JP2020148767A - 内部欠陥の探査方法 - Google Patents

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【課題】内部欠陥をより精度良く検出できるようにする。【解決手段】構造物の表面に弾性波を入力したときの表面の振動を受振して内部欠陥Dを探査する方法である。弾性波の入力点Fから等距離の位置に複数の測定点P1、P2を配置し、それぞれの測定点P1、P2で測定された受振波同士の差分波形を求めることにより、構造物の表面を伝搬する表面波の影響を除去した状態で内部欠陥Dの位置を推定する。入力点と測定点との相対的位置関係を維持しながら、構造物の表面を順次移動させて複数点を測定したときの前記差分波形の振幅変化の状態から、平面上での内部欠陥の位置を推定する。【選択図】図9

Description

本発明は、コンクリート構造物などの構造物の内部に存在する空洞、クラック、ジャンカ、層間剥離等の内部欠陥を非破壊で検査する内部欠陥の探査方法に関する。
従来より、ポストテンション方式によるプレストレストコンクリートとして、コンクリートが硬化した後で、予め埋設しておいたシースに鋼線や鋼棒等のPC鋼材を挿通するとともに、前記PC鋼材に張力を導入した後、シース内のPC鋼材との空隙部にグラウトを注入することにより、プレストレスを導入したPC構造物が知られている。
前記グラウトは、PC鋼材の腐食防止や部材コンクリートとPC鋼材との一体化を図ることなどを目的として、シース内のPC鋼材との空隙部に充填するものである。したがって、グラウトの充填不足によりシース内に空洞が生じた場合には、水や塩化物の浸入によってPC鋼材の腐食や破断などが生じ、PC構造物が著しく変状し、構造物の安全性を確保することができなくなるおそれがある。
出願人は、先の出願において、衝撃弾性波法に用いる打撃装置(下記特許文献1)及び内部欠陥の探査方法(下記特許文献2)を提案し、上述のシース内の空洞などのコンクリートの内部欠陥を非破壊で探査する方法の開発を行ってきた。
特に、下記特許文献2において、構造物の表面に弾性波を入力したときの表面の振動を受振し、受振波をヒルベルト変換して瞬時位相を算出するとともに、前記瞬時位相の単位時間当たりの変化量である瞬時位相差を算出し、弾性波の入力時から前記瞬時位相差に変化が生じるまでの時間を得た後、前記時間に構造物内部における弾性波の伝搬速度を乗じて得た内部欠陥までの往復距離から内部欠陥の位置を推定する方法を確立した。
特開2017−133936号公報 特開2018−119845号公報
しかしながら、上記特許文献2記載の方法において、実際の測定では、ノイズや処理解析上の誤差などから、再現性、精度の点で課題があった。
そこで本発明の主たる課題は、内部欠陥をより精度良く検出できるようにした内部欠陥の探査方法を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、構造物の表面に弾性波を入力したときの表面の振動を受振して内部欠陥を探査する方法であって、
弾性波の入力点から等距離の位置に複数の測定点を配置し、それぞれの測定点で測定された受振波同士の差分波形を求めることにより、構造物の表面を伝搬する表面波の影響を除去した状態で内部欠陥の位置を推定することを特徴とする内部欠陥の探査方法が提供される。
上記請求項1記載の発明では、構造物の表面に弾性波を入力したときの表面の振動を受振して内部欠陥を探査する方法において、構造物の表面を伝搬する表面波の影響を除去するため、弾性波の入力点から等距離の位置に複数の測定点を配置する。この配置によって、それぞれの測定点での表面波成分は、同位相、同振幅となり、2つの受振波の差分波形をとることにより、表面波成分は除去され(相殺され)、内部欠陥からの反射波のみの影響が残るようになる。それぞれの測定点で測定された受振波に現れる内部欠陥からの反射波は、内部欠陥が測定点に対して対称中心となる位置にない場合、弾性波を入力してから到達するまでの時間にずれが生じるため、受振波同士の差分波形にその影響が現れる。このように、それぞれの測定点で測定された受振波同士の差分波形を求めて表面波の影響を除去することにより、差分波形に内部欠陥での反射波の影響が明確に現れるため、内部欠陥の位置をより精度良く推定できるようになる。
請求項2に係る本発明として、弾性波の入力点から等距離の対称位置にそれぞれ測定点を配置し、この対となる測定点で測定された受振波同士の差分波形を求める請求項1記載の内部欠陥の探査方法が提供される。
上記請求項2記載の発明では、入力点と測定点を直線上に配置している。すなわち、弾性波の入力点に対して点対称の位置にそれぞれ測定点を配置し、この対となる測定点で測定された受振波同士の差分波形を求めることにより、内部欠陥の位置を推定している。
請求項3に係る本発明として、平面視で弾性波の入力点を中心とする円上に複数の測定点を配置する請求項1記載の内部欠陥の探査方法が提供される。
上記請求項3記載の発明では、平面視で弾性波の入力点を中心とする円上に複数の測定点を配置している。これにより、3次元的に内部欠陥の位置が検出できるようになる。
請求項4に係る本発明として、各測定点で測定された受振波をそれぞれヒルベルト変換して振幅情報と位相情報に分離し、受振波同士の振幅差分波形及び位相差分波形を得た上で、前記振幅差分波形と位相差分波形の両方又はいずれか一方から内部欠陥の位置を推定する請求項1〜3いずれかに記載の内部欠陥の探査方法が提供される。
上記請求項4記載の発明では、平面上での内部欠陥の位置を推定する方法について規定している。具体的には、各測定点で測定された受振波をそれぞれヒルベルト変換して振幅情報と位相情報に分離し、受振波同士の振幅差分波形及び位相差分波形を得た上で、前記振幅差分波形と位相差分波形の両方又はいずれか一方から、平面上での内部欠陥の位置を推定している。
請求項5に係る本発明として、入力点と測定点との相対的位置関係を維持しながら、構造物の表面を順次移動させて複数点を測定したときの前記差分波形の振幅変化の状態から、平面上での内部欠陥の位置を推定する請求項1〜4いずれかに記載の内部欠陥の探査方法が提供される。
上記請求項5記載の発明では、入力点と測定点との相対的位置関係を維持しながら、構造物の表面を順次移動させて複数点を測定することによって、差分波形の振幅変化が、弾性波の入力点が内部欠陥の直上にある場合をゼロとして、対称となる測定位置では、差分波形の正負が逆転する。したがって、差分波形の振幅変化の状態から、平面上での内部欠陥の位置が推定できるようになる。
請求項6に係る本発明として、各測定点で測定された受振波同士の遅れ時間を検出し、その遅れ時間から、各測定点と入力点との間の距離補正を行う請求項1〜5いずれかに記載の内部欠陥の探査方法が提供される。
上記請求項6記載の発明では、実際の測定における誤差の要因としていくつか考えられるが、その中でも比較的大きな要因と思われる測定位置の距離補正について規定している。具体的には、各測定点で測定された受振波同士の遅れ時間を検出し、その遅れ時間から、各測定点と入力点との間の距離補正を行う。前記遅れ時間の検出方法としては、受振波の最初の振幅に着目し、その振幅が最大値の1/2となる時刻を検知する方法、受振波の立ち上がり時刻を検知する方法、対となる測定点の受振波同士の相互相関から遅れ時間を検知する方法などが挙げられる。
請求項7に係る本発明として、各測定点で測定された受振波をそれぞれヒルベルト変換して位相を算出するとともに、前記位相の単位時間当たりの変化量である位相差を算出し、弾性波の入力時からそれぞれの測定点間の前記位相差に変化が生じるまでの時間を得た後、前記時間に構造物内部における弾性波の伝搬速度を乗じて得た内部欠陥までの往復距離から内部欠陥の位置を推定する請求項1〜6いずれかに記載の内部欠陥の探査方法が提供される。
上記請求項7記載の発明では、内部欠陥の深さを推定する方法について規定している。内部欠陥の深さは、各測定点にそれぞれ、弾性波の入力時から内部欠陥での反射波が到達するまでの時間を基にして推定することができる。内部欠陥からの反射波が到達した時刻を特定するため、受振波の位相の単位時間当たりの変化量である位相差を算出している。そして、弾性波の入力時から反射波の到達時までの時間に、構造物内部における弾性波の伝搬速度を乗じて得た内部欠陥までの往復距離から、測定点配置の幾何学的位置関係を考慮して内部欠陥の深さを求めることができる。
請求項8に係る本発明として、前記構造物は、コンクリートが硬化した後で、予め埋設しておいたシースにPC鋼材を挿通するとともに、前記PC鋼材に張力を導入した後、前記シース内の前記PC鋼材との空隙部にグラウトを注入してなるポストテンション方式によるPC構造物であり、
前記グラウトの充填状態を確認するのに前記探査方法が用いられている請求項1〜7いずれかに記載の内部欠陥の探査方法が提供される。
上記請求項8記載の発明では、ポストテンション方式によるPC構造物において、グラウトの充填状態を確認するのに本探査方法を用いるのが特に好適であることを示している。
以上詳説のとおり本発明によれば、内部欠陥をより精度良く検出できるようになる。
本発明に係る内部欠陥の探査方法を実施するための構成を示す、(A)は断面図、(B)は平面図である。 内部欠陥Dがない場合の各測定点の受振波を示すグラフである。 本発明に係る内部欠陥の探査方法を実施するための構成図である。 内部欠陥Dがある場合の各測定点の受振波を示すグラフである。 打撃装置1を示す側面図である。 弾性波の伝搬状況を示す、2次元の模式図である。 内部欠陥Dからの距離と差分波形の振幅との関係を示すグラフである。 ヒルベルト変換による実数部と虚数部の関係を示すグラフである。 入力点と測定点の配置を示す断面図である。 各入力点に対する位相差を示すグラフである。 第2形態例に係る内部欠陥の探査方法を実施するための構成を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
本発明に係る内部欠陥Dの探査方法は、図1に示されるように、構造物の表面に弾性波を入力したときの表面の振動を受振して内部欠陥Dを探査する方法である。詳細には、図1に示されるように、弾性波の入力点Fから等距離の位置に複数の測定点P1、P2を配置し、それぞれの測定点P1、P2で測定された受振波同士の差分波形を求めることにより、構造物の表面を伝搬する表面波の影響を除去した状態で内部欠陥の位置を推定することを特徴としている。
〔第1形態例〕
第1形態例に係る探査方法では、図1に示されるように、弾性波の入力点Fから等距離の対称位置にそれぞれ測定点P1、P2を配置し、この対となる測定点P1、P2で測定された受振波同士の差分波形を求めることにより、構造物の表面を伝搬する表面波の影響を除去した状態で内部欠陥の位置を推定している。
本探査方法では、構造物の表面に弾性波を入力したときの表面の振動を受振して内部欠陥Dを探査する方法において、構造物の表面を伝搬する表面波の影響を除去するため、弾性波の入力点Fから等距離の対称位置にそれぞれ測定点P1、P2を配置する。この配置によって、対となる測定点P1、P2での表面波成分は、同位相、同振幅となり、両者の受振波の差分波形をとることにより、表面波成分は除去され(相殺され)、内部欠陥Dからの反射波のみの影響が残るようになる。対となる測定点P1、P2で測定された受振波に現れる内部欠陥Dからの反射波は、内部欠陥Dが測定点P1、P2に対して対称中心となる位置にない場合、弾性波を入力してから到達するまでの時間にずれが生じるため、受振波同士の差分波形にその影響が現れる。このように、対となる測定点P1、P2で測定された受振波同士の差分波形を求めて表面波の影響を除去することにより、差分波形に内部欠陥Dでの反射波の影響が明確に現れるため、内部欠陥Dの位置をより精度良く推定できるようになる。
本探査方法の概要について更に説明すると、図1に示されるように、弾性波の入力点Fから等距離の対称位置にそれぞれ測定点P1、P2を配置し、入力点Fに弾性波を入力したときの測定点P1、P2における受振波を測定する。構造物に内部欠陥Dがない場合、図2に示されるように、各測定点P1、P2では表面波のみが観測されるため、測定点P1で測定された受振波と、測定点P2で測定された受振波とはほぼ同じ波形となる。
次に、図3に示されるように構造物に内部欠陥Dがある場合の受振波について説明する。図3は、入力点と測定点との相対的位置関係を維持しながら、構造物の表面を順次移動させて複数点を測定したときの構成例である。この構成例では、内部欠陥Dより左側の領域において、入力点Fにおける受振波を測定点P1、P2で測定し、内部欠陥Dより右側の領域において、入力点F’における受振波を測定点P1’、P2’で測定している。各測定点で測定される受振波は、図4に示されるように、表面波に内部欠陥Dからの反射波が重なった波形となる。この反射波による影響は、内部欠陥Dに近い側の測定点(入力点Fでは測定点P2、入力点F’では測定点P1’)で測定された受振波の方が大きくなる。したがって、入力点と測定点との相対的位置関係を維持しながら、構造物の表面を順次移動させて複数点を測定することにより、内部欠陥Dの前後で測定した波形の傾向に変化が生じ、その変化した位置に内部欠陥Dが存在することが推定できる。仮に、入力点が内部欠陥Dの直上に位置する場合には、表面波と内部欠陥Dからの反射波がほぼ同じ条件で重なるため、ほぼ同等の受振波が得られる。
したがって、弾性波の入力点Fから等距離の対称位置にそれぞれ測定点P1、P2を配置し、この対となる測定点P1、P2で測定された受振波同士の差分波形を求めることにより、構造物の表面を伝搬する表面波の影響を除去した状態とすることができ、差分波形に内部欠陥Dからの反射波による影響が明確に現れ、内部欠陥Dの位置がより精度良く推定できるようになる。また、構造物の表面を順次移動させて複数点を測定して、受振波の振幅変化の状態を観測することにより、内部欠陥Dの平面上の位置が推定できるようになる。
以下、本探査方法の原理について詳細に説明すると、
入力する弾性波の生成は、構造物を打撃するインパルス加振によるものでもよいし、一定の定常振幅部分を有するトーンバースト加振によるものでもよい。弾性波の生成においては、特開2017-133936号公報に開示された衝撃弾性波法に用いる打撃装置を用いるのが特に好ましい。この打撃装置1は、図5に示されるように、全長に亘り一定の断面積で製作された所定長さの鋼棒であって、検査対象物に衝突させる先端面2aは球冠状を成し、上端面2bは平面状を成しているプランジャー2と、前記プランジャー2の上端面2bに衝突させる所定径の鋼球3とからなる。
前記打撃装置1では、鋼球によって検査対象物を直接的に打撃するのではなく、所定径の鋼球3によって上記構造条件のプランジャー2(1次元棒)を介して、検査対象物に対して弾性波を与えるようにしている。このような間接打撃とすることによって、打撃力は鋼球3がプランジャー上端面2bに衝突することによって発生し、検査対象物に接触しているプランジャー2の先端面2aを介して検査対象物に伝達される。これらは弾性係数の安定した材料(鋼)であることから、鋼球3とプランジャー2との接触時間は常に一定となり、安定して一定の周波数の波動を与えることが可能となる。
また、規定の長さを持つプランジャー2では、鋼棒の長さと共振する特定の周波数が発生することがわかっているため(弾性波の多重反射理論)、打撃による周波数とプランジャー2の共振周波数とをある程度の範囲内で一致させることによって、プランジャー内に、プランジャー長に応じた共振周波数の弾性波が生成されることになり、これを検査対象物に対して伝達させることができる。
従って、順次、検査対象点を移動させながら、同一径、同一質量の鋼球3で同一材料のプランジャー2を打撃した場合、一定の周波数の弾性波を安定的に検査対象物に対して与えることが可能となる。
本実施形態例における測定点は、弾性波の入力点Fに対して対称な2点、或いは前記入力点Fに対してそれぞれ対称な偶数複数点とされている。対となる測定点は、前記入力点Fに対して点対称な位置に配置されたものを組として、1組以上配置されている。図1では1組で配置されているが、更に、入力点F及び測定点P1、P2を結ぶ直線の延長線上に1組又は複数組配置してもよいし、この直線に対して任意の角度差を有する直線方向に延びる直線上に1組又は複数組を配してもよい。方向の異なる複数の直線上にそれぞれ対となる測定点を配置して、複数組の測定点で測定することにより、3次元的な内部欠陥Dの位置の検出が可能となり、より高精度に内部欠陥Dの位置が推定できるようになる。
弾性波の計測手段としては、図1に示されるように、弾性波の入力面と同一面であって、弾性波の入力点Fから所定の距離だけ離隔した位置の測定点にそれぞれ、構造物の応答弾性波を計測する弾性波センサ4が配置されている。この弾性波センサ4は、構造物の表面に接触させた状態で、前記打撃装置1によって構造物に与えた波動の応答弾性波を計測する。この弾性波センサ4としては、例えば、加速度センサ、振動センサなどを使用することができる。前記弾性波センサ4の受信方向は特に問わないが、弾性波の入力方向(測定面に対して上下方向(垂直方向))とするのが好ましい。
前記弾性波センサ4によって計測された振動は、A/D変換器(図示せず)によりアナログ・デジタル変換された後、波形収録装置(図示せず)に入力されるとともに、評価装置(図示せず)に送られる。
前記波形収録装置は、前記弾性波センサ4によって測定された波動の電気信号を記録するための装置である。この波形収録装置は、電気信号を記憶するためのサーバー、ハードディスク等のストレージ、CD、DVD等の記録媒体、メモリ等で構成されている。波形収録装置は、弾性波センサ4から信号を受信してこれらを時系列的に記憶することができる。
前記評価装置は、例えばPC(パーソナルコンピューター)やスマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等の電子機器で構成されている。この評価装置は、波形収録装置内に記憶されている波形を解析する。この評価装置は、記録された波形に対して、例えばヒルベルト変換を施すことにより、位相及びその単位時間当たりの変化量である位相差が算出できるようにしてもよいし、対となる測定点P1、P2の差分波形を求めるようにしてもよい。また、FFT(Fast Fourier Transform)を施すことにより、時間軸の波形データを周波数軸のスペクトラムデータに変換できるようにしてもよい。また、前記評価装置は、位相差の変化の有無を介して、コンクリート等の構造物の内部欠陥の有無の判断ができるようにしてもよいし、弾性波の入力時から位相差に変化が生じるまでの時間を得て、内部欠陥の位置を算出できるようにしてもよい。
この評価装置は、例えば図示しないディスプレイ等からなる表示部を介して各データを表示することができる。また、評価装置は、これら各データをストレージ内に記録し、ユーザによる命令に基づいてこれらデータを表示部に表示し、又は携帯型メモリにこれらデータを書き込むことができる。ユーザは、この携帯型メモリを評価装置から取り出して自由に持ち運びすることが可能となる。更に、評価装置は、これら各データを公衆通信網を介して他の電子機器へ転送することも可能である。
図1に示されるように、前記入力点Fと測定点P1、P2との離隔距離Lは任意であるが、測定精度などの観点から、20〜100mm、好ましくは30〜70mmとするのがよい。
入力された弾性波は、図6に示されるように、表面波(R波)として対となる測定点P1、P2に伝搬するとともに、縦弾性波(P波)或いは横弾性波(S波)として構造物内部を伝搬する波動となる。内部欠陥(空隙)があると、構造物内部に伝搬した弾性波は、そこで反射し、測定点P1、P2に達し、表面波と重なる。
対となる測定点P1、P2は弾性波の入力点Fから等距離の対称位置に配置されているため、これらの測定点P1、P2ではほぼ同等の表面波が伝搬する。このため、対となる測定点P1、P2で測定された受振波の差分を求めると、表面波成分は相殺されて、内部欠陥Dからの反射波成分のみの影響が残ることとなる。
この差分波形の振幅は、内部欠陥Dからの反射波の影響を反映しているため、測定点P1、P2と内部欠陥Dとの距離によって大きさが異なることが容易に推測される。この原理を利用して、入力点Fと測定点P1、P2との相対的位置関係を維持しながら、構造物の表面を順次移動させて複数点を測定することにより、内部欠陥Dの平面上での位置が推定できるようになる。このようにして複数点を測定するには、構造物の表面を縦横に所定の大きさのメッシュ状に区画し、その交点で順次測定するのが好ましい。メッシュの大きさは適宜設定することができるが、測定点数の増加による作業負担増の抑制、測定精度などの観点から、20〜100mm、好ましくは30〜70mm程度とするのがよい。
図7は、内部欠陥Dを有する場合における入力点Fの内部欠陥Dの直上からの平面上の距離と、対となる測定点P1、P2で測定された受振波同士の差分波形の振幅との関係を、理論計算により求めたグラフである。図7において縦軸の差分波形の振幅は絶対値で示されており、内部欠陥の直上からの平面上の距離がゼロを境にいずれか一方の差分波形の振幅はマイナスとなっている。弾性波の入力点Fが内部欠陥の直上に位置する場合、即ち内部欠陥の直上からの平面上の距離がゼロの場合、内部欠陥Dからの反射波が対となる測定点P1、P2にそれぞれ等しく伝わるため、両測定点P1、P2の受振波の差分波形の振幅はゼロとなる。一方、入力点Fが内部欠陥Dの直上位置から離れると、内部欠陥Dの直上位置を中心として対称に差分波形の振幅が増加し、ある程度以上離れると、今度は差分波形の振幅が減少する傾向となる。これによって、入力点Fと測定点P1、P2との相対的位置関係を維持しながら、構造物の表面を順次移動させて複数点を測定したときの差分波形の振幅変化の状態から、平面上での内部欠陥Dの位置を推定することができるようになる。具体的には、測定によって、差分波形の振幅の絶対値が最小となる位置、又は差分波形の振幅の正負が逆転する位置を特定し、その位置を平面上での内部欠陥Dの直上位置と推定できる。
実際の測定では、対となる測定点P1、P2において、弾性波センサ4の感度の違い、接地条件による結合インピーダンスの違い、測定位置の微小な誤差などによって、理論計算通りにはならないことも多い。このため、これらの誤差を除去し、必要な情報を取り出す信号処理を行うのが好ましい。
これらの誤差要因の中でも、比較的大きな影響を与えるのが、測定位置の誤差によるものである。入力点Fと測定点P1、P2との距離に対して、弾性波センサ4の接地面の大きさが大きな比率を占める場合、弾性波センサ4の設置位置の微小な誤差が測定結果に与える影響は大きなものとなる。そこで、以下の手順に従い、この測定位置の距離補正を行うのが好ましい。
距離補正の手順としては、対となる測定点P1、P2で測定された受振波同士の遅れ時間を検出し、その遅れ時間から、各測定点P1、P2と入力点Fとの間の距離補正を行う。前記遅れ時間の検出方法としては、2つの波形の遅れ時間の補正方法に用いられる公知の方法を制限無く採用できるが、受振波の最初の振幅に着目し、その振幅が最大値の1/2となる時刻を検知する方法で行うのが好ましい。なお、この他に、受振波の立ち上がり時刻を検知する方法、対となる測定点P1、P2の受振波同士の相互相関から遅れ時間を検知する方法などを用いてもよい。
上述のようにして測定位置の距離補正を行った後、対となる測定点P1、P2で測定された受振波をそれぞれヒルベルト変換して振幅情報と位相情報に分離する。前記ヒルベルト変換は、複素フーリエ変換における正の周波数領域のみを通過させる周波数フィルターを通した後、フーリエ逆変換によって時間軸波形を得て、その振幅と位相を分離、判別できるようにしたものである(下式及び図8参照)。
x(t)=Acos(ωt)=Acos(θ)
x(t)=xr(t)+i×xi(t)
xr(t)=A(t)cosθ(t)、xi(t)=A(t)sinθ(t)
振幅 A(t)=(xr(t)+xi(t)1/2
位相 θ(t)=tan−1(xi(t)/xr(t))
そして、対となる測定点P1、P2の振幅情報同士の差分波形である振幅差分波形と、位相情報同士の差分波形である位相差分波形を得る。これらの差分波形を得る際は、必ず対となる測定点P1、P2のうち、一方(例えばP1)から他方(P2)を減じるようにする。
図9に示されるように、入力点Fと測定点P1、P2との相対的位置関係を維持しながら、構造物の表面を順次移動させて複数の入力点(図示例ではF11〜F15)で測定すると、図示例のように、内部欠陥Dの平面上の位置(F13)に対して左右対称となる測定位置の関係を有する場合がある。例えば、図9では、入力点F11とF15とは、内部欠陥Dの直上(F13)に対して左右対称となっており、入力点F11に対する他方側の測定点(F11-P2)と、入力点F15に対する一方側の測定点(F15-P1)とは、同じ測定点となっている。すなわち、差分波形で比較すると、入力点F11の差分波形と、入力点F15の差分波形とは、理論上、正負が反転した波形となる。このようにして、構造物の表面を順次移動させて複数の入力点で測定したとき、正負が反転した波形が得られた入力点間の中央位置が内部欠陥Dの直上位置と推定でき、平面上での内部欠陥Dの位置を推定することが可能になる。また、図7に示されるように、差分波形の振幅がゼロとなる入力点が得られた場合も、その入力点が内部欠陥Dの直上位置と推定することが可能である。
このような平面上の内部欠陥Dの位置の推定は、前述の振幅差分波形と位相差分波形のいずれを用いても行うことができ、これら振幅差分波形及び位相差分波形の両方を用いて行ってもよいし、振幅差分波形及び位相差分波形のいずれか一方を用いて行ってもよい。
次に、内部欠陥Dの深さを推定する方法について説明する。この内部欠陥Dの深さは、対となる測定点P1、P2にそれぞれ、弾性波の入力時から反射波が到達するまでの時間を基にして推定することができる。具体的には、対となる測定点P1、P2で測定された受振波をそれぞれヒルベルト変換して位相を算出するとともに、前記位相の単位時間当たりの変化量である位相差を算出する。
ここで、内部欠陥Dがある場合、受振波には所定の時刻において内部欠陥で反射した反射波が加わる(干渉する)ため、計測された振動波形は、振幅及び位相が乱れた波形となり、これをヒルベルト変換した位相は、折り返しの間隔が異なるのこぎり波形を成す。また、位相差は、反射波が構造物の表面に到達した時刻で変化が生じるようになる。
このように、受振波をヒルベルト変換して位相を算出するとともに、前記位相の単位時間当たりの変化量である位相差を算出することにより、表面を伝搬する波と反射波とが相互に干渉して位相差に変化が生じる時刻が得られるので、弾性波の入力時から位相差に変化が生じるまでの時間に、構造物内部における縦弾性波の伝搬速度を乗じることにより、内部欠陥Dまでの往復距離が得られるようになる。更に、この内部欠陥Dまでの往復距離から内部欠陥Dの位置を推定することが可能となる。
例を挙げて説明すると、弾性波の入力点F及び対となる測定点P1、P2を図9に示されるように配置した場合において、入力点F11に弾性波を入力したときの受振波を測定点F11-P1及びF11-P2で測定し、入力点F15に弾性波を入力したときの受振波を測定点F15-P1及びF15-P2で測定した。なお、入力点F11における右側の測定点F11-P2と、入力点F15における左側の測定点F15-P1とは同じ位置である。この測定点F11-P2(F15-P1)は、内部欠陥Dのほぼ直上に位置し、入力点F11及びF15は、ほぼ左右対称の位置に配置されている。
このとき、それぞれの測定点で測定された受振波をヒルベルト変換して得た位相から位相差を算出すると、図10に示すようになる。図10に示されるように、入力点F11の場合と入力点F15の場合の両方とも同じように、時間0.035ms付近で、P1とP2の位相差に差異が発生している。この位相差の差異は、入力点F11の場合にはP1側が大きな値となり、入力点F15の場合にはP2側が大きな値となるというように、逆の関係になっている。このことは、トレンドの方向が正負反転していること、内部欠陥Dからの反射波が内部欠陥Dと遠い側の測定点(入力点F11においては測定点F11-P2、入力点F15においては測定点F15-P1)にも到達していることを示しているから、この時間0.035msが、反射波が到達した時間と判断できる。
この時間0.035msに、構造物内部における弾性波の伝搬速度(コンクリートの場合は4000m/s)を乗じることにより、構造物の表面から内部欠陥Dまでの往復距離が得られる。その後、図9に示されるように、構造物の断面図に、内部欠陥Dまでの往復距離と同等の往復距離となる楕円弧状の欠陥位置想定曲線9を描く。各入力点F11、F15について同様に欠陥位置想定曲線9、9を描くと、これらが交差または近接する位置から内部欠陥Dの位置を推定することができる。前記欠陥位置想定曲線9、9は、弾性波の入力点から構造物内部を通って測定点に達するまでの距離が、上述の位相差に変化が生じるまでの時間に構造物内部における弾性波の伝搬速度を乗じて得た内部欠陥Dまでの往復距離となるように引いた、前記弾性波の入力点及び測定点の2点を中心とする楕円弧状の曲線である。各入力点に対する計測結果から得られた内部欠陥Dまでの往復距離は、内部欠陥Dが前記欠陥位置想定曲線9の上に存在していることを表している。従って、複数の入力点で振動計測すること、及び/又は複数の対となる測定点で振動計測することにより、内部欠陥Dの位置がより厳密に推定できるようになる。また、複数の欠陥位置想定曲線9…が交差する範囲から内部欠陥Dの大きさを推定することも可能である。
本探査方法が対象とする構造物の内部欠陥としては、空洞、クラック、ジャンカ、層間剥離などコンクリート構造物の内部に生じる欠陥を広く対象とすることが可能である。
特に、前記構造物として、コンクリートが硬化した後で、予め埋設しておいたシースにPC鋼材を挿通するとともに、前記PC鋼材に張力を導入した後、前記シース内の前記PC鋼材との空隙部にグラウトを注入してなるポストテンション方式によるPC構造物を対象とした場合において、前記グラウトの充填状態を確認するのに本探査方法を用いるのが好適である。
橋梁や高架橋、建築物等のPC構造物におけるPC鋼材のシース管内にはグラウトが充填されるが、このようなPC鋼材のシース管内においてグラウトの充填不良が生じた場合には、これに起因するPC鋼材の腐食、破断事故が生じる可能性がある。そのため、PC鋼材のシース管内のグラウト充填度を衝撃弾性波法によって調査することは大変重要である。
PC構造物の内部欠陥の探査方法に本探査方法を用いることにより、精度良くグラウトの充填不足を確認することができ、未充填部分への再充填などの対策を適切に行うことができるようになる。
また、本探査方法は、従来の衝撃弾性波法のように、入力された弾性波が対向面で反射し、構造物の厚さ方向に多重反射することを前提とした板状の構造物を対象とする技術ではないため、T桁下フランジなどの板状以外の断面形状からなる構造物や厚さが厚い構造物にも適用できるとともに、内部欠陥が精度良く検出できるようになる。
本探査方法による効果をまとめれば以下のようになる。(1)実条件を反映したシンプルな波形処理により恣意性が排除され、内部欠陥をより精度良く検出できるようになる。(2)測定位置を順次移動させて計測し、差分波形の振幅変化の状態を観測することで、再現性及び信頼性が向上できる。(3)振幅に加えて位相の状態も観測することで、より精度及び信頼性が向上できる。(4)対となる測定点を複数組設けることによって、より検出精度が向上できる。
〔第2形態例〕
上記第1形態例では、弾性波の入力点Fから等距離の対称位置にそれぞれ測定点P1、P2を配置していたが、弾性波の入力点Fと測定点との距離が等距離であれば、各測定点での表面波成分は同位相、同振幅となり、2つの測定点の差分波形をとることにより、表面波成分が除去(相殺)され、内部欠陥Dからの反射波のみの影響が残るという考えの下、本第2形態例では、図11に示されるように、平面視で弾性波の入力点Fを中心とする円上に複数の、図示例では3つの測定点P1、P2、P3を配置している。そして、それぞれの測定点P1〜P3で測定された受振波同士の差分波形を求めることにより、構造物の表面を伝搬する表面波の影響を除去した状態で内部欠陥Dの位置を推定している。このように、平面視で入力点Fを中心とする円上に複数の測定点P1〜P3を配置することにより、3次元的に内部欠陥の位置が検出できるようになる。
以下、更に詳しく説明すると、本第2形態例における測定点は、弾性波の入力点Fを中心とする円上に、円周方向に所定の間隔をあけて、2箇所以上、好ましくは3〜10箇所、より好ましくは3〜5箇所配置されている。円周方向の配置間隔は任意であるが、ほぼ等間隔に配置するのが好ましい。測定点の数は、偶数でもよいし、奇数でもよい。
測定点が3つ以上の場合において、それぞれの測定点で測定された受振波同士の差分波形を求める際は、複数の測定点のうち2つの測定点で測定された受振波同士の差分波形を求める。差分波形を求める際は、複数の測定点から抽出可能な全ての組み合わせについて行ってもよいし、複数の測定点のうち、振幅が最大となる測定点と振幅が最小となる測定点についてのみ行ってもよい。
内部欠陥Dと測定点との距離が小さいほど、内部欠陥Dからの反射波の影響を大きく受け、前記距離が大きいほど、反射波の影響が小さくなる。従って、上記の方法により各測定点の差分波形を求めることにより、複数の測定点のうち、差分波形が最も大きくなる測定点の組み合わせを求めることにより、これら測定点と入力点Fとの相対的位置関係から、入力点Fに対して内部欠陥Dがどの方向に存在するかが3次元的に把握できるようになる。これにより、その方向に対して、弾性波の入力点の密度を高めることにより、より高精度に内部欠陥Dの位置が推定できるようになる。
入力点Fと測定点との相対的位置関係を維持しながら、構造物の表面を順次移動させて複数点を測定する場合、入力点Fと測定点との相対的な角度も維持しながら順次移動させるようにする。
1…打撃装置、2…プランジャー、3…鋼球、4…弾性波センサ、9…欠陥位置想定曲線、D…内部欠陥、F…入力点、P1・P2・P3…測定点

Claims (8)

  1. 構造物の表面に弾性波を入力したときの表面の振動を受振して内部欠陥を探査する方法であって、
    弾性波の入力点から等距離の位置に複数の測定点を配置し、それぞれの測定点で測定された受振波同士の差分波形を求めることにより、構造物の表面を伝搬する表面波の影響を除去した状態で内部欠陥の位置を推定することを特徴とする内部欠陥の探査方法。
  2. 弾性波の入力点から等距離の対称位置にそれぞれ測定点を配置し、この対となる測定点で測定された受振波同士の差分波形を求める請求項1記載の内部欠陥の探査方法。
  3. 平面視で弾性波の入力点を中心とする円上に複数の測定点を配置する請求項1記載の内部欠陥の探査方法。
  4. 各測定点で測定された受振波をそれぞれヒルベルト変換して振幅情報と位相情報に分離し、受振波同士の振幅差分波形及び位相差分波形を得た上で、前記振幅差分波形と位相差分波形の両方又はいずれか一方から内部欠陥の位置を推定する請求項1〜3いずれかに記載の内部欠陥の探査方法。
  5. 入力点と測定点との相対的位置関係を維持しながら、構造物の表面を順次移動させて複数点を測定したときの前記差分波形の振幅変化の状態から、平面上での内部欠陥の位置を推定する請求項1〜4いずれかに記載の内部欠陥の探査方法。
  6. 各測定点で測定された受振波同士の遅れ時間を検出し、その遅れ時間から、各測定点と入力点との間の距離補正を行う請求項1〜5いずれかに記載の内部欠陥の探査方法。
  7. 各測定点で測定された受振波をそれぞれヒルベルト変換して位相を算出するとともに、前記位相の単位時間当たりの変化量である位相差を算出し、弾性波の入力時からそれぞれの測定点間の前記位相差に変化が生じるまでの時間を得た後、前記時間に構造物内部における弾性波の伝搬速度を乗じて得た内部欠陥までの往復距離から内部欠陥の位置を推定する請求項1〜6いずれかに記載の内部欠陥の探査方法。
  8. 前記構造物は、コンクリートが硬化した後で、予め埋設しておいたシースにPC鋼材を挿通するとともに、前記PC鋼材に張力を導入した後、前記シース内の前記PC鋼材との空隙部にグラウトを注入してなるポストテンション方式によるPC構造物であり、
    前記グラウトの充填状態を確認するのに前記探査方法が用いられている請求項1〜7いずれかに記載の内部欠陥の探査方法。
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