JP2020136627A - 計算装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】計算精度の向上が可能な計算装置を提供する。【解決手段】実施形態によれば、計算装置は、複数の発振器、及び、制御部を含む。前記複数の発振器に含まれる第1発振器は、カー効果を有し第1共振周波数を有する。前記複数の発振器に含まれる第2発振器は、カー効果を有し第2共振周波数を有する。前記制御部は、少なくとも第1動作を実施する。前記第1動作において、前記制御部は、前記第1発振器に第1磁束変調を誘起して前記第1発振器を第1発振周波数で発振させ、前記第2発振器に第2磁束変調を誘起して前記第2発振器を第2発振周波数で発振させる。前記第1共振周波数から前記第1発振周波数を減じた第1値は、正及び負の一方の第1極性である。前記第2共振周波数から前記第2発振周波数を減じた第2値は、正及び負の他方の第2極性である。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、計算装置に関する。
組み合わせ最適化問題などが、計算装置により解かれる。計算精度の向上が望まれる。
特開2017−73106号公報
本発明の実施形態は、計算精度の向上が可能な計算装置を提供する。
本発明の実施形態によれば、計算装置は、複数の発振器、及び、制御部を含む。前記複数の発振器に含まれる第1発振器は、カー効果を有し第1共振周波数を有する。前記複数の発振器に含まれる第2発振器は、カー効果を有し第2共振周波数を有する。前記制御部は、少なくとも第1動作を実施する。前記第1動作において、前記制御部は、前記第1発振器に第1磁束変調を誘起して前記第1発振器を第1発振周波数で発振させ、前記第2発振器に第2磁束変調を誘起して前記第2発振器を第2発振周波数で発振させる。前記第1共振周波数から前記第1発振周波数を減じた第1値は、正及び負の一方の第1極性である。前記第2共振周波数から前記第2発振周波数を減じた第2値は、正及び負の他方の第2極性である。
図1は、第1実施形態に係る計算装置を例示する模式図である。 図2(a)〜図2(d)は、計算結果を例示するグラフ図である。 図3(a)及び図3(b)は、計算結果を例示するグラフ図である。 図4(a)〜図4(f)は、実施形態に係る計算装置の一部を例示する模式的断面図である。
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る計算装置を例示する模式図である。
図1に示すように、実施形態に係る計算装置110は、発振器ネットワーク10U及び制御部70を含む。この例では、計算装置110は、検出部75をさらに含む。
発振器ネットワーク10Uは、複数の発振器10を含む。複数の発振器10は、例えば、第1発振器10A、第2発振器10B及び第3発振器10Cなどを含む。複数の発振器10は、発振器10Xなどをさらに含んでも良い。
複数の発振器10は、互いに結合される。例えば、複数の発振器10は、結合部20により、容量結合される。複数の結合部20のそれぞれは、例えば、キャパシタンス20Cを含む。
例えば、第1発振器10Aと第2発振器10Bとが、結合部20(例えば、キャパシタンス20C)により結合される。例えば、第2発振器10Bと第3発振器10Cとが、結合部20(例えば、キャパシタンス20C)により結合される。例えば、第1発振器10Aと第3発振器10Cとが、結合部20(例えば、キャパシタンス20C)により結合される。例えば、第1発振器10Aと発振器10Xとが、結合部20(例えば、キャパシタンス20C)により結合される。後述するように、結合部20は、結合共振器などを含んでも良い。
例えば、複数の発振器10に含まれる第1発振器10Aは、カー効果を有し第1共振周波数fr1を有する。例えば、複数の発振器10に含まれる第2発振器10Bは、カー効果を有し第2共振周波数fr2を有する。例えば、複数の発振器10に含まれる第3発振器10Cは、カー効果を有し第3共振周波数fr3を有する。カー効果を有する発振器の共振周波数は、非発振状態における発振器の基底状態と、非発振状態における発振器の第1励起状態と、の間におけるエネルギー差をプランク定数で割った値に対応する。カー効果のカー係数は、非発振状態における発振器の第1励起状態と、非発振状態における発振器の第2励起状態と、の間におけるエネルギー差をプランク定数で割った値から、その発振器の共振周波数を引いた値に対応する。
例えば、第1発振器10Aの近傍に第1導電部60A(例えば配線など)が設けられる。第1導電部60Aの一方は接地され、第1導電部60Aの他方は端子60aに接続される。第2発振器10Bの近傍に第2導電部60B(例えば配線など)が設けられる。第2導電部60Bの一方は接地され、第2導電部60Bの他方は端子60bに接続される。第3発振器10Cの近傍に第3導電部60C(例えば配線など)が設けられる。第3導電部60Cの一方は接地され、第3導電部60Cの他方は端子60cに接続される。発振器10Xの近傍に導電部60X(例えば配線など)が設けられる。導電部60Xの一方は接地され、導電部60Xの他方は端子60xに接続される。
制御部70は、例えば、端子60a〜60c及び60xに電気的に接続される。制御部70は、例えば、これらの端子を介して、導電部60A〜60C及び60Xに高周波電流を供給する。これにより、導電部60A〜60C及び60Xは、周囲の磁場を変調する。変調された磁場は、複数の発振器10のそれぞれに磁束変調を誘起する。
制御部70は、少なくとも第1動作を実施する。
第1動作において、制御部70は、第1発振器10Aに第1磁束変調を誘起して第1発振器10Aを第1発振周波数fo1で発振させる。第1動作において、制御部70は、第2発振器10Bに第2磁束変調を誘起して第2発振器10Bを第2発振周波数fo2で発振させる。
例えば、第1動作において、制御部70は、第1発振器10Aに第1電磁波を照射して第1発振器10Aを第1発振周波数fo1で発振させる。第1動作において、制御部70は、第2発振器10Bに第2電磁波を照射して第2発振器10Bを第2発振周波数fo2で発振させる。
第1発振器10Aは、例えば、パラメトリック発振器である。パラメトリック発振器において、第1磁束変調の変調周波数が、第1発振周波数fo1の2倍である。
第1共振周波数fr1から第1発振周波数fo1を減じた値(fr1−fo1)を第1値Δf1とする。第1値Δf1は、例えば、第1離調周波数である。第1値Δf1は、正及び負の一方の第1極性である。第2共振周波数fr2から第2発振周波数fo2を減じた値(fr2−fo2)を第2値Δf2とする。第2値Δf2は、例えば、第2離調周波数である。第2値Δf2は、正及び負の他方の第2極性である。第1値Δf1及び第2値Δf2は、互いに逆符号(逆極性)である。
このように、実施形態に係る計算装置110においては、少なくとも2つの発振器10について、離調周波数の極性を異ならせる。これにより、後述するように、計算装置110で解こうとしている問題が効率的に解ける。計算例については、後述する。
実施形態に係る計算において、例えば、磁束変調をゼロから徐々に増加(例えば、単調増加)させる。例えば、十分強く発振した状態において、その発振による電磁波の位相を検出する。検出された結果が、計算結果に対応する。
制御部70は、以下に説明する第2動作をさらに実施しても良い。この第2動作は、例えば、上記の第1動作の前に行われる。
第2動作において、制御部70は、第1発振器10Aに別の第1磁束変調を誘起して前記第1発振器10Aを別の第1発振周波数fa1で発振させ、第2発振器10Bに別の第2磁束変調を誘起して第2発振器10Bを別の第2発振周波数fa2で発振させる。第2動作における別の第1磁束変調は、第1動作における第1磁束変調と実質的に同じでも良い。第2動作における別の第2磁束変調は、第1動作における第2磁束変調と実質的に同じでも良い。
第1共振周波数fr1から、上記の別の第1発振周波数fa1を減じた値(fr1−fa1)は、上記の第1極性である。第2共振周波数fr2から、上記の別の第2発振周波数fa2を減じた値(fr2−fa2)は、上記の第1極性である。
このように、例えば、第2動作において、2つの発振器10において、離調周波数の極性が同じである。第2動作において、複数の発振器10の全てにおいて、離調周波数の極性が同じでも良い。
例えば、複数の発振器10に含まれる別の発振器10は、カー効果を有し、別の共振周波数frxを有する。別の発振器10は、第1発振器10A及び第2発振器10Bを除く、全ての発振器10でも良い。例えば、第2動作において、制御部70は、第1発振器10Aに別の第1磁束変調を誘起して第1発振器10Aを別の第1発振周波数fx1で発振させ、第2発振器10Bに別の第2磁束変調を誘起して第2発振器10Bを別の第2発振周波数fx2で発振させ、別の発振器(発振器10Xなど)に第3磁束変調を誘起して別の発振器(発振器10Xなど)を第3発振周波数fxxで発振させる。
第1共振周波数fr1から、上記の別の第1発振周波数fa1を減じた値(fr1−fa1)は、第1極性である。第2共振周波数fr2から、上記の別の第2発振周波数fa1を減じた値(fr2−fb2)は、第1極性である。別の共振周波数frxから第3発振周波数fxxを減じた値(frx−fxx)は、第1極性である。例えば、第2動作において、全ての発振器10において、極性が同じ(第1極性)である。
例えば、複数の発振器10は、カー効果を有し共振周波数を有する。第2動作において、制御部70は、複数の発振器10に磁束変調を誘起して複数の発振器を発振周波数で発振させる。複数の発振器10において、共振周波数から発振周波数を減じた値は、第1極性である。
実施形態に係る1つの例において、離調周波数の極性が同じである第2動作が行われても良い。そして、極性が互いに異なる少なくとも2つの離調周波数を用いた第1動作が行われる。
この例では、図1に示すように、例えば、第1発振器10Aは、第1ジョセフソン接合J1を含む。例えば、第2発振器10Bは、第2ジョセフソン接合J2を含む。例えば、第3発振器10Cは、第3ジョセフソン接合J3を含み。
例えば、第1発振器10Aは、第1ループL1を含む。第1ループL1は、複数の第1ジョセフソン接合(第1ジョセフソン接合J1及びK1)を含む。第2発振器10Bは、第2ループL2を含む。第2ループL2は、複数の第2ジョセフソン接合(第2ジョセフソン接合J2及びK2)を含む。第3発振器10Cは、第3ループL3を含む。第3ループL3は、複数の第3ジョセフソン接合(第3ジョセフソン接合J3及びK3)を含む。
例えば、第1ループL1の1つの部分が、接地される。第1ループL1の別の部分が、導波部11Aを介して、端子11aと結合される。第1ループL1と端子11aとの結合は、例えば、容量結合を含む。第1ループL1の上記の1つの部分と、第1ループL1の上記の別の部分と、の間の1つの経路に、第1ジョセフソン接合J1が設けられる。第1ループL1の上記の1つの部分と、第1ループL1の上記の別の部分と、の間の別の経路に、第1ジョセフソン接合K1が設けられる。
同様に、例えば、第2ループL2の1つの部分が、接地される。第2ループL2の別の部分が、導波部11Bを介して、端子11bと結合される。第2ループL2と端子11bとの結合は、例えば、容量結合を含む。第2ループL2の上記の1つの部分と、第2ループL2の上記の別の部分と、の間の1つの経路に、第2ジョセフソン接合J2が設けられる。第2ループL2の上記の1つの部分と、第2ループL2の上記の別の部分と、の間の別の経路に、第2ジョセフソン接合K2が設けられる。
同様に、例えば、第3ループL3の1つの部分が、接地される。第3ループL3の別の部分が、導波部11Cを介して、端子11cと結合される。第3ループL3と端子11cとの結合は、例えば、容量結合を含む。第3ループL3の上記の1つの部分と、第3ループL3の上記の別の部分と、の間の1つの経路に、第3ジョセフソン接合J3が設けられる。第3ループL3の上記の1つの部分と、第3ループL3の上記の別の部分と、の間の別の経路に、第3ジョセフソン接合K3が設けられる。
同様に、例えば、発振器10Xが、導波部11Xを介して、端子11xと結合される。発振器10Xの構成は、第1発振器10Aの構成などと同様である。
例えば、第1〜第3磁束変調は、第1〜第3ループL1〜L3内の磁束のそれぞれを変調する。
上記のような構成を有する発振器ネットワーク10Uにおいて、上記の第1動作が実施される。そして、第2動作が実施される。これらの動作のそれぞれにおいて、発振器ネットワーク10Uの状態が検出部75により検出される。
検出部75は、例えば、端子11a〜11c、及び、端子11xなどと結合される。結合は、容量結合を含んで良い。
検出部75は、第1動作において、例えば、第1発振器10Aから得られる第1信号と、第2発振器10Bから得られる第2信号と、を検出する。検出部75は、例えば、第1動作において、第1発振器10Aから出力される電磁波の位相を測定して得られる第1信号と、第2発振器10Bから出力される電磁波の位相を測定して得られる第2信号と、を検出する。
例えば、検出部75は、複数の動作のそれぞれにおいて、複数の発振器10から出射される電磁波の位相に関する値(信号)を検出する。電磁波の位相に関する値(第1信号及び第2信号など)は、例えば、「+1」または「−1」などになる。
計算装置110は、例えば、最適化問題を解くことに用いられる。例えば、複数の発振器10は、問題の条件に合わせて設定される。例えば、結合係数が問題に適するように設定される。例えば、複数の発振器10に、問題に応じた電磁波が照射される。制御部70により複数の発振器10が発振し、時間が経過した後に複数の発振器10から出力される電磁波の位相に応じた値が、求められた解に対応する。後述するように、実施形形態において、結合係数が種々の方法により調整されても良い。例えば、結合器が有するdc SQUID内の磁束を調整することで、結合係数が、問題に適した値に設定される。
以下、計算結果の例について説明する。
例えば、第1例において、「有効ハミルトニアン」が、以下の第1式〜第4式で表される。
Figure 2020136627

Figure 2020136627

Figure 2020136627

Figure 2020136627

上記の式において、nは、i番目の発振器10の光子数演算子(photon number operator)である。a、及び、「dagger」付きのaは、i番目の発振器10の生成消滅演算子(creation and annihilation operators)である。Kは、i番目の発振器10のカー係数(Kerr coefficient)である。Δは、i番目の発振器10の離調周波数(detuning frequency)である。pは、パラメトリック励起(parametric drive or pumping)のポンピング振幅(pumping amplitude)である。ξは、周波数次元のパラメータである。αは、p/Kである。ここでは、Kは、正として説明する。実施形態において、ジョセフソン接合によるカー効果の場合のようにKが負の場合は、他のパラメータ(Δ、p及びξ)の符号が反転される。
複数の発振器10のそれぞれにおけるカー係数Kは、互いに異なっても良い。以下では、複数の発振器のそれぞれにおけるカー係数のばらつきが小さいとして、1つのカー係数Kが用いられる。
この例において、例えば、全ての発振器10における離調周波数が正であるならば、初期状態である「真空」は、t=0(初期時刻)における有効ハミルトニアンの基底状態に対応する。実施形態においては、第1動作において、少なくとも1つの発振器10における離調周波数が負であり、他の発振器10における離調周波数が正である。後述するように、上記の少なくとも1つの発振器10における離調周波数の絶対値は、K/2以下であることが好ましい。
一方、第2例において、有効ハミルトニアンが、以下の第5式〜第8式で表される。
Figure 2020136627

Figure 2020136627

Figure 2020136627

Figure 2020136627

上記の式において、各パラメータは、第1例と同様である。
第2例において、第8式が成り立つ場合、初期状態である「真空」が「基底状態」に対応する。
従来、第2例のように、初期状態において、初期状態である「真空」が、t=0(初期時刻)における有効ハミルトニアンの「基底状態」に設定される。この場合、解が最終時刻における有効ハミルトニアンの基底状態に収束しない場合があることが分かった。
これに対して、第1例のような「有効ハミルトニアン」を導入し、初期状態である「真空」を初期時刻における有効ハミルトニアンの「基底状態」ではない状態(「励起状態」)にする。実施形態においては、少なくとも1つの離調周波数の極性を他の離調周波数の極性とは変える。これにより、解が最終時刻における有効ハミルトニアンの基底状態に収束する場合がある。
以下、上記の第1例の第1式〜第4式が適用される場合において、離調周波数の極性を変更した時の計算結果の例について説明する。
図2(a)〜図2(d)は、計算結果を例示するグラフ図である。
図2(a)及び図2(c)は、第1計算条件M1に対応する。図2(b)及び図2(d)は、第2計算条件M2に対応する。図2(a)及び図2(b)の縦軸は、基底状態のエネルギーを基準にした第1励起状態のエネルギーE1を示す。図2(c)及び図2(d)の縦軸は、基底状態のエネルギーを基準にした、系のエネルギーEを示す。図2(a)〜図2(d)の横軸は、時刻tmである。例えば、時刻tmが0のときが、計算の開始の時刻に対応する。時刻tmが3のときが、計算の終了の時刻に対応する。
図2(c)及び図2(d)は、計算結果に対応する。エネルギーEが最終的に0であることは、解が最終時刻における有効ハミルトニアンの基底状態に収束したことに対応する。エネルギーEが最終的に0でないときは、解が最終時刻における有効ハミルトニアンの基底状態に収束しないことに対応する。
第1計算条件M1においては、1つの発振器10に関する離調周波数が、カー係数の−0.1倍に設定され、他の離調周波数は、カー係数の0.2倍に設定される。第2計算条件M2においては、全ての発振器10に関する離調周波数が、カー係数の0.2倍に設定される。
図2(b)に示すように、第2計算条件M2においては、初期状態である真空状態は、基底状態に設定される。このような第2計算条件においては、図2(d)に示すように、エネルギーEは、計算の初期段階においては、実質的に0であるが、計算終了時(時刻tmが3)のときのエネルギーEは、実質的に第1励起状態のエネルギーE1に等しく、大きい。
一方、図2(a)に示すように、初期状態である真空状態は、基底状態とは異なる。このような第1計算条件M1においては、図2(c)に示すように、エネルギーEは、計算の初期段階において正の値を取るが、計算終了時(時刻tmが3)のときのエネルギーEは実質的に0である。
実施形態は、このような第1計算条件M1を採用する。
既に説明したように、実施形態においては、「有効ハミルトニアン」の発想を導入し、少なくとも1つの離調周波数の極性を他の離調周波数の極性とは変える。これにより、真空状態を基底状態ではない状態にできる。これにより、解が最終時刻における有効ハミルトニアンの基底状態に収束する場合がある。
解が最終時刻における有効ハミルトニアンの基底状態に収束しないときは、計算が失敗したことに対応する。発明者の検討によると、第1計算条件における失敗確率は、例えば、0.008846である。一方、第2計算条件における失敗確率は、例えば、0.981687である。
このように、実施形態によれば、計算精度の向上が可能な計算装置を提供できる。
図3(a)及び図3(b)は、計算結果を例示するグラフ図である。
図3(a)は、第1計算条件M1において離調周波数をカー係数の−0.1倍に設定する1つの発振器を、全ての発振器10について1つ1つ選んでは計算することを繰り返した後に、第2計算条件での計算を行い、それらの結果から最良の解を選んだ場合に対応する。図3(b)は、第2計算条件M2に対応する。これらの図の横軸は、失敗確率である。縦軸は、計算終了時のエネルギーEである。エネルギーEは、図2(c)及び図2(d)の例において、時刻tmが3のときのエネルギーEに対応する。
図3(b)に示すように、第2計算条件M2においては、失敗確率Pfが高く、エネルギーEも大きい。図3(a)に示すように、第1計算条件M1においては、失敗確率Pfが低く、エネルギーEが小さい。
実施形態に係る1つの例において、第1動作において、複数の発振器10の1つ(例えば、第2発振器10B)だけにおいて、離調周波数が第2極性でも良い。例えば、第1動作において、制御部70は、複数の発振器10に含まれ第1発振器10A及び第2発振器10Bを除く「別の発振器」に「別の磁束変調」を誘起して、その「別の発振器」を「別の発振周波数」で発振させる。この「別の発振器」は、例えば第3発振器10Cでも良く、発振器10Xでも良い。この「別の発振器」は、カー効果を有し「別の共振周波数」を有する。「別の共振周波数」から「別の発振周波数」を減じた値(例えば、離調周波数)は、上記の第1極性である。
上記のように、制御部70は、まず、第2動作を実施し、第2動作で解が得られない場合、その後に上記の第1動作を実施しても良い。このような第2動作の後に、制御部70は、以下に説明する第3動作をさらに実施しても良い。
1つの例の第3動作において、例えば、第2極性の離調周波数を適用する発振器10の数を増やす。
例えば、複数の発振器10に含まれる第3発振器10Cは、カー効果を有し第3共振周波数fr3を有する。
制御部70は、第1動作において、第1発振器10Cに第1磁束変調を誘起して第1発振器10Aを第3発振周波数fo1で発振させ、第2発振器10Bに第2磁束変調を誘起して第2発振器10Bを第2発振周波数fo2で発振させ、第3発振器10Cに第3磁束変調をさらに誘起して第3発振器10Cを第3発振周波数fo3で発振させる。
既に説明したように、第1動作において、第1値Δf1(第1共振周波数fr1から第1発振周波数fo1を減じた値)値は、第1極性である。第1動作において、第2値Δf2(第2共振周波数fr2から第2発振周波数fo2を減じた値)は、第2極性である。第3共振周波数fr3から第3発振周波数fo3を減じた第3値Δf3(例えば第3離調周波数)は、第1極性である。
この例では、第1動作において、例えば、第2極性の離調周波数に対応する発振器10の数は、1である。
第3動作において、制御部70は、第1発振器10Aに第4磁束変調を誘起して第1発振器10Aを第4発振周波数fo4で発振させ、第2発振器10Bに第5磁束変調を誘起して第2発振器10Bを第5発振周波数fo5で発振させ、第3発振器10Cに第6磁束変調を誘起して第3発振器10Cを第6発振周波数fo6で発振させる。
第3動作において、第1共振周波数fr1から第4発振周波数fo4を減じた第4値Δf4(例えば離調周波数)は、第1極性であり、第2共振周波数fr2から第5発振周波数fo5を減じた第5値Δf5(例えば離調周波数)は、第2極性であり、第3共振周波数fr3から第6発振周波数fo6を減じた第6値Δf6(例えば離調周波数)は、第2極性である。
このように、上記の例では、第3動作において、第2極性の離調周波数が適用される発振器10の数が増えても良い。
一方、第3動作において、第2極性の離調周波数が適用される発振器10の数が1のままで、例えば、第2極性の離調周波数が適用される発振器10が変更されても良い。例えば、以下の例では、第3動作において、第2発振器10Bにおける離調周波数は第1極性に変更される、第3発振器10Cにおける離調周波数は第2極性に変更される。
例えば、第3動作において、第1共振周波数fr1から第4発振周波数fo4を減じた第4値Δf4は、第1極性であり、第2共振周波数fr2から第5発振周波数fo5を減じた第5値Δf5は、第1極性であり、第3共振周波数fr3から第6発振周波数fo6を減じた第6値Δf6は、第2極性でも良い。
このような第3動作は、第1動作の後に行われても良い。
実施形態において、第1動作における第2値Δf2の絶対値は、カー効果のカー係数の絶対値の1/2以下であることが好ましい。これにより、例えば、初期状態である真空状態が、初期時刻における有効ハミルトニアンの第1励起状態となる。
例えば、第1動作における第1値Δf1は正であり、第2値Δf2は負であり、第2値Δf2の絶対値は、カー係数の絶対値の1/2以下である。例えば、カー効果のカー係数は、上記の正及び負の上記の一方(第1値Δf1の第1極性)である。
実施形態において、例えば、制御部70は、計算の初期における第2値Δf2をカー係数の絶対値の1/2以下に設定する。そして、時間の経過とともに、第2値Δf2の絶対値を0に近づけても良い。さらに、第1値Δf1の絶対値も時間の経過とともに小さくなっても良い。これにより、例えば、最終時刻において、離調周波数の違い(例えば、符号の違い)による不均一性がなくなり、より良い解が得られる。
例えば、第1動作に含まれる第1期間(例えば初期)における第1値Δf1の絶対値は、第1動作に含まれ第1期間の後の第2期間(計算の後の期間)における、第1共振周波数fr1から第1発振周波数fo1を減じた値(離調周波数)の絶対値よりも大きい。例えば、後の第2期間における離調周波数の絶対値は、初期の離調周波数(例えば第1値Δf1)よりも小さい。
第1期間における第2値Δf2の絶対値は、第2期間における、第2共振周波数fr2から第2発振周波数fo2を減じた値(離調周波数)の絶対値よりも大きい。例えば、後の第2期間における離調周波数の絶対値は、初期の離調周波数(例えば第2値Δf2)よりも小さい。
例えば、制御部70は、第1動作中に、第1値Δf1の絶対値及び第2値Δf2の絶対値の少なくともいずれかを減少させても良い。例えば、解が最終時刻における有効ハミルトニアンの基底状態に収束し易くなる。制御部70は、例えば、第1動作の終了中に離調周波数が0になるように、離調周波数を設定しても良い。
時間の経過とともに、複数の発振器10の間の結合の強度を変更しても良い。例えば、制御部70は、第1期間(例えば初期)における第1発振器10Aと第2発振器10Bとの第1結合強度は、第2期間(後の期間)における第1発振器10Aと第2発振器10Bとの第2結合強度よりも低い。例えば、初期において、結合強度が実質的に0でも良い。時間の形態と共に、結合強度が上昇しても良い。たとえば、パラメータの調整が容易になり、効率的に解が得やすくなる。計算精度をより向上し易くなる。
例えば、結合部20は結合共振器を含んでも良い。結合共振器が複数の発振器10と容量結合して、複数の発振器10が結合されても良い。結合共振器は、例えば、超伝導に基づくdc SQUIDを含んでも良い。結合共振器の共振周波数がチューナブルで、その共振周波数の調整で、結合係数がチューナブルでも良い。
結合共振器は、例えば、非線形素子含んでも良い。非線形素子は、例えば、超伝導に基づくジョセフソン接合などを含んでも良い。電磁波による変調を受けることで結合係数をチューナブルにできる。結合部20内の磁束を外部電流で調整することによって、複数の発振器10どうしの結合強度を調整できる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る計算装置110においては、以下の第9式〜第12式で示される有効ハミルトニアンに対応する計算が実施される。
Figure 2020136627

Figure 2020136627

Figure 2020136627

Figure 2020136627
上記の式において、各パラメータは、第1例と同様である。
第9式で示される有効ハミルトニアンにおいては、3体相互作用項が導入される。
一方、以下の第13式は、ハミルトニアンの1つの例(時間に依存しない4体相互作用を含む)に対応する。第13式は、上記の第9式に対応する参考例である。
Figure 2020136627
第9式で示される有効ハミルトニアンは、相互作用項を初期時刻にゼロとできるため、これを用いることで、第13式に示すハミルトニアンに対して、より有効な解が効率的に得られる。例えば、計算精度を向上できる。
第9式〜第12式に示す有効ハミルトニアンに対応する計算を実施する際にも、制御部70は、上記のような第1動作を実施する。制御部70は、上記のような第2動作をさらに実施しても良い。制御部70は、上記のような第3動作をさらに実施しても良い。第2実施形態においても、計算精度の向上が可能な計算装置を提供できる。
図4(a)〜図4(f)は、実施形態に係る計算装置の一部を例示する模式的断面図である。
図4(a)に示すように、第1ジョセフソン接合J1は、導電部15aと、導電部16aと、導電部15aと導電部16aとの間に設けられた中間層17aと、を含む。図4(b)に示すように、第1ジョセフソン接合K1は、導電部15aと、導電部16aと、導電部15aと導電部16aとの間に設けられた中間層18aと、を含む。図4(c)に示すように、第2ジョセフソン接合J2は、導電部15bと、導電部16bと、導電部15bと導電部16bとの間に設けられた中間層17bと、を含む。図4(d)に示すように、第2ジョセフソン接合K2は、導電部15bと、導電部16bと、導電部15bと導電部16bとの間に設けられた中間層18bと、を含む。図4(e)に示すように、第3ジョセフソン接合J3は、導電部15cと、導電部16cと、導電部15cと導電部16cとの間に設けられた中間層17cと、を含む。図4(f)に示すように、第3ジョセフソン接合K3は、導電部15cと、導電部16cと、導電部15cと導電部16cとの間に設けられた中間層18cと、を含む。
中間層17a、18a、17b、18b、17c及び18cは、例えば、絶縁性である。これらの中間層は、例えば、金属化合物(例えば金属酸化物)などを含む。
これらのジョセフソン接合は、例えば、基体15s(例えば基板など)の上に設けられる。
実施形態において、制御部70には、例えば、FPGAまたはPC回路などが用いられる。
検出部75には、例えば、ヘテロダイン検出器、ホモダイン検出器、または、ジョセフソンパラメトリックアンプなどが用いられる。
例えば、非線形発振器(カーパラメトリック発振器:KPO)のネットワークを利用した計算装置(例えば量子分岐マシン)がある。この計算装置においては、量子断熱定理に基づいている。量子断熱定理においては、初期状態を1つのエネルギー固有状態に準備し、その後、系のパラメータを十分ゆっくり変化させる。これにより、系は、対応する固有状態に留まり続ける。
ここで、「十分ゆっくり」というのは、隣の固有状態とのエネルギー差に依存する。エネルギー差が非常に小さくなると、この断熱条件が破れ、隣の固有状態へ移ってしまうと考えられる。これが、断熱量子計算の主要なエラー原因であると考えられる。
一般に、初期状態として、最も安定である基底状態を採用される。上記のエネルギー差の消失問題を回避する1つの方法として、初期状態として励起状態にする方法が考えられる。しかし、この方法においては、緩和によるデコヒーレンスの影響を受けやすい。
実施形態においては、例えば、エネルギー差が消失しても正しい解を見つけられる量子分岐マシンを提供する。実施形態においては、複数の離調周波数の少なくとも1つが、例えば、初期状態である真空が励起状態(例えば、第1励起状態など)になるように設定される。そして、互いに異なる複数の離調周波数に基づいて計算が行われる。これにより、計算精度を向上できる。
量子分岐マシンは、例えば、パラメトリック励起によってドライブされた系に基づいている。このため、系のハミルトニアンとして、回転座標系における有効ハミルトニアンが差愛用できる。離調周波数を調整することで、初期状態である真空を、この有効ハミルトニアンの励起状態に設定することが可能となる。例えば、繰り返し計算して良い解を選ぶことが効率的にできる。
実施形態は、例えば、以下の構成(例えば技術案)を含んでも良い。
(構成1)
複数の発振器であって、前記複数の発振器に含まれる第1発振器は、カー効果を有し第1共振周波数を有し、前記複数の発振器に含まれる第2発振器は、カー効果を有し第2共振周波数を有する、前記複数の発振器と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、少なくとも第1動作を実施し、
前記第1動作において、前記制御部は、前記第1発振器に第1磁束変調を誘起して前記第1発振器を第1発振周波数で発振させ、前記第2発振器に第2磁束変調を誘起して前記第2発振器を第2発振周波数で発振させ、
前記第1共振周波数から前記第1発振周波数を減じた第1値は、正及び負の一方の第1極性であり、
前記第2共振周波数から前記第2発振周波数を減じた第2値は、正及び負の他方の第2極性である、計算装置。
(構成2)
前記第1発振器は、2つの第1ジョセフソン接合を含む第1ループを含み、
前記第2発振器は、2つの第2ジョセフソン接合を含む第2ループを含む、構成1記載の計算装置。
(構成3)
複数の発振器であって、前記複数の発振器に含まれる第1発振器は、第1ジョセフソン接合を含み第1共振周波数を有し、前記複数の発振器に含まれる第2発振器は、第2ジョセフソン接合を含み第2共振周波数を有する、前記複数の発振器と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、少なくとも第1動作を実施し、
前記第1動作において、前記制御部は、前記第1発振器に第1磁束変調を誘起して前記第1発振器を第1発振周波数で発振させ、前記第2発振器に第2磁束変調を誘起して前記第2発振器を第2発振周波数で発振させ、
前記第1共振周波数から前記第1発振周波数を減じた第1値は、正及び負の一方の第1極性であり、
前記第2共振周波数から前記第2発振周波数を減じた第2値は、正及び負の他方の第2極性である、計算装置。
(構成4)
前記制御部は、第2動作をさらに実施し、
前記第2動作において、前記制御部は、前記第1発振器に別の第1磁束変調を誘起して前記第1発振器を別の第1発振周波数で発振させ、前記第2発振器に別の第2磁束変調を誘起して前記第2発振器を別の第2発振周波数で発振させ、
前記第1共振周波数から前記別の第1発振周波数を減じた値は、前記第1極性であり、
前記第2共振周波数から前記別の第2発振周波数を減じた値は、前記第1極性である、構成1〜3のいずれか1つに記載の計算装置。
(構成5)
前記複数の発振器に含まれる別の発振器は、カー効果を有し別の共振周波数を有し、
前記制御部は、第2動作をさらに実施し、
前記第2動作において、前記制御部は、前記第1発振器に別の第1磁束変調を誘起して前記第1発振器を別の第1発振周波数で発振させ、前記第2発振器に別の第2磁束変調を誘起して前記第2発振器を別の第2発振周波数で発振させ、前記別の発振器に第3磁束変調を誘起して前記別の発振器を第3発振周波数で発振させ、
前記第1共振周波数から前記別の第1発振周波数を減じた値は、前記第1極性であり、
前記第2共振周波数から前記別の第2発振周波数を減じた値は、前記第1極性であり、
前記別の共振周波数から前記第3発振周波数を減じた値は、前記第1極性である、構成1〜3のいずれか1つに記載の計算装置。
(構成6)
前記制御部は、前記第1動作の前に前記第2動作を実施する、構成4または5に記載の計算装置。
(構成7)
前記第1動作において、前記制御部は、前記複数の発振器に含まれ前記第1発振器及び前記第2発振器を除く別の発振器に別の磁束変調を誘起して前記別の発振器を別の発振周波数で発振させ、
前記別の発振器は、カー効果を有し別の共振周波数を有し、
前記別の共振周波数から前記別の発振周波数を減じた値は、前記第1極性である、構成1〜3のいずれか1つに記載の計算装置。
(構成8)
前記第1動作において、前記制御部は、前記複数の発振器に含まれ前記第1発振器及び前記第2発振器を除く別の全ての発振器に別の磁束変調を誘起し、
前記別の全ての発振器は、カー効果を有し別の共振周波数を有し、
前記別の共振周波数から前記別の発振周波数を減じた値は、前記第1極性である、構成1〜3のいずれか1つに記載の計算装置。
(構成9)
前記複数の発振器に含まれる第3発振器は、カー効果を有し第3共振周波数を有し、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第3発振器に第3磁束変調をさらに誘起して前記第3発振器を第3発振周波数で発振させ、
前記第3共振周波数から前記第3発振周波数を減じた第3値は、前記第1極性であり、
前記制御部は、第3動作をさらに実施し、
前記第3動作において、前記制御部は、前記第1発振器に第4磁束変調を誘起して前記第1発振器を第4発振周波数で発振させ、前記第2発振器に第5磁束変調を誘起して前記第2発振器を第5発振周波数で発振させ、前記第3発振器に第6磁束変調を誘起して前記第3発振器を第6発振周波数で発振させ、
前記第1共振周波数から前記第4発振周波数を減じた第4値は、前記第1極性であり、
前記第2共振周波数から前記第5発振周波数を減じた第5値は、前記第2極性であり、
前記第3共振周波数から前記第6発振周波数を減じた第6値は、前記第2極性である、構成1〜8のいずれか1つに記載の計算装置。
(構成10)
前記複数の発振器に含まれる第3発振器は、カー効果を有し第3共振周波数を有し、
前記制御部は、前記第1動作において、前記第3発振器に第3磁束変調をさらに誘起して前記第3発振器を第3発振周波数で発振させ、
前記第3共振周波数から前記第3発振周波数を減じた第3値は、前記第1極性であり、
前記制御部は、第3動作をさらに実施し、
前記第3動作において、前記制御部は、前記第1発振器に第4磁束変調を誘起して前記第1発振器を第4発振周波数で発振させ、前記第2発振器に第5磁束変調を誘起して前記第2発振器を第5発振周波数で発振させ、前記第3発振器に第6磁束変調を誘起して前記第3発振器を第6発振周波数で発振させ、
前記第1共振周波数から前記第4発振周波数を減じた第4値は、前記第1極性であり、
前記第2共振周波数から前記第5発振周波数を減じた第5値は、前記第1極性であり、
前記第3共振周波数から前記第6発振周波数を減じた第6値は、前記第2極性である、構成1〜8のいずれか1つに記載の計算装置。
(構成11)
前記第3動作は、前記第1動作の後に行われる、構成9または10に記載の計算装置。
(構成12)
前記カー効果のカー係数は、前記第1極性であり、
前記第2値の絶対値は、前記カー係数の絶対値の1/2以下である、構成1〜11のいずれか1つに記載の計算装置。
(構成13)
前記第1動作に含まれる第1期間における前記第1値の絶対値は、前記第1動作に含まれ前記第1期間の後の第2期間における、前記第1共振周波数から前記第1発振周波数を減じた値の絶対値よりも大きく、
前記第1期間における前記第2値の絶対値は、前記第2期間における、前記第2共振周波数から前記第2発振周波数を減じた値の絶対値よりも大きい、構成1〜12のいずれか1つに記載の計算装置。
(構成14)
前記制御部は、前記第1期間における前記第1発振器と前記第2発振器との第1結合強度は、前記第2期間における前記第1発振器と前記第2発振器との第2結合強度よりも低い、構成13記載の計算装置。
(構成15)
前記制御部は、前記第1動作中に、前記第1値の絶対値及び前記第2値の絶対値の少なくともいずれかを減少させる、構成1〜12のいずれか1つに記載の計算装置。
(構成16)
前記制御部は、前記第1動作中に、前記第1発振周波数及び前記第2発振周波数の少なくともいずれかを変化させる、構成1〜12のいずれか1つに記載の計算装置。
(構成17)
前記第1発振器は、前記第2発振器と結合した、構成1〜16のいずれか1つに記載の計算装置。
(構成18)
前記第1磁束変調は、前記第1ループ内の磁束を変調し、
前記第2磁束変調は、前記第2ループ内の磁束を変調する、構成2記載の計算装置。
(構成19)
検出部をさらに備え、
前記検出部は、前記第1動作において、前記第1発振器から出力される電磁波の位相を測定して得られる第1信号と、前記第2発振器から出力される電磁波の位相を測定して得られる第2信号と、を検出する、構成1〜18のいずれか1つに記載の計算装置。
(構成20)
検出部をさらに備え、
前記検出部は、前記第1動作において、前記第1発振器から得られる第1信号と、前記第2発振器から得られる第2信号と、を検出する、構成1〜18のいずれか1つに記載の計算装置。
実施形態によれば、計算精度の向上が可能な計算装置が提供できる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、発振器、制御部及び検出部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した計算装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての計算装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10、10X…発振器、 10A〜10C…第1〜第3発振器、 10U…発振器ネットワーク、 11A〜11C、11X…導波部、 11a〜11c、11x…端子、 15a〜15c、16a〜16c…導電部、 15s…基体、 17a〜17c、18a〜18c…中間層、 20…結合部、 20C…キャパシタンス、 60A〜60C…第1〜第3導電部、 60X…導電部、 60a〜60c、60x…端子、 70…制御部、 75…検出部、 110…計算装置、 E、E1…エネルギー、 J1〜J3…第1〜第3ジョセフソン接合、 K1〜K3…第1〜第3ジョセフソン接合、 L1〜L3…第1〜第3ループ、 M1、M2…第1、第2計算条件、 Pf…失敗確率、 tm…時刻

Claims (10)

  1. 複数の発振器であって、前記複数の発振器に含まれる第1発振器は、カー効果を有し第1共振周波数を有し、前記複数の発振器に含まれる第2発振器は、カー効果を有し第2共振周波数を有する、前記複数の発振器と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、少なくとも第1動作を実施し、
    前記第1動作において、前記制御部は、前記第1発振器に第1磁束変調を誘起して前記第1発振器を第1発振周波数で発振させ、前記第2発振器に第2磁束変調を誘起して前記第2発振器を第2発振周波数で発振させ、
    前記第1共振周波数から前記第1発振周波数を減じた第1値は、正及び負の一方の第1極性であり、
    前記第2共振周波数から前記第2発振周波数を減じた第2値は、正及び負の他方の第2極性である、計算装置。
  2. 前記第1発振器は、2つの第1ジョセフソン接合を含む第1ループを含み、
    前記第2発振器は、2つの第2ジョセフソン接合を含む第2ループを含む、請求項1記載の計算装置。
  3. 複数の発振器であって、前記複数の発振器に含まれる第1発振器は、第1ジョセフソン接合を含み第1共振周波数を有し、前記複数の発振器に含まれる第2発振器は、第2ジョセフソン接合を含み第2共振周波数を有する、前記複数の発振器と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、少なくとも第1動作を実施し、
    前記第1動作において、前記制御部は、前記第1発振器に第1磁束変調を誘起して前記第1発振器を第1発振周波数で発振させ、前記第2発振器に第2磁束変調を誘起して前記第2発振器を第2発振周波数で発振させ、
    前記第1共振周波数から前記第1発振周波数を減じた第1値は、正及び負の一方の第1極性であり、
    前記第2共振周波数から前記第2発振周波数を減じた第2値は、正及び負の他方の第2極性である、計算装置。
  4. 前記制御部は、第2動作をさらに実施し、
    前記第2動作において、前記制御部は、前記第1発振器に別の第1磁束変調を誘起して前記第1発振器を別の第1発振周波数で発振させ、前記第2発振器に別の第2磁束変調を誘起して前記第2発振器を別の第2発振周波数で発振させ、
    前記第1共振周波数から前記別の第1発振周波数を減じた値は、前記第1極性であり、
    前記第2共振周波数から前記別の第2発振周波数を減じた値は、前記第1極性である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の計算装置。
  5. 前記複数の発振器に含まれる別の発振器は、カー効果を有し別の共振周波数を有し、
    前記制御部は、第2動作をさらに実施し、
    前記第2動作において、前記制御部は、前記第1発振器に別の第1磁束変調を誘起して前記第1発振器を別の第1発振周波数で発振させ、前記第2発振器に別の第2磁束変調を誘起して前記第2発振器を別の第2発振周波数で発振させ、前記別の発振器に第3磁束変調を誘起して前記別の発振器を第3発振周波数で発振させ、
    前記第1共振周波数から前記別の第1発振周波数を減じた値は、前記第1極性であり、
    前記第2共振周波数から前記別の第2発振周波数を減じた値は、前記第1極性であり、
    前記別の共振周波数から前記第3発振周波数を減じた値は、前記第1極性である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の計算装置。
  6. 前記制御部は、前記第1動作の前に前記第2動作を実施する、請求項4または5に記載の計算装置。
  7. 前記第1動作において、前記制御部は、前記複数の発振器に含まれ前記第1発振器及び前記第2発振器を除く別の発振器に別の磁束変調を誘起して前記別の発振器を別の発振周波数で発振させ、
    前記別の発振器は、カー効果を有し別の共振周波数を有し、
    前記別の共振周波数から前記別の発振周波数を減じた値は、前記第1極性である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の計算装置。
  8. 前記複数の発振器に含まれる第3発振器は、カー効果を有し第3共振周波数を有し、
    前記制御部は、前記第1動作において、前記第3発振器に第3磁束変調をさらに誘起して前記第3発振器を第3発振周波数で発振させ、
    前記第3共振周波数から前記第3発振周波数を減じた第3値は、前記第1極性であり、
    前記制御部は、第3動作をさらに実施し、
    前記第3動作において、前記制御部は、前記第1発振器に第4磁束変調を誘起して前記第1発振器を第4発振周波数で発振させ、前記第2発振器に第5磁束変調を誘起して前記第2発振器を第5発振周波数で発振させ、前記第3発振器に第6磁束変調を誘起して前記第3発振器を第6発振周波数で発振させ、
    前記第1共振周波数から前記第4発振周波数を減じた第4値は、前記第1極性であり、
    前記第2共振周波数から前記第5発振周波数を減じた第5値は、前記第2極性であり、
    前記第3共振周波数から前記第6発振周波数を減じた第6値は、前記第2極性である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の計算装置。
  9. (3回目の計算で、別の発振器の離調の極性を変える)
    前記複数の発振器に含まれる第3発振器は、カー効果を有し第3共振周波数を有し、
    前記制御部は、前記第1動作において、前記第3発振器に第3磁束変調をさらに誘起して前記第3発振器を第3発振周波数で発振させ、
    前記第3共振周波数から前記第3発振周波数を減じた第3値は、前記第1極性であり、
    前記制御部は、第3動作をさらに実施し、
    前記第3動作において、前記制御部は、前記第1発振器に第4磁束変調を誘起して前記第1発振器を第4発振周波数で発振させ、前記第2発振器に第5磁束変調を誘起して前記第2発振器を第5発振周波数で発振させ、前記第3発振器に第6磁束変調を誘起して前記第3発振器を第6発振周波数で発振させ、
    前記第1共振周波数から前記第4発振周波数を減じた第4値は、前記第1極性であり、
    前記第2共振周波数から前記第5発振周波数を減じた第5値は、前記第1極性であり、
    前記第3共振周波数から前記第6発振周波数を減じた第6値は、前記第2極性である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の計算装置。
  10. 前記カー効果のカー係数は、前記第1極性であり、
    前記第2値の絶対値は、前記カー係数の絶対値の1/2以下である、請求項1〜9のいずれか1つに記載の計算装置。
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