JP2020147136A - 車両上部構造、車両構造、および車両構造の製造方法 - Google Patents

車両上部構造、車両構造、および車両構造の製造方法 Download PDF

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幸人 中野
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英一 西垣
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Shunsuke Takii
俊介 滝井
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Abstract

【課題】車両の性能的観点から車両の上部構造を最適化する。【解決手段】車両上部構造は、カウルトップサイドフレームと、ルーフレールと、カウルトップサイドフレームと、ルーフレールとを接続するAピラーと、を備え、カウルトップサイドフレームと、Aピラーと、ルーフレールの少なくとも一部とが、一体として形成されている【選択図】図2

Description

本発明は、車両上部構造、車両構造、および車両構造の製造方法に関する。
車両構造として、車両の上側の上部構造と、車両の下側の下部構造とを別々に製造した後に、上部構造と下部構造とを組み合わせる製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された車両構造では、上部構造の車両ルーフから下方へと延びている複数のピラーの端部が、下部構造に形成された開口部に接着固定されている。
特開2011−88493号公報
特許文献1に記載された車両構造は、製造工程において製造しやすい分割構成を最適化した構造である。上部構造と、下部構造とを接合する部位では局所剛性が低下し、剛性低下が車両全体の特性にも波及し、車両全体のねじり固有振動数が低下するおそれがある。ねじり固有振動数が低下すると、動剛性が低下するため、車両の運動性能や乗り心地の悪化を招くおそれがある。そのため、特許文献1に記載された車両構造の分割構成には、改良すべき課題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、車両の性能的観点から車両の上部構造を最適化することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
(1)本発明の一形態によれば、車両上部構造が提供される。この車両上部構造は、カウルトップサイドフレームと、ルーフレールと、前記カウルトップサイドフレームと、前記ルーフレールとを接続するAピラーと、を備え、前記カウルトップサイドフレームと、前記Aピラーと、前記ルーフレールの少なくとも一部とが、一体として形成されている。
この構成によれば、カウルトップサイドフレームと、Aピラーと、ルーフレールの少なくとも一部とが一体で形成されている。そのため、車両上部構造と車両下部構造とを溶接などで組み付ける前に、ねじり固有振動数への寄与が大きいカウルトップサイドフレームと、Aピラーとが一体で形成されている。これにより、本車両上部構造を備える車両構造のねじり固有振動数の低下を抑制する。そのため、従来の車両と比較して、本車両上部構造を備える車両の運動性および乗り心地が向上する。また、従来と同じねじり固有振動数の車両構造に設定した場合に、本車両上部構造を備える車両構造に対して、補強部品等の削減を行うことにより、車両構造の剛性を維持したままで、車両構造を軽量化できる。
(2)上記形態の車両上部構造において、さらに、車両前方に配置されるラジエータの左右に配置されて前記ラジエータを支持し、かつ、前記カウルトップサイドフレームに接続するラジエータグリル支持構造を備え、前記ラジエータグリル支持構造の上部と、前記カウルトップサイドフレームの端部とが結合されていてもよい。
この構成によれば、ねじり固有振動数への寄与が大きいラジエータグリル支持構造と、カウルトップサイドフレームとが一体で形成されている。これにより、本車両上部構造を備える車両構造のねじり固有振動数が増加し、本車両上部構造を備える車両の運動性および乗り心地が向上する。
(3)上記形態の車両上部構造において、さらに、前記ラジエータグリル支持構造の長手方向に沿う中央部に結合されるクラッシュボックスを備え、前記ラジエータグリル支持構造と、前記クラッシュボックスとの結合は、締結、接着、および溶接の内の少なくとも1つであってもよい。
この構成によれば、ラジエータグリル支持構造に強固に結合されているクラッシュボックスは、車両衝突時のエネルギーを効率的に吸収する。これにより、車両の衝突安全性が向上する。
(4)上記形態の車両上部構造において、前記ラジエータグリル支持構造の上部と、前記カウルトップサイドフレームの端部との結合は、一体成形、締結、接着、および溶接の内の少なくとも1つであってもよい。
この構成によれば、ラジエータグリル支持構造の上部と、カウルトップサイドフレームの端部とは、強固に結合されている。これにより、当該結合部分の局所剛性が低下を抑制でき、本車両上部構造を備える車両構造のねじり固有振動数の低下を抑制できる。
(5)上記形態の車両上部構造において、前記ルーフレールは、前記ルーフレールの内の前部座席と後部座席の間に位置するBピラーに結合する部分よりも後ろ側まで延びて、前記カウルトップサイドフレームおよび前記Aピラーと一体成形されていてもよい。
Bピラーの下部の結合部は、ねじり固有振動数への寄与が大きい。この構成によれば、ルーフレールがBピラーに結合するまでの一部分が、Aピラーおよびカウルトップサイドフレームと一体成形されている。すなわち、Bピラーは、車両下部構造に結合されている。そのため、本車両上部構造を備える車両構造のねじり固有振動数が増加する。
(6)上記形態の車両上部構造において、前記一体成形は、押出成形、パイプ曲げ加工、および溶接の内の少なくとも1つであってもよい。
この構成によれば、一体成形として、押出成形、パイプ曲げ加工、および溶接のいずれかを採用しているため、結合部分が強固に結合されている。これにより、結合部分における局所剛性の低下を抑制でき、本車両上部構造を備える車両構造のねじり固有振動数が増加する。
(7)本発明の他の一形態によれば、車両構造が提供される。この車両構造は、上部構造と、前記上部構造と分割されている下部構造と、を備え、前記上部構造は、カウルトップサイドフレームと、ルーフレールと、前記カウルトップサイドフレームと、前記ルーフレールとを接続するAピラーと、を有し、前記下部構造は、前部座席と後部座席の間に位置するBピラーを有し、前記カウルトップサイドフレームと、前記Aピラーと、前記ルーフレールの少なくとも一部とが、一体として形成されている。
この構成によれば、上部構造は、カウルトップサイドフレームと、Aピラーと、ルーフレールの少なくとも一部とが一体で形成されており、一方で、下部構造が、Bピラーを有する。Bピラーの下部の結合部は、ねじり固有振動数への寄与が大きい。さらに、上部構造と下部構造とを溶接などで組み付ける前に、ねじり固有振動数への寄与が大きいカウルトップサイドフレームと、Aピラーとが一体で形成されている。これにより、車両構造のねじり固有振動数が増加する。そのため、従来の車両と比較して、本車両構造を備える車両の運動性および乗り心地が向上する。また、従来と同じねじり固有振動数の車両構造に設定した場合に、本車両構造を軽量化できる。
(8)上記形態の車両構造において、上部構造は、さらに、一対の前記ルーフレールに跨がって配置され、前記一対のルーフレールを接続しているルーフセンターリンフォースを有し、前記ルーフセンターリンフォースと、前記ルーフレールとの接続部は、前記上部構造と前記下部構造とを結合した場合に、前記ルーフレールと前記Bピラーとの接続部近傍に位置していてもよい。
この構成によれば、局所剛性が低下しやすいBピラーと、ルーフレールとの接合部近傍に、一対のルーフレールに跨がって配置されるルーフセンターリンフォースが結合される。ルーフセンターリンフォースによって、Bピラーとルーフレールとの結合部における局所剛性の低下を抑制できる。
(9)本発明の他の一形態によれば、車両構造の製造方法が提供される。この製造方法は、カウルトップサイドフレームと、ルーフレールの少なくとも一部と、前記カウルトップサイドフレームと前記ルーフレールとを接続するAピラーと、を一体の上部構造として形成する工程と、前部座席と後部座席の間にあるBピラーを有する下部構造と、前記上部構造とを結合する工程とを備える。
この構成によれば、ねじり固有振動数への寄与が大きいAピラーと、カウルトップサイドフレームとの結合部は、上部構造として一体で形成される。さらに、ねじり固有振動数への寄与が大きいBピラーの下部の結合部は、下部構造として製造される。その後、上部構造と、下部構造とが結合されることにより、車両構造が製造されるため、車両構造のねじり固有振動数の低下を抑制できる。これにより、従来の車両と比較して、本製造方法によって製造された車両の運動性および乗り心地が向上する。また、従来と同じねじり固有振動数の車両構造に設定した場合に、本製造方法によって製造された車両構造を軽量化できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、車両上部構造、車両構造、車両上部構造または車両構造を備える車両、および車両構造の製造方法の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての車両上部構造を備える車両構造の概略斜視図である。 本実施形態における車両上部構造と、車両下部構造とを分割した車両構造の概略斜視図である。 車両上部構造と、車両下部構造とを分割した車両構造の概略側面図である。 車両構造の製造方法を示すフローチャートである。 比較例における車両上部構造と、車両下部構造とを分割した車両構造の概略斜視図である。 実施例の車両構造と、比較例の車両構造との比較評価の表である。 実施例の車両構造と、比較例の車両構造との比較評価の表である。
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態としての車両上部構造10を備える車両構造100の概略斜視図である。図2は、本実施形態における車両上部構造10と、車両下部構造20とを分割した車両構造100の概略斜視図である。車両構造100は、車両の基部となるフレーム構造である。図1および図2に示されるように、車両構造100は、ルーフ部材を含む車両上部構造10と、車両上部構造10よりも下側に位置するアンダーボデー側の車両下部構造20と、を備えている。車両構造100は、別々に製造された車両上部構造10と、車両下部構造20とが結合されて製造される。なお、以降では、車両上部構造10を単に上部構造10とも呼び、車両下部構造20を単に下部構造20とも呼ぶ。図1,2および以降の図3,5に示されるXYZ座標軸は、各図で対応している。XYZ座標では、X方向を車両の車幅方向とし、Y方向を車両の前後方向とし、X軸およびY軸に直交するZ軸は、鉛直方向に平行な軸として定義されている。車両構造100は、車幅の中心を通るYZ平面を基準として左右対称の形状である。そのため、以降では、左右で一対として配置されている同じ部材については、「一対」の文言を省略して説明する場合もある。
図1および図2に示されるように、上部構造10は、一対の前方ルーフレール2aと、一対の前方ルーフレール2aに跨がって配置されるルーフセンターリンフォース7と、前方ルーフレール2aの前側の端部(先端部)に接続して車両構造100の前方かつ下方へと延びるAピラー3と、一対の前方ルーフレール2aとAピラー3との結合部に結合して車幅方向に延びる前方ルーフヘッダー8と、Aピラー3の先端部に結合して車両構造100の前方へと延びるカウルトップサイドフレーム1と、Aピラー3とカウルトップサイドフレーム1との結合部に結合して車幅方向に延びるカウルリンフォース6と、カウルトップサイドフレーム1の前方に配置されているラジエータグリル4と、ラジエータグリル4の前方側かつ下方側に取り付けられた上側バンパリンフォース9と、ラジエータグリル4の後方側(車両内部側)に取り付けられたクラッシュボックス5と、を備えている。
ルーフセンターリンフォース7は、車幅方向に延びて、車幅方向外側から挿入されたボルトの締結によって、一対の前方ルーフレール2aに結合している。図2に示されるように、前方ルーフレール2aは、ルーフセンターリンフォース7との結合部分から下方に延びるBピラー結合部21aを備えている。前方ルーフレール2aは、Y軸に沿って、Bピラー結合部21aよりも後ろ側に延びている。Bピラー結合部21aには、ボルト締結に用いられるボルトが挿入される2つの挿入孔21b,21cが形成されている。2つの挿入孔21b,21cは、ルーフセンターリンフォース7と前方ルーフレール2aとの結合部近傍に位置するなお、結合部近傍とは、当該結合部が形成されている前方ルーフレール2aの長手方向(Y軸に略平行な方向)に沿う長さの3分の1以下の範囲のことをいう。
前方ルーフレール2aの先端部と、Aピラー3の後ろ側の端部(後端部)と、前方ルーフヘッダー8とのそれぞれは、車幅方向外側から挿入されたボルトの締結によって結合されている。一対のAピラー3の先端部と、カウルトップサイドフレーム1の後端部と、カウルリンフォース6の両端部とは、2つのジョイント11を介して、車幅方向外側からジョイント11に挿入されたボルトによって締結されている。図2に示されるように、ジョイント11は、鉛直下方に突出している突部11aを備えている。以上で説明したように、本実施形態では、カウルトップサイドフレーム1と、Aピラー3と、前方ルーフレール2aとは、一体のレール構造として形成されている。本実施形態における一体のレール構造とは、所定の長手軸に沿う棒状または平板状の部材が、他の部材と一体として形成されている構造をいう。そして、この構造の形成は、締結、接着、および溶接の内のいずれかで結合されるか、または、一体成形として結合部がない状態で製造されていることをいう。なお、前方ルーフレール2aは、図1に示されるように、後述する後方ルーフレール2bとで、ルーフレール2を構成している。すなわち、前方ルーフレール2aは、ルーフレール2の一部である。
ラジエータグリル4は、Y軸に直交する矩形状の開口部42を形成している。開口部42には、図示されていないラジエータが配置される。図3は、車両上部構造10と、車両下部構造20とを分割した車両構造100の概略側面図である。図2および図3に示されるように、ラジエータグリル4は、車幅方向における両端に、Z軸に平行な長手軸に沿って延びる1対のラジエータグリル支持構造41を備える。ラジエータグリル支持構造41は、図示されていないラジエータを車幅方向における両側から支持する構造である。すなわち、ラジエータグリル支持構造41のZ軸方向に沿う上端部と、カウルトップサイドフレーム1における先端部とが溶接によって結合されている。
図2に示されるように、上側バンパリンフォース9の形状では、車幅方向に沿う中央部が、他の部分よりも前方に飛び出るように曲がっている。クラッシュボックス5は、ラジエータグリル支持構造41に、溶接によって結合されている。図3に示されるように、クラッシュボックス5は、ラジエータグリル支持構造41の長手軸方向に沿う中央部に結合されている。なお、本実施形態でいうラジエータグリル支持構造41の中央部とは、ラジエータグリル支持構造41を長手方向に沿って均等に3分割した場合の真ん中の範囲に入る部分のこという。
図2に示されるように、下部構造20は、車両構造100の前方に配置されて前後に沿って延びるフロントサイドメンバー22と、一対のフロントサイドメンバー22に跨がって配置される下側バンパリンフォース31と、フロントサイドメンバー22よりも後ろ側に位置するリアサイドメンバー26と、車両構造100の前後に延びる一対のリアサイドメンバー26に対して車幅方向に沿って跨がる複数のクロスメンバー23と、リアサイドメンバー26の先端部から鉛直上方に延びるAピラーポスト28と、リアサイドメンバー26の中央部付近から上方に延びるBピラー24と、リアサイドメンバー26の後端部付近から上方に延びるCピラー25と、Cピラー25の上端部に接続してリアサイドメンバー26の後端部に結合する後方ルーフレール2bと、一対の後方ルーフレール2bに跨がって配置される後方ルーフヘッダー27と、一対のリアサイドメンバー26の後端部に跨がって配置されるリアバンパーリンフォース29と、を備えている。
フロントサイドメンバー22の先端部には、ボルト締結によって下側バンパリンフォース31が結合されている。フロントサイドメンバー22の後端部と、リアサイドメンバー26の先端部とは、フロントサイドメンバー22が車幅方向に広がった延出部22aに対してボルト締結によって結合されている。リアサイドメンバー26の先端部かつ車幅方向外側には、一対のAピラーポスト28がボルト締結によって結合されている。
図2に示されるように、Aピラーポスト28の上端面には、鉛直下方に凹んだ凹み部28aが形成されている。凹み部28aの形状は、上部構造10と下部構造20との結合時に、上部構造10におけるジョイント11の突部11aが挿入可能な形状である。Bピラー24は、車両の前部座席と後部座席とを分ける位置に配置されている。Bピラー24は、ボルト締結によってリアサイドメンバー26に結合されている。
Cピラー25は、後部座席とトランクルームとを分ける位置に配置されている。Cピラー25は、ボルト締結によってリアサイドメンバー26に結合されている。Cピラー25の上端部には、ボルト締結によって後方ルーフレール2bが結合されている。後方ルーフレール2bの後端部は、ボルト締結によってリアサイドメンバー26の後端付近に結合されている。後方ルーフレール2bにおけるCピラー25との結合部の略上方で、一対の後方ルーフレール2bにボルト締結によって後方ルーフヘッダー27が結合されている。一対のリアサイドメンバー26の後端部には、ボルト締結によってリアバンパーリンフォース29が結合されている。
上部構造10と、下部構造20とは、別々に製造された後に結合されて、車両構造100を構成する。上部構造10と下部構造20との結合では、以下に示す各部のそれぞれが結合される。図1に示されるように、前方ルーフレール2aの後端部は、ボルト締結によって後方ルーフレール2bの先端部に結合される。前方ルーフレール2aのBピラー結合部21aは、車幅方向外側から挿入されたボルトの締結によってBピラー24の上端部に結合される。ジョイント11の突部11a(図2)がAピラーポスト28の凹み部28a(図2)に挿入された状態で、車幅方向外側から挿入されたボルトの締結によって突部11aがAピラーポスト28に結合される。上部構造10におけるラジエータグリル支持構造41の下端部が、下側から挿入されたボルトの締結によって、下部構造20におけるフロントサイドメンバー22の先端部に結合される。以上に説明した上部構造10および下部構造20における各部が結合されることにより、車両構造100が製造される。
図4は、車両構造100の製造方法を示すフローチャートである。図4に示されるように、車両構造100の製造方法では、初めに、上部構造10を形成する工程が行われる(ステップS1)。この工程では、カウルトップサイドフレーム1と、ルーフレール2の一部である前方ルーフレール2aと、Aピラー3とを一体のレール構造の上部構造10として形成する。次に、Bピラー24を有する下部構造20と、上部構造10とを結合する結合工程(ステップS2)が行われ、車両構造100の製造方法が終了する。
図5は、比較例における車両上部構造10zと、車両下部構造20zとを分割した車両構造100zの概略斜視図である。図5に示されるように、本実施形態の車両構造100を構成する部材と、比較例の車両構造100zを構成する部材とは同じである。一方で、比較例の車両上部構造(上部構造)10zを構成する部材は、本実施形態の上部構造10を構成する部材と異なっている。比較例の上部構造10zは、Aピラー3と、前方ルーフレール2aと、後方ルーフレール2bと、前方ルーフヘッダー8と、ルーフセンターリンフォース7と、Bピラー24と、Cピラー25と、後方ルーフヘッダー27とを備えている。すなわち、比較例の上部構造10zは、本実施形態の上部構造10が備えるカウルトップサイドフレーム1、カウルリンフォース6、ラジエータグリル4、上側バンパリンフォース9、およびクラッシュボックス5を備えていない。これらの部材は、図5に示されるように、比較例の下部構造20zが備えている。一方で、比較例の上部構造10zは、本実施形態の上部構造10が備えていないBピラー24と、後方ルーフレール2bと、Cピラー25とを備えている。
図6および図7は、実施例の車両構造100と、比較例の車両構造100zとの比較評価の表である。図6には、比較例の車両構造100におけるねじり固有振動数およびねじり静剛性比を100パーセント(%)とした場合の実施例としての車両構造100の数値が示されている。なお、ねじり固有振動数は、ねじり静剛性比に対して、ねじり動剛性比ともみなすことができる。図6に示されるように、本実施形態の車両構造100のねじり静剛性比は、比較例の車両構造100zのねじり静剛性比とほとんど変わらない。一方で、車両構造100のねじり固有振動数は、車両構造100zのねじり固有振動数よりも11.3%ほど向上している。
図7には、ねじり固有振動数を同じに設定した場合の比較例の車両構造100zの質量を100%とし、この際の実施例の車両構造100の質量比が示されている。また、図7には、参考として、図6に示したねじり固有振動数の比率も示されている。図7に示されるように、ねじり固有振動数を同じにすると、実施例の車両構造100の質量は、比較例の車両構造100zの質量よりも19.3%ほど軽い80.7%になる。
以上説明したように、本実施形態の上部構造10では、カウルトップサイドフレーム1と、Aピラー3と、前方ルーフレール2aとは、一体のレール構造として形成されている。車両構造100のねじり固有振動数への寄与が大きいカウルトップサイドフレーム1と、Aピラー3とが一体で形成されている。これにより、図6に示されるように、車両構造100のねじり固有振動数の低下を抑制する。そのため、上部構造10を備える車両の運動性および乗り心地が向上する。また、図7に示されるように、ねじり固有振動数を従来の車両構造100zと同じに設定した場合に、車両構造100の剛性を維持したままで、上部構造10を備える車両構造100を軽量化できる。
また、本実施形態の上部構造10では、ラジエータグリル支持構造41の上部と、カウルトップサイドフレーム1の先端部とが溶接によって結合されている。すなわち、ねじり固有振動数への寄与が大きいラジエータグリル支持構造41と、カウルトップサイドフレーム1とが一体で形成されている。これにより、上部構造10を備える車両構造100のねじり固有振動数が増加する。また、結合部は、溶接によって強固に結合されている。これにより、当該結合部分の局所剛性が低下を抑制でき、上部構造10を備える車両構造100のねじり固有振動数の低下を抑制できる。
また、本実施形態の上部構造10では、クラッシュボックス5は、ラジエータグリル支持構造41の長手軸方向に沿う中央部に、ボルト締結によって結合されている。これにより、ラジエータグリル支持構造41にクラッシュボックス5は、強固に結合されている。よって、クラッシュボックス5は、車両衝突時のエネルギーを効率的に吸収するため、上部構造10を備える車両の衝突安全性が向上する。
また、本実施形態の車両構造100では、Bピラー結合部21aには、ボルト締結に用いられるボルトが挿入される2つの挿入孔21b,21cが形成されている。2つの挿入孔21b,21cは、ルーフセンターリンフォース7と前方ルーフレール2aとの結合部近傍に位置する。Bピラー24と、ルーフレール2との結合部は、局所剛性が低下しやすい。そのため、本実施形態の車両構造100では、一対の前方ルーフレール2aに跨がって配置されるルーフセンターリンフォース7が結合される。ルーフセンターリンフォース7によって、Bピラー24と前方ルーフレール2aとの結合部における局所剛性の低下を抑制できる。
また、本実施形態の上部構造10では、前方ルーフレール2aは、ルーフセンターリンフォース7との結合部分から下方に延びるBピラー結合部21aを備えている。前方ルーフレール2aは、Y軸に沿って、Bピラー結合部21aよりも後ろ側に延びている。Bピラー24の下部の結合部は、ねじり固有振動数への寄与が大きい。この構成によれば、車両構造100として結合された場合に、前方ルーフレール2aがBピラー24に結合するまでの一部分が、上部構造10としてAピラー3およびカウルトップサイドフレーム1と一体成形されている。すなわち、Bピラー24は、車両下部構造に結合されている。そのため、上部構造10を備える車両構造100のねじり固有振動数が増加する。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上記実施形態における上部構造10は、一例としての形状であり、上部構造10の形状および上部構造10を構成する部材については、種々変形可能である。上部構造10は、カウルトップサイドフレーム1と、ルーフレール2の少なくとも一部と、Aピラー3とを備え、これらが一体で形成されていればよく、他の部材を備えていなくてもよい。例えば、上部構造10は、ラジエータグリル支持構造41を含むラジエータグリル4を備えていなくてもよいし、ルーフセンターリンフォース7を備えていなくてもよい。また、カウルトップサイドフレーム1と、前方ルーフレール2aと、Aピラー3とは、必ずしもレール構造として形成されていなくてもよい。また、これら3つの部材は、例えば、ボルト締結を含んでおらず、パイプ曲げ加工、押出成形などによって一体で形成されていてもよい。
上記実施形態の上部構造10の結合方法として、溶接およびボルト締結を一例としてあげたが、他の結合方法によって結合されていてもよい。例えば、ラジエータグリル支持構造41と、クラッシュボックス5との結合は、ボルト締結などの機械締結、接着、および溶接であってもよい。また、他の部材間の結合が、接着などの結合方法、および、押出成形やパイプ曲げ加工などの一体成形としての結合方法であってもよい。上記実施形態の上部構造10では、ジョイント11によるボルト締結が行われていたが、上部構造10は、必ずしもジョイント11を備える必要はなく、例えば、カウルトップサイドフレーム1と、Aピラー3と、カウルリンフォース6とを溶接などによって結合してもよい。一方で、他の部材間の結合方法として、ジョイントを用いたボルト締結が用いられてもよい。
上記実施形態の車両構造100は、車幅方向の中心を通るYZ平面を基準として左右対称の形状であったが、他の実施形態の車両構造100は、必ずしも左右対称でなくてもよく、車両構造100の形状について種々変形可能である。左右対称でない車両構造100であっても、カウルトップサイドフレーム1などに相当する部材が、上記実施形態の上部構造10の部材として機能していればよい。例えば、左側に位置するレフトカウルトップサイドフレームと、右側に位置するライトカウルトップサイドフレームトの形状が異なっていても、一対のカウルトップサイドフレーム1としてみなすことができる。
[変形例2]
上記実施形態の上部構造10では、クラッシュボックス5は、ラジエータグリル支持構造41の中央部に溶接によって結合されていたが、端部に形成されていてもよいし、存在しなくてもよい。また、ラジエータグリル支持構造41と、クラッシュボックス5との結合方法は、溶接以外の方法として、接着や機械締結であってもよい。また、ラジエータグリル支持構造41と、クラッシュボックス5とが一体で成形されていてもよい。
上記実施形態の前方ルーフレール2aは、ルーフレールの少なくとも一部を構成する部材であって、形状については種々変形可能である。例えば、上部構造10は、前方ルーフレール2aに加えて、後方ルーフレール2bを備えていてもよい。また、前方ルーフレール2aが更に分割されて、上部構造10が、分割された前方側の前方ルーフレール2aを備えていてもよい。この場合に、当該前方ルーフレール2aの前方部は、車両構造100として結合された際に、Bピラー24に結合しなくてもよい。
[変形例3]
上記実施形態の車両構造100における各部材の名称については、種々変形可能である。各部材は、車両構造100の一部としてその機能を発揮していればよく、各部材の名称は異なるものであってもよい。例えば、ラジエータグリル支持構造41は、単にラジエータグリル4の一部材を表すものであり、Aピラーポスト28についても同様である。Aピラーポスト28は、円柱等の形状であってもよいし、単にパイプ曲げ加工によって製造された部材であってもよい。また、本実施形態におけるルーフレール2は、ルーフサイドレールとも換言できる。また、前方ルーフヘッダー8、後方ルーフヘッダー27、およびルーフセンターリンフォース7のそれぞれは、ルーフサイドレールインナーとして換言できる。Aピラー3、Bピラー24、およびCピラー25のそれぞれは、フロントピラー、センターピラー、およびリヤピラーとして換言できる。ラジエータグリル支持構造41は、車端上下支持構造または車体フロントエンド上下支持構造とも換言できる。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1…カウルトップサイドフレーム
2…ルーフレール
2a…前方ルーフレール
2b…後方ルーフレール
3…Aピラー
4…ラジエータグリル
5…クラッシュボックス
6…カウルリンフォース
7…ルーフセンターリンフォース
8…前方ルーフヘッダー
9…上側バンパリンフォース
10,10z…上部構造(車両上部構造)
11…ジョイント
11a…突部
20,20z…下部構造(車両下部構造)
21a…Bピラー結合部
21b,21c…挿入孔
22…フロントサイドメンバー
22a…延出部
23…クロスメンバー
24…Bピラー
25…Cピラー
26…リアサイドメンバー
27…後方ルーフヘッダー
28…Aピラーポスト
28a…凹み部
29…リアバンパーリンフォース
31…下側バンパリンフォース
41…ラジエータグリル支持構造
42…開口部
100,100z…車両構造

Claims (9)

  1. 車両上部構造であって、
    カウルトップサイドフレームと、
    ルーフレールと、
    前記カウルトップサイドフレームと、前記ルーフレールとを接続するAピラーと、を備え、
    前記カウルトップサイドフレームと、前記Aピラーと、前記ルーフレールの少なくとも一部とが、一体として形成されている、車両上部構造。
  2. 請求項1に記載の車両上部構造であって、さらに、
    車両前方に配置されるラジエータの左右に配置されて前記ラジエータを支持し、かつ、前記カウルトップサイドフレームに接続するラジエータグリル支持構造を備え、
    前記ラジエータグリル支持構造の上部と、前記カウルトップサイドフレームの端部とが結合されている、車両上部構造。
  3. 請求項2に記載の車両上部構造であって、さらに、
    前記ラジエータグリル支持構造の長手方向に沿う中央部に結合されるクラッシュボックスを備え、
    前記ラジエータグリル支持構造と、前記クラッシュボックスとの結合は、締結、接着、および溶接の内の少なくとも1つである、車両上部構造。
  4. 請求項2または請求項3に記載の車両上部構造であって、
    前記ラジエータグリル支持構造の上部と、前記カウルトップサイドフレームの端部との結合は、一体成形、締結、接着、および溶接の内の少なくとも1つである、車両上部構造。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の車両上部構造であって、
    前記ルーフレールは、前記ルーフレールの内の前部座席と後部座席の間に位置するBピラーに結合する部分よりも後ろ側まで延びて、前記カウルトップサイドフレームおよび前記Aピラーと一体成形されている、車両上部構造。
  6. 請求項5に記載の車両上部構造であって、
    前記一体成形は、押出成形、パイプ曲げ加工、および溶接の内の少なくとも1つである、車両上部構造。
  7. 車両構造であって、
    上部構造と、
    前記上部構造と分割されている下部構造と、を備え、
    前記上部構造は、
    カウルトップサイドフレームと、
    ルーフレールと、
    前記カウルトップサイドフレームと、前記ルーフレールとを接続するAピラーと、を有し、
    前記下部構造は、前部座席と後部座席の間に位置するBピラーを有し、
    前記カウルトップサイドフレームと、前記Aピラーと、前記ルーフレールの少なくとも一部とが、一体として形成されている、車両構造。
  8. 請求項7に記載の車両構造であって、
    上部構造は、さらに、
    一対の前記ルーフレールに跨がって配置され、前記一対のルーフレールを接続しているルーフセンターリンフォースを有し、
    前記ルーフセンターリンフォースと、前記ルーフレールとの接続部は、前記上部構造と前記下部構造とを結合した場合に、前記ルーフレールと前記Bピラーとの接続部近傍に位置する、車両構造。
  9. 車両構造の製造方法であって、
    カウルトップサイドフレームと、ルーフレールの少なくとも一部と、前記カウルトップサイドフレームと前記ルーフレールとを接続するAピラーと、を一体の上部構造として形成する工程と、
    前部座席と後部座席の間にあるBピラーを有する下部構造と、前記上部構造とを結合する工程とを備える、製造方法。
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