JP2020131138A - フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】特に、ナノメートルオーダーでの分離の信頼性を高めると共に、分離効率を高める。【解決手段】フィルタ10は、複数の溝22と、これらの溝22の両端開口部に、流体が出入りする複数の第1出入口14A,14Bが形成された板状の一方のプレート14と、一方のプレート14に重ねて結合され、一方のプレート14の厚さ方向において複数の第1出入口14A,14Bと重ならない位置に、流体が出入りする複数の第2出入口12A,12B,12Cが形成された板状の他方のプレート12と、を有し、一方のプレート14の溝22と他方のプレート12とで形成される空間を流体の分離流路16としたものである。【選択図】図1

Description

本発明は、体液中にある、特に、ナノメートルオーダーのエクソソームを分離するフィルタに関する。
濾過用フィルタの製造方法が開示されている(特許文献1参照)。これは、基板上に流路形成膜を形成し、流路形成膜へ基板の表面に沿う複数の溝をエッチングで形成し、各溝を犠牲膜で充填し、犠牲膜を研磨して流路形成膜の表面及び犠牲膜の表面を平坦化し、平坦化された流路形成膜及び犠牲膜の上に流路封止膜を形成し、基板及び流路封止膜のそれぞれの一部にエッチングで流入孔及び流出孔を形成し、流入孔及び流出孔に犠牲膜の一部を露出させ、流入孔及び流出孔を介して犠牲膜を除去し、各濾過用流路を各溝で形成して濾過用フィルタを製造する、という方法である。
特開2014−57934号公報
上記した従来例では、基板上に流路形成膜をCVD、PVD又はALDにより形成し、該流路形成膜に対するエッチングによりフィルタの溝(濾過用流路)を形成している。流路形成膜の一部をエッチングにより除去して溝を形成するため、流路形成膜の厚さは溝(濾過用流路)の深さに対応する。しかしながら、上記CVD等により、流路形成膜の厚さ(溝の深さ)を特にナノメートルオーダーでコントロールすることは難しいと考えられる。
また、このフィルタでは、流入孔と流出孔が1つずつであるため、濾過効率を高めることは難しいと考えられる。
本発明は、特に、細胞内の多胞体(多胞小体)を介して放出されるナノメートルオーダーのエクソソーム(大きさ30nm〜100nm)を体液である流体から分離するのに適した信頼性と分離効率が高いフィルタを提供することを目的とする。
第1の態様に係るフィルタは、複数の溝と、これらの溝の両端開口部に、流体が出入りする複数の第1出入口が形成された板状の一方のプレートと、前記一方のプレートに重ねて結合され、前記一方のプレートの厚さ方向において前記複数の第1出入口と重ならない位置に、前記流体が出入りする複数の第2出入口が形成された板状の他方のプレートと、を有し、前記一方のプレートの前記溝と前記他方のプレートとで形成される空間を前記流体の分離流路としたものである。
このフィルタでは、分離対象の体液である流体が、第2出入口から第1出入口へ、又は第1出入口から第2出入口へ流され、分離流路にて体液である流体から細胞が分離される。このとき、第1出入口と第2出入口とがそれぞれ複数設けられているので、分離効率を高めることができる
第2の態様は、前記溝の深さをナノメートルオーダーとしたものである。従って、ナノメートルオーダーの高さを有する流体の分離流路により、分離流路の高さよりも大きい細胞、赤血球等が捕捉される。これにより、分離流路の高さよりも小さいナノメートルオーダー(大きさ30nm〜100nm)のエクソソームが排出され、ナノメートルオーダーの大きさを基準とした分離を行うことができる。
第3の態様は、第1の態様に係るフィルタにおいて、前記溝は、該溝の延在方向において前記第2出入口に隣接する一方の前記第1出入口側から他方の前記第1出入口側まで連続して形成されている。
このフィルタでは、第2出入口から流体を入れた場合、該流体は直ちに溝に入り、該溝に沿って一方の第1出入口側と他方の第1出入口側とに分岐し、各々の溝に対応する分離流路を通り、一方の第1出入口と他方の第1出入口とからそれぞれ流出する。
また、第1出入口から流体を入れた場合、溝の延在方向において該第1出入口に隣接する一方の第2出入口側と他方の第2出入口側とに分岐し、各々の溝に対応する分離流路を通り、一方の第2出入口と他方の第2出入口とからそれぞれ流出する。このように、流体が分岐して流れるため、分離効率を更に高めることができる。
第4の態様は、第1の態様に係るフィルタにおいて、前記溝は、該溝の延在方向において前記第2出入口に隣接する前記第1出入口の一端側から他端側まで断続的に形成されている。
このフィルタでは、第2出入口から流体を入れた場合、該流体は一方の第1出入口側の溝と、他方の第1出入口側の溝との間の領域に入ってから各々の溝に対応する分離流路に分岐して流入し、該分離流路を通り、一方の第1出入口と他方の第1出入口とからそれぞれ流出する。溝が第2出入口に隣接する一方の第1出入口側と、他方の第1出入口側にそれぞれ独立して形成されているので、溝内のエクソソーム等の排出効率を高め、且つ、流入する流体の圧力損失を低減することができる。
また、第1出入口から流体を入れた場合、該流体は一方の第2出入口側の溝と、他方の第2出入口側の溝との間の領域に入ってから各々の溝に対応する分離流路に分岐して流入し、該分離流路を通り、一方の第2出入口と他方の第2出入口とからそれぞれ流出する。このように、流体が分岐して流れるため、分離効率を更に高めることができる。
第5の態様は、第1〜第4の態様の何れか1態様に係るフィルタにおいて、前記溝の幅が、上流側から下流側に向かって拡大している。
このフィルタでは、溝の幅が、上流側から下流側に向かって拡大しているので、分離流路における溝の幅が狭い部分を通過したエクソソーム等を、その後円滑に流すことができる。このため、分離流路における詰まりが抑制される。
本発明によれば、体液である流体から、特にナノメートルオーダーのエクソソームを分離する信頼性と分離効率を高めることができる。
第1実施形態に係る矩形状のフィルタを示す分解斜視図である。 矩形状のフィルタを示す斜視図である。 (A)は、図2における3A−3A矢視断面図である。(B)は、図2における3B−3B矢視断面図である。(C)は、図2における3C−3C矢視断面図である。(D)は、図2における3D−3D矢視断面図である。 矩形状のフィルタにおいて、分離時における流体の流れを示す斜視図である。 第1実施形態において、矩形状のフィルタの変形例1を示す分解斜視図である。 矩形状のフィルタの変形例1を示す斜視図である。 矩形状のフィルタの変形例1において、分離時における流体の流れを示す斜視図である。 第1実施形態において、矩形状のフィルタの変形例2を示す分解斜視図である。 矩形状のフィルタの変形例2を示す斜視図である。 (A)は、矩形状のフィルタの変形例2において、分離時における流体の流れを示す斜視図である。(B)は、溝を通過する細胞を示す拡大平面図である。 第2実施形態に係る円盤状のフィルタを示す分解斜視図である。 円盤状のフィルタを示す斜視図である。 第3実施形態に係る円盤状のフィルタにおいて、一方のプレートと他方のプレートを示す平面図である。 円盤状のフィルタを示す平面図である。 図14における15−15矢視拡大断面図である。 一方のプレートを示す部分拡大平面図である。 円盤状のフィルタの変形例を示す断面図である。 円盤状のフィルタの変形例において、一方のプレートを示す、図15に相当する部分拡大斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態として、流体(体液)中にあるエクソソームを分離するフィルタを図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1から図10において、本実施形態に係るフィルタ10は、一方のプレート14と、他方のプレート12とを有し、一方のプレート14の溝と他方のプレート12とで形成される空間が、例えばナノメートルオーダーの高さhを有する分離流路16(図3(C))とされている。図1から図10には、矩形状のフィルタ10が示されている。これらの図において、一方のプレート14は下側に位置し、他方のプレート12は上側に位置している。
一方のプレート14は、板状に形成され、例えばナノメートルオーダーの深さの溝22が電鋳金属を用いて断続的に形成されている。電鋳金属の素材は、例えばニッケル、ニッケル合金、銅、金、白金、パラジウムである。
一方のプレート14における溝22の端部には、該一方のプレート14の厚さ方向に貫通し、流体が出入りする複数の第1出入口、例えば2箇所の第1出入口14A,14Bが形成されている。溝22は、例えばLIGA(Lithogaphie Galvanoformung Abfomung)技術を利用することによって作製することができる(服部正、表面技術、Vol. 62, No. 12, 619-624, 2011; W. Elufeld and H. Lhe, Radiat. Phys. Chem., 45(3): 340-365, 1995)。
溝22としては、例えば一端側の溝22A,中央の溝22B,他端側の溝22Cが形成されている。この溝22は、断面矩形に形成されている。溝22の深さ及び幅は、例えばそれぞれ一定とされている。第1出入口14Aは、一端側の溝22Aと中央の溝22Bとの間に形成されている。また、第1出入口14Bは、中央の溝22Bと他端側の溝22Cとの間に形成されている。
一方のプレート14には、溝22Aによって区画された陸部24Aと、溝22Bによって区画された陸部24Bと、溝22Cによって区画された陸部24Cと、一方のプレート14の幅方向の両側に形成された陸部26とがそれぞれ形成されている。陸部26は、長手方向の全長に渡って連続して延びている。第1出入口14A,14Bは、両側の陸部26より一方のプレート14の幅方向の内側に形成されている。溝22は、陸部24A〜24Cと陸部26との間にも形成されている。陸部24A〜24C,26の上面は、同一平面上に位置する平面状にそれぞれ形成されている。
尚、一方のプレート14の全体がLIGA技術により作製されていてもよいし、溝22の部分がLIGA技術により作製されていてもよい。後者の場合、第1出入口14A,14Bが形成された基板(図示せず)に、溝22に相当する部分以外に電鋳金属を積層することで、溝22を形成することができる。この基板の材質は、導電性のある金属であればよく、電鋳金属に限られない。例えば、MEMS技術によるシリコン樹脂又はPMMAアクリル樹脂でも良い。
図1から図3に示されるように、他方のプレート12は、一方のプレート14に重ねて結合されている。具体的には、他方のプレート12の平面的な外形寸法は、例えば一方のプレート14と同一である。他方のプレート12は、一方のプレート14における陸部24A〜24C,26の上面に、接着等により接合されている。他方のプレート12においては、一方のプレート14の厚さ方向において該一方のプレート14の第1出入口14A,14Bと重ならない位置に、該厚さ方向に貫通し、流体が出入りする複数の第2出入口、例えば3箇所の第2出入口12A〜12Cが形成されている。他方のプレート12の長手方向において、第2出入口12A,12Bの間と、第2出入口12B,12Cの間は、それぞれ非貫通部12D,12Eである。図3(A),(B)に示されるように、非貫通部12Dは第1出入口14Aを覆い、非貫通部12Eは第1出入口14Bを覆っている。非貫通部12Dは、陸部24Aの第1出入口14A側の端部と、陸部24Bの第1出入口14A側の端部とにそれぞれ重なっている。非貫通部12Eは、陸部24Bの第1出入口14B側の端部と、陸部24Cの第1出入口14B側の端部とにそれぞれ重なっている。この重なり部分に、分離流路16が形成されている。
尚、他方のプレート12の材質は、金属であっても樹脂であってもよい。金属の場合、電鋳金属であってもよいし、電鋳金属でなくてもよい。樹脂の場合、MEMS技術によるシリコン樹脂又はPMMAアクリル樹脂が好ましい。
第1出入口14A,14B及び第2出入口12A,12B,12Cは、それぞれ例えば矩形に形成され、フィルタ10の長手方向にそれぞれ一列に配置されている。第1出入口14A,14Bの形状及び開口面積は、例えば互いに同一とされている。また、第2出入口12A,12B,12Cの形状及び開口面積も、例えば互いに同一とされている。
溝22は、該溝22の延在方向において、例えば中央の第2出入口12Bに隣接する一方の第1出入口14A側と他方の第1出入口14B側との間で連続的に形成されている。第2出入口12A,12Cよりも長手方向の端部側には第1出入口が存在しないので、流体は溝22(分離流路16)の端部から流出可能となっている。なお、流体がこの端部から流出することを抑制するために、フィルタ10の長手方向の両端において、分離流路16が閉塞されていてもよい。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図4において、本実施形態に係るナノフィルタ10では、分離対象の体液である流体が、第2出入口12A,12B,12Cから第1出入口14A,14Bへ、又は第1出入口14A,14Bから第2出入口12A,12B,12Cへ流される。このとき、ナノメートルオーダーの高さを有する分離流路16により、分離流路16の高さh(図3(C))よりも大きい例えばマイクロメートルオーダー(大きさ8μm程度)の末梢循環腫瘍細胞又は希少細胞、赤血球等(図示せず)等が捕捉される。これにより、ナノメートルオーダー(大きさ30nm〜100nm)のエクソソームを流体である体液から分離することができ、ナノメートルオーダーでの分離の信頼性を高めることができる。また、第2出入口12A,12B,12Cと第1出入口14A,14Bとがそれぞれ複数設けられているので、分離効率を高めることができる。
具体的には、中央の第2出入口12Bから流体を入れた場合、該流体は直ちに中央の溝22Bに入り、該溝22Bに沿って一方の第1出入口14A側と他方の第1出入口14B側とに分岐し、各々の溝22Bに対応する分離流路16を通り、一方の第1出入口14Aと他方の第1出入口14Bとからそれぞれ流出する(矢印FB1方向及び矢印FB2方向)。
第2出入口12Aから流体を入れた場合、該流体は直ちに一端側の溝22Aに入り、該溝22Aに対応する分離流路16を通り、第1出入口14Aから流出する(矢印FA方向)。このとき、第2出入口12Aに対して第1出入口14A側と反対側にも分離流路16が形成されているので、該分離流路16から流体が流出してもよい。この端部の分離流路16が塞がれている場合には、第2出入口12Aから入れられた流体は、第1出入口14Aから流出する。
第2出入口12Cから流体を入れた場合、該流体は直ちに他端側の溝22Cに入り、該溝22Cに対応する分離流路16を通り、第1出入口14Bから流出する(矢印FC方向)。このとき、第2出入口12Cに対して第1出入口14B側と反対側にも分離流路16が形成されているので、該分離流路16から流体が流出してもよい。この端部の分離流路16が塞がれている場合には、第2出入口12Cから入れられた流体は、第1出入口14Bから流出する。
逆に、第1出入口14Aから流体を入れた場合、溝22の延在方向において該第1出入口14Aに隣接する一方の第2出入口12A側と他方の第2出入口12B側とに分岐し、各々の溝22A,22Bに対応する分離流路16を通り、一方の第2出入口12Aと他方の第2出入口12Bとからそれぞれ流出する(矢印RA方向及び矢印RB1方向)。
第1出入口14Bから流体を入れた場合、溝22の延在方向において該第1出入口14Bに隣接する一方の第2出入口12B側と他方の第2出入口12C側とに分岐し、各々の溝22B,22Cに対応する分離流路16を通り、一方の第2出入口12Bと他方の第2出入口12Cとからそれぞれ流出する(矢印RB2方向及び矢印RC方向)。第2出入口12Bでは、第1出入口14Aから流れて来た流体と、第1出入口14Bから流れてきた流体とが合流する(矢印RB1方向及び矢印RB2方向)。
本実施形態では、このように流体が分岐したり合流したりしながら流れるため、分離効率を更に高めることができる。また、フィルタ10には、使用上の表裏がなく、どちらからでも流体を流して分離を行うことが可能である。
(変形例1)
図5から図7において、変形例1に係るフィルタ10では、第2出入口12Bに対応する中央の溝22Bが、該溝22Bの延在方向において第2出入口12Bに隣接する一方の第1出入口14A側と、他方の第1出入口14B側にそれぞれ独立して形成されている。具体的には、陸部24Bが第1出入口14A側と他方の第1出入口14B側とに分断されており、双方の陸部24Bの間の領域には溝22Bが形成されていない。この領域には、溝22Bの深さと同じ高さ位置にある平面28Bが形成されている。換言すれば、溝22Bの底と平面28Bとは、互いに連続している。
第2出入口12Aに対応する一端側の溝22Aは、該溝22Aの延在方向において第2出入口12Aに隣接する第1出入口14A側と、その反対側にそれぞれ独立して形成されている。具体的には、陸部24Aが第1出入口14A側とその反対側とに分断されており、双方の陸部24Aの間の領域には溝22Aが形成されていない。この領域には、溝22Aの深さと同じ高さ位置にある平面28Aが形成されている。換言すれば、溝22Aの底と平面28Aとは、互いに連続している。
第2出入口12Cに対応する他端側の溝22Cは、該溝22Cの延在方向において第2出入口12Cに隣接する第1出入口14B側と、その反対側にそれぞれ独立して形成されている。具体的には、陸部24Cが第1出入口14B側とその反対側とに分断されており、双方の陸部24Cの間には溝22Cが形成されていない。双方の陸部24Cの間の領域には、溝22Cの深さと同じ高さ位置にある平面28Cが形成されている。換言すれば、溝22Cの底と平面28Cとは、互いに連続している。
図7において、変形例1に係るフィルタ10では、中央の第2出入口12Bから流体を入れた場合、該流体は、一方の第1出入口14A側の溝22Bと、他方の第1出入口14B側の溝22Bとの間の領域(平面28B)に入ってから、各々の溝22Bに対応する分離流路16に分岐して流入し、該分離流路16を通り、一方の第1出入口14Aと他方の第1出入口14Bとからそれぞれ流出する(矢印FB1方向及び矢印FB2方向)。溝22Bが第2出入口12Bに隣接する一方の第1出入口14A側と、他方の第1出入口14B側にそれぞれ独立して形成されているので、溝内のエクソソームの排出効率を高め、且つ、流入する流体の圧力損失を低減することができる。
第2出入口12Aから流体を入れた場合、該流体は平面28Bから中央の溝22Aに入り、該溝22Aに対応する分離流路16を通り、第1出入口14Aから流出する(矢印FA方向)。このとき、第2出入口12Aに対して第1出入口14A側と反対側にも分離流路16が形成されているので、該分離流路16から流体が流出してもよい。この端部の分離流路16が塞がれている場合には、第2出入口12Aから入れられた流体は、第1出入口14Aから流出する。
第2出入口12Cから流体を入れた場合、該流体は平面28Cから一端側の溝22Cに入り、該溝22Cに対応する分離流路16を通り、第1出入口14Bから流出する(矢印FC方向)。このとき、第2出入口12Cに対して第1出入口14B側と反対側にも分離流路16が形成されているので、該流分離路16から流体が流出してもよい。この端部の分離流路16が塞がれている場合には、第2出入口12Cから入れられた流体は、第1出入口14Bから流出する。
逆に、第1出入口14Aから流体を入れた場合、溝22の延在方向において該第1出入口14Aに隣接する一方の第2出入口12A側と他方の第2出入口12B側とに分岐し、各々の溝22A,22Bに対応する分離流路16を通り、一方の第2出入口12Aと他方の第2出入口12Bとからそれぞれ流出する(矢印RA方向及び矢印RB1方向)。
第1出入口14Bから流体を入れた場合、溝22の延在方向において該第1出入口14Bに隣接する一方の第2出入口12B側と他方の第2出入口12C側とに分岐し、各々の溝22B,22Cに対応する分離流路16を通り、一方の第2出入口12Bと他方の第2出入口12Cとからそれぞれ流出する(矢印RB2方向及び矢印RC方向)。第2出入口12Bでは、第1出入口14Aから流れて来た流体と、第1出入口14Bから流れてきた流体とが合流する(矢印RB1方向及び矢印RB2方向)。
(変形例2)
図8から図10において、変形例2に係るフィルタ10では、変形例1に係るフィルタ10において、中央の溝22Bの幅が、上流側から下流側、具体的には第2出入口12B側から第1出入口14A,14B側に向かってそれぞれ拡大している。本変形例では、第2出入口12A,12B,12Cが上流側であり、第1出入口14A,14Bが下流側である。平面28Bより第1出入口14A側の溝22Bの幅は、平面28B側から第1出入口14A側に向かって漸増している。また、平面28Bより第1出入口14B側の溝22Bの幅は、平面28B側から第1出入口14Bに向かって漸増している。なお、溝22A,22B,22Cの溝壁は、直線状に限られず、曲線状であってもよい。
同様に、溝22Aの幅も、第2出入口12A側から第1出入口14A側及びその反対側に向かってそれぞれ拡大している。溝22Cの幅も、第2出入口12C側から第1出入口14B側及びその反対側に向かってそれぞれ拡大している。
本変形例では、溝22の幅が上流側から下流側に向かって拡大しているので、図10(B)において中央の溝22Bを例に挙げると、分離流路16における溝22Bの幅が最も狭い部分を通過したエクソソーム18を、その後円滑に流すことができる。溝22Bの幅が拡大することで、エクソソーム18と溝22Bの溝壁との接触が抑制されるので、摩擦が低減される。このため、分離流路16における詰まりが抑制される。
尚、溝22の最小幅と、溝22の深さとは、同一に設定されていてもよい。
[第2実施形態]
図11、図12において、本実施形態に係るフィルタ20は、円盤状に形成されている。フィルタ20は、一方のプレート34の上に他方のプレート32を重ねて接合して構成されている。他方のプレート32及び一方のプレート34は、例えば互いに同一外径の円盤状に形成されている。他方のプレート32には、第2出入口32Aが行列状に配置されている。第2出入口32Aは、第1実施形態の第2出入口12A,12B,12Cを更に多数配列したものに相当する。また、一方のプレート34には、第1出入口34Aが行列状に配置されている。第1出入口34Aは、第1実施形態の第1出入口14A,14Bを更に多数配列したものに相当する。一方のプレート34には、第1実施形態と同様に、溝22が第1出入口34Aの幅方向に直線状に形成されている。
このフィルタ20では、第1出入口34A及び第2出入口32Aを高密度に配置できるので、分離効率を更に高めることができる。
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
[第3実施形態]
図13、図14において、本実施形態に係るフィルタ30は円盤状に形成されている。フィルタ30は、一方のプレート44の上に他方のプレート42を重ねて接合して構成されている。他方のプレート42及び一方のプレート44は、例えば互いに同一外径の円盤状に形成されている。
他方のプレート42には、第2出入口42Aが略同心の円弧状に配置されている。他方のプレート42には、例えば2本の桟42Bが一体的に形成されている。2本の桟42Bは、他方のプレート42の中心において互いに直交している。この桟42Bにより、同一曲率半径の第2出入口42Aが、周方向の4か所で分断されている。これによって4か所の第2出入口42Aが、周方向に断続的に形成されている。第2出入口42Aは、第1実施形態の第2出入口12A,12B,12Cを他方のプレート42の径方向に更に多く配列したものに相当する。
一方のプレート44には、第1出入口44Aが略同心の円弧状に配置されている。一方のプレート44には、例えば2本の桟44Bが一体的に形成されている。2本の桟44Bは、一方のプレート44の中心において互いに直交している。この桟44Bにより、同一曲率半径の第1出入口44Aが、周方向の4か所で分断されている。これによって4か所の第1出入口44Aが、周方向に断続的に形成されている。第1出入口44Aは、第1実施形態の第1出入口14A,14B,14Cを一方のプレート44の径方向に更に多く配列したものに相当する。
一方のプレート44には、第1実施形態と同様の溝22が、第1出入口44Aの幅方向に直線状に形成されている。換言すれば、溝22は、一方のプレート44の径方向に放射状に形成されている。
図15に示されるように、第2出入口42Aは、第1出入口44Aと重ならない位置に形成されている。換言すれば、第2出入口42Aは、溝22と重なる位置に形成されている。他方のプレート42の非貫通部42Cが、第1出入口44Aに重なっている。この非貫通部42Cは、該第1出入口44Aの径方向内側の陸部44Cと、径方向外側の陸部44Cとに跨っている。
互いに径方向に隣り合う第1出入口44Aの間に位置する溝22の幅Wは、図16に示されるように、例えば一定である。この溝22の幅については、最も径方向内側の第1出入口44Aより更に径方向内側に位置する溝22や、最も径方向外側の第1出入口44Aより更に径方向外側に位置する溝22についても同様である。
図15において、第2出入口42Aから流体を入れた場合、該流体は直ちに溝22に入り、該溝22に沿って一方の第1出入口44A側と他方の第1出入口44A側とに分岐し、各々の溝22に対応する分離流路16を通り、一方の第1出入口44Aと他方の第1出入口44Aとからそれぞれ流出する(矢印F方向)。
逆に、第1出入口44Aから流体を入れた場合、溝22の延在方向において該第1出入口44Aに隣接する一方の第2出入口42A側と他方の第2出入口42A側とに分岐し、各々の溝22に対応する分離流路16を通り、一方の第2出入口42Aと他方の第2出入口42Aとからそれぞれ流出する(矢印R方向)。
本実施形態でも、このように流体が分岐したり合流したりしながら流れるため、分離効率を更に高めることができる。
(変形例)
尚、図17に示されるように、一方のプレート46における溝22の幅が、径方向外側に向かって拡大していてもよい。この溝22の構成は、図8から図10における溝22と同様である。溝22の最小幅と溝22の深さとが、互いに同一に設定されていてもよい。溝22と、該溝22により区画される陸部48は、一方のプレート46のうち径方向に互いに隣接する2箇所の第1出入口46Aの間の領域において、径方向外側に位置する。当該領域の径方向内側には、陸部46Bが周方向に延設されている。陸部46B,48の間の領域には、溝22の深さと同じ高さ位置にある平面50が形成されている。換言すれば、溝22の底と平面50とは、互いに連続している。
陸部46B,48の高さは例えば同一であるので、陸部46B,48の双方が、平板状の他方のプレート42の下面に当接することができる(図18)。他方のプレート42の非貫通部42Cを基準にすると、該非貫通部42Cの径方向内側端は陸部48に当接し、径方向外側端は陸部46Bに当接する。なお、第1出入口46Aの構成は、図13における第1出入口42Aと同様である。
図18において、第2出入口42Aから流体を入れた場合、該流体は平面50からその径方向外側の溝22に入り、該溝22に対応する分離流路16を通り、第1出入口46Aから流出する(矢印F方向)。陸部46Bにより平面50から径方向内側への流体の流れは妨げられるので、合流や分岐はない。
本変形例は、第1実施形態の変形例2と同様に、溝22の幅が拡大することで、エクソソーム18と溝22の溝壁との接触が抑制されるので(図10参照)、摩擦が低減される。このため、分離流路16における詰まりが抑制される。
尚、一方のプレート46の径方向における溝22(陸部48)と陸部46Bの配置は、上記と逆であってもよい。つまり、溝22(陸部48)が径方向内側に位置し、陸部46Bが径方向外側に位置してもよい。その場合、溝22の幅は、径方向内側に向かって拡大する。
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
本発明のフィルタは、上述したとおり、溝の深さ(分離流路の高さ)をナノメートルオーダー(大きさ30nm〜100nm)に設定すればエクソソームを体液である流体から分離できるため、電鋳技術を用いてもフィルタにナノメートルオーダーの微細な孔を作製するのが困難であった問題を解消することができ、医療・バイオ分野におけるエクソソームの検体に極めて有用である。
また、ナノメートルオーダーの粒子は、エクソソーム以外に、工業分野における金属ナノ粒子(金ナノ粒子、銀ナノ粒子、ニッケルナノ粒子、酸化鉄等の磁性ナノ粒子)、有機系ナノ粒子(アクリル系、スチレン系等)、セラミックナノ粒子等があり、これらの粒子も本発明のフィルタで分離することができるため、工業分野においても極めて有用である。
10 フィルタ
12 他方のプレート
12A 第2出入口
12B 第2出入口
12C 第2出入口
14 一方のプレート
14A 第1出入口
14B 第1出入口
16 分離流路
20 フィルタ
22 溝
22A 一端側の溝
22B 中央の溝
22C 他端側の溝
30 フィルタ
32 他方のプレート
32A 第2出入口
34 一方のプレート
34A 第1出入口
42 他方のプレート
42A 第2出入口
44 一方のプレート
44A 第1出入口
46 一方のプレート
46A 第1出入口

Claims (5)

  1. 複数の溝と、これらの溝の両端開口部に、流体が出入りする複数の第1出入口が形成された板状の一方のプレートと、
    前記一方のプレートに重ねて結合され、前記一方のプレートの厚さ方向において前記複数の第1出入口と重ならない位置に、前記流体が出入りする複数の第2出入口が形成された板状の他方のプレートと、
    を有し、
    前記一方のプレートの前記溝と前記他方のプレートとで形成される空間を前記流体の分離流路としたフィルタ。
  2. 前記溝の深さがナノメートルオーダーである請求項1に記載のフィルタ。
  3. 前記溝は、該溝の延在方向において前記第2出入口に隣接する一方の前記第1出入口側から他方の前記第1出入口側まで連続して形成されている請求項1に記載のフィルタ。
  4. 前記溝は、該溝の延在方向において前記第2出入口に隣接する一方の前記第1出入口側から他方の前記第1出入口側にそれぞれ独立して形成されている請求項1に記載のフィルタ。
  5. 前記溝の幅は、上流側から下流側に向かって拡大している請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のフィルタ。
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