JP2020128970A - 満充電容量推定方法 - Google Patents

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博之 野村
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順一 波多野
隆介 長谷
Ryusuke Hase
隆介 長谷
勇一郎 須藤
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勇一郎 須藤
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真一 会沢
祐希 村松
Yuki Muramatsu
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Abstract

【課題】電池の満充電容量の推定精度を向上させる。【解決手段】電池の満充電容量を推定する満充電容量推定方法は、電池への充電の開始時における電池の充電率、電池への充電の終了後における電池の充電率、および充電開始時から充電終了時までの期間における充電電流の積算値に基づいて第1の満充電容量を計算し、電池の使用量に対する電池の満充電容量の変化を表す特性情報に基づいて第2の満充電容量を計算し、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に対応する反映率を決定し、第1の満充電容量および反映率を用いて第2の満充電容量を補正することで電池の満充電容量を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、電池の満充電容量を推定する方法に係わる。
二次電池の満充電容量は、経年変化により、徐々に小さくなることが知られている。そして、二次電池の満充電容量が小さくなると、例えば、その二次電池が電気自動車またはプラグインハイブリッド車に搭載される場合、その車両の走行距離が短くなる。したがって、二次電池の満充電容量を推定する技術が提案および実用化されている。
電池の満充電容量は、例えば、(1)式により推定される。
満充電容量=電流積算値/(充電後SOC−充電前SOC)×100・・・(1)
(1)式において、電流積算値は、充電開始時から充電終了時までの期間における充電電流の積算値を表す。充電前SOCは、電池への充電の開始時におけるSOCを表す。充電後SOCは、電池への充電の終了後におけるSOCを表す。SOC(State of Charge)は、満充電容量に対する現在の充電容量を表す。即ち、SOCは、電池の充電率を表す。なお、充電前SOCおよび充電後SOCは、それぞれ、例えば、電池の開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)に基づいて算出される。
満充電容量の推定に係わる技術として、特許文献1は、精度の高い二次電池の寿命予測を可能とする方法を開示する。特許文献2は、電池の満充電容量の推定精度および推定頻度を向上させる技術を開示する。特許文献3は、電動車両に搭載された二次電池の劣化度の推定精度を高める技術を開示する。
特開2012−181066号公報 特開2015−040832号公報 特開2018−029430号公報
上述した推定方法においては、誤差が大きくなることがある。例えば、電流センサが誤差を有する場合、電流積算値の誤差が蓄積し、満充電容量の推定誤差も大きくなってしまう。また、電池の分極が十分に解消していない状態でその電池の電圧に基づいてSOCが計算されたときも、満充電容量の推定誤差が大きくなり得る。
本発明の1つの側面に係わる目的は、電池の満充電容量の推定精度を向上させることである。
本発明の1つの態様の満充電容量推定方法は、電池の満充電容量を推定する処理において、前記電池への充電の開始時における前記電池の充電率、前記電池への充電の終了後における前記電池の充電率、および充電開始時から充電終了時までの期間における充電電流の積算値に基づいて第1の満充電容量を計算し、前記電池の使用量に対する前記電池の満充電容量の変化を表す特性情報に基づいて第2の満充電容量を計算し、前記第1の満充電容量と前記第2の満充電容量との差分に対応する反映率を決定し、前記第1の満充電容量および前記反映率を用いて前記第2の満充電容量を補正することで前記電池の満充電容量を推定する。
上述の特性情報は、電池の使用環境等に応じて変化し得るので、この特性情報のみに基づいて推定される満充電容量(すなわち、第2の満充電容量)は、誤差を含む。そこで、電池の電圧および充電電流に基づいて新たに推定される満充電容量(すなわち、第1の満充電容量)で第2の満充電容量を補正する。ただし、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分が大きいときは、第1の満充電容量の信頼性が低いおそれがある。そこで、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて反映率を決定し、第1の満充電容量および反映率を用いて第2の満充電容量を補正することで電池の満充電容量を推定する。したがって、電池の満充電容量の推定精度が向上する。
前記第1の満充電容量がC1であり、前記第2の満充電容量がC2であり、前記反映率がRであるときに、C2×(1−R)+C1×Rで前記電池の満充電容量を推定してもよい。この場合、反映率が大きいときは、満充電容量の推定値に対する第1の満充電容量の寄与度が高くなる。よって、第1の満充電容量の信頼性が高いときは、反映率を大きくすることで、満充電容量の推定値の精度が高くなる。一方、反映率が小さいときは、満充電容量の推定値に対する第1の満充電容量の寄与度が低くなる。よって、第1の満充電容量の信頼性が低いときは、反映率を小さくすることで、満充電容量の推定精度をかえって低くしてしまう補正が抑制される。
前記第1の満充電容量と前記第2の満充電容量との差分が大きいほど前記反映率を小さくしてもよい。第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分が大きいときは、第1の満充電容量の信頼性が低いおそれがある。よって、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分が大きいときは、反映率を小さくすることで、満充電容量の推定値に対する第1の満充電容量の寄与度が低くなり、満充電容量の推定精度をかえって低くしてしまう補正が抑制される。
前記第1の満充電容量が前回の充電時に推定された満充電容量よりも大きいときは、前記反映率をゼロに設定してもよい。また、前記第1の満充電容量が前回の充電時に推定された満充電容量よりも大きいときは、前記差分に対応して決まる反映率よりも小さい反映率を使用して前記電池の満充電容量を推定してもよい。さらに、前記第1の満充電容量が前回の充電時に推定された満充電容量よりも大きいときは、前記電池の満充電容量の推定値として、前回の充電時に推定された満充電容量の値を出力してもよい。
ここで、電池の満充電容量は、電池の使用量の増加に伴って徐々に小さくなってゆくはずである。すなわち、ある充電動作において計算された第1の満充電容量が、前回の充電動作で推定された満充電容量よりも大きいときは、その第1の満充電容量の信頼性は低いと考えられる。よって、このようなケースでは、満充電容量の推定値に対する第1の満充電容量の寄与度を無くす又は小さくすることで、満充電容量の推定精度をかえって低くしてしまう補正が抑制される。
前記電池への充電の開始の直前に前記電池が使用されずに放置されていた期間が短いほど前記反映率を小さくしてもよい。また、前記電池への充電が終了したときから、前記電池の電圧に基づいて前記電池への充電の終了後における前記電池の充電率が計算されるまでの間の、前記電池が使用されずに放置されていた期間が短いほど前記反映率を小さくしてもよい。これらの期間が短いときは、電池の分極が解消していない可能性があるので、第1の満充電容量の信頼性は低い。よって、満充電容量の推定値に対する第1の満充電容量の寄与度を小さくすることで、満充電容量の推定精度をかえって低くしてしまう補正が抑制される。
充電開始時から充電終了時までの期間における温度変化が大きいほど前記反映率を小さくしてもよい。上述の温度変化が大きいときは、電池の電圧および充電電流の測定中の電池の状態が変化し、また、電流センサ及び/又は電圧センサにより検知される値の誤差が大きくなることがあるので、第1の満充電容量の信頼性は低くなる。よって、満充電容量の推定値に対する第1の満充電容量の寄与度を小さくすることで、満充電容量の推定精度をかえって低くしてしまう補正が抑制される。
上述のケースの他にも、第1の満充電容量の信頼性が低いときは、反映率を小さくすることで、満充電容量の推定値に対する第1の満充電容量の寄与度を小さくすることが好ましい。例えば、充電開始時から充電終了時までの期間における充電電流の積算値が小さいときは、反映率を小さくしてもよい。また、充電電流が小さいときは、反映率を小さくしてもよい。さらに、充電終了時における電池の温度が低いときは、反映率を小さくしてもよい。さらに、電池の開回路電圧に対応する、電池の充電率と開回路電圧との関係を表す特性曲線の傾きが所定の閾値より小さいときは、電池の開回路電圧に対応する、特性曲線の傾きが閾値より大きいときと比較して、反映率を小さくしてもよい。さらに、電池の劣化度が進行したときは、反映率を小さくしてもよい。
本発明の他の態様の満充電容量推定方法は、電池の満充電容量を推定する処理において、前記電池の使用量に対する前記電池の満充電容量の変化を表す特性情報をメモリから取得し、所定のモニタ期間において、前記電池が充電された回数に対する、予約された時間帯に前記電池を充電するタイマ充電が行われた回数の割合を検出し、前記割合に応じて前記特性情報を補正し、補正された前記特性情報に基づいて前記電池の満充電容量を推定する。このとき、例えば、前記割合が高いほど使用量に対する前記電池の満充電容量が大きくなるように、或いは、前記割合が低いほど使用量に対する前記電池の満充電容量が小さくなるように、前記特性情報を補正する。
タイマ充電でない通常の充電が行われるケースと比較すると、タイマ充電が行われるケースでは、電池が放置されるときのSOCが低くなる傾向がある。また、SOCが高い状態で電池が放置されるときと比較すると、SOCが低い状態で電池が放置される期間が長いときは、電池の劣化が遅くなる傾向が見られる。したがって、充電回数に対するタイマ充電の回数の割合に応じて特性情報を補正すれば、その特性情報を用いて推定される満充電容量の精度は高くなる。
上述の態様によれば、電池の満充電容量の推定精度が向上する。
本発明の実施形態に係わる満充電容量推定方法が使用される電池パックの一例を示す図である。 電池の満充電容量の劣化ラインの一例を示す図である。 充電動作および第1の満充電容量の計算の一例を示す図である。 反映率の決定および反映率に基づく満充電容量の推定の例を示す図である。 満充電容量推定方法の一例を示すフローチャートである。 第1の満充電容量の信頼性が低いケースの一例を示す図である。 SOC−OCV特性曲線の一例を示す図である。 SOCの変化の一例を示す図である。 タイマ充電の割合に応じた劣化ラインの補正の一例を示す図である。 他の実施形態に係る満充電容量推定方法の一例を示すフローチャートである。
図1は、本発明の実施形態に係わる満充電容量推定方法が使用される電池パックの一例を示す。図1に示す電池パック100は、例えば、電気自動車またはプラグインハイブリッド車に実装される。なお、以下の記載では、電気自動車またはプラグインハイブリッド車を「電動車両」と呼ぶことがある。
電池パック100は、図1に示すように、電池1、電流センサ2、電圧センサ3、温度センサ4、プロセッサ10、メモリ20を備える。なお、電池パック100は、図1に示していない他の回路要素を備えていてもよい。
電池1は、二次電池であり、充電装置200により充電され得る。なお、充電装置200は、電池パック100に着脱され得る。また、電池1は、不図示の負荷に電流を供給することができる。負荷は、例えば、電動車両のモータを含む。
電流センサ2は、充電装置200と電池1との間に設けられ、電池1の充電電流を検知する。電圧センサ3は、電池1の正極端子と負極端子との間の電圧を検知する。温度センサ4は、電池パック100内の温度を検知する。
プロセッサ10は、充電装置200による充電動作を制御する。例えば、プロセッサ10は、充電装置200に充電電流の指令値を与えることができる。また、プロセッサ10は、電池1の状態を管理することができる。電池1の状態を管理する処理は、電池1の満充電容量を推定する処理を含む。すなわち、プロセッサ10は、電池1の満充電容量を推定する満充電容量推定装置として動作することができる。この場合、満充電容量推定装置は、プロセッサ10に加えて電流センサ2および電圧センサ3を含んでもよい。
なお、この実施例では、プロセッサ10が充電制御および電池1の状態管理の双方を実行するが、本発明はこの構成に限定されるものではない。すなわち、充電装置200に充電電流の指令値を与える充電制御、および電池1の状態を管理する状態管理が、別々のプロセッサで実行されるように構成してもよい。
メモリ20は、電池1の特性を表す特性情報を格納する。特性情報は、電池1の満充電容量の劣化ラインを表す情報を含む。劣化ラインは、電池1の使用量に対する電池1の満充電容量の変化を表す。使用量とは、例えば、電池1が製造されたときからの時間経過[h]、充電量[Ah]、放電量[Ah]、または、電動車両の走行距離[km]などを用いることができる。なお、メモリ20は、特性情報以外の情報を格納してもよい。また、メモリ20は、プロセッサ10により実行されるソフトウェアプログラムを格納してもよい。この場合、プロセッサ10は、メモリ20に格納されているソフトウェアプログラムを実行することで電池1の満充電容量を推定してもよい。
図2は、電池1の使用量として時間経過を使用するときの電池1の満充電容量の劣化ラインの一例を示す。横軸は、電池1が製造されたときからの時間経過を表す。縦軸は、電池1の満充電容量を表す。
電池1の満充電容量は、図2に示すように、経年劣化により時間経過とともに徐々に小さくなってゆく。例えば、電池1が製造されたときからの時間経過がT1であるときは、電池1の満充電容量はCC1である。また、時間経過がT2であるときは、電池1の満充電容量はCC2である。なお、劣化ラインは、電池1の構造および電池1を構成する材料などに応じて予め作成される。そして、この劣化ラインを表す情報がメモリ20に格納される。
プロセッサ10は、図1に示すように、充電制御部11、第1の容量計算部12、第2の容量計算部13、反映率決定部14、推定部15、タイマ充電管理部16、特性情報補正部17を備える。なお、充電制御部11、第1の容量計算部12、第2の容量計算部13、反映率決定部14、推定部15、タイマ充電管理部16、特性情報補正部17の機能は、たとえば、メモリ20に格納されているソフトウェアプログラムを実行することにより実現される。また、プロセッサ10は、図1に示していない機能を提供することもできる。
充電制御部11は、充電電流の指令値を充電装置200に与えることで充電装置200を制御する。また、充電動作が定電流充電モードおよび定電圧充電モードを含むときは、充電制御部11は、定電流充電モードから定電圧充電モードへの切替えタイミングを制御してもよい。例えば、充電動作の開始時は、定電流充電モードで電池1が充電される。このとき、充電制御部11は、電圧センサ3により検知される電池1の電圧(閉回路電圧:CCV:Closed Circuit Voltage)をモニタする。そして、電池1の電圧が満充電電圧に達すると、定電流充電モードから定電圧充電モードへ切り替えられる。定電圧充電モードにおいては、充電電流は段階的に引き下げられる。そして、充電電流が十分に小さい状態が所定時間継続すると、充電制御部11は、充電動作を終了する。
第1の容量計算部12は、電池1への充電の開始時における電池1のSOC、電池1への充電の終了後における電池1のSOC、および充電開始時から充電終了時までの期間における充電電流の積算値に基づいて第1の満充電容量を計算する。この実施例では、第1の満充電容量は、(2)式により推定される。
第1の満充電容量=電流積算値/(充電後SOC−充電前SOC)×100・・・(2)
(2)式において、充電後SOCは、電池1への充電の終了後における電池1のSOCに相当する。充電前SOCは、電池1への充電の開始時における電池1のSOCに相当する。ここで、SOCは、電池1の開回路電圧に一意に対応し、その対応関係は既知であるものする。そうすると、第1の容量計算部12は、電圧センサ3により検知される電池1の電圧に基づいて、充電前SOCおよび充電後SOCを得ることができる。また、第1の容量計算部12は、電流センサ2により検知される充電電流を積算する。したがって、第1の容量計算部12は、第1の満充電容量を計算することができる。
図3は、充電動作および第1の満充電容量の計算の一例を示す。この例では、電池パック100は、電動車両(電気自動車またはプラグインハイブリッド車)に搭載され、走行用モータ等に電力を供給するものとする。横軸は、時間を表す。縦軸は、電池1の電圧および電流を表す。正の電流は、電池1から負荷へ供給される電流に相当し、負の電流は、充電電流に相当する。なお、図3に示す例では、電動車両のモータから電池1に電流が回生されるときも、負の電流が発生する。
時刻T3以前は、電動車両は走行している。時刻T3〜T4においては、電池1は、使用されず、また、充電もされない。すなわち、電池1は放置されている。このとき、時間経過とともに電池1の分極が解消する。時刻T4〜T5において、充電装置200により電池1が充電される。時刻T5〜T6においても、電池1は放置される。
第1の容量計算部12は、時刻T4において、電池1の開回路電圧を測定することにより充電前SOCを計算する。また、第1の容量計算部12は、時刻T4〜T5における充電電流を積算する。なお、充電電流を積算値は、図3に示す斜線領域の面積に相当する。さらに、時刻T6において、電池1の開回路電圧を測定することにより充電後SOCを計算する。そして、第1の容量計算部12は、上述した(2)式を利用して第1の満充電容量を計算する。
第2の容量計算部13は、メモリ20に格納されている特性情報に基づいて第2の満充電容量を計算する。具体的には、第2の容量計算部13は、図2に示す劣化ラインを参照し、第2の満充電容量として、電池1が製造されたときからの時間経過に対応する満充電容量を計算する。例えば、電池1が製造されたときからの時間経過がT1であるときは、第2の満充電容量として「CC1」が得られる。なお、プロセッサ10は、電池1が製造されたときからの時間経過を計時しているものとする。
反映率決定部14は、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に対応する反映率を決定する。反映率は、ゼロ以上であり、且つ、1以下である。
推定部15は、第1の満充電容量および反映率を用いて第2の満充電容量を補正することで電池1の満充電容量を推定する。この実施例では、推定部15は、(3)式を用いて電池1の満充電容量を推定する。
満充電容量=C2×(1−R)+C1×R・・・(3)
C1は、第1の容量計算部12により計算された第1の満充電容量を表す。C2は、第2の容量計算部13により計算された第2の満充電容量を表す。Rは、反映率決定部14により決定された反映率を表す。
ここで、第2の満充電容量は、図2に示す劣化ラインを利用して得られる。ところが、劣化ラインは、電池1が標準的な環境下で使用されたときの満充電容量の変化を表している。すなわち、実際の満充電容量は、電池1の使用環境に応じて、劣化ラインから乖離することがある。例えば、電池1が長い期間にわたって気温の高い地域で使用されたときは、実際の満充電容量は、劣化ラインで表される値より小さくなることがある。
そこで、推定部15は、充電時に計算される第1の満充電容量を利用して第2の満充電容量を補正する。ただし、第1の満充電容量は、充電電流の積算値および電池1の電圧に対応するSOCに基づいて計算されるので、誤差を含む。そして、第1の満充電容量の誤差が大きいときは、第1の満充電容量を利用して第2の満充電容量を補正することで電池1の満充電容量を推定すると、その推定結果の信頼性が低くなる。
したがって、推定部15は、第1の満充電容量を利用して第2の満充電容量を補正する計算に反映率を導入する。ここで、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分が小さいときは、第1の満充電容量の信頼性が高いと考えられる。この場合、満充電容量の推定値に対する第1の満充電容量の寄与度を大きくするために、反映率を大きくする。一方、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分が大きいときは、第1の満充電容量の信頼性が低いと考えられる。この場合、満充電容量の推定値に対する第1の満充電容量の寄与度を小さくするために、反映率を小さくする。
たとえば、図4(a)に示す例では、充電時の測定により計算される第1の満充電容量C1と劣化ラインを利用して得られる第2の満充電容量C2との差分は小さい。この場合、反映率Rとして比較的大きい値が決定される。この例では、反映率Rは0.5である。一方、図4(b)に示す例では、第1の満充電容量C1と第2の満充電容量C2との差分は大きい。この場合、反映率Rとして比較的小さい値が決定される。この例では、反映率Rは0.3である。
図5は、満充電容量を推定する方法の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの手順は、例えば、電池1が充電されるときに実行される。
S1において、充電動作が開始される。充電動作は、例えば、電池パック100に充電装置200が接続されたときに実行される。S2において、第1の容量計算部12は、第1の満充電容量を計算する。第1の満充電容量を計算する処理は、充電前SOCを計算する処理、充電電流を積算する処理、充電後SOCを計算する処理を含む。S3において、第2の容量計算部13は、劣化ラインを利用して第2の満充電容量を計算する。S4において、反映率決定部14は、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に対応する反映率を決定する。S5において、推定部15は、第1の満充電容量および反映率を用いて第2の満充電容量を補正することで電池1の満充電容量を推定する。このとき、推定部15は、例えば、上述した(3)式を利用して電池1の満充電容量を推定する。
このように、本発明の実施形態に係わる満充電容量推定方法においては、測定により得られる第1の満充電容量および反映率を用いて、劣化ラインを利用して得られる第2の満充電容量を補正することで電池1の満充電容量が推定される。ここで、反映率は、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定される。したがって、測定により得られる第1の満充電容量の信頼性を勘案して第2の満充電容量が補正されるので、電池1の満充電容量の推定精度が向上する。
なお、上述のようにして推定される満充電容量は、例えば、以降の充電動作においてSOCを計算する際に使用される。この場合、SOCは(4)式で表される。
SOC=充電前SOC+100×電流積算値/満充電容量・・・(4)
ここで、上述したように、満充電容量の推定精度は高い。したがって、この満充電容量の推定値を使用して得られるSOCの精度も高くなる。
<バリエーション1>
電池1の満充電容量は、使用量の増加に伴って、徐々に小さくなってゆく。したがって、ある充電動作において新たに計算される第1の満充電容量が、前回の充電動作で推定された満充電容量より大きいときは、その第1の満充電容量の信頼性は低いと考えられる。
例えば、図6に示す例では、N−1回目の充電動作において、第1の満充電容量C1および第2の満充電容量C2に基づいて満充電容量の推定値Eが得られている、そして、N回目の充電動作において計算された第1の満充電容量C1は、N−1回目の充電動作において得られた満充電容量の推定値Eよりも大きい。
この場合、N回目の充電動作において計算された第1の満充電容量C1の信頼性は低いと判定される。そうすると、N回目の充電動作における満充電容量は、以下のいずれかの方法により推定される。
(1)反映率Rをゼロに設定する。この場合、上述の(3)式に「R=ゼロ」が与えられるので「満充電容量=C2」が得られる。すなわち、測定により得られる第1の満充電容量は無視され、N回目の充電動作において劣化ラインを利用して得られる第2の満充電容量が満充電容量の推定値として出力される。
(2)第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に対応して決まる反映率よりも小さい反映率を使用する。例えば、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に対応して決まる反映率が0.5である場合、反映率として0.1が使用される。この場合、満充電容量の推定値に対する第1の満充電容量の寄与度が小さくなる。
(3)満充電容量の推定値として、前回の充電時に推定された満充電容量の値を出力する。例えば、図6に示す例では、N回目の充電動作に対する満充電容量の推定値として、N−1回目の充電時に得られている推定値Eが出力される。
<バリエーション2>
電池1の満充電容量は、上述したように、充電開始時のSOCおよび充電終了後のSOCを利用して計算される。ここで、SOCは、電池1の電圧に基づいて算出される。ところが、電池1の電圧は、電池の分極の影響を受ける。例えば、図3に示す例では、時刻T3において電池1の使用を停止したときから時刻T4において充電を開始するまでの放置期間が短いと、時刻T4において得られる充電前SOCの信頼性は低い。また、時刻T5において電池1の充電が終了したときから時刻T6において電池1の開回路電圧に基づいてSOCを計算するまでの放置期間が短いと、時刻T6において得られる充電後SOCの信頼性は低い。すなわち、充電開始前の放置時間および/または充電終了後の放置期間が短いと、第1の満充電容量の信頼性は低くなる。
そこで、反映率決定部14は、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を、上述の放置期間に応じて調整する。一例としては、反映率決定部14は、以下のようにして反映率を調整する。
(1)電池1への充電の開始の直前に電池1が使用されずに放置されていた期間が短いほど反映率を小さくする。例えば、図3に示す期間T3〜T4が所定の閾値期間より短いときは、期間T3〜T4が閾値期間より長いときに第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率より小さい値に調整された反映率を使用して満充電容量を推定する。一例としては、図3に示す期間T3〜T4が所定の閾値期間より短いときは、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を2分の1にする。
(2)電池1への充電が終了したときから、電池1の開回路電圧に基づいて充電の終了後における充電率が計算されるまでの間の放置期間が短いほど反映率を小さくする。例えば、図3に示す期間T5〜T6が所定の閾値期間より短いときは、期間T5〜T6が所定の閾値期間より長いときに第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率より小さい値に調整された反映率を使用して満充電容量を推定する。一例としては、図3に示す期間T5〜T6が所定の閾値期間より短いときは、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を2分の1にする。
上述の調整によれば、電池1の分極が解消しておらず、時刻T4または時刻T6における開回路電圧の誤差が大きいと考えられるときには、反映率が小さくなり、満充電容量の推定値に対する第1の満充電容量の寄与度が小さくなる。したがって、満充電容量の推定精度をかえって低くしてしまう補正が抑制される。
<バリエーション3>
電池パック100内の温度が変化すると、電池1の状態が変化し、また、電流センサ2及び/又は電圧センサ3により検知される値の誤差が大きくなることがある。すなわち、充電動作中に電池パック100内の温度が変化すると、第1の満充電容量の信頼性は低くなる。
そこで、反映率決定部14は、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を、電池パック100内の温度の変化に応じて調整する。一例としては、反映率決定部14は、充電開始時から充電終了時までの期間における温度変化が大きいほど反映率を小さくする。例えば、充電開始時から充電終了時までの期間における温度変化が所定の閾値より大きいときは、温度変化が所定の閾値より小さいときに第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率より小さい値に調整された反映率を使用して満充電容量を推定する。一例としては、充電開始時から充電終了時までの期間における温度変化が所定の閾値より大きいときは、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を2分の1にする。なお、電池パック100内の温度は、温度センサ4により検知される。
<バリエーション4>
満充電容量を推定するために使用される第1の満充電容量は、上述したように、充電開始時から充電終了時までの期間における充電電流の積算値に基づいて計算される。ところが、充電電流の測定値は誤差を含む。そして、充電電流の積算値が小さいときは、(2)式における(充電後SOC−充電前SOC)に対する充電電流の測定誤差の影響が大きくなる。すなわち、充電電流の積算値が小さいときは、第1の満充電容量の信頼性が低くなる。
そこで、反映率決定部14は、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を、充電電流の積算値に基づいて調整する。すなわち、充電電流の積算値が小さいほど反映率を小さくする。例えば、充電電流の積算値が所定の閾値より小さいときは、充電電流の積算値が所定の閾値より大きいときに第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率より小さい値に調整された反映率を使用して満充電容量を推定する。一例としては、充電電流の積算値が所定の閾値より小さいときは、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を2分の1にする。
<バリエーション5>
バリエーション4に関連して説明したように、充電電流の測定誤差が第1の満充電容量の精度を低下させる。ここで、充電電流が小さいときは、充電電流の測定値に対する測定誤差の影響が大きくなる。すなわち、充電電流が小さいときは、第1の満充電容量の信頼性が低くなる。
そこで、反映率決定部14は、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を、充電電流の大きさに基づいて調整する。すなわち、充電電流が小さいほど反映率を小さくする。例えば、充電電流が所定の閾値より小さいときは、充電電流が所定の閾値より大きいときに第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率より小さい値に調整された反映率を使用して満充電容量を推定する。一例としては、充電電流が所定の閾値より小さいときは、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を2分の1にする。
<バリエーション6>
上述したように、電池1のSOCは電池1の電圧に基づいて推定されるが、電池1の電圧は分極の影響を受ける。ここで、電池1の温度が低いときは、分極の解消が遅くなる。そして、電池1の分極が解消していないときは、電池1の電圧に基づいて推定されるSOCの精度が低く、そのSOCに基づいて計算される第1の満充電容量の精度も低くなる。
そこで、反映率決定部14は、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を、充電終了時の電池1の温度に基づいて調整する。すなわち、充電終了時の電池1の温度が低いほど反映率を小さくする。例えば、充電終了時の電池1の温度が所定の閾値より低いときは、充電終了時の電池1の温度が所定の閾値より高いときに第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率より小さい値に調整された反映率を使用して満充電容量を推定する。一例としては、充電終了時の電池1の温度が所定の閾値より低いときは、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を2分の1にする。
<バリエーション7>
電池1のSOCは、例えば、SOC−OCV特性曲線を利用して推定される。ここで、SOC−OCV特性曲線は、予め用意されているものとする。この場合、電圧センサ3を用いて電池1の開回路電圧(即ち、OCV)を測定することで、電池1のSOCが推定される。ところが、電池1の種別によっては、図7に示すように、SOC−OCV特性曲線がフラット領域を有する。フラット領域は、SOCに対するOCVの傾き(ΔOCV/ΔSOC)が、所定の閾値よりも小さい領域を表す。図7に示す例では、SOCが30〜55パーセントの領域がフラット領域に相当する。なお、リチウムイオン電池は、比較的広いフラット領域を有することが知られている。
フラット領域においては、SOC−OCV特性曲線を利用してOCVからSOCを推定する際に、OCVが僅かに変化しただけでSOCが大きく変化する。このため、SOCの推定においてOCVの測定誤差の影響が大きくなる。すなわち、電池1の状態がフラット領域内に入っているときは、電池1のOCVに基づいて推定されるSOCの精度が低く、そのSOCに基づいて計算される第1の満充電容量の精度も低くなる。
そこで、反映率決定部14は、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を、電池1の充電開始時または充電終了時における電池1の開回路電圧に対応するSOC−OCV特性曲線の傾きに応じて調整する。具体的には、電池1の開回路電圧に対応するΔOCV/ΔSOCが小さいほど、反映率を小さくする。例えば、電池1の開回路電圧に対応するΔOCV/ΔSOCが所定の閾値より小さいときは、ΔOCV/ΔSOCが所定の閾値より大きいときに第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率より小さい値に調整された反映率を使用して満充電容量を推定する。一例としては、電池1の開回路電圧に対応するΔOCV/ΔSOCが所定の閾値より小さいときは、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を2分の1にする。
<バリエーション8>
電池1が劣化すると、それに伴ってSOC−OCV特性曲線が変化してゆく。そして、SOC−OCV特性曲線が変化してしまうと、電池1の電圧に基づくSOCの推定精度が低くなり、第1の満充電容量の精度も低くなる。
そこで、反映率決定部14は、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を、電池1の劣化度に応じて調整する。例えば、電池1の劣化度が所定の閾値レベルより進行したときは、電池1の劣化度が所定の閾値レベルより進行していないときに第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率より小さい値に調整された反映率を使用して満充電容量を推定する。一例としては、電池1の劣化度が所定の閾値レベルより進行したときは、第1の満充電容量と第2の満充電容量との差分に応じて決定した反映率を2分の1にする。
なお、電池1の現在の劣化度は、例えば、下記の方法で計算される。
(1)電池1の内部抵抗の初期値に対する現在の内部抵抗の値が大きいほど、電池1の劣化が進行していると判定される。電池1の内部抵抗は、例えば、I−Vプロットの傾き、或いは、電流を流す前後での電圧の変化量ΔV/Iなどに基づいて計算され得る。
(2)電池1の満充電容量の初期値に対する現在の満充電容量が小さいほど、電池1の劣化が進行していると判定される。
(3)電池1の使用開始時から現在までの期間における累積電流積算値が大きいほど、電池1の劣化が進行していると判定される。
<他の実施形態>
上述したように、推定部15は、図2に示す劣化ラインを利用して電池1の満充電容量を推定する。ただし、劣化ラインは、電池1が標準的な環境下で使用されたときの満充電容量の変化を表している。すなわち、実際の満充電容量は、電池1の使用環境に応じて、劣化ラインから乖離することがある。
例えば、SOC(すなわち、充電率)が高い状態で電池1が放置される期間が長いときは、SOCが低い状態で電池1が放置される期間が長いときと比較して、電池1の劣化が進みやすく、満充電容量が小さくなる傾向が見られる。よって、電池1のSOCを継続的にモニタし、電池1が放置されているときのSOCの分布または平均値に基づいて劣化ラインを補正すれば、満充電容量の推定精度の改善が期待される。
ところが、電池1のSOCを継続的にモニタする場合、プロセッサ10の処理量が増加し、また、SOCの計算結果を格納するためのメモリ容量も増加する。そこで、他の実施形態では、簡易な方法で劣化ラインを補正する機能を提供する。この機能は、図1に示すタイマ充電管理部16および特性情報補正部17を利用して実現される。
タイマ充電管理部16は、所定のモニタ期間において、電池1が充電された回数およびタイマ充電が行われた回数をそれぞれカウントする。タイマ充電は、この実施例では、ユーザ等により予約された時間帯に電池1を充電する充電動作を意味する。そして、タイマ充電管理部16は、充電回数に対するタイマ充電の回数の割合を検出する。例えば、所定のモニタ期間において100回の充電が行われ、そのうちの50回がタイマ充電であったケースでは、「割合:0.5」が得られる。
特性情報補正部17は、タイマ充電管理部16により検出された割合に応じて特性情報を補正する。具体的には、特性情報補正部17は、充電回数に対するタイマ充電の回数の割合に応じて図2に示す劣化ラインを補正する。モニタ期間は、特に限定されるものではないが、例えば、1年程度である。この場合、1年ごとに劣化ラインが補正される。そして、推定部15は、特性情報補正部17により補正された特性情報(すなわち、劣化ライン)に基づいて電池1の満充電容量を推定する。
図8は、SOCの変化の一例を示す。この実施例では、電池パック100が電動車両に搭載され、電池1は走行用モータに電力を供給する。また、電動車両は、午前9時から午後6時の間に走行する。すなわち、電池1は、午前9時から午後6時の間に使用される。
図8(a)に示すケースでは、ユーザは、午後6時に電動車両の走行を終えると、即座に電池1の充電を開始する。そして、充電は、3時間で完了する。すなわち、午後9時に充電が終了する。この場合、電池1のSOCは、午後9時から翌日の午前9時までの間、100パーセントに近い状態に保持される。すなわち、電池1が放置されている期間のSOCは高くなる。
一方、図8(b)に示すケースでは、ユーザは、タイマ充電を行う。この例では、翌日の午前9時に充電が終了するように、タイマ充電が設定される。ここで、充電時間は3時間なので、翌日の午前6時に充電が開始される。この場合、電池1のSOCは、午後6時から翌日の午前6時までの間、電動車両の走行後の状態に保持される。すなわち、電池1が放置されている期間のSOCは低くなる。
このように、タイマ充電でない通常の充電が行われるケースと比較すると、タイマ充電が行われるケースでは、電池1が放置されている期間のSOCが低くなる傾向がある。また、SOCが高い状態で電池1が放置されるときと比較すると、SOCが低い状態で電池1が放置される期間が長いときは、電池1の劣化が遅く、電池1の製造時に想定された標準的な劣化ラインよりも満充電容量が大きくなる傾向が見られる。したがって、充電回数に対するタイマ充電の回数の割合が高いほど、満充電容量の劣化ラインは、満充電容量が大きくなる方向にシフトすると考えられる。
そこで、特性情報補正部17は、充電回数に対するタイマ充電の回数の割合に応じて劣化ラインを補正する。このとき、特性情報補正部17は、図9に示すように、充電回数に対するタイマ充電の回数の割合が高いほど、時間経過に対する電池1の満充電容量が大きくなるように劣化ラインを補正する。また、特性情報補正部17は、充電回数に対するタイマ充電の回数の割合が低いほど、時間経過に対する電池1の満充電容量が小さくなるように劣化ラインを補正する。この結果、SOCに起因する劣化ラインの変動が補償されるので、満充電容量の推定精度が向上する。
図10は、他の実施形態に係る満充電容量推定方法の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの手順は、定期的(例えば、1年ごと)に実行されるようにしてもよい。なお、タイマ充電管理部16は、電池1の充電が実行された回数およびタイマ充電が実行された回数をそれぞれカウントするものとする。そして、これらのカウント値は、メモリ20に格納されている。
S11において、タイマ充電管理部16は、所定のモニタ期間における充電回数を取得する。S12において、タイマ充電管理部16は、所定のモニタ期間におけるタイマ充電の回数を取得する。S13において、タイマ充電管理部16は、充電回数に対するタイマ充電の回数の割合を計算する。
S14において、特性情報補正部17は、充電回数に対するタイマ充電の回数の割合に応じて劣化ラインを補正する。そして、S15において、推定部15は、補正後の劣化ラインを利用して電池1の満充電容量を推定する。
このように、他の実施形態においては、タイマ充電が行われる割合が高いときに電池1が低いSOCで放置される傾向が強いことを利用し、タイマ充電が行われる割合に応じて劣化ラインが補正される。この結果、満充電容量の推定精度が高くなる。加えて、電池1のSOCを継続的にモニタして記録する代わりに、充電回数およびタイマ充電の回数をカウントすることで劣化ラインを補正するので、プロセッサ10の処理量が削減され、また、SOCの計算結果を格納するためのメモリ容量も削減される。
なお、図8に示す実施例では、電池1が使用される時刻から逆算してタイマ充電の開始時刻が設定されるが、本発明はこのケースに限定されるものではない。例えば、電気料金の安い時間帯に充電が行われるようにタイマ充電が設定されるようにしてもよい。
また、図5に示す手順および図10に示す手順を組み合わせてもよい。すなわち、第2の容量計算部13は、図10に示すフローチャートの手順で補正された劣化ラインを利用して第2の満充電容量を計算してもよい。この場合、第2の満充電容量の信頼性が高くなるので、推定部15により得られる満充電容量の推定値の精度がさらに高くなる。
また、上記実施形態において、電池1の使用量としての時間経過を他の使用量に置き換えてもよい。
1 電池
2 電流センサ
3 電圧センサ
4 温度センサ
10 プロセッサ
11 充電制御部
12 第1の容量計算部
13 第2の容量計算部
14 反映率決定部
15 推定部
16 タイマ充電管理部
17 特性情報補正部
20 メモリ
100 電池パック

Claims (19)

  1. 電池の満充電容量を推定する満充電容量推定方法であって、
    前記電池への充電の開始時における前記電池の充電率、前記電池への充電の終了後における前記電池の充電率、および充電開始時から充電終了時までの期間における充電電流の積算値に基づいて第1の満充電容量を計算し、
    前記電池の使用量に対する前記電池の満充電容量の変化を表す特性情報に基づいて第2の満充電容量を計算し、
    前記第1の満充電容量と前記第2の満充電容量との差分に対応する反映率を決定し、
    前記第1の満充電容量および前記反映率を用いて前記第2の満充電容量を補正することで前記電池の満充電容量を推定する
    ことを特徴とする満充電容量推定方法。
  2. 前記第1の満充電容量がC1であり、前記第2の満充電容量がC2であり、前記反映率がRであるときに、前記電池の満充電容量はC2×(1−R)+C1×Rで表される
    ことを特徴とする請求項1に記載の満充電容量推定方法。
  3. 前記第1の満充電容量と前記第2の満充電容量との差分が大きいほど前記反映率は小さい
    ことを特徴とする請求項1に記載の満充電容量推定方法。
  4. 前記第1の満充電容量が前回の充電時に推定された満充電容量よりも大きいときは、前記反映率はゼロである
    ことを特徴とする請求項1に記載の満充電容量推定方法。
  5. 前記第1の満充電容量が前回の充電時に推定された満充電容量よりも大きいときは、前記差分に対応して決まる反映率よりも小さい反映率を使用して前記電池の満充電容量を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の満充電容量推定方法。
  6. 前記第1の満充電容量が前回の充電時に推定された満充電容量よりも大きいときは、前記電池の満充電容量の推定値として、前回の充電時に推定された満充電容量の値を出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の満充電容量推定方法。
  7. 前記電池への充電の開始の直前に前記電池が使用されずに放置されていた期間が短いほど前記反映率は小さい
    ことを特徴とする請求項1に記載の満充電容量推定方法。
  8. 前記電池への充電が終了したときから、前記電池の電圧に基づいて前記電池への充電の終了後における前記電池の充電率が計算されるまでの間の、前記電池が使用されずに放置されていた期間が短いほど前記反映率は小さい
    ことを特徴とする請求項1に記載の満充電容量推定方法。
  9. 充電開始時から充電終了時までの期間における温度変化が大きいほど前記反映率は小さい
    ことを特徴とする請求項1に記載の満充電容量推定方法。
  10. 充電開始時から充電終了時までの期間における充電電流の積算値が小さいほど前記反映率は小さい
    ことを特徴とする請求項1に記載の満充電容量推定方法。
  11. 充電電流が小さいほど前記反映率は小さい
    ことを特徴とする請求項1に記載の満充電容量推定方法。
  12. 充電終了時における前記電池の温度が低いほど前記反映率は小さい
    ことを特徴とする請求項1に記載の満充電容量推定方法。
  13. 前記電池の開回路電圧に対応する、前記電池の充電率と開回路電圧との関係を表す特性曲線の傾きが所定の閾値より小さいときは、前記電池の開回路電圧に対応する、前記特性曲線の傾きが前記閾値より大きいときと比較して、前記反映率を小さくする
    ことを特徴とする請求項1に記載の満充電容量推定方法。
  14. 前記電池の劣化度が進行するほど前記反映率は小さい
    ことを特徴とする請求項1に記載の満充電容量推定方法。
  15. 電池の満充電容量を推定する満充電容量推定方法であって、
    前記電池の使用量に対する前記電池の満充電容量の変化を表す特性情報をメモリから取得し、
    所定のモニタ期間において、前記電池が充電された回数に対する、予約された時間帯に前記電池を充電するタイマ充電が行われた回数の割合を検出し、
    前記割合に応じて前記特性情報を補正し、
    補正された前記特性情報に基づいて前記電池の満充電容量を推定する
    ことを特徴とする満充電容量推定方法。
  16. 前記割合が高いほど使用量に対する前記電池の満充電容量が大きくなるように、或いは、前記割合が低いほど使用量に対する前記電池の満充電容量が小さくなるように、前記特性情報を補正する
    ことを特徴とする請求項15に記載の満充電容量推定方法。
  17. 前記電池への充電の開始時における前記電池の充電率、前記電池への充電の終了後における前記電池の充電率、および充電開始時から充電終了時までの期間における充電電流の積算値に基づいて第1の満充電容量を計算し、
    補正された前記特性情報に基づいて第2の満充電容量を計算し、
    前記第1の満充電容量と前記第2の満充電容量との差分に対応する反映率を決定し、
    前記第1の満充電容量および前記反映率を用いて前記第2の満充電容量を補正することで前記電池の満充電容量を推定する
    ことを特徴とする請求項15に記載の満充電容量推定方法。
  18. 電池と、
    前記電池への充電の開始時における前記電池の充電率、前記電池への充電の終了後における前記電池の充電率、および充電開始時から充電終了時までの期間における充電電流の積算値に基づいて第1の満充電容量を計算する第1の容量計算部と、
    前記電池の使用量に対する前記電池の満充電容量の変化を表す特性情報に基づいて第2の満充電容量を計算する第2の容量計算部と、
    前記第1の満充電容量と前記第2の満充電容量との差分に対応する反映率を決定する反映率決定部と、
    前記第1の満充電容量および前記反映率を用いて前記第2の満充電容量を補正することで前記電池の満充電容量を推定する推定部と、
    を備える電池パック。
  19. 電池と、
    所定のモニタ期間において、前記電池が充電された回数に対する、予約された時間帯に前記電池を充電するタイマ充電が行われた回数の割合を検出するタイマ充電管理部と、
    前記電池の使用量に対する前記電池の満充電容量の変化を表す特性情報をメモリから取得し、前記割合に応じて前記特性情報を補正する特性情報補正部と、
    補正された前記特性情報に基づいて前記電池の満充電容量を推定する推定部と、
    を備える電池パック。
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