JP2020126244A - 光変調装置及び光変調方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】空間光変調器の変調効果を高める。【解決手段】空間光変調器28と、入射光を2つの光束に偏光分離し、2つの光束の光軸方向を揃えて空間光変調器28の異なる領域に向けて出射し、且つ空間光変調器28で変調された2つの光束を合成して出射する光束分離合成手段42と、2つの光束が互いに異なる位置に集光するように、空間光変調器28に呈示させるホログラムパターンを2つの光束が空間光変調器28に照射される領域毎に独立して設定する制御部50と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、被加工物の内部に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、被加工物の切断予定ラインに沿って被加工物の内部に改質領域を形成するレーザー加工装置及びレーザー加工方法に関するものである。
従来より、被加工物の内部に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、被加工物の切断予定ラインに沿って被加工物の内部に改質領域を形成するレーザー加工装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたレーザー加工装置では、被加工物に対してレーザー光を照射しつつ切断予定ラインに沿って相対移動させる際、被加工物内において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光の相対移動方向に沿って離れた2つの位置にレーザー光を同時に集光させて一対の改質領域を同時形成する。これにより、1本の切断予定ラインについて被加工物の内部に2列の改質領域を1スキャンで形成することが可能となる。
しかしながら、特許文献1に記載されたレーザー加工装置では、上述したように、一対の改質領域を同時形成する際、被加工物内において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光の相対移動方向に沿って離れた2つの位置にレーザー光を同時に集光させるため、被加工物内において厚さ方向に並ぶ2つの改質領域同士は互いに異なるタイミングで形成される。そのため、厚さ方向に並ぶ2つの改質領域から発生した亀裂同士が繋がり難く、被加工物の切断精度が良くないといった問題点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、被加工物を切断予定ラインに沿って精度よく切断することができるレーザー加工装置及びレーザー加工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、以下の発明を提供する。
本発明の第1態様に係るレーザー加工装置は、被加工物の内部に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、被加工物の切断予定ラインに沿って被加工物の内部に改質領域を形成するレーザー加工装置であって、レーザー光を出力するレーザー光源と、レーザー光を変調する空間光変調器と、レーザー光を被加工物の内部に集光する集光レンズと、被加工物に対してレーザー光を切断予定ラインに沿って相対移動させる相対移動手段と、レーザー光源から出力されたレーザー光を互いの偏光方向が直交する2つの偏光光束に偏光分離し、2つの偏光光束の偏光方向を揃えて空間光変調器の異なる領域に向けて出射し、且つ空間光変調器で変調された2つの偏光光束を合成して集光レンズに向けて出射する光束分離合成手段と、被加工物の内部において被加工物の厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光の相対移動方向に互いに等しい少なくとも2つの位置にレーザー光が集光レンズにより集光されて改質領域が形成されるように、空間光変調器に呈示させるホログラムパターンを2つの偏光光束が空間光変調器に照射される領域毎に制御する制御部と、を備える。
本発明の第2態様に係るレーザー加工装置は、第1態様において、光束分離合成手段は、レーザー光源から出力されたレーザー光を互いの偏光方向が直交する2つの偏光光束に偏光分離する偏光ビームスプリッターと、偏光ビームスプリッターで偏光分離された2つの偏光光束のうちいずれか一方の偏光光束の光路が他方の偏光光束の光路と平行となるように、一方の偏光光束を反射する全反射プリズム又はミラーと、全反射プリズム又はミラーと空間光変調器との間に配置され、全反射プリズム又はミラーで反射した一方の偏光光束の偏光方向を他方の偏光光束の偏光光束の偏光方向に変換して出射するλ/2波長板と、を備える。
本発明の第3態様に係るレーザー加工装置は、第1態様又は第2態様において、光束分離合成手段は、2つの偏光光束の間に発生する幾何光学的な光路長差を少なくする光路長補正光学系を備える。
本発明の第4態様に係るレーザー加工方法は、被加工物の内部に集光点を合わせてレーザー光を照射することにより、被加工物の切断予定ラインに沿って被加工物の内部に改質領域を形成するレーザー加工方法であって、レーザー光源から出力されたレーザー光を変調する変調工程と、空間光変調器で変調されたレーザー光を集光レンズにより被加工物の内部に集光する集光工程と、被加工物に対してレーザー光を切断予定ラインに沿って相対移動させる相対移動工程と、被加工物の内部において被加工物の厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光の相対移動方向に互いに等しい少なくとも2つの位置にレーザー光が集光レンズにより集光されて改質領域が形成されるように制御する制御工程と、レーザー光源から出力されたレーザー光を互いの偏光方向が直交する2つの偏光光束に偏光分離し、2つの偏光光束の偏光方向を揃えて空間光変調器の異なる領域に向けて出射し、且つ空間光変調器で変調された2つの偏光光束を合成して集光レンズに向けて出射する光束分離合成工程と、を備え、制御工程は、空間光変調器に呈示させるホログラムパターンを2つの偏光光束が空間光変調器に照射される領域毎に制御する。
本発明の第5態様に係るレーザー加工方法は、第4態様において、光束分離合成工程は、レーザー光源から出力されたレーザー光を互いの偏光方向が直交する2つの偏光光束に偏光分離する偏光分離工程と、偏光分離工程で偏光分離された2つの偏光光束のうちいずれか一方の偏光光束の光路が他方の偏光光束の光路と平行となるように、一方の偏光光束を反射する反射工程と、反射工程で反射した一方の偏光光束の偏光方向を他方の偏光光束の偏光光束の偏光方向に変換する変換工程と、変換工程で偏光方向が変換された一方の偏光光束と、他方の偏光光束とを空間光変調器に向けて出射する出射工程と、を備える。
本発明の第6態様に係るレーザー加工方法は、第4態様又は第5態様において、光束分離合成工程は、2つの偏光光束の間に発生する幾何光学的な光路長差を少なくする光路長補正工程を備える。
本発明によれば、被加工物を切断予定ラインに沿って精度よく切断することができる。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について詳説する。
図1は、本発明の一実施形態に係るレーザー加工装置の概略を示した構成図である。図1に示すように、本実施形態のレーザー加工装置1は、主として、ステージ11と、レーザーエンジン(光学系ユニット)20と、制御部50とを備えている。なお、本実施形態では、レーザーエンジン20と制御部50とが別々に構成される場合を例示したが、この構成に限らず、レーザーエンジン20は制御部50の一部又は全部を含んでいてもよい。
ステージ11は、被加工物を吸着保持するものである。ステージ11は、図示しないステージ移動機構を含んで構成され、ステージ移動機構によりXYZθ方向に移動可能に構成される。ステージ移動機構としては、例えば、ボールねじ機構、リニアモータ機構等の種々の機構にて構成することができる。なお、図1においては、XYZの3方向は互いに直交し、このうちX方向およびY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。また、θ方向は、鉛直方向軸(Z軸)を回転軸とする回転方向である。ステージ11は、本発明の相対移動手段の一例である。
本実施形態では、被加工物として、シリコンウェーハ等の半導体ウェーハ(以下、「ウェーハ」という。)Wが適用される。ウェーハWは、格子状に配列された切断予定ラインによって複数の領域に区画され、この区画された各領域に半導体チップを構成する各種デバイスが形成されている。なお、本実施形態においては、被加工物としてウェーハWを適用した場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ガラス基板、圧電セラミック基板、ガラス基板なども適用することができる。
ウェーハWは、デバイスが形成された表面(デバイス面)に粘着材を有するバックグラインドテープ(以下、BGテープ)が貼付され、裏面が上向きとなるようにステージ11に載置される。ウェーハWの厚さは、特に制限はないが、典型的には700μm以上、より典型的には700〜800μmである。
なお、ウェーハWは、一方の面に粘着材を有するダイシングテープが貼付され、このダイシングテープを介してフレームと一体化された状態でステージ11に載置されるようにしてもよい。
レーザーエンジン20は、主として、レーザー光源22、空間光変調器28、集光レンズ38等を備えている。
レーザー光源(IRレーザー光源)22は、制御部50の制御に従って、ウェーハWの内部に改質領域を形成するための加工用のレーザー光Lを出力する。レーザー光Lの条件としては、例えば、光源が半導体レーザー励起Nd:YAGレーザー、波長が波長:1.1μm、レーザー光スポット断面積が3.14×10−8cm2、発振形態がQスイッチパルス、繰り返し周波数が80〜200kHz、パルス幅が180〜370ns、出力が8Wである。
空間光変調器28は、位相変調型のものであり、レーザー光源22から出力されたレーザー光Lを入力し、2次元配列された複数の画素それぞれにおいてレーザー光Lの位相を変調する所定のホログラムパターンを呈示して、その位相変調後のレーザー光Lを出力する。これにより、詳細を後述するように、レーザー光Lを照射しつつ切断予定ラインに沿って相対移動させる際、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光Lの相対移動方向に互いに等しい2つの位置にレーザー光Lが同時に集光される。
空間光変調器28としては、例えば、反射型液晶(LCOS:Liquid Crystal on Silicon
)の空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)が用いられる。空間光変調器28の動作、及び空間光変調器28で呈示されるホログラムパターンは、制御部50によって制御される。なお、空間光変調器28の具体的な構成については既に公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
)の空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)が用いられる。空間光変調器28の動作、及び空間光変調器28で呈示されるホログラムパターンは、制御部50によって制御される。なお、空間光変調器28の具体的な構成については既に公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図2及び図3は、空間光変調器28及びその周辺部の構成を示した図であり、図2は図1と同一方向から見た図であり、図3は図1の矢印A方向から見た図である。図4は、空間光変調器28で呈示されるホログラムパターンの一例を示した図である。
本実施形態では、図2及び図3に示すように、空間光変調器28の手前に光束分離合成手段42が配置されている。光束分離合成手段42は、レーザー光源22から出力されたレーザー光Lを互いの偏光方向が直交する2つの偏光光束に偏光分離して空間光変調器28に向けて出射するとともに、空間光変調器28で変調された2つの偏光光束を合成して同一方向に向けて出射するものである。また、光束分離合成手段42は、空間光変調器28に照射される2つの偏光光束の光路を平行且つそれらの偏光方向を揃えた状態で、2つの偏光光束を空間光変調器28に導くものである。
光束分離合成手段42の構成について詳しく説明すると、光束分離合成手段42は、偏光ビームスプリッター44と、全反射プリズム又はミラー46と、λ/2波長板48とを備えている。
偏光ビームスプリッター44は、レーザー光源22からのレーザー光Lを互いの偏光方向が直交する2つの偏光光束(第1偏光光束と第2偏光光束)に偏光分離する。本実施形態における偏光ビームスプリッター44では、一例として、第1偏光光束(P偏光光束)を透過し、第2偏光光束(S偏光光束)を反射する。なお、第1偏光光束が本発明の「他方の偏光光束」に相当し、第2偏光光束が本発明の「一方の偏光光束」に相当する。
偏光ビームスプリッター44を透過した第1偏光光束(P偏光光束)は、その進行方向を変えずに空間光変調器28に向けて出射される。
偏光ビームスプリッター44で反射した第2偏光光束(S偏光光束)は、その進行方向を90度変えて全反射プリズム又はミラー46に向けて出射される。そして、その第2偏光光束(S偏光光束)は、全反射プリズム又はミラー46でさらに反射され、その進行方向を90度変えて、その光路が上述した第1偏光光束(P偏光光束)の光路と平行にされた状態でλ/2波長板48に向けて出射される。
全反射プリズム又はミラー46で反射した第2偏光光束(S偏光光束)が、λ/2波長板48に入射すると、位相が180度ずれることにより、上述した第1偏光光束(P偏光光束)と同じ偏光方向であるP偏光光束に変換されてλ/2波長板48から空間光変調器28に向けて出射される。
このように本実施形態では、偏光ビームスプリッター44によって、レーザー光源22からのレーザー光Lが互いの偏光方向が直交する2つの偏光光束(第1偏光光束と第2偏光光束)に偏光分離された後、全反射プリズム又はミラー46及びλ/2波長板48によって、2つの偏光光束の光路が平行且つそれらの偏光方向も揃えた状態で空間光変調器28に導かれる。これにより、空間光変調器28に導かれた2つの偏光光束は、空間光変調器28の変調面28aの互いに異なる2つの領域に照射されるので、例えば図4に示すように、空間光変調器28の変調面28aの領域毎(2つの偏光光束の照射領域毎)に異なるホログラムパターン52、54を独立して設定することが可能となる。
なお、図4において上側に示した第1ホログラムパターン52は、偏光ビームスプリッター44で偏光分離された第1偏光光束の位相を変調するための変調パターンであり、集光レンズ38により集光されるレーザー光Lの第1偏光光束の集光位置を第2偏光光束の集光位置とはウェーハWの厚さ方向に異ならせるための集光用ホログラムパターンと、ウェーハWの内部において生じるレーザー光Lの収差を補正するための補正用ホログラムパターンとを重畳させたものである。また、図4において下側に示した第2ホログラムパターン54は、偏光ビームスプリッター44で偏光分離された第2偏光光束の位相を変調するための変調パターンであり、ウェーハWの内部において生じるレーザー光Lの収差を補正するための補正用ホログラムパターンである。なお、第1ホログラムパターン52と第2ホログラムパターン54は逆であってもよい。また、第2ホログラムパターン54は、第1ホログラムパターン52と同様に、集光用ホログラムパターンと補正用ホログラムパターンとを重畳させたものであってもよい。また、補正用ホログラムパターンには、レーザーエンジン20の光学系により発生する収差補正を行うためのパターンを含んでいてもよい。
空間光変調器28に入射した第1偏光光束(P偏光光束)は、空間光変調器28に呈示された第1ホログラムパターン52により変調されると、元の光路を戻って、偏光ビームスプリッター44に戻り、偏光ビームスプリッター44を透過し、集光レンズ38(具体的には、第2ミラー31)に向けて出射される。
λ/2波長板48により偏光方向がS偏光光束からP偏光光束に変換された第2偏光光束は、空間光変調器28に入射すると、空間光変調器28に呈示された第2ホログラムパターン54により変調され、λ/2波長板48を経てS偏光光束に戻り、全反射プリズム又はミラー46で反射し、その進行方向を90度変えて偏光ビームスプリッター44に戻り、偏光ビームスプリッター44でさらに反射し、上述した第1偏光光束と合成されて第1偏光光束の出射方向と同一方向に向けて出射される。
集光レンズ38は、レーザー光LをウェーハWの内部に集光させる対物レンズ(赤外対物レンズ)である。この集光レンズ38の開口数(NA)は、例えば0.65である。
集光レンズ38は、ウェーハWの内部において生じるレーザー光Lの収差を補正するために補正環40を備えている。この補正環40は手動で回転自在に構成されており、補正環40を所定方向に回転させると、集光レンズ38を構成しているレンズ群の間隔が変更され、ウェーハWのレーザー光照射面(裏面)から所定の深さの位置でレーザー光Lの収差が所定の収差以下となるように収差を補正することができる。
なお、補正環40は、図示しない補正環駆動部によって電動で回転されるように構成されていてもよい。この場合、制御部50は、補正環駆動部の動作を制御して、補正環40を回転させることによってレーザー光Lの収差が所望の状態となるように補正を行う。
レーザーエンジン20は、上記構成の他、ビームエキスパンダ24、λ/2波長板26、縮小光学系36等を備えている。
ビームエキスパンダ24は、レーザー光源22から出力されたレーザー光Lを空間光変調器28のために適切なビーム径に拡大する。λ/2波長板26は、空間光変調器28へのレーザー光入射偏光面を調整する。縮小光学系36は、第1のレンズ36a及び第2のレンズ36bからなるアフォーカル光学系(両側テレセントリックな光学系)であり、空間光変調器28で変調されたレーザー光Lを集光レンズ38に縮小投影する。
また、図示を省略したが、レーザーエンジン20には、ウェーハWとのアライメントを行うためのアライメント光学系、ウェーハWと集光レンズ38との間の距離(ワーキングディスタンス)を一定に保つためのオートフォーカスユニット等が備えられている。
制御部50は、レーザー加工装置1の各部の動作を制御する制御装置であり、各種処理を実行するコントローラとして機能するCPU(Central Processing Unit)や、各種情報を記憶するメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を有している。制御部50は、オペレータによって指定された加工情報(加工条件等)に基づいて、レーザー加工装置1の各部(ステージ11やレーザーエンジン20等)の動作を制御することにより、ウェーハWの内部に改質領域を形成するための動作の制御を行う。
また、制御部50は、空間光変調器28の動作を制御し、所定のホログラムパターンを空間光変調器28に呈示させる。ここで、本実施形態では、上述した光束分離合成手段42によって、レーザー光源22からのレーザー光Lを互いの偏光方向が直交する2つの偏光光束(第1偏光光束と第2偏光光束)に偏光分離し、2つの偏光光束の光路が平行且つそれらの偏光方向も揃えた状態で空間光変調器28に入射するように構成されているので、制御部50は、空間光変調器28に入射する2つの偏光光束の照射領域毎に異なるホログラムパターンを独立して設定するようになっている。具体的には、制御部50は、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光Lの相対移動方向に互いに等しい2つの位置(第1集光位置及び第2集光位置)にレーザー光Lが集光レンズ38により同時に集光されるように、レーザー光Lを変調するためのホログラムパターン(第1ホログラムパターン52と第2ホログラムパターン54)を2つの偏光光束の照射領域毎に空間光変調器28に呈示させる。なお、ホログラムパターンは、改質領域の形成位置、照射するレーザー光Lの波長、及び集光レンズ38やウェーハWの屈折率等に基づいて予め導出され、制御部50に記憶されている。
レーザー加工装置1はこの他に、図示しないウェーハ搬送手段、操作板、テレビモニタ、及び表示灯等から構成されている。
操作板には、レーザー加工装置1の各部の動作を操作するスイッチ類や表示装置が取り付けられている。テレビモニタは、図示しないCCDカメラで撮像したウェーハ画像の表示、又はプログラム内容や各種メッセージ等を表示する。表示灯は、レーザー加工装置1の加工中、加工終了、非常停止等の稼働状況を表示する。
次に、本発明の一実施形態に係るレーザー加工方法について説明する。このレーザー加工方法は、上述した本実施形態のレーザー加工装置1を用いて実施されるものである。
まず、集光レンズ38に備えられた補正環40を手動(または電動)で回転させることにより、ウェーハWの内部においてレーザー光Lを集光させる位置(改質領域の加工深さ)でレーザー光Lの収差が所定の収差以下となるように収差補正量を調整する。なお、本明細書において、「収差補正量」とは、ウェーハWのレーザー光照射面(裏面)からの深さに換算した値である。すなわち、例えば収差補正量が500μmである場合には、ウェーハWのレーザー光照射面からの深さが500μmの付近位置でレーザー光の収差が最小となることを意味する。例えば、ウェーハWの厚さ(初期厚み)が775μmである場合には、補正環40による収差補正量は500μmに設定されることが好ましい。
このように集光レンズ38の補正環40を用いてレーザー光Lの集光点を合わせる位置の収差が所定の収差以下となるように補正することにより、ウェーハWの厚さが厚い場合でも、ウェーハWの厚さ方向の深い位置にレーザー光Lを効率良く集光させることが可能となる。なお、補正環40を用いて収差補正を行うことが効果的である理由や他の収差補正手段については、本願出願人が出願した特開2016−11315号公報に詳しく記載しているので、ここでは説明を省略する。
なお、本実施形態では、補正環40を用いて収差補正を行っているが、必ずしもこれに限定されず、例えば、補正環40を用いて収差補正を行わなくてもよい。この場合、空間光変調器28を用いて収差補正を行うようにしてもよい。
次に、加工対象となるウェーハWをステージ11に載置した後、図示しないアライメント光学系を用いてウェーハWのアライメントが行われる。
次に、ウェーハWに対してレーザー光Lを照射しつつ切断予定ラインに沿って相対移動させる。なお、レーザー光Lの相対移動は、ウェーハWを吸着保持したステージ11をX方向に加工送りすることにより行われる。
このとき、レーザー光源22から出力されたレーザー光Lは、ビームエキスパンダ24によってビーム径が拡大され、第1ミラー30によって反射され、λ/2波長板26によって偏光方向が変更され、光束分離合成手段42を介して空間光変調器28に入射される。
光束分離合成手段42では、レーザー光源22からのレーザー光Lが互いの偏光方向が直交する2つの偏光光束(第1偏光光束と第2偏光光束)に偏光分離され、2つの偏光光束の光路が平行且つそれらの偏光方向も揃えた状態で空間光変調器28に入射される。
空間光変調器28に入射されたレーザー光Lの2つの偏光光束は、空間光変調器28に呈示された所定のホログラムパターン(第1ホログラムパターン52と第2ホログラムパターン54)に従って変調される。その際、制御部50は、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光Lの相対移動方向M(図5参照)に互いに等しい2つの位置にレーザー光Lが集光レンズ38により同時に集光されるように、レーザー光Lを変調するためのホログラムパターンを2つの偏光光束の照射領域毎に空間光変調器28に呈示させる制御を行う。
空間光変調器28で変調されて出射された2つの偏光光束は、光束分離合成手段42により、合成されて同一方向に向けて出射される。この際、光束分離合成手段42(偏光ビームスプリッター44)から出射される2つの偏光光束は互いの偏光方向が直交している。
このようにして空間光変調器28から光束分離合成手段42を介して出射されたレーザー光L(2つの偏光光束)は、第2ミラー31、第3ミラー32によって順次反射された後、第1のレンズ36aを通過し、さらに第4ミラー33、第5ミラー34によって反射され、第2のレンズ36bを通過し、集光レンズ38に入射される。これにより、空間光変調器28から出射されたレーザー光Lは、第1のレンズ36a、第2のレンズ36bからなる縮小光学系36によって集光レンズ38に縮小投影される。そして、集光レンズ38に入射されたレーザー光Lは、偏光方向が互いに異なる偏光光束毎に、集光レンズ38によりウェーハWの内部において互いに異なる2つの位置に集光される。
図5から図7は、本発明の一実施形態に係るレーザー加工方法を説明するための図である。なお、図5は、ウェーハWの内部にレーザー光Lが集光された状態を示した図である。図6は、図5に示したレーザー光Lの集光位置に改質領域が形成された状態を示した図である。図7は、切断予定ラインに沿ってウェーハWの内部に改質領域が2列形成された状態を示した図である。
図5に示すように、空間光変調器28によって変調されたレーザー光Lは、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光Lの相対移動方向Mに互いに等しい2つの位置(第1集光位置Q1、第2集光位置Q2)に集光レンズ38により同時に集光される。これにより、図6に示すように、2つの集光位置Q1、Q2の近傍には、一対の改質領域P1、P2が形成される。また、一対の改質領域P1、P2が形成されると、それぞれの改質領域P1、P2を起点としてウェーハWの厚さ方向に延びる亀裂(クラック)K1、K2が形成される。したがって、切断予定ラインに沿った1回のスキャンが行われると、図7に示すように、ウェーハWの内部に2列の改質領域P1、P2を形成することができる。なお、一例として、ウェーハWの内部において2つの集光位置Q1、Q2の厚さ方向の間隔は50〜80μmに設定される。
このように、切断予定ラインに沿った1回のスキャンで、ウェーハWの内部に2列の改質領域P1、P2が形成されると、ステージ11がY方向に1ピッチ割り出し送りされ、次の切断予定ラインも同様にして、改質領域P1、P2が形成される。
全てのX方向と平行な切断予定ラインに沿って改質領域P1、P2が形成されると、ステージ11が90°回転され、先程のラインと直交するラインも同様にして全て改質領域P1、P2が形成される。これにより、全ての切断予定ラインに沿って改質領域P1、P2が形成される。
以上のようにして切断予定ラインに沿って改質領域P1、P2が形成された後、図示しない研削装置を用いて、ウェーハWの裏面を研削して、ウェーハWの厚さ(初期厚み)T1を所定の厚さ(最終厚み)T2(例えば、30〜50μm)に加工する裏面研削工程が行われる。
裏面研削工程の後、ウェーハWの裏面にエキスパンドテープ(ダイシングテープ)が貼付され、ウェーハWの表面に貼付されているBGテープが剥離された後、ウェーハWの裏面に貼付されたエキスパンドテープに張力を加えて引き伸ばすエキスパンド工程が行われる。
これにより、ウェーハWのデバイス面(表面)側まで伸展した亀裂(クラック)を起点にしてウェーハWが切断される。すなわち、ウェーハWが切断予定ラインに沿って切断され、複数のチップに分割される。
このように本実施形態では、ウェーハWに対してレーザー光Lを照射しつつ切断予定ラインに沿って相対移動させる際、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光Lの相対移動方向Mに互いに等しい2つの集光位置Q1、Q2にレーザー光Lを集光レンズ38により同時に集光させて改質領域P1、P2を同時形成している。そのため、ウェーハWの内部において厚さ方向に並ぶ2つの改質領域P1、P2同士がほぼ同じタイミングで形成される。これにより、切断予定ラインに沿った1回のスキャンで、ウェーハWの内部に2列の改質領域P1、P2を形成する際に、ほぼ同じタイミングで形成された改質領域P1、P2から発生した亀裂がウェーハWの厚さ方向に連続的に形成されるため、厚さ方向に並ぶ改質領域P1、P2を異なるタイミングで形成する場合に比べて、改質領域P1、P2から発生した亀裂の直線性がよく、ウェーハWの内部に生じた亀裂を効率よく且つ高精度に伸展させることが可能となる。
特に本実施形態では、光束分離合成手段42によって、レーザー光源22からのレーザー光Lを互いの偏光方向が直交する2つの偏光光束に偏光分離し、2つの偏光光束の光路が平行且つそれらの偏光方向も揃えた状態で空間光変調器28に導かれるように構成したので、空間光変調器28に導かれた2つの偏光光束は、空間光変調器28の変調面28aの互いに異なる2つの領域に照射される。これにより、空間光変調器28の変調面28aの領域毎(2つの偏光光束の照射領域毎)に異なるホログラムパターンを独立して設定することが可能となるので、マルチフォーカスや収差補正の機能を効果的に機能させることが可能となる。したがって、レーザー光Lの各光束を集光レンズ38により同時に集光させる場合でも、互いの光束同士が干渉することなく、各光束をそれぞれの集光位置Q1、Q2に集光させることができ、改質領域P1、P2を効率良く形成することができる。
また、本実施形態では、偏光ビームスプリッター44で偏光分離された2つの偏光光束のうち、第1偏光光束は空間光変調器28に直接的に導かれる一方で、第2偏光光束は全反射プリズム又はミラー46及びλ/2波長板48を介して導かれるように構成されているため、第1偏光光束よりも第2偏光光束の方が幾何光学的な光路長が長くなっている。そこで、本実施形態では、2つの偏光光束の幾何光学的な光路長が平均となる位置を集光レンズ38の瞳位置と共役にすることが好ましい。これにより、2つの偏光光束の間に発生する幾何光学的な光路長差による影響を少なくすることができ、実用上問題ない範囲に収めることも可能である。
また、偏光ビームスプリッター44で偏光分離した2つの偏光光束の間に発生する幾何光学的な光路長差を少なくする(理想的には0とする)ために、図8に示すように、第2偏光光束の光路上に光路長補正光学系56(補正プリズム)を配置することが好ましい。屈折率がnの媒質中を光が進行する場合、幾何光学的な光路長は1/nとなる。したがって、光路長補正光学系56の屈折率が大きければ、幾何光学的な光路長がより短くなる。そのため、光路長補正光学系56は、高屈折率ガラス(屈折率1.6以上)で構成されることが好ましい。
また、本実施形態では、光束分離合成手段42が偏光ビームスプリッター44を含む構成としたが、本発明はこれに限らず、他の構成を採用してもよい。
図9は、他の構成例に係る光束分離合成手段42Aの構成を示した図である。図9において、図1と共通又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図9に示した光束分離合成手段42Aは、ケスタープリズム60と、平行平板62と、λ/2波長板64とを備えている。
ケスタープリズム60は、断面正三角形状の正三角柱状とされており、第1面66、第2面68、及び第3面70を有している。このケスタープリズム60は、2つの三角柱状のプリズムを接合することにより構成され、これらのプリズムの接合面には偏光膜が配設されており、その接合面が偏光面72として構成されている。
レーザー光源22からのレーザー光Lがケスタープリズム60の第1面66に入射すると、そのレーザー光Lは偏光面72で第1偏光光束(P偏光光束)と第2偏光光束(S偏光光束)とに偏光分離される。なお、本構成例におけるケスタープリズム60の偏光面72は、第1偏光光束を透過し、かつ第2偏光光束を反射するように構成されている。
偏光面72を透過した第1偏光光束は、第2面68で反射され、第3面70から空間光変調器28に向かって出射される。ケスタープリズム60と空間光変調器28との間の第1偏光光束の光路上には、光路調整用の平行平板62が設けられている。これにより、第3面70から出射された第1偏光光束(P偏光光束)は、平行平板62を介して空間光変調器28に入射する。
一方、偏光面72で反射された第2偏光光束は、第1面66で反射され、第3面70から空間光変調器28に向かって出射される。ケスタープリズム60と空間光変調器28との間の第2偏光光束の光路上には、λ/2波長板64が設けられている。これにより、第3面70から出射された第2偏光光束(S偏光光束)は、λ/2波長板64に入射すると、上述した第1偏光光束(P偏光光束)と同じ偏光方向であるP偏光光束に変換されて空間光変調器28に入射する。
空間光変調器28に入射した第1偏光光束と第2偏光光束は、空間光変調器28の変調面28aの領域毎に呈示されたホログラムパターン52、54(図4参照)により変調されると、それぞれ元の経路を戻って、ケスタープリズム60の偏光面72で第1偏光光束(P偏光光束)と第2偏光光束(S偏光光束)とが合成されて、第1面66からこれらの光束が同一方向に向けて出射される。なお、第1面66から出射される2つの光束の出射方向は、上述した本実施形態と同様に、集光レンズ38(具体的には、第2ミラー31)に向かう方向である。
このように図9に示した光束分離合成手段42Aによれば、上述した本実施形態における光束分離合成手段42と同様に、レーザー光源22からのレーザー光Lが互いの偏光方向が直交する2つの偏光光束(第1偏光光束と第2偏光光束)に偏光分離し、2つの偏光光束の光路が平行且つそれらの偏光方向も揃えた状態で空間光変調器28に導かれるように構成されているので、空間光変調器28に導かれた2つの偏光光束は、空間光変調器28の変調面28aの互いに異なる2つの領域に照射されるので、空間光変調器28の変調面28aの領域毎(2つの偏光光束の照射領域毎)に異なるホログラムパターンを独立して設定することが可能となり、マルチフォーカスや収差補正の機能を効果的に機能させることが可能となる。したがって、上述した本実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、光束分離合成手段42Aによれば、ケスタープリズム60を用いることにより、2つに偏光分離された光束(第1偏光光束と第2偏光光束)の光路長差を一致させることができる。この場合、空間光変調器28に照射される2つの偏光光束の光束像が鏡像関係となるため、空間光変調器28に呈示させる変調パターン(ホログラムパターン)はこのような鏡像関係を考慮する必要がある。
なお、本実施形態では、ウェーハWの内部に生じた亀裂をウェーハWのデバイス面に到達しない位置(好ましくは、ウェーハWのデバイス面の近くの位置)まで伸展させることが好ましい。仮に、ウェーハWの内部に生じた亀裂がウェーハWのデバイス面に到達する位置まで伸展していると、ウェーハWの機械的強度が低下するために、ウェーハWの搬送時にウェーハWが意図せずに切断されてしまうといったハンドリング性の問題が生じやすくなる。一方、ウェーハWの内部に生じた亀裂をウェーハWのデバイス面に到達させないことにより、ウェーハWの機械的強度が向上する。これにより、レーザー加工(改質領域の形成)後の後工程(裏面研削工程等)を行うために、改質領域が形成されたウェーハWを搬送する場合などにおいて、ウェーハWが意図せずに切断されるのを防止することができる。つまり、ウェーハWのハンドリング性を向上させることが可能となる。また、ウェーハWの内部に生じた亀裂をウェーハWのデバイス面の近くの位置まで伸展させることにより、ウェーハWが切断予定ラインに沿って切断されていない未切断の領域が生じることを抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、空間光変調器28から出射されて集光レンズ38で2つの位置に集光されるレーザー光Lの各光束のパワー比が所望の値に調整されることが好ましい。例えば、レーザー光Lの光路上において空間光変調器28の手前(入射側)に配置されたλ/2波長板26を光軸周りに回転させることで、各光束のパワー比を調整することができる。なお、λ/2波長板26を手動で回転操作できるようにしてもよいし、制御部50が、λ/2波長板26に設けた回転機構(モータ等)によりλ/2波長板26の回転角度を制御するようにしてもよい。レーザー光Lの各光束のパワー比を調整することで、ウェーハWの内部に形成される改質領域P1、P2の大きさや亀裂K1、K2の長さを適宜変化させることができ、ウェーハWの切断精度を向上させることが可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、ウェーハWの内部に改質領域P1、P2が形成されるため、例えば、図10に示すように切断予定ラインSが複雑な形状であっても(すなわち、レーザー光Lの相対移動方向に切断予定ラインSが連続して形成されていない場合でも)、ウェーハWに対するレーザー光Lの照射開始位置又は照射終了位置(例えば、図10の破線丸印部分)においても、図7に示すように、ウェーハWの厚さ方向に並ぶ一対の改質領域P1、P2が同時形成される。
ここで、例えば、図11に示すように、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なり、且つレーザー光Lの相対移動方向に沿って離れた2つの集光位置Q1、Q2に集光レンズ38により同時に集光させて改質領域P1、P2を同時形成する場合、ウェーハWに対するレーザー光Lの照射開始位置又は照射終了位置において、図12の符号80で示した領域や符号82で示した領域のように、ウェーハWの厚さ方向に1つの改質領域しか形成されない部分が存在してしまう。この場合、ウェーハWの厚さ方向に亀裂が十分に伸展せずに、ウェーハWのデバイス面において亀裂が蛇行するなど、ウェーハWの切断精度が低下する場合がある。
これに対し、本実施形態では、ウェーハWに対するレーザー光Lの照射開始位置又は照射終了位置においても、他の位置と同様に、ウェーハWの内部に厚さ方向に並ぶ一対の改質領域P1、P2が同時形成されるので、複雑な形状の切断予定ラインが設定されたウェーハWに対しても、ウェーハWの厚さ方向に亀裂を十分に伸展させることができ、ウェーハWの切断精度を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態においては、ウェーハWの内部において厚さ方向に互いに異なる2つの集光位置Q1、Q2にレーザー光Lを集光レンズ38により同時に集光させて改質領域P1、P2を同時に形成する2段加工を行った後、ウェーハWの裏面を研削する裏面研削工程を行い、ウェーハWを個々のチップに分割する方法を採用したが、これに限定されず、例えば、必要に応じてウェーハWの内部においてレーザー光Lを集光させる位置(改質領域の加工深さ)を変えながら複数回レーザー加工を行ってもよい。その際、改質領域の加工深さに応じて、空間光変調器28に呈示させるホログラムパターンに、ウェーハWの内部の収差を補正する補正パターン(この場合は、補正環40による補正を打ち消す方向のパターン)を重畳させることにより、ウェーハWのレーザー光照射面から比較的浅い部分に対しても、適切な収差補正が可能となる。
また、本実施形態では、ウェーハWの内部において互いに異なる2つの位置にレーザー光Lが集光レンズ38で同時に集光されるように空間光変調器28でレーザー光Lの変調を行っているが、レーザー光Lを集光させる位置は2つに限らず、3つ以上であってもよい。
また、本実施形態では、空間光変調器28として、反射型の空間光変調器(LCOS−SLM)を用いたが、これに限定されず、MEMS−SLM又はDMD(デフォーマブルミラーデバイス)等であってもよい。また、空間光変調器28は、反射型に限定されず、透過型であってもよい。更に、空間光変調器28としては、液晶セルタイプ又はLCDタイプ等が挙げられる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
1…レーザー加工装置、11…ステージ、20…レーザーエンジン、22…レーザー光源、24…ビームエキスパンダ、26…λ/2波長板、28…空間光変調器、36…縮小光学系、38…集光レンズ、40…補正環、42…光束分離合成手段、44…偏光ビームスプリッター、46…全反射プリズム又はミラー、48…λ/波長板、50…制御部、52…第1ホログラムパターン、54…第2ホログラムパターン、56…光路長補正光学系、60…ケスタープリズム、62…平行平板、64…λ/2波長板、66…第1面、68…第2面、70…第3面、72…偏光面
Claims (8)
- 空間光変調器と、
入射光を2つの光束に偏光分離し、前記2つの光束の光軸方向を揃えて前記空間光変調器の異なる領域に向けて出射し、且つ前記空間光変調器で変調された前記2つの光束を合成して出射する光束分離合成手段と、
前記2つの光束が互いに異なる位置に集光するように、前記空間光変調器に呈示させるホログラムパターンを前記2つの光束が前記空間光変調器に照射される領域毎に独立して設定する制御手段と、
を備える光変調装置。 - 前記光束分離合成手段は、
前記入射光を互いの偏光方向が直交する2つの光束に偏光分離する偏光ビームスプリッターと、
前記偏光ビームスプリッターで偏光分離された前記2つの光束のうちいずれか一方の光束の光軸が他方の光束の光軸と平行となるように、前記一方の光束を反射する反射部材と、
前記反射部材と前記空間光変調器との間に配置され、前記反射部材で反射した前記一方の光束の偏光方向を前記他方の光束の偏光方向に変換して出射するλ/2波長板と、
を備える、請求項1に記載の光変調装置。 - 前記光束分離合成手段は、前記2つの光束の間に発生する幾何光学的な光路長差を少なくする光路長補正光学系を備える、
請求項1又は2に記載の光変調装置。 - 前記2つの光束のパワー比を調整する調整手段を備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の光変調装置。 - 入射光を2つの光束に偏光分離し、前記2つの光束の光軸方向を揃えて空間光変調器の異なる領域に向けて出射し、且つ前記空間光変調器で変調された前記2つの光束を合成して出射する光束分離合成工程と、
前記2つの光束が互いに異なる位置に集光するように、前記空間光変調器に呈示させるホログラムパターンを前記2つの光束が前記空間光変調器に照射される領域毎に独立して設定する制御工程と、
を備える光変調方法。 - 前記光束分離合成工程は、
前記入射光を互いの偏光方向が直交する2つの光束に偏光分離する偏光分離工程と、
前記偏光分離工程で偏光分離された前記2つの光束のうちいずれか一方の光束の光軸が他方の光束の光軸と平行となるように、前記一方の光束を反射する反射工程と、
前記反射工程で反射した前記一方の光束の偏光方向を前記他方の光束の偏光方向に変換する変換工程と、
前記変換工程で偏光方向が変換された前記一方の光束と、前記他方の光束とを前記空間光変調器に向けて出射する出射工程と、
を備える、請求項5に記載の光変調方法。 - 前記光束分離合成工程は、前記2つの光束の間に発生する幾何光学的な光路長差を少なくする光路長補正工程を備える、
請求項5又は6に記載の光変調方法。 - 前記2つの光束のパワー比を調整する調整工程を備える、
請求項5から7のいずれか1項に記載の光変調方法。
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