JP2020134223A - 回収装置及び回収方法 - Google Patents

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雄大 加藤
Takehiro Kato
雄大 加藤
田▲崎▼ 雅晴
Masaharu Tazaki
雅晴 田▲崎▼
川口 正人
Masato Kawaguchi
正人 川口
田中 勲
Isao Tanaka
勲 田中
弥 長谷部
Wataru Hasebe
弥 長谷部
恒佑 近藤
Kosuke Kondo
恒佑 近藤
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Abstract

【課題】空気中の生理活性物質と生菌とを分析可能な状態で回収する回収装置及び回収方法を提供する。【解決手段】回収装置1は、回収容器10と、冷却器20と、吸引器30と、インパクター32と、配管L1〜L3とを備える。回収容器10の内部には、生菌の細胞を破壊しない緩衝液が入れてあり、緩衝液は冷却器20によって生菌の増殖を抑制できる温度以下に冷却されている。測定対象となる空気の環境下に回収装置1を設置し、吸引器30を起動すると、生理活性物質と生菌とを含む気体が内部に取り込まれ、気体は配管L2を介して回収容器10に供給される。回収容器10に供給された気体は、回収容器10の内部の緩衝液と接触し、気体に含まれる生理活性物質及び生菌は緩衝液に捕集される。【選択図】図1

Description

本発明は、回収装置及び回収方法に関する。
近年、空気中の希薄な生理活性物質(エンドトキシン、βグルカン、アレルゲン等)の人体への影響を調査する研究が活発に行われている。特に、PM10やPM2.5等の非常に微細な浮遊物質(粉塵)に付着した生理活性物質は、空気調和機等のフィルターを透過して屋内に入り込み、屋内の人間に影響を与えるため、その詳細な研究が求められている。
現状では、PM10やPM2.5等は、フィルター上に捕集することで回収されている。フィルター上に捕集された生理活性物質は、フィルターを液体中に浸漬し、抽出することによって回収される。フィルター上から生理活性物質を効率的に抽出することは難しく、抽出液中の生理活性物質の生理活性を適正に評価することができなかった。
こうした問題に対し、例えば、非特許文献1には、溶媒に抽出効率を高める物質(血清アルブミン、界面活性剤、キレート剤等)を加え、超音波処理を行う抽出法が提案されている。
生理活性物質の多くは生菌等の微生物に由来するものであり、例えば、特許文献1には、水溶性ポリマーを用いて空気中の微生物の数を検出する方法が提案されている。
特許第4371195号公報
土谷正和、井上勝仁、原田和明、高岡文、松浦脩治「人血清アルブミンによる吸着したエンドトキシンの効果的な抽出」、J.Antibact.Antifung.Agents Vol.24,No.5,pp357−362,1996
しかしながら、非特許文献1の方法では、生理活性物質の化学構造を破壊するおそれがあり、生理活性を適正に評価できないおそれがある。加えて、フィルター上で微生物が死滅する等して、回収した空気中の環境を適正に評価できないおそれがある。
特許文献1の方法では、生菌等の微生物の数を検出しているものの、生理活性物質と生菌との両方を分析可能な状態で回収できていない。
そこで、本発明は、空気中の生理活性物質と生菌とを分析可能な状態で回収する回収装置及び回収方法を目的とする。
鋭意検討を重ねた結果、本発明者等は、専用の溶媒を用いたインピンジャー法を低温下で実施することで、生理活性物質の活性を維持したまま、生きた細胞(生菌)を液体中に回収できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1]生理活性物質と生菌とを含む気体を、前記生菌の細胞を破壊しない緩衝液に、前記生菌の増殖を抑制できる温度以下で接触させ、前記生理活性物質と前記生菌とを回収する回収容器を備える、回収装置。
[2]前記回収容器の後段に、前記気体を吸引する吸引器を備える、[1]に記載の回収装置。
[3]前記回収容器を複数備える、[1]又は[2]に記載の回収装置。
[4]生理活性物質と生菌とを含む気体を、前記生菌の細胞を破壊しない緩衝液に、前記生菌の増殖を抑制できる温度以下で接触させ、前記生理活性物質と前記生菌とを回収容器に回収する、回収方法。
[5]前記生理活性物質がエンドトキシンである、[4]に記載の回収方法。
[6]前記緩衝液が生理食塩水である、[4]又は[5]に記載の回収方法。
本発明の回収装置及び回収方法によれば、空気中の生理活性物質と生菌とを分析可能な状態で回収できる。
本発明の第一実施形態に係る回収装置の模式図である。 本発明の第二実施形態に係る回収装置の模式図である。 本発明の第三実施形態に係る回収装置の模式図である。
[第一実施形態]
<回収装置>
本発明の回収装置は、生理活性物質と生菌とを回収する回収容器を備える。
以下に、本発明の第一実施形態に係る回収装置について、図1に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の回収装置1は、回収容器10と、冷却器20と、吸引器30と、インパクター32と、配管L1〜L3とを備える。
インパクター32は、配管L1で吸引器30に接続されている。吸引器30と回収容器10とは、配管L2によって接続されている。冷却器20は、回収容器10を囲んでいる。回収容器10には、配管L3が接続されている。
インパクター32は、特定の粒子径の粉塵を採取するための分粒器である。インパクター32を設置することで、目的の粒子径の粉塵に含まれている生理活性物質及び生菌の数を測定できる。
インパクター32としては、公知のインパクターを用いることができ、例えば、慣性インパクター、カスケードインパクター等が挙げられる。生理活性物質の付着を防止する観点から、インパクター32は、例えば、250℃で30分以上の加熱処理を施せるインパクターが好ましい。
吸引する空気の流量やノズルの直径を調整することにより、捕集できる粉塵の粒子径を調整できる。
吸引器30は、気体を吸引できる器械である。吸引器30としては、公知のポンプを用いることができ、例えば、定量ポンプ、真空ポンプ、減圧ポンプ等が挙げられる。
吸引器30の吸引する圧力を調整することにより、捕集できる粉塵の量を調整できる。
回収容器10は、生理活性物質と生菌とを回収する容器である。回収容器10としては、公知のインピンジャーを用いることができる。回収容器10は、ガラス製であることが好ましく、生理活性物質が検出されない状態にできるよう、例えば、250℃で30分以上の加熱処理を施せる容器であることがより好ましい。
冷却器20は、回収容器10を冷却できるものである。冷却器20としては、例えば、氷冷器、水冷器、冷媒器、空冷器、風冷器、ペルチェ素子等が挙げられ、回収容器10を冷却できるものであれば特に限定されない。
冷却器20としては、容易に準備でき、環境負荷が小さい観点から、氷冷器、水冷器が好ましい。
配管L1としては、特に限定されず、樹脂製のチューブ、ゴム製のチューブ、ガラス製の管、金属製の管等が挙げられる。
回収装置1を持ち運ぶ利便性に優れる観点から、配管L1としては、樹脂製のチューブ、ゴム製のチューブが好ましい。
配管L2は、緩衝液と接触しても変質しにくい観点から、ガラス製の管が好ましい。
配管L3は、生理活性物質と生菌とが回収された後の気体を回収装置1の外部に排出できるものであればよく、その材質は特に限定されない。
<回収方法>
本発明の回収方法は、生理活性物質と生菌とを含む気体を、生菌の細胞を破壊しない緩衝液に、生菌の増殖を抑制できる温度以下で接触させ、生理活性物質と生菌とを回収容器に回収する方法である。
一般に、生理活性物質とは、生体内のさまざまな生理活動を調節したり、影響を与えたり、活性化したりする化学物質の総称を指す。生理活性物質としては、生体のアミノ酸から生成されるホルモン、神経伝達物質、インターロイキンをはじめとするサイトカイン等や、ビタミンやミネラル、酵素、核酸、βグルカン等が挙げられる。
本明細書においては、生理活性物質は、上記の化学物質のうち、毒性を持つ化学物質を指すものとする。このような毒性を持つ化学物質としては、例えば、エンドトキシン、アレルゲン等が挙げられる。本発明における効果が特に得られやすい観点から、生理活性物質としては、エンドトキシンが好ましい。
エンドトキシンは、大腸菌やサルモネラ菌をはじめとするグラム陰性菌の外膜を構成している毒性物質の総称であり、その本体はリポ多糖(LPS)である。エンドトキシンは、極微量でも血液中に混入すると、発熱作用、ショック死、血管内血液凝固、又は敗血症を引き起こすため、医薬品や医療機器等のエンドトキシン汚染は重要な管理事項となっている。
本明細書において、生菌とは、いわゆる雑菌を指す。生菌としては、例えば、大腸菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、セレウス菌、納豆菌、緑膿菌等が挙げられる。生菌は、食品衛生上で汚染の度合いを示す指標菌となる。
まず、回収装置1を生理活性物質フリー及び生菌フリーの状態となるように前処理を行う。大気中以外に存在する生理活性物質及び生菌の混入を防ぐためである。
具体的には、回収容器10については、生理活性物質及び生菌の回収前に予め加熱処理を施す。
加熱処理の温度は、例えば、250℃以上が好ましい。加熱処理の温度が上記下限値以上であると、生理活性物質を不活化し、生菌を充分に滅菌できる。加熱処理の温度の上限値は特に限定されず、加熱処理する回収容器10の材料の耐熱性に応じて適宜設定できる。加熱処理の温度の上限値は、例えば、600℃である。
加熱処理の時間は、例えば、30分以上が好ましい。加熱処理の時間が上記下限値以上であると、生理活性物質を不活化し、生菌を充分に滅菌できる。加熱処理の時間の上限値は特に限定されず、加熱処理する回収容器10の材料の耐熱性に応じて適宜設定できる。加熱処理の時間の上限値は、例えば、180分である。
回収容器10の開口部は、気体を供給するまでは、外気に接触させないようにすることが好ましい。回収容器10の開口部を外気に接触させないことで、測定対象となる空気中の生理活性物質及び生菌の数をより正確に測定できる。
回収容器10の内部には、緩衝液を入れておく。緩衝液は、生菌の細胞を破壊しないものである。ここで、「生菌の細胞を破壊しないもの」とは、生菌を液体に浸透した際に、生菌の細胞膜を破壊しない程度の浸透圧となるように濃度調製された液体をいう。
緩衝液としては、例えば、濃度調製された塩化ナトリウム水溶液、濃度調製されたリン酸水溶液、濃度調製されたアルブミン水溶液、濃度調製されたドデシル硫酸ナトリウム水溶液、濃度調製されたトリエチルアミン水溶液、濃度調製されたリゾチーム水溶液等が挙げられる。
濃度調製された塩化ナトリウム水溶液としては、例えば、0.5〜1.5質量%の塩化ナトリウム水溶液が挙げられる。
濃度調製されたリン酸水溶液としては、例えば、0.05〜0.2質量%のリン酸水溶液が挙げられる。
濃度調製されたアルブミン水溶液としては、例えば、0.05〜0.2質量%の注射用ヒト血清アルブミン水溶液、0.05〜0.2質量%の卵白アルブミン水溶液が挙げられる。
濃度調製されたドデシル硫酸ナトリウム水溶液としては、例えば、0.005〜0.05質量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液が挙げられる。
濃度調製されたトリエチルアミン水溶液としては、例えば、0.01〜0.1質量%のトリエチルアミン水溶液が挙げられる。
濃度調製されたリゾチーム水溶液としては、例えば、0.01〜0.1質量%のリゾチーム水溶液が挙げられる。
これらの緩衝液としては、安価で入手しやすい観点から、濃度調製された塩化ナトリウム水溶液が好ましい。濃度調製された塩化ナトリウム水溶液の中でも、細胞内の溶液と浸透圧が等しいことから、生理食塩水(0.9質量%の塩化ナトリウム水溶液)がより好ましい。
緩衝液に用いる溶媒としては、エンドトキシンフリーな水が好ましい。エンドトキシンフリーな水とは、例えば、日本薬局方に記載されているエンドトキシン試験用水のように、エンドトキシン試験法によりエンドトキシン活性が検出されない水をいう。エンドトキシンフリーな水としては、例えば、滅菌精製水(販売名「ケンエー」、日本標準商品分類番号:877131)等が挙げられる。
緩衝液に用いる溶質は、エンドトキシンフリーの状態となるように事前に処理をすることが好ましい。このような処理としては、溶質を高濃度(例えば、20質量%)の水溶液とし、限外濾過膜で濾過をする処理が挙げられる。限外濾過膜で濾過をした溶質について、エンドトキシン活性が検出されないことを確認し、この溶質をエンドトキシンフリーな水に溶解して、エンドトキシンフリーな緩衝液を得る。
高濃度の溶質の水溶液を用いることにより、限外濾過膜で濾過をする際の溶質の水溶液の量を少なくでき、濾液の損失を低減できる。
以上の前処理を行った後に、測定対象となる空気を吸引する。測定対象となる空気は特に限定されず、屋内の空気であってもよく、屋外の空気であってもよい。
回収装置1を用いた回収方法について、図1に基づいて説明する。
まず、測定対象となる空気の環境下に回収装置1を設置する。
次に、吸引器30を起動する。すると、生理活性物質と生菌とを含む気体が吸引器30によって吸引器30の内部に取込まれる。この際、気体の取込み口にインパクター32を設置してもよい。インパクター32を設置することで、測定対象となる空気における特定の粒子径の粉塵に含まれる生理活性物質及び生菌の総数を計量できる。
吸引器30の内部に取込まれた気体は、配管L2を介して回収容器10に供給される。回収容器10に供給された気体は、回収容器10の内部の緩衝液と接触する(インピンジャー法)。
この際、生菌の増殖を抑制できる温度以下で気体と緩衝液とを接触させる。測定対象となる空気中に含まれる生菌の数を正確に計数するためである。
「生菌の増殖を抑制できる温度」は、生菌の種類にもよるが、例えば、4℃である。
気体と緩衝液とを接触させるときの温度は、例えば、緩衝液の凝固点超4℃以下が好ましく、緩衝液の凝固点超2℃以下がより好ましい。気体と緩衝液とを接触させるときの温度が上記下限値超であると、気体と緩衝液との接触効率を高められる。加えて、気体と緩衝液とを接触させるときの温度が上記下限値超であると、生理活性物質及び生菌を液体中に捕集できる。気体と緩衝液とを接触させるときの温度が上記上限値以下であると、生菌の増殖を抑制できる。このため、生理活性物質が活性を失うことなく回収時の気体の状態を適切に分析できる。
なお、緩衝液の凝固点は、緩衝液の種類、濃度から算出できる。
回収容器10に供給された空気中に含まれる粉塵は、回収容器10の底面に衝突して付着し、回収容器10の内部の緩衝液に捕集される。また、粉塵の一部は、気泡界面で緩衝液と接触することで、緩衝液に捕集される。粉塵に付着している生理活性物質及び生菌は、緩衝液に分散した状態で捕集される。生理活性物質の一部は、緩衝液に溶解する。
緩衝液に捕集された生理活性物質及び生菌は、公知の方法によりその数を測定できる。
生理活性物質の測定方法としては、例えば、ゲル化法、比色法、比濁法等が挙げられる。
生菌の測定方法としては、顕微鏡による観察、培養法等が挙げられる。
生理活性物質及び生菌が捕集された後の気体は、配管L3を介して回収装置1の外部へと排出される。
本実施形態の回収装置1によれば、生理活性物質の活性を維持したまま、生きたままの生菌を液体中に回収できる。
本実施形態の回収装置1によれば、生理活性物質及び生菌を液体の状態で捕集できる。このため、生理活性物質及び生菌をそのまま生理活性測定試験や生菌数試験に用いることができ、フィルターで捕集した場合に比べ、抽出等の操作に伴う損失を最低限に抑えることができる。その結果、生理活性物質及び生菌の分析を効率よく行うことができる。
本実施形態の回収装置1によれば、同一の大気サンプルから生理活性物質と生菌とを同時に回収することができる。このため、複数の大気サンプルを比較して分析することができる。
本実施形態の回収装置1によれば、生菌を生きたまま回収できる。このため、染色や特別な試薬を必要とすることなく、培養法により生菌数を測定できる。
本実施形態の回収装置1によれば、培養法による生菌数の評価が可能なため、コロニー形成単位(CFU)という一般的に使用されている指標で生菌数を評価できる。
[第二実施形態]
<回収装置>
図2に、本発明の第二実施形態に係る回収装置の模式図を示す。第一実施形態と同じ構成には、同じ符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すように、本実施形態の回収装置2は、回収容器10と、冷却器20と、吸引器30と、配管L4〜L5とを備える。
本実施形態の回収装置2は、回収容器10の後段に吸引器30を備える点、及びインパクター32を備えない点で、第一実施形態の回収装置1と相違する。
回収容器10には、配管L4が接続されている。冷却器20は、回収容器10を囲んでいる。回収容器10と吸引器30とは、配管L5によって接続されている。
配管L4は、第一実施形態の配管L2と同様である。
配管L5は、第一実施形態の配管L3と同様である。
<回収方法>
本実施形態の回収方法は、インパクター32を介さずに生理活性物質と生菌とを含む気体を吸引し、吸引器30の前段で生理活性物質及び生菌を回収する点を除いて、第一実施形態の回収方法と同様である。
回収装置2を用いた回収方法について、図2に基づいて説明する。
回収装置2を生理活性物質フリー及び生菌フリーの状態となるように前処理を行うことは、第一実施形態の回収方法と同様である。
まず、測定対象となる空気の環境下に回収装置2を設置する。
次に、吸引器30を起動する。すると、回収容器10の内部が減圧され、配管L4から生理活性物質と生菌とを含む気体が回収容器10の内部に取込まれる。
回収容器10の内部に取込まれた気体は、回収容器10の内部の緩衝液と接触する。このとき、生菌の増殖を抑制できる温度以下で気体と緩衝液とを接触させることは、第一実施形態の回収方法と同様である。
緩衝液と接触した生理活性物質及び生菌は、緩衝液に捕集される。
緩衝液に捕集された生理活性物質及び生菌は、第一実施形態と同様の方法によりその数を測定できる。
生理活性物質及び生菌が捕集された後の気体は、配管L5を介して吸引器30に吸引され、吸引器30から回収装置2の外部へと排出される。
本実施形態の回収装置2は、回収容器10の後段に吸引器30を備える。このため、吸引器30の内部に生理活性物質及び生菌が付着することを抑制できる。よって、回収容器10で回収される生理活性物質及び生菌の損失を低減できる。その結果、空気中の存在状態により近い状態で生理活性物質及び生菌を回収できる。
[第三実施形態]
<回収装置>
図3に、本発明の第三実施形態に係る回収装置の模式図を示す。第一実施形態及び第二実施形態と同じ構成には、同じ符号を付して、その説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の回収装置3は、回収容器10と、冷却器20と、第二の回収容器12と、冷却器20と、第三の回収容器14と、冷却器20と、吸引器30と、配管L6〜L9とを備える。
本実施形態の回収装置3は、回収容器及び冷却器を複数備える点で、第二実施形態の回収装置2と相違する。
回収容器10には、配管L6が接続されている。冷却器20は、回収容器10を囲んでいる。回収容器10と第二の回収容器12とは、配管L7によって接続されている。冷却器20は、第二の回収容器12を囲んでいる。第二の回収容器12と第三の回収容器14とは、配管L8によって接続されている。冷却器20は、第三の回収容器14を囲んでいる。第三の回収容器14と吸引器30とは、配管L9によって接続されている。
第二の回収容器12は、回収容器10と同様である。
第三の回収容器14は、回収容器10と同様である。
配管L6〜L8は、第二実施形態の配管L4と同様である。
配管L9は、第二実施形態の配管L5と同様である。
<回収方法>
本実施形態の回収方法は、複数の回収容器に生理活性物質及び生菌を回収する点で、第二実施形態の回収方法と相違する。
回収装置3を用いた回収方法について、図3に基づいて説明する。
回収装置3を生理活性物質フリー及び生菌フリーの状態となるように前処理を行うことは、第一実施形態の回収方法と同様である。
まず、測定対象となる空気の環境下に回収装置3を設置する。
次に、吸引器30を起動する。すると、第三の回収容器14の内部、第二の回収容器12の内部、回収容器10の内部が減圧され、配管L6から生理活性物質と生菌とを含む気体が回収容器10の内部に取込まれる。
回収容器10の内部に取込まれた気体は、回収容器10の内部の緩衝液と接触する。このとき、生菌の増殖を抑制できる温度以下で気体と緩衝液とを接触させることは、第一実施形態の回収方法と同様である。
緩衝液と接触した生理活性物質及び生菌は、緩衝液に捕集される。
次に、生理活性物質及び生菌が捕集された後の気体は、配管L7を介して第二の回収容器12に供給される。第二の回収容器12に供給された気体は、第二の回収容器12の内部の緩衝液と接触する。このとき、生菌の増殖を抑制できる温度以下で気体と緩衝液とを接触させることは、第一実施形態の回収方法と同様である。
第二の回収容器12の内部の緩衝液と接触した生理活性物質及び生菌は、第二の回収容器12の内部の緩衝液に捕集される。
さらに、生理活性物質及び生菌が捕集された後の気体は、配管L8を介して第三の回収容器14に供給される。第三の回収容器14に供給された気体は、第三の回収容器14の内部の緩衝液と接触する。このとき、生菌の増殖を抑制できる温度以下で気体と緩衝液とを接触させることは、第一実施形態の回収方法と同様である。
第三の回収容器14の内部の緩衝液と接触した生理活性物質及び生菌は、第三の回収容器14の内部の緩衝液に捕集される。
緩衝液に捕集された生理活性物質及び生菌は、第一実施形態と同様の方法によりその数を測定できる。
第三の回収容器14で、生理活性物質及び生菌が捕集された後の気体は、配管L9を介して吸引器30に吸引され、吸引器30から回収装置3の外部へと排出される。
本実施形態の回収装置3は、回収容器及び冷却器を複数備える。このため、本実施形態の回収装置3によれば、回収容器10で取り切れなかった生理活性物質及び生菌を、第二の回収容器12、第三の回収容器14で再び液体中に捕集できる。よって、液体中に捕集できる生理活性物質及び生菌の合計量を増やすことができる。その結果、生理活性物質及び生菌をより効率よく回収できる。
本実施形態の回収装置3によれば、回収容器一つ当たりの生理活性物質及び生菌の回収率を算出できる。このため、回収容器10で回収した生理活性物質及び生菌の回収率を算出できる。加えて、所望の回収率とするための回収容器の数を適宜設定できる。その結果、大気中の生理活性物質及び生菌を要求される回収率で液体中に捕集できる。
第二の回収容器12、第三の回収容器14の緩衝液に代えて、酸性溶液やアルカリ性溶液を用いることで、生理活性物質及び生菌以外の物質を回収できる。
例えば、緩衝液に代えて、蒸留水を用いることで、VOCやイオン成分を液体中に捕集できる。
例えば、緩衝液に代えて、塩酸や硫酸等の酸性溶液を用いることで、鉄、カルシウム、アンモニア等を液体中に捕集できる。
例えば、緩衝液に代えて、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ性溶液を用いることで、ヒ酸、クロム酸、二酸化炭素等を液体中に捕集できる。
この方法を用いることにより、生理活性物質及び生菌に加えて、目的とする化学物質を回収できる。このため、同一の大気サンプルを用いて多種多様な成分の濃度の比較、評価等をすることができる。
第二の回収容器12、第三の回収容器14の緩衝液に代えて、酸性溶液やアルカリ性溶液を用いる場合、二段目以降では生理活性物質及び生菌の分析を行わないため、第一実施形態の回収方法のように緩衝液を調整する必要はない。加えて、回収容器を予め加熱処理する必要もなく、生菌の増殖を抑制できる温度以下で気体と液体とを接触させる必要もない。
以上、本発明の回収装置及び回収方法について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施形態の回収装置1は、インパクター32を備えるが、回収装置はインパクター32を備えていなくてもよい。回収装置がインパクター32を備えないことで、様々な粒子径の粉塵を吸引できる。加えて、回収装置の構造をよりコンパクトにできる。
本実施形態の回収装置2は、回収容器10の後段に吸引器30を備えるが、回収容器10の前段に、さらに吸引器30を備えていてもよい。回収容器10の前段及び後段に吸引器30を備えることで、より多くの大気サンプルを吸引できる。
本実施形態の回収装置3は、回収容器を3つ備えるが、回収容器の数は、2つでもよく、4つ以上でもよい。回収容器の数は、多いほど、生理活性物質及び生菌の回収率を高められるが、回収装置をコンパクトにする観点から、回収容器の数は2つ又は3つが好ましい。
本実施形態の回収装置3は、第三の回収容器14の後段に吸引器30を備えるが、吸引器30は、回収容器10の前段に備えられていてもよい。吸引器30の内部に生理活性物質及び生菌が付着することを抑制できる観点から、吸引器30は、第三の回収容器14の後段に備えられることが好ましい。
本実施形態の回収装置3は、第三の回収容器14の後段に吸引器30を一つ備えるが、回収装置は、吸引器30を2つ以上備えていてもよい。吸引器30を2つ以上備えることで、回収装置は、より多くの大気サンプルを吸引できる。
本実施形態の回収装置3は、第二の回収容器12を囲む冷却器20、第三の回収容器14を囲む冷却器20を備えるが、回収装置の第二、第三の回収容器は、冷却器20を備えていなくてもよい。
1,2,3…回収装置、10…回収容器、12…第二の回収容器、14…第三の回収容器、20…冷却器、30…吸引器、L1〜L9…配管

Claims (6)

  1. 生理活性物質と生菌とを含む気体を、前記生菌の細胞を破壊しない緩衝液に、前記生菌の増殖を抑制できる温度以下で接触させ、前記生理活性物質と前記生菌とを回収する回収容器を備える、回収装置。
  2. 前記回収容器の後段に、前記気体を吸引する吸引器を備える、請求項1に記載の回収装置。
  3. 前記回収容器を複数備える、請求項1又は2に記載の回収装置。
  4. 生理活性物質と生菌とを含む気体を、前記生菌の細胞を破壊しない緩衝液に、前記生菌の増殖を抑制できる温度以下で接触させ、前記生理活性物質と前記生菌とを回収容器に回収する、回収方法。
  5. 前記生理活性物質がエンドトキシンである、請求項4に記載の回収方法。
  6. 前記緩衝液が生理食塩水である、請求項4又は5に記載の回収方法。
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