JP2020142065A - 棚柱取付構造及び棚柱利用システム - Google Patents

棚柱取付構造及び棚柱利用システム Download PDF

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昌和 駒倉
Masakazu Komakura
昌和 駒倉
大貢 千田
Taigu Senda
大貢 千田
青木 巧貴
Koki Aoki
巧貴 青木
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Abstract

【課題】壁部Wの表面に棚柱12が取付固定された取付構造において、建物の美観を損なうことなく、棚柱12の耐荷重性の向上及び機能性の向上を図る。【解決手段】棚柱12の壁部取付構造では、予め壁部Wに取り付けられている取付部材Hにより棚柱12が取り付けられている。取付部材Hは、予め壁部Wに挿入されて取付固定されかつ有底状のネジ穴2を有するインサート部材Iと、インサート部材Iのネジ穴2に螺合締結され、該インサート部材Iに一体に取付可能なボルト部材B又はフック部材Aとを備える。棚柱12は取付部材Hにより壁部W表面に取り付けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、棚柱を建物の壁部に取り付ける棚柱取付構造及びそれを用いた棚柱利用システムに関する。
建物の壁面を活用する技術として、例えば特許文献1には、マガジン収納領域を形成する線材フレーム取付用のパネルの裏面に面材側のフック片を、また壁面に壁面側フック片をそれぞれ固定し、上下の面材側及び壁面側のフック片同士の係合によってパネルを壁面に支持するようにした壁掛けタイプのマガジンラックが開示されている。
特許文献1のマガジンラックは、設置するためにネジ等で壁面に穴をあけることとなる。そのため、マガジンラックが一旦取り付けられると、それを取り外した後にも壁に穴があいたままとなり、取り外した後に建物の美観が損なわれてしまう。それを避けるには、壁面にあいた穴を元通りに埋める修復工事が必要となる。これは、賃貸住宅などのように利用者が変わることが想定されている場合、特に顕著な問題となる。
そこで、本出願人は、先に、特許文献2に示されるハンガーフックを出願している。このハンガーフックによると、予め壁面にインサート部材が埋め込まれているので、利用者は、そのインサート部材にフック部材を着脱するだけで済み、上記の諸問題を一挙に解決することができる。
特開平11−155658号公報 特願2017−254508号明細書及び図面
ところで、近年、賃貸住宅では、その室内の壁面を活用する要望が多様化している。特に、室内に設置する収納棚や机などの家具は室内空間を狭くするため、壁面を有効活用することにより室内空間を広くしたいという要望がある。
そこで、壁面に直接棚柱を取り付けて、その棚柱に棚板や机の天板を設置するという方法が考えられる。しかし、その場合、棚柱を壁面にビス等で固定する一般的な固定方法では、壁面への棚柱の取付強度が低いと、棚柱に設置する棚板等への耐荷重は制限される。そのため、壁面に設置する棚柱には比較的軽量なものしか取り付けできないという制約を受けるので、棚柱の機能性は低いものとなる。また、棚柱の耐荷重を上げようとすると、棚柱を固定する壁面を補強する必要があり、棚柱を固定する部材の点数も多くなるため、建物の美観を損なうことになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、壁面に設置する棚柱の取付構造に工夫を加えることにより、建物の美観を損なうことなく、棚柱の耐荷重性の向上及び該棚柱の機能性の向上を図ることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、予め建物の室内壁に取り付けられている取付部材を活用し、その取付部材により、棚柱を壁部表面に取り付けることとした。
具体的には、第1の発明は、建物の壁部に棚柱が、該壁部に予め取り付けられている取付部材により取付固定される棚柱取付構造であって、前記取付部材は、前記壁部に挿入されて取付固定されかつ有底状の穴部を有するインサート部材と、前記インサート部材の穴部に係合されて、該インサート部材に一体に取付可能な締結部材とを備えている。また、前記締結部材は、前記インサート部材の穴部に係合されて該インサート部材に一体に取付可能な、フック部を有するフック部材と、該フック部材とは異なる別の代替締結部材との少なくとも一方からなり、前記棚柱は、前記インサート部材及び締結部材により前記室内壁に取り付けられていることを特徴とする。
第1の発明では、建物の壁部には、予め取付部材が取り付けられている。前記取付部材は、例えば、本願出願人が先に出願した特願2017−254508号明細書及び図面に開示されているハンガーフックであり、壁部に挿入されて取付固定されたインサート部材を備えている。このインサート部材は、例えば比較的寸法が大きく、予め建物の施工時に壁部において比較的強度の高い部位を選んで強固に取付固定されている。このことにより、前記棚柱は、このインサート部材と、インサート部材の穴部に係合されて該インサート部材に一体に取り付けられる前記締結部材とにより壁部に取り付けられるため、建物の壁部の補強を行うことなくかつ美観を損なわずに、前記棚柱の耐荷重性を向上させることができる。また、前記棚柱に多様な対象物を取り付けることができるため、棚柱の機能性を向上させることができる。
第2の発明は、第1の発明において、インサート部材は複数で、該複数のインサート部材が建物の壁部に左右方向に並んで取付固定されている。また、前記複数のインサート部材に亘り左右方向に延びる上側横バーが各インサート部材に締結部材により取付固定され、上側横バーに複数の上側内部チャンネルが左右方向に間隔をあけて固定されており、複数の棚柱は後側に開放された構造で、前記上側内部チャンネルに前側から被さった状態で該上側内部チャンネルに固定され、かつ棚柱の下端部が建物の床面から離れていることを特徴とする。
この第2の発明では、複数のインサート部材に亘り上側横バーが締結部材により固定され、その横バーに上側内部チャンネルが間隔をあけて固定され、この内部チャンネルに後側に開放された構造の棚柱が被さった状態で固定されている。このことで、棚柱の下端部が建物の床面から離れ、棚柱が壁部のみに支持されたフローティング構造であっても、棚柱の耐荷重性を維持しつつ、棚柱に多様な対象物を取り付けることができ、棚柱の機能性を向上させることができる。
また、インサート部材に上側横バーが固定されるが、棚柱は上側横バーに対し内部チャンネルによって取り付けられるので、その棚柱の取付位置はインサート部材の位置に限定されなくなり、その取付位置の自由度が高くなる。
第3の発明は、第2の発明において、複数の棚柱の下部に複数の下側内部チャンネルが棚柱を前側から被せた状態で固定され、前記複数の下側内部チャンネルに亘り左右方向に延びる下側横バーが取付固定されていることを特徴とする。
この第3の発明では、複数の棚柱の下部にそれぞれ下側内部チャンネルが固定され、それらの下側内部チャンネルに亘り下側横バーが取付固定されているので、複数の棚柱の下部同士が側横バーにより一体的に連結されることとなり、棚板下部が単独で左右方向に横揺れするのを抑制することができる。
第4の発明は、第2又は第3の発明において、棚柱及び内部チャンネルの後端部にそれぞれ横バーを嵌合可能な切欠きが形成され、該切欠きに横バーが嵌合されることで、棚柱及び内部チャンネルの後端部が横バー後端部と面一になって壁部に接触していることを特徴とする。
この第4の発明では、棚柱及び内部チャンネルの後端部の切欠きに横バーが嵌合され、棚柱及び内部チャンネルの後端部が横バー後端部と面一になって壁部に接触しているので、棚柱は壁面に安定して固定され、棚柱の耐荷重性が向上する。また、横バーがあっても、その前後厚さの分だけ棚柱が壁部から離れて浮き上がるように見えることはなく、外観見映えが良くなる。
また、棚柱及び内部チャンネルの後端部の切欠きに横バーが嵌合しているので、棚柱の横揺れにより、互いに交差する棚柱と横バーとの交差角度が変化しようとしても、その変化は生じ難くなり、棚柱が左右方向に横揺れするのを抑制することができる。
第5の発明は、第2〜第4の発明のいずれか1つにおいて、棚柱は左右の側壁部で内部チャンネルに固定されていることを特徴とする。このことで、棚柱の前面に固定具が露出せず、外観上の美観を良好にすることができる。
第6の発明は、第3〜第5の発明のいずれか1つにおいて、下側横バーは上側横バーと同じ断面構造を有することを特徴とする。
また、第7の発明は、第3〜第6の発明のいずれか1つにおいて、下側内部チャンネルは上側内部チャンネルと同じ部材であることを特徴とする。
これらの発明によると、上側及び下側横バーを互いに同じ断面構造のものとして、又は上側及び下側内部チャンネルを互いに同じ部材として用いることができ、棚柱取付構造に必要な部品点数の低減を図ることができる。
第8の発明は、第1の発明において、前記棚柱には、締結部材が挿通される取付孔が形成されており、棚柱は、前記締結部材と前記インサート部材との間に挟み込まれて取付固定されていることを特徴とする。
第8の発明では、棚柱がその取付孔とインサート部材の穴部とが一致するように配置された状態で、前記締結部材が棚柱側から取付孔に挿通されてインサート部材の穴部に締結される。そのため、前記棚柱は、締結部材とインサート部材との間に挟み込まれる。このことにより、棚柱は壁面に安定して固定されるため、棚柱の耐荷重性は向上する。また、前記棚柱に多様な対象物を取り付けることができるため、前記棚柱の機能性も向上する。
第9の発明は、第8の発明において、前記棚柱には、棚柱の長さを調節可能な調節部が設けられていることを特徴とする。
第9の発明では、前記棚柱が壁部に取付固定された状態で、前記調節部により前記棚柱の下端が例えば床面に接するように棚柱の長さが調節され、前記棚柱は、下端において床面上に載置されて支持される。このことにより、棚柱は下端部においても床面に支持されることになり、その耐荷重性はより一層向上する。また、前記棚柱に多様な物品を取り付けることができるため、前記棚柱の機能性も向上する。
第10の発明は、第8又は第9の発明において、前記取付孔は、縦長形状に形成されていることを特徴とする。
第10の発明では、前記取付孔は縦穴形状に形成されているため、前記棚柱は、壁面に対して取付位置を上下方向に調節できる。このことにより、ユーザの好みに応じて、設置する棚柱の高さを調節できる。
第11の発明は、第1、第8、第9又は第10の発明において、前記壁部に棚柱が取り付けられていない状態では、前記インサート部材に前記フック部材が係合されて、インサート部材とフック部材とでハンガーフックが構成され、壁部に棚柱が取り付けられた状態では、前記インサート部材からフック部材が取り外されかつ前記代替締結部材がフック部材と同じ係合構造で該フック部材に置き換えられて前記インサート部材に係合され、その締結部材により棚柱が壁部に取り付けられており、前記棚柱には、前記インサート部材から取り外されたフック部材をインサート部材と同じ係合状態で係合して保管する保管用穴部が設けられていることを特徴とする。
第11の発明では、壁部に棚柱が取り付けられていない状態では、インサート部材に、フック部を有するフック部材が係合されてハンガーフックとなっており、このフック部材のフック部に物品等が吊り下げられる。そして、このハンガーフックを利用して棚柱が取付固定されるときには、インサート部材はそのままにしてインサート部材からフック部材が取り外され、フック部材とは異なる代替締結部材がフック部材と同じ係合構造でフック部材に置き換えられてインサート部材に係合され、この締結部材により棚柱が壁部に取り付けられる。また、インサート部材から取り外されたフック部材は、棚柱の保管用穴部にインサート部材と同じ係合状態で係合されて保管される。
このことで、既に壁部に取り付けられているハンガーフックを利用し、そのフック部材を別の代替締結部材に置き換えて棚柱を固定することができる。また、置き換えられたフック部材は棚柱の保管用穴部に係合状態で保管されるので、紛失し難くなる。そして、棚柱を取り外すときには、保管しているフック部材をインサート部材に係合して戻せばよく、元の状態への原状復帰が容易となる。
第12の発明は棚柱利用システムに係り、この棚柱利用システムは、第1〜第11の発明のいずれか1つの棚柱取付構造により、建物の壁部に左右に並ぶように複数設置された前記棚柱と、前記棚柱に係合された係合部材と、隣り合う前記棚柱の間で前記係合部材により支持される対象物と、を備えることを特徴とする。
第12の発明では、第1〜第11の発明の作用効果を奏する棚柱取付構造を利用した棚柱利用システムが得られる。具体的には、前記対象物の左右両側において、係合部材により該対象物は前記棚柱に支持される。すなわち、前記対象物は2本の前記棚柱によって支持されるため、建物の美観を損なうことなく棚柱利用システムの耐荷重性を向上させることができる。また、比較的重い物を前記対象物とすることができる。そのため、前記棚柱利用システムには多様な前記対象物を取り付けることができ、前記棚柱利用システムの性能は向上する。
第13の発明は、第12の発明において、前記対象物は、棚板、机の天板、収納ボックス、家電製品及びバックパネルの少なくともいずれか1つであることを特徴とする。
第13の発明では、前記棚柱利用システムは高い耐荷重性を有するため、棚板、机の天板、収納ボックスを設置した場合でも、比較的重い物を収納することができる。また、家電製品のような比較的重い物も取り付けることができる。このことにより、前記棚柱利用システムの機能性は向上する。さらに、前記棚柱にバックパネルを取り付けることにより、隣り合う前記棚柱の間がバックパネルで連結され、前記棚柱利用システムの耐荷重性はさらに向上するとともに、棚柱利用システムを壁面に取り付けた状態において、建物の外観上の見映えも向上する。
以上に説明したように、本発明によれば、建物の美観を損なうことなく、壁面に取付固定される棚柱の耐荷重性の向上及び該棚柱の機能性の向上を図ることができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る棚柱取付構造を示す側面図である。 図2は、図1のII−II線拡大断面図である。 図3は、図2のIII−III線断面図である。 図4は、棚柱下部の調節部を示す側面図である。 図5は、図4のV−V線拡大断面図である。 図6は、係合部材の棚柱への係合構造を示す分解斜視図である。 図7は、本発明の実施形態に係る棚柱利用システムの正面図である。 図8は、ハンガーフックとしての取付部材を分解して示す側面図である。 図9は、壁部に棚柱が取り付けられる前にハンガーフックが取り付けられている状態を示す斜視図である。 図10は、実施形態2に係る棚柱取付構造を示す図1相当図である。 図11は、実施形態3に係る棚柱取付構造を示す正面図である。 図12は、図11のXII−XII線拡大断面図である。 図13は、図11のXIII−XIII線拡大断面図である。 図14は、図11のXIV−XIV線拡大断面図である。 図15は、実施形態3に係る棚柱を示し、図15(a)は側面図、図15(b)は正面図、図15(c)は平面図である。 図16は、横バーを示し、図16(a)は上側横バーの正面図、図16(b)は上側横バー(下側横バー)の側面図、図16(c)は下側横バーの正面図である。 図17は内部チャンネルを示し、図17(a)は前側上方から見た斜視図、図17(b)は後側上方から見た斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。尚、以下の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」及び「後」は、特に断りのない限り、図面に記載された方向を意味する。
(実施形態1)
<棚柱取付構造>
図1は本発明の実施形態1に係る棚柱取付構造を示し、Wは建物の室内の壁部、Fは壁部Wと直交する床部、Cは天井部である。棚柱12は、壁部Wの表面(壁面)に沿って床部Fの表面(床面)と垂直になるように取り付けられている。棚柱12は、上端部において取付部材Hにより壁部Wに取付固定され、下端部において調節部30の脚部31により床部F上に載置されて固定されている。
<取付部材>
図9に示すように、前記取付部材Hは複数設けられ、それらは、予め建物の壁部W表面の天井C寄りの同じ高さ位置に左右方向に例えば一定の等ピッチpの間隔を空けて取り付けられている。取付部材Hは、インサート部材Iと、それに組み合わされるフック部材A、及び該フック部材Aとは異なる別の代替締結部材としてのボルト部材B(図2参照)とを備えている。インサート部材Iとフック部材Aとを組み合わせた取付部材Hはハンガーフックであり、これは特願2017−254508号明細書及び図面に開示されたハンガーフックと同様の構造のものである。
前記ハンガーフックとして用いられる取付部材Hについて説明すると、図8に示すように、取付部材H(ハンガーフック)は、予め壁部Wに埋め込まれて取付固定されているインサート部材Iと、このインサート部材Iの後述するネジ穴2に螺合可能なフック部材Aとを備えている。
インサート部材Iは、その先端側(図8の右側)の外周部に雄ネジ1が形成され、この雄ネジ部1が、予め壁部Wに穿設されている取付穴(図示せず)に対して螺合されることにより、その基端面3(基端部)のみが壁部Wの表面に露出した状態で壁部Wに埋め込まれて取付固定されている。インサート部材Iの基端側(図8の左側)の端面の中心部には、フック部材A及びボルト部材Bと螺合可能な有底状の雌ネジ穴からなるネジ穴2(インサート係合穴部)がインサート部材Iと同心状に形成されている。2aはネジ穴2の基端面3への開口端に形成された工具係合部で、この工具係合部2aに図外の工具を係合した状態でインサート部材Iを回して壁部Wに埋め込むようにしている。このインサート部材Iの壁部Wへの埋込みは、例えば建物の室内の内装材が施工される際に同時に施工されているのが好ましい。
フック部材Aは、その先端部に雄ネジ部5が、また基端側にフック部6が、さらに中間部に両者を連結する短い長さの円柱棒状の連結部7がそれぞれ互いに同心状に一体に形成されている。フック部6は、例えば円柱棒状のフック本体6aの長さ方向両端部にそれぞれフック本体6aよりも大径の円板状フランジ部6b,6cが一体に形成されたものである。そして、通常の状態である初期状態では、取付部材Hはハンガーフックとして用いられ、そのときには、フック部材Aの雄ネジ部5がインサート部材Iのネジ穴2に螺合締結されて、フック部材Aがインサート部材Iに連結される。また、この初期状態では、図9に示すように、予め、フック部材Aがインサート部材Iに螺合締結によってフック部6を壁部Wの表面から突出させて取付固定されている。その取付部材H(ハンガーフック)のフック部材Aにおいて、フック本体6aに物品X(図示例では服を掛けたハンガー)等が吊り掛けられて使用される。
本実施形態では、このようなハンガーフックとしての取付部材Hを用いて後述する棚柱12を取付固定する場合に、インサート部材Iは壁埋込部材としてそのまま用いられているが、フック部材Aはインサート部材Iから取り外されて、ボルト部材B(代替締結部材)に置き換えられている。そして、図示しないが、棚柱12にはインサート部材Iのネジ穴2と同じネジ穴径を有する保管用ネジ穴(穴部)が形成されており、その保管用ネジ穴に、前記インサート部材Iから取り外されたフック部材Aをインサート部材Iと同じ螺合状態で螺合締結して紛失しないように保管する。また、棚柱12が不要になって元のハンガーフックの用途に戻す場合には、棚柱12の取り外しの後に、棚柱12の保管用ネジ穴に保管されているフック部材Aを該保管用ネジ穴から取り外して元のインサート部材Iに螺合締結し、取付部材Hをハンガーフックとして通常の初期状態に戻して、その原状復帰が可能となっている。
尚、室内壁Wにおいてインサート部材I埋込用の取付穴を穿設する位置には、その内側に柱等の頑丈な部材が配置されていることが必要であり、インサート部材Iは、頑丈な部材にまで到達するように挿入される。これにより、そのインサート部材Iに螺合締結されて棚柱12を固定支持するボルト部材Bは、頑丈な柱等に強固に支持された状態で壁部Wに取付固定される。
図2に示すように、ボルト部材Bは、前記のように、ハンガーフックとして用いられる連結部材Hのフック部材Aとは別の部材であり、インサート部材Iのネジ穴2と螺合状態により係合可能な代替締結部材である。ボルト部材Bは、本実施形態では、ネジ穴2に螺合する軸部9(雄ネジ部)と、この軸部9に一体的に形成された頭部10とを有する一般的なボルトからなり、軸部9のネジ径はフック部材Aの雄ネジ部5(図8参照)と同じとなっている。このボルト部材Bは、軸部9のネジ穴2との螺合によってインサート部材Iと一体的に取り付できるようになっている。
頭部10は、一般的なネジ頭と同様に、半球状に形成されている。頭部Bの表面には、プラスドライバーにより絞めたり緩めたりできるように十字型の十字溝部11(工具係合部)が形成されている。ドライバー以外の工具を用いることもでき、その場合は当該工具に合わせた形状の工具係合部が形成される。
以上のようにして、インサート部材Iのネジ穴2にボルト部材Bの軸部9が螺合したときに、ボルト部材Bとインサート部材Iとが一体になり、取付部材Hが構成される。
<棚柱>
棚柱12は、本体部21とカバー部26とを備え、略角筒状に形成されている。棚柱12は、水平断面において一辺が例えば23〜25mmとなるように形成されている。
−本体部−
本体部21は、金属製の板材を断面が略コの字型になるように折り曲げられたもので、前側に開放されている。棚柱12は、本体部21による後壁部12aと、その後壁部12aから前側に互いに平行に延びる左右の側壁部12b,12bとを有している。本体部21の内側において、後壁部12aと側壁部12b,12bとの各連続部分には、本体部の長さ方向に沿って延びる肉厚部29,29が設けられている。肉厚部29,29は本体部21を補強する機能を備える。肉厚部29,29には、後側に向かって広がるように切り欠き部29a,29aが形成されている。
棚柱12の側壁部12b,12b(本体部21)の前端部には、相対する側壁部12b,12bに向かって段差状に折り曲げられた段差部24,24が形成されている。各段差部24の外面には本体部21の長さ方向に沿って延びる一条の凹溝部25が形成されている。
図6に示すように、棚柱12の側壁部12b,12bの外面の幅方向の中央寄りには、断面が凹凸状に加工(以下、ローレット加工という)されたローレット部15,15が本体部21の長さ方向全体に沿って延びるように形成されている。ローレット部15,15は、本体部21傷隠しの機能を備え、かつ棚柱12の意匠性を向上させる。
棚柱12の側壁部12b,12bには、複数の支持孔23,23,…(係合支持部)が一定の間隔をあけて貫通形成されている。支持孔23は、棚柱12に取付可能な対象物を支持する孔である。支持孔23は、例えば1辺が10mmの正方形の矩形に形成されている。複数の支持孔23,23,…は、棚柱12の側壁部12b,12bにおいて、上下方向に例えば40mmのピッチで等間隔に並ぶように設けられている。
−カバー部−
図2、図5及び図6に示すように、前記本体部21の前側開放部はカバー部26によって閉じられている。カバー部26は、本体部21と同じ長さを有していて、本体部21の内部を前側から覆うように取り付けられる、例えば樹脂製の板状部材である。
カバー部26前面の幅方向の中央寄りには、ローレット加工されたローレット部16がカバー部26の長さ方向全体に沿って延びるように形成されている。ローレット部16は、カバー部26の傷隠しの効果を有し、かつ、棚柱12の意匠性を向上させる。
カバー部26の左右両端部には、後側に互いに左右に対向するように折り曲げられた折り曲げ部27,27が形成されている。折り曲げ部27,27の内面には、本体部21の段差部24の凹溝部25に係止可能な係止突条部28,28が形成され、この係止突条部28と凹溝部25との係止によってカバー部26が本体部21に本体部21の前側開放部を塞いだ状態で取り外し可能に係合固定されている。そして、このようにカバー部26が本体部21に固定された状態では、本体部21の段差部24,24を除く側壁部12,12の外面とカバー部26の折り曲げ部27,27の外面とが略面一となるようになっている。
棚柱12は、その上端部において、前記取付部材H(ボルト部材B及びインサート部材I)により室内壁Wに取り付けられている。そのため、棚柱12における本体部21の後壁部11の上端部には、ボルト部材Bの軸部9を挿通させる取付孔22が貫通形成されている。取付孔22は、図2及び図3に示すように、インサート部材Iのネジ穴2と合致した状態でボルト部材Bの軸部9が挿通される貫通孔である。取付孔22は、棚柱12の長さ方向に延びる縦長形状に形成されている。取付孔22の左右方向の幅は、ボルト部材Bの頭部10の直径よりも小さく、かつボルト部材Bの軸部9の直径よりも大きく形成され、例えば10〜15mmとされている。
−調節部−
棚柱12には、その長さを調節可能な調節部30が設けられている。図4及び図5に示すように、調節部30は、本体部21にスライド移動可能に支持された脚部31を有し、その脚部31を本体部21の下端から突出させ、かつ突出長さを変えることで、棚柱12の長さを調節可能となっている。脚部31は、棚柱12が壁部Wに固定された状態で、下端部が床部F表面に当接して載置されるようになっており、その状態で棚柱12を床部Fで支持するように構成されている。
脚部31は、後側に開放された断面コの字型に形成され、棚柱12の後壁部12a及び側壁部12b,12bの内部にスライド移動可能な程度の隙間を空けて嵌合されている。脚部31は、棚柱12が壁部Wに取り付けられた状態で、本体部21の下端から床部F表面に接するまで延びる。脚部31が本体部21の下端から突出する長さ、つまり棚柱12の調節可能な長さは、例えば100〜150mmである。脚部31は、後側に開放された断面コの字形状のものであるので、本体部21から突出した部分では前側が閉じられ、後側が開いている。
脚部31の左右側壁部の外面には、互いに向かい合う位置に脚部31の長さ方向に沿って延びる溝部34が形成されている。溝部34は凹溝である。
棚柱12の本体部21内には、後壁部11及び左右の各側壁部12と脚部31との間にそれぞれゴム等の弾性部材33,33,…が本体部21に固定された状態で介在されている。各弾性部材33は、脚部31と本体部21との間、及びカバー部26との間に設けられる。各弾性部材33は、脚部31が棚柱12から自然落下しないように本体部21とカバー部26とに押圧状態で密着して落下抵抗を生じさせるように設けられている。特に、棚柱12の後壁部12aと脚部31との間に設けられている弾性部材33の一部は、本体部21の切り欠き部29a,29aに嵌め込まれているため、脚部31が棚柱12からの自然落下を確実に防げるようになっている。
棚柱12の本体部21の左右の各側壁部12にはネジ孔35が、また側壁部12内側の弾性部材33にはネジ孔35に一致するネジ挿通孔37がそれぞれ貫通形成され、このネジ孔35にはネジ挿通孔37に挿通されるネジ部材36が螺合されている。ネジ部材36は、本体部21から突出した脚部31を本体部21に固定するためのものである。ネジ部材36の先端部は先細り形状になっており、ネジ部材36をねじ込んでその先端を脚部31の溝部34に押し込ませることで、脚部31を本体部21に固定するように構成されている。
棚柱12には係合部材40が係合される。該係合部材40には、棚柱12の支持孔23に支持される爪部42が形成されている。前記係合部材40は、棚柱12に支持される各種の前記対象物に応じた構造を有するが、爪部42は互いに同じである。前記対象物は、例えば図7に示すように、棚板51、収納ボックス52、バックパネル53、テレビ54等である。ここでは棚板51を例に挙げて、前記係合部材40と爪部42について説明する。
図6に示すように、棚板51のための前記係合部材40は棚受け部材である。この棚受け部材としての係合部材40は、断面がL字型に形成された金属の板材からなり、垂直面部41と水平面部43とを有する。垂直面部41には、上下2つの爪部42,42が設けられている。各爪部42は、棚柱12の本体部21の側壁部12,12における、例えば支持孔23,23のピッチと同じ間隔をあけて設けられている。
各爪部42は、垂直面部41の所定部位にコ字状のスリットをコ字の開口部分が上側に位置するように入れ、そのスリットの上端を基準に残りの部分を四角形に水平面部43と反対側に向かうように水平に切り起こして、切り起こした部分を下側にフック状に折り曲げたものである。
そして、図6で矢印にて示すように、爪部42,42を支持孔23,23に水平方向から挿入した後に下に押し込むことで、爪部42と垂直面部41とで本体部21の側壁部を挟むようにし、このことで係合部材40(棚受け部材)が本体部21に係合されて固定されるようになっている。従って、前記係合部材40はこのような爪部42を備えたものとなっている。尚、棚板51用の棚受け部材である係合部材40は、垂直面部41と水平面部43とが前側に棚板51の前後幅よりも少し短い程度に延びている。係合部材40は、その水平面部43の上に棚板51の左右端部を載置してビス止め等により固定するようになっている。水平面部43には棚板51を取付固定するビス孔44,44が形成されている。
<棚柱の取付作業手順>
次に、図3及び図4を参照しながら、予め壁部Wに取り付けられている取付部材Hのインサート部材Iにより棚柱12を壁部Wに取り付ける作業手順を以下に説明する。
図9に示すように、壁部Wに埋め込まれているインサート部材Iにフック部材Aが螺合締結されて取付部材Hがハンガーフックとして用いられている初期状態にある場合には、最初に、そのフック部材Aをインサート部材Iから取り外して、基端面3に開口するネジ穴2を壁部W表面に露出させておく。その取り外したフック部材Aは、棚柱12の保管用ネジ穴に螺合締結することで保管しておく。また、インサート部材Iにボルト部材Bが取り付けられている場合には、インサート部材Iからボルト部材Bが取り外された状態にして、やはりネジ穴2を壁部W表面に露出させておく。
次に、棚柱12からカバー部26を外しておく。壁部W表面に露出したインサート部材Iの基端面3に、棚柱12を後壁部12a(本体部21)の後面で接触させ、本体部21上端の取付孔22をインサート部材Iのネジ穴2に合致させる。尚、棚柱12は脚部31を本体部21から突出させないか或いは突出長さを小さくしておいて、長さが短くなるようにしておく。この取付孔22のネジ穴2との合致状態で、ボルト部材Bの軸部9を棚柱12の取付孔22に挿通させて、インサート部材Iのネジ穴2に螺合締結する。このとき、取付孔22は縦長に形成されているため、本体部21がインサート部材Iの基端面3へ接触する位置を変えることによって、棚柱12の取付高さを調整することができる。
このようにしてボルト部材Bの軸部9がインサート部材Iのネジ穴2に螺合締結されると、棚柱12の後壁部12a(本体部21)は、ボルト部材Bの頭部10とインサート部材Iの基端面3とにより挟み込まれる。このことにより、本体部21が壁部Wに安定して固定される状態となる。この状態で、カバー部26を本体部21に取り付ける。
次に、調節部30の各ネジ部材36を緩めて脚部31をスライドできるようにし、本体部21の下端から脚部31を突出させて棚柱12を伸張させる。脚部31の下端が床部F表面に接したところで、ネジ部材36を先端が脚部31の溝部34に嵌まるまでねじ込み、ネジ部材36で脚部31をスライド不能に固定する。
このようにして、脚部31の下端が床部Fに接した状態で調節部30により棚柱12の長さが固定されるため、棚柱12は下端部で床部Fにより安定して支持される状態となる。
<棚柱利用システム>
図7に示す通り、壁部Wには、例えば4本の棚柱12,12,…が壁部Wの左右方向に所定の間隔を空けて設置されている。各棚柱12の上端部は、壁部Wに設けられた取付部材Hにより壁部Wに固定されている。一方、各棚柱12の下端部は、脚部31により床部F上に載置支持されている。尚、図7では、棚柱12を取り付けるための4つの取付部材H,H,…は壁部Wに等ピッチの間隔を空けて配置されておらず、棚柱12,12,…の間隔も等間隔となっていない。
本実施形態に係る棚柱利用システム50は、例えば4本の棚柱12,12,…、4枚の棚板51,51,…、3つの収納ボックス52,52,…、4つのバックパネル53,53,…及び一台のテレビ54を備える。すなわち、隣り合う棚柱12,12の間で前記係合部材40,40,…により支持される対象物は、棚板51、収納ボックス52、バックパネル53、テレビ54である。
各棚板51は、左右の両端部が棚柱12に係合される棚受け部材としての係合部材40に取り付けられる。具体的には、隣り合う棚柱12,12の同じ高さの位置に、左右対称構造の一対の係合部材40,40(棚受け部材)を水平面部43,43が向かい合うように爪部42,42(図6参照)により取り付ける。この状態で、一対の棚受け部材40,40の水平面部43,43上に棚板51を両端部で載置する。各棚受け部材40のビス孔44,44にビス(図示省略)を挿通して棚板51に螺合締結することにより、棚板51は棚受け部材40,40に固定される。
各収納ボックス52、各バックパネル53及びテレビ54は、隣り合う一対の棚柱12,12の間にそれぞれ係合部材40,40,…により取り付けられている。
テレビ54は中央にある一対の棚柱12,12の上下中段あたりに固定されている。テレビ54の背面には、左右方向に水平に延びる上下2本の棒状の係合部材40,40(支持部材)が取付固定されている。各係合部材40の左右両端には、爪部42,42(図6参照)が設けられていて、爪部42,42が棚柱12の支持孔23,23,…に係合することによって係合部材40は棚柱12,12に係合固定される。
尚、テレビ54の配線(図示省略)は、支持孔23を通って棚柱12の内部を通すように配置されている。そのため、テレビ54の配線は本体部21に取り付けられたカバー部26により外部から見えないようになっている。
棚板51,51,…及びバックパネル53,53,…はテレビ54を挟んで左右それぞれにある一対の棚柱12,12の上段及び中段にそれぞれ1つずつ固定されている。
各バックパネル53は、隣り合う棚柱12,12を連結する金属製の板状の補強部材である。バックパネル53は矩形の板材53aを備え、板材53aには左右方向に水平に延びる上下2本の棒状の係合部材40,40(ジョイント部材)が固定されている。
各係合部材40も両端に爪部42,42(図6参照)が設けられている。該爪部42,42が棚柱12,12の支持孔23,23に係合することにより、バックパネル53は隣り合う2本の棚柱12を補強するように係合固定される。
各収納ボックス52はそれぞれ棚柱12の下段に固定されている。収納ボックス52の背面の左右両側には、爪部42,42を有する係合部材40,40(図7では省略。図6参照)が設けられている。該爪部42,42が棚柱12,12の支持孔23,23,…に係合することにより、各収納ボックス52は隣り合う2本の棚柱12の間で係合固定されている。
尚、前記棚板51は物品の収納用途に限定されず、その他、例えば観葉植物を飾る棚として使用したり、猫用遊戯具として使用としたりすることもできるのは勿論である。
−実施形態の効果−
以上のように構成される実施形態では、棚柱12が室内の壁部Wに、予め該壁部Wに取り付けられているインサート部材Iを含む取付部材Hにより取り付けられるため、耐荷重性が向上する。このことにより、棚柱12に多様な物品を取り付けることができ、棚柱12の機能性が向上する。また、棚柱12は、取付部材Hにより壁部Wに固定され、調節部30により床部F上に支持される。そのため、棚柱12は建物の美観を損なわずに壁部Wに取り付けられる。さらに、棚柱12は取付部材Hへの取付けにより壁部Wに固定できるため、棚柱12の取付け及び取り外しの作業の安全性が向上する。以上により、美観を損なわずに、棚柱12の耐荷重性と壁部Wへの取り受けの安全性を向上させ、かつ棚柱12の機能性を向上させることができる。
棚柱12の取付孔がインサート部材Iとボルト部材Bとの間に挟み込まれて取付固定されることにより、棚柱12の壁部Wへの取付固定が確実になる。そのため、棚柱12の耐荷重性はより一層向上する。
棚柱12の長さを調節する調節部30により、棚柱12は床部Fからも支持される。そのため、棚柱12の耐荷重性はより一層向上する。
棚柱12の取付孔22が縦長に形成されていることにより、棚柱12の壁部Wへの取付高さを調整することができる。そのため、ユーザの好みに合わせて、設置する棚柱12の高さを調節できる。
さらに、図8に示すように、インサート部材Iにフック部材Aが螺合締結されて構成されるハンガーフックとしての取付部材Hを用いて棚柱12を壁部Wに取り付ける場合、前記のように、その取付部材H(ハンガーフック)の初期状態でフック部材Aが螺合締結されているインサート部材Iはそのままにして、インサート部材Iからフック部材Aが取り外され、フック部材Aとは異なるボルト部材B(代替締結部材)が、フック部材Aと同じ螺合構造でフック部材Aに置き換えられてインサート部材Iに螺合され、このボルト部材Bにより棚柱12が壁部Wに取り付けられる。また、インサート部材Iから取り外されたフック部材Aは、棚柱12の保管用ネジ穴にインサート部材Iと同じ螺合状態で螺合されて保管される。
このことで、既に壁部Wに取り付けられているハンガーフックとしての取付部材Hを利用し、そのフック部材Aを別のボルト部材Bに置き換えて棚柱12を固定することができる。また、置き換えられたフック部材Aは棚柱12の保管用ネジ穴に螺合状態で保管されるので、紛失し難くなる。そして、棚柱12を壁部Wから取り外すときには、その取り外しの後、保管しているフック部材Aを棚柱12の保管用ネジ穴から取り外して元のインサート部材Iに螺合し、ハンガーフックにすればよく、ハンガーフックの初期状態への原状復帰を容易に行うことができる。
また、以上のように構成される棚柱12を利用した棚柱利用システム50は、棚柱12に取り付けられる対象物の左右両側において、前記係合部材40により該対象物を棚柱12に取り付けるように構成される。すなわち、棚柱利用システム50は、対該象物を2本の棚柱12により固定するように構成されるため、耐荷重性が向上する。また、棚柱利用システム50は対象物を多様な物品とすることができるため機能性が向上する。
棚柱12は本体部21とカバー部26とが分離する構成となっているため、棚柱利用システム50に家電製品であるテレビ54を取り付けた場合、テレビ54の配線を棚柱12の内部に収納することができる。そのため、外部から配線が見えることなくテレビ54を取り付けることができるため、棚柱利用システム50が建物の美観を損なうことはない。
棚柱利用システム50に収納ボックス52を取り付けた場合、床部Fから浮いた状態で棚柱12に設置されるため、外観上の見映えが向上する。また、清掃時において、収納ボックス52は床部Fから浮いているため清掃が容易になる。
棚柱利用システム50にバックパネル53を取り付けた場合、隣り合う2本の棚柱12はバックパネル53の各係合部材40(ジョイント部材)により互いに強固に連結される。そのため、棚柱利用システム50の耐荷重性は向上する。また、バックパネル53により棚柱利用システム50の外観上の見映えが向上する。
(実施形態2)
図10は本発明の実施形態2を示す(尚、以下の実施形態では、図1〜図9と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)。
前記実施形態1では、棚柱12の本体部21上端が壁部Wに固定された状態で、脚部31の下端部が床部F表面に当接して載置され、棚柱12は上端部及び下端部の両方で支持されている。
これに対し、実施形態2では、実施形態1における調節部30及び脚部31が省略され、棚柱12は本体部21のみで構成されてその上下長さも短くなっており、このことで、棚柱12(本体部21)は下端が床部Fから離れて浮いたフローティング状態にあり、その上端部のみが取付部材H(ボルト部材B及びインサート部材I)で壁部Wに取り付けられて、その取付部材Hによって吊り下げられて支持されている。
図10中、47は棚柱12下端部の後面に取り付けられた木材や樹脂、ゴム等からなるずれ・傷付き部材で、棚柱12が上端の取付部材H回りに揺れて下端部が左右にずれるのを防ぎ、かつ下端部が左右方向又は前後方向に動いたときの壁部W表面に対する傷付きを防止するためのものである。その他の構成は、実施形態1と同じである。
この実施形態2でも実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。特に、この実施形態の場合、棚柱12の下端が床部Fから離れており、その下端部と床部Fとの間にスペースが形成されることになり、このスペースを物置等のスペースとして有効に活用することができる。また、棚柱12下端が床部Fに当接している構造に比べたとき、床部Fの掃除の際に棚柱12が邪魔にならず、掃除を容易にスムースに行うことができる利点がある。
尚、調節部30及び脚部31を残し、脚部31の下端が床部Fに当接せずに離れるようにしてもよく、同様の作用効果が得られる。しかし、調節部30及び脚部31をなくした方が、構造が簡略となるので好ましい。
(実施形態3)
図11〜図17は本発明の実施形態3を示し、実施形態2のように、棚柱12を壁部Wにフローティング支持する構造において、その支持構造を変更したものである。
この実施形態では、図11に示すように、壁部Wに、取付部材Hを構成する例えば3つ(複数)のインサート部材I,I,…(図12及び図13に示す)が左右方向に等ピッチp(例えばp=455mm)の間隔を空けて並んだ状態で取付固定されており(図9参照)、これらのインサート部材I,I,…により、例えば3つ(複数)の棚柱12,12,…が左右に並んだ状態で壁部Wに取り付けられている。
具体的には、上記複数のインサート部材I,I,…には、それら複数のインサート部材I,I,…に亘り左右方向に延びる上側横バー60がフック部材A及びボルト部材Bにより取付固定されている。この上側横バー60は、図16(a),(b)に示すように、インサート部材Iのピッチpよりも長い所定の左右長さ(例えば1126mm)、上下幅(例えば40mm)及び前後厚さ(例えば6.5mm)を有する例えばアルミニウムの押出成形材等からなる長尺のもので、幅方向の上下中央部が他の部分よりも厚い厚肉部とされ、上下端部が裏側(後側)に折り返されており、このことで上側横バー60は断面略コ字状のものとされている。
上側横バー60において、その厚肉部には例えば5つ(2種類)の取付孔61〜63が上側横バー60の長さ方向に間隔をあけて貫通形成されている。すなわち、上側横バー60の長さ方向の中央位置に円形状の貫通孔からなる中央取付孔61が、また長さ方向の両端位置に同様の端部取付孔62,62が、さらに中央取付孔61から上記インサート部材Iのピッチpだけ離れた左右の端部寄り位置に上側横バー60の長さ方向に長い長孔貫通孔からなる端部寄り取付孔63,63がそれぞれ形成され、この端部寄り取付孔63と端部取付孔62とは一定距離(例えば95mm)だけ離れている。そして、図12に示すように、上側横バー60の端部寄り取付孔62にはフック部材Aの雄ネジ部5が挿通され、この雄ネジ部5はインサート部材Iのネジ穴2に螺合されており、このことで上側横バー60は左右の端部寄り位置でフック部材Aにより壁部Wのインサート部材Iに取付固定されている。
上側横バー60において中央取付孔61及び端部取付孔62,62の位置にはそれぞれ合計で3つ(複数)の上側内部チャンネル70,70,…が左右方向に間隔をあけて固定されている。3つの内部チャンネル70,70,…は互いに同じものであり、図17に拡大して示すように、上下方向に延びる比較的短い長さの断面略矩形状の棒材からなり、この内部チャンネル70に後述する後開放構造の棚柱12が外嵌合状態で被さるようになっている(換言すれば、棚柱12の内部に内部チャンネル70が嵌合する)。
各上側内部チャンネル70の後面(裏面)には、その後面を部分的に矩形状に切り欠いてなる2つの切欠き71,71が上下方向(長さ方向)に互いに間隔をあけて形成され、この各切欠き71の長さは上側横バー60の幅よりも少し大きく、深さは上側横バー60の厚さと略同じとなっており、各切欠き71内に上側横バー60が嵌合可能で、図13及び図14に示すように、その嵌合により上側内部チャンネル70の後面(裏面)が上側横バー60の後面と面一となって壁部Wの表面に当接するようにしている。
上側内部チャンネル70後面の各切欠き71の底面において長さ方向の中央部には、内部チャンネル70の前面(表面)まで貫通する貫通孔72が形成されており、各切欠き71内に上側横バー60が嵌合されたときに貫通孔72が上側横バー60の対応する中央取付孔61及び端部取付孔62と一致するようになっている。この各貫通孔72の内部チャンネル70前面の開口部には、他の部分よりも大径でテーパ穴状又は段付き穴状の頭部収容部72aが形成され、この頭部収容部72aにボルト部材Bの頭部10や後述のネジ部材74の頭部74aを収容するようになっている。尚、2つの貫通孔72,72の頭部収容部72a,72aが互いに異なっているのは、収容するボルト部材Bの頭部10やネジ部材74の頭部74aの形状が異なっているためである。
また、各上側内部チャンネル70の左右側面には、上側の切欠き71よりも上側位置及び下側の切欠き71よりも下側位置にそれぞれネジ穴73,73,…が左右方向に対応するように形成されている。左右に対応するネジ穴73,73は連通状態にあってもよい。
そして、図13の上部に示すように、上記上側横バー60の中央取付孔61の位置には上側内部チャンネル70が取付固定されている。すなわち、上側内部チャンネル70は図17に示す状態を上下反転した姿勢にされ、その上側内部チャンネル70の上側の切欠き71が上側横バー60に外嵌合され、その嵌合状態でボルト部材B(皿ネジ)が上側内部チャンネル70の貫通孔72及び上側横バー60の中央取付孔61に挿通され、ボルト部材Bの軸部9(雄ネジ部)はインサート部材Iのネジ穴2に螺合締結されている。このことで、上側横バー60は左右中央位置で上側内部チャンネル70と共にボルト部材Bにより壁部Wのインサート部材Iに取付固定されている。尚、ボルト部材Bは図2に示すものとは異なり、頭部10が皿形状の皿ネジとなっており、その頭部10は、図17に示す状態を上下反転した姿勢の上側内部チャンネル70における貫通孔72の頭部収容部72aに上側内部チャンネル70前面から突出しないように収容される。
また、図14の上部に示すように、上側横バー60の各端部取付孔62の位置にも上側内部チャンネル70が取付固定されている。すなわち、この上側内部チャンネル70は図17に示す状態のままの姿勢にされ、上側内部チャンネル70の上側の切欠き71が上側横バー60に外嵌合され、その嵌合状態で上側横バー60の端部取付孔62及び内部チャンネル70の貫通孔72に、雌ネジ穴(図示せず)が開口する筒部75b及び頭部75aを有する飾りナット75が上側横バー60の後側から筒部75bの雌ネジ穴を前側に開口させた状態で嵌挿され、ネジ部材74(スリムヘッドネジ)が上側内部チャンネル70の貫通孔72の前側から頭部74aを頭部収容部72aに収容した状態で挿通されて、飾りナット75の雌ネジ穴に螺合締結されている。このことで、上側横バー60の左右端部位置に上側内部チャンネル70が取付固定されている。
尚、前記のように、上側横バー60の中央位置に取り付けられる上側内部チャンネル70と、左右端部位置に取り付けられる上側内部チャンネル70とは上下が反転している。これは、貫通孔72に挿通されるボルト部材Bの頭部10が異なるためである。また、上側内部チャンネル70において、下側になる切欠き71及び貫通孔72は使用されず、空き構造となっている。
本実施形態に係る各棚柱12は、実施形態1及び2とは異なり、後側が開放されている。すなわち、図15に示すように、棚柱12は前壁部12c及び左右の側壁部12b,12bを有し後側に開放された構造のもので、その左右の側壁部12b,12bに複数の支持孔23,23,…(係合支持部)が一定の間隔をあけて貫通形成されている。また、棚柱12の後端部の上端寄り部分及び下端寄り部分にはそれぞれ左右の側壁部12b,12bを部分的に矩形状に切り欠いた切欠き13,13が形成され、この各切欠き13の上下長さは上側横バー60(後述する下側横バー66)の上下幅よりも少し大きく、深さは上側横バー60(下側横バー66)の厚さと略同じとなっており、各切欠き13内に上側横バー60(下側横バー66)が嵌合可能であり、その嵌合により棚柱12の後端部が上側横バー60(下側横バー66)の後端部と面一となって壁部Wの表面に当接するようになっている。
また、この各切欠き13近くの棚柱12の左右側壁部12b,12bには、上下2つのネジ挿通孔14,14が貫通形成され、これらのネジ挿通孔14,14は、上側横バー60に固定された上側内部チャンネル70の上下のネジ穴73,73に対応している。そして、各棚柱12はその上部が、上側横バー60に取付固定されている上側内部チャンネル70に前側から被さった状態で外嵌合され、棚柱12上部の切欠き13への上側横バー60の嵌合により棚柱12後端部が上側横バー60後端部と面一になって壁部Wに接触し、棚柱固定用ネジ(図示せず)が棚柱12の左右側壁部12b,12bの外側からネジ挿通孔14,14に挿通されて内部チャンネル70の上下ネジ穴73,73に螺合締結されている。このことにより、複数の棚柱12,12,…が上側内部チャンネル70、従って該内部チャンネル70が固定された上側横バー60を介してインサート部材Iに固定されている。各棚柱12の下端部は床部F上面から離れている。
前記棚柱12の複数の支持孔23,23,…、上下の切欠き13,13及びネジ挿通孔14,14,…は、棚柱12の上下中央に対し対称に配置されており、棚柱12は上下反転して使用できるようになっている。
前記3つ(複数)の棚柱12,12,…の下部は左右方向に延びる下側横バー66により連結されている。図16(c)に示すように、下側横バー66は上側横バー60(図16(a)参照)と同じ長さ及び同じ断面構造を有する。そのため、下側横バー66において、上側横バー60と同じ部分は同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。この下側横バー66の長さ方向の中央位置に円形状の貫通孔からなる中央取付孔61が、また長さ方向の両端位置に同様の端部寄り取付孔62,62がそれぞれ形成され、上側横バー60のように端部寄り取付孔63は形成されていない。
また、3つの棚柱12,12,…の下部の同じ高さ位置にそれぞれ下側内部チャンネル78が棚柱12を前側から被せた状態で固定され、これらの下側内部チャンネル78は下側横バー66に連結されている。各下側内部チャンネル78は上側内部チャンネル70と同じ部材であり(同じ部分は同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、前記上側横バー60の中間位置に取り付けられている上側内部チャンネル70と同じ向き、従って上側横バー60の左右端部位置に取り付けられている上側内部チャンネル70と逆の向きに配置されている。
下側横バー66と各下側内部チャンネル78との連結構造は、上側横バー60の左右端部と上側内部チャンネル70との連結構造と基本的に同じであり、用いられる切欠き71及び貫通孔72が異なるだけである。すなわち、図13の下部及び図14の下部に示すように、下側横バー66の中央取付孔61及び端部取付孔62の位置には下側内部チャンネル78の下側の切欠き71が外嵌合され、その嵌合状態で下側横バー66の各取付孔61,62及び内部チャンネル78の貫通孔72に飾りナット75が下側横バー66の後側から筒部75bの雌ネジ穴を前側に開口させた状態で嵌挿され、ネジ部材74(スリムヘッドネジ)が下側内部チャンネル78の貫通孔72の前側から頭部74aを頭部収容部72aに収容した状態で挿通されて、飾りナット75の雌ネジ穴に螺合締結されており、このことで、下側横バー66の左右中央位置及び端部位置に下側内部チャンネル78,78,…が取付固定されている。
また、各棚柱12はその下部が、下側横バー66に取付固定されている各下側内部チャンネル78に前側から被さった状態で外嵌合され、棚柱12下部の切欠き13への下側横バー66の嵌合により棚柱12後端部が下側横バー66後端部と面一になって壁部Wに接触し、棚柱固定用ネジ(図示せず)が棚柱12の左右側壁部12b,12bの外側からネジ挿通孔14,14に挿通されて内部チャンネル78の上下ネジ穴73,73に螺合締結されており、このことにより、複数の棚柱12,12,…が下側内部チャンネル78、従って該内部チャンネル78が固定された上側横バー60に固定されている。
尚、下側横バー66に取り付けられる各下側内部チャンネル78において、上側になる切欠き71及び貫通孔72は使用されず、空き構造となっている。また、図11に仮想線にて示すように、3つの棚柱12,12,…の下部間に棚板51が支持されている。この棚板51の棚柱12に対する支持構造は、実施形態1と同様に棚受け部材としての係合部材40(図6参照)が用いられている。
この実施形態3でも実施形態2と同様の作用効果が得られる。特に、この実施形態では、壁部Wに左右に並んだ3つ(複数)のインサート部材I,I,…に亘り上側横バー60がフック部材A及びボルト部材Bにより固定され、その上側横バー60の左右中央部及び左右端部に上側内部チャンネル70,70,…が固定され、この各上側内部チャンネル70に後側に開放された構造の棚柱12の上部が被さった状態で固定されている。このことで、棚柱12の下端部が建物の床部Fから離れ、棚柱12が壁部Wのみに支持されたフローティング構造であっても、棚柱12の耐荷重性を維持しつつ、棚柱12に多様な対象物を取り付けることができ、棚柱12の機能性を向上させることができる。
また、インサート部材I,I,…に上側横バー60が固定されるが、棚柱12は上側横バー60に対し上側内部チャンネル70によって取り付けられるので、上側横バー60に対する上側内部チャンネル70の取付位置を変更することで、その棚柱12の取付位置はインサート部材Iの埋込位置に限定されなくなり、その取付位置の自由度が高くなる。すなわち、仮に、棚柱12をインサート部材Iの位置に取り付ける場合には、その棚柱12の取付位置はインサート部材Iの位置となり、棚柱12,12の最小間隔がインサート部材Iのピッチpになるが、図11に示すように、上側横バー60をインサート部材I,I,…に取り付け、その上側横バー60に複数の棚柱12,12,…を固定するので、棚柱12,12の間隔はインサート部材Iのピッチp以外の間隔に変更することができる。
さらに、3つ(複数)の棚柱12,12,…の下部にそれぞれ下側内部チャンネル78,78,…が固定され、それらの下側内部チャンネル78,78,…に亘り下側横バー66が取付固定されているので、複数の棚柱12,12,…の下部同士が下側横バー66により一体的に連結されることとなり、棚板12の下部が単独で左右方向に横揺れするのを抑制することができる。
また、棚柱12の後端部の上下両側に上側及び下側横バー60,66を嵌合可能な切欠き13,13が、また上下の内部チャンネル70,78の後部にも同様の切欠き71がそれぞれ形成され、両切欠き13,71に上側及び下側横バー60,66が嵌合されて、棚柱12後端部が上側及び下側横バー60,66後端部と面一になって壁部Wに接触している。このことで、棚柱12は壁部Wの表面に安定して固定され、棚柱12の耐荷重性が向上する。また、上側及び下側横バー60,66があっても、その前後厚さの分だけ棚柱12が壁部W表面から離れて浮き上がるように見えることはなく、外観見映えが良くなる。
しかも、棚柱12及び内部チャンネル70,78の後端部の切欠き13,71に上側及び下側横バー60,66が嵌合している構造であると、棚柱12の横揺れにより、互いに交差する棚柱12と横バー60,66との交差角度が変化しようとしても、その変化は生じ難くなり、棚柱12が左右方向に横揺れするのを抑制することができる。
各棚柱12は左右の側壁部12b,12bで棚柱固定用ネジにより内部チャンネル70,78に固定されているので、棚柱12の前面に棚柱固定用ネジが露出せず、外観上の美観を良好にすることができる。
加えて、下側横バー66は上側横バー60と同じ断面構造を有し、下側内部チャンネル78は上側内部チャンネル70と同じ部材である。このことで、上側及び下側横バー60,66を互いに同じ断面構造のものとし、上側及び下側内部チャンネル70,78を互いに同じ部材として用いることができ、棚柱12の壁部取付構造に必要な部品点数の低減を図ることができる。
この実施形態3において、上側及び下側横バー60,66や上側及び下側内部チャンネル70,78の構造は前記のものに限定されない。棚柱12の数は2本又は4本以上に変更することができる。
(その他の実施形態)
前記実施形態1,2においては、インサート部材Iのネジ穴2に螺合締結されるものをボルト部材Bとしているが、ハンガーフックとしての取付部材のフック部材Aをそのまま用いてもよい。こうしてフック部材Aにより棚柱12を固定するときにも、フック部材Aの雄ネジ部5がインサート部材Iのネジ穴2に螺合締結されてフック部材Aがインサート部材Iに連結され、棚柱12の取付孔22に連結部7を挿通させた状態で、フック部6の雄ネジ部5側にあるフランジ部6cとインサート部材Iの基端面3との間に棚柱12における本体部21の後壁部12aが挟み込まれて固定される。
こうすると、壁部Wに棚柱12を取り付けていない通常の状態において、該フック部材Aをインサート部材Iに螺合締結してハンガーフックとして利用できる。棚柱12が必要なときには、一旦フック部材Aをインサート部材Iから取り外し、そのフック部材Aの雄ネジ部5を連結部7と共に棚柱12の取付孔22に挿通させてインサート部材Iに螺合締結し、フランジ部6cとインサート部材Iの基端面3との間に棚柱12における本体部21の後壁部12aを挟み込んで固定すればよく、このことで実施形態のようにボルト部材Bを別途用いることなく、フック部材Aをそのまま利用して棚柱12を取付固定することができる。
前記実施形態において、棚柱12の本体部21の各側壁部12bにローレット部15が、またカバー部26にローレット部16が形成されているが、これに限定されない。すなわち、棚柱12の本体部21及びカバー部26はローレット加工されていないものであってもよく、例えば鏡面加工されているものであってもよい。
前記実施形態において、前記棚柱利用システム50に設置される対象物としての電化製品をテレビ54としたが、これに限定されない。前記棚柱12に取付固定できるものであればよく、例えばオーディオセットなども上げられる。
前記実施形態において、前記棚柱利用システム50に設置される前記対象物を机の天板とすることもできる。
本発明は、建物の美観を損なうことなく、壁部に取付固定された棚柱の耐荷重性を向上させ、多様な物品を収納できるため、産業上の利用可能性が高い。
W 壁部
F 床部
p ピッチ
H 取付部材
I インサート部材
1 雄ネジ部
2 ネジ穴
A フック部材(締結部材)
5 雄ネジ部
6 フック部
6a フック本体
6b,6c フランジ部
B ボルト部材(締結部材、代替締結部材)
9 軸部(雄ネジ部)
10 頭部
12 棚柱
12b 側壁部
13 切欠き
14 ネジ挿通孔
23 支持孔(係合支持部)
26 カバー部
30 調節部
31 脚部
40 係合部材
42 爪部
47 ずれ・傷付き部材
51 棚板(対象物)
52 収納ボックス(対象物)
53 バックパネル(対象物)
54 テレビ(対象物)
60 上側横バー
61 中央取付孔
62 端部取付孔
63 端部寄り取付孔
66 下側横バー
70 上側内部チャンネル
71 切欠き
72 貫通孔
73 ネジ穴
74 ネジ部材
75 飾りナット
78 下側内部チャンネル

Claims (13)

  1. 建物の壁部に棚柱が、該壁部に予め取り付けられている取付部材により取付固定される棚柱取付構造であって、
    前記取付部材は、
    前記壁部に挿入されて取付固定され、有底状の穴部を有するインサート部材と、
    前記インサート部材の穴部に係合されて、該インサート部材に一体に取付可能な締結部材とを備え、
    前記締結部材は、前記インサート部材の穴部に係合されて該インサート部材に一体に取付可能な、フック部を有するフック部材と、該フック部材とは異なる別の代替締結部材との少なくとも一方からなり、
    前記棚柱は、前記インサート部材及び締結部材により前記壁部に取り付けられていることを特徴とする棚柱取付構造。
  2. 請求項1において、
    インサート部材は複数で、該複数のインサート部材が建物の壁部に左右方向に並んで取付固定され、
    前記複数のインサート部材に亘り左右方向に延びる上側横バーが各インサート部材に締結部材により取付固定され、
    上側横バーに複数の上側内部チャンネルが左右方向に間隔をあけて固定されており、
    複数の棚柱は後側に開放された構造で、前記上側内部チャンネルに前側から被さった状態で該上側内部チャンネルに固定され、かつ棚柱の下端部が建物の床面から離れていることを特徴とする棚柱取付構造。
  3. 請求項2において、
    複数の棚柱の下部に複数の下側内部チャンネルが棚柱を前側から被せた状態で固定され、
    前記複数の下側内部チャンネルに亘り左右方向に延びる下側横バーが取付固定されていることを特徴とする棚柱取付構造。
  4. 請求項2又は3において、
    棚柱及び内部チャンネルの後端部にそれぞれ横バーを嵌合可能な切欠きが形成され、該切欠きに横バーが嵌合されることで、棚柱及び内部チャンネルの後端部が横バー後端部と面一になって壁部に接触していることを特徴とする棚柱取付構造。
  5. 請求項2〜4のいずれか1つにおいて、
    棚柱は左右の側壁部で内部チャンネルに固定されていることを特徴とする棚柱取付構造。
  6. 請求項3〜5のいずれか1つにおいて、
    下側横バーは上側横バーと同じ断面構造を有することを特徴とする棚柱取付構造。
  7. 請求項3〜6のいずれか1つにおいて、
    下側内部チャンネルは上側内部チャンネルと同じ部材であることを特徴とする棚柱取付構造。
  8. 請求項1において、
    前記棚柱には、前記締結部材が挿通される取付孔が形成されており、
    前記棚柱は、前記締結部材と前記インサート部材との間に挟み込まれて取付固定されていることを特徴とする棚柱取付構造。
  9. 請求項8において、
    前記棚柱には、前記棚柱の長さを調節可能な調節部が設けられていることを特徴とする棚柱取付構造。
  10. 請求項8又は9において、
    前記取付孔は、縦長形状に形成されていることを特徴とする棚柱取付構造。
  11. 請求項1、8、9又は10において、
    前記壁部に棚柱が取り付けられていない状態では、前記インサート部材にフック部材が係合されて、該インサート部材とフック部材とでハンガーフックが構成され、
    壁部に棚柱が取り付けられた状態では、前記インサート部材からフック部材が取り外されかつ前記代替締結部材がフック部材と同じ係合構造で該フック部材に置き換えられて前記インサート部材に係合され、該締結部材により棚柱が壁部に取り付けられており、
    前記棚柱には、前記インサート部材から取り外されたフック部材をインサート部材と同じ係合状態で係合して保管する保管用穴部が設けられていることを特徴とする棚柱取付構造。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つの棚柱取付構造により、建物の壁部に左右に並ぶように複数設置された前記棚柱と、
    前記棚柱に係合された係合部材と、
    隣り合う前記棚柱の間で前記係合部材により支持される対象物と、
    を備えることを特徴とする棚柱利用システム。
  13. 請求項12において、
    前記対象物は、棚板、机の天板、収納ボックス、家電製品及びバックパネルの少なくともいずれか1つであることを特徴とする棚柱利用システム。
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