JP2020130498A - Mriを利用してcsf抑制画像を合成するための画像処理装置、プログラムおよび画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】合成によって得られるCSF抑制画像の精度を改善する。【解決手段】被検体に対する一連の磁気共鳴撮像(MRI)によるMR画像から抽出された緩和率または緩和時間、およびプロトン密度の定量値マップデータを取得する定量値データ取得部と、線形変換および非線形変換を含むニューラルネットワークモデルを用いて定量値マップデータからCSF抑制画像を合成する画像合成部とを備える画像処理装置が提供される。ニューラルネットワークモデルは、例えば定量値マップデータを入力データとしFLAIR画像を出力データとする学習によって構築される。【選択図】図1
Description
本発明は、MRIを利用してCSF抑制画像を合成するための画像処理装置、プログラムおよび画像処理方法に関する。
磁気共鳴撮像(MRI:Magnetic Resonance Imaging)は、核磁気共鳴現象を利用してプロトン(H+)のさまざまな物理状態を画像化する手法である。MRIによって得られる画像として、例えば、磁気ベクトルに対して平行な方向の緩和時間を画像化したT1強調像や、磁気ベクトルに対して垂直な方向の緩和時間を画像化したT2強調像などが知られている。MRIに関する技術は、例えば特許文献1などに記載されている。
従来、MRIでは、描出したいプロトンの物理状態に応じて撮像条件を設定していた。この場合、上記のT1強調像やT2強調像は、それぞれ別に実施されるMR撮像によって取得される。これに対して、非特許文献1では、数分程度の撮像で得られる数枚の画像を合成することによってT1強調像やT2強調像など、任意のコントラスト強調像を得る、Synthetic MRIと呼ばれる技術が提案されている。これによって、複数のコントラスト強調像を別々に撮像する必要がなくなり、撮像による被検者の負担が軽減されるとともに、合成によって得られるコントラスト強調像の間には位置ずれがないためスクリーニングも容易になる。
Warntjes JB,Leinhard OD,West J,Lundberg P,"Rapid magnetic resonance quantification on the brain: Optimization for clinical usage",Magnetic Resonance in Medicine,Vol. 60,pp. 320-329,2008
上述したSynthetic MRIでは、FLAIR(Fluid Attenuated IR)法を用いたMRIによって取得されるFLAIR画像に相当するCSF(cerebrospinal fluid)抑制画像を合成することも可能である。しかしながら、Synthetic MRIで合成されるCSF抑制画像は、従来のFLAIR画像に比べて精度が低く、臨床応用が難しいという問題があった。Synthetic MRIでは、複数の元画像にBloch方程式をあてはめ、数値最適化によって緩和率または緩和時間、およびプロトン密度に関するパラメータを求め、これらのパラメータを用いた内挿(または外挿)によって任意のコントラスト強調像を合成する。この点に関し、CSF抑制画像の合成では、Bloch方程式が現実には誤差の影響で成り立たなかったり、数値最適化において誤差が発生したりすることによる影響が顕著になっていると考えられる。
そこで、本発明は、合成によって得られるCSF抑制画像の精度を改善することが可能な、新規かつ改良された画像処理装置、プログラムおよび画像処理方法を提供することを目的とする。
本発明のある観点によれば、被検体に対する一連の磁気共鳴撮像(MRI)によるMR画像から抽出された緩和率または緩和時間、およびプロトン密度の定量値マップデータを取得する定量値データ取得部と、線形変換および非線形変換を含むニューラルネットワークモデルを用いて定量値マップデータからCSF抑制画像を合成する画像合成部とを備える画像処理装置が提供される。
本発明の別の観点によれば、被検体に対する一連の磁気共鳴撮像(MRI)によるMR画像から抽出された緩和率または緩和時間、およびプロトン密度の定量値マップデータを取得する定量値データ取得部と、被検体に対するFLAIR法を用いたMRIによって取得されたFLAIR画像を取得するFLAIR画像取得部と、FLAIR画像を用いた学習によって、定量値マップデータからCSF抑制画像を合成するための線形変換および非線形変換を含むニューラルネットワークモデルを構築するモデル構築部とを備える画像処理装置が提供される。
上記の構成によれば、ニューラルネットワークモデルの入力データとしてMR画像から抽出された定量値マップデータを用いることによって、MRI装置の機種や撮像条件による入力データのばらつきが小さくなり、例えば十分な数の入力データを確保することで合成されるCSF抑制画像の精度を効果的に改善することができる。なお、ニューラルネットワークモデルを構築する画像処理装置は、CSF抑制画像の合成を行う画像処理装置と同じ装置であってもよいし、異なる装置であってもよい。また、上記のような画像処理装置としてコンピュータを機能させるように構成されたプログラムが提供されてもよい。
本発明のさらに別の観点によれば、第1の被検体に対する一連の磁気共鳴撮像(MRI)によるMR画像から抽出された緩和率または緩和時間、およびプロトン密度の第1の定量値マップデータを取得するステップと、第1の被検体に対するFLAIR法を用いたMRIによって取得されたFLAIR画像を取得するステップと、FLAIR画像を用いた学習によって、第1の定量値マップデータからCSF抑制画像を合成するための線形変換および非線形変換を含むニューラルネットワークモデルを構築するステップと、第2の被検体に対する一連のMRIによるMR画像から抽出された緩和率または緩和時間、およびプロトン密度の第2の定量値マップデータを取得するステップと、ニューラルネットワークモデルを用いて第2の定量値マップデータからCSF抑制画像を合成するステップとを含む画像処理方法が提供される。
定量値マップデータからCSF抑制画像を合成するためにニューラルネットワークモデルを利用する場合、上記のように合成モデルを構築するための学習段階と、構築されたモデルを利用した合成段階とを含む一連の画像処理方法が実行されることになる。学習段階と合成段階とは、同じ装置で実行されてもよいし、それぞれ異なる装置で実行されてもよい。
上記のように、本発明によれば、合成によって得られるCSF抑制画像の精度を改善することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
(システム構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置を含むシステムの概略的な構成を示すブロック図である。図1に示されたシステム10は、MRI装置100と、画像処理装置200と、記憶装置300と、表示装置400とを含む。なお、MRI装置100、記憶装置300、および表示装置400については、一般的なものを利用することが可能であるため、詳細な説明は省略する。システム10に含まれる2つ以上の装置は、一体的に実装されてもよい。具体的には、例えば、画像処理装置200がMRI装置100に組み込まれていてもよい。また、例えば、画像処理装置200、記憶装置300および表示装置400が単一の装置によって実装されてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置を含むシステムの概略的な構成を示すブロック図である。図1に示されたシステム10は、MRI装置100と、画像処理装置200と、記憶装置300と、表示装置400とを含む。なお、MRI装置100、記憶装置300、および表示装置400については、一般的なものを利用することが可能であるため、詳細な説明は省略する。システム10に含まれる2つ以上の装置は、一体的に実装されてもよい。具体的には、例えば、画像処理装置200がMRI装置100に組み込まれていてもよい。また、例えば、画像処理装置200、記憶装置300および表示装置400が単一の装置によって実装されてもよい。
画像処理装置200は、MR画像取得部210、定量値データ抽出部220、FLAIR画像取得部230、モデル構築部240、および画像合成部250を含む。画像処理装置200の各部は、例えば後述するようなコンピュータのハードウェア構成を用いて実装される。以下、各部の構成について説明する。
MR画像取得部210およびFLAIR画像取得部230は、例えばMRI装置100からデータを受信する通信装置、またはリムーバブルメディアに格納されたデータを読み出すドライバによって実装される。本実施形態において、MR画像取得部210は、上述したSynthetic MRI用に撮像されたMR画像211を取得する。MR画像211は、所定のパルスシーケンス(例として、QRAPMASTER (quantification of relaxation times and proton density by multiecho acquisition of a saturation-recovery using turbo spin-echo readout)および3D-QALAS(3D-quantification using an interleaved Look-Locker acquisition sequence with T2 preparation pulse))で撮像された複数の画像データを含む。一方、FLAIR画像取得部230は、MR画像211と同一の被検体に対するFLAIR法を用いたMRIによって取得されたFLAIR画像231を取得する。FLAIR法を用いたMRIは、MRI装置100において、MR画像211を取得するSynthetic MRI用の撮像とは別に実施される。あるいは、FLAIR法を用いたMRIと、MR画像211を取得するSynthetic MRI用の撮像とは、それぞれ異なるMRI装置を用いて実施されてもよい。
定量値データ抽出部220は、MR画像取得部210が取得したMR画像211をプログラムに従って処理するプロセッサによって実装される。定量値データ抽出部220は、MR画像211から定量値マップデータ221を抽出する。定量値マップデータ221は、一般的なSynthetic MRIにおいて抽出される緩和率R1,R2およびプロトン密度PDの定量値のマップである。あるいは、定量値マップデータ221は、緩和時間T1,T2およびプロトン密度PDの定量値のマップであってもよい。
モデル構築部240は、定量値マップデータ221およびFLAIR画像231をプログラムに従って処理するプロセッサによって実装される。具体的には、モデル構築部240は、FLAIR画像231を用いた学習によって、定量値マップデータ221からFLAIR画像231に相当するCSF抑制画像を合成するためのニューラルネットワークモデル241を構築する。ここで、ニューラルネットワークモデル241は、定量値マップデータ221を入力データ、CSF抑制画像231を出力データとし、少なくとも1階層の線形変換および非線形変換を含む。ニューラルネットワークモデル241の階層が深い場合、モデル構築部240はいわゆる深層学習を実行することになる。また、ニューラルネットワークモデル241が畳み込み演算を含む場合、モデル構築部240はいわゆるCNN(convolutional neural network)を実行することになる。モデル構築部240は、例えば、定量値マップデータ221およびFLAIR画像231の組を用いた学習によって構築されたニューラルネットワークモデル241の重み係数などのパラメータを記憶装置300に格納する。モデル構築部240は、記憶装置300に格納されているパラメータを読み出すことによって、ニューラルネットワークモデル241を再構築し、多数の定量値マップデータ221およびFLAIR画像231の組について継続的および段階的に学習を実行することができる。
画像合成部250は、定量値データ抽出部220によって新たに抽出された定量値マップデータ221をプログラムに従って処理するプロセッサによって実装される。新たに抽出された定量値マップデータ221とは、例えば、モデル構築部240によるニューラルネットワークモデル241の構築に用いられたものとは異なる被検体について撮像された、または同じ被検体でも異なる時期に撮像されたMR画像211から抽出された定量値マップデータ221を意味する。画像合成部250は、ニューラルネットワークモデル241を用いて、新たに抽出された定量値マップデータ221からCSF抑制画像251を合成する。このとき、画像合成部250は、例えば記憶装置300に格納されたパラメータを読み出すことによって、モデル構築部240が構築したニューラルネットワークモデル241を再構築することができる。合成されたCSF抑制画像251は、記憶装置300に格納されてもよく、また表示装置400に表示されてもよい。
本実施形態に係るシステム10では、上記のような手順によってCSF抑制画像251が合成される。なお、上記の例では単一の画像処理装置200において学習段階と合成段階とが実行されるが、各段階は別個の画像処理装置で実行されてもよい。この場合、学習段階を実行する第1の画像処理装置(MR画像取得部210、定量値データ抽出部220、FLAIR画像取得部230、およびモデル構築部240を備える)と、合成段階を実行する第2の画像処理装置(MR画像取得部210、定量値データ抽出部220、および画像合成部250を備える)とが別個の装置として実装されてもよい。
本実施形態において、合成されたCSF抑制画像251は、例えば従来手法によるFLAIR画像231の代わりに利用することができるため、合成されたCSF抑制画像251が利用可能である場合は、必ずしもFLAIR法によるMRIを実施しなくてもよい。これによって、MRI装置100における撮像の時間を短縮し、被検者の負担を軽減することができる。なお、必要に応じて、合成されたCSF抑制画像251が利用可能である場合にもFLAIR画像231を併せて取得し、合成されたCSF抑制画像251の妥当性を検証することも可能である。
また、図示された例のように、画像処理装置200は強調像合成部260をさらに含み、強調像合成部260が定量値マップデータ221に基づいてT1,T2強調像261を合成してもよい。この場合、同じ定量値マップデータ221に基づいて合成されるT1,T2強調像261とCSF抑制画像251との間では位置ずれがないため、これらの画像を重ね合わせて比較することによるスクリーニングが容易になる。
ここで、従来のSynthetic MRIによるCSF抑制画像の合成では、上述したような本実施形態の構成とは異なり、MR画像211に含まれる複数の画像データの信号値にBloch方程式をあてはめ、数値最適化によって緩和率または緩和時間、およびプロトン密度に関するパラメータを求め、これらのパラメータを用いた内挿(または外挿)によって任意のコントラスト強調像を合成している。この場合、上述したように誤差の影響でBloch方程式が成り立たなかったり、数値最適化において誤差が発生したりすることによって、合成されたCSF抑制画像の精度は低くなる。また、MR画像211に含まれる画像データの信号値には撮像に用いられたMRI装置100の機種や撮像条件によるばらつきがあるため、複数の異なるMRI装置100で取得されたMR画像211、または同じMRI装置100で異なる撮像条件で取得されたMR画像211を統合して入力データとして用いるニューラルネットワークモデルを構築することはMRI装置毎に、さらに撮像条件毎に学習を行う必要があるため、実用的ではないという問題があった。
これに対して、本実施形態では、上述した定量値マップデータ221を入力データとして学習を実行する。定量値マップデータ221を入力データとすることによって、上述したような複数の異なるMRI装置100で取得されたMR画像211、または同じMRI装置100で異なる撮像条件で取得されたMR画像211を統合して入力データとして用いることの実用上の問題を回避できる。定量値はBloch方程式における物理定数でありMRI装置100の機種や撮像条件によらないため、MRI装置100の機種や撮像条件によるばらつきが相対的に小さく、従って複数の異なるMRI装置100で取得されたMR画像211、または同じMRI装置100で異なる撮像条件で取得されたMR画像211からそれぞれ抽出された定量値マップデータ221を統合して入力データとして用いることができる。これによって、十分な数の入力データを確保でき、ニューラルネットワークモデル241を用いて合成されるCSF抑制画像251の精度を効果的に改善することができる。
(処理フロー)
次に、図1に示したシステム10で実行される画像処理方法の処理フローについて説明する。画像処理方法は、図2に示すような学習段階の処理と、図3に示すような合成段階の処理とを含む。既に述べたように、それぞれの処理は必ずしも同じ装置で実行されるとは限らないが、いずれかの装置で学習段階の処理が実行されることによって、その装置、または他の装置で合成段階の処理を実行することが可能になる。従って、以下で説明する学習段階の処理と合成段階の処理とは一連の画像処理方法を構成しうる。
次に、図1に示したシステム10で実行される画像処理方法の処理フローについて説明する。画像処理方法は、図2に示すような学習段階の処理と、図3に示すような合成段階の処理とを含む。既に述べたように、それぞれの処理は必ずしも同じ装置で実行されるとは限らないが、いずれかの装置で学習段階の処理が実行されることによって、その装置、または他の装置で合成段階の処理を実行することが可能になる。従って、以下で説明する学習段階の処理と合成段階の処理とは一連の画像処理方法を構成しうる。
図2は、本発明の一実施形態に係る画像処理方法の学習段階の例を示すフローチャートである。図2に示されるように、学習段階では、画像処理装置200のMR画像取得部210がMR画像211を取得する(ステップS11)とともに、FLAIR画像取得部230がFLAIR画像231を取得する(ステップS12)。上述のように、MR画像211とFLAIR画像231とは、同一の被検体(第1の被検体)に対するMRIによって取得されるが、MR画像211を取得するための撮像とFLAIR法によるMRIとは別に実施される。定量値データ抽出部220は、ステップS11で取得されたMR画像211から定量値マップデータ221を抽出する(ステップS13)。
次に、モデル構築部240が、ステップS13で抽出された定量値マップデータ221(第1の定量値マップデータ)を入力データとし、ステップS12で取得されたFLAIR画像を出力データとするニューラルネットワークモデル241を構築する(ステップS14)。モデル構築部240は、構築されたニューラルネットワークモデル241の重み係数などのパラメータを記憶装置300に格納する(ステップS15)。所定の数のMR画像211およびFLAIR画像231の組について上記のステップS11〜S25を実行してニューラルネットワークモデル241を構築および訓練することによって、次に説明する新たに抽出された定量値マップデータ221を用いたCSF抑制画像の合成段階の処理が実行可能になる。
図3は、本発明の一実施形態に係る画像処理方法の合成段階の例を示すフローチャートである。図3に示されるように、合成段階において、画像処理装置200ではMR画像取得部210がMR画像211のみを取得する(ステップS21)。なお、合成の妥当性の検証などの目的でFLAIR画像を別途取得したり、他の目的で利用されるMR画像を別途取得したりすることは妨げられない。定量値データ抽出部220は、ステップS21で取得されたMR画像211から定量値マップデータ221を抽出する(ステップS22)。ここで抽出される定量値マップデータ221(第2の定量値マップデータ)は、上記で新たに抽出された定量値マップデータ221として説明されたものである。なお、合成段階で取得されるMR画像211の被検体(第2の被検体)は、学習段階におけるMR画像211の被検体(第1の被検体)とは異なっていてもよい。あるいは、これらの被検体は同一であって、学習段階と合成段階とで異なる時期に撮像されたMR画像211が取得されてもよい。
次に、画像合成部250が、記憶装置300に格納されたパラメータを読み出す(ステップS23)ことによって学習段階で構築されたニューラルネットワークモデル241を再構築し、ニューラルネットワークモデル241を用いて、ステップS22で抽出された定量値マップデータ221からCSF抑制画像251を合成する(ステップS24)。画像合成部250は、合成されたCSF抑制画像251のデータを記憶装置300に格納する(ステップS25)か、またはCSF抑制画像251を表示装置400に表示する(ステップS26)。
以上で説明したような本発明の一実施形態によれば、FLAIR法によるMRIを別途実施しなくてもよいことによって被検者の負担を軽減することができる。本実施形態では、ニューラルネットワークモデルを利用することによって、より精度の高い合成モデルを得ることができる。また、ニューラルネットワークモデルの入力データとしてMR画像から抽出された定量値マップデータを用いることによって、MRI装置の機種や撮像条件による入力データのばらつきが小さくなり、例えば十分な数の入力データを確保することで合成されるCSF抑制画像の精度を効果的に改善することができる。
なお、上記の例では画像処理装置200のMR画像取得部210がMRI装置100からMR画像211を取得した上で、定量値データ抽出部220がMR画像211から定量値マップデータ221を抽出したが、他の例では、画像処理装置200が別の装置で抽出された定量値マップデータ221を受信してもよい。つまり、本発明の実施形態において、画像処理装置の定量値データ取得部は、上記の例のような定量値データ抽出部220であってもよいし、既に抽出された定量値マップデータを受信する定量値データ受信部であってもよい。
(コンピュータのハードウェア構成)
図4は、コンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。本発明は、例えば、このようなコンピュータによって実装される画像処理装置(上記で説明した画像処理装置200)として実施可能である。また、本発明は、コンピュータに読み込まれることによって、コンピュータを上記の画像処理装置として機能させるように構成されたプログラムとして実施されてもよい。コンピュータ900は、例えばパーソナルコンピュータや、タブレット、スマートフォンのような端末装置であってもよく、データセンタなどに設置されるサーバコンピュータであってもよい。また、コンピュータ900の機能は、必ずしも物理的に単一の装置において実現されなくてもよく、例えばネットワークを介して接続された複数の装置のリソースを統合的に利用することによって実現されてもよい。
図4は、コンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。本発明は、例えば、このようなコンピュータによって実装される画像処理装置(上記で説明した画像処理装置200)として実施可能である。また、本発明は、コンピュータに読み込まれることによって、コンピュータを上記の画像処理装置として機能させるように構成されたプログラムとして実施されてもよい。コンピュータ900は、例えばパーソナルコンピュータや、タブレット、スマートフォンのような端末装置であってもよく、データセンタなどに設置されるサーバコンピュータであってもよい。また、コンピュータ900の機能は、必ずしも物理的に単一の装置において実現されなくてもよく、例えばネットワークを介して接続された複数の装置のリソースを統合的に利用することによって実現されてもよい。
コンピュータ900は、プロセッサ901、メモリ903、入力装置905、出力装置907、およびバスインターフェース909を含む。さらに、コンピュータ900は、ストレージ911、ドライバ913、接続ポート915、および通信装置917を含んでもよい。プロセッサ901は、例えば、CPU(Central Processing unit)、GPU(Graphics Processing unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、および/またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの処理回路によって構成される。プロセッサ901は、メモリ903、ストレージ911、またはリムーバブルメディア919に記録されたプログラムに従ってコンピュータ900の動作を制御する。メモリ903は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、例えばプロセッサ901のためのプログラム、および演算パラメータなどを記憶する。RAMは、例えばプロセッサ901の実行時に展開されたプログラム、およびプログラムの実行時のパラメータなどを一次記憶する。
入力装置905は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、または各種のスイッチなど、ユーザによって操作される装置である。入力装置905は、必ずしもコンピュータ900と一体化していなくてもよく、例えば、無線通信によって制御信号を送信するリモートコントローラであってもよい。入力装置905は、ユーザが入力した情報に基づいて入力信号を生成してプロセッサ901に出力する入力制御回路を含む。出力装置907は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示装置を含みうる。出力装置907は、コンピュータ900の処理により得られた結果をテキストもしくは画像などとして出力する。
ストレージ911は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。ストレージ911は、例えばプロセッサ901のためのプログラム、プログラムの実行時に読み出される、またはプログラムの実行によって生成された各種のデータ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。ドライバ913は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディア919のためのリーダ/ライタである。ドライバ913は、装着されているリムーバブルメディア919に記録されている情報を読み出して、メモリ903に出力してもよい。また、ドライバ913は、装着されているリムーバブルメディア919に各種のデータを書き込んでもよい。接続ポート915は、外部接続機器921をコンピュータ900に接続するためのポートである。接続ポート915は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどを含みうる。また、接続ポート915は、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどを含んでもよい。接続ポート915に外部接続機器921を接続することで、コンピュータ900と外部接続機器921との間で各種のデータを交換することができる。
通信装置917は、ネットワーク923に接続される。なお、ネットワーク923は、例えばインターネットのような不特定多数の装置が接続される開かれた通信ネットワークであってもよく、例えばBluetooth(登録商標)のような限られた装置、例えば2つの装置が接続される閉じられた通信ネットワークであってもよい。通信装置917は、例えば、LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードを含みうる。通信装置917は、ネットワーク923に応じた所定のプロトコルを用いて、他の装置との間で信号またはデータなどを送受信する。
なお、上記で例示的に説明されたコンピュータ900の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、当業者は、上述したようなコンピュータ900の構成を、実施する時々の技術レベルに応じて適宜変更することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの例に限定されない。本発明の属する技術の分野の当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10…システム、100…MRI装置、200…画像処理装置、210…MR画像取得部、220…定量値データ抽出部、230…FLAIR画像取得部、240…モデル構築部、250…画像合成部、260…強調像合成部、300…記憶装置、400…表示装置。
Claims (4)
- 被検体に対する一連の磁気共鳴撮像(MRI)によるMR画像から抽出された緩和率または緩和時間、およびプロトン密度の定量値マップデータを取得する定量値データ取得部と、
線形変換および非線形変換を含むニューラルネットワークモデルを用いて前記定量値マップデータからCSF抑制画像を合成する画像合成部と
を備える画像処理装置。 - 被検体に対する一連の磁気共鳴撮像(MRI)によるMR画像から抽出された緩和率または緩和時間、およびプロトン密度の定量値マップデータを取得する定量値データ取得部と、
前記被検体に対するFLAIR法を用いたMRIによって取得されたFLAIR画像を取得するFLAIR画像取得部と、
前記FLAIR画像を用いた学習によって、前記定量値マップデータからCSF抑制画像を合成するための線形変換および非線形変換を含むニューラルネットワークモデルを構築するモデル構築部と
を備える画像処理装置。 - 請求項1または請求項2に記載の画像処理装置としてコンピュータを機能させるように構成されたプログラム。
- 第1の被検体に対する一連の磁気共鳴撮像(MRI)によるMR画像から抽出された緩和率または緩和時間、およびプロトン密度の第1の定量値マップデータを取得するステップと、
前記第1の被検体に対するFLAIR法を用いたMRIによって取得されたFLAIR画像を取得するステップと、
前記FLAIR画像を用いた学習によって、前記第1の定量値マップデータからCSF抑制画像を合成するための線形変換および非線形変換を含むニューラルネットワークモデルを構築するステップと、
第2の被検体に対する一連のMRIによるMR画像から抽出された緩和率または緩和時間、およびプロトン密度の第2の定量値マップデータを取得するステップと、
前記ニューラルネットワークモデルを用いて前記第2の定量値マップデータからCSF抑制画像を合成するステップと
を含む画像処理方法。
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WO2018126396A1 (en) * | 2017-01-05 | 2018-07-12 | General Electric Company | Deep learning based estimation of data for use in tomographic reconstruction |
JP2019005557A (ja) * | 2017-06-22 | 2019-01-17 | キヤノンメディカルシステムズ株式会社 | 画像処理装置、磁気共鳴イメージング装置及び画像処理プログラム |
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2019
- 2019-02-18 JP JP2019026348A patent/JP2020130498A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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