JP2020141046A - 半導体レーザーおよび原子発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ミラー層の酸化によって活性層に生じる応力を低減できる半導体レーザーを提供する。【解決手段】積層体は、平面視において、第1部分と、第2部分と、活性層で発生した光を共振させる第3部分と、第4部分と、第5部分と、を有し、前記第1部分、前記第2部分、および前記第3部分は、前記第3部分の中心を通る第1軸に沿って配置され、前記第4部分、前記第5部分、および前記第3部分は、前記第3部分の中心を通り、前記第1軸に交差する第2軸に沿って配置され、前記第4部分の長さは、前記第1部分および前記第2部分の長さよりも小さく、前記第4部分の幅は、前記第1部分および前記第2部分の幅以下であり、前記第5部分の長さは、前記第1部分および前記第2部分の長さよりも小さく、前記第1部分および前記第2部分の幅以下である、半導体レーザー。【選択図】図3
Description
本発明は、半導体レーザーおよび原子発振器に関する。
面発光型半導体レーザーは、例えば、量子干渉効果のひとつであるCPT(Coherent Population Trapping)を利用した原子発振器の光源として用いられる。このような半導体レーザーは、2つのミラー層と、2つのミラー層の間に配置された活性層と、を有している。さらに、半導体レーザーは、活性層に注入される電流が活性層の面内に広がることを防ぐための電流狭窄層を有している。
このような半導体レーザーとして、例えば、特許文献1には、n−GaAs基板上に、n−Al0.9GaAs/n−Al0.2GaAsの35ペアからなる下部DBRミラー、活性層、およびp−Al0.9GaAs/p−Al0.2GaAsの25ペアからなる上部DBRミラーの積層構造を備えている半導体レーザーが開示されている。また、上部DBRミラーの活性層に近い側の一層を、Al0.9GaAs層に変えてAlAs層とし、電流注入領域以外の領域のAlAs層のAlを選択的に酸化して、Al酸化層からなる電流狭窄層を形成している。
ここで、AlAs層を酸化して、電流狭窄領域を構成するAl酸化層を生成する際に、Al酸化層の生成に伴って上部DBRミラーの一部が酸化され、それにより歪みが発生し、信頼性が低下するという問題がある。特許文献1では、Al酸化層の組成や、Al酸化層の膜厚、上部DBRミラーの低屈折率層のAl組成を最適化することによって、上部DBRミラーの酸化を低減している。
上記のように、半導体レーザーでは、ミラー層の酸化によって活性層に生じる応力が信頼性を低下させる。そのため、半導体レーザーでは、ミラー層の酸化によって活性層に生じる応力を低減させることが望まれている。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
本適用例に係る半導体レーザーは、第1ミラー層と、第2ミラー層と、前記第1ミラー層と前記第2ミラー層との間に配置された活性層と、前記第1ミラー層と前記第2ミラー層との間に配置された電流狭窄層と、前記第1ミラー層と連続して設けられ、複数の第1酸化層を含む第1領域と、前記第2ミラー層と連続して設けられ、複数の第2酸化層を含む第2領域と、を含み、前記第1ミラー層、前記第2ミラー層、前記活性層、前記電流狭窄層、前記第1領域、および前記第2領域は、積層体を構成し、前記積層体は、平面視において、第1部分と、第2部分と、前記活性層で発生した光を共振させる第3部分と、前記第3部分に接続された第4部分と、前記第3部分に接続された第5部分と、を有し、前記第3部分は、前記第1部分と前記第2部分との間、かつ、前記第4部分と前記第5部分
との間に配置され、前記第1部分、前記第2部分、および前記第3部分は、前記第3部分の中心を通る第1軸に沿って配置され、前記第4部分、前記第5部分、および前記第3部分は、前記第3部分の中心を通り、前記第1軸に交差する第2軸に沿って配置され、前記第4部分の長さは、前記第1部分および前記第2部分の長さよりも小さく、前記第4部分の幅は、前記第1部分および前記第2部分の幅以下であり、前記第5部分の長さは、前記第1部分および前記第2部分の長さよりも小さく、前記第1部分および前記第2部分の幅以下である。
との間に配置され、前記第1部分、前記第2部分、および前記第3部分は、前記第3部分の中心を通る第1軸に沿って配置され、前記第4部分、前記第5部分、および前記第3部分は、前記第3部分の中心を通り、前記第1軸に交差する第2軸に沿って配置され、前記第4部分の長さは、前記第1部分および前記第2部分の長さよりも小さく、前記第4部分の幅は、前記第1部分および前記第2部分の幅以下であり、前記第5部分の長さは、前記第1部分および前記第2部分の長さよりも小さく、前記第1部分および前記第2部分の幅以下である。
本適用例に係る半導体レーザーにおいて、前記第1軸に沿った前記積層体の酸化速度をV1とし、前記第2軸に沿った前記積層体の酸化速度をV2とし、平面視において、前記第3部分の中心を通り、前記第1部分と前記第5部分との間および前記第2部分と前記第4部分との間を通る第3軸に沿った前記積層体の酸化速度をV3とした場合、V1<V3、かつ、V2<V3であってもよい。
本適用例に係る半導体レーザーにおいて、前記第1軸と前記第2軸とは直交していてもよい。
本適用例に係る半導体レーザーにおいて、前記積層体の側面に配置された樹脂層を含んでいてもよい。
本適用例に係る原子発振器は、半導体レーザーと、前記半導体レーザーから出射された光が照射される、アルカリ金属原子が収容された原子セルと、前記原子セルを透過した光の強度を検出して、検出信号を出力する受光素子と、を含み、前記半導体レーザーは、第1ミラー層と、第2ミラー層と、前記第1ミラー層と前記第2ミラー層との間に配置された活性層と、前記第1ミラー層と前記第2ミラー層との間に配置された電流狭窄層と、前記第1ミラー層と連続して設けられ、複数の第1酸化層を含む第1領域と、前記第2ミラー層と連続して設けられ、複数の第2酸化層を含む第2領域と、を含み、前記第1ミラー層、前記第2ミラー層、前記活性層、前記電流狭窄層、前記第1領域、および前記第2領域は、積層体を構成し、前記積層体は、平面視において、第1部分と、第2部分と、前記活性層で発生した光を共振させる第3部分と、前記第3部分に接続された第4部分と、前記第3部分に接続された第5部分と、を有し、前記第3部分は、前記第1部分と前記第2部分との間、かつ、前記第4部分と前記第5部分との間に配置され、前記第1部分、前記第2部分、および前記第3部分は、前記第3部分の中心を通る第1軸に沿って配置され、前記第4部分、前記第5部分、および前記第3部分は、前記第3部分の中心を通り、前記第1軸に交差する第2軸に沿って配置され、前記第4部分の長さは、前記第1部分および前記第2部分の長さよりも小さく、前記第4部分の幅は、前記第1部分および前記第2部分の幅以下であり、前記第5部分の長さは、前記第1部分および前記第2部分の長さよりも小さく、前記第1部分および前記第2部分の幅以下である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 半導体レーザー
まず、第1実施形態に係る半導体レーザーについて、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る半導体レーザー100を模式的に示す平面図である。図2は、第1実施形態に係る半導体レーザー100を模式的に示す図1のII−II線断面図である。図3は、第1実施形態に係る半導体レーザー100を模式的に示す平面図である。図4は、第1実施形態に係る半導体レーザー100を模式的に示す図3のIV−IV線断面図である。
1.1. 半導体レーザー
まず、第1実施形態に係る半導体レーザーについて、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る半導体レーザー100を模式的に示す平面図である。図2は、第1実施形態に係る半導体レーザー100を模式的に示す図1のII−II線断面図である。図3は、第1実施形態に係る半導体レーザー100を模式的に示す平面図である。図4は、第1実施形態に係る半導体レーザー100を模式的に示す図3のIV−IV線断面図である。
なお、便宜上、図2では、積層体2を簡略化して図示している。また、図3では、半導体レーザー100の積層体2以外の部材の図示を省略している。また、図1〜図4では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。また、本明細書においては、半導体レーザー100における位置関係を、相対的に第2電極82側を上、基板10側を下として説明する。
半導体レーザー100は、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical
Cavity Surface Emitting Laser)である。半導体レーザー100は、図1〜図4に示すように、基板10と、第1ミラー層20と、活性層30と、第2ミラー層40と、電流狭窄層42と、コンタクト層50と、第1領域60と、第2領域62と、樹脂層70と、第1電極80と、第2電極82と、を含む。
Cavity Surface Emitting Laser)である。半導体レーザー100は、図1〜図4に示すように、基板10と、第1ミラー層20と、活性層30と、第2ミラー層40と、電流狭窄層42と、コンタクト層50と、第1領域60と、第2領域62と、樹脂層70と、第1電極80と、第2電極82と、を含む。
基板10は、例えば、第1導電型(例えばn型)のGaAs基板である。
第1ミラー層20は、基板10上に配置されている。第1ミラー層20は、活性層30に対して基板10側に配置されている。第1ミラー層20は、基板10と活性層30との間に配置されている。第1ミラー層20は、例えば、n型の半導体層である。第1ミラー層20は、分布ブラッグ反射型(DBR:Distributed Bragg Reflector)ミラーである。第1ミラー層20は、高屈折率層24と低屈折率層26とが交互に積層されて構成されている。高屈折率層24は、例えば、シリコンがドープされたn型のAl0.12Ga0.88As層である。低屈折率層26は、例えば、シリコンがドープされたn型のAl0.9Ga0.1As層である。高屈折率層24と低屈折率層26との積層数(ペア数)は、例えば、10ペア以上50ペア以下である。
活性層30は、第1ミラー層20上に配置されている。活性層30は、第1ミラー層20と第2ミラー層40との間に配置されている。活性層30は、例えば、i型のIn0.06Ga0.94As層とi型のAl0.3Ga0.7As層とから構成される量子井戸構造を3層重ねた多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造を有している。
第2ミラー層40は、活性層30上に配置されている。第2ミラー層40は、活性層30に対して基板10側とは反対側に配置されている。第2ミラー層40は、活性層30とコンタクト層50との間に配置されている。第2ミラー層40は、例えば、第2導電型(例えばp型)の半導体層である。第2ミラー層40は、分布ブラッグ反射型ミラーである。第2ミラー層40は、高屈折率層44と低屈折率層46とが交互に積層されて構成され
ている。高屈折率層44は、例えば、炭素がドープされたp型のAl0.12Ga0.88As層である。低屈折率層46は、例えば、炭素がドープされたp型のAl0.9Ga0.1As層である。高屈折率層44と低屈折率層46との積層数(ペア数)は、例えば3ペア以上40ペア以下である。
ている。高屈折率層44は、例えば、炭素がドープされたp型のAl0.12Ga0.88As層である。低屈折率層46は、例えば、炭素がドープされたp型のAl0.9Ga0.1As層である。高屈折率層44と低屈折率層46との積層数(ペア数)は、例えば3ペア以上40ペア以下である。
第2ミラー層40、活性層30、および第1ミラー層20は、垂直共振器型のpinダイオードを構成している。第1電極80と第2電極82との間にpinダイオードの順方向の電圧を印加すると、活性層30において電子と正孔との再結合が起こり、発光が生じる。活性層30で生じた光は、第1ミラー層20と第2ミラー層40との間を多重反射し、その際に誘導放出が起こって、強度が増幅される。そして、光利得が光損失を上回ると、レーザー発振が起こり、コンタクト層50の上面から、レーザー光が出射される。
電流狭窄層42は、第1ミラー層20と第2ミラー層40との間に配置されている。電流狭窄層42は、例えば、活性層30上に配置されてもよいし、第2ミラー層40の内部に配置されてもよい。電流狭窄層42は、例えば、AlxGa1−xAs(x≧0.95)層が酸化された層である。電流狭窄層42は、電流の経路となる開口部43を有している。電流狭窄層42によって、活性層30に注入される電流が活性層30の面内に広がることを防ぐことができる。
コンタクト層50は、第2ミラー層40上に設けられている。コンタクト層50は、第2導電型の半導体層である。具体的には、コンタクト層50は、炭素がドープされたp型のGaAs層である。
第1領域60は、図4に示すように、積層体2を構成する第1ミラー層20の側方に設けられている。第1領域60は、第1ミラー層20と連続して設けられた、複数の第1酸化層6を含む。具体的には、第1領域60は、第1ミラー層20を構成している低屈折率層26と連続する層が酸化された第1酸化層6と、第1ミラー層20を構成している高屈折率層24と連続する層4と、が交互に積層されて構成されている。低屈折率層26は、例えばAl0.9Ga0.1As層であり、高屈折率層24は、例えば、Al0.12Ga0.88As層である。
第2領域62は、積層体2を構成する第2ミラー層40の側方に設けられている。第2領域62は、第2ミラー層40と連続して設けられた、複数の第2酸化層16を含む。具体的には、第2領域62は、第2ミラー層40を構成している低屈折率層46と連続する層が酸化された第2酸化層16と、第2ミラー層40を構成している高屈折率層44と連続する層14と、が交互に積層されて構成されている。低屈折率層46は、例えばAl0.9Ga0.1As層であり、高屈折率層44は、例えば、Al0.12Ga0.88As層である。
第1領域60と第2領域62とにより、酸化領域8が構成されている。酸化領域8は、図3に示すように、積層体2の外縁に沿って設けられている。酸化領域8の上面63は、第2ミラー層40の上面48に対して傾斜している。
第1ミラー層20の一部、活性層30、第2ミラー層40、電流狭窄層42、コンタクト層50、第1領域60、および第2領域62は、積層体2を構成している。図2に示すように、積層体2は、柱状である。積層体2は、第1ミラー層20上に配置され、第1ミラー層20から上方に突出している。積層体2は、樹脂層70によって囲まれている。
積層体2は、図3に示すように、平面視において、第1部分2aと、第2部分2bと、第3部分2cと、第4部分2dと、第5部分2eと、を有している。なお、平面視とは、
基板10に垂直な軸に沿って見ることをいい、図示の例では、Z軸に沿って見ることをいう。なお、図において、Z軸は基板10に垂直な軸であり、X軸およびY軸はZ軸に垂直、かつ、互いに垂直な軸である。
基板10に垂直な軸に沿って見ることをいい、図示の例では、Z軸に沿って見ることをいう。なお、図において、Z軸は基板10に垂直な軸であり、X軸およびY軸はZ軸に垂直、かつ、互いに垂直な軸である。
第1部分2a、第2部分2b、および第3部分2cは、平面視において、第1軸Aに沿って配置されている。第1部分2a、第2部分2b、および第3部分2cは、平面視において、第1軸A上に配置されている。第1軸Aは、第3部分2cの中心を通る軸である。図示の例では、第1軸Aは、Y軸に平行である。第3部分2cは、第1部分2aと第2部分2bとの間に位置している。第1部分2a、第3部分2c、および第2部分2bは、この順で第1軸Aに沿って並んでいる。第1部分2aは、第3部分2cから第1軸Aに沿って、一方側に突出している。第2部分2bは、第3部分2cから第1軸Aに沿って、第1部分2aが突出している方向とは反対側に突出している。第1部分2aおよび第2部分2bは、平面視において、同じ形状を有している。
第1部分2aは、第3部分2cに接続されている。第2部分2bは、第3部分2cに接続されている。すなわち、第1部分2a、第2部分2b、および第3部分2cは、一体に設けられている。
第3部分2cは、活性層30で発生した光を共振させる。すなわち、第3部分2cでは、共振器が形成される。第3部分2cの平面形状は、例えば、円である。
第4部分2d、第5部分2e、および第3部分2cは、平面視において、第2軸Bに沿って配置されている。第4部分2d、第5部分2e、および第3部分2cは、平面視において、第2軸B上に配置されている。第2軸Bは、第3部分2cの中心を通る軸であり、第1軸Aと交差する軸である。図示の例では、第2軸BはX軸と平行であり、第1軸Aと第2軸Bとは直交している。第4部分2d、第3部分2c、および第5部分2eは、この順で第2軸Bに沿って並んでいる。第4部分2dは、第3部分2cから第2軸Bに沿って、一方側に突出している。第5部分2eは、第3部分2cから第2軸Bに沿って、第4部分2dが突出している方向とは反対側に突出している。第4部分2dおよび第5部分2eは、平面視において、同じ形状を有している。
第4部分2dは、第3部分2cに接続されている。第5部分2eは、第3部分2cに接続されている。すなわち、第1部分2a、第2部分2b、第3部分2c、第4部分2d、および第5部分2eは、一体に設けられている。
平面視おいて、第1部分2aの幅をW1とし、第2部分2bの幅をW2とし、第4部分2dの幅をW4とし、第5部分2eの幅をW5とした場合、W4≦W1、かつ、W4≦W2であり、W5≦W1、かつ、W5≦W2である。図3に示す例では、W1=W2であり、W4=W5である。
なお、第1部分2aの幅W1は、第1軸Aに直交する軸に沿った第1部分2aの最大の大きさである。第2部分2bの幅W2は、第1軸Aに直交する軸に沿った第2部分2bの最大の大きさである。第4部分2dの幅W4は、第2軸Bに直交する軸に沿った第4部分2dの最大の大きさである。第5部分2eの幅W5は、第2軸Bに直交する軸に沿った第5部分2eの最大の大きさである。
平面視において、第1部分2aの長さをL1とし、第2部分2bの長さをL2とし、第4部分2dの長さをL4とし、第5部分2eの長さをL5とした場合、L4<L1、かつ、L4<L2であり、L5<L1、かつ、L5<L2である。図3に示す例では、L1=L2、L4=L5である。
なお、第1部分2aの長さL1は、第1軸Aに沿った第1部分2aの最大の大きさである。第2部分2bの長さL2は、第1軸Aに沿った第2部分2bの最大の大きさである。第4部分2dの長さL4は、第2軸Bに沿った第4部分2dの最大の大きさである。第5部分2eの長さL5は、第2軸Bに沿った第5部分2eの最大の大きさである。
第4部分2dの幅W4および第5部分2eの幅W5は、例えば、第1部分2aの幅W1の半分程度である。第1部分2aの幅W1および第2部分2bの幅W2は、例えば、10μm程度であり、第4部分2dの幅W4および第5部分2eの幅W5は、例えば、5μm程度である。
第4部分2dの長さL4および第5部分2eの長さL5は、例えば、第1部分2aの長さL1の半分程度である。第4部分2dの長さL4および第5部分2eの長さL5は、例えば、5μm程度であり、第1部分2aの長さL1および第2部分2bの長さL2は、例えば、10μm程度である。
第3部分2cの直径は、第1部分2aの幅W1、第2部分2bの幅W2、第4部分2dの幅W4および第5部分2eの幅W5よりも大きい。
図3に示す例では、平面視において、積層体2は、第1軸Aに関して対称な形状であり、かつ、第2軸Bに関して対称な形状である。
半導体レーザー100では、第1部分2aおよび第2部分2bによって、活性層30に歪みを付与することができる。第1部分2aおよび第2部分2bが活性層30に歪みを付与することによって、活性層30には所定の方向に応力が生じる。この結果、共振器を構成する第3部分2cは光学的に等方的でなくなり、活性層30で発生する光が偏光する。よって、活性層30で発生する光の偏光を安定させることができる。ここで、光を偏光させるとは、光の電場の振動方向を一定にすることをいう。
なお、上述したように、W4≦W1、W4≦W2、W5≦W1、W5≦W2であり、L4<L1、L4<L2、L5<L1、L5<L2である。そのため、第4部分2dおよび第5部分2eによって、活性層30に付与される歪みの大きさは、第1部分2aおよび第2部分2bによって活性層30に付与される歪みの大きさよりも小さい。したがって、活性層30では、第1部分2aおよび第2部分2bによって生じる応力の影響が大きく、上記のように、第1部分2aおよび第2部分2bによって偏光を安定させることができる。
樹脂層70は、積層体2の少なくとも側面に配置されている。図1に示す例では、樹脂層70は、第1部分2a、第2部分2b、第4部分2d、および第5部分2eを覆っている。樹脂層70の材質は、例えば、ポリイミドである。
第1電極80は、第1ミラー層20上に設けられている。第1電極80は、第1ミラー層20とオーミックコンタクトしている。第1電極80は、第1ミラー層20と電気的に接続されている。第1電極80としては、例えば、第1ミラー層20側から、Cr層、Pt層、Ti層、Pt層、Au層の順序で積層したものを用いる。第1電極80は、活性層30に電流を注入するための一方の電極である。なお、図示はしないが、第1電極80は、基板10の下面に設けられていてもよい。
第2電極82は、コンタクト層50上に設けられている。第2電極82は、コンタクト層50とオーミックコンタクトしている。図示の例では、第2電極82は、さらに樹脂層70上に形成されている。第2電極82は、コンタクト層50を介して、第2ミラー層4
0と電気的に接続されている。第2電極82としては、例えば、コンタクト層50側から、Cr層、Pt層、Ti層、Pt層、Au層の順序で積層したものを用いる。第2電極82は、活性層30に電流を注入するための他方の電極である。
0と電気的に接続されている。第2電極82としては、例えば、コンタクト層50側から、Cr層、Pt層、Ti層、Pt層、Au層の順序で積層したものを用いる。第2電極82は、活性層30に電流を注入するための他方の電極である。
第2電極82は、パッド84と電気的に接続されている。図示の例では、第2電極82は、引き出し配線86を介して、パッド84と電気的に接続されている。パッド84および引き出し配線86は、樹脂層70上に設けられている。パッド84および引き出し配線86の材質は、例えば、第2電極82の材質と同じである。
半導体レーザー100では、第1軸Aに沿った積層体2の酸化速度をV1とし、第2軸Bに沿った積層体2の酸化速度をV2とし、第3軸Cに沿った積層体2の酸化速度をV3とした場合、V1<V3、かつ、V2<V3である。第3軸Cは、平面視において、第3部分2cの中心を通り、第1部分2aと第5部分2eとの間および第2部分2bと第4部分2dとの間を通る軸である。
基板10として、例えば、主面が(001)面である(001)GaAs基板を用いた場合、第1軸Aに沿った積層体2の酸化速度は、積層体2の[110]方向の酸化速度である。また、第2軸Bに沿った積層体2の酸化速度は、積層体2の[1−10]方向の酸化速度である。また、第3軸Cに沿った積層体2の酸化速度は、積層体2の[010]方向の酸化速度である。なお、(001)GaAs基板とは、例えば、主面が厳密に(001)面を有するGaAs基板だけでなく、主面が(001)面に対して微小角度(例えば5度以内)傾いたGaAs基板を含む。
上記のように、積層体2の酸化速度は、V1<V3、かつ、V2<V3である。すなわち、積層体2の酸化速度は、他の方向に比べて、<100>方向の酸化速度が速い。そのため、電流狭窄層42の開口部43の形状は、開口部43の中心から見て、[100]方向、[010]方向、[−100]方向、[0−10]方向における積層体2の外縁の形状が反映される。すなわち、開口部43の形状は、平面視において、第1部分2aと第4部分2dとを接続する第3部分2cの側面、第4部分2dと第2部分2bとを接続する第3部分2cの側面、第2部分2bと第5部分2eとを接続する第3部分2cの側面、および第5部分2eと第1部分2aとを接続する第3部分2cの側面の形状が反映される。
なお、上記では、AlGaAs系の半導体レーザーについて説明したが、本発明に係る半導体レーザーは、発振波長に応じて、例えば、GaInP系、ZnSSe系、InGaN系、AlGaN系、InGaAs系、GaInNAs系、GaAsSb系の半導体材料を用いてもよい。
1.2. 半導体レーザーの製造方法
次に、半導体レーザー100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図5〜図8は、半導体レーザー100の製造工程を模式的に示す断面図である。
次に、半導体レーザー100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図5〜図8は、半導体レーザー100の製造工程を模式的に示す断面図である。
図5に示すように、基板10上に、第1ミラー層20、活性層30、酸化されて電流狭窄層42となる被酸化層42a、第2ミラー層40、およびコンタクト層50を、エピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法が挙げられる。
図6に示すように、コンタクト層50、第2ミラー層40、被酸化層42a、活性層30、および第1ミラー層20をパターニングして、積層体2を形成する。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィーおよびエッチングによって行われる。
図7に示すように、被酸化層42aを酸化して、電流狭窄層42を形成する。被酸化層42aは、例えば、AlxGa1−xAs(x≧0.95)層である。例えば、400℃程度の水蒸気雰囲気中に、積層体2が形成された基板10を投入することにより、AlxGa1−xAs(x≧0.95)層を側面から酸化して、電流狭窄層42を形成する。上述のように、GaAsの結晶方位によって酸化速度が異なることから、電流狭窄層42の開口部43の形状は、平面視において、第3部分2cの側面の形状が反映される。
被酸化層42aを酸化して電流狭窄層42を形成する酸化工程において、第1ミラー層20を構成するAl0.9Ga0.1As層のヒ素が酸素に置き換わり、図4に示すように、第1酸化層6が形成される。この結果、第1領域60が形成される。同様に、第2ミラー層40を構成するAl0.9Ga0.1As層のヒ素が酸素に置き換わり、図4に示すように、第2酸化層16が形成される。この結果、第2領域62が形成される。
第1領域60および第2領域62は、ヒ素が酸素に置き換わることによって、体積が減少する。これにより、第2領域62の上面63が傾斜する。
図8に示すように、積層体2を取り囲むように樹脂層70を形成する。樹脂層70は、例えば、スピンコート法等を用いて第1ミラー層20の上面および積層体2の全面にポリイミド樹脂等からなる層を形成し、該層をパターニングすることにより形成される。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィーおよびエッチングによって行われる。次に、樹脂層70を加熱処理(キュア)することにより硬化させる。本加熱処理によって、樹脂層70は、収縮する。さらに、樹脂層70は、加熱処理から常温に戻す際において収縮する。
図2に示すように、コンタクト層50上および樹脂層70上に第2電極82を形成し、第1ミラー層20上に第1電極80を形成する。第1電極80および第2電極82は、例えば、真空蒸着法およびリフトオフ法の組合せ等により形成される。なお、第1電極80および第2電極82を形成する順序は、特に限定されない。また、第2電極82を形成する工程で、図1に示すパッド84および引き出し配線86を形成してもよい。
以上の工程により、半導体レーザー100を製造することができる。
1.3. 効果
半導体レーザー100は、例えば、以下の効果を有する。
半導体レーザー100は、例えば、以下の効果を有する。
半導体レーザー100では、積層体2は、第1部分2aと、第2部分2bと、を有している。そのため、半導体レーザー100では、活性層30で発生する光の偏光を安定させることができる。
半導体レーザー100では、積層体2は、第4部分2dと、第5部分2eと、を有し、第1部分2a、第2部分2b、および第3部分2cは、第3部分2cの中心を通る第1軸Aに沿って配置され、第4部分2d、第5部分2e、および第3部分2cは、第3部分2cの中心を通り、第1軸Aに交差する第2軸Bに沿って配置されている。そのため、半導体レーザー100では、第1ミラー層20および第2ミラー層40が酸化されることによって第3部分2cを構成する活性層30に生じる応力を、低減できる。したがって、半導体レーザー100では、信頼性を向上できる。以下、その理由について説明する。
上述したように、電流狭窄層42を形成する酸化工程において、第1ミラー層20を構成するAl0.9Ga0.1As層のヒ素が酸素に置き換わり、第1領域60が形成され
る。同様に、第2ミラー層40を構成するAl0.9Ga0.1As層のヒ素が酸素に置き換わり、第2領域62が形成される。このようにして、積層体2の外縁に沿って酸化領域8が形成される。
る。同様に、第2ミラー層40を構成するAl0.9Ga0.1As層のヒ素が酸素に置き換わり、第2領域62が形成される。このようにして、積層体2の外縁に沿って酸化領域8が形成される。
第1領域60および第2領域62では、ヒ素が酸素に置き換わることによって、体積が減少する。これにより、共振器を構成する第3部分2cの活性層30に応力が生じる。この応力によって活性層30に欠陥が生じると、半導体レーザーの特性が変化し、信頼性が低下してしまう。
半導体レーザー100では、第4部分2dおよび第5部分2eが第3部分2cに接続されている。そのため、例えば、積層体2が第4部分2dおよび第5部分2eを有さない場合と比べて、共振器を構成する第3部分2cの活性層30と、酸化領域8と、の間の距離を大きくできる。したがって、第3部分2cの活性層30に生じる応力を低減できる。よって、半導体レーザー100では、信頼性を向上できる。
半導体レーザー100は、積層体2の側面に配置された樹脂層70を含む。半導体レーザー100では、積層体2が、第4部分2dおよび第5部分2eを有している。上述したように、樹脂層70を形成する工程では、加熱処理などによって、樹脂層70が収縮する。半導体レーザー100では、積層体2が第4部分2dおよび第5部分2eを有するため、樹脂層70の収縮によって第3部分2cを構成する活性層30に生じる応力を、低減できる。
ここで、樹脂層70の収縮によって積層体2に加わる力は、樹脂層70が厚い積層体2の側面近傍で大きくなる。積層体2が第4部分2dおよび第5部分2eを有することによって、積層体2が第4部分2dおよび第5部分2eを有さない場合と比べて、積層体2の側面近傍と、第3部分2cを構成する活性層30と、の間の距離を大きくできる。したがって、樹脂層70の収縮によって第3部分2cを構成する活性層30に生じる応力を、低減できる。
半導体レーザー100では、V1<V3、かつ、V2<V3である。すなわち、第1部分2a、第2部分2b、第4部分2d、および第5部分2eは、酸化速度の速い方向を避けて配置されている。そのため、半導体レーザー100では、電流狭窄層42を形成する酸化工程において、第1ミラー層20および第2ミラー層40の酸化を低減できる。したがって、第1ミラー層20および第2ミラー層40が酸化されることによって第3部分2cを構成する活性層30に生じる応力を、低減できる。
例えば、V1>V3、かつ、V2>V3である場合、電流狭窄層42を形成する酸化工程において、所定の大きさの開口部43を形成するためには、水蒸気雰囲気中に投入する時間を長くしなければならない。この場合、第1ミラー層20および第2ミラー層40の酸化も進んでしまう。これに対して、V1<V3、かつ、V2<V3である場合、V1>V3、かつ、V2>V3と比べて、水蒸気雰囲気中に投入する時間を短くでき、第1ミラー層20および第2ミラー層40の酸化を低減できる。
半導体レーザー100では、第1軸Aと第2軸Bとは直交している。そのため、第3部分2cを構成する活性層30に生じる応力を、第1軸Aに沿った方向および第2軸Bに沿った方向に関して対称にできる。したがって、活性層30で発生する光の偏光を安定させることができる。
また、第1軸Aと第2軸Bとは直交する場合、第1部分2aと第2部分2bとを接続する第3部分2cの側面の中心部分に第4部分2dおよび第5部分2eが配置される。第1
部分2aと第2部分2bとを接続する第3部分2cの側面の中心部分は、酸化領域8および樹脂層70によって加わる力が大きい部分である。したがって、第1部分2aと第2部分2bとを接続する第3部分2cの側面の中心部分に第4部分2dおよび第5部分2eを配置することによって、第3部分2cを構成する活性層30に生じる応力を低減できる。
部分2aと第2部分2bとを接続する第3部分2cの側面の中心部分は、酸化領域8および樹脂層70によって加わる力が大きい部分である。したがって、第1部分2aと第2部分2bとを接続する第3部分2cの側面の中心部分に第4部分2dおよび第5部分2eを配置することによって、第3部分2cを構成する活性層30に生じる応力を低減できる。
2. 第2実施形態
次に、第2実施形態に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図9は、第2実施形態に係る原子発振器200の構成を示す図である。
次に、第2実施形態に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図9は、第2実施形態に係る原子発振器200の構成を示す図である。
原子発振器200は、アルカリ金属原子に対して特定の異なる波長の2つの共鳴光を同時に照射したときに当該2つの共鳴光がアルカリ金属原子に吸収されずに透過する現象が生じる量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した原子発振器である。なお、この量子干渉効果による現象は、電磁誘起透明化(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象とも言う。また、本発明に係る原子発振器は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した原子発振器であってもよい。
原子発振器200は、第1実施形態に係る半導体レーザー100を含む。
原子発振器200は、図9に示すように、発光素子モジュール110と、減光フィルター122と、レンズ124と、1/4波長板126と、原子セル130と、受光素子140と、ヒーター150と、温度センサー160と、コイル170と、制御回路180と、を含む。
発光素子モジュール110は、半導体レーザー100と、ペルチェ素子112と、温度センサー114と、を有している。半導体レーザー100は、周波数の異なる2種の光を含んでいる直線偏光の光LLを出射する。温度センサー114は、半導体レーザー100の温度を検出する。ペルチェ素子112は、半導体レーザー100の温度を制御する。
減光フィルター122は、半導体レーザー100から出射された光LLの強度を減少させる。レンズ124は、光LLの放射角度を調整する。具体的には、レンズ124は、光LLを平行光にする。1/4波長板126は、光LLに含まれる周波数の異なる2種の光を、直線偏光から円偏光に変換する。
原子セル130は、半導体レーザー100から出射された光が照射される。原子セル130は、半導体レーザー100から出射される光LLを透過する。原子セル130には、アルカリ金属原子が収容されている。アルカリ金属原子は、互いに異なる2つの基底準位と励起準位とからなる3準位系のエネルギー準位を有する。原子セル130には、半導体レーザー100から出射された光LLが減光フィルター122、レンズ124、および1/4波長板126を介して入射する。
受光素子140は、原子セル130を透過した励起光LLの強度を検出し、光の強度に応じた検出信号を出力する。受光素子140としては、例えば、フォトダイオードを用いることができる。
ヒーター150は、原子セル130の温度を制御する。ヒーター150は、原子セル130に収容されたアルカリ金属原子を加熱し、アルカリ金属原子の少なくとも一部をガス状態にする。
温度センサー160は、原子セル130の温度を検出する。コイル170は、原子セル130内のアルカリ金属原子の縮退した複数のエネルギー準位をゼーマン分裂させる磁場
を発生させる。コイル170は、ゼーマン分裂により、アルカリ金属原子の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。この結果、原子発振器200の発振周波数の精度を高めることができる。
を発生させる。コイル170は、ゼーマン分裂により、アルカリ金属原子の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。この結果、原子発振器200の発振周波数の精度を高めることができる。
制御回路180は、温度制御回路182と、温度制御回路184と、磁場制御回路186と、光源制御回路188と、を有している。
温度制御回路182は、温度センサー114の検出結果に基づいて、半導体レーザー100の温度が所望の温度となるように、ペルチェ素子112への通電を制御する。温度制御回路184は、温度センサー160の検出結果に基づいて、原子セル130の内部が所望の温度となるように、ヒーター150への通電を制御する。磁場制御回路186は、コイル170が発生する磁場が一定となるように、コイル170への通電を制御する。
光源制御回路188は、受光素子140の検出結果に基づいて、EIT現象が生じるように、半導体レーザー100から出射された光LLに含まれる2種の光の周波数を制御する。ここで、これら2種の光が原子セル130に収容されたアルカリ金属原子の2つの基底準位間のエネルギー差に相当する周波数差の共鳴光対となったとき、EIT現象が生じる。光源制御回路188は、2種の光の周波数の制御に同期して安定化するように発振周波数が制御される電圧制御型発振器(図示せず)を備えており、この電圧制御型発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)の出力信号を原子発振器200の出力信号(クロック信号)として出力する。
制御回路180は、例えば、不図示の基板に実装されたIC(Integrated Circuit)チップに設けられている。制御回路180は、単一のICであってもよいし、複数のデジタル回路またはアナログ回路の組み合わせであってもよい。
原子発振器200は、光源として半導体レーザー100を含む。そのため、原子発振器200では、信頼性を向上できる。
3. 第3実施形態
次に、第3実施形態に係る周波数信号生成システムについて、図面を参照しながら説明する。以下のクロック伝送システム(タイミングサーバー)は、周波数信号生成システムの一例である。図10は、クロック伝送システム500を示す概略構成図である。
次に、第3実施形態に係る周波数信号生成システムについて、図面を参照しながら説明する。以下のクロック伝送システム(タイミングサーバー)は、周波数信号生成システムの一例である。図10は、クロック伝送システム500を示す概略構成図である。
クロック伝送システム500は、第2実施形態に係る原子発振器200を含む。
クロック伝送システム500は、時分割多重方式のネットワーク内の各装置のクロックを一致させるものであって、N(Normal)系およびE(Emergency)系の冗長構成を有するシステムである。
クロック伝送システム500は、図10に示すように、A局のクロック供給装置501およびSDH(Synchronous Digital Hierarchy)装置502と、B局のクロック供給装置503およびSDH装置504と、C局のクロック供給装置505およびSDH装置506,507と、を備える。クロック供給装置501は、原子発振器200を有し、N系のクロック信号を生成する。クロック供給装置501内の原子発振器200は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック508,509からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置502は、クロック供給装置501からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、N系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装
置505に伝送する。クロック供給装置503は、原子発振器200を有し、E系のクロック信号を生成する。クロック供給装置503内の原子発振器200は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック508,509からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
置505に伝送する。クロック供給装置503は、原子発振器200を有し、E系のクロック信号を生成する。クロック供給装置503内の原子発振器200は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック508,509からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置504は、クロック供給装置503からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、E系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置505に伝送する。クロック供給装置505は、クロック供給装置501,503からのクロック信号を受信し、その受信したクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。
クロック供給装置505は、通常、クロック供給装置501からのN系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。そして、N系に異常が発生した場合、クロック供給装置505は、クロック供給装置503からのE系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。このようにN系からE系に切り換えることにより、安定したクロック供給を担保し、クロックパス網の信頼性を高めることができる。SDH装置506は、クロック供給装置505からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。同様に、SDH装置507は、クロック供給装置505からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。これにより、C局の装置をA局またはB局の装置と同期させることができる。
第2実施形態に係る周波数信号生成システムは、クロック伝送システムに限定されない。周波数信号生成システムは、原子発振器が搭載され、原子発振器の周波数信号を利用する各種の装置および複数の装置から構成されるシステムを含む。
第2実施形態に係る周波数信号生成システムは、例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、液体吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS(point of sales)端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡、心磁計)、魚群探知機、GNSS(Global Navigation Satellite System)周波数標準器、各種測定機器、計器類(例えば、自動車、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送システム、携帯電話基地局、移動体(自動車、航空機、船舶等)であってもよい。
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…積層体、2a…第1部分、2b…第2部分、2c…第3部分、2d…第4部分、2e…第5部分、4…層、6…第1酸化層、8…酸化領域、10…基板、14…層、16…第2酸化層、20…第1ミラー層、24…高屈折率層、26…低屈折率層、30…活性層、
40…第2ミラー層、42…電流狭窄層、42a…被酸化層、43…開口部、44…高屈折率層、46…低屈折率層、48…上面、50…コンタクト層、60…第1領域、62…第2領域、63…上面、70…樹脂層、80…第1電極、82…第2電極、84…パッド、86…引き出し配線、100…半導体レーザー、110…発光素子モジュール、112…ペルチェ素子、114…温度センサー、122…減光フィルター、124…レンズ、126…1/4波長板、130…原子セル、140…受光素子、150…ヒーター、160…温度センサー、170…コイル、180…制御回路、182…温度制御回路、184…温度制御回路、186…磁場制御回路、188…光源制御回路、200…原子発振器、500…クロック伝送システム、501…クロック供給装置、502…SDH装置、503…クロック供給装置、504…SDH装置、505…クロック供給装置、506…SDH装置、507…SDH装置、508…マスタークロック、509…マスタークロック
40…第2ミラー層、42…電流狭窄層、42a…被酸化層、43…開口部、44…高屈折率層、46…低屈折率層、48…上面、50…コンタクト層、60…第1領域、62…第2領域、63…上面、70…樹脂層、80…第1電極、82…第2電極、84…パッド、86…引き出し配線、100…半導体レーザー、110…発光素子モジュール、112…ペルチェ素子、114…温度センサー、122…減光フィルター、124…レンズ、126…1/4波長板、130…原子セル、140…受光素子、150…ヒーター、160…温度センサー、170…コイル、180…制御回路、182…温度制御回路、184…温度制御回路、186…磁場制御回路、188…光源制御回路、200…原子発振器、500…クロック伝送システム、501…クロック供給装置、502…SDH装置、503…クロック供給装置、504…SDH装置、505…クロック供給装置、506…SDH装置、507…SDH装置、508…マスタークロック、509…マスタークロック
Claims (5)
- 第1ミラー層と、
第2ミラー層と、
前記第1ミラー層と前記第2ミラー層との間に配置された活性層と、
前記第1ミラー層と前記第2ミラー層との間に配置された電流狭窄層と、
前記第1ミラー層と連続して設けられ、複数の第1酸化層を含む第1領域と、
前記第2ミラー層と連続して設けられ、複数の第2酸化層を含む第2領域と、
を含み、
前記第1ミラー層、前記第2ミラー層、前記活性層、前記電流狭窄層、前記第1領域、および前記第2領域は、積層体を構成し、
前記積層体は、平面視において、
第1部分と、
第2部分と、
前記活性層で発生した光を共振させる第3部分と、
前記第3部分に接続された第4部分と、
前記第3部分に接続された第5部分と、
を有し、
前記第3部分は、前記第1部分と前記第2部分との間、かつ、前記第4部分と前記第5部分との間に配置され、
前記第1部分、前記第2部分、および前記第3部分は、前記第3部分の中心を通る第1軸に沿って配置され、
前記第4部分、前記第5部分、および前記第3部分は、前記第3部分の中心を通り、前記第1軸に交差する第2軸に沿って配置され、
前記第4部分の長さは、前記第1部分および前記第2部分の長さよりも小さく、前記第4部分の幅は、前記第1部分および前記第2部分の幅以下であり、
前記第5部分の長さは、前記第1部分および前記第2部分の長さよりも小さく、前記第1部分および前記第2部分の幅以下である、半導体レーザー。 - 請求項1において、
前記第1軸に沿った前記積層体の酸化速度をV1とし、
前記第2軸に沿った前記積層体の酸化速度をV2とし、
平面視において、前記第3部分の中心を通り、前記第1部分と前記第5部分との間および前記第2部分と前記第4部分との間を通る第3軸に沿った前記積層体の酸化速度をV3とした場合、
V1<V3、かつ、V2<V3である、半導体レーザー。 - 請求項2において、
前記第1軸と前記第2軸とは直交している、半導体レーザー。 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記積層体の側面に配置された樹脂層を含む、半導体レーザー。 - 半導体レーザーと、
前記半導体レーザーから出射された光が照射される、アルカリ金属原子が収容された原子セルと、
前記原子セルを透過した光の強度を検出して、検出信号を出力する受光素子と、
を含み、
前記半導体レーザーは、
第1ミラー層と、
第2ミラー層と、
前記第1ミラー層と前記第2ミラー層との間に配置された活性層と、
前記第1ミラー層と前記第2ミラー層との間に配置された電流狭窄層と、
前記第1ミラー層と連続して設けられ、複数の第1酸化層を含む第1領域と、
前記第2ミラー層と連続して設けられ、複数の第2酸化層を含む第2領域と、
を含み、
前記第1ミラー層、前記第2ミラー層、前記活性層、前記電流狭窄層、前記第1領域、および前記第2領域は、積層体を構成し、
前記積層体は、平面視において、
第1部分と、
第2部分と、
前記活性層で発生した光を共振させる第3部分と、
前記第3部分に接続された第4部分と、
前記第3部分に接続された第5部分と、
を有し、
前記第3部分は、前記第1部分と前記第2部分との間、かつ、前記第4部分と前記第5部分との間に配置され、
前記第1部分、前記第2部分、および前記第3部分は、前記第3部分の中心を通る第1軸に沿って配置され、
前記第4部分、前記第5部分、および前記第3部分は、前記第3部分の中心を通り、前記第1軸に交差する第2軸に沿って配置され、
前記第4部分の長さは、前記第1部分および前記第2部分の長さよりも小さく、前記第4部分の幅は、前記第1部分および前記第2部分の幅以下であり、
前記第5部分の長さは、前記第1部分および前記第2部分の長さよりも小さく、前記第1部分および前記第2部分の幅以下である、原子発振器。
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2019
- 2019-02-28 JP JP2019035445A patent/JP2020141046A/ja active Pending
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