JP2020125917A - 変圧器巻線の比較関数の評価方法 - Google Patents

変圧器巻線の比較関数の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定システムが異なっていても、予め測定しておいた変圧器巻線の伝達関数(参照伝達関数)と、異常の診断を行う際に測定した変圧器巻線の伝達関数(診断伝達関数)を的確に比較する。【解決手段】参照伝達関数(○)の周波数A2、A3で、第2補間伝達関数(点線)との距離hに対し、第1補間伝達関数(実線)との距離Hが大きくなって、参照伝達関数(○)に対する一致度が、第1補間伝達関数(実線)よりも第2補間伝達関数(点線)の方が高くなる。周波数がA1よりも低い領域、及び、A5よりも高い領域は、参照伝達関数(○)に対する一致度が高い第1補間伝達関数(実線)を選択し、周波数がA1からA5の間では、参照伝達関数(○)に対する一致度が高い第2補間伝達関数(点線)を選択して比較伝達関数とし、同じ周波数において、参照伝達関数(○)と比較伝達関数とを比較する。異なる測定システムにより測定の周波数刻みが異なっていても、一致度が高くなっている状態で、同じ周波数での伝達関数の状態を比較する。【選択図】 図7

Description

本発明は、変圧器巻線の比較関数の評価方法に関する。
電力用変圧器(変圧器)の巻線異常を外部から検出する手法として、周波数応答解析(FRA:Frequency Response Analysis)が知られている。周波数応答解析(FRA)を用いて変圧器の内部の異常を検出する技術として、巻線に高周波信号を入力し、入力信号の応答状況を外部の計測手段で計測する測定システムを用いる技術が知られている(例えば、特許文献1)。
周波数応答解析(FRA)は、巻線異常がない時に予め測定しておいた伝達関数(参照伝達関数)と、異常の診断を行う際に測定した伝達関数(診断伝達関数)を比較し、その一致の度合いにより巻線異常を診断している。このため、伝達関数の再現性が重要になっている。即ち、巻線に異常が無ければ複数回測定した伝達関数が一致することが重要になっている。
変圧器の寿命に比べて測定システムの寿命は短いことから、長期に亘り使用した変圧器、例えば、使用開始から数十年経過した変圧器の巻線の異常を検出する場合、異なる測定システムを用いることになり、伝達関数の再現性に影響を与える虞があるのが現状である。例えば、測定システム(計測手段)の違いにより、同一周波数で参照伝達関数と診断伝達関数を計測することが不可能になり、参照伝達関数と診断伝達関数を的確に比較できない虞があるのが実情であった。
特開2004−251763号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、測定システムが異なっていても、予め測定しておいた変圧器巻線の伝達関数(参照伝達関数)と、異常の診断を行う際に測定した変圧器巻線の伝達関数(診断伝達関数)を的確に比較することができる変圧器巻線の伝達関数の比較方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の変圧器巻線の伝達関数の比較方法は、変圧器の巻線の伝達関数を測定した診断伝達関数と、予め測定された伝達関数である参照伝達関数とを比較するに際し、所定の周波数範囲における診断伝達関数を複数の補間手法により補間し、複数の補間伝達関数を求め、所定の周波数範囲における参照伝達関数と、複数の補間伝達関数とをそれぞれ比較して、一致する度合いを求め、複数の補間伝達関数のうち一致する度合いが高い補間伝達関数を、診断伝達関数の比較伝達関数とし、診断伝達関数の比較伝達関数を参照伝達関数と比較することを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、所定の周波数範囲で得られた比較伝達関数を標準の伝達関数(参照伝達関数)と比較することで、測定の周波数刻みが異なっていても、同じ周波数で一致の度合いが高い状態で推定された伝達関数を比較伝達関数(診断伝達関数)として参照伝達関数の状態を比較することができる。具体的には、同じ測定周波数での比較伝達関数(診断伝達関数)の伝達関数の値と、参照伝達関数の伝達関数の値を比較して、変圧器の巻線の異常を診断することができる。
このため、測定システムが異なっていても、予め測定しておいた変圧器巻線の伝達関数(参照伝達関数)と、異常の診断を行う際に測定した変圧器巻線の伝達関数(診断伝達関数)を的確に比較することが可能になる。
尚、請求項1に係る本発明の変圧器巻線の伝達関数の比較方法では「所定の周波数範囲における」は、具体的には、「基準周波数窓を1測定周波数(評価する一つの周波数帯)ずらしたもの」、及び、「所定範囲、次の所定範囲、その次の所定範囲を順次ずらしたもの」を含み、「一つの所定の周波数範囲」で「複数の補間を行う」ことも含む。
そして、請求項2に係る本発明の変圧器巻線の伝達関数の比較方法は、請求項1に記載の変圧器巻線の伝達関数の比較方法において、所定の周波数範囲における診断伝達関数を補間する複数の補間手法として、第1補間手法により補間して第1補間伝達関数を求めると共に、所定の周波数範囲における診断伝達関数を第2補間手法により補間して第2補間伝達関数を求め、所定の周波数範囲における参照伝達関数と、第1補間伝達関数、及び、第2補間伝達関数と比較して一致する度合いを求め、参照伝達関数と一致する度合いが高い方の第1補間伝達関数、もしくは、第2補間伝達関数を、所定の周波数範囲における診断伝達関数の比較伝達関数とし、所定の周波数範囲をずらしながら診断伝達関数の比較伝達関数を順次求め、順次求めた診断伝達関数の比較伝達関数を参照伝達関数と比較することを特徴とする。
請求項2に係る本発明では、第1補間手法により補間した第1補間伝達関数、第2補間手法により補間して第2補間伝達関数を参照伝達関数と比較し、参照伝達関数に近い方(一致する度合いが高い方)の第1補間伝達関数、もしくは、第2補間伝達関数を診断伝達関数の比較伝達関数としているので、測定の周波数刻みが異なっていても、一致度合いが高い状態で推定された伝達関数(比較伝達関数)を、同じ周波数での参照伝達関数の状態と比較することができる。
また、請求項3に係る本発明の変圧器巻線の伝達関数の比較方法は、請求項2に記載の変圧器巻線の伝達関数の比較方法において、所定の周波数範囲は、所定の範囲の基準周波数窓であり、基準周波数窓を1測定周波数ステップずつずらしながら診断伝達関数の比較伝達関数を順次求めることを特徴とする。
請求項3に係る本発明では、診断伝達関数の基準周波数窓毎の補間で得られた比較伝達関数を標準の伝達関数(参照伝達関数)と比較することができる。
また、請求項4に係る本発明の変圧器巻線の伝達関数の比較方法は、請求項2もしくは請求項3に記載の変圧器巻線の伝達関数の比較方法において、第1補間伝達関数を求める第1補間手法は、3次スプライン補間であり、第2補間伝達関数を求める第2補間手法は、区分線形補間であることを特徴とする。
請求項4に係る本発明では、3次スプライン補間で得た補間伝達関数を第1補間伝達関数とし、区分線形補間で得た補間伝達関数を第2補間伝達関数とする。
周波数に応じて伝達関数が緩やかに変化している場合、第1補間手法である3次スプライン補間を用いることで、数値的に安定して精度良く第1補間伝達関数を求めることができる。これにより、区分線形補間の第2補間伝達関数伝達関数よりも、3次スプライン補間の第1補間伝達関数の方が、参照伝達関数との一致度合いが高い状態の比較伝達関数(診断伝達関数)になる。
また、周波数に応じて伝達関数に急峻な共振があった場合、第1補間手法である3次スプライン補間では、数値的な振動が発生する可能性があり、第1補間伝達関数の誤差が大きくなり、区分線形補間の第2補間伝達関数の方が参照伝達関数との一致の度合いが高い状態の比較伝達関数(診断伝達関数)になる。
このため、所定の周波数範囲毎(例えば、基準周波数窓毎)に、一致度が高い補間伝達関数(第1補間伝達関数もしくは第2補間伝達関数)を参照伝達関数と比較する比較伝達関数(診断伝達関数)とすることで、周波数に応じて伝達関数に急峻な共振があっても、少ない誤差の状態の比較伝達関数(診断伝達関数)を得ることができ、的確に、参照伝達関数と比較することができる。
本発明の変圧器巻線の伝達関数の比較方法は、測定システムが異なっていても、予め測定しておいた変圧器巻線の伝達関数(参照伝達関数)と、異常の診断を行う際に測定した変圧器巻線の伝達関数(診断伝達関数)を的確に比較することが可能になる。
本発明の一実施例に係る変圧器巻線の伝達関数の比較方法を実施する機器の概略構成図である。 本発明の一実施例に係る変圧器巻線の伝達関数の比較方法の処理行程図である。 本発明の一実施例に係る変圧器巻線の伝達関数の比較方法の処理行程図である。 周波数と伝達関数との関係を概念的に表すグラフである。 周波数と、参照伝達関数、及び、診断伝達関数との関係を表すグラフである。 周波数と、第1補間伝達関数(3次スプライン補間)、及び、第2補間伝達関数(区分線形補間)との関係を表すグラフである。 比較伝達関数を導出する一致度合いを説明するための周波数と伝達関数との関係を表すグラフである。 周波数と伝達関数との関係を表すグラフである。
図1には本発明の一実施例に係る変圧器巻線の伝達関数の比較方法を実施する機器構成の概略状況、図2、図3には本発明の一実施例に係る変圧器巻線の伝達関数の比較方法の処理の行程を示してある。
電力用変圧器(変圧器)の巻線異常を検出する手法として、周波数応答解析(FRA)が知られている。周波数応答解析(FRA)を用いて変圧器の内部の異常を検出する技術として、図1に示すように、変圧器1の巻線に高周波信号を入力し、入力信号の応答状況を計測手段2で計測する測定システム3が用いられる。
周波数応答解析(FRA)は、巻線異常がない時に予め測定しておいた伝達関数(参照伝達関数)と、異常の診断を行う際に測定した伝達関数(診断伝達関数)を比較し、その一致の度合いにより巻線異常を診断する。変圧器1の寿命に比べて測定システム3の寿命は短いことから、長期に亘り使用した変圧器1、例えば、使用開始から数十年経過した変圧器1の巻線の異常を検出する場合、異なる測定システムを用いることになり、伝達関数の再現性に影響を与える虞があった。
本実施例では、図2、図3に示した処理により、異なる測定システムにより測定の周波数刻みが異なっていても、一致度が高くなっている状態で(伝達関数の再現性が高い状態で)、同じ周波数での伝達関数の状態を比較するようにしている。これにより、予め測定しておいた変圧器巻線の伝達関数(参照伝達関数)と、診断を行う際に測定した変圧器巻線の伝達関数(診断伝達関数)が的確に比較できるようになる。
図2に示すように、例えば、使用開始時の変圧器の伝達関数が予め測定されて参照伝達関数とされている。そして、比較対象となる(長期間使用した後の)変圧器の伝達関数が測定されて診断伝達関数とされる。診断伝達関数に対して再現性を悪化させないようにされた比較伝達関数を求める。
参照伝達関数と比較伝達関数を比較することで、伝達関数に急峻な共振があった場合等でも再現性を悪化させないように、比較伝達関数(診断伝達関数)と参照伝達関数の状態が、同じ周波数で比較され、巻線の診断が実施される(巻線診断)。
具体的には、図3に示すように、比較対象となる(長期間使用した後の)変圧器の伝達関数(診断伝達関数)が測定され、所定の周波数範囲である基準周波数窓毎(1測定周波数毎:評価する一つの周波数帯毎)に3次スプライン補間(第1補間手法)と、区分線形補間(第2補間手法)が行われて、第1補間伝達関数と第2補間伝達関数が求められる。
即ち、測定点における1次及び2次の微分値が連続となるように測定点間の補間係数を決定する3次スプライン補間と、測定点同士を直線で結ぶ区分線形補間が行われて、第1補間伝達関数と第2補間伝達関数が求められる。
尚、比較対象となる変圧器の伝達関数(診断伝達関数)の補間は、2つの補間手法によるものに限定されず、3つ以上の補間手法を用いることも可能である。また、2つの補間手法として、3次スプライン補間(第1補間手法)と、区分線形補間(第2補間手法)に限定されない。例えば、エルミート補間等を用いることが可能である。
予め測定された使用開始時の変圧器の伝達関数(参照伝達関数)と、第1補間伝達関数、及び、第2補間伝達関数が比較され、一致の度合いが高い方の第1補間伝達関数、もしくは、第2補間伝達関数が、基準周波数窓毎(1測定周波数毎:評価する一つの周波数帯毎)における比較伝達関数とされる。即ち、所定の周波数で、補間により推定された伝達関数の値が参照伝達関数の値に近い方の第1補間伝達関数、もしくは、第2補間伝達関数が、基準周波数窓毎(1測定周波数毎:評価する一つの周波数帯毎)における比較伝達関数とされる。
そして、基準周波数窓を1測定周波数ステップずつずらしながら比較伝達関数(参照伝達関数との一致の度合いが高い方の第1補間伝達関数、もしくは、第2補間伝達関数)が順次求められる。
図2に示すように、このようにして求められた比較伝達関数(診断伝達関数)が、参照伝達関数と同じ周波数の刻みで比較され、比較の結果(伝達関数の違い)に基づいて、長年使用した変圧器の巻線の状態(異常)を検出する(巻線診断)。
従って、診断伝達関数の基準周波数窓毎の補間で得られた比較伝達関数(参照伝達関数との一致の度合いが高い方の第1補間伝達関数、もしくは、第2補間伝達関数)を標準の伝達関数(参照伝達関数)と比較することで、測定の周波数刻みが異なっていても、一致度が高くなっている状態で、同じ周波数での比較伝達関数(診断伝達関数)と参照伝達関数の状態を比較することができる。
このため、測定システムが異なっていても、予め測定しておいた変圧器巻線の伝達関数(参照伝達関数)と、異常の診断を行う際に測定した変圧器巻線の伝達関数(診断伝達関数)を的確に比較することが可能になる。
図4から図8に基づいて、比較伝達関数(診断伝達関数)の導出の状況と、同じ周波数での比較伝達関数(診断伝達関数)と参照伝達関数との比較の状況を、更に、具体的に説明する。
図4には周波数と、参照伝達関数、及び、診断伝達関数との関係を概念的に表したグラフ、図5には参照伝達関数、及び、診断伝達関数を比較するためのグラフであり、図5(a)は周波数と参照伝達関数の関係を表し、図5(b)は周波数と診断伝達関数の関係で、1周波数ステップずつずらして数値指標を演算する手法の概念(基準周波数窓手法の概念)を表してある。
また、図6(a)には、診断伝達関数に対し3次スプライン補間を行った第1補間伝達関数の概念を表したグラフ、図6(b)には診断伝達関数に対し区分線形補間を行った第2補間伝達関数の概念を表したグラフ、図7には参照伝達関数、及び、第1補間伝達関数、第2補間伝達関数の状況に基づいて一致度合いを決定するためのグラフを示してある。
そして、図8には参照伝達関数と比較伝達関数(参照伝達関数との一致の度合いが高い方の第1補間伝達関数、もしくは、第2補間伝達関数)との関係を示してあり、図8(a)は周波数と参照伝達関数の関係(図5(a)と同じグラフ)、図8(b)は周波数と比較伝達関数との関係である。
図4に示すように、例えば、使用開始時の変圧器の伝達関数が予め測定され、参照伝達関数(○印:実測)とされる。そして、比較対象となる(長期間使用した後の)変圧器の伝達関数が測定され、診断伝達関数(■印:実測)とされる。
測定システムの違いにより、参照伝達関数が測定された周波数(○印)と、診断伝達関数が測定された周波数(■印)の刻みが異なっていることがある。即ち、参照伝達関数(○印)の周波数刻みが、A0、A1、A2、A3、A4・・となり、診断伝達関数(■印)の周波数刻みが、S0、Sa、Sb、Sc、Sd・・となっていることがある。
使用開始時の変圧器の伝達関数と、長期間使用した後の変圧器の伝達関数とを比較して巻線の診断を行う場合、参照伝達関数の周波数(○印)に対して、同じ周波数刻みに対応する周波数A(A1、A2、A3、A4・・・)における診断伝達関数(□印)を推定して、長期間使用した後の変圧器の伝達関数を評価する必要がある。
診断伝達関数(□印)を的確に推定することで、計測システムが異なって測定の周波数刻みが異なっていても、参照伝達関数(○印)に対して同じ周波数刻みに対応する周波数Aで診断伝達関数(□印)を的確に評価することができる。
診断伝達関数(□印)を的確に推定するための具体例、即ち、図3に示した、比較伝達関数を導出する状況を具体的に説明する。
図5(a)に○印で示すように、変圧器の使用開始時には、例えば、周波数A・・A1、A2、A3、A4で伝達関数が計測される(参照伝達関数)。そして、図5(b)に■印で示すように、使用開始から、例えば、数十年経過した変圧器の伝達関数が計測される(診断伝達関数)。そして、基準周波数窓(1測定周波数:評価する一つの周波数帯毎)S毎に、診断伝達関数に対して、3次スプライン補間(第1補間手法)と、区分線形補間(第2補間手法)が実施される。これにより、第1補間伝達関数と第2補間伝達関数が求められる。
つまり、図6(a)に示すように、図5(b)に示した診断伝達関数に対して、3次スプライン補間で求められた第1補間伝達関数が得られる(■印:S)。また、図6(b)のように、図5(b)に示した診断伝達関数に対して、区分線形補間で求められた第2補間伝達関数が得られる(■印:S)。
そして、図7に示すように、図5(a)に示した参照伝達関数(○印、太実線:A、A1、A2、A3、A4、A5・・)と、図6(a)に示した第1補間伝達関数(■印、実線:S、Sa、Sb、Sc、Sd・・)と、図6(b)に示した第2補間伝達関数(■印、点線:S、Sa、Sb、Sc、Sd・・)とを重ね合わせる。重ね合わせて、参照伝達関数(○印、太実線)に対して、第1補間伝達関数(■印、実線)、もしくは、第2補間伝達関数(■印、点線)のどちらの方が一致している度合いが高いか評価する。
尚、図7には、説明の便宜上、図6(a)に示した第1補間伝達関数(■印、実線)と、図6(b)示した第2補間伝達関数(■印、点線)とを、基準周波数窓(1測定周波数:評価する一つの周波数帯毎)S毎にそれぞれ重ね合わせた状態を、一括で重ね合わせた状態の概念のグラフとして示してある。
例えば、周波数がA1までは、参照伝達関数(○印、太実線)、及び、診断伝達関数は略一定の状態で変化しているため、区分線形補間を行った第2補間伝達関数(■印、点線)よりも、3次スプライン補間を行った第1補間伝達関数(■印、実線)の方が、参照伝達関数(○印、太実線)に近似し、一致度合いが高くなっている。
例えば、診断伝達関数が周波数Sbで急激に低下した状態の場合、周波数A2では、参照伝達関数(○印、太実線)は、第2補間伝達関数(■印、点線)との距離hに対し、第1補間伝達関数(■印、実線)との距離Hが大きくなる。即ち、周波数A2では、参照伝達関数(○印、太実線)に対する一致度合いが、第1補間伝達関数(■印、実線)よりも第2補間伝達関数(■印、点線)の方が高くなっている。
そして、周波数A3、A4でも、参照伝達関数(○印、太実線)は、第2補間伝達関数(■印、点線)との距離hに対し、第1補間伝達関数(■印、実線)との距離Hが大きくなる。即ち、周波数A3、A4でも、参照伝達関数(○印、太実線)に対する一致度合いが、第1補間伝達関数(■印、実線)よりも第2補間伝達関数(■印、点線)の方が高くなっている。
周波数がA5よりも高い領域では、参照伝達関数(○印、太実線)、及び、診断伝達関数は略一定の状態で変化しているため、区分線形補間を行った第2補間伝達関数(■印、点線)よりも、3次スプライン補間を行った第1補間伝達関数(■印、実線)の方が、参照伝達関数(○印、太実線)に近似し、一致度合いが高くなっている。
このため、例えば、周波数がA1よりも低い領域、及び、A5よりも高い領域は、参照伝達関数(○印、太実線)に対する一致度合いが高い第1補間伝達関数(■印、実線)を選択し、周波数がA1からA5の間では、参照伝達関数(○印、太実線)に対する一致度合いが高い第2補間伝達関数(■印、点線)を選択して比較伝達関数としている。
上記実施例では、図6(a)に示した第1補間伝達関数(■印、実線)と、図6(b)示した第2補間伝達関数(■印、点線)とを重ね合わせた状態のグラフを、一括して一つの図として図7を用いて示したが、例えば、基準周波数窓(1測定周波数:評価する一つの周波数帯毎)S毎に、第1補間伝達関数(■印、実線)と第2補間伝達関数(■印、点線)とを一括で重ね合わせ、基準周波数窓(1測定周波数:評価する一つの周波数帯毎)S毎に、一致度合いが高い第1補間伝達関数もしくは第2補間伝達関数を比較伝達関数として、基準周波数窓(1測定周波数:評価する一つの周波数帯毎)S毎に、図7に示した状態のグラフとして、それぞれ示して評価することができる。
参照伝達関数(○印)と比較伝達関数(■印)との関係を図8に示してある。図8(a)は、図5(a)に示した参照伝達関数(○印)であり、図8(b)は、図7で求めた比較伝達関数(■印)である。
数十年経過した変圧器の伝達関数と、使用開始時の変圧器の伝達関数とを適切に比較する場合、同じ周波数の刻みで伝達関数を比較することが好適である。このため、例えば、周波数がA、・・・、A1、A2、A3、A4、A5での比較伝達関数の読み込み値(□印:図7参照)を、使用開始から数十年経過した変圧器の伝達関数と類推する。
そして、周波数がA、・・・、A1、A2、A3、A4、A5における参照伝達関数(○印)の値と、周波数がA、・・・、A1、A2、A3、A4、A5で推定した比較伝達関数(□印:図7参照)の読み込み値とを比較する。これにより、同じ周波数の刻みでの比較伝達関数が比較される。このため、測定の周波数刻みが異なっていても、参照伝達関数(○印)に対して同じ周波数刻みに対応する周波数A、・・・、A1、A2、A3、A4、A5で適切に類推された伝達関数(比較伝達関数:□印:図7参照)を比較することができる。
従って、上述した変圧器巻線の伝達関数の比較方法では、測定システムが異なっていても、予め測定しておいた変圧器巻線の伝達関数(参照伝達関数:○印)と、異常の診断を行う際に測定した変圧器巻線の伝達関数(診断伝達関数:比較伝達関数:□印:図7参照)を同じ周波数の刻みで的確に比較することが可能になる。この結果、使用開始時の変圧器に対して、使用開始から数十年経過した変圧器の伝達関数を的確に比較して、巻線に異常が有るか無いかを適切に評価することができる。
尚、参照伝達関数に対する第1補間伝達関数、第2補間伝達関数の一致の度合いを評価する数値指標として、相互相関係数を用いることができる。また、所定の周波数範囲は、測定周波数毎の基準周波数窓に限定されず、決められた周波数の幅(例えば、10Hz以上100Hz未満、100Hz以上500Hz未満、500Hz以上1000Hz未満・・・等)に設定することも可能である。
1 変圧器
2 計測手段
3 測定システム

Claims (4)

  1. 変圧器の巻線の伝達関数を測定した診断伝達関数と、予め測定された伝達関数である参照伝達関数とを比較するに際し、
    所定の周波数範囲における診断伝達関数を複数の補間手法により補間し、複数の補間伝達関数を求め、
    所定の周波数範囲における参照伝達関数と、複数の補間伝達関数とをそれぞれ比較して、一致する度合いを求め、
    複数の補間伝達関数のうち一致する度合いが高い補間伝達関数を、診断伝達関数の比較伝達関数とし、
    診断伝達関数の比較伝達関数を参照伝達関数と比較する
    ことを特徴とする変圧器巻線の伝達関数の比較方法。
  2. 請求項1に記載の変圧器巻線の伝達関数の比較方法において、
    所定の周波数範囲における診断伝達関数を補間する複数の補間手法として、
    第1補間手法により補間して第1補間伝達関数を求めると共に、所定の周波数範囲における診断伝達関数を第2補間手法により補間して第2補間伝達関数を求め、
    所定の周波数範囲における参照伝達関数と、第1補間伝達関数、及び、第2補間伝達関数と比較して一致する度合いを求め、
    参照伝達関数と一致する度合いが高い方の第1補間伝達関数、もしくは、第2補間伝達関数を、所定の周波数範囲における診断伝達関数の比較伝達関数とし、
    所定の周波数範囲をずらしながら診断伝達関数の比較伝達関数を順次求め、
    順次求めた診断伝達関数の比較伝達関数を参照伝達関数と比較する
    ことを特徴とする変圧器巻線の伝達関数の比較方法。
  3. 請求項2に記載の変圧器巻線の伝達関数の比較方法において、
    所定の周波数範囲は、所定の範囲の基準周波数窓であり、
    基準周波数窓を1測定周波数ステップずつずらしながら診断伝達関数の比較伝達関数を順次求める
    ことを特徴とする変圧器巻線の伝達関数の比較方法。
  4. 請求項2もしくは請求項3に記載の変圧器巻線の伝達関数の比較方法において、
    第1補間伝達関数を求める第1補間手法は、3次スプライン補間であり、
    第2補間伝達関数を求める第2補間手法は、区分線形補間である
    ことを特徴とする変圧器巻線の伝達関数の比較方法。
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