JP2020143267A - 陰イオン交換膜およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを抑え、耐久性が高く、機械的物性に優れた陰イオン交換膜およびその製造方法を提供する。【解決手段】重量平均分子量Mwが250,000〜450,000のポリオレフィンを含む連続相マトリックスおよび前記マトリックス中で架橋された不連続相シラン変性ポリオレフィンを含む多孔性支持体;および前記多孔性支持体の気孔に含浸されたり、表面に塗布された陰イオン伝導性物質;を含む陰イオン交換膜およびその製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、陰イオン交換膜およびその製造方法に関し、より詳細には、CDI(Capacitive Deionization)、ED(Electrodialysis)、RED(Reverse Electrodialysis)、水電解(Water Electrolysis)などに適用され得る陰イオン交換膜およびその製造方法に関する。
イオン交換膜は、燃料電池、レドックスフロー電池 、水処理、海水の淡水化などの様々な分野において活用されている。イオン交換膜は、製造工程が相対的に単純であり、特定のイオンに対する選択性に優れ、応用範囲が広くて、特に化石原料の使用量を減少させて環境汚染を低減できる主要な清浄技術として世界的な注目をあびている。前記のようなイオン交換膜は、水溶液中の陽イオンおよび陰イオンを選択的に分離することができるので、燃料電池、電気透析、酸と塩基回収のための水分解電気透析、酸洗廃液から酸および金属化学種を回収するための拡散透析、超純水工程など幅広く使用されており、最近、先進国では、高性能イオン交換膜が開発されるに伴い、その応用範囲はより一層拡大されている。
このようなイオン交換膜は、高い選択性を有していなければならず、溶媒および非イオン溶質の低い透過性、選択された透過イオンの拡散に対する低い抵抗、高い機械的強度および耐化学性を必要とする。このようなイオン交換膜は、優れた機械的強度と耐久性が要求される。このような要求を満たすために普遍的に使用される方法は、無機物を添加してハイブリッド複合膜を製造する方法、触媒混合物を加熱圧着するホットプレス法、硬化剤を添加する方法などがある。
ハイブリッド複合膜は、膜のスウェリング現象が続くと、膜の添加物と高分子膜間の隙間が生じることになって、正常なイオン交換能力を発揮できないという短所がある。また、硬化剤を添加する方法も、時間の経過に伴って硬化剤が溶出される短所がある。前述したような問題点によって依然として耐久性が高く、機械的物性に優れたイオン交換膜の開発が要求されている。
現在商用化された陰イオン交換膜は、旭硝子(Asahi Glass)社のSelemion(登録商標)AMV、アストム(Astom)社のNeosepta(登録商標)AMXなどが挙げられる。
しかしながら、商用化された陰イオン交換膜の場合、有機物による膜汚染と無機物のスケーリングに脆弱であり、特に、有機物による膜汚染は、移動度の低い膜汚染物質が陰イオン交換膜を通過することによって発生することになる。これを解決するために、分子量が比較的大きい有機物質の透過度を高めることができるように架橋度を低減する方法があるが、この場合、膜の機械的強度および化学的安定性が低くなる問題がある。
また、商用化された陰イオン交換膜の場合、イオン交換容量と電気的物性に優れている反面、価格が高く、耐久性が低いという問題がある。
本発明は、前述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、機械的物性とイオン交換能に優れているながらも、これを均一に具現することができ、アルコキシビニルシランの溶出および廃棄によって製造コストが上昇する問題を解決して、経済性に優れた陰イオン交換膜およびその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様は、重量平均分子量Mが250,000〜450,000のポリオレフィンを含む連続相マトリックスおよび前記マトリックス中で架橋された不連続相シラン変性ポリオレフィンを含む多孔性支持体;および前記多孔性支持体の気孔に含浸されたり表面に塗布された陰イオン伝導性物質;を含む陰イオン交換膜を提供する。
一実施例において、前記多孔性支持体のうち前記シラン変性ポリオレフィンの含量は、0.1〜5重量%であり得る。
一実施例において、前記シランは、アルコキシ基を含有するビニルシランであり得る。
一実施例において、前記陰イオン伝導性物質は、アミン化した高分子(aminated polymer)であり得る。
一実施例において、前記アミン化した高分子は、下記化学式(化1)の構造を有することができる。
上記式中、Yは、共有結合(−)、−CO−、−SO−または、−O−であり、ZおよびDは、それぞれ共有結合(−)、−O−、または、−S−であり、Cは、共有結合(−)、−C(CH−または、−C(CF−であり、Rは、Hまたは−CHであり、R、R、Rは、それぞれ−CH、−CHCH、−(CHCH、−CHNH、−(CHNHまたは−(CHNH(CH)Clであり、x、yは、それぞれ任意の反復単位であり、x/(x+y)は、0.001〜1である。
一実施例において、前記アミン化した高分子は、aminated PAES(polyaryleneether sulfone)、aminated PEK(polyether keton)、aminated PEEK(polyetherether ketone)、aminated PS(polysulfone)、aminated PES(polyether sulfone)、aminated PPO(polyphenylene oxide)、aminated PPS(polyphenylene sulfide)およびこれらのうち2以上の組合せよりなる群から選択された一つであり得る。
一実施例において、前記多孔性支持体は、無機フィラーをさらに含むことができ、前記多孔性支持体のうち前記無機フィラーの含量は、10〜70重量%であり得る。
本発明の他の態様は、(a)重量平均分子量Mが250,000〜450,000のポリオレフィンおよびシラン変性ポリオレフィンを含む組成物を加工して、多孔性支持体を製造する段階;(b)前記多孔性支持体に含まれたシラン変性ポリオレフィンを架橋させる段階;および(c)前記多孔性支持体を陰イオン伝導性物質および溶媒を含む溶液に含浸する段階;を含む陰イオン交換膜の製造方法を提供する。
一実施例において、前記段階(c)の前に、前記多孔性支持体をブロム気体の存在下でプラズマ処理し、アミン基を含有する化合物で二分子的求核置換反応(S2反応)させる段階;をさらに含むことができる。
一実施例において、前記プラズマ処理は、0.5〜90分間行われ得る。
本発明の一態様による陰イオン交換膜およびその製造方法は、陰イオン交換膜の支持体の製造においてポリオレフィンのシラン変性反応を別に行うことなく、シラン変性が完了したポリオレフィンを使用し、かつ、これを一定範囲の重量平均分子量を有するポリオレフィンと一定比率で混合して使用することによって、機械的物性に優れているながらもこれを均一に具現することができ、アルコキシビニルシランの溶出および廃棄によって製造コストが上昇する問題を解決して、生産性、経済性を最大化することができる。
本発明の他の一態様によれば、陰イオン交換膜の支持体を前記多孔性支持体をブロム気体の存在下でプラズマ処理し、アミン基を含有する化合物で二分子的求核置換反応(S2反応)させて、支持体の表面および内部気孔の表面を親水化することによって、前記支持体に含浸された陰イオン伝導性物質との結合力およびそれによる陰イオン交換膜の耐久性とイオン伝導性を向上させることができる。
本発明の効果は、上記した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明または請求範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含むものと理解されなければならない。
図1は、本発明の一実施例(製造例1−1)による多孔性支持体の断面SEMイメージである。 図2は、本発明の比較例(比較例1)による陰イオン交換膜の断面SEMイメージである。 図3は、本発明の一実施例(実施例1)による陰イオン交換膜の断面SEMイメージである。 図4は、本発明の一実施例(製造例1−9)による多孔性支持体の断面SEMイメージである。
以下、添付の図面を参照して本発明を説明することとする。しかしながら、本発明は、様々な異なる形態で具現され得、したがって、ここで説明する実施例に限定されるものではない。なお、図面において本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は、省略し、明細書全般において類似の部分については、類似の参照符号を付けた。
明細書全般において、任意の部分が他の部分と「連結」されているというとき、これは、「直接的に連結」されている場合だけでなく、それらの中間に他の部材を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。
また、任意の部分が或る構成要素を「含む」というとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除くものでなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
陰イオン交換膜
本発明の一態様は、重量平均分子量Mが250,000〜450,000のポリオレフィンを含む連続相マトリックスおよび前記マトリックス中で架橋された不連続相シラン変性ポリオレフィンを含む多孔性支持体;および前記多孔性支持体の気孔に含浸されたり表面に塗布された陰イオン伝導性物質;を含む陰イオン交換膜を提供する。
前記支持体は、内部に気孔が形成された、多孔膜の一種であり得る。前記陰イオン伝導性物質は、前記支持体内部の気孔のうち少なくとも一部に含浸されてもよく、さらに、前記支持体表面の少なくとも一部にコートされてもよい。前記気孔内部の陰イオン伝導性物質および支持体表面の陰イオン伝導性物質は、相互連結されていてもよい。
前記支持体において前記シラン変性ポリオレフィンは、前記マトリックス中で架橋されて前記マトリックスを堅固に支持、固定させることによって、前記支持体の機械的物性を向上させることができる。本明細書に使用された用語「マトリックス」は、2種以上の成分を含む支持体において連続相を構成する成分を意味する。すなわち前記支持体において重量平均分子量Mが250,000〜450,000のポリオレフィンが連続相で存在し、その内部で架橋されたシラン変性ポリオレフィンが不連続相で存在することができる。
本発明の陰イオン交換膜の実質的な活用のために、前記シラン変性ポリオレフィンの分布を均一に調節して、架橋されたシラン変性ポリオレフィンが前記支持体中に均一に分布するように調節する必要がある。前記シラン変性ポリオレフィンの架橋反応が前記支持体のうち一部の領域に偏重されて起こる場合、必要な水準の機械的物性を具現することができず、特に、前記支持体の領域による機械的物性の偏差が大きくなって、製品の信頼性、再現性が顕著に低下し得る。
本発明の一実施例によれば、前記マトリックスを構成する前記ポリオレフィンの分子量を一定範囲に調節することによって、前記ポリオレフィンと前記シラン変性ポリオレフィンが押出機内で混練される過程で前記シラン変性ポリオレフィンを前記ポリオレフィン中に均一に分散させることができる。前記ポリオレフィンの重量平均分子量Mは、250,000〜450,000であり得る。前記ポリオレフィンの重量平均分子量が450,000超過であれば、粘度が高くなって加工性が低下することがあり、250,000未満であれば、粘度が過度に低くなって前記シラン変性ポリオレフィンの分散性が極度に低下し、場合によって、前記ポリオレフィンおよび前記シラン変性ポリオレフィン間に相分離または層分離が発生することがある。
前記ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート、エチレンブチルアクリレート、エチレンエチルアクリレートおよびこれらのうち2以上の組合せまたは共重合体よりなる群から選択された一つであってもよく、好ましくはポリエチレンであってもよいが、これに限定されるものではない。
前記支持体のうち前記シラン変性ポリオレフィンの含量は、0.1〜5重量%であり得る。前記支持体のうち前記シラン変性ポリオレフィンの含量が0.1重量%未満であれば、必要な水準の機械的物性を具現することができず、5重量%超過であれば、機械的物性が必要な水準に収束されるので、経済性、生産性の側面において不利である。
前記シランは、アルコキシ基を含有するビニルシランであり得る。例えば、前記アルコキシ基を含有するビニルシランは、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリアセトキシビニルシランおよびこれらのうち2以上の組合せよりなる群から選択された一つであってもよく、好ましくはトリメトキシビニルシランであってもよいが、これに限定されるものではない。
前記支持体は、無機フィラーをさらに含むことができる。前記無機フィラーは、シリカ(SiO)、二酸化チタン(TiO)、アルミナ(Al)、ゼオライト(zeolite)、AlOOH、バリウムチタネート(BaTiO)、タルク(Talk)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)およびこれらのうち2以上の組合せよりなる群から選択された一つであってもよく、好ましくは10〜1,000nmまたは10〜600nmの平均粒度を有する球形のナノ粒子、好ましくはその表面が疎水化または親水化処理されたナノ粒子であってもよい。前記支持体のうち前記無機フィラーの含量は、10〜70重量%、好ましくは10〜60重量%であり得る。前記無機フィラーの含量が10重量%未満であれば、前記支持体の機械的強度、耐酸性、耐化学性、難燃性が低下することがあり、70重量%超過であれば、前記支持体の柔軟性、加工性が低下することがある。
例えば、シリカ(SiO)は、その表面に疎水性である直鎖炭化水素(linear hydrocarbon)分子よりなる炭化水素層が形成されたものであってもよい。シリカ自体は、親水性性質を有しているので、疎水性のポリエチレンと相溶性を改善するためには、直鎖炭化水素分子、例えば、(ポリ)エチレンがコートされた球形シリカナノ粒子が好ましい。
上記のように、分子量が一定範囲に調節されたポリオレフィン系マトリックス中に一定量のシラン変性ポリオレフィンが架橋された構造の支持体は、下記(i)〜(ix)の条件のうち一つ以上を満たすことができる。(i)通気度50〜300sec/100ml、好ましくは125〜300sec/100ml;(ii)穿孔強度15〜65gf/μm、好ましくは21.5〜65gf/μm;(iii)縦方向(MD)引張強度500〜3,000kgf/cm、好ましくは700〜2,000kgf/cm;(iv)横方向(TD)引張強度500〜2,500kgf/cm、好ましくは700〜2,000kgf/cm;(v)縦方向(MD)引張伸率40%以上、好ましくは40〜80%;(vi)横方向(TD)引張伸率40%以上、好ましくは40〜55%;(vii)120℃で縦方向(MD)熱収縮率20%以下、好ましくは10%以下;(viii)120℃で横方向(TD)熱収縮率20%以下、好ましくは15%以下;(ix)メルトダウン温度170〜250℃、好ましくは200〜250℃、より好ましくは225〜250℃。
前記支持体は、親水化、スルホン化処理されて優れたイオン伝導性を満たすことができる。親水化した支持体の平均気孔サイズは、20〜2,000nmであり得、水分(HO)との接触角は、15゜以下であり得、前記多孔膜の表面で負の値(−)で測定されたゼータ電位の絶対値は、10mV以上、好ましくは15mV以上、より好ましくは20mV以上であり得る。また、前記支持体の気孔率は、30〜90%、好ましくは50〜80%であり得る。
親水化した前記支持体は、その表面と内部気孔の表面に生成された−SO基が親水性を有するので、本質的に親水性である前記陰イオン伝導性物質との高い親和度(affinity)によって前記陰イオン伝導性物質と容易に結合され得、その結合力も強化され得るので、前記陰イオン交換膜の耐久性が顕著に向上することができ、前記支持体および陰イオン伝導性物質に含まれた親水性基の消失が最小化されるので、イオン伝導性も向上することができる。
前記陰イオン伝導性物質は、アミン化した高分子(またはアミン化高分子、aminated polymer)であり得、好ましくは前記アミン化した高分子のアミン化度は、40〜70%であり得る。本明細書に使用された用語「アミン化度(degree of amination)」は、前記アミン化した高分子を成す複数の単量体の総モル数をm、前記アミン化した高分子のうち一つ以上のアミン基が置換された単量体のモル数をnというとき、式n/mで算出され得、例えば、n/mが1であれば、アミン化度は、100%であり得る。
一般的に、陰イオン伝導性物質、特に、陰イオン伝導性高分子のアミン化度が高いほど、高分子のイオン伝導性が増加する反面、親水性が過度に高くなって、水に溶解したりひどく膨潤する現象が発生する。反対に、アミン化度が低い場合には、疎水性が強くて、耐水性、耐久性が向上する反面、イオン伝導性が低下する問題がある。したがって、前記陰イオン伝導性物質のアミン化度を40〜70%の範囲に調節することによって、イオン伝導性と耐水性、耐久性を均衡的に具現することができる。
前記アミン化した高分子は、下記化学式(化2)の構造を有することができる。
上記式中、Yは、共有結合(−)、−CO−、−SO−または−O−であり、ZおよびDは、それぞれ共有結合(−)、−O−または−S−であり、Cは、共有結合(−)、−C(CH−または−C(CF−であり、Rは、Hまたは−CHであり、R、R、Rは、それぞれ−CH、−CHCH、−(CHCH、−CHNH、−(CHNHまたは−(CHNH(CH)Clであり、x、yは、それぞれ任意の反復単位であり、x/(x+y)は、0.001〜1である。
例えば、前記アミン化した高分子は、aminated PAES(polyaryleneether sulfone)、aminated PEK(polyether keton)、aminated PEEK(polyetherether ketone)、aminated PS(polysulfone)、aminated PES(polyether sulfone)、aminated PPO(polyphenylene oxide)、aminated PPS(polyphenylene sulfide)およびこれらのうち2以上の組合せよりなる群から選択された一つであってもよいが、これに限定されるものではない。
陰イオン交換膜の製造方法
本発明の他の一態様は、(a)重量平均分子量Mが250,000〜450,000のポリオレフィンおよびシラン変性ポリオレフィンを含む組成物を加工して、多孔性支持体を製造する段階;(b)前記多孔性支持体に含まれたシラン変性ポリオレフィンを架橋させる段階;および(c)前記多孔性支持体を陰イオン伝導性物質および溶媒を含む溶液に含浸する段階;を含む陰イオン交換膜の製造方法を提供する。
前記段階(a)では、重量平均分子量Mが250,000〜450,000のポリオレフィンおよびシラン変性ポリオレフィンを含む組成物を押出機に投入した後、押出し、T−ダイを介して吐出して、シート形態に成形した後に延伸して、多孔性支持体を製造することができる。
前記ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート、エチレンブチルアクリレート、エチレンエチルアクリレートおよびこれらのうち2以上の組合せまたは共重合体よりなる群から選択された一つであってもよく、好ましくはポリエチレンであってもよいが、これに限定されるものではない。
前記組成物は、前記ポリオレフィン20〜40重量部およびシラン変性ポリオレフィン0.1〜10重量部を含むことができる。前記組成物のうち前記シラン変性ポリオレフィンの含量が0.1重量部未満であれば、必要な水準の機械的物性を具現することができず、10重量部超過であれば、機械的物性が必要な水準に収束するので、経済性、生産性の側面において不利である。
前記シランは、アルコキシ基を含有するビニルシランであり得る。例えば、前記アルコキシ基を含有するビニルシランは、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリアセトキシビニルシランおよびこれらのうち2以上の組合せよりなる群から選択された一つであってもよく、好ましくはトリメトキシビニルシランであってもよいが、これに限定されるものではない。
前記組成物は、気孔形成剤60〜80重量部をさらに含むことができる。前記気孔形成剤は、熱誘導相分離(Thermally Induced Phase Separation)を活用した湿式法によって支持体の内部で抽出、除去されて気孔を形成する役割を行うことができる。
前記湿式法は、前記気孔形成剤を含む支持体を溶媒が担持された抽出槽に浸漬させるものであり得る。抽出温度は、15〜80℃、好ましくは25〜40℃であってもよく、抽出時間は、0.1〜60分、好ましくは1〜20分であり得る。
前記気孔形成剤は、例えば、パラフィンオイル、パラフィンワックス、鉱油、固体パラフィン、大豆油、油菜油、パーム油、ヤシ油、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ビス(2−プロピルヘプチル)フタレート、ナフテンオイルおよびこれらのうち2以上の組合せよりなる群から選択された一つであってもよく、好ましくはパラフィンオイルであってもよく、さらに好ましくは40℃で動粘度が50〜100cStのパラフィンオイルであってもよいが、これに限定されるものではない。
前記気孔形成剤を抽出するための溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、ジクロロメタン、四塩化炭素、メチルエチルケトン、アセトンおよびこれらのうち2以上の組合せよりなる群から選択された一つであってもよく、好ましくはジクロロメタンであってもよいが、これに限定されるものではない。
前記組成物は、架橋触媒をさらに含むことができる。前記組成物が架橋触媒をさらに含む場合、前記段階(b)での架橋反応を促進させることができる。このような架橋触媒としては、一般的に、スズ、亜鉛、鉄、鉛、コバルトなどの金属のカルボン酸塩、有機塩基、無機酸および有機酸が使用できる。例えば、前記架橋触媒は、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、酢酸第1スズ、カプリル酸第1スズ、ナフテン酸亜鉛、カプリル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ピリジン、硫酸、塩酸などの無機酸、トルエンスルホン酸、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸などの有機酸などであってもよく、好ましくはジブチルスズジラウレートであってもよいが、これに限定されるものではない。
前記架橋触媒は、従来、シラン変性ポリオレフィンの製造時に添加したり、架橋触媒の溶液または分散液を支持体に塗布するなどの方法で使用された。ただし、このような従来の方法では、前記架橋触媒を前記シラン変性ポリオレフィンと共に均一に分散させ難い。前述したように、架橋前に前記支持体に含まれた前記シラン変性ポリオレフィンが均一に分散する必要があり、この際、前記シラン変性ポリオレフィンの架橋反応に関与する架橋触媒も、均一に分散する必要がある。
これに対して、前記架橋触媒を気孔形成剤と事前混合して前記押出機のサイドフィーダを介して投入することによって、前記架橋触媒を前記シラン変性ポリオレフィンと共に均一に分散させて架橋反応の効率をより高めることができる。
前記組成物のうち前記架橋触媒の含量は、0.01〜5重量%であり得る。前記架橋触媒の含量が0.01重量%未満であれば、架橋反応を必要な水準に促進させることができず、5重量%超過であれば、反応速度が必要な水準に収束されるので、経済性、生産性の側面において不利である。
前記段階(a)で行われる前記延伸は、1軸延伸または2軸延伸(逐次または同時2軸延伸)などの公知された方法により行われ得る。逐次2軸延伸の場合、延伸倍率は、横方向(MD)および縦方向(TD)にそれぞれ4〜20倍であってもよく、それによる面倍率は、16〜400倍であり得る。
前記段階(b)では、前記多孔性支持体に含まれたシラン変性ポリオレフィンを架橋させることができる。前記架橋は、前記多孔性支持体を温度および湿度が一定範囲に調節された恒温恒湿槽に位置させて行うことができ、この際、前記段階(b)は、前記段階(a)と相互不連続的であるか、連続的であっても温度を一定水準以上に高めにくい水分環境で行われるので、架橋反応に過度な時間がかかることができる。これに対して、前記段階(b)で、前記多孔膜を沸点が100℃超過、好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上の溶液が担持された架橋槽に投入し、連続的に通過させることによって、架橋反応にかかる時間を顕著に短縮させて生産性を向上させることができる。
具体的に、前記溶液は、沸点が100℃超過の成分を含むので、架橋反応時に温度条件を100℃超過、好ましくは120℃以上に造成して架橋反応を促進させることができる。前記成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールおよびこれらのうち2以上の組合せよりなる群から選択された一つを使用することができる。このような成分は、吸湿性があるので、前記成分中に含まれた水分にて架橋反応を起こすことができるが、必要に応じて、一定量の水を混合して使用することもできる。
また、前記溶液は、架橋触媒をさらに含むことができ、この場合、一定量の水を混合しなくても、前記架橋反応を十分に促進させることができる。前記溶液のうち架橋触媒の含量は、0.5〜15重量%であり得る。前記架橋触媒の含量が0.5重量%未満であれば、架橋反応を必要な水準に促進させることができず、15重量%超過であれば、反応速度が必要な水準に収束されるので、経済性、生産性の側面において不利である。
前記架橋槽に担持された溶液に含まれた架橋触媒は、前記組成物に含まれたものと本質的に類似した作用効果を有する。ただし、前記組成物に含まれた架橋触媒、すなわち前記段階(a)で押出機のサイドフィーダを介して投入された架橋触媒は、前記段階(b)で前記多孔性支持体の中心部(中心層)に分布するシラン変性ポリオレフィンを効果的に架橋させることができる反面、表面部(スキン層)に分布するシラン変性ポリオレフィンの架橋反応には、積極的に関与し難い。前記架橋槽に担持された溶液に含まれた架橋触媒は、前記多孔性支持体が前記架橋槽を通過するとき、前記多孔性支持体の表面部(スキン層)と接触するので、前記多孔性支持体の表面部(スキン層)に分布するシラン変性ポリオレフィンの架橋反応をさらに促進させることができる。前記架橋触媒の種類と作用効果については、前述した通りである。
前記段階(c)の前に、前記多孔性支持体をブロム気体の存在下でプラズマ処理し、アミン基を含有する化合物で二分子的求核置換反応(S2反応)させる段階;をさらに含むことができる。
前記プラズマ処理および二分子的求核置換反応を通じて後述する陰イオン交換膜に製造時に前記多孔性支持体の表面および内部気孔の表面を親水化して、すなわち前記多孔性支持体の表面および内部気孔の表面が正の電荷を帯びるようにして陰イオン伝導性物質との結合力を向上させることができ、それにより陰イオン交換膜の耐久性、特に、長期耐久性とイオン伝導性を顕著に向上させることができる。
従来、多孔性支持体の表面を親水化し、一定水準のイオン伝導性を具現するために、多孔性支持体を反応溶液などに一定時間の間浸漬してスルホン化させる湿式工程(wet process)が主に使用されたが、この場合、前記湿式工程がプラズマ処理に先行または後行されるなど前記プラズマ処理と別に行われて、工程が複雑であり、多量の工程廃液が発生する問題がある。
これに対して、前記プラズマ処理時に使用される工程気体は、ブロム気体を含むので、前記多孔性支持体を反応溶液などに浸漬するなどの湿式工程なしに前記プラズマ処理という単一の乾式工程(dry process)を通じて前記多孔性支持体の表面と内部気孔の表面にブロム官能基を生成して、すなわち臭化および二分子的求核置換反応して前記多孔性支持体の親水性とイオン伝導性を最大化することができ、従来の複雑な工程を単純化することができ、環境的側面においても有利である。
前記プラズマ処理は、0.5〜90分、好ましくは0.5〜20分間行われ得る。前記プラズマ処理が0.5分未満で行われると、前記多孔性支持体が必要な水準に親水化、ブロム化されることができず、90分超過で行われると、親水化度、ブロム化度が一定水準に収束されるので、工程効率が低下することがある。
前記プラズマ処理後、前記多孔性支持体をアミン基を含有する化合物、例えば、1−(2−アミノエチル)ピペラジン(1−(2−Aminoethyl)Piperazine)で二分子的求核置換反応(S2反応)させることによって、前記多孔性支持体の表面および内部気孔の表面が正の電荷を帯びるようにして陰イオン伝導性物質との結合力を向上させることができて、それにより陰イオン交換膜の耐久性、特に、長期耐久性とイオン伝導性を顕著に向上させることができる。
前記段階(c)では、前記多孔性支持体を陰イオン伝導性物質および溶媒を含む溶液に含浸および/またはコートして、前記多孔性支持体の気孔に前記陰イオン伝導性物質を充填させることができ、必要に応じて、前記多孔性支持体の表面にも前記陰イオン伝導性物質が一定の厚みでコートされ得る。前記段階(c)によって前記陰イオン伝導性物質が充填および/またはコートされた前記陰イオン交換膜の厚みは、30〜200μmであり得る。
前記含浸および/またはコートは、(i)親水化した前記多孔性支持体を前記溶液で満たされた含浸槽に一定時間の間含浸させる方式、(ii)親水化した前記多孔性支持体を前記溶液を伝達するためのコート装置、例えば、ロールコーター、バーコーターなどでコートする方式または前記(i)および(ii)が組み合わせられた方式で行われ得る。
特に、前記段階(c)が、前記(ii)のうちロールコーターを利用する方式で行われる場合、前記ロールコーターは、親水化した前記多孔性支持体の一面に前記溶液を伝達する第1ロールおよび親水化した前記多孔性支持体の他面に接触して前記多孔性支持体を支持、移送しつつ、内部にあらかじめ定められた構造、形態の吸入手段が実装されて、前記第1ロールから伝達された前記溶液が前記多孔性支持体の気孔に円滑に、空いた空間なしに満たされることができるようにする第2ロールを含むことができる。また、コートに必要な量を超過して伝達された前記溶液は、前記第2ロールの内部に実装された前記吸入手段により吸入された後、前記第1ロールに前記溶液を供給する手段に移送されて、前記溶液が再使用されるようにすることができる。
前記溶液のうち前記陰イオン伝導性物質の含量は、10〜60重量%であり得る。前記陰イオン伝導性物質の含量が10重量%未満であれば、イオン交換膜のイオン伝導性が低下することがあり、60重量%超過であれば、イオン伝導性がこれ以上向上しないので、不要な原料を消尽することになって、経済性の側面において不利である。
前記陰イオン伝導性物質は、アミン化した高分子であり得る。前記アミン化した高分子の種類および作用効果については、前述した通りである。
前記溶液の溶媒は、エステル系、エーテル系、アルコール系、ケトン系、アミド系、スルホン系、カーボネート系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、およびこれらのうち2以上の組合せよりなる群から選択された一つであってもよく、好ましくはアミド系溶媒であってもよく、より好ましくはN−メチル−2−ピロリドンであり得る。
前記エステル系溶媒としては、メチルアセテート、エチルアセテート、n−ブチルアセテート、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メチルブチルレート、エチルブチルレート、プロピルプロピオネートなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、オクチルエーテル、ヘキシルエーテルなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アミルアルコール、シクロヘシサノール、オクチルアルコール、デカノールなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記ケトン系溶媒としては、アセトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記アミド系溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記スルホン系溶媒としては、ジチメルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジエチルスルホン、テトラメチレンスルホンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記カーボネート系溶媒としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記脂肪族炭化水素系溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカンなどが挙げられ、前記芳香族炭化水素系溶媒としては、ベンゼン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
以下、本発明の実施例を詳細に説明することとする。実施例のシラン変性ポリエチレンとしては、TSC社のSH−100XおよびMCPP社のXHE740Nをそれぞれまたは混用して使用し、比較例のシラン変性ポリエチレンとしては、三菱化学社のリンクロンHF−700Nを使用した。
製造例1−1
重量平均分子量Mが350,000であり、分子量分布M/Mが5である高密度ポリエチレン(High density polyethylene、HDPE)25重量部、シラン変性ポリエチレン0.5重量部、および40℃での動粘度が70cStであるパラフィンオイル74.5重量部を混合して、2軸押出機(内径58mm、L/D=56、Twin screw extruder)に投入した。前記混合物を200℃、スクリュー回転速度40rpmの条件で前記2軸押出機から幅が300mmのTダイ(T−die)で吐出させた。以後、温度が40℃のキャストロール(Casting roll)を通過させて、厚みが800μmのベースシートを製造した。前記ベースシートを110℃のロール延伸器で縦方向(MD)6倍延伸し、125℃のテンター延伸機で横方向(TD)に7倍延伸して、延伸フィルムを製造した。前記延伸フィルムを25℃のジクロロメタン浸出槽に含浸して1分間パラフィンオイルを抽出、除去して、多孔膜を製造した。前記多孔膜を50℃の条件で乾燥した。以後、前記多孔膜をテンター延伸機で125℃に加熱した後、横方向(TD)に1.45倍延伸後に弛緩させて、延伸前に比べて1.25倍になるように熱固定させた。前記多孔膜を85℃、湿度85%の恒温恒湿槽で72時間の間架橋させて、多孔性支持体を製造した。
製造例1−2
重量平均分子量Mが350,000であり、分子量分布M/Mが5である高密度ポリエチレン29.5重量部、シラン変性高密度ポリエチレン0.5重量部、および40℃での動粘度が70cStであるパラフィンオイル70重量部を混合して、2軸押出機(内径58mm、L/D=56)に投入した。架橋触媒であるジブチルスズジラウレートを前記パラフィンオイルのうち一部に事前分散させ、前記2軸押出機を通過する混合物の総重量を基準として0.5重量%になるように前記2軸押出機のサイドインジェクターを介して投入した。前記混合物を200℃、スクリュー回転速度40rpmの条件で前記2軸押出機から幅が300mmのTダイで吐出させた。以後、温度が40℃のキャストロールを通過させて、厚みが800μmのベースシートを製造した。前記ベースシートを110℃のロール延伸機で縦方向(MD)6倍延伸し、125℃のテンター延伸機で横方向(TD)に7倍延伸して、延伸フィルムを製造した。前記延伸フィルムを25℃のジクロロメタン浸出槽に含浸して1分間パラフィンオイルを抽出、除去して、多孔膜を製造した。前記多孔膜を5分間50℃の条件で乾燥した。以後、前記多孔膜をテンター延伸機で125℃に加熱した後、横方向(TD)に1.45倍延伸後、1.25倍に弛緩させた。前記多孔膜を85℃、湿度85%の恒温恒湿槽で72時間の間架橋させて、多孔性支持体を製造した。
製造例1−3
重量平均分子量Mが350,000であり、分子量分布M/Mが5である高密度ポリエチレンを重量平均分子量Mが250,000であり、分子量分布M/Mが6である高密度ポリエチレンに変えたことを除いて、前記製造例1−1と同じ方法で多孔性支持体を製造した。
製造例1−4
重量平均分子量Mが350,000であり、分子量分布M/Mが5である高密度ポリエチレンを重量平均分子量Mが250,000であり、分子量分布M/Mが6である高密度ポリエチレンに変えたことを除いて、前記製造例1−2と同じ方法で多孔性支持体を製造した。
製造例1−5
延伸されたフィルムを恒温恒湿槽で架橋させることなく、プロピレングリコールが160℃に加熱した架橋槽に投入、連続式に30分間通過させて架橋させたことを除いて、前記製造例1−1と同じ方法で多孔性支持体を製造した。
製造例1−6
延伸されたフィルムを恒温恒湿槽で架橋させることなく、プロピレングリコールおよびジブチルスズジラウレートがそれぞれ95:5の重量比で混合された溶液が160℃に加熱した架橋槽に投入、連続式に10分間通過させて架橋させたことを除いて、前記製造例1−1と同じ方法で多孔性支持体を製造した。
製造例1−7
延伸されたフィルムを恒温恒湿槽で架橋させることなく、エチレングリコールが120℃に加熱した架橋槽に投入、連続式に60分間通過させて架橋させたことを除いて、前記製造例1−1と同じ方法で多孔性支持体を製造した。
製造例1−8
延伸されたフィルムを恒温恒湿槽で架橋させることなく、エチレングリコールおよびジブチルスズジラウレートがそれぞれ90:10の重量比で混合された溶液が120℃に加熱した架橋槽に投入、連続式に15分間通過させて架橋させたことを除いて、前記製造例1−1と同じ方法で多孔性支持体を製造した。
製造例1−9
エチレンが表面コートされた平均粒度が600nmであるナノシリカ粒子20重量部、重量平均分子量Mが350,000である高密度ポリエチレン29.5重量部、MFR 0.8g/10min、密度0.958g/mlであるトリメトキシビニルシラン変性高密度ポリエチレン0.5重量部、および40℃での動粘度が70cStであるパラフィンオイル70重量部を混合し、高速ミキサーを使用してナノシリカ粒子を分散させた。
以後、真空脱泡工程を経て混合過程で生成された微細気泡を除去した後、2軸押出機(内径58mm、L/D=56)に投入した。200℃、スクリュー回転速度40rpmの条件で前記2軸押出機で幅が300mmのTダイで吐出させた後、温度が40℃のキャストロールを通過させて厚みが800μmのベースシートを製造した。この際、ベースシートのうちナノシリカの含量が51.4重量%になるように投入含量を制御した。前記ベースシートを110℃のロール延伸機で縦方向(MD)6倍延伸し、125℃のテンター延伸機で横方向(TD)に7倍延伸して、延伸フィルムを製造した。前記延伸フィルムを25℃のジクロロメタン浸出槽に含浸して、1分間パラフィンオイルを抽出、除去した。パラフィンオイルが除去されたフィルムを5分間50℃の条件で乾燥した。以後、テンター延伸機で125℃に加熱した後、横方向(TD)に1.45倍延伸後、1.25倍に弛緩させた。前記フィルムを85℃、湿度85%の恒温恒湿槽で72時間の間架橋させて、多孔性支持体を製造した。
製造例1−10
重量平均分子量Mが350,000であり、分子量分布M/Mが5である高密度ポリエチレン28.5重量部、シラン変性ポリエチレン1.5重量部、および40℃での動粘度が70cStであるパラフィンオイル70重量部を混合して、2軸押出機(内径58mm、L/D=56)に投入した。前記混合物を210℃、スクリュー回転速度45rpmの条件で前記2軸押出機から幅が300mmであるTダイで吐出させた。以後、温度が40℃であるキャストロールを通過させて、厚みが800μmのベースシートを製造した。前記ベースシートを110℃のロール延伸機で縦方向(MD)6倍延伸し、125℃のテンター延伸機で横方向(TD)に7倍延伸して、延伸フィルムを製造した。前記延伸フィルムを25℃のジクロロメタン浸出槽に含浸して1分間パラフィンオイルを抽出、除去して多孔膜を製造した。前記多孔膜を50℃の条件で乾燥した。以後、前記多孔膜をテンター延伸機で125℃に加熱した後、横方向(TD)に1.45倍延伸後に弛緩させて、延伸前に比べて1.25倍になるように熱固定させた。前記多孔膜を85℃、湿度85%の恒温恒湿槽で72時間の間架橋させて、多孔性支持体を製造した。
比較製造例1−1
MFR 0.8g/10min、密度0.958g/cmのシラン変性ポリエチレン45重量部に40℃での動粘度が70cStであるパラフィンオイル55重量部を混合して、2軸押出機(内径58mm、L/D=56)に投入した。160℃、スクリュー回転速度40rpmの条件で前記2軸押出機で幅が300mmのTダイで吐出させた後、温度が40℃のキャストロールを通過させて、厚みが60μmのベースシートを製造した。前記ベースシートの両面に濃度30重量%のジブチルスズジラウレート水分散液を塗布した後、温度が85℃の温水で1時間の間シラン架橋反応を進めて、架橋フィルムを製造した。前記架橋フィルムを25℃のジクロロメタン浸出槽に含浸して30分間パラフィンオイルを抽出、除去した。前記架橋フィルムを温度が80℃のオーブンで30分間乾燥して、多孔性支持体を製造した。
比較製造例1−2
溶融温度が135℃であり、重量平均分子量が300,000である高密度ポリエチレン35重量部、40℃での動粘度が40cStであるパラフィンオイル65重量部、トリメトキシビニルシラン2重量部、ジブチルスズジラウレート2重量部および2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン(2,5−dimethyl−2,5−di(tert−butylperoxy)hexane)2重量部を混合して、2軸押出機(内径58mm、L/D=56)に投入した。200℃、スクリュー回転速度30rpmの条件で前記2軸押出機で反応押出させてシラン変性ポリオレフィン組成物を製造し、幅が300mmのTダイで吐出後に温度が40℃のキャストロールを通過させて、厚みが800μmのベースシートを製造した。前記ベースシートを108℃のロール延伸機で縦方向(MD)5.5倍延伸し、123℃のテンター延伸機で横方向(TD)に5.5倍延伸して、延伸フィルムを製造した。前記延伸フィルムを25℃のジクロロメタン浸出槽に含浸して10分間パラフィンオイルを抽出、除去した。パラフィンオイルが除去されたフィルムを127℃に熱固定して、多孔性支持体を製造した。前記多孔性支持体を80℃、湿度90%の恒温恒湿槽で24時間の間架橋させて、多孔性支持体を製造した。
比較製造例1−3
重量平均分子量が500,000である高密度ポリエチレン5重量部、MFRが0.5g/10min、密度0.942g/mlであるシラン変性ポリエチレン10重量部、および40℃での動粘度が60cStであるパラフィンオイル85重量部を混合して、2軸押出機(内径58mm、L/D=56)に投入した。160℃、スクリュー回転速度40rpmの条件で前記2軸押出機で幅が300mmのTダイで吐出させた後、温度が40℃のキャストロールを通過させて、115℃で圧延して、厚みが500μmのベースシートを製造した。前記ベースシートの製造過程で一部の不良が発生した場合、廃棄し、正常な外観を有するベースシートを選定して使用した。
前記ベースシートを115℃のロール延伸機で縦方向(MD)3.5倍延伸し、115℃のテンター延伸機で横方向(TD)に3.5倍延伸して、延伸フィルムを製造した。前記延伸フィルムを25℃のジクロロメタン浸出槽に含浸して1分間パラフィンオイルを抽出、除去した。パラフィンオイルが除去されたフィルムを5分間50℃の条件で乾燥し、前記フィルムを90℃、湿度95%の恒温恒湿槽で24時間の間架橋させた。以後、110℃で30分間熱処理して、多孔性支持体を製造した。
比較製造例1−4
延伸されたフィルムを恒温恒湿槽で架橋させることなく、沸騰水が担持された架橋槽に投入、連続式に通過させて架橋させたことを除いて、前記製造例1−1と同じ方法で多孔性支持体を製造した。
比較製造例1−5
延伸されたフィルムを恒温恒湿槽で架橋させることなく、80℃に加熱した温水が担持された架橋槽に投入、連続式に通過させて架橋させたことを除いて、前記製造例1−1と同じ方法で多孔性支持体を製造した。
実験例1
本発明で測定した物性それぞれに対する試験方法は、下記の通りである。温度に対する別途の言及がない場合、常温(25℃)で測定した。
−厚み(μm):微細厚み測定機を利用して支持体試験片の厚みを測定した。
−気孔率(%):ASTM F316−03に基づいて、PMI社のCapillary Porometerを使用して半径が25mmの支持体試験片の気孔率を測定した。
−通気度(Gurley、sec/100ml):旭精工社のガーレ測定機(Densometer)EGO2−5モデルを利用して測定圧力0.025MPaで100mlの空気が直径29.8mmの支持体試験片を通過する時間を測定した。
−架橋度(ゲル分率、%):支持体試験片100mg(W)を1,2,4−トリクロロベンゼンに浸漬した後、130℃で2時間の間熱処理した。前記試験片を分離した後、50℃で24時間の間乾燥した後、乾燥された試験片の重量(W)を測定し、下記計算式(式1)を使用して架橋度を計算した。
式1
−引張強度(kgf/cm):引張強度測定機を利用してサイズが20×200mmの支持体試験片に応力を加えて試験片の破断が発生するまで加えられた応力を測定した。
−引張伸率(%):引張強度測定機を利用してサイズが20×200mmの支持体試験片に応力を加えて試験片の破断が発生するまで伸びた最大長さを測定し、下記計算式(式2)を使用して引張伸率を計算した。
式2

前記計算式で、lは、伸張前の試験片の横または縦方向の長さであり、lは、破断直前の試験片の横または縦方向の長さである。
−穿孔強度(gf):KATO TECH社の穿孔強度測定機KES−G5モデルを利用してサイズが100×50mmの支持体試験片に直径0.5mmのスティック(Stick)で0.05cm/secの速度で力を加えて前記試験片が穿孔される時点に加えられた力を測定した。
−メルトダウン温度(℃):熱機械分析装置(Thermomechanical analysis)を利用して支持体試験片に0.01Nの力を加えた後、5℃/分の速度で昇温させて、前記試験片の変形程度を測定した。前記試験片が破断される温度をメルトダウン温度とした。
−熱収縮率(%):120℃のオーブンで1時間の間サイズが200×200mmの支持体試験片をA4紙の間に入れて放置した後、常温冷却させて、試験片の横および縦方向の収縮された長さを測定し、下記計算式(式3)を使用して熱収縮率を計算した。
式3

前記計算式で、lは、収縮前の試験片の横または縦方向の長さであり、lは、収縮後の試験片の横または縦方向の長さである。
前記製造例1−2によって製造された多孔性支持体をSEMで撮影して図1に示した。また、前記製造例および比較製造例によって製造された支持体の物性を測定し、その結果を下記表1および表2に示した。

実験例2
前記製造例1−2、比較製造例1−1および1−2のジクロロメタン浸出槽で抽出後に再生されたパラフィンオイルを誘導結合型プラズマ発光分析(Inductively coupled plasma atomic emission spectroscopy、ICP)して、その結果を下記表3に示した。
前記表3を参照すると、シラン変性ポリオレフィンを使用した製造例および比較製造例1−1では、パラフィンオイル1kg当たりSi含量が5mg以下であって、測定誤差以内に該当するが、トリメトキシビニルシランを使用した比較製造例1−2は、パラフィンオイル1kg当たり220mgのSiが検出された。また、比較製造例1−2のパラフィンオイルを追加分析した結果、トリメトキシビニルシランのグラフト過程でポリエチレンの他にパラフィンオイルに多数のシランがグラフトされたことを確認することができた。前記シランが変性パラフィンオイルは、再生が不可能で、全量廃棄した。
実験例3
製造例および比較製造例によって製造された多孔性支持体を横方向(TD)に3等分して各部分で支持体試験片を抽出して、架橋度、穿孔強度およびメルトダウン温度を測定して、下記表4に示した。下記表4で、Lは、一側の支持体、Rは、他側の支持体、Mは、中央側の支持体の試験片で測定された値を意味する。最大差異は、M値とLまたはR値との差異のうち大きい値である。
実験例4
製造例および比較製造例による架橋時、架橋時間による支持体のゲル分率を測定して架橋方法および条件による反応速度を評価し、その結果を下記表5に示した。
前記表5を参考すると、プロピレングリコール(沸点:188.2℃)が担持された架橋槽で連続式に架橋反応が行われた製造例1−5、1−6の場合、比較製造例1−4に比べて約70%の架橋度を達成するのにかかった時間が最大1/3以下と短縮され、プロピレングリコールに比べて沸点がさらに高いエチレングリコール(沸点:197.3℃)が担持された架橋槽で連続式に架橋反応が行われた製造例1−7、1−8の場合、比較製造例1−5に比べて約60%の架橋度を達成するのにかかった時間が最大1/10以下と短縮された。
製造例2
前記製造例1−1〜1−8の多孔性支持体の表面を改質するために、真空プラズマで処理した。プラズマ処理前に、前記多孔性支持体を平坦に広げた状態に維持できる枠に挟持し、支持体上の不純物を除去するために窒素でパージ(purge)した。
真空プラズマ処理のための装置のチャンバーのサイズは、幅420mm、深さ430mm、高さ270mmであり、プラズマを発生させる用途の平面電極は、接地電極と交流印加電極が交互に6段からなる構造のものを使用した。最下段の電極から2、3、4段の電極から2mm離れた地点に多孔性支持体を電極板と平行に位置させ、チャンバー内部の圧力が0.1torrになるまで真空条件を造成した。
下記表6による組成を有するブロム気体(Br、工程気体)を30sccmの流量でチャンバー内部に流入させながら、2分間チャンバー内部圧力を0.2torrに維持して、パージした。また、周波数13.56KHzの高周波電源を300Wの出力で印加して2分間チャンバー内部にプラズマ条件が造成されるようにして、前記多孔性支持体にブロム官能基が付着するようにした。
前記多孔性支持体の上・下面をひっくり返してチャンバー内部に前記のような方式で位置させ、同じ過程を繰り返して、前記多孔性支持体の両面、すなわち上面と下面が均一にプラズマ処理されるようにした。
プラズマ処理された多孔性支持体に結合されたブロム官能基をアミン基に置換するために、下記表6に記載されたそれぞれの物質および温度、大気圧条件で48時間の間S2反応(二分子的求核置換反応、Bimolecular Nucleophilic Substitution)させた後、エタノールおよび蒸留水で洗浄した。以後、官能基の安定的イオン化のために、20重量%ヨウ化メチル(Iodomethane、CHI)、80重量%n−ブタノール(n−butanol、CH(CHOH)溶液に35℃、大気圧で48時間の間反応させて、アミン基を四級化(quaternization)させた。
実験例5
製造例1−1で製造された多孔性支持体をプラズマおよび後処理で表面を改質し、改質された表面の荷電特性を定量化するために、フロー電位方法を利用して表面のゼータ電位(zeta potential、mV)を測定し、その結果を下記表6に示した。
前記表6を参照すると、プラズマ表面処理および/またはS2反応を経ない多孔性支持体(比較製造例2−1および2−2)は、疎水性が非常に強く、表面が全く荷電されていない反面、ブロムプラズマ処理とS2反応を経た製造例2−1および2−2の場合、表面が正電荷を帯び、顕著に親水性に転換されることが分かる。
特に、四級化反応を経た製造例2−2の多孔性支持体は、ゼータ電位が製造例2−1に比べてさらに高く、これを通じてアミン基の四級化による安定したイオン化が可能になったことを確認することができる。
製造例3:aminated PAES(polyaryleneethersulfone)の製造
100mLの枝付き丸フラスコに気体投入口、温度計、ディーン・スタークトラップ、冷却器および撹拌機を設置し、窒素雰囲気で数分間空気および不純物を除去した後、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン3.4460g、4,4’−ビフェノール(BP)3.7242g、ジスルホン化ジクロロジフェニルスルホン3.9301g、KCO 3.1787gおよびNMP 44.4mL、トルエン22.2mL(NMP/トルエン=2/1、v/v)を投入し、80℃以上で1時間の間撹拌させながら単量体を溶解させた。
以後、反応溶液の温度を160℃に昇温させた後、4時間の間トルエンで還流させながら、反応生成物である水を除去した後、さらに190℃に昇温させてディーン・スタークトラップで残留トルエンを完全に除去し、24時間の間反応させた。反応が終了すると、NMPで反応溶液を希釈させて濾過した後、水に注いで膨潤された繊維(swollen fiber)形態で沈殿させ濾過した。以後、得られた反応生成物を120℃の減圧乾燥器で24時間の間乾燥させて、高分子重合体を収得した。
収得された重合体100gを機械式撹拌機、気体投入口、凝縮機および温度設定のための恒温槽を設置した後、1L容量の4口フラスコに投入した。以後、1,1,2,2−テトラクロロエタン(TCE、1,1,2,2−tetrachloroethane)425.8mLに対して重合体が12.8重量%になるように十分に溶解させた。恒温槽を40℃に設定して、反応触媒ZnCl 8.233gを入れ、30分間撹拌した後、滴下漏斗を用いてクロロメチルメチルエーテル(CMME、chloromethylmethylether)103.0mLを投入した。
前記クロロメチルメチルエーテルの添加量は、単位モル数当たり反応するCMMEのモル数の5倍で算出して投入した。
気体投入口を通じて乾燥した不活性気体を注入しつつ、4時間の間激烈に反応させた後、生成物を濾過して過量のメタノールに沈殿させ、沈殿したクロロメチル化ポリアリレンエチレンスルホンを粉砕して、数回エタノールと脱イオン水に洗浄した。洗浄されたクロロメチル化ポリアリレンエチレンスルホンを90℃の真空オーブンで12時間以上乾燥した。
製造されたクロロメチル化ポリアリレンエーテルスルホン200gを機械式撹拌機が設置された2L容量の4口フラスコに入れ、ジメチルアセトアミド(DMAc、N、N−dimethylacetamide)1489.4mLに12.5重量%で溶解した。反応器に滴下漏斗を用いてトリメチルアミン366mLを滴下するとき、投入量は、クロロメチル化ポリエーテルスルホンの反復単位モル数当たり反応するトリメチルアミン(trimethylamine;TMA)のモル数の4倍以上投入して、12時間の間反応させて陰イオン伝導性物質溶液を製造した。
前記製造例1−1の多孔性支持体を前記製造例2−2によってプラズマ処理した後、前記製造例3で製造された陰イオン伝導性物質溶液に含浸して、陰イオン交換膜を製造した。
プラズマ処理されていない支持体を使用したことを除いて、前記実施例1と同じ方法で陰イオン交換膜を製造した。
比較例1
商用化されたNeosepta(登録商標)陰イオン交換膜(AMX)を脱イオン水で洗浄して、陰イオン交換膜を製造した。
実験例6
製造された陰イオン交換膜の性能と耐久性を下記方法で評価し、その結果は、下記表7の通りである。
−イオン転換率(IEC、meq/g):イオン交換容量を測定するために、Mohr滴定法を利用して試料をNaCl溶液に浸漬させて、第4級アンモニウム基を−N(CHClの形態に完全に置換させた後、さらに、0.5M NaCO溶液に浸漬させて、N(CHCO に置換し、この溶液に5%重クロム酸カリウム溶液を1〜2滴滴加した後、AgNOで赤褐色沈殿が起こるまで滴加して、消耗したAgNOの量を求めて、下記式4によって陰イオン交換膜のイオン交換容量を算出した。
式4

ここでは、Wdryは、乾燥された膜の重量、VAgNO3は、消耗したAgNOの体積、CAgNO3は、滴定に使用されたAgNO溶液の濃度である。
−モル吸収率(water uptake、%):陰イオン交換膜の水吸収率を測定するために、陰イオン交換膜を脱イオン水で数回洗浄し、洗浄された陰イオン交換膜を脱イオン水に24時間の間浸漬させた後に取り出して、表面に存在する水を除去した後、重量Wwetを測定した。次に、同じ陰イオン交換膜をさらに120℃の減圧乾燥器で24時間の間乾燥した後、さらに重量Wdryを測定し、下記式5を利用して水吸収率を計算した。
式5

−寸法安定性(ΔΔΔ%):寸法安定性は、水吸収率の測定方法と同一であり、かつ、重量の代わりに、陰イオン交換膜の長さ、厚み、体積変化を測定し、下記式6,7,8を利用して寸法変化率を計算した。
式6

式7

式8

−膜抵抗(Resistance、Ω.cm):実施例および比較例で製造された陰イオン交換膜に対して測定装備(ネオサイエンスVSP−300 Impedance/Gain−phase analyzer)を利用して電気抵抗を測定した。電気抵抗は、交流インピーダンス測定法で測定された。陰イオン交換膜を2M NaCl溶液にそれぞれ十分に浸漬させた後、クリップセル(clip cell)を使用して電気抵抗を測定した。
Resistance(Ω.cm)=(r−r)*S
ここで、rは、測定抵抗値であり、rは、膜がないときの抵抗値である。Sは、クリップセルの面積(cm)である。
前記表7を参照すると、プラズマ処理の有無に関係なく、製造例1−1の多孔性支持体を利用して得られた陰イオン交換膜の場合、比較例1の商用陰イオン交換膜に比べて水吸収率、イオン転換率に優れ、特に、寸法安定性が大きく改善された。
実施例1、2の結果を比較してみれば、プラズマ処理された多孔性支持体に陰イオン伝導性物質を含浸させて製造した実施例1の陰イオン交換膜は、イオン転換率が約2.0meq/g以上であって、プラズマ処理を経ない多孔性支持体に陰イオン伝導性物質を含浸させて製造した実施例2の陰イオン交換膜に比べて高くて、イオン交換能力に優れていると共に、寸法安定性が改善された。
また、図3を参照すると、実施例1の陰イオン交換膜は、その内部で陰イオン伝導性物質の含浸が均一に行われ、これに伴い、水吸収率も、15%以下と低くて、陰イオン交換膜としての耐久性に優れていることが分かる。
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形が可能であることを理解することができる。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。例えば、単一型と説明されている各構成要素は、分散して実施されてもよく、同様に分散したものと説明されている構成要素も、結合された形態で実施されてもよい。
本発明の範囲は、後述する請求範囲によって示され、請求範囲の意味および範囲そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解すべきである。

Claims (10)

  1. 重量平均分子量Mが250,000〜450,000のポリオレフィンを含む連続相マトリックスおよび前記連続相マトリックス中で架橋された不連続相シラン変性ポリオレフィンを含む多孔性支持体、および、
    前記多孔性支持体の気孔に含浸された、または、表面に塗布された陰イオン伝導性物質を含む、陰イオン交換膜。
  2. 前記多孔性支持体のうち前記不連続相シラン変性ポリオレフィンの含量は、0.1〜5重量%である、請求項1に記載の陰イオン交換膜。
  3. シランは、アルコキシ基を含有するビニルシランである、請求項1に記載の陰イオン交換膜。
  4. 前記陰イオン伝導性物質は、アミン化した高分子(aminated polymer)である、請求項1に記載の陰イオン交換膜。
  5. 前記アミン化した高分子は、下記化学式(化1)の構造を有し、
    上記式中、
    Yは、共有結合(−)、−CO−、−SO−または−O−であり、
    ZおよびDは、それぞれ共有結合(−)、−O−または−S−であり、
    Cは、共有結合(−)、−C(CH−または−C(CF−であり、
    は、Hまたは−CHであり、
    、R、Rは、それぞれ−CH、−CHCH、−(CHCH、−CHNH、−(CHNHまたは−(CHNH(CH)Clであり、
    x、yは、それぞれ任意の反復単位であり、
    x/(x+y)は、0.001〜1である、
    請求項4に記載の陰イオン交換膜。
  6. 前記アミン化した高分子は、aminated PAES(polyaryleneether sulfone)、aminated PEK(polyether keton)、aminated PEEK(polyetherether ketone)、aminated PS(polysulfone)、aminated PES(polyether sulfone)、aminated PPO(polyphenylene oxide)、aminated PPS(polyphenylene sulfide)およびこれらのうち2以上の組合せよりなる群から選択された一つである、請求項4に記載の陰イオン交換膜。
  7. 前記多孔性支持体は、無機フィラーをさらに含み、
    前記多孔性支持体のうち前記無機フィラーの含量は、10〜70重量%である、請求項1に記載の陰イオン交換膜。
  8. (a)重量平均分子量Mが250,000〜450,000のポリオレフィンおよびシラン変性ポリオレフィンを含む組成物を加工して、多孔性支持体を製造する段階、
    (b)前記多孔性支持体に含まれたシラン変性ポリオレフィンを架橋させる段階、および、
    (c)前記多孔性支持体を陰イオン伝導性物質および溶媒を含む溶液に含浸する段階、を含む、陰イオン交換膜の製造方法。
  9. 前記段階(c)の前に、
    前記多孔性支持体をブロム気体の存在下でプラズマ処理し、アミン基を含有する化合物で二分子的求核置換反応(S2反応)させる段階をさらに含む、請求項8に記載の陰イオン交換膜の製造方法。
  10. 前記プラズマ処理は、0.5〜90分間行われる、請求項9に記載の陰イオン交換膜の製造方法。
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