して連動するよう構成され、回転操作体402の回転中心と可変抵抗器445の回転軸447とがずれているが、例えば、回転操作体402と可変抵抗器445とを直接接続する等して、両者の回転軸を一致させることとしてもよい。但し、可変抵抗器445の回転軸447が回転操作体402に直接接続されていると、回転操作体402が前後に傾けられた場合に(例えば、ハンドル基部401又はカバー403と回転操作体402との間に無理やり異物が挿入された場合に)可変抵抗器445が壊れ易くなってしまうおそれがある。このため、第2のギヤ体448を介在させることが望ましい。
また、上記実施形態では、ハンドル18内にタッチセンサ451が設けられているが、ハンドル18の外部に設けることも可能である。さらに、ゼンマイばね475の各端部の接続固定の手法は特に限定されるものではなく、例えば、両端部に関してねじで固定してもよいし、場合によっては溶接固定、はんだ固定でもよい。加えて、上記実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用しているが、いわゆるモータ式の発射装置を採用してもよい。
(h)上記実施形態では、上入賞口33aに遊技球が入球した場合と、下入賞口33bに入球した場合とで、大当たり状態の種別の振り分けが異なるよう構成されているが、同じにしてもよい。また、大当たり状態の種別の内容は特に限定されるものではなく、例えば、2ラウンドの大当たりの後、低確率状態が付与されるような種別を設定してもよい。
さらに、上記実施形態では、始動入球手段が2つ(上入賞口33a及び下入賞口33b)設けられているが1つでもよいし、3つ以上設けてもよい。また、上入賞口33aに遊技球が入球した場合に払出される遊技球の数と、下入賞口33bに入球した場合に払出される遊技球の数とが異なることとしてもよい。加えて、上記実施形態では、始動入球手段(上入賞口33a及び下入賞口33b)が上下に並んで配置され、かつ、通常モードにおいては、下入賞口33bへの入球がほとんど望めない構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、2つの始動入球手段を左右に配置してもよいし、開閉部材33cを省略してもよい。
加えて、上記実施形態では、上入賞口33aへの入球に基づく第1変動表示よりも、下入賞口33bへの入球に基づく第2変動表示の方が優先して消化されるように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、上入賞口33a及び下入賞口33bに入球があった順番通りに対応する変動表示が実行される構成としてもよい。
(i)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。加えて、上記実施形態では、遊技媒体として遊技球を採用しているが、メダルを発射するタイプの遊技機に適用することもできる。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
従来、遊技機の一種として、例えばパチンコ機等が知られている。パチンコ機は、遊技球を用いて遊技が行われ、当該遊技球が移動可能な遊技領域を備えるとともに、発射装置にて発射された遊技球がかかる遊技領域に案内される構成となっている。また、パチンコ機にはハンドルが設けられており、遊技者がハンドルに触れるとともに、ハンドルを回動させることで、発射装置により遊技球が発射される構成となっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
ところで、遊技者に静電気が帯電していると、かかる静電気によって、遊技者の手がハンドルに触れていることを電気的に検出するタッチ検出回路に悪影響を及ぼす(静電破壊等)おそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、静電気に起因する不具合を抑制することのできる遊技機を提供することにある。
手段1.遊技者が操作可能な位置に固定される基部と、前記基部に対して相対変位可能に組み付けられた操作部と、前記操作部の前記基部に対する相対位置が所定の基準位置となるよう前記操作部に付勢力を付与する付勢手段と、前記操作部の変位量を検出可能な変位量検出手段とを具備する操作手段と、
遊技者が前記操作部へ接触したことを検出するためのタッチ検出手段と、
前記タッチ検出手段によって前記操作部への接触が検出されている場合に、前記変位量検出手段により検出された前記操作部の変位量に応じた強さで遊技球を発射させる発射手段とを備えた遊技機であって、
前記操作手段は、
前記タッチ検出手段と電気的に接続されているタッチ接続手段と、
電気的に接地されているとともに、前記タッチ接続手段とは電気的に絶縁されているアース接続手段と、
少なくとも前記操作部を変位させるにあたって遊技者の手が触れる位置に設けられた接触部とを備え、
前記操作部が基準位置にある場合には、前記接触部と前記タッチ接続手段とが電気的に絶縁されているとともに、前記接触部と前記アース接続手段とが電気的に接続され、
前記操作部が前記基準位置から所定量変位することで、前記接触部と前記アース接続手段とが電気的に絶縁されるとともに、前記接触部と前記タッチ接続手段とが電気的に接続されることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、操作部が基準位置にある場合、接触部とタッチ接続手段とが電気的に絶縁されているとともに、接触部とアース接続手段とが電気的に接続されている。このため、遊技者が遊技を開始するにあたって操作部に触れた際に、かかる遊技者に静電気が帯電している場合であっても、遊技者に帯電していた静電気がタッチ検出手段側に流れることなく、アース接続手段を介してアースへと逃がされるようになっている。従って、遊技者が操作部に触れた際に、タッチ検出手段を具備するタッチ検出回路に対して静電気に基づく高電圧が印加されてしまうといった事態を抑止することができ、静電気に起因するタッチ検出回路等への悪影響(静電破壊等)を抑止することができる。
さらに、遊技者は、遊技を開始するにあたって、意図的に静電気を除去するような特段の動作をしなくても、従来通り操作手段を操作すれば、上記のように遊技者に帯電していた静電気がアース接続手段等を介してアースへと逃がされることとなる。このため、遊技者の手を煩わせることなくスムースに遊技を進行させることができる。また、静電気除去シートなどを設けて、これに先に触れることを認知させるための構成(案内板など)を設けなくても済み、構成の複雑化、製造作業性の低下、コストアップ、意匠性の低下、遊技機前面側に案内用の部材の設置スペースを確保する必要が生じる等の各種不具合を回避することができる。尚、操作部が非操作状態にある場合、付勢手段の付勢力により操作部が基準位置において保持されることとなる。
手段2.前記接触部は、
少なくとも遊技者が前記操作部の操作を開始するにあたって遊技者の手が触れる位置に設けられた静電気誘導部と、
少なくとも前記操作部を変位させるにあたって遊技者の手が触れる位置に設けられたタッチ部とを備え、
前記操作部が基準位置にある場合には、前記タッチ部と前記タッチ接続手段とが電気的に絶縁されているとともに、前記静電気誘導部と前記アース接続手段とが電気的に接続され、
前記操作部が前記基準位置から所定量変位することで、前記静電気誘導部と前記アース接続手段とが電気的に絶縁されるとともに、前記タッチ部と前記タッチ接続手段とが電気的に接続され、
前記タッチ部は静電気導電性を有する材料で構成され、前記静電気誘導部は前記タッチ部よりも緩やかに電気を逃がす(通す)ことのできる静電気拡散性を有する材料で構成されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段2によれば、静電気誘導部は、静電気導電性(一般に表面抵抗率が105Ω/sq以下)を有する材料(以下、静電気導電性材料と称する)と、静電気防止性(一般に表面抵抗率が1011〜1014Ω/sq)を有する材料(以下、静電気防止性材料と称する)との間の表面抵抗率を有する静電気拡散性(一般に表面抵抗率が105〜1011Ω/sq)を有する材料(以下、静電気拡散性材料と称する)で構成されている。
つまり、静電気拡散性材料で構成された静電気誘導部は、表面抵抗率が105Ω/sq未満の材料(例えば、静電気導電性材料)で構成されたものに比べ、遊技者に帯電している静電気を比較的ゆっくりと逃がすことができ、帯電した遊技者が静電気誘導部に触れても静電気放電が生じ難い。結果として、操作手段の操作に際して静電気放電が起きることで、遊技者が不快な思いをしてしまうといった事態を抑制することができる。
また、遊技者が操作手段を操作するにあたり、遊技者の手がタッチ部に触れる前に静電気誘導部に触れることで、静電気誘導部等を介して遊技者に帯電していた静電気が逃がされるため、その後、遊技者がタッチ部に触れる際に遊技者の手とタッチ部との間に静電気放電が起きてしまうといった事態を抑止することができる。
さらに、静電気拡散性材料で構成された静電気誘導部は、表面抵抗率が1011Ω/sqを超える材料(例えば、静電気防止性材料)で構成されたものに比べて、遊技者に帯電していた静電気を比較的速やかに逃がすことができる。このため、遊技者が静電気誘導部に触れてからタッチ部に触れるまでの時間が短くても、遊技者に帯電している静電気をより確実に減らすことができる。結果として、遊技者の手とタッチ部との間に静電気放電が起きてしまうといった事態をより確実に抑止することができる。また、遊技者が静電気誘導部に触れてからタッチ部に触れるまでの時間を稼ぐべく、操作手段の形状をいびつに大きく変更しなくても済むため、構成の複雑化、操作性の低下等を抑制するとともに、タッチ部に遊技者の手が触れ難くなるといった事態を抑制することができる。
尚、静電気誘導部の表面抵抗率が105Ω/sq未満の場合、静電気放電が発生しやすくなってしまうことが懸念される。また、静電気誘導部の表面抵抗率が1011Ω/sqを超える場合、静電気を逃がす速度が比較的遅くなるため、遊技者が静電気誘導部に触れてからタッチ部に触れるまでの時間が短いと、遊技者に帯電している静電気を十分に減らすことができず、タッチ部に触れた際に依然として静電気放電を起こしてしまうことが懸念される。また、静電気誘導部の表面抵抗率は105〜109Ω/sqであることとしてもよい。この場合、表面抵抗率が109Ω/sqを超える場合に比べ、遊技者に帯電している静電気を比較的速やかに逃がすといった作用効果がより確実に奏される。
加えて、例えば、静電気誘導部だけでなくタッチ部についても静電気拡散性材料で構成した場合、遊技者が操作手段に触れたことを好適に検出できなくなってしまう(反応が遅くなったりする等してしまう)ことが懸念される。これに対し、本手段では、静電気拡散性材料で構成された静電気誘導部とは別にタッチ部が設けられているため、タッチ部を静電気導電性材料で構成することができ、遊技者が操作手段に触れたことを好適に検出することができる。
尚、静電気拡散性材料としては、導電性高分子(導電性樹脂、導電性ゴム、導電性繊維等)、導電性ガラス等が挙げられる。また、所定の部材の表面に静電気拡散性材料よりなる薄い層(塗膜も含む)を形成することで静電気誘導部を構成してもよいが、かかる層が損傷すると各種不具合を招くおそれがあり、また、操作手段は遊技者に操作されるなどして比較的損傷・劣化する可能性が高い部位であるため、静電気誘導部は極力厚肉(全部を静電気拡散性材料で構成する場合を含む)であることが望ましい。尚、タッチ部は、遊技者が前記操作部を操作する場合に遊技者の手が接触する位置に設けられた部材を、導電性を有する金属で形成することで構成されてもよいし、絶縁材料の表面に金属製のメッキ層を形成することで構成されてもよいし、樹脂材料に導電性材料(ステンレスファイバー等)を含有させることで導電性を上げた(電気抵抗率を下げた)材料により構成されてもよい。
手段3.前記静電気誘導部と前記タッチ部とは電気的に接続されていることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
例えば、静電気誘導部とタッチ部とが電気的に絶縁されている場合、操作部が基準位置にあるときに遊技者が静電気誘導部及びタッチ部に手を触れると、静電気誘導部に流れた静電気はアースへと逃がされるが、タッチ部に流れた静電気はタッチ部において帯電してしまうおそれがある。この場合、操作部が基準位置から所定量変位すると、タッチ部において帯電していた静電気がタッチ検出手段側に流れ、タッチ検出手段等に悪影響を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対し、本手段3では、静電気誘導部とタッチ部とが電気的に接続されていることから、操作部が基準位置にある状態においてタッチ部に流れた静電気についてもアースへと逃がすことができる。従って、タッチ部に帯電した静電気によってタッチ検出手段側に悪影響を及ぼしてしまうといった事態を防止することができる。
手段4.前記操作部が前記基準位置にある場合、前記タッチ部への接触が不可能又は困難となるように構成され、前記操作部が前記基準位置から所定量変位させられた場合に、前記タッチ部への接触が可能となるように構成されていることを特徴とする手段2又は3に記載の遊技機。
手段4によれば、遊技者が操作手段の操作を開始するにあたり、遊技者の手がタッチ部よりも先に静電気誘導部に触れることとなるため、遊技者の手とタッチ部との間に静電気放電が生じてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
手段5.前記接触部は前記操作部と一体的に構成されていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
手段5によれば、接触部は操作部と一体的に構成される。このため、接触部を操作部とは別に独立して基部に組み付ける等した場合に比べ、構成の簡素化(部材点数の低減、操作手段の大型化の防止等)や操作手段の組立てに際しての作業性の向上等を図ることができる。
手段6.前記操作部は、
前記接触部(前記タッチ部)と電気的に接続されているとともに、前記タッチ接続手段と接触可能なタッチ接触手段と、
前記タッチ接触手段とは別に、前記接触部(前記静電気誘導部)と電気的に接続されているとともに、前記アース接続手段と接触可能なアース接触手段とを備え、
前記操作部が基準位置にある場合には、前記タッチ接触手段と前記タッチ接続手段とが離間して、前記接触部(前記タッチ部)と前記タッチ接続手段とが電気的に絶縁されるとともに、前記アース接触手段と前記タッチ接続手段とが接触して、前記接触部(前記静電気誘導部)と前記アース接続手段とが電気的に接続され、
前記操作部が前記基準位置から所定量変位することで、前記タッチ接触手段と前記タッチ接続手段とが接触して、前記接触部(前記タッチ部)と前記タッチ接続手段とが電気的に接続されるとともに、前記アース接触手段と前記アース接続手段とが離間して、前記接触部(前記静電気誘導部)と前記アース接続手段とが電気的に絶縁され、
前記タッチ接触手段は前記操作部の変位方向に沿って延設されるとともに、前記操作部の変位方向に対して交差する方向に撓む板バネ状をなしていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
手段6によれば、操作部に設けられたタッチ接触手段が操作部の変位方向に沿って延設されているため、操作部が操作されると、タッチ接触手段とタッチ接続手段とが摺接しつつ、接触状態が維持される。特に、タッチ接触手段は、操作部の変位方向に対して交差する方向に撓む板バネ状をなしているため、タッチ接触手段とタッチ接続手段との接触状態(電気的な接続状態)をより確実に維持することができる。従って、操作部が操作されている間の遊技者の手の接触部(タッチ部)への接触を確実に検知することができる。
また、遊技者の操作に応じて変位する操作部に設けられたタッチ接触手段が操作部の変位方向に沿って延在するよう構成されているため、基部側に設けられるタッチ接続手段を操作部の変位方向に沿って延在するよう構成する場合に比べ、操作手段の内部スペースの有効利用を図ることができ、操作手段の内部構成の複雑化や操作手段の大型化等を抑制することができる。
さらに、例えば、操作部に設けられるタッチ接触手段を操作部の変位方向に沿って延在させる場合であって、かつ、アース接触手段がなく、タッチ接触手段がアース接続手段に接触することで、接触部(静電気誘導部)がアース接続手段に電気的に接続されるよう構成しようとした場合、操作部が基準位置にある状態において、タッチ接触手段がアース接続手段及びタッチ接続手段の両方に同時に接触してしまうおそれがある。これに対し、本手段では、操作部に対してタッチ接触手段とは別に、接触部(静電気誘導部)とアース接続手段との電気的導通を図るアース接触手段が設けられている。このため、操作部が基準位置にある状態において、接触部(静電気誘導部)とアース接続手段とが電気的に接続されるとともに、接触部(タッチ部)とタッチ接続手段とが電気的に絶縁されるように確実に構成することができる。
尚、「前記アース接続手段又は前記アース接触手段のうち一方は、前記操作部の変位方向において撓む板バネ状をなしていること」としてもよい。この場合、操作部が基準位置にある状態において、アース接続手段とアース接触手段とをより確実に接触させることができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。