JP2020129728A - 画像処理装置およびその制御方法 - Google Patents

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孝幸 長島
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Abstract

【課題】復号画像における見た目の違和感が低減される画像符号化を行う。【解決手段】画像処理装置は、入力画像を構成する複数の矩形画像のそれぞれに対して第1の符号化又は第2の符号化を適用し符号化画像データを生成する。画像処理装置は、所定の条件を満たす矩形画像に対して、所定の直交変換、所定の量子化、エントロピー符号化を含む第1の符号化を行う第1の符号化手段と、所定の条件を満たさない矩形画像に対して、所定の直交変換、所定の量子化、所定の量子化の逆変換、所定の直交変換の逆変換を含む第2の符号化を行う第2の符号化手段と、第1の符号化手段又は第2の符号化手段により符号化されて得られる符号化データを結合することにより符号化画像データを生成する生成手段と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、画像の圧縮符号化技術に関するものである。
高解像度の画像データはデータ量が膨大になるため、より少ないメモリ資源で画像データを記憶したり、より短時間でネットワーク転送するために、画像圧縮技術が広く適用されている。一方で、画像圧縮技術には画像品位を損なわないことが求められている。特許文献1は、データ量をより小さくし、画像品位をより損なわない画像圧縮技術として、画像を一個以上の画素からなる一個以上の領域に分割して、領域毎に圧縮方式を切り換える技術を開示している。
画像を一個以上の領域に分割し、圧縮方式を切り換える技術として、画像を領域の境界データと、領域の圧縮画素データに符号化する技術が実現されている。当該技術では、符号化対象の画像に対してN×N画素の矩形画像に分割する前処理が行われ、矩形画像毎に符号化される。また、圧縮方式として可逆圧縮(ロスレス)方式のランレングス符号化と非可逆圧縮(ロッシー)方式のJPEGを採用している。また、当該技術では、領域が細かく分割されるとデータサイズが符号化前よりも大きくなるため、領域数の閾値を定めて、領域数(または境界数)が閾値を超える矩形画像に対しては符号化データとして非圧縮ラスタ画像を出力する。
米国特許第5,883,976号公報
上述の技術においては、領域数が閾値を超えることにより非圧縮ラスタ画像が符号化データとして出力された矩形画像と、領域数が閾値を超えなかったために境界データと圧縮画素データに符号化された矩形画像が隣接することがある。このとき、元の圧縮対象画像にJPEG圧縮対象となる自然画領域が含まれており、自然画領域が前述の隣接する矩形画像に分割されていると、自然画領域の中で非圧縮領域とJPEG圧縮された領域が隣接するため異なる画質の領域が隣接することになる。
図10は、従来技術において問題が生じ得る画像1001を例示的に示す図である。符号化対象の画像1001は、白地で示される自然画領域1002、ハッチで示されるグラフィック領域1003、単一色のテキスト領域1004から構成されている。グラフィック領域1003は単にハッチで示しているが、実際には複雑なグラフィックが描かれている。画像1001は複数の矩形領域に分割され符号化される。上述の従来技術では、矩形画像1005は、テキスト領域と自然画領域が多いため領域数が閾値を超えず符号化される。一方、矩形画像1006は、グラフィック領域が多いため領域数が閾値を超え非圧縮ラスタ画像となる。その結果、矩形画像1005の自然画領域はJPEG圧縮され、矩形画像1006の自然画領域は非圧縮となる。そのため、このように符号化された画像を復号した場合、矩形画像1005と矩形画像1006との境界において自然画領域の画質が異なることになり、見る人に違和感を生じさせる場合がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、復号画像における見た目の違和感が低減される画像符号化技術を提供することを目的としている。
上述の問題点を解決するため、本発明に係る画像処理装置は以下の構成を備える。すなわち、入力画像を構成する複数の矩形画像のそれぞれに対して第1の符号化又は第2の符号化を適用し符号化画像データを生成する画像処理装置は、
前記複数の矩形画像のうち所定の条件を満たす矩形画像に対して、所定の直交変換、所定の量子化、エントロピー符号化を含む前記第1の符号化を行う第1の符号化手段と、
前記複数の矩形画像のうち前記所定の条件を満たさない矩形画像に対して、前記所定の直交変換、前記所定の量子化、該所定の量子化の逆変換、該所定の直交変換の逆変換を含む前記第2の符号化を行う第2の符号化手段と、
前記第1の符号化手段又は前記第2の符号化手段により符号化されて得られる符号化データを結合することにより前記符号化画像データを生成する生成手段と、
を有する。
本発明によれば、復号画像における見た目の違和感が低減される画像符号化技術を提供することができる。
第1実施形態に係る画像処理装置の構成を示す図である。 画像処理装置における符号化処理のフローチャートである。 入力画像の一例を示す図である。 入力画像に対する領域分割及び境界を説明する図である。 境界に関するヘッダと軌跡情報を説明する図である。 整列により得られる符号化データを例示的に示す図である。 前処理のフローチャートである。 符号化データを処理する画像処理システムの構成を示す図である。 変形例に係る画像処理装置の構成を示す図である。 従来技術において問題が生じ得る画像を例示的に示す図である。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
(第1実施形態)
本発明に係る画像処理装置の第1実施形態として、可逆(ロスレス)符号化及び非可逆(ロッシー)符号化を用いて画像データを圧縮する符号化装置を例に挙げて以下に説明する。
<符号化装置の構成>
図1は、第1実施形態に係る画像処理装置である符号化装置の構成を示す図である。以下の説明においては説明を簡単にするために、図7を参照して後述する前処理に従って分割された16×16画素の矩形画像を処理する例について説明するが、16×16画素に限定されるものではない。
符号化装置100は、16×16画素の画像を示す画像データを符号化して、符号化データを出力する。上述したように、符号化対象の入力画像データは、符号化装置100に入力される前に、前処理に従って16×16画素の矩形画像に分割され、矩形画像が予め定められた順序に従って、符号化装置100に入力される。
領域分割部101は、入力された16×16画素の矩形画像を、図3及び図4を参照して後述する方法で、同一色の画素が隣接する領域に分割し領域情報を生成する。領域数カウント部102は、16×16画素の矩形画像を領域分割部101によって分割して得られた領域数をカウントする。
画素置換部103は、可逆圧縮対象の領域にある画素のRGB値を非可逆圧縮領域にある画素のRGB値を参照して算出した置換値で置換することにより、非可逆圧縮対象画像を生成する。非可逆圧縮領域を補完処理によって16×16画素に拡張することによって非可逆圧縮対象画像を生成してもよい。
第一の色空間変換部104は、RGBの画素をYCbCrの画素に変換する。DCT部105は、16×16画素のYCbCr画像データを4つに分割した8x8画素の画像データ毎に離散コサイン変換(DCT)を行う。量子化部106は、量子化テーブルに従ってDCT部105の出力データを量子化する。
第一の選択部107は、領域数カウント部102によってカウントされた領域数が予め設定された閾値以上のときは量子化部106の出力データを逆量子化部114に転送する。一方、領域数が閾値以下のときは量子化部106の出力データをエントロピー符号化部108に転送する。
エントロピー符号化部108は、量子化部106の出力データをエントロピー符号化する。エントロピー符号化されたデータはJPEG符号化データとなる。
第二の選択部109は、領域数カウント部102によってカウントされた領域数が予め設定された閾値以上のときは入力画像データと領域分割部101によって生成された領域情報を画素結合部117に転送する。一方、領域数が閾値以下のときは入力画像データと領域分割部101によって生成された領域情報を境界生成部110に転送する。
境界生成部110は、領域分割部101によって分割された領域の左端の画素の座標の集合と領域の画素値から境界データを生成する。境界ヘッダ生成部111は、境界生成部110が生成した境界データの始点のX座標とY座標、終点のY座標、および領域の画素値から境界ヘッダを生成する。境界軌跡情報生成部112は、境界生成部110が生成した境界データから、始点から終点までの隣接ライン(Y座標)間のX座標の変位量を計算することにより、変位量の集合からなる境界軌跡情報を生成する。整列部113は、後述する規則に従って、境界ヘッダと境界軌跡情報を整列する。
逆量子化部114は、量子化部106の出力データを逆量子化する。IDCT部115は、逆量子化部114の出力データに対してDCT部105が行うDCTの逆変換(すなわち逆離散コサイン変換(IDCT))を行う。第二の色空間変換部116は、YCbCrの画素をRGBの画素に変換する。
画素結合部117は、領域分割部101が生成した領域情報に基づいて、非可逆圧縮領域では色空間変換部116の出力画素を選択し、可逆圧縮領域では入力画像の画素を選択して16×16画素の画像データを出力する。
なお、ここでは、上述の各機能部は、CPUなどのプロセッサがプログラムを実行することによりソフトウェアとして実装されることを想定する。ただし、上述の1以上の機能部を、ASICなどのハードウェアとして実装してもよい。
<符号化装置の動作>
図2は、画像処理装置における符号化処理のフローチャートである。当該処理は、例えば、ユーザが画像処理アプリケーションプログラムに対して、符号化処理の開始を指示することにより開始される。
S201では、符号化装置100は、16×16画素に分割された画像300を読み込む。図3は、符号化装置100に入力される矩形画像である入力画像の一例を示す図である。画像300において、ハッチのパターンが領域の画素値に対応している。すなわち、同じパターンのハッチの画素は同じ色であることを示しており、異なるパターンのハッチの画素は異なる色であることを示している。また、ハッチがかかっていない領域は自然画のように異なる値の画素が混在して隣接する領域である。また、L0〜L15は、ぞれぞれ、横方向に連なる16個の画素からなるラインを示す。
S202では、領域分割部110は、画像300を、それぞれが同じ画素値を有する複数の領域に分割する。まず、領域分割部101はラインL0〜ラインL15を左から右へと走査して、同じ画素値の隣接画素から成る領域に分割する。各領域は内部に記憶され、次のラインを処理する際に参照される。
画像300の最初のラインL0は、次の8つの領域(領域0〜領域7)に分割される。
・0番目の画素(0,0)と1番目の画素(1,0)の領域0
・2番目の画素(2,0)と3番目の画素(3,0)の領域1
・4番目の画素(4,0)と5番目の画素(5,0)の領域2
・6番目の画素(6,0)と7番目の画素(7,0)の領域3
・8番目の画素(8,0)と9番目の画素(9,0)の領域4
・10番目の画素(10,0)と11番目の画素(11,0)の領域5
・12番目の画素(12,0)と13番目の画素(13,0)の領域6
・14番目の画素(14,0)と15番目の画素(15,0)の領域7
画像300の次のラインL1は、まず次の9つの領域(領域8’〜領域16’)に分割される。
・0番目の画素(0,1)の領域8’
・1番目の画素(1,1)と2番目の画素(2,1)の領域9’
・3番目の画素(3,1)と4番目の画素(4,1)の領域10’
・5番目の画素(5,1)と6番目の画素(6,1)の領域11’
・7番目の画素(7,1)と8番目の画素(8,1)の領域12’
・9番目の画素(9,1)と10番目の画素(10,1)の領域13’
・11番目の画素(11,1)と12番目の画素(12,1)の領域14’
・13番目の画素(13,1)と14番目の画素(14,1)の領域15’
・15番目の画素(15,1)の領域16’
次に領域8’〜 領域16’は、先行して処理した前のラインL0から得られた領域0〜領域7と比較され、同じ色かつ隣接する領域は、前のラインL0から得られた領域0〜領域7に統合される。隣接する領域とは、ラインL0とラインL1とで同じX座標の画素を含む領域を意味する。その結果、以下の9つの領域が生成される。
・領域0:画素(0,0)、画素(1,0)、画素(1,1)、画素(2,1)
・領域1:画素(2,0)、画素(3,0)、画素(3,1)、画素(4,1)
・領域2:画素(4,0)、画素(5,0)、画素(5,1)、画素(6,1)
・領域3:画素(6,0)、画素(7,0)、画素(7,1)、画素(8,1)
・領域4:画素(8,0)、画素(9,0)、画素(9,1)、画素(10,1)
・領域5:画素(10,0)、画素(11,0)、画素(11,1)、画素(12,1)
・領域6:画素(12,0)、画素(13,0)、画素(13,1)、画素(14,1)
・領域7:画素(14,0)、画素(15,0)、画素(15,1)
・領域8:画素(0,1)
以降のラインL2〜ラインL15も同様に処理する。最後に画素数が2以下の領域が3つ以上隣接し、かつ当該隣接領域の画素値の差分が予め決められた閾値以下である場合、当該隣接領域は一つに結合され、非可逆圧縮対象の領域とされる。
図4は、入力画像に対する領域分割及び境界を説明する図である。上述の処理をラインL0〜ラインL15に対して行うことにより、画像300は、図4に示す21個の領域(領域0〜領域20)に分割される。図4において、ハッチがかかっていない領域は非可逆圧縮対象の領域となる。
S203では、領域数カウント部102は、領域の個数をカウントし、所定の条件を満たす場合に圧縮データを生成すると決定し、満たさない場合に非圧縮ラスタ画像を生成すると決定する。ここでは、領域数が所定の個数未満(例えば128個未満)であれば圧縮データを生成すると決定し、所定の個数以上であれば非圧縮ラスタ画像を生成すると決定する。
S204では、符号化装置100は、圧縮データを生成する場合は、まず非可逆圧縮対象の領域があるか判定する。非可逆圧縮対象の領域がある場合は、領域分割部101から画素置換部103に画像300と領域情報が転送され、画素置換部103は、画像300における非可逆圧縮対象領域以外の画素を置換する(S205)。色空間変換部104は、画素置換部103で処理された画像をRGBの画素値からYCbCrの画素値に変換する(S206)。DCT部105は、色空間変換部104によってYCbCrの画素値に変換された画像に対してDCT変換を行う(S207)。量子化部106は、DCT部105によってDCT変換された画像を量子化テーブルに従って量子化する(S208)。選択部107は、量子化部106によって量子化された画像をエントロピー符号化部108に転送し、エントロピー符号化部108は、量子化された画像に対してエントロピー符号化を行う(S209)。以上S206〜S209によってJPEG圧縮された符号化データは、整列部113によって出力データの所定の位置に出力される(S210)。
領域分割部101は、画像300と領域情報を選択部109にも転送し、選択部109は画像300と領域情報を境界生成部110に転送する。S211では、境界生成部110は、境界情報を生成する。ここで、境界情報は、領域0〜領域20それぞれの左端画素の座標と画素値を含む。図4において、縦の太い実線は境界を示し、横の太い点線は境界が繋がっていることを示す補助線を示す。白丸は境界の開始点を示し、黒丸は境界の終端点を示す。以降、領域Rの境界を境界Rと呼ぶ。例えば境界9は(2,2)を開始点として、(3,3)(4,4)(5,5)(6,6)と続き、(7,7)を終端点とする。
S212では、境界ヘッダ生成部111は、境界生成部110で生成した領域0〜領域20の境界から、境界の開始点座標(X,Y)と、終端点Y座標と領域の画素値から境界ヘッダを生成する。S213では、境界軌跡情報生成部112は、境界生成部110で生成した領域0〜領域20の境界から、境界の隣接するライン間のX座標の変位量を計算し、境界軌跡情報を生成する。S214では、境界生成部110は、境界の生成が終わると、符号化データの先頭に境界数(E)を出力する。
図5は、境界に関するヘッダと軌跡情報を説明する図である。具体的には、図4に示される境界を数値として表現したデータである。ヘッダは、それぞれの境界を特定する画素の、開始点Y座標、開始点X座標、終端点Y座標、の情報を含む。また、ヘッダは、可逆圧縮領域か非可逆圧縮領域かを示す属性の情報を含み、可逆圧縮領域の場合はさらに当該領域の画素値の情報を含む。軌跡情報は、それぞれの境界のライン間のX座標の変位量の集合を示す。例えば、境界2は座標Y=0〜15にまたがって存在するため、境界2の軌跡情報は、以下の15個の変位量の集合として生成される。
・ラインL0からラインL1へのX座標の変位量は+1である
・ラインL1からラインL2へのX座標の変位量は+1である
・ラインL2からラインL3へのX座標の変位量は+1である
・ラインL3からラインL4へのX座標の変位量は+1である
・ラインL4からラインL5へのX座標の変位量は+1である
・ラインL5からラインL6へのX座標の変位量は+1である
・ラインL6からラインL7へのX座標の変位量は+1である
・ラインL7からラインL8へのX座標の変位量は−1である
・ラインL8からラインL9へのX座標の変位量は−1である
・ラインL9からラインL10へのX座標の変位量は−1である
・ラインL10からラインL11へのX座標の変位量は−1である
・ラインL11からラインL12へのX座標の変位量は−1である
・ラインL12からラインL13へのX座標の変位量は−1である
・ラインL13からラインL14へのX座標の変位量は−1である
・ラインL14からラインL15へのX座標の変位量は−1である
整列部113は、JPEG符号化データと、境界ヘッダ生成部111が生成した境界ヘッダと、境界軌跡情報生成部112が生成した境界軌跡情報を整列して、符号化データを生成する。S215では、整列部113は、境界数(E)の次に境界ヘッダをY、Xの昇順に整列し出力する。S216では、整列部113は、境界ヘッダの次に境界軌跡情報をY,Xの昇順に出力する。境界軌跡情報の次にはJPEG符号化データへのポインタ(JPEG符号化データを出力した領域の先頭アドレス)が出力される。従って、JPEG符号化データは境界データと隣接したアドレスに出力される必要はない。
図6は、整列により得られる符号化データを例示的に示す図である。具体的には、図5に示される境界0〜境界20に関するデータとJPEG符号化データとを整列することによって得られる符号化データを示している。
図6において、「境界軌跡情報@ Y=0」は、境界0、境界1、境界2、境界3、境界4、境界5、境界6、境界7のラインL0とラインL1との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=1」は、境界8、境界2、境界5のラインL1とラインL2との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=2」は、境界8、境界9、境界10、境界2、境界11、境界12、境界5、境界13のラインL2とラインL3との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=3」は、境界8、境界9、境界10、境界2、境界11、境界12、境界5のラインL3とラインL4との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=4」は、境界8、境界9、境界10、境界2、境界11、境界12、境界5のラインL4とラインL5との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=5」は、境界8、境界9、境界10、境界2、境界11、境界12のラインL5とラインL6との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=6」は、境界8、境界9、境界10、境界2、境界11、境界12のラインL6とラインL7との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=7」は、境界8、境界2のラインL7とラインL8との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=8」は、境界8、境界14、境界15、境界16、境界17、境界2、境界18、境界19のラインL8とラインL9との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=9」は、境界14、境界15、境界16、境界17、境界2、境界18、境界19、境界20のラインL9とラインL10との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=10」は、境界14、境界15、境界16、境界17、境界2、境界18、境界19、境界20のラインL10とラインL11との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=11」は、境界15、境界16、境界17、境界2、境界18、境界19、境界20のラインL11とラインL12との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=12」は、境界15、境界16、境界17、境界2、境界18、境界19、境界20のラインL12とラインL13との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=13」は、境界16、境界17、境界2、境界18、境界19、境界20のラインL13とラインL14との間のX座標の変位量である。「境界軌跡情報@ Y=14」は、境界16、境界17、境界2、境界18、境界19、境界20のラインL14とラインL15との間のX座標の変位量である。
S217では、符号化装置100は、非圧縮ラスタ画像を生成する場合は、まず非可逆圧縮対象の領域があるか判定する。非可逆圧縮対象の領域がある場合は、領域分割部101から画素置換部103に画像300と領域情報が転送され、画素置換部103は、非可逆圧縮対象領域以外の画素を置換する(S218)。色空間変換部104は、画素置換部103で処理された画像をRGBの画素値からYCbCrの画素値に変換する(S219)。DCT部105は、色空間変換部104によってYCbCrの画素値に変換された画像に対してS207と同じDCT変換を行う(S220)。すなわち、現在注目している矩形画像に隣接する矩形画像に対する直交変換パラメータと同じ直交変換パラメータで直交変換する。量子化部106は、DCT部105によってDCT変換された画像をS208と同じ量子化テーブルに従って量子化する(S221)。すなわち、現在注目している矩形画像に隣接する矩形画像に対する量子化パラメータと同じ量子化パラメータで直交変換する。以上、S217〜S221の処理は、圧縮画像を生成する場合の処理S204〜S208と同様である。
選択部107は、量子化部106によって量子化された画像を逆量子化部114に転送し、逆量子化部114は、量子化された画像を逆量子化する(S222)。S222では後述するJPEG復号装置807と同じ逆量子化パラメータを用いて逆量子化が行われる。IDCT部115は、逆量子化された画像に対してIDCT変換を行う(S223)。S223では後述するJPEG復号装置807と同じIDCT変換が行われる。色空間変換部116は、IDCT部115によってIDCT変換された画像の画素をYCbCrからRGBに変換する(S224)。以上、S219〜S224の処理によってJPEG符号化とJPEG復号を行った場合と同じ画質の画像を生成する。
一方で、画像300と領域情報は領域分割部101から選択部109を経て画素結合部117に転送される。画素結合部117は、非可逆圧縮対象領域の画素としてS217〜S224の処理を経て生成された画像の画素を選択し、それ以外の領域の画素として画像300の画素を選択して結合し、16×16画素の画像データを生成する。
なお、入力画像データが前処理により分割されている場合は、符号化装置100は、分割されて複数の矩形画像に対応する複数の符号化データを結合することにより、入力画像データに対応する符号化画像データを生成する。
なお、上述の符号化装置100の構成において、第一の色空間変換部104と第二の色空間変換部116を省略してもよい。第一の色空間変換部104と第二の色空間変換部116を省略した場合は、符号化処理における色空間変換処理S206、S219およびS224は省略される。また、色空間変換部104とDCT部105の間にサブサンプリング部を設け、IDCT部115と色空間変換部116の間にアップサンプリング部を設けてもよい。サブサンプリング部とアップサンプリング部を設けた場合は、符号化処理のS206とS207の間及びS219とS220の間でサブサンプリングが行われ、S223とS224の間でアップサンプリングが行われる。
なお、上述の説明においては、符号化装置100は、非可逆圧縮方式としてJPEGを用いたが、例えばJPEG2000のようにDCT以外の直交変換を行う他の圧縮方式を用いてもよい。
図7は、前処理のフローチャートである。当該処理は、ユーザが処理を指定する画像データ(一面の画像)を、それぞれが16×16画素で構成される複数の画像データに分割する処理である。当該処理は、図2を参照して説明した符号化処理の前処理として、不図示の前処理装置により実施される。もちろん、当該前処理装置を符号化装置100の一部として組み込んでもよい。
前処理装置は、ユーザが処理を指定する画像データ(一面の画像)が符号化対象として入力される(S701)と、非可逆圧縮対象となる領域を処理するために量子化パラメータが決定される(S702)。量子化パラメータは、あらかじめ決定しておいた値を用いてもよい。S701で入力される画像データは縦横任意の画素数の画像データである。
前処理装置は、入力された画像データの横方向の画素数を調べる(S703)。画素数が16の倍数でなければ、画素数が16の倍数となるようにあらかじめ定められた値の画素を画像の右端に付加(パディング)する(S704)。同様に、前処理装置は、入力された画像データの縦方向の画素数を調べる(S705)。画素数が16の倍数でなければ、画素数が16の倍数となるようにあらかじめ定められた値の画素を画像の下端に付加する(S706)。
前処理装置は、S703〜S706の処理により縦横ともに画素が付加されて画素数が16の倍数となった画像を16×16画素の画像データに分割する(S707)。以上の処理によって分割され生成された16×16画素の画像データが符号化装置100に入力される。なお、S702で量子化パラメータを決定しているため、16×16画素の画像データは、圧縮符号化データとして出力される場合も、非圧縮ラスタ画像として出力される場合も、同じパラメータで量子化が行われる。
<復号を行うシステム>
図8は、符号化データを処理する画像処理システムの構成を示す図である。すなわち、符号化装置100による上述の符号化処理により得られた符号化データを処理する画像処理システムの構成を示している。
CPU801は、システム全体の制御を行う。RAM802は、メモリコントローラとDRAMとから構成され、CPUで動作するプログラムが展開される。また、CPUおよびシステム上で動作する処理装置のワークメモリとして使われる。ROM803は、CPUで動作するプログラムが記憶される。外部IF804は、外部機器とデータの送受信を行うEthernet(登録商標)やUSBなどのインタフェース(IF)である。DMAC805は、CPUの制御の下、可逆符号化データ復号装置806とJPEG復号装置807の入出符号化データと出力復号画像データをRAM802との間で転送する。
可逆符号化データ復号装置806は、可逆符号化データを復号して復号画像データを生成する。また非可逆圧縮データを含む符号化データを処理する際には、JPEG復号装置807が出力する画像データを結合して復号画像データを生成する。JPEG復号装置807は、JPEG符号化データや符号化装置100によって符号化された画像データに含まれる非可逆圧縮データを復号して画像データを生成する。
画像処理装置808は、復号画像データを印刷装置809の特性に好適な画像になるように処理するとともに、印刷装置809の入力データフォーマットに変換して印刷画像データを生成する。印刷装置809は、印刷画像データに基づいて、トナーやインクを紙面に定着させて、紙面に画像を形成する。経路切替装置810は、CPU801によって設定されたパラメータに従って、JPEG復号装置807の出力データをDMAC805と可逆符号化データ復号装置806のいずれかに転送する。インターコネクト810は、CPU801、RAM802、ROM803、外部IF804、DMAC805、画像処理装置808、印刷装置809の間に介在する、共有バスやスイッチによって構成された、データ転送経路である。
図8に示す画像処理システムでは、外部IF804を介して処理対象となる符号化画像データを受信する。具体的には、符号化装置100を搭載した外部のホストコンピュータ(不図示)によって生成された符号化画像データを外部IF804を介して受信する。符号化画像データは、CPU801の制御の元で、復号されるまでRAM802に記憶される。また、外部IF804で入力画像データを受信して、CPU801で入力画像データの符号化を行ってもよい。以下、RAM802に記憶された符号化画像データの処理(復号及び画像形成)について説明する。ここでは、RAM802に記憶された符号化画像データは、入力画像データ(一面の画像)を構成する複数の(一連の)16×16画素の画像データを符号化して得られる複数の符号化データを結合したものである。
まず、画像処理装置808は、符号化画像データに含まれる複数の符号化データを抽出する。抽出された16×16画素の符号化データのうち、可逆符号化データはDMAC805によって可逆符号化データ復号装置806に転送される。可逆符号化データは可逆符号化データ復号装置806によって復号された後DMAC805によってRAM802に転送される。
一方、抽出された16×16画素の符号化データがJPEG符号化データを含む場合は、JPEG符号化データはDMAC805によってJPEG復号装置807に転送される。JPEG符号化データはJPEG復号装置807によって復号された後、経路切替装置810を介して可逆符号化データ復号装置806に転送される。可逆符号化データ復号装置806は、可逆符号化データから復号された画素とJPEG復号装置807によって復号された画素のうち非可逆圧縮領域の画素とを結合して16×16画素の画像データを生成する。復号された16×16画素の画像データは、画像処理装置808によってRAM802から読み出され、処理された後に印刷データとして印刷装置809に転送される。印刷装置809は印刷データに基づいて紙面に画像を形成する。
非可逆ラスタ画像は、画像処理装置808によってRAM802から読み出され、処理された後に印刷データとして印刷装置809に転送される。なお、非可逆ラスタ画像をいったんDMAC805によって可逆符号化データ復号装置806に転送してもよい。その場合、可逆符号化データ復号装置806は当該非可逆ラスタ画像を復号処理することなく出力画素としてDMAC805に転送し、DMAC805によってRAM802に転送される。この16×16画素の画像データは、画像処理装置808によってRAM802から読み出され、処理された後に印刷データとして印刷装置809に転送される。印刷装置809は印刷データに基づいて紙面に画像を形成する。
以上説明したとおり第1実施形態によれば、処理対象の画像データを複数の矩形画像に分割し、矩形領域ごとに可逆圧縮と非可逆圧縮を切り替えた符号化データを生成する。このとき、矩形領域内の同一色領域の個数に応じて符号化方法を切り替える。そして、可逆圧縮される矩形領域については、非可逆圧縮におけるDCT変換及び量子化と同等の処理を施す。このようにして得られた符号化データを復号した際には、上述の複数の矩形画像における画質のばらつきが軽減されることになる。すなわち、復号された画像における見た目の違和感を低減することが可能となる。
(変形例)
図9は、変形例に係る画像処理装置の構成を示す図である。符号化装置900は、第1実施形態における符号化装置100を簡素化した構成としたものに相当する。具体的には、色空間変換部104〜量子化部106がJPEG符号化部901に置換され、逆量子化部114〜色空間変換部116がJPEG復号部902に置換されている。また、エントロピー符号化部108が省略されている。
符号化装置900は、非可逆圧縮対象領域に対してJPEG符号化処理を行う。非圧縮ラスタ画像を出力する場合は、JPEG符号化処理及びJPEG復号処理により得られる画像の画素と可逆圧縮領域の画素とを結合することによって、16×16画素の復号画像データを生成する。圧縮符号化データを出力する場合は、JPEG符号化データを復号せずに出力する。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100 符号化装置; 101 領域分割部; 102 領域数カウント部; 103 画素置換部; 104 色空間変換部; 105 DCT部; 106 量子化部; 107 選択部; 108 エントロピー符号化部; 109 選択部; 110 境界生成部; 111 境界ヘッダ生成部; 112 境界軌跡情報生成部; 113 整列部; 114 逆量子化部; 115 IDCT部; 116 色空間変換部; 117 画素結合部

Claims (13)

  1. 入力画像を構成する複数の矩形画像のそれぞれに対して第1の符号化又は第2の符号化を適用し符号化画像データを生成する画像処理装置であって、
    前記複数の矩形画像のうち所定の条件を満たす矩形画像に対して、所定の直交変換、所定の量子化、エントロピー符号化を含む前記第1の符号化を行う第1の符号化手段と、
    前記複数の矩形画像のうち前記所定の条件を満たさない矩形画像に対して、前記所定の直交変換、前記所定の量子化、該所定の量子化の逆変換、該所定の直交変換の逆変換を含む前記第2の符号化を行う第2の符号化手段と、
    前記第1の符号化手段又は前記第2の符号化手段により符号化されて得られる符号化データを結合することにより前記符号化画像データを生成する生成手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記入力画像を前記複数の矩形画像に分割する前処理手段を更に有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記矩形画像を、それぞれが、隣接しかつ同じ色である複数の画素から構成される第1の領域と異なる色である複数の画素が混在する第2の領域との何れかである複数の領域に分割する領域分割手段と、
    前記領域分割手段により得られた前記複数の領域の個数をカウントするカウント手段と、
    を更に有し、
    前記所定の条件は、前記複数の領域の個数が所定の個数未満であることである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記領域分割手段は、前記矩形画像の領域を特定する領域情報を生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記領域情報は、前記複数の領域の間の境界を特定する画素に関する情報と、該境界の軌跡に関する情報と、を含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記第1の符号化手段は、前記第1の領域に対しては可逆符号化を行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  7. 前記第2の符号化手段は、前記第1の領域に対しては前記矩形画像の画素に置換する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  8. 前記第1の符号化手段と前記第2の符号化手段との少なくともいずれか一方は、現在注目する矩形画像を、隣接する矩形画像に対する量子化パラメータと同じ量子化パラメータで量子化し、前記隣接する矩形画像に対する直交変換パラメータと同じ直交変換パラメータで直交変換する
    ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記直交変換は、離散コサイン変換(DCT)である
    ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像処理装置。
  10. 前記第1の符号化は、JPEG符号化処理を含み、
    前記第2の符号化は、JPEG符号化処理及びJPEG復号処理を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の画像処理装置。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載の画像処理装置によって生成された符号化画像データを復号する画像処理装置であって、
    前記符号化画像データに含まれ前記複数の矩形画像に対応する複数の符号化データを抽出する抽出手段と、
    前記複数の符号化データのうち前記第1の符号化で符号化された符号化データを、前記所定の量子化の逆変換及び前記所定の直交変換の逆変換を含む処理により復号する第1の復号手段と、
    前記複数の符号化データのうち前記第2の符号化で符号化された符号化データを、前記所定の量子化の逆変換及び該所定の直交変換の逆変換を含まない処理により復号する第2の復号手段と、
    前記第1の復号手段又は前記第2の復号手段により復号されて得られる矩形画像を結合することにより画像を生成する生成手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  12. 入力画像を構成する複数の矩形画像のそれぞれに対して第1の符号化又は第2の符号化を適用し符号化画像データを生成する画像処理装置の制御方法であって、
    前記複数の矩形画像のうち所定の条件を満たす矩形画像に対して、所定の直交変換、所定の量子化、エントロピー符号化を含む前記第1の符号化を行う第1の符号化工程と、
    前記複数の矩形画像のうち前記所定の条件を満たさない矩形画像に対して、前記所定の直交変換、前記所定の量子化、該所定の量子化の逆変換、該所定の直交変換の逆変換を含む前記第2の符号化を行う第2の符号化工程と、
    前記第1の符号化工程又は前記第2の符号化工程により符号化されて得られる符号化データを結合することにより前記符号化画像データを生成する生成工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
  13. コンピュータを、請求項1乃至10の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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