JP2020128346A - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的多量の電解質を配合しても安定な水中油型のピッカリングエマルションを形成可能な水中油型乳化組成物を提供する。【解決手段】成分(A):親水化表面処理を施したシリコーン粉体、成分(B):電解質、成分(C):水、及び成分(D):炭化水素油、エステル油、シリコーン油、及び植物油からなる群より選択される1以上の油性成分を含有し、前記成分(B)及び前記成分(C)の合計に対する前記成分(B)の質量割合が0.5〜10.0質量%であり、エタノールを含まないか、又は、前記成分(C)100質量部に対するエタノールの含有量が5.0質量部以下である、水中油型乳化組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、水中油型乳化組成物に関する。
界面活性剤を必要としないエマルションとして、粉体を用いたピッカリングエマルションが知られている。従来、水中油型のピッカリングエマルションを形成するためには、粉体の油相及び水相への濡れ性の観点から、比較的親水性が高い粉体が使用されることが一般的であった。例えば、粉体としてシリカ被覆酸化亜鉛などを用いた水中油型エマルションが知られている(特許文献1参照)。
特開2007−332037号公報
しかしながら、上記のような比較的親水性が高い粉体を配合したピッカリングエマルションに電解質を添加すると粉体が凝集しやすくなり、エマルションの安定性が低下するため、電解質を添加した系では安定したピッカリングエマルションを得ることが困難であった。
従って、本発明の目的は、比較的多量の電解質を配合しても安定な水中油型のピッカリングエマルションを形成可能な水中油型乳化組成物を提供することにある。
本発明者は、親水化表面処理を施したシリコーン粉体、特定量の電解質、水、及び特定の油性成分を配合する水中油型乳化組成物によれば、比較的多量の電解質を配合しても、安定な水中油型のピッカリングエマルションを形成可能であることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、
下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、及び下記成分(D)を含有し、
上記成分(B)及び上記成分(C)の合計に対する上記成分(B)の質量割合が0.5〜10.0質量%であり、
エタノールを含まないか、又は、上記成分(C)100質量部に対するエタノールの含有量が5.0質量部以下である、水中油型乳化組成物を提供する。
成分(A):親水化表面処理を施したシリコーン粉体
成分(B):電解質
成分(C):水
成分(D):炭化水素油、エステル油、シリコーン油、及び植物油からなる群より選択される1以上の油性成分
上記成分(D)のIOB値は0〜0.35であることが好ましい。
上記水中油型乳化組成物は、界面活性剤の含有割合が0.01質量%以下であることが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物によれば、特定量の電解質を配合した、安定な水中油型のピッカリングエマルションが得られる。
本発明の水中油型乳化組成物は、親水化表面処理を施したシリコーン粉体;電解質;水;並びに、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、及び植物油からなる群より選択される1以上の油性成分を少なくとも含む。なお、本明細書において、親水化表面処理を施したシリコーン粉体を「成分(A)」と称する場合がある。また、電解質を「成分(B)」と称する場合がある。また、水を「成分(C)」と称する場合がある。また、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、及び植物油からなる群より選択される1以上の油性成分を「成分(D)」と称する場合がある。
すなわち、本発明の水中油型乳化組成物は、成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)を少なくとも含む。本発明の水中油型乳化組成物は、上記成分(A)〜(D)以外の成分を含んでいてもよい。また、本発明の水中油型乳化組成物に含まれる各成分、例えば、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、及び他の成分などの各成分は、それぞれ、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
本発明の水中油型乳化組成物は、ピッカリングエマルションである水中油型(O/W型)エマルション層を有する。本発明の水中油型乳化組成物は、ピッカリングエマルション層と、当該ピッカリングエマルション層よりも比重が大きい水相とを有していてもよい。
[成分(A)]
成分(A)は、親水化表面処理を施したシリコーン粉体である。シリコーン粉体は疎水性であるが、上記成分(A)は、親水化表面処理が施されていることにより、ある程度の親水性となり、本発明の系における、水相への濡れ性と、油相への濡れ性のバランスが、O/W型のピッカリングエマルションを安定的に形成しうるために適正なものとなる。また、親水性の高い粉体と比べて、電解質存在下で凝集しにくく、ピッカリングエマルションの安定性が向上する。成分(A)は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
成分(A)を構成するシリコーン粉体としては、例えば、ポリメチルシルセスキオキサン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマーなどから形成された粉体が挙げられる。また、シリコーン粉体の親水化表面処理方法としては、特に限定されず、例えば、シリカ処理(シリカ被覆等)、アルミナ処理、水酸化アルミニウム処理、各種プラズマ処理などの公知の表面処理方法が挙げられる。中でも、シリカ被覆が好ましい。成分(A)としては、親水化表面処理された(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーが好ましく、より好ましくは、シリカ被覆(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーである。
成分(A)としては、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、商品名「EP−9801 Hydro Cosmetic Powder」、東レ・ダウコーニング株式会社製(シリカで表面を被覆した(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー)などが挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物中の成分(A)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の水中油型乳化組成物100質量%に対して、0.1〜3.0質量%が好ましく、より好ましくは0.15〜2.0質量%である。上記含有割合が上記範囲内であると、O/W型のピッカリングエマルションをより安定的に形成することができる。
[成分(B)]
成分(B)は、電解質である。本発明の水中油型乳化組成物は、成分(B)を配合することにより、成分(A)の表面が中和され、油相への濡れ性が向上する。これにより、安定的にO/W型のピッカリングエマルションを形成することができる。
本発明の水中油型乳化組成物において、上記成分(B)及び上記成分(C)の合計に対する上記成分(B)の質量割合[成分(B)/{成分(B)+成分(C)}×100]が0.5〜10.0質量%であり、好ましくは1.0〜5.0質量%である。上記割合が、0.5質量%以上である場合、油相への濡れ性が向上し、ピッカリングエマルションの安定性が向上する。
上記電解質としては、例えば、金属塩(例えば、一価の金属塩、二価以上の多価金属塩など)などが挙げられる。上記金属塩は、無機塩であってもよいし、有機塩であってもよい。上記金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、アンモニウム塩、アルミニウム塩などが挙げられる。上記電解質としては、具体的には、パラフェノールスルホン酸亜鉛、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、ミョウバン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、塩化アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム(クエン酸三ナトリウム)、エデト酸二ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウム、乳酸ナトリウム、乳酸マグネシウムなどが挙げられる。また、塩化ベンザルコニウム、クロルヒドロキシアルミニウムも挙げられる。上記電解質は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
[成分(C)]
成分(C)は水であり、特に限定されないが、精製水が好ましい。成分(C)は、本発明の水中油型乳化組成物におけるO/W型のピッカリングエマルションの水相(マトリックス)を形成する成分である。
本発明の水中油型乳化組成物中の成分(C)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の水中油型乳化組成物100質量%に対して、30.0〜95.0質量%が好ましく、より好ましくは45.0〜90.0質量%である。上記含有割合が30.0質量%以上であると、水相成分の割合が高くなり、O/W型のピッカリングエマルションがより安定的に形成される。成分(D)の添加効果(例えば、エモリエント性の付与)を発揮させる観点から、上記含有割合は95.0質量%以下が好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、エタノールを含まないか、又は、成分(C)100質量部に対するエタノールの含有量が、5.0質量部以下であり、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、さらに好ましくは2.0質量部以下、特に好ましくは1.0質量部以下である。上記エタノールの含有割合が、5.0質量部を超えると、水和層が小さくなり、成分(A)の分散性が低下し、油―水界面に成分(A)が吸着できずに、凝集を来し、安定的にO/W型のピッカリングエマルションを形成できなくなる場合がある。また、本発明の水中油型乳化組成物を化粧料組成物として使用する場合、低刺激性に優れる。
[成分(D)]
成分(D)は、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、及び植物油からなる群より選択される1以上の油性成分である。成分(D)は、エマルションにおける油相を形成する。成分(D)は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記炭化水素油としては、例えば、α−オレフィンオリゴマー、ワセリン、イソパラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、水添ポリイソブテン、水添(テトラデセニル/メチルペンタデセン)、イソドデカンなどが挙げられる。
上記エステル油としては、例えば、オクタン酸セチル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸イソノニル、アジピン酸ジイソプロピル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、リンゴ酸ジイソステアリル、トリエチルヘキサン酸エリスリチル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、(エチルヘキサン酸/ステアリン酸/アジピン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、ヘキサ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ジペンタエリスリチル、安息香酸アルキル(C12−15)などが挙げられる。中でも、油−水界面への成分(A)の吸着効率に優れる観点から、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、及び/又は、パルミチン酸2−エチルヘキシルを用いることが好ましい。
上記シリコーン油としては、例えば、メチルポリシロキサン(ジメチコン)、高重合メチルポリシロキサンなどのジメチルシリコーン油;メチルフェニルポリシロキサンなどのメチルフェニルシリコーン油;メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状シリコーン油;アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体などのアミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーンなどの変性シリコーン;メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチコノールなどが挙げられる。中でも、油−水界面への成分(A)の吸着効率に優れる観点から、ジメチコンを用いることが好ましい。
上記植物油としては、例えば、マカデミアナッツ油、ユーカリ油、ヤシ油、アボカド油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ククイナッツ油、シア脂(シアバター)、カカオバター、アーモンド油、ヒマワリ油、ローズヒップ油、オリーブスクワラン、カメリアオイル、キウイフルーツシード油、ツバキ油、杏仁油、ゴマ油、大豆油、ホホバ油、ヒマシ油、ヘーゼルナッツ油、メドホーム油、ハッカ油、アルガンオイル、カロットオイル、ラベンダー油、シュガースクワラン、ダマスクバラ花ロウ、センチフォリアバラ花ロウ、ソケイ花ワックス、椿油、これらの水素添加物(例えば、水素添加ヒマシ油、水素添加ホホバ油、水素添加パーム油、水素添加アボカド油、水素添加大豆油など)などが挙げられる。
成分(D)のIOB値は、特に限定されないが、0〜0.35が好ましい。上記IOB値が0.35以下であると、成分(A)の水相及び油相に対する濡れ性のバランスが適正なものとなるためと推測されるが、O/W型のピッカリングエマルションの安定性がより一層向上する。なお、上記IOB値は、本発明の水中油型乳化組成物中の全ての成分(D)の値であり、成分(D)を二種以上含む場合は混合後の値である。IOB(Inorganicity Organicity Balance)値は、無機性値(Inorganicity)を有機性値(Organicity)で除した値である。成分(D)を二種以上含む場合は混合後のIOB値は、加重平均により算出できる。各成分(D)のIOB値は、例えば甲田善生著、「有機概念図−基礎と応用−」、三共出版、1984年発行(p11〜17)に基づいて求めることができる。
本発明の水中油型乳化組成物中の成分(D)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の水中油型乳化組成物100質量%に対して、1.0〜60.0質量%が好ましく、より好ましくは2.0〜50.0質量%である。上記含有割合が上記範囲内であると、より安定なO/W型のピッカリングエマルションを形成できる。
本発明の水中油型乳化組成物は、ピッカリングエマルションの安定性の観点から、界面活性剤を少量しか含まない又は実質的に含まないことが好ましい。本発明の水中油型乳化組成物中の界面活性剤の含有割合は、特に限定されないが、本発明の水中油型乳化組成物100質量%に対して、0.01質量%以下(例えば、0〜0.01質量%)であることが好ましく、より好ましくは0.008質量%以下、特に好ましくは0質量%である。上記含有割合が0.01質量%以下であると、成分(A)により形成されたO/W型のピッカリングエマルションがより安定的に存在することができる。また、本発明の水中油型乳化組成物を化粧料組成物として使用する場合、塗布時のべたつき、ぬるつき、皮膚への刺激を抑制することができ、成分(A)を用いることによる肌のさらさら感を向上させる。
上記界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグリシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸及びその塩、N−アシルサルコシン及びその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有第3級アミン塩などのアミン塩、モノアルキル型第4級アンモニウム塩、ジアルキル型第4級アンモニウム塩、トリアルキル型第4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型第4級アンモニウム塩などのアルキル第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などの環式第4級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルグリシン塩などのグリシン型両性界面活性剤、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩などのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物は、多価アルコールを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。上記多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどが挙げられる。本発明の水中油型乳化組成物中の多価アルコールの含有割合は、ピッカリングエマルションの安定性の観点から、成分(B)及び成分(C)の合計100質量部に対して、10.0質量部以下(例えば、0〜10.0質量部)が好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、水溶性増粘剤を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。上記水溶性増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガムなどが挙げられる。本発明の水中油型乳化組成物中の水溶性増粘剤の含有割合は、使用性の観点から、成分(B)及び成分(C)の合計100質量部に対して、0〜10.0質量部が好ましく、より好ましくは0.005〜5.0質量部である。
本発明の水中油型乳化組成物は、ピッカリングエマルションの安定性の観点から、炭素数が12〜22の脂肪族アルコール(所謂、高級アルコール)、炭素数10〜22の脂肪酸(所謂、高級脂肪酸)を少量しか含まない又は実質的に含まないことが好ましい。本発明の水中油型乳化組成物中の炭素数が12〜22の脂肪族アルコール及び炭素数10〜22の脂肪酸の含有割合(合計の含有割合)は、特に限定されないが、本発明の水中油型乳化組成物100質量%に対して、1.0質量%以下(例えば、0〜1.0質量%)が好ましく、より好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0質量%である。
上記炭素数が12〜22の脂肪族アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、2−オクチルドデカノール、オレイルアルコールなどが挙げられる。上記炭素数10〜22の脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物は、安定なO/W型のピッカリングエマルション層を有するため、化粧料組成物として用いることが好ましい。化粧料組成物として用いた場合、特に限定されないが、下記の効果などを発揮することもできる。例えば、本発明の水中油型乳化組成物である化粧料組成物は、界面活性剤層を有する化粧料や油中水型のエマルションを有するものとは異なり、油分のべたつきを粉体でマスキングでき、塗布時のべたつきやぬるつきを抑制することができる。また、成分(A)を用いることにより肌のさらさら感に優れ、きしみ感がない。また、乳化剤を使用しないため、本発明の水中油型乳化組成物を化粧料として肌や毛髪に使用した場合、肌や毛髪上で汗などの水分により再乳化して流れ落ちることがほぼなく、化粧料の持ちが長い。
本発明の水中油型乳化組成物は、特に限定されず、公知乃至慣用の方法により製造することができる。例えば、上記各成分を混合し、ホモミキサー、パドルミキサーなどで攪拌して製造することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、ピッカリングエマルションを形成するための粉体として親水化表面処理を施したシリコーン粉体[成分(A)]と、電解質[成分(B)]、水[成分(C)]、及び特定の油性成分[成分(D)]を必須成分として含み、成分(B)及び成分(C)の合計に対する上記成分(B)の質量割合が0.5〜10.0質量%であり、エタノールを含まないか、又は、成分(C)100質量部に対するエタノールの含有量を5.0質量部以下にすることで、安定なO/W型のピッカリングエマルションを形成することができる。これは、水相中のエタノール量や成分(D)により、水相及び油相の極性を適正に制御することで、成分(A)の水相及び油相への濡れ性のバランスが適正なものなり、安定なO/W型のピッカリングエマルションを形成できるためと推測される。
本発明の水中油型乳化組成物の用途としては、特に限定されないが、例えば、デオドラント剤、サンスクリーン、顔用のローション、オイルコントロールローションなどが挙げられる。中でも、本発明の水中油型乳化組成物は、電解質を高配合でき、且つロングラスティング性にも優れることから、デオドラント剤やサンスクリーンがより好ましい。また、本発明の水中油型乳化組成物は、化粧品、医薬部外品、医薬品、雑貨の何れの形態であってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、表に記載の配合量は、各成分の配合量(すなわち、各原料中の有効成分の配合量。所謂純分)であり、特記しない限り「質量%」で表す。
実施例1〜7、比較例1〜5
表に記した各成分(成分(A)〜(D)など)を用い、実施例及び比較例の各組成物を常法により調製した。
表に記載の主な成分は、以下の通りである。
<成分(A)>
親水化表面処理を施したシリコーン粉体:商品名「EP−9801 Hydro Cosmetic Powder」(シリカで表面を被覆した(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー)、東レ・ダウコーニング株式会社製
<成分(B)>
クロルヒドロキシアルミニウム:商品名「PAC#1000」、多木化学株式会社製
<成分(D)>
流動パラフィン:商品名「CARNATION#70」、Sonneborn社製
トリ2−エチルへキサン酸グリセリル:商品名「エキセパールTGO」、花王株式会社製
パルミチン酸エチルヘキシル:商品名「コーヨーPOC」、交洋ファインケミカル株式会社製
ジメチコン:商品名「DOWSIL SH200C Fluid 20cSt」、東レ・ダウコーニング株式会社製
イソステアリン酸PG:商品名「イソステアリンサンPG」、青木油脂工業株式会社製、イソステアリン酸プロピレングリコール
(評価)
実施例及び比較例で得られた各組成物について以下の通り評価した。評価結果は表に記載した。
(1)エマルション形成
実施例及び比較例で得られた各組成物の性状を目視にて観察し、エマルション形成状態を以下の基準で判定した。
[エマルション形成の判定基準]
O/W:水中油型(O/W型)エマルション層の形成が確認できる。
W/O:油中水型(W/O型)エマルション層の形成が確認できる。
× :エマルションが形成されない。
(2)安定性
実施例及び比較例で得られた各組成物を、容量50mLのスクリュー管に入れ、25℃の環境下で24時間放置した後、各組成物における油相の分離の有無を目視にて観察し、安定性を以下の基準で判定した。なお、油相が分離した場合には、エマルション層の上層に油の層が認められる。
[安定性の判定基準]
○(良好):油相の分離が全く認められないかほとんど認められない。
×(不良):明らかに油相が分離している。
Figure 2020128346
本発明の水中油型乳化組成物(実施例)は、目視でO/W型エマルション層の形成を確認でき、O/W型エマルション層の安定性に優れていた。一方、成分(B)を欠く例(比較例1〜5)は安定性が不良であった。従来、親水性粉体を配合したピッカリングエマルションに、電解質を添加すると系の不安定化を招くことが知られていた。しかし、驚くべきことに、電解質(成分(B))を高配合した実施例のほうが安定性に優れ、むしろ電解質を欠く系(比較例1〜5)のほうが安定性に劣る結果となった。また、成分(D)のIOB値が0.4の比較例2〜3は、エマルションが形成されなかった。さらに、水100質量部に対する該エタノールの含有量が5.0質量部を超える比較例4〜5は、外観観察において、水相が濁っており、油−水界面に成分(A)が吸着できずに脱離し、成分(A)の凝集を認めた。
さらに、以下に、本発明の水中油型乳化組成物の処方例を示す。
処方例1:デオドラント乳液 (単位:質量%)
シリカで表面を被覆した(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 2.0
精製水 残部
流動パラフィン 10.0
オクタン酸セチル 5.0
イソプロピルメチルフェノール 0.1
クロルヒドロキシアルミニウム 5.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.1
キサンタンガム 0.1
結晶セルロース 3.0
メチルパラベン 0.2
フェノキシエタノール 0.2
L−メントール 0.1
合 計 100

Claims (3)

  1. 下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、及び下記成分(D)を含有し、
    前記成分(B)及び前記成分(C)の合計に対する前記成分(B)の質量割合が0.5〜10.0質量%であり、
    エタノールを含まないか、又は、前記成分(C)100質量部に対するエタノールの含有量が5.0質量部以下である、水中油型乳化組成物。
    成分(A):親水化表面処理を施したシリコーン粉体
    成分(B):電解質
    成分(C):水
    成分(D):炭化水素油、エステル油、シリコーン油、及び植物油からなる群より選択される1以上の油性成分
  2. 前記成分(D)のIOB値が0〜0.35である請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
  3. 界面活性剤の含有割合が0.01質量%以下である請求項1又は2に記載の水中油型乳化組成物。
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