JP2020132269A - ペレットの保管・輸送方法及びシステム - Google Patents

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信之 大井
Nobuyuki Oi
信之 大井
茂也 林
Shigeya Hayashi
茂也 林
忠弘 植杉
Tadahiro Uesugi
忠弘 植杉
慎一郎 弘岡
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【課題】ペレットの自然発火を防止するとともに、ペレットの保管、輸送を低コストで簡易に行うことを可能とするペレットの保管・輸送方法及びシステムを提供すること。【解決手段】木質又は草本系のペレットを収容し保管するための有蓋コンテナと、前記ペレットを収容した前記有蓋コンテナを、該ペレットの保管場所から消費施設まで輸送するための車両とを具備する。前記車両は、公道を走行可能な車両であり、前記有蓋コンテナは、公道を走行可能な車両に積載可能なサイズを有している。【選択図】 図2

Description

本発明は、ペレットの保管・輸送方法及びシステムに係り、特に、木質ペレット又は草本系(草木系)ペレットの自然発火を防止した保管・輸送方法及びシステムに関する。
近年、化石燃料ではない、原生の生物体を起源とするバイオマスとよばれる資源を燃料として有効利用する技術が開発されている。バイオマスの中でも特に木材等を粉砕し、ペレット状に成形した木質ペレットや草本系ペレットは、家庭用の燃料、工場や発電所等の産業用燃料として広く注目されている。なお、以下の説明において、単に「ペレット」という場合には、特に断らない限り、木質ペレット及び草本系(草木系)ペレットの双方が含まれるものとする。また、草本系、草木系はいずれも樹木以外の植物系バイオマスを指し、以下で草本系と記載する場合は草木系も含むものとする。
しかし、ペレットは化石燃料に比べ発熱量が少ないため、燃料として用いる場合、化石燃料に比べて大量に必要であり、その保管、輸送を効率よく行うことが求められる。また、国内産だけでは足りず、海外から輸入する場合には、貨物船により輸送されてきたペレットを港湾に荷揚げし、貯蔵、備蓄し、ペレットが必要とされる施設まで配送し、そこに保管することが必要である。
このような場合、特にペレットを大量に保管する場合には、特別の注意が必要であった。即ち、特に屋外において山積みの形でペレットを大量に貯蔵するような場合には、次のような問題が生ずることが、非特許文献1において報告されている。
(1)ペレットの水分濃度が高くなると、微生物による発酵熱が生じ、大量に貯蔵されたペレットに発酵熱が蓄熱され、さらに自然酸化が進行して発熱し、最終的にはペレットが発火するに至る。
(2)4種のペレットを用いた基礎実験によると、吸湿性を有するペレットの水分活性値から判断すると、15wt%以上の含有水分でペレットが発酵する可能性が示唆された。また、雰囲気温度が65℃程度になると自然酸化による発熱が生じることが確認された。
また、特許文献1には、発酵熱のみによってはバイオマスの発火温度に達しないため、発酵熱から自然発火に至るまでの正確なメカニズムはいまだ解明されていないとしつつ、バイオマスの水分濃度が所定の範囲内ではバイオマスに付着した微生物によって水素が発生し、水素が爆発限界に達するとバイオマスが自然発火する可能性があることが記載されている。
このような問題を解決するため、特許文献1では、バイオマスを屋外に積み上げるのではなく、収容容器に収納し、収容容器内に収納されたバイオマスの上面よりも鉛直下方から、バイオマスに付着する微生物の増殖限界温度以上の気体を送風する技術が提案されている。
この技術によると、収容容器の底部からバイオマス内を上方に微生物の増殖限界温度の気体が送風されることにより、バイオマスに付着する微生物の増殖を抑制し、かつバイオマス中の水分を低下させることができ、それによって、微生物による水素の発生を抑制することが可能となり、ひいてはバイオマスの大量貯蔵による自然発火を防止することができるとされている。
木質ペレット貯蔵時の自然発火性に関する調査:木本政義他、電力中央研究所報告:M08022
特開2014−118187号公報
しかし、この技術は、収納容器として100トンという大量のバイオマスを収容する大型の専用容器と、微生物の増殖限界温度以上の気体を送風するための特別の設備が必要である。更に、バイオマスの消費施設へ輸送するためには、収納容器からバイオマスを輸送可能な量に小分けする必要があり、保管及び輸送のためのコストが大幅に増加するという問題がある。
また、保管、輸送を複数回繰り返さなければならない場合には、そのたびにペレットの収納容器への収納、排出を繰り返さなければならないため、物流システムが複雑なものとなるという問題がある。
本発明は、以上のような事情の下になされ、ペレットの自然発火を防止するとともに、ペレットの保管、輸送を低コストで簡易に行うことを可能とするペレットの保管・輸送方法及びシステムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、以下の知見を得た。即ち、ペレットを有蓋コンテナに収容することにより、降雨による含水量の増加を防止することで、大量のペレットの堆積による発酵及び蓄熱を抑制することができる。また、有蓋コンテナを公道を走行可能な車両によって運搬可能なサイズとすることで、大量のペレットを収容することによるペレットの自然発熱ひいては自然発火を防止することができる。更にまた、有蓋コンテナを上記サイズとすることにより、ペレットを有蓋コンテナに収容したまま保管、輸送を行うことができるため、ペレットのハンドリング効率を大幅に向上することが可能である。
本発明は、このような知見に基づきなされたものである。
即ち、ペレットの保管・輸送方法に係る本発明の一態様は、有蓋コンテナ内に木質又は草本系のペレットを収容して保管するステップを含み、と、公道を走行可能な車両により、前記ペレットを収容した前記有蓋コンテナを、該ペレットの保管場所から消費施設まで輸送するステップとを含み、前記有蓋コンテナは、公道を走行可能な前記車両に積載可能なサイズを有していることを特徴とするペレットの保管・輸送方法を提供する。
なお、前記保管するステップにおいて、前記ペレットに含まれる水分量は15wt%未満であることが好ましい。
さらに、ペレットの保管・輸送方法において、前記有蓋コンテナにおける前記ペレットの収容量は21トン以下とすることができる。
またさらに、ペレットの保管・輸送方法は、集塵装置を備えるホッパーにより、前記有蓋コンテナにペレットを投入するステップを更に含み、前記有蓋コンテナの屋根部には、開閉可能な受入扉が設けられ、前記有蓋コンテナにペレットを投入するステップは、前記ホッパーから前記有蓋コンテナの受入扉を通して前記有蓋コンテナ内へペレットを投入するものとすることができる。この場合において、集塵装置は、サイクロン式集塵装置であることが好ましい。
また、ペレットの保管・輸送システムに係る本発明の一態様は、ペレットを収容し保管するための有蓋コンテナと、前記ペレットを収容した前記有蓋コンテナを、該ペレットの保管場所から消費施設まで輸送するための車両とを具備し、前記車両は、公道を走行可能な車両であり、前記有蓋コンテナは、公道を走行可能な前記車両に積載可能なサイズを有していることを特徴とするペレットの保管・輸送システムを提供する。
本発明によると、ペレットの自然発火を防止するとともに、ペレットの保管、輸送を低コストで行うことを可能とするペレットの保管・輸送方法及びシステムが提供される。
本発明の一実施形態に用いられる有蓋コンテナの斜視図である。 本発明の一実施形態に係るペレットの保管・輸送システムの概略を示す図であり、図2(a)は、有蓋コンテナ内にペレットを投入する状態を示す図であり、図2(b)は、公道を走行可能な車両により有蓋コンテナを輸送する状態を示す図であり、図2(c)は、消費施設において有蓋コンテナからペレットを抜き出す状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係るペレットの保管・輸送方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係るペレットの保管・輸送システム及び該システムを用いたペレットの保管・輸送方法について、図1〜図3を参照して具体的に説明する。
本発明の一実施形態に係るペレットの保管・輸送システムは、木質ペレット又は草本系ペレット(以下、これらをまとめて「ペレット」という)を収容し、屋外で保管するための有蓋コンテナと、ペレットを収容した有蓋コンテナを、ペレットの保管場所から消費施設まで輸送するための車両とを具備している。また、本実施形態に係るペレットの保管・輸送システムは、有蓋コンテナにペレットを搬入する手段と、有蓋コンテナからペレットを抜き出す手段とを更に具備している。
本実施形態に係るペレットの保管・輸送システムの取り扱いの対象であるペレットとは、一般に、木材等を破砕し、乾燥し、粉砕し、ペレット状に成形したものである。ペレットには、木本系バイオマスから形成される木質ペレットと、草本系バイオマスから形成される草本系ペレットとが含まれる。木質ペレットの原料としては、森林から伐採した木材に限らず、樹皮、おがくず、かんな屑、端材などの木工所の残材や、森林の間伐材も含まれる。また、草本系ペレットの原料としては、例えば、パーム椰子からパーム油を生産した結果生じる空果房(EFB)、バガス、藁、籾殻等が挙げられる。
木材等の破砕物の乾燥は、15wt%以上の含有水分でペレットが発酵する可能性があることから、成形後のペレットの水分量が15wt%未満になるように、好ましくは10wt%以下の水分量になるように行うことが望ましい。
成形されたペレットの寸法は、特に限定されないが、通常は、直径6〜12mm、長さ3〜40mmである。かさ密度も特に限定されないが、通常は600〜800kg/mである。
ペレットを収容する有蓋コンテナの一例を図1に示す。図1において、有蓋コンテナ1は直方体の形状を有しており、その屋根部2には、開閉可能な2つのハッチ3a,3bが設けられている。有蓋コンテナ1は、ハッチ3a,3bを開放状態とすることによりペレットを投入することが可能で、かつ、該ハッチ3a,3bを閉塞状態とすることによりペレットを内部に収容して保管することができる。有蓋コンテナ1の左側端部(長手方向の一方側の端面)には、扉4が設けられており、この扉4を開けることにより有蓋コンテナ1内のペレットを外部に抜き出すことができる。すなわち、扉4は、有蓋コンテナ1からペレットを抜き出す手段として機能することが可能である。
なお、有蓋コンテナ1は、公道を走行可能な車両に積載可能なサイズを有しており、例えば、長さ6058mm、幅2438mm、高さ2896mmである。このサイズは、セミトレーラーに積載可能なサイズであり、例えば20トンのペレットを収容可能である。なお、有蓋コンテナ1におけるペレットの収容量は、21トン以下であることが好ましい。
ただし、上述した特許文献1に記載されているような100トンという大量のバイオマスを収容可能な容器では、サイズが大きすぎて公道を走行可能な車両に乗せることができないため、保管のみのために使用され、輸送にはそれより小さい別のコンテナにペレットを移し変えなければならず、手間とコストがかかるという問題がある。また、それだけでなく、100トンという大量のペレットを収容する場合、蓄熱量が多くなり、特許文献1に記載されているように、微生物の増殖限界温度以上の気体を送風するための設備が必要となる。
次に、本実施形態に係るペレットの保管・輸送システムを用いて行うペレットの保管・輸送方法について説明する。図2は、以上説明した有蓋コンテナ1を用いて、ペレットを保管及び輸送するシステムを示す模式図であり、図3は、該システムを用いて行うペレットの保管・輸送方法を示すフローチャートである。
図2(a)及び図3において、海外又は国内の港から船舶10により大量に輸送されてきたペレットは、船舶10から港湾施設に配置されたホッパー11内に荷揚げされる(S1,S2)。船舶10により輸送されるペレットの量は、例えば1万トン規模である。荷揚げは、クレーンやバケットコンベア等の任意の手段により行うことができる。
次いで、ホッパー11内のペレットは、有蓋コンテナ1の屋根部2の開けられたハッチ3a、3bから有蓋コンテナ1内に投入される(S3)。なお、ホッパー11として集塵装置付専用ホッパーを採用した場合には、ホッパー11への投入時の発塵による環境負荷を低減することができる。また、集塵装置付専用ホッパーに採用される集塵装置は、遠心力を利用して集塵を行うサイクロン式集塵装置であることが好ましい。すなわち、木質ペレット又は草本系ペレットの粉塵は、形状が複雑かつ表面積も大きいため、バグフィルタでは目詰まりを起こす可能性があるが、サイクロン式集塵装置であれば、目詰まりを引き起こすことなく集塵することが可能となる。なおホッパー11に設けられるサイクロンの数はペレットの量やハンドリングの都合に応じて適宜設定することが可能であり、1個または2個であってもよいし、3個以上であってもよい。
なお、15wt%以上の含有水分でペレットが発酵する可能性があることから、有蓋コンテナ1内に収容される前のペレットの含有水分量は、15wt%未満であることが望ましい。含有水分量が15wt%未満であれば、後述するように、その後の保管及び輸送において当初の含有水分量をほぼ維持することができるため、発酵を防止することができる。
ホッパー11からペレットが投入される位置が有蓋コンテナ1の保管位置であるならば、ペレットを収容する有蓋コンテナ1はそのままの位置で保管される(S4)。ホッパー11からペレットが投入される位置が保管位置から離れた場所にあるならば、ペレットを収容する有蓋コンテナ1は、フォークリフトや車両等により保管場所まで運ばれて、そこで保管される。
有蓋コンテナ1は公道を走行可能な車両に積載可能なサイズを有しているので、収容されるペレットの量は少なく、そのため長期間保管したとしても、ペレット内の蓄熱量がそれほど増加することはない。また、有蓋コンテナ1内に保管することで、雨水侵入を防いで長期間の保管中も含有水分を一定以下に保つことができるため、発酵が抑制され、水素ガスの発生が抑えられる。更に、単に有蓋コンテナ1内にそのまま保管することだけでよいため、特別の保管設備を必要とせず、保管コストを抑制することができる。
なお、有蓋コンテナ1が積載される公道を走行可能な車両としては、トラックとトレーラーが連結されたセミトレーラーを用いることができる。有蓋コンテナ1は、セミトレーラーのトレーラー側に積載される。
ペレットを収容する有蓋コンテナ1は、必要な期間保管された後、図2(b)及び図3に示すように、例えば専用のセミトレーラー21により、ペレットが消費される施設、例えば工場や発電所等に輸送される(S5,S6)。この場合、有蓋コンテナ1は、セミトレーラー等の公道を走行可能な車両に積載可能なサイズであるため、従来の大型のコンテナとは異なり、収容されているペレットを小分けして別の小型コンテナに積み替えることなく、そのままセミトレーラー等に積載し、輸送することができる。そのため、ペレットのハンドリング効率を向上させることができる。また、輸送中において、ペレットの量が少ないため蓄熱量を抑制することができ、また、含有水分を一定以下に保つことができるため、発酵が抑制されることは、保管の場合と同様である。
有蓋コンテナ1がセミトレーラー21によりペレットの消費施設に輸送された後、図2(c)及び図3に示すように、ペレットは有蓋コンテナ1から消費施設の屋内に抜き出され(S7)、そこで山積み保管される(S8)。有蓋コンテナ1からのペレットの抜出しは、図1に示す有蓋コンテナ1の扉4を開けることにより行われる。即ち、セミトレーラー21を駆動して有蓋コンテナ1の右側端部5を持ち上げることにより、有蓋コンテナ1は斜めに傾斜し、中に収容されたペレットは自重により扉4が開いた左側開口部から外部に抜き出され、山積みされ、そのまま保管される。なお、本発明者らの試験によると、ペレット(試験では木質ペレットを使用)の抜出しはスムースに行われ、約15分で完了した。
山積み保管は屋内で行われるため雨水侵入による含水量の上昇はなく、また山積み保管されるペレットの量もそれほど多くなく、山積み保管の期間も短いため、蓄熱による温度上昇もない。また、水素ガスの発生もない。そのため、ペレットの自然発火が生ずることはない。
なお、ペレットの消費施設への輸送量は、消費施設におけるペレットの消費量に応じて決定されるため、通常は消費施設に到着後、ただちにペレットが消費施設の屋内に抜き出され、山積み保管されるが、場合によっては、ただちに消費施設の屋内に抜き出されることなく、消費施設の屋外において有蓋コンテナ1内に収容されたまま、一定期間保管されてもよい。
消費施設の屋内で山積み保管されたペレットは、その後、燃料として消費に供されるが(S9)、そのまま燃料として用いられる前に、低温炭化処理に供されてもよい。低温炭化処理とは、従来の600℃以上での炭化処理とは異なり、それより低温の200〜400℃程度で炭化を行う技術である。それにより高熱量化され、燃料としての付加価値を高めることができる。
以上説明した本発明の一実施形態に係るペレットの保管・輸送システムによると、ペレットを所定サイズの有蓋コンテナに所定量収容して、保管及び輸送を行うシステムであるため、水分量及び温度を所定以下に保持することができ、ペレットの自然発火を防止することができる。また、有蓋コンテナに収容したまま保管及び輸送を行うシステムであるため、ハンドリング効率を向上することができる。
以上のような効果を実証するため、以下の保管試験を行った。
[保管試験]
図1に示す有蓋コンテナにペレットを保管し、その間のペレットの物性、性状がどのように変化したかを試験した。なお、この試験で用いたペレットは、木質ペレットである。
木質ペレットとしては国内産の針葉樹ペレット(径6mm、銘建工業社製)を用い、それを20トン、図1に示す有蓋コンテナ1(長さ6058mm、幅2438mm、高さ2896mm)に投入し、有蓋コンテナ1の屋根部2のハッチ3a,3bを閉鎖した状態で、屋外保管した。
木質ペレットの通常の保管期間は2ヶ月程度であるが、本試験では保管期間約5ヶ月(3月〜8月)とし、その間の経過日数ごとの針葉樹ペレットの特性、性状を分析・測定した。分析・測定項目は、水分、かさ密度、機械的強度(DU)、粉化率、固体温度、有蓋コンテナ内部の酸素濃度、降雨量である。なお、かさ密度は、粗の部位と密の部位の双方について測定した。
また、有蓋コンテナ内部の結露の有無及び有蓋コンテナ内部への雨水漏れ込みの有無も併せて目視にて観察した。
分析・測定項目のうち、機械的強度(DU)及び粉化率の詳細は、以下の通りである。
[機械的強度DU]
アメリ力農業工業省規格AS AE S 269.4、およびドイツ工業規格DIN ENb 15210−1に準拠し、以下の式に基づいて求めた。
DU=(m1/m0)×100
式中、m0は回転処理前の試料重量、m1は回転処理後の箭上試料重量である。箭としては円孔径3.15mmの板ふるいを用いた。
[粉化率]
サンプルAkgを3.35mmの篩で篩って、篩上の重量Bkgを測定し、次の式で粉化率を計算で求めた。
粉化率(%)=(1−B/A)×100
以上の測定の結果を下記表1に示す。
なお、有蓋コンテナ内部を観察した結果、どの経過日数においても、結露及び雨水漏れ込みは見られなかった。
Figure 2020132269
上記表1より、以下のことがわかる。
1.保管期間約5ヶ月間で積算して約1,000mmの降雨があったが、水分、かさ密度、機械的強度(DU)及び粉化率のいずれもほぼ経時変化はなかった。数値は、誤差の範囲内であった。
2.固体温度はいずれも常温の範囲内であり、異常な高温は示さなかった。
3.有蓋コンテナ内の酸素濃度は大気と同程度(21%)であり、嫌気性発酵が起こった形跡はなかった。
以上のように、20トンの木質ペレットを、公道を走行可能な車両に積載可能なサイズを有し、雨水の侵入を防止する有蓋コンテナに収容した場合には、通常の保管期間をはるかに超える5ヶ月もの長期にわたり保管しても、木質ペレットの水分量は保管前とそれほど変わらず、また木質ペレットの温度は外気温に応じて変化するのみであり、しかもコンテナ内の酸素濃度はほとんど変化しなかった。これらのことから、長期にわたり保管しても、木質ペレットの自然発火は生じないことが確認できた。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記各実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、有蓋コンテナ1が屋根部2に2つのハッチ3a,3bを有するものとして説明したが、これに限定されず、ペレットを収容し保管することが可能で、かつ、公道を走行可能な車両に積載可能なサイズを有するものであれば、種々のコンテナを採用することが可能である。
また、上述した実施形態では、有蓋コンテナ1が積載される車両がセミトレーラー21であるものとして説明したが、これに限定されず、有蓋コンテナを搬送可能で、かつ、公道を走行可能な車両であれば、種々の車両を採用することが可能である。
1…有蓋コンテナ
2…屋根部
3a,3b…ハッチ
4…扉(有蓋コンテナからペレットを抜き出す手段)
10…船舶
11…ホッパー(有蓋コンテナにペレットを投入する手段)
21…セミトレーラー(公道を走行可能な車両)

Claims (5)

  1. 有蓋コンテナ内に木質又は草本系のペレットを収容して保管するステップと、
    公道を走行可能な車両により、前記ペレットを収容した前記有蓋コンテナを、該ペレットの保管場所から消費施設まで輸送するステップと
    を含み、
    前記有蓋コンテナは、公道を走行可能な前記車両に積載可能なサイズを有している
    ことを特徴とするペレットの保管・輸送方法。
  2. 前記保管するステップにおいて、前記ペレットに含まれる水分量は15wt%未満であることを特徴とする請求項1に記載のペレットの保管・輸送方法。
  3. 前記有蓋コンテナにおける前記ペレットの収容量は21トン以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のペレットの保管・輸送方法。
  4. 集塵装置を備えるホッパーにより、前記有蓋コンテナに前記ペレットを投入するステップを更に含み、
    前記有蓋コンテナの屋根部には、開閉可能な受入扉が設けられ、
    前記有蓋コンテナに前記ペレットを投入するステップは、前記ホッパーから前記有蓋コンテナの受入扉を通して前記有蓋コンテナ内へ前記ペレットを投入する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のペレットの保管・輸送方法。
  5. 木質又は草本系のペレットを収容し保管するための有蓋コンテナと、
    前記ペレットを収容した前記有蓋コンテナを、該ペレットの保管場所から消費施設まで輸送するための車両と
    を具備し、
    前記車両は、公道を走行可能な車両であり、
    前記有蓋コンテナは、公道を走行可能な前記車両に積載可能なサイズを有している
    ことを特徴とするペレットの保管・輸送システム。
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