JP2020130001A - 泌乳牛の乳におけるタンパク質含量増加剤 - Google Patents

泌乳牛の乳におけるタンパク質含量増加剤 Download PDF

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Abstract

【課題】泌乳牛の乳におけるタンパク質含量の増加剤を提供する。【解決手段】アミノ酸の一種である5−ALA、若しくはその誘導体又はそれらの塩であるALA類を、コーティング等の処理を施すことなく、飼料に混合して泌乳牛に投与したところ、従来の飼料を摂取した乳牛群から採取した乳と比較して、泌乳量にはほぼ変化がなかったが、タンパク質、とりわけカゼインの割合(%)が有意に多い乳を得た。【選択図】なし

Description

本発明は、泌乳牛の乳におけるタンパク質含量増加剤に関し、さらに詳しくは、5−アミノレブリン酸(5−ALA)若しくはその誘導体又はそれらの塩(以下、「ALA類」ともいう)を含む泌乳牛におけるタンパク質含量増加剤に関する。
わが国の牛乳消費量は、人口の増加や食の西洋化に伴い1966年の201万キロリットルから1996年の505万キロリットルへと増加の一途をたどった(例えば、非特許文献1参照)。しかし、近年は、少子高齢化や、飲料市場の多様化により、牛乳の消費量は微減傾向となっており、乳牛業界においては、消費量を維持するため、低コストでより高品質の牛乳や付加価値のある乳製品を提供するための努力が続けられている。
品質の向上した牛乳を生産するために、n−3脂肪酸供給源:30〜60重量部、炭水化物供給源:7〜20重量部、粉末乾草:3〜6重量部、乳化補助剤:30〜50重量部、抗酸化剤:0.05〜0.15重量部を含有することを特徴とする乳牛用飼料組成物(例えば、特許文献1参照)や、カシューナッツ殻油等、アナカルド酸、カルダノール及び/又はカルドールを含有することを特徴とする、反芻動物の乳量及び/又は乳質向上剤(例えば、特許文献2参照)や、少なくも約12重量%の蛋白質量をもつ穀物基本混合物、補足飼料の約2乃至12重量%の添加した実質的飽和脂肪及び補足飼料の約0.5乃至4.5重量%の非蛋白質窒素源よりなる乳牛用の補足飼料(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
一方、牛や羊のような反芻動物では、摂取されたタンパク質やアミノ酸は、第一胃中の微生物によってアンモニアや炭酸ガスに急速に分解されることが知られており(例えば、非特許文献2及び3参照)、反芻動物にとって飼料中に含まれるタンパク質やアミノ酸の全てを効率良く利用することは非常に難しいとされている。そのため、コーティングをすることにより、反芻動物の第1胃の微生物の作用から保護された、リジン及びメチオニンを必須成分とする飼料添加物を、反芻動物の分娩予定日の60日前から分娩後29日の間で投与を開始し、泌乳期に入って30日目から150日目までの何れかの日まで投与を継続することを特徴とする、反芻動物における泌乳量を増大させる方法(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
特開平06−153816号 国際公開WO2012/093533号パンフレット 特開昭60−259148 特開平6−237702号
独立行政法人農畜産業振興機構ウェブサイト(https://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_000743.html) Animal Science Journal, 84(1),42-47, 2013 Journal of Animal Science, 43(4), 910-929, 1976
本発明の課題は、泌乳牛の乳におけるタンパク質含量を増加させることにある。
本発明者らは、泌乳牛の乳におけるタンパク質含量を増加させるために、様々な飼料や飼料添加物について検討してきたが、アミノ酸の一種である5−ALA、若しくはその誘導体又はそれらの塩であるALA類を、コーティング等の処理を施すことなく、飼料に混合して泌乳牛に投与したところ、泌乳量にはほぼ変化がなく、また、採取された乳中の乳脂肪分、乳糖、全固形分、及び非脂肪固形分については従来の飼料を摂取した乳牛群から採取した乳と有意差がなかった。しかし、驚くべきことに採取された乳中のタンパク質、とりわけカゼインについては、従来の飼料を摂取した乳牛群から採取した乳よりも、有意に多くの割合(%)で含まれていることを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]下記式(I)で示される化合物又はその塩を含有する、泌乳牛の乳におけるタンパク質含量増加剤。
Figure 2020130001
(式中、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
[2]タンパク質が、カゼインであることを特徴とする、上記[1]記載のタンパク質含量増加剤。
[3]上記[1]又は[2]記載のタンパク質含量増加剤を添加した飼料。
[4]5−アミノレブリン酸換算で0.200〜2mg/kg体重/日を泌乳牛に経口投与することを特徴とする泌乳牛の乳におけるタンパク質含量の増加方法。
[5]タンパク質が、カゼインであることを特徴とする、上記[4]記載のタンパク質含量の増加方法。
本発明の他の態様としては、泌乳牛の乳におけるタンパク質の割合を増加させるための、タンパク質含量増加剤として使用するための式(I)で示される化合物又はその塩や、式(I)で示される化合物又はその塩の、泌乳牛の乳におけるタンパク質の含量増加剤の調製における使用や、式(I)で示される化合物又はその塩の、泌乳牛の乳におけるタンパク質の含量を増加させるための牛等反芻動物用の飼料の調製における使用を挙げることができる。
本発明の泌乳牛の乳におけるタンパク質含量増加剤によると、第一胃に存在する微生物により摂取したアミノ酸が分解されることが知られている牛において、泌乳された乳におけるタンパク質の含有量、中でもカゼインの含有量を増加させることができる。
本発明の泌乳牛の乳におけるタンパク質含量増加剤としては、上記式(I)で示される化合物又はその塩を含有する、泌乳牛の乳におけるタンパク質の含量の増加剤であれば特に制限されず、かかるタンパク質含量増加剤は、他の泌乳牛の乳におけるタンパク質含量増加剤や、豆類、穀類、脂質、非タンパク質窒素源や、ビタミンA、ビタミンB1,B2,B6,B12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等の各種ビタミンなどと併用することもできる。
本発明において、泌乳牛の乳としては、雌牛の分娩後、泌乳刺激ホルモンが乳腺に作用することにより、乳腺から分泌される液体であれば特に限定されず、栄養価が非常に高く、子牛に免疫力をつけるために必要な成分が含まれている出産後5〜6日の初乳を必ずしも含む必要はなく、ヒト等が摂取する、牛乳、チーズ、ヨーグルト等の乳製品の生産のために使用される、いわゆる常乳に限定することができる。
本発明において、タンパク質は、上記乳に含まれる、生物の構成要素であって、アミノ酸がペプチド結合(アミノカルボニル結合)によって鎖状につながった高分子化合物であって、pHが4.6まで下がった場合に沈殿、凝固するカゼイン;カゼインが凝固した際に残余成分として生成する、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、免疫グロブリン、乳清アルブミン、ラクトフェリン等の球状タンパク質の混合物を含むホエイプロテイン(乳清タンパク質);に大別することができる。
本発明において、泌乳牛の乳におけるタンパク質の(総)含量を測定する方法としては、公知の測定方法であれば特に制限されず、例えば、被検試料を強酸下で熱分解後、強アルカリを添加してアルカリ性にした溶液を水蒸気蒸留し、発生したアンモニアを定量して窒素量を算出するケルダール法や、試料を高温で燃焼・還元し、発生した窒素ガスから窒素量を定量するデュマ法や、芳香族基を持つアミノ酸が280nm付近の紫外光を吸収する性質を有することを利用した紫外可視分光光度計を用いて測定する方法や、試料中の塩基性アミノ酸残基及び末端アミノ酸とトリフェニルメタン系色素であるクマシーブリリアントブルー(Coomassie Brilliant Blue)との静電的相互作用を利用するブラッドフォード法や、試料中のトリペプチド以上のオリゴペプチド又はタンパク質中の窒素原子がCu(II)に配位結合すると溶液の色が赤紫色に呈色することを利用したビウレット(Biuret)法や、ビウレット法を改良したローリー(Lowry)法、BCA法を挙げることができる。
また、試料におけるタンパク質中の第一級アミンと反応するフルオレスカミン(Fluorescamine);2−メルカプトエタノールなどの還元剤の存在下で試料におけるタンパク質中の第一級アミンと反応するオルトフタルアルデヒド(o−Phthalaldehyde:OPA);シアン化物イオン存在下、試料におけるタンパク質中の第一級アミンと反応する3−(4−カルボキシベンゾイル)キノリン−2−カルボキシアルデヒド(3-(4carboxybenzoyl) quinoline-2-carbox-Aldehyde:CBQCA);等が発する蛍光を検出する蛍光法を挙げることができる他、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法を用いてタンパク質の定量を行う方法も挙げることができる。
本発明において、泌乳牛の乳においてタンパク質含量が増加する場合とは、ALA類を含むタンパク質含量増加剤を投与した泌乳牛から採取された乳の組成におけるタンパク質の割合が、ALA類を含むタンパク質含量増加剤を投与していない泌乳牛から採取された被検乳の乳組成におけるタンパク質の割合よりも、0.01%以上、好ましくは0.02%以上、好ましくは0.03%以上、より好ましくは0.04%以上多くなる場合をいう。
前記カゼインとしては、牛乳中の全タンパク質の約80%を占め、20℃でpH4.6に調整すると沈殿する、アミノ酸(セリン)とリン酸が結合したリンタンパク質を挙げることができる。カゼインは、さらにα−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼインに分類することができ、α−カゼインは、αS1−カゼイン,αS2−カゼインにさらに分類することができるが、乳中ではこれらの個々のカゼインは、分離して単独で行動しているのではなく、相互作用しながら巨大なコロイド粒子として懸濁している。
本発明において、泌乳牛の乳におけるカゼインの含量を測定する方法としては、被検乳試料に酸を加えてpH4.6以下に調整することにより沈殿したカゼイン試料を調製の上、前記タンパク質の含量を測定する各方法のいずれかを適用することにより、被検乳試料中のカゼインの含有量を算出する方法を挙げることができるが、タンパク質、ラクトース、非脂肪固形分、総固形分、MUN、体細胞数等の他の項目とともに、乳試料の組成を分析できる市販の自動分析機を用いて分析することもできる。
本発明において、泌乳牛の乳においてカゼインが増加する場合とは、ALA類を含むタンパク質含量増加剤を投与した泌乳牛から採取された乳の乳組成におけるカゼインの割合が、ALA類を含むタンパク質含量増加剤を投与していない泌乳牛から採取された被検乳の乳組成におけるカゼインの割合よりも、0.005%以上、好ましくは0.01%以上、好ましくは0.02%以上多くなる場合をいう。
本発明のタンパク質含量増加剤の適用対象としては、ウシ亜科(Bovinae)、ウシ属(Bos)に属する、家畜化された又は野生の牛であれば特に制限されず、家畜化された牛としては、肉用牛、乳用牛、乳肉兼用牛、役用牛を例示することができ、具体的には、アバディーン・アンガス種、ヘレフォード種、ショートホーン種、シャロレー種、リムジン種、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種等の肉用牛;ブラウンスイス種、ガンジー種、ホルスタイン種、ジャージー種、ケリー種、ミルキングデボン種、ノルウェイジャンレッド種等の乳用牛;これらの交雑種の牛;を挙げることができるが、ブラウンスイス種、ガンジー種、ホルスタイン種、ジャージー種、ケリー種、ミルキングデボン種、ノルウェイジャンレッド種等の乳用牛が好ましい。また、本発明における泌乳牛としては、繁殖年齢に達した牛であって、泌乳している牛であれば特に制限されず、乳においてタンパク質が含有する割合を増加させる必要がある牛を例示することができる。なお、本発明において、泌乳牛には、実際には未だ泌乳していないが、分娩をひかえ、泌乳期において乳におけるタンパク質含量を増加する必要のある泌乳前の牛を便宜上含めることができる。
前記ALA類の中でも式(I)のR及びRが共に水素原子の場合である5−ALA又はその塩を好適に例示することができる。5−ALAは、δ−アミノレブリン酸とも呼ばれるアミノ酸の1種である。また、5−ALA誘導体としては、式(I)のRが水素原子又はアシル基であり、式(I)のRが水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基又はアラルキル基である、5−ALA以外の化合物を挙げることができる。
式(I)におけるアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ベンジルカルボニル基等の直鎖又は分岐状の炭素数1〜8のアルカノイル基や、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル基等の炭素数7〜14のアロイル基を挙げることができる。
式(I)におけるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基等の直鎖又は分岐状の炭素数1〜8のアルキル基を挙げることができる。
式(I)におけるシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル基等の炭素数3〜12のシクロアルキル基を挙げることができる。
式(I)におけるシクロアルケニル基としては、シクロプロペニル(例えば、1−シクロプロペニル)、シクロブテニル(例えば、1−シクロブテニル)、シクロペンテニル(例えば、1−シクロペンテニル)、シクロヘキセニル(例えば、1−シクロヘキセニル)、シクロヘプテニル(例えば、1−シクロヘプテニル)、シクロオクテニル(例えば、1−シクロオクテニル)、シクロデセニル(例えば、1−シクロデセニル)、シクロドデセニル(例えば、1−シクロドデセニル)基等の炭素数3〜12のシクロアルケニル基を挙げることができる。
式(I)におけるアリール基としては、フェニル、ナフチル(例えば、1−ナフチル)、アントリル(例えば、1−アントリル)、フェナントリル(例えば、1−フェナントリル)、ピレニル(例えば、1−ピレニル)基等の炭素数6〜18のアリール基を挙げることができる。
式(I)におけるアラルキル基としては、アリール部分は上記アリール基と同じ例示ができ、アルキル部分は上記アルキル基と同じ例示ができ、具体的には、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、ベンズヒドリル、トリチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル基等の炭素数7〜15のアラルキル基を挙げることができる。
上記ALA誘導体としては、Rが、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル基等である化合物や、上記Rが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基等である化合物が好ましく、上記RとRの組合せが、ホルミルとメチル、アセチルとメチル、プロピオニルとメチル、ブチリルとメチル、ホルミルとエチル、アセチルとエチル、プロピオニルとエチル、ブチリルとエチルの組合せなどを好適に例示することができる。
ALA類は、生体内で式(I)の5−ALA又はその誘導体の状態で有効成分として作用すればよく、投与する形態に応じて、溶解性を上げるため各種の塩の形として投与したり、消化管吸収性、組織移行性、組織選択性、化学的安定性等を向上するために、あるいは副作用を軽減するために生体内の酵素で代謝されてから作用を及ぼすプロドラッグ(前駆体)の形(例えば、エステル)として投与することができる。例えば、5−ALA及びその誘導体の塩としては、薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩等を挙げることができる。酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の各無機酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、トルエンスルホン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、メタンスルホン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩等の各有機酸付加塩を例示することができる。金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の各アルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム塩等の各アルカリ土類金属塩、アルミニウム、亜鉛等の各金属塩を例示することができる。アンモニウム塩としては、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等のアルキルアンモニウム塩等を例示することができる。有機アミン塩としては、トリエチルアミン塩、ピペリジン塩、モルホリン塩、トルイジン塩等の各塩を例示することができる。なお、これらの塩は使用時において溶液としても用いることができる。
以上のALA類のうち、望ましいものは、5−ALA、及び5−ALAメチルエステル、5−ALAエチルエステル、5−ALAプロピルエステル、5−ALAブチルエステル、5−ALAペンチルエステル等の各種エステル類、並びに、これらの塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩であり、5−ALA塩酸塩や5−ALAリン酸塩を特に好適に例示することができる。
上記ALA類は、化学合成、微生物による生産、酵素による生産のいずれの公知の方法によって製造することができる。また、上記ALA類は、水和物又は溶媒和物を形成していてもよく、またいずれかを単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明のタンパク質含量増加剤の使用態様としては、顆粒状、粒状、粉末状、溶液状にして、通常牛に与えている飼料に混合して投与することもできるが、粉末剤、顆粒剤、細粒剤、錠剤等の経口投与製剤;液剤、用時溶解型粉末剤等の注射製剤等の製剤の形態で用いることもできる。上記製剤の投与方法は、経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、局所投与、腹腔投与、経皮投与、経直腸投与等を挙げることができる。
本発明のタンパク質含量増加剤の、経口投与の場合の投与量としては、本発明の効果を奏する限り特に制限されないが、例えば、牛の体重1kgあたりアミノレブリン酸換算で、0.02〜2mg/日、好ましくは0.05〜1mg/日、より好ましくは0.075〜0.75mg/日、さらに好ましくは0.1〜0.6mg/日、特に好ましくは0.2〜0.4mg/日を例示することができる。
本発明のタンパク質含量増加剤を飼料に添加して使用する場合の、飼料の給餌方法としては、1日2〜4回給餌を行う分離給餌法や、特定の給与時間を設けないで自由に摂取させる不断給餌等の給与方法を挙げることができる。なお、ALA類を添加する飼料としては、一般的に牛に給与するために使用されている飼料であれば特に制限されず、トウモロコシ、大豆ミール、アルファルファ、もみ殻、小麦ふすま、米ぬか、アルファルファ、オーツヘイ、綿実油ミール、骨粉、石灰、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウム、尿素、糖蜜等の従来公知の飼料原料から調製された飼料を用いることができ、市販されている牛用の飼料を使用できる。
本発明のタンパク質含量増加剤を飼料に添加して使用する場合の、飼料の給餌期間としては、本発明の効果を得ることができる限りにおいて特に制限されないが、1日〜3月、好ましくは3日〜2月、より好ましくは1週間〜1月、さらに好ましくは10日〜20日、特に好ましくは12日〜16日を例示することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
以下の試験は国立大学法人東京農工大学の動物実験小委員会の認可を得て行った。
5−ALAが泌乳牛の乳組成に及ぼす影響を検討した。6頭の泌乳ホルスタイン乳牛(平均体重698±18kg、平均乳生産量24.1±1.6kg/d,平均泌乳日数(days-in-milk:DIM)209±34日、平均授乳数2.9±0.4)が自由厩舎に収容された。7日間の猶予期間後、6頭の牛を無作為にA区とB区とに割り当てた(各群n=3)。A区は猶予期間後、14日間のALA投与期(ALA摂取群A)、7日間の調整期間を間に挟み、その後の14日間のALA未投与期(コントロール群A)とし、B区は猶予期間後、14日間のALA未投与期(コントロール群B)、7日間の調整期間を間に挟み、その後の14日間のALA投与期(ALA摂取群B)とするクロスオーバー法により、実験が行なわれた。詳細は以下の表1のとおりである。なお、上記猶予期間、調整期間及びALA未投与期間中は、従来から使用している混合飼料(TMR)(表2参照)を給餌し、ALA投与期間中は、混合飼料(TMR)1kg当たり10mgの5−ALAを添加した飼料を給餌した。
Figure 2020130001
5−ALAはネオファーマジャパン社から提供された。各飼料と水は自由に与えられたが、各群の飼料摂取量は、ドライベースで、コントロール群は一頭当たり23.4kg/日、ALA群は1頭当たり23.6kg/日であった。したがって、ALA群における5−ALAの一日当たりの摂取量は、0.329.6mg〜0.347.1mg/kgb.w./日となった。各乳牛は09:00と17:00に搾乳され、搾乳後に各飼料を自由摂取した。
Figure 2020130001
(乳試料採取)
各牛からの搾乳量はオートミルクレコーダー(オリオン機械製)によって、毎日自動的に記録された。また、A区、B区の各群について14日間のALA投与期及び14日間の未投与期のそれぞれ最後の2日間において一日に2回、各期の牛から50〜100mL採取して、データ分析用乳試料として使用した。乳組成等を分析するまで、乳試料は−30℃にて保存された。
上記各牛由来の採取された乳試料を用いて、乳脂肪、タンパク質、カゼイン、乳糖、全固形分(total solid:TS)、固形分非脂肪(Solid not fat:SNF)、乳尿素−窒素(Milk Urea Nitrogen:MUN)及び体細胞数(somatic cell count:SCC)等の乳組成について、半固体赤外分光法(Milko−Scan、133N、Foss Electric,Hill-erod社(デンマーク)製)を用いて測定した。各牛におけるデータは、2日間で採取された4回の乳試料の平均値として算出した。その結果を表3に示す。A区、B区の各群について、ALA投与期(ALA群A及びALA群B)のデータの平均をALA摂取群の項目で示し、未投与期(コントロール群A及びコントロール群B)のデータの平均をコントロール群の項目で示した。なお、データは、SPSS(PASW Statistics18.0,IBM社製)の混合手順を用いてクロスオーバー設計として統計的に解析された。各結果の統計解析は混合モデルにより行い、p<0.05(*)を統計学的有意差があるとした。なお、有意性への傾向はp<0.10で考慮された。
Figure 2020130001
(結果)
表3から明らかなとおり、5−ALAを添加した飼料を摂取した泌乳牛において、タンパク質及びカゼイン含量が有意に増加した(p<0.05)。しかし、乳量、乳脂肪、ラクトース、非脂肪固形分、総固形分、MUNについては、コントロール群と比較して特に差異は確認できなかった。また、A区のコントロール群Aと、B区のコントロール群Bとの値に有意差は確認されず、ALA投与が、微生物及び原虫等のルーメンへの影響があるとしても、その影響は、7日間の調整期間を置くことにより、除かれることが確認された。

Claims (5)

  1. 下記式(I)で示される化合物又はその塩を含有する、泌乳牛の乳におけるタンパク質含量増加剤。
    Figure 2020130001
    (式中、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
  2. タンパク質が、カゼインであることを特徴とする、請求項1記載のタンパク質含量増加剤。
  3. 請求項1又は2記載のタンパク質含量増加剤を添加した飼料。
  4. 5−アミノレブリン酸換算で0.200〜2mg/kg体重/日を泌乳牛に経口投与することを特徴とする泌乳牛の乳におけるタンパク質含量の増加方法。
  5. タンパク質が、カゼインであることを特徴とする、請求項4記載のタンパク質含量の増加方法。
JP2019025275A 2019-02-15 2019-02-15 泌乳牛の乳におけるタンパク質含量増加剤 Pending JP2020130001A (ja)

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