JP2020148171A - 吸気制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気量センサの誤差を補償する学習制御をより広い内燃機関の運転領域で有効に行うことが可能となる吸気制御装置を提供する。【解決手段】吸気制御装置10は、燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出部42と、空燃比と燃料噴射量とに基づいて推定空気量を算出する推定空気量算出部43と、第1実測空気量と推定空気量との相関データに基づいて補正対象空気量を取得する学習用データ取得部44と、第2実測空気量と推定空気量との相関データに基づいて基準空気量を取得する基準用データ取得部45と、基準空気量に対する補正対象空気量の乖離量から学習補正値を算出すると共に、当該学習補正値を用いて補正対象空気量を補正することで誤差を補償する誤差補償部46と、を備える。第2実測空気量は、ディーゼルエンジン1の運転状態が過渡を含む非定常状態である場合の吸入空気量の検出値を少なくとも含む。【選択図】図1

Description

本発明は、吸気制御装置に関する。
従来、エンジン状態から推定される理論空気量とエアフロセンサによる測定空気量との関係を学習し、当該学習した関係を用いてエアフロセンサによる測定空気量を補正する技術が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1に記載の技術では、吸入空気量が安定するエンジン状態が学習実行条件として予め設定されており、学習実行条件が成立するエンジン状態の場合に学習が行われる。
特開2011−47377号公報
空気量センサの個体差又は経年変化等によって、内燃機関が吸入する空気量である実測空気量に検出誤差が生じることがある。近年の排気ガス規制の強化に対応するためには、検出誤差を補償する学習制御を行うことで検出誤差に起因する内燃機関の排気ガス性能の悪化を抑制することが望まれている。しかしながら、上記従来技術のように学習可能な内燃機関の運転領域が特定の領域に限定されていると、学習可能ではない内燃機関の運転領域で学習制御が有効に行われず、検出誤差に起因する排気ガス性能の悪化を十分に抑制できないおそれがある。
本発明は、空気量センサの誤差を補償する学習制御をより広い内燃機関の運転領域で有効に行うことが可能となる吸気制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る吸気制御装置は、内燃機関の吸入空気量を検出する空気量センサの誤差を補償する学習制御を行う吸気制御装置であって、内燃機関の回転数を検出する回転数検出部と、内燃機関の負荷を検出する負荷検出部と、内燃機関の排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、回転数と負荷とに基づいて、内燃機関の燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出部と、空燃比と燃料噴射量とに基づいて、吸入空気量の推定値である推定空気量を算出する推定空気量算出部と、空気量センサによる吸入空気量の検出値である第1実測空気量と推定空気量との相関データに基づいて、所定の推定空気量区間に属する複数の第1実測空気量の代表値である補正対象空気量を推定空気量区間ごとに取得する学習用データ取得部と、内燃機関の運転状態が過渡を含む非定常状態である場合の吸入空気量の検出値を少なくとも含む第2実測空気量と推定空気量との相関データに基づいて、推定空気量区間に属する複数の第2実測空気量の代表値である基準空気量を推定空気量区間ごとに取得する基準用データ取得部と、基準空気量に対する補正対象空気量の乖離量から学習補正値を算出すると共に、当該学習補正値を用いて補正対象空気量を補正することで誤差を補償する誤差補償部と、を備える。
本発明の一態様に係る吸気制御装置では、学習用データ取得部によって第1実測空気量から補正対象空気量が取得され、基準用データ取得部によって第2実測空気量から基準空気量が取得される。誤差補償部によって、基準空気量に対する補正対象空気量の乖離量から学習補正値が算出されると共に、当該学習補正値を用いて補正対象空気量が補正されることで空気量センサの誤差が補償される。ここで、基準空気量は、内燃機関の運転状態が過渡を含む非定常状態である場合の吸入空気量の検出値を少なくとも含む第2実測空気量から取得されている。したがって、例えば内燃機関の運転状態が定常状態である場合に限って学習制御が行われる場合と比較して、空気量センサの誤差を補償する学習制御をより広い内燃機関の運転領域で有効に行うことが可能となる。
一実施形態において、誤差補償部は、乖離量が乖離量閾値以上である場合に、学習補正値の算出及び当該学習補正値を用いた補正対象空気量の補正を実行し、乖離量閾値は、推定空気量が第1推定空気量閾値以上である場合に、推定空気量が第1推定空気量閾値未満の場合と比べて小さい値であってもよい。この場合、推定空気量が第1推定空気量閾値以上である場合には、推定空気量が第1推定空気量閾値未満の場合と比べて、学習補正値の算出及び補正対象空気量の補正が行われ易くなる。そのため、推定空気量が第1推定空気量閾値以上の場合(例えば内燃機関の運転状態が高負荷状態の場合)において、より確実に学習制御を行うことが可能となる。
一実施形態において、推定空気量区間の大きさは、推定空気量が第2推定空気量閾値以上である場合に、推定空気量が第2推定空気量閾値未満の場合と比べて小さい値であってもよい。この場合、推定空気量が第2推定空気量閾値以上である場合には、推定空気量が第2推定空気量閾値未満の場合と比べて推定空気量区間の範囲が狭くなるため、補正対象空気量を取得するための複数の第1実測空気量のバラツキ及び基準空気量を取得するための複数の第2実測空気量のバラツキが小さくなる。そのため、推定空気量が第2推定空気量閾値以上の場合(例えば内燃機関の運転状態が高負荷状態の場合)において、より精度良く学習制御を行うことが可能となる。
一実施形態において、排気ガスの一部をEGRガスとして内燃機関の吸気通路に還流させるEGRユニットと、内燃機関の吸気圧力を検出する吸気圧力センサと、吸入空気量と吸気圧力とに基づいて、内燃機関のEGR率を算出するEGR率算出部と、を更に備え、EGR率算出部は、誤差補償部によって学習補正値を用いて補正された補正対象空気量を吸入空気量として用いてEGR率を算出してもよい。この場合、空気量センサの誤差を補償しない場合と比較して、より高精度にEGR率を算出することができる。
本発明によれば、空気量センサの誤差を補償する学習をより広い内燃機関の運転領域で有効に行うことが可能となる。
実施形態の吸気制御装置を備えたエンジンシステムの概略構成図である。 図1の吸気制御装置のECUに関する構成を示すブロック図である。 学習用データと基準用データとの一例を示す図である。 学習用データ及び基準用データの取得を説明するための図である。 学習用データ及び基準用データの取得を説明するための図である。 学習補正値の一例を示す図である。 学習補正値を用いた補正対象空気量の補正の一例を示す図である。 EGR率に対するNOx排出量の感度の傾向を示す図である。 基準用データ取得処理を例示するフローチャートである。 基準用データ取得処理を例示するフローチャートである。 学習用データ取得処理を例示するフローチャートである。 学習用データ取得処理を例示するフローチャートである。 誤差補償処理を例示するフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
[エンジンシステムの構成]
図1は、実施形態の吸気制御装置を備えたエンジンシステムの概略構成図である。図1に示されるように、一実施形態に係る吸気制御装置10は、例えば車両Tに搭載されたディーゼルエンジン(内燃機関)1に適用される。車両Tは、特に限定されないが、例えばトラックである。ディーゼルエンジン1は、4気筒直列型ディーゼルエンジンである。ディーゼルエンジン1は、4つのシリンダ2を有するエンジン本体3を備えている。
ディーゼルエンジン1は、各シリンダ2の燃焼室4に燃料を噴射する4つのインジェクタ(不図示)と、各インジェクタと接続され、高圧燃料を貯留すると共に各インジェクタに高圧燃料を供給するコモンレール(不図示)とを備えている。
ディーゼルエンジン1は、エンジン本体3にインテークマニホールド12を介して接続され、燃焼室4に空気を吸入するための吸気通路13と、エンジン本体3にエキゾーストマニホールド14を介して接続され、燃焼室4で発生した排気ガスを排出するための排気通路15とを備えている。
吸気通路13には、上流側から下流側に向けてエアクリーナ16、ターボ過給機17のコンプレッサ18、インタークーラ19及びスロットルバルブ11が配設されている。スロットルバルブ11は、例えば電子制御バタフライバルブであり、インテークマニホールド12の吸入空気の圧力(ブースト圧)を調整する。
排気通路15には、上流側から下流側に向けてターボ過給機17のタービン20、DOC[Diesel Oxidation Catalyst]21、DPF[Diesel Particulate Filter]22、及びSCR[Selective Catalytic Reduction]23が配設されている。DOC21は、排気ガス中のHC及びCO等を酸化して浄化する。DPF5は、排気ガス中に含まれるPM(煤等の粒子状物質)を捕集し、排気ガスを浄化する。SCR23は、尿素水を用いた還元により、排気ガス中に含まれるNOxを浄化する触媒である。SCR23は、尿素選択還元(尿素SCR)触媒のことである。SCR23には、例えば排気通路15におけるDPF22とSCR23との間に設けられた添加弁36により、還元剤である尿素水が噴射される。
また、ディーゼルエンジン1は、燃焼室4で発生した排気ガスの一部をEGR(排気再循環)ガスとして吸気通路13に還流させるEGRユニット24を備えている。EGRユニット24は、吸気通路13とエキゾーストマニホールド14とを接続するように設けられたEGR通路25と、このEGR通路25に配設され、エキゾーストマニホールド14から吸気通路13へのEGRガスの還流量を調整するEGRバルブ26と、EGR通路25におけるEGRバルブ26よりも上流側に配設され、EGR通路25を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ27と、このEGRクーラ27をバイパスするようにEGR通路25に接続されたバイパス通路28と、EGR通路25におけるバイパス通路28との接続部に配設され、EGRガスの流路をEGRクーラ27及びバイパス通路28の何れかに切り替える切替弁29と、を有している。
[吸気制御装置の構成]
吸気制御装置10は、ディーゼルエンジン1の吸入空気量を検出するエアフロセンサ(空気量センサ)33の誤差を補償する学習制御を行う。エアフロセンサ33の誤差とは、吸入空気量の検出値の誤差を意味し、例えばセンサそのものの個体差で生じる誤差、あるいはセンサの汚れ等によって経時的に検出特性が変化することで生じる誤差などが含まれる。
図2は、図1の吸気制御装置のECUに関する構成を示すブロック図である。図1及び図2に示されるように、吸気制御装置10は、アクセル開度センサ(負荷検出部)31と、エンジン回転数センサ(回転数検出部)32と、エアフロセンサ33と、ブースト圧センサ(吸気圧力センサ)34と、空燃比センサ35と、ECU40と、を備えている。ECU40には、上記各センサ31〜35及び添加弁36が接続されている。
アクセル開度センサ31は、例えば車両Tの運転席の足下において、運転者が右足で操作できるような位置に配置されたアクセルペダルに併設されている。アクセル開度センサ31は、例えば運転者が車両Tを運転している場合のディーゼルエンジン1の負荷としてアクセルペダルのアクセル開度を検出する。アクセル開度センサ31は、検出したアクセル開度の検出信号をECU40に送信する。
エンジン回転数センサ32は、例えばディーゼルエンジン1のクランクシャフトの回転数をディーゼルエンジン1の回転数(以下、エンジン回転数という)として検出する検出器である。エンジン回転数センサ32は、検出したエンジン回転数の検出信号をECU40に送信する。
エアフロセンサ33は、ディーゼルエンジン1の吸入空気量を検出する検出器である。エアフロセンサ33は、例えば吸気通路13におけるエアクリーナ16とコンプレッサ18との間に設けられている。エアフロセンサ33は、検出した吸入空気量の検出信号をECU40に送信する。
ブースト圧センサ34は、インテークマニホールド12の吸入空気の圧力をディーゼルエンジン1の吸気圧力として検出する検出器である。ブースト圧センサ34は、検出した吸気圧力の検出信号をECU40に送信する。
空燃比センサ35は、ディーゼルエンジン1の排気ガスの空燃比を検出する検出器である。空燃比センサ35は、検出した吸気圧力の検出信号をECU40に送信する。なお、空燃比センサ35は、空燃比だけでなくNOx濃度の検出機能を兼ね備えたいわゆるNOxセンサであってもよい。
ECU40は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、CAN[Controller Area Network]通信回路等を有する電子制御ユニットである。ECU40では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU40は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。
ECU40は、機能的構成として、エンジン状態取得部41と、燃料噴射量算出部42と、推定空気量算出部43と、学習用データ取得部44と、基準用データ取得部45と、誤差補償部46と、EGR率算出部47と、を有している。
エンジン状態取得部41は、例えば、アクセル開度センサ31で検出されたアクセル開度、エンジン回転数センサ32で検出されたエンジン回転数、エアフロセンサ33で検出された吸入空気量、及び、空燃比センサ35で検出された空燃比を、エンジン状態として取得する。エンジン状態取得部41は、例えば、ブースト圧センサ34で検出されたディーゼルエンジン1の吸気圧力に基づいて、ディーゼルエンジン1の燃焼室4に吸入されたEGR込み気体量を取得する。
燃料噴射量算出部42は、エンジン回転数と負荷とに応じて、ディーゼルエンジン1の燃料噴射量を算出する。燃料噴射量は、各インジェクタが各シリンダ2の燃焼室4に燃料を噴射する量である。燃料噴射量算出部42は、例えば、アクセル開度センサ31で検出されたアクセル開度とエンジン回転数センサ32で検出されたエンジン回転数とに基づいて、アクセル開度及びエンジン回転数を軸とする予め記憶されたマップを用いて燃料噴射量を算出する。
推定空気量算出部43は、空燃比と燃料噴射量とに基づいて、吸入空気量の推定値である推定空気量を算出する。推定空気量算出部43は、例えば、下記式(1)に従って、推定空気量を算出する。推定空気量には、空燃比センサ35で検出された空燃比が用いられているため、例えばEGRガスの還流量がある場合でも算出が可能である。
推定空気量=空燃比×燃料噴射量 ・・・(1)
学習用データ取得部44は、学習制御のための学習用データを取得する。学習用データ取得部44は、エアフロセンサ33による吸入空気量の検出値である第1実測空気量と推定空気量との相関データに基づいて、所定の推定空気量区間に属する複数の第1実測空気量の代表値である補正対象空気量を推定空気量区間ごとに取得する(詳しくは後述)。
学習用データは、エアフロセンサ33で検出された吸入空気量のデータであって、エアフロセンサ33の誤差によって後述の基準用データに対する誤差が生じうる。学習用データは、例えば、ディーゼルエンジン1の開発中ではなく、量産されたディーゼルエンジン1の供用中などにおいて、設計上の許容範囲の特性を有するエアフロセンサ33及び空燃比センサ35を用いて取得された推定空気量と、当該エアフロセンサ33による吸入空気量の検出値である第1実測空気量との相関データに基づいて、学習用データ取得部44によって後述の手法により取得される。
基準用データ取得部45は、学習制御のための基準用データを取得する。基準用データ取得部45は、ディーゼルエンジン1の運転状態が過渡を含む非定常状態である場合の吸入空気量の検出値を少なくとも含む第2実測空気量と推定空気量との相関データに基づいて、推定空気量区間に属する複数の第2実測空気量の代表値である基準空気量を推定空気量区間ごとに取得する(詳しくは後述)。
基準用データは、学習制御において基準となる、エアフロセンサ33で検出された吸入空気量のデータである。基準用データは、例えば、ディーゼルエンジン1の開発中において基準となる特性を有するエアフロセンサ33及び空燃比センサ35を用いて取得された推定空気量と、当該エアフロセンサ33による吸入空気量の検出値である第2実測空気量との相関データに基づいて、基準用データ取得部45によって後述の手法により取得される。基準用データは、ディーゼルエンジン1単体の試験で取得されてもよいし、車両Tに搭載された状態のディーゼルエンジン1の試験で取得されてもよい。基準用データの取得の際に用いられるディーゼルエンジン1としては、例えば、上記学習用データの取得の際に用いられるディーゼルエンジン1と、少なくとも吸気系システム及び空燃比センサ35が略同じ構成のものを用いることができる。ここでの吸気系システムは、例えば、スロットルバルブ11、インテークマニホールド12、吸気通路13、エアクリーナ16、コンプレッサ18、インタークーラ19、及びこれらの接続関係(離間距離など)を意味する。
特に、第2実測空気量は、ディーゼルエンジン1の運転状態が過渡を含む非定常状態である場合の吸入空気量の検出値を少なくとも含んでいる。定常状態とは、吸入空気量が安定するエンジン状態を意味し、例えば、エンジン回転数の変動量が所定範囲内である状態であってディーゼルエンジン1の負荷(又は燃料噴射量)の変動量が所定範囲内である状態が含まれる。非定常状態とは、ディーゼルエンジン1の運転状態が定常状態ではない状態を意味し、エンジン回転数、ディーゼルエンジン1の負荷(又は燃料噴射量)、又は吸入空気量などが変化中である状態が含まれる。過渡とは、ディーゼルエンジン1の運転状態がある定常状態から別の定常状態へ遷移する間のエンジン状態を意味し、例えば、エンジン回転数の変動量が所定範囲を超える状態、及び、ディーゼルエンジン1の負荷(又は燃料噴射量)の変動量が所定範囲を超える状態のうちの少なくとも一方が含まれる。過渡には、車両Tの車速の変動が所定範囲を超える場合を含んでいてもよい。車速は、公知の車速センサ等により取得される。
また、第2実測空気量は、ディーゼルエンジン1の運転状態が高負荷状態である場合の吸入空気量の検出値を含んでいてもよい。高負荷状態とは、例えば、ディーゼルエンジン1の負荷が所定の負荷閾値以上の状態であってもよい。第2実測空気量は、EGRガスの還流量がある状態の吸入空気量の検出値を含んでいてもよい。EGRガスの還流量がある状態とは、例えば、目標とするEGR率の値が所定のEGR率閾値以上の状態であってもよいし、EGRバルブ26及び切替弁29の制御量がEGRガスが還流されるような値である状態であってもよい。
誤差補償部46は、基準空気量に対する補正対象空気量の乖離量から学習補正値を算出すると共に、当該学習補正値を用いて補正対象空気量を補正することで誤差を補償する(詳しくは後述)。
EGR率算出部47は、吸入空気量と吸気圧力とに基づいて、ディーゼルエンジン1のEGR率を算出する。EGR率は、ディーゼルエンジン1の燃焼室4に吸入されたEGR込み気体量に占めるEGR量の比率を意味する。EGR込み気体量は、一例として、EGRガス分の圧力を含むブースト圧でEGRガスが新気である(つまり全てが新気である)と仮定して得られる空気量とすることができる。EGR量は、EGR込み気体量から新気量を減算して求めることができる。よって、EGR率算出部47は、例えば、下記式(2)に従って、EGR率を算出する。新気量としては、エアフロセンサ33で検出された吸入空気量を用いることができる。
EGR率=(EGR込み気体量−新気量)/EGR込み気体量 ・・・(2)
[学習制御の詳細]
次に、学習制御の詳細について、ECU40の処理と共に説明する。
図3は、学習用データと基準用データとの一例を示す図である。図3には、推定空気量を横軸とし、エアフロセンサ33で検出された吸入空気量(実測空気量)を縦軸として、プロット群J1及びプロット群J2が示されている。図3において黒丸で示されるプロット群J1(プロットJ11,J12,J13,・・・,J18)は、学習用データ取得部44によって取得された学習用データである。図3において白丸で示されるプロット群J2(プロットJ21,J22,J23,・・・,J28)は、基準用データ取得部45によって取得された基準用データ(いわゆるマスターマップ)である。なお、プロットの数は、図示の例に限定されるものではない。
図3のプロット群J1及びプロット群J2は、実測空気量と推定空気量との相関データに基づいて、学習用データ取得部44及び基準用データ取得部45によって取得される。つまり、プロット群J2の実測空気量は、基準空気量であり、プロット群J1の実測空気量は、補正対象空気量である。
まず、図4及び図5に加え、図9及び図10を参照して、基準用データ取得部45によるプロット群J2の取得処理を説明する。図4及び図5は、学習用データ及び基準用データの取得を説明するための図である。図9及び図10は、基準用データ取得処理を例示するフローチャートである。なお、図4において、プロット群Jnは、プロット群J1又はプロット群J2を意味している。吸気制御装置10のECU40は、例えばディーゼルエンジン1の開発中において、基準となる特性を有するエアフロセンサ33及び空燃比センサ35を用いた状態でのディーゼルエンジン1の運転中に、図9に示される処理を実行する。
図9に示されるように、ECU40は、S11において、エアフロセンサ33の検出結果に基づいて、エンジン状態取得部41により第2実測空気量の検出を行う。ECU40は、S12において、エンジン状態取得部41で取得したエンジン回転数と負荷とに基づいて、燃料噴射量算出部42により燃料噴射量の算出を行う。ECU40は、S13において、空燃比センサ35で検出した空燃比とS12で算出した燃料噴射量とを用いて、推定空気量算出部43により推定空気量の算出を行う。ECU40は、S14において、S11で検出した第2実測空気量とS13で算出した推定空気量とを用いて、基準用データ取得部45により第2実測空気量と推定空気量との相関データの取得を行う。
図9の処理により、図4に示されるように、例えば黒三角で示されるプロットj31,j32,j33,j34,j81,j82が取得される。したがって、基準用データ取得部45が図3のプロット群J2を取得する場合には、プロットj31,j32,j33,j34,j81,j82は、複数の第2実測空気量に相当し、第2実測空気量と推定空気量との相関データを構成するものということができる。なお、図4では図示しないがプロットJn1,Jn2などその他のプロットについても同様であり、図9の処理により取得されたプロットの数を、サンプル数という。
続いて、ECU40は、例えば図9の処理と並行して、図10に示される処理を実行する。図10の処理は、推定空気量区間(後述)ごとに行われる。
図10に示されるように、ECU40は、S21において、基準用データ取得部45により、当該推定空気量区間に属する第2実測空気量のサンプル数が所定値以上であるか否かを判定する。当該推定空気量区間に属する第2実測空気量のサンプル数が所定値以上であると基準用データ取得部45により判定された場合(S21:YES)、ECU40は、S22において、基準用データ取得部45により、当該推定空気量区間における基準空気量の取得を行う。
当該推定空気量区間における基準空気量の取得としては、例えば、図5に示されるように、推定空気量G3を含む推定空気量区間に属する複数の第2実測空気量(プロットj31,j32,j33,j34等)の頻度分布H3を取得し、この頻度分布H3における最頻値(代表値)を当該推定空気量区間の基準空気量として取得してもよい。このように基準空気量を取得することにより、ディーゼルエンジン1の運転状態が過渡を含む非定常状態である場合の吸入空気量の検出値を少なくとも含んでいる第2実測空気量を用いたとしても、第2実測空気量の平均化が好適に行われるため、学習制御の基準として利用可能な基準空気量を取得することができる。換言すれば、過渡運転を含めて作成されたマスターマップが取得されるともいうことができる。
なお、図10の処理は、推定空気量区間ごとに行われるため、S21の判定がYESとなった都度S22の処理が行われる。例えばS21の判定がYESとなる推定空気量区間が複数の推定空気量区間のうち一部に限られていたとしても、S21の判定がYESとなった当該推定空気量区間において、基準空気量の取得が行われる。
ここで、推定空気量区間は、複数の第1又は第2実測空気量の代表値を取得する際に、対象となる複数の第1又は第2実測空気量の集計するための推定空気量の区間(範囲)である。例えば、図4のプロットj31,j32,j33,j34は、G3を略中央値としr3の範囲に含まれる推定空気量区間に属している。
推定空気量区間は、所定個の推定空気量の値(図4の例では8個)のそれぞれについて、所定の大きさで規定されている。推定空気量区間の大きさは、例えば隣り合う推定空気量区間が重複しない程度の大きさとされている。推定空気量区間に属していない実測空気量のデータは、代表値の取得のために用いられなくてもよい(間引いてもよい)。
推定空気量区間の大きさは、推定空気量によらず一律の大きさであってもよいし、推定空気量に応じて変化する大きさであってもよい。例えば、推定空気量区間の大きさは、推定空気量が第2推定空気量閾値以上である場合に、推定空気量が第2推定空気量閾値未満の場合と比べて小さい値であってもよい。第2推定空気量閾値は、推定空気量区間の大きさを切替えるための推定空気量の閾値である。第2推定空気量閾値は、例えば、ディーゼルエンジン1の運転状態が高負荷状態であるか否かの境界となるような推定空気量の閾値とすることができる。具体的に図4では、プロットJn3は、推定空気量G3が第2推定空気量閾値未満の場合に対応しており、プロットJn8は、推定空気量G8が第2推定空気量閾値以上の場合に対応している。この場合、推定空気量区間の大きさr8は、推定空気量区間の大きさr3よりも小さいため、プロットj81,j82の横軸方向のバラツキが、プロットj31,j32,j33,j34の横軸方向のバラツキよりも小さくなる。
次に、図4及び図5に加え、図11及び図12を参照して、学習用データ取得部44によるプロット群J1の取得処理を説明する。図11及び図12は、学習用データ取得処理を例示するフローチャートである。ECU40は、例えば量産されたディーゼルエンジン1の供用中などにおいて、設計上の許容範囲の特性を有するエアフロセンサ33及び空燃比センサ35を用いた状態でのディーゼルエンジン1の運転中に、図11に示される処理を実行する。一例として、学習用データ取得部44は、基準用データ取得部45がプロット群J2を取得した手法と基本的に同様の手法により、プロット群J1及び取得する。
図11に示されるように、ECU40は、S31及びS34において、S11及びS14の第2実測空気量が第1実測空気量とされる点を除き、基本的には図9と同様の処理を行う。したがって、学習用データ取得部44が図3のプロット群J1を取得する場合には、図4の黒三角で示されるプロットj31,j32,j33,j34,j81,j82は、複数の第1実測空気量に相当し、第1実測空気量と推定空気量との相関データを構成するものということができる。なお、図4では図示しないがプロットJn1,Jn2などその他のプロットについても同様であり、図11の処理により取得されたプロットの数を、サンプル数という。
続いて、ECU40は、例えば図11の処理と並行して、図12に示される処理を実行する。図12の処理は、推定空気量区間ごとに行われる。
図12に示されるように、ECU40は、S41において、学習用データ取得部44により、当該推定空気量区間に属する第1実測空気量のサンプル数が所定値以上であるか否かを判定する。当該推定空気量区間に属する第1実測空気量のサンプル数が所定値以上であると学習用データ取得部44により判定された場合(S41:YES)、ECU40は、S42において、学習用データ取得部44により、当該推定空気量区間における補正対象空気量の取得を行う。
当該推定空気量区間における補正対象空気量の取得としては、例えば、上述の基準空気量の取得の場合と同様にして、図5に示されるように、推定空気量G3を含む推定空気量区間に属する複数の第1実測空気量(プロットj31,j32,j33,j34等)の頻度分布H3を取得し、この頻度分布H3の最頻値(代表値)を当該推定空気量区間の補正対象空気量として取得してもよい。基準空気量の取得と補正対象空気量の取得との両方において同様の上記取得手法(取得処理)を適用することにより、学習制御を行うことを、例えばディーゼルエンジン1の運転状態が定常状態である場合に限定せずに済む。すなわち、ディーゼルエンジン1の運転状態が非定常状態である場合、ディーゼルエンジン1の運転状態が高負荷状態である場合、又は、EGRガスの還流量がある場合においても、学習制御を有効に行うことが可能となる。
なお、図12の処理は、推定空気量区間ごとに行われるため、S41の判定がYESとなった都度S42の処理が行われる。例えばS21の判定がYESとなる推定空気量区間が複数の推定空気量区間のうち一部に限られていたとしても、S21の判定がYESとなった当該推定空気量区間において、補正対象空気量の取得が行われる。
以上のようにして取得された基準空気量が図3のプロット群J2の基準用データとして予めECU40の記憶部に記憶され、補正対象空気量が図3のプロット群J1の学習用データとなり、これらを用いてエアフロセンサ33の誤差の補償が行われる。例えば、図3においてプロットJ11及びプロットJ21に着目すると、プロットJ11とプロットJ21とは推定空気量が共通しており、プロットJ21の実測空気量の値を基準としてプロットJ11の実測空気量の値が補正される。なお、その他のプロットJ12及びプロットJ22等についても同様の対応関係である。
誤差補償部46による誤差補償処理について、図6及び図7に加え、図13を参照して説明する。図6は、学習補正値の一例を示す図である。図7は、学習補正値を用いた補正対象空気量の補正の一例を示す図である。図13は、誤差補償処理を例示するフローチャートである。ECU40は、例えば量産されたディーゼルエンジン1の供用中などにおいて、設計上の許容範囲の特性を有するエアフロセンサ33及び空燃比センサ35を用いた状態でのディーゼルエンジン1の運転中に、図13に示される処理を実行する。図13の処理は、推定空気量区間ごとに行われる。
図13に示されるように、ECU40は、S51において、誤差補償部46により、当該推定空気量区間における基準空気量に対する補正対象空気量の乖離量が所定の乖離量閾値以上であるか否かを判定する。当該推定空気量区間における基準空気量に対する補正対象空気量の乖離量が乖離量閾値以上であると誤差補償部46により判定された場合(S51:YES)、ECU40は、S52において、誤差補償部46により、当該推定空気量区間における学習補正値の算出を行う。誤差補償部46は、例えば、下記式(3)に従って、推定空気量区間ごとに学習補正値を算出する。これにより、例えば図6に示されるように、推定空気量区間ごとに学習補正値K1,K2,K3,・・・,K8が算出される。
学習補正値=基準空気量/補正対象空気量 ・・・(3)
ECU40は、S53において、誤差補償部46により、S52で算出した学習補正値を用いて、当該推定空気量区間における補正対象空気量の補正を行う。つまり、誤差補償部46は、乖離量が乖離量閾値以上である場合に、学習補正値の算出及び当該学習補正値を用いた補正対象空気量の補正を実行する。誤差補償部46は、例えば、下記式(4)に従って、推定空気量区間ごとに補正対象空気量の補正を実行し、下記誤差補償空気量を算出する。
誤差補償空気量=補正対象空気量×学習補正値 ・・・(4)
乖離量閾値は、補正対象空気量の補正を実行するか否かを判定するための乖離量の閾値である。乖離量閾値は、推定空気量によらず一律の値であってもよいし、推定空気量に応じて変化する値であってもよい。乖離量閾値は、推定空気量が第1推定空気量閾値以上である場合に、推定空気量が第1推定空気量閾値未満の場合と比べて小さい値であってもよい。第1推定空気量閾値は、乖離量閾値を切替えるための推定空気量の閾値である。第1推定空気量閾値は、例えば、ディーゼルエンジン1の運転状態が高負荷状態であるか否かの境界となるような推定空気量の閾値とすることができる。
なお、図13の処理は、推定空気量区間ごとに行われるため、S51の判定がYESとなった都度S52,S53の処理が行われる。例えばS51の判定がYESとなる推定空気量区間が複数の推定空気量区間のうち一部に限られていたとしても、S51の判定がYESとなった当該推定空気量区間において、学習補正値の算出が行われる。
これにより、例えば図7に示されるように、算出された学習補正値K1,K2,K3,・・・,K8のそれぞれが、図3のプロット群J1(プロットJ11,J12,J13,・・・,J18)のそれぞれに適用されることとなり、補正対象空気量に相当する図3のプロット群J1は、誤差補償空気量に相当する図7のプロット群JLに補正される。具体的には、誤差補償空気量であるプロットJL2が基準空気量であるプロットJ22に近づくように補正され、誤差補償空気量であるプロットJL8が基準空気量であるプロットJ28に近づくように補正される。
ちなみに、EGR率算出部47は、誤差補償部46によって学習補正値を用いて補正された補正対象空気量(誤差補償空気量)を吸入空気量として用いてEGR率を算出する。これにより、エアフロセンサ33の誤差が補償された新気量でEGR率が算出されることととなる。
以上説明したように、吸気制御装置10では、学習用データ取得部44によって第1実測空気量から補正対象空気量が取得され、基準用データ取得部45によって第2実測空気量から基準空気量が取得される。誤差補償部46によって、基準空気量に対する補正対象空気量の乖離量から学習補正値が算出されると共に、当該学習補正値を用いて補正対象空気量が補正されることでエアフロセンサ33の誤差が補償される。ここで、基準空気量は、ディーゼルエンジン1の運転状態が過渡を含む非定常状態である場合の吸入空気量の検出値を少なくとも含む第2実測空気量から取得されている。したがって、例えばディーゼルエンジン1の運転状態が定常状態である場合に限って学習制御が行われる場合と比較して、エアフロセンサ33の誤差を補償する学習制御をより広いディーゼルエンジン1の運転領域で有効に行うことが可能となる。特に、吸気制御装置10では、他、ディーゼルエンジン1の運転状態が高負荷状態、及び、EGRガスの還流量がある状態においても、学習制御を有効に行うことが可能となる。
なお、ディーゼルエンジン1の運転状態が、例えば高負荷状態であり且つEGRガスの還流量がある状態では、ディーゼルエンジン1の負荷が高負荷状態ではない場合と比較して、インテークマニホールド12の圧力が高くなること等により、燃焼室4に還流可能なEGRガスが制限される。その結果、ディーゼルエンジン1の負荷が高負荷状態である場合(図8中の点HL参照)には、ディーゼルエンジン1の負荷が高負荷状態ではない場合(図8中の点LL参照)と比較して、燃焼室4での実際のEGR率が小さくなると共に、EGR率の変化に対するNOx排出量の増減の感度が高くなる傾向がある。このような傾向があることから、例えば排気ガスの規制強化に伴って、ディーゼルエンジン1の負荷が高負荷状態ではない場合に許容できていたエアフロセンサ33の検出値の誤差が、ディーゼルエンジン1の負荷が高負荷状態である場合には許容できなくなる可能性があり、排気のロバスト性を担保することが難しくなるおそれがある。この点、吸気制御装置10によれば、学習制御をより広いディーゼルエンジン1の運転領域で有効に行うことができるため、このようなエアフロセンサ33の誤差によるEGR率の変化を抑制し、エアフロセンサ33の検出誤差に起因する排気ガス性能の悪化の抑制を図ることが可能となる。その結果、例えば、EGR過多による黒煙の発生の抑制、PMの排出の抑制、及び、PM再生のインターバルの長期化などが見込まれ、長期的な排気ガス性能及び燃費性能の向上に寄与することが期待される。更に、NOx排出量の増加の抑制によってSCR23への添加弁36からの尿素の添加の頻度低下が見込まれ、尿素の消費量の低減にもつながることが期待される。
吸気制御装置10では、誤差補償部46は、乖離量が乖離量閾値以上である場合に、学習補正値の算出及び当該学習補正値を用いた補正対象空気量の補正を実行する。乖離量閾値は、推定空気量が第1推定空気量閾値以上である場合に、推定空気量が第1推定空気量閾値未満の場合と比べて小さい値である。これにより、推定空気量が第1推定空気量閾値以上である場合には、推定空気量が第1推定空気量閾値未満の場合と比べて、学習補正値の算出及び補正対象空気量の補正が行われ易くなる。そのため、推定空気量が第1推定空気量閾値以上の場合(例えばディーゼルエンジン1の運転状態が高負荷状態の場合)において、より確実に学習制御を行うことが可能となる。
吸気制御装置10では、推定空気量区間の大きさは、推定空気量が第2推定空気量閾値以上である場合に、推定空気量が第2推定空気量閾値未満の場合と比べて小さい値である。これにより、推定空気量が第2推定空気量閾値以上である場合には、推定空気量が第2推定空気量閾値未満の場合と比べて推定空気量区間の範囲が狭くなるため、補正対象空気量を取得するための複数の第1実測空気量のバラツキ及び基準空気量を取得するための複数の第2実測空気量のバラツキが小さくなる。そのため、推定空気量が第2推定空気量閾値以上の場合(例えばディーゼルエンジン1の運転状態が高負荷状態の場合)において、より精度良く学習制御を行うことが可能となる。
吸気制御装置10では、排気ガスの一部をEGRガスとしてディーゼルエンジン1の吸気通路13に還流させるEGRユニット24と、ディーゼルエンジン1の吸気圧力を検出するブースト圧センサ34と、吸入空気量と吸気圧力とに基づいて、ディーゼルエンジン1のEGR率を算出するEGR率算出部47と、を更に備えている。EGR率算出部47は、誤差補償部46によって学習補正値を用いて補正された補正対象空気量を吸入空気量として用いてEGR率を算出する。これにより、エアフロセンサ33の誤差を補償しない場合と比較して、より高精度にEGR率を算出することができる。
[変形例]
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。
上記実施形態では、誤差補償部46は、乖離量が乖離量閾値以上である場合に、学習補正値の算出及び当該学習補正値を用いた補正対象空気量の補正を実行したが、これに限定されず、例えば学習補正値の算出と補正対象空気量の補正とで別の閾値を用いた判定をそれぞれ行ってもよいし、車両Tの積算走行距離又はディーゼルエンジン1の運転積算時間等に基づいて、学習補正値の算出と補正対象空気量の補正とを行うようにしてもよい。
上記実施形態では、推定空気量算出部43は、上記式(1)に従って推定空気量を算出したが、これに限定されず、例えば式(1)に別の補正項などを追加してもよい。
上記実施形態では、EGR率算出部47は、上記式(2)に従ってEGR率を算出したが、これに限定されず、例えば式(2)に別の補正項などを追加してもよい。
上記実施形態では、誤差補償部46は、上記式(3)に従って推定空気量区間ごとに学習補正値を算出したが、これに限定されず、例えば式(3)に別の補正項などを追加してもよいし、式(3)のような基準空気量と補正対象空気量との比率ではなく、基準空気量と補正対象空気量との差分で学習補正値を算出してもよい。
上記実施形態では、誤差補償部46は、上記式(4)に従って推定空気量区間ごとに補正対象空気量の補正を実行し、誤差補償空気量を算出したが、これに限定されず、例えば式(4)に別の補正項などを追加してもよいし、式(4)のような補正対象空気量に学習補正値を乗算するのではなく、基準空気量と補正対象空気量との差分で算出した学習補正値を加算することで補正対象空気量の補正を実行してもよい。
第2実測空気量は、必ずしもディーゼルエンジン1の運転状態が高負荷状態である場合の吸入空気量の検出値を含んでいなくてもよい。第2実測空気量は、必ずしもEGRガスの還流量がある状態の吸入空気量の検出値を含んでいなくてもよい。
上記実施形態では、EGR率算出部47は、誤差補償部46によって学習補正値を用いて補正された補正対象空気量(誤差補償空気量)を吸入空気量として用いてEGR率を算出したが、誤差補償空気量の用途は、これに限定されない。例えば、誤差補償空気量は、EGRユニット24の制御のための他のパラメータの計算に用いられてもよいし、あるいは吸入空気量を計算に用いるその他の制御に適用されてもよい。
上記実施形態では、排気通路15にDOC21、DPF22、及びSCR23が設けられていたが、これらの少なくとも一つが省略されていたり、一体的に構成されていたりしてもよい。
上記実施形態では、ブースト圧センサ34でインテークマニホールド12の吸気圧を検出したが、EGRガス分の圧力が反映される箇所であれば、吸気管13aの吸気圧を検出してもよい。
上記実施形態では、アクセル開度センサ31でエンジンの負荷を検出したが、その他の車載センサを用いてエンジンの負荷を検出してもよいし、車両Tの車両制御(例えばクルーズコントロール等)からの要求トルクとしてエンジンの負荷を検出してもよい。
上記実施形態では、内燃機関としてディーゼルエンジン1を例示したが、例えばガソリンエンジン等、その他の内燃機関であってもよい。
1…ディーゼルエンジン(内燃機関)、10…吸気制御装置、13…吸気通路、24…EGRユニット、31…アクセル開度センサ(負荷検出部)、32…エンジン回転数センサ(回転数検出部)、33…エアフロセンサ(空気量センサ)、34…ブースト圧センサ(吸気圧力センサ)、35…空燃比センサ、42…燃料噴射量算出部、43…推定空気量算出部、44…学習用データ取得部、45…基準用データ取得部、46…誤差補償部、47…EGR率算出部。

Claims (4)

  1. 内燃機関の吸入空気量を検出する空気量センサの誤差を補償する学習制御を行う吸気制御装置であって、
    前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出部と、
    前記内燃機関の負荷を検出する負荷検出部と、
    前記内燃機関の排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサと、
    前記回転数と前記負荷とに基づいて、前記内燃機関の燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出部と、
    前記空燃比と前記燃料噴射量とに基づいて、前記吸入空気量の推定値である推定空気量を算出する推定空気量算出部と、
    前記空気量センサによる前記吸入空気量の検出値である第1実測空気量と前記推定空気量との相関データに基づいて、所定の推定空気量区間に属する複数の前記第1実測空気量の代表値である補正対象空気量を前記推定空気量区間ごとに取得する学習用データ取得部と、
    前記内燃機関の運転状態が過渡を含む非定常状態である場合の前記吸入空気量の検出値を少なくとも含む第2実測空気量と前記推定空気量との相関データに基づいて、前記推定空気量区間に属する複数の前記第2実測空気量の代表値である基準空気量を前記推定空気量区間ごとに取得する基準用データ取得部と、
    前記基準空気量に対する前記補正対象空気量の乖離量から学習補正値を算出すると共に、当該学習補正値を用いて前記補正対象空気量を補正することで前記誤差を補償する誤差補償部と、を備える、吸気制御装置。
  2. 前記誤差補償部は、前記乖離量が乖離量閾値以上である場合に、前記学習補正値の算出及び当該学習補正値を用いた前記補正対象空気量の補正を実行し、
    前記乖離量閾値は、前記推定空気量が第1推定空気量閾値以上である場合に、前記推定空気量が前記第1推定空気量閾値未満の場合と比べて小さい値である、請求項1に記載の吸気制御装置。
  3. 前記推定空気量区間の大きさは、前記推定空気量が第2推定空気量閾値以上である場合に、前記推定空気量が前記第2推定空気量閾値未満の場合と比べて小さい値である、請求項1又は2に記載の吸気制御装置。
  4. 前記排気ガスの一部をEGRガスとして前記内燃機関の吸気通路に還流させるEGRユニットと、
    前記内燃機関の吸気圧力を検出する吸気圧力センサと、
    前記吸入空気量と前記吸気圧力とに基づいて、前記内燃機関のEGR率を算出するEGR率算出部と、
    を更に備え、
    前記EGR率算出部は、前記誤差補償部によって前記学習補正値を用いて補正された前記補正対象空気量を前記吸入空気量として用いて前記EGR率を算出する、請求項1〜3の何れか一項に記載の吸気制御装置。
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