JP2020143345A - 硫酸溶液の製造方法 - Google Patents

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【課題】不動態化を抑制しながら高いアノード電流密度で金属を高効率に溶解する硫酸溶液の製造方法を提供する。【解決手段】硫酸溶液の製造方法は、槽内が隔膜によりアノード室21およびカソード室22に分けられた電解槽10に、硫酸溶液を初期電解液として供給する初期電解液供給工程と、電解槽10に設けられたアノード側電極13とカソード側電極14とに電流を供給するとともに、アノード室21から、アノード側電極13を構成する金属が溶解した金属溶解電解液を取出す電解液取出工程と、を含んで構成されている。そして、供給される電流が、周期的に流れる方向を逆転させている。この構成により、アノード側電極13側で溶解した金属がカソード側電極14側に移動することを抑制できるとともに、アノード側電極13側の不動態の形成を抑制できるので、効率よく品質の高い、金属が溶解した硫酸溶液を製造することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、硫酸溶液の製造方法に関する。さらに詳しくは、ニッケルまたはコバルト等の金属が硫酸に溶解した、金属イオンを含有する硫酸溶液の製造方法に関する。
ニッケルまたはコバルトなどの金属は、めっきまたは合金の材料として使用される貴重な金属であるが、近年はめっきまたは合金以外の用途として、ニッケル水素電池またはリチウムイオン電池など二次電池の正極材など電極材料としての使用も増えている。この際に、ニッケルまたはコバルトなどの金属は、これらが溶解した溶液、たとえばニッケルが溶解した、ニッケルイオンを含有する硫酸溶液として利用されることが多い。
一例として、ニッケルを上記のリチウムイオン電池の正極材として用いる場合、リチウムイオン電池の正極材の一般的な製造方法としては、所定の比率で混合されたニッケルイオンを含む水溶液を中和して前駆体と呼ばれる金属水酸化物を形成し、次にこの前駆体とリチウム化合物を混合して焼成して、正極材を得る方法がある。ここで、上記のニッケルイオンを含有する水溶液は、具体的には硫酸ニッケルまたは塩化ニッケルなどのニッケル塩が溶解した溶液である。上記の製造方法でこの溶液が用いられる場合、溶液中のハロゲン(塩素)を用途のスペック以下に抑制することが必要とされる。
たとえば、上記のニッケルイオンを含有する硫酸溶液は、ニッケル鉱石またはその中間生成物であるニッケル硫化物、その他の含ニッケル化合物などを硫酸で浸出した後、沈殿分離または溶媒抽出等の精製工程で不純物を除去して得ることができる。しかしながら上記の原料を用いた場合、原料あるいは精製工程でハロゲンまたはその他の不純物等が不規則的に混入されており、必要な品質を安定して維持できないという問題がある。
これに対して、必要な品質を安定して維持する方法として、金属ニッケルを硫酸に溶解してニッケルイオンを含有する硫酸溶液を得る方法がある。金属ニッケルは、ニッケル純度99.99%以上の高品質なものが、例えば電気ニッケルとして市場から容易に入手可能であり、この電気ニッケルを2〜5cm四方のサイズに切断したものはさらに取り扱いが容易であり、上記のような大掛かりな精製工程を要することなく前駆体の材料に供することができる。
ただし、ニッケルはステンレス等の耐蝕合金に用いられるように、たとえ切断品であっても硫酸などの酸に金属ニッケルを浸漬するだけでは溶解され難い。このため金属ニッケルの溶解を促進し、ニッケルイオンの濃度を所定の濃度に到達させるための方法がいくつか挙げられる。たとえば、特許文献1では、金属ニッケルを硫酸に溶解してニッケルイオンを含有する硫酸溶液を得る方法として、粉末状のニッケル(ニッケル粉)、またはニッケル粉を焼結したブリケットを用い、これらを硫酸で溶解してニッケルイオンを含有する硫酸溶液を得る方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1で用いられているニッケル粉またはニッケルブリケットは、生産量が限られているため安定して入手することが困難である。このようなことから、市場に流通している板状または塊状の電気ニッケルを硫酸に短時間で溶解する技術が求められている。
この要求に対する解決法として、たとえば電解法がある。すなわちアノード(陽極)に溶解したい金属を用いるとともに、電解液に硫酸溶液を用い、アノードとカソード(陰極)との間に通電することで、目的とする金属を硫酸に溶解する方法である。
特開2004−067483号公報
従来一般的に知られている電解法では、金属、例えばニッケル、を硫酸溶液中に溶解する場合、迅速に金属ニッケルを溶解するためには、アノードの電流密度を1000A/m程度あるいはそれ以上に高くして電解することが望まれる。しかしこのような高い電流密度で電解法を実施すると、アノードの金属ニッケルの表面に酸化皮膜が形成され、不動態化が生じてほとんど電流が流れなくなるという問題がある。不動態化の発生を抑制するように電流密度を低くして電解法を実施した場合は、溶解が促進されず、溶解を促進するという本来の目的を達し得ないという問題がある。
特に電池の正極材を製造するために求められるニッケルイオンを含有する硫酸溶液に対しては、ニッケルイオン濃度として100g/リットル程度の高濃度な溶液が求められる。電解液中のニッケルイオンの濃度が増加すると、不動態化はさらに発生しやすくなるという問題があるとともに、カソード側の電極にもニッケルが析出し、溶解効率が低下する問題もある。
本発明は上記事情に鑑み、硫酸溶液に対して金属の溶解を促進する方法の一つである電解法において、不動態化を抑制しながら高いアノード電流密度で金属を高効率に溶解する硫酸溶液の製造方法を提供することを目的とする。
第1発明の硫酸溶液の製造方法は、槽内が隔膜によりアノード室およびカソード室に分けられた電解槽に、硫酸溶液を初期電解液として供給する初期電解液供給工程と、前記電解槽に設けられたアノード側電極とカソード側電極とに電流を供給するとともに、前記アノード室から、前記アノード側電極を構成する金属が溶解した金属溶解電解液を取出す電解液取出工程と、を含んで構成されており、供給される前記電流が、周期的に流れる方向を逆転させていることを特徴とする。
第2発明の硫酸溶液の製造方法は、第1発明において、前記アノードを構成する金属は、少なくともニッケルまたはコバルトのいずれかを含有することを特徴とする。
第3発明の硫酸溶液の製造方法は、第1発明または第2発明において、前記アノード側電極に、金属を溶解させるために電流が流れ込んでいる状態を正通電とした場合に、前記アノード側電極に供給される電流の1周期における正通電の時間の比率が、0.9以上0.99以下であることを特徴とする。
第1発明によれば、硫酸溶液の製造方法において、用いられる電解槽が隔膜によりアノード室およびカソード室に分けられているので、アノード室側で溶解した金属がカソード室側に移動することを抑制できる。また、電解液取出工程、すなわちアノード側電極とカソード側電極とに電流を供給するとともに、アノード室から金属溶解電解液を取出す工程を含んで構成されており、供給される電流が、周期的に流れる方向を逆転させているので、アノード室から金属イオンの濃度が高い硫酸溶液が取出される。このためアノード室のニッケルイオンの濃度の値が大きくならないので、アノード側電極の不動態の形成を抑制でき、効率よく品質の高い、金属が溶解した硫酸溶液を製造することができる。
第2発明によれば、アノードを構成する金属が、少なくともニッケルまたはコバルトのいずれかを含有することにより、製造された硫酸溶液を二次電池の正極として使用することができる。
第3発明によれば、正通電の時間の比率が、電流の1周期に対して0.9以上0.99以下であることにより、不動態化をより抑制でき、効率よく硫酸溶液を製造することができる。
本発明に係る硫酸溶液の製造方法で用いられる電解槽の側面方向からの断面図である。 電解槽に供給される電流の説明図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための硫酸溶液の製造方法および電解槽10を例示するものであって、本発明は硫酸溶液の製造方法および電解槽10を以下のものに特定しない。なお、各図面が示す部材の大きさまたは位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに、本明細書で「電解液」は、電解槽10内で電気を通電させるために使用する液体を意味し、最初に電解槽10に供給する「初期電解液」と、電解を行うことで金属が溶解した「金属溶解電解液」と、を含む記載である。また、電解槽10から取出された「電解液」は、本発明の製造方法で製造される「硫酸溶液」である。
また電解では、溶解させることを目的とした金属を溶解させる際に、一方の電極に電流が流れ込み、他方の電極から電流が流れ出す。本明細書では、溶解を開始した後、この溶解させることを目的とした金属を溶解させるための電流が流れ込む時間が、そうでない時間よりも長い側の電極をアノード側電極13、その他方の電極をカソード側電極14と称する。すなわちアノード側電極13は、アノード(直流電源17から電流が流れ込む電極)として作用する時間が長く、カソード側電極14は、カソード(直流電源17へ電流が流れ出す電極)として作用する時間が長い。加えて、アノード側電極13へ電流が流れ込む状態を正通電と称し、その反対を逆通電と称することがある。
図1は、本発明に係る硫酸溶液の製造方法で用いられる電解槽10の側面方向からの断面図である。本発明に係る硫酸溶液の製造方法は、槽内が隔膜12によりアノード室21およびカソード室22に分けられた電解槽10に、硫酸溶液を初期電解液として供給する初期電解液供給工程と、電解槽10に設けられたアノード側電極13とカソード側電極14とに電流を供給するとともに、アノード室21から、アノード側電極13を構成する金属が溶解した金属溶解電解液を取出す電解液取出工程と、を含んで構成されており、供給される前記電流が周期的に流れる方向を逆転させている。
また、アノード側電極13を構成する金属は、少なくともニッケルまたはコバルトのいずれかを含有することが好ましい。
また、前記アノード側電極13に、金属を溶解させるために電流が流れ込んでいる状態を正通電とした場合に、前記アノード側電極13に供給される電流の1周期における正通電の時間の比率が、0.9以上0.99以下であることが好ましい。
以下、本発明に係る硫酸溶液の製造方法で用いる電解槽10について、図面に基づいて説明した後、この電解槽10を使用した硫酸溶液の製造方法について説明する。
<電解槽10の構成>
(電解槽本体11)
電解槽本体11は、内部に硫酸溶液を保持することができる構成をしている。電解槽本体11を構成する材料は公知の材料である。電解槽本体11は、隔膜12によりアノード側電極13が内部に位置するアノード室21と、カソード側電極14が内部に位置するカソード室22と、を含んで構成されている。電解槽本体11の外側には、アノード側電極13、およびカソード側電極14に接続している直流電源17が設けられている。なお図1では、直流電源17からアノード側電極13、またはカソード側電極14と接続した線は電線を表し、この線に沿った矢印は電流の向きを示している。
用いられる電解槽10が隔膜12によりアノード室21およびカソード室22に分けられているので、アノード側電極13側で溶解した金属がカソード側電極14側に移動することを抑制できる。
(アノード側電極13)
電解槽10に用いられるアノード側電極13には、複数の形態がある。例えばニッケルの酸性溶液を得ようとする場合、アノード側電極13の一つ目の形態としては、工業的に電解精製ないし電解採取した板状の金属ニッケル(電気ニッケル)が該当する。また、二つ目の形態としては、チタン等の酸に対し不溶性の材質でできたバスケットに、小さく切断した金属ニッケルを充填したものが該当する。二つ目の形態の場合、全部が溶解し終わる前に交換する必要があったり、金属を切断するコストおよび手間がかかったりするが、無駄なく効率的に溶解することができる。一つ目の形態の場合、溶解し終わった後はアノード側電極13全体を交換する必要がある。交換は所定の大きさに到達したときに行われる。所定の大きさよりも小さくなった金属ニッケルは、二つ目の形態のバスケットに充填し溶解する2段階の溶解方法を用いることもできる。
(カソード側電極14)
カソード側電極14には、ニッケルあるいはコバルトの板状の金属が好適に用いられる。また、チタン板の表面にニッケルまたはコバルトがめっき等によりコーティングされている板でも良い。
(隔膜12)
隔膜12は、電解槽本体11の槽内をアノード室21とカソード室22とに分割する。隔膜12は、液体またはイオンの通過を抑制している。具体的に隔膜12としては、濾布が好適に用いられる。濾布の他にも中性膜・陰イオン交換膜・陽イオン交換膜など様々な種類の隔膜12を用いることができる。
具体的に濾布としては、敷島カンバス社製の商品型番P89C、TA72、P91C、P26−2などが好適に用いられる。なおこれらの商品の通水度(リットル/(m・s))はそれぞれ0.05、0.1、0.3、1である。濾布は、取り扱いが比較的容易である点で好適である。
通水性については、小さい値の濾布が好ましい。たとえば、25℃、200mmHOの圧力をかけた時に、単位面積、単位時間(s:秒)当たりの通水度が0.5リットル/(m・s)以下であることが好ましく、0.3リットル/(m・s)以下であることがより好ましい。単位面積、単位時間当たりの通水度が0.5リットル/(m・s)より大きい場合は、容易に液が拡散し、隔膜12としての機能が不十分となるためである。
隔膜12が、通水性が0.5リットル/(m・s)以下のろ布である場合、アノード室21からカソード室22へ金属イオンの移動を抑制でき、金属イオンを無駄なくアノード室21から取出せるので、さらに効率よく硫酸溶液を製造することができる。
濾布の通水性の下限は、カソード室22から液が溢れないように設定する。具体的には、0.01リットル/(m・s)以上であることが好ましい。濾布の下限が、0.01リットル/(m・s)であることにより、補充した硫酸と同量の液が濾布を通してカソード室22からアノード室21へ移動し、拡散による液の混合が低減される。
(取出管15、供給管16)
電解槽本体11のアノード室21には、アノード室21からの硫酸溶液を取出すための取出管15が設けられている。電解槽本体11のカソード室22には、カソード室22へ新たな硫酸、または硫酸溶液を供給するための供給管16が設けられている。
ニッケルイオンおよびコバルトイオンは水に比べて比重が重いため、通電に伴ってアノード室21の深部の方が、ニッケル等の濃度が高くなってくる。そのため、アノード室21の、より深部から硫酸溶液を回収すること、すなわち取出管15の開口15aがアノード室21内のアノード側電極13の下方に設けられていることで、ニッケル等の濃度の高い硫酸溶液を回収することができる。
取出管15の開口15aがアノード側電極13の下方に設けられていると、アノード側電極13表面近傍のニッケル濃度が100g/リットルより薄くても、アノード室21の深部から硫酸溶液を回収することでニッケルの濃度が100g/リットルの硫酸溶液を回収ができる。これにより、アノード側電極13表面でのニッケルの不動態化が抑制される。
アノード側電極13の下方に所定の空間が設けられることは好ましいが、その空間が大きくなり過ぎると電解槽10の体積が大きくなり設備コストが高くなる。そのため、アノード側電極13の下端から電解槽本体11のアノード室21の底までの深さの目安は、アノード室21の液面高さの10%以上であることが好ましい。
カソード室22に新たな硫酸等を補充する供給管16が設けられるとともに、補充量と同量の硫酸ニッケル溶液をアノード室21から回収することができる取出管15が設けられていることにより、電解槽10の槽内の液量バランスが維持される。
カソード室22に硫酸が補充され、隔膜12があることにより、カソード室22側の液面はアノード室21の液面より高い位置に維持できる。液面の位置は、隔膜12である濾布の通水性および面積にも依存する。隔膜12の通水性は、カソード室22から液が溢れない範囲に設定する必要がある。
アノード側電極13の下方に、金属溶解電解液を取出すための取出管15の開口15aが設けられているので、比較的比重の大きい金属溶解電解液が効率よく取出される。
(直流電源17)
直流電源17は、一定の値の直流電流を一方向に連続的に供給する機能だけでなく、電極へ供給する電流の流れる方向を周期的に逆転させるPR(Period Reverse)通電が可能な機能を有している。「PR通電」では、電極へ供給する電流の流れる方向が逆転するので、溶解させることを目的とする金属を溶解するためのアノードとして働くアノード側電極13は、一定の周期ごとにカソードとして作用し、カソード側電極14は、一定の周期ごとにアノードとして作用する。なお、直流電源17では、正通電での電流値および逆通電での電流値はそれぞれ任意に設定可能である。
図2には、PR通電において電解槽10に供給される電流の一例を示す。縦軸が電流値A、横軸が時間Tを表している。なお縦軸では正通電の場合の電流値をプラスとして表している。図2に示すようにPR通電では、正通電で電流Aが一定時間供給されたあと、逆通電となる電流−A(Aは正の値)が供給され、これらが繰り返される。すなわちPR通電では、電流が矩形状に正通電で供給されたあと、同じように矩形状に逆通電で供給される。
PR通電では、電流が逆転するので、アノード側電極13に生成した電気電導性のない酸化膜を取り除き、メタルを表面に出すことで、不動態化を抑制する効果がある。その結果不働態化を抑制するための塩化物の添加が不要となり、より高純度なニッケルまたはコバルトの塩を含んだ溶液を得ることができる。
なお、逆通電では、アノード側電極13はカソードとして作用するために、すでに溶出した金属イオンが還元され再度アノード側電極13の表面に析出する。そのため、逆通電の時間はできるだけ短くすることが好ましい。電力のロスを少なくでき効率的だからである。
また、カソード側電極14は、アノードとして作用するためカソード側電極14自体およびカソード側電極14の表面に析出した金属は溶解するが、正通電での金属析出量と逆通電での金属溶解量が等しくなるところで安定する。
加えて、1周期に対する正通電の時間の割合はデューティ比と定義される。そして、PR通電での電流密度は、正通電の時間と逆通電の時間を含めた平均電流密度として記載する。すなわち、デューティ比をa(0≦a≦1)とすると、平均電流密度は、次のように表すことができる。
[数1]
平均電流密度 = 正電流密度×a−逆電流密度×(1−a)・・数1
なお、逆方向の電流をゼロ、すなわち逆方向には電流を流さないパルス通電(「断続通電」ともいう)に比べると、本発明のPR通電は積極的にアノード側電極13表面に発生した不動態化膜を除去できるので、より高い電流密度での電解が行えるなど効果は大きい。
加えて、PR電解では、1周期(サイクル)における逆通電の時間を延ばすことで、電力コストは増加するものの、それだけ完全に不働態化膜を除去することができる。
なお、PR電解における1周期が短い(すなわち逆通電に切り替わる頻度が多い)方が不働態化膜を効果的に除去できる。
さらに、逆通電の電流密度と通電時間の積(すわなち逆電流の電流量)が同じ場合では逆通電の電流密度が大きくその分通電時間が短い方が効果的に不働態化膜を除去できる効果がある。
<硫酸溶液の製造方法>
(初期電解液供給工程)
本発明に係る硫酸溶液の製造方法では、最初に、第1実施形態に係る電解槽10に、硫酸溶液を、初期電解液として供給する(初期電解液供給工程)。初期電解液は、アノード室21およびカソード室22の両方に供給される。初期電解液は、以下の記載にあるような硫酸濃度であることが好ましい。液面の位置は、アノード室21の液面よりもカソード室22の液面が高くなるようにすることが好ましい。
(塩化物イオン濃度)
アノード側電極13表面で不働態化の発生を抑制するために、電解液(酸溶解液)に塩化物イオンなどを添加することが効果的であることが知られている。しかしながら前述したように得た酸溶解液中の塩化物イオンの濃度が増加する課題がある。リチウムイオン電池の正極材のように高純度な硫酸ニッケル溶液が必要な場合、塩化ニッケル溶液も原料に用いることができるなどある程度の塩化物濃度は許容できるが、できるだけ塩化物イオン濃度の上昇は抑えることが好ましい。
PR通電では、アノード側電極13表面での不働態化を効果的に抑制できる。このため、塩化物イオンの添加を大幅に減少させるかあるいは添加しないで溶出することができ、これにより塩化物イオン濃度の低い硫酸ニッケル溶液を得ることができる。また、不働態化の発生を抑制できることから、より高いアノード電流密度で電解することができ、生産性を高めることができる。
(硫酸濃度)
初期電解液として供給される硫酸(「フリー硫酸」あるいは「遊離硫酸」ともいう)の濃度の値はできるだけ小さいほうが好ましい。硫酸の濃度の値が小さいと、電解槽10から取出された、金属イオンを含有する硫酸溶液を中和するための薬剤費用が低減できるためである。
ただし、初期電解液として供給される硫酸の濃度の値が小さくなると、電解液の電気伝導度(単に「電導度」あるいは「伝導度」ともいう)が低下して液抵抗が増加したり、カソード側電極14での水素イオンの拡散限界電流値が低下することで電圧が高くなったりするという弊害が発生する。電気代および中和用の薬剤費用を考えた場合に、最も経済的な条件に設定することが望ましい。このためpH計または電気伝導率計(単に「電導度計」または「導電率計」などとも呼ばれる)などを用いて最適な遊離硫酸濃度となるように、電流量またはカソード側電極14側に供給する硫酸溶液の供給量を調整することが好ましい。
(電解液取出工程)
本発明に係る硫酸溶液の製造方法では、次に、第1実施形態に係る電解槽10に設けられたアノード側電極13とカソード側電極14とに電流を供給するとともに、アノード室21から、アノード側電極13を構成する金属が溶解した金属溶解電解液を取出す。この際、アノード側電極13とカソード側電極14とに供給される電流は、周期的に流れる方向を逆転させている(電解液取出工程)。この金属溶解電解液は、電解槽10から取出されると硫酸溶液となる。金属溶解電解液は、以下の記載にあるような金属イオン濃度、電解液温度であることが好ましい。なお、電解液取出工程は、アノード側電極13等に電流を供給すると同時に金属溶解電解液を取出す場合と、電流の供給が終わった後に金属溶解電解液を取出す場合が含まれる。
カソード室22には供給管16から硫酸が補充される。そして、カソード室22側の液面はアノード室21の液面より高くすることが好ましい。液面の位置は、隔膜12である濾布の通水性および面積にも依存する。隔膜12の通水性は、カソード室22から液が溢れない範囲に設定する必要がある。
カソード室22の液面を、アノード室21の液面よりも高く維持することで、カソード室22からアノード室21へ液体の流れが形成されるので、アノード室21からカソード室22への金属イオンの移動がさらに抑制される。
硫酸溶液の製造方法が、電解液取出工程、すなわちアノード側電極13とカソード側電極14とに電流を供給するとともに、アノード室21から金属溶解電解液を取出す工程を含んで構成されており、供給される電流が、周期的に流れる方向を逆転させているので、アノード室21から金属イオンの濃度が高い硫酸溶液が取出される。このためアノード室21のニッケルイオンの濃度の値が大きくならないので、アノード側電極13側の不動態の形成を抑制でき、効率よく品質の高い、金属が溶解した硫酸溶液を製造することができる。
(金属イオン濃度)
本発明に係る硫酸溶液の製造方法で製造された硫酸溶液の金属イオン濃度は、硫酸溶液の用途により決定される。たとえば2次電池の正極材に用いるニッケル原料として硫酸溶液が用いられる場合には、硫酸溶液のニッケルイオンの濃度が90〜100g/リットル程度の高濃度のニッケルイオンを含有する硫酸溶液が必要となる。コバルトの場合も同様である。
硫酸溶液中の金属イオン濃度は、以下のパラメータにより決定される。すなわち、アノード側電極13が金属ニッケルの場合、アノード側電極13での反応がすべてニッケルの溶解であれば、アノード側電極13に供給される電流値によって溶解量が決定する。バッチ式の場合であれば、所望のニッケルイオン濃度になるようにアノード側電極13に供給する積算電流量(通電量とも呼ばれる)を決定する。一方、連続式の場合は、その溶解量が所望のニッケルイオン濃度になるようにカソード室22に硫酸が補充され、同量の金属溶解電解液がアノード室21から硫酸溶液として取出される。
アノード側電極13を構成する金属が、少なくともニッケルまたはコバルトのいずれかを含有することにより、製造された硫酸溶液が二次電池の正極として使用される。
なお、初期電解液として、アノード室21に供給される硫酸溶液は、所定のニッケルイオン濃度以上の硫酸溶液であることが好ましい。この場合、金属溶解電解液は、取出しが始まった直後から所定のニッケルイオン濃度であるため、所定のニッケルイオン濃度の硫酸溶液を、当初から得ることができる。また初期電解液として、アノード室21に供給される硫酸溶液が、所定のニッケルイオン濃度未満である場合、溶解を開始した当初の、所定のニッケルイオン濃度に達していない硫酸溶液は、アノード室21側に繰り返すようにしても問題ない。また、電解液内のニッケルイオン濃度を均一にするために、アノード室21内の電解液がポンプ等で撹拌されるような構成にしても問題ない。
(電解液温度)
電解槽10内の電解液温度は高い方が好ましい。電解液温度が高いとアノード溶解するニッケルが不動態化することを抑制できる。ただし、電解液温度を高くするほど電解槽10などの設備材質の耐熱性および加熱に要するコストがかかるため、生産性およびコストを考慮し最も経済的な条件に設定することが望ましい。工業的に一般的な材料である塩化ビニールの耐熱を考慮すると、電解液温度は65℃以下、好ましくは50〜60℃程度の温度が好ましい。
(電流効率の評価)
本発明に係る硫酸溶液の製造方法により硫酸溶液を製造すると、短時間で効率よく金属イオンを含有した硫酸溶液が得られる。この際に加えた電流が、金属の溶解にどの程度寄与しているかを電流効率として算出した。電流効率は、以下の数2に示すように、アノード側電極13の重量減少分からカソード側電極14の重量増加分を減じたものを、通電量から求めた理論溶解量で除した百分率で求めた。PR通電、すなわち供給される電流が、周期的に流れる方向を逆転させている場合、1周期に占める逆通電の時間の比率に相当する以上の効率低下が考えられるため、電流効率が70%以上であれば効率よく電解できていると判断した。
[数2]
電流効率(%)=(アノード側電極13の減少重量 − カソード側電極14の増加重量)/理論溶解量 × 100・・数2
(その他)
本発明に係る電解槽10では、アノード側電極13側の溶液の電気伝導度またはpHを公知の測定機器を用いて測定し、硫酸の供給量および通電する電流の調整など操業管理に用いることも可能である。
(実施例1)
実施例1では、通水性が0.1リットル/(m・s)の濾布を隔膜12として、アノード室21とカソード室22が分離された電解槽10が用いられた。また、電解槽10では、アノード側電極13およびカソード側電極14として、金属ニッケル板が電極間距離45mmで設置された。それぞれの有効面積は32cmとした。
アノード室21の液面高さを120mmとなるように、初期電解液として、アノード室21に以下の硫酸溶液が供給された。この初期電解液は、水に硫酸ニッケルの結晶を溶解し、硫酸および塩酸で酸濃度を調製することで、ニッケルイオン濃度が100g/リットル、硫酸濃度が33g/リットルとなっているものである。なおアノード側電極13の有効表面の下端からアノード室21の底までの距離を30mmとした。
カソード室22の液面高さを、アノード室21よりも高くするように、初期電解液としてカソード室22に以下の硫酸溶液が供給された。この初期電解液は、濃度200g/リットルの硫酸である。実施例1の金属溶解前の条件を表1に示す。
電解槽10に設けられたアノード側電極13およびカソード側電極14に、PR通電を行った。PR通電では、1周期は100msであり、正通電のときの電流密度は1110A/m、通電時間は95msとし、逆通電のときの電流密度は1110A/m、通電時間は5msとした。この場合デューティ比は0.95、平均電流密度は1000A/mとなる。この際、電解液の温度は60℃になるように制御された。電流が供給されると同時に、カソード室22に、濃度200g/リットルの硫酸が0.6mリットル/minだけ供給管16により電解槽10に供給された。加えて、アノード室21の底から5mm上方の位置にある、取出管15の開口15aから、供給されている硫酸と同量の金属溶解電解液が取出された。
実施例1の結果を表2に示す。取出された金属溶解電解液のニッケルイオン濃度は、99g/リットルであり、電池の正極の製造に用いるのに十分なニッケルイオン濃度であった。また、電流密度も十分に高く、効率的に硫酸溶液が得られた。加えて21Ahの通電の実施に対し、電流効率を確認したところ82%であり、効率的に電解が行われていることがわかった。さらに、カソード室22のニッケルイオン濃度を測定したところ22g/リットルであり、カソード室22へのニッケルイオンの移動を抑制できたことがわかった。
(実施例2)
PR通電での電流密度、通電時間およびそれぞれの電極の有効面積以外のパラメータは実施例1と同じである。実施例2のそれぞれの電極の有効面積は20cmである。また、PR通電では、正通電のときの電流密度は1640A/m、通電時間は97.5msとし、逆通電のときの電流密度は1640A/m、通電時間は2.5msとした。この場合デューティ比は0.975、平均電流密度は1600A/mとなる。実施例2の金属溶解前の条件を表1に示す。
実施例2の結果を表2に示す。取出された金属溶解電解液のニッケルイオン濃度は、100g/リットルであり、電池の正極の製造に用いるのに十分なニッケルイオン濃度であった。また、電流密度も十分に高く、効率的に硫酸溶液が得られた。加えて21Ahの通電の実施に対し、電流効率を確認したところ83%であり、効率的に電解が行われていることがわかった。さらに、カソード室22のニッケルイオン濃度を測定したところ19g/リットルであり、カソード室22へのニッケルイオンの移動を抑制できたことがわかった。
(実施例3)
PR通電での1周期の時間、電流密度、通電時間およびそれぞれの電極の有効面積以外のパラメータは実施例1と同じである。実施例3では、PR通電での1周期の時間は50msとした。また実施例3のそれぞれの電極の有効面積は16cmである。また、PR通電では、正通電のときの電流密度は2170A/m、通電時間は49msとし、逆通電のときの電流密度は6520A/m、通電時間は1msとした。この場合デューティ比は0.98、平均電流密度は2000A/mとなる。実施例3の金属溶解前の条件を表1に示す。
実施例3の結果を表2に示す。取出された金属溶解電解液のニッケルイオン濃度は、100g/リットルであり、電池の正極の製造に用いるのに十分なニッケルイオン濃度であった。また、電流密度も十分に高く、効率的に硫酸溶液が得られた。加えて21Ahの通電の実施に対し、電流効率を確認したところ83%であり、効率的に電解が行われていることがわかった。さらに、カソード室22のニッケルイオン濃度を測定したところ20g/リットルであり、カソード室22へのニッケルイオンの移動を抑制できたことがわかった。
(比較例1)
PR通電ではなく一方向に直流電流を供給したこと以外のパラメータは実施例1と同じである。比較例1では、電流密度(平均電流密度の欄に記載)を1000A/mとした。比較例1の金属溶解前の条件を表1に示す。
比較例1の結果を表2に示す。電流を流し始め、電流密度が800A/mまで増加した時、電圧が急激に増加し、アノード側電極13から酸素が発生したため、溶解を中止した。すなわち比較例1の条件では、電流密度を上げることができず、効率的に硫酸溶液を得ることができなかった。
(比較例2)
PR通電での電流密度、通電時間以外のパラメータは実施例1と同じである。比較例2のPR通電では、正通電のときの電流密度は1430A/m、通電時間は85msとし、逆通電のときの電流密度は1430A/m、通電時間は15msとした。この場合デューティ比は0.85、平均電流密度は1001A/mとなる。比較例2の金属溶解前の条件を表1に示す。
比較例2の結果を表2に示す。取出された金属溶解電解液のニッケルイオン濃度は、82g/リットルであり、電池の正極の製造に用いるには不十分なニッケルイオン濃度であった。また、21Ahの通電の実施に対し、電流効率を確認したところ63%であり、電流の供給が金属の溶解に十分に寄与できていないことがわかった。
(比較例3)
PR通電での電流密度、通電時間、それぞれの電極の有効面積以外のパラメータは実施例1と同じである。比較例3のそれぞれの電極の有効面積は16cmである。また、PR通電では、正通電のときの電流密度は2130A/m、通電時間は97msとし、逆通電のときの電流密度は2130A/m、通電時間は3msとした。この場合デューティ比は0.97、平均電流密度は2000A/mとなる。比較例3の金属溶解前の条件を表1に示す。
比較例3の結果を表2に示す。通電後しばらくして、電圧が急激に増加し、アノード側電極13から酸素が発生したため、溶解を中止した。すなわち効率的に硫酸溶液を得ることが困難であることがわかった。比較例3では電流密度が高く不動態化が発生しやすい条件であり、逆電流の効果が不十分であった。
(比較例4)
初期電解液としてアノード室21に以下の硫酸溶液が供給された点以外のパラメータは比較例1と同じである。比較例4のアノード室21の初期電解液は、水に硫酸ニッケルを溶解し、硫酸および塩酸で調製することで、ニッケルイオン濃度が100g/リットル、硫酸濃度が33g/リットル、塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。比較例2の金属溶解前の条件を表1に示す。
比較例4の結果を表2に示す。取出された金属溶解電解液のニッケルイオン濃度は、100g/リットルであり、電池の正極の製造に用いるのに十分なニッケルイオン濃度であった。また、電流密度も十分に高く、効率的に硫酸溶液が得られた。加えて21Ahの通電の実施に対し、電流効率を確認したところ98%であり、効率的に電解が行われていることがわかった。さらに、カソード室22のニッケルイオン濃度を測定したところ6g/リットルであり、カソード室22へのニッケルイオンの移動を抑制できたことがわかった。
比較例4を比較例1と比較すると、電流を一方向で通電した場合であっても、比較例1のようにアノード側電極13からガスが発生することはなくアノード側電極13から硫酸溶液にニッケルを溶解することができた。ただし、得られた硫酸ニッケル溶液には塩化物イオンが残存するため、硫酸ニッケル溶液の用途による塩化物イオンの許容限界によっては、使用できない場合がある。
Figure 2020143345
Figure 2020143345
10 電解槽
12 隔膜
13 アノード側電極
14 カソード側電極
15 取出管
15a 開口
17 直流電源
21 アノード室
22 カソード室

Claims (3)

  1. 槽内が隔膜によりアノード室およびカソード室に分けられた電解槽に、硫酸溶液を初期電解液として供給する初期電解液供給工程と、
    前記電解槽に設けられたアノード側電極とカソード側電極とに電流を供給するとともに、前記アノード室から、前記アノード側電極を構成する金属が溶解した金属溶解電解液を取出す電解液取出工程と、
    を含んで構成されており、
    供給される前記電流が、周期的に流れる方向を逆転させている、
    ことを特徴とする硫酸溶液の製造方法。
  2. 前記アノードを構成する金属は、少なくともニッケルまたはコバルトのいずれかを含有する、
    ことを特徴とする請求項1記載の硫酸溶液の製造方法。
  3. 前記アノード側電極に、金属を溶解させるために電流が流れ込んでいる状態を正通電とした場合に、
    前記アノード側電極に供給される電流の1周期における正通電の時間の比率が、0.9以上0.99以下である、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の硫酸溶液の製造方法。
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